説明

迷惑メッセージの防止

迷惑メッセージに関する情報を収集する方法。本方法は、ハンドヘルド通信装置(1、100、200)内の迷惑メッセージに関連付けられたメッセージ情報を削除する工程を備える。メッセージの削除に応えて、削除されたメッセージ情報又は迷惑メッセージに関連付けられた情報データがメッセージ情報部(104、224)に転送される。そのメッセージ情報部のメモリ内のデータ情報は、迷惑メッセージに関連付けられた転送されたデータに基づき更新される。メッセージ情報部内に格納されたデータ情報に関係するメッセージをブロックする方法も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、迷惑メッセージに関する情報を収集する方法およびハンドヘルド通信装置に関する。本発明は、ハンドヘルド通信装置に通知されるメッセージをブロックする方法および装置にも関する。
【背景技術】
【0002】
ハンドヘルド通信装置は、受信者が迷惑メッセージと見なすメッセージを受信することがある。迷惑メッセージは、スパムメッセージまたはスピン(インスタントメッセージングに関するスパム)メッセージとしても知られている。迷惑メッセージの受信は、ハンドヘルド通信装置のユーザにとって、ますます大きな問題になっている。迷惑メッセージは、SMS(ショートメッセージサービス)メッセージなどの純粋にテキストだけのメッセージ、画像、映像若しくはオーディオメッセージ、またはその組み合わせのことがある。迷惑メッセージは、SMSメッセージ、MMS(マルチメディアメッセージサービス)メッセージ、電子メール、WAP(無線アプリケーションプロトコル)プッシュメッセージ、またはインスタントメッセージアプリケーションからのメッセージで、運ばれることがある。人間が掛ける営業用電話などの音声メッセージ、またはコンピュータが開始する録音した音声メッセージを使用する営業用電話も迷惑メッセージのことがある。そのようなスパムの一例は、2国間の国境を通過するときに受信するSMSメッセージであり、そのメッセージは到着国のオペレータサービスを通知する。
【0003】
迷惑メッセージが先行技術のハンドヘルド通信装置で受信される場合、装置は一般に迷惑メッセージをブロックするフィルタを全然備えていないので、そのメッセージは、通常は届けられるだろう。届けられた後、ユーザは、そのメッセージを読まずに、或いは読んだ後にメッセージに関するメッセージ情報を削除してもよい。メッセージが削除されない場合、ハンドヘルド通信装置のメモリが満杯になることがあり、それ以降の重要なメッセージを紛失することがある。
【0004】
メッセージが電話の着信の場合、状況は異なる。迷惑電話の場合、発呼者の電話番号が伏せられることがあり、その場合は、使用の電話機が発信者番号表示サービスを利用していても、ユーザは、迷惑電話かそれとも有用な電話かを判定することができない。
【0005】
したがって、迷惑メッセージを受信するのを防ぐか、または通知されるのを防ぐ方法が必要である。迷惑メッセージ数が増加しているので、この必要性はますます切迫したものになっている。この問題はメッセージの種類には関係ないようである。
【0006】
携帯電話機の中には、着信電話を管理するコールマネージャを備えるものがある。コールマネージャは、例えば全着信電話またはローミング中に着信する電話を阻止するなどで全般的に電話を規制するように設定してもよい。さらに、コールマネージャは、詳細に電話を規制するように設定してもよく、それにより、携帯電話機内のリストに登録された電話番号を有するユーザから着信した電話は、受諾されるかまたは拒否される。携帯電話機のユーザは、リストを手作業で作成してもよい。しかし、そのようなコールマネージャは、迷惑電話を防ぐのに特に効果的ではない。着信電話が全般的に規制されている場合、迷惑電話の中にはブロックされるものもあるが、通過する迷惑メールもある。コールマネージャの詳細な使用は、迷惑電話の問題を解決することがある。しかし、詳細な使用は、携帯電話機の使い勝手をひどく制限するであろう。リストに登録されていない電話番号を有するユーザから有用な電話を受信したいと望むこともあるからである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、通信ネットワーク内の迷惑メッセージに関連付けられた情報を収集することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本目的は、迷惑メッセージに関連付けられた情報を収集する方法に関する第1の態様によって達成される。その方法は、ハンドヘルド通信装置内の迷惑メッセージに関連付けられたメッセージ情報を削除する工程を備える。削除したメッセージ情報又は迷惑メッセージに関連付けられたデータは、メッセージ情報部に転送される。そのメッセージ情報部のメモリ内のデータ情報は、前述の迷惑メッセージに関連付けられたその転送されたデータに基づき更新される。
【0009】
着信メッセージをハンドヘルド通信装置に通知または転送すべきかどうかを決定するために、ハンドヘルド通信装置宛ての着信メッセージから抽出したメッセージデータは、メッセージ情報部内に格納された前述のデータ情報と比較されてもよい。メッセージ情報部内に格納されたデータ情報が着信メッセージから抽出したメッセージデータに関するデータ情報を少しも備えない場合、またはデータ情報は着信メッセージから抽出したメッセージに関係しているが、格納された情報に遭遇した回数を示すカウンタ値が所定の数を下回る場合、通知は出されてもよいし、またメッセージは転送されてもよい。
【0010】
メッセージ情報部は、ハンドヘルド通信装置内に設置されてもよい。
【0011】
格納されたメッセージ情報の少なくとも一部は、外部電子通信装置にエクスポートされてもよい。削除された情報に関連付けられたデータはネットワークノードに転送されてもよく、そのネットワークノード内にメッセージ情報部が設置されてもよい。メッセージ情報部内の情報は、ネットワークノードから少なくとも1つの別のネットワークノードに送信されてもよい。
【0012】
第2の態様によれば、本目的は、通信ネットワーク内で動作するハンドヘルド通信装置に向けて宛てられたメッセージをブロックする方法で達成される。通信装置または通信ネットワークは、迷惑メッセージと判定されたメッセージに関するデータ情報を含むメッセージ情報部を備える。本方法は、ハンドヘルド通信装置に向けられたメッセージからメッセージデータを抽出する工程と、メッセージをメッセージの宛先のハンドヘルド通信装置に通知または送信すべきかどうか判定するために、メッセージデータと前述のメッセージ情報部に格納されたデータ情報とを比較する工程とを備える。
【0013】
ネットワークノード内に配置されたメッセージ情報部内のデータ情報は、ネットワークノードからネットワークノードのドメイン内で動作する少なくとも1台のハンドヘルド通信装置に送信されてもよい。メッセージ情報部内のデータ情報は、ネットワークノードのドメインにハンドヘルド通信装置がサインインするのに応えて送信されてもよい。比較工程は、宛先のハンドヘルド通信装置で実行されてもよい。
【0014】
格納されたメッセージ情報の少なくとも一部は、外部電子通信装置にエクスポートされてもよい。比較工程は、ネットワークノードで実行されてもよい。
【0015】
メッセージは、宛先のハンドヘルド通信装置に送信されてもよい。ハンドヘルド通信装置から送信されるスキャン要求は、ネットワークノードに送信されてもよく、それに応えて比較工程が実行されてもよい。比較工程の結果の情報を有するスキャン応答も送信されてもよい。
【0016】
第3の態様によれば、本目的は、迷惑メッセージに関する情報を収集する装置により達成される。装置は、ハンドヘルド通信装置内の迷惑メッセージに関連付けられたメッセージ情報を削除するように構成されたコントローラを備える。コントローラは、削除したメッセージ情報または迷惑メッセージに関連付けられたデータを、メッセージ情報部に転送するように構成される。メッセージ情報部は、前述の迷惑メッセージに関連付けられたその転送されたデータに基づきそのメッセージ情報部のメモリ内のデータ情報を更新するように構成される。
【0017】
コントローラは、メッセージをハンドヘルド通信装置に通知または転送すべきかどうか判定するために、ハンドヘルド通信装置宛ての着信メッセージから抽出したメッセージデータと、メッセージ情報部内に格納された前述のデータ情報とを比較するように構成されてもよい。
【0018】
メッセージ情報部に格納されたデータ情報が、着信メッセージから抽出されたメッセージデータに関するデータ情報を少しも備えない場合、またはデータ情報は着信メッセージから抽出されたメッセージデータに関係するが、格納された情報に遭遇した回数を示すカウンタ値が所定の数を下回る場合は、コントローラは、通知を出すかまたはメッセージを転送する原因となるように構成されてもよい。
【0019】
装置はハンドヘルド通信装置内に含まれてもよく、そのハンドヘルド装置内にメッセージ情報部は設置されてもよい。
【0020】
コントローラは、格納されたメッセージ情報の少なくとも一部を外部電子通信装置にエクスポートする原因となるように構成されてもよい。
【0021】
コントローラは、削除した情報に関連付けられたデータをネットワークノードに転送する原因となるように構成されてもよく、そのネットワークノード内にメッセージ情報部は設置されてもよい。
【0022】
装置は、メッセージ情報部内の情報を、ネットワークノードから少なくとも1つの別のネットワークノードに送信する原因となるように構成されてもよい。
【0023】
コントローラは、携帯用無線通信装置、移動無線端末、ページャ、コミュニケータ、電子オーガナイザ、携帯情報端末(PDA)、ハンドヘルドコンピュータ、ハンドヘルドVoIP電話機、スマートフォンまたはネットワークノード内に含まれてもよい。コントローラは、携帯電話機にも含まれてもよい。
【0024】
第4の態様によれば、本目的は、通信ネットワーク内で動作するハンドヘルド通信装置に向けて宛てられたメッセージをブロックする装置により達成される。装置は、迷惑メッセージと判定されたメッセージに関するデータ情報を備えるメッセージ情報部と、メッセージをメッセージの宛先のハンドヘルド通信装置に通知または送信すべきかどうか判定するために、ハンドヘルド通信装置向けのメッセージからメッセージを抽出し、メッセージデータと前述のメッセージ情報部内に格納された前述のデータ情報と比較するコントローラとを備える。
【0025】
メッセージ情報部およびコントローラは、ネットワークノードに配置されてもよい。コントローラは、メッセージ情報部内のデータ情報を、ネットワークノードからネットワークノードのドメイン内で動作する少なくとも1台のハンドヘルド通信装置に送信する原因となるように構成されてもよい。
【0026】
コントローラは、ハンドヘルド通信装置がネットワークノードのドメインにサインインするのに応えて、メッセージ情報部内のデータ情報を送信するように構成されてもよい。
【0027】
コントローラは、宛先のハンドヘルド通信装置内に設置されてもよい。
【0028】
コントローラは、格納されたメッセージ情報の少なくとも一部を外部電子通信装置にエクスポートする原因となるように構成されてもよい。
【0029】
コントローラは、ネットワークノード内に設置されてもよい。
【0030】
コントローラは、メッセージを宛先のハンドヘルド通信装置に送信し、ハンドヘルド通信装置からネットワークノードに送信されたスキャン要求を受信し、その要求に応えて比較工程を実施し、比較工程の結果の情報を有するスキャン応答を送信する原因となるように構成されてもよい。
【0031】
装置は、宛先のハンドヘルド通信装置である携帯用無線通信装置、移動無線端末、ページャ、コミュニケータ、電子オーガナイザ、携帯情報端末(PDA)、ハンドヘルドコンピュータ、ハンドヘルドVoIP電話機、またはスマートフォン内に含まれてもよい。さらに、装置は、携帯電話機内に含まれてもよく、その携帯電話機は宛先のハンドヘルド通信装置でもよい。
【0032】
第5の態様によれば、本目的は、コンピュータプログラムコード手段がコンピュータ機能を有する電子装置で実行されるとき、情報を収集する方法を実行する前述のコンピュータプログラムコード手段を備えるコンピュータプログラム製品により達成される。
【0033】
第6の態様によれば、本目的は、コンピュータプログラムコード手段がコンピュータ機能を有する電子装置で実行されるとき、メッセージをブロックする方法を実行する前述のコンピュータプログラムコード手段を備えるコンピュータプログラム製品により達成される。
【0034】
本発明の別の実施形態は、従属項で規定される。
【0035】
本発明の利点は、迷惑メッセージがハンドヘルド通信装置に通知されるのをブロックすることができることである。さらに別の利点は、迷惑メッセージとして報告されたメッセージに関する情報が共有されて、迷惑メッセージの通知が最小限にされることがあることである。メッセージが通知されないハンドヘルド通信装置内の電力は、節約されることがある。
【0036】
強調すべきことは、用語「備える」(comprises/comprising)は、本明細書で使用されるとき、述べられた特徴、整数、工程または要素の存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、整数、工程、要素またはそのグループの存在または追加を除外しないと解釈されることである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
本発明の別の目的、特徴および利点は、本発明の幾つかの実施形態に関する以下の説明から明らかになる。以下では、本発明の様々な態様を、添付の図面を参照してより詳細に説明する。
【0038】
図1は、通信ネットワーク内で動作するハンドヘルド通信装置1を図解する。ハンドヘルド通信装置1は、通信ネットワークのネットワークノードとメッセージの送受信をしてもよい。通信ネットワークは、基地局10a、10b、10c、10dを備えてもよい。各基地局10a、10b、10c、10dは、基地局コントローラ11a、11bに接続されてもよく、基地局コントローラ11a、11bは、基地局10a、10b、10c、10dを通して中継される、ハンドヘルド通信装置1との信号トラヒックを制御する。各基地局コントローラ11a、11bは、1つ以上幾つかの基地局10a、10b、10c、10dを制御および監視してもよい。さらに、各基地局コントローラ11a、11bは、1つ以上幾つかの移動通信交換局12に接続されてもよく、移動通信交換局12は通信ネットワークと、公衆交換電話網(PSTN)とインターネットのような情報ネットワークとの少なくともいずれか等の別のネットワークとの間のインターフェースであってもよい。
【0039】
図1では、ハンドヘルド通信装置は携帯電話機として例示されている。他の実施形態では、ハンドヘルド通信装置は、携帯用無線通信装置、移動無線端末、ページャ、コミュニケータ、電子オーガナイザ、携帯情報端末(PDA)、ハンドヘルドコンピュータ、ハンドヘルドVoIP(ボイス・オーバIP(インターネットプロトコル))電話機、またはスマートフォンである。さらに図1では、通信ネットワークは基地局を備える。しかし、ネットワークは無線通信ネットワークである必要はない。別の実施形態では、ネットワークノードを備える有線ベースのネットワークであり、例えばインターネットなどのパケット交換ネットワークなどである。そのようなネットワークは、VoIP電話に適していてもよい。
【0040】
ハンドヘルド通信装置1は、ワイヤレスリンク若しくはIR(赤外線)リンクなどの短距離通信リンクまたはケーブル接続を通して外部通信装置20にも接続されてもよい。代わりにまたは追加で、ハンドヘルド通信装置1は、ネットワークサーバ21を備えるローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されてもよい。
【0041】
迷惑メッセージがハンドヘルド通信装置1で受信された場合、迷惑メッセージに関連付けられたメッセージ情報は一時的に格納されてもよい。迷惑メッセージが迷惑メッセージと判定または分類され、関連付けられたメッセージ情報とメッセージが削除されると、削除された情報、及び迷惑メッセージに関連付けられたデータは、迷惑メッセージに関連付けられたデータ情報を格納するために、メッセージ情報部(MIU)104、134、224(図2、3参照)に転送されてもよい。MIU104、134、224は、ハンドヘルド通信装置1に設置されてもよく、基地局コントローラ11a、11bと移動通信交換局12のどちらか一方または両方などのネットワークノードに設定されてもよく、あるいはサーバ21に設置されてもよい。着信メッセージがハンドヘルド通信装置1に通知または転送される前に、メッセージの通知が出されるべきか、それともメッセージはブロックされるべきかを判定するために、メッセージ自体またはそのメッセージデータは、MIU104、134、224内のデータ情報と比較されてもよい。したがって、メッセージのブロックは、ネットワークノード内またはハンドヘルド通信装置1内で判定されてもよい。MIU104内のデータ情報は、外部通信装置20およびネットワークサーバ21の少なくともいずれかと共有されてもよいし、またそれらにエクスポートされてもよい。
【0042】
図2は、ハンドヘルド通信装置の一実施形態を図解し、ハンドヘルド通信装置100は、CPU(中央演算処理装置)などのコントローラ101、送信/受信(Tx/Rx)部102、メモリ103およびMIU104を備える。ハンドヘルド通信装置100は、ネットワークノード120に接続されてもよく、ネットワークノード120はCPUなどのコントローラ121、Tx/Rx部122およびメモリ123を備える。ネットワークノードで受信されたメッセージは、直ぐに転送されてもよい。代わりに、メッセージはネットワークノード120に一時的に格納され、そこから直ぐに通知が出され、メッセージは要求があり次第転送される。ハンドヘルド通信装置100は外部通信装置130にも接続されてもよく、外部通信装置130はコントローラ131、Tx/Rx部132、メモリ133およびMIU134を備える。
【0043】
図3は、ハンドヘルド通信装置の別の実施形態を図解し、ハンドヘルド通信装置200はコントローラ201、Tx/Rx部202およびメモリ203を備える。ハンドヘルド通信装置200はネットワークノード220に接続されてもよく、ネットワークノード220はコントローラ221、Tx/Rx部222、メモリ223およびMIU224を備える。
【0044】
図4は、図2と図3の実施形態の組み合わせの実施形態を図解し、ハンドヘルド通信装置100とネットワークノード220の両方ともMIU104、224を備える。
【0045】
メモリ103、123、133、203、223は、不揮発性メモリ、揮発性メモリ、フラッシュメモリ、RAM(ランダムアクセスメモリ)、およびROM(リードオンリーメモリ)の少なくともいずれかを備えてもよい。異なる複数のメモリが一緒に、参照数字103、123、133、203、223のそれぞれで示されてもよい。
【0046】
Tx/Rx部102、122、132、202、222は、GSM(Grobal System for Mobile Communication)、PDC(パーソナルデジタルセルラ)、3GPP(第3世代パートナーシッププロジェクト)またはCDMA2000(符号分割多元接続)仕様に従って指定されるなどで、無線で通信するように構成されてもよい。さらに、Tx/Rx部102、132は、ブルートゥースまたは別のWLAN(無線ローカルエリアネットワーク)規格などの短距離通信規格に準拠して通信するようにも構成されてもよい。ハンドヘルド通信装置1、100、200もコードレスまたは有線接続の電話機でもよく、その場合は、Tx/Rx部102、133はパケット交換通信に適合されてもよい。
【0047】
ハンドヘルド通信装置1、100、200は、メッセージを受信するように構成されてもよく、そのメッセージは、基地局10a、10b、10c、10dにより中継される。メッセージは、例えば、SMS(ショートメッセージサービス)メッセージなどの純粋なテキストメッセージ、画像、映像若しくはオーディオのメッセージ、またはその組み合わせでもよい。メッセージは、SMSメッセージ、EMS(拡張メッセージサービス)メッセージ、MMS(マルチメディアメッセージサービス)メッセージ、電子メール、音声メール、インスタントメッセージまたはWAP(無線アプリケーションプロトコル)プッシュメッセージで運ばれてもよい。人間が掛ける営業用電話またはコンピュータが開始する録音した音声メッセージを使用する営業用電話などの音声メッセージも、受信者の好み次第で、迷惑メッセージのこともある。メッセージは、サーバ21または外部通信装置20を通しても受信されてもよい。サーバ21が設置されているLANのサービスエリアに装置が入るとき、サーバ21は、ハンドヘルド通信装置1、100への接続を確立してもよい。
【0048】
メッセージは、SIP(セッション開始プロトコル)メッセージでもよい。SIPは、リアルタイム・プロトコル・メカニズムを提供するので、終端システムおよびプロキシサーバは、VoIP(ボイス・オーバIP)、ビデオ電話、インスタントメッセージング、ファクス配信等のサービスを提供してもよい。SIPは、電子メールアドレスの似たSIPアドレスによりユーザをアドレス指定する。SIPアドレスはまた、URLとしてウェブページに埋め込まれてもよい。
【0049】
メッセージはまた、セッション開始メッセージでもよい。送信者または送信機は、受信者または受信機との接続を確立するために、開始メッセージを送信してもよい。開始メッセージは、送信者または送信機のアドレスおよびIDの少なくともいずれかを備えてもよい。それ故、一実施形態のセッション制御は、ハンドヘルド通信装置100およびネットワークノード120、220のすくなくともいずれかで提供されてもよい。送信者または送信機を特定する開始メッセージのデータは、MIU104、224内のデータ情報と比較されてもよい。MIU104、224が送信者または送信機を特定するデータに関連付けられたデータ情報を備える場合、接続要求は拒否されてもよい。セッション制御は、例えば電話の呼び出し、VoIP接続の確立、チャット接続等で提供されてもよい。
【0050】
メッセージがハンドヘルド通信装置1、100、200で受信された場合、メッセージに関連付けられたメッセージ情報、及びおそらくはメッセージそれ自体は、メモリ103、203内に格納される。メッセージ情報は、電子メール、SMS、EMS、MMS若しくはインスタントメッセージ用のインボックスなどのインボックス内の項目、または着信呼用の電話番号として示されてもよい。項目は、ハンドヘルド通信装置のディスプレイ2に提示されてもよい。インボックス内の項目は、キーパッド3、ジョイスティック4、コントロールキー装置、タッチパッド、およびスクロールボタンの少なくともいずれか等の、ハンドヘルド通信装置1のユーザインターフェースを用いて、スクロールされ選択されてもよい。メッセージ情報は、情報が関係するメッセージの格納先へのリンクを備えてもよい。リンクは、ハンドヘルド通信装置1、100、200のメモリ103、203内の位置を指示してもよい。
【0051】
メッセージに関連付けられたメッセージ情報は、少なくともメッセージを受信したハンドヘルド通信装置1、100、200のユーザに対して、メッセージの送信者のIDが伏せられたことを示す差し控え記録でもよい。
【0052】
代わりに、メッセージは、電話番号、URL(ユニフォーム・リソース・ロケータ)若しくはURN(ユニフォーム・リソース・ネーム)などのURI(ユニフォームリソース識別子)、ブルートゥースID、電子メールアドレス、ICQ若しくはAIM(AOLインスタント・メッセージング)若しくはWireless Village IDなどのIMID(インスタントメッセージ識別子)、IP(インターネットプロトコル)アドレスまたはIMSI(国際移動電話加入者ID)またはIMEI(国際移動装置ID)またはWLAN(無線ローカルエリアネットワーク)IDまたはイーサネット(登録商標)IDまたはLinux若しくはUnix(登録商標)若しくはWindows(登録商標)ログインなどのコンピュータドメインログイン、またはSIPアドレス、および送信エンティティの地理的位置(経度/緯度)の少なくともいずれか等のコンピュータ/サーバのIDなどのメッセージの送信者を特定するデータを備えてもよい。そのデータは、メッセージの受信時にハンドヘルド通信装置1、100、200に格納されてもよい。
【0053】
ハンドヘルド通信装置1、100、200は、特定のメッセージに関連付けられたメッセージ情報を簡単に削除するために、削除機能または専用の「削除」ボタンを備えてもよい。代わりにまたは追加で、削除機能は、「迷惑メッセージ削除」機能を備えてもよく、さらに、又はこれに代えて「迷惑メッセージ削除」の別の専用ボタンを備えてもよい。迷惑メッセージ削除機能は、「グローバル迷惑メッセージ削除」機能および「パーソナル迷惑メッセージ削除」機能を備えてもよい。「グローバル迷惑メッセージ削除」機能が利用されるとき、最終的に関連メッセージは複数のハンドヘルド通信装置にとって迷惑メッセージであると見なされる。それに対して、「パーソナル迷惑メッセージ削除」機能が利用されるとき、メッセージまたはある送信者からのメッセージは、ハンドヘルド通信装置1でブロックされてもよい。「パーソナル迷惑メッセージ削除」機能が使用されるとき、削除したメッセージ情報に関連付けられたデータは、メッセージをブロックするローカルルールを設定するために使用されるので、ネットワークノード120、220に送信される必要はない。ある商品の売り出しメッセージは、他の人もこのメッセージを望まなさそうであるから、例えば「グローバル迷惑メッセージ削除」機能で削除されてもよい。例えば昔のガールフレンドなどの特定の送信者からのメッセージは、その送信者からのメッセージを他の人は望みそうなので、「パーソナル迷惑メッセージ削除」機能で削除してもよい。
【0054】
メッセージ情報が「迷惑メッセージ削除」機能で削除されるとき、メッセージ情報に関連付けられたメッセージは、迷惑メッセージと見なされる。迷惑メッセージ削除機能は、ディスプレイ2に提示されるメニューを通じてアクセスできてもよく、例えばキーパッド3、ジョイスティック4または類似のボタンを押すことで、実行されてもよい。
【0055】
迷惑メッセージに関連付けられたメッセージ情報の削除に応じて、削除情報、および迷惑メッセージに関連付けられたデータは、MIU104、224に転送される。削除情報に関連付けられた転送されたデータは、電話番号、URI、URL、IP(インターネットプロトコル)アドレス、電子メールアドレス、SIPアドレス、ハンドヘルド通信装置1、100、200へのメッセージの到着時刻、ネットワークノード120、220からハンドヘルド通信装置1、100、200へのメッセージの転送時刻、または上記のようにメッセージで受信した情報のいずれかでよい。送信機のある種の地理的地域または特定の緯度経度などの地理的所在地も、メッセージを特定するために使用されてもよい。地理的所在地は、ある基地局10a、10b、10c、10dなどの、どのネットワークノードがメッセージを転送したかを判定することにより、決定されてもよい。地理的所在地は、メッセージそれ自体にも含まれてもよい。転送されたデータは、メッセージそれ自体でもよい。転送されたデータは、迷惑メッセージが受信されたとき、その中に含まれていてもよい。
【0056】
MIU104、224に格納されたデータ情報は、転送されたデータに基づき更新されてもよい。MIU104、224は、ベイズフィルタなどの学習フィルタまたはコンテンツ・ベース・フィルタを備えてもよい。コンテンツ・ベース・フィルタは、転送されたデータからデータ情報を抽出するために使用されてもよい。抽出情報は、着信メッセージをハンドヘルド通信装置1、100、200へ通知および転送の少なくともいずれかを行う前に、着信メッセージをスキャンするルールを設定するために使用されてもよい。転送されたデータが、電話番号、IPアドレス、電子メールアドレス、SIPアドレス、URI、およびURLの少なくともいずれかの場合は、MIU104、204に格納されるデータ情報は、電話番号、IPアドレス、電子メールアドレス、SIPアドレス、URI、およびURLの少なくともいずれかのリストであってもよい。着信メッセージは、その情報をMIU104、204内の情報と比較するためにスキャンされてもよい。転送されたデータが到着時刻の場合、この状況はメッセージを送信したエンティティの身元が伏せられて、MIU224がネットワークノード120内に設置されている場合に起こりそうであるが、MIU224は、ハンドヘルド通信装置1、100、200に発送しなかった、メッセージの到着時刻に関連するデータ情報を格納してもよい。到着時刻に関連するデータ情報は、例えば電話番号、IPアドレス、SIPアドレス、URIまたはURLでもよい。また、MIU224は、メッセージが特定のハンドヘルド通信装置1、100、200に発送された時刻を格納してもよい。迷惑メッセージに関連付けられた転送されたデータがネットワークノード220のMIU224で受信されると、転送された到着時刻は、MIU224に格納された発送時刻と比べられる。到着時刻と発送時刻が、例えば2、3秒の差などで関係する場合、発送時刻に関連するメッセージは迷惑メッセージであると見なされるだろう。その差は、発送から到着の登録までにかかる時間に応じて各実装で設定されなければならない。到着データの時刻が転送されたとき、MIU224は、そこに格納したデータ情報を、例えば電話番号、IPアドレス、電子メールアドレス、SIPアドレス、URIまたはURLで更新してもよい。代わりに、送信エンティティの身元が公表されない場合、迷惑メッセージのデータペイロードは、メッセージに関連付けられたデータとしてMIU104、224に転送されてもよい。そのデータペイロードは、メッセージを描写できるデータであってもよい。
【0057】
一実施形態では、MIU104、224に格納されたデータ情報は、少なくとも1個のカウンタを備えてもよい。各カウンタは、抽出情報、電話番号、IPアドレス、電子メールアドレス、SIPアドレス、URI、およびURLの少なくともいずれかなどの、MIU104、224への各エントリに関連してもよい。MIU104、224のエントリの更新は、カウンタを1だけ増加することを備えてもよい。転送されたデータに関連付けられたデータ情報が、MIU104、224に既に存在する場合、カウンタを増加する必要があるだけである。しかし、迷惑メッセージのデータ情報が、MIU104、224に存在しない場合、迷惑メッセージに関連付けられた情報およびそれに関連するカウンタのエントリが生成されてもよい。カウンタの情報の使用を以下に説明する。
【0058】
上記のように、MIU104、224は、ハンドヘルド通信装置1、100、200、および、ネットワークノード120、220の少なくともいずれかの中に設置されてもよい。したがって、ハンドヘルド通信装置1、100、200に向けて宛てられた着信メッセージから抽出したメッセージデータは、ハンドヘルド通信装置1、100、200にメッセージを転送する前または通知を届ける前に、MIU104、224に格納されたデータ情報と比べられてもよい。抽出データは、メッセージのキーワード、電話番号、電子メールアドレス、IPアドレス、SIPアドレス、URIまたはURLでもよい。MIUがネットワークノード120、220内に設置され、着信メッセージが迷惑メッセージと判定された場合、着信メッセージまたはその通知は、ハンドヘルド通信装置1、100、200に送信される必要はない。このことは、ハンドヘルド通信装置1、100、200内での着信データの処理が減少され、電力が節約されることがあるので利点である。
【0059】
MIU104、224内の情報がカウンタを備える場合、カウンタの値は、メッセージをブロックする前に、確認されてもよい。カウンタの値が所定のレベルを下回る場合、メッセージに関連付けられたデータ情報がMIU104、224に格納されていても、メッセージが転送されてもよいか、またはその通知が届けられてもよい。所定のレベルは、例えばMIUが設置されるネットワークのサイズに基づいて、各実装で設定されてもよい。カウンタまたはそれに関連するデータ情報に何回遭遇したかの所定のレベルを有することは、システムの乱用が是正され、迷惑メッセージとして報告されるメッセージの影響が除かれることがあるという利点がある。カウンタの値は、小規模ネットワークでは関連メッセージの通知をブロックする前に、5を超える必要があってもよい。大規模ネットワークの別の実施形態では、カウンタの値は、関係するメッセージの通知をブロックする前に、1000を超える必要があってもよい。さらに、カウンタは、例えばメッセージが誤って迷惑メッセージに分類された場合、リセットされてもよい。
【0060】
迷惑メッセージに関連付けられたデータ情報は、ハンドヘルド通信装置が動作するネットワーク内で、ハンドヘルド通信装置間で共有されてもよい。迷惑メッセージに関連付けられたデータが、幾つかのハンドヘルド通信装置からネットワークノード120、220に転送されるとき、MIU224内の情報の信頼性は高まることがある。例えば、あるメッセージに関連付けられたデータが1,000回迷惑メッセージであると報告されたと仮定すると、例えば他の100,000回メッセージが送信されるかもしれないユーザ達も、そのメッセージを迷惑メッセージと見なすだろう。それ故、迷惑メッセージをできるだけ速くブロックしてもよいのは好都合であり、それによりサーバおよびネットワークノードの少なくともいずれかが大量の情報を受ける危険が減ることがある。
【0061】
ネットワークノード120、220内のMIU224のデータ情報は、異なるネットワークノード間で共有されてもよく、それらの間で伝送されてもよい。第1のネットワークノードが例えば基地局コントローラ11aである場合、そのMIU224のデータ情報は、第2のネットワークノード例えば基地局コントローラ11bに伝送されてもよい。
【0062】
MIU104、224は、幾つかのリストを備えてもよく、そのリストには、異なる種類のデータ情報を含み、電話番号、SMS/MMS、および電子メールのリストの少なくともいずれかのそれぞれから少なくとも1つを含む。次いで、リストのデータ情報の種類次第で、リストは異なるネットワークノードまたは異なる種類のハンドヘルド通信装置で共有されてもよい。
【0063】
MIUがハンドヘルド通信装置100内に設置される場合、その中のデータ情報はネットワークノード120と共有されてもよい。そのネットワークノード120は、サーバ21などのローカルネットワークノードでもよいし、またワイドエリアネットワークのネットワークノードでもよい。このことは、迷惑メッセージをブロックするフィルタをオフィスの場所内などで局所的に設定してもよいので、利点である。さらに、ハンドヘルド通信装置1、100のMIU104内のデータ情報は、唯一の外部通信装置130と共有されてもよい。
【0064】
迷惑メッセージは、一実施形態では、ハンドヘルド通信装置1、100、200の地理的所在地に基づいてブロックされてもよい。ネットワークノード120、220のMIU224内のデータ情報は、ネットワークノード120、220のドメイン内に存在するハンドヘルド通信装置1、100、200へのメッセージをブロックするために使用されてもよい。例えば、ハンドヘルド通信装置1、100、200は、MIU224を備える基地局コントローラ11a、11bにより制御される基地局10a、10b、10c、10dのサービスエリア内に在ってもよい。ハンドヘルド通信装置1、100、200は、例えばサーバ21からLANを通してメッセージを受信してもよい。この状況は、例えばショッピングモールで起こってもよい。迷惑メッセージに関連付けられたデータは、ネットワークノード120、220のMIU224に転送されてもよい。次いで、別のハンドヘルド通信装置が、例えばある基地局コントローラ11a、11bが担当する基地局10a、10b、10c、10dのサービスエリアに入る時などで、ネットワークノードのドメインにサインインするとき、ネットワークノード220のMIU224内に格納されたデータ情報は、もう一方のハンドヘルド通信装置100のMIU104に送信されてもよい。ハンドヘルド通信装置のいずれかが、第1のネットワークノードのドメインから第2のネットワークノードのドメインに場所を変更中、ハンドヘルド通信装置100は、第2のネットワークノードに格納されたデータ情報をネットワークからダウンロードまたは受信する。データ情報は、ハンドヘルド通信装置がネットワークノード220のドメインに入る時、自動的に受信されてもよい。これは、ローカルネットワークの送信エンティティの識別子IDをハンドヘルド通信装置1、100が知っている場合、ローカルネットワーク内でピアツーピア・メッセージを停止するのに効果的なこともある。受信データ情報は、ハンドヘルド通信装置がネットワークノードのドメインを去った後でさ、所定の期間などハンドヘルド通信装置に格納されていてもよい。ハンドヘルド通信装置1、100、200が前に訪れたネットワークノード220のドメインに再び入らない場合、そのネットワークノードから受信したデータ情報は削除されるだろう。
【0065】
ハンドヘルド通信装置1、100、200の地理的所在地は、ハンドヘルド通信装置内のGPS(全地球測位システム)部によっても決定されてもよい。ハンドヘルド通信装置1、100、200がその地理的所在地を報告するとき、ハンドヘルド通信装置100のMIU104内のデータ情報を更新する更新データは、ネットワークノード120、220での地理的所在地の受信に応えて、MIU104に送信されてもよい。地理的所在地は、ハンドヘルド通信装置がローミングサービス中などにネットワークノードのドメインに入る時にも、決定されてもよい。
【0066】
一実施形態では、着信メッセージまたはその通知は、ネットワークノード220から宛先のハンドヘルド通信装置200へ常に送信される。メッセージの受信に応えて、ハンドヘルド通信装置200は、スキャン要求を送信してもよい。ネットワークノード220がスキャン要求を受信すると、ハンドヘルド通信装置100向けのメッセージから抽出したメッセージデータと、MIU224に格納されたデータ情報とを比較する。比較結果の情報を有するスキャン応答は、ハンドヘルド通信装置200に送信されてもよく、そのハンドヘルド通信装置200は、装置の設定に応じて通知またはメッセージの表示を選んでもよい。あるユーザは、迷惑メッセージか否かにかかわらず、常にメッセージを受信することも望んでもよいし、それに対して別のユーザは、迷惑メッセージを決して受信しないことを望んでもよい。
【0067】
図5は、迷惑メッセージの情報を収集する方法の一実施形態のフローチャートである。第1の工程300では、迷惑メッセージに関連付けられたメッセージ情報は削除される。メッセージ情報に関係するメッセージは、ユーザが何らかの理由で迷惑メッセージだと考えた迷惑メッセージに該当すると、ユーザが判定したからである。メッセージ情報またはメッセージ全体は、迷惑メッセージを削除する操作に関連する特定の操作またはメニュー項目で削除されてもよい。普通の有用なメッセージを削除する特定の操作もあり、その操作では本発明の方法の工程を実行しない。
【0068】
工程301では、削除情報、及び迷惑メッセージに関連付けられたデータは、MIU104、224に転送される。そのようなデータは、上記のように電話番号、電子メールアドレス、SIPアドレス、URI、URL等でもよい。工程302では、転送されたデータはMIU104、224で受信される。すなわち、ハンドヘルド通信装置1、100とネットワークノード220のどちらかで受信されてもよい。工程303では、転送されたデータに関係するデータ情報はMIU104、224内に既に格納されているかどうか判定される。工程303の答えがyesの場合、情報は既にMIU104、224内に存在する。しかし、メッセージ全体が転送されている場合は、メッセージをスキャンするために設定されたルールを更新してもよいなどで、例えば転送されたデータに基づき、データ情報は工程304で更新される必要があるかもしれない。次いで、手順は工程305に進む。工程303の答えがnoの場合、手順は工程306に進み、そこで、例えば転送されたデータに関連付けられたデータ情報のエントリを生成することにより更新される。また、新しいエントリに関連するカウンタが生成され、0などの初期値に設定されてもよい。次いで、手順は工程305に進む。工程305では、更新データ情報に関連するカウンタは、例えば1だけ増加され、そこで手順は終了する。
【0069】
更新がカウンタ値の増加だけを意味する場合、工程304は除外されてもよい。当然のことながら、MIU104、224がどこに設置されるか次第で、図5の一部または全部の工程は、ハンドヘルド通信装置1、100、200で実行されてもよいし、また一部または全部の工程は、ネットワークノード120、220で実行されてもよい。
【0070】
図6は、メッセージがハンドヘルド通信装置1、100、200に通知されるのをブロックする方法の一実施形態を説明する。メッセージをブロックするため、MIU104、204は、図5に関して説明したように初めに更新されてもよい。まず工程400では、特定のハンドヘルド通信装置100に向けて宛てられた着信メッセージが受信される。工程401では、メッセージデータが着信メッセージから抽出される。そのデータは、上記のように電話番号、電子メールアドレス、SIPアドレス、URIアドレス、URLアドレス等でもよい。工程402では、着信メッセージに関連付けられた抽出メッセージはMIU104、224内のデータ情報と関連付けられているかどうか判定される。工程402の答えがnoの場合は、工程403でメッセージはハンドヘルド通信装置1、100、200に通知または転送され、そこで手順は終了する。工程402の答えがyesの場合は、手順は工程404に進み、メッセージデータが関連付けられたデータ情報に関連するカウンタの値は、5などの所定のレベルを下回るかどうか判定される。工程404の答えがyesの場合は、手順は工程403に進む。工程402の答えがnoの場合、メッセージは工程405でブロックされ、着信メッセージはハンドヘルド通信装置1、100、200に通知も転送もされず、そこで手順は終了する。メッセージがブロックされたとき、メッセージに関係するすべてのデータと情報は、ハンドヘルド通信装置1、100のメモリおよびネットワークノードのメモリから削除される。代替案では、メッセージは、永久に削除されるまでに、数時間または数日間保存される。ユーザがブロッキングサービスの設定を、例えばブロックされたメッセージを通知されてもよい状態に変更する場合、その古いメッセージは読み出され通知されてもよい。
【0071】
メッセージは、ハンドヘルド通信装置1、100が受信した場合、自動的に削除されてもよい。MIU104に格納されたデータ情報が時間、日、週、月等に付き一定回数などで定期的に更新される場合、更新時、MIU104は例えばインボックスをスキャンしてもよい。MIU104に格納されたデータ情報は、ネットワークノード120からハンドヘルド通信装置1へ、更新データ情報を有するプッシュメッセージを送信することにより、自動的に更新されてもよい。それ故、更新データ情報のダウンロード要求のために、ハンドヘルド通信装置1、100からネットワークノード120へ、更新要求は送信される必要はない。迷惑メッセージだがMIU104の更新前は迷惑メッセージでなかったメッセージがインボックスにある場合、その迷惑メッセージは自動的に削除されてもよい。このことは、配信前にメッセージが一時的にネットワークノード221に格納される場合、ネットワークノード221にも適用されてもよい。
【0072】
MIU104、224が物理的にどこに設置されるか次第で、図6の工程の一部または全部はネットワークノード120、220で実行されてもよいし、また工程の一部または全部はハンドヘルド通信装置1、100、200で実行されてもよい。
【0073】
図5と6の方法は、方法を実行するプログラムコード手段を備えるコンピュータプログラム製品により、実装されてもよい。コンピュータプログラム製品は、特定の実装次第で、例えばコントローラ101、121、131、201、221のいずれかにより実行されてもよい。さらに、MIU104、134、224の機能は、前述のコントローラにより実行されるプログラムコード手段により実装されてもよく、MIU104、134、224に格納された情報は、メモリ103、123、133、223にそれぞれ格納されてもよい。代わりに、MIU104、134、224は、単体で実装され、例えばCPU、FPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)により、ソフトウェア、ハードウェア、またはソフトウェアとハードウェアの組み合わせで実装されてもよい。
【0074】
本発明を、特定の実施形態に言及してこれまで説明した。しかし、上記以外の実施形態も本発明の範囲内で同様に可能である。ハードウェアまたはソフトウェアにより方法を実施する、本方法の上記の工程と異なる工程が、本発明の技術的範囲内で提供されてもよい。本発明の様々な特徴および工程は、上記以外の組み合わせで組み合わされてもよい。本発明の技術的範囲を規定するのは、添付の特許請求の範囲だけである。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】通信ネットワークに接続されたハンドヘルド通信装置の概略図である。
【図2】ネットワークノードに接続されたハンドヘルド通信装置の一実施形態のブロック図である。
【図3】ネットワークノードに接続されたハンドヘルド通信装置の別の実施形態のブロック図である。
【図4】ネットワークノードに接続されたハンドヘルド通信装置の別の実施形態のブロック図である。
【図5】迷惑メッセージに関連付けられたデータに関する情報を収集する方法のフローチャートである。
【図6】メッセージがハンドヘルド通信装置に通知されるのをブロックする方法のフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
迷惑メッセージに関する情報を収集する方法であって、
ハンドヘルド通信装置(1、100、200)内において迷惑メッセージに関連付けられたメッセージ情報を削除する工程を備え、
前記削除されたメッセージ情報又は前記迷惑メッセージに関連付けられたデータをメッセージ情報部(104、224)へ転送する工程と、
前記迷惑メッセージに関連付けられた前記転送されたデータに基づき、前記メッセージ情報部のメモリ内のデータ情報を更新する工程と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ハンドヘルド通信装置(1、100、200)宛ての着信メッセージから抽出したメッセージデータと、前記メッセージ情報部(104、224)に格納された前記データ情報とを比較して、前記メッセージを前記ハンドヘルド通信装置へ通知または転送すべきかどうか判定する工程を備えることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記メッセージ情報部(104、224)に格納された前記データ情報が、前記着信メッセージから抽出した前記メッセージデータに関するデータ情報を少しも備えない場合か、
前記データ情報は前記着信メッセージから抽出した前記メッセージデータに関係するが、前記格納された情報に遭遇した回数を示すカウンタ値が所定の値を下回る場合に、
前記通知を発行する工程または前記メッセージを転送する工程を備えることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記メッセージ情報部(104)は、前記ハンドヘルド通信装置(100)内に設けられることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記格納されたメッセージ情報の少なくとも一部を外部の電子通信装置(20、21、130)にエクスポートする工程を備えることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記削除情報に関連付けられた前記データを、前記メッセージ情報部(224)が設けられるネットワークノード(220)へ転送する工程を備えることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記メッセージ情報部(224)内の情報を、前記ネットワークノード(200)から少なくとも1つの別のネットワークノードへ転送する工程を備えることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
通信ネットワーク内で動作するハンドヘルド通信装置(1、100、200)に向けて宛てられたメッセージをブロックする方法であって、前記ハンドヘルド通信装置または前記通信ネットワークは、迷惑メッセージであると判定されたメッセージに関するデータ情報を備えるメッセージ情報部を備え、
前記ハンドヘルド通信装置向けの前記メッセージからメッセージデータを抽出する工程と、
前記メッセージデータと前記メッセージ情報部内に格納された前記データ情報とを比較して、前記メッセージを前記メッセージの宛先の前記ハンドヘルド通信装置へ通知または転送すべきかどうか判定する工程と、
を備える方法。
【請求項9】
ネットワークノード内に配置された前記メッセージ情報部(224)内の前記データ情報を、前記ネットワークノード(220)から前記ネットワークノードのドメインで動作する少なくとも1台のハンドヘルド通信装置(200)へ転送する工程を備えることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ハンドヘルド通信装置(200)が前記ネットワークノードのドメインにサインインしたことに応じて、前記メッセージ情報部(224)内の前記データ情報を送信する工程を備えることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記比較する工程は、前記宛先のハンドヘルド通信装置(200)で実行されることを特徴とする、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記格納されたメッセージ情報の少なくとも一部を外部の電子通信装置(20、21、130)へエクスポートする工程を備えることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記比較する工程は、前記ネットワークノード(220)で実行されることを特徴とする、請求項9乃至11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記メッセージを前記宛先のハンドヘルド通信装置(200)へ送信する工程と、
前記ハンドヘルド通信装置(200)から前記ネットワークノード(220)へ送信されたスキャン要求を受信し、それに応じて前記比較する工程を実行する工程と、
前記比較工程の結果の情報を含むスキャン応答を送信する工程と
を備えることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
迷惑メッセージに関する情報を収集する装置であって、
ハンドヘルド通信装置(1、100、200)内の迷惑メッセージに関連付けられたメッセージ情報を削除するように構成されたコントローラ(101、121、221)を備え、
前記コントローラは、前記削除されたメッセージ情報又は前記迷惑メッセージに関連付けられたデータを、メッセージ情報部(104、224)へ転送するように構成され、
前記メッセージ情報部は、前記迷惑メッセージに関連付けられた前記転送されたデータに基づき、前記メッセージ情報部のメモリ内のデータ情報を更新するように構成される
ことを特徴とする装置。
【請求項16】
前記コントローラ(101、121、221)は、前記ハンドヘルド通信装置(1、100、200)宛ての前記着信メッセージから抽出したメッセージデータと、前記メッセージ情報部(104、224)に格納された前記データ情報とを比較して、前記メッセージを前記ハンドヘルド通信装置へ通知または転送すべきかどうか判定するように構成されることを特徴とする、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記コントローラ(101、121、221)は、
前記メッセージ情報部(104、224)に格納された前記データ情報が、前記着信メッセージから抽出した前記メッセージデータに関係するデータ情報を少しも備えない場合か、
前記データ情報は前記着信メッセージから抽出した前記メッセージデータに関係するが、前記格納された情報に遭遇した回数を示すカウンタ値が所定の値を下回る場合に、
前記通知の発行または前記メッセージの転送を行うように構成される
ことを特徴とする、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記装置は、前記メッセージ情報部(104)が設置されるハンドヘルド通信装置(100)内に存在することを特徴とする、請求項15乃至17のいずれか1項に記載の装置。
【請求項19】
前記コントローラ(101)は、前記格納されたメッセージ情報の少なくとも一部を外部電子通信装置(20、21、130)へエクスポートするように構成されることを特徴とする、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記コントローラ(101)は、前記削除情報に関連付けられた前記データを、前記メッセージ情報部(224)が設置されるネットワークノード(220)へ転送するように構成されることを特徴とする、請求項15乃至17のいずれか1項に記載の装置。
【請求項21】
前記コントローラ(121)は、前記メッセージ情報部(224)内の情報を、前記ネットワークノード(200)から少なくとも1つの別のネットワークノードに送信するように構成されることを特徴とする、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記装置は、携帯用無線通信装置、移動体無線端末、ページャ、コミュニケータ、電子オーガナイザ、携帯用情報端末(PDA)、ハンドヘルドコンピュータ、ハンドヘルドVoIP電話機、スマートフォンまたはネットワークノード内に存在することを特徴とする、請求項15乃至21のいずれか1項に記載の装置。
【請求項23】
前記装置は携帯電話機内に存在することを特徴とする、請求項15乃至22のいずれか1項に記載の装置。
【請求項24】
通信ネットワーク内で動作するハンドヘルド通信装置(1、100、200)へ向けて宛てられたメッセージをブロックする装置であって、
迷惑メッセージであると判定されたメッセージに関するデータ情報を備えるメッセージ情報部(104、124、224)と、
前記ハンドヘルド通信装置向けの前記メッセージからメッセージデータを抽出し、前記メッセージデータと前記メッセージ情報部内に格納された前記データ情報とを比較して、前記メッセージを前記メッセージの宛先の前記ハンドヘルド通信装置へ通知または送信すべきかどうか判定する、コントローラ(101、121、221)と、
を備えることを特徴とする装置。
【請求項25】
前記メッセージ情報部(224)と前記コントローラは、ネットワークノード(220)内に配置され、前記コントローラは、前記メッセージ情報部内の前記データ情報を、前記ネットワークノード(220)から前記ネットワークノードのドメインで動作する少なくとも1台のハンドヘルド通信装置(200)へ送信するように構成されることを特徴とする、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記コントローラは、前記ハンドヘルド通信装置(200)が前記ネットワークノードのドメインにサインインするのに応じて、前記メッセージ情報部(224)内の前記データ情報を送信するように構成されることを特徴とする、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記コントローラは、前記宛先のハンドヘルド通信装置(200)内に設けられることを特徴とする、請求項24に記載の装置。
【請求項28】
前記コントローラは、前記格納されたメッセージ情報の少なくとも一部を、外部の電子通信装置(20、21、130)へエクスポートするように構成されることを特徴とする、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記コントローラは、ネットワークノード(220)内に設けられることを特徴とする、請求項24乃至26のいずれか1項に記載の装置。
【請求項30】
前記コントローラは、
前記メッセージを前記宛先のハンドヘルド通信装置(200)へ送信し、
前記ハンドヘルド通信装置(200)から前記ネットワークノード(220)へ送信されたスキャン要求を受信し、それに応じて前記比較する工程を実行し、
前記比較する工程の結果の情報を含むスキャン応答を送信する
ように構成されることを特徴とする、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記装置は、前記宛先のハンドヘルド通信装置である携帯用無線通信装置、移動体無線端末、ページャ、コミュニケータ、電子オーガナイザ、携帯用情報端末(PDA)、ハンドヘルドコンピュータ、ハンドヘルドVoIP電話機、またはスマートフォン内に存在することを特徴とする、請求項24乃至28のいずれか1項に記載の装置。
【請求項32】
前記装置は、前記宛先のハンドヘルド通信装置である携帯電話機内に存在することを特徴とする、請求項24乃至28のいずれか1項に記載の装置。
【請求項33】
コンピュータプログラムコード手段がコンピュータ機能を有する電子装置により実行されるとき、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法を実行する前記コンピュータプログラムコード手段を備えるコンピュータプログラム製品。
【請求項34】
コンピュータプログラムコード手段がコンピュータ機能を有する電子装置により実行されるとき、請求項8乃至14のいずれか1項に記載の方法を実行する前記コンピュータプログラムコード手段を備えるコンピュータプログラム製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−524679(P2008−524679A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−546015(P2007−546015)
【出願日】平成17年12月5日(2005.12.5)
【国際出願番号】PCT/EP2005/056453
【国際公開番号】WO2006/063944
【国際公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
【出願人】(502087507)ソニー エリクソン モバイル コミュニケーションズ, エービー (823)
【Fターム(参考)】