説明

迷子管理システム

【課題】迷子札のコストを低く抑え、ペット、子供、老人や物等の管理対象体が迷子になった場合に、所有者や保護者等に的確に引き合わせることが可能な迷子管理システムの提供。
【解決手段】各ペット1に対する連絡先を管理する管理サーバ3と、各ペット1に装着されるタグ2とを有し、タグ2は、携帯電話装置4により読み取り可能な二次元コード20であって管理サーバ3に接続するためのURLおよび各ペット1を識別するための識別情報を含む二次元コード20が付与されたものであり、管理サーバ3は、タグ2に付与された二次元コード20に基づいて接続した携帯電話装置4に対し、ペット1に対する連絡先を提供するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペット、子供、老人や物等の管理対象体が迷子になった場合に、その所有者や保護者等に引き合わせるための迷子管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ペットが迷子になった場合に飼い主へすぐに連絡できるようにするものとして、例えば特許文献1,2に記載のものが知られている。特許文献1に記載の迷子札は、ペットの首輪に、飼い主名や電話番号等の連絡先を打ち付けた迷子札を装着することにより、第三者がその迷子札の身元を確認し、すぐに連絡ができるようにするものである。また、特許文献2に記載の迷子札は、電子基板を備えて連絡先の電話番号を記憶した迷子札であり、この迷子札を携帯電話に接続することにより、連絡先の電話番号へ自動ダイヤルするものである。
【0003】
また、特許文献3に記載の迷子札は、RFIDを内蔵した迷子札に電話番号を記憶させることにより、RFタグリーダにより迷子札から電話番号を読み出し、電話を掛けられるというものである。また、特許文献4には、名前や連絡先等の迷子情報を二次元バーコードに変換し、子供が所持する媒体にこの二次元バーコードをそれぞれ印刷しておくことにより、迷子になった子供の二次元バーコードを読み取り、解読させる迷子情報管理装置が記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−226935号公報
【特許文献2】特開2002−306009号公報
【特許文献3】特開2004−171368号公報
【特許文献4】特開平7−121615号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の迷子札では、飼い主名や電話番号等の連絡先が迷子札に直接表示されるので、表示できる情報量が限られている。同様に、特許文献4に記載の迷子札においても、子供が所持する媒体に名前や連絡先等の迷子情報を二次元バーコードに埋め込んであるため、この埋め込むことのできる情報量が限られている。
【0006】
一方、特許文献2、3の迷子札は電子式の迷子札であるため、ペットに装着した場合、風雨に晒される可能性があるため、故障により機能しなくなる可能性がある。また、電子式の迷子札であるため、迷子札1個当たりのコストが高い。
【0007】
そこで、本発明においては、迷子札のコストを低く抑え、ペット、子供、老人や物等の管理対象体が迷子になった場合に、所有者や保護者等に的確に引き合わせることが可能な迷子管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の迷子管理システムは、各管理対象体に対する連絡先を管理する管理サーバと、各管理対象体に装着されるタグとを有し、タグは、携帯電話装置により読み取り可能なコードであって管理サーバに接続するためのURLおよび各管理対象体を識別するための識別情報を含むコードが付与されたものであり、管理サーバは、タグに付与されたコードに基づいて接続した携帯電話装置に対し、管理対象体に対する連絡先を提供するものである。
【0009】
本発明の迷子管理システムによれば、ペット、子供、老人や物等の管理対象体にタグを装着しておけば、この管理対象体が迷子になった際に、この管理対象体を保護した人が、この管理対象体に装着されているタグに付与されているコードを携帯電話装置により読み取り、この読み取ったコードに基づいて管理サーバに接続すると、各コードに含まれる識別情報により各管理対象体が識別され、この各管理対象体に対する連絡先が携帯電話装置に提供されるので、この管理対象体とその所有者または保護者とを的確に引き合わせることができる。
【0010】
ここで、各管理対象体に対する連絡先が、各管理対象体の直接の所有者または保護者の連絡先であれば、各管理対象体に装着されているタグを携帯電話装置により読み取った人が、各管理対象体の直接の所有者または保護者に連絡し、各管理対象体をその所有者や保護者に素早くかつ的確に引き合わせることが可能となる。
【0011】
また、この各管理対象体に対する連絡先は、各管理対象体の直接の所有者または保護者の連絡先を管理する代理者の連絡先であることが望ましい。この場合、各管理対象者に装着されているタグを携帯電話装置により読み取った人が、各管理対象体の直接の所有者または保護者の連絡先を管理する代理者に連絡し、この代理者を介して各管理対象体をその所有者や保護者に引き合わせることが可能となるので、各管理対象者の直接の所有者または保護者はそれぞれの直接の連絡先を公開する必要がない。
【0012】
また、タグに付与される携帯電話装置により読み取り可能なコードとしては、二次元コードを用いることが望ましい。QRコード(登録商標)のような二次元コードは、管理サーバに接続するためのURLおよび各管理対象体を識別するための識別情報を含ませるのが容易であり、またタグ上へ表示するだけで機能するため、低コストでタグを製作することが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
(1)各管理対象体に対する連絡先を管理する管理サーバと、各管理対象体に装着されるタグとを有し、タグが、携帯電話装置により読み取り可能なコードであって管理サーバに接続するためのURLおよび各管理対象体を識別するための識別情報を含むコードが付与されたものであり、管理サーバが、タグに付与されたコードに基づいて接続した携帯電話装置に対し、管理対象体に対する連絡先を提供するものであることにより、ペット、子供、老人や物等の管理対象体にタグを装着しておけば、この管理対象体が迷子になった際、この管理対象体を保護した人により、この管理対象体に装着されているタグに付与されているコードが携帯電話装置により読み取られ、この管理対象体に対する連絡先が提供されるので、この管理対象体がその所有者または保護者に的確に引き合わせられる。また、このタグに付与するコードは管理サーバに接続するためのURLおよび各管理対象体を識別するための識別情報だけを含めば良いので、タグ1個当たりのコストを低く抑えることが可能となる。また、各管理対象体に対する連絡先を含むその他の様々な情報は管理サーバで管理すれば良いので、多くの情報を管理することが容易となる。
【0014】
(2)各管理対象体に対する連絡先が、各管理対象体の直接の所有者または保護者の連絡先であれば、各管理対象体に装着されているタグを携帯電話装置により読み取った人が、各管理対象体の直接の所有者または保護者に連絡し、各管理対象体をその所有者や保護者に素早くかつ的確に引き合わせることが可能となる。
【0015】
(3)各管理対象体に対する連絡先が、各管理対象体の直接の所有者または保護者の連絡先を管理する代理者の連絡先であることにより、各管理対象者の直接の所有者または保護者はそれぞれの直接の連絡先を公開する必要がなく、代理者を介して各管理対象体がその所有者や保護者に引き合わせられる。
【0016】
(4)携帯電話装置により読み取り可能なコードとして、二次元コードを用いることにより、低コストでタグを製作することが可能となる。また、現在普及している携帯電話装置は、二次元コードを読み取る機能を有しているので、コードを読み取るための新たな設備を準備する必要がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は本発明の実施の形態における迷子管理システムの全体構成図である。
図1において、本発明の実施の形態における迷子管理システムは、各管理対象体としてのペット1に装着されるタグ2と、ペット1に対する連絡先を管理する管理サーバ3とから構成される。タグ2は、ペット1の首輪等に装着されるいわゆる迷子札の類のものである。このタグ2には、携帯電話装置4により読み取り可能なQRコードなどの二次元コード20が付与されている。管理サーバ3はインターネットに接続されており、このインターネットを介して接続する携帯電話装置4に対して各種情報を提供するものである。
【0018】
管理サーバ3は、ペット1の迷子管理サービスを提供するサービス提供会社によって管理される。管理サーバ3において管理される情報は、各ペット1の名前、性別、動物名、種別、誕生日、満年齢、出生地、配偶者名、父親の名前、母親の名前、医療情報(動物病院名、電話番号、去勢・避妊手術の有無、血液型、既往症等)、および、連絡先としての各ペット1の直接の所有者(飼い主)の氏名、住所、電話番号や電子メールアドレス等である。
【0019】
二次元コード20は、インターネットを介して管理サーバ3に接続するためのURLおよび各ペット1を識別するための識別情報を含むものである。この二次元コード20は、携帯電話装置4に読み取られることにより復号化される。したがって、この二次元コード20を読み取った携帯電話装置4では、この二次元コード20に含まれるURLに基づいて管理サーバ3に接続し、識別情報に基づいて各ペット1に対する連絡先を含む情報を取得することができる。
【0020】
なお、連絡先を非公開にすることを希望する飼い主については、管理サーバ3は、携帯電話装置4に対して各ペット1の直接の飼い主の連絡先は提供せず、管理サーバ3を管理するサービス提供会社を代理者としてその代理者の連絡先(名称、住所、電話番号や電子メールアドレス等)を提供する。
【0021】
以下、上記構成の迷子管理システムの運用について図2のフロー図に基づいて説明する。
【0022】
まず、ペット1の飼い主とサービス提供会社との間で契約を行い、ペット1の飼い主はサービス提供会社に対して、ペット1の名前、性別、動物名、種別、誕生日、満年齢、出生地、配偶者名、父親の名前、母親の名前、医療情報や連絡先等の情報を開示する(ステップS100)。そして、サービス提供会社は、これらの情報を管理サーバ3に登録するとともに、ペット1を識別するための個別の識別情報を付与し、この識別情報および管理サーバ3に接続するためのURLを含む二次元コード20を表示したタグ2を飼い主に発行する(ステップS101)。飼い主は、この発行されたタグ2をペット1の首輪等に装着しておく(ステップS102)。
【0023】
そして、何らかの原因によりペット1が行方不明となった場合、誰か(発見者)がこのペット1を発見すると、ペット1にはタグ2が装着されているので、このタグ2の二次元コード20を携帯電話装置4により読み取る(ステップS103)。すると、この二次元コード20は携帯電話装置4により復号化されることにより、この二次元コード20に含まれるURLにより管理サーバ3に接続可能となるので、発見者は携帯電話装置4により管理サーバ3に接続する(ステップS104)。
【0024】
このとき、携帯電話装置4は、管理サーバ3に接続する際、二次元コード20に含まれるペット1の識別情報を伴うので、管理サーバ3は、この識別情報に基づいて各ペット1に対する連絡先を含む情報を発見者の携帯電話装置4に提供する。ここで、連絡先を非公開にすることを希望する飼い主の場合には、サービス提供会社の連絡先が発見者の携帯電話装置4に提供されるので、発見者はペットを発見した旨をサービス提供会社に連絡する(ステップS105、S106)。そして、サービス提供会社を通じて、ペット1が発見された旨が飼い主に連絡される(ステップS107)。
【0025】
一方、連絡先を公開することを希望する飼い主の場合には、飼い主の連絡先が発見者の携帯電話装置4に提供されるので(ステップS105、S108)、発見者はペット1を発見した旨を飼い主に直接連絡することができる(ステップS109)。
【0026】
以上のように、本実施形態における迷子管理システムによれば、ペット1にタグ2を装着しておけば、このペット1が迷子になった際、このペット1を発見した人により、このペット1に装着されているタグ2に付与されている二次元コード20が携帯電話装置4により読み取られ、このペット1に対する連絡先が提供されるので、このペット1を飼い主に的確に引き合わせることができる。
【0027】
また、本実施形態における迷子管理システムを有効に機能させるためには、ペット1に装着するタグ2に対し、管理サーバ3に接続するためのURLおよび各ペット1を識別するための識別情報だけを最低限付与すれば良いので、情報量としては印刷により形成可能な二次元コード20で十分であり、タグ2の1個当たりの製造コストを低く抑えることが可能である。また、各ペット1に対する連絡先を含むその他の様々な情報は管理サーバ3で管理すれば良いので、多くの情報を管理することが容易である。
【0028】
また、現在普及している携帯電話装置4は、そのほとんどが二次元コード20を読み取る機能を有しているので、発見者がこの二次元コード20を読み取り可能な携帯電話装置4を所有している可能性が高く、二次元コード20を読み取るための新たな設備を準備する必要がない。
【0029】
また、携帯電話装置4に提供される各ペット1に対する連絡先が、各ペット1の飼い主の連絡先であれば、各ペット1の発見者が直接飼い主に連絡し、素早くかつ的確に引き合わせることが可能である。一方、各ペット1に対する連絡先を、各ペット1の飼い主の連絡先を管理するサービス提供会社の連絡先とする場合には、各ペット1の飼い主の連絡先を公開する必要がなく、サービス提供会社を介して各ペット1を飼い主に引き合わせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明の迷子管理システムは、ペット、子供、老人や物等の管理対象体が迷子になった場合に、その所有者や保護者等に引き合わせるための迷子管理システムとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態における迷子管理システムの全体構成図である。
【図2】図1の迷子管理システムの運用フロー図である。
【符号の説明】
【0032】
1 ペット
2 タグ
3 管理サーバ
4 携帯電話装置
20 二次元コード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各管理対象体に対する連絡先を管理する管理サーバと、
前記各管理対象体に装着されるタグとを有し、
前記タグは、携帯電話装置により読み取り可能なコードであって前記管理サーバに接続するためのURLおよび各管理対象体を識別するための識別情報を含むコードが付与されたものであり、
前記管理サーバは、前記タグに付与されたコードに基づいて接続した携帯電話装置に対し、前記管理対象体に対する連絡先を提供するものである
迷子管理システム。
【請求項2】
前記各管理対象体に対する連絡先は、前記各管理対象体の直接の所有者または保護者の連絡先である請求項1記載の迷子管理システム。
【請求項3】
前記各管理対象体に対する連絡先は、前記各管理対象体の直接の所有者または保護者の連絡先を管理する代理者の連絡先である請求項1記載の迷子管理システム。
【請求項4】
前記コードは二次元コードである請求項1から3のいずれかに記載の迷子管理システム。

【図1】
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【図2】
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