逆流防止弁構造
【課題】完全に逆流を防止することができ、シンプルかつ圧力調整が不要な逆流防止弁構造を提供する。
【解決手段】逆流防止弁構造は、上流側液体又は気体通路部11と下流側液体又は気体通路部12の間に弁体収容部13を有するハウジング1と、このハウジング1の弁体収容部13に圧着収容されたゴム弾性材料製の弁体2からなる。上流側液体又は気体通路部11は、ハウジング1内に弁体2に密接する位置まで突出しており、弁体2によりその上流側液体又は気体通路111が閉鎖されている。弁体2には透孔22が設けられており、上流側液体又は気体通路111から下流側に向かう流体の圧力により弁体2が変形して上流側液体又は気体通路111が開放され、透孔22を介して上流側液体又は気体通路111と弁体2の下流側が流体連通するようになっている。嵌合部25は、三角形、四角形などの多角形でもよい。
【解決手段】逆流防止弁構造は、上流側液体又は気体通路部11と下流側液体又は気体通路部12の間に弁体収容部13を有するハウジング1と、このハウジング1の弁体収容部13に圧着収容されたゴム弾性材料製の弁体2からなる。上流側液体又は気体通路部11は、ハウジング1内に弁体2に密接する位置まで突出しており、弁体2によりその上流側液体又は気体通路111が閉鎖されている。弁体2には透孔22が設けられており、上流側液体又は気体通路111から下流側に向かう流体の圧力により弁体2が変形して上流側液体又は気体通路111が開放され、透孔22を介して上流側液体又は気体通路111と弁体2の下流側が流体連通するようになっている。嵌合部25は、三角形、四角形などの多角形でもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は逆流防止弁構造に関し、さらに詳しくは、本発明は、血液回路、輸液セット、輸血セットなどの医療用具、又、特に現行組み込まれていない採血管用針ないしホルダー部内において、採血時における逆流を防止する安全対策として、逆流防止弁を組み込むことを想定したものも含むものであり、液体および気体が流れる医療用具製品・工業製品などに好適な逆流防止弁構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、輸液や輸血などの治療を行なう場合、他の薬液を混注する操作が多用されている。この混注操作は、通常、輸液セットや輸血セットに設けられた混注部に、薬液を収納したシリンジの先端チップを直接接続して、または、この先端チップに取り付けた注射針を穿刺して行われる。混注操作において、これを行っていない場合、輸液や血液の逆流が起こり、輸液や血液が混注部からのリークする虞があるため、一般に、薬液の逆流を防ぐために逆流防止弁が使用されている。また、補液回路などにおいては、一方向に流し、逆流を防止する目的で逆流防止弁が使用されている。また最近、採血管用針においても、採血の手順を誤ると採取した血液の逆流が起こり、人体に好ましくない影響を及ぼすという報告がなされている。この恒久対策として逆流防止弁を組み入れることは、根本的解決の1つである。逆流防止弁としては、現在ダックビルタイプやアンブレラタイプのもの、ボール弁、フート弁等が知られているが、医療用具では一般的にダックビルタイプのものが多用されている。
しかしながら、上記従来の逆流防止弁は、いずれも液体や気体の逆流を完全には防止することが出来ない場合があり、また、個々の製品間にバラツキが出やすいという欠点を有している。また、ダックビルタイプ、アンブレラタイプ等の逆流防止弁は、圧力調整をすることができない場合が多いことも否定できないのが現状である。
【特許文献1】特開平9−173470号公報
【特許文献2】特開2001−061971号公報
【特許文献3】特開2001−286561号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、如上の事情に鑑みてなされたもので、完全に逆流を防止することができ、かつ、従来タイプのものよりシンプルなもので圧力調整が不要な逆流防止弁構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の逆流防止弁構造は、上記の課題を解決するもので、上流側液体又は気体通路部と弁体収容部を有するハウジングと、このハウジングの弁体収容部に圧着収容されたゴム弾性材料製の弁体を含む構造体であって、前記上流側液体又は気体通路部は、前記ハウジング内に前記弁体に密接する位置まで突出して、この弁体により上流側液体又は気体通路が閉鎖されており、前記弁体には透孔が設けられており、前記上流側液体又は気体通路から下流側に向かう流体の圧により前記弁体が容易に変形して前記上流側液体又は気体通路が開放される。前記透孔を介して前記上流側液体又は気体通路と前記弁体の下流が流体連通するようにされてなることを特徴とする。ここで、弁体の下流側には、上流側液体又は気体通路が開放された時に、透孔を介して上流側液体又は気体通路と流体連通する下流側液体又は気体通路部を設けてもよい。
【0005】
弁体は、その周縁に弁体収容部への固定部を有する薄い円板状部材に形成され、上流側液体又は気体通路部の先端と密着して上流側液体又は気体通路を閉鎖する閉塞部と、この閉鎖部の外側に軸対称に設けられた複数の透孔を有するものであってもよく、この場合、閉塞部が凸面状または円錐状に形成されるとともに、透孔が該閉鎖部と固定部に隣接する円状に2個以上で形成されていて、閉鎖部が平面状に形成されるとともに、透孔が固定部に隣接して形成され、閉鎖部から固定部にかけての部分が同心円状に屈曲されてもよい。また、弁体は、その周縁に弁体収容部への固定部を有する薄膜状の部材に成形され、上流側液体又は気体通路部の先端と密接して上流側液体又は気体通路を閉鎖する閉鎖部と、該閉鎖部の外側に軸対称に設けられた複数の透孔を有するものであってもよい。この場合、閉鎖部が平面状に形成されるとともに、透孔が閉鎖部に隣接して軸対称に形成されていても、閉鎖部が凸面状または円錐状に形成されるとともに、透孔が閉鎖部に隣接して軸対称に形成されていてもよい。更に、本発明では、閉鎖部の上流側液体又は気体通路部の先端との接触面が、該通路の先端部に嵌合する嵌合部を有する逆流防止弁構造である。以上のように、一般的に本発明を記述したが、より一層の理解は、いくつかの特定の実施例を参照することによって得ることができる。これらの実施例は、本明細書に例示の目的のためにのみ提供されるものであり、他の旨が特定されない限り限定されるものではない。
【発明の効果】
【0006】
本発明の逆流防止弁構造は、上流側液体又は気体通路部の先端を弁体に密接させることより、上流側液体又は気体通路が閉鎖されており、上流側液体又は気体通路から下流側に向かう流体の圧により弁体が容易に変形して上流側液体又は気体通路が開放され、弁体に設けられた透孔を介して上流側液体又は気体通路と前記弁体の下流側が流体連通するようにされているため、上流側液体又は気体通路から下流側に向かう流体が途絶えると、弁体が上流側液体又は気体通路部の先端に密接し上流側液体又は気体通路が閉鎖される。また、下流側から上流側に向かう流体は、弁体を押してこれを益々強く上流側液体又は気体通路部の先端に密着させることになるので、流体圧の強弱に関係なく液体又は気体の逆流は確実に防止される。従って、本発明の逆流防止弁構造では、シンプルであるとともに圧力調整が不要である。更に本発明において、閉鎖部の上流側液体又は気体通路部の先端との接触面が、該通路の先端部に嵌合する嵌合部を有することによって通路内に、嵌合部が閉鎖部を傾くことなく誘導するので、通路を平均的に閉鎖し、閉鎖部がずれて流体が漏れるという事故がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
上流側液体又は気体通路部と下流側液体又は気体通路部の間に弁体収容部を有するハウジングと、このハウジングの弁体収容部に圧着収容されたゴム弾性材料製の弁体からなる。上流側液体又は気体通路部は、ハウジング内に弁体に密接する位置まで突出しており、この弁体により上流側液体又は気体通路が閉鎖される。弁体には透孔が設けられており、上流側液体又は気体通路から下流側に向かう流体の圧により変形して上流側液体又は気体通路が開放され、弁体に設けられた透孔を介して上流側液体又は気体通路と弁体の下流側が流体連通する。
【実施例1】
【0008】
本発明の実施例1について図1〜図3を用いて説明する。
図1は、本発明における実施例1の弁体を有する逆流防止弁を示す断面図である。図2は、本発明に用いられる弁体の底面図である。(a)は2個の透孔を有する弁体を示す底面図であり、(b)は4個の透孔を有する弁体を示す底面図である。図3は図2に示す弁体の(a)はA−A線断面図であり、(b)はX−X線断面図である。
実施例1の逆流防止弁の構造は、上流側液体又は気体通路部11と下流側液体又は気体通路部12の間に弁体収容部13を有するハウジング1と、このハウジング1の弁体収容部13に収容された弁体2からなる。
ハウジング1は、一般的にポリエチレンやポリプロピレン、ポリカーボーネイト、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂などの耐薬品性、かつ好ましくは透明なプラスチックで形成された容器である。上流側液体又は気体通路部11と下流側液体又は気体通路部12は両端の開口したパイプ状に形成されており、それぞれ上流側液体又は気体通路111と下流側液体又は気体通路121を有している。弁体収容部13には弁体2が圧着収容されている。上流側液体又は気体通路部11はハウジング1に突出してその先端112が弁体2に密接しており、この上流側液体又は気体通路部11の先端112と弁体2の密接により、上流側液体又は気体通路111が弁体2で閉鎖されるようになっている。
弁体2は、一般に、ゴム状弾性材料の、たとえば医療用としては、イソプレンゴム、エラストマーゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、工業用としては、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、フッ素ゴム、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、ニトリルゴム、ヒドリンゴムなどで形成され、周縁に固定部23を有する薄い円板状部材であり、中央部分には上流側液体又は気体通路部11の先端112と密接する閉鎖部又は閉鎖部材21が設けられ、この閉鎖部材21に隣接して外側(固定部23側)に軸対称に2個以上の円状の透孔22が設けられている。
固定部23は、弁体収容部13への固定部分であり、弁体収容部13の形状に合わせて円環状に形成されている。閉鎖部21は上流側液体又は気体通路111の閉鎖性を良くするために、上流側液体又は気体通路部11の先端112の形状に合わせて、上流側液体又は気体通路部11の先端と密接する側(上流側)が凸面状に形成されている。閉鎖部21上流側の形状は円錐状であっても平面であってもよく、また、閉鎖部21の上流側液体又は気体通路111を閉鎖する突起を設けてもよい。
【実施例2】
【0009】
次に、本発明の実施例2について図4〜図6を用いて説明する。
図4は実施例1の弁体が図6の断面を示す位置における断面図であり、図5は図4に示す弁体の底面図、図6は図5のX−X線断面図である。
実施例2は、実施例1において、弁体2として、その周縁に弁体収容部13への固定部23を有する薄膜状の部材を採用し、閉鎖部21の外側に軸対称に複数の透孔22を設けたもので、閉鎖部21の上流側は円錐状に形成されている。
【実施例3】
【0010】
次に、本発明の実施例3について図7〜図9を用いて説明する。
図7は実施例3の弁体が図9の断面を示す位置における断面図であり、図8は図7に示す弁体の底面図、図9は図8のX−X線断図である。
実施例3は、実施例1において、弁体2として、その周縁に弁体収容部13への固定部23を有する薄い円板状部材を採用し、閉鎖部21の外側に軸対称に複数の透孔22を設けたもので、閉鎖部21の上流側は平面状に形成され、閉鎖部21から固定部23にかけての部分が同心円状に屈曲されている。透孔22は通常、屈曲部分に形成される。
【実施例4】
【0011】
次に、本発明の実施例4について図10〜図12を用いて説明する。
図10は実施例4の弁体が図12の断面を示す位置における断面図であり、図11は図
10に示す弁体の底面図、図12は図11のX−X線断面図である。
実施例4は、実施例1において、弁体2として、その周縁に弁体収容部13への固定部23を有する薄膜状の部材を採用し、閉鎖部21の外側に軸対称に複数の透孔22を設けたもので、閉鎖部21の上流側は平面状に形成されている。更に図14に示される弁体について説明する。本発明では、弁体の閉塞面、即ち上流側液体又は気体の通路部11の先端部112との接触面24の一部が嵌合部25を形成しており、この嵌合部25は、前記通路11の先端部112から通路11内に嵌合して閉鎖部材21を正確に誘導して該閉鎖部材21が傾いたり、ずれたりすることなく、均等に先端部112に接触する。これにより閉鎖部からの液体又は気体などの漏れがない。またこの嵌合部25は、その形状が通路に嵌合した際、通路内面に対応した接触面を有すると共に、該接触面の一部に欠除部26を有する。この欠除部26を有する嵌合部25の形状は、特に限定されるものではなく、三角形、四角形などの多角形状の形状が好ましい。
【0012】
図14のaは、四角形状の嵌合部25aを有する弁体を示す斜視図である。図14のaにおいて、弁体2の中央部には、閉鎖部材21が接続部材20,20によって接続されて位置している。この閉塞部材21は、上流側液体又は気体通路部11の先端112と接触乃至密接することができる。この閉鎖部材21に隣接して外側(固定部23側)に軸対称に2個以上の円状の透孔22が、接続部材20を介して設けられている。本発明の弁体2は、ハウジング1の弁体収容部13に圧着収容される。ここで、上流側液体又は気体通路部11はハウジング1内に弁体2に密接する位置まで突出しており、弁体2の閉鎖部21によりその上流側液体又は気体通路111が閉鎖される。この際、閉鎖部21の接触面24に設けられた嵌合部25aは、下流側液体又は気体通路部12の通路121から上流側に向かう流体の圧により嵌合部25aが通路内へ挿入され、通路の先端部112と前記接触面24が密着することによって閉鎖される。また上流側液体又は気体通路111から下流側へ流体が移動する場合には、閉鎖部材21に有する嵌合部25aが開放され、欠除部26を通って流体が流れ、更に透孔22を通って下流側へ流れる。
【0013】
図14のbは、三角形状の嵌合部25bを有する弁体を示す斜視図である。この弁体は、図14のaに示される弁体において、嵌合部25の形状を四角形状から三角形状に変えた点以外は、図14のaに示される弁体と同じである。したがって、その弁体の作用効果は、図14のaに示される弁体と同様に、閉鎖部21の接触面24に設けられた嵌合部25bは、下流側液体又は気体通路部12の通路121から上流側に向かう流体の圧により嵌合部25bが通路内へ挿入され、通路の先端部112と前記接触面24が密着することによって閉鎖される。また上流側液体又は気体通路111から下流側へ流体が移動する場合には、閉鎖部材21に有する嵌合部25bが開放され、欠除部26を通って流体が流れ、更に透孔22を通って下流側へ流れる。ここで、本発明に用いられる弁体2の嵌合部25bは、ハウジング1に収納して用いる際、該嵌合部25bは上流側液体又は気体通路部11の通路111に嵌合する際,流体の圧により完全に外れて開放されても一部嵌合状態を維持していてもよい。
【実施例5】
【0014】
次に、本発明の実施例5について図13を用いて説明する。図13は実施例5の断面図である。
実施例5の逆流防止弁構造は、上流側液体又は気体通路部11と弁体収容部13を有するハウジング1と、このハウジング1の弁体収容部13に圧着収容されたゴム弾性材料製の弁体2含む構造体であって、上流側液体又は気体通路部11はハウジング1内に弁体2に密接する位置まで突出しており、弁体2によりその上流側液体又は気体通路111が閉鎖されている。弁体2には透孔22が設けられており、上流側液体又は気体通路111から下流側に向かう流体の圧により弁体2が変形して上流側液体又は気体通路111が開放され、透孔22を介して上流側液体又は気体通路111と弁体2の下流側が流体連通するようになっている。この逆流防止弁構造は、実施例1において下流側液体又は気体通路部12を省略したものであり、例えば図13に示すように、ハウジング1の下流側に設けたコネクター14(突起部ないしネジ溝を設けたロック対応形状品)を輸液セットや輸血セットの主ルートに直接接続して使用することができる。また、これと同等の使用を有する工業用部品にも応用できることは、言うまでもない。
以下に、本発明の逆流防止弁の耐圧性能を調査した実施例について説明する。
【0015】
(イ)〔試験検体〕
1)現行製品 n=10(各n=5,計10)
2)本発明品 n=10(各n=5,計10)
(現行流動しているB社製品(弁体はダックビル構造)と本製品にて比較試験を行なった。)
(ロ)〔試験項目および試験方法〕
1)逆流防止弁の正方向からの各流量に対する圧力測定
試験方法:サンプル製品を血液ポンプに取り付けた回路上(陽圧側) に組み込み、流量50、100、150ml/minにて37℃の水を循環させた 時の圧力を測定する。試験結果は、表1に示す。
(尚、実際に1例として使用される190ml/min前後、400ml/min前後においても確認済みであり、今回の表は低流量での性能比較を示した。)
2)逆流防止弁の逆方向からの耐圧試験
試験方法:サンプル製品内を流れる方向とは逆の方向から、最大圧力3.0k gf/cm2まで加圧し、エアー漏れが発生するか確認する。また、1度試験したサンプルについて同条件で再試験を行い、再度耐圧を調査した。試験結果は、表2に示す。
<加圧条件>
(I)0.5kgf/cm2 ,1.0kgf/cm2 ,
1.5kgf/cm2 ・・・・3.0kgf/cm2
(0.5kgf/cm2ずつ圧力をUP)
(II)各圧力を5分間保持
(ハ)〔試験結果〕
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
(ニ)所見
1) 逆流防止弁の正方向からの各流量に対する圧力測定は、表1よりほぼ同等の機能。
2) 逆流防止弁の逆方向からの耐圧試験は表2より、本発明製品が逆流防止弁としての機能を確実なものとしている。(現行製品には、バラツキがある。)
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明における実施例1の弁体を有する逆流防止弁を示す断面図である。
【図2】本発明に用いられる弁体の底面図である。(a)は2個の透孔を有する弁体を示す底面図であり、(b)は4個の透孔を有する弁体を示す底面図である。
【図3】図2に示す弁体の(a)はA−A線断面図であり、(b)はX−X線断面図である。
【図4】本発明における実施例2の弁体が図6の断面を示す位置における断面図である。
【図5】図4に示す弁体の底面図である。
【図6】図5に示す弁体のX−X線断面図である。
【図7】本発明における実施例3の弁体が図9の断面を示す位置における断面図である。
【図8】図7に示す弁体の底面図である。
【図9】図8に示す弁体のX−X線断面図である。
【図10】本発明における実施例4の弁体が図12の断面を示す位置における断面図である。
【図11】図10に示す弁体の底面図である。
【図12】図11に示す弁体のX−X線断面図である。
【図13】本発明における実施例5の断面図である。
【図14】本発明における弁体の別の実施の形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0019】
1 ハウジング
11 上流側液体又は気体通路部
111 上流側液体又は気体通路
112 先端
12 下流側液体又は気体通路部
121 下流側液体又は気体通路
13 弁体収容部
14 コネクター
2 弁体
20 接続部材
21 閉鎖部
22、32 透孔
23 固定部
24 接触面
25 嵌合部
26 欠除部
【技術分野】
【0001】
本発明は逆流防止弁構造に関し、さらに詳しくは、本発明は、血液回路、輸液セット、輸血セットなどの医療用具、又、特に現行組み込まれていない採血管用針ないしホルダー部内において、採血時における逆流を防止する安全対策として、逆流防止弁を組み込むことを想定したものも含むものであり、液体および気体が流れる医療用具製品・工業製品などに好適な逆流防止弁構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、輸液や輸血などの治療を行なう場合、他の薬液を混注する操作が多用されている。この混注操作は、通常、輸液セットや輸血セットに設けられた混注部に、薬液を収納したシリンジの先端チップを直接接続して、または、この先端チップに取り付けた注射針を穿刺して行われる。混注操作において、これを行っていない場合、輸液や血液の逆流が起こり、輸液や血液が混注部からのリークする虞があるため、一般に、薬液の逆流を防ぐために逆流防止弁が使用されている。また、補液回路などにおいては、一方向に流し、逆流を防止する目的で逆流防止弁が使用されている。また最近、採血管用針においても、採血の手順を誤ると採取した血液の逆流が起こり、人体に好ましくない影響を及ぼすという報告がなされている。この恒久対策として逆流防止弁を組み入れることは、根本的解決の1つである。逆流防止弁としては、現在ダックビルタイプやアンブレラタイプのもの、ボール弁、フート弁等が知られているが、医療用具では一般的にダックビルタイプのものが多用されている。
しかしながら、上記従来の逆流防止弁は、いずれも液体や気体の逆流を完全には防止することが出来ない場合があり、また、個々の製品間にバラツキが出やすいという欠点を有している。また、ダックビルタイプ、アンブレラタイプ等の逆流防止弁は、圧力調整をすることができない場合が多いことも否定できないのが現状である。
【特許文献1】特開平9−173470号公報
【特許文献2】特開2001−061971号公報
【特許文献3】特開2001−286561号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、如上の事情に鑑みてなされたもので、完全に逆流を防止することができ、かつ、従来タイプのものよりシンプルなもので圧力調整が不要な逆流防止弁構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の逆流防止弁構造は、上記の課題を解決するもので、上流側液体又は気体通路部と弁体収容部を有するハウジングと、このハウジングの弁体収容部に圧着収容されたゴム弾性材料製の弁体を含む構造体であって、前記上流側液体又は気体通路部は、前記ハウジング内に前記弁体に密接する位置まで突出して、この弁体により上流側液体又は気体通路が閉鎖されており、前記弁体には透孔が設けられており、前記上流側液体又は気体通路から下流側に向かう流体の圧により前記弁体が容易に変形して前記上流側液体又は気体通路が開放される。前記透孔を介して前記上流側液体又は気体通路と前記弁体の下流が流体連通するようにされてなることを特徴とする。ここで、弁体の下流側には、上流側液体又は気体通路が開放された時に、透孔を介して上流側液体又は気体通路と流体連通する下流側液体又は気体通路部を設けてもよい。
【0005】
弁体は、その周縁に弁体収容部への固定部を有する薄い円板状部材に形成され、上流側液体又は気体通路部の先端と密着して上流側液体又は気体通路を閉鎖する閉塞部と、この閉鎖部の外側に軸対称に設けられた複数の透孔を有するものであってもよく、この場合、閉塞部が凸面状または円錐状に形成されるとともに、透孔が該閉鎖部と固定部に隣接する円状に2個以上で形成されていて、閉鎖部が平面状に形成されるとともに、透孔が固定部に隣接して形成され、閉鎖部から固定部にかけての部分が同心円状に屈曲されてもよい。また、弁体は、その周縁に弁体収容部への固定部を有する薄膜状の部材に成形され、上流側液体又は気体通路部の先端と密接して上流側液体又は気体通路を閉鎖する閉鎖部と、該閉鎖部の外側に軸対称に設けられた複数の透孔を有するものであってもよい。この場合、閉鎖部が平面状に形成されるとともに、透孔が閉鎖部に隣接して軸対称に形成されていても、閉鎖部が凸面状または円錐状に形成されるとともに、透孔が閉鎖部に隣接して軸対称に形成されていてもよい。更に、本発明では、閉鎖部の上流側液体又は気体通路部の先端との接触面が、該通路の先端部に嵌合する嵌合部を有する逆流防止弁構造である。以上のように、一般的に本発明を記述したが、より一層の理解は、いくつかの特定の実施例を参照することによって得ることができる。これらの実施例は、本明細書に例示の目的のためにのみ提供されるものであり、他の旨が特定されない限り限定されるものではない。
【発明の効果】
【0006】
本発明の逆流防止弁構造は、上流側液体又は気体通路部の先端を弁体に密接させることより、上流側液体又は気体通路が閉鎖されており、上流側液体又は気体通路から下流側に向かう流体の圧により弁体が容易に変形して上流側液体又は気体通路が開放され、弁体に設けられた透孔を介して上流側液体又は気体通路と前記弁体の下流側が流体連通するようにされているため、上流側液体又は気体通路から下流側に向かう流体が途絶えると、弁体が上流側液体又は気体通路部の先端に密接し上流側液体又は気体通路が閉鎖される。また、下流側から上流側に向かう流体は、弁体を押してこれを益々強く上流側液体又は気体通路部の先端に密着させることになるので、流体圧の強弱に関係なく液体又は気体の逆流は確実に防止される。従って、本発明の逆流防止弁構造では、シンプルであるとともに圧力調整が不要である。更に本発明において、閉鎖部の上流側液体又は気体通路部の先端との接触面が、該通路の先端部に嵌合する嵌合部を有することによって通路内に、嵌合部が閉鎖部を傾くことなく誘導するので、通路を平均的に閉鎖し、閉鎖部がずれて流体が漏れるという事故がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
上流側液体又は気体通路部と下流側液体又は気体通路部の間に弁体収容部を有するハウジングと、このハウジングの弁体収容部に圧着収容されたゴム弾性材料製の弁体からなる。上流側液体又は気体通路部は、ハウジング内に弁体に密接する位置まで突出しており、この弁体により上流側液体又は気体通路が閉鎖される。弁体には透孔が設けられており、上流側液体又は気体通路から下流側に向かう流体の圧により変形して上流側液体又は気体通路が開放され、弁体に設けられた透孔を介して上流側液体又は気体通路と弁体の下流側が流体連通する。
【実施例1】
【0008】
本発明の実施例1について図1〜図3を用いて説明する。
図1は、本発明における実施例1の弁体を有する逆流防止弁を示す断面図である。図2は、本発明に用いられる弁体の底面図である。(a)は2個の透孔を有する弁体を示す底面図であり、(b)は4個の透孔を有する弁体を示す底面図である。図3は図2に示す弁体の(a)はA−A線断面図であり、(b)はX−X線断面図である。
実施例1の逆流防止弁の構造は、上流側液体又は気体通路部11と下流側液体又は気体通路部12の間に弁体収容部13を有するハウジング1と、このハウジング1の弁体収容部13に収容された弁体2からなる。
ハウジング1は、一般的にポリエチレンやポリプロピレン、ポリカーボーネイト、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂などの耐薬品性、かつ好ましくは透明なプラスチックで形成された容器である。上流側液体又は気体通路部11と下流側液体又は気体通路部12は両端の開口したパイプ状に形成されており、それぞれ上流側液体又は気体通路111と下流側液体又は気体通路121を有している。弁体収容部13には弁体2が圧着収容されている。上流側液体又は気体通路部11はハウジング1に突出してその先端112が弁体2に密接しており、この上流側液体又は気体通路部11の先端112と弁体2の密接により、上流側液体又は気体通路111が弁体2で閉鎖されるようになっている。
弁体2は、一般に、ゴム状弾性材料の、たとえば医療用としては、イソプレンゴム、エラストマーゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、工業用としては、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、フッ素ゴム、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、ニトリルゴム、ヒドリンゴムなどで形成され、周縁に固定部23を有する薄い円板状部材であり、中央部分には上流側液体又は気体通路部11の先端112と密接する閉鎖部又は閉鎖部材21が設けられ、この閉鎖部材21に隣接して外側(固定部23側)に軸対称に2個以上の円状の透孔22が設けられている。
固定部23は、弁体収容部13への固定部分であり、弁体収容部13の形状に合わせて円環状に形成されている。閉鎖部21は上流側液体又は気体通路111の閉鎖性を良くするために、上流側液体又は気体通路部11の先端112の形状に合わせて、上流側液体又は気体通路部11の先端と密接する側(上流側)が凸面状に形成されている。閉鎖部21上流側の形状は円錐状であっても平面であってもよく、また、閉鎖部21の上流側液体又は気体通路111を閉鎖する突起を設けてもよい。
【実施例2】
【0009】
次に、本発明の実施例2について図4〜図6を用いて説明する。
図4は実施例1の弁体が図6の断面を示す位置における断面図であり、図5は図4に示す弁体の底面図、図6は図5のX−X線断面図である。
実施例2は、実施例1において、弁体2として、その周縁に弁体収容部13への固定部23を有する薄膜状の部材を採用し、閉鎖部21の外側に軸対称に複数の透孔22を設けたもので、閉鎖部21の上流側は円錐状に形成されている。
【実施例3】
【0010】
次に、本発明の実施例3について図7〜図9を用いて説明する。
図7は実施例3の弁体が図9の断面を示す位置における断面図であり、図8は図7に示す弁体の底面図、図9は図8のX−X線断図である。
実施例3は、実施例1において、弁体2として、その周縁に弁体収容部13への固定部23を有する薄い円板状部材を採用し、閉鎖部21の外側に軸対称に複数の透孔22を設けたもので、閉鎖部21の上流側は平面状に形成され、閉鎖部21から固定部23にかけての部分が同心円状に屈曲されている。透孔22は通常、屈曲部分に形成される。
【実施例4】
【0011】
次に、本発明の実施例4について図10〜図12を用いて説明する。
図10は実施例4の弁体が図12の断面を示す位置における断面図であり、図11は図
10に示す弁体の底面図、図12は図11のX−X線断面図である。
実施例4は、実施例1において、弁体2として、その周縁に弁体収容部13への固定部23を有する薄膜状の部材を採用し、閉鎖部21の外側に軸対称に複数の透孔22を設けたもので、閉鎖部21の上流側は平面状に形成されている。更に図14に示される弁体について説明する。本発明では、弁体の閉塞面、即ち上流側液体又は気体の通路部11の先端部112との接触面24の一部が嵌合部25を形成しており、この嵌合部25は、前記通路11の先端部112から通路11内に嵌合して閉鎖部材21を正確に誘導して該閉鎖部材21が傾いたり、ずれたりすることなく、均等に先端部112に接触する。これにより閉鎖部からの液体又は気体などの漏れがない。またこの嵌合部25は、その形状が通路に嵌合した際、通路内面に対応した接触面を有すると共に、該接触面の一部に欠除部26を有する。この欠除部26を有する嵌合部25の形状は、特に限定されるものではなく、三角形、四角形などの多角形状の形状が好ましい。
【0012】
図14のaは、四角形状の嵌合部25aを有する弁体を示す斜視図である。図14のaにおいて、弁体2の中央部には、閉鎖部材21が接続部材20,20によって接続されて位置している。この閉塞部材21は、上流側液体又は気体通路部11の先端112と接触乃至密接することができる。この閉鎖部材21に隣接して外側(固定部23側)に軸対称に2個以上の円状の透孔22が、接続部材20を介して設けられている。本発明の弁体2は、ハウジング1の弁体収容部13に圧着収容される。ここで、上流側液体又は気体通路部11はハウジング1内に弁体2に密接する位置まで突出しており、弁体2の閉鎖部21によりその上流側液体又は気体通路111が閉鎖される。この際、閉鎖部21の接触面24に設けられた嵌合部25aは、下流側液体又は気体通路部12の通路121から上流側に向かう流体の圧により嵌合部25aが通路内へ挿入され、通路の先端部112と前記接触面24が密着することによって閉鎖される。また上流側液体又は気体通路111から下流側へ流体が移動する場合には、閉鎖部材21に有する嵌合部25aが開放され、欠除部26を通って流体が流れ、更に透孔22を通って下流側へ流れる。
【0013】
図14のbは、三角形状の嵌合部25bを有する弁体を示す斜視図である。この弁体は、図14のaに示される弁体において、嵌合部25の形状を四角形状から三角形状に変えた点以外は、図14のaに示される弁体と同じである。したがって、その弁体の作用効果は、図14のaに示される弁体と同様に、閉鎖部21の接触面24に設けられた嵌合部25bは、下流側液体又は気体通路部12の通路121から上流側に向かう流体の圧により嵌合部25bが通路内へ挿入され、通路の先端部112と前記接触面24が密着することによって閉鎖される。また上流側液体又は気体通路111から下流側へ流体が移動する場合には、閉鎖部材21に有する嵌合部25bが開放され、欠除部26を通って流体が流れ、更に透孔22を通って下流側へ流れる。ここで、本発明に用いられる弁体2の嵌合部25bは、ハウジング1に収納して用いる際、該嵌合部25bは上流側液体又は気体通路部11の通路111に嵌合する際,流体の圧により完全に外れて開放されても一部嵌合状態を維持していてもよい。
【実施例5】
【0014】
次に、本発明の実施例5について図13を用いて説明する。図13は実施例5の断面図である。
実施例5の逆流防止弁構造は、上流側液体又は気体通路部11と弁体収容部13を有するハウジング1と、このハウジング1の弁体収容部13に圧着収容されたゴム弾性材料製の弁体2含む構造体であって、上流側液体又は気体通路部11はハウジング1内に弁体2に密接する位置まで突出しており、弁体2によりその上流側液体又は気体通路111が閉鎖されている。弁体2には透孔22が設けられており、上流側液体又は気体通路111から下流側に向かう流体の圧により弁体2が変形して上流側液体又は気体通路111が開放され、透孔22を介して上流側液体又は気体通路111と弁体2の下流側が流体連通するようになっている。この逆流防止弁構造は、実施例1において下流側液体又は気体通路部12を省略したものであり、例えば図13に示すように、ハウジング1の下流側に設けたコネクター14(突起部ないしネジ溝を設けたロック対応形状品)を輸液セットや輸血セットの主ルートに直接接続して使用することができる。また、これと同等の使用を有する工業用部品にも応用できることは、言うまでもない。
以下に、本発明の逆流防止弁の耐圧性能を調査した実施例について説明する。
【0015】
(イ)〔試験検体〕
1)現行製品 n=10(各n=5,計10)
2)本発明品 n=10(各n=5,計10)
(現行流動しているB社製品(弁体はダックビル構造)と本製品にて比較試験を行なった。)
(ロ)〔試験項目および試験方法〕
1)逆流防止弁の正方向からの各流量に対する圧力測定
試験方法:サンプル製品を血液ポンプに取り付けた回路上(陽圧側) に組み込み、流量50、100、150ml/minにて37℃の水を循環させた 時の圧力を測定する。試験結果は、表1に示す。
(尚、実際に1例として使用される190ml/min前後、400ml/min前後においても確認済みであり、今回の表は低流量での性能比較を示した。)
2)逆流防止弁の逆方向からの耐圧試験
試験方法:サンプル製品内を流れる方向とは逆の方向から、最大圧力3.0k gf/cm2まで加圧し、エアー漏れが発生するか確認する。また、1度試験したサンプルについて同条件で再試験を行い、再度耐圧を調査した。試験結果は、表2に示す。
<加圧条件>
(I)0.5kgf/cm2 ,1.0kgf/cm2 ,
1.5kgf/cm2 ・・・・3.0kgf/cm2
(0.5kgf/cm2ずつ圧力をUP)
(II)各圧力を5分間保持
(ハ)〔試験結果〕
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
(ニ)所見
1) 逆流防止弁の正方向からの各流量に対する圧力測定は、表1よりほぼ同等の機能。
2) 逆流防止弁の逆方向からの耐圧試験は表2より、本発明製品が逆流防止弁としての機能を確実なものとしている。(現行製品には、バラツキがある。)
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明における実施例1の弁体を有する逆流防止弁を示す断面図である。
【図2】本発明に用いられる弁体の底面図である。(a)は2個の透孔を有する弁体を示す底面図であり、(b)は4個の透孔を有する弁体を示す底面図である。
【図3】図2に示す弁体の(a)はA−A線断面図であり、(b)はX−X線断面図である。
【図4】本発明における実施例2の弁体が図6の断面を示す位置における断面図である。
【図5】図4に示す弁体の底面図である。
【図6】図5に示す弁体のX−X線断面図である。
【図7】本発明における実施例3の弁体が図9の断面を示す位置における断面図である。
【図8】図7に示す弁体の底面図である。
【図9】図8に示す弁体のX−X線断面図である。
【図10】本発明における実施例4の弁体が図12の断面を示す位置における断面図である。
【図11】図10に示す弁体の底面図である。
【図12】図11に示す弁体のX−X線断面図である。
【図13】本発明における実施例5の断面図である。
【図14】本発明における弁体の別の実施の形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0019】
1 ハウジング
11 上流側液体又は気体通路部
111 上流側液体又は気体通路
112 先端
12 下流側液体又は気体通路部
121 下流側液体又は気体通路
13 弁体収容部
14 コネクター
2 弁体
20 接続部材
21 閉鎖部
22、32 透孔
23 固定部
24 接触面
25 嵌合部
26 欠除部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流側液体又は気体通路部と弁体収容部を有するハウジングと、該ハウジングの弁体収容部に圧着収容されたゴム弾性材料製の弁体を含む構造体であって、前記上流側液体又は気体通路部は、前記ハウジング内に前記弁体に密接する位置まで突出して、該弁体により上流側液体又は気体通路が閉鎖されており、前記弁体には透孔が設けられており、前記上流側液体又は気体通路から下流側に向かう流体の圧により前記弁体が容易に変形して前記上流側液体又は気体通路が開放され、前記透孔を介して前記上流側液体又は気体通路と前記弁体の下流側が液体又は気体連通するようにされてなる逆流防止弁構造。
【請求項2】
弁体の下流側に、上流側液体又は気体通路が開放された時に、透孔を介して上流側液体又は気体通路と連通する下流側液体又は気体通路部が設けられなる請求項1に記載の逆流防止弁構造。
【請求項3】
弁体は、その周縁に弁体収容部への固定部を有する薄い円板状部材であり、上流側液体又は気体通路部の先端と密着して上流側液体又は気体通路を閉鎖する閉鎖部と、該閉鎖部の外側に軸対称に設けられた複数の透孔を有する、請求項1または請求項2に記載の逆流防止弁構造。
【請求項4】
閉鎖部の上流側液体又は気体通路部の先端と密接する側が凸面状または円錐状に形成されるとともに、透孔が該閉鎖部と固定部に隣接する円状に2個以上形成されてなる請求項3に記載の逆流防止弁構造。
【請求項5】
閉鎖部が平面状形成されるとともに、透孔が固定部に隣接して形成され、閉鎖部から固定部にかけての部分が同心円状に屈曲されてなる請求項2に記載の逆流防止弁構造。
【請求項6】
弁体は、その周縁に弁体収容部への固定部を有する薄膜状の部材であり、上流側液体又は気体通路部の先端と密接して上流側液体又は気体通路を閉鎖する閉鎖部と、該閉鎖部の外側に軸対称に設けられた複数の透孔を有する請求項1または請求項2に記載の逆流防止弁構造。
【請求項7】
閉鎖部の上流側液体又は気体通路部の先端と密接する側が平面状に形成されるとともに、透孔が閉鎖部に隣接して軸対称に形成されてなる請求項6に記載の逆流防止弁構造。
【請求項8】
閉鎖部の上流側液体又は気体通路部の先端と密接する側が凸面状または円錐状に形成されるとともに、透孔が閉鎖部に隣接して軸対称に形成されてなる請求項6に記載の逆流防止弁構造。
【請求項9】
閉鎖部の上流側液体又は気体通路部の先端との接触面が、該通路の先端部に嵌合する嵌合部を有する請求項1乃至請求項8に記載の逆流防止弁構造。
【請求項1】
上流側液体又は気体通路部と弁体収容部を有するハウジングと、該ハウジングの弁体収容部に圧着収容されたゴム弾性材料製の弁体を含む構造体であって、前記上流側液体又は気体通路部は、前記ハウジング内に前記弁体に密接する位置まで突出して、該弁体により上流側液体又は気体通路が閉鎖されており、前記弁体には透孔が設けられており、前記上流側液体又は気体通路から下流側に向かう流体の圧により前記弁体が容易に変形して前記上流側液体又は気体通路が開放され、前記透孔を介して前記上流側液体又は気体通路と前記弁体の下流側が液体又は気体連通するようにされてなる逆流防止弁構造。
【請求項2】
弁体の下流側に、上流側液体又は気体通路が開放された時に、透孔を介して上流側液体又は気体通路と連通する下流側液体又は気体通路部が設けられなる請求項1に記載の逆流防止弁構造。
【請求項3】
弁体は、その周縁に弁体収容部への固定部を有する薄い円板状部材であり、上流側液体又は気体通路部の先端と密着して上流側液体又は気体通路を閉鎖する閉鎖部と、該閉鎖部の外側に軸対称に設けられた複数の透孔を有する、請求項1または請求項2に記載の逆流防止弁構造。
【請求項4】
閉鎖部の上流側液体又は気体通路部の先端と密接する側が凸面状または円錐状に形成されるとともに、透孔が該閉鎖部と固定部に隣接する円状に2個以上形成されてなる請求項3に記載の逆流防止弁構造。
【請求項5】
閉鎖部が平面状形成されるとともに、透孔が固定部に隣接して形成され、閉鎖部から固定部にかけての部分が同心円状に屈曲されてなる請求項2に記載の逆流防止弁構造。
【請求項6】
弁体は、その周縁に弁体収容部への固定部を有する薄膜状の部材であり、上流側液体又は気体通路部の先端と密接して上流側液体又は気体通路を閉鎖する閉鎖部と、該閉鎖部の外側に軸対称に設けられた複数の透孔を有する請求項1または請求項2に記載の逆流防止弁構造。
【請求項7】
閉鎖部の上流側液体又は気体通路部の先端と密接する側が平面状に形成されるとともに、透孔が閉鎖部に隣接して軸対称に形成されてなる請求項6に記載の逆流防止弁構造。
【請求項8】
閉鎖部の上流側液体又は気体通路部の先端と密接する側が凸面状または円錐状に形成されるとともに、透孔が閉鎖部に隣接して軸対称に形成されてなる請求項6に記載の逆流防止弁構造。
【請求項9】
閉鎖部の上流側液体又は気体通路部の先端との接触面が、該通路の先端部に嵌合する嵌合部を有する請求項1乃至請求項8に記載の逆流防止弁構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−61673(P2006−61673A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−71829(P2005−71829)
【出願日】平成17年3月14日(2005.3.14)
【出願人】(000111546)ハナコメディカル株式会社 (7)
【出願人】(504322921)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月14日(2005.3.14)
【出願人】(000111546)ハナコメディカル株式会社 (7)
【出願人】(504322921)
【Fターム(参考)】
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