説明

送電線下横断面図生成方法および装置

【課題】平面地図上で指示された方向の断面線に沿った地盤上の樹高線を容易にしかも高精度に生成する。
【解決手段】送電線が張られている径間方向とは垂直な方向に指示された断面線を長さ方向に、指定された内挿間隔で区切った点を注目点とし、各注目点を中心とする検索半径の円からなる検索範囲内を設定し、(a)x―y平面地図上に設定された三角形を相互に接続させた三角メッシュ中の各三角形の頂点についての3次元座標を有する三角メッシュデータから、該検索範囲内にある複数の頂点を決定し、(b)該複数の頂点が有する高さ値をzq1,zq2,…,zqnとし、該注目点から該検索範囲内の各頂点までのそれぞれの距離に反比例した重みをw1,w2,…,wn(w1+w2+…+wn=1)として、該注目点における高さ方向の値zpをzp=(w1・zq1+w2・zq2+…+wn・zqn)で示される内挿計算により決定し、(c)決定された各注目点の高さを用いて、樹高線を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば航空写真から取得した三次元地図データを処理する技術に係り、特に三次元地図データから送電線下の横断面を生成するための送電線下横断面図生成方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
図化機で取得された3次元地図データから、CAD技術を利用して目的とする断面図を作成する方法が特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1では、(a)内挿間隔と検索半径及び重みを含む内挿パラメータを入力し、(b)入力された三次元地図データを用いて平面地図を表示し、(c)該平面地図の表示画面上で指示された断面位置の両側に各々一つ以上の平行な第2の断面位置を生成し、(d)該三次元地図データから該第1及び第2の断面位置の各断面と交わる各点の地形データを抽出し、(e)抽出された地形データのうち、該第1の断面位置を長さ方向に該内挿間隔で区切った注目点を中心とする該検索半径の円からなる検索範囲内の各点における地形データの高さ方向の値をZq1,Zq2,…,Zqnとし、該注目点から該検索範囲内の各点までのそれぞれの距離に反比例した該重みをw1,w2,…,wn(w1+w2+…+wn=1)として、該注目点における高さ方向の値ZpをZp=(w1・Zq1+w2・Zq2+…+wn・Zqn)で示される内挿計算により求め、(f)該Zpを用いて該第1の断面位置の断面線を出力する。
【0004】
特許文献1では、指示された断面位置の地盤高の変化を示す断面図を高い精度で生成・出力することができる。しかし、当該断面位置に沿った地盤上にある樹木や建物などの地物の高さの変化を表示できない。
【0005】
従って、例えば、送電線下付近にある樹木や建物が送電線に触れることなく、適切な距離に保たれているかどうかを確認する場合、作業員が実際に現地に赴いて、地盤上の樹木や建物の高さを確認する必要があった。
【0006】
また、特許文献2には、支障樹木を自動的に割り出して知らせる送電線下支障樹木表示装置が開示されている。特許文献2には、
・3次元データから、送電線が張られている経路の径間が指定されると、当該経間の樹木情報や送電線の鉄塔位置をデータベースから読み出して、鉄塔間を結ぶ送電線と樹木位置との離隔距離を求めること、
・x−y軸面(平面)、x−z軸面(縦面)、y−z軸面(横面)のうちのいずれかの面上における離隔距離が、数週間以内または数ヶ月以内に送電線に所定以上近接することを表示すること、
・樹木の成長高を年月日と成長率とから計算して、この成長高をデータベースの樹木情報のz値に加算することにより、樹木情報を更新すること、
が開示されている。
【0007】
特許文献2の図6(b)には、送電線が張られている径間の断面に、樹木の高さを示す線(樹高線)が示されている。しかし、特許文献2には、樹高線の生成手法は記載されていない。しかも送電線が張られている径間方向と垂直な方向の地盤高線や樹木の高さの変化を示す樹高線を含む断面図を生成する手法も何ら開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3267589号公報
【特許文献2】特許第3714017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
引用文献1および2では、送電線が張られている径間方向と垂直な方向に指示された断面線、または平面地図上の任意の方向に指示された断面線に沿った地盤上の樹高線を容易にしかも高精度に生成することができないという問題点があった。
【0010】
そこで本願発明は、平面地図上で指示された任意の方向の断面線に沿った地盤上の樹高線を容易にしかも高精度に生成することができる送電線下横断面図生成方法および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明に係る、送電線下横断面図生成方法は、入力された三次元地図データを用いてx−y平面地図を表示し、前記平面地図の表示画面上で、送電線が張られている径間方向とは垂直な方向に指示された断面線に沿った地盤高の変化を表す地盤高線を生成し、前記断面線に沿った地盤上の樹木の高さの変化を表す樹高線を生成する。
【0012】
好ましくは、上記樹高線を生成するステップは、(a)前記断面線を長さ方向に、指定された内挿間隔で区切った点を注目点とし、各注目点を中心とする検索半径の円からなる検索範囲内を設定し、(b)前記x―y平面地図上に設定された三角形を相互に接続させた三角メッシュ中の各三角形の頂点についての3次元座標(x、y、z)を有する三角メッシュデータから、前記検索範囲内にある複数の頂点を決定し、(c)前記複数の頂点が有する高さ値をzq1,zq2,…,zqnとし、前記注目点から前記検索範囲内の各頂点までのそれぞれの距離に反比例した重みをw1,w2,…,wn(w1+w2+…+wn=1)として、前記注目点における高さ方向の値zpをzp=(w1・zq1+w2・zq2+…+wn・zqn)で示される内挿計算により決定し、(d)決定された各注目点の高さを用いて、前記樹高線を生成する。
【0013】
あるいは、前記樹高線を生成するステップは、(a)前記x―y平面地図上に設定された三角形を相互に接続させた三角メッシュ中の各三角形の頂点についての3次元座標(x、y、z)を有する三角メッシュデータから、前記断面線と前記三角メッシュとが交わる複数の交点を決定し、(b)前記交点が存在する前記三角メッシュ上の三角形の辺の両端の頂点における高さの差を前記両端の頂点間のxy平面上の距離と、前記両端の頂点のうちの一方と前記交点との間のxy平面上の距離との比に応じて比例配分することにより、前記交点における高さを決定し、(c)決定された前記複数の交点の高さを用いて、前記樹高線を生成する。
【0014】
また、前記地盤高線を生成するステップは、(a)前記断面線と等高線とが交わる複数の第1の交点のx、y座標と、前記断面線と地物とが交わる第2の交点のx、y座標を前記三次元地図データから抽出し、(b)前記第1の交点における高さを前記等高線と等しい値に決定し、(d)前記第2の交点における高さを、当該第2の交点に隣接する2つの第1の交点間の高さの差を前記2つの第1の交点間のxy平面上の距離と、前記2つの第1の交点のうちの一方と前記第2の交点との間のxy平面上の距離との比に応じて比例配分することにより決定し、(e)決定された前記第1の交点の高さおよび前記複数の第2の交点の高さを用いて、前記断面線に沿った地盤高の変化を表す地盤高線を生成する。
【0015】
本発明によれば、三次元地図データを用いて表示された平面地図の表示画面上でオペレータが計測したい断面線を指示することによって、自動的に三次元地図データから必要な地形データ、三角メッシュデータが抽出され、これに基づいて所望の断面線に沿った地盤高線の他に、高精度の樹高線を生成および出力できる。さらにはこれに関連する付随情報を簡単な手順で出力することができる。
【0016】
また、断面線上の地盤高線は、断面線と交わる等高線の値を用いた比例配分計算により、地盤高を計算し、当該地盤高線上の樹高線は、三角メッシュ状に配置された各点のもつx、y、z座標値を用いた再送計算または比例配分計算により、容易かつ高精度に計算することが可能となる。
【0017】
さらに、三次元地図データを基にして、断面線と交わる建物の位置や高さを含めた断面図を得ることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、平面地図上で指示された断面線に沿った地盤上の樹高線を容易にしかも高精度に生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係るシステムの構成を示すブロック図。
【図2】本実施形態に係る送電線下横断面図生成手順を示すフローチャート。
【図3】平面地図の一例を示す図。
【図4】平面地図上に指示された断面線と、伸長された断面線の例とを示す図。
【図5】地盤高線を生成するために決定さる断面線と等高線や地物との交点の例を示す図。
【図6】交点の高さ計算について説明するための図。
【図7】平面地図上に配置された三角メッシュを示す図。
【図8】図7に示す三角メッシュを各点の高さを用いて三次元的に示した図。
【図9】三角メッシュと指示された断面線との交点の例を示す図。
【図10】三角メッシュと断面線との交点J1〜J5を模式的に示した図。
【図11】地盤高線と樹高線とを含む断面図の表示例を示す図。
【図12】建物が散在する平面地図上に指示された断面線の例を示す図。
【図13】地盤高線と建物の高さの変化を示す線とを含む断面図の表示例を示す図。
【図14】他の送電線下横断面図生成手順を示すフローチャート。
【図15】内挿計算を用いた樹高線の生成方法を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を説明するが、まず最初に本発明の前提となる技術の一例について述べる。航空写真から地図データを取得するために、図化機(実体図化機)と呼ばれる装置が開発されている。図化機は、例えば60%ずつ重複して撮影された一対の航空写真フィルムを写真架台に載せ、それを接眼鏡を通して左右の目で個別に観察した立体像を作製する装置である。具体的には、まず写真架台上の航空写真フィルムに対して、航空写真フィルムに対する撮影時のカメラの相対位置関係と相似の相対位置関係をもって投影機を設置し、この投影機により空間に地表と同様の立体像を再現する。この操作を相互標定と呼ぶ。
【0021】
この相互標定後に、絶対標定という作業に移る。絶対標定では、図化機内のデータ取得システムに座標値x,y、および高さ(標高値)zの基準点のデータを入力して、航空写真フィルムの立体像を表示するディスプレイの表示画面上に展開させ、この表示画面上の基準点と立体像の中の基準点を一致させる。これらの標定作業は、図化機で定められた観測用測標(メスマーク)を用いて行われる。
【0022】
図化に際しては、図化するモデル内にx,y,zが既知である三つ以上の基準点が必要である。このために、航空写真上に地上の基準点が写るように対空標識を設置し、これを基に各モデルに基準点を増設する作業を行う。この作業を空中三角測量といい、コンピュータを使用して解析計算を行う。
【0023】
道路、建物などの航空写真の図化は、図化しようとする対象に測標をタッチさせ、角部などの変化点毎のポイントデータを取得することにより行われる。等高線については、測標を航空写真上の地上部分にタッチさせて移動させることにより、任意の指定した間隔で自動的にデータが取得される。
【0024】
このようにして、三次元座標を有する三次元地図データの取得、いわゆるディジタルマッピングを行い、図面化する。なお、ディジタルマッピングとは、既製地図のアナログ情報及び各種の付加情報(地形、土地利用種別等)をディジタル化して電子記憶媒体に記録したもの及び電子記憶媒体から地形図図形として再生出力したもの(建設省・国土地理院による)、あるいは航空写真測量等により、地形・地物等に関わる地図情報をディジタル形式で測定し、コンピュータ技術により体系的に整理されたディジタル地形図を新たに構築する作業をいい、地形図等の原図の作製を含む(建設省公共測量作業規程のうちのディジタルマッピング作業要領による)。
【0025】
このディジタルマッピングにより得られた三次元座標(x、y、z)を有する三次元地図データを三次元CADシステムに取り込み、要求仕様に応じた図面として編集する。建設省で定められた線や記号等はCADシステムの基本性能だけでは対応できないため、カスタマイズによりCADシステムに新たな機能を持たせることで対応する。
【0026】
このカスタマイズは大別して、編集を目的としたものとアプリケーションを目的としたものの二種類があるが、本発明は特に後者のアプリケーションについてのカスタマイズに関する。以下、上記の事項を踏まえて本発明の一実施形態を説明する。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態に係るシステムの構成を示している。このシステムは大きくわけて、図化機1とCADシステム2及び自動製図機9からなり、これらがバス10により接続されている。なお、図では各種のインタフェースは省略している。
【0028】
図化機1は前述した通りのものであり、航空写真フィルム11を写真架台上に載せ、これを投影機で立体像として投影し(相互標定)、さらに絶対標定を行った後、三次元地図データを取得する。
【0029】
三次元地図データは、航空写真中の地形や地物をx、y座標値および高さ値zを有する。例えば、建物などの地物については、その当該地物の最も高い点(標高点)のx、y座標と高さ値(標高値)を有する。一方、平面地図(2次元地図)では、地物はx、y座標値をもつが、高さ値(標高値)zを持たない。
【0030】
本実施形態の単一断面計測手順では、指示された断面線上の地盤の高さの変化を示す地盤高線とともに、断面線上の樹高や建物の高さの変化を示す線を含む断面図を生成し出力する。
【0031】
樹高や建物の高さは、例えば、図化機1を用いて、航空写真から測定される。x−y平面上に、相互に接続させた三角形の面のセットとして表される三角メッシュ(図7参照)を配置する。三角形メッシュ中の各三角形の頂点について、x、y座標値と、高さzとを図化機1を用いて測定する。従って、三角メッシュには、等間隔または任意の間隔(例えば5〜10m)で、高さzの測定された点が設定されている。ここでは、x−y平面地図上に三角メッシュ状に設定された各点(各三角形の各頂点)についての座標値(x、y)および高さ値(z)を含むデータを三角メッシュデータと呼ぶ。三角メッシュデータは、3次元地図データのもつデータの一部として作成され、記憶される。
【0032】
三角メッシュのx、y座標と平面地図のx、y座標とは、同じ航空写真から測定されたものであるから、両者は一致する。従って、図7に示すように、x−y平面地図上に三角メッシュを配置することができ、平面地図上の三角メッシュの各点に対応するx、y座標値に対応する高さ(標高)が得られる。図8は、図7に示す三角メッシュを三角メッシュの各点の高さを用いて三次元的に示したものである。
【0033】
図化機1で作成された3次元地図データは、CADシステム2に入力され、図1の主記憶装置4およびまたは外部記憶装置5に記憶される。
【0034】
CADシステム2は、汎用コンピュータを用いて構成され、具体的にはCPU3、ROMやRAM等の主記憶装置4、HDD(ハードディスクドライブ)などの外部記憶装置5、キーボードやポインティングデバイス(例えばマウス)を含む入力装置6、ディスプレイ7及びスキャナ8等からなり、図化機1から入力される3次元地図データを要求仕様に応じた地図データとして編集する。CADシステム2で作製された地図データは、自動製図機9により紙ベースの地図として出力される。
【0035】
ここで、CADシステム2は本発明に基づくアプリケーションプログラムの一つとして設定された送電線下横断面図生成プログラムに従って、指示された断面位置の地盤の高さ、樹高や建物などの高さを計算し、ディスプレイ7上に単一断面図として表示したり、自動製図機9を介して紙ベースの単一断面図12として出力する処理を行う。この送電線下横断面図生成プログラムは外部記憶装置5に予めインストールされており、ここから主記憶装置4にダウンロードされて使用されるものとする。
【0036】
以下、この送電線下横断面図生成プログラムに基づく送電線下横断面図生成手順について、図2に示すフローチャートを用いて説明する。まず、送電線下横断面図生成に関わる各種パラメータを入力する(ステップS11)。パラメータとしては、例えば、断面図の縦軸、横軸の縮尺、基準標高値H、後述する樹高線などを生成するために必要なパラメータなどがある。
【0037】
次に、図化機1から三次元地図データを取り込む(ステップS12)。取り込まれた3次元地図データは、主記憶装置4または外部記憶装置5に記憶される。次に、取り込んだ三次元地図データのうちのx,yデータを用いて図3に示すようなx−y平面地図20をディスプレイ7で表示する(ステップS13)。
【0038】
そして、この平面地図20の表示画面上で横断面図を生成したい断面位置21をオペレータが指示する(ステップS14)。具体的には、入力装置6に含まれるマウスなどのポインティングデバイスを用いて、平面地図20上の表示画面上で断面位置21となる線(断面線)の両端点a,bを指示することにより、送電線がはられている経路の径間に垂直な方向に断面線21が指示される。指示された断面線21は、平面地図20の表示画面上に表示され、これによりオペレータは指示した断面線(断面位置)21を確認できる。なお、断面線は、ここでは、径間に垂直な方向に指定されるが、これに限定するものではなく、任意の方向に断面線が指定されても、本実施形態に係る手法が適用可能である。
【0039】
次に、上記のように指示された断面線21と交わる地形データを三次元地図データから抽出し、これを用いて、断面線21に沿った地盤の高さの変化を示す線(地盤高線)を生成する。また、この断面線上の樹木の高さ(樹高)や建物の高さの変化を示す線を生成する。
【0040】
まず、断面線21上の地盤高線の生成について説明する。
【0041】
指示された断面線21の両端a、bを拡張して断面線を長く延ばす。図4に示すように伸長後の新たな断面線の両端をa´、b´とする。以下、両端a´、b´を有する断面線を断面線(a´、b´)と表す。また、両端a、bを有する断面線を断面線(a、b)と表す。
【0042】
断面線(a´、b´)の位置(x、y)と、等高線や、道路、河川、鉄道などの地物の位置(x、y)とから、断面線(a´、b´)と交差する等高線や地物との交点を決定する(ステップS16)。例えば、図5に示すように、断面線(a´、b´)と等高線や地物との交点I1〜I5が決定される。
【0043】
そして、ステップS17では、各交点(例えばI1〜I5)の座標(xn、yn、zn)を決定する(nは、各交点を識別するインデックスであり、ここでは、例えばn=1,2,…、5)。各交点についてのx、y座標値は、3次元地図データの地形データから抽出する。断面線(a´、b´)と等高線との交点の高さzとして、3次元地図データから当該等高線の値を抽出する。3次元地図データから抽出できない道路、河川、鉄道などの地物との交点の高さzは、等高線の値を用いて計算する。
【0044】
図5において、断面線と等高線との交点(例えば、I1、I3、などの高さは、その等高線の値とする。また、3次元地図データから抽出できない地物と断面線の交点(例えば、I2)の高さは、図6に示すように、断面線上で当該交点I2と隣接する(高さ決定済みの)交点I1、I3間の傾斜を考慮して、次のようにして計算する。
【0045】
図6において、交点I1の座標を(x1、y1、z1)、交点I3の座標を(x3、y3、z3)、とする。ここで交点I1、I3のx、y、z座標値、I2のx、y座標値は上記のように決定されるから、交点I2のz座標は、式(1)に示すように、I1とI3との間のz座標値の差分を、I1とI3との間のxy平面上の距離と、I1とI2との間のxy平面上の距離との比に応じて比例配分することで求めることができる。
【数1】

【0046】
断面線の端点a、bのz座標も、断面線上で隣接する(高さ値が決定済みの)2つの交点のx、y、z座標を用いて、上記同様に計算する。
【0047】
以上のようにして、各交点I1〜I5と、断面線の両端点a,bのx、y、z座標値を決定した後、断面線上の中点または始点aを基準点(0,0)として、各交点I1〜I5について、基準点からの距離を計算する。交点I1〜I5と、断面線の両端点a,bを距離の小さいものから順に並べる。並べられた各点の高さ(z)を用いて、断面線21に沿った地盤高の変化を示す地盤高線101を生成する。生成された地盤高線101は、図11に示すように、ディスプレイ7により表示され、さらには、自動製図機9により紙で出力される(ステップS18)。
【0048】
次に、上記指示された断面線に沿った地盤上に存在する樹木や建物などの地物の高さ(樹高等)を計算し、樹高線を生成する。ここでは、まず、樹高線を生成するための第1の方法について説明する。
【0049】
ステップS21では、ステップS12で主記憶装置4または外部記憶装置5に記憶された3次元地図データから、現在表示されている平面地図に対応するx−y領域の三角メッシュデータを読み出し、当該三角メッシュとステップS14で指示された断面線21の位置とから、三角メッシュと断面線21との交点を決定する(図9参照)。
【0050】
そして、決定された各交点の(x、y、z)を、地盤高の場合と同様にして計算する(ステップS22)。図10は、三角メッシュと断面線21との交点J1〜J6を模式的に示したものである。前述したように、三角メッシュデータには、三角形の各頂点のx、y座標の他に高さzをもつ。従って、交点が三角メッシュの三角形の頂点と一致する場合には、当該交点の(x、y、z)は、三角メッシュデータに含まれる当該頂点の(x、y、z)値に決定する。
【0051】
断面線21と三角メッシュの三角形の辺との交点(例えば、図10の交点J1〜J6)のx、y座標値は、3次元地図データから抽出する。また、これらの交点の高さは、当該交点が位置する辺の2つの端点(頂点)のもつ(x、y、z)値を用いて計算する。
【0052】
例えば、交点J2は、三角メッシュの頂点O2、O3を端点とする辺上にあるから、交点J2の高さは、この2つの頂点O2、O3のx、y、zを用いて、次のように計算することができる。
【0053】
頂点O2の座標を(xo2、yo2、zo2)、頂点O3の座標を(xo3、yo3、zo3)、交点J2の座標を(xJ2、yJ2、zJ2)と表し、交点J2のz座標zJ2は、次式(2)に示すように、O2とO3との間のz座標値の差分を、O2とO3との間のxy平面上の距離と、O2とOJ2との間のxy平面上の距離との比に応じて比例配分することで求めることができる。
【数2】

【0054】
他の交点J1、J3、J4、J5、J6についても交点J2と同様にして、高さを計算できる。すなわち、例えば、交点J3の場合には、頂点O3、O4のx、y、z座標値を用いる。上式(2)のO2、O3のx、y、z座標値を頂点O3、O4のx、y、z座標値に置き換えれば、交点J3の高さが計算できる。また、交点J4の場合には、頂点O4、O5のx、y、z座標値を用いる。上式(2)のO2、O3のx、y、z座標値を頂点O4、O5のx、y、z座標値に置き換え、交点J2の代わりに交点J4の座標を(xJ4、yJ4、zJ4)と表すと、交点J4の高さが計算できる。
【0055】
以上のようにして、各交点のx、y、z座標値を決定した後、断面線上の中点または始点aを基準点(0,0)として、各交点について、基準点からの距離を計算する。そして、交点を当該距離の小さいものから順に並べる。並べられた各点の高さを用いて、断面線21に沿った樹木や建物などの高さの変化を示す線102を生成する。生成された樹木や建物などの高さの変化を示す線102は、図11に示すように、ステップS18で出力される地盤高線101に重ねて出力される(ステップS23)。
【0056】
以上説明したような樹木や建物の高さの変化を表す線を生成・出力する手順は、例えば、ほぼ連続的に樹木や建物などが連なって存在する地域において有効であるが、例えば平坦な(高さ変化の少ない)場所に建物などが散在するような地域においても適用することも可能である。後者(すなわち、例えば建物が散在するような地域)の場合、次に示すような手順で、高さ変化を表す線を生成・出力することもできる。
【0057】
例えば、図12に示すような建物が散在するような地域の平面地図上に、断面線21が指示されたとする。前述したように、ステップS15〜ステップS18で、地盤高線201が生成・出力される。
【0058】
次に、この断面線21の位置(x、y)と、各建物の位置(x、y)とから、断面線21と交差する建物(例えば、図12では、建物40,41,42)と、当該建物と断面線21との交点を決定する。
【0059】
そして、図12において、建物40の図形の頂点数(ここでは、8)と、各頂点c1〜c8の座標(x、y、z)を3次元地図データから抽出する。建物40と断面線21との交点は51,52である。各交点の(x、y)は、建物40の頂点の座標(x、y、z)から計算する。交点51は辺[c1、c2]上にあるから、頂点c1のx、y座標と、頂点c2のx、y座標とから交点51の交点のx、y座標を計算する。また、交点52は辺[c5、c6]上にあるから、頂点c5のx、y座標と、頂点c6のx、y座標とから交点52の交点のx、y座標を計算する。
【0060】
3次元地図データには、1つの建物について、その建物の最も高い点(標高点)のx、y、z値が含まれている。例えば、図12において標高点はH0〜H3である。どの標高点が注目の建物(例えばここでは建物40)の内部の点であるかを決定するために次のような処理を行う。
【0061】
図12において、建物40の各頂点の座標値から、その近傍にある標高点H0、H3を検出する。そして、標高点が建物40の各辺の進行方向に対し、右側にあるか左側にあるかを決定し、当該標高点が右側にある場合と左側にある場合とをそれぞれカウントする。ただし、標高点から各辺に垂線をおろす場合に垂線との交点がないような辺はカウントしない。
【0062】
例えば、建物40の場合、辺[c1,c2]の進行方向は、図12に示されているようにc1からc2の方向であり、辺[c5,c6]の進行方向は、図12に示されているようにc5からc6の方向である。従って、標高点H0は、辺[c1,c2]、辺[c6,c7]、辺[c7,c8]、辺[c8,c1]の進行方向に対し右側にあるが、標高点H0が左側にあるような辺はない。同様に、標高点H3は、辺[c1,c2]の進行方向に対し右側にあるが、辺[c7,c8]の進行方向に対しては左側にある。
【0063】
すなわち、
標高点H0の場合、「右側」のカウント数=4、「左側」のカウント数=0
標高点H3の場合、「右側」のカウント数=1、「左側」のカウント数=1
である。
【0064】
「右」のカウント数>0かつ「左」のカウント数=0、または、「右」のカウント数=0かつ「左」のカウント数>0である場合は、当該標高点は建物内にあり、そうでない場合は、当該標高点は建物の外部にあると決定できる。従って、標高点H0は建物40の内部にあり、標高点H3は建物40の外部にあると決定できる。
【0065】
以上のようにして、建物40の高さは標高点H0のz値(標高値)に決定する。断面線21と交差する他の建物41,42の高さzについても上記建物40の場合と同様にして、標高点H1、H2のz値(標高値)に決定される。
【0066】
以上のようにして、各建物について、断面線21との交点の(x、y、z)を決定した後、断面線上の中点または始点aを基準点(0,0)として、各建物について、基準点からの距離を計算する。そして、図13に示すように、建物を表す矩形(建物40に対応する202a、建物41に対応する202b、建物42に対応する202c)を距離の小さいものから順に、地盤高線201上に並べる。建物を表す矩形の幅は、当該建物を通過する断面線21の長さ(すなわち、当該建物と断面線との2つの交点間の距離)に対応し、矩形の高さは、上記のように決定された当該建物の高さに対応する。
【0067】
生成された建物の高さ202a〜202cの追加された断面図は、図13に示すように、ディスプレイ7により表示され、さらには、自動製図機9により紙で出力される。
【0068】
送電線路沿いでは、送電線と樹木や建物との離隔距離が適切に保たれている必要がある。本実施形態によれば、指示された断面線21が、例えば、図3に示すように、送電線路を横切る場合には、この送電線の位置(高さ)や風等によって送電線が揺れる範囲も断面図に追加して表示する(図11および13参照)。このような表示により、送電線と樹木や建物との間に適切な離隔距離が保たれているかどうかを目視で容易に確認できる。
【0069】
送電線路に関する情報(例えば、鉄塔番号、鉄塔座標および高さ(x、y、z)、送電線の種類、送電電力、最下電線の横振れの中心点の座標等)は、3次元地図データに含まれている。また、送電線の横振は、鉄塔の断面の最下電線の振れの中心となる点を中心とした半円で表示され、この半円の半径(離隔)は、送電線の種類などにより予め定められた値であり、この値も予め主記憶装置4および外部記憶装置5に記憶されていてもよい。
【0070】
図11および図13に示すように、地盤高線や樹高線とともに送電線の横振れ断面を表示する場合には、ユーザは、例えば、図2のステップS11において、送電電圧や、当該送電電圧に対応する送電線との離隔、鉄塔番号や、送電線の線巾などのパラメータを入力する。これにより、上述のように、地盤高線や樹高線(または建物に高さ線)が生成・表示されるとともに、指示された断面線21と交差する送電線の横振断面103、203を主記憶装置4および外部記憶装置5に記憶されている情報を基に生成し、図12や図13のように表示する(ステップS31)。
【0071】
さらに、送電線と樹木や建物との離隔距離を図12や図13に示すような断面図に、離隔線(104、204)とともに表示する(ステップS32)。離隔距離は、3次元地図データに含まれる送電線や樹木・建物のx、y座標や、上記のように高さzを決定することにより、計算することができる。
【0072】
次に、指示された断面線に沿った地盤上の樹高線を生成するための第2の方法を説明する。
【0073】
上述の第1の方法に従って生成された樹高線は、三角メッシュ上の単位面積当たりの頂点の数が多いほど精度が高くなる。例えば、ステップS14で指示された断面線に沿った地形に、崖、道路、河川その他が存在することにより、地盤の高さ(Z値)に大きな変化があれば、それに伴い樹高も大きく変化する。三角メッシュ上の単位面積当たりの頂点の数が多いほど、この地盤高の大きな変化に伴う樹高の急激な変化も樹高線に反映させることができる。しかし、単位面積当たりの頂点の数が多いほど、各頂点について高さを測定するための手間がかかる。
【0074】
第1の方法では、断面線と三角メッシュとの交点の高さzを、当該交点に隣接する2つの頂点の高さを用いて計算していた。一方、第2の方法は、断面線上の(高さを求めるべき)複数の点(例えば、指定された断面線と三角メッシュとの交点)の高さzを、当該注目点の周辺の複数の点(三角メッシュの頂点または標高点)の高さを用いて内挿計算により求めることで、高精度に樹高線を生成することができる。この第2の方法によれば、三角メッシュの単位面積当たりの頂点の数(あるいは基準とする高さ値が既知の点の数)がそれほど多くなくとも上述のような地盤高の急激な変化に伴う樹高の変化を高精度に表した樹高線を生成できる。
【0075】
樹高線を生成するための第2の方法を用いた場合の送電線下横断面図生成手順を図14に示す。図2のステップS21およびS22が、図14ではステップS20に置き換わっている。以下、図14において、図2と異なる部分について説明する。
【0076】
まず、ステップS11では、内挿間隔d、検索半径r、および重みwを含む内挿パラメータが入力される。以下、ステップS20の処理について図15を参照して説明する。
【0077】
図15に示すように、断面線21をその長さ方向に内挿間隔dで区切った点をそれぞれ注目点とし、各注目点における高さ方向の値zを内挿計算により計算する。この場合、まず、主記憶装置4または外部記憶装置5に記憶された3次元地図データから、現在表示されている平面地図に対応するx−y領域の三角メッシュデータを読出す。
【0078】
図15において、断面線21上の注目点pの高さを計算する場合、この点pを中心として半径rの検索範囲141を設定し、三角メッシュデータから、この検索範囲141内にある頂点qを決定する。検索範囲141内にあるn個の三角メッシュの頂点q(例えば、ここでは4個の頂点O4、O5、O6、O7)のz値から、交点pのz値を内挿により計算する。この内挿計算に際し、頂点のz値に対しては交点pからの距離に反比例した重みwを与える。
【0079】
この内挿計算を数式で表すと、次式となる。
【0080】
zp=(w1・zq1+w2・Zq2+…+wn・zqn) 式(3)
ここで、zpは交点pの求めようとするz値、zq1,zq2,…,zqnは検索範囲内のn個の頂点qのz値、そしてw1,w2,…,wnは点pからn個の点qまでのそれぞれの距離に反比例した重み(重み係数)であり、w1+w2+…+wn=1である。すなわち、点qのうち点pに対してより近い点のz値に、より大きな重みを与える。
【0081】
以上のようにして、各注目点のx、y、z座標値を決定した後、ステップS23において、断面線上の中点または始点aを基準点(0,0)として、各注目点について、基準点からの距離を計算する。そして、注目点を当該距離の小さいものから順に並べる。並べられた各注目点の高さを用いて、断面線21に沿った樹木や建物などの高さの変化を示す線102を生成する。生成された樹高線102は、図11に示すように、ステップS18で出力される地盤高線101に重ねて出力される(ステップS23)。
【0082】
以上の説明では、断面線21をその長さ方向に内挿間隔dで区切った点をそれぞれ注目点として定めて内挿計算により当該注目点の高さ方向の値を計算したが、高さを求めるべき注目点の定め方はこの場合に限らない。例えば、断面線と三角メッシュとの各交点を注目点として定め、内挿計算により当該注目点の高さ方向の値を計算してもよい。この場合、少なくとも、検索半径r、および重みwを含む内挿パラメータが、図2のステップS11において入力される。そして、ステップS20では、まず、地盤高の場合と同様にして、現在表示されている平面地図に対応するx−y領域の三角メッシュとステップS14で指示された断面線21の位置とから、三角メッシュと断面線21との交点を決定する(図9参照)。決定された各交点(例えば、図10の交点J1〜J6)のx、y座標値は、3次元地図データから抽出する。これらの交点の高さは、当該交点を中心とする半径rの円(検索範囲)141内の三角メッシュの頂点の高さ値を用いて内挿計算により求める。
【0083】
例えば、図15において、断面線21上の交点p(例えば交点J5)の高さを計算する場合、この点pを中心として半径rの検索範囲141を設定し、三角メッシュから、この検索範囲141内にある頂点qを決定する。検索範囲141内にあるn個の三角メッシュの頂点q(例えば、ここでは4個の頂点O4、O5、O6、O7)のz値から、交点pのz値を、式(3)に従って計算する。
【0084】
以上のようにして、各交点(例えば、図10の交点J1〜J6)のx、y、z座標値を決定した後、ステップS23において、断面線上の中点または始点aを基準点(0,0)として、各交点について、基準点からの距離を計算する。そして、交点を当該距離の小さいものから順に並べる。並べられた各点の高さを用いて、断面線21に沿った樹木や建物などの高さの変化を示す線102を生成する。生成された樹高線102は、図11に示すように、ステップS18で出力される地盤高線101に重ねて出力される(ステップS23)。
【0085】
原理的には、同じ精度の樹高線を生成しようとする場合、三角メッシュの単位面積当たりの頂点の数が多いほど(密であるほど)、検索範囲の大きさrは小さくてすむ。しかし、三角メッシュの単位面積当たりの頂点の数が相対的に少ない(疎)場合も、検索範囲の大きさrを大きくしたり、上記のような間隔dを小さくすることで、頂点数が密の場合と同様な精度の樹高線を生成することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元地図データから送電線下の横断面を生成するための送電線下横断面図生成方法であって、
入力された三次元地図データを用いてx−y平面地図を表示するステップと、
前記平面地図の表示画面上で、送電線が張られている径間方向とは垂直な方向に指示された断面線に沿った地盤高の変化を表す地盤高線を生成するステップと、
前記断面線に沿った地盤上の樹木の高さの変化を表す樹高線を生成するステップと、
を含み、
前記樹高線を生成するステップは、
前記断面線を長さ方向に、指定された内挿間隔で区切った点を注目点とし、各注目点を中心とする検索半径の円からなる検索範囲内を設定するステップと、
前記x―y平面地図上に設定された三角形を相互に接続させた三角メッシュ中の各三角形の頂点について3次元座標(x、y、z)を有する三角メッシュデータから、前記検索範囲内にある複数の頂点を決定するステップと、
前記複数の頂点が有する高さ値をzq1,zq2,…,zqnとし、前記注目点から前記検索範囲内の各頂点までのそれぞれの距離に反比例した重みをw1,w2,…,wn(w1+w2+…+wn=1)として、前記注目点における高さ方向の値zpを
zp=(w1・zq1+w2・zq2+…+wn・zqn)で示される内挿計算により決定するステップと、
決定された各注目点の高さを用いて、前記樹高線を生成するステップと、
を含む送電線下横断面図生成方法。
【請求項2】
三次元地図データから送電線下の横断面を生成するための送電線下横断面図生成方法であって、
入力された三次元地図データを用いてx−y平面地図を表示するステップと、
前記平面地図の表示画面上で、送電線が張られている径間方向とは垂直な方向に指示された断面線に沿った地盤高の変化を表す地盤高線を生成するステップと、
前記断面線に沿った地盤上の樹木の高さの変化を表す樹高線を生成するステップと、
を含み、
前記樹高線を生成するステップは、
前記x―y平面地図上に設定された三角形を相互に接続させた三角メッシュ中の各三角形の頂点について3次元座標(x、y、z)を有する三角メッシュデータから、前記断面線と前記三角メッシュとが交わる複数の交点を決定するステップと、
前記交点が存在する前記三角メッシュ上の三角形の辺の両端の頂点における高さの差を前記両端の頂点間のxy平面上の距離と、前記両端の頂点のうちの一方と前記交点との間のxy平面上の距離との比に応じて比例配分することにより、前記交点における高さを決定するステップと、
決定された前記複数の交点の高さを用いて、前記樹高線を生成するステップと、
を含む送電線下横断面図生成方法。
【請求項3】
前記地盤高線を生成するステップは、
前記断面線と等高線とが交わる複数の第1の交点のx、y座標と、前記断面線と地物とが交わる第2の交点のx、y座標を前記三次元地図データから抽出するステップと、
前記第1の交点における高さを前記等高線と等しい値に決定するステップと、
前記第2の交点における高さを、当該第2の交点に隣接する2つの第1の交点間の高さの差を前記2つの第1の交点間のxy平面上の距離と、前記2つの第1の交点のうちの一方と前記第2の交点との間のxy平面上の距離との比に応じて比例配分することにより決定するステップと、
決定された前記第1の交点の高さおよび前記複数の第2の交点の高さを用いて、前記断面線に沿った地盤高の変化を表す地盤高線を生成するステップと、
を含む請求項1または2記載の送電線下横断面図生成方法。
【請求項4】
三次元地図データから送電線下の横断面を生成するための送電線下横断面図生成装置であって、
入力された三次元地図データを用いてx−y平面地図を表示する手段と、
前記平面地図の表示画面上で、送電線が張られている径間方向とは垂直な方向に指示された断面線に沿った地盤高の変化を表す地盤高線を生成する手段と、
前記断面線に沿った地盤上の樹木の高さの変化を表す樹高線を生成する手段と、
を備え、
前記樹高線を生成する手段は、
前記断面線を長さ方向に、指定された内挿間隔で区切った点を注目点とし、各注目点を中心とする検索半径の円からなる検索範囲内を設定し、
前記x―y平面地図上に設定された三角形を相互に接続させた三角メッシュ中の各三角形の頂点について3次元座標(x、y、z)を有する三角メッシュデータから、前記検索範囲内にある複数の頂点を決定し、
前記複数の頂点が有する高さ値をzq1,zq2,…,zqnとし、前記注目点から前記検索範囲内の各頂点までのそれぞれの距離に反比例した重みをw1,w2,…,wn(w1+w2+…+wn=1)として、前記注目点における高さ方向の値zpを
zp=(w1・zq1+w2・zq2+…+wn・zqn)で示される内挿計算により決定し、
決定された各注目点の高さを用いて、前記樹高線を生成する、
送電線下横断面図生成装置。
【請求項5】
三次元地図データから送電線下の横断面を生成する送電線下横断面図生成装置であって、
入力された三次元地図データを用いてx−y平面地図を表示する手段と、
前記平面地図の表示画面上で、送電線が張られている径間方向とは垂直な方向に指示された断面線に沿った地盤高の変化を表す地盤高線を生成する手段と、
前記断面線に沿った地盤上の樹木の高さの変化を表す樹高線を生成する手段と、
を備え、
前記樹高線を生成する手段は、
前記x―y平面地図上に設定された三角形を相互に接続させた三角メッシュ中の各三角形の頂点について3次元座標(x、y、z)を有する三角メッシュデータから、前記断面線と前記三角メッシュとが交わる複数の交点を決定し、
前記交点が存在する前記三角メッシュ上の三角形の辺の両端の頂点における高さの差を前記両端の頂点間のxy平面上の距離と、前記両端の頂点のうちの一方と前記交点との間のxy平面上の距離との比に応じて比例配分することにより、前記交点における高さを決定し、
決定された前記複数の交点の高さを用いて、前記樹高線を生成する、
送電線下横断面図生成装置。
【請求項6】
前記地盤高線を生成する手段は、
前記断面線と等高線とが交わる複数の第1の交点のx、y座標と、前記断面線と地物とが交わる第2の交点のx、y座標を前記三次元地図データから抽出し、
前記第1の交点における高さを前記等高線と等しい値に決定し、
前記第2の交点における高さを、当該第2の交点に隣接する2つの第1の交点間の高さの差を前記2つの第1の交点間のxy平面上の距離と、前記2つの第1の交点のうちの一方と前記第2の交点との間のxy平面上の距離との比に応じて比例配分することにより決定し、
決定された前記第1の交点の高さおよび前記複数の第2の交点の高さを用いて、前記地盤高線を生成する、
請求項4または5記載の送電線下横断面図生成装置。
【請求項7】
三次元地図データから送電線下の横断面を生成するための送電線下横断面図生成プログラムを記憶するコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、
前記送電線下横断面図生成プログラムは、
入力された三次元地図データを用いてx−y平面地図を表示するステップと、
前記平面地図の表示画面上で、送電線が張られている径間方向とは垂直な方向に指示された断面線に沿った地盤高の変化を表す地盤高線を生成するステップと、
前記断面線に沿った地盤上の樹木の高さの変化を表す樹高線を生成するステップと、
を含み、
前記樹高線を生成するステップは、
前記断面線を長さ方向に、指定された内挿間隔で区切った点を注目点とし、各注目点を中心とする検索半径の円からなる検索範囲内を設定するステップと、
前記x―y平面地図上に設定された三角形を相互に接続させた三角メッシュ中の各三角形の頂点について3次元座標(x、y、z)を有する三角メッシュデータから、前記検索範囲内にある複数の頂点を決定するステップと、
前記複数の頂点が有する高さ値をzq1,zq2,…,zqnとし、前記注目点から前記検索範囲内の各頂点までのそれぞれの距離に反比例した重みをw1,w2,…,wn(w1+w2+…+wn=1)として、前記注目点における高さ方向の値zpを
zp=(w1・zq1+w2・zq2+…+wn・zqn)で示される内挿計算により決定するステップと、
決定された各注目点の高さを用いて、前記樹高線を生成するステップと、
を含むコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項8】
三次元地図データから送電線下の横断面を生成するための送電線下横断面図生成プログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、
前記送電線下横断面図生成プログラムは、
入力された三次元地図データを用いてx−y平面地図を表示するステップと、
前記平面地図の表示画面上で、送電線が張られている径間方向とは垂直な方向に指示された断面線に沿った地盤高の変化を表す地盤高線を生成するステップと、
前記断面線に沿った地盤上の樹木の高さの変化を表す樹高線を生成するステップと、
を含み、
前記樹高線を生成するステップは、
前記x―y平面地図上に設定された三角形を相互に接続させた三角メッシュ中の各三角形の頂点について3次元座標(x、y、z)を有する三角メッシュデータから、前記断面線と前記三角メッシュとが交わる複数の交点を決定するステップと、
前記交点が存在する前記三角メッシュ上の三角形の辺の両端の頂点における高さの差を前記両端の頂点間のxy平面上の距離と、前記両端の頂点のうちの一方と前記交点との間のxy平面上の距離との比に応じて比例配分することにより、前記交点における高さを決定するステップと、
決定された前記複数の交点の高さを用いて、前記樹高線を生成するステップと、
を含む、コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項9】
前記地盤高線を生成するステップは、
前記断面線と等高線とが交わる複数の第1の交点のx、y座標と、前記断面線と地物とが交わる第2の交点のx、y座標を前記三次元地図データから抽出するステップと、
前記第1の交点における高さを前記等高線と等しい値に決定するステップと、
前記第2の交点における高さを、当該第2の交点に隣接する2つの第1の交点間の高さの差を前記2つの第1の交点間のxy平面上の距離と、前記2つの第1の交点のうちの一方と前記第2の交点との間のxy平面上の距離との比に応じて比例配分することにより決定するステップと、
決定された前記第1の交点の高さおよび前記複数の第2の交点の高さを用いて、前記断面線に沿った地盤高の変化を表す地盤高線を生成するステップと、
を含む請求項7または8記載のコンピュータ読取可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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