通信システム、その通信方法及びプログラム
【課題】冷却コストを効果的に低減すること。
【解決手段】通信システム10は、通信ネットワーク内の通信経路上に設けられた複数のノード装置11の通信経路を決定する経路決定手段1を備えている。また、経路決定手段1は、ノード装置11の冷却効率に基づいて、通信経路を決定している。さらに、通信システム10は、ノード装置11のノード状態を検出するノード状態検出手段を更に備えていてもよく、経路決定手段1は、ノード状態検出手段により検出されたノード装置11のノード状態に基づいて、通信経路を決定してもよい。
【解決手段】通信システム10は、通信ネットワーク内の通信経路上に設けられた複数のノード装置11の通信経路を決定する経路決定手段1を備えている。また、経路決定手段1は、ノード装置11の冷却効率に基づいて、通信経路を決定している。さらに、通信システム10は、ノード装置11のノード状態を検出するノード状態検出手段を更に備えていてもよく、経路決定手段1は、ノード状態検出手段により検出されたノード装置11のノード状態に基づいて、通信経路を決定してもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワーク内の複数の通信経路候補の中から、最適な通信経路を決定する通信システム、その通信方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、計算装置、ルーター、スイッチ等から構成されるノード装置において、処理負荷が増加するに従って当該装置の温度が上昇し高温になり誤動作を起こす虞があるため、その冷却に冷却装置が利用されている。また、多数の計算装置やノード装置が稼動するデータセンターなどでは、大規模な空調装置が利用されており、その消費電力量は、計算装置やノード装置における本来の処理による消費電力量と比較しても無視できないものとなっている。そこで、このような冷却装置の消費電力量を削減することは、データセンターの運用コストを削減するだけでなく、CO2削減にも繋がり地球環境を考える上でも重要となっている。
【0003】
上述したノード装置の冷却を行いつつ、その冷却コストを削減するものとして、例えば、現在の処理負荷を満足させるサーバーの数を決定し、不要なサーバーの電源をオフにすることで、サーバーの消費電力を削減する技術が知られている(特許文献1参照)。当該技術によれば、サーバーの負荷分散技術を利用することでサーバーの負荷を制御し、サーバーのための冷却コストを削減できるが、他のノード装置の冷却コストの削減には、そのノード装置の負荷を制御することが課題となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−577106号公報
【特許文献2】特開2006−211389号公報
【特許文献3】特開2009−081790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、複数の計算機がネットワーク通信を行う際、各ネットワーク通信に利用されるノード装置の決定が行われ、各通信経路の決定が行われる。その際、より多くの通信経路上で利用されるノード装置には、より多くの負荷がかかることとなる。このため、通信経路を制御することによって、ノード装置の負荷を適切に制御する必要が生じる。
例えば、マルチホップ無線ネットワークで消費電力を予測して、最も効率的な通信経路を選択する技術が知られている(特許文献2参照)。また、電池や太陽電池などの自然エネルギーを利用したノード装置から構成されるネットワークにおいて、ノード装置の消費電力を均一化する通信経路の決定方法が知られている(特許文献3参照)。
【0006】
これら技術によれば、消費電力を考慮して通信経路を決定し、各ノード装置の消費電力を制御することで、電池寿命を伸ばし、あるいは電源の最大容量を小さくすることができ得る。しかしながら、ノード装置の冷却コストの削減を考えた場合、ノード装置の発熱特性や冷却装置の冷却効率の相違、周囲の温度環境の相違などから、ノード装置の消費電力の低い通信経路が、必ずしも冷却コストの低い通信経路となるわけではない。したがって、ノード装置の消費電力だけを考慮した通信経路の決定では、冷却コストの削減が困難となる。
【0007】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、冷却コストを効果的に低減できる通信システム、その通信方法及びプログラムを提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明の一態様は、通信ネットワーク内の通信経路上に設けられた複数のノード装置の前記通信経路を決定する経路決定手段を備える通信システムであって、前記経路決定手段は、前記ノード装置の冷却効率に基づいて前記通信経路を決定する、ことを特徴とする通信システムである。
【0009】
また、上記目的を達成するための本発明の一態様は、通信ネットワーク内の通信経路上に設けられた複数のノード装置の前記通信経路を決定する工程を含む通信システムの通信方法であって、前記ノード装置の冷却効率に基づいて前記通信経路を決定する、ことを特徴とする通信システムの通信方法であってもよい。
【0010】
さらに、上記目的を達成するための本発明の一態様は、通信ネットワーク内の通信経路上に設けられた複数のノード装置の前記通信経路を決定する通信システムのプログラムであって、前記ノード装置の冷却効率に基づいて前記通信経路を決定する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする通信システムのプログラムであってもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、冷却コストを効果的に低減できる通信システム、その通信方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態に係る通信システムの機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る通信システムの概略的な構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る通信システムの決定処理フローの一例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態1に係る通信システムのより具体的な構成の一例を示す概略図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る通信システムのより具体的なシステム構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る経路決定装置の空調効率表の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る通信システムにおけるより具体的な決定処理フローの一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態2に係る通信システムの概略的な構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る通信システムにおけるノード状態決定処理のフローを示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態2に係る通信システムにおける通信経路決定処理のフローを示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態2に係る通信システムのより具体的なシステム構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の実施の形態2に係る通信システムにおけるより具体的な決定処理フローの一例を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態2に係る通信システムのより具体的な構成を示す概略図である。
【図14】空調装置による消費電力表の一例を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態2に係る通信システムの別のより具体的なシステム構成を示すブロック図である。
【図16】空調装置の出力と空調装置の消費電力と許容発熱量との対応関係である許容発熱量表の一例を示す図である。
【図17】本発明の実施の形態2に係る通信システムのより具体的な構成を示す概略図である。
【図18】本発明の実施の形態3に係る通信システムの概略的なシステム構成を示すブロック図である。
【図19】本発明の実施の形態3に係る通信システムのより具体的なシステム構成を示すブロック図である。
【図20】本発明の実施の形態3に係る通信システムのより具体的な構成を示す概略図である。
【図21】ネットワークスイッチの温度と空調装置の出力との関係の一例を示す図である。
【図22】ネットワークスイッチの温度と空調装置の出力との関係の一例を示す図である。
【図23】本発明の実施の形態4に係る通信システムのノード装置の概略的なシステム構成を示すブロック図である。
【図24】本発明の実施の形態4に係る通信システムのより具体的なシステム構成を示すブロック図である。
【図25】本発明の実施の形態5に係る通信システムの概略的なシステム構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の実施の形態に係る通信システムの機能ブロック図である。本実施の形態に係る通信システム10は、通信ネットワーク内の通信経路上に設けられた複数のノード装置11の通信経路を決定する経路決定手段1を備えている。また、経路決定手段1は、ノード装置の冷却効率に基づいて通信経路を決定する。これにより、通信経路上のノード装置11の冷却効率を考慮して、ノード装置11を効率的に冷却することができ、冷却コストを効果的に低減することができる。
【0014】
実施の形態1.
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図2は、本発明の実施の形態1に係る通信システムの概略的な構成を示すブロック図である。本実施の形態1に係る通信システム10は、通信ネットワーク内の通信経路上に設けられた複数のノード装置11と、その通信経路を決定する経路決定装置12と、を備えている。
【0015】
ノード装置11は、例えば、計算装置、ネットワークスイッチ、ルーターなどの通信ネットワークを構成する装置である。なお、図2において一つのノード装置11の構成を詳細に示しているが、他のノード装置11も同様の構成を有している。また、簡略化するために、各ノード装置11間の接続は省略している。
【0016】
ノード装置11は、経路表111aを記憶する記憶部111と、通信経路を選択する経路選択部112と、を有している。
【0017】
経路選択部112は、例えば、CPU(Central Processing Unit)により実行されるソフトウェアにより実装されており、各ノード装置11が通信を行う際の通信経路を選択する機能等を有している。例えば、経路選択部112は、記憶部111に記憶された経路表111aを検索することにより、最適な通信経路を選択する機能を有している。また、経路選択部112は、記憶部111の経路表111aに通信経路が記憶されていない場合に、経路決定装置12に対して通信経路の決定を要求し、その結果、経路決定装置12により決定された通信経路を記憶部111の経路表111aに記憶させる機能を有している。
【0018】
記憶部111は、例えば、磁気ディスク装置、光ディスク装置、RAM(Random Access Memory)などから構成されている。また、記憶部111の経路表111aは、各ノード装置11が通信を行う際の通信経路を記憶するための表である。上述のように、経路決定装置12により決定された通信経路を記憶部111の経路表111aに記憶させることで、経路決定装置12への上記通信経路の決定要求の回数を削減することができる。
【0019】
経路決定装置12は、通信経路を決定する経路決定部121と、経路情報122a及び冷却特性表122bを記憶する記憶部122と、を有している。
【0020】
経路決定部121は、例えば、CPUにより実行されるソフトウェアにより実装されており、ノード装置11からの要求に応じて、記憶部122に記憶された経路情報122a及び冷却特性表122bに基づいて通信経路の決定を行う機能を有している。ここで、経路情報122aは各ノード装置11の接続関係を示す情報であり、冷却特性表122bは各ノード装置11及びその冷却装置の冷却に関する特性(例えば、冷却効率、冷却性能など)を記録するための表である。
【0021】
記憶部122は、例えば、磁気ディスク装置、光ディスク装置、RAM等から構成されており、経路情報122a及び冷却特性表122bを記憶している。
【0022】
次に、本実施の形態1に係る通信システム10における通信経路の決定処理について、詳細に説明する。図3は、本実施の形態1に係る通信システムの決定処理フローの一例を示すフローチャートである。
【0023】
まず、通信を開始するノード装置11の経路選択部112は、起動して、記憶部111に格納された経路表111aに対して、通信相手先となるノード装置11までの通信経路の検索を行う(ステップS101)。
【0024】
次に、ノード装置11の経路選択部112は、記憶部111の経路表111aから通信経路を検索し抽出できた場合(ステップS102のYES)、検索した通信経路を選択し(ステップS103)、本処理を終了する。
【0025】
一方、ノード装置11の経路選択部112は、記憶部111の経路表111aから通信経路を抽出できなかった場合(ステップS102のNO)、経路決定装置12の経路決定部121に対して通信経路の決定を要求する(ステップS104)。
【0026】
なお、経路選択部112は、記憶部111の経路表111aから通信経路を検索し抽出できた場合(ステップS102のYES)でも、記憶部111の経路表111aに記録してから一定時間経過している場合などの条件が満たされた場合、上記同様に、経路決定装置12の経路決定部121に対して通信経路の決定を要求してもよい。
【0027】
経路決定装置12の経路決定部121は、記憶部122に記憶された経路情報122aおよび冷却特性表122bを参照して、通信経路を決定し(ステップS105)、決定した通信経路をノード装置11の経路選択部112に対して通知する(ステップS106)。
【0028】
ノード装置11の経路選択部112は、経路決定装置12から通知された通信経路を記憶部111の経路表111aに記録し(ステップS107)、通知された通信経路を選択し(ステップS108)、本処理を終了する。
【0029】
以上、本実施の形態1に係る通信システム10によれば、経路決定装置12の記憶部122に格納された冷却特性表122bを参照して、ノード装置11間の通信経路を決定することで、最適な通信経路を設定することができ、冷却コストを効果的に低減できる。
【0030】
なお、上記実施の形態1において、ノード装置11の経路選択部112および経路決定装置12の経路決定部121はCPUによって実行されるソフトウェアとして実装されているが、専用のハードウェアで実装されていてもよい。例えば、ノード装置11の経路選択部112をハードウェアで実装しても良い。専用のハードウェアで実装することで高速処理が可能となる。
【0031】
また、上記実施の形態1において、複数の経路決定装置12を備える構成であってもよい。各経路決定装置12が連携して通信経路の決定を行うことで、各経路決定装置12の負荷を削減し、より大きなネットワークに適用可能となる。
【0032】
次に、本実施の形態1に係る通信システム10のより具体的な実施例を説明する。上述の冷却特性として、例えば、空調装置の冷却効率を適用している。図4は、本実施の形態1に係る通信システムのより具体的な構成の一例を示すが概略図である。
【0033】
本実施の形態1に係る通信システム10において、2つのサーバー装置13、14間の通信ネットワークには、例えば、ネットワークスイッチ(ノード装置)15を経由する通信経路R1とネットワークスイッチ(ノード装置)16を経由する通信経路R2が存在する。また、経路決定装置12は、通信経路R1のネットワークスイッチ15に接続されている。
【0034】
ネットワークスイッチ15は空調装置17により冷却され、ネットワークスイッチ16は空調装置18により冷却されている。また、空調装置17は空調装置18より冷却効率が高いこととする。ここで、空調装置17の冷却効率が高いとは、同一の消費電力で空調装置17、18を動作させたときに、空調装置17の冷却能力が空調装置18の冷却能力より高いことを指す。
【0035】
図5は、本実施の形態1に係る通信システムのより具体的なシステム構成を示すブロック図である。上述の経路決定装置12の冷却特性表122bとして、空調装置17、18の空調効率表122bが適用されている。この空調効率表122bは、各ネットワークスイッチ15、16を冷却するために利用される空調装置17、18の冷却効率を記録した表である。図6は、本実施の形態1に係る経路決定装置の空調効率表の一例を示す図である。ここで、空調効率の数値が増加するに従って、空調装置17、18の冷却効率が高くなることとする。
【0036】
経路決定装置12の記憶部122の経路情報122aは、例えば、サーバー装置13、14とネットワークスイッチ15、16間の接続情報を含んでおり、予めネットワーク管理者によって作成され、記憶部122に格納されているものとする。
【0037】
図7は、本実施の形態1に係る通信システムにおけるより具体的な決定処理フローの一例を示すフローチャートである。
【0038】
経路決定装置12の経路決定部121は、記憶部122の経路情報122aを参照して(ステップS111)、送信元ノード装置から宛先元ノード装置に到達可能な通信経路を集合させた、通信経路候補群を求める(ステップS112)。ここで、通信のレイテンシなど条件がある場合、経路決定部121は、その条件を満たす通信経路のみを通信経路候補群として選ぶ。
【0039】
次に、経路決定部121は、記憶部122の空調効率表122bを参照して(ステップS113)、通信経路候補群の各通信経路に対する空調効率を求める(ステップS114)。
【0040】
その後、 経路決定部121は、通信経路候補群の中から、最も空調効率が高い通信経路に決定する(ステップS115)。
【0041】
例えば、通信経路中の各ネットワークスイッチ15、16の負荷が増加し発熱量が増加すると、各ネットワークスイッチ15、16を冷却するための消費電力も増加する。本実施の形態に係る通信システム10によれば、冷却効率が良い通信経路を優先的に利用することで、消費電力の増加の少ない通信経路を利用して通信を行うことができ、冷却コストを効果的に低減できる。
【0042】
なお、上記実施の形態1において、経路決定装置12の冷却特性表122bとして空調効率表122bが用いているが、これに限らず、例えば、ネットワークスイッチ15、16の処理負荷量に対する発熱量を示した発熱効率表を用いても良い。この場合、経路決定装置12の経路決定部121は、処理負荷の増加に対する発熱量が低い通信経路に決定する。これにより、発熱効率の良いネットワークスイッチ15、16を利用することで、発熱量を抑え、冷却コストを削減することができる。
【0043】
実施の形態2.
図8は、本発明の実施の形態2に係る通信システムの概略的な構成を示すブロック図である。本実施の形態2に係る通信システム20は、上記実施の形態1に係る通信システム10の構成に加えて、経路決定装置22の状態計測部223及び記憶部222のノード状態表222cと、ノード装置21のノード状態計測部213と、を更に備えている。
【0044】
経路決定装置22の状態計測部223は、ノード装置21のノード状態計測部213に対して制御信号を送信して、ノード装置21のノード状態を計測させ、その計測結果を記憶部222のノード状態表222cに記録する機能を有している。ノード状態表222cは、ノード装置21のノード状態(例えば、温度状態、冷却状態など)を記録するための表である。
【0045】
ノード装置21のノード状態計測部213は、経路決定装置22の状態計測部223から制御信号を受信すると、ノード装置21の状態を検出するセンサー214からノード状態を読み出して、経路決定装置22の状態計測部223に対して通知する機能を有している。
【0046】
本実施の形態2に係る通信システム20において、他の構成は、上記実施の形態1に係る通信システム10と略同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0047】
次に、本実施の形態2に係る通信システム20の処理フローについて、詳細に説明する。図9は、本実施の形態2に係る通信システムにおけるノード状態決定処理のフローを示すフローチャートである。
【0048】
まず、経路決定装置22の状態計測部223が起動し(ステップS201)、ノード装置21のノード状態計測部213に対して計測を開始させるための制御信号を送信する(ステップS202)。
【0049】
ノード装置21のノード状態計測部213は、経路決定装置22の状態計測部223からの制御信号に応じて、ノード装置21のノード状態の計測を、センサー214を用いて開始する(ステップS203)。
【0050】
ノード装置21のノード状態計測部213は、計測したノード状態を、経路決定装置22の状態計測部223に対して通知する(ステップS204)。
【0051】
経路決定装置22の状態計測部223は、通知されたノード状態を、記憶部222に格納されたノー ド状態表222cに記録する(ステップS205)。以上の処理により、記憶部222のノード状態表222cに各ノード装置21のノード状態が記録されて、ノード装置21のノード状態が決定される。このノード状態決定処理は定期的に行われ、ノード状態表222cは定期的に更新される。
【0052】
図10は、本実施の形態2に係る通信システムにおける通信経路決定処理のフローを示すフローチャートである。まず、ノード装置21が通信開始すると、経路選択部212が起動し記憶部211に格納された経路表211aから通信相手先のノード装置21までの通信経路を検索する(ステップ211)。
【0053】
ノード装置21の経路選択部212は、記憶部211の経路表211aから通信経路を検索し抽出できた場合(ステップ212のYES)、その通信経路を選択し(ステップS213)、本処理を終了する。
【0054】
一方、ノード装置21の経路選択部212は、記憶部211の経路表211aから通信経路を抽出できない場合(ステップS212のNO)、経路決定装置22の経路決定部221に対して通信経路の決定要求を行う(ステップS214)。
【0055】
経路決定装置22の経路決定部221は、ノード装置21の経路選択部212から上記通信経路の決定要求を受けると、記憶部222の経路情報222a、冷却特性表222b、及びノード状態表222cを参照して、通信経路を決定する(ステップS215)。
【0056】
経路決定装置22の経路決定部221は、決定した通信経路をノード装置21の経路選択部212に対して通知する(ステップS216)。
【0057】
ノード装置21の経路選択部212は、経路決定装置22の経路決定部221から通知された通信経路を記憶部211の経路表211aに記録し(ステップS217)、通知された通信経路を選択して(ステップS218)、本処理を終了する。
【0058】
本実施の形態2に係る通信システム20によれば、経路決定装置22の経路決定部221が冷却特性表222bに加えてノード状態表222cを参照して通信経路を決定することで、経路決定時におけるノード状態を考慮して通信経路を最適に決定できる。
【0059】
次に、上記実施の形態2に係る通信システム20のより具体的な実施例を説明する。図11は、本実施の形態2に係る通信システムのより具体的なシステム構成を示すブロック図である。本実施の形態2に係る通信システム20おいて、ノード状態としてノード装置21の温度が適用されており、冷却特性表222bとして空調装置の空調消費電力表222bが適用され、ノード状態表222cとして温度表222cが適用されている。
【0060】
本実施の形態2において、ノード装置21は、経路選択部212と記憶部211の経路表211aとに加えて、ノード状態計測部213に対応するノード温度計測部213と、温度センサー214と、を有している。一方、経路決定装置22は、経路決定部221と記憶部222の経路情報222aとに加えて、温度計測部223と記憶部222の空調消費電力表222b及び温度表222cと、を有している。
【0061】
ノード装置21のノード温度計測部213は、経路決定装置22からの計測要求に応じて、温度センサー214を用いて、ノード装置21の温度を計測し、その計測した温度を経路決定装置22に対して通知する機能を有している。
【0062】
経路決定装置22の温度計測部223は、各ノード装置21のノード温度計測部213に対して制御信号を送信して、温度センサー214に各ノード装置21の温度を計測させ、その計測した温度を記憶部222の温度表222cに記録させる機能を有している。
【0063】
記憶部222の空調消費電力表222bは、各ノード装置21の冷却に要する空調装置の消費電力と各ノード装置21との温度の対応関係を記録した表である。
【0064】
図12は、本実施の形態2に係る通信システムにおけるより具体的な決定処理フローの一例を示すフローチャートである。
【0065】
まず、経路決定装置22の経路決定部221は、記憶部222の温度表222cに記録された各ノード装置21の温度と、空調消費電力表222bと、を用いて、通信経路候補群の各通信経路に関して、夫々、空調装置の消費電力を求める(ステップS221)。
【0066】
次に、経路決定装置22の経路決定部221は、通信経路候補群の各通信経路中におけるノード装置21の温度を求め(ステップS222)、求めた各ノード装置21の温度に基づいて空調装置の消費電力を求める(ステップS223)。ここで、経路決定部221は、固定値を用いる方法や過去の履歴から算出する方法などを用いて、上記各ノード装置21の温度を求めることができる。
【0067】
さらに、経路決定装置22の経路決定部221は、通信経路候補群の通信経路の中から、消費電力の増加が最も少ない通信経路に決定する(ステップS224)。
【0068】
例えば、図13に示すように、経路決定装置22による通信経路決定時において、ネットワークスイッチ25の温度が50度であり、ネットワークスイッチ26の温度が58度である場合を想定する。図14は、空調装置による消費電力表の一例を示す図である。なお、空調装置27と28の消費電力表は同一とし、したがって、サーバー23、24間の通信を行う前において、空調装置27の消費電力は2.0kWとなっており、空調装置28の消費電力は2.0kWとなっている。
【0069】
例えば、サーバー23、24間の通信に用いられる通信経路上のネットワークスイッチ25、26の温度が5度上昇した場合、通信経路R1を選択すると、ネットワークスイッチ25の温度は55度となるが、消費電力表から空調装置27の消費電力は2.0kWのまま維持される。一方、通信経路R2を選択した場合は、ネットワークスイッチ26の温度は63度となり、空調装置28の消費電力は2.2kWに増加する。したがって、経路決定部221は、空調装置27による消費電力の増加のない通信経路R1を選択することとなる。これにより、空調装置27、28の消費電力の増加を抑え、冷却コストを削減することができる。
【0070】
また、経路決定装置22の経路決定部221は、通信経路候補群の通信経路の中から、記憶部222の温度表222cに記録されたノード装置21の最高温度が最も低いノード装置21を含むように通信経路を決定してもよい。これにより、通信経路上のノード装置21の温度を平均的に低く抑えることができるため、ノード装置21を冷却する空調装置を効率的に動作させることができ、冷却コストを効果的に低減することができる。
【0071】
なお、上記実施の形態2において、ノード装置21のノード温度計測部213は、温度センサー214を用いてノード装置21の温度を計測しているが、これに限らず、例えば、ノード装置21の消費電力を計測してもよい。この場合、ノード温度計測部213は、ノード装置21の消費電力とノード装置21の温度との対応関係を記録した表、あるいは、ノード装置21の消費電力とノード装置21を冷却するために必要な空調装置27の消費電力との対応関係を記録した表、等を用いて、ノード装置21の温度を求めてもよい。
【0072】
また、上記実施の形態2において、空調装置27、28が適用されているが、これに限らず、例えば、ネットワークスイッチ25、26に搭載された冷却ファン等の冷却装置が適用されてもよい。この場合、経路決定装置22の経路決定部221は、ノード装置21の温度と冷却ファンの消費電力との対応関係を示す消費電力表を用いて通信経路を決定する。
【0073】
次に、上記実施の形態2に係る通信システムの別のより具体的な実施例について説明する。図15は、本実施の形態2に係る通信システムの別のより具体的なシステム構成を示すブロック図である。本実施の形態2に係る通信システム20おいて、ノード状態としてノード装置21の発熱量が適用されており、冷却特性表222bとして空調装置の許容発熱量表222bが適用され、ノード状態表222cとして発熱量表222cが適用されている。
【0074】
ノード装置21は、経路選択部212と記憶部211の経路表211aとに加えて、ノード状態計測部213に対応する発熱量計測部213と、発熱量センサー214と、を有している。一方、経路決定装置22は、経路決定部221と記憶部222の経路情報222aとに加えて、発熱量計測部223と記憶部222の許容発熱量表222b及び発熱量表222cと、を有している。
【0075】
ノード装置21の発熱量計測部213は、発熱量センサー214を用いて各ノード装置21の発熱量を計測し、計測した発熱量を経路決定装置22の発熱量計測部223に送信する。なお、経路決定装置22の発熱量計測部223は、ノード装置21の消費電力を計測して、その消費電力に基づいて発熱量を算出してもよく、あるいは、ノード装置21のCPU負荷を測定し、そのCPU負荷に基づいて発熱量を算出してもよい。
【0076】
経路決定装置22の発熱量計測部223は、ノード装置21の発熱量計測部213により計測された発熱量を、記憶部222の発熱量表222cに夫々記録する。
【0077】
ここで、ノード装置21の冷却装置である空調装置は、ノード装置21が設置された各部屋の室温を一定温度に保つように動作し、自動的に出力が調整される。この時の室内の熱源であるノード装置21の発熱量と空調装置の消費電力との対応関係を記録した表が、許容発熱量表222bである。図16は、空調装置の出力と空調装置の消費電力と許容発熱量との対応関係である許容発熱量表の一例を示す図である。図16において、ノード装置21の発熱量が許容発熱量以下である場合、対応する消費電力で空調装置が動作することとなる。
【0078】
経路決定装置22の経路決定部221は、記憶部222の発熱量表222c及び許容発熱量表222bを用いて、通信経路候補群の各通信経路に対して、その通信経路を選択した場合の空調装置の消費電力を夫々算出する。そして、経路決定部221は、通信経路候補群の中から、消費電力の変化が最も小さい通信経路に決定する。
【0079】
例えば、図17に示すように、ネットワークスイッチ(ノード装置)25及びその空調装置27は部屋1内に設置され、ネットワークスイッチ(ノード装置)26及びその空調装置28は部屋2内に設置されている場合を想定する。ここで、部屋1のネットワークスイッチ25の発熱量を120Wとし、通信経路R1上に無い部屋1内の装置の発熱量を140Wとし、部屋2のネットワークスイッチ26の発熱量を100Wとし、通信経路R2上に無い部屋2内の装置の発熱量を100Wとする。この場合、サーバー23、24間で通信を行うために、通信経路R1および通信経路R2のうちいずれか一方を利用して通信が行われるが、その通信経路R1、R2の決定方法について、以下説明を行う。
【0080】
経路決定装置22の経路決定部221は、記憶部222の発熱量表222cに基づいて、各部屋1、2の総発熱量を計算する。ここで、例えば、部屋1の発熱量は120W+140W=260Wとなり、部屋2の発熱量は100W+100W=200Wとなる。
【0081】
経路決定部221は、各通信経路R1、R2を選択した場合における各ネットワークスイッチ25、26の発熱量の増加量を算出する。例えば、選択された通信経路R1、R2上にあるネットワークスイッチ25、26の発熱量が20W増加するものとする。なお、この発熱量の増加量の算出方法としては、例えば、固定値を用いる方法や、過去の計測デー タから経験的に算出する方法などを用いることができる。
【0082】
次に、経路決定部221は、各通信経路R1、R2を選択した場合の合計発熱量を計算し、記憶部222の許容発熱量表222bを用いて、その時の空調設備27、28の消費電力を算出する。具体的には、通信経路R1の発熱量は、260W+20W=280Wであるため、空調装置27の消費電力は2.4kWとなる。一方、通信経路R2の発熱量は、200W+20W=220Wとなるため、空調装置28の消費電力は2.2kWとなる。すなわち、通信経路R1を選択した場合、空調装置27の消費電力は増加しないが、通信経路R2を選択した場合、空調装置28の消費電力が増加することとなる。したがって、経路決定部221は、通信経路R2に決定する。
なお、上記実施の形態2において、経路決定装置22からの要求時にノード装置21がノード状態を計測し通知する構成に限らず、ノード装置21が定期的にノード状態を計測し、経路決定装置22に通知する構成であってもよい。
【0083】
実施の形態3.
図18は、本発明の実施の形態3に係る通信システムの概略的なシステム構成を示すブロック図である。本実施の形態3に係る通信システム30は、上記実施の形態2に係る通信システム20の構成に加えて、複数のノード装置31を夫々冷却する複数の冷却装置33と、各冷却装置33を制御する経路決定装置32の冷却制御部324と、を更に備えている。経路決定装置32の冷却制御部324は、通信経路決定後の各ノード装置31の状態に応じて、冷却装置33を制御する機能を有している。
【0084】
ここで、通信システム30の冷却制御処理フローについて、詳細に説明する。経路決定装置32の経路決定部321により通信経路の決定が行われると、冷却制御部324が起動し冷却制御処理を開始する。
【0085】
まず、冷却制御部324は、記憶部322のノード状態表322cと、経路決定部321により決定された通信経路と、に基づいて、通信経路上の各ノード装置31の状態を求める。次に、冷却制御部324は、求めた各ノード装置31の状態に応じて、各ノード装置31の状態が最適な状態(例えば、最適な温度状態)となるように、各ノード装置31に対応する冷却装置33を制御する。このように、各ノード装置31の冷却装置33を制御することで、各通信経路上のノード装置31の状態を最適な状態に維持することができる。
【0086】
なお、本実施の形態3において、ノード装置31の状態を計測するノード状態計測処理と、通信経路を決定する通信経路決定処理とは、上記実施の形態2と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0087】
次に、本実施の形態3に係る通信システムのより具体的な実施例を説明する。図19は、本実施の形態3に係る通信システムのより具体的なシステム構成を示すブロック図である。
【0088】
ノード装置31は経路選択部312と記憶部311の経路表311aとに加えて、ノード状態計測部313に対応する発熱量計測部313を有している。一方、経路決定装置32は、経路決定部321と冷却制御部324とに加えて、ノード状態計測部313に対応する発熱量計測部313と、記憶部322のノード状態表322cに対応する許容発熱量表322cおよび冷却特性表322bに対応する発熱量表322bと、を有している。
【0089】
経路決定装置32の冷却制御部324は、経路決定部321により決定された各通信経路の発熱量を算出する。そして、冷却制御部324は、算出した発熱量に最も適した出力で動作するように冷却装置33に対応する空調装置33を制御する。
【0090】
また、経路決定装置の32の冷却制御部324は、ノード装置31の発熱量計測部313により計測された通信経路候補群の各通信経路上の各ノード装置31の発熱量に基づいて、各ノード装置31を正常に動作させるための設定温度を算出する。そして、経路決定部321は、通信経路候補群の中から、冷却制御部324により算出された設定温度が最も低くなる通信経路に決定してもよい。これにより、空調装置33の消費電力を低く抑え、冷却コストを効率的に低減することができる。なお、本実施形態3に係る許容発熱量表は、上記図16に示すものと同一とする。
【0091】
例えば、経路決定装置32の冷却制御部324は、経路決定部321により決定された通信経路上のノード装置31の温度を、記憶部311の発熱量表322bを用いて推測する。そして、冷却制御部324は、推測したノード装置31の温度に基づいて、最適な設定温度となるように対応する各空調装置33を制御する。これにより、空調装置33の設定温度を最適に設定し、冷却コストを効果的に低減することができる。
【0092】
また、本実施の形態3において、例えば、図20に示すように、経路決定装置32とネットワークスイッチ36とが直接的に接続されている。ここで、経路決定装置32の経路決定部321が、ネットワークスイッチ36を通る通信経路R1に決定した場合を想定する。この場合、通信経路R1上のネットワークスイッチ36の負荷は、例えば、0.6か ら0.8に増加し、空調装置28の発熱量は200Wから240Wに増加するものとする。
【0093】
空調装置38、39は、例えば、ネットワークスイッチ36、37の温度が80度に上昇すると出力を増加させ、ネットワークスイッチ36、37の温度が60度に下降すると出力を低下させる様に動作するものとする。これは、ネットワークスイッチ36、37の温度が80度以上になると、誤動作する可能性があるため、ネットワークスイッチ36、37の温度が80度以下になるように制御を行っている。
【0094】
図21は、上述のように冷却制御を行った場合の、ネットワークスイッチの温度と空調装置の出力との関係の一例を示す図である。図21に示すように、通信経路決定前は、ネットワークスイッチ36、37の発熱量は200Wであり、空調装置38、39の出力は中レベル(2.2kW)に設定され、ネットワークスイッチ36、37の温度は70度となっている。
【0095】
ここで、ネットワークスイッチ36、37の発熱量が200Wの場合において、空調装置38、39の出力が弱レベルに設定されている場合、その許容発熱量は200Wであるが、ネットワークスイッチ36、37の発熱量の増加に対応するため、出力は中レベルに設定されている。この状態で、通信経路が決定されてネットワークスイッチ36、37の負荷が上昇し発熱量が260Wに到達すると、許容発熱量を越えてネットワークスイッチ36、37の温度が上昇する。そして、ネットワークスイッチ36、37の温度が80度に到達すると、空調装置38、39の出力が強レベル(2.4kW)に設定され、これにより、ネットワークスイッチ36、37の温度が低下する。
【0096】
また、経路決定装置32の冷却制御部324は、経路決定部321により決定された通信経路に応じて、図22に示すように、空調装置の出力を制御することができる。通信経路決定前は、例えば、ネットワークスイッチ36、37の発熱量が200Wとなっているため、冷却制御部324は、許容発熱量を満たす最も低い出力である弱レベル(2.0kW)に、空調装置38、39を制御する(図22)。一方、通信経路決定後、冷却制御部324は、ネットワークスイッチ36、37の発熱量の240Wを満たす出力として中レベル(2.2kW)に、空調装置38、39を制御する。
【0097】
このように、経路決定装置32の冷却制御部324が空調装置38、39の出力を制御することより、空調装置38、39がネットワークスイッチ36、37の温度に応じて自動で出力を制御する場合と比較して、空調装置38、39の出力を低く抑えることができ、消費電力を削減することができる。
【0098】
なお、上記実施の形態3において、経路決定装置32の冷却制御部324は、空調装置38、39の出力を制御しているが、これに限らず、例えば、空調装置38、39のエアフローの方向を制御してもよい。例えば、通信経路決定後に、ネットワークスイッチ36、37の負荷が増加した場合、冷却制御部324は、空調装置38、39のエアフローの方向を制御して、ネットワークスイッチ36、37の発熱部に冷却空気がより多く当たるように調整してもよい。
【0099】
実施の形態4.
図23は、本発明の実施の形態4に係る通信システムのノード装置の概略的なシステム構成を示すブロック図である。本実施の形態4に係るノード装置41は、経路選択部412とノード状態計測部413と記憶部411の経路表411aと、に加えて、ノード間交換部414と経路決定部415と記憶部411の経路情報411b、ノード状態表411c、及び冷却特性表411dと、を備えている。
【0100】
ノード間交換部414は、ノード装置41間で経路情報411bおよびノード状態表411cを交換することで、ネットワーク全体で統一した経路情報411bおよびノード状態表411cを作成することができる。また、ノード間交換部414は、例えば、ダイナミックルーティングで用いられる動作に準じて、ノード装置41間で情報交換を行うことができる。このように、ノード装置41が上述の経路決定装置12、22、32の機能を有することで、より構成を簡略化することができる。なお、ノード装置41は、更に、冷却制御部を有していてもよい。
【0101】
次に、本実施の形態4に係る通信システムのより具体的な実施例を説明する。図24は、本実施の形態4に係る通信システムのより具体的なシステム構成を示すブロック図である。本実施の形態4に係る通信システム40のノード装置41は、ノード間交換部414と、経路決定部415と、経路選択部412と、ノード状態計測部413に対応する発熱量計測部413と、記憶部411の経路表411a、経路情報411b、ノード状態表411cに対応する許容発熱量表411c、及び、冷却特性表411dに対応する発熱量表411dと、を備えている。
【0102】
発熱量計測部413は、発熱量センサー416を用いてノード装置41の発熱量を計測し、計測した発熱量を記憶部411に格納された発熱量表411dに記録する。ノード間交換部414は、隣接するノード装置41に自身の発熱量表411dを通知する機能と、隣接するノード装置41から通知された発熱量表411dと自身の発熱量表411dとを結合し、記憶部411に格納する機能を有している。ノード間交換部414は、この発熱量表411dの交換を、経路情報411bの交換と同様に行う。このように、ノード装置41間で発熱量表411dの交換を行うことで、各ノード装置41は、全ノード装置41の発熱量を記録した発熱量表411dを作成することができる。したがって、全ノード装置41の発熱量表411dと許容発熱量表411cを用いて通信経路を決定することができる。
【0103】
なお、上記実施の形態4において、自身の発熱量と許容発熱量表に基づいて、自身の負荷が増加し、空調装置の消費電力の増加が予想される場合は、ダイナミックルーティングで利用されるノード装置41間のコストにペナルティを適用してもよい。ダイナミックルーティングを適用した場合、コストの低い通信経路を選択するように動作するため、コストの高い通信経路は選択される可能性が減少する。したがって、その通信経路上のノード装置41の冷却に要するコストを削減することができる。また、ノード装置41間で発熱量表を交換する必要がなく、さらに、従来のダイナミックルーティングのプロトコルとの親和性が高いという利点もある。
【0104】
実施の形態5.
図25は、本発明の実施の形態5に係る通信システムの概略的なシステム構成を示すブロック図である。本実施の形態5に係る通信システム50は、複数のノード装置51と、経路決定装置52と、に加えてサーバー負荷分散装置53と、を備えている。本実施の形態5において、サーバー負荷分散装置53と経路決定装置52とが連携して処理を行う点を特徴としている。また、サーバー負荷分散装置53は、各処理要求に対処するサーバーを決定し、その負荷を分散させる機能を有している。
【0105】
経路決定装置52は、経路決定部521と状態計測部523と記憶部522の経路情報522a及びノード状態表522cとに加えて、負荷分散読出し部524と記憶部522のサーバー負荷分散表522bとを有している。負荷分散読出し部524は、サーバー負荷分散装置53が決定したサーバー負荷を分散させるための負荷分散情報を読み出し、読み出した負荷分散情報を、記憶部522に格納されているサーバー負荷分散表522bに記録する機能を有している。 また、経路決定部521は、記憶部522の経路情報522aとノード状態表522cとに加えてサーバー負荷分散表522bとを用いて、通信経路を決定する機能を有している。本実施の形態5に係る通信システム50によれば、サーバーの負荷分散を考慮して通信経路を決定することができる。
【0106】
なお上記実施の形態5において、経路決定装置52がサーバー負荷分散装置53に対して、経路情報522a、ノード状態表522c、サーバー負荷分散表522b等を提供し、サーバー負荷分散装置53が、それらを考慮してサーバーの負荷分散を行ってもよい。これにより、ノード装置51の冷却コストを考慮してサーバーの負荷分散を行うことができる。
【0107】
また、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0108】
さらに、上述の実施の形態におけるソフトウェアは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0109】
さらにまた、上記実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0110】
(付記1)
通信ネットワーク内の通信経路上に設けられた複数のノード装置の前記通信経路を決定する経路決定手段を備える通信システムであって、前記経路決定手段は、前記ノード装置の冷却効率に基づいて前記通信経路を決定する、ことを特徴とする通信システム。
【0111】
(付記2)
(付記1)の通信システムであって、前記ノード装置のノード状態を検出するノード状態検出手段を更に備え、前記経路決定手段は、前記ノード状態検出手段により検出された前記ノード装置のノード状態に基づいて、前記通信経路を決定する、ことを特徴とする通信システム。
【0112】
(付記3)
(付記1)又は(付記2)の通信システムであって、前記ノード状態検出手段は、通信ネットワーク内の通信経路上に設けられたノード装置の温度を検出する温度検出手段であり、前記経路決定手段は、前記通信ネットワーク内の複数の通信経路候補の中から、前記温度検出手段により検出された前記ノード装置の最高温度が最も低い前記ノード装置を含む通信経路に決定する、ことを特徴とする通信システム。
【0113】
(付記4)
(付記1)乃至(付記3)のうちいずれか記載の通信システムであって、前記ノード装置を冷却する冷却手段と、前記経路決定手段により決定された前記通信経路上のノード装置の温度を推測し、該推測したノード装置の温度に基づいて、前記冷却手段の冷却を制御する冷却制御手段と、を更に備える、ことを特徴とする通信システム。
【0114】
(付記5)
(付記1)乃至(付記4)のうちいずれか記載の通信システムであって、前記ノード装置の発熱量を計測する発熱量計測手段と、前記発熱量計測手段により計測された前記通信経路候補群の通信経路上の各ノード装置の発熱量に基づいて、前記各ノード装置を正常に動作させるための設定温度を算出する冷却制御手段と、を備え、前記経路決定手段は、前記通信経路候補群の中から、前記冷却制御手段により算出された設定温度が最も低くなる前記通信経路に決定する、ことを特徴とする通信システム。
【0115】
(付記6)
(付記1)乃至(付記5)のうちいずれか記載の通信システムであって、前記ノード装置間で、前記通信経路の経路情報および前記ノード装置の状態情報を交換するノード間交換手段を更に備える、ことを特徴とする通信システム。
【0116】
(付記7)
(付記1)乃至(付記6)のうちいずれか記載の通信システムであって、前記ノード装置に対する処理負荷を分散させるための負荷分散情報を生成する負荷分散手段を更に備え、前記経路決定手段は、前記負荷分散手段により生成された前記負荷分散情報を用いて、前記通信経路を決定する、ことを特徴とする通信システム。
【0117】
(付記8)
(付記1)乃至(付記7)のうちいずれか1項記載の通信システムであって、前記通信経路の情報と、前記ノード装置の状態情報と、前記ノード装置の冷却特性情報とを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記情報に基づいて、前記通信ネットワーク内の通信経路を決定する経路決定手段と、を有する経路決定装置と、前記経路決定装置により決定された通信経路の情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された複数の通信経路の情報から最適な通信経路を選択する経路選択手段と、当該装置の状態を検出するセンサーと、を有する複数のノード装置と、を備える、ことを特徴とする通信システム。
【0118】
(付記9)
通信ネットワーク内の通信経路上に設けられた複数のノード装置の前記通信経路を決定する工程を含む通信システムの通信方法であって、前記ノード装置の冷却効率に基づいて前記通信経路を決定する、ことを特徴とする通信システムの通信方法。
【0119】
(付記10)
通信ネットワーク内の通信経路上に設けられた複数のノード装置の前記通信経路を決定する通信システムのプログラムであって、前記ノード装置の冷却効率に基づいて前記通信経路を決定する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする通信システムのプログラム。
【符号の説明】
【0120】
10 通信システム
11 ノード装置
12 経路決定装置
111 記憶部
112 経路選択部
121 経路決定部
122 記憶部
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワーク内の複数の通信経路候補の中から、最適な通信経路を決定する通信システム、その通信方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、計算装置、ルーター、スイッチ等から構成されるノード装置において、処理負荷が増加するに従って当該装置の温度が上昇し高温になり誤動作を起こす虞があるため、その冷却に冷却装置が利用されている。また、多数の計算装置やノード装置が稼動するデータセンターなどでは、大規模な空調装置が利用されており、その消費電力量は、計算装置やノード装置における本来の処理による消費電力量と比較しても無視できないものとなっている。そこで、このような冷却装置の消費電力量を削減することは、データセンターの運用コストを削減するだけでなく、CO2削減にも繋がり地球環境を考える上でも重要となっている。
【0003】
上述したノード装置の冷却を行いつつ、その冷却コストを削減するものとして、例えば、現在の処理負荷を満足させるサーバーの数を決定し、不要なサーバーの電源をオフにすることで、サーバーの消費電力を削減する技術が知られている(特許文献1参照)。当該技術によれば、サーバーの負荷分散技術を利用することでサーバーの負荷を制御し、サーバーのための冷却コストを削減できるが、他のノード装置の冷却コストの削減には、そのノード装置の負荷を制御することが課題となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−577106号公報
【特許文献2】特開2006−211389号公報
【特許文献3】特開2009−081790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、複数の計算機がネットワーク通信を行う際、各ネットワーク通信に利用されるノード装置の決定が行われ、各通信経路の決定が行われる。その際、より多くの通信経路上で利用されるノード装置には、より多くの負荷がかかることとなる。このため、通信経路を制御することによって、ノード装置の負荷を適切に制御する必要が生じる。
例えば、マルチホップ無線ネットワークで消費電力を予測して、最も効率的な通信経路を選択する技術が知られている(特許文献2参照)。また、電池や太陽電池などの自然エネルギーを利用したノード装置から構成されるネットワークにおいて、ノード装置の消費電力を均一化する通信経路の決定方法が知られている(特許文献3参照)。
【0006】
これら技術によれば、消費電力を考慮して通信経路を決定し、各ノード装置の消費電力を制御することで、電池寿命を伸ばし、あるいは電源の最大容量を小さくすることができ得る。しかしながら、ノード装置の冷却コストの削減を考えた場合、ノード装置の発熱特性や冷却装置の冷却効率の相違、周囲の温度環境の相違などから、ノード装置の消費電力の低い通信経路が、必ずしも冷却コストの低い通信経路となるわけではない。したがって、ノード装置の消費電力だけを考慮した通信経路の決定では、冷却コストの削減が困難となる。
【0007】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、冷却コストを効果的に低減できる通信システム、その通信方法及びプログラムを提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明の一態様は、通信ネットワーク内の通信経路上に設けられた複数のノード装置の前記通信経路を決定する経路決定手段を備える通信システムであって、前記経路決定手段は、前記ノード装置の冷却効率に基づいて前記通信経路を決定する、ことを特徴とする通信システムである。
【0009】
また、上記目的を達成するための本発明の一態様は、通信ネットワーク内の通信経路上に設けられた複数のノード装置の前記通信経路を決定する工程を含む通信システムの通信方法であって、前記ノード装置の冷却効率に基づいて前記通信経路を決定する、ことを特徴とする通信システムの通信方法であってもよい。
【0010】
さらに、上記目的を達成するための本発明の一態様は、通信ネットワーク内の通信経路上に設けられた複数のノード装置の前記通信経路を決定する通信システムのプログラムであって、前記ノード装置の冷却効率に基づいて前記通信経路を決定する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする通信システムのプログラムであってもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、冷却コストを効果的に低減できる通信システム、その通信方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態に係る通信システムの機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る通信システムの概略的な構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る通信システムの決定処理フローの一例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態1に係る通信システムのより具体的な構成の一例を示す概略図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る通信システムのより具体的なシステム構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る経路決定装置の空調効率表の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る通信システムにおけるより具体的な決定処理フローの一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態2に係る通信システムの概略的な構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る通信システムにおけるノード状態決定処理のフローを示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態2に係る通信システムにおける通信経路決定処理のフローを示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態2に係る通信システムのより具体的なシステム構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の実施の形態2に係る通信システムにおけるより具体的な決定処理フローの一例を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態2に係る通信システムのより具体的な構成を示す概略図である。
【図14】空調装置による消費電力表の一例を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態2に係る通信システムの別のより具体的なシステム構成を示すブロック図である。
【図16】空調装置の出力と空調装置の消費電力と許容発熱量との対応関係である許容発熱量表の一例を示す図である。
【図17】本発明の実施の形態2に係る通信システムのより具体的な構成を示す概略図である。
【図18】本発明の実施の形態3に係る通信システムの概略的なシステム構成を示すブロック図である。
【図19】本発明の実施の形態3に係る通信システムのより具体的なシステム構成を示すブロック図である。
【図20】本発明の実施の形態3に係る通信システムのより具体的な構成を示す概略図である。
【図21】ネットワークスイッチの温度と空調装置の出力との関係の一例を示す図である。
【図22】ネットワークスイッチの温度と空調装置の出力との関係の一例を示す図である。
【図23】本発明の実施の形態4に係る通信システムのノード装置の概略的なシステム構成を示すブロック図である。
【図24】本発明の実施の形態4に係る通信システムのより具体的なシステム構成を示すブロック図である。
【図25】本発明の実施の形態5に係る通信システムの概略的なシステム構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の実施の形態に係る通信システムの機能ブロック図である。本実施の形態に係る通信システム10は、通信ネットワーク内の通信経路上に設けられた複数のノード装置11の通信経路を決定する経路決定手段1を備えている。また、経路決定手段1は、ノード装置の冷却効率に基づいて通信経路を決定する。これにより、通信経路上のノード装置11の冷却効率を考慮して、ノード装置11を効率的に冷却することができ、冷却コストを効果的に低減することができる。
【0014】
実施の形態1.
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図2は、本発明の実施の形態1に係る通信システムの概略的な構成を示すブロック図である。本実施の形態1に係る通信システム10は、通信ネットワーク内の通信経路上に設けられた複数のノード装置11と、その通信経路を決定する経路決定装置12と、を備えている。
【0015】
ノード装置11は、例えば、計算装置、ネットワークスイッチ、ルーターなどの通信ネットワークを構成する装置である。なお、図2において一つのノード装置11の構成を詳細に示しているが、他のノード装置11も同様の構成を有している。また、簡略化するために、各ノード装置11間の接続は省略している。
【0016】
ノード装置11は、経路表111aを記憶する記憶部111と、通信経路を選択する経路選択部112と、を有している。
【0017】
経路選択部112は、例えば、CPU(Central Processing Unit)により実行されるソフトウェアにより実装されており、各ノード装置11が通信を行う際の通信経路を選択する機能等を有している。例えば、経路選択部112は、記憶部111に記憶された経路表111aを検索することにより、最適な通信経路を選択する機能を有している。また、経路選択部112は、記憶部111の経路表111aに通信経路が記憶されていない場合に、経路決定装置12に対して通信経路の決定を要求し、その結果、経路決定装置12により決定された通信経路を記憶部111の経路表111aに記憶させる機能を有している。
【0018】
記憶部111は、例えば、磁気ディスク装置、光ディスク装置、RAM(Random Access Memory)などから構成されている。また、記憶部111の経路表111aは、各ノード装置11が通信を行う際の通信経路を記憶するための表である。上述のように、経路決定装置12により決定された通信経路を記憶部111の経路表111aに記憶させることで、経路決定装置12への上記通信経路の決定要求の回数を削減することができる。
【0019】
経路決定装置12は、通信経路を決定する経路決定部121と、経路情報122a及び冷却特性表122bを記憶する記憶部122と、を有している。
【0020】
経路決定部121は、例えば、CPUにより実行されるソフトウェアにより実装されており、ノード装置11からの要求に応じて、記憶部122に記憶された経路情報122a及び冷却特性表122bに基づいて通信経路の決定を行う機能を有している。ここで、経路情報122aは各ノード装置11の接続関係を示す情報であり、冷却特性表122bは各ノード装置11及びその冷却装置の冷却に関する特性(例えば、冷却効率、冷却性能など)を記録するための表である。
【0021】
記憶部122は、例えば、磁気ディスク装置、光ディスク装置、RAM等から構成されており、経路情報122a及び冷却特性表122bを記憶している。
【0022】
次に、本実施の形態1に係る通信システム10における通信経路の決定処理について、詳細に説明する。図3は、本実施の形態1に係る通信システムの決定処理フローの一例を示すフローチャートである。
【0023】
まず、通信を開始するノード装置11の経路選択部112は、起動して、記憶部111に格納された経路表111aに対して、通信相手先となるノード装置11までの通信経路の検索を行う(ステップS101)。
【0024】
次に、ノード装置11の経路選択部112は、記憶部111の経路表111aから通信経路を検索し抽出できた場合(ステップS102のYES)、検索した通信経路を選択し(ステップS103)、本処理を終了する。
【0025】
一方、ノード装置11の経路選択部112は、記憶部111の経路表111aから通信経路を抽出できなかった場合(ステップS102のNO)、経路決定装置12の経路決定部121に対して通信経路の決定を要求する(ステップS104)。
【0026】
なお、経路選択部112は、記憶部111の経路表111aから通信経路を検索し抽出できた場合(ステップS102のYES)でも、記憶部111の経路表111aに記録してから一定時間経過している場合などの条件が満たされた場合、上記同様に、経路決定装置12の経路決定部121に対して通信経路の決定を要求してもよい。
【0027】
経路決定装置12の経路決定部121は、記憶部122に記憶された経路情報122aおよび冷却特性表122bを参照して、通信経路を決定し(ステップS105)、決定した通信経路をノード装置11の経路選択部112に対して通知する(ステップS106)。
【0028】
ノード装置11の経路選択部112は、経路決定装置12から通知された通信経路を記憶部111の経路表111aに記録し(ステップS107)、通知された通信経路を選択し(ステップS108)、本処理を終了する。
【0029】
以上、本実施の形態1に係る通信システム10によれば、経路決定装置12の記憶部122に格納された冷却特性表122bを参照して、ノード装置11間の通信経路を決定することで、最適な通信経路を設定することができ、冷却コストを効果的に低減できる。
【0030】
なお、上記実施の形態1において、ノード装置11の経路選択部112および経路決定装置12の経路決定部121はCPUによって実行されるソフトウェアとして実装されているが、専用のハードウェアで実装されていてもよい。例えば、ノード装置11の経路選択部112をハードウェアで実装しても良い。専用のハードウェアで実装することで高速処理が可能となる。
【0031】
また、上記実施の形態1において、複数の経路決定装置12を備える構成であってもよい。各経路決定装置12が連携して通信経路の決定を行うことで、各経路決定装置12の負荷を削減し、より大きなネットワークに適用可能となる。
【0032】
次に、本実施の形態1に係る通信システム10のより具体的な実施例を説明する。上述の冷却特性として、例えば、空調装置の冷却効率を適用している。図4は、本実施の形態1に係る通信システムのより具体的な構成の一例を示すが概略図である。
【0033】
本実施の形態1に係る通信システム10において、2つのサーバー装置13、14間の通信ネットワークには、例えば、ネットワークスイッチ(ノード装置)15を経由する通信経路R1とネットワークスイッチ(ノード装置)16を経由する通信経路R2が存在する。また、経路決定装置12は、通信経路R1のネットワークスイッチ15に接続されている。
【0034】
ネットワークスイッチ15は空調装置17により冷却され、ネットワークスイッチ16は空調装置18により冷却されている。また、空調装置17は空調装置18より冷却効率が高いこととする。ここで、空調装置17の冷却効率が高いとは、同一の消費電力で空調装置17、18を動作させたときに、空調装置17の冷却能力が空調装置18の冷却能力より高いことを指す。
【0035】
図5は、本実施の形態1に係る通信システムのより具体的なシステム構成を示すブロック図である。上述の経路決定装置12の冷却特性表122bとして、空調装置17、18の空調効率表122bが適用されている。この空調効率表122bは、各ネットワークスイッチ15、16を冷却するために利用される空調装置17、18の冷却効率を記録した表である。図6は、本実施の形態1に係る経路決定装置の空調効率表の一例を示す図である。ここで、空調効率の数値が増加するに従って、空調装置17、18の冷却効率が高くなることとする。
【0036】
経路決定装置12の記憶部122の経路情報122aは、例えば、サーバー装置13、14とネットワークスイッチ15、16間の接続情報を含んでおり、予めネットワーク管理者によって作成され、記憶部122に格納されているものとする。
【0037】
図7は、本実施の形態1に係る通信システムにおけるより具体的な決定処理フローの一例を示すフローチャートである。
【0038】
経路決定装置12の経路決定部121は、記憶部122の経路情報122aを参照して(ステップS111)、送信元ノード装置から宛先元ノード装置に到達可能な通信経路を集合させた、通信経路候補群を求める(ステップS112)。ここで、通信のレイテンシなど条件がある場合、経路決定部121は、その条件を満たす通信経路のみを通信経路候補群として選ぶ。
【0039】
次に、経路決定部121は、記憶部122の空調効率表122bを参照して(ステップS113)、通信経路候補群の各通信経路に対する空調効率を求める(ステップS114)。
【0040】
その後、 経路決定部121は、通信経路候補群の中から、最も空調効率が高い通信経路に決定する(ステップS115)。
【0041】
例えば、通信経路中の各ネットワークスイッチ15、16の負荷が増加し発熱量が増加すると、各ネットワークスイッチ15、16を冷却するための消費電力も増加する。本実施の形態に係る通信システム10によれば、冷却効率が良い通信経路を優先的に利用することで、消費電力の増加の少ない通信経路を利用して通信を行うことができ、冷却コストを効果的に低減できる。
【0042】
なお、上記実施の形態1において、経路決定装置12の冷却特性表122bとして空調効率表122bが用いているが、これに限らず、例えば、ネットワークスイッチ15、16の処理負荷量に対する発熱量を示した発熱効率表を用いても良い。この場合、経路決定装置12の経路決定部121は、処理負荷の増加に対する発熱量が低い通信経路に決定する。これにより、発熱効率の良いネットワークスイッチ15、16を利用することで、発熱量を抑え、冷却コストを削減することができる。
【0043】
実施の形態2.
図8は、本発明の実施の形態2に係る通信システムの概略的な構成を示すブロック図である。本実施の形態2に係る通信システム20は、上記実施の形態1に係る通信システム10の構成に加えて、経路決定装置22の状態計測部223及び記憶部222のノード状態表222cと、ノード装置21のノード状態計測部213と、を更に備えている。
【0044】
経路決定装置22の状態計測部223は、ノード装置21のノード状態計測部213に対して制御信号を送信して、ノード装置21のノード状態を計測させ、その計測結果を記憶部222のノード状態表222cに記録する機能を有している。ノード状態表222cは、ノード装置21のノード状態(例えば、温度状態、冷却状態など)を記録するための表である。
【0045】
ノード装置21のノード状態計測部213は、経路決定装置22の状態計測部223から制御信号を受信すると、ノード装置21の状態を検出するセンサー214からノード状態を読み出して、経路決定装置22の状態計測部223に対して通知する機能を有している。
【0046】
本実施の形態2に係る通信システム20において、他の構成は、上記実施の形態1に係る通信システム10と略同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0047】
次に、本実施の形態2に係る通信システム20の処理フローについて、詳細に説明する。図9は、本実施の形態2に係る通信システムにおけるノード状態決定処理のフローを示すフローチャートである。
【0048】
まず、経路決定装置22の状態計測部223が起動し(ステップS201)、ノード装置21のノード状態計測部213に対して計測を開始させるための制御信号を送信する(ステップS202)。
【0049】
ノード装置21のノード状態計測部213は、経路決定装置22の状態計測部223からの制御信号に応じて、ノード装置21のノード状態の計測を、センサー214を用いて開始する(ステップS203)。
【0050】
ノード装置21のノード状態計測部213は、計測したノード状態を、経路決定装置22の状態計測部223に対して通知する(ステップS204)。
【0051】
経路決定装置22の状態計測部223は、通知されたノード状態を、記憶部222に格納されたノー ド状態表222cに記録する(ステップS205)。以上の処理により、記憶部222のノード状態表222cに各ノード装置21のノード状態が記録されて、ノード装置21のノード状態が決定される。このノード状態決定処理は定期的に行われ、ノード状態表222cは定期的に更新される。
【0052】
図10は、本実施の形態2に係る通信システムにおける通信経路決定処理のフローを示すフローチャートである。まず、ノード装置21が通信開始すると、経路選択部212が起動し記憶部211に格納された経路表211aから通信相手先のノード装置21までの通信経路を検索する(ステップ211)。
【0053】
ノード装置21の経路選択部212は、記憶部211の経路表211aから通信経路を検索し抽出できた場合(ステップ212のYES)、その通信経路を選択し(ステップS213)、本処理を終了する。
【0054】
一方、ノード装置21の経路選択部212は、記憶部211の経路表211aから通信経路を抽出できない場合(ステップS212のNO)、経路決定装置22の経路決定部221に対して通信経路の決定要求を行う(ステップS214)。
【0055】
経路決定装置22の経路決定部221は、ノード装置21の経路選択部212から上記通信経路の決定要求を受けると、記憶部222の経路情報222a、冷却特性表222b、及びノード状態表222cを参照して、通信経路を決定する(ステップS215)。
【0056】
経路決定装置22の経路決定部221は、決定した通信経路をノード装置21の経路選択部212に対して通知する(ステップS216)。
【0057】
ノード装置21の経路選択部212は、経路決定装置22の経路決定部221から通知された通信経路を記憶部211の経路表211aに記録し(ステップS217)、通知された通信経路を選択して(ステップS218)、本処理を終了する。
【0058】
本実施の形態2に係る通信システム20によれば、経路決定装置22の経路決定部221が冷却特性表222bに加えてノード状態表222cを参照して通信経路を決定することで、経路決定時におけるノード状態を考慮して通信経路を最適に決定できる。
【0059】
次に、上記実施の形態2に係る通信システム20のより具体的な実施例を説明する。図11は、本実施の形態2に係る通信システムのより具体的なシステム構成を示すブロック図である。本実施の形態2に係る通信システム20おいて、ノード状態としてノード装置21の温度が適用されており、冷却特性表222bとして空調装置の空調消費電力表222bが適用され、ノード状態表222cとして温度表222cが適用されている。
【0060】
本実施の形態2において、ノード装置21は、経路選択部212と記憶部211の経路表211aとに加えて、ノード状態計測部213に対応するノード温度計測部213と、温度センサー214と、を有している。一方、経路決定装置22は、経路決定部221と記憶部222の経路情報222aとに加えて、温度計測部223と記憶部222の空調消費電力表222b及び温度表222cと、を有している。
【0061】
ノード装置21のノード温度計測部213は、経路決定装置22からの計測要求に応じて、温度センサー214を用いて、ノード装置21の温度を計測し、その計測した温度を経路決定装置22に対して通知する機能を有している。
【0062】
経路決定装置22の温度計測部223は、各ノード装置21のノード温度計測部213に対して制御信号を送信して、温度センサー214に各ノード装置21の温度を計測させ、その計測した温度を記憶部222の温度表222cに記録させる機能を有している。
【0063】
記憶部222の空調消費電力表222bは、各ノード装置21の冷却に要する空調装置の消費電力と各ノード装置21との温度の対応関係を記録した表である。
【0064】
図12は、本実施の形態2に係る通信システムにおけるより具体的な決定処理フローの一例を示すフローチャートである。
【0065】
まず、経路決定装置22の経路決定部221は、記憶部222の温度表222cに記録された各ノード装置21の温度と、空調消費電力表222bと、を用いて、通信経路候補群の各通信経路に関して、夫々、空調装置の消費電力を求める(ステップS221)。
【0066】
次に、経路決定装置22の経路決定部221は、通信経路候補群の各通信経路中におけるノード装置21の温度を求め(ステップS222)、求めた各ノード装置21の温度に基づいて空調装置の消費電力を求める(ステップS223)。ここで、経路決定部221は、固定値を用いる方法や過去の履歴から算出する方法などを用いて、上記各ノード装置21の温度を求めることができる。
【0067】
さらに、経路決定装置22の経路決定部221は、通信経路候補群の通信経路の中から、消費電力の増加が最も少ない通信経路に決定する(ステップS224)。
【0068】
例えば、図13に示すように、経路決定装置22による通信経路決定時において、ネットワークスイッチ25の温度が50度であり、ネットワークスイッチ26の温度が58度である場合を想定する。図14は、空調装置による消費電力表の一例を示す図である。なお、空調装置27と28の消費電力表は同一とし、したがって、サーバー23、24間の通信を行う前において、空調装置27の消費電力は2.0kWとなっており、空調装置28の消費電力は2.0kWとなっている。
【0069】
例えば、サーバー23、24間の通信に用いられる通信経路上のネットワークスイッチ25、26の温度が5度上昇した場合、通信経路R1を選択すると、ネットワークスイッチ25の温度は55度となるが、消費電力表から空調装置27の消費電力は2.0kWのまま維持される。一方、通信経路R2を選択した場合は、ネットワークスイッチ26の温度は63度となり、空調装置28の消費電力は2.2kWに増加する。したがって、経路決定部221は、空調装置27による消費電力の増加のない通信経路R1を選択することとなる。これにより、空調装置27、28の消費電力の増加を抑え、冷却コストを削減することができる。
【0070】
また、経路決定装置22の経路決定部221は、通信経路候補群の通信経路の中から、記憶部222の温度表222cに記録されたノード装置21の最高温度が最も低いノード装置21を含むように通信経路を決定してもよい。これにより、通信経路上のノード装置21の温度を平均的に低く抑えることができるため、ノード装置21を冷却する空調装置を効率的に動作させることができ、冷却コストを効果的に低減することができる。
【0071】
なお、上記実施の形態2において、ノード装置21のノード温度計測部213は、温度センサー214を用いてノード装置21の温度を計測しているが、これに限らず、例えば、ノード装置21の消費電力を計測してもよい。この場合、ノード温度計測部213は、ノード装置21の消費電力とノード装置21の温度との対応関係を記録した表、あるいは、ノード装置21の消費電力とノード装置21を冷却するために必要な空調装置27の消費電力との対応関係を記録した表、等を用いて、ノード装置21の温度を求めてもよい。
【0072】
また、上記実施の形態2において、空調装置27、28が適用されているが、これに限らず、例えば、ネットワークスイッチ25、26に搭載された冷却ファン等の冷却装置が適用されてもよい。この場合、経路決定装置22の経路決定部221は、ノード装置21の温度と冷却ファンの消費電力との対応関係を示す消費電力表を用いて通信経路を決定する。
【0073】
次に、上記実施の形態2に係る通信システムの別のより具体的な実施例について説明する。図15は、本実施の形態2に係る通信システムの別のより具体的なシステム構成を示すブロック図である。本実施の形態2に係る通信システム20おいて、ノード状態としてノード装置21の発熱量が適用されており、冷却特性表222bとして空調装置の許容発熱量表222bが適用され、ノード状態表222cとして発熱量表222cが適用されている。
【0074】
ノード装置21は、経路選択部212と記憶部211の経路表211aとに加えて、ノード状態計測部213に対応する発熱量計測部213と、発熱量センサー214と、を有している。一方、経路決定装置22は、経路決定部221と記憶部222の経路情報222aとに加えて、発熱量計測部223と記憶部222の許容発熱量表222b及び発熱量表222cと、を有している。
【0075】
ノード装置21の発熱量計測部213は、発熱量センサー214を用いて各ノード装置21の発熱量を計測し、計測した発熱量を経路決定装置22の発熱量計測部223に送信する。なお、経路決定装置22の発熱量計測部223は、ノード装置21の消費電力を計測して、その消費電力に基づいて発熱量を算出してもよく、あるいは、ノード装置21のCPU負荷を測定し、そのCPU負荷に基づいて発熱量を算出してもよい。
【0076】
経路決定装置22の発熱量計測部223は、ノード装置21の発熱量計測部213により計測された発熱量を、記憶部222の発熱量表222cに夫々記録する。
【0077】
ここで、ノード装置21の冷却装置である空調装置は、ノード装置21が設置された各部屋の室温を一定温度に保つように動作し、自動的に出力が調整される。この時の室内の熱源であるノード装置21の発熱量と空調装置の消費電力との対応関係を記録した表が、許容発熱量表222bである。図16は、空調装置の出力と空調装置の消費電力と許容発熱量との対応関係である許容発熱量表の一例を示す図である。図16において、ノード装置21の発熱量が許容発熱量以下である場合、対応する消費電力で空調装置が動作することとなる。
【0078】
経路決定装置22の経路決定部221は、記憶部222の発熱量表222c及び許容発熱量表222bを用いて、通信経路候補群の各通信経路に対して、その通信経路を選択した場合の空調装置の消費電力を夫々算出する。そして、経路決定部221は、通信経路候補群の中から、消費電力の変化が最も小さい通信経路に決定する。
【0079】
例えば、図17に示すように、ネットワークスイッチ(ノード装置)25及びその空調装置27は部屋1内に設置され、ネットワークスイッチ(ノード装置)26及びその空調装置28は部屋2内に設置されている場合を想定する。ここで、部屋1のネットワークスイッチ25の発熱量を120Wとし、通信経路R1上に無い部屋1内の装置の発熱量を140Wとし、部屋2のネットワークスイッチ26の発熱量を100Wとし、通信経路R2上に無い部屋2内の装置の発熱量を100Wとする。この場合、サーバー23、24間で通信を行うために、通信経路R1および通信経路R2のうちいずれか一方を利用して通信が行われるが、その通信経路R1、R2の決定方法について、以下説明を行う。
【0080】
経路決定装置22の経路決定部221は、記憶部222の発熱量表222cに基づいて、各部屋1、2の総発熱量を計算する。ここで、例えば、部屋1の発熱量は120W+140W=260Wとなり、部屋2の発熱量は100W+100W=200Wとなる。
【0081】
経路決定部221は、各通信経路R1、R2を選択した場合における各ネットワークスイッチ25、26の発熱量の増加量を算出する。例えば、選択された通信経路R1、R2上にあるネットワークスイッチ25、26の発熱量が20W増加するものとする。なお、この発熱量の増加量の算出方法としては、例えば、固定値を用いる方法や、過去の計測デー タから経験的に算出する方法などを用いることができる。
【0082】
次に、経路決定部221は、各通信経路R1、R2を選択した場合の合計発熱量を計算し、記憶部222の許容発熱量表222bを用いて、その時の空調設備27、28の消費電力を算出する。具体的には、通信経路R1の発熱量は、260W+20W=280Wであるため、空調装置27の消費電力は2.4kWとなる。一方、通信経路R2の発熱量は、200W+20W=220Wとなるため、空調装置28の消費電力は2.2kWとなる。すなわち、通信経路R1を選択した場合、空調装置27の消費電力は増加しないが、通信経路R2を選択した場合、空調装置28の消費電力が増加することとなる。したがって、経路決定部221は、通信経路R2に決定する。
なお、上記実施の形態2において、経路決定装置22からの要求時にノード装置21がノード状態を計測し通知する構成に限らず、ノード装置21が定期的にノード状態を計測し、経路決定装置22に通知する構成であってもよい。
【0083】
実施の形態3.
図18は、本発明の実施の形態3に係る通信システムの概略的なシステム構成を示すブロック図である。本実施の形態3に係る通信システム30は、上記実施の形態2に係る通信システム20の構成に加えて、複数のノード装置31を夫々冷却する複数の冷却装置33と、各冷却装置33を制御する経路決定装置32の冷却制御部324と、を更に備えている。経路決定装置32の冷却制御部324は、通信経路決定後の各ノード装置31の状態に応じて、冷却装置33を制御する機能を有している。
【0084】
ここで、通信システム30の冷却制御処理フローについて、詳細に説明する。経路決定装置32の経路決定部321により通信経路の決定が行われると、冷却制御部324が起動し冷却制御処理を開始する。
【0085】
まず、冷却制御部324は、記憶部322のノード状態表322cと、経路決定部321により決定された通信経路と、に基づいて、通信経路上の各ノード装置31の状態を求める。次に、冷却制御部324は、求めた各ノード装置31の状態に応じて、各ノード装置31の状態が最適な状態(例えば、最適な温度状態)となるように、各ノード装置31に対応する冷却装置33を制御する。このように、各ノード装置31の冷却装置33を制御することで、各通信経路上のノード装置31の状態を最適な状態に維持することができる。
【0086】
なお、本実施の形態3において、ノード装置31の状態を計測するノード状態計測処理と、通信経路を決定する通信経路決定処理とは、上記実施の形態2と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0087】
次に、本実施の形態3に係る通信システムのより具体的な実施例を説明する。図19は、本実施の形態3に係る通信システムのより具体的なシステム構成を示すブロック図である。
【0088】
ノード装置31は経路選択部312と記憶部311の経路表311aとに加えて、ノード状態計測部313に対応する発熱量計測部313を有している。一方、経路決定装置32は、経路決定部321と冷却制御部324とに加えて、ノード状態計測部313に対応する発熱量計測部313と、記憶部322のノード状態表322cに対応する許容発熱量表322cおよび冷却特性表322bに対応する発熱量表322bと、を有している。
【0089】
経路決定装置32の冷却制御部324は、経路決定部321により決定された各通信経路の発熱量を算出する。そして、冷却制御部324は、算出した発熱量に最も適した出力で動作するように冷却装置33に対応する空調装置33を制御する。
【0090】
また、経路決定装置の32の冷却制御部324は、ノード装置31の発熱量計測部313により計測された通信経路候補群の各通信経路上の各ノード装置31の発熱量に基づいて、各ノード装置31を正常に動作させるための設定温度を算出する。そして、経路決定部321は、通信経路候補群の中から、冷却制御部324により算出された設定温度が最も低くなる通信経路に決定してもよい。これにより、空調装置33の消費電力を低く抑え、冷却コストを効率的に低減することができる。なお、本実施形態3に係る許容発熱量表は、上記図16に示すものと同一とする。
【0091】
例えば、経路決定装置32の冷却制御部324は、経路決定部321により決定された通信経路上のノード装置31の温度を、記憶部311の発熱量表322bを用いて推測する。そして、冷却制御部324は、推測したノード装置31の温度に基づいて、最適な設定温度となるように対応する各空調装置33を制御する。これにより、空調装置33の設定温度を最適に設定し、冷却コストを効果的に低減することができる。
【0092】
また、本実施の形態3において、例えば、図20に示すように、経路決定装置32とネットワークスイッチ36とが直接的に接続されている。ここで、経路決定装置32の経路決定部321が、ネットワークスイッチ36を通る通信経路R1に決定した場合を想定する。この場合、通信経路R1上のネットワークスイッチ36の負荷は、例えば、0.6か ら0.8に増加し、空調装置28の発熱量は200Wから240Wに増加するものとする。
【0093】
空調装置38、39は、例えば、ネットワークスイッチ36、37の温度が80度に上昇すると出力を増加させ、ネットワークスイッチ36、37の温度が60度に下降すると出力を低下させる様に動作するものとする。これは、ネットワークスイッチ36、37の温度が80度以上になると、誤動作する可能性があるため、ネットワークスイッチ36、37の温度が80度以下になるように制御を行っている。
【0094】
図21は、上述のように冷却制御を行った場合の、ネットワークスイッチの温度と空調装置の出力との関係の一例を示す図である。図21に示すように、通信経路決定前は、ネットワークスイッチ36、37の発熱量は200Wであり、空調装置38、39の出力は中レベル(2.2kW)に設定され、ネットワークスイッチ36、37の温度は70度となっている。
【0095】
ここで、ネットワークスイッチ36、37の発熱量が200Wの場合において、空調装置38、39の出力が弱レベルに設定されている場合、その許容発熱量は200Wであるが、ネットワークスイッチ36、37の発熱量の増加に対応するため、出力は中レベルに設定されている。この状態で、通信経路が決定されてネットワークスイッチ36、37の負荷が上昇し発熱量が260Wに到達すると、許容発熱量を越えてネットワークスイッチ36、37の温度が上昇する。そして、ネットワークスイッチ36、37の温度が80度に到達すると、空調装置38、39の出力が強レベル(2.4kW)に設定され、これにより、ネットワークスイッチ36、37の温度が低下する。
【0096】
また、経路決定装置32の冷却制御部324は、経路決定部321により決定された通信経路に応じて、図22に示すように、空調装置の出力を制御することができる。通信経路決定前は、例えば、ネットワークスイッチ36、37の発熱量が200Wとなっているため、冷却制御部324は、許容発熱量を満たす最も低い出力である弱レベル(2.0kW)に、空調装置38、39を制御する(図22)。一方、通信経路決定後、冷却制御部324は、ネットワークスイッチ36、37の発熱量の240Wを満たす出力として中レベル(2.2kW)に、空調装置38、39を制御する。
【0097】
このように、経路決定装置32の冷却制御部324が空調装置38、39の出力を制御することより、空調装置38、39がネットワークスイッチ36、37の温度に応じて自動で出力を制御する場合と比較して、空調装置38、39の出力を低く抑えることができ、消費電力を削減することができる。
【0098】
なお、上記実施の形態3において、経路決定装置32の冷却制御部324は、空調装置38、39の出力を制御しているが、これに限らず、例えば、空調装置38、39のエアフローの方向を制御してもよい。例えば、通信経路決定後に、ネットワークスイッチ36、37の負荷が増加した場合、冷却制御部324は、空調装置38、39のエアフローの方向を制御して、ネットワークスイッチ36、37の発熱部に冷却空気がより多く当たるように調整してもよい。
【0099】
実施の形態4.
図23は、本発明の実施の形態4に係る通信システムのノード装置の概略的なシステム構成を示すブロック図である。本実施の形態4に係るノード装置41は、経路選択部412とノード状態計測部413と記憶部411の経路表411aと、に加えて、ノード間交換部414と経路決定部415と記憶部411の経路情報411b、ノード状態表411c、及び冷却特性表411dと、を備えている。
【0100】
ノード間交換部414は、ノード装置41間で経路情報411bおよびノード状態表411cを交換することで、ネットワーク全体で統一した経路情報411bおよびノード状態表411cを作成することができる。また、ノード間交換部414は、例えば、ダイナミックルーティングで用いられる動作に準じて、ノード装置41間で情報交換を行うことができる。このように、ノード装置41が上述の経路決定装置12、22、32の機能を有することで、より構成を簡略化することができる。なお、ノード装置41は、更に、冷却制御部を有していてもよい。
【0101】
次に、本実施の形態4に係る通信システムのより具体的な実施例を説明する。図24は、本実施の形態4に係る通信システムのより具体的なシステム構成を示すブロック図である。本実施の形態4に係る通信システム40のノード装置41は、ノード間交換部414と、経路決定部415と、経路選択部412と、ノード状態計測部413に対応する発熱量計測部413と、記憶部411の経路表411a、経路情報411b、ノード状態表411cに対応する許容発熱量表411c、及び、冷却特性表411dに対応する発熱量表411dと、を備えている。
【0102】
発熱量計測部413は、発熱量センサー416を用いてノード装置41の発熱量を計測し、計測した発熱量を記憶部411に格納された発熱量表411dに記録する。ノード間交換部414は、隣接するノード装置41に自身の発熱量表411dを通知する機能と、隣接するノード装置41から通知された発熱量表411dと自身の発熱量表411dとを結合し、記憶部411に格納する機能を有している。ノード間交換部414は、この発熱量表411dの交換を、経路情報411bの交換と同様に行う。このように、ノード装置41間で発熱量表411dの交換を行うことで、各ノード装置41は、全ノード装置41の発熱量を記録した発熱量表411dを作成することができる。したがって、全ノード装置41の発熱量表411dと許容発熱量表411cを用いて通信経路を決定することができる。
【0103】
なお、上記実施の形態4において、自身の発熱量と許容発熱量表に基づいて、自身の負荷が増加し、空調装置の消費電力の増加が予想される場合は、ダイナミックルーティングで利用されるノード装置41間のコストにペナルティを適用してもよい。ダイナミックルーティングを適用した場合、コストの低い通信経路を選択するように動作するため、コストの高い通信経路は選択される可能性が減少する。したがって、その通信経路上のノード装置41の冷却に要するコストを削減することができる。また、ノード装置41間で発熱量表を交換する必要がなく、さらに、従来のダイナミックルーティングのプロトコルとの親和性が高いという利点もある。
【0104】
実施の形態5.
図25は、本発明の実施の形態5に係る通信システムの概略的なシステム構成を示すブロック図である。本実施の形態5に係る通信システム50は、複数のノード装置51と、経路決定装置52と、に加えてサーバー負荷分散装置53と、を備えている。本実施の形態5において、サーバー負荷分散装置53と経路決定装置52とが連携して処理を行う点を特徴としている。また、サーバー負荷分散装置53は、各処理要求に対処するサーバーを決定し、その負荷を分散させる機能を有している。
【0105】
経路決定装置52は、経路決定部521と状態計測部523と記憶部522の経路情報522a及びノード状態表522cとに加えて、負荷分散読出し部524と記憶部522のサーバー負荷分散表522bとを有している。負荷分散読出し部524は、サーバー負荷分散装置53が決定したサーバー負荷を分散させるための負荷分散情報を読み出し、読み出した負荷分散情報を、記憶部522に格納されているサーバー負荷分散表522bに記録する機能を有している。 また、経路決定部521は、記憶部522の経路情報522aとノード状態表522cとに加えてサーバー負荷分散表522bとを用いて、通信経路を決定する機能を有している。本実施の形態5に係る通信システム50によれば、サーバーの負荷分散を考慮して通信経路を決定することができる。
【0106】
なお上記実施の形態5において、経路決定装置52がサーバー負荷分散装置53に対して、経路情報522a、ノード状態表522c、サーバー負荷分散表522b等を提供し、サーバー負荷分散装置53が、それらを考慮してサーバーの負荷分散を行ってもよい。これにより、ノード装置51の冷却コストを考慮してサーバーの負荷分散を行うことができる。
【0107】
また、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0108】
さらに、上述の実施の形態におけるソフトウェアは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0109】
さらにまた、上記実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0110】
(付記1)
通信ネットワーク内の通信経路上に設けられた複数のノード装置の前記通信経路を決定する経路決定手段を備える通信システムであって、前記経路決定手段は、前記ノード装置の冷却効率に基づいて前記通信経路を決定する、ことを特徴とする通信システム。
【0111】
(付記2)
(付記1)の通信システムであって、前記ノード装置のノード状態を検出するノード状態検出手段を更に備え、前記経路決定手段は、前記ノード状態検出手段により検出された前記ノード装置のノード状態に基づいて、前記通信経路を決定する、ことを特徴とする通信システム。
【0112】
(付記3)
(付記1)又は(付記2)の通信システムであって、前記ノード状態検出手段は、通信ネットワーク内の通信経路上に設けられたノード装置の温度を検出する温度検出手段であり、前記経路決定手段は、前記通信ネットワーク内の複数の通信経路候補の中から、前記温度検出手段により検出された前記ノード装置の最高温度が最も低い前記ノード装置を含む通信経路に決定する、ことを特徴とする通信システム。
【0113】
(付記4)
(付記1)乃至(付記3)のうちいずれか記載の通信システムであって、前記ノード装置を冷却する冷却手段と、前記経路決定手段により決定された前記通信経路上のノード装置の温度を推測し、該推測したノード装置の温度に基づいて、前記冷却手段の冷却を制御する冷却制御手段と、を更に備える、ことを特徴とする通信システム。
【0114】
(付記5)
(付記1)乃至(付記4)のうちいずれか記載の通信システムであって、前記ノード装置の発熱量を計測する発熱量計測手段と、前記発熱量計測手段により計測された前記通信経路候補群の通信経路上の各ノード装置の発熱量に基づいて、前記各ノード装置を正常に動作させるための設定温度を算出する冷却制御手段と、を備え、前記経路決定手段は、前記通信経路候補群の中から、前記冷却制御手段により算出された設定温度が最も低くなる前記通信経路に決定する、ことを特徴とする通信システム。
【0115】
(付記6)
(付記1)乃至(付記5)のうちいずれか記載の通信システムであって、前記ノード装置間で、前記通信経路の経路情報および前記ノード装置の状態情報を交換するノード間交換手段を更に備える、ことを特徴とする通信システム。
【0116】
(付記7)
(付記1)乃至(付記6)のうちいずれか記載の通信システムであって、前記ノード装置に対する処理負荷を分散させるための負荷分散情報を生成する負荷分散手段を更に備え、前記経路決定手段は、前記負荷分散手段により生成された前記負荷分散情報を用いて、前記通信経路を決定する、ことを特徴とする通信システム。
【0117】
(付記8)
(付記1)乃至(付記7)のうちいずれか1項記載の通信システムであって、前記通信経路の情報と、前記ノード装置の状態情報と、前記ノード装置の冷却特性情報とを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記情報に基づいて、前記通信ネットワーク内の通信経路を決定する経路決定手段と、を有する経路決定装置と、前記経路決定装置により決定された通信経路の情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された複数の通信経路の情報から最適な通信経路を選択する経路選択手段と、当該装置の状態を検出するセンサーと、を有する複数のノード装置と、を備える、ことを特徴とする通信システム。
【0118】
(付記9)
通信ネットワーク内の通信経路上に設けられた複数のノード装置の前記通信経路を決定する工程を含む通信システムの通信方法であって、前記ノード装置の冷却効率に基づいて前記通信経路を決定する、ことを特徴とする通信システムの通信方法。
【0119】
(付記10)
通信ネットワーク内の通信経路上に設けられた複数のノード装置の前記通信経路を決定する通信システムのプログラムであって、前記ノード装置の冷却効率に基づいて前記通信経路を決定する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする通信システムのプログラム。
【符号の説明】
【0120】
10 通信システム
11 ノード装置
12 経路決定装置
111 記憶部
112 経路選択部
121 経路決定部
122 記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワーク内の通信経路上に設けられた複数のノード装置の前記通信経路を決定する経路決定手段を備える通信システムであって、
前記経路決定手段は、前記ノード装置の冷却効率に基づいて前記通信経路を決定する、ことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
請求項1記載の通信システムであって、
前記ノード装置のノード状態を検出するノード状態検出手段を更に備え、
前記経路決定手段は、前記ノード状態検出手段により検出された前記ノード装置のノード状態に基づいて、前記通信経路を決定する、ことを特徴とする通信システム。
【請求項3】
請求項1又は2記載の通信システムであって、
前記ノード状態検出手段は、通信ネットワーク内の通信経路上に設けられたノード装置の温度を検出する温度検出手段であり、
前記経路決定手段は、前記通信ネットワーク内の複数の通信経路候補の中から、前記温度検出手段により検出された前記ノード装置の最高温度が最も低い前記ノード装置を含む通信経路に決定する、ことを特徴とする通信システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のうちいずれか1項記載の通信システムであって、
前記ノード装置を冷却する冷却手段と、
前記経路決定手段により決定された前記通信経路上のノード装置の温度を推測し、該推測したノード装置の温度に基づいて、前記冷却手段の冷却を制御する冷却制御手段と、
を更に備える、ことを特徴とする通信システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちいずれか1項記載の通信システムであって、
前記ノード装置の発熱量を計測する発熱量計測手段と、
前記発熱量計測手段により計測された前記通信経路候補群の通信経路上の各ノード装置の発熱量に基づいて、前記各ノード装置を正常に動作させるための設定温度を算出する冷却制御手段と、を備え、
前記経路決定手段は、前記通信経路候補群の中から、前記冷却制御手段により算出された設定温度が最も低くなる前記通信経路に決定する、ことを特徴とする通信システム。
【請求項6】
請求項1乃至5のうちいずれか1項記載の通信システムであって、
前記ノード装置間で、前記通信経路の経路情報および前記ノード装置の状態情報を交換するノード間交換手段を更に備える、ことを特徴とする通信システム。
【請求項7】
請求項1乃至6のうちいずれか1項記載の通信システムであって、
前記ノード装置に対する処理負荷を分散させるための負荷分散情報を生成する負荷分散手段を更に備え、
前記経路決定手段は、前記負荷分散手段により生成された前記負荷分散情報を用いて、前記通信経路を決定する、ことを特徴とする通信システム。
【請求項8】
請求項1乃至7のうちいずれか1項記載の通信システムであって、
前記通信経路の情報と、前記ノード装置の状態情報と、前記ノード装置の冷却特性情報とを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記情報に基づいて、前記通信ネットワーク内の通信経路を決定する経路決定手段と、を有する経路決定装置と、
前記経路決定装置により決定された通信経路の情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された複数の通信経路の情報から最適な通信経路を選択する経路選択手段と、
当該装置の状態を検出するセンサーと、を有する複数のノード装置と、
を備える、
ことを特徴とする通信システム。
【請求項9】
通信ネットワーク内の通信経路上に設けられた複数のノード装置の前記通信経路を決定する工程を含む通信システムの通信方法であって、
前記ノード装置の冷却効率に基づいて前記通信経路を決定する、ことを特徴とする通信システムの通信方法。
【請求項10】
通信ネットワーク内の通信経路上に設けられた複数のノード装置の前記通信経路を決定する通信システムのプログラムであって、
前記ノード装置の冷却効率に基づいて前記通信経路を決定する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする通信システムのプログラム。
【請求項1】
通信ネットワーク内の通信経路上に設けられた複数のノード装置の前記通信経路を決定する経路決定手段を備える通信システムであって、
前記経路決定手段は、前記ノード装置の冷却効率に基づいて前記通信経路を決定する、ことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
請求項1記載の通信システムであって、
前記ノード装置のノード状態を検出するノード状態検出手段を更に備え、
前記経路決定手段は、前記ノード状態検出手段により検出された前記ノード装置のノード状態に基づいて、前記通信経路を決定する、ことを特徴とする通信システム。
【請求項3】
請求項1又は2記載の通信システムであって、
前記ノード状態検出手段は、通信ネットワーク内の通信経路上に設けられたノード装置の温度を検出する温度検出手段であり、
前記経路決定手段は、前記通信ネットワーク内の複数の通信経路候補の中から、前記温度検出手段により検出された前記ノード装置の最高温度が最も低い前記ノード装置を含む通信経路に決定する、ことを特徴とする通信システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のうちいずれか1項記載の通信システムであって、
前記ノード装置を冷却する冷却手段と、
前記経路決定手段により決定された前記通信経路上のノード装置の温度を推測し、該推測したノード装置の温度に基づいて、前記冷却手段の冷却を制御する冷却制御手段と、
を更に備える、ことを特徴とする通信システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちいずれか1項記載の通信システムであって、
前記ノード装置の発熱量を計測する発熱量計測手段と、
前記発熱量計測手段により計測された前記通信経路候補群の通信経路上の各ノード装置の発熱量に基づいて、前記各ノード装置を正常に動作させるための設定温度を算出する冷却制御手段と、を備え、
前記経路決定手段は、前記通信経路候補群の中から、前記冷却制御手段により算出された設定温度が最も低くなる前記通信経路に決定する、ことを特徴とする通信システム。
【請求項6】
請求項1乃至5のうちいずれか1項記載の通信システムであって、
前記ノード装置間で、前記通信経路の経路情報および前記ノード装置の状態情報を交換するノード間交換手段を更に備える、ことを特徴とする通信システム。
【請求項7】
請求項1乃至6のうちいずれか1項記載の通信システムであって、
前記ノード装置に対する処理負荷を分散させるための負荷分散情報を生成する負荷分散手段を更に備え、
前記経路決定手段は、前記負荷分散手段により生成された前記負荷分散情報を用いて、前記通信経路を決定する、ことを特徴とする通信システム。
【請求項8】
請求項1乃至7のうちいずれか1項記載の通信システムであって、
前記通信経路の情報と、前記ノード装置の状態情報と、前記ノード装置の冷却特性情報とを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記情報に基づいて、前記通信ネットワーク内の通信経路を決定する経路決定手段と、を有する経路決定装置と、
前記経路決定装置により決定された通信経路の情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された複数の通信経路の情報から最適な通信経路を選択する経路選択手段と、
当該装置の状態を検出するセンサーと、を有する複数のノード装置と、
を備える、
ことを特徴とする通信システム。
【請求項9】
通信ネットワーク内の通信経路上に設けられた複数のノード装置の前記通信経路を決定する工程を含む通信システムの通信方法であって、
前記ノード装置の冷却効率に基づいて前記通信経路を決定する、ことを特徴とする通信システムの通信方法。
【請求項10】
通信ネットワーク内の通信経路上に設けられた複数のノード装置の前記通信経路を決定する通信システムのプログラムであって、
前記ノード装置の冷却効率に基づいて前記通信経路を決定する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする通信システムのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2012−5038(P2012−5038A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−140597(P2010−140597)
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
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