説明

農薬粒剤

【課題】
農薬活性成分の水中での溶出が抑制され、農薬活性成分の効果を長期間持続する農薬粒剤を提供すること。
【解決手段】
農薬活性成分と、α化デンプンと、ベントナイトと、を含有する農薬粒剤であって、
前記農薬活性成分の20℃における水溶解度が700mg/L未満、且つ、20℃におけるオクタノール/水分配係数が1.4〜3.5の範囲内であり、
α化デンプン100重量部に対する、ベントナイトの含有量が20〜800重量部である農薬粒剤は、
農薬活性成分の水中での溶出が抑制され、農薬活性成分の効果を長期間持続できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農薬粒剤に関する。
【背景技術】
【0002】
農薬製剤として農薬粒剤が知られている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の農薬粒剤(以下、本粒剤と記す。)は、農薬活性成分と、α化デンプンと、ベントナイトと、を含有する農薬粒剤であって、前記農薬活性成分の20℃における水溶解度が700mg/L未満、且つ、20℃におけるオクタノール/水分配係数が1.4〜3.5の範囲内であり、
α化デンプン100重量部に対する、ベントナイトの含有量が20〜800重量部の農薬粒剤である。
オクタノール/水分配係数は一般にLogPと呼ばれる化合物の物性値の一つである。以下、オクタノール/水分配係数をLogPと記す。
農薬活性成分の水中での溶出を抑制する方法として、農薬粒剤を樹脂によって被覆する方法が一般に行われている。本発明では、本粒剤自体が農薬活性成分の水中での溶出を抑制する効果を有するので、本発明の農薬粒剤は樹脂によって被覆される必要はない。
したがって、本粒剤の一態様として、
農薬活性成分と、α化デンプンと、ベントナイトと、を含有する樹脂非被覆型の農薬粒剤であって、前記農薬活性成分の20℃における水溶解度が700mg/L未満、且つ、20℃におけるオクタノール/水分配係数が1.4〜3.5の範囲内であり、
α化デンプン100重量部に対する、ベントナイトの含有量が20〜800重量部の農薬粒剤をあげることができる。
【0014】
本発明に用いられる、農薬活性成分は20℃における水溶解度が700mg/L未満、且つ、20℃におけるLogPが1.4〜3.5の範囲内である。かかる農薬活性成分としては、例えば次に示す殺虫化合物、殺菌化合物及び除草化合物が挙げられる。
【0015】
本発明に用いられる農薬活性成分としては、例えば(1)20℃における水溶解度が100mg/L未満、且つ、20℃におけるLogPが1.4〜3.5の範囲内である農薬活性成分、及び、(2)20℃における水溶解度が200mg/L以上700mg/L未満、且つ、20℃におけるLogPが1.4〜3.5の範囲内である農薬活性成分が挙げられる。
本粒剤中の農薬活性成分の含有量は、通常0.1〜25重量%、好ましくは0.5〜15重量%の範囲である。
【0016】
本発明に用いられる殺虫化合物としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
一般名:ビフェナゼート[化学名:イソプロピル 3−(4−メトキシビフェニル−3−イル)カルバザート、水溶解度:2.06mg/l(20℃)、LogP:3.4、25℃・pH7]、
一般名:ダイアジノン[化学名:O,O−ジエチル O−2−イソプロピル−6−メチルピリミジル−4−イル ホスホロチオエート、水溶解度:60mg/l(20℃)、LogP:3.3]、
一般名:ベンスルタップ[化学名:S,S’−2−ジメチルアミノトリメチレンジ(ベンゼンチオスルフォナート、水溶解度:0.448mg/l(20℃)、LogP:2.28(25℃))、
一般名:フェニトロチオン[化学名:O,O−ジメチル O―4−ニトロ−m−トリル ホスホロチオエート、水溶解度:14mg/l(35℃)、LogP:3.43(20℃)]、
一般名:フルバリネート[化学名:RS−αシアノ−3−フェノキシベンジル N−(2−クロロ−α,α,αトリフルオロ−p−トリル)−DL−バリナート、水溶解度:30mg/l(20℃)、LogP:2.9]、
一般名:ホスチアゼート[化学名:(RS)−S−セカンダリ−ブチル O−エチル 2−オクソ−1,3−チアゾリジン−3−イルホスホノチオエート、水溶解度:9.85g/l(20℃)、LogP:1.68]、
一般名:DMTP[化学名:S−2,3−ジヒドロ−5−メトキシ−2−オキソー1,3,4−チアジアゾール−3−イルメチル O,O−ジメチルホスホロジチオエート、水溶解度:200mg/l(25℃)、LogP:2.2]、
一般名:ピラクロホス[化学名:(RS)−[O―1−(4−クロロフェニル)ピラゾールー4−イル O―エチル=S−プロピル=ホスホロチオアート、水溶解度:33mg/l(20℃)、LogP:3.77(20℃)]、
一般名:チオジカルブ[化学名:3,7,9,13−テトラメチル−5,11−ジオキサ−2,8,14−トリチア−4,7,9,12−テトラ−アザペンタデカ−3,12−ジエン−6,10−ジオン、水溶解度:22.2μg/l(25℃)、LogP:1.62]。
【0017】
本発明に用いられる殺菌化合物としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
一般名:ベノミル[化学名:メチル 1−(ブチルカルバモイル)ベンゾイミダゾール−2−イルカルバメート、水溶解度:2.9μg/l(室温、pH7)、LogP:1.37]、一般名:ボスカリド[化学名:2−クロロ−N−(4
−クロロビフェニル−2−イル)ニコチンアミド、水溶解度:4.6mg/l(20℃)、LogP:2.96]、
一般名:キャプタン[化学名:N−(トリクロロメチルチオ)シクロヘックス−4−エン−
1,2−ジカルボキシイミド、水溶解度:3.3mg/l(25℃)、LogP:2.8(25℃)]、
一般名:TPN[化学名:テトラクロロイソフタロニトリル、水溶解度:0.81mg/l(25℃)、LogP:2.92(25℃)]、
一般名:シアゾファミド[化学名:4−クロロ−2−シアノ−N,N−ジメチル−5−p−トリルイミダゾール−1−スルホンアミド、水溶解度:0.107ppm(20℃・pH7)、LogP:3.2(25℃)]、
一般名:ジエトフェンカルブ[化学名:イソプロピル3,4−ジエトキシカルバニラート、水溶解度:27.64mg/l(25℃)、LogP:3.02]、
一般名:ジチアノン[化学名:5,10−ジヒドロ−5,10−ジオキソナフト[2,3−b]−1,4−ジチイン−2,3−ジカルボニトリル、水溶解度:0.14mg/l(20℃・pH7)、LogP:3.2]、
一般名:フェンブコナゾール[化学名:4−(4−クロロフェニル)−2−フェニル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)ブチロニトリル、水溶解度:3.77mg/l(25℃)、LogP:3.23(25℃)]、
一般名:フェリムゾン[化学名:(z)−2’−メチルアセトフェノン=4,6−ジメチルピリミジンー2−イルヒトラジン、水溶解度:[208mg/l(20℃)]、LogP:2.89(25℃)]、
一般名:フルオルイミド[化学名:2,3−ジクロロ−N−4−フルオロフェニルマレイミド、水溶解度:0.611mg/l(20℃・pH5.4)、LogP:3.04(25℃)]、
一般名:フルスルファミド[化学名:2’,4−ジクロロ−α,α,α−トリフルオロ−4’−ニトロ−m−トルエンスルホンアニリド、水溶解度:1.25mg/l(20℃pH6.3)、LogP:2.8]、
一般名:フルトラニル[化学名:α,α,αトリフルオロ−3’−イソプロポキシ−o−トルアニリド、水溶解度:8.01mg/l(20℃)、LogP:3.17]、
一般名:フラメトピル[化学名:(RS)−5−クロロ−N−(1,3−ジヒドロー1,1,3−トリメチルイソベンゾフラン−4−イル)−1,3−ジメチルピラゾ−ル−4−カルボキサミド、水溶解度:[200mg/l(20℃)]、LogP:2.36(25℃)]、
一般名:フサライド[化学名:4,5,6,7―テトラクロロフタリド、水溶解度:2.5mg/l(25℃)、LogP:3.01]、
一般名:IBP[化学名:S−ベンジル O,O−ジイソプロピルフォスフォロチオエート、水溶解度:0.54g/l(20℃)、LogP:3.37(20℃・pH7)]、
一般名:イプロジオン[化学名:3−(3,5−ジクロロフェニル)−N−イソプロピル−2,4−ジオキソイミダゾリジン−1−カルボキサミド、水溶解度:13mg/l(20℃)、LogP:3(pH5)]、
一般名:イソプロチオラン[化学名:ジイソプロピル−1,3−ジチオラン−2−イリデンマロネート、水溶解度:48.5mg/l(20℃)、LogP:3.3(25℃)]、
一般名:クレソキシムメチル[化学名:メチル(E)−2−メトキシイミノ−[2−(2−(o−トリルオキシメチル)フェニル)アセタート、水溶解度:2mg/l(20℃)、LogP:3.4(25℃・pH7)]、
一般名:メパニピリウム[化学名:N−(4−メチル−6−プロパー1−イニルピリミジン−2−イル)アニリン、水溶解度:2.08mg/l(20℃・pH7)、LogP:3.28(20℃)]、
一般名:メタラキシル[化学名:メチル N−(メトキシアセチル)−N−(2,6−キシリル)−DL−アラニナート、水溶解度:8.4mg/l(22℃)、LogP:1.75]、
一般名:メトミノストロビン[化学名:(E)−2−メトキシイミノ−N−メチル−2−(2−フェノキシフェニル)アセトアミド、水溶解度:0.128g/l(20℃)、LogP:2.32(20℃)]、
一般名:ミクロブタニル[化学名:2−p−クロロフェニル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)ヘキサンニトリル、水溶解度:132mg/l(20℃)、LogP:2.94(25℃・pH7〜8)]、
一般名:ペフラゾエート[化学名:ペンタ−4−エニル N−フルフリル−N−イミダゾール−1−イルカルボニル−DL−ホモアラニナート、水溶解度:443mg/l(25℃)、LogP:3]、
一般名:プロシミドン[化学名:N−(3,5−ジクロロフェニル)−1,2−ジメチルシクロプロパン−1,2−ジカルボキシイミド、水溶解度:4.5mg/l(25℃)、LogP:3.14(26℃)]、
一般名:ピロキロン[化学名:1,2,5,6−テトラヒドロピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン、水溶解度:4g/l(20℃)、LogP:1.6]、
一般名:トリシクラゾール[化学名:5−メチルー1,2,4−トリアゾロ[3,4−b]ベンゾチアゾール、水溶解度:0.596g/l(20℃)、LogP:1.42]、
一般名:チオファネートメチル[化学名:ジメチル4,4’−(o−フェニレン)ビス(3−チオアロファナート)、LogP:1.5]、
一般名:チウラム[化学名:テトラメチルチウラムジスルファイド、5−メチルー1,2,4−トリアゾロ[3,4―b]ベンゾチアゾール、水溶解度:18mg/l(室温)、LogP:1.73]、
化学名:S−アリル5アミノ−2−イソプロピル−4−(2−メチルフェニル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−1ピラゾールカルボチオエート、水溶解度:20mg/l(20℃)、LogP:3.2。
【0018】
本発明に用いられる除草化合物としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
一般名:アトラジン[化学名:6−クロロ−N2−エチル−N4−イソプロピル−1,3,5−トリアジン−2,4−ジアミン、水溶解度:33mg/l(22℃・pH7)、LogP:1.6(25℃)]、
一般名:ベンスルフロンメチル[化学名:メチル=α(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルカルバモイルスルファモイル)−o−トルアート、水溶解度:67mg/l(25℃・pH7)、LogP:2.18(25℃・pH5)]、
一般名:シクロスルファムロン[化学名:1−[2−(シクロプロピルカルボニル)フェニルスルファモイル]−3−(4,6−ヂメトキシピリミジン−2−イル)尿素、水溶解度:6.52ppm(25℃・pH7)、LogP:1.41(25℃・pH7)]、
一般名:フルミオキサジン[一般名:N−(7−フルオロ−3,4−ジヒドロ−3−オキソ−4−プロパ−2−イニル−2H−1,4−ベンゾキサジン−6−イル)シクロヘキサ−1−エン−1,2−ジカルボキシアミド、水溶解度:1.79mg/l(25℃)、LogP:2.55]、
一般名:フルオメツロン[化学名:1,1−ジメチル−3−(α,α,αトリフルオロ−m−トリル)尿素、水溶解度:110mg/l(20℃)、LogP:2.38]、
一般名:フルチアミド[化学名:4’−フルオロ−N−イソプロピル−2−(5−トリフルオロメチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イルオキシ)アセトアニリド、水溶解度:56mg/l(25℃・pH7)、LogP:3.2(24℃)]、
一般名:イソキサフルトール[化学名:5−シクロプロピル−1,2−オキサゾール−4−イル α,α,αトリフルオロ−2−メシル−p−トリル ケトン、水溶解度:6.2mg/l(20℃・pH5.5)、LogP:2.34]、
一般名:メフェナセット[化学名:2−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルオキシ)−N−メチルアセトアニリド、水溶解度:4mg/l(20℃)、LogP:3.23]、
一般名:メトリブジン[化学名:4−アミノ−6−ターシャリ−ブチル−3−(メチルチオ)−1,2,4−トリアジン−5−(4H)−オン、水溶解度:1.05g/l(20℃)、LogP:1.6(20℃・pH5.6)]、
一般名:ノルフルラゾン[化学名:4−クロロ−5−メチルアミノ−2−(α,α,αトリフルオロ−m−トリル)ピリダジン−3(2H)−オン、水溶解度:34mg/l(25℃)、LogP:2.45(25℃・pH6.5)]、
一般名:プロバニル[化学名:3’,4’−ジクロロプロピオンアニリド、水溶解度:130mg/l(20℃)、LogP:3.3(20℃)]。
【0019】
本発明に用いられる農薬活性成分としては、具体的にはS−アリル−5−アミノ−2−イソプロピル−4−(2−メチルフェニル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−1ピラゾールカルボチオエート、フサライド、フェリムゾン、フラメトピル及びトリシクラゾールが挙げられる。
【0020】
本発明には市販されているα化デンプンを用いることができる。市販されているα化デンプンとしては、例えばアミコールHF、アミコールC、アミコールKF、アミコールHG−N、アミコールBJ−2、アミコールW、スターチMH−A、アミコールA、アミコールFW(日澱化学)、日食アルスター、日食アルスターH、日食ワキシーα(日本食品化工)、コーンαY、コーンαS-1、工業用タピオカα、工業用タピオカαTP−2、小麦澱粉αWA-105(三和澱粉工業)、アミロックスNo.1及びアミロックスNo.1A(日本コーンスターチ)が挙げられる。
【0021】
ベントナイトとは、モンモリロナイトを主成分とする粘土である。本発明には市販されているベントナイトを用いることができる。市販されているベントナイトとしては例えば、クニゲルV1、クニゲルV2、クニボンド(クニミネ工業)、ベントナイト妙義、ベントナイト富士、ベントナイト浅間、ベントナイト赤城、ベントナイト榛名(ホージュン)、島根ベントナイト、出雲ベントナイト、関西ベントナイト(カサネン工業)、ミズカエース及びベンクレイ(水澤化学)が挙げられる。
【0022】
本粒剤において、α化デンプンとベントナイトとの含有比率は、α化デンプン100重量部に対して、ベントナイトが20〜800重量部であり、好ましくはベントナイトが20〜600重量部である。
本粒剤において、α化デンプンとベントナイトとの合計含有量は、通常5〜45重量%程度である。
【0023】
また、本粒剤は、増量剤成分として、本粒剤に含有される農薬活性成分及びα化デンプンと非反応性であり、且つ水に不溶性の固体が含有されていてもよい。かかる増量剤成分としては、例えば、カオリナイト、ディッカナイト、ナクライト、ハロサイト等のカオリン鉱物、クリソタイル、リザータイト、アンチコライト、アメサイト等の蛇紋石、パイロフィライト、タルク、ロウ石、白雲母、フェンジャイト、セリサイト、イライト等の雲母、クリストバライト、クォーツ等のシリカ、ドロマイト等の炭酸カルシウム、ハイデライト、ノントロナイト、サポナイト、へクトライト等のスメクタイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイトの合成スメクタイト、アタパルジャイト、セピオライト等の含水珪酸マグネシウム、ギプサム、石膏等の硫酸塩鉱物、ゼオライト、沸石、凝灰石、バーミキュライト、軽石、珪藻土、及び微粉ケイ酸が挙げられる。
【0024】
本粒剤において、α化デンプン、ベントナイト及び他の増量剤成分の合計含有量は、通常75〜99重量%、好ましくは80〜95重量%である。
【0025】
本粒剤には界面活性剤、結合剤、安定化剤、顔料等の製剤用助剤が含有されていてもよい。 界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンアルキルフェノールホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリルモノ脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、高級脂肪酸グリセリンエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アルキロールアミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のノニオン性界面活性剤、
ドデシルアミン塩酸塩等のアルキルアミン塩酸塩、ドデシルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモルホリニウム塩等のアルキル四級アンモニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ポリアルキルビニルピリジニウム塩等のカチオン性界面活性剤、及び
パルミチン酸ナトリウム等の脂肪酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルカルボン酸ナトリウム等のエーテルカルボン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、N−ラウロイルグルタミン酸ナトリウム等の高級脂肪酸のアミノ酸縮合物、高級アルキルスルホン酸塩、ラウリン酸エステルスルホン酸塩等の高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、ジオクチルスルホサクシネート等のジアルキルスルホコハク酸塩、オレイン酸アミドスルホン酸塩等の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸塩等のアルキルアリールスルホン酸塩、
アルキルアリールスルホン酸塩のホルマリン縮合物、
ペンタデカン−2−サルフェート等の高級アルコール硫酸エステル塩、ジポリオキシエチレンドデシルエーテルリン酸エステル等のポリオキシエチレンアルキル
リン酸エステル、スチレン−マレイン酸共重合体等のアニオン性界面活性剤が挙げられる。
本粒剤には、界面活性剤が通常、0.1〜5.0重量%含有される。
【0026】
結合剤としては、例えば、ポリビニルアルコール又はその誘導体が挙げられる。ポリビニルアルコール又はその誘導体を結合剤として使い場合は、市販されているポリビニルアルコール又はその誘導体を用いることができる。市販品されているポリビニルアルコール又はその誘導体としては、例えばG型ゴーセノール、A型ゴーセノール、N型ゴーセノール(日本合成化学)、部分けん化ポバール、中間けん化ポバール及び完全けん化ポバール(クラレ)が挙げられる。
本粒剤には、結合剤が、通常は0.1〜5.0重量%含有される。
【0027】
本粒剤は、農薬活性成分、α化デンプン、ベントナイト、及び他の成分の混合物に水を加えて混練し;得られた混練物を造粒し;造粒物を乾燥し;必要に応じて解砕、篩分、整粒等を行うことで、製造される。本粒剤の製造にあたり、混練の際に用いられる水量は、農薬活性成分、α化デンプン、ベントナイト、及び他の成分の混合物100重量部に対して、通常10〜40重量部である。
混練物造粒する方法としては、例えば押出造粒法が挙げられる。本粒剤の製造における押出造粒法は、押出造粒法として通常の方法で行うことができる。押出造粒には、通常0.5〜2.0mmφ、好ましくは0.7〜1.5mmφの孔を有するスクリーンを用いて行われる。押出造粒された後の造粒物は、通常30〜90℃、好ましくは50〜80℃で乾燥される。押出造粒で製造された本粒剤は、その粒長が通常0.5〜6.0mm、特に0.7〜4.0mmの範囲である。
本粒剤を製造する際に用いられる混練機としては、ニーダー、ナウターミキサー、レディゲミキサー等が挙げられる。押出造粒機としては、スクリュー型押出造粒機、ロール型押出造粒機、ディスクペレッター型押出造粒機、ペレットミル型押出造粒機、バスケット型押出造粒機、プレード型押出造粒機、オシレーティング型押出造粒機、ギア式押出造粒機、及びリングダイス式押出造粒機が挙げられる。押出造粒機として具体的には例えばツインドームグラン、ドームグラン、バスケットリューザー、ペレッターダブル(ダルトン)、畑式造粒機(畑鉄工)が挙げられる。
解砕及び整粒の方法としては、例えばマルメライザー(ダルトン)により押出造粒したものを湿式整粒する方法、及び乾燥した粒をピンミル等の解砕機により乾式整粒する方法が挙げられる。
【0028】
前記のような製造方法等により得られる本粒剤は、その荷重硬度が通常200g以上、好ましくは350g以上、より好ましくは400〜1000g程度のものである。本粒剤の荷重高度は、本粒剤の成分、混練条件、造粒条件等を適宜定めることで調整することができる。
【0029】
本粒剤は粒剤の一般的な散粒方法によって施用することができる。、かかる散粒方法としては、例えば手で直接散粒する方法、及び背負い式散粒機、パイプ散粒機、空中散粒機、動力散粒機、育苗箱用散粒機、トラクター等に搭載型散粒機、多口ホース散粒機、田植え機付属の散粒機等の散粒機を用いて散布する方法が挙げられる。また、本粒剤は、含有する農薬活性成分や使用目的に応じて、例えば、水田、乾田、育苗箱、畑地、果樹園、桑畑、温室、露地等の農耕地、及び森林、芝生、ゴルフ場、街路樹、道路、路肩、湿地、池、貯水池、川、水路、下水道等の非農耕地で使用することができる。
【0030】
本粒剤としては、例えば以下の態様が挙げられる。
農薬活性成分と、α化デンプンと、ベントナイトと、非イオン性界面活性剤と、を含有する農薬粒剤であって、
前記農薬活性成分の20℃における水溶解度が700mg/L未満、且つ、20℃におけるオクタノール/水分配係数が1.4〜3.5の範囲内であり、
α化デンプン100重量部に対する、ベントナイトの含有量が20〜800重量部である農薬粒剤。
【0031】
農薬活性成分と、α化デンプンと、ベントナイトと、非イオン性界面活性剤と、を含有する農薬粒剤であって、
前記農薬活性成分の20℃における水溶解度が700mg/L未満、且つ、20℃におけるオクタノール/水分配係数が1.4〜3.5の範囲内であり、
α化デンプン100重量部に対する、ベントナイトの含有量が20〜800重量部であり、
農薬粒剤全量に対するα化デンプン及びベントナイトの合計含有量が、5〜45重量%である農薬粒剤。
【0032】
農薬活性成分と、α化デンプンと、ベントナイトと、を含有する農薬粒剤であって、
前記農薬活性成分の20℃における水溶解度が700mg/L未満、且つ、20℃におけるオクタノール/水分配係数が1.4〜3.5の範囲内であり、
α化デンプン100重量部に対する、ベントナイトの含有量が20〜800重量部であり、
α化デンプン100重量部に対する、農薬活性成分の含有量が2〜500重量部である農薬粒剤。
【0033】
農薬活性成分と、α化デンプンと、ベントナイトと、を含有する農薬粒剤であって、
前記農薬活性成分の20℃における水溶解度が700mg/L未満、且つ、20℃におけるオクタノール/水分配係数が1.4〜3.5の範囲内であり、
α化デンプン100重量部に対する、ベントナイトの含有量が20〜800重量部であり、
α化デンプン100重量部に対する、農薬活性成分の含有量が2〜500重量部であり、
農薬粒剤全量に対するα化デンプン及びベントナイトの合計含有量が、5〜45重量%である農薬粒剤。
【0034】
農薬活性成分と、α化デンプンと、ベントナイトと、非イオン性界面活性剤と、を含有する農薬粒剤であって、
前記農薬活性成分の20℃における水溶解度が700mg/L未満、且つ、20℃におけるオクタノール/水分配係数が1.4〜3.5の範囲内であり、
α化デンプン100重量部に対する、ベントナイトの含有量が20〜800重量部であり、
α化デンプン100重量部に対する、農薬活性成分の含有量が2〜500重量部である農薬粒剤。
【0035】
農薬活性成分と、α化デンプンと、ベントナイトと、非イオン性界面活性剤と、を含有する農薬粒剤であって、
前記農薬活性成分の20℃における水溶解度が700mg/L未満、且つ、20℃におけるオクタノール/水分配係数が1.4〜3.5の範囲内であり、
α化デンプン100重量部に対する、ベントナイトの含有量が20〜800重量部であり、
α化デンプン100重量部に対する、農薬活性成分の含有量が2〜500重量部であり、
農薬粒剤全量に対するα化デンプン及びベントナイトの合計含有量が、5〜45重量%である農薬粒剤。
【0036】
農薬活性成分と、α化デンプンと、ベントナイトと、非イオン性界面活性剤と、を含有する農薬粒剤であって、
前記農薬活性成分の20℃における水溶解度が700mg/L未満、且つ、20℃におけるオクタノール/水分配係数が1.4〜3.5の範囲内であり、
α化デンプン100重量部に対する、ベントナイトの含有量が20〜800重量部であり、
α化デンプン100重量部に対する、農薬活性成分の含有量が2〜500重量部であり、
α化デンプン100重量部に対する、非イオン性界面活性剤の含有量が0.05〜0.25重量部である農薬粒剤。
【0037】
農薬活性成分と、α化デンプンと、ベントナイトと、非イオン性界面活性剤と、を含有する農薬粒剤であって、
前記農薬活性成分の20℃における水溶解度が700mg/L未満、且つ、20℃におけるオクタノール/水分配係数が1.4〜3.5の範囲内であり、
α化デンプン100重量部に対する、ベントナイトの含有量が20〜800重量部であり、
α化デンプン100重量部に対する、農薬活性成分の含有量が2〜500重量部であり、
α化デンプン100重量部に対する、非イオン性界面活性剤の含有量が0.05〜0.25重量部であり、
農薬粒剤全量に対するα化デンプン及びベントナイトの合計含有量が、5〜45重量%である農薬粒剤。
【0038】
フェリムゾンと、α化デンプンと、ベントナイトと、を含有する農薬粒剤であって、
α化デンプン100重量部に対する、ベントナイトの含有量が20〜800重量部であり、
α化デンプン100重量部に対する、フェリムゾンの含有量が2〜500重量部である農薬粒剤。
【0039】
フェリムゾンと、α化デンプンと、ベントナイトと、を含有する農薬粒剤であって、
α化デンプン100重量部に対する、ベントナイトの含有量が20〜800重量部であり、
α化デンプン100重量部に対する、フェリムゾンの含有量が2〜500重量部であり、
農薬粒剤全量に対するα化デンプン及びベントナイトの合計含有量が、5〜45重量%である農薬粒剤。
【0040】
フェリムゾンと、α化デンプンと、ベントナイトと、非イオン性界面活性剤と、を含有する農薬粒剤であって、
α化デンプン100重量部に対する、ベントナイトの含有量が20〜800重量部であり、
α化デンプン100重量部に対する、フェリムゾンの含有量が2〜500重量部である農薬粒剤。
【0041】
フェリムゾンと、α化デンプンと、ベントナイトと、非イオン性界面活性剤と、を含有する農薬粒剤であって、
α化デンプン100重量部に対する、ベントナイトの含有量が20〜800重量部であり、
α化デンプン100重量部に対する、フェリムゾンの含有量が2〜500重量部であり、
農薬粒剤全量に対するα化デンプン及びベントナイトの合計含有量が、5〜45重量%である農薬粒剤。
【0042】
フェリムゾンと、α化デンプンと、ベントナイトと、非イオン性界面活性剤と、を含有する農薬粒剤であって、
α化デンプン100重量部に対する、ベントナイトの含有量が20〜800重量部であり、
α化デンプン100重量部に対する、フェリムゾンの含有量が2〜500重量部であり、
α化デンプン100重量部に対する、非イオン性界面活性剤の含有量が0.05〜0.25重量部である農薬粒剤。

フェリムゾンと、α化デンプンと、ベントナイトと、非イオン性界面活性剤と、を含有する農薬粒剤であって、
α化デンプン100重量部に対する、ベントナイトの含有量が20〜800重量部であり、
α化デンプン100重量部に対する、フェリムゾンの含有量が2〜500重量部であり、
α化デンプン100重量部に対する、非イオン性界面活性剤の含有量が0.05〜0.25重量部であり、
農薬粒剤全量に対するα化デンプン及びベントナイトの合計含有量が、5〜45重量%である農薬粒剤。
【0043】
農薬活性成分と、α化デンプンと、ベントナイトと、を含有する農薬粒剤であって、
前記農薬活性成分の20℃における水溶解度が700mg/L未満、且つ、20℃におけるオクタノール/水分配係数が1.4〜3.5の範囲内であり、
α化デンプン100重量部に対する、ベントナイトの含有量が20〜800重量部であり、
α化デンプン100重量部に対する、農薬活性成分の含有量が10〜50重量部である農薬粒剤。
【0044】
農薬活性成分と、α化デンプンと、ベントナイトと、を含有する農薬粒剤であって、
前記農薬活性成分の20℃における水溶解度が700mg/L未満、且つ、20℃におけるオクタノール/水分配係数が1.4〜3.5の範囲内であり、
α化デンプン100重量部に対する、ベントナイトの含有量が20〜800重量部であり、
α化デンプン100重量部に対する、農薬活性成分の含有量が10〜50重量部であり、
農薬粒剤全量に対するα化デンプン及びベントナイトの合計含有量が、5〜45重量%である農薬粒剤。
【0045】
農薬活性成分と、α化デンプンと、ベントナイトと、非イオン性界面活性剤と、を含有する農薬粒剤であって、
前記農薬活性成分の20℃における水溶解度が700mg/L未満、且つ、20℃におけるオクタノール/水分配係数が1.4〜3.5の範囲内であり、
α化デンプン100重量部に対する、ベントナイトの含有量が20〜800重量部であり、
α化デンプン100重量部に対する、農薬活性成分の含有量が10〜50重量部である農薬粒剤。
【0046】
農薬活性成分と、α化デンプンと、ベントナイトと、非イオン性界面活性剤と、を含有する農薬粒剤であって、
前記農薬活性成分の20℃における水溶解度が700mg/L未満、且つ、20℃におけるオクタノール/水分配係数が1.4〜3.5の範囲内であり、
α化デンプン100重量部に対する、ベントナイトの含有量が20〜800重量部であり、
α化デンプン100重量部に対する、農薬活性成分の含有量が10〜50重量部であり、
農薬粒剤全量に対するα化デンプン及びベントナイトの合計含有量が、5〜45重量%である農薬粒剤。
【0047】
農薬活性成分と、α化デンプンと、ベントナイトと、非イオン性界面活性剤と、を含有する農薬粒剤であって、
前記農薬活性成分の20℃における水溶解度が700mg/L未満、且つ、20℃におけるオクタノール/水分配係数が1.4〜3.5の範囲内であり、
α化デンプン100重量部に対する、ベントナイトの含有量が20〜800重量部であり、
α化デンプン100重量部に対する、農薬活性成分の含有量が10〜50重量部であり、
α化デンプン100重量部に対する、非イオン性界面活性剤の含有量が0.05〜0.25重量部である農薬粒剤。
【0048】
農薬活性成分と、α化デンプンと、ベントナイトと、非イオン性界面活性剤と、を含有する農薬粒剤であって、
前記農薬活性成分の20℃における水溶解度が700mg/L未満、且つ、20℃におけるオクタノール/水分配係数が1.4〜3.5の範囲内であり、
α化デンプン100重量部に対する、ベントナイトの含有量が20〜800重量部であり、
α化デンプン100重量部に対する、農薬活性成分の含有量が10〜50重量部であり、
α化デンプン100重量部に対する、非イオン性界面活性剤の含有量が0.05〜0.25重量部であり、
農薬粒剤全量に対するα化デンプン及びベントナイトの合計含有量が、5〜45重量%である農薬粒剤。
【0049】
フェリムゾンと、α化デンプンと、ベントナイトと、を含有する農薬粒剤であって、
α化デンプン100重量部に対する、ベントナイトの含有量が20〜800重量部であり、
α化デンプン100重量部に対する、フェリムゾンの含有量が10〜50重量部である農薬粒剤。
【0050】
フェリムゾンと、α化デンプンと、ベントナイトと、を含有する農薬粒剤であって、
α化デンプン100重量部に対する、ベントナイトの含有量が20〜800重量部であり、
α化デンプン100重量部に対する、フェリムゾンの含有量が10〜50重量部であり、
農薬粒剤全量に対するα化デンプン及びベントナイトの合計含有量が、5〜45重量%である農薬粒剤。
【0051】
フェリムゾンと、α化デンプンと、ベントナイトと、非イオン性界面活性剤と、を含有する農薬粒剤であって、
α化デンプン100重量部に対する、ベントナイトの含有量が20〜800重量部であり、
α化デンプン100重量部に対する、フェリムゾンの含有量が10〜50重量部である農薬粒剤。
【0052】
フェリムゾンと、α化デンプンと、ベントナイトと、非イオン性界面活性剤と、を含有する農薬粒剤であって、
α化デンプン100重量部に対する、ベントナイトの含有量が20〜800重量部であり、
α化デンプン100重量部に対する、フェリムゾンの含有量が10〜50重量部であり、
農薬粒剤全量に対するα化デンプン及びベントナイトの合計含有量が、5〜45重量%である農薬粒剤。
【0053】
フェリムゾンと、α化デンプンと、ベントナイトと、非イオン性界面活性剤と、を含有する農薬粒剤であって、
α化デンプン100重量部に対する、ベントナイトの含有量が20〜800重量部であり、
α化デンプン100重量部に対する、フェリムゾンの含有量が10〜50重量部であり、
α化デンプン100重量部に対する、非イオン性界面活性剤の含有量が0.05〜0.25重量部である農薬粒剤。
【0054】
フェリムゾンと、α化デンプンと、ベントナイトと、非イオン性界面活性剤と、を含有する農薬粒剤であって、
α化デンプン100重量部に対する、ベントナイトの含有量が20〜800重量部であり、
α化デンプン100重量部に対する、フェリムゾンの含有量が10〜50重量部であり、
α化デンプン100重量部に対する、非イオン性界面活性剤の含有量が0.05〜0.25重量部であり、
農薬粒剤全量に対するα化デンプン及びベントナイトの合計含有量が、5〜45重量%である農薬粒剤。
【実施例】
【0055】
本発明を以下の実施例によって、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0056】
実施例1
フェリムゾン原体(住友化学 純度97.0%)50.0重量部と勝光山クレーS(勝光山鉱業所製)50.0重量部をジュースミキサーで混合したのち、混合物をローターミル(レッチェ製)で粉砕して粉砕物(以下、フェリムゾン微粉末と記す。有効成分含量48.5%、レーザー回析式粒子径測定器(湿式法)平均粒子径6.5μm)を得た。
フェリムゾン微粉末41.2重量部、アミロックスNo.1A(日本コーンスターチ)50・0重量部、ベントナイト富士(ホージュン)200.0重量部、ソルポール5080 (ノニオン性界面活性剤、東邦化学) 10.0重量部、勝光山クレーS(勝光山鉱業)698.8重量部をナウターミキサー(不二パウダル)で混合し、混合粉末1000重量部を得た。この混合粉末1000重量部と水230重量部とを混合して、ナウターミキサー(不二パウダル)で混練して混練物を得た。得られた混練物をバスケット型造粒機(畑鉄工所)押出し径φ0.9mmで造粒し、流動層乾燥機(パウレックス)で乾燥した後、ピンミル(自由粉砕機、槇野産業)で粗解砕を行った。粗解砕したものを篩過をして、実施例1の農薬粒剤を得た。
【0057】
実施例2
ベントナイト富士を50.0重量部、勝光山クレーSを848.8重量部として、水を220重量部とした以外は実施例1と同じ操作を行い、実施例2の農薬粒剤を得た。
【0058】
実施例3
ベントナイト富士を100.0重量部、勝光山クレーSを798.8重量部として水を220重量部とした以外は実施例1と同じ操作を行い、実施例3の農薬粒剤を得た。
【0059】
実施例4
ベントナイト富士を400.0重量部、勝光山クレーSを498.8重量部とした以外は実施例1と同じ操作を行い、実施例4の農薬粒剤を得た。
【0060】
実施例5
アミロックスNo.1を100.0重量部、ベントナイト富士を20.0重量部、勝光山クレーSを828.8重量部とし水を220重量部とした以外は実施例1と同じ操作を行い、実施例5の農薬粒剤を得た。
【0061】
実施例6
ベントナイト富士を50.0重量部、勝光山クレーSを798.8重量部とし水を200重量部とした以外は実施例5と同じ操作を行い、実施例6の農薬粒剤を得た。
【0062】
比較例1
フェリムゾン微粉末41.2重量部、アミロックスNo.1A(日本コーンスターチ)50・0重量部、ベントナイト富士(ホージュン)500.0重量部、ソルポール5080 (東邦化学) 10.0重量部、勝光山クレーS(勝光山鉱業)398.8重量部をナウターミキサー(不二パウダル)で混合し、混合粉末1000重量部を得た。この混合粉末1000重量部と水230重量部とを混合し、ナウターミキサー(不二パウダル)で混練して混練物を得た。得られた混練物をバスケット型造粒機(畑鉄工所)押出し径φ0.9mmで造粒し、流動層乾燥機(パウレックス)で乾燥した後、ピンミル(自由粉砕機、槇野産業)で粗解砕を行った。粗解砕したものを篩過をして、比較例1の農薬粒剤を得た。
【0063】
比較例2
ベントナイト富士を600.0重量部、勝光山クレーSを298.8重量部として水を250重量部とした以外は比較例1と同じ操作を行い、比較例2の農薬粒剤を得た。
【0064】
比較例3
フェリムゾン微粉末41.2重量部、アミロックスNo.1A(日本コーンスターチ)50・0重量部、ソルポール5080 (東邦化学) 10.0重量部、勝光山クレーS(勝光山鉱業)898.8重量部をナウターミキサー(不二パウダル)で混合し、混合粉末1000重量部を得た。この混合粉末1000重量部と水210重量部とを混合し、ナウターミキサー(不二パウダル)で混練して混練物を得た。得られた混練物をバスケット型造粒機(畑鉄工所)押出し径φ0.9mmで造粒し、流動層乾燥機(パウレックス)で乾燥した後、ピンミル(自由粉砕機、槇野産業)で粗解砕を行った。粗解砕した
ものを篩過をして、比較例3の農薬粒剤を得た。
【0065】
比較例4
フェリムゾン微粉末41.2重量部、ゴーセノールGL−05S(日本合成化学)30・0重量部、ベントナイト富士(ホージュン)200.0重量部、ソルポール5080 (東邦化学) 10.0重量部、勝光山クレーS(勝光山鉱業)718.8重量部をナウターミキサー(不二パウダル)で混合し、混合粉末1000重量部を得た。この混合粉末1000重量部と水220重量部とを混合し、ナウターミキサー(不二パウダル)で混練して混練物を得た。得られた混練物をバスケット型造粒機(畑鉄工所)押出し径φ0.9mmで造粒し、流動層乾燥機(パウレックス)で乾燥した後、ピンミル(自由粉砕機、槇野産業)で粗解砕を行った。粗解砕したものを篩過をして、比較例4の農薬粒剤を得た。
【0066】
【表1】

【0067】
【表2】

【0068】
実施例7
フラメトピル原体(住友化学 純度97.3%)50.0重量部とベントナイト富士(ホージュン)50.0重量部をジュースミキサーで混合したのち、混合物をローターミルで粉砕して粉砕物(以下、フラメトピルA微粉末と記す。有効成分含量48.7%、平均粒子径5.8μm)を得た。
フラメトピルA微粉末189.1重量部、アミロックスNo.1A(日本コーンスターチ)50.0重量部、ベントナイト富士(ホージュン)105.4重量部、ソルポール5080(東邦化学)10.0重量部、日東タンカルNN200(日東タンカル)645.5重量部をナウターミキサー(不二パウダル)で混合し、混合粉末1000重量部を得た。この混合粉末1000重量部と水220重量部とを混合し、ナウターミキサー(不二パウダル)で混練して混練物を得た。得られた混練物をバスケット型造粒機(畑鉄工所)押出し径φ0.9mmで造粒し、流動層乾燥機(パウレックス)で乾燥した後、ピンミル(自由粉砕機、槇野産業)で粗解砕を行った。粗解砕したものを篩過をして、実施例7の農薬粒剤を得た。
【0069】
実施例8
日東タンカルNN200を勝光山クレーS(勝光山鉱業所)とした以外は実施例7と同じ操作を行い、実施例8の農薬粒剤を得た。
【0070】
比較例5
フラメトピル原体(住友化学 純度97.3%)50.0重量部と勝光山クレーS(勝光山鉱業所)50.0重量部をジュースミキサーで混合したのち、混合物をピンミルで粉砕して粉砕物(以下、フラメトピル微粉末Bと記す。有効成分含量48.7%)を得た。
フラメトピルB微粉末189.1重量部、アミロックスNo.1A(日本コーンスターチ)50.0重量部、ソルポール5080(東邦化学)10.0重量部、勝光山クレーS(勝光山鉱業所)750.9重量部をナウターミキサー(不二パウダル)で混合し、混合粉末1000重量部を得た。この混合粉末1000重量部と水220重量部とを混合し、ナウターミキサー(不二パウダル)で混練して混練物を得た。得られた混練物をバスケット型造粒機(畑鉄工所)押出し径φ0.9mmで造粒し、流動層乾燥機(パウレックス)で乾燥した後、ピンミル(自由粉砕機、槇野産業)で粗解砕を行った。粗解砕したものを篩過をして、比較例5の農薬粒剤を得た。
【0071】
比較例c
フラメトピルA微粉末189.1重量部、アミロックスNo.1A(日本コーンスターチ社製)50.0重量部、ベントナイト富士(ホージュン社製)502.9重量部、ソルポール5080(東邦化学社製)10.0重量部、勝光山クレーS (勝光山鉱業所製)248.0重量部をナウターミキサー(不二パウダル社製)で混合し、混合粉末1000重量部を得た。この混合粉末1000重量部と水220重量部とを混合し、ナウターミキサー(不二パウダル社製)で混練して混練物を得た。得られた混練物をバスケット型造粒機(畑鉄工所製)押出し径φ0.9mmで造粒し、流動層乾燥機(パウレックス社製)で乾燥した後、ピンミル(槇野産業社製自由粉砕機)で粗解砕を行った。粗解砕したものを篩過をして、比較例cの農薬粒剤を得た。
【0072】
【表3】

【0073】
実施例9
S−アリル−5−アミノ−2−イソプロピル−4−(2−メチルフェニル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−1−ピラゾールカルボチオエート(以下、化合物Aと記す。 純度98.4%)50.0重量部と勝光山クレーS(勝光山鉱業所)50.0重量部をジュースミキサーで混合したのち、混合物をローターミルで粉砕して粉砕物(以下、化合物A微粉末と記す。有効成分含量49.2%、平均粒子径6.2μm)を得た。
化合物A微粉末40.7重量部、アミロックスNo.1A(日本コーンスターチ)50.0重量部、ベントナイト富士(ホージュン)200.0重量部、ソルポール5080(東邦化学)10.0重量部、勝光山クレーS (勝光山鉱業所)699.3重量部をナウターミキサー(不二パウダル)で混合し、混合粉末1000重量部を得た。この混合粉末1000重量部と水210重量部とを混合し、ナウターミキサー(不二パウダル)で混練して混練物を得た。得られた混練物をバスケット型造粒機(畑鉄工所)押出し径φ0.9mmで造粒し、流動層乾燥機(パウレックス)で乾燥した後、ピンミル(自由粉砕機、槇野産業)で粗解砕を行った。粗解砕したものを篩過をして、実施例9の農薬粒剤を得た。
【0074】
実施例A
化合物A微粉末 40.7重量部、アミロックスNo.1A 100.0重量部、ベントナイト富士 20.0重量部、ソルポール5080 10.0重量部、勝光山クレーS 829.3重量部を用いて実施例9と同様な操作を行い、実施例Aの農薬粒剤を得た。
【0075】
実施例B
化合物A微粉末 40.7重量部、アミロックスNo.1A 100.0重量部、ベントナイト富士 50.0重量部、ソルポール5080 10.0重量部、勝光山クレーS 799.3重量部を用いて実施例9と同様の操作を行い、実施例Bの農薬粒剤を得た。
【0076】
比較例6
化合物A微粉末 40.7重量部、ベントナイト富士 200.0重量部、ゴーセノールGL−05S 30.0重量部、ソルポール5080 10.0重量部、勝光山クレーS 719.3重量部とした以外は実施例9と同様の操作を行い、比較例6の農薬粒剤を得た。
【0077】
比較例a
化合物A微粉末 40.7重量部、アミロックスNo.1A 50.0重量部、ベントナイト富士 600.0重量部、ソルポール5080 10.0重量部、勝光山クレーS 299.3重量部とした以外は実施例9と同様の操作を行い、比較例aの農薬粒剤を得た。
【0078】
比較例b
化合物A微粉末 40.7重量部、アミロックスNo.1A(日本コーンスターチ)50.0重量部、ソルポール5080(東邦化学)10.0重量部、勝光山クレーS (勝光山鉱業所)899.3重量部をナウターミキサー(不二パウダル)で混合し、混合粉末1000重量部を得た。この混合粉末1000重量部と水190重量部とを混合し、ナウターミキサー(不二パウダル)で混練して混練物を得た。得られた混練物をバスケット型造粒機(畑鉄工所)押出し径φ0.9mmで造粒し、流動層乾燥機(パウレックス)で乾燥した後、ピンミル(自由粉砕機、槇野産業)で粗解砕を行った。粗解砕したものを篩過をして、比較例bの農薬粒剤を得た。
【0079】
【表4】

【0080】
実施例C
トリシクラゾール (純度97.8%)50.0重量部と勝光山クレーS(勝光山鉱業所)50.0重量部をジュースミキサーで混合したのち、混合物をローターミルで粉砕して粉砕物(以下、トリシクラゾール微粉末と記す。有効成分含量48.9%、平均粒子径7.2μm)を得た。
トリシクラゾール微粉末40.7重量部、アミロックスNo.1A(日本コーンスターチ)50.0重量部、ベントナイト富士(ホージュン)200.0重量部、ソルポール5080(東邦化学)10.0重量部、勝光山クレーS (勝光山鉱業所)699.3重量部をナウターミキサー(不二パウダル)で混合し、混合粉末1000重量部を得た。この混合粉末1000重量部と水20重量部とを混合し、ナウターミキサー(不二パウダル)で混練して混練物を得た。得られた混練物をバスケット型造粒機(畑鉄工所)押出し径φ0.9mmで造粒し、流動層乾燥機(パウレックス)で乾燥した後、ピンミル(自由粉砕機、槇野産業)で粗解砕を行った。粗解砕したものを篩過をして、実施例Cの農薬粒剤を得た。
【0081】
比較例d
トリシクラゾール微粉末40.7重量部、アミロックスNo.1A(日本コーンスターチ)50.0重量部、ソルポール5080(東邦化学)10.0重量部、勝光山クレーS (勝光山鉱業所)899.3重量部をナウターミキサー(不二パウダル)で混合し、混合粉末1000重量部を得た。この混合粉末1000重量部と水200重量部とを混合し、ナウターミキサー(不二パウダル)で混練して混練物を得た。得られた混練物をバスケット型造粒機(畑鉄工所)押出し径φ0.9mmで造粒し、流動層乾燥機(パウレックス)で乾燥した後、ピンミル(自由粉砕機、槇野産業)で粗解砕を行った。粗解砕したものを篩過をして、比較例dの農薬粒剤を得た。
【0082】
【表5】

【0083】
実施例D
フサライド(住友化学 純度99.3%)50.0重量部と勝光山クレーS(勝光山鉱業所)50.0重量部をジュースミキサーで混合したのち、混合物をローターミルで粉砕して粉砕物(以下、フサライド微粉末と記す。 有効成分含量49.7%、平均粒子径6.8μm)を得た。
フサライド微粉末40.2重量部、アミロックスNo.1A(日本コーンスターチ)50.0重量部、ベントナイト富士(ホージュン)200.0重量部、ソルポール5080(東邦化学)10.0重量部、勝光山クレーS (勝光山鉱業所)699.8重量部をナウターミキサー(不二パウダル)で混合し、混合粉末1000重量部を得た。この混合粉末1000重量部と水200重量部とを混合し、ナウターミキサー(不二パウダル)で混練して混練物を得た。得られた混練物をバスケット型造粒機(畑鉄工所)押出し径φ0.9mmで造粒し、流動層乾燥機(パウレックス)で乾燥した後、ピンミル(自由粉砕機、槇野産業)で粗解砕を行った。粗解砕したものを篩過をして、実施例Dの農薬粒剤を得た。
【0084】
比較例e
フサライド微粉末40.2重量部、アミロックスNo.1A(日本コーンスターチ)50.0重量部、ソルポール5080(東邦化学)10.0重量部、勝光山クレーS (勝光山鉱業所)899.8重量部をナウターミキサー(不二パウダル)で混合し、混合粉末1000重量部を得た。この混合粉末1000重量部と水200重量部とを混合し、ナウターミキサー(不二パウダル)で混練して混練物を得た。得られた混練物をバスケット型造粒機(畑鉄工所)押出し径φ0.9mmで造粒し、流動層乾燥機(パウレックス)で乾燥した後、ピンミル(自由粉砕機、槇野産業)で粗解砕を行った。粗解砕したものを篩過をして、比較例eの農薬粒剤を得た。
【0085】
【表6】

【0086】
表の有効成分溶出率は以下の方法で測定した。
500mlビーカーに水300mlを入れ、水温が25±1℃でゆっくり攪拌する。
ここに農薬粒剤を入れ水温25±1℃でゆっくり攪拌する。農薬粒剤を入れてから所定の時間後にビーカーの水500μlを高速液体クロマトグラフで分析して、農薬活性物質の濃度を算出する。得られた農薬活性物質の濃度と、使用した農薬粒剤に含有される農薬活性物質の量とから、有効成分溶出率を求める。
なお、有効成分溶出率を求めるために用いた農薬粒剤の量は、農薬活性成分ごとに以下の量である。
フェリムゾン:400mg
フラメトピル:130mg
化合物A:76mg
イマゾスルフロン:225mg
クロチアニジン:850mg
トリシクラゾール:750mg
フサライド:13mg
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明によって、農薬活性成分の水中での溶出が抑制され、農薬活性成分の効果を長期間持続する農薬粒剤が得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
農薬活性成分と、α化デンプンと、ベントナイトと、を含有する農薬粒剤であって、
前記農薬活性成分の20℃における水溶解度が700mg/L未満、且つ、20℃におけるオクタノール/水分配係数が1.4〜3.5の範囲内であり、
α化デンプン100重量部に対する、ベントナイトの含有量が20〜800重量部である農薬粒剤。
【請求項2】
農薬粒剤全量に対するα化デンプン及びベントナイトの合計含有量が、5〜45重量%である請求項1記載の農薬粒剤。
【請求項3】
非イオン性界面活性剤を含有する請求項1又は2記載の農薬粒剤。
【請求項4】
農薬粒剤の荷重硬度が、350g以上である請求項1〜3いずれか一項記載の農薬粒剤。
【請求項5】
農薬粒剤の荷重硬度が、350g以上10Kg以下である請求項1〜3いずれか一項記載の農薬粒剤。
【請求項6】
農薬活性成分が、フェリムゾン、フラメトピル、トリシクラゾール、フサライド及びS−アリル−5−アミノ−2−イソプロピル−4−(2−メチルフェニル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−1ピラゾールカルボチオエートからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜5いずれか一項記載の農薬粒剤。
【請求項7】
農薬活性成分が、フェリムゾンである請求項1〜5いずれか一項記載の農薬粒剤。

【公開番号】特開2009−298782(P2009−298782A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−118403(P2009−118403)
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】