説明

輻射により現像、硬化できるポリウレタンとそれを含有する樹脂組成物

【課題】輻射により現像、硬化できるポリウレタンおよび樹脂組成物を提供する。
【解決手段】主鎖にカルボキシ基を有し、且つ、側鎖にアクリロイル基を有し、且つ、下記の繰り返しユニット(I)、(II)と(III)によりランダム排列で構成されるポリウレタンを用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輻射により硬化現像できるポリウレタンと、このポリウレタンを含有する輻射により硬化現像できる樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、液晶表示装置の主要部分の一つとして、薄膜トランジスター液晶表示装置(TFT LCD)におけるカラーフィルターが挙げられる。それは液晶表示装置における影像の色彩化の用途に用いられ、その主な用途としては、白色のバックグラウンド光線を赤色(R)、グリーン色(G)、ブルー色(B)などの三原色に転換し、表示装置のフルカラー(full color)化の目的を全うする。
【0003】
今日、このカラーフィルターの図案層の製作は、主にスピンコーティングによりフォトレジスト剤を基材面に均一に塗布し、且つ、先にプレベーキングにより溶剤を除去し、次に、フォトマスクを用い硬化すべく部分を選択的に露光し、その後、アルカリ性現像を行い、加熱して硬化させる工程を経る。このような過程を3回繰り返しRGBの三色を順序よく基板面にエッチングする。
【0004】
現在、カラー液晶表示装置において、主にガラスが基板として用いられているが、割れやすく、厚くて重いという問題が存在する。この問題を解消すべく、フレキシブルの表示装置材料について、すでに多くの研究が行われ、軽くて、破損しにくく、持ち運びが便利で、フレキシブルなどの特長を有するものの開発が期待されている。日本の特開平11−271736号公報などにおいて、プラスチック基板を使用することに検討されているが、しかし、プラスチック基板には、高温下で処理できない問題が存在し、日本の特開2000−214468号公報中には、プラスチック基板を用いた低温硬化の可能性が述べられている。
【0005】
上記の技術的背景に鑑み、本発明者らは、輻射による硬化現像可能の樹脂について広く研究を行い、ガラス基板とプラスチック基板に応用され、高温工程(ガラス基板)又は低温工程(プラスチック基板)ともに利用できるカラーフィルター用の輻射による硬化現像可能の組成物を見出し、本発明を完成するに至った。
【特許文献1】特開平11−271736号公報
【特許文献2】特開2000−214468号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、輻射により硬化現像できるポリウレタンと、このポリウレタンを含有する輻射により硬化現像できるフォトレジスト組成物に関する。更に詳しくは、本発明はその主鎖にカルボキシ基を有し、且つ、その側鎖にアクリロイル基を有する繰り返しユニットを含み、且つ、ランダム排列により構成され、輻射により現像硬化できるポリウレタンに関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の輻射により現像硬化されるポリウレタン樹脂は、その主鎖にカルボキシ基を有し、且つ、その側鎖にアクリロイル基を有し、且つ、下記の繰り返しユニット(I)、(II)と(III)によりランダム排列に構成されることを特徴とする:
【化2】

このポリウレタンは、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)による分子量測定の結果、重量平均分子量(以下Mwと略す)は、3,000〜400,000範囲内にあり、且つ、酸価は5〜120mgKOH/gを示す。
【0008】
本発明の主鎖にカルボキシ基を有し、且つ、側鎖にアクリロイル基を有すると共に、繰り返しユニットとして(I)、(III)と(III)から構成されるポリウレタンの製造方法は、少なくとも二つのヒドロキシ基と一つのカルボキシ基官能基を含む化合物(より好ましくは二つのヒドロキシ基を含み、且つ、一つのカルボキシ基官能基を含む化合物)と、選ばれたポリオール(より好ましくはジオール)とを、先にジイソシアナートと反応させ、主鎖にカルボキシ基官能基を有するポリウレタンを得、次にそのカルボキシ基官能基と一つのエポキシ基を含むアクリル酸エステルモノマーとで開環反応を行うことにより製造される。前記の選ばれたポリオールは、必須成分ではなく、本発明においては、場合により鎖伸長剤として使用される。
【0009】
[反応プロセス図]
【化3】

【0010】
本発明のポリウレタンは、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)による分子量測定の結果、重量平均分子量(以下Mwと略す)は3,000~400,000範囲内にあり、より好ましくは6,000〜80,000範囲内を示し、且つ、酸価は、5〜120mg
KOH/gであり、より好ましくは10〜60mgKOH/gを示す。
【0011】
本発明は、更に、(A)の式(I)、(II)と(III)で示される繰り返しユニットより構成される本発明のポリウレタン、(B)アクリル酸モノマーと、(C)フォトイニシェータより構成される輻射により硬化現像されるフォトレジスト組成物をも提供する。
【0012】
本発明のフォトレジスト組成物中、本発明の(A)式(I)、(II)と(III)により示される繰り返しユニットから構成される本発明のポリウレタン(以下、単にポリウレタン(A)と称する場合もある)と(B)アクリル酸モノマー(以下、単にアクリル酸モノマー(B)と称する場合もある)との重量比((A):(B))は40〜90:10:60である。又、(C)フォトイニシェーター(以下、単にフォトイニシェーター(C)と称する場合もある)の含量は、成分(A)と(B)の総重量当り、1〜50重量%である。
【0013】
本発明の組成物は場合により、更に接着助剤(D)、着色剤(E)、分散剤(F)と溶剤(G)より選ばれる一種又は多種を含有しても良い。これら成分の使用量は、本発明の目的に悪い影響を与えない限り、広い範囲内で変動して使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明において、主鎖にカルボキシ基を有し、且つ、側鎖にアクリロイル基を有し、且つ繰り返しユニットとして(I)、(II)と(III)により構成されるポリウレタンを製造する際、使用されるジイソシアナートとしては、一つ分子中に二つのイソシアナート官能基を有する化合物が挙げられ、例えば、1,3−ベンゼンジイソシアナートMDI)、1,4−ベンゼンジイソシアナート、4,4’−ビフェニルジイソシアナート、1,5−ナフチルジイソシアナート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、2,4−キシリレンジイソシアナート、2,6−キシリレンジイソシアナート、パラートルイジンジイソシアナート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアナート、1,3−キシリレンジイソシアナート、1,4−キシリレンジイソシアナート、1,3−シクロベンタンジイソシアナート、1,4−シクロヘキサンジイソシアナート、1,3−シクロヘキサンジイソシアナート、3−イソシアナートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキセンイソシアナート(イソホロンジイソシアナート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアナート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアナート、トリメチレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、ペンタメチレンジイソシアナート、1,2−プロピレンジイソシアナート、1,2−ブチレンジイソシアナート、2,3−ブチレンジイソシアナート、1,3−ブチレンジイソシアナート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナートなどが使用される。
【0015】
本発明において、主鎖にカルボキシ基を有し、且つ、側鎖にアクリロイル基を有し、且つ繰り返しユニット(I)、(II)と(III)から構成されるポリウレタンを製造する際、選ばれるポリオールとしては、平均分子量400〜5,000範囲内のポリオールが用いられ、例えば、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(ブチレングリコール)(PTMEG)などのポリエーテルポリオール;例えば、ポリ(アジピン酸エチレングリコールエステル)ジオール、ポリ(セバシン酸ブチレングリコールエステル)ジオール、ポリ(アジピン酸へキシレングリコールエステル)ジオール、ポリ(アジピン酸3−メチル−1,5−ペンチレングリコールエステル)ジオール、ポリ(セバシン酸3−メチル−1,5−ペンチレングリコールエステル)ジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリ(β−メチル−δ−バレロラクトン)ジオールなどのポリエステルポリオール;例えば、ポリ(ヘキサメチレン炭酸エステル)ジオールとポリ(3−メチル−1,5−ペンチレン炭酸エステル)ジオールなどのポリ炭酸エステル(主体とした)ジオール;ポリエステル−ポリ炭酸エステルポリオール;例えば、ポリエチレンポリオール、ポリプロピレンポリオール、ポリブチレンポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリブタジエンポリオールの水素化物、ポリイソペンタジエンポリオールとポリイソペンタジエンポリオールの水素化物などのポリオレフィンポリオールが使用される。
【0016】
本発明において、主鎖にカルボキシ基を有し、且つ、側鎖にアクリロイル基を有し、且つ、繰り返しユニット(I)、(II)と(III)から構成されるポリウレタンを製造する際、二つ又は多くのヒドロキシ基を有し、且つ、一つのカルボキシ基官能基を含む化合物としては、例えば、ジメチロールプロピオン酸(DMPA、ランカスター社製品)、(登録商標)CAPA
HC1100(側鎖にカルボキシ官能基を有するポリカプロラクトン、ソルベイ社製品)、2−エチレングリコール−2−メチル−2−ヒドロキシ酢酸などが挙げられる。
【0017】
本発明において、主鎖にカルボキシ基を有し、且つ、側鎖にアクリロイル基を有し、且つ、繰り返しユニット(I)、(II)と(III)から構成されるポリウレタンを製造する際、エポキシ基を有するアクリロイルモノマーとしては、例えば、メタアクリル酸グリシジルエステル(GMA、ダウ(株)製品)が挙げられる。
【0018】
本発明の主鎖にカルボキシ基を有し、且つ、側鎖にアクリロイル基を有し、且つ、繰り返しユニット(I)、(II)と(III)から構成されるポリウレタンは、その分子量がより高く、又多くの水素結合を形成し易いウレタン基を有し、又、輻射により硬化すると共に架橋するアクリル酸基を有するため、硬化後の生成物の物性、接着性と耐熱性を高めることができる。
【0019】
本発明の輻射により硬化現像できるフォトレジスト組成物は、(A)主鎖にカルボキシ基を有し、且つ、側鎖にアクリロイル基を有し、且つ、繰り返しユニット(I)、(II)と(III)から構成されるポリウレタン、(B)アクリル酸モノマーと、(C)フォトイニシェターを含む。
【0020】
本発明の組成物において用いられるアクリル酸単体(B)としては、例えば、単アクリル酸官能基単体、二アクリル酸官能基単体、三アクリル酸官能基単体又は多アクリル酸官能基単体が挙げられる。
【0021】
該単アクリル酸官能基単体としては、例えば、アクリル酸2−フェノキシエチルエステル、アクリル酸テトヒドロフラニルエステル、アクリル酸イソボルニルエステル、メタアクリル酸イソボルニルエステル、アクリル酸2−(2−エトキシエトキシ)エチルエステル、アクリル酸イソデシルエステル、アクリル酸ラウリルエステルとメタアクリル酸ラウリルエステルが挙げられる。二アクリル酸官能基単体としては、例えば、ジアクリル酸トリプロピレングリコールエステル、ジアクリル酸1,6−ヘキサジオールエステル、ジメタアクリル酸1,6−ヘキサジオールエステル、ジアクリル酸ジプロピレングリコールエステル、ジメタアクリル酸ジエチレングリコールエステル、ジメタアクリル酸エチレングリコールエステル、ジアクリル酸トリエチレングリコールエステル、ジメタアクリル酸トリエチレングリコールエステル、ジアクリル酸テトラエチレングリコールエステル、ジメタアクリル酸テトラエチレングリコールエステルが挙げられる。三アクリル酸官能基或いは多アクリル酸官能基単体としては、例えば、トリアクリル酸トリメチロールプロピルエステル、トリメタアクリル酸トリメチロールプロピルエステル、テトラアクリル酸ジ(トリメチロールプロピルエステル)、ペンタアクリル酸ジペンタエリトリットエステルとヘキサアクリル酸ジペンタエリトリットエステルなどが挙げられる。これらアクリル酸基単体は、単独又は2種以上混合して使用しても良い。これら成分(B)の使用量としては、ポリウレタン(A)と(B)アクリル酸モノマーとの重量比((A):(B))は40〜90:10:60である。
【0022】
本発明の組成物に使用されるフォトイニシェーター(C)は、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線とX線などの放射線照射により、その分子構造に裂解が起こり、例えば、フリーラジカル、カチオン又はアニオンなどの活性サイトを形成し、主鎖にカルボキシ基を有し、且つ、側鎖にアクリロイル基を有するポリウレタン(A)とアクリル酸単体(B)との間に重合反応を行えるものである。
【0023】
該フォトイニシェーター(C)の具体例としては、例えば、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−メトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−メトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−メトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2−ブロモフェニル−4,4’,5,5’−テトラキス(4−メトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−メトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−メトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2−シアノフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−メトキシカルボニルフェニル)−1,2’−イミダゾール、2,2’−ビス(2−シアノフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2−シアノフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−メトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2−エチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−メトキシカルボニルフェニル)−1、2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2−エチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2−エチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2−フェニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−メトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2−フェニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2−フェニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ジイミダゾール,2,2’−ビス(2−シアノフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジシアノフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリシアノフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラメチル−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2−エチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジエチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリエチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2−フェニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジフェニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリフェニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ジイミダゾールなどとその誘導体などのイミダゾール類が挙げられる。その中、好ましくは2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2−ジイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ジイミダゾールと2,2’−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ジイミダゾールが挙げられる。
【0024】
又、該フォトイニシェーター(C)の具体例としては、例えば、ベンゾイン類フォトイニシューター、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、メチル−2−ベンゾイル安息香酸エステルなどとその誘導体が挙げられる。
【0025】
又、該フォトイニシェーター(C)の具体例としては、例えば、アセトフェノン類構造を有するもの、例えば、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパ−1−ノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパ−1−ノン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2,2−ジメトキシアセトフェノン−、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−(4−メルカプトフェニル)−2−モルホリニル−1−プロパ−1−ノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリニルフェニル)ブタ−1−ノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2’−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタ−1−ノン、4−アジドアセトフェノン、4−アジドベンジリデンアセトフェノンなどとその誘導体などが挙げられる。
【0026】
又、該フォトイニシェーター(C)の具体例としては、例えば、ベンゾフェノン類、例えば、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノンなどとその誘導体が挙げられる。
【0027】
又、該フォトイニシェーター(C)の具体例としては、例えば、α−ジケトン構造を有するフォトイニシェーター、例えば、ジアセチルギ酸エステル、ジベンゾイルギ酸エステル、メチルベンゾイルギ酸エステルなどとその誘導体が挙げられる。ポリキノン構造を有するフォトイニシェーターとしては、例えば、アントラキノン、2−エチルアントキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1,4−ナフタキノンなどとその誘導体が挙げられる。キサントン類(Xanthone)構造を有するフォトイニシェーターとしては、例えば、キサントン、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントンなどとその誘導体が挙げられる。ジアオ構造を有するフォトイニシェーターとしては、例えば、4−ジアゾジフェニルアミン、4−ジアゾ−4’−メトキシジフェニルアミン、4−アジド−3−メトキシジフェニルアミンなどとその誘導体が挙げられる。又、トリアジン構造を有するフォトイニシェーターとしては、例えば、2−(2’−フラニルエチリデン)−4,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3’,4’−ジメトキシスチレン)−4,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4’−メトキシナフチル)−4,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2’−ブロモ−4’−メチルフェニル)−4,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2’−チェニールエチリデン)−4,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどとその誘導体が挙げられる。
【0028】
上記に挙げたフォトイニシェーターの外、例えば、4−ジアゾベンズアルデヒド、アジドピレン、ジ(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスホオキシド、N−フェニルチオアクリドン、トリフェニルピレニウム過塩素酸塩などとその誘導体が挙げられる。これらフォトイニシェーターは、単独又は2種以上混合して使用することができる。これら成分(C)の使用量としてが、成分(A)と(B)の総重量当り約1〜50重量%である。
【0029】
本発明の組成物中において使用される接着助剤(D)としては、例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどのビニル官能基シラン類;例えば、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシランなどのエポキシ官能基を有するシラン類;例えば、3−メタアクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタアクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタアクリロイルオキシプロピルトリエトキシシランなどのメタアクリロイルオキシ基を有するシラン類;例えば、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランなどのアクリロイルオキシ基を有するシラン類;例えば、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシラニル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルフェンメチル)−2−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩などのアミン官能基を有するシラン類;例えば、3−ウレイドプロピルトリエトキシシランなどのウレイド官能基を有するシラン類;例えば、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどのクロロプロピル官能基を有するシラン類;例えば、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト官能基を有するシラン類;例えば、ジ(トリエトキシシランプロピル)テトラスルフォエーテルなどのスルフォエーテル官能基を有するシラン類;例えば、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネート官能基を有するシラン類などが挙げられる。これら接着助剤(D)の使用量としてが、成分(A)と(B)の総重量当り約0.1〜5重量%である。
【0030】
本発明の組成物中において使用される着色剤(E)としては、例えば、C.I.黄色顔料83、C.I.黄色顔料110、C.I.黄色顔料138、C.I.黄色顔料150とC.I.黄色顔料155;C.I.オレンジ色顔料71、C.I.紫色顔料19とC.I.紫色顔料23;C.I.赤色顔料48:1、C.I.赤色顔料48:2、C.I.赤色顔料48:3、C.I.赤色顔料48:4、C.I.赤色顔料122、C.I.赤色顔料177、C.I.赤色顔料202、C.I.赤色顔料206、C.I.赤色顔料207、C.I.赤色顔料209、C.I.赤色顔料224とC.I.赤色顔料254;C.I.青色顔料15:3、C.I.青色顔料15:4とC.I.青色顔料15:6;C.I.緑色顔料7とC.I.緑色顔料36;C.I.褐色顔料23とC.I.褐色顔料25;C.I.黒色顔料1とC.I.黒色顔料7などの耐熱性を有する有機顔料が上げられる(上述中、C.I.は The Society of Dyers and Colourists Co.により制定公開されたものである)。これらの着色剤は単独又は2種以上組み合わせて使用されても良く、その着色剤(E)の使用量が、成分(A)と(B)の総重量当り、約70〜600重量%が使用される。
【0031】
本発明の組成物中において使用される分散剤(F)としては、Avecia社製造のS32000が挙げられ、これはカチオン型ポリ(アルキルイミン)と遊離酸基を有するヒドロキシステアリン酸塩とを反応して合成された酸アミドである。添加した後、更に研磨することにより着色剤の安定した分散を促進する。これらの使用量が、成分(A)と(B)の総重量当り、約3〜15重量%が使用される。
【0032】
本発明の組成物中において使用される溶剤(G)は、液状を保ち、且つ組成物の粘性を噴射する際に至当な粘度に調整するために用いられる。そのため、用いられる溶剤は、上記組成物に含まれる成分を溶解又は分散し、且つ反応に参与せず、又適当な揮発性を有するものであれば良い。
【0033】
これらの溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルとトリプロピレングリコールモノエチルエーテルなどの(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどの(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;その他、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルとテトラヒドロフランなどのエーテル類;例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノンと3−ヘプタノンなどのケトン類;例えば、2−ヒドロキシプロピオン酸メチルエステルと2−ヒドロキシプロピオン酸エチルエステルなどの乳酸アルキルエステル類;例えば、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチルエステル、3−メトキシプロピオン酸メチルエステル、3−メトキシプロピオン酸エチルエステル、3−エトキシプロピオン酸メチルエステル、3−エトキシプロピオン酸エチルエステル、エトキシ酢酸エチルエステル、ヒドロキシ酢酸エチルエステル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチルエステル、酢酸3−メチル−3−メトキシフチルエステル、プロピオン酸3−メチル−3−メトキシブチルエステル、酢酸エチルエステル、酢酸n−ブチルエステル、酢酸イソブチルエステル、ギ酸イソバレリルエステル、酢酸イソバレリルエステル、プロピオン酸n−ブチルエステル、酪酸イソプロピルエステル、酪酸エチルエステル、酪酸n−ブチルエステル、アセトン酸メチルエステル、アセトン酸エチルエステル、アセトン酸n−プロピルエステル、アセチル酢酸メチルエステル、アセチル酢酸エチルエステルと2−オキソ酪酸エチルエステルなどのエステル類;例えば、トルエンとキシレンなどの芳香族炭化水素類;例えば、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミドとN,N−ジメチルアセトアミドなどの酸アミド類などが使用される。
【0034】
前記の溶剤は単独で用いてもよく、又二種以上組合せて使用しても良い。溶剤の添加量は特に制限はなく、必要とする粘性が得られ場良く、通常成分(A)と(B)の総重量当り、約200〜2500重量%が好ましい。
【0035】
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0036】
下記実施例において、使用されるMDI(メターフェニレンジイソシアナート)はBAS社より購入したものであり;ジオールPPG−1000(ポリ(プロピレングリコール)−1000)は穏好高分子化学工業(株)より購入し、分子量は1000g/モルであり;ジオール(登録商標)CAPA
2101A(ポリカプロラクトンジオール)はソルベイ社より購入し、分子量は約1000g/モル、ヒドロキシ価は112mg KOH/gであり;ジオールPC−diol(ポリ炭酸エステルジオール)は旭化成社の製品で、分子量は約1000g/モル、ヒドロキシ価は100〜120mgKOH/gであり;ジオールPTMEG
ポリ(ブチレングリコール)は三菱化学の製品で、分子量は約1000g/モルを示し;ジオールを有し、且つ、一つのカルボキシ官能基を含む化合物のDMPA(ジメチロールプロピオン酸)はランカスター社製品を購入したものであり;ジオールを有し、且つ、一つのカルボキシ官能基を含む化合物の(登録商標)CAPA
HC1100はソルベイ社の製品で、分子量は約1000g/モル、ヒドロキシ価は110mgKOH/g、カルボキシ価は60mgKOH/g以下であり;一つのエポキシ基を含むアクリル酸エステルモノマーのGMA(メタアクリル酸グリシジルエステル)はダウ ケミカル(株)の製品で、分子量は142g/モルであり;又、使用された溶剤のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)は、ダウ ケミカル(Dow Chemical)(株)の製品であり;溶剤のN−メチルピロリドン(NMP)はBASF(株)の製品である。
【0037】
(実施例1)
容量500mlの分離式四口反応フラスコに、メターフェニレンジイソシアナート(MDI)31.9gと、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)80gを加え、60℃に升温し、メカニカル攪拌機により完全にMDIが溶解するまで攪拌する。その後、予めN−メチルピロリドン(NMP)50gに完全に混合してあるジメチロールプロピオン酸(DMPA)16.2gとポリ(プロピレングリコール)−1000(PPG−1000、分子量は1000)13.6gを滴下し、完全に滴下するのを待ち、フーリエ変換赤外線スペクトル分析器(FTIR)を用いてイソシアナート官能基(NCO)が完全に反応したか否かを調べた。反応終了後、100℃まで升温して、メタアクリル酸グリシジルエステル(GMA)8.3gを加え、該溶液の酸価が約18mgKOH/gに至るまで保温して、合成を完了し、本発明の輻射により硬化現像できるポリウレタン(1)を得る。これは下記の繰り返しユニットよりランダム排列で構成され、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により測定されたMwは15,000〜35,000である。
【化4】

【0038】
(実施例2)
容量500mlの分離式四口反応フラスコに、MDI31.9gとPMA80gを加え、60℃に升温し、メカニカル攪拌機によりMDIが完全に溶解するまで攪拌する。その後、予めNMP50gに完全に混合してあるDMPA16.2gとポリカプロラクトンジオール((登録商標)CAPA
2101A、分子量は1000)とを滴下し始め、完全に滴下するのを待ち、FITRを用いてNCOが完全に反応したか否かを調べた。反応終了後、100℃まで升温して、メタアクリル酸グリシジルエステル(GMA)8.3gを加え、該溶液の酸価が約18mgKOH/gに至るまで保温して合成を完了し、本発明の輻射により硬化現像できるポリウレタン(2)を得る。ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により測定したMwは15,000〜35,000である。
【0039】
(実施例3)
容量500mlの分離式四口反応フラスコに、MDI31.9gとPMA80gを加え、60℃まで升温し、メカニカル攪拌機によりMDIが完全に溶解するまで攪拌する。その後、予めNMP50gに完全に混合してあるDMPA16.2gとPC−ジオール(分子量は1000)13.6gとを滴下し始め、滴下終了するのを待ち、FTIRを用いてNCOが完全に反応したか否かを調べる。反応終了後、100℃まで升温し、GMA8.3gを加え、該溶液の酸価が約18mgKOH/gに至るまで保温し、合成を完了させ、本発明の輻射により硬化現像できるポリウレタン(3)を得る。ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により測定した結果、Mwは15,000〜35,000を示した。
【0040】
(実施例4)
容量500mlの分離式四口反応フラスコに、MDI31.9gとPMA80gとを加え、60℃まで升温し、メカニカル攪拌機を用い、MDIが完全に溶解するまで攪拌する。その後、予めNMP50gに完全に混合してあるDMPA16.2gとPTMEG(分子量は1000)13.6gとを滴下し始め、滴下終了するのを待ち、FTIRによりNCOが完全に反応したか否かを調べる。反応終了後、100℃まで升温し、GMA8.3gを加え、該溶液の酸価が約18mgKOH/gに至るまで保温し、合成を完了させ、本発明の輻射により硬化現像できるポリウレタン(4)を得る。ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により測定した結果、Mwは15,000〜35,000を示した。
【0041】
(実施例5)
容量500mlの分離式四口反応フラスコに、MDI16.79gとPMA112.5gとを入れ、60℃まで升温し、メカニカル攪拌機を用いてMDIが完全に溶解するまで攪拌する。その後、予めNMP50gに完全に混合してある(登録商標)CAPA
HC1100(分子量は1000)70.71gを滴下し始め、滴下終了するのを待ち、FTIRによりNCOが完全に反応しているか否かを調べる。反応終了後、100℃に升温し、GMA8.3gを加え、該溶液の酸価が約12mgKOH/gに至るまで保温し、合成を完成させて、本発明の輻射により硬化現像できるポリウレタン(5)を得る。ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により測定した結果、Mwは15,000〜35,000を示した。
【0042】
(実施例6〜9)
上記実施例1,2,3,4により製造して得る主鎖にカルボキシ基を有し、且つ、側鎖にアクリロイル基を有する繰り返しユニット(I)、(III)と(III)からなるポリウレタン(1)、(2)、(3)と(4)を下記表1に示す組成分量(成分(A)と(B)の合計量を100重量%として、示した)と他の成分(これら成分量は(A)と(B)の総重量当り)に対する重量で示した)とを十分に混合した後、砥石車により研磨し、分散剤を助けに粒径分布を200nm以下に調整して、フォトレジスト組成物(1)、(2)、(3)と(4)を得る。
【表1】

【0043】
(試験例)
[耐薬性試験、耐熱性試験と耐黄変性試験]
上記で得たフォトレジスト組成物(1)、(2)、(3)、(4)をそれぞれガラス板上に厚さ1〜3μmになるよう塗布し、70〜110℃でプレベーキング100〜300秒間した後、50〜200mJ/cm2で露光し、苛性ソーダ現像液により20〜150秒間現像し、更に、200〜250℃でアフターベーキングを20〜40分間施した後、上記の塗布済みのガラス板を各種溶剤で含浸し(80℃の水、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PM)、N−メチルピロリドン(NMP)、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド化合物(TMAH)2.38%)、5〜20分間を経た後(即ち、耐薬性試験)、或いは各種環境条件下(空気中、170℃、10時間、即ち、耐熱性試験)に露出し、耐黄変性試験(△Eab)を行い、その結果を下記表2に示す。
【表2】

【0044】
上記のフォトレジスト組成物(1)は、僅か総重量の約10重量%しか含まれていないのにも拘わらず、ポリウレタン(1)自身の構造中多くのウレタン基(水素結合鍵を提供する)とアクリル酸官能基を有するため、非常に優れた耐熱性と耐薬性(即ち、△Eab≦3)を提供することができる。この外、系全体が単一相を呈することで本発明の組成物は非常に高い互容性を有することを明らかにする。
【0045】
本発明のポリウレタンは輻射により硬化し、高度の架橋性樹脂であるため、該樹脂を使用してフォトレジスト液の主成分にした場合、顔料をガラス基板上にしっかりと固着し、フィルム形成後の耐薬性と耐熱性を向上させることができる。
【0046】
この外、同様にして本発明の輻射により硬化し、高度に架橋するポリウレタン樹脂をフォトレジスト液の主成分として使用し、且つ、適当な分散剤と接着助剤を配合し、低温(<150℃)で熟成し、硬化工程を経た後、先に70〜100℃でプレベーキングを100〜300秒間行い、次に50〜200mJ/cm2で露出し、苛性ソーダ現像液中20〜150秒間現像した後、更に、50〜200mJ/cm2で露出し、最後に150℃でアフターベーキングを20〜60分間行い、そのフォトレジスト組成物を硬化させた後、フレキシブル性を有し、プラスチック基板(例えば、ポリイミド(PI)、ポリエーテルスルホン(PES)膜、ポリ炭酸エステル(PC)膜など)上に膜を形成することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主鎖にカルボキシ基を有し、且つ、側鎖にアクリロイル基を有し、且つ、下記の繰り返しユニット(I)、(II)と(III)をランダム排列により含有し構成される:
【化1】

このポリウレタンは、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)による分子量測定の結果、重量平均分子量は3,000〜400,000範囲内にあり、且つ、酸価は5〜120mgKOH/gであることを特徴とする輻射により現像硬化できるポリウレタン。
【請求項2】
重量平均分子量が6,000〜80,000範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタン。
【請求項3】
酸価が10〜60mgKOH/g範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタン。
【請求項4】
下記成分を有効成分として含有することを特徴とする輻射により硬化できる樹脂組成物(A)主鎖にカルボキシ基を有し、且つ、側鎖にアクリロイル基を有し、且つ、繰り返しユニット(I)、(II)と(III)により構成される請求項1に記載のポリウレタン、(B)アクリル酸モノマーと、(C)フォトイニシェター;その中、ポリウレタン(A)とアクリル酸モノマー(B)との重量比((A):(B))は40〜90:10〜60であり、フォトイニシェター(C)含有量は、ポリウレタン(A)とアクリル酸モノマー(B)との総重量当り1〜50重量%であることを特徴とする樹脂組成物。
【請求項5】
更に、接着助剤(D)を含み、その使用量がポリウレタン(A)とアクリル酸モノマー(B)との総重量当り、0.1〜5重量%であることを特徴とする請求項4に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
更に、着色剤(E)を含み、その使用量がポリウレタン(A)とアクリル酸モノマー(B)との総重量当り、5〜40重量%であることを特徴とする請求項4に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
更に、分散剤(F)を含み、その使用量がポリウレタン(A)とアクリル酸モノマー(B)との総重量当り、3〜15重量%であることを特徴とする請求項4に記載の樹脂組成物。
【請求項8】
更に、溶剤(G)を含有することを特徴とする請求項4に記載の樹脂組成物。

【公開番号】特開2008−231393(P2008−231393A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−146604(P2007−146604)
【出願日】平成19年6月1日(2007.6.1)
【出願人】(506315000)新力美科技股▲ふん▼有限公司 (3)
【Fターム(参考)】