説明

近距離無線通信機、受信制御方法、及び、プログラム

【課題】好適に通信を行う近距離無線通信機、受信制御方法、及び、プログラムを提供する。
【解決手段】受信電力検出器27は、受信した信号の信号レベルを、起動電力レジスタ28に記憶されている起動レベルと比較し、起動レベル以上であればコントローラ21及び復調器24をON状態とする。そして、コントローラ21は、受信した信号に対応した処理を実行する。また、コントローラ21は、受信した信号の信号レベルに基づいて、起動電力レジスタ28に記憶される起動レベルを再設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、近距離無線通信機、受信制御方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、NFC(Near Field Communication)や、TransferJetなどの近距離無線通信が普及してきている。これらの近距離無線通信は、その通信距離が数センチメートルである。これを利用し、通信機同士をタッチする、あるいはかざすという行為で通信を行うという、ユーザにわかりやすいインタフェースを特徴としている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−135054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
適切な通信距離を保つために、送信側の通信機の信号送信レベルと、受信側の通信機の受信感度とを調整する必要がある。しかし、その調整が難しく、通信距離にばらつきが生じやすいという問題点がある。
【0005】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、好適に通信を行う近距離無線通信機、受信制御方法、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる近距離無線通信機は、
信号を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した信号の強度を検出する信号強度検出手段と、
前記信号強度検出手段が検出した前記信号の強度が所定の閾値以上であるか否かを判別する信号強度判別手段と、
前記信号強度判別手段が、前記信号の強度が所定の閾値以上であると判別した場合、当該信号に基づいた処理を実行する処理手段と、
前記信号強度検出手段が検出した前記信号の強度に基づいて、前記所定の閾値を再設定する再設定手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
前記再設定手段は、前記信号強度検出手段が検出した前記信号の強度から所定の値を引いた値を新たな前記所定の閾値として再設定するようにしてもよい。
【0008】
前記再設定手段は、前記信号強度検出手段が検出した前記信号の強度から所定の値を引いた値が、現在設定されている前記所定の閾値より小さい値であれば、その値を前記所定の閾値として再設定するようにしてもよい。
【0009】
前記受信手段が受信した信号から識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記所定の閾値を前記識別情報と対応付けて複数記憶する閾値記憶手段と、をさらに備え、
前記信号強度判別手段は、前記信号の強度が、前記識別情報取得手段が取得した前記識別情報に対応する前記所定の閾値以上であるか否かを判別し、
前記再設定手段は、前記識別情報取得手段が取得した前記識別情報に対応する前記所定の閾値を再設定するようにしてもよい。
【0010】
本発明の第2の観点にかかる近距離無線通信機の受信制御方法は、
信号を受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信した信号の強度を検出する検出ステップと、
前記検出ステップで検出した前記信号の強度が所定の閾値以上であるか否かを判別する判別ステップと、
前記判別ステップで、前記信号の強度が所定の閾値以上であると判別した場合、当該信号に基づいた処理を実行する処理ステップと、
前記検出ステップで検出した前記信号の強度に基づいて、前記所定の閾値を再設定する再設定ステップと、
を含むことを特徴とする。
【0011】
本発明の第3の観点にかかるプログラムは、
コンピュータを、
信号を受信する受信手段、
前記受信手段が受信した信号の強度を検出する信号強度検出手段、
前記信号強度検出手段が検出した前記信号の強度が所定の閾値以上であるか否かを判別する信号強度判別手段、
前記信号強度判別手段が、前記信号の強度が所定の閾値以上であると判別した場合、当該信号に基づいた処理を実行する処理手段、
前記信号強度検出手段が検出した前記信号の強度に基づいて、前記所定の閾値を再設定する再設定手段、
として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、好適に近距離無線通信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る近接無線通信機を利用するシステムの概要を示す図である。
【図2】近接無線通信機の概略構成を示すブロック図である。
【図3】受信電力比較処理の動作を示すフローチャートである。
【図4】起動レベル設定処理の動作を示すフローチャートである。
【図5】起動レベルの再設定の具体例を示す図である。
【図6】近接無線通信機の他の例の概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明にかかる実施形態を、図面を参照して以下に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る近接無線通信機20を利用するシステムの概要を示す図である。近接無線通信機20は、NFC(Near Field Communication)などの近接無線通信方式により、外部の通信手段10と無線通信を行う。通信手段10は、例えば、通信機能を備えるICカードや、当該ICカードを備える携帯電話などの端末装置、あるいは、リモコン装置などの電子機器である。
【0015】
近接無線通信機20は、通信手段10からの信号を検出すると、その信号に応じた処理を行う。この実施形態の近接無線通信機20と通信手段10における通信距離は、数センチメートルなど比較的近い距離を想定している。例えば、ユーザは、通信手段10を近接無線通信機20に接触させたり、通信手段10を近接無線通信機20にかざすことで、近接無線通信機20に所望の動作を実行させる。例えば、通信手段10が電子マネー機能を持ったICカードであり、そのICカードが発する信号を近接無線通信機20が検出すると、近接無線通信機20は、出入金の処理を行う。
【0016】
図2は、近接無線通信機20の概略構成を示すブロック図である。図2に示すように、近接無線通信機20は、コントローラ21と、アンテナ22と、増幅回路23と、復調器24と、変調器25と、電力増幅回路26と、受信電力検出器27と、起動電力レジスタ28と、から構成される。
【0017】
コントローラ21は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などから構成され、近接無線通信機20の動作を制御する。例えば、ROMに格納されたプログラムを実行することにより、通信手段10からアンテナ22などを介して受信した信号に基づいた処理を実行し、その実行結果に対応した信号をアンテナ22などを介して無線通信手段10に送出する。
【0018】
なお、通信手段10と近接無線通信機20との信号のやりとりは、1往復に限らず、必要な回数行われる。なお、通信手段10からのみ信号を送信するものであって、近接無線通信機20からの通信は行われないものであってもよい(例えば、カードキーが読取装置により検出されたときに鍵の解錠施錠を行う場合など)。
【0019】
アンテナ22は、通信手段10からの信号を検出する。アンテナ22は、通信手段10から検出した信号を増幅回路23に伝送する。また、アンテナ22は、電力増幅回路26から伝送された信号を送信する。
【0020】
増幅回路23は、アンテナ22が検出した信号を増幅する。増幅回路23は、例えばLNA(Low Noise Amplifier)などである。増幅回路23は、増幅した信号を復調器24及び受信電力検出器27に伝送する。
【0021】
復調器24は、アンテナ22及び増幅回路23を介して伝送された信号を、コントローラ21で読取可能な信号に復調する。復調器24は、復調した信号をコントローラ21に伝送する。
【0022】
コントローラ21は、復調器24から信号を受けると、伝送された信号に対応した処理を実行する。そして、コントローラ21は、その処理結果に対応した信号を変調器25に伝送する。
【0023】
コントローラ21及び復調器24は、図示せぬ電力源から供給される電力に基づいて動作し、その機能を実行するON状態と、実行しないOFF状態と、に切り替え可能になっている。近接無線通信機20では、OFF状態においてはコントローラ21及び復調器24に電力が供給されないため、常時電力が供給されるものと比べて消費電力を抑えることができる。
【0024】
変調器25は、コントローラ21から伝送された信号を、アンテナ22から送出可能な信号に変調する。変調器25は、変調した信号を電力増幅回路26に伝送する。
【0025】
電力増幅回路26は、変調器25から伝送された信号を増幅する。電力増幅回路26は、例えばPA(Power Amplifier)などである。電力増幅回路26は、増幅した信号をアンテナ22を介して送信する。
【0026】
受信電力検出器27は、増幅回路23から伝送された信号の電力(信号レベル)を検出する。そして、受信電力検出器27は、検出した信号レベルを、起動電力レジスタ28に記憶される起動レベルと比較する。このとき、検出した信号レベルが起動レベル以上であれば、アンテナ22が受信した信号に対応する処理を実行するため、受信電力検出器27は、コントローラ21及び復調器24をON状態とするための起動信号を、コントローラ21及び復調器24に伝送する。
【0027】
起動電力レジスタ28は、コントローラ21及び復調器24をON状態にするか否かを判別する際の基準となる起動レベルを記憶する記憶領域である。起動電力レジスタ28には、初期状態(例えば近接無線通信機20の起動時の状態)では、所定の初期起動レベルが記憶される。起動電力レジスタ28に記憶される起動レベルは、コントローラ21の制御のもと、再設定される。詳細な動作については後述する。
【0028】
続いて、近接無線通信機20の動作について説明する。近接無線通信機20のアンテナ22が無線通信手段10から信号を検出すると、その信号が増幅回路23に伝送される。そして、増幅回路23は、アンテナ22から伝送された信号を増幅し、増幅した信号を復調器24及び受信電力検出器27に伝送する。
【0029】
受信電力検出器27は、増幅回路23から信号を受けると図3に示す受信電力比較処理を実行する。
【0030】
受信電力比較処理では、まず、受信電力検出器27は、増幅回路23から受けた信号の信号レベルを、起動電力レジスタ28に記憶されている起動レベルと比較する(ステップS101)。
【0031】
そして、受信電力検出器27は、増幅回路23から受けた信号の信号レベルが起動レベル以上であるか否かを判別する(ステップS102)。増幅回路23から受けた信号の信号レベルが起動レベルより小さければ(ステップS102;No)、当該信号はノイズであると判別し、そのまま受信電力比較処理を終了する。この場合、アンテナ22が検出した信号は復調されず、当該信号に基づく処理も実行されない。
【0032】
増幅回路23から受けた信号の信号レベルが起動レベル以上であれば(ステップS102;Yes)、アンテナ22が受信した信号を処理するため、受信電力検出器27は、コントローラ21及び復調器24をON状態とするための起動信号を、コントローラ21及び復調器24に伝送する(ステップS103)。そして、受信電力比較を終了する。
【0033】
増幅回路23から受けた信号の信号レベルが起動レベル以上であった場合には、復調器24はON状態となるので、増幅回路23から伝送された信号を復調し、復調した信号をコントローラ21に伝送する。
【0034】
そして、同様にON状態となったコントローラ21は、復調器24から信号を受けると、伝送された信号に対応した処理を実行する。その後、その処理結果に対応した信号を変調器25に伝送する。
【0035】
変調器25は、コントローラ21から伝送された信号を、アンテナ22から送出可能な信号に変調し、変調した信号を電力増幅回路26に伝送する。そして、電力増幅回路26は、変調器25から伝送された信号を増幅し、増幅した信号をアンテナ22を介して送出する。
【0036】
また、コントローラ21は、復調器24から信号を受けると、起動レベルを再設定するための起動レベル設定処理を実行する。図4は、起動レベル設定処理の動作を示すフローチャートである。
【0037】
起動レベル設定処理では、先ず、コントローラ21は、受信した信号の信号レベルを検出する(ステップS201)。
【0038】
続いて、コントローラ21は、起動電力レジスタ28に記憶されている起動レベルが予め設定された初期値であるか否かを判別する(ステップS202)。
【0039】
起動電力レジスタ28に記憶されている起動レベルが初期値であれば(ステップS202;Yes)、コントローラ21は、ステップS201で検出した信号レベルから所定値を引いた値を新たな起動レベルとして起動電力レジスタ28に記憶する(ステップS203)。ステップS203の処理を実行した後は、起動レベル設定処理を終了する。
【0040】
なお、ステップS203における所定値とは、通信手段10から送信される信号の信号レベルの誤差の範囲と推定される値などであればよい。このようにすることで、通信手段10から送信される信号の信号レベルが誤差により小さくなったとしても、近接無線通信機20でその信号を受信し、処理することができる。
【0041】
また、ステップS203においては、初期値より小さい値が起動レベルとして設定されないようにしてもよい。即ち、ステップS201で検出した信号レベルから所定値を引いた値が初期値より小さければ、起動レベルは初期値のまま変更しないようにしてもよい。具体的には、起動レベルの設定範囲を予め定めておく。そして、起動レベルの初期値は、その設定範囲のうち最も小さい値とすればよい。このようにすることで、初期状態では、起動レベルが最も小さくなっており、信号の受信感度が最も高くなっているが、その後に受信した信号の信号レベルに応じて、随時起動レベルを大きな値に変更し、受信感度を下げて好適な信号の受信を行うことができる。
【0042】
また、起動電力レジスタ28に記憶されている起動レベルが初期値でなければ(ステップS202;No)、コントローラ21は、ステップS201で検出した信号レベルから所定値を引いた値が現在の起動レベルより小さいか否かを判別する(ステップS204)。
【0043】
このとき、ステップS201で検出した信号レベルから所定値を引いた値が現在の起動レベルより小さければ(ステップS204;Yes)、ステップS201で検出した信号レベルから所定値を引いた値を新たな起動レベルとして起動電力レジスタ28に記憶する(ステップS203)。ステップS201で検出した信号レベルから所定値を引いた値が現在の起動レベル以上であれば(ステップS204;No)、起動レベルの再設定は行わず、起動レベル設定処理を終了する。このように、することで、受信した信号の信号レベルのうち、最も信号レベルの小さな信号を基準に起動レベルを設定することができる。
【0044】
以上のように、信号に基づいた処理、及び、起動レベル設定処理が終了すると、復調器24及びコントローラ21は、OFF状態となる。なお、信号に基づいた処理、及び、起動レベル設定処理の終了後、所定期間が経過した後に、復調器24及びコントローラ21がOFF状態となるようにしてもよい。あるいは、外部からの操作に応じてOFF状態となるようにしてもよい。
【0045】
図5は、起動レベルの再設定の具体例を示す図である。起動レベルが初期のときに、図5(A)に示すような信号を受信した場合、当該信号の信号から所定値を引いた値が、新たな起動レベルに設定される。それ以降に信号を受信したときには、図5(B)、(D)に示すように、当該信号の信号から所定値を引いた値が、現在の起動レベルより小さければ、その値が新たな起動レベルに設定される。一方、図5(C)に示すように、当該信号の信号から所定値を引いた値が、現在の起動レベル以上であれば、起動レベルは変更されない。
【0046】
以上のように、近接無線通信機20は、受信した信号に基づいた処理を実行するとともに、受信した信号の信号レベルに基づいて、起動レベルを再設定することができる。これにより、近接無線通信機20に適切な起動レベルを設定することができる。また、起動レベルの信号を受信したときのみ、当該信号を処理するので、消費電力も抑えることができる。
【0047】
また、近接無線通信機20に適切な起動レベルが設定されるので、ユーザによる操作ミスを低減することができる。さらに、通信距離を近距離に保てるので、ノイズによる誤作動を防止でき、セキュリティも向上する。
【0048】
なお、この発明は上記実施形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。
【0049】
例えば、図4に示した、上記実施形態の起動レベル設定処理では、信号を受信するたびに、当該信号に基づいて起動レベルを再設定するか否かを判別し、再設定すると判別された場合に(ステップS202、S204;Yes)、受信した信号の信号レベルから所定値を引いた値を新たな起動レベルに再設定していた。起動レベルの再設定の方法はこれに限定されない。例えば、過去数回の信号レベルの平均値(移動平均)をとり、その平均値から所定値を引いた値を起動レベルに再設定するようにしてもよい。また、受信した信号をローパスフィルタ処理し、極端に高い信号レベルをノイズとして排除するようにしてもよい。
【0050】
また、ローパスフィルタ処理した信号レベルと、過去に受信した最低の信号レベルからから算出した値と、に基づいて起動レベルを設定するようにしてもよい。例えば、ローパスフィルタ処理した信号レベルをA、過去に受信した最低の信号レベルをBとすると、(A−B)/3の値を誤差の範囲であるとして、前記所定値に設定する。そして、過去に受信した最低の信号レベルBからこの所定値((A−B)/3)を引いた値を起動レベルとして再設定するようにしてもよい。このようにすることで、ローパスフィルタ処理した信号レベルと、過去に受信した最低の信号レベルと、の差が小さいときは、受信する信号レベルにばらつきが少ないとして、前記所定値を小さくすることができる。また過去に受信した最低の信号レベルと、の差が大きいときは、受信する信号レベルにばらつきが多いとして、前記所定値を大きくすることができる。
【0051】
また、上記実施形態の近接無線通信機20は、上述した構成に限定されず、他の構成を備えてもよい。例えば、近接無線通信機を図6に示す構成(近接無線通信機120)としてもよい。
【0052】
図6に示すように、近接無線通信機120は、複数の起動電力レジスタ28a〜28nと、ID検出部29と、セレクタ30と、を備える。これら以外の構成は、図2に示した近接無線通信機20と同様である。
【0053】
増幅回路23は、増幅した信号をID検出部29にも送出する。ID検出部29は、この信号に含まれる識別情報(ID)を検出する。この場合、通信手段10から送信される信号に、通信手段10を識別する識別情報が含まれている必要がある。ID検出部29は、検出した識別情報をコントローラ21及びセレクタ30に送出する。
【0054】
複数の起動電力レジスタ28a〜28nは、各識別情報に対応した起動電力をそれぞれ記憶する。
【0055】
セレクタ30は、ID検出部29から識別情報を受けると、その識別情報に対応した起動電力レジスタ28a〜28nから起動電力を読み出し、受信電力検出器27に供給する。
【0056】
受信電力検出器27では、増幅回路23から伝送された信号の信号レベルを、その信号に対応した起動レベルと比較することができる。
【0057】
また、コントローラ21は、図4の起動レベル設定処理では、ステップS203の処理で、ID検出部29から伝送された識別情報に対応する起動電力レジスタ28a〜28nに、新たな起動レベルを記憶する。これにより、識別情報に対応する起動レベルを再設定することができる。
【0058】
このように、近接無線通信機120では、識別情報毎に、即ち、通信手段10毎に、起動電力を記憶するので、通信相手によらず適切な通信距離を保った近接通信を行うことができる。
【0059】
また、図2に示した近接無線通信機20、図6に示した近接無線通信機120の構成は一例であって、同等の機能を果たせればその構成は任意である。近接無線通信機20、120の各構成はハードウェアで実現されてもよいし、ソフトウェアで実現されてもよい。
【0060】
また、近接無線通信機20、120のコントローラ21が実行するプログラムは予めROMに記憶されているものとして説明したが、外部の記憶媒体から取得したものであってもよいし、ネットワークを介して伝送されたものを記憶するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0061】
10…通信手段、20、120…近接無線通信機、21…コントローラ、22…アンテナ、23…増幅回路、24…復調器、25…変調器、26…電力増幅回路、27…受信電力検出器、28…起動電力レジスタ、29…ID検出部、30…セレクタ、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した信号の強度を検出する信号強度検出手段と、
前記信号強度検出手段が検出した前記信号の強度が所定の閾値以上であるか否かを判別する信号強度判別手段と、
前記信号強度判別手段が、前記信号の強度が所定の閾値以上であると判別した場合、当該信号に基づいた処理を実行する処理手段と、
前記信号強度検出手段が検出した前記信号の強度に基づいて、前記所定の閾値を再設定する再設定手段と、
を備えることを特徴とする近距離無線通信機。
【請求項2】
前記再設定手段は、前記信号強度検出手段が検出した前記信号の強度から所定の値を引いた値を新たな前記所定の閾値として再設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の近距離無線通信機。
【請求項3】
前記再設定手段は、前記信号強度検出手段が検出した前記信号の強度から所定の値を引いた値が、現在設定されている前記所定の閾値より小さい値であれば、その値を前記所定の閾値として再設定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の近距離無線通信機。
【請求項4】
前記受信手段が受信した信号から識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記所定の閾値を前記識別情報と対応付けて複数記憶する閾値記憶手段と、をさらに備え、
前記信号強度判別手段は、前記信号の強度が、前記識別情報取得手段が取得した前記識別情報に対応する前記所定の閾値以上であるか否かを判別し、
前記再設定手段は、前記識別情報取得手段が取得した前記識別情報に対応する前記所定の閾値を再設定する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の近距離無線通信機。
【請求項5】
信号を受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信した信号の強度を検出する検出ステップと、
前記検出ステップで検出した前記信号の強度が所定の閾値以上であるか否かを判別する判別ステップと、
前記判別ステップで、前記信号の強度が所定の閾値以上であると判別した場合、当該信号に基づいた処理を実行する処理ステップと、
前記検出ステップで検出した前記信号の強度に基づいて、前記所定の閾値を再設定する再設定ステップと、
を含むことを特徴とする近距離無線通信機の受信制御方法。
【請求項6】
コンピュータを、
信号を受信する受信手段、
前記受信手段が受信した信号の強度を検出する信号強度検出手段、
前記信号強度検出手段が検出した前記信号の強度が所定の閾値以上であるか否かを判別する信号強度判別手段、
前記信号強度判別手段が、前記信号の強度が所定の閾値以上であると判別した場合、当該信号に基づいた処理を実行する処理手段、
前記信号強度検出手段が検出した前記信号の強度に基づいて、前記所定の閾値を再設定する再設定手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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