説明

軽量コンクリート組成物

【課題】10〜90体積%のセメント組成物と、平均粒径0.2mm〜8mm、バルク密度0.03g/cc〜0.64g/cc、アスペクト比1〜3を有する 10〜90体積%の粒子と、10〜50体積%の砂および/または他の細骨材であって、該砂および/または細骨材の少なくとも一部分は、2未満の粗粒率を有する、砂および/または細骨材とを含む、軽量セメント質組成物であって、使用される成分の合計は、100体積%を超えることがなく、該軽量セメント質組成 物は、7日間にわたって固化された後に、ASTM C39に従って試験されたときに、少なくとも1700psiの圧縮強度を有する、軽量セメント質組成物を提供すること。
【解決手段】該セメント質組成物は、コンクリートブロックユニット、建造物パネル、路床、および他の物品を作成するために使用され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本出願は、米国仮特許出願第60/664,230号(2005年3月22日出願、発明の名称「Light Weight Concrete Composite Using EPS Beads」)、および同第60/686,858号(2005年6月2日出願、発明の名称「Lightweight Compositions and Materials」)の優先権の利益を主張するものである。
【0002】
(発明の背景)
(1.発明の分野)
本発明は、一般に、建設・建築業で素材として有用である新たな組成物、材料、それらの使用方法、およびそれらの製造方法に向けられる。より具体的には、本発明の複合材は、高強度と、しばしば改善された断熱特性とを有する比較的軽量、伸縮可能、成形可能、注入可能である材料からの恩恵を享受する建設・建築での用途に使用され得る。
【背景技術】
【0003】
(2.従来技術の説明)
軽量セメント質材料、例えば、いわゆる軽量コンクリートの調製および使用の分野において、今までの業界で利用可能であった材料は、強度を有するが、軽量なコンクリート塊を達成するために、様々な構成成分の追加を、一般的に要求されてきた。このコンクリート塊は、構成成分の良好な均質性を有し、その塊の全体にわたって均一に結合される。
【0004】
特許文献1〜3は、セメント、一次骨材、微粒状発泡スチレンポリマ、ならびに均質化剤および/または表面活性剤を含むコンクリート混合物を開示している。
【0005】
特許文献4は、コンクリート混合物を型に注ぐ前に、養生する間の熱の影響下で発泡するポリマ材料をそのコンクリート混合物の中に入れ込んで、セル状コンクリートを作成する方法を開示している。ポリマ粒子の形状およびサイズは、クリティカルでない。
【0006】
特許文献5は、水性セメント質混合物からなる軽量セメント質製品を開示している。この水性セメント質混合物は、フライアッシュ、ポルトランドセメント、砂、石灰、および重量節約成分として、50〜2000μmの粒子サイズの範囲と、約1lb/ftの密度とを有する微粉化ポリスチレン粒子を含み得る。この混合物は、基礎壁、屋根タイル、レンガなどのような成形製品の中に、注入され得る。この製品はまた、石工のモルタル、プラスタ、スタッコ、またはテキスチャとしても使用され得る。
【0007】
特許文献6は、ポルトランドセメントおよび軽量骨材を含む軽量コンクリートを開示している。この軽量骨材の一部または全部として、発泡ポリスチレン、パーライト、またはバーミキュライトのような軽量骨材である。発泡ポリスチレンは、粒径0.1〜10mmおよび比重0.01〜0.08を有する。
【0008】
特許文献5、7、8は、水性混合物からなる軽量セメント質製品を開示している。この水性セメント質混合物は、セメントと、膨張ケツ岩、粘土、スレート、フライアッシュ、および/または石灰と、重量節約成分とを含む。この重量節約成分は、50〜2000μmの範囲の粒子サイズを有する微分化ポリスチレン粒子であり、約0.5%〜50%v/vの範囲の含水量を有することを特徴とする。
【0009】
特許文献9は、ウォールボードパネルなどのような構造ユニット用の軽量組成物を開示している。この軽量組成物は、低密度で膨張可能な熱可塑性グラニュール、石膏のようなセメント質ベースの材料、界面活性剤、この混合物の中に適切な量の空気を入れ込むための起泡剤として機能する添加剤、膜形成成分、およびデンプンを含む。この膨張可能な熱可塑性グラニュールは、できる限り十分に膨張される。
【0010】
特許文献10は、骨材として、合成樹脂発泡体を含み、約1.6〜2の比重を有する水硬性バインダ組成を型に入れることによって、作成される軽量コンクリート屋根用タイルを開示している。
【0011】
特許文献11は、約40%〜99%の有機高分子材料と1%〜約60%の空気連行剤とのブレンドを含む軽量コンクリートを開示している。このブレンドは、ポリスチレン骨材を使用する軽量コンクリートを調整するために使用される。このブレンドは、ポリスチレン骨材を分散させることと、ポリスチレン骨材とその周囲のセメント質バインダとの間の結合を改善することとが、要求される。
【0012】
特許文献12は、軽量セメント質混合物を開示している。この混合物は、5〜80体積%のセメント、10〜65体積%の発泡ポリスチレン粒子、10〜90体積%の膨張鉱物粒子、およびペーストを作成するのに十分な水を含み、適切な混合の後に、発泡ポリスチレンの実質的に均等な分布を有する。
【0013】
特許文献13は、建造用ブロックを開示している。このブロックは、水、セメント、および発泡ポリスチレン(EPS)フォームビーズを含む。このフォームビーズは、68〜95リットル(18〜25ガロン)の水、150〜190kg(325〜425lb)のセメント、850〜1400リットル(30〜50立方フィート)のプレパフ(prepuff)ビーズの比率において、3.18mm(1/8インチ)〜9.53mm(3/8インチ)の直径を有する。
【0014】
特許文献14は、建造用ブロックを開示している。このブロックは、そのブロックの一方または双方の外部表面上にセメントベースの接着層を有し、この表面層は、釘、ネジ、ステープルなどのような貫通留め具を受けて、保持する。一つのセメントベースの層は、水、セメント、および発泡ポリスチレンフォームビーズを、第一の比率で含み、第二の外部表面は、水、セメント、および発泡ポリスチレンフォームビーズを第一の比率とは異なる第二の比率で含む。
【0015】
一般的に、従来技術は、一部の形において、コンクリート組成物に、発泡ポリマを用いる効用は、組成物の全体重量を減らすことであると、認識している。発泡ポリマが、主として、追加され、コンクリートの中で、空間を占め、ボイドを生成し、発泡ポリマ内の「空気空間」の量は、この目的を達成するために、典型的に最大にされる。一般的に、従来技術は、発泡ポリマ粒子が、軽量コンクリート組成物の強度および/または構造的統合性を下げるものであると考えられている。さらに、従来技術の軽量コンクリート組成物から作成されたコンクリート物品は、せいぜいよくても、調和の欠けた(inconsistent)物理的特性、例えば、ヤング率、熱伝導率、および圧縮強度を有し、典型的には、望ましい物理的特性未満を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許第3,214,393号明細書
【特許文献2】米国特許第3,257,338号明細書
【特許文献3】米国特許第3,272,765号明細書
【特許文献4】米国特許第3,021,291号明細書
【特許文献5】米国特許第5,580,378号明細書
【特許文献6】特開平09−071449号公報
【特許文献7】米国特許第5,622,556号明細書
【特許文献8】米国特許第5,725,652号明細書
【特許文献9】米国特許第4,265,964号明細書
【特許文献10】国際公開第98/02397号パンフレット
【特許文献11】国際公開第00/61519号パンフレット
【特許文献12】国際公開第01/66485号パンフレット
【特許文献13】米国特許第6,851,235号明細書
【特許文献14】米国特許第5,913,791号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって、従来技術において、上述の問題を克服し、予測可能で、望ましい物理的特性を有する軽量コンクリート物品を提供する軽量コンクリート組成物に対するニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
(発明の概要)
本発明は、軽量セメント質組成物を提供し、該軽量セメント質組成物は、10〜90体積%のセメント組成物と、平均粒径0.2mm〜8mm、バルク密度0.028g/cc〜0.64g/cc、アスペクト比1〜3を有する10〜90体積%の粒子と、10〜50体積%の砂および/または他の細骨材であって、該砂および/または細骨材の少なくとも一部分は、2未満の粗粒率を有する、砂および/または細骨材とを含み、使用される成分の合計は、100体積%を超えることがなく、該軽量セメント質組成物は、7日間にわたって固化された後に、ASTM C39に従って試験されたときに、少なくとも1700psiの圧縮強度を有する。
例えば、本発明は以下を提供する:
(項目1)
10〜90体積%のセメント組成物と、
平均粒径0.2mm〜8mm、バルク密度0.028g/cc〜0.64g/cc、アスペクト比1〜3を有する10〜90体積%の粒子と、
10〜50体積%の砂および/または他の細骨材と
を備えた軽量セメント質組成物であって、
該砂および/または細骨材の少なくとも一部分は、2未満の粗粒率を有し、
使用される成分の合計は、100体積%を超えることはなく、
該軽量セメント質組成物は、7日間にわたって固化された後に、ASTM C39に従って試験されたときに、少なくとも1700psiの圧縮強度を有す る、軽量セメント質組成物。
(項目2)
前記粒子は、実質的に連続的な外側層を有する、項目1に記載の軽量セメント質組成物。
(項目3)
前記粒子は、少なくとも0.15μmの内部セル壁厚さを有する発泡ポリマ粒子を備える、項目1に記載の軽量セメント質組成物。
(項目4)
前記粒子は、ビニル芳香族モノマのホモポリマ;ジビニルベンゼン、共役ジエン、アルキルメタクリレート、アルキルアクリレート、アクリロニトリル、およ び/または無水マレイン酸のうちの1つを有する少なくとも1つの芳香族モノマのコポリマ;ポリオレフィン;ポリカーボネート;ポリエステル;ポリアミド;天然ゴム;合成ゴム;ならびにこれらの組み合わせからなるグループから選択される1つ以上のポリマを備える発泡ポリマ粒子を備える、項目1に記載の軽量 セメント質組成物。
(項目5)
前記粒子は、約0.2mm〜約2mmの非発泡平均樹脂粒子サイズを有するポリマビーズを発泡することによって、調製された発泡ポリマ粒子を備える、項目1に記載の軽量セメント質組成物。
(項目6)
前記粒子は、約0.3mm〜約5mmの非発泡平均粒子サイズを有する発泡ポリマ粒子を備える、項目1に記載の軽量セメント質組成物。
(項目7)
前記セメント組成物は、連続相を備え、前記粒子は、該連続相内に離散した粒子の分散相を備えている、分散としての項目1に記載の軽量セメント質組成 物。
(項目8)
前記分散を安定化する湿潤剤も分散剤も含まない、項目7に記載の軽量セメント質組成物。
(項目9)
前記粒子の少なくとも一部は、立方格子または六方格子に配列されている、項目1に記載の軽量セメント質組成物。
(項目10)
前記セメント組成物は、水硬性セメント組成物である、項目1に記載の軽量セメント質組成物。
(項目11)
前記水硬性セメントは、ポルトランドセメント、ポゾランセメント、石膏セメント、石膏組成物、アルミナセメント、マグネシアセメント、シリカセメント、 およびスラグセメントからなるグループから選択される1つ以上の材料を備える、項目10に記載の軽量セメント質組成物。
(項目12)
前記セメント質混合物は、粗骨材、可塑剤、および/または繊維をさらに含む、項目1に記載の軽量セメント質組成物。
(項目13)
前記繊維は、ガラス繊維、シリコンカーバイド、アラミド繊維、ポリエステル、炭素繊維、複合繊維、繊維ガラス、これらの組み合わせ、これらの繊維を含む 織物、およびこれらの繊維の組み合わせを含む織物からなるグループから選択される、項目12に記載の軽量セメント質組成物。
(項目14)
前記粗骨材は、石、礫、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、ガラス、シリカ、膨張スレート、粘土;軽石、パーライト、バーミキュライト、スコリア、珪藻 土、膨張ケツ岩、膨張スラグ、フュームドシリカ、ペレット化骨材、成形フライアッシュ、凝灰岩、マクロライト、スレート、膨張高炉スラグ、焼結フライアッシュ、石炭ガラ、およびこれらの組み合わせからなるグループから選択される、項目12に記載の軽量セメント質組成物。
(項目15)
約40〜約130lb/ftの密度を有する、項目1に記載の軽量セメント質組成物。
(項目16)
形成され、固化された軽量セメント質組成物の中に、深さ1 1/2インチまで回して入れた標準2 1/2インチドライウォールネジが、該ネジを入れた表 面に垂直な力500ポンドを、1分間にわたって付与することによって、外されない、項目1に記載の軽量セメント質組成物。
(項目17)
項目1に記載の軽量セメント質組成物を備える、路床。
(項目18)
建造物の形の型に入れられ、固化された、項目1に記載の軽量セメント質組成物。
(項目19)
コンクリートブロックユニットの形に、固化された、項目1に記載の軽量セメント質組成物。
(項目20)
項目1に記載の組成物を含む、プレキャストおよび/またはプレストレスされた建造物。
(項目21)
建造物パネルの形に、固化された、項目1に記載の軽量セメント質組成物。
(項目22)
固化される軽量セメント質組成物の所望の密度特性および強度特性を同定することと、
該軽量セメント質組成物に使用するために発泡されるべきポリマビーズのタイプ、サイズ、および密度を決定することと、
該ポリマビーズが発泡されるべきサイズおよび密度を決定することと、
該ポリマビーズを発泡して、発泡ポリマビーズを形成することと、
該発泡ポリマビーズをセメント質混合物の中に分散して、該軽量セメント質組成物を形成することと、
該軽量セメント質組成物を所望の形に固化することを可能にすることと
を包含する、最適化された軽量セメント質組成物物品を作成する方法。
(項目23)
有限要素解析を使用して、発泡されるべきポリマビーズのタイプ、サイズ、および密度、ならびに該ポリマビーズが発泡されるべきサイズおよび密度を決定す る、項目22に記載の方法。
(項目24)
項目22に記載の方法に従って作成される軽量コンクリート物。
(項目25)
タイプIIIのポルトランドセメントを含む10〜60体積%のセメント組成物と、
平均粒径0.2mm〜5mm、バルク密度0.032g/cc〜0.56g/cc、アスペクト比1〜2を有する20〜78体積%の発泡ポリマ粒子と、
15〜35体積%の砂および/または他の細骨材であって、該砂および/または細骨材の少なくとも一部分は、2未満の粗粒率を有する、砂および/または他 の細骨材と、
5〜15体積%の粗骨材と、
消泡剤、防水剤、分散剤、固化促進剤、固化遅延剤、可塑剤、超可塑剤、凍結温度低下剤、接着改善剤、着色剤、およびこれらの組み合わせのうちから選択さ れる1つ以上の0.1〜1体積%の添加剤と
を備えた軽量セメント質組成物であって、
使用される成分の合計は、100体積%を超えることがなく、
該軽量セメント質組成物は、7日間にわたって固化された後に、ASTM C39に従って試験されたときに、少なくとも2000psiの圧縮強度を有す る、軽量セメント質組成物。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明で使用されるプレパフビーズの表面の走査電子顕微鏡写真である。
【図2】図2は、本発明で使用されるプレパフビーズの内部の走査電子顕微鏡写真である。
【図3】図3は、本発明で使用されるプレパフビーズの表面の走査電子顕微鏡写真である。
【図4】図4は、本発明で使用されるプレパフビーズの内部の走査電子顕微鏡写真である。
【図5】図5は、本発明で使用されるプレパフビーズの表面の走査電子顕微鏡写真である。
【図6】図6は、本発明で使用されるプレパフビーズの内部の走査電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(発明の詳細な説明)
作業実施例以外において、あるいは他に特記しない限り、本明細書および請求項で使用される成分、反応条件など全ての数または表現は、全ての場合において、用語「約」によって、修正されるものとして、理解されるべきである。したがって、反対の指示が特にない限り、以下の明細書および添付の請求項に示される数字によるパラメータは、本発明が取得したいと望む所望の特性に依存して変動し得る概数値である。最低限でも、請求の範囲と均等の原則の適用限界を試みるものとしてではなく、各数字のパラメータは、報告される有効桁数の数字の観点で、通常の端数処理技術を適用して、解釈されるべきである。
【0021】
本発明の広い範囲を示す数字の範囲およびパラメータは、概数値であるにも関わらず、特定の実施例で示される数値は、可能な限り正確なものが報告される。しかしながら、任意の数値は、これらのそれぞれのテスト測定で見出される標準偏差から生じる必然的なある程度の誤差を、本質的に含む。
【0022】
また、本明細書に記載される任意の数字の範囲は、その範囲の中に含まれるサブ範囲の全てを含むことを意図される。例えば、「1〜10」の範囲は、記載された最低値1と記載された最大値10との間の全てのサブ範囲と、最低値1および最大値10とを含むこと、すなわち、1以上の最低値と、10以下に等しい最大値とを有することを意図する。開示される数字の範囲は、連続的であるので、これらの範囲は、最小値と最大値との間の各値を含む。特記されない限り、本出願で特定される様々な数字の範囲は、概数値である。
【0023】
本明細書で使用される際、用語「ボイド空間を含む粒子」は、発泡ポリマ粒子、プレパフ粒子、および他の粒子を含む。これらの粒子は、セル状および/またはハニカム型のチャンバを含み、このチャンバの少なくとも一部は、完全に封鎖(enclose)され、空気、または特定のガス、あるいはガスの組み合わせを保持している。その非限定的な例としては、本明細書に記載されるように、プレパフ粒子である。
【0024】
本明細書で使用される際、用語「セメント」または「セメント質」は、それ自体が最終製品でないコンクリートまたは他の一体化製品を接合する材料を意味する。特に、水硬セメントは、最終硬化製品を製造するために、十分な量の水の存在する中で、水和反応を経ることによって、固化して、硬化する材料を意味する。
【0025】
本明細書で使用される際、用語「セメント質混合物」は、セメント材料、1つ以上のフィラー、アジュバント、あるいは養生(cure)すると硬化するスラリーを形成する業界で公知の他の材料を含む組成物を意味する。セメント材料は、水圧セメント、石膏、石膏組成物、石灰などを含むが、これらに限定されず、水を含むことも、含まないこともあり得る。アジュバントおよびフィラーは、砂、粘土、フライアッシュ、骨材、空気連行剤(air entrainment agent)、着色剤、減水剤/超可塑剤などを含むが、これらに限定されない。
【0026】
本明細書で使用される際、用語「コンクリート」は、セメント質混合物を十分な水と混合することによって、セメント質混合物を固化させ、その全塊を結合させ、結合することによって作成される強固な建造用材料を意味する。
【0027】
本明細書で使用される際、全ての体積百分率および重量百分率は、特定の体積または重量の水を使用することを見込む。ドライミクスまたはレディミクス組成物について言及するとき、個々の量は、それが最終的に型に入れられ、混合され、その他があって、使用の準備がされるときには、同一基準の量の水が、ドライミクスまたはレディミクスに追加されることを期待すると、同じ比率である。
【0028】
本明細書で述べられる全ての組成範囲は、その合計において制限され、使用において、100%(体積%または重量%)を超えることはない。一つの組成物に、複数の成分が存在し得る場合、各成分の最大量の合計は、100%を超え得るが、これは、当業者が容易に理解するように、実際に使用される成分の量は、最大の100%一致するという理解をともなう。
【0029】
本明細書で使用される際、用語「(メタ)アクリル」および「(メタ)アクリレート」は、アクリル酸とメタクリル酸との双方の誘導体を含むことを意味する。例えば、対応するアルキルエステルは、しばしば、アクリレートおよび(メタ)アクリレートを意味し、これは、用語「(メタ)アクリレート」を含むことが意味される。
【0030】
本明細書で使用される際、用語「ポリマ」は、限定することなく、ホモポリマ、コポリマ、グラフトコポリマ、およびブレンド、ならびにこれらの組み合わせを含んで、意味する。
【0031】
本発明は、その幅広い範疇において、形成される物品において、空気連行を制御する方法を提供する。形成される物品は、任意の形成可能な材料から作成され得る。ここで、ボイド空間を含む粒子は、構造的に支持する方法で、空気連行を行うために使用される。ボイド空間を含む粒子が、形成プロセスの間に、損傷を受けない限り、任意の形成可能で好適な材料が、使用され得る。
【0032】
本明細書で使用される際、用語「複合材料」は、異なる物理的特性(characteristics)を有する2つ以上の物質を含む固体材料を意味し、この固体材料において、各物質は、その全体に望ましい特性(properties)に与える間、そのアイデンティティを保持する。非限定的な例として、複合材料は、プレパフビーズが、均一に分散され、埋め込まれているコンクリートを含み得る。
【0033】
したがって、本発明は、空気連行を制御する方法に向けられる。ここで、物品は、形成可能な材料と、ボイド空間を含む粒子とを組み合わせて、混合物を提供し、その混合物を一つの形にすることによって形成される。
【0034】
本出願は、ポリマ粒子を含むセメント質混合物を詳細に開示するが、本明細書に記載されるコンセプトおよび実施形態は、当業者によって、上述された他の用途にも適用され得る。
【0035】
本発明の実施形態は、セメント質混合物およびポリマ粒子を含む軽量コンクリート(LWC)組成物に向けられる。驚くべきことに、発泡ポリマ粒子のサイズ、組成、構造、および物理的特性、ならびに一部の場合において、それらの樹脂ビーズ前駆体は、本発明のLWC組成物から作成されるLWC物品の物理的特性に、大きな影響を及ぼし得ることが、見出された。特に注目すべき点は、結果として得られるLWC物品の物理的特性におけるビーズサイズと発泡ポリマ粒子密度との間の関係である。
【0036】
本発明の一実施形態において、セメント質混合物は、水性セメント質混合物であり得る。
【0037】
ポリマ粒子は、オプションとして、発泡ポリマ粒子であり得、LWC組成物の中に、LWC組成物の全体積をベースとして、少なくとも10体積%、一部の場合において、少なくとも15体積%、他の場合において、少なくとも20体積%、特定の状況において、25体積%まで、一部の場合において、少なくとも30体積%、他の場合において、少なくとも35体積%で、90体積%まで、一部の場合において、85体積%まで、他の場合において、78体積%まで、一部の場合において、75体積%まで、他の場合において、65体積%のレベルまで、特定の場合において、60体積%まで、一部の場合において、50体積%まで、他の場合において、40体積%までのレベルで存在する。ポリマの量は、最終LWC物品の中に望まれる特定の物理的特性に依存して、変動し得る。LWC組成物のポリマ粒子の量は、上述された値の間の任意の値であり得るか、その間の任意の範囲であり得る。
【0038】
ポリマ粒子は、任意の適切な膨張可能な熱可塑性材料から誘導される任意の粒子を含み得る。実際のポリマ粒子は、最終LWC物品に望まれる特定の物理的特性に基づいて、選択される。非限定的な例として、ポリマ粒子は、オプションとして、発泡ポリマ粒子であり得、ビニル芳香族モノマのホモポリマ;ジビニルベンゼン、共役ジエン、アルキルメタクリレート、アルキルアクリレート、アクリロニトリル、および/または無水マレイン酸のうちの1つと少なくとも1つのビニル芳香族モノマとのコポリマ;ポリオレフィン;ポリカーボネート;ポリエステル;ポリアミド;天然ゴム;合成ゴム;ならびにこれらの組み合わせからなるグループから選択される1つ以上のポリマを含み得る。
【0039】
本発明の一実施形態において、ポリマ粒子は、スチレン、イソプロピルスチレン、α−メチルスチレン、核メチルスチレン、クロロスチレン、tert−ブチルスチレンなどから誘導されるホモポリマと、上述されたような少なくとも1つのビニル芳香族モノマと、1つ以上の他のモノマとの共重合によって調製されたコポリマとから選択される熱可塑性ホモポリマまたはコポリマを含む。非限定的な例としては、ジビニルベンゼン、共役ジエン、(非限定的な例として、ブタジエン、イソプレン、1,3−ヘキサジエン、および2,4−ヘキサジエン)、アルキルメタクリレート、アルキルアクリレート、アクリロニトリル、および無水マレイン酸であり、ここで、ビニル芳香族モノマは、このコポリマの中に、少なくとも50重量%存在する。本発明の一実施形態において、スチレン系ポリマが使用され、特に、ポリスチレンが使用される。しかしながら、他の適切なポリマ、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、およびこれらの混合物も使用され得る。
【0040】
本発明の特定の実施形態において、ポリマ粒子は、発泡可能なポリスチレン(EPS)粒子である。これらの粒子は、膨張および型入れでの作業に便利なビーズ、グラニュール、あるいは他の粒子の形であり得る。
【0041】
本発明において、懸濁処理で重合化された粒子は、実質的には、球形樹脂ビーズであり、この粒子は、ポリマ粒子として、あるいは発泡ポリマ粒子を作成するのに有益である。しかしながら、溶液およびバルク重合化技術から誘導され、抽出され、粒子サイズの樹脂ビーズ断片にカットされたポリマもまた、使用され得る。
【0042】
本発明の一実施形態において、本明細書に記載されるポリマまたはポリマ組成物の任意のものを含む(未発泡)樹脂ビーズは、少なくとも0.2mm、一部の状況において、少なくとも0.33mm、一部の場合において、少なくとも0.35mm、他の場合において、少なくとも0.4mm、一部の場合において、少なくとも0.45mm、および他の場合において、少なくとも0.5mmの粒子サイズを有する。また、樹脂ビーズは、3mmまで、一部の場合において、2mmまで、他の場合において、2.5mmまで、一部の場合において、2.25mmまで、他の場合において、2mmまで、一部の状況において、1.5mmまで、他の状況において、1mmまでの粒子サイズを有し得る。本実施形態において、本発明に従って作成されるLWC物品の物理的特性は、上述の範囲外の粒子サイズを有する樹脂ビーズが、発泡ポリマ粒子を作成するために使用されるとき、調和の欠けた、あるいは望ましくない物理的特性を有する。本実施形態において使用される樹脂ビーズは、上述された値の間の任意の値であり得るか、その間の任意の範囲であり得る。
【0043】
発泡可能な熱可塑性粒子または樹脂ビーズは、オプションとして、適切な発泡剤を用いる任意の従来の方法を用いて、含浸され得る。非限定的な例として、含浸は、ポリマの重合化の間に、水性懸濁液に、発泡剤を追加することによって、あるいは代替的に、米国特許第2,983,692号に教示されるように、水性媒体の中にポリマ粒子を再懸濁して、次いで、発泡剤を入れ込むことによって、達成され得る。任意のガス材料、または熱するとガスを生成する材料が、発泡剤として使用され得る。従来の発泡剤は、分子内に4個〜6個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、およびハロゲン化炭化水素、例えば、CFCおよびHCFCを含み、選択されたポリマの軟化点未満の温度で沸騰する。これらの脂肪族炭化水素発泡剤の混合物もまた、使用され得る。
【0044】
代替として、米国特許第6,127,439号、同第6,160,027号、および同第6,242,540号に教示されるように、水が、これらの脂肪族炭化水素発泡剤とブレンドされ得るか、あるいは水が、単独の発泡剤として使用され得、そして、これらの特許において、保水剤が使用される。発泡剤として使用する水の重量百分率は、1〜20%の範囲であり得る。米国特許第6,127,439号、同第6,160,027号、および同第6,242,540号の本文は、本明細書に、参考として援用される。
【0045】
含浸されたポリマ粒子または樹脂ビーズは、オプションとして、少なくとも1.75lb/ft(0.028g/cc)、一部の状況において、少なくとも2lb/ft(0.032g/cc)、他の状況において、少なくとも3lb/ft(0.048g/cc)、そして、特定の状況において、少なくとも3.25lb/ft(0.052g/cc)または3.5lb/ft(0.056g/cc)のバルク密度に膨張される。未発泡樹脂ビーズが使用されるとき、より高いバルク密度のビーズが、使用され得る。そのようなものとして、バルク密度は、40lb/ft(0.64g/cc)までであり得る。他の状況において、ポリマ粒子は、少なくとも一部は膨張され、バルク密度は、35lb/ft(0.56g/cc)まで、一部の場合において、30lb/ft(0.48g/cc)まで、他の場合において、25lb/ft(0.4g/cc)まで、一部の場合において、20lb/ft(0.32g/cc)まで、他の場合において、15lb/ft(0.24g/cc)まで、特定の状況において、10lb/ft(0.16g/cc)までであり得る。ポリマ粒子のバルク密度は、上述された値の間の任意の値であり得るか、その間の任意の範囲であり得る。ポリマ粒子、樹脂ビーズおよび/またはプレパフ粒子のバルク密度は、(雰囲気条件で、24時間経過した)ポリマ粒子、樹脂ビーズおよび/またはプレパフ粒子の既知の体積を秤量することによって、決定される。
【0046】
発泡ステップは、任意の従来の加熱媒体、例えば、蒸気、熱風、熱水、または放射加熱を介して、含浸されたビーズを加熱することによって、従来のように実行される。含浸された熱可塑性粒子の事前発泡(pre−expansion)を達成するための一つの一般に受け入れられている方法は、米国特許第3,023,175号に教示される。
【0047】
含浸されたポリマ粒子は、米国特許出願公開第10/021,716号に教示されるように、セル状ポリマ粒子を発泡され(foamed)得る。この出願公開の教示は、本明細書に、参考として援用される。発泡セル状粒子は、ポリスチレンであり得、これらの粒子は、膨張し、ポリマの重量をベースにして、14wt%未満、一部の状況において、6wt%で、一部の場合において、約2wt%〜約5wt%の範囲、そして、他の場合において、約2.5wt%〜約3.5wt%の範囲のレベルで、揮発性発泡剤を含む。
【0048】
本発明に従う発泡熱可塑性樹脂またはポリマ粒子に含まれ得るポリオレフィンとインサイチュの重合化ビニル芳香族モノマとのインターポリマは、米国特許第4,303,756号および同第4,303,757号、ならびに米国特許出願公開第2004/0152795号に開示されており、これらの関連部分は、本明細書に参考として援用される。
【0049】
ポリマ粒子は、慣習的な成分および添加剤を含み得、例えば、難燃剤、顔料、染料、着色剤、可塑剤、離型剤、安定化剤、紫外線光吸収剤、カビ防止剤、酸化防止剤、殺鼠剤、防虫剤などである。典型的な色素は、限定するわけではないが、無機顔料、例えば、カーボンブラック、グラファイト、膨張可能なグラファイト、酸化亜鉛、二酸化チタン、および酸化鉄と、有機顔料、例えば、キナクリドン赤および紫、ならびに銅フタロシアニン青および緑とを含む。
【0050】
本発明の特定の実施形態において、顔料は、カーボンブラックであり、このような材料の非限定的な例は、NOVA Chemicals Inc.から市販されているEPS
SILVER(登録商標)である。
【0051】
本発明の別の特定の実施形態において、顔料は、グラファイトであり、このような材料の非限定的な例は、BASF Aktiengesellschaft Corp.(ドイツ、Ludwigshafen am Rhein)から市販されているNEOPOR(登録商標)である。
【0052】
カーボンブラックおよび/またはグラファイトのような材料が、ポリマ粒子に含まれるとき、改善された断熱特性が、カーボンブラックまたはグラファイトを含む材料に対するより高いR値(ASTM−C518で定義される)によって例証されるように、提供される。このように、カーボンブラックおよび/またはグラファイトを含む発泡ポリマ粒子、あるいはこのようなポリマ粒子から作成される材料のR値は、カーボンブラックおよび/またはグラファイトを含まない粒子またはその結果得られる物品で観察されるよりも、少なくとも5%高い。
【0053】
発泡ポリマ粒子は、少なくとも0.2mm、一部の状況において、少なくとも0.3mm、他の状況において、少なくとも0.5mm、一部の場合において、少なくとも0.75mm、他の場合において、少なくとも0.9mm、および一部の場合において、1.0mmの平均粒子サイズを有し、そのサイズは、8mmまで、一部の状況において、6mmまで、他の状況において、5mmまで、一部の場合において、4mmまで、他の場合において、3mmまで、一部の場合において、2.5mmまでであり得る。発泡ポリマ粒子のサイズが、小さすぎるか、あるいは大きすぎるとき、このLWC組成物を用いて作成されるLWC物品の物理的特性は、望ましくないことがあり得る。発泡ポリマ粒子の平均粒子サイズは、上述された値の間の任意の値であり得るか、その間の任意の範囲であり得る。発泡ポリマ粒子の平均粒子サイズは、レーザ回折技術を用いて、あるいはこの分野で周知の機械的分離法を用いるメッシュサイズによるスクリーニングによって、決定され得る。
【0054】
本発明の一実施形態において、ポリマ粒子または発泡ポリマ粒子は、最小平均セル壁厚を有し、この厚さは、このLWC組成物を用いて作成されるLWC物品に、望ましい物理的特性を提供することに役立つ。平均セル壁厚および内部セル寸法は、この分野で公知の走査電子顕微鏡技術を用いて、決定され得る。発泡ポリマ粒子は、少なくとも0.15μm、一部の場合において、少なくとも0.2μm、そして、他の場合において、少なくとも0.25μmの平均セル壁厚さを有し得る。特定の理論に結び付けることを欲するわけではないが、上述された寸法を有する樹脂ビーズが、上述された密度に膨張されるとき、その結果、望ましい平均セル壁厚になると、考えられる。
【0055】
本発明の一実施形態において、ポリマビーズは、オプションとして、発泡し、発泡ポリマ粒子を形成して、上述のような望ましいセル壁厚が達成される。多くの変数が、壁厚に影響を及ぼし得るが、本実施形態において、ポリマビーズの発泡を制限することが、所望の壁厚と、その結果得られる発泡ポリマ粒子強度とを達成するために望ましい。処理ステップおよび発泡剤を最適化することによって、ポリマビーズは、最低1.75lb/ft(0.028g/cc)に膨張し得る。発泡ポリマバルクのこのバルク密度特性は、pcf(lb/ft)または膨張係数(cc/g)によって、記載され得る。
【0056】
本明細書で使用される際、用語「膨張係数」は、発泡ポリマビーズが占める所与の重量に対する体積を意味し、典型的には、cc/gによって表現される。
【0057】
発泡ポリマ粒子を望ましいセル壁厚および強度で提供するために、発泡ポリマ粒子は、その最大膨張係数にまで膨張しない。そのため、そのような極端な膨張は、セル壁を望ましからぬ薄いセル壁とし、不十分な強度を有する粒子をもたらすことになる。さらに、ポリマビーズは、その最大膨張係数の少なくとも5%、一部の場合において、少なくとも10%、他の場合において、少なくとも15%は膨張し得る。しかしながら、セル壁厚が、あまりにも薄くならないように、ポリマビーズは、最大膨張係数の80%まで、一部の場合において、75%まで、他の場合において、70%まで、一部の場合において、65%まで、他の場合において、60%まで、一部の状況において、55%まで、他の状況において、50%まで膨張され得る。ポリマビーズは、上述された任意の度合いで膨張され得るか、膨張は、上述された値の任意の値の間の範囲であり得る。典型的には、ポリマビーズまたはプレパフビーズは、それらが、現在のセメント質組成物へと調合されたとき、さらにそれ以上膨張しないし、このセメント質組成物が、固化、養生、および/または硬化される間は、さらにそれ以上膨張しない。
【0058】
本明細書で使用される際、用語「プレパフ」は、膨張可能な粒子、樹脂、および/またはビーズで、既に膨張されたものを意味するが、その最大膨張係数にまで、膨張されていないものを意味する。
【0059】
プレパフポリマ粒子または発泡ポリマ粒子は、典型的には、セル状構造またはハニカムの内部部分と、外側表面として、全体的にスムーズで連続的なポリマの表面、すなわち、実質的に連続的な外側層とを有する。スムーズで連続的な表面は、走査電子顕微鏡(SEM)技術を用いて、1000倍の倍率で観察され得る。SEM観察は、プレパフポリマ粒子または発泡ポリマ粒子の外側表面に、穴の存在を示さない。プレパフポリマ粒子または発泡ポリマ粒子の断面をカットし、SEM観察を行うと、プレパフポリマ粒子または発泡ポリマ粒子の内部は、全体的にハニカム構造であることが、明らかになる。
【0060】
ポリマ粒子または発泡ポリマ粒子は、LWC物品に望ましい物理的特性を提供することが可能な任意の断面形状を有し得る。本発明の一実施形態において、発泡ポリマ粒子は、円形、卵型、あるいは楕円形の断面形状を有する。本発明の実施形態において、プレパフポリマ粒子または発泡ポリマ粒子は、アスペクト比1を、一部の場合において、少なくとも1を有し、アスペクト比は、3まで、一部の場合において、2まで、他の場合において、1.5までを有し得る。プレパフポリマ粒子または発泡ポリマ粒子のアスペクト比は、上述された値のうちの任意の値であり得るか、上述された値の間の任意の範囲であり得る。
【0061】
セメント質混合物は、LWC組成の中に、少なくとも10体積%、一部の場合において、少なくとも15体積%、他の場合において、少なくとも22体積%、一部の場合において、少なくとも40体積%、他の場合において、少なくとも50体積%存在し、セメント質混合物は、LWC組成の90体積%まで、一部の状況において、85体積%まで、他の状況において、80体積%まで、特定の場合において、75体積%まで、一部の場合において、70体積%まで、他の場合において、65体積%まで、そして、一部の場合において60体積%までのレベルで存在し得る。セメント質混合物は、LWC組成物の中に、上述の任意のレベルで存在し得るか、あるいは上述のレベルの任意のレベルの間の範囲であり得る。
【0062】
本発明の一実施形態において、セメント質混合物は、水硬性セメント組成物を含む。水硬性セメント組成物は、セメント質混合物の少なくとも3体積%、一部の状況において、少なくとも5%、一部の場合において、少なくとも7.5体積%、他の場合において、少なくとも9体積%のレベルで存在し得、セメント質混合物の40体積%まで、一部の状況において、35体積%まで、他の場合において、32.5体積%まで、そして、一部の場合において、30体積%までのレベルで存在し得る。セメント質混合物は、水硬性セメント混合物を、上述のレベルの任意のレベルで含み得るか、あるいは上述のレベルの任意のレベルの間の範囲のレベルであり得る。
【0063】
本発明の一実施形態において、水硬性セメント組成物は、ポルトランドセメント、ポゾラン(pozzolana)セメント、石膏セメント、アルミナセメント、マグネシアセメント、シリカセメント、およびスラグセメントから選択される1つ以上の材料であり得る。
【0064】
本発明の一実施形態において、セメント質混合物は、オプションとして、この分野で公知の他の骨材およびアジュバントを含み得、砂、追加骨材、可塑剤、および/または繊維を含むが、これらに限定されない。適切な繊維は、ガラス繊維、シリコンカーバイド、アラミド繊維、ポリエステル、炭素繊維、複合繊維、繊維ガラス、およびこれらの組み合わせと、上述の繊維を含む織物(fabric)、ならびに上述の繊維の組み合わせを含む織物を含むが、これらに限定されない。
【0065】
本発明で使用され得る繊維の非限定的な例は、TechFab,LLC(サウスカロライナ州Anderson)から市販されているMeC−GRID(登録商標)およびC−GRID(登録商標)、E.I.du Pont de Nemours and Company(デラウェア州Wilmington)から市販されているKEVLAR(登録商標)、Teijin Twaron B.V.(オランダ、Arnheim)から市販されているTWARON(登録商標)、Honeywell International Inc.(ニュージャージー州Morristown)から市販されているSPECTRA(登録商標)、Invista North America S.A.R.L.Corp.(デラウェア州Willmington)から市販されているDACRON(登録商標)、およびHoechst Cellanese Corp.(ニューヨーク州New York)から市販されているVECTRAN(登録商標)を含む。繊維は、メッシュ構造で、絡み合い、編み込まれ、任意の所望の方向に向けられて、使用され得る。
【0066】
本発明の特定の実施形態において、繊維は、LWC組成物の少なくとも0.1体積%、一部の場合において、少なくとも0.5体積%、他の場合において、少なくとも1体積%、一部の場合において、少なくとも2体積%を占め得る。さらに、繊維は、LWC組成物の10体積%まで、一部の場合において、8体積%まで、他の場合において、7体積%まで、一部の場合において、5体積%まで備え得る。繊維の量は、LWC組成物の所望の特性を提供するように調整される。繊維の量は、上述された値の任意の値の間の任意の値であり得るか、その間の任意の範囲であり得る。
【0067】
この実施形態に加え、追加骨材は、砂、石、および礫のような一般的な骨材から選択される1つ以上の材料を含み得るが、これらに限定されない。一般的な軽量骨材は、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、ガラス、シリカ、膨張スレート、および粘土と、軽石、パーライト、バーミキュライト、スコリア、および珪藻土のような断熱骨材と、膨張ケツ岩、膨張スレート、膨張粘土、膨張スラグ、フュームドシリカ、ペレット化骨材、成形(extruded)フライアッシュ、凝灰岩、およびマクロライト(macrolite)のようなLWC骨材と、膨張ケツ岩、粘土、スレート、膨張高炉スラグ、焼結フライアッシュ、石炭ガラ、軽石、スコリア、およびペレット化骨材のような石工骨材とを含み得る。
【0068】
これらの他の骨材およびアジュバントが、セメント質混合物に存在するとき、これらは、セメント質混合物の少なくとも0.5体積%、一部の場合において、少なくとも1体積%、他の場合において、少なくとも2.5体積%、一部の場合において、少なくとも5体積%、他の場合において、少なくとも10体積%のレベルで存在する。また、これらの他の骨材およびアジュバントは、セメント質混合物の95体積%まで、一部の場合において、90体積%まで、他の場合において、85体積%まで、一部の場合において、65体積%まで、他の場合において、60体積%のレベルまで存在し得る。これらの他の骨材およびアジュバントは、上述されたレベルの任意のレベルで存在し得るか、あるいは上述されたレベルの任意のレベルの間の範囲であり得る。
【0069】
本発明の実施形態において、このセメント質混合物および/または軽量コンクリート組成物に使用される砂および他の細骨材の全部または一部分は、2未満、一部の場合において、1.9未満、他の場合において、1.8未満の粗粒率を有する。本明細書で使用される際、「粗粒率」、すなわち「FM」は、骨材の中の微粒および粗粒の割合の相対的な基準を与える実験的因子を意味する。FMは、細骨材の相対的な細かさまたは粗さを示すために使用される値で、ASTM C117によって定義され得る。ASTM C117が、細かな詳細のために、参照され得、その全体を本明細書に参考として援用されるが、ASTM C117は、以下のように概略され得る。FMは、一連の標準篩(4番、8番、16番、30番、50番、および100番)を通して、500gの砂を篩にかけることによって得られる。4番篩から開始して、各篩上に残された重量が、残留累積百分率に変換される。6つの百分率の合計を100によって除算される。この結果得られた、6つの百分率の合計を100によって除算したものが、粗粒率である。
【0070】
本発明の特定の実施形態において、砂および/または他の細骨材は、LWC組成物の少なくとも10体積%、一部の場合において、少なくとも15体積%、他の場合において、少なくとも20体積%存在する。また、砂および/または他の細骨材は、LWC組成物の50体積%まで、一部の場合において、45体積%まで、他の場合において、40体積%まで、一部の場合において、35体積%まで備え得る。砂および/または他の細骨材の量は、LWC組成物に、所望の特性を提供するために調整される。砂および/または他の細骨材の量は、上述された任意の値であり得るか、上述された値の任意の間の範囲であり得る。
【0071】
本発明のさらなる特定の実施形態において、砂および/または他の細骨材の少なくとも一部分は、上述されたように、2未満のFM値を有する。この実施形態の特定の局面において、砂および/または他の細骨材のうちの少なくとも50体積%、一部の場合において、少なくとも60体積%、他の場合において、少なくとも75体積%は、上述されたように、2未満のFM値を有し、90体積%まで、一部の場合において、95体積%まで、他の場合において、100体積%を含んで100体積%までが、上述されたように、2未満のFM値を有する。2未満のFM値を有する砂および/または他の細骨材の量は、上述された任意の値であり得るか、上述された値の任意の間の範囲であり得る。
【0072】
本発明の特定の実施形態において、粗骨材(4を超えるFM値を有する骨材)は、LWC組成物のうちの少なくとも1体積%、一部の場合において、少なくとも2体積%、他の場合において、少なくとも3体積%を占め得る。さらに、粗骨材は、LWC組成物のうちの20体積%まで、一部の場合において、15体積%まで、他の場合において、10体積%まで、そして、一部の場合において、8体積%までを備え得る。粗骨材の量は、LWC組成物に、所望の特性を提供するために調整される。粗骨材砂の量は、上述された任意の値であり得るか、上述された任意の値の間の範囲であり得る。
【0073】
本発明の実施形態において、軽量コンクリート組成物は、1つ以上の添加剤を含み得、そのような添加剤の非限定的な例は、消泡剤、防水剤、分散剤、固化促進剤、固化遅延剤、可塑剤、超可塑剤、凍結温度低下剤、接着改善剤、および着色剤である。添加剤は、この組成物の全重量に対して、典型的に、1重量%未満存在するが、0.1〜3重量%存在し得る。
【0074】
本発明で使用され得る適切な分散剤または可塑剤は、ヘキサメタ燐酸塩、トリポリ燐酸塩、ポリナフタレンスルホナート、スルホン化ポリアミン、およびこれらの組み合わせであり得るが、これらに限定されない。
【0075】
本発明で使用され得る適切な可塑剤は、ポリヒドロキシカルボン酸またはその塩、ポリカルボン酸またはその塩、リグノスルホナート、ポリエチレングリコール、およびこれらの組み合わせであり得るが、これらに限定されない。
【0076】
本発明で使用され得る適切な超可塑剤は、リグニンスルホナート(lignin sulfonate)のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩と、リグノスルホナート、高濃縮ナフタレンスルホン酸/ホルムアルデヒド凝縮物のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩と、ポリナフタレンスルホナートと、1つ以上のポリカルボン酸(例えば、ポリ(メタ)アクリル酸およびポリカルボン酸コーム(polycarboxylate comb)コポリマであり、これらは、米国特許第6,800,129号に記載されており、この特許の関連部分は、本明細書に参考として援用される)のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩と、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩と、メラミン/ホルムアルデヒド/亜硫酸塩凝縮物のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩と、スルホン酸エステルと、炭水化物エステルと、これらの組み合わせとであり得るが、これらに限定されない。
【0077】
本発明で使用され得る適切な固化促進剤は、可溶性塩化物塩(例えば、塩化カルシウム)、トリエタノールアミン、パラホルムアルデヒド、可溶性蟻酸塩(例えば、蟻酸カルシウム)、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、12CaO・7Al、硫酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、米国特許第4,026,723号に開示された硝酸アルカリ金属/硫酸化芳香族炭化水素脂肪族アルデヒド凝縮物、米国特許第4,298,394号に開示された水溶性界面活性促進剤、米国特許第5,211,751号に開示されたアミノ酸促進剤のメチノール誘導体、チオシアン酸塩、アルカノールアミン、および硝酸塩の混合物、ならびにこれらの組み合わせであり得るが、これらに限定されない。これらの特許の関連部分は、本明細書に参考として援用される。
【0078】
本発明で使用され得る適切な固化遅延剤は、リグノスルホネート、ヒドロキシカルボン酸(例えば、グルコン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、サリチル酸、グルコヘプトン酸、アラボン酸、酸、ならびにそれらの有機塩または無機塩、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、トリエタノールアミン塩)、カルドン酸、糖、修飾糖、燐酸塩、ボラート、ケイフッ化物(silico−fluoride)、臭素酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸ナトリウム、単糖、例えば、グルコース、フルクトース、ガラクトース、スクロース、キシロース、アピオース、リボース、および転化糖、オリゴ糖、例えば、二糖および三糖、デキストリンのようなオリゴ糖、デキストランのような多糖、およびこれらを含む糖蜜のような他の単糖と、ソルビトールのような糖アルコールと、ケイフッ化マグネシウムと、燐酸およびその塩、またはホウ酸エステルと、アミノカルボン酸およびその塩と、アルカリ可溶タンパク質と、フミン酸と、タンニン酸、フェノール、グリセロールのような多価アルコールと、ホスホン酸およびその誘導体、例えば、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、およびこれらのアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩と、上述された固化遅延剤との組み合わせとであり得るが、これらに限定されない。
【0079】
本発明で使用され得る適切な消泡剤は、シリコーンベースの消泡剤(例えば、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシリコーン油、シリコーンペースト、シリコーンエマージョン、有機基改変ポリシロキサン(ジメチルポリシロキサンのようなポリオルガノシロキサン)、フルオロシリコーン油など)、燐酸アルキル(例えば、燐酸トリブチル、オクチル燐酸ナトリウムなど)、鉱油ベースの消泡剤(例えば、灯油、流動パラフィンなど)、脂肪ベースまたは油ベースの消泡剤(例えば、動物または植物油、ゴマ油、ヒマシ油、これらに由来するアルキレンオキシド付加物など)、脂肪酸ベースの消泡剤(例えば、オレイン酸、ステアリン酸、およびこれらに由来するアルキレンオキシド付加物など)、脂肪酸エステルベースの消泡剤(例えば、グリセロールモノリシノレート、アルケニルコハク酸誘導体、ソルビトールモノラウラート、ソルビトールトリオレアート、天然ワックスなど)、オキシアルキレンタイプの消泡剤、アルコールベースの消泡剤(例えば、オクチルアルコール、ヘキサデシルアルコール、アセチレンアルコール、グリコールなど)、アミドベースの消泡剤(例えば、アクリレートポリアミンなど)、金属塩ベースの消泡剤(例えば、ステアリン酸アルミニウム、オレイン酸カルシウムなど)、ならびに上述の消泡剤の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0080】
本発明で使用され得る適切な凍結温度低下剤は、エチルアルコール、塩化カルシウム、塩化カリウム、およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0081】
本発明で使用され得る適切な接着改善剤は、ポリ酢酸ビニル、スチレン−ブタジエン、(メタ)アクリル酸エステルのホモポリマおよびコポリマ、ならびにこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0082】
本発明で使用され得る適切な撥水剤または防水剤は、脂肪酸(例えば、ステアリン酸またはオレイン酸)、低アルキル脂肪酸エステル(例えば、ステアリン酸ブチル)、脂肪酸塩(例えば、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸アルミニウム)、シリコーン、ワックスエマージョン、炭化水素樹脂、ビチューメン、脂肪および油、シリコーン、パラフィン、アスファルト、ワックス、ならびにこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。本発明の多くの実施形態で使用されないが、適切な空気連行剤は、ビンソール(vinsol)樹脂、アビエチン酸ナトリウム、脂肪酸および脂肪酸塩、界面活性剤(tenside)、アルキルアリールスルホナート、フェノールエトキシレート、リグノスルホナートならびにこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0083】
セメント質混合物、発泡ポリマ粒子、および任意の他の骨材、添加剤、および/またはアジュバントは、この分野で周知の方法を用いて、混合される。本発明の一実施形態において、液体も、一部の場合において、水もまた、他の成分の中に混合される。
【0084】
本発明の一実施形態において、ドライミクスチャ(すなわち、最低量の水を含むか、水を全く付加しない)が、生産され得、パッケージされ得、将来の使用のために貯蔵され得る。このようなドライミクスチャすなわち「レディミクス」は、水と混合され、本明細書に記載される軽量コンクリート組成物を提供し得る。
【0085】
本発明の一実施形態において、コンクリート組成物は、分散系であり、このとき、セメント質混合物は、少なくとも一部において、連続相を提供し、ポリマ粒子および/または発泡ポリマ粒子は、この連続相内に離散した粒子の分散相として存在する。
【0086】
本発明の特定の非限定的な実施形態において、コンクリート組成物は、分散を安定化させるために使用される湿潤剤も、分散剤も実質的に含まない。
【0087】
本発明の非限定的な実施形態として、また任意の単一の理論に限定されることを欲さないものとして、このLWC組成物の性能に影響を及ぼし得る幾つかの因子は、発泡樹脂ビーズの体積分率、平均発泡ビーズサイズ、およびコンクリート内のビーズ間隔によって生成された微細構造を含む。この実施形態において、ビーズ間隔は、二次元モデルを用いて、推測され得る。説明を簡単にするために、ビーズ間隔は、ビーズ半径に限定され得る。さらに、本発明を決して限定するわけではないが、この実施形態において、ビーズは、立方格子に配列されるものと仮定され、LWC組成物内のビーズサイズ分布は、考慮されず、断面における発泡ビーズ面積の分布も考慮されない。1サンプル当たりのビーズの個数を計算するために、三次元試験シリンダが、仮定される。
【0088】
発泡ビーズサイズが小さければ小さいほど、以下の式1で記載される同じ発泡ビーズ体積分率を維持するのに、要求される発泡ビーズの個数は、より多くなる。発泡ビーズの個数が、指数関数的に増えるに連れ、発泡ビーズ間隔が、減少する。
=K/B (1)
は、発泡ビーズの個数を表わす。
【0089】
直径Dおよび高さH(通常は、2”×4”または6”×12”)を有するLWC試験片は、平均発泡ビーズ直径Bの分散された発泡ポリマビーズを含み、所与の体積分率Vは、式1で与えられる発泡ポリマビーズの量Nを含む。
【0090】
は、ポリマビーズ直径の3乗に反比例することに留意すべきである。比例定数K=1.5VHDは、サンプルサイズおよび発泡ポリマビーズ体積分率にのみ依存する数である。したがって、所与のサンプルサイズおよび既知の発泡ポリマビーズ体積分率に対して、ビーズの個数は、ビーズ直径が減少すると、3乗に増加し得る。
【0091】
非限定的な例として、2”×4”のLWC試験片に対して、90pcf(lb/ft)(プレパフバルク密度1.25pcfを有する43%体積分率の発泡ポリマビーズに対応する)で、ビーズが、0.65mmから0.4mmおよび0.33mmに移行すると、ビーズの個数は、それぞれ4倍および7倍に増加する。2.08pcfで、0.4mmおよび0.33mmのビーズに対して、ビーズの個数の増加は、それぞれ6倍および7倍である。5pcfで、その増加は、それぞれ2倍および3倍である。したがって、密度は、ビーズサイズと相互に関連する。以下に示すように、密度もまた、セル壁厚に影響を及ぼす。発泡ビーズが分布しているコンクリートマトリックスの強度は、セル壁の剛性および厚さによって、典型的に、影響を受ける。
【0092】
本発明の一実施形態において、単分散球状セルが仮定される場合、平均セル直径dは、式2:
【0093】
【数1】


によって、平均壁厚δに関連することが、示され得る。ここで、ρは、フォームの密度であり、ρは、固体ポリマビーズの密度である。
【0094】
したがって、所与のポリマに対して、使用される特定の発泡プロセスによって、(所与のセルサイズで)同じセル壁厚、または様々な値のδで、同じセルサイズを得られ得る。密度は、セルサイズによってのみならず、セル壁の厚さを変化させるすることによっても制御される。
【0095】
以下の表は、3つのクラスのビーズについてビーズサイズに対する発泡ポリマビーズ密度の変動を例として示している。
【0096】
【表1】


望ましい微細構造および/または形態は、明確なクラスに収まり得る。第一は、特別な界面を有する双連続(bicontinuous)または共連続(co−continuous)複合材であり、第二は、接続されたマトリックス内の特別な介在物を含む。双連続で、かつ単一に接続された微細構造の効果的な特性は、公知の最適クロス特性限度(cross−property bounds)によって、記載される。
【0097】
多くの場合において、ビーズが小さければ小さいほど、式1で説明されるように、同じ発泡ポリマビーズ体積分率を維持するのに要求されるビーズの個数は多くなる。ビーズの数が指数関数的に増えるにつれて、ビーズ間の間隔は、小さくなる。
【0098】
最適限界(bound)は、臨界数または範囲を表わす幾つかの関係によって、記載され得る。非限定的な例として、所与の体積分率に対して、しばしば、ビーズの臨界数に対応する臨界ビーズサイズが存在し、これによって、ビーズが、分散されて、所望の構造を提供し得る。このとき、全てのビーズが孤立され、コンクリートは単一接続されている。また、ビーズの全てが、孤立されていないが、接触している構造を形成することも可能である。
【0099】
二次元断面の有限要素解析は、ANSYS(登録商標)(ANSYS Inc.(ペンシルバニア州Canonsburg)から市販されている有限要素解析プログラム)を用いて、実行された。断面の有限要素メッシュにおいて、ビーズは、単一接続されたコンクリートマトリックス内の非接触または孤立した円として、モールドされる。
【0100】
その結果は、載荷状態で、応力が、荷重軸に垂直な方向に生じさせられることが分かった。最大応力集中は、発泡ポリマビーズの間の水平境界においてであり、ビーズは、円形から楕円形に変形する傾向にある。
【0101】
本発明の特定の実施形態において、コンクリート組成物は、立方格子または六方格子に配列された発泡ポリマ粒子またはプレパフ粒子の少なくとも一部を含んでいる。
【0102】
本発明の一実施形態において、このLWC組成物は、空気連行剤を実質的に含まない。これらの空気連行剤は、典型的には、コンクリートのバッチ内に空気のセルまたはボイドを生成するために追加される。
【0103】
本発明の別の実施形態において、LWC組成物は、強化繊維を含み得る。このような繊維は、強化成分として機能し、大きなアスペクト比を有する。すなわち、長さ/直径の比率が高い。これは、荷重が、潜在する破壊点を横断して移動するようにするためである。適切な繊維の非限定的な例は、約1インチ〜1 3/4インチの長さに等しい繊維ガラスのストランドを含む。しかしながら、セメント質混合物のマトリックスよりも高いヤング率を有する任意の材料、ポリプロピレン繊維、および上述された以外の繊維も、使用され得る。
【0104】
本発明に従うLWC組成物は、固化および/または硬化され、この分野で周知の方法を用いて、最終コンクリート物品を形成し得る。
【0105】
本発明のLWC組成物を含む固化および/または硬化された最終コンクリート物品の密度は、少なくとも40lb/ft(0.64g/cc)、一部の場合において、少なくとも45lb/ft(0.72g/cc)、そして、他の場合において、少なくとも50lb/ft(0.8g/cc)の密度を有し得、その密度は、130lb/ft(2.1g/cc)まで、一部の場合において、120lb/ft(1.9g/cc)、他の場合において、115lb/ft(1.8g/cc)まで、一部の状況において、110lb/ft(1.9g/cc)まで、他の状況において、105lb/ft(1.7g/cc)まで、一部の場合において、100lb/ft(1.6g/cc)まで、他の場合において、95lb/ft(1.5g/cc)までであり得る。このコンクリート物品の密度は、上述された値の任意の値であり得るか、上述された値の任意の間の範囲であり得る。LWC組成物の密度は、ASTM C138によって定義される。
【0106】
本発明の特定の実施形態において、LWC組成物は、タイプIIIポルトランドセメントを含む10〜60体積%のセメント組成物と、平均粒径0.2mm〜5mm、バルク密度0.032g/cc〜0.56g/cc、アスペクト比1〜2を有する20〜78体積%の発泡ポリマ粒子と、15〜35体積%の砂および/または他の細骨材であって、該砂および/または細骨材の少なくとも一部分は、2未満の粗粒率を有する、砂および/または細骨材と、5〜15体積%の粗骨材と、消泡剤、防水剤、分散剤、固化促進剤、固化遅延剤、可塑剤、超可塑剤、凍結温度低下剤、接着改善剤、着色剤、およびこれらの組み合わせから選択される1つ以上の0.1〜1体積%の添加剤とを含み、使用される成分の合計は、100体積%を超えることがなく、該軽量セメント質組成物は、7日後に、ASTM C39に従う試験によって、少なくとも1700psi、一部の実施形態において、2000psiの圧縮強度を有する。
【0107】
LWC組成物は、全てでないにせよ、従来のコンクリート調合物が使用される用途のほとんどに使用され得る。非限定的な例として、このLWC組成物は、構造・建造用への用途において、その非限定的な例は、境界壁、ICFまたはSIP構造、鳥の水飲み場、ベンチ、屋根板、羽目板、乾式壁、セメントボード、装飾柱、またはビル用拱路など、家具または住宅への用途として、例えば、調理台、床下放射加熱システム、床(一次および二次)、ティルトアップ壁、サンドイッチ壁パネル、スタッココーティングとして、道路・空港の安全への用途として、例えば、アレスティング壁、ジャージーバリア(Jersey Barrier)、防音バリアおよび壁、擁壁、滑走路アレスティングシステム、空気連行コンクリート、非常待避車線(runaway track ramp)、流動可能で掘削可能な裏込め(flowable excavatable backfill)、ならびに、道路建設への用途、例えば、路床材料および上路橋材料に、使用され得る。
【0108】
さらに、本発明に従うLWC物品は、ネジによる直接取り付け、その非限定的な例として、ドライウォールネジおよび釘による直接取り付けを容易に受け入れる。これらのネジおよび釘は、従来の空圧作動または電気作動デバイスによって取り付けられ得る。このことによって、合板、乾式壁、スタッド、および建設業で一般に使用されている他の材料のような材料取付が容易になる。このようなことは、従来のコンクリート調合物を用いては、なされ得ない。
【0109】
本発明のLWC組成物が、路床建設に使用されるとき、ポリマ粒子は、クラック伝播の防止および/または最小化に、特に、水の凍結融解が関与するとき、役立ち得る。
【0110】
本発明の一実施形態において、本発明に従って固化および/または硬化されたLWC組成物は、構造への用途に使用され、荷重支持石造構造用途に対して、少なくとも1700psi(119.5kgf/cm)、他の場合において、少なくとも1800psi(126.5kgf/cm)、一部の場合において、少なくとも1900psi、他の場合において、少なくとも2000psi(140.6kgf/cm)の最低圧縮強度を有する。構造用軽量コンクリートに対して、この組成物は、2500psi(175.8kgf/cm)の最低圧縮強度を有し得る。圧縮強度は、7日目に、ASTM C39に従って測定される。
【0111】
ASTM C39は、細かな詳細に対して参照され得、本明細書に、その全体が参考として援用されるが、破壊が発生するまで、所定の範囲内の速度で、モールドされたシリンダまたはコアに圧縮軸荷重を付与することからなる試験方法を提供するものとして、要約され得る。試験機は、硬化表面を有する2つのスチール製ベアリングブロックを備え、その一方は、球状に座したブロックであり、試験片の上部表面を圧迫し、もう一方は、固体ブロックであり、その上に、試験片の残部が留まる。荷重は、試験片上での応力速度(プラテンからクロスヘッドでの測定)35±7psi/s(0.25±0.05Mpa/s)に相当する特定の移動速度で付与される。圧縮荷重は、その荷重が着実に減少していることを荷重指示器が示し、試験片が明確な破断パターンを示すまで、付与される。圧縮強度は、試験中に試験片によって支持された最大荷重を、試験片の断面積で除算することによって、計算される。
【0112】
本発明の組成物は、成形建造物品および材料の製造に、非常に適している。そのような非限定的な例は、ティルトアップ壁パネル、T型梁、ダブルT型梁、屋根用タイル、天井用パネル、床用パネル、I型梁、基礎壁などを含む。この組成物は、従来技術のLWC組成物よりも、大きな強度を示す。
【0113】
本発明の一実施形態において、成形建造物品および材料は、プレキャストおよび/またはプレストレスされ得る。
【0114】
本明細書で使用される際、「プレキャスト」コンクリートは、要求される形状のモールドまたはキャストの中に注入され、取り出されて、所望の位置に置かれる前に、養生および/または硬化することが可能なコンクリートを意味する。
【0115】
本明細書で使用される際、「プレストレス」コンクリートは、プレストレス緊張材(多くの場合、高張力鋼ケーブルまたはロッド)を用いて、その張力が改善されたコンクリートを意味し、引張応力を打ち消す圧縮強度を生成する締め付け荷重を提供するために使用される。この締め付け荷重がない場合、コンクリート部材は、曲げ負荷によって、この引張応力を経験する。この分野で公知の任意の適切な方法が、プレストレスコンクリートに使用され得る。適切な方法は、コンクリートが、既に張力を付与された緊張材の周囲にキャストされるプレテンションコンクリートと、注入プロセスと養生プロセスとの後に、圧縮が付与されるポストテンションコンクリートとを含むが、これらに限定されない。
【0116】
本発明が提供する特定の利点は、このような組成物から形成され、固化されたコンクリート組成および/または成形建造物品は、特殊なコンクリートまたはダイヤモンドの刃先を有するカッティングブレードおよび/またはソーを使用しなくてはならないのとは、対照的に、従来の方法を用いて、容易にカットおよび/または切断され得ることである。このことは、コンクリート物品をカスタム化するときに、かなりの時間およびコストの節約を提供する。
【0117】
この組成物は、当業者には周知の方法にしたがって、容易にキャストされ、成形品とされ得る。その非限定的な例として、屋根用タイル、舗装材料(paver)、あるいは実質的に任意の所望の三次元構成の他の物品がある。これらの構成には、ウッドシェーク、スレート屋根板、または平滑面のセラミックタイルの外観を有するような特定の局所的テキスチャを有する構成を含む。典型的な屋根板は、幅10インチ×長さ17インチ×厚さ1 3/4インチの寸法を概ね有し得る。屋根用材料のモールドに空気連行剤を追加すると、凍結/融解による劣化に対する抵抗の点で、最終製品の対候性が向上する。
【0118】
基礎壁が、本発明のLWC組成物を用いて、注入されるとき、壁は、その軽量性のために、グレード以上のものであるとみなされ得る。通常、基礎壁の下部は、コンクリート混合物の鉛直方向の重量下で、外向きに流れ出る傾向を有するが、本発明の組成物は軽量であるため、このようなことが生じる機会が少なくなる傾向がある。本発明のLWC組成物を用いて調製された基礎壁は、従来の基礎壁建造で使用される従来の締め具を容易に受け入れ得る。
【0119】
本発明の一実施形態において、本発明に従うコンクリート組成物は、コンクリートブロックユニットの形状で、形成され、固化および/または硬化される。本明細書で使用される際、用語「コンクリートブロックユニット」は、空洞コンクリート物品または空洞なしコンクリート物品を意味し、刻み付き(scored)、スプリットフェース(split face)、リブ付き(ribbed)、溝付き(fluted)、研がれた表面(ground face)、スランプされる(slumped)、および舗装用の石各種を含むが、これらに限定されない。本発明の実施形態は、少なくとも一部に、本発明に従って作成されるコンクリートブロックユニットを含む壁を提供する。
【0120】
本発明の一実施形態において、上述の成形建造物品および材料、ならびにコンクリートブロックユニットは、貫通締め具を受けて、保持することが可能である。このような貫通締め具の非限定的な例は、釘、ネジ、ステープルなどを含む。このことは、表面被覆が、成形建造物品および材料ならびにコンクリートブロックユニットに、成形建造物品および材料ならびにコンクリートブロックユニットに、直接取り付けられ得る点で有利である。
【0121】
本発明の一実施形態において、標準2 1/2インチドライウォールネジは、本軽量コンクリート組成物を含む注入固化された表面の中に、1 1/2インチの深さまで回し入れ得て、少なくとも500ポンド、一部の場合において、少なくとも600ポンド、他の場合において、少なくとも700ポンドの力で、そして、800ポンドまでの力が、ネジを入れた表面に垂直に、1分間、一部の場合において、5分間、他の場合において、10分間にわたって付与されたとき、このネジは、外されない。
【0122】
本発明はまた、本発明に従うLWC組成物を含む建造物に向けられる。
【0123】
本発明はまた、最適化された軽量コンクリート物品を作成する方法も提供し、該方法は、
固化される軽量コンクリート組成物の所望の密度特性および強度特性を同定することと、
該軽量コンクリート組成物に使用するために発泡されるべきポリマビーズのタイプ、サイズ、および密度を決定することと、
該ポリマビーズが発泡されるべきサイズおよび密度を決定することと、
該ポリマビーズを発泡して、発泡ポリマビーズを形成することと、
該発泡ポリマビーズをセメント質混合物の中に分散して、該軽量コンクリート組成物を形成することと、
該軽量コンクリート組成物を所望の形に固化することを可能にすることと
を含む。
【0124】
固化および/または硬化されたLWC組成物の所望の密度および強度の特性は、意図される用途に基づいて、決定される。
【0125】
本発明の一実施形態において、発泡されるべきポリマビーズのタイプ、サイズ、および密度、ならびにポリマビーズが発泡されるべきサイズおよび密度は、実験および/または刊行物によりデータに基づいて、決定され得る。
【0126】
本発明の別の実施形態において、有限要素解析が、発泡されるべきポリマビーズのタイプ、サイズ、および密度、ならびにポリマビーズが発泡されるべきサイズおよび密度は、実験および/または刊行物によるデータに基づいて、決定され得る。
【0127】
この結果得られる軽量コンクリート組成物は、固化および/または硬化されることが可能であり、上述されたようなLWC物品およびコンクリートブロックユニットを提供する。
【0128】
本発明は、以下の実施例を参照することによって、さらに記載される。以下の実施例は、本発明の単なる例示に過ぎず、本発明を限定することは意図されない。特に指示のない限り、全ての百分率は、重量%であり、特記されない限り、ポルトランドセメントが使用される。
【実施例】
【0129】
特記されない限り、以下の材料:
・タイプIIIポルトランドセメント
・石工砂(mason sand)(バルク密度165pcf、比重2.64、粗粒率=1.74)
・飲料水−雰囲気温度(約70°F/21℃)
・発泡ポリスチレン−M97BC、F271C、F271M、F271T(NOVA Chemicals Inc.(ペンシルバニア州Pittsburgh))
・EPS樹脂−1037C(NOVA Chemicals,Inc.)
・1/2インチ膨張スレート(Carolina Stalite Company(ノースカロライナ州Salisbury)−バルク密度89.5pcf、比重1.43)
を利用した。
【0130】
特記されない限り、全ての組成物を、モデル42N−5ブレンダ(Charles Ross & Son Company(ニューヨーク州Hauppauge))を用いて、実験室条件下で調製した。このブレンダは、一軸パドルを備え、7立方フィートの作業能力本体を有する。このミキサは、34rpmで動作させた。条件付けは、LH−10温度・湿度チャンバ(Associated Environmental Systems(マサチューセッツ州Ayer)製)の中で実行された。サンプルは、平坦なキャップを有する6”×12”の使い捨てプラスチックシリンダモールドの中でモールドし、3回にわたってテストした。圧縮試験は、Forney FX250/300圧縮試験機(Forney Incorporated(ペンシルバニア州Hermitage))で実行した。この試験機が、所望の速度で、垂直の荷重を付与する。全ての他の周辺材料(スランプコーン、タンピングロッドなど)は、適用可能なASTM試験方法に一致させた。以下のASTM試験方法および手順:
・ASTM C470−コンクリート試験シリンダを垂直に形成するためのモールドに対する標準仕様
・ASTM C192−実験室でコンクリート試験片を作成および養生するための標準実施
・ASTM C330−構造用コンクリート向けの軽量骨材に対する標準仕様
・ASTM C511−水硬性セメントおよびコンクリートの試験に使用される混合室、湿潤キャビネット、湿潤室、および水貯蔵タンクに対する標準仕様
・ASTM C143−水硬性セメントコンクリートのスランプに対する標準試験方法
・ASTM C1231−硬化コンクリートシリンダの圧縮強度の決定における未結合キャップ(Unbonded Cap)の使用に対する標準実施
・ASTM C39−シリンダコンクリート片の圧縮強度に対する標準試験方法
に従った。
【0131】
シリンダを、24時間にわたって、キャップしたまま雰囲気実験室条件で保持した。次いで、全てのシリンダを、23±2℃、相対湿度95%で、さらに6日間にわたって経過させた。次いで、試験片を、試験した。
【0132】
(実施例1)
未発泡ビーズ形状のポリスチレン(M97BC−0.65mm、F271T−0.4mm、およびF271M−0.33mm)を事前膨張して、以下の表に示されるような異なる密度のEPSフォーム(プレパフ)粒子を得た。
【0133】
【表2】


このデータは、プレパフ粒子のサイズは、材料の膨張後の密度と、逆に変化することを示す。
【0134】
(実施例2)
未発泡ビーズ形状のポリスチレン(0.65mm、0.4mm、および0.33mm)を事前膨張させて、以下の表に示されるようなバルク密度2lb/ftを有するプレパフ粒子を得た。これらのプレパフ粒子を3.5立方フィートドラムミキサ内で調合して、LWC組成物を得た。このドラムミキサは、46.5重量%(25.3体積%)のポルトランドセメント、16.3重量%(26.3体積%)の水、および1.2重量%(26.4体積%)プレパフ粒子を含む。この結果得られたLWC組成物は、90lb/ftのコンクリート密度を有した。平均圧縮強度(7日間破断試験で、ASTM C39に従って決定)は、以下の表に示される。
【0135】
【表3】


このデータは、一定のプレパフ粒子密度で、平均未発泡ビーズサイズが小さくなるときに、驚くことに、必ずしもより高い圧縮強度が生じないことを示す。従来技術の示唆では、未発泡ビーズサイズが小さくなるほど、より高い圧縮強度が生じる。より具体的には、このデータは、2.00pcfでの圧縮強度に対する最適な未発泡ビーズサイズが、90pcfのコンクリート密度を得るために装填されるときに、存在することを示す。この最適は、この特定の調合に対して、330μmと650μmとの間であるように思われる。
【0136】
(実施例3)
プレパフ粒子密度はまた、全体のコンクリート密度にも影響を及ぼすので、EPS密度を変更することは、EPS装填レベルの変更が必要であり、それによって、一定のコンクリート密度を維持することができる。この関係は、プレパフ粒子の総量が、粒子を取り囲むコンクリートマトリックスの強度を低下させるほど大きくない限り維持される。プレパフ粒子密度と装填レベルとの間の関係は、全体のコンクリート密度を制御しながら、コンクリート強度を最適化すための追加の機会を提供する。
【0137】
未発泡ビーズ形状のポリスチレン(0.65mm)を事前発泡して、以下の表に示されるような様々な密度を有するプレパフ粒子を得た。これらのプレパフ粒子を、3.5立方フィートドラムミキサ内で調合し、LWC組成物を得た。これらのLWC組成物は、以下の表に示される成分を含み、それぞれ90lb/ftのコンクリート密度を有する。
【0138】
【表4】


以下のデータ表は、一定のコンクリート密度90lb/ftで、プレパフ密度とコンクリート強度との間の関係を数字で示す。
【0139】
【表5】


このデータは、プレパフ粒子密度が増加するにつれ、一定のコンクリート密度で、LWC組成物の圧縮強度もまた、増加することを示す。
【0140】
(実施例4)
未発泡ビーズ形状のポリスチレン(0.65mm)を事前膨張して、プレパフ粒子を得た。これらのプレパフ粒子は、以下の表に示されるように、1.1lb/ftのバルク密度を有する。これらのプレパフ粒子を、3.5立方フィートドラムミキサ内で調合して、以下の表に示される成分を含むLWC組成物を得た。
【0141】
【表6】


以下のデータ表は、プレパフ装填、コンクリート強度、およびコンクリート密度の間の関係を数字で示す。
【0142】
【表7】


このデータは、一定のフォーム(foam)粒子密度で、LWC組成物内のプレパフ粒子装填が増加すると、軽量コンクリート密度および圧縮強度が低下することを示す。
【0143】
(実施例5)
未発泡ビーズ形状のポリスチレン(0.65mm)を事前膨張して、以下の表に示されるような様々な密度を有するプレパフ粒子を得た。これらのプレパフ粒子を、3.5立方フィートドラムミキサ内で調合して、以下の表に示される成分を含むLWC組成物を得た。
【0144】
【表8】


以下の表は、調合の重量をベースに、一定のコンクリートプレパフの装填で、プレパフ密度とコンクリート強度との間の関係を数字で示す。
【0145】
【表9】


このデータは、一定のプレパフ粒子の(重量での)装填で、軽量コンクリート組成物内のプレパフ粒子密度が増加すると、軽量コンクリート密度および圧縮強度が増加することを示す。
【0146】
(実施例6)
未発泡ビーズ形状のポリスチレン(0.65mm)を事前膨張して、以下の表に示されるような様々な密度を有するプレパフ粒子を得た。これらのプレパフ粒子を、3.5立方フィートドラムミキサ内で調合して、以下の表に示される成分を含むLWC組成物を得た。
【0147】
【表10】


以下の表は、一定のコンクリート密度で、プレパフ密度とコンクリート強度との間の関係を数字で示す。
【0148】
【表11】


このデータは、一定のコンクリート密度で、LWC組成物内のプレパフ粒子密度が増加すると、LWCの圧縮強度が増加することを示す。
【0149】
(実施例7)
未発泡ビーズ形状のポリスチレン(0.65mm)を事前膨張して、以下の表に示されるような様々な密度を有するプレパフ粒子を得た。これらのプレパフ粒子を、3.5立方フィートドラムミキサ内で調合して、以下の表に示される成分を含むLWC組成物を得た。
【0150】
【表12】


以下のデータ表は、一定のコンクリート密度で、プレパフ密度とコンクリート強度との間の関係を数字で示す。
【0151】
【表13】


このデータは、一定のコンクリート密度で、LWC組成物内のプレパフ粒子密度が増加すると、LWCの圧縮強度が増加することを示す。
【0152】
(実施例8)
以下の実施例は、本発明のプレパフ粒子と組み合わせて、骨材としての膨張スレートの使用を示す。未発泡ビーズ形状のポリスチレンを事前膨張して、以下の表に示されるような様々な密度を有するプレパフ粒子を得た。これらのプレパフ粒子を、3.5立方フィートドラムミキサ内で調合して、以下の表に示される成分を含むLWC組成物を得た。
【0153】
【表14】


このデータは、望ましい軽量コンクリートが、軽量コンクリート組成物における骨材として、本発明のプレパフおよび膨張スレートを用いて得られ得ることを示す。
【0154】
(実施例9)
以下の実施例は、本発明のプレパフ粒子と組み合わせて使用された骨材として、膨張スレートの使用を示す。未発泡ビーズ形状のポリスチレンを事前膨張して、以下の表に示されるような様々な密度を有するプレパフ粒子を得た。これらのプレパフ粒子を、3.5立方フィートドラムミキサ内で調合して、以下の表に示される成分を含むLWC組成物を得た。
【0155】
【表15】


(実施例10)
以下の表の実施例XおよびYに従って調製された調合物を型に注入し、24時間にわたって、その調合物を固化することが可能になるようにして、1フィート四方、4インチ厚のコンクリート形状を作成した。
【0156】
【表16】


7日後に、1フィート四方で、1/2インチの合板シートを形成されたコンクリートに直接締め付けた。最低1インチの貫通が、十分な締め付けをするために要求された。その結果が、以下の表に示される。
【0157】
【表17】


このデータは、スレートを含むコンクリートが、容易に締め具を受け入れなかったのに対し、このスレートを含まない軽量コンクリート組成物が、従来の膨張スレート調合物に比べ、標準締め具を用いて、合板との優れた把持力(gripping capability)を提供することを示す。このことは、締め具をコンクリートに締め付けることができるようにするために、コンクリートの中にアンカを固定する時間を費やす実施が、排除され得るので、従来技術に対する改善を示す。
【0158】
(実施例11)
実施例XおよびYの調合物を型に注入し、24時間にわたって、その調合物を固化することが可能になるようにして、1フィート四方、4インチ厚のコンクリート形状を作成した。7日後に、1フィート四方で、1/2インチシートの標準乾式壁シートを形成されたコンクリートに、標準1 3/4インチドライウォールネジを用いて、直接締め付けた。最低1インチのネジの貫通が、十分な締め付けをするために要求された。その結果が、以下の表に示される。
【0159】
【表18】


このデータは、スレートを含まないこの軽量コンクリート組成物が、容易に締め具を受け入れなかった従来の膨張スレート調合物に比べ、優れた把持力を提供することを示す。このことは、コンクリートに乾式壁を接合できるようにするために、コンクリートに釘固定スタッド(nailing stud)を締め付ける時間を費やす実施が、排除され得るので、従来技術に対する改善を示す。
【0160】
(実施例12)
実施例XおよびYの調合物を型に注入し、24時間にわたって、その調合物を固化することが可能になるようにして、2フィート四方、4インチ厚のコンクリート形状を作成した。7日後に、3フィート長、2”×4”のスタッドを、標準16d釘を用いて、形成されたコンクリートに、直接締め付けた。最低2インチの釘の貫通が、十分な締め付けをするために要求された。その結果が、以下の表に示される。
【0161】
【表19】


このデータは、スレートを含まないこの軽量コンクリート組成物が、容易に締め具を受け入れなかった従来の膨張スレート調合物に比べ、優れた把持力を提供することを示す。このことは、TAPCON(登録商標)(Illinois Tool Works Inc.(イリノイ州Glenview)から市販)または同様の締め具、リードアンカー(lead anchor)、あるいはこの分野で公知のコンクリートをスタッドで締め付ける他の方法を用いる高価で時間を費やす実施が、排除され得るので、従来技術に対する改善を示す。
【0162】
(実施例13)
追加の骨材を含まないコンクリートを、以下の表に示される成分を用いて、作成した。
【0163】
【表20】


このデータは、最大圧縮強度組成物を提供するのに要求される平均プレパフサイズが、ある程度、プレパフの膨張係数に依存することを示す。平均プレパフサイズのみに焦点を置くことは、最大潜在コンクリート強度の良好な指標を提供しない。この点は、実施例BBとFFとを比較することによって示される。実施例FF(1.54mmサイズ)は、18倍の膨張係数で、最大圧縮強度を提供しないが、それでも、48倍に膨張したビーズから得られ得る最大強度に近い。
【0164】
プレパフサイズと膨張係数とを組み合わせて使用することで、最大コンクリート強度に対する指標が提供され得る。一例として、実施例AA(プレパフサイズ1.35mmおよび膨張係数48)は、圧縮強度1750psiを有する93pcfコンクリートを提供し、一方、同様のサイズのプレパフである実施例II(プレパフサイズ1.41mmおよび膨張係数12)は、著しく高い圧縮強度2100psiを有する90pcfコンクリートを提供する。したがって、プレパフサイズが小さいほど、かつ膨張係数が低いほど、プレパフ粒子サイズの最適範囲内にあるこの軽量コンクリート組成物において、より高い圧縮強度を提供し得る。
【0165】
(実施例14)
骨材として、膨張スレートを含むコンクリートを、以下の表に示される成分を用いて作成した。
【0166】
【表21】


このデータは、密度約90pcfのコンクリートを維持するために要求されるEPS体積が、スレート濃度が増加すると、幾分か直線的に、減少することと、この軽量コンクリートの強度が、調合物におけるスレートの量が増えるにつれて、指数関数的に増加することとを示す。この関係は、この軽量コンクリート調合物において、骨材を含むことが潜在的に著しい影響を与えることを強調し、所望の密度で、強度を最大にするために、調合物におけるEPSおよび骨材の量を最適化する潜在力のあることを示す。さらに、様々な成分のコストもまた、このような設計に含まれ得、この軽量コンクリート調合物は、最大強度と最低コストとの双方に対して、最適化され得る。
【0167】
(実施例15)
未発泡EPS(1037C)を含み、追加の骨材を含まないコンクリートを、以下の表に示される成分を用いて作成した。
【0168】
【表22】


このデータは、未発泡ポリスチレン樹脂ビーズ(約40pcfのバルク密度)が、低い密度(76〜100pcf)で、驚くほど高い圧縮強度(2500〜3200psi)を有する軽量コンクリート組成物を提供し得ることを示す。
【0169】
(実施例16)
1.2lb/ftに発泡されたF271T、1.3lb/ftに発泡されたF271C、および1.5lb/ftに発泡されたM97BCを走査電子顕微鏡(SEM)を用いて評価した。それぞれの表面および内部セルが、図20および図21(F271T)、図22および図23(F271C)、ならびに図24および図25(M97BC)に、それぞれ示される。
【0170】
図25、図27、および図29に示されるように、プレパフ粒子の外部構造は、連続的な外部表面または外皮を有し、形状において、全体的に球形であった。図26、図28、および図30に示されるように、プレパフサンプルの内部セル構造は、ハニカム型の構造に類似する。
【0171】
プレパフ粒子のサイズもまた、SEMを用いて評価した。その結果を以下の表に示す。
【0172】
【表23】

以上に示されるデータの全てを考えると、このデータは、内部セル構造が、軽量コンクリート調合物の強度に影響を及ぼし得る兆候のあることを示す。
【0173】
軽量コンクリート組成物に使用されるとき、プレパフ粒子は、2つの方法で、コンクリートの全体強度に影響を及ぼし得る。第一に、低密度を有する大粒子は、プレパフ粒子を囲むコンクリートマトリックスを変化させ、第二に、低密度プレパフ粒子は、フォーム(foamed)粒子のセル構造によって、剛性が低くなる。コンクリートの強度は、少なくともある程度は、プレパフ粒子の強度に依存するので、プレパフ粒子の強度が増すと、結果として、軽量コンクリートの強度もより大きくなるはずである。この潜在的強度の増加は、その増加がコンクリートマトリックスに影響を及ぼす程度によって、制限され得る。この実施例のデータは、元々のビーズ粒子サイズが、(プレパフ密度によって制御される)最適サイズのプレパフ粒子を提供するために、最適化され得、その結果、最大可能な軽量コンクリート強度となることを示唆する。
【0174】
換言すれば、最適プレパフ粒子サイズおよび最適密度範囲の中で、プレパフの壁厚は、十分な支持を提供するので、この軽量コンクリート組成物が、従来技術におけるコンクリート組成物よりも良好な強度を有することが可能になる。
【0175】
本明細書に示されるこのデータは、従来技術からの推定およびアプローチとは異なり、発泡EPS粒子が、コンクリート内のボイド空間として単に機能するだけでなく、驚くほど、より多くを行い得ることを示す。より具体的には、本発明で使用されるプレパフ粒子の構造および特徴は、結果として得られる軽量コンクリート組成物の強度を著しく強化し得る。
【0176】
(実施例17)
この実施例は、この軽量コンクリート組成物で締め具の使用と、その関連する引抜強度を示す。この評価を使用して、この軽量コンクリート(約90pcf)に直接挿入されたネジの負荷能力を、通常重量である従来の軽量コンクリートに挿入された従来のコンクリート締め具と比較した。
【0177】
締め具引き抜き試験は、3つのタイプのコンクリートで実行された。これらは、通常重量(143pcf)(サンプルMM、140pcf通常コンクリート)、膨張スレート使用の軽量コンクリート(123pcf)(サンプルNN、120pcf LWC)、EPSを含む軽量コンクリート(87pcf)(サンプルOO、90pcf LWC)であり、上述の方法で、以下の表の調合に従って作成された。
【0178】
【表24】


重力を用いて、各締め具から垂直に吊るされて、重力がその締め具の軸と一致するように負荷を付与することの可能な装置を作成した。90pcfのLWCに、2 1/2”標準ドライウォールネジを約1 1/2”深さまで直接挿入した。120pcfのLWCには、事前にドリルで開けた穴に、2つのタイプの締め具を挿入した。2つのタイプは、約2”深さまで挿入された2 3/4” TAPCON(登録商標)金属ネジタイプの石工締めアンカ(Illinois Tool Works Inc.(イリノイ州))と、約1 1/4”深さまで挿入された2 1/4”膨張ウェッジクリップのボルト/ナットアンカとである。140pcfの通常コンクリートにも、事前にドリルで開けた穴に、2つのタイプの締め具を挿入した。2つのタイプは、約2”深さまで挿入された2 3/4” TAPCON金属ネジタイプの石工締めアンカと、約1 1/4”深さまで挿入された2 1/4”膨張ウェッジクリップのボルト/ナットアンカとである。軽量コンクリートの中のドライウォールネジのうちの一つを抜き、試験用の同じ締め具の穴の中に、再度挿入した。また、TAPCONネジのうちの一つを抜き、再度挿入して、能力の任意の損失を評価した。以下の表は、各試験されたアンカ/締め具に対するデータおよび負荷を示す。
【0179】
【表25】


90pcfのLWCの中のドライウォールネジの保持力は、コンクリートから容易に離れることも、外されることもなく、驚くほど高かった。ドライウォールネジは、標準サイズの電動ドリルを必要とするだけで、容易に挿入された。90pcfのLWCの中のドライウォールネジの把持力は、これほどだったので、ネジのヘッドが、コンクリート表面に到達する前に、付与されるドリルのトルクが、止まらなかった場合、ネジのヘッドは、ねじり切れることになる。全ての締め具を、少なくとも10分間にわたって、負荷740lbで保持した。ただし、90pcfのLWCの中から抜かれ、再挿入されたドライウォールネジを、コンクリートから離れる前に、30秒間にわたって、負荷700lbで保持したのを除く。このドライウォールネジは、破断点で、破壊しなかったが、コンクリートから抜けた。
【0180】
上記のデータを全体的に考慮すると、この軽量コンクリート調合物の圧縮強度を最大にするための最適プレパフビーズサイズ(非限定的な例として、90pcfの軽量コンクリートに対して、約10〜20cc/gの膨張係数で、プレパフ直径約750〜1400μmに膨張する約450〜550μmの樹脂ビーズ)が存在することが証明された。この軽量コンクリート調合物の圧縮強度は、このEPSプレパフビーズ密度を高めることによって、増加し得る。未発泡ポリスチレン樹脂(バルク密度約40pcf)は、密度が低いこと(76〜100pcf)を考慮すると、高い圧縮強度(2500〜3200psi)で降伏する。骨材は、この軽量コンクリート調合物において、使用され得る。粗骨材を含まないこの軽量コンクリート調合物は、標準のドリルおよびネジを用いて、直接締められ得るコンクリート組成物を提供する。EPSプレパフビーズが、膨張して、バルク密度が低くなる(例えば、1pcf未満)とき、ビーズは、弱い内部セル状構造を有し、この構造は、より弱いフォームを形成し、次いで、より低い圧縮強度を有する軽量コンクリート混合物を提供する。
【0181】
(実施例18)
この実施例は、本発明に従う軽量コンクリート組成物において、種々の砂のタイプの使用を示す。
【0182】
EPS(発泡F271Cビーズ)を含むコンクリートを、以下の表に示される成分を用いて、上述の方法で作成した。ただし、Mortarman120ミキサ(IMER USA Inc.(メリーランド州Capital Heights))を混合に使用し、試験に、6”×12”シリンダの代わりに、4”×8”シリンダを使用した点で異なる。
【0183】
【表26】


この結果は、この軽量コンクリート組成物において、より高い強度は、より低い粗粒率を有する砂が使用されるとき、得られ得ることを示す。
【0184】
本発明は、本発明の特定の実施形態の特定の詳細を参照して記載されてきた。これらの詳細は、本発明の範囲を制限するものとしてみなされることを意図されない。ただし、これらの詳細が、添付の請求項に含まれる限り、その範囲については除く。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載される発明。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−148700(P2011−148700A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−103874(P2011−103874)
【出願日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【分割の表示】特願2008−503254(P2008−503254)の分割
【原出願日】平成18年3月22日(2006.3.22)
【出願人】(507315025)ノバ ケミカルズ, インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】