説明

辞書機能を備えた電子機器およびプログラム

【課題】辞書機能を備えた電子機器において、単語帳に登録された単語を呼び出す際に、書籍の辞書のように単語を学習し理解可能にする。
【解決手段】辞書検索された単語について単語帳への登録を指示すると、登録方式選択ウインドウW1が表示され、同ウインドウW1にてブックマーク方式での登録「はい」を選択すると、単語帳データメモリに前記登録指示された単語とその辞書名および読み出し方式“ブックマーク”とが対応付けられて登録される。そして、登録単語一覧画面G1にてユーザにより選択された単語が、ブックマーク方式で登録されている場合には、該当する辞書から同単語を含む前後複数の見出し語が読み出され見出し語一覧画面G2として表示される。この見出し語一覧画面Gにてユーザ任意の見出し語が指定されると、この指定の見出し語に対応する説明情報が読み出されて表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、辞書機能を備えた電子機器およびその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から電子辞書装置には単語帳登録機能を備えたものがある。
【0003】
この従来の電子辞書装置における単語帳登録機能では、辞書検索した任意の単語を単語帳メモリに保存して登録する。そして、単語帳に登録した単語を見る場合は、登録された単語の一覧表示から所望の単語を指定することで、指定された単語の説明情報が辞書データから読み出されて表示される。
【0004】
辞書データから任意の単語を検索した後に、同単語およびその説明情報を選択して単語帳へ登録する。登録した単語をアルファベット順や品詞などの順に呼出して確認することにより、単語の暗記学習に用いることのできる単語帳機能付電子辞書が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
辞書データから任意の単語を検索してその説明情報を表示させ、手書きのメモ「見出しメモ」を入力すると、同「見出しメモ」が前記検索された単語に対応付けられて登録される。登録された「見出しメモ」の一覧表示から、所望の「見出しメモ」を指定して同「見出しメモ」に対応付けられた単語およびその説明情報を表示させることで、メモを付箋のように辞書に貼り付けることのできる電子辞書装置が考えられている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平07−234874号公報
【特許文献2】特開2009−146223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の電子辞書装置における単語の登録機能では、何れの場合でも、単語帳から一単語を取り出してその説明情報を表示させるだけである。
【0008】
しかしながら、辞書における一つの単語の周辺には同単語に関連する単語が連なって集録されている場合が多く、単語帳から一単語を取り出してその説明情報を表示させるだけでは、書籍の辞書のように単語を学習し理解するのは難しい。
【0009】
本発明は、このような課題に鑑みなされたもので、単語帳に登録された単語を呼び出す際に、書籍の辞書のように単語を学習し理解することが可能になる辞書機能を備えた電子機器およびその制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の辞書機能を備えた電子機器は、複数の見出し語と同各見出し語の説明情報とを対応付けて記憶する辞書記憶手段と、この辞書記憶手段により記憶された複数の見出し語の中からユーザ操作に応じて任意の見出し語を検索する見出し語検索手段と、この見出し語検索手段により検索された見出し語をユーザ操作に応じて単語帳に登録する単語帳登録手段と、この単語帳登録手段により登録された単語の中から1つの単語をユーザ操作に応じて選択する登録単語選択手段と、この登録単語選択手段により選択された単語を含む一連の見出し語を前記辞書記憶手段により記憶された複数の見出し語の中から検索し一覧にして表示する見出し語一覧表示手段と、を備えたことを特徴としている。
【0011】
請求項2に記載の辞書機能を備えた電子機器は、前記請求項1に記載の辞書機能を備えた電子機器において、前記登録単語選択手段により選択された単語に対応する見出し語を前記辞書記憶手段により記憶された複数の見出し語の中から検索し、同検索された見出し語に対応する説明情報を読み出して表示する説明情報表示手段と、前記登録単語選択手段により選択された単語について、前記見出し語一覧表示手段により同単語を含む一連の見出し語を一覧表示するかまたは前記説明情報表示手段により同単語に対応する説明情報を表示するかを、ユーザ操作に応じて指定する表示方式指定手段と、を備えたことを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載の辞書機能を備えた電子機器は、前記請求項2に記載の辞書機能を備えた電子機器において、前記表示方式指定手段は、前記単語帳登録手段により前記検索された見出し語をユーザ操作に応じて単語帳に登録するのに伴い、同見出し語を含む一連の見出し語を一覧表示するかまたは同見出し語に対応する説明情報を表示するかを指定することを特徴としている。
【0013】
請求項4に記載の辞書機能を備えた電子機器は、前記請求項3に記載の辞書機能を備えた電子機器において、前記単語帳登録手段は、前記検索された見出し語を、前記表示方式指定手段により前記一連の見出し語を一覧表示することが指定された場合は第1の単語帳に登録し、前記説明情報を表示することが指定された場合は第2の単語帳に登録する手段を有し、前記登録単語選択手段は、前記単語帳登録手段により第1および第2の単語帳に登録された単語の中から1つの単語をユーザ操作に応じて選択し、前記見出し語一覧表示手段は、前記登録単語選択手段により前記第1の単語帳から選択された単語を含む一連の見出し語を前記辞書記憶手段により記憶された複数の見出し語の中から検索し一覧にして表示し、前記説明情報表示手段は、前記登録単語選択手段により前記第2の単語帳から選択された単語に対応する見出し語を前記辞書記憶手段により記憶された複数の見出し語の中から検索し、同検索された見出し語に対応する説明情報を読み出して表示する、ことを特徴としている。
【0014】
請求項5に記載の辞書機能を備えた電子機器は、前記請求項2に記載の辞書機能を備えた電子機器において、前記表示方式指定手段は、前記登録単語選択手段により前記登録された単語の中から1つの単語をユーザ操作に応じて選択するのに伴い、同単語を含む一連の見出し語を一覧表示するかまたは同単語に対応する説明情報を表示するかを指定することを特徴としている。
【0015】
請求項6に記載のプログラムは、電子機器のコンピュータを、複数の見出し語と同各見出し語の説明情報とを対応付けてメモリに記憶させる辞書記憶手段、この辞書記憶手段により記憶された複数の見出し語の中からユーザ操作に応じて任意の見出し語を検索し表示部に表示させる見出し語検索手段、この見出し語検索手段により検索された見出し語をユーザ操作に応じて単語帳メモリに登録する単語帳登録手段、この単語帳登録手段により登録された単語の中から1つの単語をユーザ操作に応じて選択する登録単語選択手段、この登録単語選択手段により選択された単語を含む一連の見出し語を前記辞書記憶手段により記憶された複数の見出し語の中から検索し前記表示部に一覧にして表示させる見出し語一覧表示手段、として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、単語帳に登録された単語を呼び出す際に、書籍の辞書のように単語を学習し理解することが可能になる辞書機能を備えた電子機器およびその制御プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の辞書機能を備えた電子機器の実施形態に係る電子辞書装置10の外観構成を示す正面図。
【図2】前記電子辞書装置10の電子回路の構成を示すブロック図。
【図3】前記電子辞書装置10の第1実施形態の単語帳データメモリ22cに登録される各単語(見出し語)の記憶状態を示す図。
【図4】前記電子辞書装置10による第1実施形態の辞書検索処理を示すフローチャート。
【図5】前記電子辞書装置10による第1実施形態の単語帳読み出し処理を示すフローチャート。
【図6】前記電子辞書装置10による第1実施形態の辞書検索処理と単語帳読み出し処理に伴うユーザ操作に応じた表示動作を示す図。
【図7】前記電子辞書装置10による第2実施形態の単語帳読み出し処理を示すフローチャート。
【図8】前記電子辞書装置10による第2実施形態の単語帳読み出し処理に伴うユーザ操作に応じた表示動作を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
【0019】
(第1実施形態)
図1は、本発明の辞書機能を備えた電子機器の実施形態に係る電子辞書装置10の外観構成を示す正面図である。
【0020】
この電子辞書装置10は、以下に説明する電子辞書専用の携帯機器として構成されるか、辞書機能を備えたPDA(personal digital assistants)、PC(personal computer)、携帯電話、電子ブック、携帯ゲーム機等として構成される。
【0021】
この電子辞書装置10は、その本体ケース11と蓋体ケース12とがヒンジ部13を介して展開/閉塞可能な折り畳み型ケースを備えて構成される。この折り畳み型ケースを展開した本体ケース11の表面には、文字入力キー14a、辞書指定キー14b、「訳/決定」キー14c、「戻る」キー14d、カーソルキー14e、「単語帳」キー14f、「登録」キー14gなどを備えたキー入力部(キーボード)14、および手書き入力部(サブ画面)15が備えられる。
【0022】
この手書き入力部(サブ画面)15は、ユーザがペンや指等でタッチした位置を検出するタッチ位置検出装置と表示装置が一体となった構造であり、キー入力部14の中央手前側において例えば256×64ドットのカラー液晶表示画面15dに透明タッチパネル15tを重ねて構成される。この手書き入力部15の入力領域は、必要に応じて、手書き文字を入力するための手書き文字入力領域や各種機能のボタン入力領域、あるいは当該各入力領域が混在する領域に切り替えられる。
【0023】
そして、前記手書き入力部15が手書き文字入力領域に切り替えられた状態での手書き入力に伴う軌跡はそのカラー液晶表示画面15dにエコーバックして表示される。
【0024】
また蓋体ケース12の表面には、そのほぼ全面を対象に例えば480×320ドットのバックライト付きのタッチパネル式表示部(メイン画面)16が設けられる。このタッチパネル式表示部(メイン画面)16も、前記手書き入力部(サブ画面)15と同様に、ユーザがペンや指等でタッチした位置を検出するタッチ位置検出装置と表示装置が一体となった構造であり、そのカラー液晶表示画面16dに透明タッチパネル16tを重ねて構成される。
【0025】
図2は、前記電子辞書装置10の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0026】
この電子辞書装置10は、各種の記憶媒体に記録されたプログラムを読み込んで、その読み込んだプログラムによって動作が制御されるコンピュータによって構成され、その電子回路には、CPU(central processing unit)21が備えられる。
【0027】
CPU21は、主記憶装置(フラッシュROM)22内に予め記憶された装置制御プログラム22a、あるいはROMカードなどの外部記憶媒体23から記憶媒体読み書き部24を介して前記主記憶装置22に読み込まれた装置制御プログラム22a、あるいはインターネットN上のWebサーバ(この場合はプログラムサーバ)30から外部インターフェイス25を介して前記主記憶装置22に読み込まれた装置制御プログラム22aに応じて、RAM26を作業用メモリとして回路各部の動作を制御する。
【0028】
前記主記憶装置22に記憶された装置制御プログラム22aは、キー入力部14、手書き入力部15、タッチパネル式表示部16からのユーザ操作に応じた入力信号、あるいは外部インターフェイス25を介して接続されるインターネットN上の各Webサーバ30…との通信信号に応じて起動される。
【0029】
このように、前記CPU21には、前記主記憶装置22、記憶媒体読み書き部24、外部インターフェイス25、RAM26、キー入力部14、手書き入力部15、タッチパネル式表示部16が接続される。
【0030】
主記憶装置22には、装置制御プログラム22aとして、当該電子辞書装置10の全体の動作を司るシステムプログラムや外部インターフェイス25を介してインターネットN上の各Webサーバ30…や図示しないユーザPC(Personal Computer)などとデータ通信するための通信プログラムが記憶される。また他に、辞書機能における見出し語検索処理、検索見出し語の一覧表示処理、カーソルCにより指定された見出し語に対応する訳語・意味内容・例文(用例)などの各種説明情報の読み出し表示処理など、同主記憶装置22内に記憶された辞書データベース22bに基づく検索・表示処理全般を制御するための辞書検索プログラムが記憶される。さらに、前記辞書検索されて表示された説明情報の表示画面において、同説明情報に対応する見出し語(単語)を単語帳データメモリ22cに登録したり、同単語帳データメモリ22cに登録された見出し語(単語)を読み出して一覧表示させ、指定の見出し語の説明情報を表示させたりするための単語帳処理プログラムが記憶される。
【0031】
辞書データベース22bには、例えば英語の見出し語(単語)に対応付けて日本語の説明情報が記述された[英和辞書]、日本語の見出し語(単語)に対応付けて英語の説明情報が記述された[和英辞書]をはじめ、[国語辞書][英英辞書]など、複数種類の辞書データが、予め記憶されるかあるいはダウンロードされて記憶される。
【0032】
図3は、前記電子辞書装置10の第1実施形態の単語帳データメモリ22cに登録される各単語(見出し語)の記憶状態を示す図である。
【0033】
この単語帳データメモリ22cに登録される各単語(見出し語)には、同単語が集録されている辞書名と、ユーザにより選択された同単語の読み出し方式(“普通”又は“ブックマーク”)とが対応付けられて記憶される。
【0034】
単語帳の読み出し処理に際して、“普通”の読み出し方式が対応付けられて登録された単語は、同単語に対応する説明情報が該当する辞書から直ちに読み出されて表示される。また、“ブックマーク”の読み出し方式が対応付けられて登録された単語は、同単語を含む見出し語一覧が該当する辞書から読み出されて表示された後に、この見出し語一覧の中でユーザにより指定された単語に対応する説明情報が読み出されて表示される。
【0035】
次に、前記構成による電子辞書装置10の第1実施形態の単語帳登録機能について説明する。
【0036】
図4は、前記電子辞書装置10による第1実施形態の辞書検索処理を示すフローチャートである。
【0037】
図5は、前記電子辞書装置10による第1実施形態の単語帳読み出し処理を示すフローチャートである。
【0038】
図6は、前記電子辞書装置10による第1実施形態の辞書検索処理と単語帳読み出し処理に伴うユーザ操作に応じた表示動作を示す図である。
【0039】
・辞書検索処理
例えば、図6(A)に示すように、辞書指定キー[英和]14bのユーザ操作に応じて辞書データベース22bの[英和辞書]が指定され(ステップS1)、検索語「success」が入力されると(ステップS2)、入力された検索語と一致する見出し語「success」が前記[英和辞書]から検索される(ステップS3)。
【0040】
そして、前記検索された見出し語「success」に対応する説明情報が前記[英和辞書]から読み出され、説明情報表示画面Gとしてタッチパネル式表示部16に表示される(ステップS4)。
【0041】
この見出し語「success」に対応する説明情報表示画面Gの表示状態において、図6(B)に示すように、同見出し語「success」を単語帳に登録するために「登録」キー14gが操作されると(ステップS5(Yes))、“ブックマーク”の読み出し方式として登録する「はい」か、またはしない「いいえ」(“普通”の読み出し方式として登録)かのユーザ選択を促す登録方式選択ウインドウW1が表示される(ステップS6)。
【0042】
この登録方式選択ウインドウW1において、“ブックマーク”の読み出し方式として登録する「はい」が選択されると(ステップS7(Yes))、図3で示したように、前記検索表示された見出し語(単語)「success」が、その辞書名「英和」と前記選択された読み出し方式“ブックマーク”とを対応付けて単語帳データメモリ22cに登録される(ステップS8)。
【0043】
一方、前記登録方式選択ウインドウW1において、“ブックマーク”の読み出し方式として登録しない「いいえ」(“普通”の読み出し方式として登録)が選択されると(ステップS7(No))、前記検索表示された見出し語(単語)が、その辞書名と前記選択された読み出し方式“普通”とを対応付けて単語帳データメモリ22cに登録される(ステップS9)。
【0044】
このような辞書検索処理に従い、単語帳データメモリ22cに登録される各単語は、その単語毎に、ユーザにより選択された読み出し方式(“ブックマーク”又は“普通”)と対応付けられて登録される。
【0045】
・単語帳読み出し処理
単語帳を見たい場合に、図6(C)に示すように、「単語帳」キー14fが操作されると、単語帳データメモリ22c(図3参照)に登録された各単語がその辞書名に対応付けて読み出され、登録単語一覧画面G1としてタッチパネル式表示部16に表示される(ステップT1)。
【0046】
この登録単語一覧画面G1において、カーソルCを操作移動させてユーザ所望の単語「success」が選択されると(ステップT2)、単語帳データメモリ22cにおいて、同単語「success」がブックマーク式の読み出し方式“ブックマーク”として登録されているか否か判断される(ステップT3)。
【0047】
ここで、前記選択された単語「success」がブックマーク式の読み出し方式“ブックマーク”として登録されていると判断されると(ステップT3(yes))、同単語(見出し語)「success」が集録されている[英和辞書](22b)から、同単語を中央に含めその前後に表示可能な各見出し語が読み出され、図6(D)に示すように、見出し語一覧エリアAmと説明情報プレビューエリアAsからなる見出し語一覧画面G2としてタッチパネル式表示部16に表示される(ステップT4)。
【0048】
この際、単語帳(22c)から選択された単語「success」と共に、その前後に連なり辞書に記憶されている関係する単語(見出し語)も読み出されて一覧表示されるので、登録単語の前後にある単語も必要に応じて調べることが可能になり、書籍の辞書のように単語を学習し理解することができる。
【0049】
この見出し語一覧画面G2において、見出し語一覧エリアAmのカーソルCを操作移動させてユーザ所望の見出し語が指定されると(ステップT5)、同指定の見出し語が前記[英和辞書](22b)から検索されると共に同見出し語に対応する説明情報が読み出され、説明情報表示画面Gとしてタッチパネル式表示部16に表示される(ステップT6)。
【0050】
一方、前記登録単語一覧画面G1においてカーソルCを操作移動させて選択された単語が、単語帳データメモリ22cに“普通”の読み出し方式として登録されていると判断されると(ステップT3(yes))、同単語(見出し語)に対応する説明情報が該当する辞書(22b)から読み出され、説明情報表示画面Gとしてタッチパネル式表示部16に表示される(ステップT7)。
【0051】
したがって、前記構成の電子辞書装置10による第1実施形態の単語帳登録機能によれば、辞書検索された単語について単語帳への登録を指示すると、登録方式選択ウインドウW1が表示され、同ウインドウW1にてブックマーク方式での登録「はい」を選択すると、単語帳データメモリ22cに前記登録指示された単語とその辞書名および読み出し方式“ブックマーク”とが対応付けられて登録される。そして、登録単語一覧画面G1にてユーザにより選択された単語が、ブックマーク方式で登録されている場合には、該当する辞書から同単語を含む前後複数の見出し語が読み出され見出し語一覧画面G2として表示される。この見出し語一覧画面Gにてユーザ任意の見出し語が指定されると、この指定の見出し語に対応する説明情報が読み出されて表示される。
【0052】
このため、単語帳に登録した任意の単語を読み出す際に、当該登録単語に連なって辞書に集録されている関連する単語も合わせて読み出して一覧表示することができ、書籍の辞書のように単語を学習し理解することができる。
【0053】
特に英語系辞書において、例えば英単語「interesting」の周辺には「interest」「interestingly」など近い意味の派生型単語が集録されている。このため、単語帳登録した単語を読み出す場合、先ず同単語を含んだ見出し語一覧として読み出し表示させることで、書籍の辞書のように単語を効果的に学習できる。
【0054】
(第2実施形態)
この第2実施形態の辞書検索処理において、辞書検索された単語を「登録」キー14gを操作して単語帳に登録する場合、前記第1実施形態のように、登録方式選択ウインドウW1(図6(B)参照)は表示されない。そして、単語帳データメモリに登録される単語には、辞書名だけが対応付けられて記憶され、読み出し方式は記憶されない。
【0055】
図7は、前記電子辞書装置10による第2実施形態の単語帳読み出し処理を示すフローチャートである。
【0056】
図8は、前記電子辞書装置10による第2実施形態の単語帳読み出し処理に伴うユーザ操作に応じた表示動作を示す図である。
【0057】
単語帳を見たい場合に、図8に示すように、「単語帳」キー14fが操作されると、単語帳データメモリに登録された各単語がその辞書名に対応付けて読み出され、登録単語一覧画面G1としてタッチパネル式表示部16に表示される(ステップP1)。
【0058】
この登録単語一覧画面G1において、カーソルCを操作移動させてユーザ所望の単語「success」が選択されると(ステップP2)、同単語を見出し語一覧として読み出す「ブックマーク」か、または説明情報として読み出す「意味・説明」かを指定するための出力指定ウインドウW2が表示される(ステップP3)。
【0059】
この出力指定ウインドウW2において、ユーザ操作に従い、前記単語帳から選択された単語を見出し語一覧として読み出す「ブックマーク」が指定されたと判断されると(ステップP4(Yes))、同選択された単語(見出し語)「success」が集録されている[英和辞書](22b)から、同単語を中央に含めその前後に表示可能な各見出し語が読み出される。そして、図6(D)で示したように、見出し語一覧エリアAmと説明情報プレビューエリアAsからなる見出し語一覧画面G2が、タッチパネル式表示部16に表示される(ステップP5)。
【0060】
この際、単語帳(22c)から選択された単語「success」と共に、その前後に連なり辞書に記憶されている関係する単語(見出し語)も読み出されて一覧表示されるので、登録単語の前後にある単語も必要に応じて調べることが可能になり、書籍の辞書のように単語を学習し理解することができる。
【0061】
この見出し語一覧画面G2において、見出し語一覧エリアAmのカーソルCを操作移動させてユーザ所望の見出し語が指定されると(ステップP6)、同指定の見出し語が前記[英和辞書](22b)から検索されると共に同見出し語に対応する説明情報が読み出され、説明情報表示画面Gとしてタッチパネル式表示部16に表示される(ステップP7)。
【0062】
一方、前記登録単語一覧画面G1に表示させた出力指定ウインドウW2において、選択された単語「success」を説明情報として読み出す「意味・説明」が指定されたと判断されると(ステップP4(No))、同単語(見出し語)に対応する説明情報が該当する辞書(22b)から読み出され、説明情報表示画面Gとしてタッチパネル式表示部16に表示される(ステップP8)。
【0063】
したがって、前記構成の電子辞書装置10による第2実施形態の単語帳登録機能によれば、辞書検索された単語について単語帳への登録を指示すると、単語帳データメモリに前記登録指示された単語とその辞書名とが対応付けられて登録される。そして、登録単語一覧画面G1にてユーザにより単語が選択されると、同選択された単語を見出し語一覧にして表示させる「ブックマーク」か否かのユーザによる指定を促す出力指定ウインドウW2が表示され、「ブックマーク」が指定された場合は、該当する辞書から同単語を含む前後複数の見出し語が読み出され見出し語一覧画面G2として表示される。この見出し語一覧画面Gにてユーザ任意の見出し語が指定されると、この指定の見出し語に対応する説明情報が読み出されて表示される。
【0064】
このため、単語帳に登録した任意の単語を読み出す際に、当該登録単語に連なって辞書に集録されている関連する単語も合わせて読み出して一覧表示することができ、書籍の辞書のように単語を学習し理解することができる。
【0065】
(他の実施形態)
前記第1実施形態では、辞書検索処理に伴う単語帳登録に際して、登録方式選択ウインドウW1にて“ブックマーク”による登録を選択した場合は、登録対象の単語を“ブックマーク”の読み出し方式として単語帳データメモリ22c(図3参照)に登録し、そうでない場合は、“普通”の読み出し方式として同メモリ22cに登録した。
【0066】
これに対し、前記登録方式選択ウインドウW1にて“ブックマーク”による登録を選択した場合は、登録対象の単語を“ブックマーク”の読み出し方式専用の単語帳データメモリに登録し、そうでない場合は、“普通”の読み出し方式専用の単語帳データメモリに登録する構成とする。そして、前記“ブックマーク”の読み出し方式専用の単語帳データメモリに登録された単語と、“普通”の読み出し方式専用の単語帳データメモリに登録された単語とを区別して一覧表示させ、カーソルCにより指定された単語が前記何れの読み出し方式専用の単語帳データメモリに登録されているかに応じて、見出し語一覧画面G2として表示したり、説明情報表示画面Gとして表示したりしてもよい。
【0067】
また、単語帳登録された単語を、ブックマーク方式により読み出して見出し語一覧画面G2を表示させるか、普通方式により読み出して説明情報表示画面Gを表示させるかについては、ユーザによる指定操作に起因することなく、対象単語の品詞等に応じて自動で判断する構成としてもよい。
【0068】
なお、前記各実施形態において記載した電子辞書装置10による各処理の手法、すなわち、図4のフローチャートに示す第1実施形態の辞書検索処理、図5のフローチャートに示す第1実施形態の単語帳読み出し処理、図7のフローチャートに示す第2実施形態の単語帳読み出し処理などの各手法、及び各種のデータ(22b,22c)は、何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリ・カード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フロッピディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の外部記憶媒体23に格納して配布することができる。そして、電子機器のコンピュータは、この外部記憶媒体23に記憶されたプログラムを記憶装置(22)に読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、前記各実施形態において説明した単語帳登録機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0069】
また、前記各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態としてネットワークN上を伝送させることができ、このプログラムデータを、ネットワークNに接続された電子機器のコンピュータに通信制御部(25)によって取り込むことで、前述した単語帳登録機能を実現することもできる。
【0070】
なお、本願発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が異なる形態にして組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
【符号の説明】
【0071】
10 …単語帳登録機能を備えた電子辞書装置
11 …本体ケース
12 …蓋体ケース
13 …ヒンジ部
14 …キー入力部(キーボード)
14a…文字入力キー
14b…辞書指定キー
14c…「訳/決定」キー
14d…「戻る」キー
14e…カーソルキー
14f…「単語帳」キー
14g…「登録」キー
15 …手書き入力部
15d…カラー液晶表示部
15t…透明タッチパネル
16 …タッチパネル式表示部
16d…カラー液晶表示部
16t…透明タッチパネル
21 …CPU
22 …主記憶装置
22a…装置制御プログラム
22b…辞書データベース
22c…単語帳データメモリ
23 …外部記憶媒体
24 …記憶媒体読み書き部
25 …外部インターフェイス
26 …RAM
30 …Webサーバ
G …説明情報表示画面
G1 …登録単語一覧画面
G2 …見出し語一覧画面
Am …見出し語一覧エリア
As …説明情報プレビューエリア
W1 …登録方式選択ウインドウ
W2 …出力指定ウインドウ
C …カーソル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の見出し語と同各見出し語の説明情報とを対応付けて記憶する辞書記憶手段と、
この辞書記憶手段により記憶された複数の見出し語の中からユーザ操作に応じて任意の見出し語を検索する見出し語検索手段と、
この見出し語検索手段により検索された見出し語をユーザ操作に応じて単語帳に登録する単語帳登録手段と、
この単語帳登録手段により登録された単語の中から1つの単語をユーザ操作に応じて選択する登録単語選択手段と、
この登録単語選択手段により選択された単語を含む一連の見出し語を前記辞書記憶手段により記憶された複数の見出し語の中から検索し一覧にして表示する見出し語一覧表示手段と、
を備えたことを特徴とする辞書機能を備えた電子機器。
【請求項2】
前記登録単語選択手段により選択された単語に対応する見出し語を前記辞書記憶手段により記憶された複数の見出し語の中から検索し、同検索された見出し語に対応する説明情報を読み出して表示する説明情報表示手段と、
前記登録単語選択手段により選択された単語について、前記見出し語一覧表示手段により同単語を含む一連の見出し語を一覧表示するかまたは前記説明情報表示手段により同単語に対応する説明情報を表示するかを、ユーザ操作に応じて指定する表示方式指定手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の辞書機能を備えた電子機器。
【請求項3】
前記表示方式指定手段は、前記単語帳登録手段により前記検索された見出し語をユーザ操作に応じて単語帳に登録するのに伴い、同見出し語を含む一連の見出し語を一覧表示するかまたは同見出し語に対応する説明情報を表示するかを指定することを特徴とする請求項2に記載の辞書機能を備えた電子機器。
【請求項4】
前記単語帳登録手段は、前記検索された見出し語を、前記表示方式指定手段により前記一連の見出し語を一覧表示することが指定された場合は第1の単語帳に登録し、前記説明情報を表示することが指定された場合は第2の単語帳に登録する手段を有し、
前記登録単語選択手段は、前記単語帳登録手段により第1および第2の単語帳に登録された単語の中から1つの単語をユーザ操作に応じて選択し、
前記見出し語一覧表示手段は、前記登録単語選択手段により前記第1の単語帳から選択された単語を含む一連の見出し語を前記辞書記憶手段により記憶された複数の見出し語の中から検索し一覧にして表示し、
前記説明情報表示手段は、前記登録単語選択手段により前記第2の単語帳から選択された単語に対応する見出し語を前記辞書記憶手段により記憶された複数の見出し語の中から検索し、同検索された見出し語に対応する説明情報を読み出して表示する、
ことを特徴とする請求項3に記載の辞書機能を備えた電子機器。
【請求項5】
前記表示方式指定手段は、前記登録単語選択手段により前記登録された単語の中から1つの単語をユーザ操作に応じて選択するのに伴い、同単語を含む一連の見出し語を一覧表示するかまたは同単語に対応する説明情報を表示するかを指定することを特徴とする請求項2に記載の辞書機能を備えた電子機器。
【請求項6】
電子機器のコンピュータを、
複数の見出し語と同各見出し語の説明情報とを対応付けてメモリに記憶させる辞書記憶手段、
この辞書記憶手段により記憶された複数の見出し語の中からユーザ操作に応じて任意の見出し語を検索し表示部に表示させる見出し語検索手段、
この見出し語検索手段により検索された見出し語をユーザ操作に応じて単語帳メモリに登録する単語帳登録手段、
この単語帳登録手段により登録された単語の中から1つの単語をユーザ操作に応じて選択する登録単語選択手段、
この登録単語選択手段により選択された単語を含む一連の見出し語を前記辞書記憶手段により記憶された複数の見出し語の中から検索し前記表示部に一覧にして表示させる見出し語一覧表示手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−14439(P2012−14439A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−150376(P2010−150376)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】