説明

送水制御システム及びその制御方法

【課題】必要最小限のポンプ吐出圧力にて熱を搬送できる送水制御システム及びその制御方法を提供する。
【解決手段】送水制御システムは、熱源機1と複数の熱交換器2A,2Bとの間に1次側冷温水を循環させる1次側ポンプ7と、その回転数を制御するインバータ7aと、1次側冷温水の流量を調整する複数の1次側流量調整弁V1,V2と、入出圧力を検出する圧力センサ10,11と、複数の1次側流量調整弁の開度を調整する制御装置8と、複数の2次側ポンプ12,13と、2次側冷温水の複数の流量センサF1,F2と、温度を測定する複数の温度センサT1〜T4とを備え、制御装置は熱交換量から各熱交換器の適正な1次側冷温水の流量を算出し、更に各熱交換器の最適差圧を算出、最適差圧と実際の差圧との差より最も循環揚程を要する熱交換器を特定しポンプ回転数をインバータで制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱源機により生成された冷温水を複数の負荷機器へ送水するポンプの流量を制御する送水制御システムと、送水制御方法に係り、特に、最小の動力で複数の負荷機器へ送水できる送水制御システム及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の地域冷暖房装置等で冷温水を搬送する送水制御システムにおいて、熱負荷の大きさに応じて搬送動力を低減する方法としては、往きヘッダーの吐出圧力が一定になるよう、複数台のポンプの運転台数やポンプの回転数をインバータにて制御する方法や、最も循環揚程を要求する配管経路を想定し、その経路が要求する送水圧力を流量から推定する、推定末端圧制御を採用するなどの方法がある。
【0003】
往きヘッダーの吐出圧力が一定になるよう複数台のポンプの運転台数やポンプの回転数を制御する方法では、配管経路が要求する最大揚程を随時把握することが難しい。そのため、揚程が不足して流量が減少することで熱交換量が不足してしまうことを避けるよう、往きヘッダーの吐出圧力を設定する必要がある。結果として、負荷機器の熱需要の大きさによっては、配管経路が必要とする揚程よりも高い圧力で送水している状態になることがある。また、推定末端圧制御は、推定の精度に搬送動力の削減効果が依存するため、より大きな削減効果を得るためには、推定の精度を上げることを目的とした煩雑なシステムのチューニングが必要となる。
【0004】
従来、この種の送水圧制御システムとしては、負荷機器からの還水に圧力を付加した送水を負荷機器に送水するポンプと、還水が入力されるポンプの入力側と送水が出力されるポンプの出力側とを接続するバイパスに設けられたバイパス弁と、末端の負荷機器に入力される送水の圧力を計測するセンサと、このセンサにより計測される圧力に基づいて、ポンプから出力される送水の圧力を設定する制御装置とを備えており、ポンプ揚程にかかるエネルギーを削減することが可能となり、結果として、さらなる省エネルギー化を実現することができるものである(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、他の送水圧制御システムは、冷温水を生成する熱源機と、この熱源機からの冷温水の往水管路と還水管路との間に設けられた複数の負荷機器と、これら負荷機器への熱源機からの冷温水の送水圧を制御する制御装置とを備え、負荷機器の各々は、自己の負荷機器に流れる冷温水の流量を負荷機器流量として計測する流量計測手段と、自己の負荷機器に流れる冷温水の流量を調整するバルブの入口側と出口側との間の差圧をバルブ差圧として計測する差圧計測手段とを備え、制御装置は、負荷機器毎に流量計測手段によって計測された負荷機器流量と差圧計測手段によって計測されたバルブ差圧とからその負荷機器の入力側と出力側との間に加わる差圧を負荷機器差圧として推定する負荷機器差圧推定手段と、この負荷機器差圧推定手段によって推定された負荷機器毎の負荷機器差圧中の最小値に基づいて熱源機からの負荷機器への冷温水の送水圧を設定する送水圧設定手段とを備え、末端に位置する負荷機器を探索する必要がなくなり、かつ末端に位置する負荷機器に末端差圧を計測するための専用の差圧センサを設置することなく、熱源機からの負荷機器への冷温水の送水圧を状況に応じて変更し、省エネルギーを図ることが可能となるものである(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−299980号公報
【特許文献2】特開2009−121722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、通常の送水制御システムにおいては、複数の熱の需要先に対して、ひとつの場所で製造した熱を搬送する際に、最も要求圧力の大きな負荷機器に通じる経路に合わせてポンプや送水圧力を設定している。しかしながら、設計段階で要求圧力の最も大きな経路が特定しづらいケースや、竣工後の改修工事などに伴い、最も要求圧力の大きい経路が変わるケースもある。
【0008】
前記特許文献1に記載の送水制御装置およびその方法では、物理的な末端にある熱交換器がポンプ揚程を支配する熱交換器としている。しかし、熱需要が大きい熱交換器が途中の経路で存在した場合、その熱交換器がポンプ揚程を支配する熱交換器となり得ることが考慮されていないため、ポンプ揚程を支配する熱交換器を正確に特定できないことが起き得る。
【0009】
また、前記特許文献2に記載の送水圧制御システムは、負荷機器に取り付けられたコントロールバルブの差圧と、想定した負荷機器の差圧を合算し、最も小さい負荷機器の差圧にあわせて、ポンプの送水圧を制御する。この方法では、最も循環揚程を必要とする負荷機器を一意に決定できない。すなわち、コントロールバルブの差圧+負荷機器の差圧が同じ値でも、コントロールバルブが絞られている場合は、バルブの差圧が「大」、負荷機器の差圧が「小」、コントロールバルブが開いている場合は、バルブの差圧が「小」、負荷機器の差圧が「大」となり得る。従って、この技術では、末端に位置する負荷機器の制御バルブをさらに開き、ポンプの吐出圧を低減できるにもかかわらず、バルブが絞られたまま定常状態に陥る可能性がある。
【0010】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、複数の熱交換器の中から最も循環揚程を要求するものを、予め設定しておいた差圧(最適差圧)と、実測されたバルブ+熱交換器の差圧を比較することで探索して特定し、その熱交換器に合わせてポンプの回転数をインバータ制御することで、必要最小限のポンプ吐出圧力にて熱を搬送できる送水制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成すべく、本発明に係る送水制御システムは、熱源機により生成された1次側冷温水を複数の熱交換器に送水し、該熱交換器を介して1次側冷温水の熱エネルギーを2次側冷温水に伝達して複数の熱利用機器に供給する送水制御システムであって、熱源機と複数の熱交換器との間に1次側冷温水を循環させる1次側ポンプと、該1次側ポンプの回転数を制御するインバータと、1次側冷温水を複数の熱交換器のそれぞれへ送水する管路の流量を調整する複数の1次側流量調整弁と、複数の熱交換器の流入管路及び流出管路における1次側冷温水の入出圧力を検出する圧力センサと、該圧力センサの圧力データに基づいて複数の1次側流量調整弁の開度を調整する制御装置とを備え、複数の熱交換器と複数の熱利用機器との間に2次側冷温水を送水する複数の2次側ポンプと、2次側冷温水の流量をそれぞれ測定する複数の流量センサと、複数の熱交換器に流入する2次側冷温水の温度と流出する2次側冷温水の温度を測定する複数の温度センサとをさらに備え、前記制御装置は、各流量センサの出力及び各温度センサのデータより、最も循環揚程を必要としている熱需要家を特定し、特定された熱需要家のデータに基づいて1次側ポンプの回転数をインバータで制御することを特徴としている。
【0012】
前記のごとく構成された本発明の送水制御システムは、各流量センサの出力及び前記各温度センサのデータより、最も循環揚程を必要としている熱需要家を特定し、特定された熱需要家のデータに基づいて1次側ポンプの回転数をインバータで制御するため、熱需要に合わせて必要最小限の動力で1次側冷温水を複数の熱需要家に送水することができる。
【0013】
また、本発明に係る送水制御システムの好ましい具体的な態様としては、前記制御装置は、前記各熱交換器の2次側における各熱利用機器の熱需要量を算出し、算出された熱需要量より各熱交換器に適正な1次側冷温水の流量を算出し、該流量に基づいてバルブ開度が全開であった場合の各熱交換器に適正な差圧(以下、「最適差圧」と表記)を算出し、該最適差圧と実際の差圧との差から最も循環揚程を必要としている熱需要家を特定することを特徴としている。
【0014】
この構成によれば、各熱需要家の2次側冷温水の流量と、各熱交換器に流入する冷温水の温度、及び各熱交換器から流出する冷温水の温度により各熱需要家の必要とする熱エネルギー(熱需要量)を算出し、この熱需要量より各熱交換器に適正な1次側冷温水の流量を算出し、該流量に基づいて各熱交換器に適正な最適差圧を算出し、該最適差圧と実際の差圧との差より最も循環揚程の要る需要家を特定して、1次側ポンプの回転数をインバータで制御するため、熱需要に合わせて必要最小限の動力で送水することができる。
【0015】
さらに、本発明に係る送水制御システムの好ましい具体的な他の態様としては、前記制御装置は、前記複数の熱需要家の最適差圧と実際の差圧とのそれぞれの差を比較し、前記差圧と最適差圧の差が最も小さい熱交換器を備える熱需要家を最も循環揚程を必要としている熱需要家と特定し、その熱交換器における差圧が最適差圧以上のとき1次側ポンプの回転数をインバータで減少させることを特徴としている。この構成によれば、最も循環揚程を必要としていると特定された熱需要家の最適差圧と実際の差圧との差を比較し、実際の差圧が最適差圧以上のとき1次側ポンプの回転数を減少させ、実際の差圧が最適差圧未満のとき1次側ポンプの回転数を増加することで、熱需要家が要求する循環揚程に適したポンプ制御を行なうことができる。
【0016】
また、本発明の送水制御システムでは、制御装置は、算出された各熱交換器に適正な1次側冷温水の流量に基づいて最適差圧をマップより算出することが好ましい。このように構成することで、最適差圧を容易に算出することができ、マップを変更することで制御のチューニングを容易に行なうことができる。
【0017】
本発明の送水制御システムは、各1次側冷温水の熱源機への還り温度を測定する温度センサ及び弁制御装置をさらに備え、該弁制御装置は、温度センサの還り温度と設定値とを比較し、冷水搬送時には前記還り温度が設定値以上のときには流量調整弁の開度を増加させ、前記還り温度が設定値未満のときには前記流量調整弁の開度を減少させるように制御し、温水搬送時にはその逆の制御を行うことを特徴としている。この構成によれば、最も循環揚程を必要としていると特定された熱需要家に応じたポンプ制御を行いつつ、他の需要家は熱交換器の冷温水の入出口温度差を確保することができ、省エネルギーを達成することができる。
【0018】
また、本発明の送水制御システムは、各1次側冷温水の熱交換器へ入る往き温度と、熱交換器から出る還り温度を測定する温度センサ及び弁制御装置をさらに備え、弁制御装置は、温度センサの往き温度と還り温度との往還温度差と設定値とを比較し、前記往還温度差が設定値以上のときには流量調整弁の開度を増加させるように制御するように構成すると好ましい。この構成によれば、1次側冷温水の熱交換器へ入る往き温度が想定から外れた場合でも対応可能な制御システムへと発展することができる。
【0019】
本発明に係る送水制御システムの制御方法は、熱源機により生成された1次側冷温水を回転数制御できるポンプにより複数の熱交換器に送水し、該熱交換器を介して1次側冷温水の熱エネルギーを2次側冷温水に伝達して複数の熱利用機器に供給する送水制御システムの制御方法であって、熱交換器の2次側において、2次側冷温水の流入温度、流出温度、及び流量より各熱需要家の熱需要量(要求熱エネルギー)を算出し、算出された熱需要量より1次側の熱交換器に必要な1次側冷温水の流量を算出し、算出された1次側冷温水の流量より各熱交換器に最適な1次側最適差圧を算出し、複数の熱交換器の1次側に流入流出する1次側差圧を測定し、測定された各熱交換器の1次側差圧と、1次側最適差圧とに基づいて最も循環揚程の要求の大きい熱需要家を特定し、特定された熱需要家の1次側冷温水の流量を調整する流量調整弁を全開または弁開度を所定値に開いたあとポンプの回転数を変化させて1次側ポンプの回転数を変更することを特徴としている。
【0020】
各熱交換器に最適な1次側最適差圧を算出する工程は、マップを用いて行なうことが好ましく、熱交換器の1次側冷温水の差圧が1次側最適差圧以上のときにポンプの回転数を減少させることが好ましい。さらに、送水制御システムの制御方法は、最も循環揚程の要求が大きいと特定された熱需要家以外の熱需要家に対する工程として、前記1次側冷温水の還り温度が設定値以上のときに前記流量調整弁の開度を増加させ、設定値未満のとき流量調整弁の開度を減少させるように制御することを特徴としている。また、各熱交換器の1次側冷温水の往還温度差が設定値以上のときに1次側冷温水の流量を調整する流量調整弁の開度を増加させ、前記往還温度差が設定値未満のときには前記流量調整弁の開度を減少させるように制御してもよい。
【0021】
このように構成された制御方法によれば、各熱需要家の要求する循環揚程を把握し、その中から最も循環揚程を要求する熱需要家に合わせて1次側冷温水のポンプ吐出圧を調整するため、需要家が要求する循環揚程に合わせて必要最小限の動力で1次側冷温水を送水することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の送水制御システム及びその制御方法は、一つの場所(熱製造プラント)で製造した熱を搬送する際に、必要最小限の動力で複数の熱交換器に効率良く熱を送り届けることができる。また、配管系の末端圧制御の精度を高めるための煩雑なチューニングが不要となり、容易に省エネルギーを達成することができる。さらに、熱交換器の1次側と2次側で熱交換量が急激に変化した場合でも制御系が不安定になることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る送水制御システムの一実施形態の要部構成を示すブロック図。
【図2】図1の送水制御システムの冷温水を送水するポンプを制御すると共に、冷温水の流量を調整する流量調整弁を制御する動作を示す冷水搬送時のフローチャート。
【図3】図1の送水制御システムの冷温水を送水するポンプを制御すると共に、冷温水の流量を調整する流量調整弁を制御する動作を示す温水搬送時のフローチャート。
【図4】本発明に係る送水制御システムの他の実施形態の要部構成を示すブロック図。
【図5】図4の送水制御システムの冷温水を送水するポンプを制御すると共に、冷温水の流量を調整する流量調整弁を制御する動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明に係る送水制御システム及びその制御方法の一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1のブロック図は、本実施形態に係る送水制御システムの概略構成を示しており、図2のフローチャートは、図1の送水制御システムの冷温水を送水するポンプの回転数を増減させる制御を示すと共に、流量調整弁を開閉して1次側冷温水の流量を調整する制御を示している。
【0025】
図1において、本実施形態の送水制御システムは、地域冷暖房装置等で熱を搬送する冷温水の送水に最適な送水制御システムであり、熱源機1により生成された1次側冷温水を複数の熱需要家A,B…の負荷機器である熱交換器2A,2B…に送出し、該熱交換器を介して1次側冷温水の熱エネルギーを2次側冷温水に伝達し複数の熱利用機器3A,3B…に供給する送水制御システムである。熱利用機器とは、例えば空気調和機があり、複数の熱利用機器に熱エネルギーを送るときには往路導管5aの端部に往路ヘッダー(図示せず)を接続し、還路導管5bの端部に還路ヘッダー(図示せず)を接続して冷温水を分配することが好ましい。1次側冷温水は冷房用のときは7℃程度、暖房用のときは50℃程度に設定されることが多い。
【0026】
1次側の冷温水は熱源機1から導管4を通して各熱需要家の熱交換器2A,2B…に送水され、熱源機1に戻る構成となっている。導管4の往路4a、及び分岐された往路4cには流量調整弁V1,V2が設置され、熱交換器2A,2B…への1次側冷温水の流量を調整している。熱交換器2A,2B…は、1次側冷温水の熱エネルギーを2次側冷温水に伝達するものである。
【0027】
2次側冷温水は熱需要家ごとの複数の熱交換器2A,2B…と、これに接続された複数の熱利用機器3A,3B…とを導管5,6を通して循環する構成となっている。1次側の導管4は往路4aと分岐された往路4c、還路4bと分岐された還路4dとを備えており、熱交換器2Aの2次側の導管5も往路5aと還路5bとを備えており、熱交換器2Bの2次側の導管6も往路6aと還路6bとを備えている。
【0028】
本実施形態の送水制御システムは、熱源機1と、この熱源機で生成された1次側冷温水を搬送するポンプ7と、ポンプ7の回転数を制御するインバータ7a、及びインバータを制御するインバータ制御装置8で共通の熱プラントを構成し、複数の熱需要家は導管4の流量調整弁V1,V2より下流側と規定され、熱プラントと複数の熱需要家A,B…との間を往路と還路からなる導管4で接続して構成される。
【0029】
また、本実施形態の制御装置8は、インバータ制御装置8aと、弁制御装置8bとから構成されている。インバータ制御装置8aは、各種のセンサから入力されるデータに基づいてポンプ7のインバータ7aへの周波数を変更してポンプの回転を制御し、弁制御装置8bは同様に各種センサからのデータに基づいて流量調整弁V1,V2の開度を調整するものである。
【0030】
熱需要家ごとの導管構成は、基本的には同じであるので、第1の熱需要家Aについて詳細に説明する。1次側の導管4の往路4aには1次側のポンプ7が設置される。ポンプ7はインバータ7aが付属され、インバータ制御装置8からの信号により周波数を変更することでその回転数を変更し、ポンプの送水能力を変更できる構成となっている。ポンプ7と熱交換器2Aとの間に、1次側の冷温水の流量を調整するための流量調整弁V1が設置されている。そして、インバータ制御装置8aでは熱交換量に応じた最適差圧(バルブ開度全開の場合のバルブ入口と熱交換器出口の差圧)を演算する。
【0031】
そして、1次側の導管4の往路4aと還路4bの間には、差圧センサ10が設置されている。差圧センサ10は往路4aの圧力P1と、還路4bの圧力P2との差圧ΔP12を測定するものであり、差圧センサのデータは制御装置8に入力されている。差圧センサ10で計測された実測値とインバータ制御装置8aにて演算された最適差圧を比較することで最も循環揚程を要求する熱交換器を特定する。すなわち、熱交換器2A,2B…ごとに最適差圧と実測差圧を比較し、最適差圧と実測差圧の差の最も小さい熱交換器が、最も循環揚程を必要とする熱交換器であると判断する。また、還路4bには温度センサTaが設置されており、この温度センサは熱交換器2Aから流出する1次側冷温水の温度を測定するものである。この温度センサTaの出力は制御装置8に入力されている。弁制御装置8bは温度センサTaの出力に基づいて流量調整弁V1の開度を調整する構成となっている。
【0032】
熱交換器2Aの2次側では、往路5aと還路5bとを有する導管5が接続され、往路5aと還路5bとの末端には熱利用機器3Aが接続されている。往路5aの途中には2次側ポンプ12が設置されており、このポンプにより熱交換器2Aと熱利用機器3Aとの間に2次側冷温水を循環させる構成となっている。往路導管5aと還路導管5bとの間に調整弁V3が設置され、調整弁V3と熱交換器2Aとの間の還路に調整弁V4が設置されている。
【0033】
また、往路導管の2次側ポンプ12の下流には流量センサF1が設置され、2次側冷温水の熱交換器2Aから流出する側と、熱交換器2Aに流入する側に、それぞれ温度センサT1,T2が設置されている。温度センサT1が熱交換器2Aから出る2次側冷温水の温度を測定し、温度センサT2が熱交換器2Aに入る2次側冷温水の温度を測定する。流量センサF1、温度センサT1,T2の出力は制御装置8に入力されている。この構成により、制御装置8は差圧センサ10、温度センサTa、温度センサT1,T2、流量センサF1の出力に基づいてポンプ7のインバータ7aへ供給する周波数を算出し、インバータ制御装置8aが1次側冷温水のポンプ7の回転数を増減する制御を行い、1次側冷温水のポンプ7の能力を制御する構成となっている。
【0034】
2番目の熱需要家Bについては、基本的には1番目の熱需要家Aと同等の構成であり、分岐された往路4c、還路4dが熱交換器2Bに接続され、導管4の往路4cと還路4dの間には、差圧センサ11が設置されている。差圧センサ11は往路4cの圧力P1と、還路4dの圧力P2との差圧ΔP12を測定するものであり、差圧センサの出力はインバータ制御装置8に入力されている。また、還路4dには温度センサTbが設置されており、この温度センサは熱交換器2Bから流出する1次側冷温水の温度を測定するものである。この温度センサTbの出力は制御装置8に入力されている。弁制御装置8bは温度センサTbの出力に基づいて流量調整弁V2の開度を調整する構成となっている。
【0035】
2番目の熱需要家Bの熱交換器2Bの2次側では、往路6aと還路6bとを有する導管6が接続され、往路6aと還路6bとの末端には空調機等の熱利用機器3Bが接続されている。往路6aの途中には2次側ポンプ13が設置されており、このポンプにより熱交換器2Bと熱利用機器3Bとの間に2次側冷温水を循環させる構成となっている。往路導管6aと還路導管6bとの間に調整弁V5が設置され、調整弁V5と熱交換器2Bとの間の還路に調整弁V6が設置されている。
【0036】
また、往路導管の2次側ポンプ13の下流には流量センサF2が設置され、2次側冷温水の熱交換器2Bから流出する側と、熱交換器2Bに流入する側に、それぞれ温度センサT3,T4が設置されている。温度センサT3が熱交換器2Bから出る2次側冷温水の温度を測定し、温度センサT4が熱交換器2Bに入る2次側冷温水の温度を測定する。流量センサF2、温度センサT3,T4の出力は制御装置8に入力されている。この構成により、制御装置8は差圧センサ11、温度センサTb、温度センサT3,T4、流量センサF2の出力に基づいてポンプ7のインバータ7aへ供給する周波数を算出し、インバータ制御装置8aが1次側冷温水のポンプ7の回転数を増減する制御を行い、1次側冷温水のポンプ7の圧力を制御する構成となっている。
【0037】
このように構成された本実施形態の送水制御システムの制御方法について、図2の冷水搬送時のフローチャートを参照して説明する。制御装置8は、ステップS1で各熱熱需要家の受入2次側における熱需要量を算出する。すなわち、熱交換器2Aの2次側における2次側冷温水の流量を流量計で測定し、2次側冷温水の熱交換器から出る出口温度を温度センサで測定し、2次側冷温水の熱交換器へ入る入口温度を温度センサで測定し、2つの温度センサの温度差と流量に基づいて各熱需要家の熱需要量を算出する。
【0038】
このあと、ステップS1で算出した各熱需要家の熱需要量に基づいて、ステップS2で各熱交換器の適正な1次側冷温水の流量(Fs)を算出する。また、ステップS3では、ステップS2で算出した1次側冷温水の流量から、マップMを用いて各熱交換器の適正な1次側差圧(最適差圧ΔPs)を算出する。マップMを用いることで、算出が容易に行え、マップを修正することで制御のチューニングが容易に行える。また、マップを用いることで、熱交換量の過渡的な変動が発生した際に制御系が不安定になることを防止できる。
【0039】
一方、熱交換器の1次側では、各熱交換器の実際の1次側往還差圧(ΔP12)を取得する。すなわち、ステップS4で、熱交換器に流入する1次側冷温水の入口圧力P1と、熱交換器から流出する1次側冷温水の出口圧力P2より実際の差圧(ΔP12)を求める。そして、ステップS5では、ステップS3で算出した最適差圧ΔPsと、ステップS4で取得した1次側往還差圧ΔP12との差より、最も循環揚程の要る熱需要家を特定する。すなわち、複数の熱需要家の内、最適差圧ΔPsと1次側往還差圧ΔP12との差の小さい需要家を最も循環揚程を要求する需要家として特定する。
【0040】
そして、特定された熱需要家に対して、ステップS6で流量調整弁の開度を所定値に開く、あるいは開度を全開する。この工程で、流量調整弁の開度を所定値に開くとは、予め設定されたステップだけ開くことであり、全開にすることでポンプの消費電力を最小にすることができるが、急激な変化による制御の不安定を防止するために、段階的に開くように選択している。このあと、ステップS7で各熱交換器1次側往還差圧ΔP12が目標値である最適差圧ΔPs以上かを判断し、以上である場合はステップS8でポンプインバータの周波数を減少させ、スタートに戻る。また、各熱交換器1次側往還差圧ΔP12が目標値である最適差圧ΔPs未満である場合はステップS9でポンプインバータの周波数を増加させ、スタートに戻る。
【0041】
このように、複数の熱需要家の内、最も循環揚程を要求する需要家を最適差圧ΔPsと1次側往還差圧ΔP12との差から特定し、この需要家に合わせて1次側冷温水を搬送するポンプの揚程をインバータで制御するため、必要最小限の動力で効率良く1次側冷温水を搬送することができる。
【0042】
また、ステップS5で特定された熱需要家でない、その他の熱需要家については、ステップS10で、各熱交換器1次側冷水の還り温度を設定値と比較する。冷水の設定値とは、通常5〜10℃程度に設定する。1次側冷水の還り温度が設定値以上の場合はステップS11で流量調整弁の開度を予め設定しておいたステップで増加させる制御を行い、1次側冷水の流量を増加させ、スタートに戻る。1次側冷水の還り温度が設定値未満であるときは、ステップS12で流量調整弁の開度を予め設定しておいたステップで減少させる制御を行い、1次側冷水の流量を減少させ、スタートに戻る。ステップS11,S12の流量調整弁の開度を増減する制御は、ステップ的に行われ、そのステップの大きさは、配管経路の長さや配管経路が保有する水量により調整する。
【0043】
つぎに、本実施形態の送水制御システムの温水搬送時の制御方法について、図3のフローチャートを参照して説明する。前記した図2のフローチャートの説明と同じステップS1〜S9の説明については省略する。温水の場合は、ステップS15〜S17で冷水とは逆の流量調整弁の操作となる。すなわち、ステップS5で、最も循環揚程の要る熱需要家として特定された以外の熱需要家に対して、ステップS15で、各熱交換器1次側温水の還り温度を設定値と比較する。温水の設定値とは、一般に50℃程度に設定することが多い。
【0044】
1次側温水の還り温度が設定値以上の場合はステップS16で流量調整弁の開度を予め設定しておいたステップで減少させる制御を行い、1次側温水の流量を減少させ、スタートに戻る。1次側温水の還り温度が設定値未満であるときは、ステップS17で流量調整弁の開度を予め設定しておいたステップで増加させる制御を行い、1次側温水の流量を増加させ、スタートに戻る。この流量調整弁の開度を増減する制御もステップ的に行われ、そのステップの大きさは、配管経路の長さや配管経路が保有する水量により調整する。このように流量調整弁の開度を増減して冷水や温水の流量を制御し、最も循環揚程を必要としていると特定された熱需要家に応じたポンプ制御を行いつつ、他の需要家は熱交換器の冷水や温水の入出口温度差を確保することができる。その結果、省エネルギーを達成することができる。
【0045】
前記の実施形態では、差圧センサを用いて1次側冷温水の入口圧力と出口圧力との差圧を直接測定する例を示したが、往路4aに入口圧力を測定する圧力センサを設置し、還路4bに出口圧力を測定する圧力センサを設置し、制御装置で両圧力センサの出力から差圧を演算するように構成してもよい。
【0046】
つぎに、本発明に係る送水制御システム及びその制御方法の他の実施形態を図4,5に基づき詳細に説明する。図4のブロック図は、本実施形態に係る送水制御システムの概略構成を示しており、図5のフローチャートは、図4の送水制御システムの冷温水を送水するポンプの回転数を増減させる制御を示すと共に、流量調整弁を開閉して1次側冷温水の流量を調整する制御を示している。この実施形態は、前記した実施形態に対して、熱交換器へ入る1次側冷温水の往き温度と、熱交換器から出る還り温度を測定するように構成したことを特徴としている。なお、前記して実施形態と実質的に同等の構成については、同じ参照符号を付して詳細な説明は省略する。
【0047】
図4において、熱交換器2A,2B…に1次側冷温水を循環させる往路4a,4cには温度センサTa1,Tb1が設置され、還路4b,4dには温度センサTa2,Tb2が設置されている。往路の温度センサは熱交換器に入る1次側冷温水の往き温度を測定するものであり、還路の温度センサは熱交換器から出る1次側冷温水の還り温度を測定するものである。これらの4つの温度センサの測定データは制御装置8に入力され、インバータ7aの制御、流量調整弁V1,V2の制御に用いられる。その他の構成は、実質的に前記の実施形態と同様の構成となっている。
【0048】
このように構成された本実施形態の動作について、図5を参照して以下に説明する。ステップS1からステップS9までの流れは前記の実施形態と同様であり、説明は省略する。ステップ5で、最も循環揚程の要る熱需要家として特定された以外の熱需要家に対して、ステップS20では、例えば熱需要家Aでは往路4aに設置された温度センサTa1と、還路4bに設置された温度センサTa2との計測データを用いて、往き還りの温度差である往還温度差を算出し、往還温度差と予め設定しておいた設定値とを比較する。このあと、往還温度差が設定値以上のときステップS21で弁開度を増加させ、1次側冷温水の流量を増加させ、設定値未満のときステップS22で弁開度を減少させ、1次側冷温水の流量を減少させる。このようにして各熱交換器における往還温度差を算出し、各熱交換器の往還温度差を設定値と比較し、往還温度差が設定値以上のときステップS21で流量調整弁V1,V2の開度を増加させ、往還温度差が設定値未満のときステップS22で流量調整弁V1,V2の開度を減少させ、1次側冷温水の流量を調整する。
【0049】
このように構成した本実施形態では、通常は熱交換器に入る1次側冷温水の往き温度は一定になるように設定されているが、熱源機1から供給される冷温水の温度が通常の温度範囲と異なる場合でも、計測された熱交換器の熱需要量と、予め用意された熱需要量に応じたマップにより、制御装置にて最適差圧を演算することから、熱交換器に入る1次側冷温水の温度の影響を受けずに、安定した制御が可能となる。
【0050】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、熱源機として1つの熱源機の例を示したが、複数の熱源機を用いて構成してもよい。
【0051】
また、複数の熱需要家の例として、2つの熱需要家の例を示したが、3つ以上の熱需要家の場合でも適用できることは勿論である。さらに、本発明は、例えば、1棟の建物において、1つの熱源機から生成された冷温水を建物内のフロアごとの熱需要家に搬送する例にも適用できるものである。熱エネルギーを搬送する熱媒として冷温水の例を示したが、他の媒体を用いることもできる。さらに、熱交換器の熱需要量の算出に当たっては、2次側における計測結果に基づいて算出する例を説明したが、2次側の計測に代えて、1次側で計測した値を用いて、同様に熱交換器の熱需要量を算出するように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明の活用例として、この送水制御システムを用いて必要最小限の動力で熱交換器1次側の冷温水の搬送ができ、地域冷暖房装置や建物内の冷暖房装置の熱媒としての冷温水の搬送の用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0053】
1:熱源機、2A,2B…:熱交換器(負荷機器)、3A,3B…:熱利用機器、4:1次側導管、4a,4c:往路、4b,4d:還路、5,6:2次側導管、5a,6a:往路、5b,6b:還路、7:1次側ポンプ、7a:インバータ、8:制御装置、8a:インバータ制御装置、8b:弁制御装置、10,11:差圧センサ、12,13:2次側ポンプ、A,B,C…:熱需要家、V1,V2:流量調整弁、F1,F2:流量センサ、T1,T2,T3,T4:温度センサ、Ta,Tb,Ta1,Ta2,Tb1,Tb2:温度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱源機により生成された1次側冷温水を複数の熱交換器に送水し、該熱交換器を介して1次側冷温水の熱エネルギーを2次側冷温水に伝達して複数の熱利用機器に供給する送水制御システムであって、
前記熱源機と複数の熱交換器との間に1次側冷温水を循環させる1次側ポンプと、該1次側ポンプの回転数を制御するインバータと、1次側冷温水を前記複数の熱交換器のそれぞれへ送水する管路の流量を調整する複数の1次側流量調整弁と、前記複数の熱交換器の流入管路及び流出管路における1次側冷温水の入出圧力を検出する圧力センサと、該圧力センサの圧力データに基づいて前記複数の1次側流量調整弁の開度を調整する制御装置とを備え、
前記複数の熱交換器と複数の熱利用機器との間に2次側冷温水を送水する複数の2次側ポンプと、2次側冷温水の流量をそれぞれ測定する複数の流量センサと、前記複数の熱交換器に流入する2次側冷温水の温度と流出する2次側冷温水の温度を測定する複数の温度センサとをさらに備え、
前記制御装置は、前記各流量センサの出力及び前記各温度センサのデータより、最も循環揚程を必要としている熱需要家を特定し、特定された熱需要家のデータに基づいて1次側ポンプの回転数をインバータで制御することを特徴とする送水制御システム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記各熱交換器の2次側における前記各熱利用機器の熱需要量を算出し、算出された熱需要量より各熱交換器に適正な1次側冷温水の流量を算出し、該流量に基づいて各熱交換器に適正な最適差圧を算出し、該最適差圧と実際の差圧との差より最も循環揚程を必要としている熱需要家を特定することを特徴とする請求項1に記載の送水制御システム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記複数の熱需要家の最適差圧と実際の差圧とのそれぞれの差を比較し、前記差圧と最適差圧の差が最も小さい熱交換器を備える熱需要家を最も循環揚程を必要としている熱需要家と特定し、その熱交換器における前記差圧が最適差圧以上のとき1次側ポンプの回転数をインバータで減少させることを特徴とする請求項2に記載の送水制御システム。
【請求項4】
前記制御装置は、算出された各熱交換器に適正な1次側冷温水の流量に基づいて前記最適差圧をマップより算出することを特徴とする請求項2又は3に記載の送水制御システム。
【請求項5】
前記送水制御システムは、各1次側冷温水の熱源機への還り温度を測定する温度センサ及び弁制御装置をさらに備え、
該弁制御装置は、前記温度センサの還り温度と設定値とを比較し、冷水搬送時には前記還り温度が設定値以上のときには前記流量調整弁の開度を増加させ、前記還り温度が設定値未満のときには前記流量調整弁の開度を減少させるように制御し、温水搬送時にはその逆の制御を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の送水制御システム。
【請求項6】
前記送水制御システムは、各1次側冷温水の熱交換器へ入る往き温度と、熱交換器から出る還り温度を測定する温度センサ及び弁制御装置をさらに備え、
該弁制御装置は、前記温度センサの往き温度と還り温度との往還温度差と、設定値とを比較し、前記往還温度差が設定値以上のときには前記流量調整弁の開度を増加させるように制御することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の送水制御システム。
【請求項7】
熱源機により生成された1次側冷温水を回転数制御できるポンプにより複数の熱交換器に送水し、該熱交換器を介して1次側冷温水の熱エネルギーを2次側冷温水に伝達して複数の熱利用機器に供給する送水制御システムの制御方法であって、
前記熱交換器の2次側において、2次側冷温水の流入温度、流出温度、及び流量より各熱熱需要家の熱需要量を算出し、
前記算出された熱需要量より1次側の熱交換器に必要な1次側冷温水の流量を算出し、
前記算出された1次側冷温水の流量より各熱交換器に最適な1次側最適差圧を算出し、
前記複数の熱交換器の1次側に流入流出する1次側差圧を測定し、
測定された各熱交換器の1次側差圧と、前記1次側最適差圧とに基づいて最も循環揚程の要求の大きい熱需要家を特定し、
特定された熱需要家の1次側冷温水の流量を調整する流量調整弁を全開または弁開度を所定値に開いたあと前記ポンプの回転数を変化させて1次側ポンプの回転数を変更することを特徴とする送水制御システムの制御方法。
【請求項8】
前記各熱交換器に最適な1次側最適差圧を算出する工程は、マップを用いて行なうことを特徴とする請求項7に記載の送水制御システムの制御方法。
【請求項9】
前記1次側差圧が1次側最適差圧以上のときに前記ポンプの回転数を減少させることを特徴とする請求項7又は8に記載の送水制御システムの制御方法。
【請求項10】
前記送水制御システムの制御方法は、最も循環揚程の要求が大きいと特定された熱需要家以外の熱需要家に対する工程として、前記1次側冷温水の還り温度が設定値以上のときに前記流量調整弁の開度を増加させ、前記還り温度が設定値未満のときには前記流量調整弁の開度を減少させるように制御することを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載の送水制御システムの制御方法。
【請求項11】
前記送水制御システムの制御方法は、最も循環揚程の要求が大きいと特定された熱需要家以外の熱需要家に対する工程として、前記1次側冷温水の往還温度差が設定値以上のときに前記流量調整弁の開度を増加させ、前記往還温度差が設定値未満のときには前記流量調整弁の開度を減少させるように制御することを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載の送水制御システムの制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2011−242057(P2011−242057A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−114389(P2010−114389)
【出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【出願人】(000220262)東京瓦斯株式会社 (1,166)
【出願人】(503063168)株式会社エネルギ−アドバンス (3)
【出願人】(301062226)株式会社日本設計 (4)
【Fターム(参考)】