説明

透水脱臭蓋装置

【課題】雨水等の排水設備内へと排水特性と排水設備内で発生した臭気の脱臭特性とを有しかつ目詰まりの対応や脱臭剤の交換等の保守も効率よく実施することを可能とする。
【解決手段】側溝2の開口部4を閉塞して設置される側溝蓋1は、支持枠部材8に表面材を構成する透水プレート9を着脱自在に組み合わせるとともに、支持枠部材8の底面側に脱臭体装填空間部18を構成してパンチングプレート10を設け、脱臭体装填空間部18内に脱臭体11を着脱自在に装填する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、側溝や集水桝或いはマンホール等の排水設備に設けられた排水口を閉塞して設置される蓋体やグレーチング(以下、蓋体と総称する。)に関する。
【背景技術】
【0002】
排水設備には、雨水等を排水したり内部に溜まった汚泥等を除去するために適宜の間隔を以って開口部が設けられるとともに、これら開口部を閉塞する蓋体が設置される。排水設備には、内部に溜まった汚水等から発生する臭気を脱臭するために、蓋体の内方部に活性炭等の脱臭剤を収納した脱臭ユニットを設置することが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)。
【0003】
また、道路等においては、透水性コンクリートを用いて表面舗装を行うことによって、雨水等が路面に溜まることなく内層を透過して排水設備内へと排水されるようにした舗装も行われている。蓋体には、排水設備内に雨水等を排水するために排水用の開口部が形成されるが、歩行者等がこの開口部に足を取られたり自転車のタイヤがはまり込むといった問題がある。蓋体は、このために上述した透水性コンクリートによって形成することで、開口部を無くした対応も図られている。蓋体は、透水性コンクリートとして着色等の対応が可能なレジンコンクリートを用いることによって景観の向上が図られるようにするとともに、機械的強度を保持するためにレジンコンクリート製のプレートを支持枠部材に組み合わせて構成する(例えば、特許文献3、特許文献4を参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平5−140983号公報
【特許文献2】特開2005−194770号公報
【特許文献3】実開平5−30284号公報
【特許文献4】特開平7−317128号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に開示された除臭装置は、除臭室及び空気弁を備えた除臭ボックスをマンホール蓋の底面部に着脱自在に取り付けて下水道内から発生した臭気ガスを除臭する装置である。かかる除臭装置においては、大型で高価であるとともにマンホール蓋のような充分な機械的強度を有する蓋体に対して取り付けることが可能であり、例えば側溝や集水桝等の比較的小規模の排水設備に適用されるものでは無い。また、除臭装置においては、除臭剤の特性が低下した場合に全体交換の対応が必要であるために、ランニングコストの負担が極めて大きくかつ大型の除臭ボックスの着脱や持ち運びのために保守作業の負担も極めて大きいといった問題がある。
【0006】
また、特許文献2に開示された臭気止め装置は、マンホール蓋の下方部に位置して、マンホールの内壁に取り付けられる。かかる臭気止め装置は、内壁に取付部を形成したマンホールにのみ取り付けられることから、既存設備に適用することができない。また、臭気止め装置は、マンホール蓋を取り外して内部から引き上げるといった保守作業を行わなければならないために、保守対応が極めて困難であるといった問題もある。
【0007】
一方、特許文献3や特許文献4に開示された側溝蓋は、歩行者等の歩行性を向上させ、側溝内への砂礫等の流れ込みを防止し、適宜のカラーリングにより周囲の景観との調和が図られる等の種々の特徴を有し多くの地域で採用されている。かかる側溝蓋においては、透水性レジンコンクリート部位が、通気性を有することで側溝内で発生した臭気をそのまま外部へと拡散させることで不快感を与えるといった問題があった。
【0008】
したがって、本発明は、雨水等の排水設備内へと排水特性と排水設備内で発生した臭気の脱臭特性とを有するとともに、目詰まりの対応や脱臭剤の交換等に対する保守を効率よく実施することが可能な透水脱臭蓋装置を提供することを目的に提案されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成する本発明にかかる透水脱臭蓋装置は、排水設備の開口部を閉塞して設置される支持枠部材と、表面材を構成する透水プレートと、脱臭体装填空間部を構成する多孔プレートと、袋体の内部に脱臭剤を充填してなる脱臭体とを備える。透水脱臭蓋装置は、支持枠部材が、排水設備の開口部とほぼ等しい外形寸法を有し、底面側の外周縁を開口部内に形成した受け段部上に載置される支持枠と、多数本のバー材とから構成される。支持枠部材は、各バー材が、支持枠の開口縁からやや段落ちされて両端部が固定される多数本の縦バー材や横バー材或いは縦バー材と横バー材とを格子状に組み合わせてなる多数本のバー材とから構成され、各バー材間に形成された多数個の排水孔から排水設備内へと雨水等を透水させる。
【0010】
透水脱臭蓋装置は、透水プレートが、透水特性を有してプレート状に形成され、支持枠部材の上面側に着脱自在に組み合わされる。透水プレートは、骨材間に多くの空隙が形成されることによって雨水等を良好に透過させることが可能な透水性コンクリートにより、支持枠部材の支持枠の内部空間とほぼ同形の外形寸法と、段落ちされた各バーと支持枠の開口縁との高さとほぼ等しい厚みに形成される。透水プレートは、例えば結合材として樹脂材(レジン)をセメントに代替したレジンコンクリートが用いられ、レジンや骨材に適宜の着色処理を施してカラー化が図られたものが用いられる。なお、透水プレートは、機械的強度を保持するために芯材として鉄筋を用いるようにしてもよい。透水プレートは、各バー上に落とし込まれるようにして支持枠の内部空間内に組み合わされ、また骨材間に砂礫等が詰まって透水作用が劣化した場合には支持枠部材から取り外してクリーニングを行うことも可能である。
【0011】
透水脱臭蓋装置は、多孔プレートが、多数個の貫通孔が形成され、支持枠部材の底面側に間隔保持手段を介して組み合わされる。多孔プレートは、例えば耐腐食性に優れたステンレス薄板にパンチング加工を施して多数個の貫通孔を形成したパンチングプレートや、ステンレス線材を編んで形成したネット板等が用いられる。多孔プレートは、排水設備の開口寸法よりもやや小さな外形に形成され、例えば四隅に所定の高さを有するスタッドが立設される。多孔プレートは、各スタッドの上端部を溶接等により支持枠部材の支持枠の底部にそれぞれ固定され、各バー材との間に所定の対向間隔が保持されて脱臭体装填空間部を構成する。
【0012】
透水脱臭蓋装置は、脱臭体が、例えば透水袋やネット等からなる袋体の内部に粒体或いは塊体からなる適宜の脱臭剤を充填して脱臭体装填空間部の高さよりもやや薄厚とされたシート体からなる。脱臭体は、支持枠部材と多孔プレートとの間に構成された脱臭体装填空間部に開放された側面から挿脱することによって交換自在に装填される。脱臭体は、所定期間が経過したり脱臭剤による脱臭作用が低下した場合に、透水脱臭蓋装置を排水設備から取り外して交換することが可能である。なお、脱臭体は、例えばバンドやフック等の治具によって多孔プレートに固定するようにしてもよく、また脱臭体装填空間部の高さ範囲で例えばブロック状に形成されてもよい。
【0013】
透水脱臭蓋装置においては、支持枠部材が、支持枠の底面側の外周縁を開口部内に形成した受け段部上に載置することによって排水設備の開口部を閉塞して設置される。透水脱臭蓋装置においては、透水プレートが、路面から雨水等をその内層に形成された空隙から排水設備内へと排水する排水口機能を奏する。透水脱臭蓋装置においては、所定の色調や模様等を付されて支持枠部材に組み合わされた透水プレートが、周囲の景観とマッチして独自の雰囲気を醸し出すようにするとともにバリアフリー構造を構成して歩行者等が安全に通行することを可能とする。
【0014】
透水脱臭蓋装置においては、支持枠部材に透水プレートを組み合わせたことによって排水設備の内部で発生した臭気が透水プレートの空隙を通して外部へと漏れ出ようとする。透水脱臭蓋装置においては、支持枠部材の底面部に多孔プレートとによって脱臭体装填空間部を構成して脱臭体を装填したことにより、この脱臭体によって排水設備内で発生した臭気を効率よく脱臭し、良好な環境が保持されるようにする。
【発明の効果】
【0015】
以上のように構成された本発明にかかる透水脱臭蓋装置によれば、排水口機能を奏する透水プレートを介して雨水等を透過させて排水設備内への排水を行うとともに、脱臭体により排水設備内で発生した臭気を脱臭する。透水脱臭蓋装置によれば、支持枠部材に対して透水プレートや脱臭体が着脱自在であることから透水プレートの目詰まりや脱臭体の交換等の保守も効率よく実施することが可能であり、透水特性と脱臭特性とが長期間に亘って保持することが可能である。透水脱臭蓋装置によれば、簡易な構造であることから極めて廉価であるとともに脱臭体の交換により機能回復が図られることでランニングコストの負担も小さく、また既存の排水設備に対しても手直し等を行うことなくそのまま適用することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明にかかる透水脱臭蓋装置の実施の形態として図面に示した側溝蓋1について詳細に説明する。側溝蓋1は、図1に示すように道路の路肩に沿って敷設された側溝2において、側溝本体ブロック3に対してその開口部4を閉塞して設置される。側溝2は、基本的な構造として1個の側溝本体ブロック3に1個の側溝蓋1が設置されるが、いわゆる長尺蓋として例えば2個の側溝本体ブロック3に跨って1個の側溝蓋1が設置されることもある。なお、本発明は、側溝蓋1に限定されるものでは無く、例えば側溝2の途中箇所で所定の間隔を以って設置される集水桝の蓋体等にも適用される。
【0017】
側溝2は、周知のように例えば車道と歩道とを区分して路肩に沿って設置した縁石ブロックに沿って敷設される。側溝2は、路肩に沿って所定の深さを有する敷設溝を掘削する工程と、この敷設溝の底部に基礎砕石を投入して転圧することにより基礎層を形成する工程と、この基礎層上にコンクリートを打設して基礎コンクリート層を形成する工程と、この基礎コンクリート層上に所定の勾配を付すようにして調整モルタル層を形成する工程等を経て、側溝本体ブロック3が長さ方向に並べられて設置される。
【0018】
側溝本体ブロック3は、周知のU字溝であって、底面部5と、この底面部5から相対して立設され上方部位に開口部4を構成する側面部6、7とが一体に形成されてなる。側溝本体ブロック3は、図2に示すように側面部6、7の上端部の内壁にそれぞれ開口部4から所定の高さ位置において受け段部6A、7Aが形成されており、これら受け段部6A、7A上に後述するように開口部4を閉塞するようにして側溝蓋1が設置される。
【0019】
なお、側溝2は、全て上述した側溝本体ブロック3を並べて設置するばかりでなく、内部が暗渠とされた横長矩形の筒状ブロック体を長さ方向に並べて設置するとともに所定の間隔を以って側溝本体ブロック3を途中に並べるようにしたものであってもよい。
【0020】
側溝蓋1は、図1及び図2に示すように、積層状態に組み合わされた支持枠部材8と、透水プレート9と、パンチングプレート10とを備えるとともに、複数個の脱臭体11が用いられて構成される。支持枠部材8は、耐腐食性や充分な機械的強度を有する素材、例えばステンレス材や強化プラスチック等を素材として支持枠12と多数本の縦バー材13及び横バー材14とが一体に形成され、従来のグレーチングとほぼ同等の部材からなる。支持枠部材8は、支持枠12が、側溝本体ブロック3とほぼ等しい長さと開口部4の開口幅とほぼ等しい幅と受け段部6A、7Aの高さとほぼ等しい厚みを有する横長矩形の枠体によって構成される。
【0021】
支持枠部材8は、各縦バー材13と各横バー材14とが、支持枠12の縦梁部と横梁部に対してそれぞれの上端縁からやや段落ちされて両端部を固定され、支持枠12の内部において格子状に組み合わされて一体に形成される。支持枠部材8は、各縦バー材13と各横バー材14との間に構成される多数個の開口部位が、透水プレート9を透過した雨水等を側溝本体ブロック3内に流し込む排水孔15を構成する。
【0022】
以上のように構成された支持枠部材8は、側溝本体ブロック3に対して、支持枠12の底面部を受け段部6A、7A上に載置することによって支持枠12の上端部が側面部6、7の上端部と略同一面を構成して組み合わされる。支持枠部材8は、ガタ付きの防止や面合わせのために、例えば底面部と受け段部6A、7Aとの間にゴムシート等からなるパッキン材を敷き込んで載置するようにしてもよい。支持枠部材8には、各縦バー材13と各横バー材14とに支持されるようにして透水プレート9が組み付けられる。
【0023】
透水プレート9は、層内に多数個の空隙が形成されることによって多孔性とされ、表面から雨水等を透過させることが可能ないわゆる透水コンクリートによって形成される。透水プレート9は、支持枠12の内形寸法とほぼ同等の外形寸法を有するとともに支持枠12の上端部と各縦バー材13と各横バー材14の上端部との高さとほぼ等しい厚みを有する横長矩形のプレート体からなる。透水プレート9は、透水コンクリートとして骨材を結合する結合材にセメントに代えて多孔質のポリマアスファルト材を用いたレジンコンクリートによって形成される。
【0024】
透水プレート9は、骨材として小石ばかりでなくガラス粒やセラミック粒等を用いることが可能である。また、透水プレート9は、ポリマアスファルト材を着色することによって適宜の色調にカラー化することが可能である。さらに、透水プレート9は、カラーリングばかりでなく、表面に適宜の模様等を形成することも容易に対応可能である。なお、透水プレート9は、骨材の脱落を防止して機械的強度の向上を図るために、芯材として鉄筋やステンレス材を用いるようにしてもよい。
【0025】
以上のように構成された透水プレート9は、支持枠12に囲まれた内部空間に落とし込まれて各縦バー材13と各横バー材14上に支持されることによって、支持枠部材8に組み付けられる。透水プレート9は、この状態で表面が支持枠12の上縁部、換言すれば側溝本体ブロック3の側面部6、7の上端部と略同一面とされて表面材を構成する。透水プレート9は、適宜のカラーリングによって側溝2が周囲の景観との調和が図られるようにするとともに大きな面積を占めることでその印象を強調する。
【0026】
透水プレート9は、上述したように雨水等を透過させる機能を有することから、側溝蓋1に雨水等を側溝本体ブロック3内に流し込むための開口部を不要とする。透水プレート9は、開口部によって歩行者等が足を取られたり、自転車のタイヤをはまり込ませたり、砂礫等が流れ込んで側溝本体ブロック3を詰まらせたりする等の問題を生じさせることは無い。透水プレート9は、比較的軽量であるとともに上述したように支持枠12に落とし込んで組み付けることによって支持枠部材8に対して着脱自在である。したがって、透水プレート9は、砂礫等が入り込んで空隙が詰まって透水作用が劣化した場合でも支持枠部材8から取り外して水洗い等によるクリーニングを行うことが可能であるとともに、一部が破損しても部分交換によって補修の対応が可能である。
【0027】
パンチングプレート10も、耐腐食性を有する素材、例えばステンレス薄板や強化プラスチック板等を素材として、パンチング加工を施して厚み方向に貫通する多数個の小孔16を全体に亘って形成してなる。パンチングプレート10は、支持枠部材8の外形寸法よりもやや小さな外形寸法、すなわち、側溝本体ブロック3の内壁間隔よりもやや小さな幅寸法で形成される。パンチングプレート10は、小孔16によって支持枠部材8の排水孔15から落下する雨水等を側溝本体ブロック3内へと排水する。
【0028】
パンチングプレート10には、少なくとも四隅に位置して所定の高さを有するスタッド17が一体に立設される。各スタッド17も、耐腐食性を有するステンレス棒等が用いられ、それぞれの上端部が支持枠12の底面部に溶接によって固定されることによってパンチングプレート10を支持枠部材8に一体化する。パンチングプレート10は、これにより支持枠部材8の各縦バー材13及び各横バー材14に対して各スタッド17の高さ寸法に応じた間隔を以って対向し、四方が開放された脱臭体装填空間部18を構成する。
【0029】
なお、パンチングプレート10は、歩行者や車両の重量を支える機械的強度を不要とする部材であることから、例えばステンレス線材を編んで形成したネットの外周部を枠材に固定した部材であってもよい。また、パンチングプレート10は、溶接を施すことができない合成樹脂材で成形した場合に、支持枠部材8に対して所定の対向間隔を保持して固定される適宜のフック部を一体に形成するようにしてもよい。
【0030】
脱臭体11は、例えば透水袋やネット等からなる袋体19の内部に粒体或いは塊体からなる適宜の脱臭剤20を充填して、脱臭体装填空間部18の高さよりもやや薄厚とされたシート体からなる。脱臭体11には、脱臭剤20として、例えば廉価で比較的長期間に亘って大きな脱臭特性が保持される活性炭が用いられる。
【0031】
脱臭体11は、適宜の個数が、開放された側方から脱臭体装填空間部18内に装填される。脱臭体11は、脱臭効率を高めるために、パンチングプレート10上に全面に亘って敷き詰めるようにして装填することが好ましい。脱臭体11は、脱臭体装填空間部18内に装填された状態で、図示しないバンドやフック等の適宜の固定治具によってパンチングプレート10上に固定される。
【0032】
脱臭体11は、所定期間が経過したり、例えば袋体19が汚泥等によって覆われて脱臭剤20による脱臭作用が著しく低下した場合等において、パンチングプレート10から固定治具が取り外されて脱臭体装填空間部18から取り出される。脱臭体11は、脱臭体装填空間部18から極めて簡単な操作によって取り出しと交換とが行われる。
【0033】
脱臭体11は、例えばバラの状態で脱臭体装填空間部18に収納することも可能ではある。しかしながら、脱臭体11は、上述したように脱臭剤20を袋体19に袋詰めしたものを用いることによって、脱臭体装填空間部18に対する挿脱操作が簡便となるとともに大雨等によって側溝本体ブロック3内をあふれるように雨水が流れた場合でも脱臭体装填空間部18から流れ出すことが防止されて、側溝本体ブロック3を詰まらせてしまうことも無い。
【0034】
以上のように構成された側溝蓋1は、脱臭体装填空間部18内に脱臭体11を装填した状態で、相対する側溝本体ブロック3に設置される。側溝蓋1は、側溝本体ブロック3の開口部4から落とし込まれることによって、支持枠部材8が支持枠12の底面側の外周縁を開口部4を構成する側面部6、7に形成した受け段部6A、7A上に載置されることによって図2に示すように開口部4を閉塞して側溝本体ブロック3に設置される。
【0035】
側溝蓋1は、支持枠部材8に組み付けられた透水プレート9が側溝本体ブロック3や道路面等と略同一面を構成することから、路上にバリアフリー構造を構成して歩行者等の安全通行を可能とする。側溝蓋1は、適宜の色調や模様等を付された比較的大きな幅を有する透水プレート9が車道を縁取るようにして連続して続くことから、周囲の景観とマッチした独自の雰囲気を醸し出すようにする。
【0036】
側溝蓋1においては、支持枠部材8と一体に設けられて脱臭体装填空間部18を構成するパンチングプレート10が側溝本体ブロック3内に吊り下げられた状態を呈して延在して、脱臭体11をこの側溝本体ブロック3内に臨ませる。側溝蓋1においては、側溝本体ブロック3内で発生した臭気を脱臭体11によって脱臭して透水プレート9を介して放出する。したがって、側溝蓋1においては、側溝本体ブロック3内に汚水等が流れる場合でも周辺が良好な環境に保持されるようにする。
【0037】
側溝蓋1においては、透水プレート9によって路面から雨水等をその内層に形成された空隙を介して側溝本体ブロック3内へと排水されるようにする。側溝蓋1においては、透水プレート9を備えることによって上述したように排水開口を不要とし、バリアフリー構造の利点を一層高める。
【0038】
側溝蓋1においては、支持枠部材8に対して透水プレート9が着脱自在に組み合わされることによって、目詰まり等による透水プレート9の透水特性が劣化したり一部が破損して交換を行う等の保守対応が極めて簡単に行われる。側溝蓋1においては、側溝2の定期保守等が実施される場合に、従来と同様にして側溝本体ブロック3からの取り外しが行われる。側溝蓋1においては、この定期保守の作業に合わせて脱臭体装填空間部18に装填された脱臭体11の交換も行われる。側溝蓋1においては、特殊な治具等を不要として、脱臭体装填空間部18から古い脱臭体11が取り出された後に新しい脱臭体11が装填される。側溝蓋1においては、嵩張りの小さい脱臭体11を簡単な操作によって交換することで作業性の大幅な向上が図られるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施の形態として示す側溝の要部分解斜視図である。
【図2】同側溝の断面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 側溝蓋、2 側溝、3 側溝本体ブロック、4 開口部、5 底面部、6,7 側面部、6A,7A 受け段部、8 支持枠部材、9 透水プレート、10 パンチングプレート、11 脱臭体、12 支持枠、13 縦バー材、14 横バー材、15 排水孔、16 小孔、17 スタッド、18 脱臭体装填空間部、19 袋体、20 脱臭剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持枠と、この支持枠内に支架した多数本のバー材とを有し、排水設備の開口部を閉塞して設置される支持枠部材と、
透水特性を有してプレート状に形成され、上記支持枠部材の上面側に着脱自在に組み合わされて表面材を構成する透水プレートと、
上記支持枠部材の底面側に、間隔保持手段を介して脱臭体装填空間部を構成する所定の対向間隔を保持して組み合わされた多数個の貫通孔を有する多孔プレートと、
上記支持枠部材と上記多孔プレートとの間に構成された上記脱臭体装填空間部に交換自在に装填され、袋体の内部に脱臭剤を充填してなる脱臭体とを備え、
表面側から上記透水プレートを透過させて表面側から上記排水装置内へと排水を行うとともに、上記脱臭体によって上記排水設備内で発生した臭気を脱臭することを特徴とする透水脱臭蓋装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−70904(P2007−70904A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−259612(P2005−259612)
【出願日】平成17年9月7日(2005.9.7)
【出願人】(504223123)櫻コンクリート株式会社 (2)
【出願人】(593223112)
【Fターム(参考)】