説明

送風機

【課題】 エアモーター式送風機のようなルブリケーターを備えず、そのため、潤滑油の補給等の管理、メンテナンスが必要なく、潤滑油のミストを発生せず、騒音も少なく、安価で、例えば、防爆に好適な送風機を提供する。
【解決手段】 圧縮空気源から供給される圧縮空気の流路を備えた回転管継手2に、噴出管5、6が通気用主軸4を中心として放射状に設けられた送風気流発生用の回転体3が、通気用主軸の軸線を中心に回転可能に装着され、噴出管には、前記回転体の回転方向と逆方向に向けて圧縮空気を噴出する回転力付与用の噴出口と、送風方向に向かう気流として送り出す気流発生用の噴出口が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、送風機に関するものである。さらに詳しくは、この発明は、例えば、防爆用の送風機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、送風機としては、電気モーターによってファンを回転させるものが一般的である。しかしながら、このような送風機は、例えば、揮発性の有機溶剤、ガソリン、粉塵等が存在するような引火性や爆発性の作業環境の工場、作業所等には、電気モーターの火花が発生することから使用できない。
引火性や爆発性の作業環境で使用することのできる防爆用の送風機としては、エアモーターを用いたものが市販(例えば、商品名;エアモーター式送風機、アクアシステム株式会社製)されている(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】エアモーター式送風機(軸流型送風機)、[online]、アクアシステム株式会社<URL:http://www.aqsys.jp/air_fan.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非特許文献1の送風機は、圧縮空気源から配管接続されて供給される圧縮空気を用いてエアモーターを回転させ、エアモーターに取り付けたファンによって送風用の気流を発生させるものである。この送風機は、エアモーターの摩耗、焼き付き等を防止するため、ルブリケーター(注油器)への潤滑油の補給を定期的(略毎日)に行う必要があり、補給する潤滑油の経費がかかり、また、潤滑油の補給の管理、機器のメンテナンス等が煩雑である。ルブリケーターへの潤滑油の補給ミスは、エアモーターの摩耗、焼き付き等を発生させ、故障に至ることになる。故障すると、エアモーターを交換することが必要であり、経費、手間を要する。エアモーターを交換する間も送風するためには予備のエアモーター式送風機を備えることになるが、経費、保管場所等の面から好ましくない。
また、エアモーター式送風機は、騒音が大きい欠点があり、そのため消音器等を必要とする。
そして、エアモーター式送風機の運転をすると、ルブリケーターから供給される潤滑油がエアモーターの回転部の隙間等から滲み出したり、微細なミストとなって、空気中に放出される。また、消音器からも潤滑油が漏れたり、微細なミストとなって空気中へ放出される。空気中に放出された潤滑油の微細なミストは、送風に伴い、人体や作業環境に悪影響を及ぼすとともに、工場等における原料への混入や汚染が発生したり、製品等に付着したりする。
【0005】
この発明は、上記のような実情に鑑み鋭意研究の結果創案されたものであり、ルブリケーターを備えず、そのため、潤滑油の補給等の管理、メンテナンスが必要なく、潤滑油のミストを発生せず、騒音も少なく、安価で、例えば、防爆に好適な送風機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、この発明は、(1)圧縮空気源から供給される圧縮空気の流路を備えた回転管継手に、噴出管が通気用主軸を中心として放射状に設けられた送風気流発生用の回転体が、前記通気用主軸の軸線を中心に回転可能に装着され、前記噴出管には、前記回転体の回転方向と逆方向に向けて圧縮空気を噴出する回転力付与用の噴出口と、送風方向に向かう気流として送り出す気流発生用の噴出口が設けられ、前記回転体を、前記回転力付与用の噴出口から噴出する圧縮空気の反作用で前記通気用主軸の軸線を中心に回転させるとともに、前記気流発生用の噴出口から噴出する圧縮空気と、それによって引き込まれた空気を送風用の気流として送り出すことを特徴とする。
(2)前記(1)において、前記噴出管の閉鎖終端部近傍の側面に、前記回転体の回転方向と逆方向に向けて圧縮空気を噴出する回転力付与用の噴出口が設けられるとともに、前記噴出管の前面に気流発生用の噴出口が長手方向に沿って列状に配設されていてよい。
(3)前記(1)において、前記噴出管の終端に、前記回転体の回転方向と逆方向に向けて圧縮空気を噴出する回転力付与用の噴出口を有するノズルが設けられるとともに、前記噴出管の前面側に気流発生用の噴出口が長手方向に沿って列状に配設されていてもよい。
(4)前記(1)、(2)または(3)において、前記回転体は、噴出管が前記通気用主軸の先端部に設けられたT字状体であることが好ましい。
(5)前記(1)、(2)、(3)または(4)において、前記噴出管は、前記通気用主軸を中心として回転することで送風方向の気流を発生する回転翼ともなっており、前記気流発生用の噴出口からの圧縮空気の噴出による送風用の気流に加えさらに送風用の気流を発生させることが好ましい。
(6)前記(1)ないし(5)のいずれか1つにおいて、前記回転管継手は、前記回転体の通気用主軸の基端部を着脱自在とするチャックを有することが好ましい。
(7)前記(1)ないし(6)のいずれか1つにおいて、前記回転管継手、および、前記回転体が、筒状ケース内に設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
すなわち、この発明の送風機は、圧縮空気源から供給される圧縮空気によって、回転管継手に装着された送風気流発生用の回転体が、回転体の回転力付与用の噴出口から噴出する圧縮空気の反作用で、通気用主軸の軸線を中心に回転するとともに、気流発生用の噴出口から噴出された圧縮空気と、それによって引き込まれた空気を送風用の気流として送り出すことで送風されるものである。つまり、この送風機は、圧縮空気によって駆動され、電気モーターのような火花を発生することがないことから、揮発性の有機溶剤、ガソリン、粉塵等が存在するような引火や爆発の危険性のある作業環境の工場、作業所等における防爆用の送風機として好適である。なお、そのような作業所としては、坑道、マンホール、トンネル等が例示できる。また、引火や爆発の危険性のある作業環境に限られず、有害な揮発性の有機溶剤等が存在するような作業環境の工場、作業所等における有害物除去用の送風機としても好適である。
そして、その構造上、ルブリケーターを必要とせず、潤滑油の経費がかからず、また、ルブリケーターへの潤滑油の補給の管理、機器のメンテナンス等が不要である。そして、潤滑油が微細なミストとなって空気中に放出されることがないことから、人体や作業環境に悪影響を及ぼしたり、工場等における原料への混入や汚染が発生したり、製品等に付着したりする恐れがない。
また、この発明の送風機は、構造が簡単であり、発生する音も少なく、また、故障が少なく長寿命であり、安価である。故障しても、回転管継手の寿命が考えられる程度であり、その場合は、回転管継手と回転体を一体として交換するか、または、回転体が回転管継手のチャックによって着脱自在とされていれば、回転管継手のみを交換し、回転体を新たな回転管継手に装着し直せばよく、短時間の修理ですみ、また、修理費用も安価である。
また、この発明の送風機は、コンパクトとすることも可能であって、その場合は、邪魔にならず、設置場所の選択の自由度が大きい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の送風機の一実施の形態の正面図である。
【図2】図1に示す送風機における回転体を示し、(a)は一部破断した正面図、(b)は平面図、(c)は左側面図である。
【図3】図1に示す送風機の一部破断図である。
【図4】図1の送風機を使用する場合の状態を示す説明図である。
【図5】この発明の送風機の他の実施の形態における回転体を示す分解正面図である。
【図6】この発明の送風機のさらに他の実施の形態における回転体を示し、(a)は正面図、(b)は平面図である。
【図7】この発明の送風機のさらに他の実施の形態における回転体を示す正面図である。
【図8】この発明の送風機のさらに他の実施の形態における一部破断分解平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づきこの発明を実施するための形態を更に詳細に説明する。もちろんこの発明は以下の実施の形態によって限定されるものではない。
図1は、この発明の送風機の一実施の形態を示す正面図である。
送風機1は、概略、圧縮空気源から供給される圧縮空気の流路を備えた回転管継手2に、T字状の送風気流発生用の回転体3が、その通気用主軸4の軸線を中心に回転可能に装着されているものである。
【0010】
より具体的には、T字状の送風気流発生用の回転体3は、図2(a)に示されるように、アルミ製の中空の通気用主軸4の先端部4aと噴出管形成用のアルミ製の中空管の中央部とが配管接合され、中空官の両端部が圧接加工され閉鎖されているものであって、中空官は、通気用主軸4の先端部4aによって第1噴出管5と第2噴出管6とに区分され、通気用主軸4は、第1噴出管5と第2噴出管6と通気可能となっている。配管接合は、例えば、ろう着によればよいが、これに限られない。この構造の回転体3は、別言すれば、通気用主軸4の先端部4aをハブとして第1噴出管5と第2噴出管6が180度の放射状、すなわち、直線状に設けられていることになる。回転体3は軽量であることが好ましいことから、材料としてアルミを使用しているが、これに限られない(以下の実施の形態においても同様である。)。
回転体3の通気用主軸4の基端部4bは、後述するように、回転管継手2のチャックによって、着脱自在にチャックされる。
第1噴出管5と第2噴出管6の端部は、扁平となっているが、これに限られるものではない。例えば、第1噴出管5と第2噴出管6の端部が、栓によって閉鎖されているものであってもよい。
また、第1噴出管5と第2噴出管6は、円形断面としているが、これに限られるものではない。例えば、第1噴出管5と第2噴出管6が通気用支軸4の軸線を中心に回転する際、第1噴出管5と第2噴出管6による空気抵抗が少なくなるように扁平な楕円断面としてもよい。
【0011】
第1噴出管5の閉鎖終端部近傍側面(図2(a)参照)には、回転力付与用の噴出口5aが穿設され、また、前面(図2(b)平面図参照)には、気流発生用の噴出口5bが通気用主軸4の先端部との接合箇所からやや外側の位置から閉鎖終端に向かって、その長手方向に沿って一列に複数(図2(b)では5つ)穿設されている。
第2噴出管6の閉鎖終端部近傍側面(図2(a)参照)には、回転力付与用の噴出口6aが穿設され、また、前面(図2(b)平面図参照)には、気流発生用の噴出口6bが通気用主軸4の先端部との接合箇所からやや外側の位置から閉鎖終端に向かって、その長手方向に沿って一列に複数(図2(b)では5つ)穿設されている。
第1噴出管5の回転力付与用の噴出口5a、各気流発生用の噴出口5bと、第2噴出管6の回転力付与用の噴出口6a、各気流発生用の噴出口6bは、通気用主軸4の回転中心に対し点対称の位置に設定されていることが好ましいが、必ずしもこれに限定されない。
【0012】
後述するように、第1噴出管5の回転力付与用の噴出口5aから噴出する圧縮空気による反作用と、第2噴出管6の回転力付与用の噴出口6aから噴出する圧縮空気による反作用で、回転管継手2に装着された回転体3は、通気用主軸4の軸線を中心に、図2(b)で時計方向に回転することになる。つまり、第1噴出管5の回転力付与用の噴出口5aから噴出する圧縮空気の噴出と、第2噴出管6の回転力付与用の噴出口6aから噴出する圧縮空気の噴出は、回転体3の回転方向とは逆方向になされる。回転体3の通気用主軸4の軸線を中心とする回転に伴い、第1噴出管5、第2噴出管6の気流発生用の噴出口5b、6bから噴出された圧縮空気は、螺旋状の空気の流れを生じさせ、一種のサイクロン状の気流の流れとなり、周囲の空気を引き込んだ送風用の気流として送り出されることになる。
【0013】
回転力付与用の噴出口5a、6aは、第1噴出管5、第2噴出管6の閉鎖終端部近傍の側面に、通気用主軸4から等距離に設けられている。これは、回転体3に回転力を与えるのに有効であることによるが、閉鎖終端部近傍だけに限られるものではない。
また、第1噴出管5、第2噴出管6に設けられた気流発生用の噴出口5b、6bの配設箇所、配設間隔等は、適宜決定すればよく、図2に示されたものに限定されるものではない。
【0014】
回転管継手2は、図3に示されるように、固定部9と、これに対し回転可能とされた回転部10を有する。固定部9は、中空となっており、内部に設けられたベアリング11、11に支持された中空シャフト12を有する。なお、固定部9の後端部には、ネジ13が設けられており、後述するように配管を介して、送風機1とは隔離された場所に設置された圧縮空気源(例えば、コンプレッサー)と接続されるのに使用される。
【0015】
回転部10は、中空であって、固定部9に設けられたベアリング11、11に支持された中空シャフト12に、六角穴ボルト15によって固定されており、回転部10が固定部9に対し回転可能となっている。回転部10には、回転体3を着脱自在とするチャック16が設けられている。チャック16は、回転体3の通気用主軸4を挿入すると、その先端によってロック爪17が弾性変形し、回転体3の通気用主軸4を所定位置まで容易に挿入でき、その挿入が完了すると、ロック爪17の変形が弾性回復することで、回転体3の通気用主軸4をロック爪17の弾性を利用してチャックでき、一方、チャック状態において、開放リング18を押圧して、ロック爪17を拡開させることで、回転体3の通気用主軸4のチャックを解除することができる構造のものである。回転部10には、チャック16に挿入された回転体3の通気用主軸4の基端部4bを気密に接続させるための弾性体スリーブ20が配設されている。このような回転管継手2は、空気の漏れなどがなく、低速から高速回転にも適しており、長寿命でもある。
【0016】
送風機1は、回転管継手2の固定部9のネジ13を利用して配管が接続され、送風機1とは隔離された場所に設置された圧縮空気源21と接続される。送風機1の回転の開始、終了、回転速度、ひいては、送風量等の調整は、例えば、図4に示すように、圧縮空気源21から送風機1に至る配管途中に設けた手動の流量調整弁22と圧力計23を利用して行われる。なお、図4においては、サーボモーター等による弁の開閉が微調整可能なバルブ、デジタル圧力計を用い、適宜の制御器によって圧縮空気の流量を制御して送風機1からの送風量等を調整するようにしてもよい。
【0017】
図4は、送風機1を筒状ケース24内の支柱25に支持された取付板26に取り付けたものである。送風機1を取付板26へ取り付けるには、回転管継手2の固定部のネジ13が用いられる。筒状ケース24には、脚27が設けられ、適宜のベースに固定される。
【0018】
次に、図4に示す送風機1による送風操作を説明する。
流量調整弁22を開くと、圧縮空気源21からの圧縮空気が配管を介して送風機1に送られ、回転体3の噴出口から圧縮空気が噴出し、回転体3が回転管継手2に対し回転し、送風が行われる。すなわち、第1噴出管5の回転力付与用の噴出口5aから噴出する圧縮空気による反作用と、第2噴出管6の回転力付与用の噴出口6aから噴出する圧縮空気による反作用で、回転管継手2に装着された回転体3は、通気用主軸4の軸線を中心に、図2(b)で時計方向に回転することになる。回転体3の通気用主軸4の軸線を中心とする回転に伴い、第1噴出管5、第2噴出管6の気流発生用の噴出口5b、6bから噴出された圧縮空気は、螺旋状の空気の流れを生じさせ、一種のサイクロン状の気流の流れとなり、周囲の空気を引き込んだ送風用の気流として送り出されることになる。
送風機1によって発生する送風気流は、圧縮空気源から供給される空気が多く含まれることから、清浄な圧縮空気を供給することで、送風気流を受ける対象物に清浄な送風気流を供給でき、送風気流を受ける対象物が汚染等される恐れが低い。
圧力計23は、圧縮空気の流量、従って、送風機1の回転速度等を確認するのに使用される。
送風を中止または終了するには、流量調整弁22を閉じればよい。
【0019】
送風機1は、圧縮空気によって駆動されることから、電気モーターのような火花を発生することがなく、揮発性の有機溶剤、ガソリン、粉塵等が存在するような引火や爆発の危険性のある作業環境の工場、作業所等における防爆用の送風機として使用することができる。これに限られず、有害な揮発性の有機溶剤等が存在するような作業環境の工場、作業所等における有害物除去用の送風機等としても使用できる。
そして、その構造上、ルブリケーターを必要とせず、潤滑油の経費がかからず、また、ルブリケーターへの潤滑油の補給の管理、機器のメンテナンス等が不要である。そして、潤滑油が微細なミストとなって空気中に放出されることがないことから、人体や作業環境に悪影響を及ぼしたり、工場等における原料への混入や汚染が発生したり、製品等に付着したりする恐れがない。
また、送風機1は、構造が簡単であり、発生する音も少なく、また、故障が少なく長寿命であり、安価である。
そして、故障しても、回転管継手2の寿命が考えられる程度であり、その場合は、回転体3が回転管継手2のチャック16によって着脱自在とされていることから、開放リング18を押圧して、回転管継手2から回転体3を取り外し、新たな回転管継手2と交換し、その後、回転体3の通気用主軸4の基端部4bを交換した回転管継手2のチャック16に挿入するだけでよく、短時間の修理ですみ、また、修理費用も安価である。
また、送風機1は、コンパクトであって、邪魔にならず、設置場所の選択の自由度が大きい。
【0020】
図5に、この発明の送風機の他の実施の形態における回転体を示す。
図5に示す回転体31は、T字管継手32に通気用主軸33、第1噴出管34、第2噴出管35がネジ接続されているものである。T字管継手32は、第1噴出管34、第2噴出管35に対してはハブを構成する。
回転体31を回転管継手に装着した状態や、その使用態様等については、図1に示す送風機と同様であることから、説明を省略する。
【0021】
図6に、この発明の送風機のさらに他の実施の形態における回転体を示す。
図6に示す回転体41は、第1噴出管42の終端部が曲げられて端部に回転力付与用の噴出口42aを有するノズルが設けられ、第2噴出管43の終端部が曲げられて端部に回転力付与用の噴出口43a有するノズルが設けられた点が、図1に示す回転体と相違するものである。
回転体41を回転管継手に装着した状態や、その使用態様等については、図1に示す送風機と同様であることから、説明を省略する。
【0022】
図7に、この発明の送風機のさらに他の実施の形態における回転体を示す。
図7に示す回転体51は、翼となるブレード52aを設けた第1噴出管52と翼となるブレード53aを設けた第2噴出管53を採用した点が、図1に示す回転体と相違するものである。
このような回転体51は、通気用主軸54の回転によって、気流発生用の噴出口52b、53bからの圧縮空気の噴出による送風用の気流に加え、さらに、ブレード52a、53aが回転翼として機能し、これによっても送風用の気流を発生させることになる。
回転体51を回転管継手に装着した状態や、その使用態様等については、図1に示す送風機と同様であることから、説明を省略する。
なお、翼を設けることに代え、噴出管52、噴出管53自体を中空の回転翼に似た形状としてもよい。
【0023】
図8に、この発明のさらに他の実施の形態の送風機を示す。
図8に示す送風機61は、回転体62の基端部に雄ネジ62aが設けられ、回転管継手63の回転部64に雌ネジ64aが設けられ、回転体62と回転管継手63が着脱自在とされた点が、図1における送風機と相違するものである。
この送風機61の使用態様等については、図1に示す送風機と同様であることから、説明を省略する。
回転体62を回転管継手63に着脱自在とする構造は、前記した構造に限られるものではない。
【0024】
なお、回転体と回転管継手の回転部とは一体とした送風機であってもよい。この送風機が故障した場合は、送風機全体を交換することになる。
【0025】
以上の送風機においては、回転体は、図1に示されるT字状、すなわち、通気用主軸の先端部をハブとして第1噴出管と第2噴出管が直線状に設けられているものに限られず、3本以上の複数の噴出管がハブを中心に放射状に設けられたものであってもよい。例えば、ハブを中心に120゜の角度で3本の噴出管が設けられている回転体、ハブを中心に90゜の角度で4本の噴出管が設けられている回転体であっても、さらに、多くの噴出管がハブを中心に設けられたものであってもよい。
【符号の説明】
【0026】
1 送風機
2 回転管継手
3 回転体
4 通気用主軸
5 第1噴出管
5a 回転付与用の噴出口
5b 気流発生用の噴出口
6 第2噴出管
6a 回転付与用の噴出口
6b 気流発生用の噴出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮空気源から供給される圧縮空気の流路を備えた回転管継手に、噴出管が通気用主軸を中心として放射状に設けられた送風気流発生用の回転体が、前記通気用主軸の軸線を中心に回転可能に装着され、
前記噴出管には、前記回転体の回転方向と逆方向に向けて圧縮空気を噴出する回転力付与用の噴出口と、送風方向に向かう気流として送り出す気流発生用の噴出口が設けられ、
前記回転体を、前記回転力付与用の噴出口から噴出する圧縮空気の反作用で前記通気用主軸の軸線を中心に回転させるとともに、前記気流発生用の噴出口から噴出する圧縮空気と、それによって引き込まれた空気を送風用の気流として送り出すことを特徴とする送風機。
【請求項2】
前記噴出管の閉鎖終端部近傍の側面に、前記回転体の回転方向と逆方向に向けて圧縮空気を噴出する回転力付与用の噴出口が設けられるとともに、前記噴出管の前面に気流発生用の噴出口が長手方向に沿って列状に配設されてなることを特徴とする請求項1記載の送風機。
【請求項3】
前記噴出管の終端に、前記回転体の回転方向と逆方向に向けて圧縮空気を噴出する回転力付与用の噴出口を有するノズルが設けられるとともに、前記噴出管の前面側に気流発生用の噴出口が長手方向に沿って列状に配設されてなることを特徴とする請求項1記載の送風機。
【請求項4】
前記回転体は、噴出管が前記通気用主軸の先端部に設けられたT字状体であることを特徴とする請求項1、2または3記載の送風機。
【請求項5】
前記噴出管は、前記通気用主軸を中心として回転することで送風方向の気流を発生する回転翼ともなっており、前記気流発生用の噴出口からの圧縮空気の噴出による送風用の気流に加えさらに送風用の気流を発生させることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の送風機。
【請求項6】
前記回転管継手は、前記回転体の通気用主軸の基端部を着脱自在とするチャックを有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の送風機。
【請求項7】
前記回転管継手、および、前記回転体が、筒状ケース内に設けられていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の送風機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−202287(P2012−202287A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−67393(P2011−67393)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 1.研究集会名 からくり改善くふう展2010 2.主催者名 社団法人日本プラントメンテナンス協会 3.開催日 平成22年10月7日、8日
【出願人】(000181228)株式会社ジーシーデンタルプロダクツ (15)
【Fターム(参考)】