説明

迅速プロトタイプ作成装置のための改善

本発明は、断面を付加的に処理することによって三次元物体を製造する、迅速プロトタイプ作成装置に関連する改善に関する。改善は、距離、保護窓、および衝突防止検出システムに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、断面を付加的に処理することによって三次元物体を製造する、迅速プロトタイプ作成装置に関連する改善に関する。
【背景技術】
【0002】
三次元迅速プロトタイプ作成法では、露光システムの光学系が、時間集約的な洗浄またはさらには交換の要因となる可能性があり得る、感光性材料との接触によって汚染されないことが重要である。したがって、一般的に、露光システムと感光性材料との間の接触のリスクを回避するため、出力光学系と照明領域との間の距離が相対的に大きいことが好ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、感光性材料から三次元物体を作成する装置に関し、前記装置は、照明源を有する露光システムと、露光システムが取り付けられる走査バーと、制御装置とを備え、前記露光システムは、複数の個別に制御可能な光変調器を有する少なくとも1つの空間光変調器と、前記少なくとも1つの空間光変調器に光学的に結合された入力光学系と、前記少なくとも1つの空間光変調器に光学的に結合された出力光学系とを備え、前記入力光学系および出力光学系は、前記照明源から放射される光を、前記空間光変調器の前記個別に制御可能な光変調器を通して照明領域に伝達するのを容易にし、前記空間光変調器は、前記制御装置から生じる制御信号にしたがって、前記入力光学系を介して伝達される光のパターンを確立することを可能にし、前記出力光学系は、前記少なくとも1つの空間光変調器からの光のパターンを照明領域上に集束させることを可能にし、出力光学系と照明領域との間の距離dは0.5〜20mmである。
【0004】
三次元迅速プロトタイプ作成法では、露光システムの出力光学系が感光性材料と接触しそうな場合、これによって出力光学系の汚染が引き起こされることがあるので、出力光学系は時間集約的な洗浄またはさらには交換を必要とする。したがって、一般的に、露光システムと感光性材料との間の接触のリスクを回避するため、出力光学系と照明領域との間の距離が相対的に大きいことが好ましい。
【0005】
本発明に使用されるような配置では、個別の光ビームの方向同士の小さな誤差であっても重大な問題であることがあり、一部のボクセルが意図される位置から逸脱することがある。複数のビームの整合に関する問題を軽減するため、光学系の設計を修正することによって整合を改善するために多大な労力が注がれてきた。このように改善が認められているものの、個別の光ビームのさらに良好な整合が必要とされている。
【0006】
本発明によれば、出力光学系と感光性材料との間の距離を減少させることによって、誤整合の悪影響の有利な低減が観察できることが示されている。これは、感光性材料に最も近接した出力光学系の部分から適切な短い距離で、個別の光ビームを集束させるような特性を有する出力光学系を使用することによって可能になる。これによって、装置の効率を犠牲にすることなく、光学系の設計における生産コストを低減することができる。光ビームからの焦点はともに照明領域を確立し、この照明領域は、製造中は感光性材料の上面と少なくとも部分的に同一面となる。
【0007】
さらに、出力光学系と感光性材料との間の距離を減少させることによっても、さらなる有益な利点が見られる。光の強度の大部分は感光性材料に移転され、それによって照明されるボクセルをより高速に凝固させることが容易になり、結果として走査プロセスをより高速にすることが容易になる。これによって、より効率的に三次元物体を製造することができる。
【0008】
有利な上述の結果を得ることができる最大距離として20mmが確立されている。樹脂との接触の高すぎるリスクを有することのない最小の容認可能な距離として0.5mmが確立されている。
【0009】
本発明の実施形態によれば、露光システムと感光性材料との間の接触を回避することにより、かかる距離が使用されない事態が短い距離に関して従来懸念されていた問題によって必ずしも引き起こさないため、他の手段が使用されてもよいことが観察されている。
【0010】
本発明の照明源は、遠紫外光から遠赤外光まで、例えば200nm〜100000nmの範囲の放射線を放射することができる。したがって、光という用語は、遠紫外光から遠赤外光まで、例えば200nm〜100000nmの範囲の放射線に該当する。三次元固体物体を作成するための材料の粉末焼結などの応用例は、好ましくは、10000nm以下の波長を有する赤外線エネルギー範囲で実施される。硬化性液体樹脂の立体リソグラフィ槽(stereolithographic baths)を使用する応用例は、好ましくは、200nm〜500nmの波長を有する紫外線エネルギー範囲で実施される。
【0011】
さらに、本発明は、感光性材料から三次元物体を作成する装置に関し、前記装置は、照明源を有する露光システムと、露光システムが取り付けられる走査バーと、制御装置とを備え、前記露光システムは、複数の個別に制御可能な光変調器を有する少なくとも1つの空間光変調器と、前記少なくとも1つの空間光変調器に光学的に結合された入力光学系と、前記少なくとも1つの空間光変調器に光学的に結合された出力光学系とを備え、前記入力光学系および出力光学系は、少なくとも2つの光ビームとして前記照明源から放射される光を、前記空間光変調器の前記個別に制御可能な光変調器を通して照明領域に伝達するのを容易にし、前記空間光変調器は、前記制御装置から生じる制御信号にしたがって、前記入力光学系を介して伝達される光のパターンを確立することを可能にし、前記出力光学系は、前記少なくとも1つの空間光変調器からの光のパターンを照明領域上に集束させることを可能にし、出力光学系と照明領域との間の距離dは0.5〜20mmである。
【0012】
本発明の一実施形態では、前記出力光学系は少なくとも1つのマイクロレンズを備え、前記出力光学系は、出力光学系と照明領域との間の集束距離dが0.5〜20mmであるようにして、光のパターンを照明領域上に集束させることができるような特性を有する。
【0013】
本発明の一実施形態では、前記露光システムは、前記出力光学系から1〜10mm、好ましくは1.5〜5mmの距離d内で光を集束させるように適合された少なくとも1つのマイクロレンズを備える。
【0014】
本発明の実施形態にしたがって使用されるマイクロレンズによって、出力光学系と照明領域との間の適切な距離が得られる。
本発明の一実施形態では、前記露光システムは、前記出力光学系から0.5〜20mm、好ましくは1〜10mm、最も好ましくは1.5〜5mmの距離d内で光を集束させるように適合された少なくとも2つのマイクロレンズを備える。
【0015】
本発明の一実施形態では、マイクロレンズの総数は、光変調器の総数にマイクロレンズ層の数を掛けた数に少なくとも対応する。
本発明の好ましい一実施形態によれば、入力光学系から出る各光ビームはそれ自体の専用のマイクロレンズおよび光変調器を有することになる。
【0016】
本発明の一実施形態では、前記露光システムは、マイクロレンズの総数が200超過、好ましくは600超過、より好ましくは2000超過、最も好ましくは6000超過であるマイクロレンズのアレイを備える。
【0017】
本発明の一実施形態では、前記少なくとも1つのマイクロレンズは300μm〜400μmの曲率半径を有する。
本発明によれば、300μm〜400μmの曲率半径を有する少なくとも1つのマイクロレンズを使用することによって、迅速プロトタイプ作成に使用される露光システムと感光性材料との間の適切な距離を得るための、露光システムからの理想的な集束距離が得られることが見出されている。
【0018】
本発明の一実施形態では、前記少なくとも1つのマイクロレンズは350μm〜390μm、好ましくは360μm〜375μmの曲率半径を有する。
本発明の一実施形態では、前記少なくとも1つのマイクロレンズは310μm〜350μm、好ましくは320μm〜335μmの曲率半径を有する。
【0019】
本発明の一実施形態では、前記露光システムは、300μm〜400μmの曲率半径を有する少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つのマイクロレンズを備える。
本発明の一実施形態では、前記露光システムは少なくとも2つのマイクロレンズを備え、前記マイクロレンズの少なくとも1つは350μm〜390μm、好ましくは360μm〜375μmの曲率半径を有し、前記マイクロレンズの他の少なくとも1つは310μm〜350μm、好ましくは320μm〜335μmの曲率半径を有する。
【0020】
本発明の好ましい一実施形態では、光が空間光変調器に達する前の位置にある1つと、光が空間光変調器を通過した後の位置にある2つとの3つのマイクロレンズが使用される。
【0021】
本発明の一実施形態では、前記少なくとも1つのマイクロレンズは400μm超過の後部焦点距離を有する。
本発明の好ましい一実施形態では、420μm超過の後部焦点距離を有する1つと、490μm超過の後部焦点距離を有する2つとの3つのマイクロレンズが使用される。
【0022】
本発明の一実施形態では、前記少なくとも1つのマイクロレンズは、前記少なくとも1つのマイクロレンズを介して送られる光を、出力光学系から0.5mm〜20mmの集束距離において直径200μm未満のビームスポットに集束させる。
【0023】
本発明の一実施形態では、前記少なくとも1つのマイクロレンズは、前記少なくとも1つのマイクロレンズを介して送られる光を、出力光学系から1.5mm〜5mmの集束距離において直径150μm未満のビームスポットに集束させる。
【0024】
本発明の一実施形態では、前記装置は、前記感光性材料の表面が前記照明領域とほぼ一致するような量で感光性材料を含む槽を備える。
本発明の一実施形態では、前記出力光学系と前記感光性材料の前記表面との間の最小距離は0.5mm〜20mm、好ましくは1mm〜10mmである。
【0025】
上述したように、露光システムは、樹脂の表面を露光するために走査を行うとき、小さな距離で樹脂の上方を通過することがある。この距離が非常に小さいため、樹脂表面の全体にわたって走査する際に露光システムの底面上が樹脂で汚染されるリスクがある。そのような汚染は、例えば、製造中に表面からわずかに突出することがある、構築された製品の部分から生じることがある。これは、例えば、塗り重ね装置が構築プレート(building plate)上の部分に偶発的に触れるか、または、一部の樹脂の場合、既に構築された下位層の応力によって、既にある層の構築された表面の不均一性を引き起こすことがあるという事実によって生じることがある。汚染はまた、例えば、トラップ容積(trapped volumes)と大きな平坦領域とを含む部分をリコートした結果として、低い層の品質によって発生することがある。
【0026】
露光システムが突出部分に触れた場合、露光システムの底面は樹脂で汚染されることになる。結果として、表面を洗浄してからでなければ露光を再開することができず、洗浄は時間とコストを要するプロセスである。さらに、露光システム内の微小光学系およびSLMモジュールの汚染または損傷のリスクがある。
【0027】
結果として、底面上の汚染を回避または軽減する必要がある。
さらに、本発明は、請求項1から17のいずれか一項に記載の装置を使用することにより、感光性材料から三次元物体を製造する方法に関する。
【0028】
本発明の一実施形態では、前記方法は物体のデータ表現を提供するステップを含む。
さらに、本発明は、感光性材料から三次元物体を作成する装置に関し、前記装置は、照明源を有する露光システムと、露光システムが取り付けられる走査バーと、制御装置とを備え、前記露光システムは、複数の個別に制御可能な光変調器を有する少なくとも1つの空間光変調器と、前記少なくとも1つの空間光変調器に光学的に結合された入力光学系と、前記少なくとも1つの空間光変調器に光学的に結合された出力光学系とを備え、前記入力光学系および前記出力光学系は、前記照明源から放射される光を、前記空間光変調器の前記個別に制御可能な光変調器を通して照明領域に伝達するのを容易にし、前記空間光変調器は、前記制御装置から生じる制御信号にしたがって、前記入力光学系を介して伝達される光のパターンを確立することを可能にし、前記出力光学系は、前記少なくとも1つの空間光変調器からの光のパターンを照明領域上に集束させることを可能にし、前記装置は、前記出力光学系と前記照明領域との間に少なくとも1つの解放可能な保護窓を備える。
【0029】
本発明の迅速プロトタイプ作成装置は複数のビームで照明することが可能であり、複数のビームは保護されることが望ましく、したがってある種の保護が望ましい。しかし、複数のビームの経路に保護窓を含めることによって、異なる媒体を介して伝搬する光が強度を損失し、異なる媒体間の移行部を通過する際に光ビームがずれる傾向となるので、面倒な整合の問題が起こる可能性がもたらされる。
【0030】
媒体移行による光ビームのずれは、いずれの種類の迅速プロトタイプ作成装置においても問題となることがあるが、例えば、異なるビーム間のずれを個別にそらすことに関する課題が生じない、単一ビームレーザーシステムに比べて、複数ビームの装置が使用される場合に、このずれが特に問題となる。
【0031】
本発明によって、露光システムを移動して感光性材料に近接させることにより、保護窓を介する光の移行に関する不具合を回避できることが観察されている。例えば、出力光学系からの最小距離が感光性材料から10mm未満である場合に有利なことがある。
【0032】
本発明の実施形態によれば、保護窓が汚染されるかまたは油で汚れた場合に、保護窓の簡単に交換することを容易にするため、保護窓は解放可能である。
本発明の一実施形態では、前記装置は、前記少なくとも1つの保護窓を前記出力光学系と前記照明領域との間で支持する固定手段を備える。
【0033】
少なくとも1つの保護窓を支持する固定手段は目的に適した任意の固定手段であってもよい。多数の異なる手段が当業者には理解されるであろう。一例は、露光システム上に取り付けられるフレームであり、そのフレーム内に少なくとも1つの保護窓を、または少なくとも1つの保護窓がその上に取り付けられる交換式モジュールを挿入し、それによってシステムに固着することができる。
【0034】
本発明の一実施形態では、前記少なくとも1つの保護窓は前記固定手段によって保持される。
装置の使用中、所望の保護を与えるため、保護窓(1つまたは複数)は固定手段によって適所で保持される。
【0035】
本発明の一実施形態では、前記少なくとも1つの保護窓は、前記出力光学系から10mm未満、好ましくは5mm未満、より好ましくは2mm未満の距離に位置付けられる。
本発明の好ましい一実施形態によれば、システムを可能な限りコンパクトにするため、保護窓は出力光学系に可能な限り近接して取り付けられる。
【0036】
本発明の一実施形態では、前記少なくとも1つの保護窓は交換式モジュールの一部である。
本発明の好ましい一実施形態では、保護窓は、例えば16個の保護窓をそれぞれ含む、交換式モジュールの形に集約される。この数は、本発明の範囲内で、例えば2、4、8、9、12、または20の任意の数であることができる。このようにして、窓の1つまたは複数で汚染が生じた場合、交換式モジュール全体を交換してもよい。この交換プロセスは、一般的に、単一の窓を交換するよりも迅速かつ簡単になる。
【0037】
本発明の一実施形態では、前記固定手段は前記交換式モジュールを支持するように設計される。
モジュール全体を一度に交換することができるという上述の利点に加えて、さらに、1つの要素のみ、つまりモジュール全体に対する固定手段が露光システム上において必須であることが有利である。
【0038】
本発明の一実施形態では、前記少なくとも1つの保護窓は1つを超える空間光変調器を覆う。
本発明の好ましい一実施形態では、各保護窓は4つの空間光変調器を覆う。しかし、別の実施形態では、各空間光変調器がそれ自体の保護窓を有してもよく、さらに他の実施形態では、各保護窓が例えば、2、3、6、9個の空間光変調器を覆ってもよい。
【0039】
本発明の一実施形態では、集束距離は10mm未満、好ましくは5mm未満である。
本発明の一実施形態では、前記少なくとも1つの保護窓の300〜400nmの波長帯における透過率Tは0.6超過、好ましくは0.8超過、最も好ましくは0.9超過である。
【0040】
本発明の一実施形態では、前記少なくとも1つの保護窓は溶融石英から作られる。
いくつかの異なる種類のガラスが保護窓に使用されてもよいが、窓を通る紫外光の高い透過率を確保するため、ガラス中の不純物量は低いことが好ましく、好ましくは溶融石英が使用される。
【0041】
本発明の一実施形態では、前記交換式モジュールは前記露光システム上に取り付けられる。
本発明の好ましい一実施形態では、保護窓を含む交換式モジュールは露光システム上に直接取り付けられる。これによって、露光システムと保護窓との間の小さな一定の距離が確保される。
【0042】
本発明の一実施形態では、前記少なくとも1つの保護窓の厚さは4mm未満、好ましくは2mm未満、最も好ましくは1mm未満である。
本発明の一実施形態では、前記少なくとも1つの保護窓は100mm×40mm×4mm未満の寸法を有する。
【0043】
さらに、本発明は、請求項20から32のいずれか一項に記載の装置を使用することにより、感光性材料から三次元物体を製造する方法に関する。
本発明の一実施形態では、前記方法は物体のデータ表現を提供するステップを含む。
【0044】
上述したように、露光システムは、樹脂の表面を露光するために走査を行うとき、小さな距離で樹脂の上方を通過することがある。この距離が非常に小さいため、樹脂表面の全体にわたって走査する際に露光システムの底面上が樹脂で汚染されるリスクがある。そのような汚染は、例えば、製造中に表面からわずかに突出することがある、構築された製品の部分から生じることがある。これは、例えば、塗り重ね装置が構築プレート上の部分に偶発的に触れるか、または、一部の樹脂の場合、既に構築された下位層の応力によって、既にある層の構築された表面の不均一性を引き起こすことがあるという事実によって生じることがある。汚染はまた、例えば、トラップ容積と大きな平坦領域とを含む部分をリコートした結果として、低い層の品質によって発生することがある。
【0045】
露光システムが樹脂の突出部分に触れた場合、露光システムの底面は樹脂で汚染されることになる。結果として、表面を洗浄してからでなければ露光を再開することができず、洗浄は時間とコストを要するプロセスである。さらに、露光システム内の微小光学系およびSLMモジュールの汚染または損傷のリスクがある。
【0046】
結果として、底面上の汚染を回避または軽減する、特に露光システムと樹脂に生じ得る突出部との間の衝突を回避する方法が必要とされる。したがって、本発明はさらに以下のものに関する。
【0047】
さらに、本発明は、感光性材料から三次元物体を作成する装置に関し、前記装置は、照明源を有する露光システムと、露光システムが取り付けられる走査バーと、制御装置とを備え、前記露光システムは、複数の個別に制御可能な光変調器を有する少なくとも1つの空間光変調器と、前記少なくとも1つの空間光変調器に光学的に結合された入力光学系と、前記少なくとも1つの空間光変調器に光学的に結合された出力光学系とを備え、前記入力光学系および出力光学系は、前記照明源から放射される光を、前記空間光変調器の前記個別に制御可能な光変調器を通して照明領域に伝達するのを容易にし、前記空間光変調器は、前記制御装置から生じる制御信号にしたがって、前記入力光学系を介して伝達される光のパターンを確立することを可能にし、前記出力光学系は、前記少なくとも1つの空間光変調器からの光のパターンを照明領域上に集束させることを可能にし、前記装置は、照明領域と出力光学系との間の障害物を検出する少なくとも1つの衝突防止検出システムを備える。
【0048】
三次元迅速プロトタイプ作成法では、例えば露光システムの出力光学系が、例えば障害物と接触しそうな場合、これによって出力光学系の汚染が引き起こされることがあるので、出力光学系は時間集約的な洗浄またはさらには交換を必要とする。したがって、露光システムの部品と、槽からの感光性材料または突出部などの障害物との間の接触を防ぐことを補助する必要がある。
【0049】
本発明の重要な特徴は、衝突検出システムではなく衝突防止検出システムであることである。即ち、衝突が実際に発生する前に今後起こり得る衝突が検出され、つまり、露光システムおよび装置の他のあらゆる構成要素のどちらも、例えば槽の表面から突出した障害物によって、損傷も汚染もされない。
【0050】
このように、本発明により、従来技術に比べて、装置の汚染を引き起こし、結果として時間のかかる洗浄プロセスに至るか、あるいは装置の要素の少なくとも一部をコストをかけて交換することに至る、槽の表面から突出した障害物を、装置を汚染することなく検出し除去することができるという点で、システムを停止させることによって浪費される時間が大幅に低減される。
【0051】
本発明による衝突防止検出システムは、露光システムと感光性材料の表面との間の距離が比較的低く保たれる、露光システムにおいて特に有利である。つまり、表面からの非常に小さな突出部であっても問題になることがあり、すぐに検出することが重要である。衝突防止検出システムの例は下位請求項にて定義される。
【0052】
本発明の有利な一実施形態では、露光システムは、感光性材料の所望部分を照明するため、前記感光性材料の表面の全体にわたって露光システムを走査可能にすることを容易にする走査バーを含む。
【0053】
本発明の一実施形態では、前記衝突防止検出システムは、少なくとも1つの衝突防止光ビームを提供することができる少なくとも1つの光エミッタおよび少なくとも1つの光センサを備える。
【0054】
本発明の有利な一実施形態によれば、衝突防止検出システムは、表面からの適切な距離、即ち1mmで感光性材料の表面を走査する光ビームを含む。この光ビームは、当業者には良く知られている多数の照明源、例えばレーザーから放射されてもよい。関連する表面を横断した後、光ビームは、光ビームが表面からの突出部などの障害物に当たるという事実の結果として光ビームの強度が降下したかを検出することができる、光センサによって検出される。
【0055】
光ビームは、一般的に、走査バーの前方に、ただし樹脂表面と走査バーの底面との間に位置付けられる。
本発明の好ましい一実施形態では、衝突防止検出システムは、光エミッタと、光検出器と、信号を操作する電子部品と、光ビームの位置および方向を調節する手段を有するハウジングとを備える。
【0056】
本発明の一実施形態では、前記衝突防止検出システムは前記感光性材料の表面を走査することができる。
本発明の一実施形態によれば、検出システムは、起こり得る障害物または突出部に関して表面を走査する手段を備える。
【0057】
本発明の一実施形態では、前記衝突防止光ビームの直径は2mm未満、好ましくは1mm未満である。
好ましくは、衝突防止光ビームの直径は、露光システムと樹脂の表面との間の距離に適合させるため、比較的低く保たれる。2mm未満の直径が適切であることが観察されている。
【0058】
本発明の一実施形態では、前記衝突防止検出システムは、少なくとも2つの衝突防止光ビームを提供することができる少なくとも2つの光エミッタおよび少なくとも2つの光センサを備える。
【0059】
本発明のさらなる一実施形態によれば、走査バーの両側に1つずつ、2つの光ビームが使用される。これによって、走査バーがどちらの方向に移動するかにかかわらず、突出部などがあればそれを検出することができる。これは、露光システムが樹脂を左から右へ、かつ右から左へと走査する、本発明の好ましい一実施形態において有利であり、その場合、露光システムの両側に衝突防止検出システムが必要とされる。
【0060】
本発明の一実施形態では、前記衝突防止検出システムはビジョンカメラを備える。
本発明のさらなる一実施形態によれば、ビジョンカメラは衝突防止検出システムとして使用される。ビジョンカメラは、走査バーの前方にある感光性材料の表面をモニタして、突出部などの可能性をチェックするために位置付けられる限り、走査バーの移動方向の前方における多数の異なる場所に位置付けられてもよい。ビジョンカメラを使用することにおける利点は、感光性材料の表面の直上に必ずしも衝突防止検出システムのいずれかの部分がなくてもよく、その代わりに、例えば露光システムに隣接して保持されてもよいことである。
【0061】
本発明の一実施形態では、前記少なくとも1つの衝突防止検出システムは前記走査バーに結合される。
本発明の有利な一実施形態では、衝突防止検出システムは走査バーに結合または統合され、それにより、走査バーが感光性材料の領域を横切る直前にその同じ領域の検出が実施される。
【0062】
本発明の一実施形態では、前記少なくとも1つの光エミッタおよび前記少なくとも1つの光センサは前記露光システム上に取り付けられる。
本発明の好ましい一実施形態によれば、光センサおよび光エミッタは両方とも、露光システム上に直接取り付けられる。これによって、センサおよびエミッタが走査バーと同時に移動して、露光システムが樹脂表面の領域に達する直前に、その領域における障害物の可能性の感知を実施することができる。
【0063】
本発明の一実施形態では、前記少なくとも1つの光エミッタおよび前記少なくとも1つの光センサは前記走査バーと同時に移動する。
本発明の一実施形態では、前記衝突防止光ビームからの信号の不規則性に関する情報を伝達するため、前記少なくとも1つの光センサは前記装置に電気的に接続される。
【0064】
本発明の一実施形態では、前記衝突防止検出システムは、前記少なくとも1つの衝突防止光ビームが感光性材料と露光システムとの間を伝搬することができるようなものである。
【0065】
本発明の一実施形態では、前記衝突防止検出システムは、前記少なくとも1つの衝突防止光ビームが走査バーの移動方向に対して垂直の方向で走査バーの前方および/または後方を伝搬することができるようなものである。
【0066】
本発明の一実施形態では、前記露光システムは少なくとも2つの衝突防止光ビームを含む。
2つの衝突防止光ビームを用いて、走査の移動がどちらの方向で行われるかにかかわらず、露光システムの両側で検出を実施することができる。
【0067】
本発明の一実施形態では、前記少なくとも1つの衝突防止光ビームはレーザービームである。
本発明の好ましい一実施形態では、レーザーは前記衝突防止光ビームを発生させるのに使用されてもよい。任意の適切な値の波長が使用されてもよい。
【0068】
本発明の一実施形態では、前記衝突防止検出システムは少なくとも1つのプリズムまたは鏡などの方向変更手段、好ましくは少なくとも2つのプリズムおよび/または鏡を備える。
【0069】
前記衝突防止検出システムが感光性材料の表面を走査する光ビームを含む場合、少なくとも2つのプリズムまたは鏡をシステムにも含むことが好ましい。理にかなったやり方で形作られ位置付けられたこれらのプリズムは、光ビームを90°偏向させることができ、それによって光エミッタまたは光センサのどちらも槽に近接させる必要がなくなる。その代わりに、プリズムは光ビーム(1つまたは複数)を所望の方向に方向付けることができる。
【0070】
本発明の一実施形態では、動作中の前記露光システムの最下部は前記感光性材料の上面から5mm未満に位置付けられる。
本発明の好ましい実施形態によれば、エネルギーを有効に利用するとともに、非単色光を使用するときにレンズの色収差によって起こり得る問題を軽減するため、露光システムと感光性材料との間の距離は低く保たれる。
【0071】
さらに、本発明は、衝突防止検出システムを備える請求項35から50のいずれか一項に記載の装置を使用することにより、感光性材料から三次元物体を製造する方法に関する。
【0072】
本発明の一実施形態では、衝突防止検出システムからの信号の強度を5%超過低下させることで、走査バーの移動を停止する信号を得る。
本発明の一実施形態では、前記方法は物体のデータ表現を提供するステップを含む。
【0073】
本発明の一実施形態では、前記少なくとも1つの衝突防止検出システムは、衝突の可能性を検出すると、前記露光システムの移動を停止する信号を送る。
本発明の一実施形態では、前記少なくとも1つの衝突防止検出システムは、衝突のリスクを検出すると、前記露光システムの位置を感光性材料の高さの上方に上昇させる信号を送る。
【0074】
本発明の一実施形態では、前記入力光学系は平行化光学系を備える。
本発明の一実施形態では、前記出力光学系は焦点光学系を備える。
本発明の一実施形態では、前記露光システムは発光ダイオードを備える。
【0075】
本発明の1つの態様によれば、発光ダイオードは、例えば、レーザーダイオード、紫外線ダイオード、または電磁放射線の形で光を放射する他のあらゆる光源であってもよい。
本発明の1つの態様によれば、照明源に使用される好ましい発光ダイオードは、例えば、ポリマー、ガラス、またはプラスチック材料の、発光領域を覆うシールドを有する。このシールドは、発光領域から放射される光を前もって集束させる、かつ/または前もって平行化する光学系として使用されてもよい。
【0076】
本発明の一実施形態では、前記装置は感光性材料を収容する槽をさらに備える。
本発明の一実施形態では、前記装置は構築プレートをさらに備える。
本発明の一実施形態では、前記制御装置は、出力光学系に対する前記構築プレートの垂直位置を調節する手段をさらに備える。
【0077】
本発明の一実施形態では、前記露光システムは1つを超える空間光変調器を備える。
本発明の有利な一実施形態では、例えば、露光システムの幅を増加させ、それによって照明領域を増加させて、より大きな物体を、または多数の小さな物体を同時に構築できるように、1つを超える空間光変調器が使用される。
【0078】
本発明の一実施形態では、前記露光システムは照明モジュールで構築され、前記照明モジュールは少なくとも1つの発光ダイオードおよび少なくとも1つの空間光変調器を備える。
【0079】
本発明の有利な一実施形態では、露光システムは、露光システムを可撓性にする照明モジュールで構築される。したがって、顧客は、顧客指定の大きなまたは小さな単位体の生産に適合された露光システムを要求することができる。
【0080】
露光システムが照明モジュールで構築される本発明の有利な一実施形態では、より簡単にまたはより安価で露光システムを維持することができる。1つの空間光変調器が損傷した場合、露光システム全体ではなく1つの照明モジュールのみが交換されることになる。
【0081】
本発明の一実施形態では、前記露光システムは1つを超える発光ダイオードを備える。
本発明の一実施形態によれば、放射光の強度を増加させるため、1つを超える発光ダイオードが使用される。光の強度を増加させることで、露光システムが照明領域の全体を走査する速度を増加させることが可能である。
【0082】
本発明の一実施形態では、1つの特定の発光ダイオードからの光は1つの特定の空間光変調器を照明する。
本発明の一実施形態によれば、1つの特定の発光ダイオードは1つの特定の空間光変調器専用である。その結果、空間光変調器の1つからのパターン化された光を、物体の1つの層を構築するのに使用する必要がない場合に、1つの発光ダイオードを完全にオフにすることが可能になるので、このことは非常に有利であり得る。1つの発光ダイオードをオフにすることによって、エネルギー消費ならびに熱の発生が低減される。
【0083】
本発明の一実施形態によれば、発光ダイオードと空間光変調器との関係は一対一の関係である。この一対一の関係によって、可撓性が大幅に増加し、例えば、露光システムによって個別の空間光変調器それぞれをオンまたはオフにすることが可能になる。
【0084】
本発明の一実施形態では、前記入力光学系はマイクロレンズの少なくとも1つのアレイを備える。
本発明の一実施形態によれば、入力光学系は少なくとも部分的にマイクロレンズのアレイであってもよい。マイクロレンズのアレイは、例えば、発光ダイオードからの光を空間光変調器の孔内へと集束させるのに使用されてもよい。
【0085】
本発明の一実施形態によれば、入力光学系は発光ダイオードからの光を平行化する平行化光学系を備えてもよい。さらに、入力光学系の機能に応じて、付加的な光学系が入力光学系に含まれてもよい。
【0086】
本発明の有利な一実施形態では、入力光学系はマイクロレンズのモジュールを備えてもよく、したがって、露光システムが1つを超える照明モジュールを備える場合、各照明モジュールは1つの入力光学系モジュールに結合されてもよい。
【0087】
本発明の一実施形態では、前記入力光学系は発光ダイオードからの光を複数のビームに分割する。
本発明の一実施形態によれば、入力光学系からの複数のビームは1つを超える空間光変調器の孔と一対一の関係にある。その結果、発光からの光がすべて感光性材料を照明するのに使用されてもよいので、このことは非常に有利であり得る。
【0088】
本発明の一実施形態によれば、入力光学系からの複数のビームは1つを超える空間光変調器の孔の数を上回る。入力光学系からのビームが空間光変調器の孔よりも多数になるようにするためには、例えば入力光学系をより可撓性にするが、それは、このことによって入力光学系が空間光変調器と正確に一致しなくなり得るためである。さらに、入力光学系からの付加的なビームは、例えば発光ダイオードからの光の強度を測定するのに使用されてもよい。
【0089】
本発明の一実施形態では、光ガイドは前記発光ダイオードからの光を前記空間光変調器にガイドする。
本発明の一実施形態によれば、発光ダイオードは空間光変調器から物理的にある距離を置いて位置し、したがって、例えば光ファイバーなどの光ガイドを使用して、発光ダイオードからの光を空間光変調器にガイドすることは非常に有利である。
【0090】
本発明の一実施形態によれば、光ガイドは入力光学系の一部であってもよく、したがって、光ガイドは、例えば、光を成形、整列、またはガイドして、空間光変調器によってパターン化できるようにしてもよい。
【0091】
本発明の一実施形態では、前記装置は前記露光システムを前記感光性材料の全体にわたって走査させることを容易にする。
本発明の有利な一実施形態では、露光システムは感光性材料の全体にわたって走査される。露光システムが感光性材料の全体にわたって走査されると、空間光変調器が光をパターン化して、感光性材料上の照明領域を硬化させる。露光ヘッドは、構築される物体の層ごとに少なくとも一度、感光性材料の全体にわたって走査される。
【0092】
本発明の一実施形態では、前記出力光学系はマイクロレンズの少なくとも1つのアレイを備える。
本発明の有利な一実施形態では、感光性材料の一定かつ正確な硬化を確保するため、少なくとも1つの空間光変調器からのパターン化された光は、マイクロレンズの前記アレイを用いて感光性材料上に集束される。
【0093】
本発明の有利な一実施形態では、出力光学系はマイクロレンズのモジュールを備えてもよく、したがって、露光システムが1つを超える照明モジュールを備える場合、各照明モジュールは1つの出力光学系モジュールに結合されてもよい。
【0094】
さらに、本発明は、請求項1〜17、20〜32、35〜50、または56〜69に記載の装置における光硬化性樹脂の使用に関する。
さらに、本発明は、請求項1〜17、20〜32、35〜50、または56〜69に記載の装置において光硬化性組成物を硬化する方法に関する。
【0095】
さらに、本発明は、請求項18〜19、または33〜34、または51〜55のいずれか一項に記載の方法によって作成される三次元物体に関する。
さらに、本発明は、請求項1〜17、または20〜32、または35〜50、または56〜70のいずれか一項に記載の装置を使用することによって作成される三次元物体に関する。
【0096】
さらに、本発明は、請求項73および74に記載の三次元物体に関する。
以下に、本発明について図面を参照して詳細に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】立体リソグラフィ装置の簡易断面図である。
【図2】本発明の一実施形態による露光システムの一部を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態による衝突防止検出システムを備える立体リソグラフィ装置の一部を示す断面図である。
【図4】図3を90°回転させた図である。
【図5】本発明の一実施形態による衝突防止検出システムを示す図である。
【図6】本発明の一実施形態による保護窓を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態による保護窓を備える交換式モジュールを示す図である。
【図8】本発明の一実施形態による交換式モジュールを備える立体リソグラフィ装置の一部を示す断面図である。
【図9】本発明の一実施形態による立体リソグラフィ装置の一例を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態による立体リソグラフィ装置のさらなる例を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態による立体リソグラフィ装置のさらなる例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0098】
本発明の実施形態に適した、媒体の局所的照明のための方法および照明ユニット、ならびに光を平行化(コリメート)し照明する手法の例を、例えば、参照により本明細書に組み込まれるWO98/47048から理解することができる。
【0099】
本発明の実施形態に適した、光弁装置を通して少なくとも1つの照明面を照明するように配置された光ガイドの形態の複数の光エミッタを備える、媒体の局所的照明のための照明ユニットおよび方法の例を、例えば、参照により本明細書に組み込まれるWO98/47042から理解することができる。
【0100】
全体的または部分的に感光性である材料を含む断面を付加的に処理することによって三次元物体を製造する迅速プロトタイプ作成装置の一例が、参照により本明細書に組み込まれるWO00/21735に記載されている。この装置は、個別に制御可能な光変調器の少なくとも1つの空間光変調器によって、感光性材料の断面を照明するための少なくとも1つの光源を備え、少なくとも1つの光源は、各光ガイドが断面の部分領域を照明するような形で空間光変調器装置に対して配置された、複数の光ガイドと光学的に結合される。
【0101】
本明細書および添付の特許請求の範囲の文脈において、「照明領域」という用語は、出力光学系から生じる個別の光ビームの多数の焦点によって規定されるような近似面を意味する。
【0102】
本明細書および添付の特許請求の範囲の文脈において、マイクロレンズという用語は、一般に直径が1ミリメートル(mm)未満である小型のレンズを意味する。
本明細書および添付の特許請求の範囲の文脈において、集束距離dという用語は、出力光学系から照明領域までの最小距離を意味する。
【0103】
本明細書および添付の特許請求の範囲の文脈において、感光性材料という用語は、光に対する感度をもち、三次元迅速プロトタイプ作成法に適したあらゆる材料を意味する。そのような材料は当業者には良く知られており、有利には、様々な種類の樹脂であり得るので、樹脂という用語および感光性材料という用語は、本明細書では相互に代替可能に使用される。
【0104】
本明細書および添付の特許請求の範囲の文脈において、照明領域という用語は、光ビームが最も良好に集束される距離における光ビームの断面積を意味する。
本明細書および添付の特許請求の範囲の文脈において、例えば、すべての光変調器が開くか、光変調器の単一のラインが開くか、個別の光変調器のいくつかが開くか、の光変調器の据え付けのいずれかの組み合わせまたは、光変調器の他のいずれかの組み合わせによって光のパターンを生じさせることができる。
【0105】
図1は、本発明の1つの態様による、三次元物体OBを構築する立体リソグラフィ装置SAの簡易断面図を示す。三次元物体OBは、感光性材料LSMが露光システムESからの光で露光されると硬化することによって層ごとに構築される。
【0106】
立体リソグラフィ装置SAは、1つまたは複数の三次元物体OBがその上に構築される構築プレート(building plate)BPを備える。構築プレートBPは、エレベータELを用いて、感光性材料LSMを含む槽V内へと垂直に移動される。本発明の1つの態様によれば、塗り重ね装置(リコータ)RECを、感光性材料LSMの新しい層の全体にわたって走査させて、新しい層の均一性が確保される。露光システムESの走査方向SDは矢印で示される。
【0107】
上述の説明によれば、露光システムESのパターン化された光で感光性材料LSMの層を露光することによって、三次元物体OBが構築される。感光性材料LSMの部分はそれを露光する光のパターンにしたがって硬化する。第1の層が硬化すると、感光性材料LSMの新しい上層を確立するため、三次元物体OBの硬化した第1の層を有する構築プレートBPが槽V内へと降ろされ、塗り重ね装置RECが感光性材料LSMの層の全体にわたって走査する。次に、露光システムESを感光性材料LSMの全体にわたって走査させて、三次元物体OBの新しい層が硬化される。
【0108】
上述したように、立体リソグラフィ装置SAは露光システムESを備える。露光システムESは照明源を備え、それは、UVランプ、ダイオード、多数のダイオード、または感光性材料を硬化する目的に適した、当業者には知られている他の任意の照明源手段であってもよい。照明源に続いて、入力光学系IO、空間光変調器SLM、および出力光学系OOとともに、照明源からの光を平行光に変換する手段が存在する。光を平行化する手段に続く露光システムの一部が図2に見られる。
【0109】
露光システムESの少なくとも一部を、感光性材料LSMの全体にわたって走査方向SDで走査させて、三次元物体OBの層ごとのデジタル表現にしたがって感光性材料LSMの表面上の照明領域IAが照明される。本発明の1つの態様によれば、露光システムESは照明領域IAの感光性材料LSMを硬化し、それによって三次元物体OBを形成する。
【0110】
本発明の1つの態様では、槽Vは、ホイール、レールとの相互作用、トラック、フォークリフトなどの、槽Vを移動させる手段を備えてもよい。したがって、槽Vは、槽Vを感光性材料LSMで再充填するため、または三次元物体OBを構築プレートBPから簡単に除去するため、立体リソグラフィ装置SA内に取外し可能に位置してもよく、例えば、開口部OPを通してアクセス可能である。
【0111】
例えば、図示されるエレベータELまたは他のデバイスを用いて、構築プレートBPを移動させる代わりに槽Vを垂直に移動させることが可能であることに留意されたい。
本発明の1つの態様によれば、三次元物体OBの層ごとのデジタル表現は、インターフェースユニットIFUを通して立体リソグラフィ装置SAに提供されてもよい。インターフェースユニットIFUは、例えば、LAN(ローカルエリアネットワーク)、WLAN(無線ローカルエリアネットワーク)、シリアル通信などのインターフェースによる通信を処理するため、例えばキーボードまたはポインタなどの入力インターフェースと、例えばスクリーンまたはプリンタなどの出力インターフェースとを備えてもよい。さらに、インターフェースユニットIFUは、データプロセッサ、メモリ、および/またはデータを恒久的に格納する手段を備えてもよい。
【0112】
図2は、本発明の1つの態様による、光を平行化する手段に続く露光システムの一部の簡易断面図を示す。
本発明の1つの態様によれば、照明源から少なくとも1つの空間光変調器SLMの光変調器LMの少なくとも一部に光を伝達するため、平行化のための手段と入力光学系IOとの間に光ガイドが使用される。他の態様と組み合わされてもよい本発明の別の態様では、照明源と平行化のための手段との間に光ガイドが使用される。そのような光ガイドは、例えば、光ファイバー(例えば、ポリマー、プラスチック、ガラスなどで作られる)、光学系、レンズアレイ、反射器などを備えてもよい。
【0113】
本発明の1つの態様によれば、感光性材料LSMは、照明源の選択に関する決定要因であることがある。一般的に、感光性材料LSMは、200〜500nmの波長内の高強度の光で露光または照明されると硬化する。一般的に、好ましいタイプの感光性材料LSMを硬化するには300〜400nmの波長ピークを有する光が最適である。当然ながら、特別な感光性材料LSMが求められる場合、上述の波長以外の波長を有する光が使用されてもよい。
【0114】
室内の全般的な照度分布も、感光性材料LSMが反応する波長を有する光を含む場合が多いので、感光性材料LSMは、例えば、室内の全般的な照度分布からの広域スペクトル光で露光されても硬化することに留意されたい。そのような迷光による感光性材料LSMの硬化は遅く、かつ制御不能なため望ましくない。
【0115】
本発明の1つの態様によれば、照明源から放射される光の強度は変動することがある。強度が高いほど、感光性材料LSMを硬化させるために光で露光しなければならない時間が短くなる。これにより、露光システムESが感光性材料LSMの上を走査する速度がより高速になってもよい。当然ながら、感光性材料LSMのタイプ、空間光変調器SLMにおける応答時間など、他の要因も走査速度を決定してもよい。
【0116】
本発明の1つの態様によれば、露光システムは、入力光学系IOと、少なくとも1つの空間光変調器SLMと、出力光学系OOとを備える。したがって、照明源からの光は、入力光学系IOによって、少なくとも部分的に平行化され、少なくとも1つの空間光変調器SLMの孔のうち少なくともいくつかの上に集束される。次に、少なくとも1つの空間光変調器SLMは、パターン化された光を感光性材料LSMの照明領域IA上にやはり集束させる出力光学系OO上に光のパターンを確立する。
【0117】
光のパターンは、空間光変調器SLMの個別の光変調器LMがすべて、空間光変調器SLMのすべての孔に光を通すか、または空間光変調器SLMの孔を光がまったく通らないようにする位置にある状況も含むことに留意されたい。
【0118】
本発明の好ましい態様によれば、立体リソグラフィ装置SAは48個を超える空間光変調器SLMを備える。本発明の1つの態様による立体リソグラフィ装置SAは、空間光変調器SLMの数に関して非常に柔軟であることに留意されたい。したがって、空間光変調器SLMの数は1つから、例えば100個超過まで変動してもよい。
【0119】
本発明の1つの態様によれば、個別の空間光変調器SLMは4つのモジュールの形に組み合わされてもよい。したがって、本発明の好ましい態様によれば、4つを超える空間光変調器SLMが必要なとき、1つを超えるモジュールが互いに組み合わされて露光システムESを形成する。
【0120】
本発明の1つの態様によれば、各空間光変調器SLMは500個を超える個別に制御可能な光変調器LMを備える。当然ながら、500個とは異なる数の、場合によっては大幅に異なる数の、個別に制御可能な光変調器LMを有する空間光変調器SLMが使用されてもよい。図面を単純化するため、本明細書全体にわたって、図面は、例えば4つの光変調器を有する空間光変調器SLMのみを図示するが、上述したように500個を超えてもよい。
【0121】
本発明の1つの態様によれば、また図2に示されるように、入力光学系IOはマイクロレンズアレイを備えてもよい。さらなる実施形態では、さらなるマイクロレンズが入力光学系および他の光学素子に含まれてもよい。
【0122】
入力光学系の目的は、平行光CLを少なくとも1つの空間光変調器SLM上に集束させることである。後述するように、少なくとも1つの空間光変調器SLMは複数の孔を含み、それらの孔上に、またはそれらの孔を通して下に、マイクロレンズMLが平行光CLを集束させている。
【0123】
少なくとも1つの空間光変調器SLMは、本発明の1つの態様によれば、平行化され集束された光を感光性材料LSM上の照明領域IA上にパターン化するのに使用されてもよい。少なくとも1つの空間光変調器SLMは、光スイッチ、光弁、マイクロシャッターなどとも呼ばれる、複数の個別の光変調器LMを備える。
【0124】
本発明の1つの態様によれば、個別の制御可能な光変調器LMは制御装置CUによって制御される。制御装置CUは、構築される三次元物体の層ごとのデジタル表現にしたがって露光システムESを制御してもよい。図示される制御装置CUは、少なくとも1つの空間光変調器SLMの個別の制御可能な光変調器LMを制御してもよく、個別の発光ダイオードLDの場合は、制御装置CUによっても制御されてもよい。
【0125】
発光ダイオードLDが使用される本発明の1つの態様によれば、例えば、露光システムESに含まれる少なくとも1つの空間光変調器SLMからのパターン化された光を必要としない、物体の小さな部分または小さな物体のみを構築する場合、発光ダイオードLDを制御することとは発光ダイオードLDをオフにすることを意味する。
【0126】
本発明の1つの態様によれば、少なくとも1つの空間光変調器SLM中の光変調器LMの制御は、パターンにしたがって光変調器LMを処理することによって行われてもよい。パターンは、構築される三次元物体の1つの層を表してもよい。
【0127】
本発明の一実施形態では、図示される制御装置CUは、立体リソグラフィ装置SAの露光システムES以外の部分も制御してもよい。あるいは、制御装置CUは、立体リソグラフィ装置SAに関連する他の制御システムに含まれてもよい。
【0128】
本発明の1つの態様によれば、立体リソグラフィ装置SAは、構築される三次元物体の層ごとのデジタル描写を備えてもよい。三次元物体が構築プロセス中の支持を必要とする場合、三次元物体の層ごとの描写は支持構造を含んでもよい。三次元物体の各層について、露光システムESは感光性材料LSMの全体にわたって走査させ、三次元物体の個別の層ごとのデジタル描写は、空間光変調器SLMからの光のパターンを決定する。
【0129】
本発明の1つの態様によれば、出力光学系OOは、空間光変調器SLMからのパターン化された光を、感光性材料LSMの表面上の1つまたは複数の照明領域IA上に集束させる。入力光学系IOと同様に、出力光学系OOは1つを超えるレンズ系を、例えばマイクロレンズMLの1つを超えるアレイを備えてもよい。
【0130】
露光システムの一部の好ましい実施形態が図2に示される。平行光CLは、平行光CLを集束させて、光変調器LM上の個別のシャッターそれぞれに入るのに適した多数の集束光ビームFLBとする働きをする、入力光学系IOの一部としての第1のマイクロレンズアレイを介して送られる。個別の開いた光変調器LMについて、光が光変調器LMを通過し、通過後に再び拡散する。この図示される実施形態では、出力光学系OOは、光を集束させるための互いに直接連続した2つのマイクロレンズアレイを備え、それによって、約2〜3mmの距離dにある焦点面、つまり照明領域IA上において直径約100μmの所望の光点が得られる。
【0131】
図示される実施形態では、所望距離におけるこの非常に有利な光の集束は、適切なパラメータを、つまり365μmの曲率半径および499μmの後部焦点距離を有する、互いに直接連続した上述の2つのマイクロレンズアレイを使用することによって得られている。328.5μmの曲率半径および425μmの後部焦点距離を有する、入力光学系内の単一のマイクロレンズアレイの使用と併せて、この組み合わせは、露光システムの光学系の非常に有利な組み合わせとなることが実証されている。しかし、かかる見出された値周辺の範囲にあるこれらのパラメータの値を有するさらなる光学素子も、有利な結果をもたらすことが示されている。
【0132】
この実施形態では、使用されるマイクロレンズは、一個片の形で製造される多数のレンズを備えるアレイの一部である。本発明の範囲内では、個別のシャッターそれぞれに対して個別のレンズを製造し挿入することが可能であり、または示される1つ以外の任意の数のレンズを1つのマイクロレンズプレート上で互いに組み合わせてもよいことは明白である。
【0133】
図2に示される実施形態は一例として示されているに過ぎず、マイクロレンズアレイの1つまたは複数を交換することによって適切な実施形態を得ることができることは明白であろう。
【0134】
後部焦点距離および曲率半径は、当業者には良く知られた用語であるが、明瞭にするため、以下のように定義する。
球面レンズは、システム局所光軸(system local optical axis)に沿った、あるいはそこから偏心した(x,y,z)に位置する曲率中心を有する。レンズ表面の頂点は局所光軸上に位置する。頂点から曲率中心までの距離がレンズの曲率半径である。
【0135】
後部焦点距離(BFL)は、システムの最後の光学表面の頂点から後焦点までの距離である。
本発明によって、1つまたは複数の保護窓を使用することにより、露光システムの汚染を防ぐか、または少なくとも最小限の程度に保つことができる。
【0136】
図6は、本発明の一実施形態による保護窓PWの一例を示す。
図7は、本発明の一実施形態による交換式モジュールRMの一例を示す。図示される交換式モジュールRMは16個の保護窓PWを備えるが、この数は、本発明の他の様々な実施形態にしたがって、他の任意の適切な数であってもよい。図示される実施形態では、保護窓PWの下方にあるSLMが走査領域の全長を網羅するようにするため、個別の保護窓PWは相互に均等にずらしてある。これらの保護窓PWは、走査領域のサイズなど、異なるパラメータに応じて異なるように分布させてもよいことは明白である。
【0137】
図8は、交換式モジュールRMを保持する固定手段FM内において、保護窓PWを備える交換式モジュールRMがその上に取り付けられる露光システムESを示す。図示される実施形態では、これらの固定手段FMは単に露光システムESの両側のレールである。
【0138】
別の有利な実施形態では、固定手段FMは、交換式モジュールRMを陥凹部に押し込み、次に定位置へとスナップ嵌めすることができるシステムである。
しかし、多数の異なる適切な固定手段が当業者には明白になるであろう。
【0139】
突出部PRが図8に示されており、図示される事例では、これは樹脂LSMの上面USの泡であることがある。そのような泡は、ほとんどの樹脂タイプではめったに生じない突出部PRの一例である。しかし、発生する場合はかなり突発的に起こることがあり、そのため、装置上の任意の場所に取り付けられている可能性がある検出システムが、有効であっても十分ではないことがある。
【0140】
保護窓(1つまたは複数)PWがあることで、そのような泡によって保護窓(1つまたは複数)上に少量の樹脂が残ることがあるものの、光学系は損傷も汚染もされないままである。これによって、交換式モジュールRMを交換する比較的単純なプロセスは、そのような泡の発生後に再び装置を始動させることができるのに十分である。
【0141】
突出部の原因の別の例は、樹脂の硬化がわずかな収縮を引き起こすことがあることである。そのような収縮によって、硬化した領域を取り囲む未硬化の樹脂LSMが、周囲の樹脂の高さよりもわずかに上方に押し上げられることがある。このようにして、かかる樹脂が露光システムESにより近付くか、またはさらには接触することがある。
【0142】
本発明によって、露光システムの汚染を防ぎ、かつ構築部分に対する損傷を防ぐため、付加的な製造において露光システムと樹脂との間の障害物を検出するセンサが得られている。
【0143】
図3は、露光システムESが、感光性材料LSMを収容している槽(バット)Vの平坦面からそこだけが突出している突出部PRに向かって左側へと移動している、露光システムESの主要部分を示す。槽V内にはさらに、その上面を意図されるように維持する、つまり感光性材料LSMの上面USと本質的に同一面に維持する単位体ITの一部が示される。図示される実施形態では、衝突防止検出システムは、図5を参照してより詳細に記載される、ハウジングHSaから放射される2つのレーザービームLBaおよびLBbを含む。図示される実施形態では、露光システムESが図示される実施形態の左側または右側のどちらに移動しても突出部を検出することができるように、2つのレーザービームLBaおよびLBbが露光システムESの両側に位置付けられることに留意されたい。しかし、本発明のさらなる実施形態では、1つのレーザービームのみが、またはさらには2つを超えるレーザービームが使用されてもよい。
【0144】
図4は、図面と同じ据え付けを90°回転させた図を示し、即ち、露光システムESは読者の側から突出部PRに向かって奥へと移動している。これによって、レーザービームの一方LSbが、発光ハウジングHSaから受光ハウジングHSbまで、露光システムESの全幅の下方に延在していることが分かる。図示されるレーザービームは移動方向の後方にあるものであるが、移動方向の前方にあるものは、図3にも示される後方レーザービームの後ろに位置付けられているので、図面には示され得ないことに留意されたい。
【0145】
図面ではレーザービームLSbの後ろに位置付けられた前方レーザービームLBaは、移動中のある段階で突出部PRに達し、それによってレーザービームLBaが突出部PRに遮られて、受光ハウジングHSbに達する光の強度が減少することが図面から分かる。これによって、突出部PRは露光システムESの前方に存在し、そのことが露光システムの汚染のリスクとなることがあると結論付けることができる。次に、作業員が問題を解決するため、例えば装置を停止させる信号を送ることができる。このようにして、突出部を簡単に除去するか下に下げることができ、装置は、例えば数分後に再び始動されてもよい。突出部PRが露光システムESと接触した場合、洗浄または交換プロセスが必要なことがあり、大規模な時間消費およびコストをもたらす。
【0146】
本発明を機能させるための重要な要素は、センサ内の部品のサイズである。露光システムの底面と樹脂の表面との間の距離は一般的に2mm程度と小さいので、光ビームを生成する部分は小さく、かつ許容差を小さくして作られなければならない。一例として走査バーの幅が670mmの場合、これによって、一般的にはこの値よりもわずかに大きい、エミッタとセンサとの間の距離の下限も設定される。露光システムの底面と樹脂との間の距離の半分が角度ずれとして容認可能であると仮定すると、角度ずれは0.08°未満でなければならない。露光システムの底面と樹脂表面との間の距離の半分をビームの直径に使用できると仮定すると、ビームサイズは1mm未満でなければならない。これによって、受信器が、エミッタからの実際の光源と樹脂表面からの反射との2つの光源を受けることになるのを回避することができる。
【0147】
これによって、エミッタおよびセンサの光学部分に対する要件と、さらに整合の微調整に使用される手段に対する要件とが得られる。
図5は、2つの異なるハウジングHSaおよびHSbが示される、光学部分の設計の一例である。一般的に、前方および後方の組は同じになるので、この図では一組のみが示される。
【0148】
この例では、レーザーダイオードLDは、絞り(ダイヤフラム)DPを介して成形されるレーザービームLBを放射し、ビームはその後にプリズムPRaにおいて90°の角度で反射され、それによってビームは樹脂の表面の直上と同一面になるように方向付けられる。露光システムESの下方にある樹脂LSMの表面USの上方を通過すると、ビームLBは第2のプリズムPRbで反射されて、受光ハウジングHSb内へと方向付けられる。このハウジング内のフォトダイオードPDに達する前に、光ビームLBは干渉フィルタIFを通過して、例えば、迷光がフォトダイオードPDの測定に干渉する可能性が回避される。
【0149】
プリズムPRaおよびPRbを使用するのは、コンパクトな設計を得るため、かつレーザーダイオードLDまたはフォトダイオードPDのどちらかを樹脂LSMの表面USに近接させる必要をなくすためである。本発明の範囲内で、90°以外の角度も使用されてもよいことは明白である。
【0150】
プリズムは、内部または外部反射器の両方として使用することができ、図5に示される実施形態では、プリズムは内部反射器として使用される。
プリズムを内部反射器として使用することの利点は、プリズムの表面をハウジングと同一面にすることができ、結果として洗浄の可能性がより良好になることである。プリズムの脆弱な縁部を保護するため、切り取ったビーム(clipped beams)を使用できるように、図5に示されるように縁部を単に切り落としてもよく、それによって切り落とした部分に当たる光ビームの部分は必ずしも曲がらなくなるが、これは、エミッタとセンサとの間のレーザーからの迷光ビームが樹脂に衝突するいかなるリスクも生じさせるものではない。これによって、迷光を妨害するリスクなしに、光ビームが樹脂の表面のできるだけ近くに、即ち図5の右側へ移動されてもよい。この方法は外部反射の実施形態にも使用されてもよい。
【0151】
本発明の有利な実施形態では、装置は再始動ボタンを備え、それにより、レーザービームLBaの遮断時に装置が停止した際に、装置が迅速に製造プロセスを継続することができる。これは、例えば、樹脂中の泡などによって遮断が引き起こされた場合に有利であり、それにより、操作者が機械のところに来れば問題を解決することができる。
【0152】
本発明の有利な実施形態では、露光システムは空間光変調器(SLM)のモジュールを備え、各モジュールは1つを超える空間光変調器を備える。
本発明の有利な実施形態では、入力光学系はモジュールで作られ、したがって1つの入力光学系モジュールは空間光変調器の1つのモジュールに相当する。
【0153】
本発明の有利な実施形態では、出力光学系はモジュールで作られ、したがって1つの出力光学系モジュールは空間光変調器の1つのモジュールに相当する。露光システム、入力光学系、および出力光学系のモジュール式構造によって、例えば、照明システムのサイズに対する特定のユーザ定義の要求を満たすため、露光システムを簡単に修正することが容易になる。
【0154】
本発明の有利な実施形態では、入力および出力光学系はモジュールで作られ、したがって1つの入力および1つの出力光学系モジュールは1つの空間光変調器に相当する。
本発明の有利な実施形態では、空間光変調器の光変調器は照明源からの光をパターン化する。感光性材料は、空間光変調器内の光変調器の位置に応じて、あるパターンで硬化する。
【0155】
図9〜11は、立体リソグラフィ装置SAの1つの可能な実施形態のみを示すが、立体リソグラフィ装置SAを動作させるために、後述する特徴のすべてが必須ではないことに留意されたい。さらに、立体リソグラフィ装置SAのすべての詳細が図示されているものではなく、図示されない付加的な部品が有利なことがあることに留意されたい。
【0156】
図9は、本発明の1つの態様による立体リソグラフィ装置SAの正面/側面図を示す。
立体リソグラフィ装置SAは、1つまたは複数の摺動式槽ドアSVDを備えてもよく、例えばこれらは、例えば押したり回転させたりなどによって動作する、摺動式槽ドアハンドルSVDHを用いて開かれてもよい。摺動式槽ドアSVDは、一方に滑動させることによって、または1つもしくは複数のヒンジを中心にして枢動させることによって、槽V(図示なし)へのアクセスをもたらしてもよい。
【0157】
1つまたは複数の摺動式前面ドアSFDは、1つまたは複数の前面パネルFPおよび側面パネルSPに対して位置付けられてもよい。
摺動式前面ドアSFDは、一方に滑動させることによって、または1つもしくは複数のヒンジを中心にして枢動させることによって、露光システムES(図示なし)へのアクセスをもたらしてもよい。
【0158】
摺動式前面ドアSFDを開くことなく構築プロセスをモニタできるように、摺動式前面ドアSFDは透明であってもよいことに留意されたい。
1つまたは複数の前面パネルFPは、立体リソグラフィ装置SAの側面まで延在してもよい。1つまたは複数の前面パネルFPは、機械の状態(例えば、動作中、停止中、故障など)、あるいは所与の時点において立体リソグラフィ装置SAが構築プロセスのどの段階にあるかを示す、1つまたは複数の機械状態インジケータMSIを備えてもよい。機械状態インジケータMSIはまた、立体リソグラフィ装置SAの天面ROまたは側面上に位置してもよく、例えば、ディスプレイ、ランプ、サイレンなどを備えてもよい。
【0159】
さらに、立体リソグラフィ装置SAは、1つまたは複数の側面ドアSIDと1つまたは複数の下部側面パネルLSPとを備えてもよく、それらは、立体リソグラフィ装置SAの正常動作中は使用されない。側面ドアSIDおよび下部側面パネルLSPは、立体リソグラフィ装置SAの部品が保守点検されるときにのみ取り外されるかまたは開かれる。
【0160】
本発明の1つの態様によれば、側面ドアSIDは摺動式前面ドアSFDの一部であってもよく、また、本発明の1つの態様によれば、下部側面パネルLSPは摺動式槽ドアSVDの一部であってもよいことに留意されたい。
【0161】
図10は、本発明の1つの態様による立体リソグラフィ装置SAの背面/側面図を示し、側面ドアSIDおよび摺動式前面ドアSFDは取り外されて、露光システムESが露出している。
【0162】
本発明の1つの態様によれば、立体リソグラフィ装置SAは、調節可能であってもよい1つまたは複数の機械脚体MF上に載置されてもよい。これによって、槽V(図示なし)が立体リソグラフィ装置SA内に位置するとき、感光性材料LSMの表面と出力光学系OP(図示なし)とがほぼ平行であるように、立体リソグラフィ装置SAを設置するのがより簡単になる。
【0163】
図示される露光システムESは、露光システムESを保守点検または修理するときに使用される、左上部側面ドアUDおよび左下部側面ドアLDを備える。さらに、露光システムは、照明源IS(図示なし)にアクセスするためのランプハウジングドアLHDを備える。さらに、露光システムESは、照明ユニットIU(図示なし)の様々な部品を保護する保護プレートPPを備える。保護窓PWの側部も、露光バーの外側フレームOFEDとともに図10に示される。
【0164】
保護窓PW(図示なし)を解放するハンドルHDが、露光システムケーシングESC内に位置してもよい。
図11は、摺動式前面ドアSFDが除去された、本発明の1つの態様による立体リソグラフィ装置SAの正面図を示す。露光システムESは、感光性材料LSM(図示なし)の全体にわたって走査するとき、露光システム往復台スリット(carriage slit)ESCS内に移動している。さらに、図11は、機械がその周りに構築される機械フレームMFRと、露光システムエネルギーチェーン(energy chain)SBECの支持基部とを示す。
【0165】
本発明は、大表面を高精度で迅速に処理することができる、赤外線粉末焼結に対する顕著かつ予期される以上の利点を提示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明源を有する露光システム(ES)と、
前記露光システム(ES)が取り付けられる走査バーと、
制御装置(CU)とを備える、感光性材料から三次元物体を作成する装置であって、
前記露光システム(ES)が、
複数の個別に制御可能な光変調器(LM)を有する少なくとも1つの空間光変調器(SLM)と、
前記少なくとも1つの空間光変調器(SLM)に光学的に結合された入力光学系(IO)と、
前記少なくとも1つの空間光変調器(SLM)に光学的に結合された出力光学系(OO)とを備え、
前記入力光学系(IO)および前記出力光学系(OO)が、前記照明源から放射される光を、前記空間光変調器(SLM)の前記個別に制御可能な光変調器(LM)を通して照明領域(IA)に伝達するのを容易にし、
前記空間光変調器(SLM)が、前記制御装置(CU)から生じる制御信号にしたがって、前記入力光学系(IO)を介して伝達される前記光のパターンを確立することを可能にし、
前記出力光学系(OO)が、前記少なくとも1つの空間光変調器(SLM)からの前記光のパターンを照明領域(IA)上に集束させることを可能にし、
前記出力光学系(OO)と前記照明領域(IA)との間の距離dが0.5から20mmである、装置。
【請求項2】
照明源を有する露光システム(ES)と、
前記露光システム(ES)が取り付けられる走査バーと、
制御装置(CU)とを備える、感光性材料から三次元物体を作成する装置であって、
前記露光システム(ES)が、
複数の個別に制御可能な光変調器(LM)を有する少なくとも1つの空間光変調器(SLM)と、
前記少なくとも1つの空間光変調器(SLM)に光学的に結合された入力光学系(IO)と、
前記少なくとも1つの空間光変調器(SLM)に光学的に結合された出力光学系(OO)とを備え、
前記入力光学系(IO)および前記出力光学系(OO)が、少なくとも2つの光ビームとして前記照明源から放射される光を、前記空間光変調器(SLM)の前記個別に制御可能な光変調器(LM)を通して照明領域(IA)に伝達するのを容易にし、
前記空間光変調器(SLM)が、前記制御装置(CU)から生じる制御信号にしたがって、前記入力光学系(IO)を介して伝達される前記光のパターンを確立することを可能にし、
前記出力光学系(OO)が、前記少なくとも1つの空間光変調器(SLM)からの前記光のパターンを照明領域(IA)上に集束させることを可能にし、
前記出力光学系(OO)と前記照明領域(IA)との間の距離dが0.5から20mmである、装置。
【請求項3】
前記出力光学系(OO)が少なくとも1つのマイクロレンズを備え、前記出力光学系(OO)と前記照明領域(IA)との間の集束距離dが0.5から20mmであるようにして、前記光のパターンを前記照明領域(IA)上に集束させることができるような特性を前記出力光学系(OO)が有する、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記露光システムが、前記出力光学系から1から10mm、好ましくは1.5から5mmの距離d内で前記光を集束させるように適合された少なくとも1つのマイクロレンズを備える、請求項1から3に記載の装置。
【請求項5】
前記露光システムが、前記出力光学系から0.5から20mm、好ましくは1から10mm、最も好ましくは1.5から5mmの距離d内で前記光を集束させるように適合された少なくとも2つのマイクロレンズを備える、請求項1から4に記載の装置。
【請求項6】
マイクロレンズの総数が、少なくとも、光変調器の総数にマイクロレンズ層の数を掛けた数に対応する、請求項1から5に記載の装置。
【請求項7】
前記露光システムが、マイクロレンズの総数が200超過、好ましくは600超過、より好ましくは2000超過、最も好ましくは6000超過であるマイクロレンズのアレイを備える、請求項1から6に記載の装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つのマイクロレンズが300μmから400μmの曲率半径を有する、請求項3から7に記載の装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つのマイクロレンズが350μmから390μm、好ましくは360μmから375μmの曲率半径を示す、請求項3から8に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つのマイクロレンズが310μmから350μm、好ましくは320μmから335μmの曲率半径を示す、請求項3から9に記載の装置。
【請求項11】
前記露光システムが、300μmから400μmの曲率半径を有する少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つのマイクロレンズを備える、請求項1から10に記載の装置。
【請求項12】
前記露光システムが少なくとも2つのマイクロレンズを備え、前記マイクロレンズの少なくとも1つが350μmから390μm、好ましくは360μmから375μmの曲率半径を示し、前記マイクロレンズの他の少なくとも1つが310μmから350μm、好ましくは320μmから335μmの曲率半径を示す、請求項1から11に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つのマイクロレンズが400μm超過の後部焦点距離を示す、請求項3から12に記載の装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つのマイクロレンズが、前記少なくとも1つのマイクロレンズを介して送られる前記光を、前記出力光学系から0.5mmから20mmの集束距離dにおいて直径200μm未満のビームスポットに集束させる、請求項3から13に記載の装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つのマイクロレンズが、前記少なくとも1つのマイクロレンズを介して送られる前記光を、前記出力光学系から1.5mmから5mmの集束距離dにおいて直径150μm未満のビームスポットに集束させる、請求項3から14に記載の装置。
【請求項16】
感光性材料の表面が前記照明領域とほぼ一致するような量で前記感光性材料を含む槽を備える、請求項1から15に記載の装置。
【請求項17】
前記出力光学系と前記感光性材料の前記表面との間の最小距離が0.5mmから20mm、好ましくは1mmから10mmである、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか一項に記載の装置を使用することにより、感光性材料から三次元物体を製造する方法。
【請求項19】
前記物体のデータ表現を提供するステップを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
照明源を有する露光システム(ES)と、
前記露光システム(ES)が取り付けられる走査バーと、
制御装置(CU)とを備える、感光性材料から三次元物体を作成する装置であって、
前記露光システム(ES)が、
複数の個別に制御可能な光変調器(LM)を有する少なくとも1つの空間光変調器(SLM)と、
前記少なくとも1つの空間光変調器(SLM)に光学的に結合された入力光学系(IO)と、
前記少なくとも1つの空間光変調器(SLM)に光学的に結合された出力光学系(OO)とを備え、
前記入力光学系(IO)および前記出力光学系(OO)が、前記照明源から放射される光を、前記空間光変調器(SLM)の前記個別に制御可能な光変調器(LM)を通して照明領域(IA)に伝達するのを容易にし、
前記空間光変調器(SLM)が、前記制御装置(CU)から生じる制御信号にしたがって、前記入力光学系(IO)を介して伝達される前記光のパターンを確立することを可能にし、
前記出力光学系(OO)が、前記少なくとも1つの空間光変調器(SLM)からの前記光のパターンを照明領域(IA)上に集束させることを可能にし、
前記装置が、前記出力光学系(OO)と前記照明領域(IA)との間に少なくとも1つの解放可能な保護窓(PW)を備える、装置。
【請求項21】
前記少なくとも1つの保護窓(PW)を前記出力光学系(OO)と前記照明領域(IA)との間で支持する固定手段(FM)を備える、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記少なくとも1つの保護窓が前記固定手段(FM)によって保持される、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記少なくとも1つの保護窓が、前記出力光学系から10mm未満、好ましくは5mm未満、より好ましくは2mm未満の距離dに位置付けられる、請求項20から22に記載の装置。
【請求項24】
前記少なくとも1つの保護窓が交換式モジュール(RM)の一部である、請求項20から23に記載の装置。
【請求項25】
前記固定手段が前記交換式モジュールを支持するように設計される、請求項21から24に記載の装置。
【請求項26】
前記少なくとも1つの保護窓が1つを超える空間光変調器を覆う、請求項20から25に記載の装置。
【請求項27】
前記集束距離dが10mm未満、好ましくは5mm未満である、請求項20から26に記載の装置。
【請求項28】
前記少なくとも1つの保護窓の300から400nmの波長帯における透過率Tが0.6超過、好ましくは0.8超過、最も好ましくは0.9超過である、請求項20から27に記載の装置。
【請求項29】
前記少なくとも1つの保護窓が溶融石英から作られる、請求項20から28に記載の装置。
【請求項30】
前記交換式モジュールが前記露光システム上に取り付けられる、請求項24から29に記載の装置。
【請求項31】
前記少なくとも1つの保護窓の厚さが4mm未満、好ましくは2mm未満、最も好ましくは1mm未満である、請求項20から30に記載の装置。
【請求項32】
前記少なくとも1つの保護窓が100mm×40mm×4mm未満の寸法を有する、請求項20から31に記載の装置。
【請求項33】
請求項20から32のいずれか一項に記載の装置を使用することにより、感光性材料から三次元物体を製造する方法。
【請求項34】
前記物体のデータ表現を提供するステップを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
照明源を有する露光システム(ES)と、
前記露光システム(ES)が取り付けられる走査バーと、
制御装置(CU)とを備える、感光性材料から三次元物体を作成する装置であって、
前記露光システム(ES)が、
複数の個別に制御可能な光変調器(LM)を有する少なくとも1つの空間光変調器(SLM)と、
前記少なくとも1つの空間光変調器(SLM)に光学的に結合された入力光学系(IO)と、
前記少なくとも1つの空間光変調器(SLM)に光学的に結合された出力光学系(OO)とを備え、
前記入力光学系(IO)および前記出力光学系(OO)が、前記照明源から放射される光を、前記空間光変調器(SLM)の前記個別に制御可能な光変調器(LM)を通して照明領域(IA)に伝達するのを容易にし、
前記空間光変調器(SLM)が、前記制御装置(CU)から生じる制御信号にしたがって、前記入力光学系(IO)を介して伝達される前記光のパターンを確立することを可能にし、
前記出力光学系(OO)が、前記少なくとも1つの空間光変調器(SLM)からの前記光のパターンを照明領域(IA)上に集束させることを可能にし、
前記装置が、前記照明領域(IA)と前記出力光学系(OO)との間の障害物を検出する少なくとも1つの衝突防止検出システム(LBa、LBb、HSa、HSb)を備える、装置。
【請求項36】
前記衝突防止検出システムが、少なくとも1つの衝突防止光ビームを提供することができる少なくとも1つの光エミッタ(LD)および少なくとも1つの光センサ(PD)を備える、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記衝突防止検出システムが前記感光性材料の表面を走査することができる、請求項35または36に記載の装置。
【請求項38】
前記衝突防止光ビームの直径が2mm未満、好ましくは1mm未満である、請求項36から37に記載の装置。
【請求項39】
前記衝突防止検出システムが、少なくとも2つの衝突防止光ビームを提供することができる少なくとも2つの光エミッタおよび少なくとも2つの光センサを備える、請求項35から38に記載の装置。
【請求項40】
前記衝突防止検出システムがビジョンカメラを備える、請求項35から39に記載の装置。
【請求項41】
前記少なくとも1つの衝突防止検出システムが前記走査バーに結合される、請求項35から40に記載の装置。
【請求項42】
前記少なくとも1つの光エミッタおよび前記少なくとも1つの光センサが前記露光システム上に取り付けられる、請求項36から41に記載の装置。
【請求項43】
前記少なくとも1つの光エミッタおよび前記少なくとも1つの光センサが前記走査バーと同時に移動する、請求項36から42に記載の装置。
【請求項44】
前記衝突防止光ビームからの信号の不規則性に関する情報を伝達するため、前記少なくとも1つの光センサが前記装置に電気的に接続される、請求項36から43に記載の装置。
【請求項45】
前記衝突防止検出システムが、前記少なくとも1つの衝突防止光ビームが前記感光性材料と前記露光システムとの間を伝搬することができるようなものである、請求項35から44に記載の装置。
【請求項46】
前記衝突防止検出システムが、前記少なくとも1つの衝突防止光ビームが前記走査バーの移動方向に対して垂直の方向で前記走査バーの前方および/または後方を伝搬することができるようなものである、請求項35から45に記載の装置。
【請求項47】
前記露光システムが少なくとも2つの衝突防止光ビームを含む、請求項35から46に記載の装置。
【請求項48】
前記少なくとも1つの衝突防止光ビームがレーザービームである、請求項35から47に記載の装置。
【請求項49】
前記衝突防止検出システムが少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つのプリズムまたは鏡などの方向変更手段(PRa、PRb)を備える、請求項35から48に記載の装置。
【請求項50】
動作中の前記露光システムの最下部が前記感光性材料の上面から5mm未満に位置付けられる、請求項35から49に記載の装置。
【請求項51】
衝突防止検出システムを備える請求項35から50のいずれか一項に記載の装置を使用することにより、感光性材料から三次元物体を製造する方法。
【請求項52】
前記衝突防止検出システムからの信号の強度を5%超過低下させることで、前記走査バーの移動を停止する信号を得る、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記物体のデータ表現を提供するステップを含む、請求項51または52に記載の方法。
【請求項54】
前記少なくとも1つの衝突防止検出システムが、衝突の可能性を検出すると、前記露光システムの移動を停止する信号を送る、請求項51から53に記載の方法。
【請求項55】
前記少なくとも1つの衝突防止検出システムが、衝突のリスクを検出すると、前記露光システムの位置を前記感光性材料の高さの上方に上昇させる信号を送る、請求項51から54に記載の方法。
【請求項56】
前記入力光学系が平行化光学系を備える、請求項1から17、20から32、または35から50に記載の装置。
【請求項57】
前記出力光学系が焦点光学系を備える、請求項1から17、20から32、35から50、または56に記載の装置。
【請求項58】
前記露光システムが発光ダイオードを備える、請求項1から17、20から32、35から50、または56から57に記載の装置。
【請求項59】
前記感光性材料を収容する槽(V)をさらに備える、請求項1から17、20から32、35から50、または56から58に記載の装置。
【請求項60】
構築プレートをさらに備える、請求項1から17、20から32、35から50、または56から59に記載の装置。
【請求項61】
前記制御装置が、前記出力光学系に対する前記構築プレートの垂直位置を調節する手段をさらに備える、請求項1から17、20から32、35から50、または56から60に記載の装置。
【請求項62】
前記露光システムが1つを超える空間光変調器を備える、請求項1から17、20から32、35から50、または56から61に記載の装置。
【請求項63】
前記露光システムが照明モジュールで構築され、前記照明モジュールが少なくとも1つの発光ダイオードおよび少なくとも1つの空間光変調器を備える、請求項1から17、20から32、35から50、または56から62に記載の装置。
【請求項64】
前記露光システムが1つを超える発光ダイオードを備える、請求項1から17、20から32、35から50、または56から63に記載の装置。
【請求項65】
1つの特定の発光ダイオードからの光が1つの特定の空間光変調器を照明する、請求項1から17、20から32、35から50、または56から64に記載の装置。
【請求項66】
前記入力光学系がマイクロレンズの少なくとも1つのアレイを備える、請求項1から17、20から32、35から50、または56から65に記載の装置。
【請求項67】
前記入力光学系が前記発光ダイオードからの前記光を複数のビームに分割する、請求項1から17、20から32、35から50、または56から66に記載の装置。
【請求項68】
光ガイドが前記発光ダイオードからの光を前記空間光変調器にガイドする、請求項1から17、20から32、35から50、または56から67に記載の装置。
【請求項69】
前記露光システムを前記感光性材料の全体にわたって走査させることができるようなものである、請求項1から17、20から32、35から50、または56から68に記載の装置。
【請求項70】
前記出力光学系がマイクロレンズの少なくとも1つのアレイを備える、請求項1から17、20から32、35から50、または56から69に記載の装置。
【請求項71】
請求項1から17、20から32、35から50、または56から69に記載の装置における、光硬化性樹脂の使用。
【請求項72】
請求項1から17、20から32、35から50、または56から69に記載の装置において、光硬化性組成物を硬化する方法。
【請求項73】
請求項18から19、または33から34、または51から55のいずれか一項に記載の方法によって作成される三次元物体。
【請求項74】
請求項1から17、または20から32、または35から50、または56から70のいずれか一項に記載の装置を使用することによって作成される三次元物体。
【請求項75】
請求項73および74に記載の三次元物体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−505776(P2012−505776A)
【公表日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531454(P2011−531454)
【出願日】平成21年10月9日(2009.10.9)
【国際出願番号】PCT/EP2009/063163
【国際公開番号】WO2010/043559
【国際公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(504177804)ハンツマン・アドヴァンスト・マテリアルズ・(スイッツランド)・ゲーエムベーハー (43)
【Fターム(参考)】