説明

送信メール作成機能を有する画像形成装置およびその制御方法、プログラム、記憶媒体

【課題】 複合機の送信機能を利用して電子メールを使用した申請業務ワークフローを実現すること。
【解決手段】 元となるメールのMessage−IDが印刷された紙をスキャンして返信メールを作成するので、印刷物に付与するメールの情報を少なくすることが可能となる。また、読み取ったMessage−IDから元のメールを自動的に識別して返信メールを作成するので、誤って別のメールに返信するという様な元メールの選択ミスが無くなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は受信したメールの返信メールを作成する機能を有する画像形成装置、およびその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータ(以降、PCと呼ぶ)とインターネットやイントラネットなどのネットワークサービスの普及により、電子メールを利用する人々が増えている。また、PC上で動作するメールソフト(例えば、マイクロソフト社のOutlook(登録商標) Expressなど)も多数普及しており、情報交換の主要な手段となりつつある。また、電子メールはテキストデータだけではなく、画像などの電子データを含めたメールのやり取りも容易に素早くできるため、業務を支援するツールとしても大いに利用されている。
【0003】
一方でPC以外の機器でも電子メールの活用が普及してきている。ネットワークに接続して種々のデータを通信可能なネットワーク複合機(以降、複合機と呼ぶ)がそうである。例えば、複合機は紙原稿をスキャンして画像データを生成し、電子メールに添付して、指定されたメールアドレスへメール添付送信する「原稿画像メール送信機能」を有しているものが普及している。また、電子メールを受信して、メールの本文や、添付されている画像データなどをプリントアウトする「電子メールプリントアウト機能」を有しているものもある。
【0004】
このように複合機からの電子メールの送信や、受信、出力が容易にできるようになったおかげでビジネスにおける業務にも大いに利用されている。特に顕著なのは帳票等を使用して行っている申請・承認のワークフローである。
従来は、例えば以下の1)〜3)のような業務フローを行っていた。
1)申請者は紙の申請書に申請内容を記述し、承認者のところまで持って行くか、郵便等を使用して送る。
2)承認者は申請者からの申請書を受領し、承認、又は却下の判定結果の記入と、署名や押印などの承認作業を行う。
3)承認者は申請書を申請者に送り返す。もしくは申請者のところまで持っていく。
【0005】
しかし、前述した複合機の原稿画像メール送信機能と電子メールプリントアウト機能を組み合わせて使用することで、この申請・承認のワークフローは以下のa)〜c)の様に行うことが可能になった。
a)申請者は紙の申請書に申請内容を記述し、複合機の原稿画像メール送信機能を使用して、承認者に電子メールで送信する。この時、Ccには業務に関係する関係者を指定する。
b)承認者は複合機の電子メールプリントアウト機能を利用して申請者からのメールの受信と出力を行い、承認、又は却下の判定結果の記入と、署名や押印などの承認作業を行う。
c)承認者は申請書を複合機の原稿画像メール送信機能を使用して、申請者に電子メールで送信する。この時、Cc(Carbon Copy)には業務に関係する関係者を指定する。
【0006】
申請書の受け渡しに電子メールを使用するようになったので、手渡しや郵送の手間がなくなった。また、電子メールのToやCcの宛先指定を活用することで、申請者と承認者の間だけでメールをやりとりするだけではなく、業務に関係する関係者(以降、業務関係者と呼ぶ)もメールのCcに加えて通知することなども同時にできるようになった。これによって、業務関係者はメールで、申請・承認の進捗状況を把握できるようになった。
【0007】
しかし、一方で上記c)において承認者が申請書を送る際に、送り返す申請者を間違えたり、Ccに指定する業務関係者のアドレスを間違えたり、指定漏れがあったりするなどの不便さがあった。これを解消する技術として以下に挙げるようなものがあった。
【0008】
第一にはメールの本文や添付されたファイルだけではなく、メールのヘッダ情報の指定した項目を一緒に印刷する技術である(特許文献1参照)。この技術を使用することで、メールヘッダのReply−toやCcのアドレス、Subject(件名)など、必要な情報をメールの本文や添付ファイルの印刷物のヘッダ等に印刷することが可能になった。
【0009】
第二はメールの宛先のアドレス、件名、本文を記載した原稿をスキャンして、OCR処理を利用して原稿画像データから宛先、件名、本文を読み取って、メールに設定する技術である(特許文献2参照)。この技術を使用することで、スキャン原稿に必要な情報を記載しておけば、複合機の操作画面上でメールの宛先のアドレス、件名、本文等を入力しなくてもよくなった。
【0010】
この二つの技術を組み合わせたとすると、先述の申請・承認のワークフローは更に以下のx)〜z)の様に実施することが可能である。
x)申請者は紙の申請書に申請内容を記述し、複合機の原稿画像メール送信機能を使用して、承認者に電子メールで送信する。この時、Ccには業務関係者を指定する。
y)承認者は複合機の電子メールプリントアウト機能を利用して申請者からのメールの受信と出力を行う。この時、メールのヘッダ情報から、Reply−to、Cc、Subjectも一緒に印刷する。承認者は承認、又は却下の判定結果の記入と、署名や押印などの承認作業を行う。
z)承認者は申請書を複合機の原稿画像メール送信機能を使用して、申請者に電子メールで送信する。この時、複合機はスキャンした申請書から、OCR処理で印刷されたReply−to、Cc、Subjectを読み取り、送信するメールの設定に使用する。
【0011】
このように上記二つの技術を組み合わせることで、承認者が申請書を返信する際に宛先等を入力する負荷の軽減と、入力ミス、設定漏れ等の削減が可能になる。
【特許文献1】特開平6−149505号公報
【特許文献2】特開2005−244411号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、前記の様な電子メールを使用した申請業務ワークフローを行う上では、さらに以下に挙げるような問題があった。
【0013】
第1の問題は出力するメールヘッダ情報の情報量に関する問題である。先述の申請・承認のワークフローにおいて、承認者は申請書を出力する際に、メールのヘッダ情報から、Reply−to、Cc、Subjectも一緒に印刷する。
【0014】
しかし、例えばCcには複数のメールアドレスが指定されている場合がある。その場合はそれにあわせて先述のワークフローのy)で印刷するヘッダ情報の情報量が増えることとなる。情報量が増えると、より広い印刷領域を必要とする。しかし、申請書自体の紙の大きさは、業務によって様々である。常にヘッダ情報を印刷するに十分な印刷領域が空いているとは限らない。その結果、情報量が増えすぎると紙上の印刷領域に収まりきらなくなる事が考えられ、収まり切らないヘッダ情報を印刷するためだけに余分にページを追加して印刷を行うことになってしまう。逆に、収まり切らない情報を出力しなかった場合は、先述のz)で承認者が送信するメールに設定しなければならない情報が欠けてしまうことになる。
【0015】
すなわち、メールのヘッダ情報の情報量が増減しても、印刷する情報量が大きく変わらない事が求められるが、それを実現することが従来の技術では困難である。
【0016】
第2の問題は承認者が送信するメールを申請者が送信したメールの返信メールとして定義することに関する問題である。
【0017】
電子メールにおいては複数のメールを関連付けて管理する方法が普及している。例えば、或るメールが送られてきたことに対して、返事のメールを送る場合、最初のメールが親メールであり、返事のメールは返信メール(子メール)として管理される。
【0018】
先に挙げた申請・承認のワークフローにおいて、先述のx)で申請者が承認者に送るメールが親メールであり、先述のz)で承認者が送るメールは子メールであると考えられる。
【0019】
RFC2822”Internet Message Format”の”3.6.4.Identification fields”では、子メールのヘッダ情報に親メールとの関連性を示す情報を記載することが求められている。具体的には、以下のd)、e)の二点である。
d)ヘッダの”In−Reply−To:”フィールドには返信するメッセージ(親メール)の”Message−ID:”フィールドの内容を記載する。
e)”References:”フィールドには(もしあれば)親メッセージ(親メール)の”References:”フィールドの内容と親メッセージ(親メール)の”Message−ID:”フィールドの内容がその順序で記載する。
【0020】
先に挙げたPC上で動作するメールソフトウェアでも、このRFCの規約に基づいて返信メールを作成するだけではなく、送受信したメールの親子関係を表現する方法を工夫するなどしているのが一般的である。
【0021】
図1に一般的なメールソフトで行われているメールの親子関係の表現例を示した。
【0022】
図1の1000は送受信したメールの親子関係の一覧表示例である。この表示例ではメールのヘッダ情報などを元に、件名や送信者などのメールの概要と親子関係を1メール=1行で表示している。1001a、1002a,1003aは親メールであり、1001b、1002b、1003bはそれぞれの子メールが表示されている。この表示例では子メールが親メールの次行にインデント表示されることによって、親子関係を示す方法が取られている。
【0023】
例えば1001aと1003a、1001bと1003bはそれぞれの件名や送信者が同じである。この表示例では上記RFCの規約に従って親子関係がヘッダ情報に記載されているため、1001aと1001b、1003aと1003bが親子関係にあることがわかる。
【0024】
先述の申請・承認のワークフローにおいて、x)で申請者が承認者に送るメールが親メール、z)で承認者が送るメールは子メールとして定義されていれば、1000の一覧で示したように、申請と承認のメールの関連性が非常にわかりやすい。これが通常、メールソフトウェアにおけるスレッド表示またはツリー表示と呼ばれているメール管理方法である。
【0025】
一方、1010は1000で表示されているメールのヘッダ情報にRFCに基づく親子関係が記載されていない場合の表示例である。1011a、1012a,1013aは本来は親メールであり、1011b、1012b、1013bはそれぞれの子メールである。しかし、親子関係が定義されていないので、時刻順に並べた場合、1013aと1013bは親子関係にあるが、離れた行に表示されている。また、1013aの下には1012bという関係ない子メールが表示されている。このように、RFCに基づく親子関係がヘッダ情報に記載されていないと、複数のメール間の関係の視認性が非常に悪くなってしまう。
【0026】
この親子関係を従来の技術を使用して申請・承認のワークフローにおいてもサポートするためには、以下の対応が必要となる。
【0027】
すなわち、先述のワークフローのy)においてメールのヘッダ情報にある”Message−ID”と”References”の情報を申請書に印刷する。
【0028】
そして、先述のワークフローのz)において、これらの情報をOCR処理で読み取り、返信するメールの”In−Reply−To”と”References”に設定するというものである。
【0029】
しかし、この方法は第1の問題で取り上げた印刷領域と同じ問題を抱えている。即ち、”References”には不特定多数の”Message−ID”が記載されている場合があり、さらに情報量が増える可能性があり、より大きな印刷領域を必要とするからである。
【0030】
また、その他の対応方法として以下の方法も考えられる。
【0031】
すなわち、先述のワークフローのz)において、承認者が複合機の操作部に承認者が受信したメールの一覧を表示し、承認者はその一覧の中から申請者の元のメールを選択し、その子メールとして送信するメールを作成するという方法である。
【0032】
この方法では”Message−ID”と”References”を予め申請書に印刷しておく必要は無いので、印刷領域の問題はない。しかし、この方法では別の問題が発生する。
【0033】
一般的に承認者が一人であっても、申請者は多数存在する。また、一人の承認者が複数の種類の申請業務の承認を受け持つ場合もある。また、同じ人が同じ種類の申請を複数回行うこともある。その結果として、承認者に対して、多種多様な申請のメールが、多数の申請者から送られてくることになる。
【0034】
仮に、先述のワークフローのz)において、承認者が申請者の元メールを選択するとした場合、承認者は大量の他の申請者からの申請メールの中から、正しい元のメールを探し出さなければならない。そこでは、同じ人から送られてきた別の申請のメールを選択してしまったり、同じ申請書だが別の申請者から送られてきたメールを選択してしまったりする可能性もある。
【0035】
また、承認者が先述のワークフローのy)で使用した複合機とは別の複合機で先述のz)を行おうとした場合には、受信したメールが存在しないため、元のメール自体が存在しない。
【課題を解決するための手段】
【0036】
上記の目的を達成するために本発明による画像形成装置は以下の構成を備える。即ち、指定されたメールアカウント情報に基づいてメールサーバに接続して、電子メールの受信を行うメール受信手段と、
前記メール受信手段によって受信した電子メールを読み出し可能に格納するメール管理手段と、
原稿画像を読み取り原稿画像データを生成する読み取り手段と、
前記原稿画像データに含まれる電子メール識別情報を検出する検出手段と、
前記メール管理手段から前記電子メール識別情報に対応する電子メールを検索する検索手段と、
前記メール管理手段に格納された電子メールの印刷を行う印刷手段とを有する。
【0037】
上記の目的を達成するために本発明による画像形成装置は以下の構成を備える。即ち、画像形成装置を一意に識別可能な装置識別子と、
指定されたメールアカウント情報に基づいてメールサーバに接続して、電子メールの受信を行うメール受信手段と、
前記メール受信手段によって受信した電子メールを読み出し可能に格納するメール管理手段と、
原稿画像を読み取り原稿画像データを生成する読み取り手段と
前記原稿画像データに含まれる電子メール識別情報または装置識別子を検出する検出手段と、
前記メール管理手段から前記電子メール識別情報に対応する電子メールを検索する検索手段と、
前記メール管理手段に格納された電子メールの印刷を行う印刷手段とを有する。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、元となるメールのMessage−IDが印刷された紙をスキャンして返信メールを作成するので、印刷物に付与するメールの情報を少なくすることが可能となる。また、読み取ったMessage−IDから元のメールを自動的に識別して返信メールを作成するので、誤って別のメールに返信するという様な元メールの選択ミスが無くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、添付の図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
【0040】
尚、説明文中の符号について、特に断りがない限りは実施形態の共通または類似部分について共通の符号を付することで、重複説明を省略するものとする。
【0041】
また、実施形態に記載されている構成要素は例示であり、この発明の範囲を限定するものではない。
【0042】
<第1の実施形態>
図2は、本発明の実施形態に係る複合機とメールを使用した業務ワークフローシステムの構成を示す図である。
【0043】
ネットワーク2001はイーサネット(登録商標)やインターネット等のネットワークである。2002は申請者がメールを送信したり、受信するのに使用するコンピュータであり、ネットワーク2001を介してメールの送受信が可能である。2003はコンピュータ2002からの印刷指示を受信して、印刷を行うプリンタである。2004は申請者が申請書をスキャンして承認者にメール送信を行うための申請者用複合機である。2005aと2005bは承認者が申請者からのメールを受信して、申請書を印刷したり、承認処理を施した申請書をスキャンして、申請者にメール送信を行うための承認者用複合機である。2006は申請者が申請書を承認者にメールで送る場合に、メールのCCに指定される業務関係者がメールを受信するのに使用しているコンピュータである。
【0044】
図3は、図2で示した複合機2004、2005のハード構成を説明するブロック図である。
【0045】
メインユニット3000は文書データ、画像情報やデバイス情報の入出力を行う為のコントローラである。メインユニット3000は画像入力デバイスであるスキャナ3040や画像出力デバイスであるプリンタ3041と接続してスキャンやプリント等の機能を実現している。メインユニット3000はLAN3020を介してメールサーバ等の外部機器と接続してデータの送受信を実現し、公衆回線(PSTN)3011にも接続してFAX機能を実現している。それらの機能をユーザに提供するためのインタフェースとして操作部3050と接続している。
【0046】
CPU3001はメインユニット全体を制御するコントローラである。RAM3002はCPU3001が動作するためのシステムワークメモリであり、画像データを一時記憶するための画像メモリとしても使用される。ROM3003はブートROMであり、システムのブートプログラムが格納されている。HDD3004はハードディスクドライブで、システムソフトウェア、画像データやその属性データおよびその他のユーザデータ等を格納する。本発明の特徴であるメール印刷、メール作成、二次元バーコードの生成、解析処理はHDDの格納されたシステムソフトウェアによって実現される。また、受信したメールのデータも本HDDに格納される。
【0047】
操作部I/F3006は操作部(UI)3050とのインタフェース部で、操作部3050に表示する表示データを操作部3050に対して出力する。また、操作部3050から本システム使用者が入力した情報を、CPU3001に伝える役割をする。また、本特許の特徴である受信したメールの表示や、送信するメールの設定画面等も操作部3050に表示される。
【0048】
ネットワークI/F3007はLAN3020に接続し、LAN上に接続された別の複合機やPC等の外部機器と情報の入出力を行う。本システムはネットワーク通信プロトコルとしてTCP/IPをサポートし、外部機器ともTCP/IP通信プロトコル上に従って通信を行うものとする。
【0049】
モデム3008は公衆回線3011に接続し、FAX機能を用いて通信回線上に配置されたFAX装置と画像情報の入出力を行う。
【0050】
Image Bus I/F3005はシステムバス3010と画像データを高速で転送する画像バス3030を接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。画像バス3030は、PCIバスまたはIEEE1394で構成される。
【0051】
画像バス3030上には以下のデバイスが配置される。ラスターイメージプロセッサ(RIP)3031はLAN2020上に配置されたPCから入力されるPDLコードをビットマップイメージに展開する。デバイスI/F部3032は、画像入出力デバイスであるスキャナ3040やプリンタ3041とメインユニットコントローラ3000を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
【0052】
スキャナ画像処理部3033は、入力画像データに対し補正、加工、編集を行う。また入力された画像がカラー原稿か白黒原稿かを画像の彩度信号から判断しその結果を保持する機能を有する。
【0053】
プリンタ画像処理部3034は、出力画像データに対し補正、加工、編集を行う。画像回転3035はスキャナ画像処理3033と連携して、スキャナ3040からの画像読み込みと同時に画像を回転しメモリ上に格納できる。また、画像回転3035はメモリ上にある画像を回転したり、メモリ上に格納、もしくはメモリ上にある画像をプリンタ画像処理部と連携して回転しながら印字出力することができる。解像度変換3037はメモリ上にある画像を解像度変換処理し、メモリ上に格納する。色空間変換3038はマトリクス演算により、たとえばメモリ上にあるYUV画像をLab画像に変換し、メモリ上に格納する。階調変換3039はたとえばメモリ上にある8bit、256階調の画像を誤差拡散処理などの手法により1bit、2階調に変換し、メモリ上に格納する。画像圧縮部3036は、多値画像データに対してはJPEG、2値画像データに対してはJBIG、MMR、MR、MHの圧縮伸張処理を行う。
【0054】
画像回転3035、解像度変換3037、色空間変換3038、階調変換3039、画像圧縮3036はそれぞれ連結して動作することが可能で、たとえばメモリ上の画像を画像回転、解像度変換する場合は、両処理をメモリを介さずに行うことができる。
【0055】
図4は本発明の実施形態に係る複合機の概観を示す図である。本複合機は、コピー機能、電子メールやFAXなどのネットワーク機能、プリンタ機能、文書管理機能を備えた複合機としてユーザに提供されている。
【0056】
画像入力デバイスであるスキャナ部4001は、原稿となる紙上の画像を照射し、CCDラインセンサを走査することで、画像をラスタイメージデータとして電気信号に変換する。原稿用紙は原稿フィーダ4002のトレイにセットし、本システム使用者が操作部4006から読み取り起動指示する。それによって、図3で示したメインユニットコントローラCPU3001がスキャナに指示を与え、原稿フィーダ4002は原稿用紙を1枚ずつフィードし、現行の読み取り動作を行う。
【0057】
画像出力デバイスであるプリンタ部4003は、ラスタイメージデータを用紙上の画像に変換する部分である。その方式は感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式、微小ノズルアレイからインクを吐き出して用紙上に直接画像を印字するインクジェット方式等があるが、どの方式でもかまわない。
【0058】
プリントの指示はコントローラCPU3001からの指示によって開始する。プリンタ部4003には、異なる用紙サイズまたは異なる用紙向きを選択できるように複数の給紙段4004を持ちそれに対応した用紙カセットをセットして使用する。また、排紙トレイ4005は印字し終わった用紙を受け取るものであり、コントローラCPU3001からの指示によってソート、ステープル等の設定も可能である。
【0059】
本特許の特徴である受信したメールの表示等は操作部4006の表示部に表示することによって行われる。
【0060】
図5は本発明の実施形態における複合機内のソフトウェアと、データ記憶部の構成図である。本構成図で示すソフトウェアとデータ記憶部は図3で示したHDD3004に格納されている。
【0061】
5001は操作部を制御するUI制御部で、ユーザの指示を下層のメール処理制御部に伝えたり、メール処理制御部からの情報をUIに表示するなどを処理を行う。5002はメール処理制御部からの指示に従ってメールサーバーからメールを受信したり、メールサーバにメールを送信するなどの制御を行うネットワーク制御部である。
【0062】
5003はUI制御部5001やネットワーク制御部5002からの指示を受け取って、メールの受信や送信処理を行うメール処理制御部である。また、メール処理制御部は更に下層のモジュールに対して、受信したメールデータの格納と検索や、原稿のスキャン処理の実行、メールの印刷処理の実行などを指示する。
【0063】
5010はメール制御部5003からの指示に従って、受信したメールのデータ、添付されていたファイルをメール情報記憶部5020に格納したり、格納したメールのデータや添付ファイルを検索するメールデータの管理を行うメールデータマネージャである。
【0064】
5011は指定された情報に基づいて2次元バーコード画像データを生成するバーコード・エンコード処理と、読込まれた2次元バーコード画像を解析して元データを復元するバーコード・デコード処理を行うバーコードマネージャである。
【0065】
5012はスキャナを使用して原稿の読取処理を行い、電子データ化するスキャンマネージャである。
【0066】
5013はメールのヘッダや本文、メールに添付されている電子データと、バーコードマネージャで生成されたバーコードデータを合成して印刷するメール印刷マネージャである。
【0067】
5014はユーザ情報記憶部5021に格納されているユーザ情報を元に、ソフトウェアを実行するユーザの認証を行ったり、ユーザ情報記憶部5021からメールサーバにアクセスするメールアカウント情報を取得する等を行うユーザマネージャである。
【0068】
5015は機器情報記憶部5022に格納されている機器に関連する情報、例えば機器毎に割り当てられているメールアドレスや、メールアカウント情報を取得する等を行う機器情報マネージャである。
【0069】
5016は送信するメールの宛先に使用するメールアドレスなどの情報が保管されたアドレス帳情報記憶部5023からメールアドレスを取得したり、新規にメールアドレスを登録したりするアドレス帳マネージャである。送信するメールの宛先を指定する場合に、このアドレス帳マネージャ5016を使用することによって、ユーザは宛先をいちいち入力する手間を省略できる。
【0070】
5017はメールの本文やメールに添付されているファイルを印刷する場合に、それらのデータに前記バーコードマネージャ5011で生成された二次元バーコード画像を付与した印刷データを生成するための画像合成処理を行う印刷画像生成マネージャである。
【0071】
メール情報記憶部5020、ユーザ情報記憶部5021、機器情報記憶部5022、アドレス帳情報記憶部5023は情報を記憶しているデータ領域である。具体的にはデータが記載されたテキストファイルであったり、データベースのデータファイルである。データを識別する識別子を指定して、特定のデータだけを検索して取得できたり、一定の条件に合致する複数のデータを取得するなどのデータの読み出し処理が可能である。また、識別子を指定して新規のデータの追加や、変更、削除も可能である。
【0072】
図6は操作部3050の構成図である。LCD表示部6001は、LCD上にタッチパネルシート6002が貼られており、システムの操作画面およびソフトキーを表示するとともに、表示してあるキーが押されるとその位置情報をコントローラCPU3001に伝える。スタートキー6003は原稿画像の読み取り動作を開始する時などに用いる。スタートキー6003中央部には、緑と赤の2色LED6004があり、その色によってスタートキー6003が使える状態にあるかどうかを示す。ストップキー6005は稼働中の動作を止める働きをする。リセットキー6006は操作部からの設定を初期化する時に用いる。テンキー6007はFAX番号や、コピー枚数の入力などに用いる。
【0073】
図7は本発明の第1の実施形態におけるメールを使用した申請業務ワークフローの、申請者と承認者、及び申請の業務関係者間の一般的なやり取りを表した図である。
【0074】
7001は申請を行う申請者である。申請者7001は申請書を作成し、申請者が使用する複合機2004を使用して申請書類をスキャンし、メールに添付して承認者7006に送付する。図7の7010は申請者7001から承認者7006へ、承認者のアドレスをTOに指定してメールを送信していることを表している。
【0075】
また、この時申請者7001は必須ではないが、申請者自身や、その申請に関係する業務関係者7004のメールアドレスをTOやCC、Bccの宛先に指定して送信する場合もある。これは申請内容の控えを取っておいたり、業務関係者に申請の状況が明らかになる様にするためである。尚、BccとはBlind Carbon Copyの略である。図7の7011はCcに業務関係者7004を指定して、メールを送信していることを表している。業務関係者7004は業務関係者PC2006上で動作するメールソフトを使用してメールを受信することで、申請者7001が承認者7006に申請を行ったことを確認できる。図7の7012は申請者自身へBccでメールを送信していることを表している。申請者7001は申請者PC2002上で動作するメールソフトを使用してメールを受信することで、自分自身が行った申請内容の控えを保管しておくことが可能である。また、後日、承認者7006から承認結果のメールが送信されてきた際に、申請と承認のメールを対応付けて管理する事も可能となる。7011や、7012はメールを使用した申請業務ワークフローにとって、必須の作業ではないが、効率よく利用する上で一般的に行われることである。
【0076】
7010、7011、7012では申請書が紙で用意され、複合機でスキャンした申請書の画像をメール添付している場合について記述した。7020、7021、7022では紙ではなく、メールの本文に申請内容を記載する場合のメールの流れを表している。申請者7001は申請者PC2002上で動作するメールソフトを使用して、申請書のメールを作成する。この時、申請内容はメール本文に記載される。7020は申請者7001から承認者7006へのメールの送信を表している。7021は業務関係者7004へCcでメールを送信していることを表している。7022は申請者自身にBccでメールを送信していることを表している。
【0077】
なお、申請者PC2002、及び業務関係者PC2006上で動作するメールソフトは、マイクロソフト社のOutlook Expressや、オープンソース系のThunderbirdなど、一般に普及しているメールソフトで構わない。
【0078】
7006は承認作業を行う承認者である。承認者7006は承認者が使用する複合機2005a上で動作する図5で示した本発明によるソフトウェアを使用して、7010又は7020によって申請者から送られてきた承認者宛のメールを受信する。そして、承認者7006は7010のメールに添付されている申請書、もしくは7020のメール本文を申請書として印刷する。
【0079】
承認者7006は出力した申請書に対して、承認・却下等の判定の結果を記入したり、署名、押印、等々の承認作業を施す。承認作業が完了したら承認者7006は複合機2005a上で動作する図5で示した本発明によるソフトウェアを使用して、承認作業済みの申請書をスキャンし、メールを返信する。
【0080】
7040、7041は承認者から返信されるメール送信を表している。7040は7010、又は7020によって送られたメールの”Reply−To”又は”From”に指定されているアドレスを”TO”に指定して送信していることを表している。7041は7040の”CC”の宛先として7010、又は7020によって送られたメールの”CC”に指定されているアドレスへを指定していることを表している。
【0081】
尚、”From”、”To”、”Cc”、”Bcc”、”Reply−To”とは電子メールのヘッダー部分に付けられる制御用のデータである。
”From”フィールドには送信元のアドレスが記入され、オプションで送信者の氏名が記入される。
”To”フィールドには宛先のアドレスが記入され、オプションで宛先の氏名を記入することができる。
”Cc”フィールドにアドレスが記入されると、”To”フィールドに記入したアドレスへ送信されるのと同じ内容のメールが、”Cc”フィールドのアドレスに送信される。
”Bcc”フィールドにアドレスが記入されると、”To”フィールドに記入したアドレスへ送信されるのと同じ内容のメールが、”Bcc”フィールドのアドレスに送信される。但し、”To”フィールドに記入されたアドレスの受信者には、”Bcc”フィールドのアドレスへメールが送信されたことは通知されない。
”Reply−To”フィールドにアドレスが記入されると、返信の宛て先アドレスを指定することになる。即ち、”Reply−To”フィールドにアドレスがない場合には、メールの返信先アドレスは”From”フィールド記載のアドレスになる。一方、”Reply−To”フィールドにアドレスがある場合には、メールの返信先アドレスは”From”フィールドのアドレスではなく”Reply−To”フィールドで指定されたアドレスになる。
【0082】
なお、本実施形態においては承認者はメールの受信と送信(返信)を常に同じ複合機2005aで行うものとする。承認者が複数台の複合機を使用する場合については第二の実施形態で説明する。
【0083】
図8の8000は操作部3050のLCD表示部6001に表示され、図5で示した本発明のソフトウェア構成により提供される、メール送信操作画面の構成図である。この画面は図7の申請業務ワークフローの、7010、7011、7012のメール送信を指示するための画面である。
【0084】
8001はソフトウェアの機能を切り替える機能スイッチボタンであり、現在は送信機能に切り替えられていることを示している。8010は宛先種別切替ボタンであり、宛先の種別を”To”、”Cc”、”Bcc”に切り替えて、宛先を設定する。本画面例では”To”の宛先が指定可能となっている。8011は設定済み宛先一覧表示部である。アドレス帳から宛先を選択したり、直接メールアドレスを入力するなどして指定された”To”、”Cc”、”Bcc”の宛先を表示する。8012はアドレス帳ボタンである。アドレス帳ボタン8012を押下することによって図5のアドレス帳マネージャ5016がアドレス帳情報記憶部5023に登録されている宛先データを取得し一覧表示する。一覧から選択されたアドレスが、”To”、”Cc”、”Bcc”のいずれかの宛先として設定される。8013は新規宛先ボタンである。新規宛先ボタンを押下すると、8030に示すようなソフトキーボードが表示される。ソフトキーボード8030は平仮名、片仮名、英数字、記号などの入力が可能であり、これによってアドレス帳にはないメールアドレスを宛先として指定することが可能である。8014は送信設定ボタンである。送信設定ボタン8014を押下すると、後述する図9に示すような送信設定画面が表示され、更に詳細なメールの設定が可能となる。8020は図4のスキャナ部4001を使用して申請書をスキャンする際の解像度、倍率、色指定、等の読込設定を変更する読込設定ボタンである。8021はスキャンした申請書の画像データをメールに添付する際のファイル形式を選択するファイル形式ボタンである。
【0085】
図9の9000は図8の送信設定ボタン8014を押下することで表示される送信設定画面の画面構成図である。9001はメールの件名(Subject)入力欄である。9002はメールの返信先アドレス(Reply−To)入力欄である。9003はメールの本文入力欄である。9001、9002、9003の各入力欄は入力欄を押下することで図8の8030に示したソフトキーボードが表示されて文字列が入力可能となる。
【0086】
尚、件名(Subject)とはメールヘッダのフィードの1つであり、文字通りメールの件名が記入される。
【0087】
9010は自動返信ボタンである。自動返信ボタン9010は押下する度に設定の有効と無効が交互に切り替わるトグルボタンである。自動返信ボタン9010を有効に設定すると本発明の特徴である返信メールの自動作成が有効となる。
【0088】
9020はこの送信設定画面9000を閉じて図8のメール送信操作画面8000に戻るボタンである。
【0089】
図10は図7の申請業務ワークフローで申請者が行う7010、7011、7012のメール送信処理の処理内容を表すフローチャートである。本処理は申請者が図8、図9で示した画面において宛先の設定や、読込設定を行った後に、図6でしめしたスタートキー6003を押下することで、図5で示したメール処理制御部5003において実行されるものである。
【0090】
ステップ10000においてメール処理制御部は図9の自動返信ボタン9010によって自動返信の設定が有効に設定されているかどうかをチェックする。有効である場合はステップ10010の自動返信メール送信処理を実行して、処理を終了する。自動返信メール送信処理の詳細は後の図23の説明において詳しく説明する。設定が無効である場合は、自動返信ではないのでステップ10001に進む。
【0091】
ステップ10001においてメール処理制御部はスキャンマネージャ5012に指示して、スキャナ3040でスキャナ部4001に置かれた申請書の紙原稿を読込む。読込まれた画像データはRAM3002又はHDD3004に保管される。
【0092】
図11の11001は読み込まれた申請書の画像データの一例である。11002aと11002bは申請者が記入する箇所であり、申請者の氏名や申請内容等が記載されている。11003は承認者の記入欄であり、現時点ではまだ空欄のままである。11004は印刷時に二次元バーコード画像を印刷する領域である。申請者が申請書を送信する段階では11004の領域は空白である。
【0093】
ステップ10002においてメール処理制御部5003はユーザマネージャ5014に指示して、ユーザ情報記憶部5021から複合機にログインしているユーザ(例えば申請者)のメールサーバのメールアカウント情報を取得してRAM3002に保管する。
【0094】
ステップ10003においてメール処理制御部5003は申請者が送るメール(7010、7011、7012のメール)のメールデータの作成を行う。具体的にはこのメールを一意に識別する”Message−ID”の生成して設定したり、“From”アドレスとして現在複合機を利用しているユーザ(例えば申請者)のメールアドレスを設定する事などを行う。
【0095】
尚、”Message−ID”はメールヘッダのフィールドの1つであり、あるメールを別のメールから識別するための識別子を記述する。
【0096】
形式には特に規定は無いが、Message−IDはメール毎に唯一無二であるように記述される。
【0097】
ステップ10004においてメール処理制御部はメール送信操作画面8000と送信設定画面9000において指定された値をステップ10003で作成した新規メールデータに設定する。具体的にはメール送信操作画面8000で入力されたTo、Cc、Bccの設定、送信設定画面9000で入力されたSubject、Reply−To、メール本文の設定などである。7010、7011、7012のメール送信処理においては、Toに承認者7006のアドレス、Ccには業務関係者7004のアドレス、Bccには申請者7001のアドレスが申請者によって指定されている。
【0098】
ステップ10005においてメール処理制御部5003は前記ステップ10001において読込んだ画像データをメール送信操作画面8000のファイル形式8021で指定されたファイル形式に変換する。ファイル形式は、例えばPDFやTIFFなどの形式である。変換されたファイルはRAM3002又はHDD3004に保管される。
【0099】
ステップ10006においてメール処理制御部5003は前記ステップ10005において変換された画像ファイルをメールに添付するためのコード形式に変換する。具体的にはMIMEの規定に従ってBase64等の形式にエンコードする。
【0100】
ステップ10007においてメール処理制御部5003はメール送信処理を行う。具体的にはステップ10004において作成された新規メールデータとステップ10006において作成された添付ファイルデータを結合し、メールデータの作成を完了する。次にステップ10002で取得したメールサーバのアカウント情報を使用してメールサーバにアクセスし、メールデータをサーバに送信する。
【0101】
以上のようにして7010、7011、7012のメール送信処理が行われる。
【0102】
また、図7の7020、7021、7022で示した、紙ではなくメールの本文に申請内容を記載する場合のメール送信処理は、申請者PC2002上で動作する一般的なメールソフトで行われる。よって、メールがどのように処理されて送信されるのかは、それぞれのメールソフトに依存するものであり、本発明には直接関係しないので詳細な説明は割愛する。
【0103】
図12の12001は、7020、7021、7022で送信されるメールの本文に申請内容を記載したメールの一例である。12002は申請者が記入する箇所であり、申請者の氏名や申請内容等が記載されている。12003は承認者の記入欄であり、現時点ではまだ空欄のままである。
【0104】
図13の13000は、図5で示した本発明のソフトウェア構成によるメール受信操作画面の構成図である。このメール受信操作画面は操作部3050のLCD表示部6001に表示される。この画面は図7の申請業務ワークフローの7010で送られたメールを承認者7006が複合機2005aでメールを受信する指示をするための画面である。
【0105】
13001はソフトウェアの機能を切り替える機能スイッチボタンであり、現在はメール受信機能に切り替えられていることを示している。13010は受信済みのメールの一覧を表示する受信メール一覧表示領域である。受信メール一覧表示領域には受信したメールの送信日時、件名(Subject)、差出人(Fromアドレス)など、各受信メールの主要な情報が表示される。また、領域内の行を押下することによって任意の受信メールを選択することが可能である。なお、図13では一覧表示領域の例として送信日時、件名、差出人のメール情報を表示しているが、その他のメールヘッダのフィールドやメール本文の一部などを表示するように構成しても良い。
【0106】
13011は新規受信ボタンであり、押下することによってメールの受信処理が実行される。13012はメール印刷ボタンであって、押下することによって受信メール一覧表示領域13010において選択されているメールの印刷処理を実行する。13013は返信メール作成ボタンであって、押下することによって受信メール一覧表示領域13010において選択されているメールの返信メールを作成して、送信する。
【0107】
図14は機能スイッチボタン13001を押下してメール受信操作画面13000を表示した際に実行される受信済みメール表示処理のフローチャートである。本処理は、図5で示したメール処理制御部5003において実行されるものである。
【0108】
ステップ14001においてメール処理制御部5003はユーザマネージャ5014に指示して、ユーザ情報記憶部5021から複合機にログインしているユーザ(例えば申請者)のメールサーバのメールアカウント情報を取得してRAM3002に保管する。
【0109】
ステップ14002においてメール処理制御部5003はメールデータマネージャ5010に対して、複合機にログインしているユーザが受信したメールのヘッダ情報の一覧の取得を指示する。メールデータマネージャ5010はメール情報記憶部5020を検索して、承認者の受信したメールのヘッダ情報の一覧を取得する。
【0110】
ステップ14002においてメール処理制御部は前記ステップ14001において取得したメールのヘッダ情報の一覧を元に、受信メール一覧表示領域13010に受信メールの一覧を表示する。
【0111】
以上のように図14に示したフローチャートによってメール受信操作画面を表示すると、受信済みのメールの一覧が表示される。
【0112】
図15は本実施形態において複合機がメールを受信するメール受信処理のフローチャートである。前記メール受信操作画面13000の新規受信ボタン13011を押下することによって実行される処理であり、図5で示したメール処理制御部5003において実行されるものである。
【0113】
具体的には、図7の申請業務ワークフローにおいて、承認者7006が承認者が使用する複合機2005aにおいて申請者からのメールを受信する際に利用するものである。
【0114】
ステップ15001においてメール処理制御部5003はユーザマネージャ5014に指示して、ユーザ情報記憶部5021から複合機にログインしている承認者のメールサーバのメールアカウント情報を取得してRAM3002に保管する。
【0115】
ステップ15002においてメール処理制御部5003は前記ステップ15001で取得したメールアカウント情報に基づいて受信メールサーバにアクセスし、承認者宛の未受信のメールを受信する。
【0116】
前記ステップ15002のメール受信処理において、メールサーバにアクセスできないなどの理由によってメールの受信に失敗した場合にはステップ15004に進み、承認者に対してメールの受信ができなかった旨を通知する。図16にその通知画面の一例を示した。エラーの通知が終了するとメール処理制御部はステップ15006に進み、前記図14に示した受信済みメール表示処理を再実行して画面の表示を更新する。
【0117】
前記ステップ15002のメール受信処理が成功した場合にはメール処理制御部はステップ15005に進む。ステップ15005においてメール処理制御部はメールデータマネージャ5010に指示して、受信したメールをメール情報記憶部5020に保管する。
【0118】
メール情報記憶部5020への保管が終了するとメール処理制御部はステップ15006に進み、前記図14に示した受信済みメール表示処理を再実行する。これによってステップ15002で新たに受信したメールが受信メール一覧表示領域13010に表示される。
【0119】
先の図13の受信メール一覧表示領域13010の13021、13022、13033は図15のメール受信処理と図14の受信済みメール表示処理によって承認者が受信したメールが表示されている。
【0120】
13021はt.kimura@mail.co.jpというメールアドレスを持つ申請者が「終夜運転許可申請書(図11)」を図7に示した7010のメール送信によって送ったメールを受信したものである。
【0121】
13022は、h.hayashi@mail.co.jpというメールアドレスを持つ申請者が13021と同じ「終夜運転許可申請書(図11)」を、図7に示した7010のメール送信によって送ったメールを受信したものである。
【0122】
13023は13021と同じt.kimura@mail.co.jpというメールアドレスを持つ申請者が「機材購入申込書(図12)」を、図7に示した7020のメール送信によって送ったメールを受信したものである。
【0123】
13024は13021、13023と同じt.kimura@mail.co.jpというメールアドレスを持つ申請者が13021と同じ「終夜運転許可申請書」を図7に示した7010のメール送信によって送ったメールを受信したものとする。13021と13024は同じ申請者が作成した、同じ種類の申請書であるが、それぞれは別々の申請であり、承認も個別に行われなければならないものとする。
【0124】
図17は本実施例において、複合機が受信したメールを印刷する受信メール印刷処理のフローチャートである。本処理は前記図13のメール受信操作画面13000において、受信メール一覧表示領域13010に表示される受信メールの中から、印刷したい受信メールを選択して、メール印刷ボタン13012を押下することによって実行される。
【0125】
具体的には図7の申請業務ワークフローで、承認者が承認者が使用する複合機2005aで申請者から送信されたメールを印刷する際に使用するものである。
【0126】
本処理は図5で示したメール処理制御部5003において実行されるものである。
【0127】
ステップ17001においてメール処理制御部5003はUI制御部5001より受信メール一覧表示領域13010において選択されているメールを取得する。次にメール処理制御部はメールデータマネージャ5010に指示して、選択されているメールの情報をメール情報記憶部5021から取得する。取得する情報にはメールのヘッダ部、ボディー部、およびメールにファイルが添付されている場合は添付されているファイルが含まれる。取得した情報はHDD3004に一時保管する。
【0128】
ステップ17002においてメール処理制御部は、前記ステップ17001において取得したメール情報のヘッダに記載されているMessage−IDから二次元バーコード画像データを生成する。具体的には図5で示したバーコードマネージャ5011に指示して、Message−IDの文字列を二次元バーコードの画像データに変換し、HDD3004に一時保管する。なお、二次元バーコードとは水平方向と垂直方向に情報を持つ表示方式のコードであり、バーコードに比べ、より多くの情報をコード化でき、また印字面積を小さくできるものである。
【0129】
ステップ17003においてメール処理制御部は印刷するメール情報を特定するため図18に示すような印刷対象選択画面を表示する。
【0130】
図18の18000は印刷対象選択画面である。18001aと18001bは一方が有効になれば、他方が無効となるボタンである。受信したメールの本文を印刷したい場合はメール本文ボタン18001aを有効とする。受信したメールの添付ファイルを印刷したい場合は添付ファイルボタン18001bを有効とする。実行ボタン18002は処理の続行を指示するボタンである。図7の申請業務ワークフローの7010のメールの様に、添付された画像データが申請書そのものである場合には、添付ファイルボタン18001bを有効にする。一方、7020のメールの様に、メール本文が申請書そのものである場合は、メール本文ボタン18001aを有効とする。メールに添付ファイル自体が存在しない場合は、メール本文ボタン18001aが有効な状態で表示される。
【0131】
また、メールに添付ファイル自体が存在しない場合はメール本文ボタン18001aを有効にするように指定され、実行ボタン18002が押されたと仮定して、図18の画面を表示せずに処理しても構わない。
【0132】
図18の実行ボタン18002が押下される事によってメール処理制御部はステップ17003の処理を再開し、印刷対象としてメールの本文と、添付ファイルのいずれが選択されたかを判断する。メールの本文を印刷対象として選択した場合はステップ17004に進み、添付ファイルを印刷対象として選んだ場合には、ステップ17005に進む。
【0133】
ステップ17004においてメール処理制御部5003は前記ステップ17001においてHDD3004に一時保管したメール情報からメール本文のデータを抽出する。
【0134】
ステップ17005においてメール処理制御部は前記ステップ17001においてHDD3004に一時保管したメール情報のメールに添付ファイルが存在するかどうかをチェックする。存在しない場合はエラーとしてステップ17006に進み、エラーを通知して印刷処理を中止する。添付ファイルが存在する場合はステップ17007に進み、HDD3004に一時保管したメール情報から添付ファイルのデータを抽出する。
【0135】
ステップ17008においてメール処理制御部は前記図5で示した印刷画像生成マネージャ5017に指示して、添付ファイル、又はメール本文の印刷画像に、前記ステップ17002でHDD3004に保管した二次元バーコード画像データを合成する。二次元バーコード画像データは印刷領域の決められた位置に埋め込まれる。図19にメール7010に添付されてきた申請書画像データと二次元バーコード画像データが合成された印刷画像の例を示した。19000は図11で示した、申請者が複合機で読み込んでメール7010,7011,7012に添付して送信した申請書の画像データが元になっている。19001は図11で示した申請者から送られてきた申請書の画像に、二次元バーコード画像が合成されていることを示している。図20には、図12で示した7020で送られるメールの本文と、二次元バーコード画像データが合成された印刷画像の例を示した。20000は前記図12の12001に示したメールの本文に記載したテキストデータ(申請内容)を印刷データに変換したものである。20001はメールのヘッダ情報のMessage−IDを元にした二次元バーコードが合成されていることを示している。
【0136】
なお、19001と20001では二次元バーコードの一例として”QRコード”と呼ばれる形態のものを使用しているが、二次元バーコードにはこれと異なる形式のものもあるので、そちらを使用してもまったく問題ない。
【0137】
ステップ17009においてメール処理制御部2003はメール印刷マネージャ5013に指示して、ステップ17008で生成した印刷画像をプリンタ3041によって印刷する。
【0138】
以上の様に図7の申請業務ワークフローにおいて、承認者は前記図17の受信メール印刷処理によって承認者は申請者から送信されてきたメールの添付ファイルやメール本文を紙に出力することができる事が明らかになった。また、この印刷物には送られて来たメールのヘッダ情報のMessage−IDが二次元バーコード化されて印刷されることも明らかになった。また、どのようなメールを印刷する場合にも、二次元バーコード内に上記Message−ID以外の情報は付与おらず、印刷する情報量がメールのヘッダ情報の内容に左右されにくいことも明らかになった。
【0139】
次に、承認者はこれらの出力物に対して、情報の追記、署名や押印などの承認作業7030を行う。
【0140】
図21と図22は図17の受信メール印刷処理によって出力された出力物に対して承認者が承認作業を行った結果の例である。図21は7010の申請書の画像データがメールに添付されて送られてきたケースでの、承認作業後の申請書の例である。図22は7020のメールの本文に申請書の内容が記載されて送られてきたケースでの、承認作業後の申請書の例である。図21、22ともに承認者欄に署名や押印などが行われていることがわかる。
【0141】
図23は本実施例において複合機がスキャンした原稿の画像データを元に、返信メールを作成するメール自動返信処理のフローチャートである。
【0142】
本処理は図9で示した画面において自動返信ボタン9010の自動返信の設定を有効とした後、メール送信操作画面8000からスタートキー6003を押下することで起動される。処理自体は図5で示したメール処理制御部5003において実行されるものである。
【0143】
具体的には、図7の申請業務ワークフローにおいて、承認者が承認者が使用する複合機2005aで、承認作業の終わった申請書をスキャンして、申請者や業務関係者に送信するメール(7040、7041)を送信するために使用するものである。
【0144】
図23のメール自動返信処理においては、図7の7040、7041メールが、承認者が受信した7010、7020のメールの返信メール(子メール)として送信できることが特徴である。
【0145】
また、その際に承認者が多数受信している7010、7020のメールの中から、スキャンした申請書が送られて来たメールを誤らずに識別できることも本処理の特徴である。
【0146】
ステップ23001においてメール処理制御部は図9の自動返信ボタン9010で設定された自動返信の設定を参照する。自動返信の設定が無効であれば、返信ではなく、新規メールとして送信することになるので、ステップ23002の新規メール送信処理を実行する。新規メール送信処理の内容は既に図10で示したものと同じである。
【0147】
ステップ23003においてメール処理制御部はスキャンマネージャ5012に指示して、スキャナ3040でスキャナ部4001に置かれた承認処理が施された申請書の紙原稿の読込む。読込まれた画像データはRAM3002又はHDD3004に保管される。
【0148】
読込まれた画像は図21や図22で示したものと同じである。
【0149】
ステップ23004においてメール処理制御部はバーコードマネージャに指示して、前記ステップ23003において読込まれた画像データから所定の場所に印刷された二次元バーコードが検出できるかどうかをチェックする。検出できなかった場合はステップ23005において二次元バーコードが存在しないと判断する。この場合はスキャンした原稿は前記図17の受信メール印刷処理によって印刷されたものではないということになる。よって、単にスキャンした画像ファイルをメールに添付して送ればよいので、新規メール送信処理23002を実行する。二次元バーコードが検出できた場合はステップ23005において、二次元バーコードが存在するとしてステップ23006に進む。
【0150】
ステップ23006においてメール処理制御部5003は前記ステップ23004において検出できた二次元バーコードをデコードして元の情報に複合する。この二次元バーコードは前記図17のステップ17001、17002において、申請者から送られて来たメール(図7の7010、7020)のMessage−IDを元にして生成されたものである。よって、このステップのデコード処理によってその申請書が送られてきたメール申請者から送られて来たメール(図7の7010、7020)のMessage−IDが導かれる。
【0151】
ステップ23007においてメール処理制御部5003はメールデータマネージャ5010に指示して、メール情報記憶部5020を検索する。この時、前記ステップ23006において得られたMessage−IDをキーにして、Message−IDがそれと一致するメールをメール情報記憶部5020から検索する。
【0152】
先に見たように、検索のキーとしているMessage−IDは申請者から送られて来たメール(図7の7010、7020)であるから、検索結果としてそのメールが返ってくるはずである。
【0153】
もしも、該当するメールが見つからない場合は、ステップ23008において受信メールがないという判断になり、ステップ23002に進む。受信メールが存在しない場合は、返信のメールを作成することができないので、通常の新規のメールとしてメール送信を行う。該当するメールが見つかった場合はステップ23009に進む。
【0154】
ステップ23009においてメール処理制御部は図5−1で示したユーザマネージャ5014に指示して、ユーザ情報記憶部5021から複合機にログインしている申請者のメールサーバのメールアカウント情報を取得してRAM3002に保管する。
【0155】
ステップ23010においてメール処理制御部は返信メールの作成を行う。返信メールとは申請者から送られて来たメール(図7の7010、7020)に対する返信という意味である。具体的にはRFC2822の規定に従って、申請者から送られて来たメールの子メールとして作成するという意味である。
【0156】
前記ステップ23007において既に申請者から送られて来たメールのメール情報は取得している。便宜上この情報を「親メール情報」と呼ぶこととし、以下のf)〜l)に本ステップの詳細な処理内容を記述する。
f)返信メール用のMessage−IDを新規に生成し、この返信メールのヘッダのMessage−IDとして設定する。
g)親メール情報のヘッダのMessage−IDを返信メールのヘッダのIn−Reply−Toに設定する。
h)親メール情報のヘッダのReferencesの末尾に、親メール情報のヘッダのMessage−IDを追加して、返信メールのヘッダのReferencesに設定する。
i)親メール情報のReply−Toか、Reply−Toが指定されていなければFromに指定されているアドレスを返信メールのToに設定する。
j)親メール情報のCcに指定されているアドレスを返信メールのCcに設定する。
k)親メール情報のSubjectの先頭に“Re:”を付与して返信メールのSubjectに設定する。
l)親メール情報のメール本文を返信メールの本文に設定する。
【0157】
f)〜h)の処理によって、この返信メールは申請者から送られて来たメール(図7の7010、7020)の子メールとして定義されたことになる。
従来の技術ではこの処理に必要な親メール情報のMessage−IDや、Referencesを予め印刷し、OCR処理によって読み取る必要があった。Referencesには複数のメールのMessage−IDが含まれる事があるため、Referencesの情報量が増えると、印刷に必要な印刷領域が増加していた。
【0158】
しかし、本実施例の場合は親メール情報のMessage−IDのみを(二次元バーコードとして)印刷するが、Referencesは印刷しない。よって、印刷領域がReferencesの情報量によって変動することは無い。
i)〜l)の処理は処理は返信メールの宛先やSubjectを元のメール(図7の7010、7020)に指定されていた値を利用して設定するものである。特にi)やj)は返信メールの送られる宛先に関わるものなので重要である。
【0159】
従来の技術ではこれらの情報も予めを印刷しておいて、OCR処理で読み取っていた。そのために、Ccの宛先などが増えると印刷領域もそれだけたくさん必要としていた。しかし、本実施例の場合はこれらの情報は印刷せず、複合機上に保管されている元のメールから取得するため、これらの情報を印刷するための印刷領域は不要である。
【0160】
尚、In−Reply−Toはメールヘッダのフィールドの1つであり、メールの返信時に使用されるヘッダで、返信した元のメールのMessage−IDを引用する。
【0161】
また、Referencesもメールの返信時に利用されるメールヘッダのフィールドの1つであり、元のメールのReferencesとMessage−IDを引用する。元のメールにReferencesが無い場合には、元のメールのIn−Reply−ToとMessage−IDの全てを引用する。
【0162】
よって、ReferencesやIn−Reply−Toによりどのメールに返信したかが明確になる。複数の人が混在している状態でのメールのやりとりで、どのメールに対する返信なのかを明確にするのに利用できる。
【0163】
スレッド表示(親子関係の表示)を行う場合には、メールソフトウェアがMessage−IDやReferencesを利用する。
【0164】
ステップ23011においてメール処理制御部は前記ステップ23003において読込んだ画像データをメール送信操作画面8000のファイル形式8021で指定されたファイル形式に変換する。変換されたファイルはRAM3002又はHDD3004に保管される。
【0165】
ステップ23012においてメール処理制御部は前記ステップ10005において変換された画像ファイルをメールに添付するためのコード形式に変換する。具体的にはMIMEの規定に従ってBase64等の形式にエンコードする。
【0166】
ステップ23013においてメール処理制御部はメール送信処理を行う。具体的にはステップ23010において作成された返信メールデータとステップ23012において作成された添付ファイルデータを結合し、返信メールデータの作成を完了する。次にステップ23009で取得したメールサーバのアカウント情報を使用してメールサーバにアクセスし、メールデータをサーバに送信する。
【0167】
以上の様に、本発明によれば、従来技術の課題として挙げた出力するメールヘッダ情報の情報量と、それに関連する印刷領域に関する問題が解決されていることがわかる。
【0168】
申請業務ワークフローにおいて承認者が申請メールの本文や添付ファイルを印刷する場合に、二次元バーコードに埋め込んでいたのはMessage−IDのみであった。これはToやCcに指定されている宛先の数や、メール自体の内容によって情報量が増えるものでないことは明らかである。Message−IDの長さには特に規定はないが、大きくても100バイト程度に収まるものと考えて構わないので、紙上に出力する情報量が少なく、二次元バーコードに収容できるの情報量の上限に収まりやすい。
【0169】
次に承認者が返すメールを申請者のメール(親メール)の子メールとして生成する課題も解決された。スキャンした原稿からMessage−IDを読み取り、Message−IDから複合機内に格納された申請者のメールを特定している。よって、承認者がわざわざ親メールを選択する必要が無く、親メールの誤選択が解消される。また、特定したメールの情報を元にTO、Cc、Subject、メールの本文等も設定することが可能である。
【0170】
なお、本実施例においてはMessage−IDを二次元バーコードとして印刷し、読み取る方法を取っていた。これは二次元バーコードが従来の方法に比べてより多くの情報をコード化でき、また印字面積も小さくできるためである。しかし、従来どおり通常の文字列としてMessage−IDを印刷し、OCR処理によって読み取るようにしても問題は無いのは明らかである。つまり二次元バーコードがメール情報を識別するための電子メール識別情報の例になる。また、上記バーコードではなく直接Message−IDを印刷する場合はMessage−IDの文字列が電子メール識別情報の例になる。
【0171】
また、二次元バーコード以外のコード化と読み取り方法、例えばRFIDなどに対応した紙を使用して、Message−IDを埋め込んでも同様の効果が得られることは明らかである。
【0172】
<第2の実施形態>
本実施例は前述の第1の実施形態において、承認者が複数台の複合機を使用できる環境にある場合を表したものである。
【0173】
承認者が複数台の複合機を使用できる場合、申請者のメールを受信して、申請書を印刷する複合機と、承認処理が終わった申請書を返信する複合機が異なる場合がある。その場合の本発明の特徴について以下に記載する。
【0174】
業務ワークフローシステムの構成は第1の実施形態と変更は無いので、説明は割愛する。
【0175】
図24に本実施形態における複合機のソフトウェア構成とデータ記憶部の構成図を示す。本構成図24は第1の実施形態の図5の構成の変形である。よって同じ符号のものは図5と同じものである。相違点について説明する。
【0176】
5030は複合機のシステム起動時にHDD3004より読込まれ、ネットワーク制御部5002を介して、常時機器間の転送メールの監視を行い、転送メールの受信をきっかけにメールの自動送信処理を行う機器メール処理制御部である。機器メール処理制御部5030はメールデータマネージャ5010、バーコードマネージャ5011、ユーザマネージャ5014、機器情報マネージャ5015等に対して指示を出して、必要なデータの取得や格納を行うことができる。
【0177】
第2の実施形態は、承認者が申請のメールを印刷する受信メール印刷処理と、承認済みの申請書を返信するメール自動返信処理が第1の実施形態とは異なるが、それ以外の部分については第1の実施形態と同じである。ここでは、第1の実施形態との差異のある部分について説明する。
【0178】
図25は第1の実施形態における図7で説明したメールを使用した申請業務ワークフローを元に、本実施例において第1の実施形態とは異なる承認者のメールの受信と、返信に関する処理の流れの部分を表した図である。
【0179】
7006は承認者である。2500aと2500bは承認者が使用する複合機である。この図では2500aにて、申請者のメールを受信して印刷し、2500bにて承認済みの申請書を返信している。これはあくまで説明上の例であって、2500bでメールを受信して印刷し、2500aで承認済みの申請書を返信しても構わない。
【0180】
7010は図7の場合と同じで、申請者から承認者に対して送られてくる申請書のメールを表している。承認者7006はメールを複合機2500aで受信し、第1の実施形態と同様にそのメールの添付ファイルか、メールの本文を印刷する。その受信メール印刷処理を図26のフローチャートに表した。
【0181】
図26の受信メール印刷処理は、実施例の1で説明した図17の受信メール印刷処理とほぼ同じである。最も大きな違いはステップ26002の機器情報取得処理が追加されていることである。もう一つの違いはステップ26003のバーコードデータ生成処理の内容が第1の実施形態と異なる部分である。それ以外の部分については相違は無い。よって、ここではこの相違点である二つのステップを中心に処理の説明を行う。
【0182】
ステップ26001は第1の実施形態と変わらない。メール処理制御部5003はUI制御部5001より受信メール一覧表示領域13010において選択されているメールを取得する。次にメール処理制御部5003はメールデータマネージャ5010に指示して、選択されているメールの情報をメール情報記憶部5021から取得する。
【0183】
ステップ26002において、メール処理制御部5003は機器情報マネージャ5015に指示して機器情報記憶部5022から、この処理を実行している複合機2500aに割り当てられているメールアドレスを取得する。仮に複合機2500aのメールアドレスをmfp_a@mail.co.jpであるとする。
【0184】
この複合機のメールアドレスが画像形成装置である複合機を一意に識別可能とするための装置識別子の一例である。
【0185】
ステップ26003において、メール処理制御部はステップ26001で取得したメール情報のヘッダに記載されているMessage−IDと、ステップ26002で取得した複合機2500aのメールアドレス(mfp_a@mail.co.jp)を連結した文字列を生成する。そして更に、その文字列を元にして二次元バーコード画像データを生成する。
【0186】
例えば、Message−IDが”<20070301095539.62CC.t.kimura@canon.co.jp>”であるとする場合、”,”(カンマ)を挟んで連結して、以下の様にする。
”<20070301095539.62CC.t.kimura@canon.co.jp>,mfp_a@mail.co.jp”
連結した文字列を、後で再びMessage−IDとメールアドレスに分離できさえすれば、連結に使用する文字列を変えたり、連結する順番を逆にしても構わない。また、同様に、後で再びMessage−IDとメールアドレスに分離できるのであれば、別の合体方法をとっても構わない。
【0187】
本実施例においては半角の”,”(カンマ)を利用し、Message−ID、メールアドレスの順番で連結した。メールアドレスに”,”(カンマ)は使用できない。よって、分離する場合には文字列の最後尾にある”,”(カンマ)で分離すれば、元のMessage−IDとメールアドレスに戻すことが可能である。
【0188】
なお、ステップ26003において、Message−IDと処理を行っている複合機のメールアドレスを元に二次元バーコード画像を生成するということを除けば、ステップ26004以降の処理は第1の実施形態のステップ17003以降と同じである。
【0189】
よって、それ以降の説明は割愛する。
【0190】
なお、図26の受信メール印刷処理によって印刷される申請書は、紙上に出力される二次元バーコード画像内に複合機のメールアドレスの情報が含まれているほかは、第1の実施形態の図19、図20に示された印刷画像の例と変わらない。
【0191】
図25の7030において承認者は承認処理を行った紙を、申請書のメールを受信した複合機2500aとは異なる複合機2500bから返信しようとする。第1の実施形態と同様に、返信を実行するために承認者は図9の送信設定画面9000において自動返信9010を有効に設定した後、図8のメール送信操作画面8000からスタートキー6003を押下してメール自動返信処理を起動する。
【0192】
図27に本実施例におけるメール自動返信処理のフローチャートを記載した。この処理も殆どが第1の実施形態における図23のメール自動返信処理と同じ内容である。
【0193】
最も大きな点はステップ27006において、複合機のメールアドレスのチェックを行う処理が増えたことである。また、そこにおいてメールアドレスが一致しない場合の処理27008〜28010が追加されている。ここでも、本実施形態での相違点について述べることとする。
【0194】
処理開始からステップ27006のバーコードのデコード処理までは第1の実施形態の図23と全く同じであるので説明を割愛する。
【0195】
ステップ27007においてメール処理制御部5003は、2次元バーコードをデコードして取得された文字列をMessage−IDとメールアドレスに分離する。本実施例では文字列の最後尾にある”,”(カンマ)で分離を行う。次にメール処理制御部5003は機器情報マネージャ5015に指示して機器情報記憶部5022から、この処理を実行している複合機2500bに割り当てられているメールアドレスを取得して、分離したメールアドレスと比較する。
これが装置識別子比較である。
【0196】
双方のメールアドレスが一致する場合は、申請書のメールを受信して、印刷した複合機と、今送信しようとしている複合機が同じ機器であることを示す。その場合はこのまま処理を続行するのでステップ27011に進む。なお、ステップ27011以降は第1の実施形態の図23に示したステップ23007と処理が同じであるため、説明を割愛する。
【0197】
二つのメールアドレスが一致しない場合は、申請書のメールを受信して、印刷した複合機と、今送信しようとしている複合機が異なることを意味している。すなわち、承認者が返信する元のメールの情報が今処理中の複合機内には存在しない。よって、スキャンされた申請書を、元のメールを受信した複合機に転送する必要があるため、ステップ27008に進む。
【0198】
ステップ27008においてメール処理制御部5003は図24で示したユーザマネージャ5014に指示して、ユーザ情報記憶部5021から複合機にログインしている承認者のメールサーバのメールアカウント情報を取得してRAM3002に保管する。
【0199】
ステップ27009においてメール処理制御部5003はステップ27003でスキャンした画像を添付した転送メールデータを作成する。メールは全くの新規メールとして作成するので、In−Reply−To、Referencesのヘッダ情報は指定しなくて良い。27003において読込んだ画像データは、メール送信操作画面8000のファイル形式8021で指定されたファイル形式に変換する。更に変換された画像ファイルをメールに添付するためのコード形式に変換する。具体的にはMIMEの規定に従ってBase64等の形式にエンコードする。宛先のToには前記ステップ27007において2次元バーコードよりデコードされた文字列から抽出したメールアドレスを設定する。
【0200】
以上の様にして作成したメールデータをステップ27010でメールとして送信する。ステップ27008で取得したメールアカウント情報を元にメールサーバにアクセスして、ステップ27009で作成したメールの送信を実行する。このメールの送信処理は図25における複合機2500bから複合機2500aへの転送メール25005に該当する。
【0201】
図28は、図24に示した機器メール処理制御部5030において実施されている機器転送メール受送信処理を表すフローチャートである。機器メール処理制御部5030は複合機の起動とともにHDD3004より読込まれ、機器転送メール受送信処理の実行を開始し、繰り返し実行している。
【0202】
ステップ28001において機器メール処理制御部5030は機器情報マネージャ5015に指示して、機器情報記憶部5023からその複合機自身に割り当てられているメールアドレスや、メールサーバにアクセスするメールアカウント情報を取得する。取得した情報はRAM3002に保持する。
【0203】
ステップ28002において機器メール処理制御部5030は前記ステップ28001において取得したメールアカウント情報を元に、その複合機に割り当てられたメールアドレスに送られてきたメールの受信処理を行う。このステップにおいて受信されるメールというのは、先の図27のメール自動返信処理のステップ27010において、送信されたメールである。
【0204】
ステップ28003において、機器メール処理制御部5030は前記ステップ28002において実施した受信処理において未読のメールがないかどうかをチェックする。未読メールが1件もない場合は、特に処理することが無いので再びステップ28002に戻ってメール受信処理を繰り返す。未読メールが1件でもあればステップ28004に進む。
【0205】
ステップ28004において機器メール処理制御部は未読メールを1件ずつ処理していく。まずは未読メールのメール情報をメールサーバよりダウンロードし、HDD3004に保管する。このメールは図25の25005で承認者が承認済み申請書をスキャンした複合機2500bから送られて来たメールである。承認済みの申請書の二次元バーコードには、この申請書が送られて来たメールを受信して印刷した複合機のアドレスが埋め込まれており、その複合機のアドレスに対して転送されたものである。よって、この受信メールの中に含まれる添付ファイルは、かつてこの複合機で印刷された申請書の画像データであるはずである。
【0206】
ステップ28005において機器メール処理制御部5030はバーコードマネージャ5011に指示して、前記ステップ28004においてメHDD3004に保管したメールから、添付ファイルの情報を取り出し、デコードして画像データに変換する。機器メール処理制御部はバーコードマネージャ5011に指示して、前記画像データの所定の場所に二次元バーコードが検出できるかどうかをチェックする。検出できなかった場合はステップ28006において二次元バーコードが存在しないと判断する。
【0207】
図27のメール自動返信処理で述べたように、このメールは添付ファイルの画像データ内の二次元バーコードに埋め込まれたメールアドレスに対して送られたメールを受信する処理である。二次元バーコードを検出できない場合は、この処理には関係の無いメールを受信したと考えられるのでエラー処理28007に進む。
【0208】
エラー処理28007はエラーログを出力した上で、ステップ28003に戻り、次の未読メールの処理に移る。
【0209】
ステップ28006において二次元バーコードが検出された場合は、機器メール処理制御部5030はステップ28008に進み、バーコードマネージャ5011に指示して、デコード処理を行って、埋め込まれていた文字列を抽出する。文字列の抽出が終わったら、文字列をMessage−IDとメールアドレスに分離する。本実施例では先にも説明しているように文字列の最後尾にある”,”(カンマ)で分離を行う。
【0210】
ステップ28009において機器メール処理制御部は、前記ステップでバーコードより抽出して分離したMessage−IDをキーにして、メールデータマネージャ5010に指示して、メール情報記憶部5020を検索する。
メール情報記憶部5020に格納されているメールの中にMessage−IDが等しいものが存在しない場合は、図25の7010において受信したメールが既にその複合機2500a内から削除されてしまっているということである。受信メールが存在しない場合は、返信のメールを作成することができないので、エラー処理28007に進む。エラー処理28007は既に見たようにエラーログを出力した上で、ステップ28003に戻り、次の未読メールの処理に移る。
【0211】
メール情報記憶部5020に格納されているメールの中にMessage−IDが等しいものが存在する場合はステップ28011に進み、返信メールの作成を行う。
【0212】
前記ステップ28009において取得したメールはかつて承認者がこの複合機上で受信したメールを図26の受信メール印刷処理を使用して印刷したメールである。便宜上この情報を「親メール情報」と呼ぶこととし、以下に本ステップの詳細な処理内容を記述する
ステップ28011は申請者に返信するメールの作成を行う。具体的にはRFC2822の規定に従いつつ、以下のm)〜s)の様な処理を行う。
m)この返信メールを一意に識別するMessage−IDを生成し、このメールのヘッダのMessage−IDとして設定する。
n)親メール情報のヘッダのMessage−IDを返信メールのヘッダのIn−Reply−Toに設定する。
o)親メール情報のヘッダのReferencesの末尾に、親メール情報のヘッダのMessage−IDを追加して、返信メールのヘッダのReferencesに設定する。
p)親メール情報のReply−Toか、Reply−Toが指定されていなければFromに指定されているアドレスを返信メールのToに設定する。
q)親メール情報のCcに指定されているアドレスを返信メールのCcに設定する。
r)親メール情報のSubjectの先頭に“Re:”を付与して返信メールのSubjectに設定する。
s)親メール情報のメール本文を返信メールの本文に設定する。
【0213】
m)〜o)の処理によって、この返信メールは申請者から送られて来たメール(図25の7010、7020)の子メールとして定義されたことになる。
【0214】
p)〜s)の処理は処理は返信メールの宛先やSubjectを元のメール(図25の7010、7020)に指定されていた値を利用して設定するものである。特にp)やq)は返信メールの送られる宛先に関わるものなので重要である。
【0215】
ステップ28012において機器メール処理制御部5030は前記ステップ28004においてHDD3004に保管したメールデータから添付ファイルデータを取得して、返信メールに追加する。
【0216】
ステップ28013において機器メール処理制御部5030はステップ28001において取得した複合機のメールアカウント情報を用いて返信メールを送信する。
【0217】
機器メール処理制御部はステップ28013が終了すると、ステップ28003に戻り、次の未読メールの処理に移る。
【0218】
このようにして、機器メール処理制御部は順次受信したメールの転送処理を行っていく。
【0219】
以上の様にして、図25で示したような、承認者が申請書のメールの受信や印刷を複合機2500aで行い、承認処理が終わった申請書を返信する時には別の複合機2500bを使用する場合でも、承認者は申請者への返信を容易に行えることが明らかになった。
【0220】
第二の実施形態では申請書を印刷する際の二次元バーコードに、Message−ID加えて、印刷を行った機器に割り当てられたメールアドレスを含めることとなった。それによって二次元バーコードに格納する情報量は実施例の1に比べて増加したが、1つのMessage−IDと、1つのメールアドレスに限定されており、メールの情報等によって情報量が大きく増減することは無い。
【0221】
<その他の実施形態>
また本発明は、たとえば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0222】
なお、本発明は、ソフトウェアのプログラムをシステムあるいは装置に直接または遠隔から供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによって、前述した実施形態の機能が達成される場合を含む。この場合、供給されるプログラムは実施形態で図に示したフローチャートに対応したプログラムである。
【0223】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0224】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
【0225】
プログラムを供給するための記録媒体としては以下が挙げられる。たとえば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM、DVD−R)などである。
【0226】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることが挙げられる。この場合、ダウンロードされるプログラムは、圧縮され自動インストール機能を含むファイルであってもよい。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0227】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記録媒体に格納してユーザに配布するという形態をとることもできる。この場合、所定の条件をクリアしたユーザに、インターネットを介してホームページから暗号を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用して暗号化されたプログラムを実行し、プログラムをコンピュータにインストールさせるようにもできる。
【0228】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現されるほか、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどとの協働で実施形態の機能が実現されてもよい。この場合、OSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。
【0229】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれて前述の実施形態の機能の一部あるいはすべてが実現されてもよい。この場合、機能拡張ボードや機能拡張ユニットにプログラムが書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行う。
【図面の簡単な説明】
【0230】
【図1】一般的なメールソフトで行われているメールの親子関係の表示例
【図2】複合機とメールを使用し業務ワークフローシステムの構成図
【図3】ハード構成図
【図4】複合機の概観
【図5】第1の実施形態における複合機のソフトウェアと、データ記憶部の構成図
【図6】操作部の構成図
【図7】第1の実施形態におけるメールを使用した申請業務ワークフロー
【図8】メール送信操作画面
【図9】送信設定画面
【図10】メール送信処理フローチャート
【図11】申請書の画像データ例
【図12】申請書のデータ例(メール本文)
【図13】メール受信操作画面
【図14】受信済みメール表示処理フローチャート
【図15】メール受信処理フローチャート
【図16】メール受信エラー通知画面
【図17】受信メール印刷処理フローチャート
【図18】印刷対象選択画面
【図19】申請書画像データと二次元バーコード画像データが合成された印刷画像の例
【図20】メールの本文と、二次元バーコード画像データが合成された印刷画像の例
【図21】承認作業後の申請書の例
【図22】承認作業後の申請書の例(メールの本文)
【図23】メール自動返信処理フローチャート
【図24】第2の実施形態における複合機のソフトウェア構成と、データ記憶部の構成図
【図25】第2の実施形態におけるメールを使用した申請業務ワークフロー
【図26】第2の実施形態における受信メール印刷処理フローチャート
【図27】第2の実施形態におけるメール自動返信処理フローチャート
【図28】機器転送メール受送信処理フローチャート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
指定されたメールアカウント情報に基づいてメールサーバに接続して、電子メールの受信を行うメール受信手段と、
前記メール受信手段によって受信した電子メールを読み出し可能に格納するメール管理手段と、
原稿画像を読み取り原稿画像データを生成する読み取り手段と、
前記原稿画像データに含まれる電子メール識別情報を検出する検出手段と、
前記メール管理手段から前記電子メール識別情報に対応する電子メールを検索する検索手段と、
前記メール管理手段に格納された電子メールの印刷を行う印刷手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記印刷手段は更に、前記電子メール識別情報を電子メールの印刷画像に付与して、印刷を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成装置は更に、前記メール管理手段に格納された電子メールのヘッダ情報からMessage−IDを抽出して、それを新規メールのIn−Reply−ToまたはReferencesに追加した返信メールを作成し、送信するメール送信手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
画像形成装置を一意に識別可能な装置識別子と、
指定されたメールアカウント情報に基づいてメールサーバに接続して、電子メールの受信を行うメール受信手段と、
前記メール受信手段によって受信した電子メールを読み出し可能に格納するメール管理手段と、
原稿画像を読み取り原稿画像データを生成する読み取り手段と
前記原稿画像データに含まれる電子メール識別情報または装置識別子を検出する検出手段と、
前記メール管理手段から前記電子メール識別情報に対応する電子メールを検索する検索手段と、
前記メール管理手段に格納された電子メールの印刷を行う印刷手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記印刷手段は更に、前記電子メール識別情報と前記装置識別子を電子メールの印刷画像に付与して、印刷を行うことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成装置は更に、前記メール管理手段に格納された電子メールのヘッダ情報からMessage−IDを抽出して、それを新規メールのIn−Reply−ToまたはReferencesに追加した返信メールを作成し、送信するメール送信手段を有することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像形成装置は、
前記検出手段により検出された装置識別子と前記画像形成装置のもつ装置識別子を比較する装置識別子比較手段と、
前記装置識別子比較手段による比較の結果、装置識別子が異なる場合には、前記検出された装置識別子の画像形成装置に、読み取った前記原稿画像データを電子メールに添付して送信するメール添付送信手段とを更に有することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項8】
指定されたメールアカウント情報に基づいてメールサーバに接続して、電子メールの受信を行うメール受信工程と、
前記メール受信手段によって受信した電子メールを読み出し可能に格納するメール管理手段と、
原稿画像を読み取り原稿画像データを生成する読み取り工程と、
前記原稿画像データに含まれる電子メール識別情報を検出する検出工程と、
前記メール管理手段から前記電子メール識別情報に対応する電子メールを検索する検索工程と、
前記メール管理手段に格納された電子メールの印刷を行う印刷工程とを有することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項9】
前記印刷工程は更に、前記電子メール識別情報を電子メールの印刷画像に付与して、印刷を行うことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項10】
前記画像形成装置は更に、前記メール管理手段に格納された電子メールのヘッダ情報からMessage−IDを抽出して、それを新規メールのIn−Reply−ToまたはReferencesに追加した返信メールを作成し、送信するメール送信工程を有することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項11】
画像形成装置を一意に識別可能な装置識別子と、
指定されたメールアカウント情報に基づいてメールサーバに接続して、電子メールの受信を行うメール受信工程と、
前記メール受信手段によって受信した電子メールを読み出し可能に格納するメール管理手段と、
原稿画像を読み取り原稿画像データを生成する読み取り工程と
前記原稿画像データに含まれる電子メール識別情報または装置識別子を検出する検出工程と、
前記メール管理手段から前記電子メール識別情報に対応する電子メールを検索する検索工程と、
前記メール管理手段に格納された電子メールの印刷を行う印刷工程とを有することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項12】
前記印刷工程は更に、前記電子メール識別情報と前記装置識別子を電子メールの印刷画像に付与して、印刷を行うことを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項13】
前記画像形成装置は更に、前記メール管理手段に格納された電子メールのヘッダ情報からMessage−IDを抽出して、それを新規メールのIn−Reply−ToまたはReferencesに追加した返信メールを作成し、送信するメール送信工程を有することを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項14】
前記画像形成装置は、
前記検出工程により検出された装置識別子と前記画像形成装置のもつ装置識別子を比較する装置識別子比較工程と、
前記装置識別子比較工程による比較の結果、装置識別子が異なる場合には、前記検出された装置識別子の画像形成装置に、読み取った前記原稿画像データを電子メールに添付して送信するメール添付送信工程とを更に有することを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項15】
請求項8乃至14のいずれかに記載の画像形成装置の制御方法をコンピュータで実行させるためのプログラム。
【請求項16】
請求項15記載のプログラムを格納したコンピュータで読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2009−152844(P2009−152844A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−328713(P2007−328713)
【出願日】平成19年12月20日(2007.12.20)
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1.QRコード
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】