載置台および載置台を備えた加熱調理器セット
【課題】従来の加熱調理器は、加熱調理器上部に設けた天板上に給電を必要とする電気機器を置くと、電気機器からコンセント差込口までの距離が遠くなるため上部スペースの使い勝手が悪くなるという問題があった。また、加熱調理器や電気機器が過熱すると天板温度も上昇するため置ける物が限られてしまい、これによっても加熱調理器の上部スペースの使い勝手が悪くなっていた。
【解決手段】本体上面の周縁または本体側面に設けられ、加熱調理器および電気機器が有する差込プラグが抜き差し可能であって、外部電源に電気的に接続されたプラグ受けと、本体下面の周縁または本体側面に設けられ、本体下面と加熱調理器上面との間の間隙に送風する冷却ファンと、を備える。
【解決手段】本体上面の周縁または本体側面に設けられ、加熱調理器および電気機器が有する差込プラグが抜き差し可能であって、外部電源に電気的に接続されたプラグ受けと、本体下面の周縁または本体側面に設けられ、本体下面と加熱調理器上面との間の間隙に送風する冷却ファンと、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主にオーブンレンジやガスオーブンなどの加熱調理器の上面に支持される載置台、ならびに載置台を備えた加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の加熱調理器では、加熱調理器の上部に若干(5mm以上)の隙間を介して天板を設け、この天板を着脱可能とすることにより、この天板上の温度を下げることができ、結果としてこの天板上に所望の品物を置くことができ、尚且つ筐体を汚したり傷つけたりすることのないものが提案されている。(例えば特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−2431号公報(段落0024)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし従来の加熱調理器では、加熱調理器上部に設けた天板上に給電を必要とする電気機器を置くと、電気機器から壁などに設けられたコンセント差込口までの距離が遠くなる。そのため、電気機器の差込プラグがコンセントまで届かないことや、別途延長コードなどを用意する必要があり煩雑であるため加熱調理器の上部スペースの使い勝手が悪くなるという問題があった。また、加熱調理器や電気機器が過熱すると輻射や伝導等により天板温度も上昇するため、熱影響等を考慮すると置ける物が限られてしまい、これによっても加熱調理器の上部スペースの使い勝手が悪くなっていた。
【0005】
そこで本発明は、載置された電気機器に対して煩雑さなく容易に電源を供給することができ、また加熱調理器や電気機器の過熱を抑制して使い勝手の良い上部スペースが得られる載置台および該載置台を備えた加熱調理器セットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る載置台は、加熱調理器の上方に設けられ、上面に電気機器を載置可能な平面部を有する本体と、本体の下面に設けられ、加熱調理器の上面と接触して本体の下面と加熱調理器の上面との間に間隙を設けて本体を支持する支持脚と、本体上面の周縁または本体側面に設けられ、加熱調理器および電気機器が有する差込プラグが抜き差し可能であって、外部電源に電気的に接続されたプラグ受けと、本体下面の周縁または本体側面に設けられ、本体の下面と加熱調理器の上面との間の間隙に送風する冷却ファンと、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る載置台によれば、載置台に外部電源、例えば家庭用のコンセント差込口からの電源供給を受けて、プラグ受けから上面に載置した電気機器に電力を再供給とすることができる。また、載置台と加熱調理器の間に通風して載置台を冷却することができる。これによって載置台上部スペースの使い勝手が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1を示す載置台を備えた加熱調理器を前方から見た斜視図である。
【図2】この発明の実施の形態1を示す載置台を備えた加熱調理器を後方から見た斜視図である。
【図3】この発明の実施の形態1を示す載置台の排気口周辺を示すB−B’概略断面図である。
【図4】この発明の実施の形態1を示す載置台の冷却風路を示すA−A’概略断面図である。
【図5】この発明の実施の形態1を示す載置台の冷却風路を示す透視斜視図である。
【図6】この発明の実施の形態1を示す載置台の冷却風路を示す上面透視図である。
【図7】この発明の実施の形態1を示す載置台の冷却風路の変形例を示す透視斜視図である。
【図8】この発明の実施の形態1を示す載置台の冷却風路の変形例を示すC−C’概略断面図である。
【図9】この発明の実施の形態1を示す載置台の冷却風路の変形例を示す上面透視図である。
【図10】この発明の実施の形態1を示す載置台の制御ブロック図である。
【図11】この発明の実施の形態1を示す載置台のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
本発明を実施する形態について図1〜図11を用いて説明する。図1は、載置台9を備えた加熱調理器100を前方から見た斜視図であり、図2は載置台9を備えた加熱調理器100を後方から見た斜視図である。なお、本実施の形態1においては、加熱調理器100の扉2が取り付けられている側を前、その逆側を後とする。
【0010】
はじめに、加熱調理器100の構成について図1および図2を用いて説明する。
本実施の形態1に係る加熱調理器100は、図1に示すように外郭を形成する筐体1の前方に把持部8および操作パネル3を有する扉2が取り付けられている。筐体1の内部には、図示しない加熱源と、前面に開口部を有する図示しない加熱室があり、扉2は閉状態時に加熱室の開口部を覆うように取り付けられている。また、図2に示すように筐体1の後方にはコードを介して加熱調理器差込プラグ15が設けられている。また、筐体1の後方上部には、加熱室と筐体1外とを連通する排気口17が設けられている。
【0011】
次に、加熱室について説明する。
加熱室は被加熱物を収容するための部屋であり、扉2を開閉することで使用者は加熱室内に被加熱物を収容することができる。また、加熱室内で生じた蒸気や煙やニオイなどは排気口17から筐体1外へ排気される。
【0012】
次に、加熱源について説明する。
加熱源は、加熱室に収容された被加熱物を加熱するための手段である。本実施の形態1で使用する加熱源としては例えばシーズヒータ、ガラス管ヒータなどの主に輻射効果により調理を実施する熱源や、誘導加熱、誘電加熱、ヒータに風を当てて対流加熱するコンベクション加熱、ガス火による加熱などが挙げられる。また、加熱源を特に限定せず、複数の加熱源を組み合わせて使っても良い。
【0013】
次に、操作パネル3について説明する。
操作パネル3は、加熱調理器100内に設けられた図示しない制御手段26に指令を与えるものであり、使用者が操作パネル3で設定入力、操作することで加熱調理を実施することができる。操作パネル3は主にスタートキー4、取り消しキー5、選択キー6、表示手段7から構成される。選択キー6で選択された熱源や調理方法について、スタートキー4の信号をトリガーとして制御手段を介して加熱調理を実施する。表示手段7には運転状態や設定状態が表示される。調理を手動で止めたい場合や設置をやり直したい場合には取り消しキー5を押下することで、途中停止が可能となる。なお、本実施の形態1では操作パネル3は扉2に設けられているが、操作パネル3を筐体1に設けても良い。
【0014】
次に、載置台9の構成について図1および図2を用いて説明する。なお、載置台9も加熱調理器100と同様に、扉2に面している側を前、逆側を後とする。
図1に示すように、加熱調理器100の上面には、載置台9が支持されている。載置台9は、上面に物を載置できる平面状の平面部と、平面部の後方端部に形成された隆起部からなる本体24と、本体24の下面に設けられた支持脚23と、温度検知手段18と、電力基板などからなる図示しない制御手段とを備えている。また、本体24の隆起部にはプラグ受け12、加熱調理器用プラグ受け14、電源スイッチ10、報知手段としての表示LED11、冷却ファン16a、16b、16c(以下、区別しないときは「冷却ファン16」と呼ぶ)、載置台開口部22、隆起部から導出され、コードを介して電源コンセントに抜き差し可能な電源接続部13が備えられている。
【0015】
次に、本体24について説明する。
本体24の平面部は、上に物を載せるために板状に形成されており、平らでかつ強度のある材質、例えばガラスやセラミックなどが用いられている。平面部に載せ置く物の例としては、調理の途中で参照できるように料理本や、味付けに使う調味料や、調理後の食品を盛り付けるための食器や、ミキサー、フードプロセッサー、トースターなどの調理向け電気機器等がある。なお、平面部は上面に載置した物が滑らないように上面に滑り止め加工が施されていても良い。
【0016】
本体24の隆起部は、平面部上面よりも高い箇所を有しており平面部上に載置したものが外へ落下することを防ぐ。隆起部上面は平面部上面と連続しており、本体24の上面を形成している。また本実施の形態1では各部材、具体的には後述する電源スイッチ10、表示LED11、プラグ受け12および加熱調理器用プラグ受け14、冷却ファン16を収容する役割も兼ねる。また、冷却ファン16を設けるために隆起部は本体24下面と通ずる空洞を有するように一部の箇所の下面が平面部下面よりも高く形成されている。なお、隆起部は平面部とは別材質としても良い。なお、本体24は隆起部を有さない構成としてもよい。
【0017】
次に、支持脚23について説明する。
支持脚23は本体24の下面に設けられている。支持脚23は加熱調理器100の上面と接触する箇所であり、支持脚23下部と加熱調理器100の上面との摩擦で載置台9がずれることを防いでいる。つまり載置台9は支持脚23に支持される格好で加熱調理器100の上面に載置されている。これによって本体24の下面と加熱調理器100の上面との間には通風可能な間隔がある。
【0018】
支持脚23の材質としては、載置台9を載置するにあたり摩擦力を利用してずれを防止していることから、摩擦力が大きいので載置台9がよりずれにくくなるゴムを用いるのが望ましい。また、これに加えゴムはある程度の柔軟性を有するため加熱調理器100の上面に多少の凹凸があっても載置台9を載置することができる。
【0019】
また、支持脚23は本体24と加熱調理器100の上面との間隔を保持する役割もある。ここで、本体24と加熱調理器100の上面との間隔があまりに離れていると、載置台9の安定性を欠くことになる。さらに間隔を大きく取ることで載置台9上の使用できるスペースが狭くなり使い勝手が悪くなる。そのため、本体24と加熱調理器100の上面との間には通風のための間隔があるが、該間隔はできるだけ狭いほうが良く、そのため支持脚23の長さも通風可能な範囲でできるだけ短いものになるように実験等により長さを定めることが望ましい。
【0020】
なお、本実施の形態1における載置台9は、多くの機種に対して使用できるように加熱調理器100の上面に載置する形態を取ったが、あらかじめ特定機種に使用することがわかっていれば、アタッチメントとして支持脚23を加熱調理器100に固定して支持する支持脚23と交換可能にしてもよい。この際の固定方法としては、加熱調理器100側に何も取り付ける必要が無いように、支持脚23にて加熱調理器100を挟み込むことで載置台9を固定する固定方法が望ましい。なお、この際加熱調理器100の前面と背面とを挟み込むのではなく、両側面を挟み込む形で固定すると扉2の開閉に対して支持脚23が干渉することがないためより望ましい。
【0021】
次に、図3を用いて加熱調理器100の上面に載置台9を支持した際の載置台開口部22の役割について説明する。
図3は図2の矢視B−B’の概略断面図である。載置台開口部22は排気口17の形状に合わせて形成されている。前述したように、支持脚23のみでも十分に載置台9を支持することができるが、載置台開口部22に排気口17を差し込むように設置することで、より一層載置台9の位置がずれることを防止する効果がある。
【0022】
次に、表示LED11について説明する。
図1に示すように表示LED11は本体24の隆起部に設けられている。表示LED11は、冷却中である場合にはLEDが点灯するなどして、冷却ファン16が稼働中であることを伝えるための手段である。また、温度検知手段18が検出した温度が任意の温度よりも高温であれば、「高温注意」などの表示により注意喚起を実施する。
【0023】
次に電源スイッチ10について説明する。
図1に示すように電源スイッチ10は本体24の隆起部に設けられている。なお本体24が隆起部を有さない場合には電源スイッチ10は本体24上面の周縁または側面に設けられる。電源スイッチ10は、電源ON、電源OFF、また冷却ファン16を稼動させるモード(自動モード、手動モード)の選択が可能な3トグルスイッチとなっている。
【0024】
次に、温度検知手段18について説明する。
温度検知手段18は本体24下面に設けられ、一例としてサーミスタで構成される。温度検知手段18は載置台9の温度や載置台9を冷やす冷却風の温度を検知し、検知した温度に基づいて後述する冷却ファン16の制御や表示LED11の点灯が行われる。
【0025】
次に、電源接続部13について説明する。
電源接続部13は住居や業務用厨房の壁に設けられたコンセントから電力を取得する。つまり、電源接続部13をコンセントに差し込むことにより、プラグ受け12および加熱調理器用プラグ受け14に電力が供給される。電源接続部13に付随するコードは、距離が遠くても届くように、全長5m程度に長めの寸法を取ってある。
【0026】
次に、プラグ受け12および加熱調理器用プラグ受け14について説明する。
プラグ受け12および加熱調理器用プラグ受け14は、載置台9を支持する加熱調理器100および載置台9上に載置された電気機器へ給電するためのものであり、加熱調理器100および電気機器の差込プラグをプラグ受け12や加熱調理器用プラグ受け14に差し込むことで、加熱調理器100や電気機器への給電が行われる。
【0027】
プラグ受け12の構成を詳しく説明すると、プラグ受け12にはそれぞれプラグ先端の栓刃を厚さ方向の両側から弾性的に挟持する一対のばね片から成る刃受部でプラグ受け12から挿通されるプラグの一対の栓刃を受けるようになっている。刃受部は、長尺の金属板から成る導電板の長手方向に沿って設けられており、刃受部は、導電板の端子部に電線コードの芯線がかしめ固定されることで外部電源と電気的に接続されている。なお加熱調理器用プラグ受け14も同様の構成となっている。
【0028】
なお本体24が隆起部を有さない場合にはプラグ受け12および加熱調理器用プラグ受け14は本体24上面の周縁または側面に設けられる。隆起部に設ける場合は隆起部の上面または側面に設けるが、図1に示すようにプラグ受け12は隆起部上面に載置台9の前方に向いて設けられることが好ましい。これは、ミキサーやフードプロセッサーなどの軽量な機器は、必要な時にのみ載置台9の上部において使用したいという場合に、前面を向けて設置されたプラグ受け12から電源供給を受けることが可能となるためである。
また、図2に示すように加熱調理器用プラグ受け14は載置台9の後方に向いて設けられていることが好ましい。これは、本実施の形態1がそうであるように、通常、加熱調理器100用差込プラグ15は加熱調理器100の背面に設置されている場合が多いため、利便性を考慮して隆起部の後方に設けられている。なお、プラグ受け12と加熱調理器用プラグ受け14とを兼用しても良い。
【0029】
次に、冷却ファン16について説明する。まず、図4を用いて冷却ファン16による冷却風の流れについて説明する。
図4は図2の矢視A−A’の概略断面図である。図4に矢印で示す冷却風19は冷却ファン16による風の流れを示している。
冷却ファン16は本体24と加熱調理器100の上面との間に送風し載置台9を冷却するためのものである。冷却ファン16は電源接続部13から得られる電力を制御手段を介して供給することで回転し、載置台9を冷却する。具体的には、冷却ファン16から吸気された外気温度と略等しい冷却風19が本体24の下面と加熱調理器100の上面との間を通り、加熱調理器100内部の加熱源などにより温度上昇した筐体1の上部を冷却することで、ひいては加熱調理器100からの輻射熱等により温度が上昇した載置台9を低温に保つことが可能となる。なお、この際加熱調理器100の上面内側には断熱材が設けられているため、加熱室は冷却風によって極端に温度が低下することがない。そのため加熱室内の調理に影響を与えることなく効率的に載置台9を冷却することが可能となる。なお、冷却ファン16は軸流ファンに限らずシロッコファン等を用いてもよい。
【0030】
次に、冷却ファン16の配置について説明する。ここで、図4に示すように本体24の隆起部は本体24の下面と通ずる空洞が形成されている。冷却ファン16は空洞の内壁、換言すると平面部下面より高い隆起部の下面に設けられている。傾斜して設けている理由としては、通常、加熱調理器100の後方は建物の壁や戸棚の壁などに面している場合が多いため、冷却ファン16が壁にくっつかないようにするためである。
なお本体24が隆起部を有さない場合には表示LED11は本体24下面の周縁または側面に設けられるが、冷却ファン16を隆起部の下面に設け、本体24の下面と加熱調理器100の上面との間に風を通すことで、本体24と加熱調理器100の上面との間隔が冷却ファン16の寸法に影響されることがなくなるので本体24と加熱調理器100の上面との間隔をより狭くすることができる。
【0031】
次に、冷却風路の分岐について説明する。図5、図6は冷却風路の詳細を示しており、図5は透視斜視図、図6は上面透視図である。複数装着された冷却ファン16a、16b、16cはそれぞれ冷却風19を載置台9後方から吸い込み、載置台9の下面へ導入する。この際、背面側から吸気をすることで、壁が変色するなど、背面に置かれたものへの悪影響を与えずに冷却することが可能となる。
【0032】
図5に示す風路構成リブ20は本体24の下面に設けられている。なお、風路構成リブ20は加熱調理器100上面に接触させないため支持脚23よりも短く形成されている。複数の冷却ファン16で吸い込まれた冷却風19を風路構成リブ20を利用して極力分散することで、載置台9の広い領域を冷却するよう風路を構成する。具体的には、16a背面から冷却風19aを導入し、筐体1を前方から見た場合に右側に抜けるように風路構成リブ20にて風路を区画する。同様に、16bは中央に冷却風19bが、16cは左側に冷却風19cが抜けるよう風路構成リブ20にて風路を区画することで、載置台9の広範な範囲を冷却することが可能となり、載置台9のうち一部分の温度が高くなるなどの不具合を防止することができる。また風路形成リブ20は載置台9の機械的強度向上にも有効となる。
【0033】
ここで、図5中に示す排気口17から伸びる矢印は排気風路から流れる排気風21である。図5に示すように、冷却ファン16cは排気口17を避けた方向に向けて設置され、かつ風路構成リブ20で冷却風路と排気風路とを区画することで、排気口17から排出される蒸気や油を含んだ熱風が載置台9下部に導入しないようにすることができるため、載置台9の冷却効果の低下や油汚れ付着、結露防止などの効果を奏することが可能となる。
【0034】
次に、冷却風路の変形例を図7〜図9を用いて説明する。
図7は冷却風路の変形例を示す載置台9の透視斜視図である。図8は図7のC−C’概略断面図、図8は冷却風路の変形例を示す載置台9の上面透視図である。
【0035】
冷却ファン16a、16b、16cは背面側に冷却風を排出する方向にファンを回転させ、載置台9の下面、かつ加熱調理器100の上面との間を、載置台9の前方あるいは側方から冷却風19を吸い込み、背面に冷却風19を吐き出す。このように構成することにより、筐体1を冷却し、温まった風が筐体1の前方側、すなわち使用者が居る可能性が高い方向に流れていってしまうことがなく、使用者への不快感を低減することが可能となる。
【0036】
ここで、冷却ファン16cは排気口17に向けて設置される。これは、排気口から排気される熱風は、100℃を超えるような高温で排出されたり、蒸気や油も含んでいたりするため、直接あたると家具をいためたり、不快な思いをする場合があるため、温度や濃度を抑制の必要があるためである。
本発明の図11で示すように、冷却ファン16cから排出された冷却後の風と排気風21が混合されることにより、排気後の温度が抑制されるため、高温の排気風21や蒸気で家具を傷めるような不具合を抑制することができる。
なお、図5〜6に示した冷却風路と図7〜9に示した冷却風路は使用者によって任意に切り替えが可能な構成としてもよい。この場合は、例えば冷却ファン16が載置台9から着脱可能な構成としていれば冷却ファンの向きを逆にして取り付けることで送風方向を逆にすることができ、さらに風路形成リブ20を長さが異なるものに差し替えることで排気口17からの排気が、冷却ファン16からの送風と混合しないように区画するか混合するように区画するかを選択することが出来る。
【0037】
次に、載置台9の制御手段26が行う制御動作を図10を用いて説明する。
図10は載置台9の制御ブロック図である。
載置台9に設けられた制御手段26は電源キー10、表示LED11、冷却ファン16、温度検知手段18、電力検知手段25および計時手段27が電気的に接続されている。また、電源キー10は電源接続部13が電気的に接続されており、電力検知手段25はプラグ受け12、加熱調理器用プラグ受け14および過電流遮断機28が電気的に接続されている。なお、制御手段25はたとえばマイコンなどにより構成されており、同一マイコン内に制御手段26、電力検知手段25および計時手段27を有していてもよい。
次に、制御手段26が行う制御について説明する。電源接続部13から電源が供給されると電源入切手段に相当する電源キー10を介して制御手段25に通電される。ただし、電源キー10がOFFのときは制御手段26には通電されない。通電された制御手段26は、冷却ファン16を駆動させ、計時手段27から冷却ファン16駆動時間の情報を取得し、この情報に基づいて冷却ファン16の制御を行う。また、電源キー10が後述する自動モードに設定されていた場合は、温度を検知する温度検知手段18と、プラグ受け12および加熱調理器用プラグ受け14に電力が供給されているか否かを検知する電力検知手段25とから情報を取得し、この情報に基づいて冷却ファン16の制御を行う。いずれの場合も制御手段26は冷却ファン16駆動中は放置手段としての表示LED11に通電し、冷却ファン16駆動中である旨を報知する。
プラグ受け12および加熱調理器用プラグ受け14の前段にはヒューズなどの過電流遮断機28があり、電力検知手段25が検知した電流値が過大になった場合、たとえば各コンセントタップの合計使用電力が1500Wを超えると電流を遮断する。
【0038】
次に、載置台9において、制御手段26の制御プログラムによる冷却ファン16の吹き出し開始から終了までの動作を図11に示すフローチャートの各ステップに基づいて説明する。
【0039】
(S1)
図11は冷却ファン16にて動作時の冷却シーケンスのフローチャートである。
電源キー10により選択された電源キーフラグにより、使用者が選んだのはスイッチOFFか自動モードか手動モードかのフラグを立てる。
【0040】
(S2)
次に、ステップS2にて制御手段26は、運転フラグがスイッチOFFであるか否かを判断する。スイッチOFFである場合は、冷却シーケンスを終了する。
【0041】
(S3)
次に、ステップS2にて制御手段26が運転フラグがスイッチOFFでないと判断すると、ステップS3にて制御手段26は運転モードが手動モードであるか否かを判断する。
【0042】
(S4)
次に、制御手段26が運転モードが手動モードであると判断すると、制御手段26は冷却ファン16を駆動させる。また、制御手段26は表示LED11にその旨報知させる。
【0043】
(S5)
手動モードで運転中でも、切り忘れ防止機能として、計時手段により冷却シーケンス開始からの経過時間Tiを計る。そして、制御手段26は経過時間があらかじめ設定された任意時間Tisを経過したか否かを判断する。経過していない場合はステップS1へ戻る。任意時間Tisを経過した場合には、ステップS6に移行する。
【0044】
(S6)
次に、制御手段26が運転モードが手動モードでもないと判断するか、またはステップS5で任意時間Tisを経過すると、制御手段26は温度検知手段18が検出した載置台9の温度Tがあらかじめ設定された閾値温度TSよりも大きいか否かを判断する。なお、閾値温度TSは例えば載置台9上に載置された調理本や調味料が熱の影響により変質しない温度、載置された電気機器が熱の影響なく駆動できる温度などを設定する。
【0045】
(S7)
ステップS6で温度Tが閾値温度TSよりも小さいと、制御手段26はプラグ受け12および加熱調理器用プラグ受け14から供給される電力を検知する電力検知手段25が検知した値があらかじめ設定された所定の閾値電力WSよりも大きいか否かを判断する。ここで、例えば閾値電力WSを加熱調理器100の加熱源であるヒータの入力値、たとえば600Wと同等にしておけば、一定以上の加熱能力を持つヒータが運転された場合のみ冷却ファン16を稼動するなどの運転が可能となるため、過剰な冷却を防ぎ、加熱効率の向上や節電につながる効果もある。
【0046】
(S8)
ステップS6で温度Tが閾値温度TSよりも大きい、またはステップS7で供給される電力Wが所定の閾値電力WSよりも大きいと、制御手段26は冷却ファン16を駆動させる。また、制御手段26は表示LED11にその旨報知させる。そしてその後ステップS1へ戻る。
【0047】
(S9)
ステップS8にて供給される電力Wが所定の閾値電力WSよりも小さいと、制御手段26は冷却ファン16を停止させる。また、制御手段26は表示LED11にその旨報知させる。その後、冷却シーケンスを終了する。
【0048】
以上のように、本実施の形態1に係る載置台9は、載置台9上に物が置ける利便性に加え、電源接続部13、プラグ受け12および加熱調理器用プラグ受け14を設けることで、電源接続部13を介して外部電源、例えば家庭用の電源コンセントからの電源供給を受けて、載置台9上に載置される電気機器や載置台9を支持する加熱調理器100へ電源供給をプラグ受け12から行うことができ、載置台9上に載置した電気機器とプラグ受け12との距離が該電気機器と壁に設けられたコンセントとの距離に比べて遥かに近くなるため、電気機器に対して煩雑さなく容易に電源を供給することができる。
【0049】
また、例えば、昨今の節電要求によって、待機電力がかかる電気機器などに対しては、使用者が日頃から該電気機器を使用しないときは差込プラグをこまめに抜くことがあると考えられる。その際、壁に設けられたコンセントは足元の屈まなければいけないような位置に設けられていることに比べて、一般にオーブンなどの加熱調理器100はキッチン棚などを使って扉2の開閉がしやすいように使用者が立って使える位置に設けられている。従って本実施の形態1に係る載置台9も使用者が立って使える位置にあるため、差込プラグの抜き差し作業時に使用者が屈む姿勢をとることによる負担を軽減することができる。
なお、プラグ受け12を複数設けることで、例えばトーストでパンを焼きながら、ミキサーで野菜ジュースを作りたい、という場合にも対応が可能となる。この際にも、ミキサーを調理後差し込みプラグを抜いて洗う場合にコンセントの抜き差し作業を使用者が立ったまま行うことができるので、使用者への負担を軽減することができる。
【0050】
また、本体24と加熱調理器100の上面との間に通風可能な間隔を有するように支持脚23で本体24を支持し、冷却ファン16にて該間隔に送風することで載置台9を冷却している。これによって、冷却効果は飛躍的に向上することとなるため、加熱調理器100からの輻射熱や電気機器からの熱伝導による影響を考慮することなく載置台9上に物を置くことができるので、より使い勝手よく載置台9上のスペースを使用することができる。
【0051】
また、載置台9が有する制御手段26は、使用者が手動で冷却ファン16のON/OFFを切り替える手動モードの他に、自動で冷却ファン16を駆動させる自動モードを備えたことで、安全性等の観点に基づき必要な時だけ冷却ファン16を駆動させることができるので、使用者による冷却ファン16のON/OFF切り替えの負担を無くし、適切に載置台9の冷却を行うことができる。また、切り替え忘れて冷却ファン16が常時ONになることもないので消費電力を減らすことができる。
【0052】
また、本実施の形態1ではプラグ受け12および加熱調理器用プラグ受け14から供給される電力を検知する電力検知手段25を備え、各プラグ受け12および加熱調理器用プラグ受け14毎に供給される電力があらかじめ設定された閾値電力、たとえば加熱調理器100の加熱源であるヒータの入力値、たとえば600W以上の電力が供給されると制御手段26が冷却ファン16へ電力を供給する。ここで、制御手段26が冷却ファン16へ電力を供給する閾値電力はプラグ受け12および加熱調理器用プラグ受け14から供給されるすべての電力の合計値を基にヒューズなどの過電流遮断機が電力を遮断するための閾値電力、たとえば1500W、とは別に設定された値である。これによって、電力消費の多い、つまり過熱による熱の影響が大きい加熱調理器100や電気機器が駆動した場合のみ冷却ファン16が駆動するため、冷却ファン16を常時駆動させるものと比べて節電効果がある。
なお、この場合、該効果を発揮するためには使用者に載置台9が有する加熱調理器用プラグ受け14に加熱調理器差込プラグ15を差し込んでもらう必要があるため、加熱調理器用プラグ受け14が加熱調理器100に対応していることや該効果を発揮できるということを文字や図形等で強調しておくと良い。
【0053】
また、本実施の形態1では自動モードで動かす条件として、載置台9の温度を検知する温度検知手段18を備え、例えば温度検知手段18が載置台9上に載置された調理本や調味料が熱の影響により変質しない温度や載置された電気機器が熱の影響なく駆動できる温度を超えた場合に制御手段26が自動で冷却ファン16へ電力を供給し駆動させ、温度が低下するまで運転を継続させる。これによって載置台9の温度が高い状態、つまり加熱調理器100や電気機器の過熱による調理本や調味料の変質や熱影響によって電気機器の動作不良が起こる可能性のある状態でのみ冷却ファン16が駆動するので、過剰な冷却を防ぐため加熱効率が向上し、さらに冷却ファンを常時駆動させるものと比べて節電効果がある。
【0054】
また、複数の冷却ファン16を設け、さらに本体24下部に設けた風路構成リブ20で冷却風路を区画することで、複数の冷却ファン16で吸い込まれた冷却風を極力分散することで載置台9の広い領域を冷却するような冷却風路を構成することができる。
【0055】
また、載置台9を上面に排気口17を有する加熱調理器100に設けた状態において、冷却ファン16を排気口17を避けて載置台9後方から前方または側方またはその両方のどれかへ送風する向きに設けることで、載置台9の背面近傍にあるもの、例えば建物の壁や戸棚の壁などへ悪影響を与えずかつ載置台9の冷却効果の低下や油汚れ付着、結露防止などの効果を奏することが可能となる。
【0056】
また、載置台9を筐体1上部に設置した状態において、載置台9前方または側方またはその両方から冷却風19を吸気し、後方へ冷却風19が排気されるように風路構成リブ20で冷却風路を区画し、冷却ファン16を設けることで、背面側に冷却後の風が出るため、筐体1を冷却した後の温まった風が筐体1の前方側、すなわち使用者が居る可能性が高い方向に流れることがないので、使用者に不快感を与えることを低減することが可能となる。また、この場合は、冷却ファン16から排出された冷却風19と排気口17の排気風21が混合するように冷却ファン16を排気口17に向けて設置することで、排気後の温度が抑制されるため、高温の排気や上記で家具を傷めるような不具合を抑制することができる。
【0057】
また、平面部の後方端部に隆起部を形成し、冷却ファン16を隆起部の下面に設け、本体24の下面と加熱調理器100の上面との間に風を通すことで、本体24と加熱調理器100の上面との間隔が冷却ファン16の寸法に影響されることがなくなるので本体24と加熱調理器100の上面との間隔をより狭くすることができ、載置台の安定性が増して載置台上の使用できるスペースもより広くなる。なお、他に隆起部に設けられる電源スイッチ10、表示LED11、プラグ受け12および加熱調理器用プラグ受け14は隆起部の上面に設けられており、冷却ファン16の風との干渉を避けている。
【0058】
また、本実施の形態1で説明した載置台9をあらかじめ特定のレンジ調理とオーブン調理とを組み合わせる加熱調理器100とセットで使用することが想定されている場合は、レンジ調理時はオーブン調理時に比べ加熱調理器100外への熱漏洩が少ないため、レンジ調理時はオーブン調理時に比べ冷却ファン16の送風量を少なくして省エネを図ることが出来る。例えばレンジ調理時の消費電力1000W、オーブン調理時の消費電力600Wの加熱調理器100とセットで使用することが想定されているならば、電力検知手段25が600Wを検知すると冷却ファン16を送風量を大きくし、1000Wを検知すると送風量を小さくすることで、消費電力は大きいが送風量は小さいという一見相反する要求に対しても細かく対応することが出来る。
【0059】
また、冷却ファン16の稼動中には表示LED11により報知しているため、載置台9が高温の可能性があることへの注意喚起になったり、ファン音が鳴り続けていることへの不安感を払拭したりする効果がある。
また、電源キー10により、強制的に冷却を打ち切りたい場合などに緊急OFFが可能となるため、省エネやファンに物が挟まった場合などの緊急停止時に対応可能となる効果がある。
【符号の説明】
【0060】
1 筐体、2 扉、3 操作パネル、4 スタートキー、5 取り消しキー、6 選択キー、7 表示手段、8 把持部、9 載置台、10 電源キー、11 表示LED、12 プラグ受け、13 電源接続部、14 加熱調理器用プラグ受け、15 加熱調理器差込プラグ、16 冷却ファン、17 排気口、18 温度検知手段、19 冷却風、20 風路形成リブ、21 排気風、22 載置台開口部、23 支持脚、24 本体、25 電力検知手段、26 制御手段、27 計時手段、28 過電流遮断機、100 加熱調理器。
【技術分野】
【0001】
本発明は、主にオーブンレンジやガスオーブンなどの加熱調理器の上面に支持される載置台、ならびに載置台を備えた加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の加熱調理器では、加熱調理器の上部に若干(5mm以上)の隙間を介して天板を設け、この天板を着脱可能とすることにより、この天板上の温度を下げることができ、結果としてこの天板上に所望の品物を置くことができ、尚且つ筐体を汚したり傷つけたりすることのないものが提案されている。(例えば特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−2431号公報(段落0024)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし従来の加熱調理器では、加熱調理器上部に設けた天板上に給電を必要とする電気機器を置くと、電気機器から壁などに設けられたコンセント差込口までの距離が遠くなる。そのため、電気機器の差込プラグがコンセントまで届かないことや、別途延長コードなどを用意する必要があり煩雑であるため加熱調理器の上部スペースの使い勝手が悪くなるという問題があった。また、加熱調理器や電気機器が過熱すると輻射や伝導等により天板温度も上昇するため、熱影響等を考慮すると置ける物が限られてしまい、これによっても加熱調理器の上部スペースの使い勝手が悪くなっていた。
【0005】
そこで本発明は、載置された電気機器に対して煩雑さなく容易に電源を供給することができ、また加熱調理器や電気機器の過熱を抑制して使い勝手の良い上部スペースが得られる載置台および該載置台を備えた加熱調理器セットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る載置台は、加熱調理器の上方に設けられ、上面に電気機器を載置可能な平面部を有する本体と、本体の下面に設けられ、加熱調理器の上面と接触して本体の下面と加熱調理器の上面との間に間隙を設けて本体を支持する支持脚と、本体上面の周縁または本体側面に設けられ、加熱調理器および電気機器が有する差込プラグが抜き差し可能であって、外部電源に電気的に接続されたプラグ受けと、本体下面の周縁または本体側面に設けられ、本体の下面と加熱調理器の上面との間の間隙に送風する冷却ファンと、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る載置台によれば、載置台に外部電源、例えば家庭用のコンセント差込口からの電源供給を受けて、プラグ受けから上面に載置した電気機器に電力を再供給とすることができる。また、載置台と加熱調理器の間に通風して載置台を冷却することができる。これによって載置台上部スペースの使い勝手が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1を示す載置台を備えた加熱調理器を前方から見た斜視図である。
【図2】この発明の実施の形態1を示す載置台を備えた加熱調理器を後方から見た斜視図である。
【図3】この発明の実施の形態1を示す載置台の排気口周辺を示すB−B’概略断面図である。
【図4】この発明の実施の形態1を示す載置台の冷却風路を示すA−A’概略断面図である。
【図5】この発明の実施の形態1を示す載置台の冷却風路を示す透視斜視図である。
【図6】この発明の実施の形態1を示す載置台の冷却風路を示す上面透視図である。
【図7】この発明の実施の形態1を示す載置台の冷却風路の変形例を示す透視斜視図である。
【図8】この発明の実施の形態1を示す載置台の冷却風路の変形例を示すC−C’概略断面図である。
【図9】この発明の実施の形態1を示す載置台の冷却風路の変形例を示す上面透視図である。
【図10】この発明の実施の形態1を示す載置台の制御ブロック図である。
【図11】この発明の実施の形態1を示す載置台のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
本発明を実施する形態について図1〜図11を用いて説明する。図1は、載置台9を備えた加熱調理器100を前方から見た斜視図であり、図2は載置台9を備えた加熱調理器100を後方から見た斜視図である。なお、本実施の形態1においては、加熱調理器100の扉2が取り付けられている側を前、その逆側を後とする。
【0010】
はじめに、加熱調理器100の構成について図1および図2を用いて説明する。
本実施の形態1に係る加熱調理器100は、図1に示すように外郭を形成する筐体1の前方に把持部8および操作パネル3を有する扉2が取り付けられている。筐体1の内部には、図示しない加熱源と、前面に開口部を有する図示しない加熱室があり、扉2は閉状態時に加熱室の開口部を覆うように取り付けられている。また、図2に示すように筐体1の後方にはコードを介して加熱調理器差込プラグ15が設けられている。また、筐体1の後方上部には、加熱室と筐体1外とを連通する排気口17が設けられている。
【0011】
次に、加熱室について説明する。
加熱室は被加熱物を収容するための部屋であり、扉2を開閉することで使用者は加熱室内に被加熱物を収容することができる。また、加熱室内で生じた蒸気や煙やニオイなどは排気口17から筐体1外へ排気される。
【0012】
次に、加熱源について説明する。
加熱源は、加熱室に収容された被加熱物を加熱するための手段である。本実施の形態1で使用する加熱源としては例えばシーズヒータ、ガラス管ヒータなどの主に輻射効果により調理を実施する熱源や、誘導加熱、誘電加熱、ヒータに風を当てて対流加熱するコンベクション加熱、ガス火による加熱などが挙げられる。また、加熱源を特に限定せず、複数の加熱源を組み合わせて使っても良い。
【0013】
次に、操作パネル3について説明する。
操作パネル3は、加熱調理器100内に設けられた図示しない制御手段26に指令を与えるものであり、使用者が操作パネル3で設定入力、操作することで加熱調理を実施することができる。操作パネル3は主にスタートキー4、取り消しキー5、選択キー6、表示手段7から構成される。選択キー6で選択された熱源や調理方法について、スタートキー4の信号をトリガーとして制御手段を介して加熱調理を実施する。表示手段7には運転状態や設定状態が表示される。調理を手動で止めたい場合や設置をやり直したい場合には取り消しキー5を押下することで、途中停止が可能となる。なお、本実施の形態1では操作パネル3は扉2に設けられているが、操作パネル3を筐体1に設けても良い。
【0014】
次に、載置台9の構成について図1および図2を用いて説明する。なお、載置台9も加熱調理器100と同様に、扉2に面している側を前、逆側を後とする。
図1に示すように、加熱調理器100の上面には、載置台9が支持されている。載置台9は、上面に物を載置できる平面状の平面部と、平面部の後方端部に形成された隆起部からなる本体24と、本体24の下面に設けられた支持脚23と、温度検知手段18と、電力基板などからなる図示しない制御手段とを備えている。また、本体24の隆起部にはプラグ受け12、加熱調理器用プラグ受け14、電源スイッチ10、報知手段としての表示LED11、冷却ファン16a、16b、16c(以下、区別しないときは「冷却ファン16」と呼ぶ)、載置台開口部22、隆起部から導出され、コードを介して電源コンセントに抜き差し可能な電源接続部13が備えられている。
【0015】
次に、本体24について説明する。
本体24の平面部は、上に物を載せるために板状に形成されており、平らでかつ強度のある材質、例えばガラスやセラミックなどが用いられている。平面部に載せ置く物の例としては、調理の途中で参照できるように料理本や、味付けに使う調味料や、調理後の食品を盛り付けるための食器や、ミキサー、フードプロセッサー、トースターなどの調理向け電気機器等がある。なお、平面部は上面に載置した物が滑らないように上面に滑り止め加工が施されていても良い。
【0016】
本体24の隆起部は、平面部上面よりも高い箇所を有しており平面部上に載置したものが外へ落下することを防ぐ。隆起部上面は平面部上面と連続しており、本体24の上面を形成している。また本実施の形態1では各部材、具体的には後述する電源スイッチ10、表示LED11、プラグ受け12および加熱調理器用プラグ受け14、冷却ファン16を収容する役割も兼ねる。また、冷却ファン16を設けるために隆起部は本体24下面と通ずる空洞を有するように一部の箇所の下面が平面部下面よりも高く形成されている。なお、隆起部は平面部とは別材質としても良い。なお、本体24は隆起部を有さない構成としてもよい。
【0017】
次に、支持脚23について説明する。
支持脚23は本体24の下面に設けられている。支持脚23は加熱調理器100の上面と接触する箇所であり、支持脚23下部と加熱調理器100の上面との摩擦で載置台9がずれることを防いでいる。つまり載置台9は支持脚23に支持される格好で加熱調理器100の上面に載置されている。これによって本体24の下面と加熱調理器100の上面との間には通風可能な間隔がある。
【0018】
支持脚23の材質としては、載置台9を載置するにあたり摩擦力を利用してずれを防止していることから、摩擦力が大きいので載置台9がよりずれにくくなるゴムを用いるのが望ましい。また、これに加えゴムはある程度の柔軟性を有するため加熱調理器100の上面に多少の凹凸があっても載置台9を載置することができる。
【0019】
また、支持脚23は本体24と加熱調理器100の上面との間隔を保持する役割もある。ここで、本体24と加熱調理器100の上面との間隔があまりに離れていると、載置台9の安定性を欠くことになる。さらに間隔を大きく取ることで載置台9上の使用できるスペースが狭くなり使い勝手が悪くなる。そのため、本体24と加熱調理器100の上面との間には通風のための間隔があるが、該間隔はできるだけ狭いほうが良く、そのため支持脚23の長さも通風可能な範囲でできるだけ短いものになるように実験等により長さを定めることが望ましい。
【0020】
なお、本実施の形態1における載置台9は、多くの機種に対して使用できるように加熱調理器100の上面に載置する形態を取ったが、あらかじめ特定機種に使用することがわかっていれば、アタッチメントとして支持脚23を加熱調理器100に固定して支持する支持脚23と交換可能にしてもよい。この際の固定方法としては、加熱調理器100側に何も取り付ける必要が無いように、支持脚23にて加熱調理器100を挟み込むことで載置台9を固定する固定方法が望ましい。なお、この際加熱調理器100の前面と背面とを挟み込むのではなく、両側面を挟み込む形で固定すると扉2の開閉に対して支持脚23が干渉することがないためより望ましい。
【0021】
次に、図3を用いて加熱調理器100の上面に載置台9を支持した際の載置台開口部22の役割について説明する。
図3は図2の矢視B−B’の概略断面図である。載置台開口部22は排気口17の形状に合わせて形成されている。前述したように、支持脚23のみでも十分に載置台9を支持することができるが、載置台開口部22に排気口17を差し込むように設置することで、より一層載置台9の位置がずれることを防止する効果がある。
【0022】
次に、表示LED11について説明する。
図1に示すように表示LED11は本体24の隆起部に設けられている。表示LED11は、冷却中である場合にはLEDが点灯するなどして、冷却ファン16が稼働中であることを伝えるための手段である。また、温度検知手段18が検出した温度が任意の温度よりも高温であれば、「高温注意」などの表示により注意喚起を実施する。
【0023】
次に電源スイッチ10について説明する。
図1に示すように電源スイッチ10は本体24の隆起部に設けられている。なお本体24が隆起部を有さない場合には電源スイッチ10は本体24上面の周縁または側面に設けられる。電源スイッチ10は、電源ON、電源OFF、また冷却ファン16を稼動させるモード(自動モード、手動モード)の選択が可能な3トグルスイッチとなっている。
【0024】
次に、温度検知手段18について説明する。
温度検知手段18は本体24下面に設けられ、一例としてサーミスタで構成される。温度検知手段18は載置台9の温度や載置台9を冷やす冷却風の温度を検知し、検知した温度に基づいて後述する冷却ファン16の制御や表示LED11の点灯が行われる。
【0025】
次に、電源接続部13について説明する。
電源接続部13は住居や業務用厨房の壁に設けられたコンセントから電力を取得する。つまり、電源接続部13をコンセントに差し込むことにより、プラグ受け12および加熱調理器用プラグ受け14に電力が供給される。電源接続部13に付随するコードは、距離が遠くても届くように、全長5m程度に長めの寸法を取ってある。
【0026】
次に、プラグ受け12および加熱調理器用プラグ受け14について説明する。
プラグ受け12および加熱調理器用プラグ受け14は、載置台9を支持する加熱調理器100および載置台9上に載置された電気機器へ給電するためのものであり、加熱調理器100および電気機器の差込プラグをプラグ受け12や加熱調理器用プラグ受け14に差し込むことで、加熱調理器100や電気機器への給電が行われる。
【0027】
プラグ受け12の構成を詳しく説明すると、プラグ受け12にはそれぞれプラグ先端の栓刃を厚さ方向の両側から弾性的に挟持する一対のばね片から成る刃受部でプラグ受け12から挿通されるプラグの一対の栓刃を受けるようになっている。刃受部は、長尺の金属板から成る導電板の長手方向に沿って設けられており、刃受部は、導電板の端子部に電線コードの芯線がかしめ固定されることで外部電源と電気的に接続されている。なお加熱調理器用プラグ受け14も同様の構成となっている。
【0028】
なお本体24が隆起部を有さない場合にはプラグ受け12および加熱調理器用プラグ受け14は本体24上面の周縁または側面に設けられる。隆起部に設ける場合は隆起部の上面または側面に設けるが、図1に示すようにプラグ受け12は隆起部上面に載置台9の前方に向いて設けられることが好ましい。これは、ミキサーやフードプロセッサーなどの軽量な機器は、必要な時にのみ載置台9の上部において使用したいという場合に、前面を向けて設置されたプラグ受け12から電源供給を受けることが可能となるためである。
また、図2に示すように加熱調理器用プラグ受け14は載置台9の後方に向いて設けられていることが好ましい。これは、本実施の形態1がそうであるように、通常、加熱調理器100用差込プラグ15は加熱調理器100の背面に設置されている場合が多いため、利便性を考慮して隆起部の後方に設けられている。なお、プラグ受け12と加熱調理器用プラグ受け14とを兼用しても良い。
【0029】
次に、冷却ファン16について説明する。まず、図4を用いて冷却ファン16による冷却風の流れについて説明する。
図4は図2の矢視A−A’の概略断面図である。図4に矢印で示す冷却風19は冷却ファン16による風の流れを示している。
冷却ファン16は本体24と加熱調理器100の上面との間に送風し載置台9を冷却するためのものである。冷却ファン16は電源接続部13から得られる電力を制御手段を介して供給することで回転し、載置台9を冷却する。具体的には、冷却ファン16から吸気された外気温度と略等しい冷却風19が本体24の下面と加熱調理器100の上面との間を通り、加熱調理器100内部の加熱源などにより温度上昇した筐体1の上部を冷却することで、ひいては加熱調理器100からの輻射熱等により温度が上昇した載置台9を低温に保つことが可能となる。なお、この際加熱調理器100の上面内側には断熱材が設けられているため、加熱室は冷却風によって極端に温度が低下することがない。そのため加熱室内の調理に影響を与えることなく効率的に載置台9を冷却することが可能となる。なお、冷却ファン16は軸流ファンに限らずシロッコファン等を用いてもよい。
【0030】
次に、冷却ファン16の配置について説明する。ここで、図4に示すように本体24の隆起部は本体24の下面と通ずる空洞が形成されている。冷却ファン16は空洞の内壁、換言すると平面部下面より高い隆起部の下面に設けられている。傾斜して設けている理由としては、通常、加熱調理器100の後方は建物の壁や戸棚の壁などに面している場合が多いため、冷却ファン16が壁にくっつかないようにするためである。
なお本体24が隆起部を有さない場合には表示LED11は本体24下面の周縁または側面に設けられるが、冷却ファン16を隆起部の下面に設け、本体24の下面と加熱調理器100の上面との間に風を通すことで、本体24と加熱調理器100の上面との間隔が冷却ファン16の寸法に影響されることがなくなるので本体24と加熱調理器100の上面との間隔をより狭くすることができる。
【0031】
次に、冷却風路の分岐について説明する。図5、図6は冷却風路の詳細を示しており、図5は透視斜視図、図6は上面透視図である。複数装着された冷却ファン16a、16b、16cはそれぞれ冷却風19を載置台9後方から吸い込み、載置台9の下面へ導入する。この際、背面側から吸気をすることで、壁が変色するなど、背面に置かれたものへの悪影響を与えずに冷却することが可能となる。
【0032】
図5に示す風路構成リブ20は本体24の下面に設けられている。なお、風路構成リブ20は加熱調理器100上面に接触させないため支持脚23よりも短く形成されている。複数の冷却ファン16で吸い込まれた冷却風19を風路構成リブ20を利用して極力分散することで、載置台9の広い領域を冷却するよう風路を構成する。具体的には、16a背面から冷却風19aを導入し、筐体1を前方から見た場合に右側に抜けるように風路構成リブ20にて風路を区画する。同様に、16bは中央に冷却風19bが、16cは左側に冷却風19cが抜けるよう風路構成リブ20にて風路を区画することで、載置台9の広範な範囲を冷却することが可能となり、載置台9のうち一部分の温度が高くなるなどの不具合を防止することができる。また風路形成リブ20は載置台9の機械的強度向上にも有効となる。
【0033】
ここで、図5中に示す排気口17から伸びる矢印は排気風路から流れる排気風21である。図5に示すように、冷却ファン16cは排気口17を避けた方向に向けて設置され、かつ風路構成リブ20で冷却風路と排気風路とを区画することで、排気口17から排出される蒸気や油を含んだ熱風が載置台9下部に導入しないようにすることができるため、載置台9の冷却効果の低下や油汚れ付着、結露防止などの効果を奏することが可能となる。
【0034】
次に、冷却風路の変形例を図7〜図9を用いて説明する。
図7は冷却風路の変形例を示す載置台9の透視斜視図である。図8は図7のC−C’概略断面図、図8は冷却風路の変形例を示す載置台9の上面透視図である。
【0035】
冷却ファン16a、16b、16cは背面側に冷却風を排出する方向にファンを回転させ、載置台9の下面、かつ加熱調理器100の上面との間を、載置台9の前方あるいは側方から冷却風19を吸い込み、背面に冷却風19を吐き出す。このように構成することにより、筐体1を冷却し、温まった風が筐体1の前方側、すなわち使用者が居る可能性が高い方向に流れていってしまうことがなく、使用者への不快感を低減することが可能となる。
【0036】
ここで、冷却ファン16cは排気口17に向けて設置される。これは、排気口から排気される熱風は、100℃を超えるような高温で排出されたり、蒸気や油も含んでいたりするため、直接あたると家具をいためたり、不快な思いをする場合があるため、温度や濃度を抑制の必要があるためである。
本発明の図11で示すように、冷却ファン16cから排出された冷却後の風と排気風21が混合されることにより、排気後の温度が抑制されるため、高温の排気風21や蒸気で家具を傷めるような不具合を抑制することができる。
なお、図5〜6に示した冷却風路と図7〜9に示した冷却風路は使用者によって任意に切り替えが可能な構成としてもよい。この場合は、例えば冷却ファン16が載置台9から着脱可能な構成としていれば冷却ファンの向きを逆にして取り付けることで送風方向を逆にすることができ、さらに風路形成リブ20を長さが異なるものに差し替えることで排気口17からの排気が、冷却ファン16からの送風と混合しないように区画するか混合するように区画するかを選択することが出来る。
【0037】
次に、載置台9の制御手段26が行う制御動作を図10を用いて説明する。
図10は載置台9の制御ブロック図である。
載置台9に設けられた制御手段26は電源キー10、表示LED11、冷却ファン16、温度検知手段18、電力検知手段25および計時手段27が電気的に接続されている。また、電源キー10は電源接続部13が電気的に接続されており、電力検知手段25はプラグ受け12、加熱調理器用プラグ受け14および過電流遮断機28が電気的に接続されている。なお、制御手段25はたとえばマイコンなどにより構成されており、同一マイコン内に制御手段26、電力検知手段25および計時手段27を有していてもよい。
次に、制御手段26が行う制御について説明する。電源接続部13から電源が供給されると電源入切手段に相当する電源キー10を介して制御手段25に通電される。ただし、電源キー10がOFFのときは制御手段26には通電されない。通電された制御手段26は、冷却ファン16を駆動させ、計時手段27から冷却ファン16駆動時間の情報を取得し、この情報に基づいて冷却ファン16の制御を行う。また、電源キー10が後述する自動モードに設定されていた場合は、温度を検知する温度検知手段18と、プラグ受け12および加熱調理器用プラグ受け14に電力が供給されているか否かを検知する電力検知手段25とから情報を取得し、この情報に基づいて冷却ファン16の制御を行う。いずれの場合も制御手段26は冷却ファン16駆動中は放置手段としての表示LED11に通電し、冷却ファン16駆動中である旨を報知する。
プラグ受け12および加熱調理器用プラグ受け14の前段にはヒューズなどの過電流遮断機28があり、電力検知手段25が検知した電流値が過大になった場合、たとえば各コンセントタップの合計使用電力が1500Wを超えると電流を遮断する。
【0038】
次に、載置台9において、制御手段26の制御プログラムによる冷却ファン16の吹き出し開始から終了までの動作を図11に示すフローチャートの各ステップに基づいて説明する。
【0039】
(S1)
図11は冷却ファン16にて動作時の冷却シーケンスのフローチャートである。
電源キー10により選択された電源キーフラグにより、使用者が選んだのはスイッチOFFか自動モードか手動モードかのフラグを立てる。
【0040】
(S2)
次に、ステップS2にて制御手段26は、運転フラグがスイッチOFFであるか否かを判断する。スイッチOFFである場合は、冷却シーケンスを終了する。
【0041】
(S3)
次に、ステップS2にて制御手段26が運転フラグがスイッチOFFでないと判断すると、ステップS3にて制御手段26は運転モードが手動モードであるか否かを判断する。
【0042】
(S4)
次に、制御手段26が運転モードが手動モードであると判断すると、制御手段26は冷却ファン16を駆動させる。また、制御手段26は表示LED11にその旨報知させる。
【0043】
(S5)
手動モードで運転中でも、切り忘れ防止機能として、計時手段により冷却シーケンス開始からの経過時間Tiを計る。そして、制御手段26は経過時間があらかじめ設定された任意時間Tisを経過したか否かを判断する。経過していない場合はステップS1へ戻る。任意時間Tisを経過した場合には、ステップS6に移行する。
【0044】
(S6)
次に、制御手段26が運転モードが手動モードでもないと判断するか、またはステップS5で任意時間Tisを経過すると、制御手段26は温度検知手段18が検出した載置台9の温度Tがあらかじめ設定された閾値温度TSよりも大きいか否かを判断する。なお、閾値温度TSは例えば載置台9上に載置された調理本や調味料が熱の影響により変質しない温度、載置された電気機器が熱の影響なく駆動できる温度などを設定する。
【0045】
(S7)
ステップS6で温度Tが閾値温度TSよりも小さいと、制御手段26はプラグ受け12および加熱調理器用プラグ受け14から供給される電力を検知する電力検知手段25が検知した値があらかじめ設定された所定の閾値電力WSよりも大きいか否かを判断する。ここで、例えば閾値電力WSを加熱調理器100の加熱源であるヒータの入力値、たとえば600Wと同等にしておけば、一定以上の加熱能力を持つヒータが運転された場合のみ冷却ファン16を稼動するなどの運転が可能となるため、過剰な冷却を防ぎ、加熱効率の向上や節電につながる効果もある。
【0046】
(S8)
ステップS6で温度Tが閾値温度TSよりも大きい、またはステップS7で供給される電力Wが所定の閾値電力WSよりも大きいと、制御手段26は冷却ファン16を駆動させる。また、制御手段26は表示LED11にその旨報知させる。そしてその後ステップS1へ戻る。
【0047】
(S9)
ステップS8にて供給される電力Wが所定の閾値電力WSよりも小さいと、制御手段26は冷却ファン16を停止させる。また、制御手段26は表示LED11にその旨報知させる。その後、冷却シーケンスを終了する。
【0048】
以上のように、本実施の形態1に係る載置台9は、載置台9上に物が置ける利便性に加え、電源接続部13、プラグ受け12および加熱調理器用プラグ受け14を設けることで、電源接続部13を介して外部電源、例えば家庭用の電源コンセントからの電源供給を受けて、載置台9上に載置される電気機器や載置台9を支持する加熱調理器100へ電源供給をプラグ受け12から行うことができ、載置台9上に載置した電気機器とプラグ受け12との距離が該電気機器と壁に設けられたコンセントとの距離に比べて遥かに近くなるため、電気機器に対して煩雑さなく容易に電源を供給することができる。
【0049】
また、例えば、昨今の節電要求によって、待機電力がかかる電気機器などに対しては、使用者が日頃から該電気機器を使用しないときは差込プラグをこまめに抜くことがあると考えられる。その際、壁に設けられたコンセントは足元の屈まなければいけないような位置に設けられていることに比べて、一般にオーブンなどの加熱調理器100はキッチン棚などを使って扉2の開閉がしやすいように使用者が立って使える位置に設けられている。従って本実施の形態1に係る載置台9も使用者が立って使える位置にあるため、差込プラグの抜き差し作業時に使用者が屈む姿勢をとることによる負担を軽減することができる。
なお、プラグ受け12を複数設けることで、例えばトーストでパンを焼きながら、ミキサーで野菜ジュースを作りたい、という場合にも対応が可能となる。この際にも、ミキサーを調理後差し込みプラグを抜いて洗う場合にコンセントの抜き差し作業を使用者が立ったまま行うことができるので、使用者への負担を軽減することができる。
【0050】
また、本体24と加熱調理器100の上面との間に通風可能な間隔を有するように支持脚23で本体24を支持し、冷却ファン16にて該間隔に送風することで載置台9を冷却している。これによって、冷却効果は飛躍的に向上することとなるため、加熱調理器100からの輻射熱や電気機器からの熱伝導による影響を考慮することなく載置台9上に物を置くことができるので、より使い勝手よく載置台9上のスペースを使用することができる。
【0051】
また、載置台9が有する制御手段26は、使用者が手動で冷却ファン16のON/OFFを切り替える手動モードの他に、自動で冷却ファン16を駆動させる自動モードを備えたことで、安全性等の観点に基づき必要な時だけ冷却ファン16を駆動させることができるので、使用者による冷却ファン16のON/OFF切り替えの負担を無くし、適切に載置台9の冷却を行うことができる。また、切り替え忘れて冷却ファン16が常時ONになることもないので消費電力を減らすことができる。
【0052】
また、本実施の形態1ではプラグ受け12および加熱調理器用プラグ受け14から供給される電力を検知する電力検知手段25を備え、各プラグ受け12および加熱調理器用プラグ受け14毎に供給される電力があらかじめ設定された閾値電力、たとえば加熱調理器100の加熱源であるヒータの入力値、たとえば600W以上の電力が供給されると制御手段26が冷却ファン16へ電力を供給する。ここで、制御手段26が冷却ファン16へ電力を供給する閾値電力はプラグ受け12および加熱調理器用プラグ受け14から供給されるすべての電力の合計値を基にヒューズなどの過電流遮断機が電力を遮断するための閾値電力、たとえば1500W、とは別に設定された値である。これによって、電力消費の多い、つまり過熱による熱の影響が大きい加熱調理器100や電気機器が駆動した場合のみ冷却ファン16が駆動するため、冷却ファン16を常時駆動させるものと比べて節電効果がある。
なお、この場合、該効果を発揮するためには使用者に載置台9が有する加熱調理器用プラグ受け14に加熱調理器差込プラグ15を差し込んでもらう必要があるため、加熱調理器用プラグ受け14が加熱調理器100に対応していることや該効果を発揮できるということを文字や図形等で強調しておくと良い。
【0053】
また、本実施の形態1では自動モードで動かす条件として、載置台9の温度を検知する温度検知手段18を備え、例えば温度検知手段18が載置台9上に載置された調理本や調味料が熱の影響により変質しない温度や載置された電気機器が熱の影響なく駆動できる温度を超えた場合に制御手段26が自動で冷却ファン16へ電力を供給し駆動させ、温度が低下するまで運転を継続させる。これによって載置台9の温度が高い状態、つまり加熱調理器100や電気機器の過熱による調理本や調味料の変質や熱影響によって電気機器の動作不良が起こる可能性のある状態でのみ冷却ファン16が駆動するので、過剰な冷却を防ぐため加熱効率が向上し、さらに冷却ファンを常時駆動させるものと比べて節電効果がある。
【0054】
また、複数の冷却ファン16を設け、さらに本体24下部に設けた風路構成リブ20で冷却風路を区画することで、複数の冷却ファン16で吸い込まれた冷却風を極力分散することで載置台9の広い領域を冷却するような冷却風路を構成することができる。
【0055】
また、載置台9を上面に排気口17を有する加熱調理器100に設けた状態において、冷却ファン16を排気口17を避けて載置台9後方から前方または側方またはその両方のどれかへ送風する向きに設けることで、載置台9の背面近傍にあるもの、例えば建物の壁や戸棚の壁などへ悪影響を与えずかつ載置台9の冷却効果の低下や油汚れ付着、結露防止などの効果を奏することが可能となる。
【0056】
また、載置台9を筐体1上部に設置した状態において、載置台9前方または側方またはその両方から冷却風19を吸気し、後方へ冷却風19が排気されるように風路構成リブ20で冷却風路を区画し、冷却ファン16を設けることで、背面側に冷却後の風が出るため、筐体1を冷却した後の温まった風が筐体1の前方側、すなわち使用者が居る可能性が高い方向に流れることがないので、使用者に不快感を与えることを低減することが可能となる。また、この場合は、冷却ファン16から排出された冷却風19と排気口17の排気風21が混合するように冷却ファン16を排気口17に向けて設置することで、排気後の温度が抑制されるため、高温の排気や上記で家具を傷めるような不具合を抑制することができる。
【0057】
また、平面部の後方端部に隆起部を形成し、冷却ファン16を隆起部の下面に設け、本体24の下面と加熱調理器100の上面との間に風を通すことで、本体24と加熱調理器100の上面との間隔が冷却ファン16の寸法に影響されることがなくなるので本体24と加熱調理器100の上面との間隔をより狭くすることができ、載置台の安定性が増して載置台上の使用できるスペースもより広くなる。なお、他に隆起部に設けられる電源スイッチ10、表示LED11、プラグ受け12および加熱調理器用プラグ受け14は隆起部の上面に設けられており、冷却ファン16の風との干渉を避けている。
【0058】
また、本実施の形態1で説明した載置台9をあらかじめ特定のレンジ調理とオーブン調理とを組み合わせる加熱調理器100とセットで使用することが想定されている場合は、レンジ調理時はオーブン調理時に比べ加熱調理器100外への熱漏洩が少ないため、レンジ調理時はオーブン調理時に比べ冷却ファン16の送風量を少なくして省エネを図ることが出来る。例えばレンジ調理時の消費電力1000W、オーブン調理時の消費電力600Wの加熱調理器100とセットで使用することが想定されているならば、電力検知手段25が600Wを検知すると冷却ファン16を送風量を大きくし、1000Wを検知すると送風量を小さくすることで、消費電力は大きいが送風量は小さいという一見相反する要求に対しても細かく対応することが出来る。
【0059】
また、冷却ファン16の稼動中には表示LED11により報知しているため、載置台9が高温の可能性があることへの注意喚起になったり、ファン音が鳴り続けていることへの不安感を払拭したりする効果がある。
また、電源キー10により、強制的に冷却を打ち切りたい場合などに緊急OFFが可能となるため、省エネやファンに物が挟まった場合などの緊急停止時に対応可能となる効果がある。
【符号の説明】
【0060】
1 筐体、2 扉、3 操作パネル、4 スタートキー、5 取り消しキー、6 選択キー、7 表示手段、8 把持部、9 載置台、10 電源キー、11 表示LED、12 プラグ受け、13 電源接続部、14 加熱調理器用プラグ受け、15 加熱調理器差込プラグ、16 冷却ファン、17 排気口、18 温度検知手段、19 冷却風、20 風路形成リブ、21 排気風、22 載置台開口部、23 支持脚、24 本体、25 電力検知手段、26 制御手段、27 計時手段、28 過電流遮断機、100 加熱調理器。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱調理器の上方に設けられ、上面に電気機器を載置可能な平面部を有する本体と、
前記本体の下面に設けられ、前記加熱調理器の上面と接触して前記本体の下面と前記加熱調理器の上面との間に間隙を設けて前記本体を支持する支持脚と、
本体上面の周縁または本体側面に設けられ、前記加熱調理器および前記電気機器が有する差込プラグが抜き差し可能であって、外部電源に電気的に接続されたプラグ受けと、
前記本体下面の周縁または前記本体側面に設けられ、前記本体の下面と前記加熱調理器の上面との間の前記間隙に送風する冷却ファンと、を備えたことを特徴とする載置台。
【請求項2】
前記本体に設けられ、前記冷却ファンの駆動を制御する制御手段と、前記制御手段に設けられ、前記プラグ受けから供給される電力を検知する電力検知手段とを備え、前記電力検知手段の検知電力があらかじめ設定された値を超えると、前記制御手段は前記冷却ファンを駆動させることを特徴とする請求項1に記載の載置台。
【請求項3】
前記本体に設けられ、前記冷却ファンの駆動を制御する制御手段と、前記本体の下面に設けられ、前記本体の温度を検知する温度検知手段とを備え、前記温度検知手段の検知温度があらかじめ設定された値を超えると、前記制御手段は前記冷却ファンを駆動させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の載置台。
【請求項4】
前記冷却ファンを複数有し、前記冷却ファンごとに前記本体の下面と前記加熱調理器の上面との間の前記間隙を区画する前記本体下面に取り付けられた風路構成リブを備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の載置台。
【請求項5】
前記加熱調理器は外部に排気するための排気口を上面に有し、前記冷却ファンは前記排気口を避けて前記本体の後方から前方に送風する向きに設けられたことを特徴とする請求項4に記載の載置台。
【請求項6】
前記本体は前記平面部の後方端部に前記平面部上面よりも上面が高く前記平面部下面よりも下面が高い隆起部が形成され、前記プラグ受けを前記隆起部の上面または側面に備え、前記冷却ファンを前記隆起部の下面に備えたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の載置台。
【請求項7】
前記冷却ファンが駆動している間は駆動している旨を報知する報知手段を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の載置台。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれかに記載の載置台を備えたことを特徴とする加熱調理器セット。
【請求項1】
加熱調理器の上方に設けられ、上面に電気機器を載置可能な平面部を有する本体と、
前記本体の下面に設けられ、前記加熱調理器の上面と接触して前記本体の下面と前記加熱調理器の上面との間に間隙を設けて前記本体を支持する支持脚と、
本体上面の周縁または本体側面に設けられ、前記加熱調理器および前記電気機器が有する差込プラグが抜き差し可能であって、外部電源に電気的に接続されたプラグ受けと、
前記本体下面の周縁または前記本体側面に設けられ、前記本体の下面と前記加熱調理器の上面との間の前記間隙に送風する冷却ファンと、を備えたことを特徴とする載置台。
【請求項2】
前記本体に設けられ、前記冷却ファンの駆動を制御する制御手段と、前記制御手段に設けられ、前記プラグ受けから供給される電力を検知する電力検知手段とを備え、前記電力検知手段の検知電力があらかじめ設定された値を超えると、前記制御手段は前記冷却ファンを駆動させることを特徴とする請求項1に記載の載置台。
【請求項3】
前記本体に設けられ、前記冷却ファンの駆動を制御する制御手段と、前記本体の下面に設けられ、前記本体の温度を検知する温度検知手段とを備え、前記温度検知手段の検知温度があらかじめ設定された値を超えると、前記制御手段は前記冷却ファンを駆動させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の載置台。
【請求項4】
前記冷却ファンを複数有し、前記冷却ファンごとに前記本体の下面と前記加熱調理器の上面との間の前記間隙を区画する前記本体下面に取り付けられた風路構成リブを備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の載置台。
【請求項5】
前記加熱調理器は外部に排気するための排気口を上面に有し、前記冷却ファンは前記排気口を避けて前記本体の後方から前方に送風する向きに設けられたことを特徴とする請求項4に記載の載置台。
【請求項6】
前記本体は前記平面部の後方端部に前記平面部上面よりも上面が高く前記平面部下面よりも下面が高い隆起部が形成され、前記プラグ受けを前記隆起部の上面または側面に備え、前記冷却ファンを前記隆起部の下面に備えたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の載置台。
【請求項7】
前記冷却ファンが駆動している間は駆動している旨を報知する報知手段を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の載置台。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれかに記載の載置台を備えたことを特徴とする加熱調理器セット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−92323(P2013−92323A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235802(P2011−235802)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000176866)三菱電機ホーム機器株式会社 (1,201)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000176866)三菱電機ホーム機器株式会社 (1,201)
【Fターム(参考)】
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