説明

農産物の選別装置

【課題】無端回動する選別コンベアの構造の複雑化を招かず、また空の受体の供給途切れにより農産物のスムーズな供給が中断することの心配がなく、選別処理量の安定化が図れる、農産物の仕分の際に農産物を落下排出することなくすくい取るようにして受取れる農産物の選別装置を提供。
【解決手段】選別コンベア1の無端回動チェーンに昇降受皿装置を複数固定し、この昇降受皿装置は、無端回動チェーンに固定される固定部材に対し、農産物Vが載置される受皿をX字リンク機構を介して昇降可能に支持した構成とし、フラッパ902により受皿に設けた回転体112をガイド部材901に案内することで受皿が昇降動作を行い、受皿の櫛歯状に並ぶ支持部材111が引出コンベア7の櫛歯状に並ぶ細幅の引出コンベアベルトにオーバーラップした最上位置から受皿が降下する際、引出コンベア7に対して農産物Vの移載が行なわれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農産物を選別包装して出荷する選果場において用いるのに好適な農産物の選別装置に係り、特に胡瓜、人参、茄子などの細長い外形形状を有する農産物を仕分区分毎に選別する農産物の選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の農産物の選別装置の一例としては、胡瓜を一個ずつ横向きに載せる多数のバケットを備えたバケットコンベアと、このバケットコンベアの搬送方向上流側に配置し、搬送されるバケット上の農産物の品質(等級、階級)を判定するための計測装置と、この計測装置から見て前記バケットコンベアの搬送方向下流側で、該バケットコンベアの搬送方向に沿って且つ前記バケットコンベアの下方に各仕分区分毎に配置され、該バケットコンベアの搬送方向と直交する方向に延びる複数の引出コンベアとを備えている。
【0003】
この農産物の選別装置は、前記計測装置による計測結果に基づいて各バケット上の農産物の品質が判定されると、判定結果がコンピュータに記憶され、品質が判定された農産物入りのバケットが該当する仕分位置に到達すると、バケットコンベアの上方に配置されている電磁ソレノイドがオン動作し、搬送されるバケットの転回機構を動作させてそのバケットを下方に回動させ、バケット上の農産物を下方の引出コンベアに落下排出させる。
【0004】
一方、農産物を落下させずに仕分排出する農産物の選別装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
この農産物の選別装置は、果菜を載置する多数の受体と、水平方向に回動軸を有する無端状チェーンからなり、無端回動する走行体と、この走行体に所定間隔で設けられ、昇降可能とする複数の受体支持具と、前記走行体の走行軌道よりも外側に配置されて無端回動する空の受体を循環させる受体循環装置とを有し、前記走行体の搬送方向上流側において前記受体を搬送される前記受体支持具に一つずつ順次装着させる。
【0006】
この受体支持具に果菜を一本ずつ手作業などにより搬送方向と直交する方向(幅方向と称す)に沿った横向きに載置させ、これら受体上の果菜は搬送途中に設けた等級識別センサにより等級が識別される。等級識別センサにより等級が判定された果菜を載置した受体がこの走行体の搬送領域において、該当する等級の仕分位置に到達すると、受体支持具が上昇を開始して受体が持ち上げられる。
【0007】
この受体は上記幅方向に3つのブロック体を隙間を有して配置した構成としており、上記仕分位置の上方には細幅のベルトコンベアが隙間を隔てて配置された構成の果菜引継ぎ搬送体が設けられている。上方に持ち上げられた受体は、そのブロック体間の上記隙間に細幅のベルトコンベアの搬送方向上流側端が差し込まれるように搬送され、その後に前記受体支持具の降下で受体が沈み込むのに伴い、受体支持具に載置された果菜が上記果菜引継ぎ搬送体の2つの細幅のベルトコンベア上にすくい取るように引き継がれる。
【0008】
このようにして果菜引継ぎ搬送体に引き継がれた果菜は、走行体と並行して配置されたコンベアへ排出されて梱包される。また、果菜が存在しなくなった受体は走行体の搬送路の終端で受体支持具から分離されて専用の上記受体循環装置に案内されて再び上記走行体の始端側へ戻される。
【0009】
また、走行体の搬送路の終端において未だ果菜が載置されている受体については、受体
支持具を上昇させ、当該受体を上方へ持ち上げながら搬送させ、この受体が2本のベルトコンベアからなる受体引継ぎ搬送体の搬送上流端の上部に達すると、この受体支持具が降下を始め、この受体がこの受体引継ぎ搬送体の2本のベルトコンベア上にすくい取るように引き継がれる。そして、この受体引継ぎ搬送体上を搬送される受体上の果菜は手作業で取り出され、空となった受体はもう一つの受体循環装置に案内されて前述した受体循環装置に合流する。
【特許文献1】特許第2706041号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述したバケット反転式の農産物の選別装置にあっては、以下のような難点がある。
【0011】
1)仕分排出時に引出コンベア上に胡瓜を落下排出させるので、引出コンベア上に排出した際の衝撃により胡瓜を傷める虞がある。
【0012】
2)引出コンベア上で跳ね返って胡瓜同士が折り重なる場合があり、その際胡瓜の表面のイボ落ちの心配もある。
【0013】
3)バケットコンベアと直交する方向に引出コンベアを設けているので、選別装置の広い設置面積が必要となる。
【0014】
また、走行体の受体支持具に対して受体を着脱可能とした後者の農産物の選別装置にあっては、以下のような難点がある。
【0015】
1)引継ぎ搬送体上の果菜を並行するコンベアに排出して箱詰するのに斜め方向に配置した引出コンベアを用いているので、選別装置の広い設置面積が必要となる。
【0016】
2)受体と受体支持具とを着脱可能とし、走行体の搬送始端部に送り込まれる受体と走行回転する受体支持具とをタイミングを計って結合する構成を採用しているため、装置の複雑化を招き、装置のコスト高を招く。
【0017】
3)果菜が取り上げられて空となった受体を回収する受体循環装置を2系統用意し、この2系統の受体循環装置をそれぞれ移動する受体が合流して走行体の搬送始端部に供給されるため、空の受体を走行体の搬送始端部に途切れなく供給するには、等級分布率によって2系統の循環搬送装置に送り込まれる空の受体の数が定まらないことから、空の受体の供給制御が個数設定を含めて難しく、このため空の受体を受体循環装置上にプールしておく必要がある。
【0018】
本発明の目的はこのような観点に鑑みなされたもので、無端回動する選別コンベアの構造の複雑化を招かず、また空の受体の供給途切れにより農産物のスムーズな供給が中断することの心配がなく、選別処理量の安定化が図れる、農産物の仕分の際に農産物を落下排出することなくすくい取るようにして受取れる農産物の選別装置を提供しようとするものである。
【0019】
また、本発明の他の目的は、装置の設置面積を極力低減できる農産物の選別装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
第1の発明は、請求項1に記載のように、農産物が載置される受皿を昇降手段を介して
昇降可能に連結した昇降受皿装置を搬送方向に沿って複数固定した無端回動する選別コンベアと、前記受皿上の農産物あるいは前記受皿に供給する前段階で搬送される農産物の品質判定を行なう品質判定部と、前記選別コンベアの搬送路の上方に該選別コンベアの搬送方向に沿って適当間隔を有して品質区分毎に配置され、前記受皿から移載された農産物を搬送する複数の取出手段と、前記各取出手段に対応してそれぞれ設けられ、前記受皿を前記選別コンベアの回動により搬送される前記昇降受皿装置の移動に伴って該当する品質区分の取出手段に向けて上昇後元の高さまで降下させる受皿昇降作動手段と、を有し、前記受皿昇降作動手段により前記受皿が上昇した際に、前記受皿の農産物支持部と前記取出手段の搬送始端部側とは搬送方向及び上下方向において入り込み、該受皿が最上昇位置から降下する際に該受皿上の農産物を前記取出手段へ移載することを特徴とする農産物の選別装置とするものである。
【0021】
第2の発明は、請求項2に記載のように、上記第1の発明で、前記取出手段の搬送路は、前記選別コンベアの搬送方向と同方向に沿って延びていることを特徴とする。
【0022】
第3の発明は、請求項3に記載のように、上記いずれかの発明で、前記昇降受皿装置は、前記選別コンベアの搬送方向に沿った長さに対し、該搬送方向と直交する幅方向の長さを長く形成して長物農産物を該幅方向に沿って支持可能とする受皿と、無端回動する無端回動手段側に固定された固定部材と、前記固定部材と前記受皿とを上下方向で連結する搬送方向の前後に対向して一対設けられたX字リンク機構からなる昇降手段と、を有することを特徴とする。
【0023】
第4の発明は、請求項4に記載のように、上記いずれかの発明で、前記受皿昇降作動手段は、前記選別コンベアの搬送方向に沿って配置され、搬送方向上流側から順に上り坂のガイド面,頂部の水平ガイド面,下り坂のガイド面からなるガイド部材と、前記受皿が降下している通常搬送状態において該受皿に設けられた回転体の移動軌跡上に進出して該回転体を前記上り坂のガイド面に案内する位置と、該通常搬送状態における該回転体の移動軌跡から退避して該回転体を通過させる位置との間を前記品質判定結果に基づく信号により切換可能に移動する切換部材とを有することを特徴とする。
【0024】
第5の発明は、請求項5に記載のように、上記第1、第2のまたは第3の発明で、前記受皿昇降作動手段は、前記選別コンベアの搬送方向に対して直交方向に移動自在の移動部材の移動動作により前記昇降手段が昇降動作を行なう前記昇降受皿装置に対し、前記移動部材に設けられた回転体と係合して該回転体を該移動部材の移動方向に往復移動させる案内部材と、前記受皿が降下している通常搬送状態において該回転体の移動軌跡上に進出して該回転体を該案内部材に案内する位置と、該通常搬送状態における該回転体の移動軌跡から退避して該回転体を通過させる位置との間を前記品質判定結果に基づく信号により切換可能に移動する切換部材とを有することを特徴とする。
【0025】
第6の発明は、請求項6に記載のように、上記いずれかの発明で、前記受皿は、前記選別コンベアの搬送方向に延び、且つ該搬送方向と直交する方向の幅が狭い支持部材を該搬送方向と直交する方向に間隔を有して複数配置した櫛歯状の構成とし、前記昇降受皿装置の固定部材には、前記支持部材の間に配置され、前記受皿が降下している通常搬送状態で前記複数の支持部材上に支持される農産物を補助的に支持する補助支持部材を有することを特徴とする。
【0026】
第7の発明は、請求項7に記載のように、上記いずれかの発明で、前記選別コンベアの搬送方向に沿って配置された複数の取出手段を、品質区分が上位の第1の仕分部と、品質区分が下位の第2の仕分部とに分け、前記第2の仕分部における取出手段から搬送される農産物を、前記選別コンベアと直交する方向に延びる排出コンベアへ移載することを特徴とする。
【0027】
第8の発明は、請求項8に記載のように、上記いずれかの発明で、前記取出手段で取出された農産物を収納した製品箱を前記選別コンベアの下方に配置した製品箱排出コンベアに送込み、該製品箱排出コンベア上の製品箱を排出する製品箱搬送装置を備えたことを特徴とする。
【0028】
第9の発明は、請求項9に記載のように、上記いずれかの発明で、前記選別コンベアの仕分部には、該選別コンベアを挟んで両側に箱詰作業エリアを設けたことを特徴とする。
【0029】
第10の発明は、請求項10に記載のように、上記いずれかの発明で、前記取出手段は、複数の引出コンベア部を搬送方向に沿って連続的に配置し、最も上流側の第1の引出コンベア部が前記選別コンベアと略等速で駆動され、続く第2の引出コンベア部が前記第1の引出コンベア部よりも遅い搬送速度で駆動されることを特徴とする。
第11の発明は、請求項11に記載のように、上記いずれかの発明で、前記取出手段は、前記受皿からの農産物を搬送方向最上流側から下流側に向かって順次移載させる複数の引出コンベア部を有し、前記全ての引出コンベア部または前記選別コンベアから農産物が移載される引出コンベア部の下流側の引出コンベア部に対し、移載された農産物の下端部に当接して搬送方向前後で支持する支持手段を搬送面上に有することを特徴とする。
第12の発明は、請求項12に記載のように、上記第11の発明において、前記引出コンベア部の支持手段は、無端回動するベルトの表面に搬送方向に沿って一定間隔で突設された弾性部材からなる突起部であることを特徴とする。
第13の発明は、請求項13に記載のように、上記第11の発明において、前記引出コンベア部の支持手段は、無端回動するベルトの表面に設けられた多数本のブラシであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
請求項1に係る発明によれば、農産物、特に胡瓜等の長い農産物を等級などの品質毎に取出手段に仕分排出する際に、上方位置の受皿上の農産物を上方から降下させながら移載することで衝撃を与えることがない。このような構成を実現する昇降受皿装置は、選別コンベアに固定されているため、従来のように受皿の脱着を行なうタイプの選別装置に比べ、構造をシンプルにすることができ、コストの低減化を図ることができる。また搬送始端側では空の受皿が常に用意されているので、農産物を途切れなく受皿に供給することができる。
【0031】
請求項2に係る発明によれば、ベルトコンベアなどで構成される取出手段の搬送路が選別コンベアの搬送方向と同方向に沿って延びているので、従来のように選別コンベアの周囲に引出用のコンベアを各仕分区分毎に設ける必要がなくなり、選果場おける選別装置の設置面積を極力減らすことができる。
【0032】
請求項3に係る発明によれば、受皿には胡瓜、なす等の長い農産物をはみ出すことなく横向きにして載置するのに適した形状となっており、また受皿の垂直方向の昇降を案内する昇降手段をX字リンク機構としているので、昇降の際に昇降受皿装置から外にX字リンク機構の構成部材が飛び出ることがない。
【0033】
請求項4に係る発明によれば、ガイド部材を例えば台形状に形成するという簡単な構成で受皿を昇降させることができる。
【0034】
請求項5に係る発明によれば、昇降受皿装置の底面側に受皿昇降作動手段を配置し、受皿昇降動作手段や回転体を隠すことができるので、外観的にすっきりとした装置とすることができる。
【0035】
請求項6に係る発明によれば、計測装置が受皿上の農産物を撮像する場合に、例えば胡瓜の曲がり部分が支持部材から外れていても、この補助支持部材でこれを支持するため、胡瓜の全体形状を正確に撮像することができる。
【0036】
請求項7に係る発明によれば、下位の品質区分(等級)の農産物だけを別の場所に排出コンベアで排出することができるので、上位の品質区分の農産物を箱詰した製品箱と混ざるようなことはない。
【0037】
請求項8に係る発明によれば、各品質区分の農産物を収納した製品箱は選別コンベアの
下方に配置した製品箱排出コンベアを介して排出されるので、専用の製品箱排出コンベアを各取出手段毎に選別コンベアと直交方向に設ける必要がなく、選果場における選別装置の設置面積を極力低減することができる。
【0038】
請求項9に係る発明によれば、選別コンベアの搬送速度を速めても、確実に農産物を箱詰することができる。
【0039】
請求項10に係る発明によれば、第2の引出コンベア部に多くの農産物をプールさせることができるので、多くの農産物を一度に製品箱に収納することができ、作業者による農産物の箱詰作業の効率化が図れる。
請求項11に係る発明によれば、引出コンベア上に移載される農産物の転動を支持手段により防止することができ、大きく転動して農産物の表面を傷めることが防げる。
請求項12に係る発明によれば、搬送方向前後の突起部間で農産物を支持できるので、農産物を安定して支持することができる。
請求項13に係る発明によれば、多数のブラシは乗り移った農産物の下端部の外形形状に略合致して可撓弾性変形するので、農産物をガタなくしっかりと支持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
(第1の実施の形態)
図1〜図9は本発明の第1の実施の形態を示す。
【0041】
図1は本実施の形態による農産物の選別装置を2列に並列に配置した上面図、図2は図1のA−A矢視図、図3は図1のB−B矢視図、図4は図3の詳細図、図5は図1のC−C矢視図である。図6〜図8は選別コンベアに固定された昇降受皿装置の構成を示し、図6は上面図、図7は受皿が降下した状態を示す図6のD−D矢視図、図8は受皿が上昇した状態を示す図6のD−D矢視図である。図9は引出コンベアの上面図である。なお、図中、矢印Pは選別コンベア1の搬送方向、矢印Qは引出コンベア7の搬送方向、矢印Rは第2の仕分部5の排出コンベアの搬送方向を示す。
【0042】
水平方向に回動軸を有して無端回動する選別コンベア1は、対向する一対の無端回動手段である無端回動チェーン101A、101Bの間に複数の昇降受皿装置102を一定間隔で取り付け、矢印P方向に昇降受皿装置102を搬送する。選別コンベア1の搬送方向始端部には、胡瓜、人参、茄子などの細長の農産物Vを昇降受皿装置102上に作業者Wにより手作業で供給する農産物供給部2が配置され、コンテナ搬送コンベア201上のコンテナ202内の農産物Vを昇降受皿装置102上に横向きにして一個ずつ載置する。
【0043】
農産物供給部2から選別コンベア1の搬送方向下流側には、農産物の品質を判定するためにカメラなどからなる計測装置3が配置され、計測装置3で撮像した農産物の撮像情報が品質判定装置301に送信される。
【0044】
計測装置3から選別コンベア1の搬送方向下流側には第1の仕分部4が配置され、さらにこの第1の仕分部4の下流側には第2の仕分部5が配置されている。第1の仕分部4には等級などの品質に応じた各品質区分(仕分区分)毎に受皿昇降作動装置9が搬送方向に沿って配置され、また例えば規格外の農産物Vを取出す第2の仕分部5にも同様の受皿昇降作動装置9が配置されている。
【0045】
また、第1の仕分部4では、選別コンベア1を挟んでその両側に製品箱801が用意される製品箱搬送装置8のエリアが配置されている。
【0046】
品質判定装置301では、撮影情報から外観形状、長さなどを求め、等級、階級などの品質を判定する。品質判定装置301からは判定結果に基づく仕分信号が該当する仕分区分の受皿昇降作動装置9に当該農産物が載置されている昇降受皿装置102に到達するタイミングに合わせて出力される。
【0047】
第1の仕分部4には各受皿昇降作動装置9に対応して、それぞれ取出手段である引出コンベア7が配置されている。これらの引出コンベア7は、選別コンベア1の真上で搬送面
よりも上方位置に配置されており、これらの引出コンベア7の搬送方向Qは選別コンベア1の搬送方向Pと同方向としている。
【0048】
また、第2の仕分部5では、2つの仕分区分を用意し、第1の仕分部4の引出コンベア7と同様の引出コンベア7が各受皿昇降作動装置毎に設けられ、引出コンベア7からの農産物Vを選別コンベア1と直交方向に延びる排出コンベア51に移載して箱詰部まで排出できるようにしている。なお、この排出コンベア51は2列の選別コンベア1に対して共用するようにしている。
【0049】
第1の仕分部4において、各引出コンベア7毎に製品箱搬送装置8が設けられ、引出コンベア7に取出された同じ品質の農産物Vを作業者Wの手作業によって製品箱搬送装置8に用意された空の製品箱801に収納する。
【0050】
この製品箱搬送装置8は、図5に示すように、ダンボール箱などからなる製品箱801を載置する載置台802を支持フレーム803に対して昇降可能に設け、この載置台802を電動モータ804などから構成される昇降駆動機構により最大上昇位置まで上昇させるとこの位置で停止し、載置台802上の空の製品箱801に仕分られた農産物Vを収納できるようになっている。製品箱801内に所定数(重量)の農産物Vを収納すると、作業者Wが降下スイッチ(不図示)をオンして載置台802を引渡しコンベア806と同レベルとなる所定位置まで降下させる。
【0051】
載置台801上はローラコンベア807で構成され、この降下位置で該ローラコンベア807は、製品箱801を矢印a方向に駆動される引渡しコンベア806に引き渡す。この引渡しコンベア806に引き渡された製品箱801は、この製品箱801をさらに製品箱排出コンベア6に排出する。
【0052】
ここまでは、本実施の形態による農産物の選別装置の全体的な概略構成について説明したが、以下に農産物を選別コンベア1から引出コンベア7に落下させることなくスムーズに移載できる農産物Vを載せる受皿として機能する昇降受皿装置102、受皿昇降作動装置9、引出コンベア7の構成を説明する。
【0053】
図6に示すように、一対のチェーン101Aと101Bの間には搬送方向Pに沿って複数のステー103が差し渡されており、搬送方向Pに沿って隣接するステー103には、搬送方向Pに沿って矩形平板状の支持板104が一対のチェーン101Aと101Bの内側にそれぞれ設けられている。ここで、説明を容易とするために、図6に示すステー103の中で、搬送方向前方のステー103を前ステー103A、後方のステー103を後ステー103Bと仮に呼ぶ。また、搬送方向と直交する方向を左右方向と称す。
【0054】
支持板104は、搬送方向Pに沿って細長く形成されており、長さ方向の途中で屈曲されていて、搬送方向Pで見て長さ方向の前方部分104Aと後方部分104Bとが平行であるが、該長さ方向の後方部分104Bが長さ方向の前方部分104Aよりも左右方向の外側に広がるように屈曲されている。
【0055】
また、支持板104の前方には前ステー103Aに密嵌合する嵌合孔104Cが形成され、支持板104の後方には後ステー103Bに対して搬送方向Pに遊嵌する長溝104Dが形成されている。昇降受皿装置102は、この支持板104に取り付けており、選別コンベア1の回動始端及び終端のギア105A、105Bに昇降受皿装置102が通過する際に、長溝104Dが後ステー103Bに対して相対移動することで前ステー103Aと後ステー103Bとの直線距離の変化を吸収し、選別コンベア1のスムーズな回動を保証している。
【0056】
昇降受皿装置102は、一対のチェーン101Aと101Bの内側にそれぞれ設けられている左右の支持板104に固定された矩形形状の下側枠体部106と、この下側枠体部106に被さるように配置される矩形形状の上側枠体部107と、下側枠体部106に対して上側枠体部107を垂直に昇降させるために2本のリンク部材108と109を連結ピン110AによりX字状に連結して構成され、搬送方向Pに沿って前後方向に一対設けられたX字リンク機構110とを有している。
【0057】
さらに、昇降受皿装置102は、上側枠体部107に取り付けられ、左右方向で見て略M字形状に形成された複数の支持部材111と、上側枠体部107の左側側面から左側外方に向けて突出する円筒状のコロ部材からなる回転体112と、下側枠体部106に取り付けられ、左右方向で見て上端が水平な枠状に形成された補助支持部材113とを有している。
【0058】
複数の支持部材111は、左右方向に沿って所定の間隔で略同じ高さを有して上側枠体部107に固定されており、前後方向の略中央部に形成されたくぼみ111Aに胡瓜等の農産物Vが安定して載置されるようになっている。また、補助支持部材113は、上側枠体部107が下側枠体部106に当接する降下位置において、支持部材111の高さよりも少し低い高さを有して支持部材111の間に配置され、農産物Vとして例えば曲がった胡瓜を複数の支持部材111に載置した際、図7に示すように、農産物Vの両端部又は片端部をこの補助支持部材113で支持することにより農産物Vを全体的に略水平な姿勢で載置させ、計測装置3で農産物Vを計測する際に、農産物Vの全体形状を撮像できるようにしている。この補助支持部材113は図7及び図8に示すように、左右方向の最も外側に配置されている支持部材111の内側にそれぞれ配置されているが、これに限定されることなく適宜の位置に配置することができる。
【0059】
なお、上側枠体部107とこの上側枠体部107に固定された複数の支持部材111とで構成されるものを受皿114と称す。
【0060】
また、図8に示すように、この受皿114が受皿昇降作動装置9を構成するガイド部材901により最も高い位置まで上昇した状態において、受皿114の支持部材111のくぼみ111Aの下端は引出コンベア7の搬送面よりも上方に位置するようになっている。
【0061】
受皿114を下側枠体部106に対して垂直に昇降案内する、2本のリンク部材108と109をX字状に連結して構成されるX字リンク機構110は、一方のリンク部材108の長さ方向下端部に取り付けられたコロ108Aが下側枠体部106の側辺に形成された左右方向に長い長孔106Aに左右方向移動可能に嵌合され、他方のリンク部材109の長さ方向上端部に取り付けられたコロ109Aが上側枠体部107の側辺に形成された左右方向に長い長孔107Aに左右方向移動可能に嵌合されている。また、一方のリンク部材108の長さ方向上端部は連結ピン108Bを介して上側枠体部107の側辺に回動自在に連結され、他方のリンク部材109の長さ方向下端部は連結ピン109Bを介して下側枠体部106の側辺に回動自在に連結されている。
【0062】
図7に示す状態から回転体112を上方に持ち上げると、図8に示すようにコロ108Aとコロ109Aがそれぞれ長孔106Aと107A内を図中左側に水平移動しながらX字リンク機構110を構成する一対のリンク部材108と109が起き上がり、前後一対のX字リンク機構110に支持された受皿114は、水平姿勢を保持して垂直に上方に移動する。
【0063】
引出コンベア7は、図1、図5、図8及び図9に示すように、細幅の無端回動ベルト7
01を一定の間隔を有して左右方向に複数列配置して構成され、各無端回動ベルト701の搬送方向上流側にあっては、隣接する無端回動ベルト701の間の隙間には障害物がない櫛歯状に形成された第1の引出コンベア部702と、細幅の無端回動ベルト703を一定の間隔を有して左右方向に複数列配置して構成され、第1の引出コンベア部702よりも搬送方向Q下流側に配置された第2の引出コンベア部704とにより構成されている。
【0064】
図9に示すように、第1の引出コンベア部702は、搬送終端部側の駆動軸706に複数の駆動プーリ705が固定され、モータ707によりタイミングベルト707Aを介してこの駆動軸706が駆動される。第1の引出コンベア部702は搬送方向Qの上流端部に従動プーリ708が不図示の支持体を介して回動自在に支持され、これらの各従動プーリ708と駆動プーリ705との間に無端回動ベルト701が掛け回されている。
【0065】
また、第2の引出コンベア部704は、第1の引出コンベア部702の駆動軸706に複数の従動プーリ709を回動自在に軸支し、モータ710によりタイミングベルト711を介して駆動される駆動軸712に複数の駆動プーリ713を固定し、これらの各従動プーリ709と駆動プーリ713との間に無端回動ベルト703が掛け回されている。したがって、第1の引出コンベア部702の無端回動ベルト701と、第2の引出コンベア部704の無端回動ベルト703とは別々に駆動制御することができる。たとえば第2の引出コンベア部704の搬送速度(v2)を選別コンベア1の搬送速度と略等速の第1の引出コンベア702の搬送速度(v2)よりも遅く設定すれば、第1の引出コンベア702で搬送されて来る複数の農産物Vの間隔を第2の引出コンベア部704で狭くして搬送できるので、第2の引出コンベア部704の搬送距離が短くても多くの農産物Vをゆっくりとプール部714に向けて搬送することができる。
【0066】
第2の引出コンベア部704上の農産物Vはそのままプール部714に搬送しても良いが、作業者Wによる手作業で製品箱搬送装置8の載置台802上の製品箱801に直接収納するようにしても良い。また一旦このプール部714にプールされた農産物Vをこの製品箱801に収納するようにしても良い。なお、第2の引出コンベア部704を設けずに第1の引出コンベア部702のみで引出コンベア7を構成しても良い。
【0067】
図5、図8及び図9に示すように、第1の引出コンベア部702を構成する複数の無端回動ベルト701の隙間に、受皿114の支持部材111がそれぞれ入り込むように無端回動ベルト701の間隔と、受皿114に対する左右方向の位置が決められている。
【0068】
したがって、農産物Vを支持した受皿114が農産物Vの支持面が引出コンベア7の搬送面よりも上方まで持ち上げられ、かつ選別コンベア1の搬送により農産物Vの支持部分が引出コンベア7の第1の引出コンベア部702の搬送方向始端部側にオーバーラップする位置まで入り込み、その後受皿114を滑らかに降下させると、受皿114上の農産物Vが引出コンベア7上に衝撃が加わることなく移載されることになる。また、引出コンベア7が選別コンベアと略等速であるために、引出コンベア7上で農産物Vが転がることもない。
【0069】
受皿114の引出コンベア7に対するこのような一連の動作は、各仕分位置に設けた受皿昇降作動装置9を構成するガイド部材901に上側枠体部107に取り付けた回転体112が案内されることにより行なわれる。
【0070】
受皿昇降作動装置9を構成するガイド部材901は、選別コンベア1の搬送方向Pと直交する方向から見て略台形に形成され、水平に形成された頂部のガイド面901Aは、引出コンベア7の搬送始端位置で見て搬送方向Qの前後方向の領域に渡り形成され、支持部材111のくぼみ111Aが引出コンベア7の搬送面よりも上方位置まで受皿114を上
昇させる。
【0071】
ガイド部材901は、水平に形成されたガイド面901Aと、ガイド面901Aの搬送方向上流側及び下流側のなだらかな上り坂と下り坂のガイド面901B、901Cとから形成されている。受皿114は図7に示す降下位置の状態(通常搬送状態と称す)で選別コンベア1により搬送され、この状態で上り坂のガイド面901B及び下り坂のガイド面901Cの下端は回転体112の移動軌跡と干渉しない高さとして受皿114が通過できるようにしている。
【0072】
ガイド部材901の上り坂のガイド面901Bの下端側には、回転体112を上り坂のガイド面901Bに導くための第1のフラッパ902が水平方向に作動軸を有し、該作動軸が正逆方向に回転する電磁ソレノイド903により正逆回転可能に設けられている。第1のフラッパ902は、ガイド部材901と同幅(左右方向の長さ)に形成されていて、上面が図3及び図4中一点鎖線で示す上り坂のガイド面901Bと連なって同じ傾斜面となる位置(以下ピックアップ位置と称す)に回動すると、この第1のフラッパ902は通常搬送状態にある受皿114の回転体112の移動軌跡と干渉する。また、この第1のフラッパ902は、通常搬送状態にある受皿114の回転体112の移動軌跡から退避する図3及び図4中実線で示す退避位置に移動可能となっており、通常この第1のフラッパ902は上述の退避位置に待機している。
【0073】
そして、該当する仕分区分の受皿114が受皿昇降作動装置9に近づくと、この近づくタイミングに合わせて品質判定装置301から仕分信号が電磁ソレノイド903に出力され、電磁ソレノイド903の作動軸を正方向に回転して第1のフラッパ902を退避位置からピックアップ位置へと素早く回動し、当該受皿114の回転体112をこの第1のフラッパ902の上面に案内する。第1のフラッパ902から上り坂のガイド面901Bに回転体112が移動すると、直ちに電磁ソレノイド903を逆方向に回転させて第1のフラッパ902を退避位置に戻し、次の受皿114を通過させるか否かの信号が品質判定装置301から送信されるのを待つ。
【0074】
受皿昇降作動装置9により昇降動作を受ける受皿114は、搬送方向Pに移動しながら受皿114は上り坂のガイド面901Bに案内される回転体112の移動軌跡に従って上昇を開始し、回転体112が上り坂のガイド面901Bを上りきって最上位置である水平のガイド面901Aに到達すると、受皿114の支持部材111は農産物Vが支持されるくぼみ111Aが引出コンベア7の第1のコンベア部702の搬送面よりも上方の位置に達している。回転体112がこの水平のガイド面901Aに案内されて搬送方向Pに沿って前進すると、受皿114の複数の支持部材111は図4及び図9に示すように第1の引出コンベア部702の無端回動ベルト701の間に入り込む。
【0075】
そして、回転体112が水平のガイド面901Aから下り坂のガイド面901Cに移動すると、受皿114は第1の引出コンベア部702の無端コンベアベルト701に支持部材111がオーバーラップした状態で降下を始める。支持部材111のくぼみ111Aが第1の引出コンベア部702の搬送面まで降下し、さらに降下すると、複数の支持部材111に支持されていた農産物Vが第1の引出コンベア部702の複数の無端回動ベルト701に支持されてこの農産物が引出コンベア7に移載されることになる。その際、図4に示すように、受皿114が最上位置から第1の引出コンベア部702の搬送面までの降下距離は小さく、また下り坂のガイド面901Cの下り傾斜に沿って受皿114に支持されている農産物Vが降下するので、農産物Vは引出コンベア7への移載の際に殆ど衝撃を受けることがない。
【0076】
この下り坂のガイド面901Cを下るように案内された受皿114の回転体112は、
第2のフラッパ904の上面を案内されて通常搬送状態の移動軌跡まで戻り、搬送方向Pに移動する。この第2のフラッパ904は、第1のフラッパ902と外形形状は略同様であるが、モータによる回動は行なわず、上面が下り坂のガイド面901Cに連なって同じ傾斜となり、通常搬送状態にある受皿114の回転体112の移動軌跡と干渉する干渉位置に不図示の付勢手段により位置させている。また、この第2のフラッパ904は、図3及び図4中時計周り方向に回転可能であり、搬送方向Pに移動する通常搬送状態にある受皿114の回転体112がこの第2のフラッパ904の背面に当接すると、第2のフラッパ904は回転体112の搬送方向Pへの移動力で前記付勢手段の不勢力に抗して時計回り方向に回動し、通常搬送状態にある受皿114の回転体112の通過を許容する。
【0077】
回転体112との干渉が解除された第2のフラッパ904は、前記付勢手段の不勢力により直ちに元の干渉位置まで戻され、下り坂のガイド面901Cを下るように案内された回転体112がいつでもこの第2のフラッパ904を案内されて元の通常搬送状態の軌跡に戻れるようにしている。
【0078】
なお、この第2のフラッパ904は、第1のフラッパ902と同様に電磁ソレノイドなどのアクチュエータにより駆動できるようにしても良い。
【0079】
第1の仕分部4に用意された仕分区分以外の品質の農産物Vについては、例えば規格外あるいは不良品として出荷しない場合には、第2の仕分部5において受皿昇降作動装置9により受皿114上の農産物Vが引出コンベア7から排出コンベア51に移送され、排出コンベア51の終端で例えば手作業でコンテナなどに収納される。この第2の仕分部5における引出コンベア7は、図9に示す第1の引出コンベア部702のみで構成されている。なお、この第2の仕分部5は必ずしも必要とはせず、規格外あるいは不良品の農産物Vについても第1の仕分部4にこれに該当する仕分区分を用意することもできる。
【0080】
選別コンベア1により搬送方向Pに移動する昇降受皿装置102がこの第2の仕分部5を経て、ギア105Bを通過すると、正立状態から逆向きの倒立状態となって搬送されることとなり、受皿114は下方に垂れ下がるため、受皿114の支持部材111が損傷する虞がある。そこで、ギア105Bからギア105Aにわたる選別コンベア1のリターン搬送路において、図2及び図5に示すように、通常搬送状態にある昇降受皿装置102における回転体112に当接して受皿114が垂れ下がるのを規制するストッパーレール115を配置している。
【0081】
このため、選別コンベア1のリターン搬送路を移動する倒立状態の昇降受皿装置102は、受皿114の回転体112が下方のストッパーレール115に当接し、それ以上受皿114が垂れ下がらないので、昇降受皿装置102はスムーズに該リターン搬送路を搬送始端側に向けて移動する。そして、この昇降受皿装置102が正立状態まで移動すると、ストッパーレール115から離れ、受皿昇降作動装置9による受皿114に対する昇降動作が行なわれる。
【0082】
以上のように本第1の実施の形態によれば、農産物Vを支持した受皿114の昇降動作の途中で引出コンベア7の第1の引出コンベア部702に農産物Vを受渡しする複数の昇降受皿装置102を無端回動する選別コンベア1に固定した構成とし、受皿部分を着脱する従来の構成に比べて装置の単純化が図れることになる。
【0083】
また、第1の仕分部4に配置の各引出コンベア7は選別コンベア1の真上に並列的に配置され、選別コンベア1と直交する方向に向けて長く延びるようなことがないこと、製品箱搬送装置8は選別コンベア1の下方の空間を利用して農産物Vが収納された製品箱801の排出を行なうようにしているため、選別コンベア1の搬送方向Pに沿った周囲に余分
なスペースを確保する必要がなくなり、農産物の選別装置が配置される選果場のスペースを有効利用することができる。特に第2の仕分部5を廃止すればスペースの有効利用をより一層図ることができる。
【0084】
(第2の実施の形態)
図10〜図15は本発明の第2の実施の形態を示す。
【0085】
図10は本第2の実施の形態による農産物の選別装置を2列に並列に配置した上面図、図11は図10のA−A矢視図、図12〜図14は図10及び図11に示す選別コンベアに固定された昇降受皿装置の構成を示し、図12は上面図、図13は受皿が降下した状態を示す図10のB−B矢視図、図14は受皿が上昇した状態を示す図10のC−C矢視図である。図15は図10に示す選別コンベアの昇降案内溝の切換部分を示す上面図である。なお、図10から15において、図1から図9において示す要素と同じ要素には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0086】
上記した第1の実施の形態では、選別コンベア1の始端部を農産物供給部2まで延ばしていたが、本実施の形態では、選別コンベア1の始端部を計測装置3による計測処理が終了した後の位置から開始するようにしている。また、本実施の形態において、農産物供給部2では円筒状のローラ203Aを僅かな隙間を有して並設し、矢印Sに向けて無端回動するローラコンベア203が配置され、農産物Vをローラ203A間に横向きにして載置するようにしている。
【0087】
このローラコンベア203の搬送方向下流側には、受皿114の支持部材111と同様な櫛歯状の無端回動するバケットコンベア204が配置され、ローラコンベア203からの農産物Vがバケットコンベア204のバケット205に移載される。バケット205に移載された農産物Vが選別コンベア1に向けて移動する途中に計測装置3が配置され、バケット205に載置されている農産物Vが計測装置3により上面計測及び下面計測される。
【0088】
バケットコンベア204の搬送端には、第1の実施の形態において説明した引出コンベア7の第1の引出コンベア部702と同じ複数の細幅ベルトコンベア701から構成される引渡しコンベア206が水平に配置されている。この引渡しコンベア206の搬送面の高さは、上記した第1の引出コンベア部702の搬送面と同じ高さとしている。
【0089】
引渡しコンベア206は、選別コンベア1の搬送始端部の上方まで延びており、農産物Vが支持されていない昇降受皿装置102の受皿114は、この引渡しコンベア206の下方に位置する。ここで、受皿114が上昇を開始すると、受皿114の支持部材111が引き渡しコンベア206の細幅の無端回動ベルトの間に入り込み、さらに受皿114を上昇させると、支持部材111のくぼみ111Aに引渡しコンベア206上の農産物Vが載置するようにして受皿114に引渡しコンベア206の農産物Vが引き渡される。
【0090】
この引渡しコンベア206には、バケットコンベア204により一定間隔で所定のタイミングで農産物Vが移載されるので、この間隔およびタイミングを選別コンベア1による昇降受皿装置102の間隔と搬送タイミングとに合わせるようにすれば、個々の昇降受皿装置102に順に農産物Vを引き渡しコンベア206から引き渡すことができる。
【0091】
昇降受皿装置102の受皿114がX字リンク機構110により垂直に昇降案内する構成は第1の実施の形態と同様であるが、本実施の形態では図12〜図14に示すように、X字リンク機構110を構成する一方のリンク部材108の下端部を下側枠部材106の長孔106A内で左右方向に移動させ、この左右方向の動きをX字リンク機構110で昇
降方向に変換することにより受皿114を昇降させる。
【0092】
本実施の形態において、昇降受皿装置102の下側枠部材106の搬送方向の側辺に形成された長孔106Aにスライダ125を左右方向移動自在に取り付けている。このスライダ125は、側面略凹形状に形成され、下側枠部材106に対して下側から嵌まり込むように配置されている。
【0093】
このスライダ125は、搬送方向に延びる底板部125Aの両端部で直角に折曲された折曲部125Bにおいて、一方のリンク部材108の下端部に取り付けられたコロ108Aが同軸に取り付けられると共に、このコロ108Aが嵌合している長孔106Aに嵌合するもう一つのコロ125Cが取り付けられている。
【0094】
また、このスライダ125の底板部125Aの外面部に上下方向に回転軸を有する円筒状のコロ部材からなる回転体である回転体120が取り付けられている。
【0095】
図13及び図14に示すように、スライダ125の左右方向における移動範囲内で、スライダ125が右端に位置する状態は図13に示す通常搬送状態であり、該移動範囲内でスライダ125が左端に位置する状態は図14に示す受皿114が最も上昇した受皿最上昇状態となる。
【0096】
受皿114に対する通常搬送状態と受皿最上昇状態との設定は、選別コンベア1の機台126において、昇降受皿装置102の搬送軌道よりも内周側に設けられた上板127に形成した案内部材である昇降案内溝に回転体120が案内されることにより決定される。この昇降案内溝は、受皿114が前記通常搬送状態となる位置で回転体120を案内する第1の案内溝121と、受皿114が前記受皿最上昇状態となる位置で回転体120を案内する第2の案内溝122を有している。
【0097】
図11に示すように、選別コンベア1の搬送始端側で全ての昇降受皿装置102の受皿114を上昇させる場合には、第1の案内溝121に案内している回転体120を第2の案内溝122に滑らかに移動させるように屈曲あるいは湾曲した上昇用の案内溝を用いることにより、この上昇用の案内溝の傾斜に沿って回転体120が移動することで受皿114が徐々に上昇し、引き渡しコンベア206上の農産物Vがゆっくりと受皿に引き渡される。その後第1の仕分部4に達する前に、全ての昇降受皿装置102の回転体120を第2の案内溝122から第1の案内溝121に戻すように同様の降下用の案内溝を設ければよい。
【0098】
一方、第1の仕分部4及び第2の仕分部5においては、図15に示すように、受皿昇降作動装置としての案内溝切換装置128が各仕分区分毎に設けられている。この案内溝切換装置128は、上下方向に回転軸を有する電磁ソレノイド124で正逆転方向に回動される切換フラッパ123を備え、搬送方向Pで見て第1の案内溝121の左側に第2の案内溝122が平行に配置され、第1の案内溝121から第2の案内溝122が分岐する分岐部分には左側方向に傾斜した傾斜案内溝部122Aが設けられている。そして第1の案内溝121に対してこの傾斜案内溝部122Aが接合する箇所に切換フラッパ123が配置されている。
【0099】
この切換フラッパ123は、実線で示す位置に移動している場合には、回転体120を第2の案内溝122に導くことなくそのまま第1の案内溝121を通過させ、受皿114を通常搬送状態に維持する。また、第1の実施の形態で説明した仕分信号がこの電磁ソレノイド124に送信されると、切換フラッパ123を二点鎖線で示すように第1の案内溝121内に斜めに入り込む位置に回動させる。その結果、回転体120はこの切換フラッ
パ123により傾斜案内溝部122Aに向けて案内され、回転体120の搬送路が切換わる。その後直ちに電磁ソレノイド124は切換フラッパ123を実線で示す位置に戻す。
【0100】
傾斜案内溝部122Aを備えた第2の案内溝122は、第1の実施の形態におけるガイド部材901と同じ機能を有するものと考えることができ、傾斜案内溝部122Aは上り坂のガイド面901B、第2の案内溝122は水平のガイド面901Aに相当する。また、図15には示していないが第2の案内溝122の下流側には第1の案内溝121に戻るように傾斜した戻り案内溝部が設けられ、この戻り案内溝部が第1の実施の形態における下り坂のガイド面901Cに相当する。
【0101】
また、前記戻り案内溝部が第1の案内溝121に合流する箇所には、第1の切換フラッパ123と同様の形状の第2のフラッパ904に相当する戻り案内用フラッパ(不図示)が第1の案内溝121を遮るように配置され、前記戻り案内溝部から第1の案内溝121に回転体120がスムーズに戻れるようにしている。この戻り案内用フラッパは、ばね等の不図示の付勢手段により第1の案内溝121を遮るように付勢されるが、第1の案内溝121を通過してきた回転体120に押されて回動し、この回転体120の通過を許容できるようになっている。
【0102】
以上のように、昇降受皿装置102が該当する仕分区分の案内溝切換装置128の切換フラッパ123に近づくと、切換フラッパ123が第1の案内溝121内に入り込み、回転体120を傾斜案内溝部122Aに案内し、第2の案内溝122に導く。これにより、回転体120と一体のスライダ125が搬送方向Pに見て右側から左側に水平移動を始めてX字リンク機構110の上昇動作が行なわれ、農産物Vを支持した受皿114が引出コンベア7の第1の引出コンベア部702の搬送面よりも上方の位置まで持ち上げられる。
【0103】
そして、前記戻り案内溝部へと案内されることにより、受皿114が降下を始め、第1の実施の形態と同様にして第1の引出コンベア部702に農産物が受皿114から移載される。
【0104】
なお、本実施の形態においては回転体120を対向する2本のガイドレールによって形成された案内溝に案内させているが、一本のガイドレールに走行体を嵌合させ、この走行体をスライダ125と一体に取り付けるようにしても良い。
【0105】
以上説明したように、本第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果に加え、さらに選別コンベア1に対して自動的に農産物Vを供給する際、昇降受皿装置102の上昇動作を利用して農産物Vを受皿114に衝撃なく移載することができる。
【0106】
(第3の実施の形態)
図16および図17は本発明の第3の実施の形態を示す。なお、図16、図17において、図1から図15に示した実施の形態の部材と同じ部材には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0107】
上記した各実施の形態において、引出コンベア7を構成する第1の引出コンベア部702の搬送速度(v1)に対し、第2の引出コンベア部704の搬送速度(v2)を遅くした場合、第1の引出コンベア部702から第2の引出コンベア部704に胡瓜などの長物の農産物Vが乗り移る際、農産物Vに慣性力が働き、慣性力が大きいと第2の引出コンベア部704上で農産物Vが転がることが考えられる。
【0108】
そこで、本第3の実施の形態では、第2の引出コンベア部704を構成する複数の細幅の無端回動ベルト703の中で、幅方向両端を除く内側の複数(本実施の形態では3本)の無端回動ベルト703Aの表面に、無端回動ベルト703Aの幅と同幅の突起部としてのひだ状の突片703A−1を一定間隔で形成し、農産物Vを前後の突片703の間で支持するようにしている。
【0109】
本実施の形態における突片703A−1は、ゴム等の可撓性を有する弾性部材により形成され、搬送方向に向かって傾斜して立設されている。農産物Vが第1の引出コンベア部702から第2の引出コンベア部704に乗り移る際、乗り移り位置が突片703A−1上であると、突片703A−1が搬送方向前方に倒れるが、農産物Vが慣性力で搬送方向前方へ若干転動し、あるいは突片703A−1自身の弾性復元力で突片703A−1が弾性力により起立する。したがって、図16のA部詳細図に示すように、農産物Vはその下端部において、前後の突片703A−1により支持され、農産物Vの転動が防止される。
【0110】
また、農産物Vが第1の引出コンベア部702から第2の引出コンベア部704に乗り移る際、乗り移り位置が突片703A−1の間であると、そのままの姿勢で前後の突片703A−1に支持され、農産物Vの転動が防止される。
【0111】
(第4の実施の形態)
図18は本発明の第4の実施の形態を示す。なお、図18において、図1から図17に示した実施の形態の部材と同じ部材には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0112】
上記した第3の実施の形態では、第1の引出コンベア部702から第2の引出コンベア部704に農産物Vが乗り移る際に、第2の引出コンベア部704の無端回動ベルト703Aの表面に突片703A−1を一定間隔に設け、農産物Vの下端部を前後の突片703A−1間で支持することにより、低速の第2の引出コンベア部704に高速の第1のコンベア部702から農産物Vが乗り移る際の転動を防止するようにしているが、本実施の形態では、第2のコンベア部704を構成する複数の細幅の無端回動ベルト703の中で、幅方向両端を除く内側の複数(本実施の形態では3本)の無端回動ベルト703Bをその表面に多数本のブラシを設けたブラシベルトとしている。
【0113】
表面をブラシ状とした無端回動ベルト703Bに乗り移った農産物Vは、ブラシによりその前後部を支持されるので、低速の第2の引出コンベア部704に高速の第1のコンベア部702から農産物Vが乗り移る際の転動を防止できる。
【0114】
(第5の実施の形態)
図19および図20は本発明の第5の実施の形態を示す。なお、図19、図20において、図1から図18に示した実施の形態の部材と同じ部材には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0115】
上記した第3、第4の実施の形態では、第1の引出コンベア部702から第2の引出コンベア704へ農産物Vが乗り移る際に農産物Vが転動するのを防止するために、第2の引出コンベア部704の両側の無端回動ベルト703を除いた内側3本の無端回動ベルト703Aに一定間隔に突片703A−1を設け、あるいは該内側3本の無端回動ベルト703Bを表面に多数本のブラシを設けたブラシベルトとすることにより、農産物Vをの搬送方向の前後において支持している。
【0116】
これに対し本実施の形態では、選別コンベア1の受皿114から第1の引出コンベア702に農産物Vが乗り移る際に、第1の引出コンベア702上で転動することを防止するようにしたものである。
【0117】
本実施の形態では、第1の引出コンベア702における幅方向両端側の細幅の無端回動ベルト701を除く内側の複数本(本実施の形態では2本)の無端回動ベルト701Aに搬送方向に沿って一定の間隔で円柱状の突起部701A−1を設けている。この突起部701A−1は、スポンジなどの軟弾性を有する弾性部材により形成され、農産物Vが突起部701A−1に柔らかく当接してできる限り農産物の表面を傷めないようにしている。第1の引出コンベア部702の搬送速度(v1)は選別コンベア1の搬送速度(v1)と等速度であるため、農産物Vが受皿114から第2の引出コンベア部704へ乗り移る場合に比べて農産物の転動の発生は非常に少なく、転動しても大きく転がることは無いので、腰の弱いスポンジなどの軟弾性を有する弾性部材からなる突起部701A−1でも十分に乗り移った農産物Vを前後の突起部701A−1で支持することができる。
【0118】
なお、本実施の形態では、第2の引出コンベア部704を第3の実施の形態の突片703A−1を備えた無端回動ベルト703Aを用いた構成としているが、第4の実施の形態のブラシ状の無端回動ベルト703Bを用いても良い。
【0119】
本実施の形態によれば、仕分けされた農産物Vは2回にわたり受渡されるが、選別コンベア1から第1の引出コンベア702への移載の際には第1の引出コンベア部702の無端回動ベルト701Aに設けた突起部701A−1により支持されて転動が防止され、第1の引出コンベア部702から第2の引出コンベア部704へ移載される際には無端回動ベルト703Aの突片703A−1(あるいは無端回動ベルト703Bのブラシ)により支持されるので、プール部714まで転動することなく搬送される。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】本発明による農産物の選別装置を2列に並列に配置した第1の実施の形態の上面図
【図2】図1のA−A矢視図
【図3】図1のB−B矢視図
【図4】図3の詳細図
【図5】図1のC−C矢視図
【図6】選別コンベアに固定された昇降受皿装置の上面図
【図7】受皿が降下した状態を示す図6のD−D矢視図
【図8】受皿が上昇した状態を示す図6のD−D矢視図
【図9】図1の排出コンベアの上面図
【図10】本発明による農産物の選別装置を2列に並列に配置した第2の実施の形態の上面図
【図11】図10のA−A矢視図
【図12】図10の昇降受皿装置の上面図
【図13】受皿が降下した状態を示す図10のB−B矢視図
【図14】受皿が上昇した状態を示す図10のC−C矢視図
【図15】図10に示す選別コンベアの昇降案内溝の切換部分を示す上面図
【図16】本発明による農産物選別装置の第3の実施の形態を示す正面図
【図17】図16の上面図
【図18】本発明による農産物選別装置の第4の実施の形態を示す正面図
【図19】本発明による農産物選別装置の第5の実施の形態を示す正面図
【図20】図19の上面図
【符号の説明】
【0121】
V 農産物
W 作業者
1 選別コンベア
101A、101B 無端回動チェーン 102 昇降受皿装置
103 ステー 104 支持板 105A、105B ギア
106 下側枠体部 106A 長孔 107 上側枠体部
107A 長孔 108、109 リンク部材 110 X字リンク機構
110A 連結ピン 111 支持部材 111A くぼみ
112 回転体 113 補助支持部材 114 受皿
115 ストッパーレール 108A、109A コロ
108B、109B 連結ピン 120 回転体
121 第1の案内溝 122 第2の案内溝
122A 傾斜案内溝部 123 切換フラッパ 124 電磁ソレノイド
125 スライダ 125A 底板部 125B 折曲部
125C コロ 126 機台 127 上板
128 案内溝切換装置
2 農産物供給部
201 コンテナ搬送コンベア 203A ローラ
204 バケットコンベア 205 バケット 206 引渡しコンベア
3 計測装置
301 品質判定装置
4 第1の仕分部
5 第2の仕分部
51 排出コンベア
6 製品箱排出コンベア
7 引出コンベア
701 無端回動ベルト 702 第1の引出コンベア部
701A 無端回動ベルト 701A−1 突起部
703 無端回動ベルト 704 第2の引出コンベア部
703A、703B 無端回動ベルト 703A−1 突片
705、713 駆動プーリ 706、712 駆動軸
707、710 モータ 707A、711 タイミングベルト
708、709 従動プーリ 714 プール部
8 製品箱搬送装置
801 製品箱 802 載置台 803 支持フレーム
804 電動モータ 806 引渡しコンベア
807 ローラコンベア
9 受皿昇降作動装置
901 ガイド部材 901A、901B、901C ガイド面
902 第1のフラッパ 903 電磁ソレノイド
904 第2のフラッパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
農産物が載置される受皿を昇降手段を介して昇降可能に連結した昇降受皿装置を搬送方向に沿って複数固定した無端回動する選別コンベアと、
前記受皿上の農産物あるいは前記受皿に供給する前段階で搬送される農産物の品質判定を行なう品質判定部と、
前記選別コンベアの搬送路の上方に該選別コンベアの搬送方向に沿って適当間隔を有して品質区分毎に配置され、前記受皿から移載された農産物を搬送する複数の取出手段と、
前記各取出手段に対応してそれぞれ設けられ、前記受皿を前記選別コンベアの回動により搬送される前記昇降受皿装置の移動に伴って該当する品質区分の取出手段に向けて上昇後元の高さまで降下させる受皿昇降作動手段と、
を有し、
前記受皿昇降作動手段により前記受皿が上昇した際に、前記受皿の農産物支持部と前記取出手段の搬送始端部側とは搬送方向及び上下方向において入り込み、該受皿が最上昇位置から降下する際に該受皿上の農産物を前記取出手段へ移載することを特徴とする農産物の選別装置。
【請求項2】
前記取出手段の搬送路は、前記選別コンベアの搬送方向と同方向に沿って延びていることを特徴とする請求項1に記載の農産物の選別装置。
【請求項3】
前記昇降受皿装置は、前記選別コンベアの搬送方向に沿った長さに対し、該搬送方向と直交する幅方向の長さを長く形成して長物農産物を該幅方向に沿って支持可能とする受皿と、無端回動する無端回動手段側に固定された固定部材と、前記固定部材と前記受皿とを上下方向で連結する搬送方向の前後に対向して一対設けられたX字リンク機構からなる昇降手段と、を有することを特徴とする請求項1または2に記載の農産物の選別装置。
【請求項4】
前記受皿昇降作動手段は、
前記選別コンベアの搬送方向に沿って配置され、搬送方向上流側から順に上り坂のガイド面,頂部の水平ガイド面,下り坂のガイド面からなるガイド部材と、
前記受皿が降下している通常搬送状態において該受皿に設けられた回転体の移動軌跡上に進出して該回転体を前記上り坂のガイド面に案内する位置と、該通常搬送状態における該回転体の移動軌跡から退避して該回転体を通過させる位置との間を前記品質判定結果に基づく信号により切換可能に移動する切換部材とを有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の農産物の選別装置。
【請求項5】
前記受皿昇降作動手段は、前記選別コンベアの搬送方向に対して直交方向に移動自在の移動部材の移動動作により前記昇降手段が昇降動作を行なう前記昇降受皿装置に対し、前記移動部材に設けられた回転体と係合して該回転体を該移動部材の移動方向に往復移動させる案内部材と、前記受皿が降下している通常搬送状態において該回転体の移動軌跡上に進出して該回転体を該案内部材に案内する位置と、該通常搬送状態における該回転体の移動軌跡から退避して該回転体を通過させる位置との間を前記品質判定結果に基づく信号により切換可能に移動する切換部材とを有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の農産物の選別装置。
【請求項6】
前記受皿は、前記選別コンベアの搬送方向に延び、且つ該搬送方向と直交する方向の幅が狭い支持部材を該搬送方向と直交する方向に間隔を有して複数配置した櫛歯状の構成とし、前記昇降受皿装置の固定部材には、前記支持部材の間に配置され、前記受皿が降下している通常搬送状態で前記複数の支持部材上に支持される農産物を補助的に支持する補助支持部材を有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の農産物の選別装置。
【請求項7】
前記選別コンベアの搬送方向に沿って配置された複数の取出手段を、品質区分が上位の第1の仕分部と、品質区分が下位の第2の仕分部とに分け、前記第2の仕分部における取出手段から搬送される農産物を、前記選別コンベアと直交する方向に延びる排出コンベアへ移載することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の農産物の選別装置。
【請求項8】
前記取出手段で取出された農産物を収納した製品箱を前記選別コンベアの下方に配置した製品箱排出コンベアに送込み、該製品箱排出コンベア上の製品箱を排出する製品箱搬送装置を備えたことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の農産物の選別装置。
【請求項9】
前記選別コンベアの仕分部には、該選別コンベアを挟んで両側に箱詰作業エリアを設けたことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の農産物の選別装置。
【請求項10】
前記取出手段は、複数の引出コンベア部を搬送方向に沿って連続的に配置し、最も上流側の第1の引出コンベア部が前記選別コンベアと略等速で駆動され、続く第2の引出コンベア部が前記第1の引出コンベア部よりも遅い搬送速度で駆動されることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の農産物の選別装置。
【請求項11】
前記取出手段は、前記受皿からの農産物を搬送方向最上流側から下流側に向かって順次移載させる複数の引出コンベア部を有し、前記全ての引出コンベア部または前記選別コンベアから農産物が移載される引出コンベア部の下流側の引出コンベア部に対し、移載された農産物の下端部に当接して搬送方向前後で支持する支持手段を搬送面上に有することを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の農産物の選別装置。
【請求項12】
前記引出コンベア部の支持手段は、無端回動するベルトの表面に搬送方向に沿って一定間隔で突設された弾性部材からなる突起部であることを特徴とする請求項11に記載の農産物の選別装置。
【請求項13】
前記引出コンベア部の支持手段は、無端回動するベルトの表面に設けられた多数本のブラシであることを特徴とする請求項11に記載の農産物の選別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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