説明

返血方法および血液浄化装置

【課題】 透析膜に目詰まりした蛋白質が血液中に戻されることが少なく、返血時における回収量の少ない返血方法、およびそのような返血を可能にする血液浄化装置を提供する。
【解決手段】 血液浄化装置は、血液浄化器1と、血液回路2と、動脈側血液回路21に設けられた血液ポンプ3と、静脈側血液回路22に設けられた静脈チャンバ23と、透析液回路4を含んでおり、透析液回路4にはビスカスチャンバ6が設けられ、密閉式除水制御が可能になっている。ビスカスチャンバ6より血液浄化器1側の透析液回路4にはエアー導入手段5が設けられている。エアー導入手段5は、透析液供給回路41に設けられた透析液排出ライン51と、排液回路42に設けられたエアー導入ライン52からなり、透析液は血液浄化器1の下側から上側に流れるようになっている。そして、エアー導入ライン52は、エアー導入口にエアーフィルタ521を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液浄化治療終了後に、血液浄化器および血液回路内に残っている血液を患者の体内に戻す方法、および血液浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
血液浄化治療の終了後に、血液回路および血液浄化器内に残っている血液を回収する方法として、従来、生食ラインを介して生食を血液循環回路内に充填し、血液回路および血液浄化器内から血液を押し出して患者の体内に返血する方法が一般的であった。
しかしながら、その場合、透析開始前のプライミングにも生食(生理食塩液)を大量に使用しているため、治療コストが嵩み、患者の負担も大きいことから、近年、逆濾過を利用したプライミングや返血が普及するようになってきている(特許文献1、2)。
【0003】
一方、血液浄化治療においては、血液中のアルブミンなどの蛋白質により透析膜に目詰まりが生じることが知られており、逆濾過を利用した返血の場合、この目詰まりした蛋白質が血液の中に戻され返血されて、体内で炎症反応や組織の破壊が起きているときに血中に現れるCRPが上がる虞があり問題であった。また、逆濾過による返血方法では、血液と一緒に回収される逆濾過された透析液の量が多く、患者にとって好ましいものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−93193号公報
【特許文献2】特開2009−131412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、如上の事情に鑑みてなされたもので、透析膜に目詰まりした蛋白質が血液中に戻されることが少なく、返血時における回収量の少ない返血方法を提供する。また、そのような返血を可能にする血液浄化装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の返血方法は、血液浄化治療終了後、透析液供給回路にエアーを導入して、該エアーを目詰まりが多く発生していると思われる血液浄化器の膜部分に導入し、目詰まりの少ない膜部分で逆濾過を行い、該逆濾過された透析液を利用して返血することを特徴とする。
ここで、逆濾過を行う膜部分は、血液浄化器の膜面積の1/2〜1/5であるのが好ましく、血液浄化器の膜面積の1/4程度であるのが更に好ましい。
【0007】
本発明の血液浄化装置は、血液浄化器と、血液回路と、前記血液浄化器より上流側の血液回路に設けられた血液ポンプと、前記血液浄化器より下流側の血液回路に設けられた静脈チャンバと、透析液回路を含んでなる血液浄化装置において、前記透析液回路が密閉式除水制御方式になっており、該密閉された透析液回路にエアーを導入するエアー導入手段が設けられるとともに、逆濾過手段が設けられてなることを特徴とする。
ここで、エアー導入手段は、透析液回路の透析液排液側に設けられたエアー導入ラインと、透析液回路の透析液供給側に設けられた透析液排出ラインからなるものが採用可能である。また、エアー導入ラインとしては、エアー導入口にエアーフィルタを備えるとともに開閉弁を備えてなるものが採用可能である。
【0008】
密閉式除水制御方式としては、ダブルチャンバ方式、複式ポンプ方式、ビスカスコントロール方式のいずれも採用可能であるが、複式ポンプ方式はビスカスコントロール方式と同じエアー導入手段を利用できること、逆濾過を行うための特別の手段を必要としないことから、ビスカスコントロール方式と同様の装置として扱う。
密閉式除水制御方式としてダブルチャンバ方式を採用した場合、新鮮な透析液を貯留し透析液回路を通して血液浄化器に供給する室と、血液浄化器から透析回路の排液側を通って流入する使用済透析液を貯留する室からなり、これら2つの室が柔軟な膜で仕切られてなるイコライザーを採用しており、逆濾過手段は、このイコライザーを跨ぐように透析液回路の透析液供給側に設けられた逆濾過回路と、該逆濾過回路に設けられた逆濾過ポンプからなり、透析液排出ラインが透析液排出ポンプを備えてなるものが採用可能である。
また、密閉式除水制御方式としてビスカスコントロール方式を採用した場合、新鮮な透析液を貯留し透析液回路を通して血液浄化器に供給する室と、血液浄化器から透析回路の排液側を通って流入する使用済透析液を貯留する室と、更に除水のための室からなり、これら3つの室が柔軟な膜で仕切られ、前記除水のための室には、シリコンオイルなどの液が充填され、この液がビスカスポンプで出し入れ自在に構成されてなるビスカスチャンバが採用されており、透析液排出ラインが開閉弁を備えてなるものが採用可能である。この場合、逆濾過手段は、ビスカスチャンバの除水のための室とビスカスポンプからなる。
【0009】
以上、一般的に本発明を記述したが、より一層の理解は、いくつかの特定の実施例を参照することによって得ることが出来る。これらの実施例は本明細書に例示の目的のためにのみ提供されるものであり、他の旨が特定されない限り、限定的なものではない。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、以下のような効果が期待できる。すなわち、逆濾過を目詰まりの少ない膜部分で行い、この逆濾過された透析液を利用して返血するので、透析膜に目詰まりした蛋白質の血液中に戻される量が少なく、CRPが上がる虞がない。また、逆濾過を行う膜部分の面積が小さくなるので、その分返血時における回収量が少なくなり、患者の肉体的負担が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例1の概略説明図である。
【図2】実施例2の概略説明図である。
【図3】血液浄化器の血液側の圧力勾配と透析液側の圧力勾配の関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
血液浄化器と、血液回路と、前記血液浄化器より上流側の血液回路に設けられた血液ポンプと、前記血液浄化器より下流側の血液回路に設けられた静脈チャンバと、透析液回路を含んでなる血液浄化装置において、前記透析液回路が密閉式除水制御方式になっており、該密閉された透析液回路にエアーを導入するエアー導入手段が設けられるとともに、逆濾過手段が設けられている。エアー導入手段は、透析液回路の透析液排液側に設けられたエアー導入ラインと、透析液回路の透析液供給側に設けられた透析液排出ラインからなり、エアー導入ラインは、エアー導入口にエアーフィルタを備えるとともに開閉弁を備えてなる。密閉式除水制御方式としてビスカスコントロール方式を採用しており、新鮮な透析液を貯留し透析液回路を通して血液浄化器に供給する室と、血液浄化器から透析回路の排液側を通って流入する使用済透析液を貯留する室と、更に除水のための室からなり、これら3つの室が柔軟な膜で仕切られ、前記除水のための室には、シリコンオイルなどの液が充填され、この液がビスカスポンプで出し入れ自在に構成されてなるビスカスチャンバが採用されており、透析液排出ラインが開閉弁を備えてなる。
【実施例1】
【0013】
先ず、実施例1について、図1を用いて説明する。
図1は実施例1の概略説明図であり、密閉式除水制御方式としてビスカスコントロール方式を採用した場合の血液浄化装置を示す。
実施例1の 血液浄化装置は、血液浄化器1と、血液回路2と、血液浄化器1より上流側の血液回路(動脈側血液回路21)に設けられた血液ポンプ3と、血液浄化器1より下流側の血液回路(静脈側血液回路22)に設けられた静脈チャンバ23と、透析液回路4を含んでおり、透析液回路4にはビスカスチャンバ6が設けられ、密閉式除水制御が可能になっている。ビスカスチャンバ6より血液浄化器1側の透析液回路4にはエアー導入手段5が設けられている。エアー導入手段5は、透析液供給側の回路(透析液供給回路)41に設けられた透析液排出ライン51と、透析液排液側の回路(排液回路)42に設けられたエアー導入ライン52からなり、透析液は血液浄化器1の下側から上側に流れるようになっている。そして、エアー導入ライン52は、エアー導入口にエアーフィルタ521を備えるとともに、ラインの途中に自動開閉弁V2を備えており、透析液排出ライン51は自動開閉弁V1を備えている。尚、符号V3は静脈側血液回路に設けられた自動開閉弁である。
【0014】
ビスカスチャンバ6は、透析液調製装置(図示していない)から供給された新鮮な透析液を収容する新鮮透析液収容室61と、血液浄化器1で使用され供給された使用済の透析液を収容する使用済透析液収容室62と、これら二つの収容室61、62の間に設けられたシリコンオイルが収容されたビスカス室63からなり、各室61、62、63は柔軟な膜で仕切られている。ビスカスチャンバ6は通常2つ設けられており、ビスカスチャンバの切換により、連続的な透析液の供給が可能になっている。そして、2つのビスカスチャンバのビスカス室は1つのビスカスポンプ7で連結されている。ビスカス室に収容されるシリコンオイルの量は、このビスカスポンプ7で制御されており、一方のビスカス室から他方のビスカス室へのシリコンオイルの移動が可能になっている。
【0015】
血液浄化治療中は、エアー導入手段5の開閉弁V1、V2はどちらも閉鎖されている。血液は、血液ポンプ3により患者の体内から動脈側血液回路21を通って血液浄化器1に供給され、ここで浄化されて静脈側血液回路22を通って患者の体内に戻される。一方、透析液は、透析液供給ポンプ43により新鮮透析液収容室61から透析液供給回路41を通って血液浄化器1に供給され、ここで血液中の不要あるいは有害な物質を受け取って排液回路42を通って使用済透析液収容室に供給され収容される。血液浄化治療中における除水量は、ビスカスポンプ7によってビスカス室63から排出されたシリコンオイルの量によって決まるようになっている。
【0016】
返血に際しては、先ず、血液ポンプ3と透析液供給ポンプ43が駆動停止し、透析液回路4がもう一方のビスカスチャンバ(図示されていない)に接続される。次に、エアー導入手段5の自動開閉弁V1とV2が開き、エアーフィルタ521で浄化されたエアーがエアー導入ライン52、排液回路42を通って血液浄化器1に導入される一方、血液浄化器1内の透析液は透析液排出ライン51を通って排出される。エアーは目詰まりが多く発生していると思われる血液浄化器の膜部分に導入され、目詰まりの少ない膜部分で逆濾過が行われる。従って、透析液は血液浄化器の下から供給されるタイプの血液浄化装置が好ましい。本実施例と異なり透析液が血液浄化器の上から供給されるタイプの血液浄化装置では、血液浄化器を上下逆転させてエアーを導入し、逆濾過を行う必要がある。
【0017】
血液浄化器の目詰まりは、血液側の圧力が透析液側の圧力より大きい部分で生じる。即ち、血液も透析液も血液浄化器を流通する間に圧損が生じ、血液側の圧力勾配と透析液側の圧力勾配の関係が図3に示すようになる。従って、目詰まりは血液側の圧力が最も大きい上側で多く、下側では透析液側の圧力の方が大きくなるので逆濾過が生じ目詰まりは生じない。目詰まりの生じなくなる位置は、血液側の圧力勾配と透析液側の圧力勾配の交わる位置より下側であり、通常、透析液の流量が血液の流量より多いことから、血液浄化器の膜面積の1/2程度の位置より下側での目詰まりはあっても非常に小さい。
エアーの導入される位置は、血液浄化器1の面積の3/4程度がエアーと接触するような位置が好ましい。エアー導入位置の検知方法としては、レーザー光による液面検知や、排出された透析液の重量測定、流量計の使用などの方法が採用可能である。勿論、自動開閉弁を使用しない場合は、透析液の液面を目視で検知する方法も可能である。
【0018】
血液浄化器1内の液面が所定の位置に達したことが検知されると、液面検知情報が図示していない制御装置に伝達され、エアー導入手段5の自動開閉弁V1、V2が閉じる。次に、ビスカスポンプ7が駆動し、ビスカス室63内に所定量のシリコンオイルが供給される。すると、このシリコンオイルの量と同量の、新鮮透析液室61内の新鮮な透析液が透析液供給回路41を通って血液浄化機1に供給され、逆濾過される。逆濾過された透析液は、エアー導入位置より下流側の血液流路内の血液を、静脈側血液回路22を通して患者の体内に押し戻す。静脈側血液回路22側の返血が終了すると、自動開閉弁V3が閉じる。次に、血液ポンプ3が動脈側血液回路21から取り外され、ビスカスポンプが駆動してビスカス室63内に所定量のシリコンオイルが供給されると、このシリコンオイルの量と同量の、新鮮透析液室61内の新鮮な透析液が透析液供給回路41を通って血液浄化機1に供給され、逆濾過される。逆濾過された透析液は、エアー導入位置より上流側の血液流路内の血液を、動脈側血液回路21を通して患者の体内に押し戻す。
【実施例2】
【0019】
次に、実施例2について、図2を用いて説明する。
図2は実施例2の概略説明図であり、密閉式除水制御方式としてダブルチャンバ方式を採用した場合の血液浄化装置を示す。
実施例2の血液浄化装置は、血液浄化器1と、血液回路2と、動脈側血液回路21に設けられた血液ポンプ3と、静脈側血液回路22)に設けられた静脈チャンバ23と、透析液回路4を含んでおり、透析液回路4にはイコライザー8が設けられ、密閉式除水制御が可能になっている。そして、透析液供給回路)41には逆濾過手段9が設けられており、逆濾過手段9は、イコライザー8を跨ぐように設けられた逆濾過回路91と、この逆濾過回路91に設けられた逆濾過ポンプ92からなる。血液浄化器1側の透析液回路4にはエアー導入手段5が設けられている。エアー導入手段5は、透析液供給回路41に設けられた透析液排出ライン51と、排液回路42に設けられたエアー導入ライン52からなり、透析液は血液浄化器1の下側から上側に流れるようになっている。そして、エアー導入ライン52は、エアー導入口にエアーフィルタ521を備えるとともにラインの途中に自動開閉弁V2を備えており、透析液排出ライン51は透析液排出ポンプ511を備えている。尚、符号V3は静脈側血液回路に設けられた自動開閉弁である。
【0020】
イコライザー8は、透析液調製装置(図示していない)から供給された新鮮な透析液を収容する新鮮透析液収容室81と、血液浄化器1で使用され供給された使用済の透析液を収容する使用済透析液収容室82とからなり、各室61、62は柔軟な膜で仕切られている。イコライザー8は通常2つ設けられており、イコライザーの切換により、連続的な血液浄化が可能になっている。
【0021】
血液浄化治療中は、エアー導入手段5の開閉弁V2は閉鎖されている。血液は、血液ポンプ3により患者の体内から動脈側血液回路21を通って血液浄化器1に供給され、ここで浄化されて静脈側血液回路22を通って患者の体内に戻される。一方、透析液は、透析液供給ポンプ43により新鮮透析液収容室61から透析液供給回路41を通って血液浄化器1に供給され、ここで血液中の不要あるいは有害な物質を受け取って排液回路42を通って使用済透析液収容室62に供給され収容される。血液浄化治療中における除水量は、除水ポンプ(図示していない)によって制御されるようになっている。
【0022】
返血に際しては、先ず、血液ポンプ3と透析液供給ポンプ43が駆動停止し、次に、エアー導入手段5の自動開閉弁V2が開き、透析液排出ポンプ511が駆動する。すると、エアーフィルタ521で浄化されたエアーがエアー導入ライン52、排液回路42を通って血液浄化器1に導入される一方、血液浄化器1内の透析液は透析液排出ライン51を通って排出される。エアーは目詰まりが多く発生していると思われる血液浄化器の膜部分に導入され、目詰まりの少ない膜部分で逆濾過が行われる。除水を行っている場合にも(この場合、透析液側の圧力は除水ポンプの圧力に応じて低くなる)、血液浄化器の膜面積の1/2程度の位置より下側での目詰まりは小さい。
【0023】
血液浄化器1内の液面が所定の位置に達したことが検知されると、液面検知情報が図示していない制御装置に伝達され、エアー導入手段5の自動開閉弁V2が閉じ、透析液排出ポンプ511が駆動停止する。次に、逆濾過ポンプ92が駆動し、新鮮な透析液が逆濾過回路91、透析液供給回路41を通って血液浄化機1に供給され、逆濾過される。逆濾過された透析液は、エアー導入位置より下流側の血液流路内の血液を、静脈側血液回路22を通して患者の体内に押し戻す。静脈側血液回路22側の返血が終了すると、自動開閉弁V3が閉じ、逆濾過ポンプが駆動停止する。次に、血液ポンプ3が動脈側血液回路21から取り外されると、逆濾過ポンプ92が駆動し、新鮮な透析液が逆濾過回路91、透析液供給回路41を通って血液浄化機1に供給され、逆濾過される。逆濾過された透析液は、エアー導入位置より上流側の血液流路内の血液を、動脈側血液回路21を通して患者の体内に押し戻す。
【符号の説明】
【0024】
1 血液透析器
2 血液回路
21 動脈側血液回路
22 静脈側血液回路
23 静脈チャンバ
V3 自動開閉弁
3 血液ポンプ
41 透析液供給回路
42 排液回路
43 透析液供給ポンプ
5 エアー導入手段
51 透析液排出ライン
511 透析液排出ポンプ
52 エアー導入ライン
521 エアーフィルタ
V1、V2 自動開閉弁
6 ビスカスチャンバ
61 新鮮透析液収容室
62 使用済透析液収容室
63 ビスカス室
7 ビスカスポンプ
8 イコライザー
81 新鮮透析液収容室
82 使用済透析液収容室
9 逆濾過手段
91 逆濾過回路
92 逆濾過ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液浄化治療終了後、透析液供給回路にエアーを導入して、該エアーを目詰まりが多く発生していると思われる血液浄化器の膜部分に導入し、目詰まりの少ない膜部分で逆濾過を行い、該逆濾過された透析液を利用して返血することを特徴とする、血液浄化治療後の返血方法。
【請求項2】
逆濾過を行う膜部分が血液浄化器の膜面積の1/2〜1/5である請求項1記載の返血方法。
【請求項3】
逆濾過を行う膜部分が血液浄化器の膜面積の1/4である請求項2記載の返血方法。
【請求項4】
血液浄化器と、血液回路と、前記血液浄化器より上流側の血液回路に設けられた血液ポンプと、前記血液浄化器より下流側の血液回路に設けられた静脈チャンバと、透析液回路を含んでなる血液浄化装置において、前記透析液回路が密閉式除水制御方式になっており、該密閉された透析液回路にエアーを導入するエアー導入手段が設けられるとともに、逆濾過手段が設けられてなる血液浄化装置。
【請求項5】
エアー導入手段が、透析液回路の透析液排液側に設けられたエアー導入ラインと、透析液回路の透析液供給側に設けられた透析液排出ラインからなる請求項4に記載の血液浄化装置。
【請求項6】
エアー導入ラインが、エアー導入口にエアーフィルタを備えるとともに開閉弁を備えてなる請求項5に記載の血液浄化装置。
【請求項7】
密閉式除水制御方式がダブルチャンバ方式であり、新鮮な透析液を貯留し透析液回路を通して血液浄化器に供給する室と、血液浄化器から透析回路の排液側を通って流入する使用済透析液を貯留する室からなり、該2つの室が柔軟な膜で仕切られてなるイコライザーを用いており、逆濾過手段が、前記イコライザーを跨ぐように透析液回路の透析液供給側に設けられた逆濾過回路と、該逆濾過回路に設けられた逆濾過ポンプからなり、透析液排出ラインが透析液排出ポンプを備えてなる、請求項4〜6のいずれかに記載の血液浄化装置。
【請求項8】
密閉式除水制御方式がビスカスコントロール方式であり、新鮮な透析液を貯留し透析液回路を通して血液浄化器に供給する室と、血液浄化器から透析回路の排液側を通って流入する使用済透析液を貯留する室と、更に除水のための室からなり、該3つの室が柔軟な膜で仕切られ、前記除水のための室には、シリコンオイルなどの液が充填され、該液がビスカスポンプで出し入れ自在に構成されてなるビスカスチャンバを用いており、逆濾過手段が、前記ビスカスチャンバの除水のための室とビスカスポンプからなり、透析液排出ラインが開閉弁を備えてなる、請求項4〜6のいずれかに記載の血液浄化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−5721(P2012−5721A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−145692(P2010−145692)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(000135036)ニプロ株式会社 (583)
【Fターム(参考)】