説明

逆流洗浄式円筒形濾過装置

【課題】濾過装置のフィルターを円形から円筒状にすると濾過面積は大きく出来るが、目詰まりした後に円筒状フィルターを逆流洗浄しても僅かな面積しか洗浄出来ないため、再洗浄までの濾過運転可能時間は短く、円筒状フィルターの濾過面積の大きさを活用出来ていない。円筒状フィルターの全面を確実に逆流洗浄して、再濾過可能運転時間を延長し、消費エネルギーを低減し、省力化する。
【解決手段】逆流洗浄時に目詰まりした円筒状フィルターの洗浄を一部の面に限定するため、逆流する流体の流路を小さな面積の濾過面拡張溝及び残渣排出スリットで限定して確実に逆流洗浄し、この残渣排出スリットまたはフィルターカセットを移動することにより円筒状フィルターの全面を確実に逆流洗浄する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
微細な浮遊物を除去するクリーンルーム用空気濾過装置、焼却炉などの粉塵を濾過する排気濾過装置などの気体の濾過装置や、半導体洗浄液や排液中の異物濾過装置や溶融プラスチックなどの高温、高圧の溶融流体中の異物の濾過装置などの液体用の濾過装置に関する。
【背景技術】
【0002】
クリーンルームに空気を送り込むための濾過装置には、微細な浮遊異物を濾過するため焼結フィルターが主に使用され、フィルター通過時の圧力損失を少なくするため面積の大きい円筒状フィルターが多用されているが、効果的な洗浄方法が無く、多くは使用後に廃棄されている。
【0003】
焼却炉などの粉塵が発生する設備には、集塵のためにバッグフィルターなどが濾過装置に良く使用され、目詰まりしてきたときに、フィルターを振動させて粉塵を落としたり、複数の濾過装置を設置して、他の装置で濾過された気体を目詰まりしたフィルターに逆流させて粉塵を落としている。
【0004】
洗浄液や排液の濾過にも円筒状のフィルターが使用され、濾過液を逆流させたり、空気を逆流させたり、洗浄効果を上げるために粒状濾過材を流入側に装填して逆流洗浄の効果を上げている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
溶融プラスチックの濾過にはフィルターとしてステンレス製の金網が使用され、円形及び円筒状のフィルターを複数使用して、フィルターを反転させたり弁の切り替えにより逆流洗浄している(例えば、特許文献2、非特許文献1及び非特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】 実用新案公開平3−90612 公報
【特許文献2】 特許公開平10−278096 公報
【非特許文献1】 「オーストリア国ECON社のスクリーンチェンジャーカタログ」、アルテックエーアールエス株式会社
【非特許文献2】 「イタリア国COFIT社の自洗式スクリーンチェンジャーAP型カタログ」、サンビック株式会社
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
円筒状フィルターの逆流洗浄時にフィルターの有効面積を全面にわたり確実に洗浄できる逆流洗浄式円筒形濾過装置を提供する。
【0008】
濾過機能を停止することなく連続して逆流洗浄を行える逆流洗浄式円筒形濾過装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
円筒形フィルター又は帯状フィルターを巻いて円筒状にしたフィルターを、流体が通過可能な多数の孔をあけた外側多孔円筒4と、この外側多孔円筒4に嵌合される内側多孔円筒2によりその間に保持し、円筒状フィルター3が高い差圧にも耐えられるように補強し、破損しにくくする。
【0010】
外側多孔円筒4の内面には、外側多孔円筒4の軸方向に円筒状フィルター3の長さに略等しい長さの濾過面拡張溝4Bを隣接して多数形成してその濾過面拡張溝に多数の流通孔4Aを形成し、内側多孔円筒2の外面には内側多孔円筒2の軸方向に円筒状フィルター3の長さに略等しい長さの濾過面拡張溝2Bを隣接して多数形成してその濾過面拡張溝に多数の流通孔2Aを形成し、流通孔を通過した流体をこれらの濾過面拡張溝により円筒状フィルター3全面に広げる。
【0011】
円筒状フィルター3の内面を濾過面とする濾過装置においては、外側多孔円筒4の内面の濾過面拡張溝4Bは円筒の軸方向に形成する他に、円周溝や、螺旋溝としてもよく、濾過面を拡張する効果に変わりは無い。同様に円筒状フィルター3の外面を濾過面とする濾過装置においては、内側多孔円筒2の外面の濾過拡張溝2Bは円筒の軸方向に形成する他に、円周溝や、螺旋溝としてもよい。
【0012】
内側多孔円筒2の内径に接し回転自在な残渣排出棒6を設け、残渣排出棒6の内部に残渣排出通路6Bを形成し、残渣排出棒6の外周面より残渣排出通路6Bに通じ、内側多孔円筒2の濾過面拡張溝2Bに相当する開口巾と円筒状フィルター3の長さと略同一の開口長さの残渣排出スリット6Aを形成する。
【0013】
外側多孔円筒4及び円筒状フィルター3及び内側多孔円筒2及び残渣排出棒6は組立てられて一体で取扱えるフィルターカセット12を構成する。
【0014】
フィルターカセット12を挿入するケーシング5は、ケーシング流入口1Bと濾過後のケーシング流出口7Bを具備し、外側多孔円筒4の多孔部の周りにケーシング流出口7Bに通じる流出通路5Aを形成する。
【0015】
フィルターカセット12の流入側には、流入側開閉弁9を設けて逆流洗浄時及びフィルターカセット12の取り外し時には流体の流入を止める。
【0016】
フィルターカセット12の流出側には流出側開閉弁10を設けて、フィルターカセット12を取り外す時には、流入側開閉弁9と流出側開閉弁10を閉じてケーシング5内部への流体の流入を止める。
【0017】
逆流洗浄時に円筒状フィルター3を通過する逆流量を調整したり、逆流を停止するために、残渣排出棒6の残渣排出通路6B又は残渣排出口8に残渣排出弁11を設ける。
【0018】
残渣排出棒6を回転させるため、歯車、スプロケット、チェーンなどの動力伝達機器14と電動機などの駆動源13を組込む。
【0019】
以上は円筒状フィルター3の内側を濾過面とする逆流洗浄式円筒形濾過装置の解決手段であるが、円筒状フィルター3の外側を濾過面とする逆流洗浄式円筒形濾過装置の場合は図2のように、残渣排出スリット6A、残渣排出通路6Bをケーシング5組込み、必要に応じ孔無し部4Cを形成した外側多孔円筒4と円筒状フィルター3と内側多孔円筒とでフィルターカセット12Aを構成し、このフィルターカセット12Aを回転自在にケーシング5に組込み、逆流洗浄時は流入側開閉弁9を閉じて、このフィルターカセット12Aを回転する。
【発明の効果】
【0020】
図3及び図4により説明する。図3は従来より広く使用されている丸形フィルター3Aを使用した逆流洗浄濾過装置のフィルター部の断面図、図4は円筒状フィルター3を使用した逆流洗浄装置のフィルター部の断面図であるが、流体を逆流させてフィルターの全面積に圧力を掛ける時、排出口に近いなどフィルターの剥離され易い一部の面の異物が剥離洗浄され、洗浄されて抵抗の少なくなったフィルターの一部に流体が集中して容易に逆流するため、まだ洗浄されていない部分には異物を剥離するための十分な差圧が掛からなくなり、長時間沢山の流体を無駄に排出しても洗浄された部分の面積をそれ以上広げるのは難しい。
【0021】
図5、図6及び図7により説明する。円筒状フィルター3を使用し円筒の長さを直径と同じにすると、円形フィルター3Aに比べて面積が4倍となり、目詰まりするまでの使用時間も4倍に出来る利点がある。しかしながら図5に示す円筒状フィルター3を展開した目詰まりしていないフィルターの部分3Bも濾過運転に伴い図6に示す異物が目詰まりしたフィルターの部分3Cとなり、逆流洗浄しても図7に示すように、ほんの一部の異物が逆流により洗浄されたフィルターの部分3Dが生じてくると、流体は異物が逆流により洗浄された透過抵抗の小さいフィルターの部分3Dを容易に通過してしまうため、残っている異物が目詰まりしたフィルターの部分3Cには十分な圧力が掛からなくなり異物を剥離出来なくなるので、長時間沢山の流体を逆流させても洗浄された3D部分をそれ以上広げるのは難しい。
【0022】
フィルターの孔や隙間にめり込み付着した異物を逆流により剥離するために必要なフィルターの差圧は流体の粘度、フィルターの有効濾過面積、フィルターの透過抵抗とで決まってしまうため、一定の面積が洗浄されて容易に逆流出来るようになると、差圧が小さくなって異物を剥離出来なくなり、それ以上の面積を洗浄するのは難しく、円筒状フィルター3を使用して濾過面積を増やしても、従来の逆流洗浄では異物を剥離して回復出来る有効濾過面積は全フィルター面積のほんの一部しか期待出来ない。
【0023】
内側多孔円筒2の外面に形成された濾過面拡張溝2Bの1本の外周面積を、図7の異物が逆流により洗浄されたフィルターの部分3Dの面積以下に設定し、濾過面拡張溝2Bとほぼ同一の開口巾と開口長さを持つ残渣排出スリット6Aを使用すれば、逆流する流体は濾過面拡張溝2Bの1本分のフィルター面積を集中して通過するため、フィルターの単位面積当たりの流量が多く、フィルターにめり込んだ異物を剥離するに十分な差圧を発生させ、その1本分の面積を確実に洗浄することが出来る。
【0024】
図8、図9及び図10により説明する。図8は目詰まりしていない円筒状フィルター3を展開し、図1に明示された内側多孔円筒2の流通孔2Aと濾過面拡張溝2B及び残渣排出スリット6Aを重ねた図である。濾過運転に伴い異物が付着し図9のようにフィルターは目詰まりして3Cとなる。
【0025】
残渣排出棒6を廻して残渣排出スリット6Aを内側多孔円筒2の孔無し部2Cから流通孔2A部に移動し、流体を逆流させると、流体は残渣排出スリット6Aに通じる濾過面拡張溝2Bの面だけの円筒状フィルター3の面にのみ集中して逆流し、その小さな面に異物を剥離するに十分な圧力を掛け、異物を確実に剥離する。
【0026】
さらに残渣排出棒6を廻して残渣排出スリット6Aを移動すると、流体は残渣排出スリット6Aの移動に伴い新たな位置の残渣排出スリット6Aに通じる濾過面拡張溝2Bの面だけの円筒状フィルター3の面にのみ集中して逆流し、既に洗浄されたフィルターの部分3Dには流れないため、新たな小さな面に異物を剥離するに十分な圧力を掛け、異物を確実に剥離する。
【0027】
その結果、図10に示す様に残渣排出スリット6Aが通過したフィルター部分は洗浄された3Dとなり、さらに残渣排出棒6を回転させれば円筒状フィルター3の全面を確実に洗浄することが出来る。
【0028】
逆流洗浄時に円筒状フィルター3は内側多孔円筒2により保持されて高い圧力にも耐えるので、巾の狭い濾過面拡張溝2Bの狭いフィルター面に高い流速と差圧を掛けて洗浄度を上げられる。
【0029】
逆流する流体をフィルターの小さな面積に集中させてその部分を確実に洗浄しながら、残渣排出棒6を回転させると、結果として円筒状フィルター3の全面を十分に確実に洗浄し、再濾過運転時にも円筒状フィルター3の全面が濾過面として機能する。
【0030】
このため本考案による逆流洗浄後は、再濾過運転可能時間が長くなり、逆流洗浄の回数を減らせるので、作業者が逆流洗浄のために開閉弁を操作する回数も減り省力化出来る。
【0031】
また円筒状フィルター3の面積を小さくし濾過装置全体を小型化出来る。
【0032】
本考案による逆流洗浄後は円筒状フィルター3の全面が濾過面として機能し且つ洗浄度も高いので、再濾過運転時にはフィルター前後の差圧が下がり流体を送る動力が低減され、消費エネルギーを削減出来る。
【0033】
残渣排出スリット6Aの開口面積は小さいので、逆流洗浄に消費される流体の量を少なく出来るので、溶融プラスチックなどでは、材料のロスを減らせる。
【0034】
残渣排出棒6を常時連続して回転させれば、逆流洗浄のために作業者が開閉弁の操作をする必要が無くなり省力化出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
フィルターカセット12を複数個使用すれば、その内の1個を逆流洗浄中にも他のフィルターカセット12で濾過を継続できるので、濾過装置を停止することなく濾過運転することが出来るので、フィルターカセット12を最小複数の2個使用した図11、図12及び図13により説明する。
【0036】
図11はフィルターカセット12を2個使用し、各フィルターカセット12の前後に開閉弁9及び10を設けている。濾過装置流入口1Aから入った流体は左右に分かれて、右側は流入側右側開閉弁9Rを通ってケーシング流入口1Bよりフィルターカセット12Rに流入し、内側多孔円筒2の内側から内側多孔円筒2の流通孔2Aと濾過拡張溝2B、円筒状フィルター3及び外側多孔円筒4の濾過拡張溝4Bと流通孔4Aを順次通ってケーシング5R内の流出通路5Aを通り、ケーシング5Rの流出口7Bより流出側右側開閉弁10Rを通って濾過装置の流出口7Aより流出する。左側も同様である。
【0037】
図12は流入側右側開閉弁9Rを閉じて、残渣排出棒6Rを回転させ残渣排出スリット6Aを内側多孔円筒2の流通孔2Aに合わせた状態にある。左側のフィルターカセット12Lは濾過の状態にあり、流出側左側開閉弁10Lを通り濾過装置流出口7Aへ向かう流体の一部は流出側右側開閉弁10Rを通って右側のケーシング5Rの流出口7Bと流出通路5Aより逆流し、さらに外側多孔円筒4の流通孔4Aと濾過面拡張溝4B、円筒状フィルター3及び内側多孔円筒2の濾過面拡張溝2Bと流通孔2Aを逆流して円筒状フィルター3を洗浄する。このときフィルターを逆流洗浄する流体は残渣排出スリット6Aの狭い開口部にのみ集中して逆流し、残渣排出スリット6Aから残渣排出通路6Bを通って残渣と共に排出される。
【0038】
図13は、左側のフィルターカセット12Lは濾過の状態にあるが、流入側右側開閉弁9Rを閉じ、また流出側右側開閉弁10Rも閉じて流体の右側のケーシング5Rへの流入を止めた状態で右側ケーシング5Rに挿入されていたフィルターカセット12Rを取り外した状態を表示している。
【0039】
逆流洗浄を繰返し行ううちに、流体や濾過された異物の化学変化などにより円筒状フィルター3が目詰まりして逆流洗浄の効果が低下した時などには円筒状フィルター3を交換する必要が有り、このために取り外したフィルターカセット12を図14に表示する。
【0040】
高温度の排ガス濾過装置や粘度が高く残渣排出棒6の回転に大きな力を必要とする溶融プラスチックの濾過装置などには、図15の様にモーターを駆動源13としスプロケット、チェーンを動力伝達機器14として組合わせて残渣排出棒6を回転させることが望ましい。
【0041】
図8で明らかな様に、円筒状フィルター3の全面積に比べて、内側多孔円筒2の濾過面拡張溝2Bの面積と残渣排出スリット6Aの開口面積は数パーセント以下に収めることが出来るので、クリーンルーム用の空気濾過装置や廃液濾過装置など、流体に価値が無く、流体を供給するためのエネルギーが少なくて済む場合は、逆流洗浄のための人件費を削減するため、図15のように駆動源13としてモーターを使用し動力伝達機器14で残渣排出棒6を常時回転させて、常時逆流洗浄をしながら濾過運転するのが望ましい。
【0042】
図15に図示された残渣排出棒6に形成された残渣排出弁11の開閉度を調節することにより、残渣の排出のために消費される濾過済み流体の流量は洗浄に必要な最低限に調整出来るので流体のロスを減らせる。
【0043】
溶融プラスチックなどの高温、高圧の濾過装置については、図16に示された様に、1個のケーシング5に複数のフィルターカセット12、流入側開閉弁9及び流出側開閉弁10を組込んだ方が放熱を減らして省エネルギーとなり、高圧に耐えるので全体を小型化出来る。
【0044】
焼却炉などの気体の濾過装置は大型で溶接構造となり、また熱膨張による部品の変形も大きいため、内側多孔円筒2の内径や残渣排出棒6の外径の精度を上げられないため、内側多孔円筒2と残渣排出棒6との間には適度な隙間が必要である。この時内側多孔円筒2の孔無し部2Cに残渣排出スリット6Aを合わせても気体が漏洩してしまうので、図17に示された様に残渣排出通路6B又は残渣排出口8に残渣排出弁11を設け、濾過運転時にはこの残渣排出弁11を閉じ、逆流洗浄時にのみ残渣排出弁11を開くことにより濾過済みの流体の損失を減らすことが出来る。
【0045】
大きな濾過面積が必要な場合は大径の円筒状フィルター1個よりも、例えば径が大径の円筒状フィルターの25%の小径円筒状フィルター1個を中心にして周りに放射状に同様の小径円筒状フィルター6個を配置すると、同じ設置断面積中に75%増のフィルター面積が得られる。小径の円筒状フィルターを使用した中心のフィルターカセット12Aとその周りにフィルターカセット12Bを6個配置し、回転伝達のために歯車14Aを使用して、中心のフィルターカセット12Aをモーター13と動力伝達装置14で回転させる逆流洗浄式円筒形濾過装置の断面図を図18に示す。
【0046】
フィルターカセット12を2個使用する場合は、1個を逆流洗浄中には残りの1個で濾過運転を担うので、各円筒状フィルター3は装置の全流量を濾過出来るだけの濾過面積を必要とし大きなものとなってしまう。図19では6個のフィルターカセット12を組込んでいるので、1個のフィルターカセット12Cを洗浄中で1個のフィルターカセット12Dを取外し中であっても、残りの4個のフィルターカセット12E、12F、12G,12Hで濾過を担えるので、各円筒状フィルターの濾過面積は小さくても良い。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】 本考案による逆流洗浄式円筒形内側濾過装置における内側多孔円筒2、円筒状フィルター3、外側多孔円筒4及び残渣排出棒6で構成されるフィルターカセット12をケーシング5に挿入した断面図である。
【図2】 本考案による逆流洗浄式円筒形外側濾過装置における内側多孔円筒2、円筒状フィルター3、外側多孔円筒4で構成されるフィルターカセット12A及び残渣排出スリット6Aと残渣排出通路6Bをケーシング5に挿入した断面図である。
【図3】 円形フィルター3Aを使用した従来の逆流洗浄装置の断面図である。
【図4】 円筒状フィルター3を使用した従来の円筒形逆流洗浄濾過装置の断面図である。
【図5】 従来の円筒型逆流洗浄濾過装置における流通孔を、全面を洗浄されている円筒状フィルターを展開して重ね合わせた図面である。
【図6】 図5が濾過運転後に目詰まりした状態の図面である。
【図7】 図6が逆流洗浄された後、フィルター面の大部分が洗浄出来ずに残っている図面である。
【図8】 本考案による流通孔2A、濾過面拡張溝2Bと残渣排出スリット6Aを、全面を洗浄された円筒状フィルターを展開して重ね合わせた図面である。
【図9】 図8が濾過運転後に目詰まりした状態の図面である。
【図10】 本考案による残渣排出スリット6Aを残渣排出棒6を回転させることにより移動した結果、目詰まりしていたフィルター面が残渣洗浄スリット6Aの移動に伴い一部が洗浄された状態を示す図面である。
【図11】 フィルターカセッ12を2個使用した逆流洗浄式円筒形濾過装置で、フィルターカセット12が2個共濾過をしている状態の断面図である。
【図12】 フィルターカセット12を2個使用した逆流洗浄式円筒形濾過装置で、左側のフィルターカセット12Lは濾過をしている状態だが、右側のフィルターカセット12Rは逆流洗浄中の状態にある断面図である。
【図13】 フィルターカセット12を2個使用した逆流洗浄式円筒形濾過装置で、左側のフィルターカセット12Lは濾過をしている状態だが、流入側右側開閉弁9Rと流出側右側開閉弁10Rを閉じて右側フィルターカセット12Rを取り外した状態にある断面図である。
【図14】 本考案による内側濾過式フィルターカセット12の断面図である。
【図15】 フィルターカセット12を2個使用した逆流洗浄式円筒形濾過装置で、残渣排出棒6に残渣排出弁11を組込んで逆流量を調整し、駆動源13としてモーター及び動力伝達機器14により残渣排出棒6を連続回転させる逆流洗浄式円筒形濾過装置の断面図である。
【図16】 1個のケーシングに2個のフィルターカセット12を装着し、流入側開閉弁9及び流出側開閉弁10を各左右に組込んだ逆流洗浄式円筒形濾過装置の断面図である。
【図17】 残渣排出弁11を組込んだ、焼却炉などの排ガス中の粉塵などの濾過装置の断面図である。
【図18】 1個のケーシング5に7個の小径フィルターカセット12を組込み、流入側開閉弁9及び流出側開閉弁10を各1個使用した逆流洗浄式円筒形濾過装置の断面図である。
【図19】 1個のケーシング5に流入側開閉弁9、フィルターカセット12及び流出側開閉弁10を6セット装着した逆流洗浄式円筒形濾過装置の断面図である。
【符号の説明】
【0048】
1A 濾過装置流入口
1B ケーシング流入口
2 内側多孔円筒
2A 流通孔
2B 濾過面拡張溝
2C 孔無し部
3 円筒状フィルター
3A 円形フィルター
3B 目詰まりしていないフィルターの部分
3C 異物が目詰まりしたフィルターの部分
3D 異物が逆流により洗浄されたフィルターの部分
4 外側多孔円筒
4A 流通孔
4B 濾過面拡張溝
4C 孔無し部
5 ケーシング
5A 流出通路
5R 右側ケーシング
5L 左側ケーシング
6 残渣排出棒
6A 残渣排出スリット
6B 残渣排出通路
7A 過装置流出口
7B ケーシング流出口
8 残渣排出口
9 流入側開閉弁
9R 流入側右側開閉弁
9L 流入側左側開閉弁
10 流出側開閉弁
10R 流出側右側開閉弁
10L 流出側左側開閉弁
11 残渣排出弁
11R 右側残渣排出弁
11L 左側残渣排出弁
12 フィルターカセット
12A 外側濾過用フィルターカセット
12R 右側フィルターカセット
12L 左側フィルターカセット
12A 中心に組込んだ小径フィルターカセット
12B 12Aの周りに組込んだ小径フィルターカセット
13 駆動源
14 動力伝達機器
14A 歯車

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着脱可能な多孔円筒を内外2個使用し、内外円筒の間に円筒状フィルターを装着して、内側多孔円筒の内側より流入させた流体中の異物を円筒状フィルターの内側で濾過した後、外側多孔円筒とその外側の流出通路を通して流出させる円筒形内側濾過装置において、流入側に設けた開閉弁を閉じて流入を停止したときに、外側多孔円筒の外周の流出通路より流体を逆流させて、外側多孔円筒と円筒状フィルターを逆流し円筒状フィルターの内側に引っ掛っていた異物を剥離して内側多孔円筒の内側に濾過された残渣を排出させる逆流洗浄式円筒形内側濾過装置において、内側多孔円筒の外周に円筒の軸方向の巾の狭い濾過面拡張溝を隣接して多数形成し、この濾過面拡張溝に流通孔を多数形成した内側多孔円筒を使用し、この内側多孔円筒の内側に内側多孔円筒の濾過面拡張溝に相当する開口巾と円筒状フィルターの長さと略同一の開口長さの残渣排出スリットと残渣排出通路とを円筒の軸方向に有する残渣排出棒を回転させて逆流洗浄を行う逆流洗浄式円筒形濾過装置。
【請求項2】
上記請求項1に記載された逆流洗浄式円筒形濾過装置において、残渣排出スリットの数と位置に相当する部分だけ内側多孔円筒の外周の濾過面拡張溝と流通孔を形成しないで残渣排出スリットを内側多孔円筒の孔無し部に合わせたときには排出しない構造とした逆流洗浄式円筒形濾過装置。
【請求項3】
着脱可能な多孔円筒を内外2個使用し、内外円筒の間に円筒状フィルターを装着して、外側多孔円筒の外側より流入させた流体中の異物を円筒状フィルターの外側で濾過した後、内側多孔円筒とその内側の流出通路を通して流出させる円筒形外側濾過装置において、流入側に設けた開閉弁を閉じて流入を停止したときに、内側多孔円筒の内側の流出通路より流体を逆流させて、内側多孔円筒と円筒状フィルターを逆流し円筒状フィルターの外側に引っ掛っていた異物を剥離して外側多孔円筒の外側に濾過された残渣を排出させる逆流洗浄式円筒形外側濾過装置において、外側多孔円筒の内側に円筒の軸方向の巾の狭い濾過面拡張溝を隣接して多数形成し、この濾過面拡張溝に流通孔を多数形成した外側多孔円筒を使用し、この外側多孔円筒の外側のケーシングに外側多孔円筒の濾過面拡張溝に相当する開口巾と円筒状フィルターの長さと略同一の開口長さの残渣排出スリットと残渣排出通路とを形成し、内外の多孔円筒をその間の円筒状フィルターと一体として回転させて逆流洗浄を行う逆流洗浄式円筒形濾過装置。
【請求項4】
上記請求項3に記載された逆流洗浄式円筒形濾過装置において、残渣排出スリットの数と位置に相当する部分だけ外側多孔円筒の内側の濾過面拡張溝と流通孔を形成しないで外側多孔円筒の孔無し部を残渣排出スリットに合わせたときには排出しない構造とした逆流洗浄式円筒形濾過装置。
【請求項5】
上記請求項1、請求項2、請求項3及び請求項4に記載された逆流洗浄式円筒形濾過装置において内外の多孔円筒の流通孔をスリットにて置き換えた内外円筒を使用した逆流洗浄式円筒形濾過装置。
【請求項6】
上記請求項1、請求項2、請求項3、請求項4及び請求項5に記載された逆流洗浄式円筒形濾過装置において、残渣排出スリットを巾の狭い溝とし、この溝と残渣排出通路とを複数の孔で導通させた残渣排出溝に置き換えた逆流洗浄式円筒形濾過装置。
【請求項7】
上記請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5及び請求項6に記載された逆流洗浄式円筒形濾過装置において、残渣排出通路又は残渣排出口に残渣の排出速度を調整するための弁を設けてなる逆流洗浄式円筒形濾過装置。
【請求項8】
上記請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6及び請求項7に記載された逆流洗浄式円筒形濾過装置において、請求項1の残渣排出棒又は請求項2の内外の多孔円筒をその間の円筒状フィルターと一体として連続回転させ、濾過された流体の一部を逆流させて連続して洗浄を行う逆流洗浄式円筒形濾過装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−34656(P2009−34656A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−220367(P2007−220367)
【出願日】平成19年8月1日(2007.8.1)
【出願人】(507044321)合同会社T.S&C (4)
【Fターム(参考)】