説明

透明な熱硬化性被覆材料、その製法およびその使用

本発明は、
(A)少なくとも1つの(メタ)アクリレート(コ)ポリマー10〜40質量%、
(B)少なくとも1つのポリエステル10〜40質量%、
(C)少なくとも1つのブロックトポリイソシアネート10〜40質量%、その際、該ブロックトポリイソシアネート基は三次元網目の成分としてそのガラス転移温度を低下させる少なくとも1つの柔軟性構造単位に結合する、かつ
(D)少なくとも1つのブロックトポリイソシアネート10〜40質量%、その際、少なくとも1つの該ブロックトポリイソシアネート基は、三次元網目の成分としてそのガラス転移温度を増大させる少なくとも1つの硬質にする構造単位に結合する
を含有している透明な熱硬化性被覆材料に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規の透明な熱硬化性被覆材料に関する。さらに、本発明は、透明な熱硬化性被覆材料の新規製法に関する。さらに、本発明はコイルコーティング法により透明な被覆を製造するための新規の透明な熱硬化性被覆材料の使用に関する。
【0002】
現代の乗用車、特に高級な乗用車は、着色および/または効果付与性の多層コートを有する。周知のように、これらには、電着塗装、充填剤塗装、ピッチング防止アンダーコートまたは機能層、着色および/または効果付与性ベースコートおよびクリアコートが含まれる。多層コートは、いわゆるウェットオンウェット法を用いて製造され、この場合に、乾燥しているが硬化していないベースラッカー層上にクリアラッカー層が塗布され、それによって少なくともベースラッカー層とクリアラッカー層が一緒に熱硬化される。これらの方法では、電着コートと充填剤コートを製造し、ピッチング防止アンダーコートまたは機能層を加えることもできる。
【0003】
着色および/または効果付与性の多層コートは、いわゆる自動車品質を有さなくてはならない。欧州特許EP 0352298 B1、15頁、42行目から17頁、14行目によれば、このことは前述の多層コートが以下の特性を有することを意味する:
(1)高い光沢、
(2)高い描写鮮明性(DOI、写像鮮明性)、
(3)高く、かつ一定のコーティング性、
(4)均一な乾燥厚さ、
(5)高いガソリン安定性、
(6)高い溶剤安定性、
(7)高い酸安定性、
(8)高い硬度、
(9)高い摩擦抵抗、
(10)高いスクラッチ耐性、
(11)高い衝撃抵抗、
(12)高い間層付着と、基質上での付着
(13)高い耐候性とUV−耐性。
【0004】
さらに、本質的な技術特性は、以下のものである:
(14)汗に対する高い耐性、
(15)白化傾向なし、および
(16)樹脂と鳥の糞に対する高い安定性。
【0005】
この場合に、特にクリアコートは、本質的に以下のような技術特性に特徴付けられる:
(1)光沢、
(2)描写鮮明性(DOI、写像鮮明性)、
(5)ガソリン安定性、
(6)溶剤安定性、
(7)酸安定性、
(8)硬度、
(9)摩擦抵抗、
(10)スクラッチ耐性、
(13)耐候性とUV−耐性、
(14)汗に対する安定性、
(15)白化傾向なし、
(16)樹脂と鳥の糞に対する安定性。
【0006】
ゆえに、クリアコートの品質には、特別に高い要求が出される。
【0007】
しかし、クリアコートが製造されるクリアラッカーの技術特性にも、特殊な要求が出される。まず、クリアラッカーはクリアコートを必要な品質で問題なく、かつ卓越して再現可能に提供しなくてはならず、かつ簡単かつ卓越した再現可能な方法で製造可能でなくてはならない。
【0008】
多層コートの製造は、前記の方法により自動車製造者によりラインの形で実施され、かつ高度な生態系の方法技術および大部分の製造費を消費する装置的費用を必要とする。
【0009】
よって、自動車工業はボンネット、後部扉またはドアのようなボディーのパーツを、既に車の色に塗装された既成のパーツと交換することに努めている。
【0010】
しかし、このような方法にとって極めて重要な必要条件は、コイルコーティング法を用いて被覆した相応のコイルを製造し、かつ塗装された状態で成形法、特に深絞りにより、自動車製造者または取付け用部品の製造者により所望の形をもたらすことができるようにすることである。
【0011】
バンド被覆またはコイルコーティングとは、ディスクコーティングの特殊な形であり(Roempp Lexikon Lacke und Druckfarben, Georg Thieme Verlah, Stuttgart, New York, 1998、617頁“Walzlackierung”)ならびに場合により、液体塗料を用いる金属バンドの吹付け塗装およびキャスティング塗装であると解釈される。連続運転法、すなわち、精製、前処理、塗装および硬化などのような全ての製造プロセスは、装置内の製造段階で実施される。バンド被覆には、型どおりに以下の工程が含まれる:バンドの精製と脱脂の後に、多段の化学的前処理を行い、引き続き、不動態化、洗浄および乾燥を行う。冷却後、2個または3個のローラーを用いて、1段階または2段階の液体被覆材料の塗布が大抵はリバース−ローラーコーティング法により行われる。極めて短い蒸発時間の後に、塗布層の熱硬化を180〜260℃の温度で20〜60秒間行う。多層コートを製造する際には、塗布と硬化を繰り返す。バンド塗装の装置の速度は、250m/分までである(Roempp Lexikon Lacke und Druckfarben, Georg Thieme Verlag, Stuttgart, New York, 1998, 55頁、“Bandbeschichtung”)。
【0012】
有利な方法を用いて、これらを自動車分野へ転用することは、従来使用されたクリアラッカーが成形の前に既に必要な自動車品質を有していなかったので、これまでは実質的に失敗していた。特に、自動車産業により必要な色調と光学効果ならびに必要な光沢と全体の光学的印象(外観)を調整することができていない。なぜなら、被覆されたコイルは裸眼で見えるローラー構造を有するからである。
【0013】
さらに、コイルコーティング法では、結合剤としてのポリエステルと、架橋剤としてのメラミン樹脂をベースとするクリアラッカーが頻繁に使用されている。これらのクリアラッカーは、その良好な湿潤性と良好な流展性ゆえに、よく加工できる。これから製造される被覆は、確かに極めて柔軟で、かつ極めてよく成形できるが、しかし耐薬品性と耐候性に関しては、必要な自動車品質を達成していない。
【0014】
結合剤としての(メタ)アクリレート(コ)ポリマーと、架橋剤としてのブロックトポリイソシアネートをベースとするクリアラッカーは、特に光沢、硬度および耐薬品性に関して高い自動車品質で通常のクリアコートを提供する。クリアラッカーの最適な流展性と、最適な耐候性および描写鮮明性は、単に添加物の添加により達成することができる。クリアラッカーは、当該のクリアコートの少ない柔軟性のためコイルコーティング法では使用できない。
【0015】
(メタ)アクリレート(コ)ポリマーとブロックトポリイソシアネートをベースとするクリアラッカーならびにこれから製造されるクリアコートの利点をコイルコーティング法でも役立てるために、ドイツ国特許出願DE 10059853A1のクリアラッカーを提唱する。これは、
(1)100〜250のヒドロキシル価を有するアクリレートをベースとするポリマーの非水溶性溶液10〜70質量%、
(2)20〜40℃のガラス転移温度を有するフルオロ変性ポリマーの非水性溶液10〜70質量%、および
(3)少なくとも1つのブロック化脂肪族または脂環式ポリイソシアネート20〜60質量%
を含有し、その際、成分(2)に対する成分(1)の質量比が最大でも1であり、かつ成分(1)、(2)および(3)の合計が結合剤含有量に対して100%である。
【0016】
これらの公知の被覆材料は、確かに光沢、硬度、柔軟性および耐薬品性に関して自動車品質を有する透明な被覆を提供する。しかし、比較的に劣った湿潤性と比較的に劣った流展性により、公知の被覆材料はよく加工できない。これから製造された被覆は、フッ素化合物が著しい量で含有されるという欠点を事実上有する。しかし、フッ素は中古車をリサイクルする際に、特にボディーがアルミニウムから組み立てられている場合に重大な問題を引き起こすことが知られている。さらに、被覆は劣悪にトップコーティングされるだけであり、このことは自動車修理塗装の際に重大な問題をもたらす。とりわけ、フッ素化合物は比較的に高価であり、このことは被覆材料とこれから製造される被覆は経済的に殆ど魅力的ではない。
【0017】
本発明の課題は、従来技術の欠点をもはや有さず、かつ有機フッ素化合物不含であり、その結果、これから製造された被覆基質、特にアルミニウムをベースとする自動車ボディーを問題なくリサイクルできる新規の透明な熱硬化性被覆材料を提供することである。さらに、新規の透明な熱硬化性被覆材料は、特に良好な湿潤性と特に良好な流展性を有すべきであり、ひいては良く加工できるべきである。更にこれは比較的に廉価な成分を用いて製造することができ、その結果技術的にだけではなく、経済的にも有利であるのがよい。
【0018】
新規の透明な熱硬化性被覆材料は、簡単な方法で製造でき、かつコイルコーティング法で有利に使用できるのがよく、特に光沢、表面光沢、描写鮮明性、硬度、耐候性および耐薬品性の点について自動車品質を有してコイル上で透明の、特にクリアな被覆を提供するのがよい。
【0019】
さらに、新規の透明、特にクリアな被覆は極めて良好なトップコート性を有するのがよく、従って、これらは極めて良好に修理塗装することができる。
【0020】
予備被覆したコイルは、その成形加工後も自動車品質がさらに保持されるのがよく、その結果被覆した部材は相応の大きな被覆ユニット、特に相応の被覆された自動車ボディーでの構成部材として取付けることができ、これは視覚的に差がなく、特に互いに接しているコーナーの領域で不利に目に付くことがなく行うことができる。
【0021】
従って、その都度(A)、(B)、(C)および(D)に対して、
(A)1000〜6000ダルトンの数平均分子量、−15〜+70℃のガラス転移温度および80〜200mg KOH/gのヒドロキシル価を有する少なくとも1つの(メタ)アクリレート(コ)ポリマー10〜40質量%、
(B)ポリエステルに対して脂環式構造単位30〜70質量%を含有している、800〜6000ダルトンの数平均分子量、80〜200mg KOH/gのヒドロキシル価および1〜50mg KOH/gの酸価を有する少なくとも1つのポリエステル10〜40質量%、
(C)少なくとも1つのブロックトポリイソシアネート10〜40質量%、その際、該ブロックトポリイソシアネート基は三次元網目の成分としてそのガラス転移温度を低下させる少なくとも1つの柔軟性構造単位に結合する、かつ
(D)少なくとも1つのブロックトポリイソシアネート10〜40質量%、その際、少なくとも1つの該ブロックトポリイソシアネート基は、三次元網目の成分としてそのガラス転移温度を増大させる少なくとも1つの硬質にする構造単位に結合する
を含有する新規の透明な熱硬化性被覆材料が見出された。
【0022】
以下に、新規の透明な熱硬化性被覆材料を“本発明の被覆材料”と称する。
【0023】
さらに、成分(A)、(B)、(C)および(D)ならびに場合により少なくとも1つ添加剤(E)を混合し、かつ生じた混合物を均質化することによる、本発明の被覆材料の新規製法が見いだされた。
【0024】
以下に、本発明の被覆材料の新規製法を“本発明の製法”と称する。
【0025】
さらに、コイルコーティング法により透明被覆を製造するための本発明の被覆材料の新規使用が見いだされた。
【0026】
以下に、本発明の被覆材料の新規使用を“本発明の使用”と称する。
【0027】
従来技術に鑑みて、本発明に基づく課題が本発明の被覆材料、本発明の製法および本発明の使用により解決できたことは意外であり、かつ当業者にも予測不可能であった。
【0028】
特に、本発明の被覆材料が先行技術の欠点をもはや有さず、有機フッ素化合物不含であり、これから製造された被覆基質、特にアルミニウムをベースとするボディーが問題なくリサイクルできることは意外であった。
【0029】
さらに、新規の透明な熱硬化性被覆材料は、特に良好な湿潤性と特に良好な流展性を有し、従って、特によく加工可能である。さらに、これは比較的に廉価な成分から製造することができるので、技術的だけではなく、経済的にも有利であった。
【0030】
新規の透明な熱硬化性被覆材料は、簡単な方法で製造でき、かつコイルコーティング法で有利に使用でき、かつ特に光沢、表面光沢、描写鮮明性、硬度、耐候性および耐薬品性の点について自動車品質を有してコイル上で透明の、特にクリアな被覆を提供するのがよい。
【0031】
さらに、新規の透明な、特にクリアな被覆は極めて良好なトップコート性を有し、従って、これらは極めて良好に修理塗装することができる。
【0032】
前被覆されたコイルは、その成形加工後にも自動車品質がさらに保持されるので、被覆した部材は相応の大きな被覆ユニット、特に相応の被覆自動車ボディーでの構成部材として取付けることができ、これは視覚的に差がなく、特に互いに接しているコーナー領域で不利に目に付くことがなく行うことができる。
【0033】
本発明の被覆材料は、本発明の製法を用いて簡単に、極めて良好に再現できる方法で製造することができる。
【0034】
全体として、本発明の被覆材料は意外にも自動車分野へのコイルコーティング法の転用を可能にする。
【0035】
本発明の被覆材料は、第一に重要な成分として、(A)、(B)、(C)および(D)に対して、少なくとも1つの(メタ)アクリレート(コ)ポリマー(A)、有利には(メタ)アクリレートコポリマー(A)、特にメタクリレートコポリマー(A)を10〜40質量%、特に10〜35質量%含有する。
【0036】
(A)は、1500〜5000ダルトン、特に1000〜6000ダルトンの数平均分子量を有し、−15〜+60℃のガラス転移温度を有する。そのヒドロキシル価は80〜200mg KOH/g、特に100〜180mg KOH/gである。0〜30mg KOH/gの酸価を有することもできる。
【0037】
(A)は、ラジカル(共)重合、特に共重合により、ラジカル重合可能なオレフィン性不飽和モノマーを製造することができる。
【0038】
(メタ)アクリレートコポリマー(A)を製造するために適切なオレフィン性不飽和モノマー(a)の例は、次のものである
(a1)分子あたり少なくとも1つのヒドロキシ基を有し、かつ必須に使用されるモノマー、例えば、
− アクリル酸、メタクリル酸または他のα、β−オレフィン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル(前記エステルは、酸でエステル化されるアルキレングリコールから由来するか、またはα、β−オレフィン性不飽和カルボン酸と、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドのようなアルキレンオキシドとの反応により得られる)、特にアクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸またはイタコン酸のヒドロキシアルキルエステル、この際に、ヒドロキシアルキル基は、2−ヒドロキシエチル−、2−ヒドロキシプロピル−、3−ヒドロキシプロピル−、3−ヒドロキシブチル−、4−ヒドロキシブチルアクリレート−、−メタクリレート、−エタクリレート、−クロトネート、−マレイネート、−フマレート、または−イタコネートのように20個までの炭素原子を含有する;または1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン−、オクタヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−ジメタノール−またはメチルプロパンジオールモノアクリレート、−モノメタクリレート、−モノエタクリレート、−モノクロトネート、−モノマレイネート、−モノフマレートまたは−モノイタコネートのようなヒドロキシシクロアルキルエステル;例えば、ε−カプロラクトンおよびそのヒドロキシアルキル−または−シクロアルキルエステルのような環式エステルからの反応生成物。
− アリルアルコールのようなオレフィン性不飽和アルコール;
− トリメチロールプロパンモノ−またはジアリルエーテルまたはペンタエリトリットモノ−、−ジ−または−トリアリルエーテルのようなポリオール;
− アクリル酸および/またはメタクリル酸と、分子あたり5〜18個の炭素原子を有するα位で分枝したモノカルボン酸、特にVersatic(R)酸のグリシジルエステルから成る反応生成物、または該反応生成物の代わりに、重合反応の間と後に、分子あたり5〜18個の炭素原子を有するα位で分枝したモノカルボン酸、特にVersatic(R)酸のグリシジルエステルと反応する当量のアクリル酸および/またはメタクリル酸;および/または
− アクリルオキシシラン含有ビニルモノマー、ヒドロキシ官能性シランとエピクロロヒドリンとの反応に引き続き、反応生成物を(メタ)アクリル酸および/または(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキル−および/またはシクロアルキルエステルおよび/または更なるヒドロキシ基含有モノマー(a1)と反応させることにより製造可能。
【0039】
(a2)分子あたり、少なくとも1つの酸基または少なくとも1つのアミノ基を有するモノマー、例えば、
− アクリル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸またはイタコン酸;
− オレフィン性不飽和スルホン酸またはホスホン酸またはそれらの部分エステル;
− マレイン酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル、
コハク酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステルまたは
フタル酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル;または
− ビニル安息香酸(全ての異性体)、α−メチルビニル安息香酸(全ての異性体)またはビニルベンゼンスルホン酸(全ての異性体);および/または
− アミノエチルアクリレート、アミノエチルメタクリレート、アリルアミンまたはN−メチルイミノエチルアクリレート。
【0040】
(a3)実質的にまたは完全に反応性官能基を有さないモノマー、例えば
モノマー(a31):
実質的に酸基不含の(メタ)アクリル酸エステル、例えば、アルキル基中に20個までの炭素原子を有する(メタ)アクリル酸アルキル−または−シクロアルキルエステル、特にメチル−、エチル−、n−プロピル−、n−ブチル−、s−ブチル−、t−ブチル−、ヘキシル−、エチルヘキシル−、ステアリル−およびラウリルアクリレートまたは−メタクリレート;脂環式(メタ)アクリル酸エステル、特にシクロヘキシル−、イソボルニル−、ジシクロペンタジエニル−、オクタヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−メタノール−またはt−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート;
(メタ)アクリル酸オキサアルキルエステルまたは−オキサシクロアルキルエステル、例えば、有利には550の分子量Mnを有するエトキシトリグリコール(メタ)アクリレートおよびメトキシオリゴグリコール(メタ)アクリレート、または他のエトキシ化および/またはプロポキシ化ヒドロキシル基不含の(メタ)アクリル酸誘導体(これらの種類の適切なモノマー(31)の更なる例は、公開明細書DE19625773 A1、3段、65行目〜4段、20行目から公知である)。これらは、僅かな量の高官能性(メタ)アクリル酸アルキル−または−シクロアルキルエステル、例えば、エチレングリコール−、プロピレングリコール−、ジエチレングリコール−、ジプロピレングリコール−、ブチレングリコール−、ペンタン−1,5−ジオール−、ヘキサン−1,6−ジオール−、オクタヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−ジメタノール−またはシクロヘキサン−1,2−、−1,3−または−1,4−ジオール−ジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパン−ジ−または−トリ(メタ)アクリレート;またはペンタエリトリット−ジ−、−トリ−または−テトラ(メタ)アクリレートを含有することができる。本発明の意味する範囲内では、この場合の僅かな量の高官能性モノマー(a31)とは、コポリマーの架橋またはゲル化を生じない量であると解釈され、従って、これらは架橋したミクロゲルの形で存在するのがよい。
【0041】
モノマー(a32):
分子中5〜18個の炭素原子を有するα−位で分枝したモノカルボン酸のビニルエステル。分枝モノカルボン酸は、液体の強酸触媒の存在で、ギ酸または一酸化炭素および水とオレフィンを反応させることにより得ることができる。前記オレフィンは、鉱油フラクションのようなパラフィン系炭化水素の分解生成物であることができ、かつ分枝ならびに直鎖の環式および/または脂環式オレフィンを含有することができる。このようなオレフィンをギ酸もしくは一酸化炭素および水と反応させる場合には、カルボン酸から成る混合物が生じ、その際に、カルボキシ基は主に第四炭素原子の座を占める。他のオレフィン性出発物質は、例えば、プロピレントリマー、プロピレンテトラマーおよびジイソブチレンである。しかし、ビニルエステルは、自体公知の方法で酸から製造することもでき、例えば、酸とアセチレンを反応させることができる。良好な利用性ゆえに、α炭素原子で分枝している9〜11個の炭素原子を有する飽和脂肪族モノカルボン酸のビニルエステルを使用するのが特に有利である。これらの種類のビニルエステルは、VeoVa(R)の商標名で販売されている(Roempp Lexikon Lacke und Druckfarben, Georg Thieme Verlag, Stuttgart, New York, 1998, 598頁参照)。
【0042】
モノマー(a33):
ジアリールエチレン、特に一般式I:
C=CR (I)
[式中、基R、R、RおよびRは、その都度相互に独立に、水素原子または置換もしくは非置換のアルキル−、シクロアルキル−、アルキルシクロアルキル−、シクロアルキルアルキル−、アリール−、アルキルアリール−、シクロアルキルアリール−、アリールアルキル−またはアリールシクロアルキル基を表すが、ただし、記号R、R、RおよびRの少なくとも2つは置換もしくは非置換のアリール−、アリールアルキル−またはアリールシクロアルキル基、特に置換もしくは非置換のアリール基を表すことを条件とする]のジアリールエチレン。適切なアルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、iso−ブチル、t−ブチル、アミル、ヘキシルまたは2−エチルヘキシルである。適切なシクロアルキル基の例は、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである。適切なアルキルシクロアルキル基の例は、メチレンシクロヘキサン、エチレンシクロヘキサンまたはプロパン−1,3−ジイル−シクロヘキサンである。適切なシクロアルキルアルキル基の例は、2−、3−または4−メチル−、−エチル−、−プロピル−、または−ブチルシクロヘキシ−1−イルである。適切なアリール基の例は、フェニル、ナフチルまたはビフェニリルであり、有利にはフェニルおよびナフチルおよび特にフェニルである。適切なアルキルアリール基の例は、ベンジルまたはエチレン−またはプロパン−1,3−ジイル−ベンゼンである。適切なシクロアルキルアリール基の例は、2−、3−、または4−フェニルシクロヘキシ−1−イルである。適切なアリールアルキル基の例は、2−、3−または4−メチル−、−エチル−、−プロピル−または−ブチルフェニ−1−イルである。適切なアリールシクロアルキル基の例は、2−、3−または4−シクロヘキシルフェニ−1−イルである。R、R、Rおよび/またはRのアリール基は、フェニル基またはナフチル基、特にフェニル基であるのが有利である。基R、R、Rおよび/またはRの中に場合により存在する置換基は、電子吸引性原子または電子供与性原子または有機基、特にハロゲン原子、ニトリル基、ニトロ基、部分的または完全にハロゲン化されたアルキル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、シクロアルキルアリール基、アリールアルキル基およびアリールシクロアルキル基;アリールオキシ−、アルキルオキシ−およびシクロアルキルオキシ基;アリールオキシ−、アルキルオキシ−およびシクロアルキルオキシ基;および/またはアリールチオ基、アルキルチオ基およびシクロアルキルチオ基である。特に有利なのは、ジフェニルエチレン、ジナフタレンエチレン、シス−またはトランス−スチルベンまたはビニリデン−ビス(4−ニトロベンゼン)、特にジフェニルエチレン(DPE)であり、このため好んで使用される。ラジカル共重合がバッチ法でも可能であるように共重合を有利な方法で調節するために、本発明の範囲内では、モノマー(b33)が使用される。
【0043】
モノマー(a34):
ビニル芳香族炭化水素、例えばスチレン、ビニルトルエンまたはα−アルキルスチレン、特にα−メチルスチレン。
【0044】
モノマー(a35):
ニトリル、例えばアクリロニトリルおよび/またはメタクリロニトリル。
【0045】
モノマー(a36):
ビニル化合物、特にビニル−および/またはビニリデンジハロゲニド、例えば、ビニルクロリド、ビニルフルオリド、ビニリデンジクロリドまたはビニリデンジフルオリド;N−ビニルアミド、例えば、ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニルカプロラクタムまたはN−ビニルピロリドン;1−ビニルイミダゾール;ビニルエーテル、例えば、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテルおよび/またはビニルシクロヘキシルエーテル;および/またはビニルエステル、例えば、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルピバレートおよび/または2−メチル−2−エチルヘプタン酸のビニルエステル。
【0046】
モノマー(a37):
アリル化合物、特にアリルエーテルおよびアリルエステル、例えば、アリルメチル−、−エチル−、−プロピル−または−ブチルエーテルまたはアリルアセテート、−プロピオネートまたは−ブチレート。
【0047】
モノマー(a38):
数平均分子量Mn1000〜40000および分子あたり平均して0.5〜2.5のエチレン性不飽和二重結合を有するポリシロキサンマクロモノマー;特に数平均分子量Mn2000〜20000、有利には2500〜10000、特に3000〜7000および分子あたり平均して0.5〜2.5、有利には0.5〜1.5のエチレン性不飽和二重結合を有するポリシロキサンマクロモノマー。前記モノマーは、DE 3807571A1の5〜7頁、DE 3706095A1の3〜7段目、EP 0358153B1の3〜6頁、US 4754014A 1の5〜9段目、DE 4421823A1または国際特許出願WO 92/22615の12頁18行目〜18頁10行目に記載されている。
【0048】
モノマー(a39):
オレフィン、例えば、エチレン、プロピレン、ブテ−1−エン、ペンテ−1−エン、ヘキセ−1−エン、シクロヘキセン、シクロペンテン、ノルボネン、ブタジエン、イソプレン、シクロペンタジエンおよび/またはジシクロペンタジエン。
および/または
(a4)エポキシド基含有モノマー、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸またはイタコン酸のグリシジルエステル、またはアリルグリシジルエーテル。
【0049】
カルボキシル基含有モノマー(a3)の共重合により場合により存在するカルボキシル基は、エポキシド基含有の芳香族、脂肪族および/または脂環式、特に脂環式化合物とのポリマーに類似した反応の中心として使用することができる。この場合に、第二ヒドロキシ基が生じ、かつ(A)のガラス転移温度は、挿入された芳香族、脂肪族および/または脂環式基、特に脂環式基を用いて変えることができる。
【0050】
エポキシド基含有モノマー(a3)の共重合により場合により存在するエポキシド基は、カルボキシ基含有の芳香族、脂肪族および/または脂環式、特に脂環式化合物とのポリマーに類似した反応の中心として使用することができる。この場合に、第二ヒドロキシ基が生じ、かつ(A)のガラス転移温度は、挿入された芳香族、脂肪族および/または脂環式基、特に脂環式基を用いて変えることができる。この場合にも、第二ヒドロキシ基が生じ、かつ(A)のガラス転移温度は、挿入された芳香族、脂肪族および/または脂環式基、特に脂環式基を用いて変えることができる。
【0051】
前記の種類の高官能性モノマー(a)は、一般に僅かな量で使用される。ここで、このような量は、(メタ)アクリレートコポリマー(A)の架橋またはゲル化を生じない量であると解釈されるが、ただし目標を定めて架橋ポリマーのミクロ粒子を製造する場合は別である。
【0052】
(A)を製造するために、モノマー(a)は前記のパラメーターを有するように選択される。
【0053】
(A)にとって適切な製法の例は、ヨーロッパ特許出願EP 0767185A1、ドイツ国特許DE 2214650B1またはDE 2749576B1および米国特許明細書US 4091048A1、US 3781379A1、US 5480493A1、US 5475073A1またはUS 5534598A1または定評のある参考文献である Houben-Weyl, Methoden der organischen Chemie, 第4版、14/1巻、 24〜255頁(1961)に記載されている。共重合の反応器として、通常かつ公知の撹拌釜、撹拌釜カスケード、管型反応器、ループ型反応器またはテイラー反応器を用いることができ、これらは例えば特許明細書および特許出願DE 1071241B1、EP 0498583A1またはDE 19828742A1またはK. Kataoka による論説、Chemical Engineering Science, 第50巻、第9号(1995)、1409〜1416頁に記載されている。
【0054】
本発明の被覆材料は、第二に重要な成分として、その都度(A)、(B)、(C)および(D)に対して、少なくとも1つの特にポリエステル(B)を10〜40質量%、特に10〜35質量%含有する。
【0055】
(B)は、800〜6000ダルトン、特に1000〜5500ダルトンの数平均分子量を有する。そのヒドロキシル価は、80〜200mgKOH/g、特に100〜180mgKOH/gである。酸価は1〜50mgKOH/g、特に3〜25mgKOH/gである。
【0056】
(B)に対して脂環式構造単位30〜40質量%、特に40〜60質量%を含有するのが(B)には重要である。
【0057】
適切な脂環式構造単位は、オレフィン性不飽和脂環式基を含めた二価または三価の、特に二価の脂環式基であるか、またはオレフィン性不飽和の脂環式基を含めた少なくとも1つの脂環式基を有する脂肪族基である。
【0058】
適切な二価の脂環式基の例は、飽和または不飽和、有利には4〜20個の炭素原子を有する不飽和のシクロアルカンジイル基、例えば、シクロブタン−1,3−ジイル、シクロペンタン−1,3−ジイル、シクロヘキサン−1,2−、−1,3−または−1,4−ジイル、シクロヘキセン−1,2−、−1,3−または−1,4−ジイル、シクロヘプタン−1,4−ジイル、ノルボルナン−1,4−ジイル、アダマンタン−1,5−ジイル、デカリン−ジイル、3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン−1,5−ジイル、1−メチルシクロヘキサン−2,6−ジイル、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイル、1,1’−ジシクロヘキサン−4,4’−ジイルまたは1,4−ジシクロヘキシルヘキサン−4,4’’−ジイル、特に3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン−1,5−ジイルまたはジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイルである。このほかに、僅かな量の相応するトリイル基を用いることができる。
【0059】
少なくとも1つの脂環式基を含有する適切な二価の脂肪族基の例は、ヘプチル−1−ペンチル−シクロヘキサン−3,4−ビス(ノニ−9−イル)、シクロヘキサン−1,2−、1,4−または−1,3−ビス(メチル)シクロヘキサン−1,2−、1,4−または−1,3−ビス(エチ−2−イル)、シクロヘキサン−1,3−ビス(プロピ−3−イル)またはシクロヘキサン−1,2−、1,4−または−1,3−ビス(ブチ−4−イル)ならびに相応のシクロヘキセン誘導体である。
【0060】
前記の脂環式構造単位は、(B)を製造する際に使用されるポリオール、特にジオールおよび/またはポリカルボン酸、無水ポリカルボン酸、ポリカルボン酸エステルまたはポリカルボン酸ハロゲン化物、特にジカルボン酸、ジカルボン酸エステルおよび無水ジカルボン酸から由来することができる。
【0061】
適切な脂環式および環式オレフィン性不飽和ジカルボン酸の例は、1,2−シクロブタンジカルボン酸、1,3−シクロブタンジカルボン酸、1,2−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸、トリシクロデカンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、4−メチルテトラヒドロフタル酸またはポリマー脂肪酸、特に二量体脂肪酸とも称される90質量%を上回る二量体含有量を有するものが挙げられる。これらのジカルボン酸は、そのシス型でもトランス型でも、ならびに両方の形の混合物としても使用できる。それらから由来するエステルと無水物も適切である(存在する場合)。
【0062】
適切な脂環式ジオールの例は、1,2−、1,3−、または1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−、1,3−または1,4−シクロヘキサンジメタノールまたは1−ジヒドロキシメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンである。
【0063】
さらに、ポリエステルを製造する際に通常使用される非環式脂肪族と芳香族ポリカルボン酸、無水ポリカルボン酸、ポリカルボン酸エステルまたはポリカルボン酸ハロゲン化物、特にジカルボン酸、ジカルボン酸エステルおよび無水ジカルボン酸を使用することもできる。
【0064】
適切な芳香族ジカルボン酸の例は、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸−、イソフタル酸−、またはテレフタル酸モノスルホネート、またはハロゲンフタル酸、例えば、テトラクロロ−もしくはテトラブロモフタル酸であり、これらのうち、テレフタル酸が有利であり、従って好んで使用される。
【0065】
適切な非環式脂肪族または不飽和ジカルボン酸の例は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、コルク酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジカルボン酸またはドデカンジカルボン酸またはマレイン酸、フマル酸またはイタコン酸である。
【0066】
さらに、ポリエステルを製造する際に通常使用される非環式脂肪族と芳香族ポリオール、特にジオールを使用することができる。
【0067】
適切なジオールの例は、エチレングリコール、1,2−または1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−または1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−、1,3−、1,4−または1,5−ペンタンジオール、1,2−、1,3−、1,4−、1,5−、1,6−ヘキサンジオール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルエステル、ネオペンチルグリコール、1,2−、1,3−または1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−、1,3−または1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリメチルペンタンジオール、エチルブチルプロパンジオール、位置異性体のジエチルオクタンジオール、2−ブチル−2−エチルプロパンジオール−1,3、2−ブチル−2−メチルプロパンジオール−1,3、2−フェニル−2−メチルプロパン−ジオール−1,3、2−プロピル−2−エチルプロパンジオール−1,3、2−ジ−t−ブチルプロパンジオール−1,3、2−ブチル−2−プロピルプロパンジオール−1,3、2,2−ジエチルプロパンジオール−1,3、2,2−ジプロピルプロパンジオール−1,3、2−シクロヘキシル−2−メチルプロパンジオール−1,3、2,5−ジメチル−ヘキサンジオール−2,5、2,5−ジエチルヘキサンジオール−2,5、2−エチル−5−メチルヘキサンジオール−2,5、2,4−ジメチル−ペンタンジオール−2,4、2,3−ジメチルブタンジオール−2,3、1,4−(2’−ヒドロキシプロピル)−ベンゼン、1,3−(2’−ヒドロキシプロピル)−ベンゼンまたは後に記載するヒドロキシ基で官能化したアルカンである。
【0068】
官能化したアルカンは、その都度基本骨格を形成する9〜16個の炭素原子を有する分枝、環式または非環式のアルカンから由来する。
【0069】
9個の炭素原子を有するこれらの種類の適切なアルカンの例は、2−メチルオクタン、4−メチルオクタン、2,3−ジメチルヘプタン、3,4−ジメチルヘプタン、2,6−ジメチルヘプタン、3,5−ジメチルヘプタン、2−メチル−4−エチルヘキサンまたはイソプロピルシクロヘキサンである。
【0070】
10個の炭素原子を有するこれらの種類の適切なアルカンの例は、4−エチルオクタン、2,3,4,5−テトラメチル−ヘキサン、2,3−ジエチル−ヘキサンまたは1−メチル−2−n−プロピルシクロヘキサンである。
【0071】
11個の炭素原子を有するこれらの種類の適切なアルカンの例は、2,4,5,6−テトラメチル−ヘプタンまたは3−メチル−6−エチルオクタンである。
【0072】
12個の炭素原子を有するこれらの種類の適切なアルカンの例は、4−メチル−7−エチル−ノナン、4,5−ジエチル−オクタン、1’−エチル−ブチル−シクロヘキサン、3,5−ジエチル−オクタンまたは2,4−ジエチル−オクタンである。
【0073】
13個の炭素原子を有するこれらの種類の適切なアルカンの例は、3,4−ジメチル−5−エチル−ノナンまたは4,6−ジメチル−5−エチル−ノナンである。
【0074】
14個の炭素原子を有するこれらの種類の適切なアルカンの例は、3,4−ジメチル−7−エチル−デカンである。
【0075】
15個の炭素原子を有するこれらの種類の適切なアルカンの例は、3,6−ジエチル−ウンデカンまたは3,6−ジメチル−9−エチル−ウンデカンである。
【0076】
16個の炭素原子を有するこれらの種類の適切なアルカンの例は、3,7−ジエチル−ドデカンまたは4−エチル−6−イソプロピル−ウンデカンである。
【0077】
これらの基本骨格のうち、10〜14個の炭素原子、特に12個の炭素原子を有するアルカンがとりわけ有利であり、従って好んで使用される。これらのうち、さらにオクタン誘導体が極めて有利である。
【0078】
官能化アルカンは、一般に第一および/または第二ヒドロキシ基を有し、第一および第二の基が存在するのが有利である。
【0079】
位置異性体のジアルキルオクタンジオールが特に有利であり、位置異性体のジエチルオクタンジオールがとりわけ有利である。
【0080】
有利な位置異性体のジエチルオクタンジオールは、1つの線状C−炭素原子鎖を有する。
【0081】
2つのエチル基に関して、C−炭素原子鎖は次の置換パターンを有する:2,3、2,4、2.5、2,6、2,7、3,4、3,5、3,6または4,5。本発明によれば、2つのエチル基が2,4位に存在するのが有利である。すなわち、これは2,4−ジエチルオクタンジオールである。
【0082】
2つのヒドロキシル基に関して、C−炭素原子鎖は次の置換パターンを有する:1,2、1,3、1,4、1,5、1,6、1,7、1,8、2,3、2,4、2,5、2,6、2,7、2,8、3,4、3,5、3,6、3,7、3,8、4,5、4,6、4,8、5,6、5,7、5,8、6,7、6,8または7,8。本発明によれば、2つのヒドロキシ基が1,5位に存在するのが有利である。すなわち、これはジエチルオクタン−1,5−ジオールである。
【0083】
両方の置換パターンは、任意の方法で相互に組み合わせることができる。すなわち、特に有利なジエチルオクタンジオールは、2,3−ジエチルオクタン−1,2−、−1,3−、−1,4−、−1,5−、−1,6−、−1,7−、−1,8−、−2,3−、−2,4−、−2,5−、−2,6−、−2,7−、−2,8−、−3,4−、−3,5−、−3,6−、−3,7−、−3,8−、−4,5−、−4,6−、−4,7−、−4,8−、−5,6−、−5,7−、−5,8−、−6,7−、−6,8−または−7,8−ジオール、
2,4−ジエチルオクタン−1,2−、−1,3−、−1,4−、−1,5−、−1,6−、−1,7−、−1,8−、−2,3−、−2,4−、−2,5−、−2,6−、−2,7−、−2,8−、−3,4−、−3,5−、−3,6−、−3,7−、−3,8−、−4,5−、−4,6−、−4,7−、−4,8−、−5,6−、−5,7−、−5,8−、−6,7−、−6,8−または−7,8−ジオール、
2,5−ジエチルオクタン−1,2−、−1,3−、−1,4−、−1,5−、−1,6−、−1,7−、−1,8−、−2,3−、−2,4−、−2,5−、−2,6−、−2,7−、−2,8−、−3,4−、−3,5−、−3,6−、−3,7−、−3,8−、−4,5−、−4,6−、−4,7−、−4,8−、−5,6−、−5,7−、−5,8−、−6,7−、−6,8−または−7,8−ジオール、
2,6−ジエチルオクタン−1,2−、−1,3−、−1,4−、−1,5−、−1,6−、−1,7−、−1,8−、−2,3−、−2,4−、−2,5−、−2,6−、−2,7−、−2,8−、−3,4−、−3,5−、−3,6−、−3,7−、−3,8−、−4,5−、−4,6−、−4,7−、−4,8−、−5,6−、−5,7−、−5,8−、−6,7−、−6,8−または−7,8−ジオール、
2,7−ジエチルオクタン−1,2−、−1,3−、−1,4−、−1,5−、−1,6−、−1,7−、−1,8−、−2,3−、−2,4−、−2,5−、−2,6−、−2,7−、−2,8−、−3,4−、−3,5−、−3,6−、−3,7−、−3,8−、−4,5−、−4,6−、−4,7−、−4,8−、−5,6−、−5,7−、−5,8−、−6,7−、−6,8−または−7,8−ジオール、
3,4−ジエチルオクタン−1,2−、−1,3−、−1,4−、−1,5−、−1,6−、−1,7−、−1,8−、−2,3−、−2,4−、−2,5−、−2,6−、−2,7−、−2,8−、−3,4−、−3,5−、−3,6−、−3,7−、−3,8−、−4,5−、−4,6−、−4,7−、−4,8−、−5,6−、−5,7−、−5,8−、−6,7−、−6,8−または−7,8−ジオール、
3,5−ジエチルオクタン−1,2−、−1,3−、−1,4−、−1,5−、−1,6−、−1,7−、−1,8−、−2,3−、−2,4−、−2,5−、−2,6−、−2,7−、−2,8−、−3,4−、−3,5−、−3,6−、−3,7−、−3,8−、−4,5−、−4,6−、−4,7−、−4,8−、−5,6−、−5,7−、−5,8−、−6,7−、−6,8−または−7,8−ジオール、
3,6−ジエチルオクタン−1,2−、−1,3−、−1,4−、−1,5−、−1,6−、−1,7−、−1,8−、−2,3−、−2,4−、−2,5−、−2,6−、−2,7−、−2,8−、−3,4−、−3,5−、−3,6−、−3,7−、−3,8−、−4,5−、−4,6−、−4,7−、−4,8−、−5,6−、−5,7−、−5,8−、−6,7−、−6,8−または−7,8−ジオール、または
4,5−ジエチルオクタン−1,2−、−1,3−、−1,4−、−1,5−、−1,6−、−1,7−、−1,8−、−2,3−、−2,4−、−2,5−、−2,6−、−2,7−、−2,8−、−3,4−、−3,5−、−3,6−、−3,7−、−3,8−、−4,5−、−4,6−、−4,7−、−4,8−、−5,6−、−5,7−、−5,8−、−6,7−、−6,8−または−7,8−ジオールである。
【0084】
位置異性体のジエチルオクタンジオールは、別個の化合物としても、2個以上のジエチルオクタンジオールの混合物としても使用できる。
【0085】
2,4−ジエチルオクタン−1,5−ジオールを使用する場合に、きわめて有利である。
【0086】
有利に使用される位置異性体のジエチルオクタンジオールは、自体公知の化合物であり、かつ塩基触媒によるアルドール縮合のような通常かつ公知の有機化学の合成法により製造することができるか、またはこれらは2−エチル−ヘキサノールの製造のように大規模な化学合成の副生成物として生じる。
【0087】
(B)の製造は、公知のエステル化法により、例えば、ドイツ国特許出願DE 4024204A1、4頁、50〜65行目に記載されているように行われる。この場合に、反応は、通常180〜280℃の温度で、場合によりリチウムオクトエート、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズジラウレートまたはp−トルエンスルホン酸のような適切なエステル化触媒の存在で行われる。ドイツ国特許出願DE 19907861A1から公知の不均一エステル化触媒を使用することもできる。
【0088】
(B)の製造は、キャリヤとしての僅かな量の適切な溶剤の存在で実施することができる。キャリヤとして、例えば、特にキシレンおよび(シクロ)脂環式炭化水素のような芳香族炭化水素、例えば、シクロヘキサンまたはメチルシクロヘキサンを使用することができる。
【0089】
本発明の被覆材料は、第三の重要な成分として、その都度(A)、(B)、(C)および(D)に対して、少なくとも1つの特にブロックトポリイソシアネート(C)を10〜40質量%、特に10〜35質量%含有する。その際、ブロックトポリイソシアネート基は、少なくとも1つの柔軟性構造単位、有利には少なくとも2個、特に少なくとも3個の柔軟性構造単位に結合する。柔軟性構造単位は、三次元網目の成分としてそのガラス転移温度を低下させる。
【0090】
柔軟性構造単位は、有利に二価の有機基である。二価の脂肪族炭化水素基と二価のヘテロ原子含有の脂肪族炭化水素基から成るグループから選択される柔軟性構造単位が有利である。
【0091】
前記の種類の適切な柔軟性の二価の有機基の例は、4〜30、有利には5〜20個、特に6個の炭素原子を有する置換または非置換、有利には非置換の線状または分枝、有利には線状のアルカンジオール基であり、前記炭素鎖がイソシアネート基と環式基の間に2個以上の炭素原子を含有している限りは、前記炭素鎖の中に環式基を含有することもできる。
【0092】
適切な線状アルカンジイル基の例は、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナン−1,9−ジイル、デカン−1,10−ジイル、ウンデカン−1,11−ジイル、ドデカン−1,12−ジイル、トリデカン−1,13−ジイル、テトラデカン−1,14−ジイル、ペンタデカン−1,15−ジイル、ヘキサデカン−1,16−ジイル、ヘプタデカン−1,17−ジイル、オクタデカン−1,18−ジイル、ノナンデカン−1,19−ジイルまたはエイコサン−1,20−ジイル、有利にはテトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナン−1,9−ジイル、デカン−1,10−ジイル、特にヘキサメチレンである。
【0093】
炭素鎖中に環式基も含有している適切なアルカジイル基の例は、2−ヘプチル−1−ペンチル−シクロヘキサン−3,4−ビス(ノニ−9−イル)、シクロヘキサン−1,2−、1,4−または−1,3−ビス(エチ−2−イル)、シクロヘキサン−1,3−ビス(プロピ−3−イル)またはシクロヘキサン−1,2−、1,4−または1,3−ビス(ブチ−4−イル)である。
【0094】
ヘテロ原子を含有している二価の有機基の更なる例は、式−(−CO−(CHR−CH−O−)−の繰返しポリステル単位を有する二価のポリエステル基から成る。この場合に、指数mは有利には4〜6であり、かつ置換基Rは水素、アルキル基、シクロアルキル基またはアルコキシ基である。どの置換基も12個を上回る炭素原子を含有しない。
【0095】
ヘテロ原子を含有する適切な二価の有機基の更なる例は、二価の線状ポリエーテル基であり、400〜5000、特に400〜3000の数平均分子量を有するのが有利である。適切なポリエーテル基は、一般式−(−O−(CHR−)−O−[式中、置換基Rは、水素、または低分子の、場合により置換アルキル基であり、指数oは、2〜6、有利に3〜4であり、指数pは2〜100、有利には5〜50である]を有する。特に適切な例として、ポリ(オキシエチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコールおよびポリ(オキシブチレン)グリコールから由来する線状または分枝のポリエーテル基が挙げられる。
【0096】
さらに、シリコーンゴム中に存在するような線状の二価シロキサン基、水素化ポリブタジエンまたはポリイソプレン基、ランダムまたは交互のブタジエン−イソプレンコポリマー基またはスチレンを組込み重合して含有することができるブタジエン−イソプレンブロック混合ポリマー基、ならびにエチレンプロピレンジエン基を用いることができる。
【0097】
置換基として、実質的に不活性の、すなわち、本発明による被覆材料の成分と反応しない全ての有機性官能基を用いることができる。
【0098】
適切な不活性有機基の例は、アルキル基、特にメチル基、ハロゲン原子、ニトロ基、ニトリル基またはアルコキシ基である。
【0099】
前記の二価の有機基のうち、炭素鎖中に何の置換基も環式基も含有しないアルカンジイル基が有利であり、従って好んで使用される。
【0100】
適切なブロックトポリイソシアネート(C)の例は、ジイソシアネートのオリゴマー、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネート、エチルエチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネートまたは炭素鎖中に1つの環式基を含有する非環式脂肪族ジイソシアネート、例えば、二量体脂肪酸から由来し、商標名DDI1410でHenkel社から販売されており、かつ特許明細書WO 97/49745とWO 97/49747に記載されているようなジイソシアネートであり、特に、2−ヘプチル−3,4−ビス(9−イソシアナトノニル)−1−ペンチル−シクロヘキサン、または1,2−、1,4−、または1,3−ビス(2−イソシアナトエチ−1−イル)シクロヘキサン、1,3−ビス(3−イソシアナトプロピ−1−イル)シクロヘキサンまたは1,2−、1,4−または1,3−ビス(4−イソシアナトブチ−1−イル)シクロヘキサンである。本発明の範囲内では、後者は専らアルキル基に結合した2つのイソシアネート基に基づき、環式基を除いて環式脂肪族ジイソシアネートに含まれる。これらのジイソシアネートのうち、ヘキサメチレンジイソシアネートが特に有利に使用される。
【0101】
イソシアヌレート基、ウレア基、ウレタン基、ビウレット基、ウレトジオン基、イミノオキサジアジンジオン基、カルボジイミド基および/またはアロファネート基を含有するオリゴマー(C)を使用するのが有利である。適切な製法の例は、明細書CA2163591A、US4419513A、US4454317A、EP0646608A、US4801675A、EP0183976A1、DE4015155A1、EP0303150A1、EP0496208A1、EP0524500A1、EP0566037A1、US5258482A1、US5290902A1、EP0649806A1、DE4229183A1、EP0531820A1またはDE10005228A1から公知である。
【0102】
さらに、ブロックトノニルトリイソシアネート(NTI)(C)も用いられる。
【0103】
本発明の被覆材料は第四の重要な成分として、その都度(A)、(B)、(C)および(D)に対して、少なくとも1つの特にブロックトポリイソシアネート(D)を10〜40質量%、特に10〜35質量%含有する。その際、ブロックトポリイソシアネート基は、少なくとも1つの、有利には少なくとも2つ、特に少なくとも3つの硬質にする構造単位に結合する。硬質にする構造単位は、三次元網目の成分としてそのガラス転移温度を高くする。
【0104】
硬質にする構造単位は、二価または三価の有機基である。二価の有機基を使用するのが有利である。
【0105】
適切な硬質にする構造単位の例は、
− 二価の芳香族基、脂環式基および芳香族脂環式基であり、この場合にブロックトポリイソシアネート(D)の中で少なくとも1つの結合が直接に脂環式および/または芳香族構造単位を生じる。
− ならびに二価の脂肪族基、この場合にブロックトポリイソシアネート(D)の中で2つの結合は、芳香族または脂環式構造単位、特に脂環式構造単位と結合したメチレン基を生じる。
【0106】
二価の脂環式基、芳香族基および脂肪族基、特に脂環式基は有利であるので、好んで用いられる。
【0107】
適切な二価の芳香族基の例は、分子中に6〜30個の炭素原子を有する置換、特にメチル置換芳香族基、または非置換の芳香族基、例えば、フェニ−1,4−レン、フェニ−1,3−レン、またはフェニ−1,2−レン、ナフチ−1,4−レン、ナフチ−1,3−レン、ナフチ−1,2−レン、ナフチ−1,5−レンまたはナフチ−2,5−レン、プロパン−2,2−ジ(フェニ−4’−イル)、メタン−ジ(フェニ−4’−イル)、ジフェニル−4,4’−ジイルまたは2,4−または2,6−トルイレンである。
【0108】
適切な二価の脂環式基の例は、置換または非置換、有利には非置換の4〜20個の炭素原子を有するシクロアルカンジイル基、例えば、シクロブタン−1,3−ジイル、シクロペンタン−1,3−ジイル、シクロヘキサン−1,3−または−1,4−ジイル、シクロヘプタン−1,4−ジイル、ノルボルナン−1,4−ジイル、アダマンタン−1,5−ジイル、デカリン−ジイル、3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン−1,5−ジイル、1−メチルシクロヘキサン−2,6−ジイル、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイル、1,1’−ジシクロヘキサン−4,4’−ジイルまたは1,4−ジシクロヘキシルヘキサン−4,4’’−ジイル、特に3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン−1,5−ジイルまたはジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイルである。さらに、僅かな量で相応のトリイル基を用いることができる。
【0109】
適切な脂環式基の例は、シクロヘキサン−1,2−、−1,4−または−1,3−ビス(メチル)である。
【0110】
適切な置換基は上に記載されてある。
【0111】
適切なブロックトポリイソシアネート(D)の例は、ジイソシアネートのオリゴマー、例えば、イソホロンジイソシアネート(=5−イソシアナト−1−イソシアナトメチル−1,1,3−トリメチル−シクロヘキサン)、5−イソシアナト−1−(2−イソシアナトエチ−1−イル)−1,3,3−トリメチル−シクロヘキサン、5−イソシアナト−1−(3−イソシアナトプロピ−1−イル)−1,3,3−トリメチル−シクロヘキサン、5−イソシアナト−(4−イソシアナトブチ−1−イル)−1,3,3−トリメチル−シクロヘキサン、1−イソシアナト−2−(3−イソシアナトプロピ−1−イル)−シクロヘキサン、1−イソシアナト−2−(3−イソシアナトエチ−1−イル)シクロヘキサン、1−イソシアナト−2−(4−イソシアナトブチ−1−イル)−シクロヘキサン、1,2−ジイソシアナトシクロブタン、1,3−ジイソシアナトシクロブタン、1,2−ジイソシアナトシクロペンタン、1,3−ジイソシアナトシクロペンタン、1,2−ジイソシアナトシクロヘキサン、1,3−ジイソシアナトシクロヘキサン、1,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、1,2−、1,4−、または1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン−2,4’−ジイソシアネートまたはジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、特にイソホロンジイソシアネートである。
【0112】
イソシアヌレート基、ウレア基、ウレタン基、ビウレット基、ウレトジオン基、イミノオキサジアジンジオン基、カルボジイミド基および/またはアロファネート基を含有するオリゴマー(D)を使用するのが有利である。適切な製法の例は、特許明細書CA2163591A、US4419513A、US4454317A、EP0646608A、US4801675A、EP0183976A1、DE4015155A1、EP0303150A1、EP0496208A1、EP0524500A1、EP0566037A1、US5258482A1、US5290902A1、EP0649806A1、DE4229183A1、またはEP0531820A1から公知であるか、または非公開のドイツ国特許出願DE 1005228.2に記載されている。
【0113】
ブロックトポリイソシアネートを製造するために適切なブロック剤は、US-特許明細書のUS4444954Aから公知である:
i)フェノール類、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、ニトロフェノール、クロロフェノール、エチルフェノール、t−ブチルフェノール、ヒドロキシ安息香酸、これらの酸のエステルまたは2,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン;
ii)ラクタム、例えば、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタムまたはβ−プロピオラクタム;
iii)活性メチレン化合物、例えば、ジエチルマロネート、ジメチルマロネート、アセト酢酸エチル−または−メチルエステルまたはアセチルアセトン;
iv)アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、n−アミルアルコール、t−アミルアルコール、ラウリルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メトキシメタノール、グリコール酸、グリコール酸エステル、乳酸、乳酸エステル、メチロール尿素、メチロールメラミン、ジアセトンアルコール、エチレンクロロヒドリン、エチレンブロモヒドリン、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、1,4−シクロヘキシルジメタノールまたはアセトシアンヒドリン;
v)メルカプタン、例えば、ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトベンゾチアゾール、チオフェノール、メチルチオフェノールまたはエチルチオフェノール;
vi)酸アミド、例えば、アセトアニリド、アセトアニシジンアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸アミド、ステアリン酸アミドまたはベンズアミド;
vii)イミド、例えば、スクシンイミド、フタルイミドまたはマレイミド;
viii)アミン、例えば、ジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、キシリジン、N−フェニルキシリジン、カルバゾール、アニリン、ナフチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミンまたはブチルフェニルアミン;
ix)イミダゾール類、例えば、イミダゾールまたは2−エチルイミダゾール;
x)尿素類、例えば、尿素、チオ尿素、エチレン尿素、エチレンチオ尿素または1,3−ジフェニル尿素;
xi)カルバメート、例えば、N−フェニルカルバミド酸フェニルエステルまたは2−オキサゾリドン;
xii)イミン、例えば、エチレンイミン;
xiii)オキシム、例えば、アセトンオキシム、ホルムアルドキシム、アセトアルドキシム、アセトキシム、メチルエチルケトキシム(ブタノンオキシム)、ジイソブチルケトオキシム、ジアセチルモノキシム、ベンゾフェノンオキシムまたはクロロヘキサノンオキシム;
xiv)亜硫酸の塩、例えば、亜硫酸水素ナトリウムまたは重亜硫酸カリウム;
xv)ヒドロキサム酸エステル、例えば、ベンジルメタクリロヒドロキサメート(BMH)またはアリルメタクリロヒドロキサメート;または
xvi)置換ピラゾール、特に3,5−ジメチルピラゾール、またはトリアゾール;ならびに
xvii)これらのブロック剤の混合物。
【0114】
置換ピラゾール、特に3,5−ジメチルピラゾールでブロックしたブロックトポリイソシアネート(C)、およびオキシム、特にブタノンオキシムでブロックしたブロックトポリイソシアネート(D)が有利である。
【0115】
本発明の被覆材料は、前記の重要な成分(A)、(B)、(C)および(D)ならびに少なくとも1つの添加剤(E)から成るのが有利である。添加剤(E)の含有量は、極めて広く変化でき、特に(E)の機能に従う。
【0116】
適切な添加剤(E)の例は、前記結合剤(A)および(B)とは違う結合剤であり、前記架橋剤(C)と(D)とは異なる架橋剤であり、被覆顔料ではなく、可溶性分子分散染料;UV−吸収剤および可逆性ラジカル捕捉剤のような光安定剤(HALS);抗酸化剤;低沸点および高沸点(“長鎖”)の有機溶剤;脱気剤;架橋剤;乳化剤;スリップ剤;重合阻害剤;熱架橋用の触媒;熱不安定性ラジカル開始剤;熱硬化性反応性希釈剤;定着剤;流展剤;フィルム形成助剤;レオロジー助剤(増粘剤および構造粘性垂れ下がり調節剤 SCA);防炎剤;腐食阻害剤;固化防止剤;ワックス;乾燥剤;殺虫剤および/または艶消し剤であり、これらは、例えばJohan Bielemanによる教書“Lackadditice”、Wiley-VCH, Weinheim, New York, 1998、ドイツ国特許出願DE19914896A1、14段、26頁目〜15段、46行目に詳細に記載されている。補足としてDE19904317A1およびDE19855125A1も参照のこと。
【0117】
方法的には、本発明の被覆材料の製造には特殊性がなく、前記成分(A)、(B)、(C)および(D)ならびに場合により(E)を混合し、かつ得られた混合物を通常の混合法と、撹拌釜、ボールミル、押出機、ニーダー、ウルトラトュルラックス(Ultraturrax)、インライン型ディソルバー、スタティックミキサー、歯付き分散機、圧縮ノズルおよび/またはミクロフルイダイザーのような装置により均質化することにより、本発明の方法を用いて有利に行われる。
【0118】
得られる本発明の被覆材料は、通常の有機溶剤を含有する被覆材料、水性被覆材料であり、基本的にまたは完全に溶剤不含かつ水不含の液体被覆材料(100%System)であり、基本的にまたは完全に溶剤不含かつ水不含の固形被覆材料(粉末塗料)であるか、または基本的にまたは完全に溶剤不含の粉末ラッカー懸濁液(粉末スラリー)である。これらは通常の被覆材料であるのが有利である。
【0119】
これらは、単層および多層クリアコートを製造するために、ならびに特にウェットオンウェット法により多層の着色−および/または効果付与性被覆を製造するために卓越して適切であり、その際、ベースラッカー、特に水性ベースラッカーが基質の表面上に塗布され、これにより生じるベースラッカー層は硬化することなく乾燥でき、かつクリアラッカー層でカバーされる。引き続き、両方の層を一緒に硬化させる。
【0120】
意外にも、本発明の被覆材料の塗布は、コイルコーティング法を用いても行うことができる。
【0121】
塗布された本発明の被覆材料は、バンド上で熱硬化される。加熱は、対流熱伝導、近赤外線または遠赤外線を用いる照射により、かつ/または鉄をベースとするバンドの場合には電気誘導により行うことができる。最大物体温度(ピークのメタル温度、PMT)は、250℃であるのが有利である。
【0122】
加熱時間、すなわち熱硬化の継続時間は使用する本発明の被覆材料に応じて変化する。これは、35秒から2分間であるのが有利である。
【0123】
基本的に対流熱伝導を用いる場合には、有利なパイプ走行速度では30〜50、特に35〜45mの長さの空気循環炉が必要である。
【0124】
本発明により被覆されて得られるバンドを巻いてコイルにすることができ、かつさらに使用するまで問題なく貯蔵することができる。
【0125】
これらは、成形加工、特に深絞り加工により成形部材の製造に卓越して適切である。
【0126】
得られた本発明の成形部材は、自動車品質を有し、従って自動車ボディーを製造するための構成部材として卓越して適切である。その特に有利な特性ゆえに、これらは運送用車両の構成物およびキャラバンの被覆材としても用いられ、家庭用品の分野で、例えば、洗濯機、食器洗い機、乾燥器、冷蔵庫、冷凍庫またはレンジを製造するため、照明器具の分野で、内部および外部領域用の照明器具を製造するため、または内部および外部領域での建築分野で、天井部材、壁部材、ドア、門、パイプ隔壁、巻き上げブラインドまたは窓枠を製造するために用いられる。
【0127】
実施例
製造例1
メタクリレートコポリマー(A)の製造
サーモメター、撹拌機および還流冷却機を備えた加熱マントル付きの5リットル−Juvo釜中に、Solvesso(R)150 913.5gを予め装入した。撹拌かつ窒素を200cm/分で加えながら、装入物を140℃まで加熱した。引き続き、t−ブチルペルオキシドヒドロキシルヘキサノエート76.9gとSolvesso(R)150 48.1gから成る混合物を4.75時間の間、滴下漏斗から一定に計量供給した(供給1)。供給1が開始して0.25時間後にシクロヘキシルメタクリレート250g、n−ブチルアクリレート153.9g、スチレン192.3g、ヒドロキシエチルメタクリレート173.1gおよびヒドロキシプロピルメタクリレート192.3gから成る混合物を4時間の間、もう1つの滴下漏斗から一定に計量供給した(供給2)。供給2の終了後、温度をさらに2時間の間140℃に保持した。引き続き、反応混合物を80℃まで冷却し、かつ5μm−GAFバッグフィルターを介して濾過した。得られたメタクリレートコポリマー(A)の溶液は、50質量%(1時間/130℃)の固形物含有量、および8.7dPasの粘度(DIN 53018により測定)を有した。メタクリレートコポリマー(A)の数平均分子量は、2900ダルトンであり、ガラス転移温度は44℃であり、ヒドロキシル価は164mgKOH/gおよび酸価は0mgKOH/gであった。
【0128】
製造例2
ポリエステル(B)の製造
サーモメター、撹拌機および還流冷却機を備えた加熱マントル付きの5リットル−Juvo釜中に、テレフタル酸218.5g、トリメチロールプロパン187.7g、ネオペンチルグリコール131.1g、ジメチロールシクロヘキサン268.9g、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステル190.5gおよび反応混合物の全体量に対して3質量%のキシレンをキャリヤとして予め装入した。撹拌かつ窒素を200cm/分で加えながら、装入物を180℃まで加熱し、次にさらに200℃までゆっくり加熱した。テレフタル酸の大部分が反応し、かつ10mgKOH/gの酸価が達成された後に、ヘキサヒドロ無水フタル酸503.3gを添加した。反応混合物の温度は、18mgKOH/gの酸価が達成されるまで200℃でゆっくり保持した。この後に、反応混合物を150℃に冷却し、かつSolvesso(R)150 500gを固形含有量75質量%に調節した。この後に、これらを80℃に冷却し、かつ5μm−GAFバッグフィルターを介して濾過した。得られたポリエステル(B)は、51.5質量%の脂環式構造単位の含有量を有した。その酸価は、18.1mgKOH/gであり、ヒドロキシル価は136mgKOH/g、かつ数平均分子量は2500ダルトンであった。ポリエステル(B)は、DIN 53018により60%濃度のSolvesso(R)150中で測定して7dPasの粘度を有した。
【0129】
製造例3
ベースラッカーの製造
プラスチック製の適切な混合装置中に、市販のポリエステル(DSMドイツGmbH社のUralac(R) ZW 5217 SN、DuPont社のDibasicester(R)中68.4%)34.4質量部を予め装入した。撹拌しながら、セルロースアセトブチレート溶液58質量部(81.5質量%ブチルアセテートと3.5質量%イソトリデシルアルコール中15%)と市販の脂肪族ブロックトポリイソシアネート(Bayer AG社のDesmodur(R) BL 3370、70%メトキシプロピルアセテート)6.6質量部を添加した。得られた混合物に、市販の流展剤(DuPont Performance Coatings GmbH社のFisantrol(R) AC 2575 SM、100%)0.4質量%、ブチルアクリレートとビニルイソブチルエーテルから成るコポリマーをベースとする脱気剤(Acronal(R) 700L, 酢酸エチル中50%)0.6質量部およびシリコーン不含のポリマーをベースとする2番目の脱気剤(Byk Chemie社のByk(R)075、アルキルベンゼンとメトキシプロピルアセテート(8/1)中44%)1.2質量部、ジブチルスズジラウレート0.6質量部およびDibasicester(R)52質量部を添加した。引き続き、ジアセトンアルコール9質量部中のアルミニウム顔料(Toyal社のAlpate(R) 8160N-AR、ホワイトスピリットとSolvesso(R) 100(1/1)中65%)4.3質量部とアルミニウム顔料(Toyal社のAlpate(R) 7620 NS、ホワイトスピリットとSolvesso(R) 1002(1/1)中69%)4.2質量部およびUralac(R) ZW 5217 SN9質量部をこねた。20分後に前記混合物のアルミニウム顔料調製物を添加し、この後に得られたベースラッカーを均質化し、かつジブチルエーテル6質量部を用いてDIN-4-取出しビーカー(20℃)中100〜110秒間の加工粘度に調節した。
【0130】
例1
クリアラッカーの製造
金属製の適切な混合装置中で、製造例1のメタクリレートコポリマー(A)の溶液84.9質量%を製造例2のポリエステル(B)の溶液40.4質量部と混合した。この混合物に、3,5−ジメチルピラゾールでブロックした、ヘキサメチレンジイソシアネートをベースとする市販の脂肪族ポリイソシアネート(Bayer AG社のDesmodur(R) LS 2253)と、ブタノンオキシムでブロックした、イソホロンジイソシアネートをベースとする市販の脂環式ポリイソシアネート(Bayer AG社のDesmodur BL 4265)84.4質量部を加えた。得られた混合物に、ヒドロキシフェニルトリアジンをベースとするUV−吸収剤(Ciba Specialty Chemicals社のTinuvin(R) 400)1.94質量部、立体障害アミン(HALS, Ciba Specialty Chemicals社のTinuvin(R) 292)1.94質量部、ジブチルスズジラウレート0.97質量部、ポリエステルで変性したポリジメチルシロキサン−流展剤(Byk Chemie社のByk(R) 310)0.84質量部およびアルキル変性したメチルアルキルポリシロキサン−脱気剤(Byk Chemie社のByk(R) 322)0.84質量部を添加した。得られたクリアラッカーを均質化し、かつメトキシプロピルアセテート70質量部を用いてDIN-4-取出しビーカー(20℃)中100秒の加工粘度に調節した。
【0131】
例2
多層コートの製造
試験プレート製造するために、コイルコーティング工業で慣例の0.8mm厚のリン酸化電気亜鉛メッキ鋼板を使用した。これは予めBASF Coatings AG社の市販の深絞り性腐食防止プライマーで層厚10μmに被覆しておいた。これらのプライマー層上に、硬化後に17μmの乾燥層厚が生じるように製造例3のベースラッカーを塗布した。ベースラッカー層の硬化は、241℃のPMT(ピークメタル温度)で行った。引き続き、例1のクリアラッカーのベースコート上に2層に塗布し、その結果、硬化後に241℃のPMTで2×19μmの乾燥層厚が得られた。
【0132】
得られた多層コートは、卓越した流展性を有した。これらは高い光沢であった。ECCA-T7(参照標準:EN 2370: 1991/EN ISO 1519, 1995/EN ISO 6860 im 1995/ASTM D 522-93a)で詳細に記載されているECCA試験法によるT−折り曲げ試験では、試験プレートは、0.5〜1.5のT値を達成した。耐薬品性は、通常かつ公知のグラジエントオーブン試験を用いて算出した。このために、硫酸、パンクレアチン、樹脂および水を多層コートの表面に塗布した。試験プレートを予備加熱したグラジエントオーブンに乗せた。加熱後、試験プレートを水ですすぎ、ラッカー表面に顕著な破損が検出されなくなるまでの温度を測定した:
硫酸:51℃、パンクレアチン:48℃、樹脂:57℃、水>75℃。
【0133】
この結果は、例1のクリアラッカーがコイルコーティング法にとって極めて適切であり、かつ自動車品質で多層コートを提供することを根拠付けた。
【0134】
さらに、多層コートで被覆された成形部材はリサイクル可能であり、かつ極めて良好にオーバーコート可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明な熱硬化性被覆材料において、前記被覆材料はその都度(A)、(B)、(C)および(D)に対して、
(A)1000〜6000ダルトンの数平均分子量、−15〜+70℃のガラス転移温度および80〜200mg KOH/gのヒドロキシル価を有する少なくとも1つの(メタ)アクリレート(コ)ポリマー10〜40質量%、
(B)ポリエステルに対して脂環式構造単位30〜70質量%を含有している、800〜6000ダルトンの数平均分子量、80〜200mg KOH/gのヒドロキシル価および1〜50mg KOH/gの酸価を有する少なくとも1つのポリエステル10〜40質量%、
(C)少なくとも1つのブロックトポリイソシアネート10〜40質量%、その際、該ブロックトポリイソシアネート基は三次元網目の成分としてそのガラス転移温度を低下させる少なくとも1つの柔軟性構造単位に結合されている、かつ
(D)少なくとも1つのブロックトポリイソシアネート10〜40質量%、その際、少なくとも1つの該ブロックトポリイソシアネート基は、三次元網目の成分としてそのガラス転移温度を増大させる少なくとも1つの硬質にする構造単位に結合されている
を含有している、透明な熱硬化性被覆材料。
【請求項2】
(A)、(B)、(C)および(D)に対して、(A)を10〜35質量%含有している、請求項1に記載の被覆材料。
【請求項3】
(A)、(B)、(C)および(D)に対して、(B)を10〜35質量%含有している、請求項1または2に記載の被覆材料。
【請求項4】
(A)、(B)、(C)および(D)に対して、(C)を10〜35質量%含有している、請求項1から3までのいずれか1項に記載の被覆材料。
【請求項5】
(A)、(B)、(C)および(D)に対して、(D)を10〜35質量%含有している、請求項1から4までのいずれか1項に記載の被覆材料。
【請求項6】
(A)は、1000〜5000ダルトンの数平均分子量を有する、請求項1から5までのいずれか1項に記載の被覆材料。
【請求項7】
(A)は、−15〜+60℃のガラス転移温度を有する、請求項1から6までのいずれか1項に記載の被覆材料。
【請求項8】
(A)は、100〜180mg KOH/gのヒドロキシル価を有する、請求項1から7までのいずれか1項に記載の被覆材料。
【請求項9】
(B)は、1000〜5500ダルトンの数平均分子量を有する、請求項1から8までのいずれか1項に記載の被覆材料。
【請求項10】
(B)は、100〜180mg KOH/gのヒドロキシル価を有する、請求項1から9までのいずれか1項に記載の被覆材料。
【請求項11】
(B)は、3〜25mg KOH/gの酸価を有する、請求項1から10までのいずれか1項に記載の被覆材料。
【請求項12】
(B)は、(B)に対して脂環式構造単位を40〜60質量%含有している、請求項1から11までのいずれか1項に記載の被覆材料。
【請求項13】
(C)の柔軟性構造単位は、二価の脂肪族炭化水素基と二価のヘテロ原子含有の脂肪族炭化水素基のグループから成る柔軟性セグメントから選択される、請求項1から12までのいずれか1項に記載の被覆材料。
【請求項14】
柔軟性構造単位はヘキサメチレン基である、請求項13に記載の被覆材料。
【請求項15】
(D)の硬質にする構造単位は、二価および多価の脂環式基から成るグループから選択される、請求項1から15までのいずれか1項に記載の被覆材料。
【請求項16】
脂環式基はイソホロン基である、請求項15に記載の被覆材料。
【請求項17】
(C)と(D)のポリイソシアネート用のブロック剤は、フェノール、ラクタム、活性メチレン化合物、アルコール、メルカプタン、酸アミド、イミド、アミン、イミダゾール、尿素、カルバメート、イミン、オキシム、亜硫酸の塩、ヒドロキサム酸エステルならびに置換ピラゾールおよびトリアゾールから成るブループから選択される、請求項1から16までのいずれか1項に記載の被覆材料。
【請求項18】
ポリイソシアネート(C)は、置換ピラゾールでブロックされる、請求項17に記載の被覆材料。
【請求項19】
ポリイソシアネート(D)は、オキシムでブロックされる、請求項17または18に記載の被覆材料。
【請求項20】
(A)、(B)、(C)および(D)ならびに少なくとも1つの添加剤(E)から成る、請求項1から19までのいずれか1項に記載の被覆材料。
【請求項21】
成分(A)、(B)、(C)および(D)ならびに場合により(E)を混合し、かつ得られた混合物を均質化することによる請求項1から20までのいずれか1項に記載の透明な熱硬化性被覆材料の製法。
【請求項22】
コイルコーティング法により透明な被覆を製造するための、請求項1から20までのいずれか1項に記載の透明な熱硬化性被覆材料および請求項21に記載の方法を用いて製造された透明な熱硬化性被覆材料の使用。
【請求項23】
透明な被覆は自動車品質を有する、請求項22に記載の使用。

【公表番号】特表2007−501297(P2007−501297A)
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522251(P2006−522251)
【出願日】平成16年7月10日(2004.7.10)
【国際出願番号】PCT/EP2004/007636
【国際公開番号】WO2005/016985
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(390008981)ビーエーエスエフ コーティングス アクチェンゲゼルシャフト (155)
【氏名又は名称原語表記】BASF Coatings AG
【住所又は居所原語表記】Glasuritstrasse 1, D−48165 Muenster,Germany
【Fターム(参考)】