説明

農業における使用のためのPEHAMデンドリマー

農業目的のため、特別には、製剤中での活性物質の溶解度を改善することにより、植物表面への活性物質の付着及び浸透を改善することにより、植物又は種子への活性物質の耐水性を改善することにより、UVによる損傷からの活性物質の保護を提供することにより、植物の根又は地下部分に活性物質が到達するために土壌浸透性を増加することにより、或いは、植物の根又は地下部分に到達するために、活性物質の土壌付着を減少させることにより、或いは、植物又は種子或いは土壌中の微生物による活性物質の酵素的分解を減少させることによるなどの、様々な方法で活性物質の有効性を増加させるために、特定のPEHAMデンドリマーが、活性物質とともに製剤中で使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本発明は、同時係属の、2005年4月20日に出願された米国特許出願第10/594,776号及び2005年12月21日に出願された米国特許出願第11/630,044号に関連する。上記のこれら特許出願は、それらの全体が参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0002】
背景技術
技術分野
本発明は、広く、農業応用におけるPEHAMデンドリマーの使用に関するが、より特別には、特定のPEHAMデンドリマーによる植物及び種子の保護及び処理のための使用に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
デンドリマーは、高度に枝分かれした、しばしば球体の分子であって、その中で分枝は中心コア分子から放射状に広がった荷電アミノ基で終止することができる。アミン終止したデンドリマーは、PAMAMデンドリマーのように、表面上の陽性荷電したアミン基の密度が高い。制御された化学合成により、デンドリマーは非常に正確なサイズ及び定義された形状を有する。
【0004】
PEHAMデンドリマーは、PAMAMデンドリマーに関連するが、以下の特徴: PEHAMデンドリマーは、増加した温度安定性、低い世代での分子量の増加を伴う表面官能基のより迅速な構築による製造コストの低減、狭い多分散性、増加した内部空隙容量を示し、分岐アーム中に内部官能基及び/又はエクステンダー(extender)基を有する、のうちの少なくとも1つ以上において異なる。これらのPEHAMデンドリマーは、2005年4月20日に出願された米国特許出願第10/594,776号及び2005年12月21日に出願された米国特許出願第11/630,044号に記載されている。
【0005】
農業において使用されるさまざまな望ましい活性成分が、様々な環境条件によって有効性を失うか又は反復施用を必要とすることは知られている。以下の参考文献は、これらの問題のいくつかについて検討する。植物の葉にスプレーするなどして、キャリア中の活性成分で植物が処理される場合、観察される問題は、所望の活性成分の吸収及び移動又は活性成分の光分解である。かかる結果を最小化するために、Ethylan(商標)TU[Baker, Edward A., et al., Pestic. Sci. 34, 167-182 (1992)]又は有機シリコーン系界面活性剤[Stevens, Peter J. G., et al. Pestic. Sci. 38, 237-245 (1993)]又はTinopal(商標)[Reddy, N.P., et al., Pest Manag. Sci. 64, 909-915 (2008)]などの界面活性剤を添加することなどによる様々な試みが用いられてきた。他のアプローチは、分散剤とともに酸化第一銅と塩基性塩化銅を添加すること[Large, E.C. et al., Annals of Applied Biol., 33(1), 54-63 (1945)]、水によって葉上での局所分布を改善すること[Hislop, E.C. et al., Ann. Appl. Biol. 66, 89-101 (1970)]に関し、様々な除草剤による無傷の葉面キューティクルの浸透が測定されて、いくつかの活性成分に関しては低いことが発見され[Baker, Edward A., Pestic. Sci. 29, 187-196 (1990)]、そして、降雨条件下でのイマザキンスプレーの滞留、葉面の洗い落とし及び流出による損失が測定され、それはかなり高かった[Reddy, Krishna N., et al., Pestic. Sci. 48, 179-187 (1996)]。
【0006】
さらに、UV光により引き起こされる活性成分の光分解の、活性成分の有効性の損失に対する影響を最小化しようと、アンフォテリシンB[Tufteland, Megan L. et al., Pest Manag. Sci. 65, 624-628 (2009)]、リムスルフロン[Scrano, Laura et al., Pestic. Sci. 55, 995-961 (1999)]、フェナリモール[Sur, Nivedita et al., Pest Manag. Sci. 56, 289-292 (2000)]、フルシトリネート[Chattopadhyhya S. et al., Pestic. Sci. 31, 163-173 (1991)]、ホサロン[Walia, S. et al., Pestic. Sci. 25, 1-9(1989)]、フルクロラリン[Saha, Tapas et al., Pest Manag. Sci. 58, 179-182 (2001)]、フルミオキサジン[Kwon, Jeong-Wook, et al., Pest Manag. Sci. 60, 939-943 (2004)]、ベンスルフロン−メチル[Si, You-Bin, et al., Pest Manag. Sci. 60, 286-290 (2003)]、ベンゾイルフェニルウレア[Marsella, Adam, et al., Pest Manag. Sci. 56, 789-794 (2000)]、及びビンクロゾリン[Schick, Bernhard et al., Pestic. Sci. 55, 1116-1122 (1999)]などを保護するためのUV光により引き起こされる活性成分の光分解の研究が、いくつかのグループによりなされてきた。方法は、中空シリカナノ粒子のナノ粒子キャリアにより[Li, Zhu-Zhu et al., Pest Manag. Sci. 63, 241-246 (2007)]、吸収剤化合物[Hussain, Manzoor et al., Pestic. Sci. 28, 345-355 (1990)]、グルホシネート[Kocher, Helmut et al., Pestic. Sci. 37, 155-158 (1993)]及び2−プロパノールとメチル12−ヒドロキシステアレート[Schwack, Wolfgang et al., Pestic. Sci. 40, 279-284 (1994)]を用いるなどにより、活性成分をUVから遮蔽することである。
【0007】
米国特許第6,939,831号は、2〜20,000のリン−窒素結合を有するデンドリマーと活性成分の農業における使用を記載する。この組成物は、常に、その施用方法を制限するゲル組成物である。
【0008】
農業的活性成分の有用性のこれら既知の低下は、植物への活性成分の反復施用の必要性をもたらし、それは、これらの反復施用のためのコスト及び農業的活性成分の流出又は土壌滞留に関する環境問題を追加する。
【0009】
明らかに、分解に関するUV効果を低下させ、活性成分の溶解度及び浸透を増加させ、環境への影響を低下させるために、活性成分の施用量を減少させ又は反復施用を回避しつつ、植物へ活性成分を送達する方法が望ましい。
【発明の概要】
【0010】
発明の概要
本発明は、先に知られたPEHAM樹枝状ポリマーの選択肢を提供する。本発明のこれらのPEHAM樹枝状ポリマーは、少なくとも1つの農業的活性要素と結合した、以下の式により表されるPEHAMデンドリマー:
【0011】
【化1】

【0012】
{式中、
(C)は、PETGE、PETriGE又はTMPTGEから成るコアを意味し;
(FF)は、Et、OH、SH、NH2、CO2H、カルボン酸エステル、直鎖又は分岐鎖C1-C18アルキル、アリール、アリールヘテロ環部分、C1-C3アルコキシ、トリアゾール、C1-C18アルキルエステル、ポリエチレングリコール及びポリフッ化部分からなる群から選ばれるコアの焦点官能性成分(focal point functionality component)を意味し;
xは、独立して0又は1であり;
(BR)は、分岐セル(branch cell)を意味し、これは、pが1超である場合、(BR)は、DBA、DEA、DEIDA、DETA、DIA、IDA、TREN、TRIS、メチルアクリレート及びPETriGEからなる群から選ばれる、同じ又は異なる部分であることができ;
pは、デンドリマー中の分岐セル(BR)の総数であり、以下の式:
【0013】
【数1】

【0014】
(式中、
Gは、コアを取り囲む、同心の分岐セルの外殻の数(世代)であり、1、2又は3であり;
iは、最後の世代Gであり;
Nbは、分岐セルの多重度であり;そして
Ncは、コアの多重度(multiplicity)であり、かつ、1〜4の整数であるが、
ただし、xが1であるとき、Nc−xは、1〜3の整数でなければならない。)
により導かれる整数であり;
【0015】
(IF)は、OHである、内部官能基(interior functionality)を意味し;
qは、独立して、0又は1〜64の整数であり;
(EX)は、エクステンダー(extender)を意味し、mが1超であるとき、(EX)は、リジンなどのアミノ酸、ポリリジンなどのポリ(アミノ酸)、オリゴエチレングリコール、ジエチレンテトラアミン及びより高級なアミンの類似体、5員イミダゾリジル誘導体として保護されるオリゴアルキレンアミン、2以上の異種又は同種の官能基を有する脂肪酸、不飽和脂肪族及び芳香族の二官能性又は多官能性部分、EA、モルホリン、ジカルボン酸、EPC、IMAE、アリールジメルカプタン、ジメルカプトアルカン、トリアゾール、DMI、ジアジド、ジアセチレン、ピロリドン、ピロリドンエステル、アミノアルキルイミダゾリン、イミダゾリジン、ポリ(アルキレンイミダゾリジン)、メルカプトアルキルアミン、ヒドロキシアルキルアミン又は不飽和脂肪族及び芳香族のヘテロ二官能性又は多官能性部分からなる群から選ばれる、同じ又は異なる部分であることができ;
mは、独立して、0又は1〜64の整数であり;
qとmが両方とも1超であるとき、(BR)及び(EX)は、他方の部分と交互に存在するか、又は連続した複数の(BR)又は(EX)基が相次いで存在することができ;
(TF)は、末端官能基を意味し、もし、zが1超であれば、(TF)は、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ヒドロキシエチルアミノ、ベンジルアミノ、メルカプトエチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ビス(ヒドロキシメチル)アミノ、N-アルキル化アミノ誘導体、N-アリール化アミノ誘導体、N-アシル化アミノ誘導体、CO2-N(C1-C6アルキル)、ヒドロキシル、メルカプト、カルボキシル、カルボン酸塩、カルボキシC1-C18アルキル、直鎖又は分岐鎖C2-C18アルケニル、メタルキル(methalkyl)、アミド、ハロ、ウレア、オキシラニル、アジリジニル、オキサゾリニル、イミダゾリニル、ピロリドン、ベンジル、フェニル、スルホナート(sulfonato)、ホスホネート(phosphonate)、イソシアネート、イソチオシアナート(isothiocyanato)、ピペラジニル、エチルピペラジニル、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、アジド、エポキシド、エチルイミン、直鎖又は分岐鎖C1-C18アルキル、C1-C3アルコキシ、C1-C18アルキルエステル、チオラン、モルホリニル、保護されたDETA、ポリエチレングリコール、ポリフッ化部分及びデンドロンからなる群から選ばれる同じ又は異なる部分であることができる。
zは、1から、所与の世代Gについて(C)及び(BR)に関して可能な理論的数値までの、表面基の数を意味し、以下の式:
【0016】
【数2】

【0017】
(式中、
G、Nb及びNcは上記で定義されたとおりである。)
により導かれ、
ただし、(EX)又は(IF)の少なくとも1つが存在する。}
を少なくとも1つ含み、そして、少なくとも1つの農業的に許容可能な希釈剤又はキャリアが存在し、ここで、農業的活性要素の有効性又は活性の持続時間が増加される。
【0018】
式(I)のこれら特定のPEHAMデンドリマーは、農業目的のため、特に農業的活性要素の有効性を様々な方法で増加させるために、少なくとも1つの農業的活性要素とともに製剤中で使用される。特に、これらの製剤は、製剤中での農業的活性要素の溶解度を改善することにより、植物表面への農業的活性要素の付着及び浸透を改善することにより、植物又は種子への農業的活性要素の耐水性を改善することにより、UVによる損傷からの農業的活性要素の保護を提供することにより、植物の根又は地下部分に農業的活性要素が到達するために土壌浸透性を増加することにより、或いは、植物の根又は地下部分に到達するために、農業的活性要素の土壌付着を減少させることにより、或いは、植物又は種子或いは土壌中の微生物による農業的活性要素の酵素的分解を減少させることにより、有用である。製剤におけるこれらの改善は、施用される農業的活性要素の量を減少させるか、又は、製剤の施用の反復回数を減少させることができ、これは、製剤及び農業的活性要素の環境への影響を減少させる。
【0019】
発明の詳細な説明
用語集
本願中で使用される以下の用語は、以下に述べるように定義され、そしてこれらの用語については単数形は複数形を含む。
amuは、原子質量単位を意味し、
BR又は(BR)は、分岐セルを意味し、
C又は(C)は、デンドリマー又はデンドロンのコアを意味し、
m-CPBAは、メタ−クロロ過安息香酸を意味し、
DCMは、ジクロロメタンを意味し、
DEAは、ジエタノールアミンを意味し、
DEIDAは、イミノ二酢酸ジエチルを意味し、
DETAは、ジエチレントリアミンを意味し、
DBAは、ジベンジルアミンを意味し、
DIは、脱イオン水を意味し、
DMIは、イタコン酸ジメチルを意味し、
DMSOは、ジメチルスルホキシドを意味し、
EAは、エタノールアミンを意味し、
EDAは、エチレンジアミンを意味し、
EPCは、エチル−N-ピペラジンカルボキシレートを意味し、
【0020】
EPIは、通常は使用前にさらに蒸留される、エピクロロヒドリンを意味し、
Etは、エチルを意味し、
EtOHは、エタノールを意味し、
EX又は(EX)は、エクステンダーを意味し、
FF又は(FF)は、コアの焦点官能性成分を意味し、
Gは、デンドリマーの世代を意味し、これは、(通常、コアから順に数えられる)コアを取り囲む同心の分岐セルの外殻の数により示され、
gは、グラムを意味し、
hは、時間を意味し、
HPLCは、高速液体クロマトグラフィーを意味し、
IDADSは、イミノ二酢酸二ナトリウム塩を意味し、
IDAは、イミノ二酢酸を意味し、
IF又は(IF)は、内部官能基を意味し、
【0021】
IMAEは、2−イミダゾリジル−1−アミノエタンを意味し、
IR(又はFTIR)は、赤外発光分光法を意味し、
Lは、リッターを意味し、
MeOHは、メタノールを意味し、
mgは、ミリグラムを意味し、
minは、分を意味し、
mLは、ミリリッターを意味し、
MWAは、マイクロ波を利用していることを意味し、
N-SISは、ナノスケールの立体的誘起化学量論(sterically induced stoichiometrhy)を意味し、
PAMAMは、一級アミン末端基を有する、直鎖及び分岐鎖ポリマー又はデンドリマーを含む、ポリ(アミドアミン)を意味し、
PEHAMは、ポリ(エーテルヒドロキシルアミン)デンドリマーを意味し、
PEIは、ポリ(エチレンイミン)を意味し、
PETAEは、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテルを意味し、
PETGEは、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテルを意味し、
パーセント又は%は、重量/体積(w/v)などと特記されない限り、重量によることを意味し、
【0022】
PIPZは、ピペラジンを意味し、
POPAMは、PAMAMデンドロンにより取り囲まれたPPIコアを意味し、
PPIは、ポリ(プロピレンイミン)を意味し、
RTは、周囲温度又は室温、約20〜25℃を意味し、
SECは、サイズ排除クロマトグラフィーを意味し、
SISは、立体誘起化学量論を意味し、
TFは、末端官能基を意味し、
TLCは、薄層クロマトグラフィーを意味し、
TMPTGEは、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルを意味し、
TRENは、トリス(2−アミノエチル)アミンを意味し、
TRISは、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを意味し、
UFは、限外ろ過分離を意味し、
UV-visは、紫外及び可視分光法を意味する。
【0023】
農薬のバイオアベイラビリティーは、環境に対する最も小さな影響及び考えうる最も低い施用率における最良の生物学的効率を確実にするために、しばしば特異的な最適化を必要とする。製剤の施用は、穀物への均等な分配、(農民にとっての好ましい溶媒である)水による容易な希釈、最適な生物学的性能、労働者にとって容易かつ安全な取り扱い、及び考えうる最も小さな環境への影響をさらに有さなければならない。これは、気候、穀物、害虫及び土壌が成育領域にわたって広く多様であるために、達成が困難であることが証明されている。
【0024】
農業において使用される製剤は、以下の:(溶解度、親油性、加水分解安定性、光分解などのその性質が、製剤がどの形態であることができるかに大きく影響する)活性成分、他の成分、例えば、界面活性剤、キャリア、賦形剤(本願のデンドリマーの役割は活性成分のキャリアとしてであるが、この機能を超える役割もする)を含む。製剤タイプは、目的の生物学的標的及び必要な施用方法に依存する。通常の製剤タイプは、以下の:WG−顆粒水和剤;SC−懸濁濃縮製剤;EC−乳剤;及びOD−油性懸濁剤である。
【0025】
本発明は、植物、種子、昆虫、微生物又は有害動物の発生の調節及び制御などの農業応用において有用なPEHAMデンドリマー製剤を記載する。
【0026】
本発明のいくつかの側面は、製剤中での農業的活性要素の溶解度を改善することにより、植物表面への農業的活性要素の付着を改善することにより、植物又は種子への農業的活性要素の(雨によって植物から農業的活性要素が洗い落とされることに対する耐雨性を含む)耐水性を改善することにより、植物組織中への農業的活性要素の浸透(吸収)を改善することにより、UV損傷からの農業的活性要素の保護を提供することにより、植物の根又は地下部分に到達するために農業的活性要素の土壌浸透を増加させることにより、或いは植物の根又は地下部分に到達するために農業的活性要素の土壌付着を減少させることにより、或いは植物又は種子或いは土壌中の微生物による農業的活性要素の酵素的分解を減少させることによるなどの様々な方法で農業的活性要素の有効性を増加させることに関する。
【0027】
PEHAM樹枝状ポリマーの化学構造
PEHAM樹枝状ポリマーの構造は、デンドリマー、デンドロン、デンドリグラフト(dendrigraft)、テクト(デンドリティック)ポリマー又は他の樹枝状構造体であることができる。Dendrimers and other Dendritic Polymers, J.M.J. Frechet, D.A. Tomalia編、John Wiley and Sons出版、(2001)及びそのような他の情報源中に記載されたような、かかる樹枝状ポリマーの多数の例が文献中にある。
【0028】
これらのPEHAM樹枝状ポリマーは、球体、棒状体、管状体などの任意の物理的形状であることができ、或いは、他の任意の形状が可能である。内部構造は、(ジスルフィドなどの)内部の切断可能な結合、封入のための空隙容量、或いはヒドロキシド又は活性成分との結合のための他の基などの内部官能基(IF)を有することができる。さらに、PEHAM樹枝状ポリマーはデンドロンであることができる。このデンドロンは、任意の所望の樹枝状ポリマー構成要素を有することができる。
【0029】
本発明の樹枝状ポリマーは、PEHAMデンドロンを含むPEHAMデンドリマーである。これらのPEHAMデンドリマーは、上記の、そして以下に記載の構造を有する。
【0030】
PEHAM樹枝状ポリマーの調製に使用される一般的合成法
本発明のPEHAM樹枝状ポリマーは、以下の一般式:
【0031】
【化2】

【0032】
{式中:
(C)は、PETGE、PETriGE又はTMPTGEから成るコアを意味し;
(FF)は、Et、OH、SH、NH2、CO2H、カルボン酸エステル、直鎖又は分岐鎖C1-C18アルキル、アリール、アリールへテロ環部分、C1-C3アルコキシ、トリアゾール、C1-C18アルキルエステル、ポリエチレングリコール及びポリフッ化部分からなる群から選ばれるコアの焦点官能性成分を意味し;
xは、独立して、0又は1であり;
(BR)は、分岐セルを意味し、これは、pが1超である場合、(BR)は、DBA、DEA、DEIDA、DETA、DIA、IDA、TREN、TRIS、メチルアクリレート及びPETriGEからなる群から選ばれる、同じ又は異なる部分であることができ;
pは、デンドリマー中の分岐セル(BR)の総数であり、以下の式:
【0033】
【数3】

【0034】
(式中:
Gは、コアを取り囲む、同心の分岐セルの外殻の数(世代)であり、1、2又は3であり;
iは、最後の世代Gであり;
Nbは、分岐セルの多重度であり;
Ncは、コアの多重度であり、かつ、1〜4の整数であり;
ただし、xが1であるとき、Nc−xは、1〜3の整数でなければならない。)
により導かれる整数であり;
(IF)は、OHである、内部官能基を意味し;
qは、独立して、0又は1〜64の整数であり;
(EX)は、エクステンダーを意味し、これは、mが1超であるとき、(EX)は、リジンなどのアミノ酸、ポリリジンなどのポリ(アミノ酸)、オリゴエチレングリコール、ジエチレンテトラアミン及びより高級なアミンの類似体、5員イミダゾリジル誘導体として保護されるオリゴアルキレンアミン、2以上の異種又は同種の官能基を有する脂肪酸、不飽和脂肪族及び芳香族の二官能性又は多官能性部分、EA、モルホリン、ジカルボン酸、EPC、IMAE、アリールジメルカプタン、ジメルカプトアルカン、トリアゾール、DMI、ジアジド、ジアセチレン、ピロリドン、ピロリドンエステル、アミノアルキルイミダゾリン、イミダゾリジン、ポリ(アルキレンイミダゾリジン)、メルカプトアルキルアミン、ヒドロキシアルキルアミン又は不飽和脂肪族及び芳香族へテロ二官能性又は多官能性部分からなる群から選ばれる、同じ又は異なる部分であることができ;
mは、独立して0又は1〜64の整数であり;
q及びmの両方が1超である場合、(BR)及び(EX)は、他方の部分と交互に存在するか、又は連続した複数の(BR)又は(EX)基が相次いで存在することができ;
(TF)は、末端官能基を意味し、これは、zが1超であるとき、(TF)は、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ヒドロキシエチルアミノ、ベンジルアミノ、メルカプトエチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ビス(ヒドロキシメチル)アミノ、N-アルキル化アミノ誘導体、N-アリール化アミノ誘導体、N-アシル化アミノ誘導体、CO2-N(C1-C6アルキル)、ヒドロキシル、メルカプト、カルボキシル、カルボン酸塩、カルボキシC1-C18アルキル、直鎖又は分岐鎖C2-C18アルケニル、メタルキル、アミド、ハロ、ウレア、オキシラニル、アジリジニル、オキサゾリニル、イミダゾリニル、ピロリドン、ベンジル、フェニル、スルホナート、ホスホネート、イソシアネート、イソチオシアナート、ピペラジニル、エチルピペラジニル、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、アジド、エポキシド、エチルイミン、直鎖又は分岐鎖C1-C18アルキル、C1-C3アルコキシ、C1-C18アルキルエステル、チオラン、モルホリニル、保護されたDETA、ポリエチレングリコール、ポリフッ化部分及びデンドロンからなる群から選ばれる、同じ又は異なる部分であることができ;
zは、1から、所与の世代Gについて(C)及び(BR)に関して可能な理論的数値までの、表面基の数を意味し、以下の式:
【0035】
【数4】

【0036】
(式中、
G、Nb及びNcは、上記の定義のとおりである。)
により導かれ、
ただし、(EX)又は(IF)の少なくとも1つが存在する。}
を有し、少なくとも1つの農業的活性要素と結合しており、そして、少なくとも1つの農業的に許容可能な希釈剤又はキャリアが存在し;そしてここで、農業的活性要素の有効性又は活性の持続時間が増加される。
【0037】
したがって、本発明のための任意のPEHAMデンドリマーのGは、0、1、2又は3であり、0、1及び2が好ましい。(EX)基は、列挙されたもののいずれであることもできるが、特に、好ましいのは、不飽和脂肪族及び芳香族の二官能性又は多官能性部分、EA、モルホリン、ジカルボン酸、EPC、IMAE、アリールジメルカプタン、ジメルカプトアルカン、トリアゾール、DMI、ジアジド、ジアセチレン、ピロリドン、ピロリドンエステル、アミノアルキルイミダゾリン、イミダゾリジン、ポリ(アルキレンイミダゾリジン)、メルカプトアルキルアミン及びヒドロキシアルキルアミン、そして、より好ましくは、トリアゾール、ピペラジン又はモルホリンである。(TF)基は、上記のいずれであることもできるが、好ましくは、OH、CO2Et、カルボキシ塩、CO2-N(テトラアルキル)及びNH2である。(BR)基は、上記のものであるが、好ましくは、DEA、DEIDA、DETA、TREN、及びTRISである。(FF)基は、Et及びOHである。(IF)がOHである場合、1つ以上の(IF)基が存在することが好ましい。
【0038】
式(I)のPEHAMは、以下のステップ:
A. 以下の式:
【0039】
【化3】

【0040】
{式中、
(C)は、TMPTAのようなアクリレート官能基を有するコアであり;
(EX)は、PIPZのようなアミン官能基を有するエクステンダーであり;そして
(TF)は、アミンである。}
により示されるように、アクリレート官能基を有するコアとアミン官能基を有するエクステンダーを反応させ;そして、
B. (C)(EX)(TFI)のアミン官能基を有する伸長されたコア試薬と、アクリレート官能基を有する分岐セル試薬(branch cell reagent)(BR)を、以下の式:
【0041】
【化4】

【0042】
{式中、
(C)は、TMPTAであり;
(EX)は、PIPZであり;
(TF1)は、アミンであり;
(BR)は、TMPTAであり;かつ
(TF2)は、アクリレートである。}
に示すように反応させる、
を含む、アクリレート−アミン反応系によって調製可能であり、ここで、ステップA及びBの両方に関して、
完全な被覆が望ましい場合に過剰の(EX)が使用されるときの、コアへのエクステンダー(EX)基の付加では、(EX)/(C)のモル比は、単純なコア、足場コア、スーパーコア、又は現在の世代構造(すなわち、Nc)上の反応性官能基のモル数に対するエクステンダー分子(EX)のモル数として定義され、
完全な被覆が望ましい場合に過剰の(BR)が使用されるときの、単純なコア、足場コア、スーパーコア、又は現在の世代構造への分岐セル(BR)の付加では、(BR)/(C)は、単純なコア、足場コア、スーパーコア、又は現在の世代構造(すなわち、Nc)上の反応性官能基のモル数に対する分岐セル分子(BR)のモル数として定義され、そして、
コア、足場コア、スーパーコア又は現在の世代の生成物への分岐セル(BR)又はエクステンダー(EX)の付加のレベルは、付加されるモル比又はN-SISにより制御可能である。
【0043】
式(I)の樹枝状ポリマーの調製方法は、以下のステップ:
A. 以下の式:
【0044】
【化5】

【0045】
{式中、
(C)は、PETGEなどのエポキシ官能基を有するコアであり;
(IF1)は、内部ヒドロキシル(OH)であり;
(EX)は、ピペラジン(PIPZ)であり;
(TF1)は、アミンである。}
により示されるように、エポキシ官能基を有するコアとアミン官能基を有するエクステンダーを反応させ;そして、
B. 以下の式:
【0046】
【化6】

【0047】
{式中、
(C)は、PETGEであり;
(IF1)は、OHなどの、請求項1において定義された内部官能基部分であり;
(EX)は、PIPZなどの、請求項1において定義されたエクステンダー部分であり;
(TF1)は、アミンであり;
(BR)は、PETGEなどのエポキシ官能基を有する分岐セル試薬であり;そして、
(IF2)は、OHなどの、請求項1において定義された内部官能基部分であり;
(TF2)は、アミンである。}
により示されるように、アミン官能基を有する伸長されたコア試薬(C)(IF1)(EX)(TF1)を、エポキシ官能基を有する分岐セル試薬と反応させる、
を含む開環反応系により可能であり、ここで、ステップA及びBの両方に関して、
完全な被覆が望ましい場合に過剰の(EX)が使用されるときの、コアへのエクステンダー(EX)基の付加では、(EX)/(C)のモル比は、単純なコア、足場コア、スーパーコア、又は現在の世代構造(すなわち、Nc)上の反応性官能基のモル数に対するエクステンダー分子(EX)のモル数として定義され、
完全な被覆が望ましい場合に過剰の(BR)が使用されるときの、単純なコア、足場コア、スーパーコア、又は現在の世代構造への分岐セル(BR)基の付加では、(BR)/(C)は、単純なコア、足場コア、スーパーコア、又は現在の世代構造(すなわち、Nc)上の反応性官能基のモル数に対する分岐セル分子(BR)のモル数として定義され、
コア、足場コア、スーパーコア又は現在の世代の生成物への分岐セル(BR)又はエクステンダー(EX)の付加のレベルは、付加されるモル比又はN-SISにより制御可能である。
【0048】
オルトゴナルケミストリーによるアプローチは、(C)及び(BR)を含むアジドの(C)及び(BR)を含むアルキンへの1,3−双極子環付加である。(C)を含むアルキンは、存在する1〜Nc個のアルキン部位を有することができ、そして、(BR)を含むアルキンは、1〜Nb−1個のアルキン部分を有することができる。(C)又は(BR)中に存在する他の反応性基は、上記に列挙された(BR)基のいずれであることもできる。アジドを含む(C)及び(BR)は、アジドイオンによるエポキシ環の求核開環により生成される。これらの反応性基の次の反応は、Michael Malkoch et al.,in J. Am. Chem. Soc. 127, 14942-14949 (2005)により記載された「クリック」ケミストリーを用いて、新しい(BR)又は(TF)部分へトリアゾール連結を提供することができる。
【0049】
WO2007/149501は、熱処理に比較して、予期しない劇的な利益を示す、MWA合成法を教示する。MWAが、化学量論的量又はわずかに過剰の反応試薬のみを必要とする一方、より穏やかな条件下、より短い反応時間(日に対して分)でより純度の高い樹枝状ポリマー生成物(すなわち、デンドリマー/デンドロン)を生成したことが観察された。所望の樹枝状ポリマー生成物を得るために、出発物質としての樹枝状ポリマー又は所望の(C)が、BR又はEXと反応させられる。反応物質が溶媒としてのさらなる役割をしない場合には、好適な溶媒が使用可能である。従来の熱処理反応に比べて穏やかな反応条件は、より少ない副産物、所望の樹枝状ポリマー生成物の精製のためのより少ないステップをもたらす。反応時間は、従来の熱処理に比べて顕著に短縮される。したがって、このMWA合成法は、所望の生成物を製造するための運転費用がより少ない。
【0050】
上記の方法のいずれも、式(I)のPEHAMデンドリマーを製造するために使用可能である。
【0051】
2005年4月20日に出願された米国特許出願第10/594,776号及び2005年12月21日に出願された米国特許出願第11/630,044号のPEHAMデンドリマーの選択発明である、この式(I)は、これらの農業用製剤における使用のために驚くほど有効である。それらのサイズ、それらの低いGにしては高い(TF)は、かかる製剤のためのコストを低くし、製造をより容易にし、そして望ましい性質を伝える。
【0052】
これらのデンドリマーに封入されたまたはこれらのデンドリマーと結合した農業的活性要素は、所望の目的に合致する可能性のある部分の非常に大きな群から選ばれることができる。かかる物質は、植物、又はそれらの種子、又は植物害虫、成長ホルモン又は微生物、ウイルス及び任意の生体におけるインビボ又はインビトロ又はエクスビボでの使用を含むが、これらに限定されず、これらのPEHAMデンドリマーの物理的一体性を感知できるほどに阻害することなく、これらのデンドリマーと結合することができる。
【0053】
この製剤の農業的活性要素は、穀物収量を増加させ、競合植物を減少させ、雑草の成長を阻害するか又は殺滅するため、或いは、害虫の予防又は処理のために、植物又はそれらの種子に施用するのに有用な任意の要素であり、該農業的活性要素は、PEHAMデンドリマーの物理的一体性を感知できるほど阻害せずにPEHAMデンドリマーと結合可能である。例えば、Fe、Gd、又はMn;ホルモン;インターロイキン、インターフェロン、ウイルス及びウイルス断片などの生物反応調節剤;抗微生物剤、殺藻剤、アリセルメティック(arithelmetics)、殺ダニ剤、殺昆虫剤、誘引物質、忌避物質を含む、農薬;アバメクチン、アセフェート、アセトクロル、アシフルオルフェン、アラクロル、アトラジン、ベネフィン、ベノミル、ベンタゾン、キャプタン、カルボフラン、クロロピクリン、カルバリル、クロロタラニル、クロロタロニル、クロルピリホス、クロルスルフロン、シアナジン、水酸化銅、硫酸銅、シヘキサチン、シペルミトリン(cypermithrin)、ダラポン、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4−D)、DCPA、ジアジノン、ジカンバ、ジクロホップメチル、ジメテナミド、ジフルベンズロン、ジノセブ、ジウロン、エンドサル、EPTC、エテホン、フェルバム、フルアジホップ、グリホサート、ハロキシホップ、マラチオン、マンコゼブ、MCPP、メタラキシル、メタラキシル−M、メトラクロル、メトラクロル−s、メトリブジン、MSMA、ナプタラム、ペンジメタリン、ペルメトリン、ピクロラム、プロパクロル、プロパニル、セトキシジン、シマジン、S−メトラクロル、スルフェントラゾン、スルホサート、テメホス、テルブホス、トリクロピル、トリフルラリン、トリホリン及びジネブなどの除草剤及び/又は殺真菌剤。
【0054】
一般に、農業的活性要素として本発明の製剤中に入れることのできる農薬及び/又は成長調節活性物質は、任意の植物保護マニュアル中に列挙されたものであり、例えば、(Technical Directorate of the Association de Coordination Technique Agricole又はA.C.T.A.により出版された)L'Index Phytosanitaire又は(British Crop Protection Councilによる)The Pesticide Manual又は(British Crop Protection Councilによる)The Electronic Pesticide Manualである。本発明の製剤中で、農業的活性要素として単独で又は他の活性物質とともに使用可能ないくつかの植物成長調節剤は、以下の:アブシジン酸;ACC;アンシミドール;アビグリシン;ベンゾフルオル(benzofluor);ベンジルアデニン;ブラシノリド;ブミナホス;ブトラリン;カルシウムシアナミド;カルバリル;カルボン;クロルフルレン;クロルフルレノール;クロルメコート;クロルホニウム;クロルプロファム;シオブチド;クロフェンセット;クロフィブリン酸;クロキシホナック;4−CPA;シアナミド;シクラニリド;シクロヘキシミド;シプロスルファミド;2,4−D;ダミノジド;2,4−DB;2,4−DEP;ジクロルフルレノール;ジクロルプロップ;ジケグラック;ジメチピン;エンドサル;エポコレオン;エタセラシル;エテホン;エチクロゼート;エチレン;フェノプロップ;フェンリダゾン;フルメトラリン;フルオリダミド;フルレノール;フルルプリミドール;ホルクロルフェヌロン;ホサミン;ジベレリン酸;ジベレリン;グリオキシム;グリホシン;ヘプトパルギル;ホロスルフ;ヒメキサゾール;IAA;IBA;イナベンフィド;イソピリモール;ジャスモン酸;カレタザン(karetazan);キネチン;ヒ酸鉛;マレイン酸ヒドラジド;メフルイジド;メピコート;メルホス;メタスルホカルブ;1−メチルシクロプロペン;メトクスロン;α−ナフタレン酢酸;ナフタレンアセタミド;1−ナフトール;ナフトキシ酢酸;2iP;パクロブトラゾール;ペンタクロロフェノール;ピプロクタニル;ナフテン酸カリウム;プロヘキサジオン;プロヒドロジャスモン;プロファム;ピダノン;シントフェン;ナフテン酸ナトリウム;2,4,5−T;テトシクラシス;チジアズロン;トリアペンテノール;トリブホス;2,3,5−トリ−ヨード安息香酸;トリネキサパック;ウニコナゾール;及びゼアチンである。
【0055】
本発明の製剤中で、農業的活性要素として単独で又は他の活性物質とともに使用可能ないくつかの殺真菌物質は、以下の:2−フェニルフェノール、8−ヒドロキシキノリンスルフェート、AC382042、アンペロミセス・キスカリス(Ampelomyces quisqualis)、アシベンゾラル、アシペタクス(acypetacs)、アルジモルフ、アリルアルコール、アメトクトラジン、アミスルブロム、アンプロピルホス(ampropylfos)、アニラジン、アウレオフンジン(aureofungin)、アザコナゾール、アゾキシストロビン、アジチラム、アゾキシストロビン、バシルス・スブチリス(Bacillus subtilis)、多硫化バリウム、ベナラキシル、ベナラキシル−M、ベノダニル、ベノミル、ベンキノックス、ベンタルロン、ベンチアバリカルブ、塩化ベンザルコニウム、ベンザマクリル(benzamacril)、ベンザモルフ(benzamorf)、ベンゾハイドロキサミックアシッド、ベソキサジン(bethoxazin)、ビナパクリル、ビフェニル、ビテルタノール、ビチオノール、ビキサフェン(bixafen)、ブラストサイジン−S、ボラックス(borax)、ボルドー液(Bordeaux mixture)、ボスカリド、ブロムコナゾール、ブピリメート、バーガンディミクスチャー(Burgundy mixture)、ブチオベート、ブチルアミン、カルボキシン、多硫化カルシウム、カプタホール、キャプタン、カルバモルフ、カルベンダジム、カルボキシン、カルプロパミド(KTU3616)、カルボン、チェシュントミクスチャー(Cheshunt mixture)、CGA279202、キノメチオネート、クロベンチアゾン、クロラニホルメタン、クロラニル、クロルフェナゾール(chlorfenazole)、クロロジニトロナフタレン、クロロネブ、クロロピクリン、クロロタロニル、クロルキノックス、クロゾリネート、クリンバゾール、クロトリマゾール、酢酸銅、塩基性炭酸銅、水酸化銅、ナフテン酸銅、オレイン酸銅、オキシ塩化銅、ケイ酸銅、硫酸銅、塩基性硫酸銅、クロム酸亜鉛銅、クレゾール、クフラネブ、クプロバム(cuprobam)、酸化第一銅、シアゾファミド、シクラフラミド、シクロヘキシミド、シフルフェナミド、シモキサニル、シペンダゾール、シプロコナゾール、シプロジニル、ダゾメット、DBCP、デバカルブ、デカフェンチン(decafentin)、ジヒドロ酢酸、ジクロフルアニド、ジクロン、ジクロロフェン、ジクロゾリン、ジクロブトラゾール、ジクロシメット、ジクロメジン、ジクロラン、ジクロロフェン、ジクロシメット、ジエトフェンカルブ、ジエチルピロカルボネート、ジフェノコナゾール、ジフェンゾコート、ジフェンゾコートメチルサルフェート(difenzoquat metilsulfate)、ジフルメトリム、ジメチリモール、ジメトモルフ、ジモキシストロビン、ジニコナゾール、ジニコナゾール−M、ジノブトン、ジノカップ、ジノカップ−4、ジノカップ−6、ジノクトン、ジノペントン(dinopenton)、ジノスルホン、ジノテルボン、ジフネニルアミン(diphnenylamine)、ジピリチオン、ジスルフィラム、ジタリムホス、ジタリムホス、ジチアノン、DNOC、ドデモルフ、酢酸ドデモルフ、ドダイン、ドダイン遊離塩基、ドラゾキソロン、エジフェンホス、エポキシコナゾール(BAS480F)、エタコナゾール、エテム(etem)、エタボキサム、エタスルホカルブ(ethasulfocarb)、エチリモール、エトキシキン、エチル水銀2,3−ジヒドロキシプロピルメルカプチド、酢酸エチル水銀、臭化エチル水銀、塩化エチル水銀、リン酸エチル水銀、臭化3−エトキシプロピル水銀((3-ethoxypropyl)mercury bromide)、エトリジアゾール、ファモキサドン、フェナミドン、フェナミノスルフ、フェナパニル、フェナリモル、フェンブコナゾール、フェンフィン(fenfin)、フェンフラム(fenfuram)、フェンヘキサミド、フェニトロパン、フェノキサニル、フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フェンチン、フェンチンアセテート、フェンチンハイドロオキサイド、フェルバム、フェリモゾン、フルアジナム、フルジオキソニル、フルメトベル(flumetover)、フルモルフ、フルオピコリド、フルオピラム、フルオルイミド、フルオトリマゾール、フルオキサストロビン(fluoxastrobin)、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルスルファミド、フルチアニル、フルトラニル、フルトリアホル、ホルペット、ホルムアルデヒド、ホセチル、ホセチル−アルミニウム、フベリダゾール(fuberidazole)、フララキシル(furalaxyl)、フラメトピル、フルカルバニル、フルコナゾール、フルコナゾール−シス、フルフラール、フルメシクロックス、フロファナート、フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、グリオクラディウム・ビレンス(Gliocladium virens)、グリオジン、グリセオフルビン、グアザチン、グアザチンアセテート、GY−81、ハラクリナート(halacrinate)、ヘキサクロロベンゼン、ヘキサクロロブタジエン、ヘキサコナゾール、ヘキシルチオホス、ヒドラルガフェン、8−ヒドロキシキノリンサルフェート、ヒメキサゾール、ICIA0858、IKF-916、イマザリル、イマザリルサルフェート、イミベンコナゾール、イミノクタジン、イミノクタジントリアセテート、イミノクタジントリス[アルベシル酸]、ヨードメタン、イプコナゾール、イプロベンホス、イプロジオン、イプロバリカルブ、イソプロチオラン、イソピラザム、イソチアニル、イソバレジオン(isovaledione)、カスガマイシン、カスガマイシンハイドロクロライドハイドレート、クレソキシムメチル、マンカッパー(mancopper)、マンコゼブ、マンジプロパミド、マネブ、メベニル、メカルビンジド(mecarbinzid)、メパニピリム、メプロニル、メプチルジノカップ、塩化第二水銀、酸化水銀、塩化第一水銀、メタラキシル、メタラキシル−M、メタム、メタムナトリウム、メタゾキソロン、メトコナゾール、メタスルホカルブ、メトフロキサム、塩化2−メトキシエチル水銀、臭化メチル、イソチオシアン酸メチル、メチル第一水銀ベンゾアート、メチル第一水銀ジシアンジアミド、メチル第一水銀ペンタクロロフェノキシド、メチラム、メトミノストロビン(SSF-126)、メトラフェノン、メトスルホバックス、ミルネブ、MON65500、ミクロトブタニル(miclotbutanil)、ミクロブタニル、ミクロゾリン、N-(エチルマーキュリー)-p-トルエンスルホンアニリド、ナーバム、ナフテン酸、ナタマイシン、ニッケルビス(ジメチルジチオカーバメート)、ニトロスチレン、ニトロタール−イソプロピル、ヌアリモル、OCH、オクチリノン(octhilinone)、オフレース、オレイン酸(脂肪酸)、オリサストロビン、オキサジキシル、オキシン銅、オキスポコナゾール、オキシカルボキシン、ペフラゾエート、ペンコナゾール、ペンシクロン、ペンフルフェン、ペンタクロロフェノール、ペンタクロロフェニルラウレート、ペンチオピラド、ペフラゾエート、8−フェニル−メルキュリオキシキノリン、尿素フェニル水銀、酢酸フェニル水銀、塩化フェニル水銀、ピロカテコールのフェニル水銀誘導体、硝酸フェニル水銀、サリチル酸フェニル水銀、2−フェニルフェノール、フレビオプシス・ギガンテア(Phlebiopsis gigantea)、ホスジフェン(phosdiphen)、フタリド、ピコキシストロビン(picoxystrobin)、ピペラリン、ポリカーバメート、ポリオキシンB、ポリオキシン、ポリオキソリム、アジ化カリウム、ヒドロキシキノリン硫酸カリウム、多硫化カリウム、チオシアン酸カリウム、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパモカルブ、プロパモカルブハイドロクロライド、プロピコナゾール、プロピネブ、プロキナジド、プロチオカルブ、プロチオコナゾール、ピラカルボリド、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、ピラオキシストロビン、ピラゾホス、ピリベンカルブ、ピリブチカルブ、ピリジニトリル(pyridinitril)、ピリフェノックス、ピリメタニル、ピロキロン、ピロキシクロル、ピロキシフル(pyroxyfur)、キナセトール、キナザミド、キンコナゾール、キノキシフェン、キントゼン、ラベンザゾール、RH-7281、サリチルアニリド、sec-ブチルアミン、セダキサン、シルチオファム、シメコナゾール、アジ化ナトリウム、オルトフェニルフェノキシドナトリウム、ペンタクロロフェノキシドナトリウム、2−フェニルフェノキシドナトリウム、ペンタクロロフェノキシドナトリウム、多硫化ナトリウム、スピロキサミン(KWG4168)、ストレプトミセス・グリセオビリディス(Streptomyces griseoviridis)、ストレプトマイシン、イオウ、スルトロペン、タール油、TCMTB、テブコナゾール、テブフロキン、テクロフタラム、テクナゼン、テコラム、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チアジフルオル、チシオフェン(thicyofen)、チフルザミド、チオクロルフェンフィム、チオメルサール、チオファネート、チオファネート−メチル、チオキノックス(thioquinox)、チラム、チアジニル、チオキシミド(tioxymid)、トリクロホスメチル、トリルフルアニド、酢酸トリル水銀、トリアジメホン、トリアジメノール、トリアミホス、トリアリモール、トリアズブチル、トリアゾキシド、トリブチルスズオキシド、トリクラミド、トリコデルマ・ハルジアナム(Trichoderma harzianum)、トリシクラゾール、トリデモルフ、トリフロキシストロビン、トリフルミゾール、トリホリン、トリチコナゾール、ウニコナゾール、ウニコナゾ−ル−P、バリダマイシン、バリフェナレート、ビンクロゾリン、ザリラミド(zarilamid)、ナフテン酸亜鉛、ジネブ、ジラム、ゾキサミド、メチル(E,E)−2−(2−(1−(2−ピリジル)プロピルオキシイミノ)−1−シクロプロピルメチルオキシ−メチル)フェニル)−3−エトキシプロペノエート及び3−(3,5−ジクロロフェニル)−4−クロロピラゾールという化学名を持つ化合物である。
【0056】
本発明の製剤中で、農業的活性要素として単独で又は他の活性物質、特に農薬、とともに使用可能な殺昆虫剤、殺ダニ剤及び殺線虫剤として活性な物質の例は、以下の:アバメクチン、アセフェート、アセタミプリド、アセチオン、アセトプロール、アクリナトリン、アクリロニトリル、アルジカルブ、アラニカルブ、アルドキシカルブ、アルドリン、アレトリン[(1R)アイソマー]、a−シペルメトリン、アロサミジン、アリキシカルブ、アルファ−シペルメトリン、アルファ−エンドスルファン、アミジチオン、アミノカルブ、アミトン、アミトラズ、アナバシン、アチダチオン、アベルメクチンB1及びその誘導体、アザジラクチン、アザメチホス、アジンホス−エチル、アジンホス−メチル、アジンホスメチル、アゾトエート、バシラス・スリギエンシ(Bacillus thurigiensi)、ヘキサフルオロケイ酸バリウム、バルトリン、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ベータ−シフルトリン、ベータ−シペルメトリン、ビフェナゼート、ビフェントリン、ビオアレトリン、ビオアレトリン(S-シクロペンテニル異性体)、ビオエタノメトリン、ビオペルメトリン、ビオレスメトリン、ビストリフルロン、ボラックス、ホウ酸、ブロムフェンビンホス、ブロモシクレン、ブロモ−DDT、ブロモホス、ブロモホス−エチル、ブフェンカルブ、ブプロフェジン、ブタカルブ、ブタチオホス、ブトカルボキシム、ブトネート、ブトキシカルボキシム、カズサホス、ヒ酸カルシウム、多硫化カルシウム、カンフェクロール、カルバノレート、カルバリル、カルボフラン、二硫化炭素、四塩化炭素、カルボフェノチオン、カルボスルファン、カルタップ、カルタップハイドロクロライド、クロラントラニリプロール、クロルビシクレン、クロルデン、クロルデコン、クロルジメホルム、クロルエトキシホス、クロルフェナピル、クロルフェンビンホス、クロルフルアズロン、クロルメホス、クロロホルム、クロロピクリン、クロルホキシム、クロルプラゾホス、クロルピリホス、クロルピリホス−メチル、クロルチオホス、クロマフェノジド、シネリンI、シネリンII、シネリン、シスメトリン、クロエトカルブ、クロサンテル、クロチアニジン、クロチアニジン、アセトヒ酸銅、ヒ酸銅、ナフテン酸銅、オレイン酸銅、クマホス、氷晶石、クリオマジン(Cryomazine)、シアノホス、シアン化カルシウム、シアン化ナトリウム、クミトエート、クロタミトン、クロトキシホス、クルホメート、クリオライト、シアノフェンホス、シアノホス、シアントエート、シアントラニリプロール、シアントラニリプロール、シクレトリン、シクロプロトリン、シフルトリン、シハロトリン、シペルメトリン、シフェノトリン[(1R)トランス異性体]、13−シフルトリン、13−シペルメトリン、シロマジン、シチオエート(cythioate)、ダゾメット、DDT、デカルボフラン、デルタメトリン、デメフィオン、デメフィオン−O、デメフィオン−S、デメトン、デメトン−メチル、デメトン−O、デメトン−O−メチル、デメトン−S、デメトン−S−メチル、デメトン−S−メチルスルホン、ジアフェンチウロン、ジアリホス、珪藻土、ダイアジノン、ジカプトン、ジクロフェンチオン、1,2−ジクロロプロパン、ジクロルボス、ジコホル、ジクレシル、ジクロトホス、ジシクラニル、ジエルドリン、ジフルベンズロン、ダイロール(dilor)、ジメフルトリン、ジメホックス、ダイメタン(dimetan)、ジメトエート、ジメトリン、ジメチルビンホス、ジメチラン、ジメチラン、ジネックス、ジノプロップ(dinoprop)、ジノサム(dinosam)、ジノテフラン、ジオフェノラン、ジオキサベンゾホス、ジノキサカルブ、ジオキサチオン、ジスルホトン、ジチオクロホス、d−リモネン、ドラメクチン、DNOC、DPXJW062及びDP、α−エクジソン、エクジステロン、エマメクチン、EMPC、エンペントリン[(EZ)−(1R)異性体]、エンドスルファン、ENT8184、EPN、エンドチオン、エンドリン、EPN、エポフェノナン、エプリノメクチン、エスフェンバレレート、エタホス、エチオフェンカルブ、エチオン、エトエート−メチル、エトプロホス、エチルホルメート、エチル−DDD、エチレンジブロミド、エチレンジクロライド、[5−アミノ−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−エチルスルフィニルピラゾールという化学名を有する]エチプロール、エチレンオキサイド、エトフェンプロックス、エトキサゾール、エトリムホス、EXD、ファムフール、フェナミホス、フェナザフロル、フェンクロルホス、フェネタカルブ(fenethacarb)、フェンフルトリン、フェニトロチオン、フェノブカルブ、フェノキサクリム、フェノキシカルブ、フェンピリトリン、フェンプロパトリン、フェンスルホチオン、フェンチオン、フェンチオン−エチル、フェンバレレート、フィプロニル及びアリールピラゾールファミリーの化合物、フロニカミド、フルベンジアミド、フルコフロン、フルシクロクスロン、フルシトリネート、フルフェネリム、フルフェノクスロン、フルフェンプロックス、フルメトリン、フルオフェンプロックス(fluofenprox)、フルバリネート、ホノホス、ホルメタネート、ホルムパラネート、ホルメタネートハイドロクロライド、ホルモチオン、ホスメチラン、ホスピレート、ホスチエタン、フラチオカルブ、フレトリン、ガンマ−シハロトリン、ガンマ−HCH、GY-81、ハルフェンプロックス、ハロフェノジド、HCH、HEOD、ヘプタクロル、ヘプテノホス、ヘテロホス、ヘキサフルムロン、ヘキサフルオロケイ酸ナトリウム、HHDN、ヒドラメチルノン、シアン化水素、ヒドロプレン、ヒキンカルブ(hyquincarb)、イミダクロプリド、イミプロトリン、インドキサカルブ、ヨードメタン、IPSP、イサゾホス、イソベンザン、イソカルボホス、インドリン、イソフェンホス、イソフェンホス−メチル、イソプロカルブ、イソプロチオラン、イソチオエート、メチルイソチオシアナル(methl isothiocyanal)、イソキサチオン、イベルメクチン、ジャスモリンI、ジャスモリンII、ヨドフェンホス、幼若ホルモンI、幼若ホルモンII、幼若ホルモンIII、ケレバン、キノプレン、ラムダ−シハロトリン、ペンタクロロフェニルラウレート、ヒ酸鉛、レピメクチン、レプトホス、リンデン、リリンホス、ルフェヌロン、リチダチオン、マラチオン、MB-599、マロノベン、マジドックス、メカルバム、メカルホン、メナゾン、メホスホラン、塩化第一水銀、メスルフェンホス(mesulfenfos)、メタフルミゾン、メタクリホス、メタミドホス、メチダチオン、メチオカルブ、メトクロトホス、メトミル、メトプレン、メトキシクロル、メトキシフェノジド、メチルブロミド、メチルクロロホルム、メチレンクロライド、メトフルトリン、メトルカルブ、メトキサジアゾン、メビンホス、メキサカルベート、ミルベメクチン及びその誘導体、ミルベマイシンオキシム、ミパホックス、ミレックス、モノクロトホス、モルホチオン、モキシデクチン、ナフタロホス、ナレド、ナフタレン、ニコチン、ニフルリジド、ニテンピラム、ニチアジン、ニトリラカルブ、ノバルロン、ノビフルムロン、石油系油分、タール油、オレイン酸、オメトエート、オキサミル、オキシデメトン−メチル、オキシデプロホス、オキシジスルホトン、ペキロマイセス・フモソロセウス(Paecilomyces fumosoroseus)、パラ−ジクロロベンゼン、パラチオン、パラチオン−メチル、ペンフルロン、ペンタクロロフェノール、ペンタクロロフェノキシドナトリウム、ペルメトリン、フェンカプトン、フェノトリン[(1R)−トランス異性体]、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスホラン、ホスメット、ホスファミドン、ピペロニルブトキシド、ホスフィン、リン化アルミニウム、リン化マグネシウム、リン化亜鉛、ホスニクロール(phosnichlor)、ホスファミドン、ホスフィン、ホキシム、ホキシム−メチル、ピリメタホス、ピリミカルブ、ピリミホス−エチル、ピリミホス−メチル、多硫化カルシウム、プリフェナート、亜ヒ酸カリウム、チオシアン酸カリウム、pp'-DDT、プラレトリン、プレコセン−I、プレコセン−II、プレコセン−III、プリミドホス、プロフェンホス、プロフルトリン、プロマシル、プロメカルブ、プロパホス、プロペタンホス、プロポクスル、プロチダチオン、プロチオホス、プロトエート、プロトリフェンビュート(protrifenbute)、ピラクロホス、ピラフルプロール(pyrafluprole)、ピラゾホス、ピレスメトリン、ピレトリンI、ピレトリンII、ピレトリン(クリサンテメート、ピレトレート、ピレトラム)、ピレトロジン、ピリダベン、ピリダリル、ピリダフェンチオン、ピリフルキナゾン、ピリミジフェン、ピリミテート、ピリプロール、ピリプロキシフェン、カシア、キナルホス、キナルホス−メチル、キノチオン、ラホキサニド、レスメトリン、RH-2485、ロテノン、RU15525、リアニア、サバジラ、シュラーダン、セラメクチン、シラフルオフェン、シリカゲル、亜ヒ酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、ヘキサフルオロケイ酸ナトリウム、チオシアン酸ナトリウム、ソファミド、スピネトラム、スピノサド、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スルコフロン、フルコフロン−ナトリウム、スルフラミド、スルホテップ、スルホキサフロール、フッ化スルフリル、スルプロホス、タウ−フルバリネート、タジムカルブ、TDE、テブフェノジド、テブフェンピラド、テブピリムホス、テフルベンズロン、テフルトリン、テメホス、TEPP、テラレトリン、テルブホス、テトラクロロエタン、テトラクロルビンホス、テトラメトリン、テトラメトリン[(1R)異性体]、テトラメチルフルトリン、シータ−シペルメトリン、O−シペルメトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チクロホス(thicrofos)チオカルボキシム、チオシクラム、チオシクラムシュウ酸水素塩、チオジカルブ、チオファノックス、チオメトン、チオスルタップ、スリンギエンシン、トルフェンピラド、トラロメトリン、トランスフルトリン、トランスペルメトリン、トリアラセン、トリアザメート、トリアゾホス、トリクロルホン、トリクロルメタホス−3、トリクロロナート、トリフェノホス、トリフルムロン、トリメタカルブ、トリプレン、バミドチオン、バニリプロール、XDE-105、XMC、キシリルカルブ、ゼータ−シペルメトリン、ゾラプロホス及びZXI8901、その化学名が、3−アセチル−5−アミノ−142,6−ジクロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−メチルスルフィニルピラゾールである化合物、である。
【0057】
本発明の製剤中で、農業的活性要素として単独で又は他の活性物質、特に農薬、とともに使用可能ないくつかの除草剤として活性な物質は、以下の:2,3,6−TBA、2,4−D、2,4−D−2−エチルヘキシル、2,4−DB、2,4−DB−ブチル、2,4−DBジメチル−アンモニウム、2,4−DB−イソオクチル、2,4−DB−カリウム、2,4−DB−ナトリウム、2,4−D−ブトチル(2,4−D−ブトチル(2,4−Dブトキシエチルエステル))、2,4−D−ブチル、2,4−D−ジメチルアンモニウム、2,4−D−ジオラミン、2,4−D−イソオクチル、2,4−D−イソプロピル、2,4−D−ナトリウム、2,4−D−トロラミン、アセトクロル、アシフルオルフェン、アクロニフェン、アシフルオルフェン−ナトリウム、アクロレイン、AKH-7088、アラクロール、アリドクロール、アロキシジム、アロキシジム−ナトリウム、アリルアルコール、アロラック、アメトリジオン、アメトリン、アミブジン、アミカルバゾン、アミカルバゾン、アミドスルフロン、アミノシクロピラクロール、アミノピラリド、アミノピラリド、アミプロホス−メチル、アミトロール、スルファミン酸アンモニウム、アニロホス、アニスロン、アスラム、アスラム−ナトリウム、アトラトン、アトラジン、アザフェニジン、アジムスルフロン、アジムスルフロン、アジプロトリン、バルバン、BCPC、ベフルブタミド、ベナゾリン、ベナゾリン−エチル、ベンカルバゾン、ベンカルバゾン、ベンフルラリン、ベンフレセート、ベノキサコール、ベンスルフロン、ベンスルフロン−メチル、ベンスリド、ベンタゾン、ベンタゾン−ナトリウム、ベノフェナップ(benofenap)、ベンザドックス、ベンズフェンジゾン、ベンジプラム、ベンゾビシクロン、ベンゾフェナップ、ベンゾフルオル、ベンゾイルプロップ、ベンズチアズロン、ベンズチアズロン、ビシクロピロン、ビフェノックス、ビラノホス(bilanofos)、ビラノホス−ナトリウム(bilanafos-sodium)、ビスピリバック、ビスピリバック−ナトリウム、ボラックス、ブロマシル、ブロモボニル、ブロモブチド、ブロムピラゾン、ブロモフェノキシム、ブロモキシニル、ブロモキシニル−ヘプタノエート、ブロモキシニル−オクタノエート、ブロモキシニル−カリウム、ブタクロール、ブタフェナシル、ブタミホス、ブテナクロール、ブチダゾール、ブチウロン、ブトラリン、ブトロキシジム、ブツロン、ブチレート、カコジル酸、カフェンストロール、塩素酸カルシウム、カルシウムシアナミド、カムベンジクロール、カルバスラム、カルバスラム、カルベタミド、カルボキサゾール(carboxazole)、カルボキサゾール、カルフェントラゾン、カルフェントラゾン−エチル、CDEA、CEPC、クロメトキシフェン、クロラムベン(chloramben)、クロラノクリル、クロラジホップ、クロラジン、クロルブロムロン、クロルブファム、クロレツロン、クロルフェナック、クロルフェンプロップ、クロルフルラゾール、クロルフルレノール、クロリダゾン、クロリムロン、クロリムロン−エチル、クロロ酢酸、クロルニトロフェン、クロロポン、クロロトルロン、クロロクスロン、クロロキシニル、クロルプロカルブ、クロルプロファム、クロルスルフロン、クロルタール、クロルタール−ジメチル、クロルチアミド、シニドン−エチル、シンメチリン、シノスルフロン、シスアニリド、クレトジム、クリオジネート、クロジナホップ、クローホップ、クロジナホッププロパルギル、クロマゾン、クロメプロップ、クロメプロップ、クロプロップ、クロプロキシジム、クロピラリド、クロピラリドールアミン(chlopyralidolamine)、クロキントセット、クロキントセット−メキシル、クロランスラム、クロランスラム−メチル、CMA、硫酸銅、CPA、CPA−ジメチルアンモニウム、CPA−イソオクチル、CPA−チオエチル、4−CPA、4−CPB、CPMF、4−CPP、CPPC、クレダジン、クレゾール、クミルロン、シアナミド、シアナトリン、シアナジン、シクロエート、シクロスルファムロン、シクロキシジム、シクルロン、シハロホップ、シハロホップ−ブチル、シペルコート、シプラジン、シプラゾール、シプロミド、2,4−D、3,4−DA、ダイムロン、ダラポン、ダラポン−ナトリウム、ダゾメット、デスメディファム、2,4−DB、3,4−DB、2,4−DEB、デラクロール、2,4−DEP、デスメディファム、デスメトリン、ジアレート、ジカンバ、ジカンバジメチルアンモニウム、ジカンバ−カリウム、ジカンバナトリウム、ジカンバトロラミン、ジクロベニル、ジクロラルウレア、ジクロルミド、ジクロルメート、ジクロルプロップ、ジクロルプロップ−ブトチル(ジクロルプロップ−ブトチル(ジクロルプロップブトキシエチルエステル))、ジクロルプロップジメチルアンモニウム、ジクロルプロップ−イソオクチル、ジクロルプロップ−P、ジクロルプロップ−カリウム、ジクロホップ、ジクロホップ−メチル、ジクロスラム、ジクロスラム、ジエタムコート、ジエタチル、ジフェノペンテン、ジフェノクスロン、ジフェンゾコート、ジフェンゾコートメチルサルフェート、ジフルフェニカン、ジフルフェニカン、ジフルフェンゾピル(BAS654 00 H)、ジメフロン、ジメピペレート、ジメタクロル、ジメタメトリン、ジメテナミド、ジメテナミド−P、ジメチピン、ジメチルアルシン酸、ジメキサノ、ジミダゾン、ジニトラミン、ジノフェネート、ジノプロップ、ジノサム、ジノセブ、ジノテルブ、ジノテルバセテート(dinoterbacetate)、ジノテルブ−アンモニウム、ジノテルブ−ジオラミン、ジフェナミド、シプロペトリン、ジコート、ジコートジブロミド、ジスル、ジチオピル、ジウロン、DMPA、DNOC、3,4−DP、DSMA、EBEP、エグリナジン、エンドサル、エプロナズ、エプロナズ、EPTC、エルボン、エスプロカルブ、エタルフルラリン、エタメトスルフロン、エタメトスルフロン−メチル、エチジムロン、エチオレート、エトフメセート、エトキシフェン、エトキシスルフロン、エチノフェン、エトニプロミド、エトニプロミド、エトニプロミド、エトベンザニド、EXD、フェナスラム、フェナスラム、フェナスラム、フェンクロラゾール−エチル、フェンクロリム、フェノプロップ、フェノキサプロップ、フェノキサプロップ−P、フェノキサプロップ−P−エチル、フェノキサスルホン、フェンテラコール、フェンチアプロップ、フェンチアプロップ、フェントラザミド、フェヌロン、フェヌロン−TCA、硫酸第一鉄、フラムプロップ、フラムプロップ−M、フラムプロップ−M−イソプロピル、フラムプロップ−M−メチル、フラザスルフロン、フロラスラム、フロラスラム、フルアジホップ、フルアジホップ−ブチル、フルアジホップ−P、フルアジホップ−P−ブチル、フルアゾレート、フルカルバゾン、フルカルバゾン、フルセトスルフロン、フルクロラリン、フルフェナセット(BAS FOE 5043)、フルフェニカン、フルフェニカン、フルフェンピル、フルメトスラム、フルメジン、フルミクロラック、フルミクロラック−ペンチル、フルミオキサジン、フルミプロピン、フルオメツロン、フルオロジフェン、フルオログリコフェン、フルオログリコフェン−エチル、フルオロミジン、フルオロニトロフェン、フルオチウロン、フルパキサム、フルポキサム、フルプロパシル、フルプロパネート、フルプロパネート−ナトリウム、フルピルスルフロン、フルピルスルフロン−メチルナトリウム、フルラゾール、フルレノール、フルレノールブチル、フルリドン、フルロクロリドン、フルロキシピル、フルロキシピル−2−ブトキシ−1−メチルエチル、フルロキシピル−メチル、フルルタモン、フルチアセット、フルチアセットメチル、フルキソフェニム、ホメサフェン、ホメサフェン−ナトリウム、ホラムスルフロン、ホサミン、ホサミン−アンモニウム、フリラゾール、フリロキシフェン、グリホサート、グルホシネート、グルホシネート−アンモニウム、グルホシネート−P、グリホサートアンモニウム、グリホサートイソプロピルアンモニウム、グリホサートナトリウム、グリホサートトリメシウム、ハロサフェン、ハロサフェン、ハロスルフロン、ハロスルフロン−メチル、ハロキシジン、ハロキシホップ、ハロキシホップ−P、ハロキシホップ−P−メチル、ハロキシホップエトチル、ハロキシホップ−メチル、ヘキサクロロアセトン、ヘキサフルレート、ヘキサジノン、ヒラナホス(hilanafos)、イマザクルイン(imazacluin)、イマザメタベンズ、イマザモックス、イマザピック、イマザピル、イマザピル−イソプロピルアンモニウム、イマザキン、イマザキン−アンモニウム、イマゼメタベンズ−メチル(imazemethabenz-methyl)、イマゼタピル、イマゼタピル−アンモニウム、イマゾスルフロン、イミザピック(AC 263,222)、インダノファン、インダジフラム、ヨードボニル(iodobonil)、ヨードメタン、ヨードスルフロン、イオキシニル、イオキシニルオクタノエート、イオキシニル−ナトリウム、イパジン、イプフェンカルバゾン、イプフェンカルバゾン、イプリミダム、イソカルバミド、イソシル、イソメチオジン、イソノルロン、イソポリネート、イソプロパリン、イソプロツロン、イソウロン、イソキサベン、イソキサクロルトール、イソキサフルトール、イソキサピリホップ、カルブチレート、ラクトフェン、ラキシネルオクタノエート、ラキシニル−ナトリウム、レナシル、リヌロン、MAA、MAMA、MCPA、MCPA−ブトチル、MCPA−ジメチルアンモニウム、MCPA−イソオクチル、MCPA−カリウム、MCPA−ナトリウム、MCPA−チオエチル、MCPB、MCPBーエチル、MCPB−ナトリウム、メコプロップ、メコプロップ−P、メジノテルブ、メフェナセット、メフェンピル−ジエチル、メフルイジド、メソプラジン、メソスルフロン、メスルフロン−メチル、メソトリオン、メタム、メタミホップ、メタミホップ、メタミトロン、メタム−ナトリウム、メテザクロル(metezachlor)、メタルプロパリン、メタゾール、メタゾスルフロン、メトフルラゾン、メタベンズチアズロン、メチオベンカルブ、メチオゾリン、メチウロン、メトメトン、メトプロトリン、メチルブロミド、メチルイソチオシアネート、メチルアルソン酸、メチルダイムロン、メトベンズロン、メトブロムロン、メトラクロール、メトスラム、メトクスロン、メトリブジン、メトスルフロン、モリネート、モナリド、モニソウロン(monisouron)、モニソウロン、モノクロロ酢酸、モノリヌロン、モヌロン、モルファムコート、MPB−ナトリウム、MSMA、ナプロパミド、ナプタラム、ナプタラム−ナトリウム、ネブロン、ニコスルフロン、ノナン酸、ニピラクロフェン、ニトラリン、ニトロフェン、ニトロフルオルフェン、ノルフルラゾン、ノルロン、OCH、オレイン酸(脂肪酸)、オルベンカルブ、オルソ−ジクロロベンゼン、オルソスルファムロン、オリザリン、オキサベトリニル、オキサジアルギル、オキサピラゾン、オキサスルフロン、オキサジクロメホン、オキサジアゾン、オキシフルオルフェン、パラフルロン、パラコート、パラコート、ジクロライド、ペブレート、ペンジメタリン、ペノキススラム、ペノキススラム、ペンタクロロフェノール、ペンタクロロフェニルラウレート、ペンタノクロール、ペントキサゾン、石油系油分、パーフルイドン、ペトキサミド、フェニソファム、フェンメディファム、フェンメディファム−エチル、フェノベンズロン、酢酸フェニル水銀、ピクロラム、ピクロラム−カリウム、ピコリナフェン、ピコリナフェン、ピノキサデン、ピペロホス、亜ヒ酸カリウム、アジ化カリウム、シアン酸カリウム、プレチラクロール、プリミスルフロン、プリミスルフロン−メチル、プロシアジン、プロジアミン、プロフルアゾール、プロフルラリン、プロホキシジム、プログリナジン、プロメトン、プロメトリン、プロパクロール、プロパニル、プロパキザホップ、プロパジン、プロファム、プロピソクロール、プロポキシカルバゾン、プロピリスルフロン、プロピザミド、プロスルファリン、プロスルホカルブ、プロスルフロン、ピラフルフェン−エチル、プロキサン、プリナクロール、ピダノン、ピラクロニ
ル、ピラフルフェン、ピラスルホトール、ピラゾリネート、ピラザスルフロン、ピラゾスルフロン、ピラゾキシフェン、ピラゾリネート、ピラゾスルフロン−エチル、ピラゾキシフェン、ピリベンゾキシム、ピリブチカルブ、ピリクロール、ピリダホル、ピリデート、ピリフタリド、ピリミノバック、ピリミノバック−メチル、ピリミスルファン、ピリチオバック、ピリチオバック−ナトリウム、ピロキサスルホン、ピロキサスルホン、ピロキシスラム、ピロキシスラム、ピロキシスラム、キンクロラック、キンメラック、キノクラミン、キノホラミン、キノナミド、キザロホップ、キザロホップ−エチル、キザロホップ−P、キザロホップ−P−エチル、キザロホップ−P−テフリル、リムスルフロン、ロデタニル(rhodethanil)、サフルフェナシル、サフルフェナシル、セブチラジン(sebuthylazine)、セクブメトン、セトキシジム、シデュロン、シマジン、シメトン、シメトリン、SMA、S-メトラクロール、亜ヒ酸ナトリウム、アジ化ナトリウム、コール酸ナトリウム、クロロ酢酸ナトリウム、ナトリウムペンタクロロフェノキシド、ジメチルアルシン酸ナトリウム、スルコトリオン、スルファレート、スルフェントラゾン、スルホメツロン、スルホメツロン−メチル、スルホスルフロン、硫酸、スルグリカピン(sulgylcapin)、スウェップ(swep)、タール(tars)、TCAナトリウム、テブタム、テブチウロン、テプラロキシジム、テブラロキシジム(BAS 620H)、テルバシル、テルブカルブ、テルブクロール、テルブメトン、テルブチラジン、テルブトリン、テトラフルロン、テニルクロール、チアザフルロン、チアゾピル、チジアジミン、チジアズロン、チジアズロン、チエンカルバゾン、チフェンスルフロン、チフェンスルフロン−メチル、チオベンカルブ、チオカルバジル、チオクロリム、トプラメゾン、トプラメゾン、トラルコキシジム、トリアレート、トリアスルフロン、トリアジフラム、トリベヌロン、トリベヌロン−メチル、トリベヌロン−メチル、トリカンバ、トリクロロ酢酸、トリクロピル、トリクロピル−ブトチル、トリクロピル−トリエチルアンモニウム、トリジファン、トリエタジン、トリフロキシスルフロン、トリフルラリン、トリフルスルフロン、トリフルスルフロン−メチル、トリホップ、トリホプシム(trifopsime)、トリヒドロキシトリアジン、トリメツロン、トリプロピンダン、トリタック(tritac)、トリトスルフロン、2,4,5−T、2,4,5−TB、2,3,6−TBA、TCA,テブタム、テブチウロン、テフリルトリオン、テンボトリオン、ベルノレート(vernolate)、YRC2388、及びキシラクロールである。
【0058】
好ましい農業的活性要素は、商業的に入手可能であり、それらを可溶化するため、又はより少量の施用で有効であること若しくは環境問題を防ぐことなどを可能とするためなどにこれらのデンドリマーの使用を必要とするものである。これらは、グリホサート又はトリフルラリンを含むが、これらに限定されない。
【0059】
式(I)のPEHAM樹枝状ポリマーは、以下の:(楕円体、球体、棒状体、ランダムな超分岐、デンドリグラフト、コア・シェル構造(tecto)デンドリマーの形状変異形から可能なものなどの)表面にコンジュゲーションした又は表面に結合したキャリアであって、存在する様々な表面基(TF)によってさらに修飾可能なもの;徐放性の農業的活性製剤における使用のための(農業的活性要素が内部(IF)に結合しているか又は単純に取り込まれている)封入キャリアであって、徐放のために樹枝状ポリマーの構造中に切断可能な結合を有し、いったんpH又は他の所望の変化が与えられると、樹枝状ポリマーの内部と表面の間の溶解度の相違、世代又は形状によってPEHAM樹枝状ポリマーあたりの可能な農業的活性要素の量、及びそれらのサイズの正確性が、分子サイズの標準、較正用物質(calibrating agent)及びその被膜のような、葉又は種子などの植物の浸透のための孔形成テンプレートとしてのそれらの使用を可能とするもの、として有用であることができる。
【0060】
農業的活性要素は、これらのPEHAMデンドリマーの内部、表面又は内部と表面の両方と結合し、基は同じでも異なってもよい。本明細書中で使用される「と結合した」は、農業的活性要素が、デンドリマーの内部に物理的に封入されるか又は取り込まれること、部分的に又は完全にデンドリマーのいたるところに分散されるか、或いは、デンドリマーに付着されるか又は連結されること、或いは、その任意の組み合わせであることができ、それにより、付着又は連結は、共有結合、水素結合、吸着、吸収、金属結合、ファンデルワールス力又はイオン結合、或いはその任意の組み合わせによる。農業的活性要素及びデンドリマーの結合は、場合により、これらの製剤の調製又は使用を容易化するためのコネクター及び/又はスペーサー或いはキレート剤を使用することができる。好適な連結基は、ターゲティング指示体(targeting director)(すなわち、「T」)の有効性又は併合されたデンドリマーと農業的活性要素中に存在する農業的活性要素の有効性を顕著に損なうことなく、指示体をデンドリマー(すなわち、「D」)に連結する基である。これらの連結基は、切断可能又は切断不可能であり、典型的には、ターゲティング指示体とデンドリマーの間の立体障害を避けるために使用され、該連結基は、存在するリンカー(例えば、細胞表面又はエンドソームコンパートメント中での放出のための酸により切断可能なリンカー)を切断する能力を送達部位が持たない限り、安定(すなわち、切断不可能)であることが好ましい。これらのデンドリマーのサイズ、形状及び官能基の密度が厳密に制御可能であるため、農業的活性要素がデンドリマーに結合されることのできる多くの方法がある。例えば、(a)農業的活性要素と、デンドリマー表面又はその近傍に位置する要素、典型的には官能基、の間には、共有結合、クーロン力による、疎水性の、又はキレーションタイプの結合が存在することができ、(b)農業的活性要素と、デンドリマーの内部に位置する部分の間には、共有結合、クーロン力による、疎水性の又はキレーションタイプの結合が存在することができ、(c)デンドリマーは、内部(空隙容量)に農業的活性要素を物理的に取り込むことを可能とする、大部分が中空(すなわち、溶媒で満たされた空隙空間)である内部を有するように調製可能であり、ここで、該農業的活性要素の放出は、デンドリマーの表面を、拡散制御成分で充満させることによって任意に制御可能であり、(d)デンドリマーが農業的活性要素とも結合可能な内部官能基(IF)を有する場合、デンドリマー内部からの制御された(すなわち、pH依存性の)流出を可能としうる切断可能な(IF)を有するか、又は(e)上記の現象の様々な組み合わせ、が使用可能である。
【0061】
本発明の製剤は、少なくとも1つの農業的活性要素と結合した少なくとも1つのPEHAMデンドリマーを含む。これらの成分の両方が、存在する1つ超の種類を有し、したがって、1つ超のPEHAMデンドリマー及び1つ超の農業的活性要素が製剤中に存在することができる。
【0062】
該製剤はしばしば、存在するすくなくとも1つの農業的に許容可能な希釈剤又はキャリアを有する。どの農業的に許容可能な希釈剤又はキャリアが使用されるかは、最終用途又は気候及び/又は土壌条件に依存する。これらの希釈剤又はキャリアのいくつかは、農業のための使用に関して許容可能であり、液剤、スプレー、オイル、乳剤、懸濁製剤、粒剤、散剤、ダスト及び他の慣用の製剤として製剤化可能な、通常の製剤技術に対応した任意の固体又は液体添加剤である。
【0063】
アジュバント、固化防止剤、着色剤、増粘剤、界面活性剤、消泡化合物、アルカリ土類金属塩などの洗浄剤、分散剤、塩基などのアルカリ化剤、結合剤、乳化剤、フリーラジカルスカベンジャー又は過酸化水素の触媒性分解剤などの酸化剤、腐食防止剤、特に、殺虫剤のえさの調製のための誘引剤及び/又は食物などの他の慣用の添加剤も存在してよい。これらの添加剤は、本発明の製剤の0〜75重量%の量で、該製剤中に存在してよい。
【0064】
必要性、処置される病気の性質、制御され、破壊され、又は根絶される、昆虫及び/若しくは有害動物及び/若しくは雑草の性質、これらの有害動物の蔓延レベル、気候及び/若しくは土壌条件にもよって、本発明の製剤は、殺真菌剤及び/若しくは殺昆虫剤及び/若しくは殺ダニ剤及び/若しくは殺鼠剤及び/若しくは殺線虫剤並びに/又は昆虫及び/若しくは有害動物忌避剤並びに/又は植物及び/若しくは昆虫の発生を調節する作用物質並びに/又は1つ以上の除草活性を有する物質を含んでよい。
【0065】
この製剤は、好ましくは、施用の容易のため、植物表面への農業的活性要素の付着の改善、植物又は種子への農業的活性要素の耐雨性の改善、該製剤の使用による、UV損傷からの農業的活性要素の保護、該製剤の使用による、UV損傷からの植物又は種子の保護、農業的活性要素が植物の根又は地下部分に到達可能であるように、農業的活性要素の土壌浸透の増加又は該要素の土壌付着を減少させること、或いは、植物又は種子或いは土壌中の微生物による農業的活性要素の酵素分解を減少させることのために、上記のような製剤で植物又は種子を処理するための方法において、アジュバント及び/又はキャリアとともに使用される。これらの方法は、農業的活性要素がより効率的かつ有効に使用されるように、農業的活性要素の有効性を維持し、製剤のより良好な分散及び粘度の低下を可能とする一方、水の流出などの、農業的活性要素の環境中への損失の減少を可能とし、農業的活性要素の必要施用量を低下させることが可能である。
【0066】
理論にとらわれることを望まない一方、PEHAMデンドリマーは、農業的活性要素の光分解を減少させるために樹枝状マクロ分子によりUVフォトンを吸収すること、デンドリマー表面が所望の環境中でより溶解度が高い場合、より溶解度の低い農業的活性要素を封入することによって溶解度を増加させること、PEHAMデンドリマーの表面化学を用いることにより、農業的活性要素の雨水流出が減少するように、該要素は土、根、葉及び種子の被覆などに浸透可能であって細胞に到達し又は害虫を処理する、などの様々な方法により、農業的活性要素の増加した溶解度及び/又は減少した粘度及び/又はより良い分散性を提供すると考えられる。デンドリマーの表面基が(TF)のように修飾されるか、又は農業的活性要素により修飾される場合、葉、種子の表面及び他の表面への付着が提供される。
【0067】
理論にとらわれることを望まない一方、式(I)のPEHAMデンドリマーは、農業的活性要素と結合するか、又は製剤の指定された性質を促進する賦形剤として作用すると考えられる。
【0068】
装置及び方法
サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)
Sephadex(商標)(Pharmacia)により精製されたデンドリマーのメタノール溶液を蒸発させ、そしてSEC実験において使用する移動相で再構成した(濃度1mg/mL)。すべてのサンプルを新たに調製し、SECのためにただちに使用した。
【0069】
屈折率検出器(Waters 2400 及び Waters 717 Plus Auto Sampler)を備えた、定組成モードで操作するSECシステム(Waters 1515)により、デンドリマーを定性的に分析した。2つの連続して並べたTSKゲルカラム(Supelco)G3000PW及びG2500PW、粒子サイズ10μm、30cm×7.5mmにおいて、室温で分析を実施した。酢酸バッファー(0.5M)の移動相を、1mL/分の流速で送り込んだ。デンドリマーの溶出体積は、デンドリマーの世代に従って、11〜16mLであった。
【0070】
高圧/高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
屈折率及び紫外光検出器を備えたPerkin Elmer(商標)Series200装置及びWaters Symmetry(登録商標)C18(5μm)カラム(直径4.6mm、長さ150mm)を用いて、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を実施した。典型的な分離プロトコールは、溶離液としての0.1%水性酢酸及びアセトニトリル(75:25%v/v)、そして、検出器としてのλ=480nmのUV光から成った。
【0071】
薄層クロマトグラフィー(TLC)
化学反応の進行をモニターするために、薄層クロマトグラフィーを用いた。1滴の材料、一般に、有機溶媒中の0.05M〜0.4M溶液、をシリカゲルプレートに添加し、溶媒チャンバー中に設置し、そして、一般に10〜15分間展開させた。溶媒が溶出したら、通常、TLCプレートを乾燥させ、そして(以下に記載のとおりに)染色する。シリカゲルが極性のポリマー支持体であるため、より極性の低い分子はプレートのより上部へ移動する。TLCプレート上を材料がどれだけ遠くへ移動したかを同定するために、「Rf」値を使用する。溶媒条件の変更は、その後、Rf値を変化させるだろう。このRfは、生成物が移動した距離の溶媒の移動した距離に対する比率によって測定する。
【0072】
材料:使用するTLCプレートは、(1)ガラスで裏張りした、20×20cmのサイズ、層の厚さが250μmの「Thin Layer Chromatography Plates-Whatman(登録商標)」PK6F Silica Gel又は(2)アルミニウムで裏張りした、20×20cmのサイズ、層の厚さが200μmの「Thin Layer Chromatography Plate Plastic sheets-EM Science」のいずれかであった。
【0073】
染色条件は、(1)ニンヒドリン:1.5gのニンヒドリン、5mLの酢酸及び500mLの95%エタノールで溶液を作製した。プレートをニンヒドリン溶液中に浸漬し、乾燥させ、そして、色変化(ピンク又は紫のスポットがアミンの存在を示す)が起こるまでヒートガンで加熱した。(2)ヨウ素チャンバー:2〜3gのI2を、密閉容器に入れた。TLCプレートをチャンバー中に15分間置き、そして生成したスポットは茶色に染色される。(3)KMnO4染色:1.5gのKMnO4、10gのK2CO3、2.5mLの5%NaOH及び150mLの水で溶液を調製する。TLCプレートをKMnO4溶液に浸漬し、そして生成したスポットは黄色に変わる。(4)UV検査:生成物のスポットを浮かび上がらせるために、紫外光(UV)ランプを使用する。短波長(254nm)及び長波長(365nm)の両方を生成物の同定に使用する。
【0074】
MALDI-TOFマススペクトロメトリー
Bruker Autoflex(商標)LRF MALDI-TOFマススペクトロメーターを用いて、パルスイオン抽出(Pulsed Ion Extraction)により、マススペクトルを得た。20kDa未満の質量範囲を、19kVのサンプル電圧及び20kVの反射電圧を用いて、リフレクターモードで取得した。ポリエチレンオキシドを較正のために使用した。より高い質量範囲を、20kVサンプル電圧を用いてリニアモードで取得した。より高い質量範囲は、ウシ血清アルブミンで較正した。
【0075】
典型的には、分析物の5mg/mL溶液の1μLアリコートを、10μLのマトリックス溶液と併合することによってサンプルを調製した。特に断りのない限り、マトリックス溶液は、3:7アセトニトリル:水中の、10mg/mLの2,5−ジヒドロキシ安息香酸であった。サンプル/マトリックス溶液のアリコート(2μL)を、標的プレート上にスポットし、そして室温で空気乾燥させた。
【0076】
限外ろ過分離(UF)
典型的な限外ろ過分離プロトコールは以下のとおりである。生成物及び望ましくない化合物の混合物を、この混合物のための溶媒(例えば、125mLのMeOH)の好適量に溶解し、そして、3Kカットオフの再生セルロース膜を含む、接線流のUF装置において、25℃、20psi(137.9kPa)の圧力で限外ろ過した。フラスコ中で示された濃縮液体積は、1500mLの浸透液のUF採集の間(約5時間)、100〜125mLに維持された。透過液の最初の1リッターは、ロータリーエバポレーターにおいて揮発物質を揮散させ、次に、高真空排気により精製された生成物を得た。固有の分離の問題により、膜のカットオフサイズ(例えば、3K、2K又は1K)並びに透過液及び濃縮液の体積は変化した。
【0077】
Sephadex(商標)分離
生成物を最小量の溶媒(水、PBS、又はMeOH)中に溶解し、そして、溶媒中のSephadex(商標)LH-20(Pharmacia)を通して精製する。カラムの空隙容量を溶出後、それぞれの分離に応じて約2〜20mLアリコートで画分を集める。上記した好適な溶媒を用いるTLCを用いて、類似した生成物の混合物を含む画分を特定する。類似の画分を併合し、そして、溶媒を蒸発させて固体生成物を得た。
【0078】
核磁気共鳴法(NMR)−1H及び13C
サンプル調製:
800〜900μLの重水素化された溶媒を50〜100mgの乾燥サンプルに加えて溶解させた。典型的な標準試料、すなわち、トリメチルシラン、を使用する。典型的な溶媒は、CDCl3、CD3OD、D2O、DMSO-d6及びアセトン-d6である。溶解したサンプルをNMRチューブの約5.5cmの高さまで移した。
【0079】
装置:(1)Automation Triple Resonance Broadband(ATB)プローブ、H/X(Xは、15Nから31Pまで調整可能である)を用いる、300MHz、2−チャンネルVarian(商標)Mercury Plus NMRスペクトロメーターシステムにおいて300MHz NMRデータを取得した。データ収集は、Solaris(商標)9オペレーティングシステムによって、Sun Blade(商標)150コンピュータにおいて行った。使用したソフトウエアは、VNMR v6.1Cであった。(2)Switchableプローブ、H/X(Xは、15Nから31Pまで調整可能である)を用いる、500MHz、3−チャンネルVarian(商標)Inova 500MHz NMRスペクトロメーターシステムにおいて500MHz NMRデータを取得した。データ収集は、Solaris(商標)9オペレーティングシステムによって、Sun Blade(商標)150コンピュータにおいて行った。使用したソフトウエアは、VNMR v6.1Cであった。
【0080】
赤外分光光度法(IR又はFTIR)
Nicolet Fourier(商標)Transform Infrared Spectrometer、Model G Series Omnic, System 20 DXBにおいて、赤外スペクトルデータを得た。臭化カリウム塩プレート(Aldrich)を用いてそのままのサンプルを流した。
【0081】
紫外/可視分光光度法(UV/Vis)
Perkin Elmer(商標)Lambda 2 UV/VIS Spectrophotometerにおいて、各サンプルによる吸収の高い光波長、例えば、480又は320nm、を用いて、UV-VISスペクトルデータを得た。
【0082】
本発明は、純粋に本発明の例示であることを目的とする以下の実施例によってさらに明らかとなるだろう。
【実施例】
【0083】
実施例1:一級アミン表面を生成するための、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル1とトリス(2−アミノエチル)アミン(TREN)2との反応
[(C)=PETGE;(IF1)=OH;(BR1)=TREN;(TF)=一級NH2;G=1]
スターラーバーを入れた、50mLの丸底フラスコに、TREN2(16.0g、109ミリモル、エポキシドあたり10当量)及び4mLのMeOHを加え、約25℃に冷却した。この攪拌した混合物に、2mLのMeOH中のPETGE1(1.0g、2.78ミリモル、11.1ミリモルエポキシド)の溶液を滴下して加えた。この混合物をN2雰囲気下で、25℃で、24時間攪拌した。揮発性物質をロータリーエバポレーションによって蒸留して粗残渣を得て、これを、200〜230℃、高真空においてKugelrohr装置を用いてバルブツーバルブ蒸留して2.4gの残渣を得た。この物質のMALDI-TOFマススペクトルは、967amu[M+Na]+の質量における所望の4:1付加物に関する明瞭なスペクトル及び799amu[M+Na]+における3:1付加物に関するより小さなシグナルを示した。TLC(MeOH中、50%NH4OH)は、TRENが存在しないことを示した。13CNMRスペクトルは、混じりけのない生成物3(2.4g、収率92%)についての予想されたピークを示した。このスペクトルは以下のとおりである:
【0084】
【数5】

【0085】
以下のスキーム1はこの反応を図解する。
【0086】
【化7】

【0087】
実施例2:ジヒドロキシルアミノ分岐セル試薬を用いる開環:トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル及びジエタノールアミンからのヒドロキシル基を末端に有するPEHAMデンドリマー(G=1)
[(C)=TMPTGE;(FF)=Et;(IF1)=OH;(BR1)=DEA;(TF)=OH;G=1]
どちらもさらなる精製を行わないDEA5(7.82g、74.47ミリモル)(Aldrich)及び120mLの無水MeOH(Aldrich)を、オーブン乾燥した、250mLの単首丸底フラスコ中に入れた。フラスコはスターラーバーと隔壁を備えていた。TMPTGE4(5g、16.55ミリモル)を40mLの無水MeOH中に溶解し、そして、室温で1時間にわたって等圧滴下漏斗を通して上記の攪拌している溶液中に滴下した。漏斗を還流凝縮器に交換し、そして、N2雰囲気下、60℃で60時間加熱した。減圧下でロータリーエバポレーターによって溶媒を除去して、無色透明の液体を得た。反応混合物全体を100mLの単首丸底フラスコに移した。減圧下、180〜190℃において、Kugelrohr蒸留によって過剰のDEA5を分離した。透明の粘ちょうな液体として生成物6(9.76g、収率95.53%)を回収した。そのスペクトルは以下のとおりである:
【0088】
【数6】

【0089】
以下のスキーム2は、この反応を図解する。
【0090】
【化8】

【0091】
実施例3:ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテルとジエチルイミノジアセテート(DEIDA)の反応
[(C)=PETGE;(IF1)=OH;(BR1)=DEIDA;(TF)=エチルエステル;G=1.5]
35mLのEtOH(Aldrich)中のDEIDA、7(5.67g、30ミリモル)(Aldrich)溶液に、20mLのEtOH(Aldrich)中のPETGE,1(1.8g、5ミリモル、20エポキシミリモル)溶液を、添加漏斗を通して30分間にわたって滴下した。フラスコに還流凝縮器、N2ガスの入口を取り付け、60℃に予熱した油浴に入れた。1日間加熱した後、MALDI-TOF MS分析は、完全な構造及び3置換された生成物についての質量の計算値を示した。加熱を36時間継続し、そして、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去し、薄茶色の液体を得た。175℃のKugelrohr蒸留装置によって過剰のDEIDAを蒸留により除き、粘ちょうな液体を得たが、これは、所望の生成物8(4.99g、89.4%)であると判明した。そのスペクトルは以下のとおりである:
【0092】
【数7】

【0093】
以下のスキーム3は、この反応を図解する。
【0094】
【化9】

【0095】
実施例4:一級アミンからのエステル誘導体
A.ペンタエリスリトール及びエピクロロヒドリン(EPI)からのペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテルの合成
[(C)=PETGE;(TF)=エポキシ]
この方法は、Mitsuo et al., Synthesis, 487 (1993)にしたがって実施した。ペンタエリスリトール9(13.6g、400ミリモル)及び100mLのDMSOを、1Lの三つ首丸底フラスコ中に入れ、そして、KOH(52.7g、800ミリモル、OHあたり2当量)をすべて一度に加えた。機械攪拌器(mechanical stirrer)で反応混合物を激しく攪拌し、15〜20℃に氷浴で冷却した。等圧滴下漏斗中のEPI10(110.4g又は93.55mL、1.2モル、OHあたり3当量)を150分にわたって、滴下して加えた。EPI10の添加中、温度を15〜20℃に維持した。反応混合物の色は、無色から薄黄色に変化した。添加完了後、反応混合物を室温まで温まるまで放置し、攪拌を一夜継続した。反応の進行をTLCによってモニターした。3時間後、TLCは、PETGE1及びペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル11のスポットを示した。反応を継続することによって、トリグリシジルエーテル11は生成物1に変換されると予測したが、いくらかの1の二量体化を観察し、これは生成物12を生じた。
【0096】
反応混合物を、ブフナー漏斗を通してろ過し、固体を100mLのDCMで洗浄した。DCMの揮発性画分をロータリーエバポレーターにおいて除去した。粗反応混合物を飽和食塩水(2×100mL)で処理し、そしてジエチルエーテル(2×100mL)で抽出した。併合したエーテル層をNa2SO4で乾燥し、そして、ロータリーエバポレーターで濃縮して、濃い黄色/薄茶色の液体を得た。粗製物を等しく2つに分け、そしてシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーに供した。カラム(高さ25cm×幅5.5cm)にシリカゲル(300g)を充てんした。500mLの溶媒を溶出後、40mLの画分を集めた。はじめの複数の画分は、EPI10、次にPETGE1(Rf=0.62)、そして、二量体12(Rf=0.44)、最後にトリグリシジルエーテル11(Rf=0.33)であった。単離された純粋なPETGE1の収率は45〜60%であった(いくらかの量の他の副産物が混入するだろう)。スペクトル分析は、1について報告されたデータと一致しており、生成物11及び12についての分析も満足のいくものであった。
【0097】
以下のスキーム4は、この反応を図解する。
【0098】
【化10】

【0099】
B.ジエチレントリアミンの一級アミンの保護及び四官能性エポキシドをキャップするための二級アミンの使用:2つの一級アミン
[(C)=PETGE;(IF1)=OH;(BR1)=DIA;(TF)=一級NH2;G=1]
DETA13(6.56g、63.6ミリモル)(Acros)及び125mLの4−メチル−2−ペンタノン14(Aldrich)を、Dean-Starkトラップを取り付けた250mLの丸底フラスコ中にいれ、そして、アルゴン雰囲気中で140℃に加熱した。理論量の水(2.2mL)を共沸により除いた(azeiotroped out)後、反応物を室温まで冷却した。混合物の重量は、63.6ミリモルの二級アミン15を含んで、77.37gであった。混合物(12.16g)を50mLの丸底フラスコに移した。溶媒をロータリーエバポレーションにより除くと、オイルが得られた。このオイルに、5.5mLの無水MeOH中の(実施例4Aにより作製した)PETGE1(360mg、1.0ミリモル)の溶液を加えた。反応物を23時間、75℃に加熱した。溶媒を除くと、16が得られ、25mLの2−プロパノール及び3.0mLの水を残渣に加えた。混合物を50℃で2時間加熱した。ロータリーエバポレーターを用いて溶媒を除去した。Kugelrohr蒸留(150℃)によって過剰のDETA13を除くと、生成物17がわずかに黄色の粘着性のオイルとして得られ、以下のスペクトルを有した。
【0100】
【数8】

【0101】
以下のスキーム5は、この上記反応を図解する。
【0102】
【化11】

【0103】
C.[(C)=PETGE;(IF1)=OH;(BR1)=DETA;(BR2)in situ=メチルアクリレート;(TF)=メチルエステル;G=2.5]
(実施例4Bにより作製した)オクタアミン17のMeOH溶液を、MeOH中のメチルアクリレート18(Acros)溶液に、0℃で滴下して加えた(NHあたり1.5当量)。添加後、反応物を室温まで放置してあたためた。その後、混合物を40℃で24時間加熱した。溶媒を除去すると、生成物19を、以下のスペクトルを有する黄色のオイルとして得た。
【0104】
【数9】

【0105】
スキーム6は、この反応を図解する。
【0106】
【化12】

【0107】
実施例5:先に生成したトリス(ヒドロキシメチルアミン)(TRIS)分岐セル試薬を用いる開環:TMPTGE及びTRISからのノナ−ヒドロキシル表面デンドリマー、G=1
[(C)=TMPTGE;(FF)=Et;(IF1)=OH;(BR1)=TRIS;(TF)=OH;G=1]
TMPTGE4(2.66g、8.8ミリモル)及び50mLのMeOHを、オーブン乾燥した100mLの丸底フラスコに入れた。フラスコにスターラーバーとストッパーを取り付けた。TRIS20(4.79g、39.6ミリモル)(Fisher Scientific)を、上記の攪拌している反応混合物に、室温で一度に加えた。フラスコに、還流凝縮器を取り付け、そしてN2雰囲気下で60℃で60時間加熱した。約15分の加熱の後、TRIS20は完全に溶解する。反応混合物を室温まで冷却し、そして、500mLのエルレンマイヤーフラスコに移した。そして、最初に120mLのクロロホルムを加え、続いて、スパチュラを用いて常に攪拌しながら、300mLのヘキサンをゆっくりと加えた。ヘキサン添加の間に、白色沈殿の形成を観察した。混合物をもう一度完全に混合し、そして室温で一夜静置した。フラスコの壁及び底における固体薄片として沈殿を観察した。溶液を穏やかに混合して、ガラスから固形物を分離し、続いて、ブフナー漏斗を通して混合物をろ過することによって、所望の生成物21(1.7g)を得た。固体を除いた後でも、フラスコの底には無色のペーストが残った。このペーストは、5.2gの重さであった(1H及び13C NMRは、痕跡量のTRIS20とともにデンドリマー21のシグナルを示した)。該ペーストを5mLのMeOHに溶解し、そして、MeOH(2×2mL)でフラスコをすすいだ。メタノール溶液をSephadex(商標)LH-20カラムに加えた。600mLのMeOHを溶出した後、画分を15mLのアリコートで集めた。所望のデンドリマー21を画分18〜47に見出した一方、TRIS20を画分48〜58に見出した。画分18〜47を併合し、そして、減圧下、ロータリーエバポレーターで溶媒を蒸発させて、吸湿性の固体(4.2g;71.82%)、(G=1)PEHAMデンドリマー21を得た。48〜58からの溶媒の蒸発により、TRIS20(0.592g)を無色の固体として得た。そのスペクトルは、以下のとおりである。
【0108】
【数10】

【0109】
以下のスキーム7は、この反応を図解する。
【0110】
【化13】

【0111】
実施例6:ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル(PETGE)とトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)の反応
[(C)=PETGE;(IF1)=OH;(BR1)=TRIS;(TF)=OH;G=1]
250mLの丸底フラスコ中で、PETGE1(3.16g、8.78ミリモル)を、機械攪拌しつつ、70mLのMeOHに溶解した。溶液を60℃の油浴中に置き、TRIS20(6.41g、52.8ミリモル、1.50当量/エポキシド)(Fisher Scientific)を、粉末漏斗を介して加えた。その後、フラスコに還流凝縮器を取り付け、そして48時間、反応させた。反応は、TLC(3:1 CH2Cl2:MeOH)でモニターし、そして上記時間の後、PETGE1(Rf=0.80)は観察されなかった。混合物を120mLのクロロホルムで希釈し、その後、300mLのヘキサンを攪拌しながらゆっくりと加えた。白色沈殿が形成し、そして混合物を16時間静置した。溶液をブフナー漏斗を通してろ過して、清澄な白色ペーストをフラスコの底に得た。ペーストを真空下で乾燥させて、6.98gの粗生成物22を得た。生成物を、40mLのMeOH及び60mLのクロロホルムに再溶解し、そして残ったTRIS20を結晶化によって300mLのヘキサンから分離した。混合物をろ過し、そして残った半固体を高真空下で24時間乾燥させて、5.35gの生成物22(収率72.0%、理論的質量7.43g)を得た。更なる精製のために、材料を36”×4”(91cm×10cm)のLH-20 Sepahdex(商標)カラムに負荷した。575mLの空隙容量を集めた後、それぞれ12mLのMeOHの48画分を集め、そして、TLC(7:3 MeOH:NH4OH)によって分析した。2.29g(収率31%)の精製された生成物22を回収した。そのスペクトルは以下のとおりである。
【0112】
【数11】

【0113】
以下のスキーム8は、この反応を図解する。
【0114】
【化14】

【0115】
実施例7:
A.ペンタエリスリトールトリアリルエーテル(PETriAE)とm-クロロ過安息香酸(m-CPBA)の反応
[(C)=PETriGE;(FF)=OH;(TF)=エポキシド]
100mLの丸底フラスコに、PETriAE23(2.56g、10.0ミリモル、30オレフィンミリモル)(Aldrich)及び50mLのクロロホルム(Fisher Scientific)を入れた。機械攪拌しながら、この溶液にm-CPBA24(8.84g、36.0ミリモル)(Acros Organics)を小分けにして室温で加えた。この混合物を3日間攪拌し、その後、最初に3%のメタ重亜硫酸ナトリウム(Na2S2O5)水溶液(3×100mL)(Aldrich)で、続いて、3%の炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)水溶液(3×100mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮すると、薄い黄色の液体25(2.58g、収率84.8%)を得た。そのスペクトルは以下のとおりである。
【0116】
【数12】

【0117】
以下のスキーム9は、この反応を図解する。
【0118】
【化15】

【0119】
B.ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル(PETriGE)とプロパルギルブロミドの反応
[(C)=ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル(PETriGE);(FF)=アルキン;(TF)=エポキシド]
オーブン乾燥した250mLの丸底フラスコに、(実施例7Aにより作製した)PETriGE生成物25及び120mLの無水DMF(Aldrich)を加えた。反応フラスコにN2ガスを勢いよく流し、隔壁で閉じ、そして氷浴で0℃まで冷却した。この溶液に、機械攪拌しながら、水素化ナトリウム(1.35g、33.8ミリモル、鉱油中の60%分散物)(Aldrich)を小分けにして20分間にわたって加えた。0℃、40分間の追加の攪拌後、プロパルギルブロミド26(3.73mL、トルエン中、90重量%)を加えた。冷却を90分間続け、そして、混合物を放置して徐々に室温にあたためた。混合物をこの温度で一夜攪拌した。その後、氷浴を用いて反応混合物を10℃まで冷却し、70mLの水で希釈し、酢酸エチル(3×70mL)で抽出し、飽和食塩水(2×50mL)で洗浄した。併合した抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーションで濃縮すると、濃い茶色の液体が得られ、これを、最初はヘキサン中の酢酸エチル(20:80%v/v)を用い、そしてこれを徐々にヘキサン中の酢酸エチル(40:60%v/v)に変化させたシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製した。Rf=0.31にTLC(酢酸エチル:ヘキサン 1:1)スポットを生じる画分を併合し、そして純粋なプロパルギル化ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル27(3.79g、収率82%)であることがわかった。そのスペクトルは以下のとおりである。
【0120】
【数13】

【0121】
以下のスキーム10は、この反応を図解する。
【0122】
【化16】

【0123】
C.アリルブロミド及びm−クロロ過安息香酸(m−CPBA)を用いる、ペンタエリスリトールからのペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテルの合成
[(C)=PETGE;(TF)=エポキシ]
ペンタエリスリトール9(15.03g、110ミリモル)(Acros Organics)及び250mLのTHFを1Lの丸底フラスコ中で混合した。KOH(85.93g、1.35モル、OHあたり3.0当量)及びテトラブチルアンモニウムブロミド(TBAB)(0.460g、1.23%モル)(Acros Organics)を粉末漏斗を介して加え、続いて、125mLの添加漏斗を介してアリルブロミド28(106.6g、1.35モル、OHあたり3.0当量)を10分間にわたって加えた。その後、反応物をただちに70℃の油浴中に24時間置いた。TLC(10:1 ヘキサン:酢酸エチル)によって反応をモニターし、Rf=0.4において生成物のスポットを示し、トリ−、ジ−又はモノ−アリル−置換ペンタエリスリトールについてのスポットはなかった。反応混合物を、150mLの荒い焼結ガラス製ブフナー漏斗を通して真空ろ過した。有機層をジエチルエーテル(2×250mL)で希釈した。有機層を5%K2CO3(5×300mL)で洗浄し、そして、MgSO4で乾燥させた。揮発性物質をロータリーエバポレーター(40℃の浴温度)で除去して、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル29(PETAE)(30.07g;収率92%)を得て、それは以下のスペクトルを有する。
【0124】
【数14】

【0125】
PETAE29(3.29g、11.0ミリモル)及び50mLのクロロホルムを、磁性スターラーバーを備えた500mLの丸底フラスコに加えた。そして、m−CPBA24(70%)(12.51g、51.0ミリモル、アルケンあたり1.14当量)(Acros Organics)を、添加漏斗を介して10分間にわたって加えた。反応フラスコは、過酸添加の30分以内に温かくなった。反応物を22℃において72時間攪拌し、そして、100mLのDCMで希釈し、500mLの分離漏斗に移した。有機層を、3%のNa2S2O5(3×150mL)及び3%NaHCO3(3×150mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、そして、揮発性物質をロータリーエバポレーター(浴温度40℃)により除去した。シリカ上のTLC(7:3 トルエン:アセトン)は、Rf=0.48において1つのスポットを示した。生成物の高真空下でのさらなる一夜の乾燥により、PETGE1を清澄で無色の粘ちょうな液体(3.86g;収率92%)として得て、これは、以下のスペクトルを有する。
【0126】
【化17】

【0127】
これらの反応は、スキーム11に代表される。
【0128】
【化18】

【0129】
D.PETGEとアジ化ナトリウムの反応;修飾されたコア
[(C)=ペンタエリスリトールテトラアジド(PETAZ);(IF)=OH;(TF)=アジド]
(実施例7Cより作製した)PETGE1(3.6g、10ミリモル)、27mLのDMF及び3mLの水を、50mLの丸底フラスコに入れた。この溶液に、アジ化ナトリウム(7.8g、120ミリモル、エポキシドあたり3当量)、続いて塩化アンモニウム(6.36g、3当量)を加えた。反応フラスコにスターラーバー及び還流凝縮器を取り付け、そして一夜、50℃に加熱した。反応の進行をTLCによりモニターした。この時間の後、反応混合物を室温まで放冷し、ブフナー漏斗を通して固体物質をろ過して除き、固体を酢酸エチル(1×50mL)で洗浄した。ろ液を70mLの水で希釈し、そして、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。併合した有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、シリカゲルベッドを通してろ過した。ろ液をロータリーエバポレーションで濃縮して、無色の液体30(5.1g、収率95%)を得た。そのスペクトルは以下のとおりである。
【0130】
【数15】

【0131】
以下のスキーム12は、この反応を図解する。
【0132】
【化19】

【0133】
E.4アームのコア及びエポキシド表面を有するPEHAMデンドリマー、G=1を生成するための、プロパルギルペンタエリスリトールトリグリシジルエーテルとペンタエリスリトールテトラアジド(PETAZ)の反応
[(C)=PETGE;(IF1)=OH;(EX1)=トリアゾール;(BR1)=PETriGE;(TF)=エポキシド;G=1]
オーブン乾燥した50mLの丸底フラスコに、プロパルギルペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル27(0.39g、1.14ミリモル、N3あたり1.05当量、実施例7Bにより作製した)、ペンタエリスリトールテトラアジド30(0.144g、0.271ミリモル;実施例7Dにより作製した)、1.2gのt−ブタノール及び1.2gの水を加えた。フラスコにスターラーバーをとりつけ、そしてストッパーで密封した。この混合物に、アスコルビン酸ナトリウム(0.026g、0.114ミリモル、0.10当量)、続いて、硫酸銅(II)五水和物(CuSO4.5H2O)(0.014g、0.057ミリモル、0.05当量)を加えた。反応の進行を、TLCによりモニターした。室温での3日間の攪拌後、反応は完結したことがわかった。エポキシド基の高い反応性によって、生成物31を実施例7Fにおける次の反応のために単離せずに使用した。
【0134】
以下のスキーム13は、この反応を図解する。
【0135】
【化20】

【0136】
F.4アームのコア及びヒドロキシル表面を有するPEHAMデンドリマー、G=2を生成するための、実施例7Eからの生成物とジエタノールアミン(DEA)の反応
[(C)=PETGE;(IF1)=OH;(EX1)=トリアゾール;(BR1)=PETriGE;(IF2)=OH;(BR2)=DEA;(TF)=OH;G=2]
粗生成物31を、3mLのt−ブタノール中のDEA5(1.07g、10.26ミリモル、エポキシドあたり3当量)(Aldrich)でクエンチングした。反応混合物を室温で1日攪拌し、そして、3日間45℃に加熱した。室温まで冷却後、反応混合物を300mLのMeOHで希釈し、わずかの溶解しない無機固体をろ過により除いた。1Kサイズの除膜を通して、UFによりさらにろ液を精製した。900mLの透過液を集めた後、残留物(retentate)をUFから引き出し、そしてUFをMeOH(3×50mL)で洗浄した。ロータリーエバポレーションによって溶媒を除去すると、褐色の液体を得て、これを高真空下で乾燥させて、所望のG=2デンドリマー32を泡状の固体(850mg、収率99%)として得た。そのスペクトルは以下のとおりである。
【0137】
【数16】

【0138】
以下のスキーム14は、この反応を図解する。
【0139】
【化21】

【0140】
実施例8
A.ジエステルアミノ分岐セル試薬前駆物質を用いる開環:トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(TMPTGE)及びジエチルイミノジアセテート(DEIDA)からの、エステル末端を有するPEHAMデンドリマー、G=1
[(C)=TMPTGE;(FF)=Et;(IF1)=OH;(BR1)=DEIDA;(TF)=エチルエステル;G=1.5]
DEIDA7(14.07g、74.47ミリモル)(Aldrich)及び120mLの無水MeOHを、オーブン乾燥した250mLの単首丸底フラスコ中に入れた。フラスコにスターラーバーと隔壁を取り付けた。TMPTGE4(5.0g、16.55ミリモル)(Aldrich)を、40mLの無水MeOHに溶解し、そして上記の攪拌している溶液に等圧滴下漏斗を通して、室温で1時間にわたって滴下して加えた。漏斗を還流凝縮器に取替え、そして、N2雰囲気下で、60時間、60℃で加熱した。減圧下、溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、無色透明の液体が得られた。反応混合物全体を、100mLの単首丸底フラスコに移した。過剰のDEIDA7を、減圧下、150〜160℃のKugelrohr蒸留によって除去した。未蒸留の生成物33(12.59g;収率87.5%)を薄黄色の粘ちょうな液体として回収した。化合物33を、0℃でエチルアルコール中に保存する。そのスペクトルは以下のとおりである。
【0141】
【数17】

【0142】
以下のスキーム15は、この反応を図解する。
【0143】
【化22】

【0144】
B.3アームのコア及び一級アミン表面を有するPEHAMデンドリマー、G=2を生成するための、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルとジエチルイミノジアセテート(DEIDA)との反応生成物とトリス(2−アミノエチル)アミン(TREN)との反応
[(C)=TMPTGE;(FF)=Et;(IF1)=OH;(BR1)=DEIDA;(BR2)=TREN;(TF)=一級NH2;G=2]
100mLの丸底フラスコに、TREN2(17.05g、116.82ミリモル、エステルあたり60NH2当量)及び40mLのMeOH(Fisher Scientific)及び磁性スターラーバーを入れた。発熱混合反応が停止後(20分)、G=1エステル33(0.846g、0.97ミリモル、5.84エステルミリモル;実施例8Aより作製)の10mLのMeOH中の溶液を、室温で1時間にわたって滴下して加えた。その後、混合物を油浴中に入れ、50℃で3日間加熱した。反応の進行をIR分光法、すなわち、1740cm-1におけるエステル振動の消失及び1567cm-1におけるアミド振動の出現、によってモニターした。MALDI-TOF MS分析は、1348[M+Na]+及び1201[M+Na]+(1つ及び2つのループ)における環状化合物を伴う所望のG=2.0の生成物34に関する質量を示した。反応混合物を、700mLのMeOHで希釈し、そして1Kサイズの徐膜を用いてUFに供した。1.8リッターの透過液を集めた後、残留物をUFから引き出し、ロータリーエバポレーションによって溶媒を除去し、薄黄色の粘ちょうな液体を得て、これを高真空下でさらに乾燥させて、所望のG=2デンドリマー34(1.41g、収率98.94%)を得た。そのスペクトルは以下のとおりである。
【0145】
【数18】

【0146】
以下のスキーム16は、この反応を図解する。
【0147】
【化23】

【0148】
実施例9:DNA凝縮及び抗菌活性のための4アームのコア及び一級アミン表面を有するPEHAMデンドリマー、G=2を生成するための、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテルとジエチルイミノジアセテート(DEIDA)との反応生成物とトリス(2−アミノエチル)アミン(TREN)との反応
[(C)=PETGE;(IF1)=OH;(BR1)=DEIDA;(BR2)=TREN;(TF)=一級NH2;G=2]
250mLの丸底フラスコに、TREN2(52.26g、358.0ミリモル、エステルあたり120NH2当量)、50mLのMeOH(Fisher Scientific)及びスターラーバーを入れた。発熱混合反応が停止した後(30分)、10mLのMeOH中のG=1のエステル8(1.25g、1.12ミリモル、8.95エステルミリモル;実施例3から作製)を室温で、1時間にわたって滴下して加え、混合物を一夜攪拌した。MALDI-TOF MS分析は、所望の生成物について予測された質量ピーク並びに1つ及び2つのループを有する副産物についての質量ピークを示した。IRスペクトルを記録し、そして1575cm-1におけるアミド振動の存在及び1740cm-1におけるエステル振動の不存在を示した。さらに36時間攪拌を継続した。そして、反応混合物をMeOH中5%w/w溶液に希釈し、1Kサイズの徐膜を用いるUFに供した。3.5リッターの透過液を集めた後、残留物をUFから取り出し、溶媒をロータリーエバポレーションによって除去し、残った生成物を高真空下で乾燥させて、薄黄色の泡状固体35(2.02g、収率94%)を得た。そのスペクトルは以下のとおりである。
【0149】
【数19】

【0150】
以下のスキーム17は、この反応を図解する。
【0151】
【化24】

【0152】
実施例10:トリメチロールプロパングリシジルエーテル(TMPTGE)とイミノ二酢酸二ナトリウム塩(IDADS)からの生成物の反応
[(C)=TMPTGE;(FF)=Et;(IF1)=OH;(BR1)=IDA;(TF)=CO2Na;G=1]
1000mLのガラス製丸底フラスコ中で、39gのNaOH(ペレット)を100mLのH2Oに溶解した。攪拌している溶液に、IDADS36(91.5g、0.69モル)を加え、そして完全に溶解するまで激しく攪拌した。100mLのMeOH中のTMPTGE4(65.77、0.22モル)の溶液を、20分間にわたってゆっくりと混合物に加え、そして、さらなる100mLのMeOHですすいだ。80℃で24時間、反応物を攪拌したままとした。その後、40〜100mmHg、60℃で、生成物が固体となるまで反応物を乾燥させ、さらに、高真空装置を用いて一定重量となるまで乾燥させて、白色固体37(160g、収率88%)を得た。そのスペクトルは以下のとおりである。
【0153】
【数20】

【0154】
以下のスキーム18は、この反応を図解する。
【0155】
【化25】

【0156】
実施例11:トリメチロールプロパングリシジルエーテル(TMPTGE)とイミノ二酢酸(IDA)からの生成物の反応
[(C)=TMPTGE;(FF)=Et;(IF1)=OH;(BR1)=IDA;(TF)=CO2H;G=1]
100mLのMeOH溶液に、IDA36(91.5g、0.69モル)を加え、そして完全に溶解するまで激しく攪拌した。100mLのMeOH中のTMPTGE4(65.77、0.22モル)の溶液を、この混合物に20分間にわたってゆっくりと加え、そして、更なる100mLのMeOHですすいだ。反応物を80℃で24時間、攪拌したままとした。その後、反応物を40〜100mmHg、60℃で、生成物が固体となるまで乾燥させ、そして、高真空装置を用いて一定重量となるまでさらに乾燥させて、白色固体38(160g、収率88%)を得た。そのスペクトルは以下のとおりである。
【0157】
【数21】

【0158】
以下のスキーム19は、この反応を図解する。
【0159】
【化26】

【0160】
実施例12:実施例10からのナトリウム塩生成物3の、テトラブチルアンモニウム塩へのイオン交換
[(C)=TMPTGE;(FF)=Et;(IF1)=OH;(BR1)=IDA;(TF)=CO2NBu4;G=1]
(実施例10からの)化合物37(2g、2.4ミリモル)を、5mLの水に溶解し、そして、H形としてのイオン交換樹脂(IRC-50)を通過させた。この工程を4回繰り返し(イオン交換を通過した材料2g;質量総計8g)、pH3の生成物39を得た。併合した画分を凍結乾燥して、白色固体39(6.39g、収率84%)を得た。2gの化合物39を水(40mL)に溶解し、約5mLの0.86Mテトラブチルアンモニウムヒドロキシドを用いpH8に滴定した。3.75gの化合物40を用いて滴定工程をもう一度繰り返した。溶液を併合し、そして凍結乾燥して、白色固体40(7.95g)を得た。そのスペクトルは以下のとおりである。
【0161】
【数22】

【0162】
以下のスキーム20は、この反応を図解する。
【0163】
【化27】

【0164】
実施例13:トリメチロールプロパングリシジルエーテル(TMPTGE)とジベンジルアミン(DBA)からの生成物の反応
[(C)=TMPTGE;(FF)=Et;(IF1)=OH;(BR1)=DBA;(TF)=ベンジル;G=1]
10mLのメタノール溶液に、ジベンジルアミン41(1.18g、6.0ミリモル)を加えて攪拌した。10mLのMeOH中のTMPTGE4(500mg、1.66ミリモル)の溶液を、この混合物にゆっくりと加えて、45℃で24時間攪拌したままにした。反応を、LCMSによりモニターし、これは、反応が完結したことを示した。C18 XTerraカラム、5〜60%のACNグラジエントを伴う0.1%TFAにおけるHPLCによって、反応混合物からサンプルを精製した。減圧下で反応溶媒を除去し、残った物質42をその粗製形態(1.53g)のままとした。そのスペクトルは以下のとおりである。
【0165】
【数23】

【0166】
以下のスキーム21は、この反応を図解する。
【0167】
【化28】

【0168】
実施例14:三官能性エポキシドをキャッピングするための、ジエチレントリアミンの一級アミンの保護と二級アミンの使用
[(C)=TMPTGE;(IF1)=OH;(BR1)=DETA;(TF)=一級NH2;G=1]
DETA13(260.75g、2.5モル)及びMIBK43(1110g、11.1モル)を、バーレットトラップ及び水冷環流凝縮器を備えた2Lの丸底フラスコ中にいれ、そして、N2雰囲気下で110℃に加熱した。水が共沸により除かれるため、反応温度は110℃に上昇し、バーレットトラップの底でもう水が集められなくなるまで蒸留を継続した。N2下で反応混合物を室温まで冷却した。最後の痕跡量のMIBK43をロータリーエバポレーションにより除き、清澄なオレンジ色の液体としての所望の化合物44として、これを次のステップまで続けた。
【0169】
イミン保護されたDETA44(806g、3モル)をイソプロパノール(100mL)と混合して、攪拌したままとし、最後にN2下で60〜70℃に温めた。TMPTGE4(302、1モル)をイソプロパノール(200mL)に溶解し、温かいDETA-MIBK44溶液にゆっくりと加えて(1.5〜2時間)、45を得た。フラスコをイソプロパノール(50mL)ですすぎ、そして反応混合物に加えた。反応混合物を、48時間、80℃で攪拌したままにした。DI水(300mL)を加え、そしてさらに16時間、80℃で攪拌したままにした。反応温度は110℃まで上昇し、そして水が共沸によって除かれた。600mLのDI水を用いてこのステップを2回繰り返した。反応混合物を室温まで冷却し、そして、700mLの水を加えた。溶液をヘキサン(3×300mL)で抽出し、これはその後捨てた。水溶液を荒いフィルターを通してろ過し、減圧下で溶媒を除去した。その後、材料をKugelrohr蒸留(205℃及び5mmHg)に供して、生成物46を、粘ちょうな清澄のオレンジ色の半固体(498g、81.6%)として得た。そのスペクトルは以下のとおりである。
【0170】
【数24】

【0171】
以下のスキーム22は、この反応を図解する。
【0172】
【化29】

【0173】
実施例15:活性要素の溶解度が増加する、式(I)のPEHAMデンドリマーと農業的活性要素の製剤化
(MeOH、DCM、EtOH、アセトン又は他の好適な溶媒などの)好適な揮発性有機溶媒中に溶解した農業的活性成分の10%w/wの溶液に、水又は上記と同様の有機溶媒中のデンドリマーの10%w/w溶液を加えた。混合物を2〜4時間、攪拌したままとし、その後、揮発性有機溶媒を減圧下で除去して、活性成分とデンドリマーの1:1混合物が生じた。この油性溶液を水に溶解してろ過した。水溶液中の活性成分含量のHPLC又はGLCアッセイによる分析は、デンドリマーの添加による、溶解度の増加を推定した。
【0174】
トリフルラリン(極めて水溶解度の低いことが知られている農薬)のために上記の一般的方法を用いて、2つの異なるデンドリマーがその水溶解度の顕著な増加を示したことを実証した。
【0175】
【表1】

【0176】
実施例16:活性要素の溶解度が増加する、式(I)のPEHAMデンドリマーと農業的活性要素の製剤化
MeOH、EtOH、アセトニトリルまたはアセトンなどの好適な揮発性の水混和性有機溶媒中に溶解した、農業的活性成分の10%v/v溶液に、PEHAMデンドリマーの10%w/w水溶液を加えた。混合物を2〜4時間攪拌したままにした。その後、揮発性有機成分が全体積の10%未満であることを確実にするために、水溶液のレベルを調節した。サンプルをドライアイスアセトン浴中で凍結し、そして溶媒を凍結乾燥により除去して、非晶質の固体を得た。非晶質の固体を水に溶解し、そしてろ過して、原液を得た。水溶液中の活性成分含量のHPLC又はGLCアッセイによる分析は、デンドリマーの添加による溶解度増加を推定する。実施例2及び14のPEHAMデンドリマーを試験し、そして、実施例15に類似した結果を得た。
【0177】
実施例17:PEHAMデンドリマーの存在下における、農業的に活性なグリホサートの葉面浸透性及び有効性の改善
サンプル調製:
それぞれが典型的な現場使用率である10mL/Lまたは5mL/L(1%又は0.5%)の2つの市販品−(グリホサートIPA-塩に基づく)Grow Choice(登録商標)及び(カリウム塩に基づく)Touchdown(登録商標)のうちのいずれか1つ、並びに、それぞれが最終濃度0.05%または0.1%(これらはタンクミックスに含まれうるアジュバントの典型的濃度である)となるように調製された計5つのPEHAMデンドリマーを用いて、5mLの標準液のマトリックスを調製した。デンドリマー溶液を含まない、同じ比率のGrow Choice(登録商標)及びTouchdown(登録商標)の2つの対照溶液も調製した。
【0178】
【表2】

【0179】
生物学的評価:温室中のノアザミを使用
調製した上記各製剤の5μLの1滴をマイクロシリンジによって、3番目の葉の向軸表面(上部)の主脈の横に施用した。植物の健康評価を5日目に行った。トライアルは、14及び21日間隔での評価のために進行中である。以下の表2は、5日後の植物を示す(2=Touchdown対照(Touchdown control)、11=溶液4C)。
【0180】
【表3】

【0181】
これらの結果からの5日での予備的兆候は、溶液1A及び4Cが、他の溶液よりもわずかに大きな中心のブラウンアウト(brown-out)を示すことである(対照に対して、10%対5%)。理論にとらわれることを望まないが、本デンドリマー製剤によれば、おそらく、植物により多くの活性成分を引き込むのを助けること、植物をより早く殺滅すること、または低い用量についてのより高い活性によって、より高いパーセンテージの損傷が発生する(すなわち、デンドリマーは活性成分をより有効にする)と考えられる。
【0182】
観察された結果の要約は:
1.2つの対照溶液についてのもとの施用部位を同定することは実質的に不可能であった。
2.溶液5、6、7及び10、11、12については、施用部位における壊死的損傷の形跡があった。
3.上記%損傷のスコアは、主に、出現する新たな生長物における「ブラウンアウト」の広がりの評価である。
4.PEHAMデンドリマーを取り入れた処理群3及び11は、顕著に高いパーセンテージの損傷を示し、これは、デンドリマー−グリホサート溶液が葉面に浸透し、そしてより高い効能を提供することを明白に示す。
【0183】
実施例18:PEHAMデンドリマーの存在下における農薬の葉面浸透の改善の判定
上記実施例14と同じ製剤法の概要を用い、農薬とPEHAMデンドリマーの一連の1:1混合物を、農薬の14C放射線標識溶液[14C標識アトラジン1mCi/ミリモル、及びグリホサートモノ(イソプロピルアンモニウム)塩10〜30mCi/ミリモル]を用いて調製した。植物への施用のために1%活性成分のレベルまで、油性混合物を水で希釈した。同じレベルの農薬を用いるが、デンドリマーを含まない対照溶液も調製した。マイクロスプレイヤーを用いて、14C標識除草剤の均一な液滴を、エンドウマメ植物の21日齢植物の第4葉の裏面の主脈に隣接した環状の領域(直径10mm)に施用した。各処理群を4連とした。サンプルを設定した吸収時間(1〜48時間)の間放置し、その後、葉を除去し、MeOH+水(1mL;体積で1+1)、続いてMeOH(1mL)を連続して、それぞれ20秒間の持続時間にわたってシリンジから供給して、裏面を洗浄した。葉面の洗浄液を併合し、シンチレーターとしてLumagel(Lumac)を用いるシンチレーションカウントによって放射能を測定した。次に、クロロホルム(1mL)で葉片を洗浄することによって、クチクラ外ワックス中に保持された放射性同位体を回収した。窒素流中でクロロホルムを除去し、そして、ワックス抽出物及び葉面洗浄液中の放射能を、'Hisafe 3'シンチラント(scintillant)(4mL)の添加後、液体シンチレーションカウンティング(LSC)により測定した。サンプル間の放射能の相対的レベルは、洗い落とされた活性成分量の直接比較となった。吸収を、MeOH洗浄液中に回収されなかった農薬の比率として定義した。
【0184】
より高いレベルの活性成分は、Perkin Elmer(商標)Lambda 2 UV/VIS Spectrophotometer及びWaters HPLCを用いるHPLC-UV分光法によって測定可能である。相対的な葉面浸透に関して、デンドリマーベースの製剤のアトラジン含量をアトラジン対照(デンドリマーを含まない)と比較した。
【0185】
理論にとらわれないことを望む一方、デンドリマーを伴う活性要素の本製剤は、より高いパーセンテージの活性要素が葉に保持されることを示していると考えられる。
【0186】
実施例19:日光に露出されたときの活性要素の安定性を高めるための、PEHAMデンドリマーの使用
農業的活性要素及び上記の(実施例15において調製した)PEHAMデンドリマーの標準製剤の5mL溶液を、ガラスのペトリ皿中に入れ、そして2、4及び8時間、日光に露出した。UV照射を、ARPANSAウェブサイト上でリアルタイムでモニターした。8時間にわたるUVフラックスを100%とし、そして、2及び4時間の露出をARPANSAの記録からのパーセンテージとして計算した。
【0187】
適切な時間間隔(2、4、8時間)の後、上記皿を取り外し、すすいで、そして残留活性成分及び分解生成物についてHPLCによって分析した。
【0188】
理論にとらわれることを望まない一方、デンドリマーを伴う活性要素の本製剤は、より高いパーセンテージの活性成分が存在し;したがって、UV損傷から保護されることを示していると考えられる。試験して、1つの活性要素が好ましい結果を示さなかったが、この製剤は、他の活性要素では有効なはずであると考えられる。試験されるであろう活性要素は、アゾキシストロビン、フィプロニル、トリフルラリン及びテブコナゾールである。
【0189】
実施例20:PEHAMデンドリマーの存在下での、農業的活性要素の土壌付着/土壌浸透アッセイ
最初のトライアルとして、10%水分を含む細砂の(およそ直径8cm、長さ10cmの)試験カラムを10mLの水性活性成分及び1mLの5%デンドリマーで処理した。デンドリマーを含まない対照カラムも調製した。
【0190】
活性成分を含む溶液によるろ過に1日間、カラムを供した。この後、各カラムをさらに10mLの水で処理して、土壌カラム中の活性成分の移動を促進した。3日間の後、カラムを3つの水平なセクションに分割し、そして、土壌カラムについて垂直なプロフィールが構築されるように、HPLCまたはGLCによって各セクションを活性成分含量についてアッセイする。水溶出液中の活性要素のレベルと土壌中に保持された量の比較は、PEHAMデンドリマーを含む及び含まない場合の土壌付着と浸透の相対的レベルの評価を提供する。
【0191】
理論にとらわれることを望まない一方、デンドリマー及び活性要素を含む本製剤が、活性要素が植物根または植物の地下部分に到達するように、土壌への浸透を増加させるであろうと考えられる。
【0192】
実施例21:デンドリマー−銅複合体の形成及び葉面滞留/耐水性の促進
10gの硫酸銅を1Lの水に溶解することによって、硫酸銅溶液の1%原液を調製した。0mg(0.0%w/v)、25mg(0.1%w/v)、50mg(1.0%w/v)または500mg(10.0%w/v)のPEHAMデンドリマーを、5mLの上記で調製した硫酸銅溶液原液に加えることによって、1連の4つの溶液を調製した。これらの複合体を短時間、超音波処理し、振とう水浴中、37℃、100rpmで一夜、インキュベートし、室温で1時間平衡化させた。デンドリマー−硫酸銅活性成分の懸濁液を、Whatmanフィルターを通してろ過して、固体含有物を除去した。標準的方法を用いて銅についてサンプルを分析した。
【0193】
上記で調製した様々なPEHAMデンドリマー−硫酸銅製剤を、植物の葉(3〜5週齢)に施用し、温室内で24時間インキュベートした。24時間後、葉を10mLの水でやさしく洗浄しつつ、すべての洗浄水を集めた。Perkin Elmer(商標)Lambda 2 UV/VIS Spectrophotometerを用いるUV分光法によって、銅含量について併合した洗浄水を分析した。或いは、低レベルの銅は、ICP発光分光分析法によって検出可能である。デンドリマーベースの製剤の銅含量を、対照(銅のみ)と比較した。
【0194】
理論にとらわれることを望まない一方、本製剤中でのデンドリマーを伴う銅の使用は、葉から洗い落とされる銅がより少なく、したがって、より高いパーセンテージの活性な銅が葉に保持される。銅は、ブドウで殺真菌剤として使用される。したがって、より少ない銅の施用(量及び頻度)が、環境のためには望ましい一方、ブドウのための殺真菌剤としてなお保護を提供する。
【0195】
本発明をその好ましい実施態様に関連して記載したが、当業者は、この開示を読み、そして理解したうえで、上記のまたは権利請求される発明の範囲及び精神を離れることのない変更及び改変が行われうることを理解することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの農業的活性要素と結合した少なくとも1つのPEHAMデンドリマーを含み、そして、少なくとも1つの農業的に許容可能な希釈剤又はキャリアが存在する、農業における使用のための製剤であって、ここで、農業的活性要素の有効性又は活性の持続時間が増加され、前記PEHAMデンドリマーは以下の式:
【化1】

{式中、
(C)は、PETGE、PETriGE又はTMPTGEから成るコアを意味し;
(FF)は、Et、OH、SH、NH2、CO2H、カルボン酸エステル、直鎖又は分岐鎖C1-C18アルキル、アリール、アリールヘテロ環部分、C1-C3アルコキシ、トリアゾール、C1-C18アルキルエステル、ポリエチレングリコール及びポリフッ化部分からなる群から選ばれる、前記コアの焦点官能性成分を意味し;
xは、独立して0又は1であり;
(BR)は、分岐セルを意味し、これは、pが1超である場合、(BR)は、DBA、DEA、DEIDA、DETA、DIA、IDA、TREN、TRIS、メチルアクリレート及びPETriGEからなる群から選ばれる、同じ又は異なる部分であることができ;
pは、デンドリマー中の分岐セル(BR)の総数であり、以下の式:
【数1】

(式中、
Gは、前記コアを取り囲む、同心の分岐セルの外殻の数(世代)であり、1、2又は3であり;
iは、最後の世代Gであり;
Nbは、分岐セルの多重度であり;そして
Ncは、コアの多重度であり、かつ、1〜4の整数であるが、
ただし、xが1であるとき、Nc−xは、1〜3の整数でなければならない。)
により導かれる整数であり;
(IF)は、OHである、内部官能基を意味し;
qは、独立して、0又は1〜64の整数であり;
(EX)は、エクステンダーを意味し、mが1超であるとき、(EX)は、リジンなどのアミノ酸、ポリリジンなどのポリ(アミノ酸)、オリゴエチレングリコール、ジエチレンテトラアミン及びより高級なアミンの類似体、5員イミダゾリジル誘導体として保護されるオリゴアルキレンアミン、2以上の異種又は同種の官能基を有する脂肪酸、不飽和脂肪族及び芳香族の二官能性又は多官能性部分、EA、モルホリン、ジカルボン酸、EPC、IMAE、アリールジメルカプタン、ジメルカプトアルカン、トリアゾール、DMI、ジアジド、ジアセチレン、ピロリドン、ピロリドンエステル、アミノアルキルイミダゾリン、イミダゾリジン、ポリ(アルキレンイミダゾリジン)、メルカプトアルキルアミン、ヒドロキシアルキルアミン又は不飽和脂肪族及び芳香族のヘテロ二官能性又は多官能性部分からなる群から選ばれる、同じ又は異なる部分であることができ;
mは、独立して、0又は1〜64の整数であり;
qとmが両方とも1超であるとき、(BR)及び(EX)は、他方の部分と交互に存在するか、又は連続した複数の(BR)又は(EX)基が相次いで存在することができ;
(TF)は、末端官能基を意味し、もし、zが1超であれば、(TF)は、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ヒドロキシエチルアミノ、ベンジルアミノ、メルカプトエチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ビス(ヒドロキシメチル)アミノ、N-アルキル化アミノ誘導体、N-アリール化アミノ誘導体、N-アシル化アミノ誘導体、CO2-N(C1-C6アルキル)、ヒドロキシル、メルカプト、カルボキシル、カルボン酸塩、カルボキシC1-C18アルキル、直鎖又は分岐鎖C2-C18アルケニル、メタルキル、アミド、ハロ、ウレア、オキシラニル、アジリジニル、オキサゾリニル、イミダゾリニル、ピロリドン、ベンジル、フェニル、スルホナート、ホスホネート、イソシアネート、イソチオシアナート、ピペラジニル、エチルピペラジニル、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、アジド、エポキシド、エチルイミン、直鎖又は分岐鎖C1-C18アルキル、C1-C3アルコキシ、C1-C18アルキルエステル、チオラン、モルホリニル、保護されたDETA、ポリエチレングリコール、ポリフッ化部分及びデンドロンからなる群から選ばれる同じ又は異なる部分であることができる。
zは、1から、所与の世代Gについて(C)及び(BR)に関して可能な理論的数値までの、表面基の数を意味し、以下の式:
【数2】

(式中、
G、Nb及びNcは上記で定義されたとおりである。)
により導かれ、
ただし、(EX)又は(IF)の少なくとも1つが存在する。}
により表される、前記製剤。
【請求項2】
Gが、0、1又は2である、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
式(I)のPEHAMデンドリマーが以下の:
[(C)=TMPTGE;(FF)=Et;(IF1)=OH;(BR1)=DEA;(TF)=OH;G=1];
[(C)=TMPTGE;(FF)=Et;(IF1)=OH;(BR1)=TRIS;(TF)=OH;G=1];
[(C)=PETGE;(IF1)=OH;(EX1)=トリアゾール;(BR1)=PETriGE;(IF2)=OH;(BR2)=DEA;(TF)=OH;G=2];
[(C)=TMPTGE;(FF)=Et;(IF1)=OH;(BR1)=IDA;(TF)=CO2Na;G=1];
[(C)=TMPTGE;(FF)=Et;(IF1)=OH;(BR1)=IDA;(TF)=CO2NBu4;G=1];又は
[(C)=TMPTGE;(IF1)=OH;(BR1)=DETA;(TF)=一級NH2;G=1]
のいずれか一つである、請求項1に記載の製剤。
【請求項4】
前記(EX)が、トリアゾール、ピペラジン又はモルホリンである、請求項1に記載の製剤。
【請求項5】
前記(BR)が、DEA、DEIDA、DETA、TREN及びTRISである、請求項1に記載の製剤。
【請求項6】
前記(FF)が、Et及びOHである、請求項1に記載の製剤。
【請求項7】
(TF)が、アミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、炭酸塩、カルボキシエチル、CO2-N(テトラ−アルキル)、及びアミノである、請求項1に記載の製剤。
【請求項8】
qが1〜64であり、OHである少なくとも1つの(IF)が存在する、請求項1に記載の製剤。
【請求項9】
前記農業的活性要素が、殺昆虫剤、除草剤、殺真菌剤又は植物ホルモンである、請求項1に記載の製剤。
【請求項10】
前記農業的活性要素が、アバメクチン、アセフェート、アセトクロル、アシフルオルフェン、アラクロル、アトラジン、ベネフィン、ベノミル、ベンタゾン、キャプタン、カルボフラン、クロロピクリン、カルバリル、クロロタラニル、クロロタロニル、クロルピリホス、クロルスルフロン、シアナジン、水酸化銅、硫酸銅、シヘキサチン、シペルミトリン、ダラポン、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4−D)、DCPA、ジアジノン、ジカンバ、ジクロホップメチル、ジメテナミド、ジフルベンズロン、ジノセブ、ジウロン、エンドサル、EPTC、エテホン、フェルバム、フルアジホップ、グリホサート、ハロキシホップ、マラチオン、マンコゼブ、MCPP、メタラキシル、メタラキシル−M、メトラクロル、メトラクロル−s、メトリブジン、MSMA、ナプタラム、ペンジメタリン、ペルメトリン、ピクロラム、プロパクロル、プロパニル、セトキシジン、シマジン、S−メトラクロル、スルフェントラゾン、スルホサート、テメホス、テルブホス、トリクロピル、トリフルラリン、トリホリン又はジネブである、請求項9に記載の製剤。
【請求項11】
前記殺真菌剤が、銅塩である、請求項9に記載の製剤。
【請求項12】
前記製剤が、農業的に許容可能な散剤、ダスト、粒剤、液剤、濃縮製剤、懸濁製剤、乳剤、スプレー、ゲル又はエアロゾルの形態である、請求項1に記載の製剤。
【請求項13】
前記農業的活性要素が、前記製剤からの制御放出を可能とされている、請求項1に記載の製剤。
【請求項14】
前記植物又は種子への施用回数が減少される、請求項12または13に記載の製剤。
【請求項15】
請求項1に記載の製剤で植物又は種子を処理する方法であって、ここで、農業的活性要素の有効性又は活性の持続時間が増加される、前記方法。
【請求項16】
前記製剤が前記農業的活性要素の溶解度を増加させる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記製剤が、前記農業的活性要素の植物表面への付着を改善する、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記製剤が、前記植物又は種子への前記農業的活性要素の耐水性を改善する、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記製剤が、前記農業的活性要素の植物の植物組織又は種子中への浸透(吸収)を改善する、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記製剤が、前記農業的活性要素の土壌浸透を増加させる、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記製剤が、前記農業的活性要素の土壌付着を減少させて、前記農業的活性要素が植物の根又は地下部分に到達することを可能とする、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記製剤の使用によって、前記製剤が前記植物又は種子をUV損傷から保護する、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記製剤が、前記植物のUV露出の間、UV損傷から前記農業的活性要素を保護する、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
前記製剤が、前記植物又は種子或いは土壌中の微生物による前記農業的活性要素の酵素分解を減少させる、請求項15に記載の方法。

【公表番号】特表2013−508460(P2013−508460A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−536971(P2012−536971)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【国際出願番号】PCT/US2010/054164
【国際公開番号】WO2011/053605
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(512108865)デンドリティック ナノテクノロジーズ,インコーポレイテッド (1)
【出願人】(512109220)スターファーマ プロプライアタリー リミティド (1)
【Fターム(参考)】