説明

通信システム、制御装置及び制御方法

【課題】キーの押下により端末で実行されるアクションが異なる場合にも、一方の端末のキー押下情報を他方の端末に正確に伝える手段を提供することを目的とする。
【解決手段】第1端末は、前記第1端末のキーと、アクションとを対応付けて格納する第1アクション記憶部を有する。第1端末は、押下されたキーを検知し、検知されたキーに対応するアクションを導出し、導出されたアクションを前記第2端末に通知する。第2端末は、前記第2端末のキーと、アクションとを対応付けて格納する第2アクション記憶部を有する。第2端末は、前記第1端末から通知されたアクションを受信し、通知されたアクションに対応するキーを導出し、導出されたキーを点灯させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、制御装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末の高機能化に伴い、操作に不慣れなユーザ向けの携帯端末が開発されている。例えば、操作性を重視したボタン配置のデザインや、テレビ電話着信時に操作すべきボタンが光る光ナビゲーション機能等が携帯端末に採用されている(非特許文献1参照)。光ナビゲーション機能は、テレビ電話着信時に適切な順序でボタンを点灯させることにより、どのボタンを押下すればよいのかを通知する機能である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】入江亨他,"携帯電話「らくらくホン」におけるユニバーサルデザインへの取り組み",FUJITSU.56,2,146〜152ページ,2005年3月
【非特許文献2】石川憲洋他,"生活ケータイの新たな利用シーンを創出する移動端末からのホームネットワーク制御技術",NTT DoCoMoテクニカルジャーナル,Vol.16,No.1,26〜35ページ,2008年4月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、携帯端末から様々な装置を遠隔制御することが検討されている(非特許文献2参照)。
【0005】
携帯端末による遠隔制御の1つの応用技術として、発信元携帯端末から接続先携帯端末を遠隔制御することが考えられる。例えば、携帯端末の操作がわからないユーザ(被アシスト者)に対し、教える側のユーザ(アシスト者)が、携帯端末から相手の携帯端末に対して操作手順をガイドするというアシスト機能が考えられる。被アシスト者の携帯端末の画面をアシスト者の携帯端末に表示することで、アシスト者は、被アシスト者の画面を確認しながら、遠隔から被アシスト者の操作を誘導できる。被アシスト者は、アシスト者からの指示に従って、携帯端末を操作する。
【0006】
アシスト機能では、アシスト者の端末と被アシスト者の端末が同じ機種である場合、アシスト者からの指示が被アシスト者に伝わりやすい。しかし、アシスト者の端末と被アシスト者の端末は、必ずしも同じ機種であるとは限らない。特にキー配置が異なる等の理由で、キーの押下により端末で実行されるアクションが異なる場合には、アシスト者の端末にとって正しいキー操作であるにもかかわらず、適切な操作案内を実現できない可能性がある。例えば、アシスト者がドライブモード切替を指示するつもりで[*]の長押しを指示したが、[*]の長押しは、被アシスト者の端末にとってマナーモードのオン/オフである場合、被アシスト者は[*]を長押ししてマナーモードのオン/オフを実行する可能性がある。
【0007】
上記のような課題に鑑み、本発明は、キーの押下により端末で実行されるアクションが異なる場合にも、一方の端末のキー押下情報を他方の端末に正確に伝える手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の通信システムは、
第1端末と第2端末とを含む通信システムであって、
前記第1端末は、
前記第1端末のキーと、キーの押下により前記第1端末で実行されるアクションとを対応付けて格納する第1アクション記憶部と、
押下されたキーを検知する第1キー押下検知部と、
検知されたキーに対応するアクションを前記第1アクション記憶部から導出する第1アクション導出部と、
導出されたアクションを前記第2端末に通知する第1送信部と、
を有し、
前記第2端末は、
前記第2端末のキーと、キーの押下により前記第2端末で実行されるアクションとを対応付けて格納する第2アクション記憶部と、
前記第1端末から通知されたアクションを受信する第2受信部と、
通知されたアクションに対応するキーを前記第2アクション記憶部から導出する第2端末キー押下情報導出部と、
導出されたキーを点灯させる第2キー制御部と、
を有することを特徴とする。
【0009】
本発明の制御装置は、
第1端末及び第2端末と通信可能な制御装置であって、
端末識別番号と、端末のキーと、キーの押下により端末で実行されるアクションとを対応付けて格納するアクション記憶部と、
前記第1端末及び前記第2端末から端末識別番号を取得する端末識別番号取得部と、
前記第1端末から、前記第1端末で押下されたキーを示すキー押下情報を受信するキー押下情報受信部と、
前記第1端末の端末識別番号、押下されたキーに対応するアクションを前記アクション記憶部から導出するアクション導出部と、
導出されたアクションと前記第2端末の端末識別番号とに対応するキーを前記アクション記憶部から導出するキー押下情報導出部と、
導出されたキーを示すキー制御信号を前記第2端末に送信するキー制御信号送信部と、
を有することを特徴とする。
【0010】
本発明の制御方法は、
第1端末のキーと、キーの押下により前記第1端末で実行されるアクションとを対応付けて格納する第1アクション記憶部を有する第1端末と、第2端末のキーと、キーの押下により前記第2端末で実行されるアクションとを対応付けて格納する第2アクション記憶部を有する第2端末とを含む通信システムにおける制御方法であって、
前記第1端末が、押下されたキーを検知するステップと、
前記第1端末が、検知されたキーに対応するアクションを前記第1アクション記憶部から導出するステップと、
前記第1端末が、導出されたアクションを前記第2端末に通知するステップと、
前記第2端末が、前記第1端末から通知されたアクションを受信するステップと、
前記第2端末が、通知されたアクションに対応するキーを前記第2アクション記憶部から導出するステップと、
前記第2端末が、導出されたキーを点灯させるステップと、
を有することを特徴とする。
【0011】
本発明の制御方法は、
第1端末及び第2端末と通信可能であり、端末識別番号と、端末のキーと、キーの押下により端末で実行されるアクションとを対応付けて格納するアクション記憶部を有する制御装置における制御方法であって、
前記第1端末及び前記第2端末から端末識別番号を取得するステップと、
前記第1端末から、前記第1端末で押下されたキーを示すキー押下情報を受信するステップと、
前記第1端末の端末識別番号、押下されたキーに対応するアクションを前記アクション記憶部から導出するステップと、
導出されたアクションと前記第2端末の端末識別番号とに対応するキーを前記アクション記憶部から導出するステップと、
導出されたキーを示すキー制御信号を前記第2端末に送信するステップと、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の実施例によれば、キーの押下により端末で実行されるアクションが異なる場合にも、一方の端末のキー押下情報を他方の端末に正確に伝えることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例に係る通信システムの概略図
【図2】本発明の実施例で用いられるキー配置の例
【図3】本発明の実施例に係るアシスト端末又は被アシスト端末内のアクションデータベースの例
【図4】本発明の実施例に係るアシスト端末のブロック図
【図5】本発明の実施例に係る被アシスト端末のブロック図
【図6】本発明の実施例に係るアシスト端末の別のブロック図
【図7】本発明の実施例に係る被アシスト端末の別のブロック図
【図8】本発明の実施例に係る制御方法のフローチャート
【図9】本発明の変形例に係る通信システムの概略図
【図10】本発明の変形例に係る端末制御サーバ内のアクションデータベースの例
【図11】本発明の変形例に係る端末制御サーバのブロック図
【図12】本発明の変形例に係る制御方法のシーケンス図
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施例では、端末の操作がわからない被アシスト者に対し、教える側のアシスト者が、相手の端末に対して操作手順をガイドするというアシスト機能について説明する。教える側のアシスト者の端末はアシスト端末と呼ばれ、教えてもらう側の被アシスト者の端末は被アシスト端末と呼ばれる。アシスト端末のキー配置と被アシスト端末のキー配置とは異なってもよい。アシスト端末から被アシスト端末に対してキー操作を案内する具体的な手法として、アシスト端末で押下したキーに対応する被アシスト端末のキーを点灯させることを想定する。
【0015】
アシスト端末は、アシスト端末のキーと、キーの押下によりアシスト端末で実行されるアクションとを対応付けて格納するアクション記憶部を有する。アクション記憶部は、アシスト端末のキー及びキー押下時間の長さと、キーの押下によりアシスト端末で実行されるアクションとを対応付けて格納してもよい。アシスト端末は、アシスト者により押下されたキーを検知し、検知されたキーに対応するアクションをアクション記憶部から導出し、導出されたアクションを被アシスト端末に通知する。更に、アシスト端末は、キー押下時間を検知し、キー押下時間の長さに対応するアクションを導出してもよい。
【0016】
被アシスト端末は、被アシスト端末のキーと、キーの押下により被アシスト端末で実行されるアクションとを対応付けて格納するアクション記憶部を有する。アクション記憶部は、被アシスト端末のキー及びキー押下時間の長さと、キーの押下により被アシスト端末で実行されるアクションとを対応付けて格納してもよい。被アシスト端末は、アシスト端末から通知されたアクションを受信し、通知されたアクションに対応するキーをアクション記憶部から導出し、導出されたキーを点灯させる。更に、被アシスト端末は、アクションに対応するキー押下時間の長さを導出してもよい。
【0017】
このようにして、キーの押下により端末で実行されるアクションが異なる場合にも、一方の端末のキー押下情報を他方の端末に正確に伝えることが可能になる。
【0018】
以下、本発明の実施例について、図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
<システム構成>
図1は、本発明の実施例に係る通信システムの概略図である。通信システムは、アシスト端末10と、被アシスト端末20とを有する。
【0020】
アシスト端末10は、相手の端末に対して操作手順をガイドするアシスト機能を有する通信端末である。アシスト端末10は、一般的には携帯電話のような移動通信端末であるが、パソコンのような固定通信端末でもよい。例えば、アシスト端末10は、被アシスト端末20の画面を表示したり、被アシスト端末20に対して押下すべきキーを指示したりすることができる。アシスト端末10の各キーには、発光ダイオード(LED)のような発光素子或いは光源が備えられてもよい。
【0021】
被アシスト端末20は、相手の端末から操作手順を受け取る被アシスト機能を有する通信端末である。被アシスト端末20は、一般的には携帯電話のような移動通信端末であるが、固定電話のような固定通信端末でもよい。被アシスト端末20の各キーには、発光ダイオード(LED)のような発光素子或いは光源が備えられている。被アシスト端末20は、アシスト端末10から指示された押下すべきキーを点灯させることができる。
【0022】
ここで、端末のキーは、端末に備えられている押下可能なボタンと、端末の画面に表示されるソフトウェアキーのキーとを含む。例えば、キーには、[開始]、[終話]、[クリア]、[上]、[下]、[左]、[右]、[1]、[2]・・・[0]、[*]、[#]等が含まれる。同じキーの押下であっても、キーを所定の時間より長く押下したとき(長押し)のアクションは、所定の時間より短く押下したときのアクションと異なる。長押しであるか否かは、キーを押下している時間が例えば1秒以上であるか否かにより判定される。例えば、[終話]を短く押下したときのアクションはオンフックであり、[終話]を長押ししたときのアクションは電源オフである。端末によっては、キーを押下したときのアクションが異なる可能性がある。例えば、ある端末では、[*]を長押ししたときのアクションはドライブモード切替であり、別の端末では、[*]を長押ししたときのアクションはマナーモードのオン/オフである。
【0023】
また、端末のキー配置には、テンキー配置とQWERTY配置とが含まれる。一般的な携帯電話は、テンキー配置の中からキーを押下できる。また、QWERTY配置の中からキーを押下できる端末もあり、ソフトウェアキーとしてテンキー配置とQWERTY配置とを切り替えることができる端末もある。
【0024】
図2(A)に、テンキー配置とQWERTY配置とを切り替えることができる端末のソフトウェアキー配置の例を示す。ソフトウェアキーの各キーは指でタッチパネルを触れることによりキー入力が可能であるが、ここでは、ソフトウェアキーのキー入力も押下と呼ぶこととする。同じアクションを実行するためのキーは、テンキー配置とQWERTY配置とで異なる可能性がある。例えば、"の"を入力するために、テンキー配置では[5]を5回押下する必要があるが、QWERTY配置では、[N]・[O]を押下する必要がある。
【0025】
更に、テンキー配置における文字種別として、ひらがな直接入力、半角カナ入力、半角英字入力、半角数字入力等があり、QWERTY配置における文字種別として、ローマ字入力、カナ入力、英数字入力等がある。
【0026】
図2(B)に示すように、アクションを実行するためのテンキー配置におけるキーとQWERTY配置におけるキーとの対応関係は、予め決められている。例えば、"0"〜"9"を入力するためには、テンキー配置の半角数字入力では[0]〜[9]を押下する必要があるが、QWERTY配置の英数字入力では[0]〜[9]を押下する必要がある。例えば、"か"を入力するためには、テンキー配置のひらがな直接入力では[2]を押下する必要があるが、QWERTY配置のローマ字入力では[K]・[A]を押下する必要がある。例えば、直接番号入力のアクションを実行するためには、テンキー配置では[開始]を押下する必要があるが、QWERTY配置では[Ctrl]+[S]を押下する必要がある。
【0027】
上記のように、端末で実行されるアクションは、キー配置や文字種別に応じて、どのキーが押下されたか、キーが短く押下されたか長押しされたか、どのキーが何回押下されたかというキー押下情報によって決まる。
【0028】
キー配置が異なる端末間において、アシスト端末10で押下したキーの情報(キー押下情報)を被アシスト端末20に正確に伝えるため、本発明の実施例では、アシスト端末10と被アシスト端末20との間で以下のように情報を伝達する。
【0029】
アシスト端末10は、アシスト端末のキー及びキー押下時間の長さと、キーの押下によりアシスト端末10で実行されるアクションとを対応付けて格納するアクションデータベースを有する。アシスト者は、アシスト端末10の画面に被アシスト端末20の画面を表示させ、被アシスト者が次に操作すべきキーを押下する。アシスト端末10は、押下されたキー及びキー押下時間に対応するアクションをアシスト端末10のアクションデータベースから導出し、導出されたアクションを示すアクション情報を被アシスト端末20に送信する。
【0030】
被アシスト端末20は、被アシスト端末のキー及びキー押下時間の長さと、キーの押下により被アシスト端末20で実行されるアクションとを対応付けて格納するアクションデータベースを有する。被アシスト端末20は、アシスト端末10からアクション情報を受信し、アクション情報により通知されたアクションに対応するキー及びキー押下時間の長さをアクションデータベースから導出する。被アシスト端末20は、導出されたキーを点灯させる。このようにして、被アシスト者は、押下すべきキーを認識できる。
【0031】
また、被アシスト端末20は、導出されたキーが押下され、通知されたアクションが完了した場合、キーを消灯させ、アシスト端末10にアクション完了通知を送信してもよい。アシスト端末10は、アクション完了通知を受信した場合、完了したアクションに対応するキーを点灯させてもよい。このようにして、アシスト者は、被アシスト者が実際にアクションを実行したことを認識できる。
【0032】
図3は、本発明の実施例に係るアシスト端末10又は被アシスト端末20内のアクションデータベースの例である。
【0033】
アクションデータベースは、端末のキー及びキー押下時間の長さと、キーの押下により端末で実行されるアクション(動作)とを対応付けて格納する記憶装置である。例えば、[終話]を短く押下したときのアクションはオンフックであり、[終話]を長押ししたときのアクションは電源オフである。例えば、[1]を短く押下したときのアクションはデジット"1"入力(半角数字入力)、あ行入力(ひらがな直接入力、半角カナ入力)又は".","@"入力(半角英字入力)であり、[1]を長押ししたときのアクションはGPS現在地確認起動である。また、長押しに対応するアクションが存在しない場合もある。例えば、[開始]を短く押下したときのアクションは直接電話番号入力であるが、[開始]を長押ししたときのアクションは存在しない。
【0034】
図3は、1つの端末のアクションデータベースを示している。アクションデータベースは端末毎或いは端末の機種毎に異なってもよい。例えば、アシスト端末10では、[*]を長押ししたときのアクションはドライブモード切替であり、被アシスト端末20では、[*]を長押ししたときのアクションはマナーモードのオン/オフである。このように端末毎或いは端末の機種毎にアクションデータベースは異なる可能性があるため、アシスト端末10及び被アシスト端末20は、自端末に応じたアクションデータベースを有する。
【0035】
なお、図3は、テンキー配置のアクションデータベースを示しているが、QWERTY配置のキーを有する端末は、QWERTY配置のアクションデータベースを有する。ソフトウェアキーとしてテンキー配置とQWERTY配置とを切り替えることができる端末は、テンキー配置のアクションデータベースとQWERTY配置のアクションデータベースとの双方を有してもよい。また、テンキー配置とQWERTY配置とを切り替えることができる端末は、図2(B)を参照して説明したように、テンキー配置におけるキーとQWERTY配置におけるキーとの対応関係は予め決められているため、一方のアクションデータベースのみを有してもよい。一方のアクションデータベースのみを有する場合、図3のアクションデータベースと、図2(B)のテンキー配置におけるキーとQWERTY配置におけるキーとの対応関係との双方を用いて、キー及びキー押下時間からアクションを導出でき、また、アクションからキー及びキー押下時間を導出できる。
【0036】
<端末構成>
次に、アシスト端末10から被アシスト端末20に対して押下すべきキーを指示する場合のアシスト端末10及び被アシスト端末20の構成について説明する。
【0037】
図4は、本発明の実施例に係るアシスト端末10のブロック図である。アシスト端末10は、キー入力部101と、キー入力情報解析部103と、送受信部113とを有する。
【0038】
キー入力部101は、アシスト者によるキー入力を受け付ける。例えば、キー入力部101は、アシスト端末10のボタンでもよく、タッチパネルでもよい。
【0039】
キー入力情報解析部103は、キー入力部101で押下されたキー及びキー押下時間の長さから、アシスト端末10で実行されるアクションを導出する。
【0040】
送受信部113は、導出されたアクション情報を被アシスト端末20に送信する。
【0041】
より具体的には、キー入力情報解析部103は、キー押下検知部105と、キー配置・文字種別記憶部107と、アクション導出部109と、アクション記憶部111とを有する。
【0042】
キー押下検知部105は、キー入力部101で押下されたキー及びキー押下時間を検知する。アシスト端末10がキー配置を切り替ることができる場合、キー配置・文字種別記憶部107は、アシスト端末10で設定されているキー配置(テンキー配置又はQWERTY配置)を格納する。キー押下検知部105は、キー配置・文字種別記憶部107に格納されているキー配置に応じて、どのキーが押下されたか、また、キーが短く押下されたか長押しされたかを検知する。
【0043】
また、キー配置・文字種別記憶部107は、アシスト端末10で設定されている文字種別(テンキー配置におけるひらがな直接入力、半角カナ入力、半角英字入力、半角数字入力等、QWERTY配置におけるローマ字入力、カナ入力、英数字入力等)を格納する。文字種別によっては1回以上のキーの押下により1つのアクションが決まるため、キー押下検知部105は、キー配置・文字種別記憶部107に格納されているキー配置及び文字種別に応じて、どのキーが何回押下されたかを検知する。例えば、テンキー配置のひらがな直接入力で"の"を入力する場合、キー押下検知部105は、押下されたキーの情報を保持し、連続して[5]が5回押下されたことを検知する。また、例えば、QWERTY配置のローマ字入力で"の"を入力する場合、キー押下検知部105は、押下されたキーの情報を保持し、[N]が1回押下されて[O]が1回押下されたことを検知する。キー押下検知部105は、一定時間内にキーの押下を検知しない場合に、すなわち、キー押下間隔が一定時間以上である場合に(例えば、キーが押下されて1秒以上経過した場合に)、1つのアクションに対するキーの押下が終了したとみなしてもよい。また、キー押下検知部105は、[決定]のような所定のキーが押下された場合に1つのアクションに対するキーの押下が終了したとみなしてもよい。なお、[開始]や[終話]のように、複数回のキー押下に対するアクションが定義されていない場合には、キー押下検知部105は、一定時間待つことなく、検知されたキー及びキー押下時間をアクション導出部109に通知する。
【0044】
アクション導出部109は、検知されたキー及びキー押下時間に対応するアクションを導出する。アクション記憶部111には、図3を参照して説明したように、アシスト端末10のキー及びキー押下時間の長さと、アシスト端末10で実行されるアクションとが対応付けて格納されている。アクション導出部109は、検知されたキー及びキー押下時間から、アクション記憶部111に格納されているアクションを導出する。また、キー配置によってアクションが異なる場合、アクション導出部109は、キー配置・文字種別記憶部107に格納されているキー配置に応じて、アクションを導出する。更に、1回以上のキーの押下により1つのアクションが決まる場合、アクション導出部109は、どのキーが何回押下されたかに応じて、アクションを導出する。導出されたアクション情報は、送受信部113を介して被アシスト端末20に送信される。
【0045】
例えば、上記のようにテンキー配置のひらがな直接入力における[5]が5回押下されたことを検知した場合、アクション導出部109は、キー配置・文字種別記憶部107に格納されているキー配置に応じて、アクションが"の"の入力であることを導出する。例えば、上記のようにQWERTY配置のローマ字入力における[N]・[O]の押下を検知した場合、アクション導出部109は、キー配置・文字種別記憶部107に格納されているキー配置に応じて、アクションが"の"の入力であることを導出する。なお、上記のようにテンキー配置におけるキーとQWERTY配置におけるキーとの対応関係は予め決められているため、アクション導出部109は、この対応関係から、QWERTY配置での[N]・[O]の押下がテンキー配置での[5]の5回の押下に対応することを導出し、アクションが"の"の入力であることを導出してもよい。
【0046】
図5は、本発明の実施例に係る被アシスト端末20のブロック図である。被アシスト端末20は、送受信部201と、キー制御情報解析部203と、キー入力部213とを有する。
【0047】
送受信部201は、アシスト端末10から送信されたアクション情報を受信する。
【0048】
キー制御情報解析部203は、アクション情報により通知されたアクションから、押下すべきキー及びキー押下時間の長さを導出する。そして、押下すべきキーを点灯させる。
【0049】
キー入力部213は、被アシスト端末20のボタンでもよく、タッチパネルでもよい。キー入力部213には、発光ダイオード(LED)のような発光素子或いは光源が備えられており、キー入力部213の発光素子或いは光源は、キー制御情報解析部203からのキー点灯指示により点灯する。
【0050】
より具体的には、キー制御情報解析部203は、キー押下情報導出部205と、アクション記憶部207と、キー制御部209と、キー配置・文字種別記憶部211とを有する。
【0051】
キー押下情報導出部205は、送受信部201を介してアシスト端末10から送信されたアクション情報を受信し、アクション情報により通知されたアクションに対応するキー及びキー押下時間の長さを導出する。アクション記憶部207には、図3を参照して説明したように、被アシスト端末20のキー及びキー押下時間の長さと、被アシスト端末20で実行されるアクションとが対応付けて格納されている。キー押下情報導出部205は、アクション情報により通知されたアクションから、アクション記憶部207に格納されているキー及びキー押下時間の長さを導出する。また、キー配置・文字種別記憶部211は、被アシスト端末20で設定されているキー配置及び文字種別を格納する。キー配置によってアクションが異なる場合、キー押下情報導出部205は、キー配置・文字種別記憶部211に格納されているキー配置に応じて、キー及びキー押下時間の長さを導出する。1つのアクションが1回以上のキーの押下を必要とする場合、キー押下情報導出部207は、どのキーを何回押下する必要があるかを導出する。
【0052】
例えば、上記のようにアクションが"の"の入力であることを通知された場合、キー押下情報導出部205は、テンキー配置である場合には[5]を5回押下する必要があることを導出し、QWERTY配置である場合には[N]・[O]を押下する必要があることを導出する。なお、上記のようにテンキー配置におけるキーとQWERTY配置におけるキーとの対応関係は予め決められているため、キー押下情報導出部205は、"の"の入力がテンキー配置での[5]の5回の押下であることを導出し、テンキー配置のキーとQWERTY配置のキーとの対応関係から、テンキー配置での[5]の5回の押下がQWERTY配置での[N]・[O]の押下に対応することを導出してもよい。
【0053】
キー制御部209は、キー配置・文字種別記憶部211に格納されているキー配置に応じて、キー押下情報導出部205で導出されたキーを点灯させる。例えば、テンキー配置の[5]を5回押下する必要があることが導出された場合、キー制御部209は、テンキー配置の[5]を点灯させる。なお、[5]が5回押下されるまで、キー制御部209は[5]を点灯させ続け、[5]が5回押下されたときに[5]を消灯させる。例えば、QWERTY配置の[N]・[O]を押下する必要があることが導出された場合、キー制御部209は、まず、QWERTY配置の[N]を点灯させ、[N]が押下されたときに、[N]を消灯させて[O]を点灯させる。そして、[O]が押下されたときに、[O]を消灯させる。例えば、キーを長押しする必要がある場合、キー制御部209は、キーが長押しされるまでキーを点灯させ続け、キーが長押しされたときにキーを消灯させる。アクションが完了した場合、送受信部201は、アクション完了通知をアシスト端末10に送信してもよい。アクション完了通知については、図6及び7を参照して以下に説明する。
【0054】
次に、被アシスト端末20からアシスト端末10にアクションが完了したことを示すアクション完了通知を送信する場合の被アシスト端末20及びアシスト端末10の構成について説明する。アクションの完了は、アシスト端末10のキーを点灯させることにより、アシスト者に認識させる。この場合、図4のアシスト端末10の各機能が被アシスト端末20に含まれ、図5の被アシスト端末20の各機能がアシスト端末10に含まれる。より具体的な構成を以下に説明する。
【0055】
図6は、本発明の実施例に係る被アシスト端末20の別のブロック図である。被アシスト端末20は、送受信部201と、キー制御情報解析部203と、キー入力部213とを有する。
【0056】
キー入力部213は、被アシスト者によるキー入力を受け付ける。例えば、キー入力部213は、被アシスト端末20のボタンでもよく、タッチパネルでもよい。
【0057】
キー制御情報解析部203は、キー入力部213で押下されたキー及びキー押下時間の長さから、アクションが完了したことを判断する。
【0058】
送受信部201は、アクションが完了した場合に、アクション完了通知をアシスト端末10に送信する。
【0059】
より具体的には、キー制御情報解析部203は、図5の各構成要素に加えて、キー押下検知部215と、アクション導出部217とを有する。
【0060】
キー押下検知部215は、キー入力部213で押下されたキー及びキー押下時間を検知する。被アシスト端末20がキー配置を切り替ることができる場合、キー配置・文字種別記憶部211は、被アシスト端末20で設定されているキー配置を格納する。キー押下検知部215は、キー配置・文字種別記憶部211に格納されているキー配置に応じて、どのキーが押下されたか、また、キーが短く押下されたか長押しされたかを検知する。
【0061】
また、キー配置・文字種別記憶部211は、被アシスト端末20で設定されている文字種別を格納する。文字種別によっては1回以上のキーの押下により1つのアクションが決まるため、キー押下検知部215は、キー配置・文字種別記憶部211に格納されているキー配置及び文字種別に応じて、どのキーが何回押下されたかを検知する。
【0062】
アクション導出部217は、検知されたキー及びキー押下時間に対応するアクションを導出する。アクション記憶部207には、被アシスト端末20のキー及びキー押下時間の長さと、被アシスト端末20で実行されるアクションとが対応付けて格納されている。アクション導出部217は、検知されたキー及びキー押下時間から、アクション記憶部207に格納されているアクションを導出する。また、キー配置によってアクションが異なる場合、アクション導出部217は、キー配置・文字種別記憶部211に格納されているキー配置に応じて、アクションを導出する。更に、1回以上のキーの押下により1つのアクションが決まる場合、アクション導出部217は、どのキーが何回押下されたかに応じて、アクションを導出する。導出されたアクション情報は、アクション完了通知として、送受信部201を介してアシスト端末10に送信される。
【0063】
図7は、本発明の実施例に係るアシスト端末10の別のブロック図である。アシスト端末10は、キー入力部101と、キー入力情報解析部103と、送受信部113とを有する。
【0064】
送受信部113は、被アシスト端末20から送信されたアクション完了通知を受信する。
【0065】
キー入力情報解析部103は、完了したアクションに対応するキー及びキー押下時間の長さを導出する。そして、導出されたキーを点灯させる。
【0066】
キー入力部101は、アシスト端末10のボタンでもよく、タッチパネルでもよい。キー入力部101には、発光ダイオード(LED)のような発光素子或いは光源が備えられており、キー入力部101の発光素子或いは光源は、キー入力情報解析部103からのキー点灯指示により点灯する。
【0067】
より具体的には、キー入力情報解析部103は、図6の各構成要素に加えて、キー押下情報導出部115と、キー制御部117とを有する。
【0068】
キー押下情報導出部115は、送受信部113を介して被アシスト端末20から送信されたアクション完了通知を受信し、完了したアクションに対応するキー及びキー押下時間の長さを導出する。アクション記憶部111には、アシスト端末10のキー及びキー押下時間の長さと、アシスト端末10で実行されるアクションとが対応付けて格納されている。キー押下情報導出部115は、完了したアクションから、アクション記憶部111に格納されているキー及びキー押下時間の長さを導出する。また、キー配置・文字種別記憶部107は、アシスト端末10で設定されているキー配置及び文字種別を格納する。キー配置によってアクションが異なる場合、キー押下情報導出部115は、キー配置・文字種別記憶部107に格納されているキー配置に応じて、キー及びキー押下時間の長さを導出する。1つのアクションが1回以上のキーの押下を必要とする場合、キー押下情報導出部115は、どのキーを何回押下する必要があるかを導出する。
【0069】
なお、キー押下情報導出部115は被アシスト端末20のキー押下情報導出部205と同様の機能を有するものとして説明したが、本実施例では、アシスト者はアクションが完了したことが認識できればよい。従って、キー押下情報導出部115は、点灯させるキーを導出すればよく、キー押下時間の長さ、どのキーを何回押下する必要があるかは導出しなくてもよい。
【0070】
キー制御部117は、キー配置・文字種別記憶部107に格納されているキー配置に応じて、キー押下情報導出部115で導出されたキーを点灯させる。点灯したキーは所定時間の後に消灯してもよく、いずれかのキーの押下により消灯してもよい。
【0071】
次に、図8を参照して、アシスト端末10から被アシスト端末20に対して、"の"の入力を指示する具体例を説明する。
【0072】
まず、アシスト端末10のキー入力部101で押下されたキー及びキー押下時間をキー入力解析部103に通知する(S101)。キー入力解析部103の中のキー押下検知部105は、キー配置・文字種別記憶部107から、アシスト端末10の現在のキー配置・文字種別を確認する(S103)。現在のキー配置がテンキー配置であり、文字種別がひらがな直接入力である場合、キー押下検知部105は、[5]が短く押下されたことを検知する。押下されたキーの情報は、"な"の入力であるか"の"の入力であるかを判断するためにキー押下検知部105に保持される(S105)。キー押下検知部105は、キー入力が終了したか否かを判断する(S107)。例えば、キー押下検知部105は、一定時間内にキーの押下を検知した場合、キー入力が終了していないと判断し(S107:NO)、押下されたキーの情報を保持する(S105)。例えば、キー押下検知部105は、一定時間内にキーの押下を検知しない場合又は[決定]のような所定のキーが押下された場合、キー入力が終了したと判断する(S107:YES)。このように、キー押下検知部は[5]が短く5回押下されたことを検知する。
【0073】
アクション導出部109は、検知されたキー及びキー押下時間に対応するアクションをアクション記憶部111から導出する(S109)。アクション導出部109は、テンキー配置のひらがな直接入力における[5]の5回の押下が"の"の入力であることを導出する。"の"の入力というアクション情報は、送受信部113を介して被アシスト端末20に送信される(S111)。
【0074】
被アシスト端末20の送受信部201は、"の"の入力というアクション情報を受信する(S113)。キー押下情報導出部205は、キー配置・文字種別記憶部211から、被アシスト端末20の現在のキー配置・文字種別を確認する(S115)。現在のキー配置がQWERTY配置であり、文字種別がローマ字入力である場合、キー押下情報導出部205は、[N]を短く押下し、[O]を短く押下する必要があることを導出する(S117)。
【0075】
キー制御部209は、QWERTY配置の[N]を点灯させる(S119)。[N]が押下されたときに、キー制御部209は、アクションが完了したか否かを判断する(S121)。続けて[O]を押下する必要があるため、キー制御部209は、アクションが完了していないと判断し(S121:NO)、QWERTY配置の[O]を点灯させる(S119)。[O]が押下されたときに、キー制御部209は、アクションが完了したと判断し(S121:YES)、[O]を消灯させる(S123)。
【0076】
アシスト端末10の手順と同様に、被アシスト端末20のキー押下検知部215が[N]及び[O]の押下を検知し、アクション導出部217がアクションを導出する。導出されたアクションは、アクション完了通知として、送受信部201を介してアシスト端末10に送信される(S125)。
【0077】
なお、ここでは、アシスト端末10から被アシスト端末20に対して、"の"の入力を指示する具体例について説明したが、図8に示すフローチャートは他のキーの押下にも同様に適用可能である。
<変形例>
次に、端末のアクションデータベースを集中的に管理する端末制御サーバを用いた変形例について説明する。
【0078】
図9は、本発明の変形例に係る通信システムの概略図である。通信システムは、アシスト端末10と、被アシスト端末20と、端末制御サーバ30とを有する。アシスト端末10及び被アシスト端末20にはアクションデータベースは含まれず、各端末のアクションデータベースは、端末制御サーバ30により管理される。
【0079】
端末制御サーバ30は、端末毎に、端末のキー及びキー押下時間の長さと、キーの押下により端末で実行されるアクションとを対応付けて格納するアクションデータベースを有する。端末制御サーバ30は、アシスト端末10又は被アシスト端末によるアシスト機能の開始時等に、アシスト端末10及び被アシスト端末20から端末識別番号を取得する。取得した識別番号により、端末制御サーバ30は、アシスト端末10のアクションデータベースと、被アシスト端末20のアクションデータベースとを参照する。端末制御サーバ30は、アシスト端末10で押下されたキー及びキー押下時間の長さを示すキー押下情報を受信し、押下されたキー及びキー押下時間の長さに対応するアクションを、アシスト端末10のアクションデータベースから導出する。また、導出されたアクションに対応するキー及びキー押下時間の長さを、被アシスト端末20のアクションデータベースから導出する。そして、被アシスト端末20のキーを点灯させるため、被アシスト端末20のキー及びキー押下時間の長さを示すキー制御信号を送信する。
【0080】
同様に、被アシスト端末20においてアクションが完了した場合に、端末制御サーバ30は、被アシスト端末20で押下されたキー及びキー押下時間を示すキー押下情報を受信し、アシスト端末10のキーを点灯させるため、アシスト端末10のキー及びキー押下時間の長さを示すキー制御信号を送信する。
【0081】
図10は、本発明の変形例に係る端末制御サーバ30内のアクションデータベースの例である。
【0082】
この場合のアクションデータベースは、図3のアクションデータベースに加えて、端末識別番号を格納する。端末識別番号は、IMEI(International Mobile Equipment Identity)のような端末固有の識別子である。端末識別番号は、通信の開始時に取得可能である。また、端末制御サーバ30は、端末識別番号の取得時に、アシスト端末10及び被アシスト端末20で設定されているキー配置及び文字種別を取得してもよい。
【0083】
このように、端末制御サーバ30で各端末のアクションデータベースを管理し、図4のアシスト端末10のアクション導出部109及び図5の被アシスト端末20のキー押下情報導出部205における処理を、端末制御サーバ30が実施する。すなわち、アシスト端末10には、図4の構成におけるアクション導出部109及びアクション記憶部111は必要ない。同様に、被アシスト端末20には、図5の構成におけるキー押下情報導出部205及びアクション記憶部207は必要ない。
【0084】
アシスト端末10のキー押下検知部105は、キー入力部101で押下されたキー及びキー押下時間を検知する。キー押下検知部105は、キー配置・文字種別記憶部107に格納されているキー配置に応じて、どのキーが押下されたか、また、キーが短く押下されたか長押しされたかを検知する。また、文字種別によっては1回以上のキーの押下により1つのアクションが決まるため、キー押下検知部105は、キー配置・文字種別記憶部107に格納されているキー配置及び文字種別に応じて、どのキーが何回押下されたかを検知する。アシスト端末10の送信部は、アシスト端末10で押下されたキー及びキー押下時間の長さを示すキー押下情報を端末制御サーバ30に送信する。
【0085】
端末制御サーバ30では、図11を参照して以下に詳細に説明するように、アシスト端末10からのキー押下情報を、押下すべきキー及びキー押下時間の長さを示すキー制御信号に変換する。そして、端末制御サーバ30は、キー制御信号を被アシスト端末20に送信する。例えば、端末制御サーバ30は、どのキーを押下すべきか、キーを短く押下すべきか長押しすべきか、どのキーを何回押下すべきかを示すキー制御信号を被アシスト端末20に送信する。
【0086】
被アシスト端末20のキー制御部209は、キー配置・文字種別記憶部211に格納されているキー配置に応じて、キー制御信号で指示されたキーを点灯させる。キーが押下されてアクションが完了した場合、キー制御部209は、キーを消灯させる。
【0087】
図11は、本発明の変形例に係る端末制御サーバ30のブロック図である。端末制御サーバ30は、キー押下情報受信部301と、キー配置・文字種別記憶部303と、アクション導出部305と、アクション記憶部307と、キー押下情報導出部309と、キー制御信号送信部311とを有する。
【0088】
キー押下情報受信部301は、アシスト端末10で押下されたキー及びキー押下時間の長さを示すキー押下情報をアシスト端末10から受信する。
【0089】
キー配置・文字種別記憶部303には、アシスト端末10及び被アシスト端末20で設定されているキー配置及び文字種別が格納されている。アシスト端末10又は被アシスト端末20でキー配置又は文字種別を変更する毎に、変更通知を受信して、キー配置・文字種別記憶部303の情報が更新される。
【0090】
アクション導出部305は、アシスト端末10で押下されたキー及びキー押下時間の長さに対応するアクションを導出する。アクション記憶部307には、図10を参照して説明したように、端末識別番号と、端末のキー及びキー押下時間の長さと、端末で実行されるアクションとが対応付けて格納されている。アクション導出部305は、アシスト端末10の端末識別番号及びアシスト端末10で押下されたキー及びキー押下時間から、アクション記憶部307に格納されているアクションを導出する。また、キー配置によってアクションが異なる場合、アクション導出部305は、キー配置・文字種別記憶部303に格納されているキー配置に応じて、アクションを導出する。更に、1回以上のキーの押下により1つのアクションが決まる場合、アクション導出部305は、どのキーが何回押下されたかに応じて、アクションを導出する。
【0091】
キー押下情報導出部309は、導出されたアクションに対応する被アシスト端末20のキー及びキー押下時間の長さを導出する。キー押下情報導出部309は、被アシスト端末20の端末識別番号及び導出されたアクションから、アクション記憶部307に格納されているキー及びキー押下時間の長さを導出する。また、キー配置によってアクションが異なる場合、キー押下情報導出部309は、キー配置・文字種別記憶部303に格納されているキー配置に応じて、キー及びキー押下時間の長さを導出する。1つのアクションが1回以上のキーの押下を必要とする場合、キー押下情報導出部309は、どのキーを何回押下する必要があるかを導出する。
【0092】
キー制御信号送信部311は、どのキーを押下すべきか、キーを短く押下すべきか長押しすべきか、どのキーを何回押下すべきかを示すキー制御信号を被アシスト端末20に送信する。
【0093】
なお、図11には、アシスト端末10から被アシスト端末20へのキー制御信号のみが示されているが、アクションが完了した場合の被アシスト端末20からアシスト端末10へのキー制御信号についても同様にして実現できる。
【0094】
図12は、本発明の変形例に係る制御方法のシーケンス図である。
【0095】
アシスト端末10が被アシスト端末20に対して、アシスト機能を提供するために発信した場合(S201)、アシスト端末10は、アシスト機能のサービス要求と共に、端末識別番号を端末制御サーバ30に送信する(S203)。端末制御サーバ30は、アシスト端末10の端末識別番号を保持する(S205)。サービス要求は、被アシスト端末20に転送される(S207)。被アシスト端末20がサービス要求を受け入れると(S209)、被アシスト端末20は、サービス応答と共に、端末識別番号を端末制御サーバ30に送信する(S211)。端末制御サーバ30は、被アシスト端末20の端末識別番号を保持する(S213)。サービス応答は、アシスト端末10に転送される。なお、ステップS201〜S213では、アシスト端末10がサービス要求を開始した場合を示しているが、被アシスト端末20がサービス要求を開始した場合も同様にして、端末制御サーバ30は、アシスト端末10及び被アシスト端末20の端末識別暗号を取得して保持する。
【0096】
アシスト者は、アシスト端末10を用いて、被アシスト端末20の操作案内を開始する。例えば、被アシスト端末20に対して[5]の入力を指示するため、テンキー配置の半角数字入力で[5]を押下する(S217)。[5]を押下したというキー押下情報は、端末制御サーバ30に送信される(S219)。
【0097】
端末制御サーバ30は、キー押下情報をマッピングし、被アシスト端末20で押下すべきキーを導出する(S221)。具体的には、端末制御サーバ30は、[5]を押下したというキー押下情報から、アシスト端末10のアクションデータベースを参照し、デジット"5"の入力であることを導出する。そして、デジット"5"の入力というアクションから、被アシスト端末20のアクションデータベースを参照し、[5]を押下すべきであるというキー制御信号を生成する。キー制御信号は、被アシスト端末20に送信される(S223)。
【0098】
キー制御信号により、被アシスト端末20の[5]が点灯する。被アシスト端末20で[5]を押下すると(S225)、[5]が消灯し、被アシスト端末20は、[5]を押下したというキー押下情報を生成する。キー押下情報は、端末制御サーバ30に送信される(S227)。端末制御サーバ30は、キー押下情報をマッピングし、アシスト端末10で点灯させるキーを導出する(S229)。端末制御サーバ30は、上記と同様にアクションデータベースを参照して、[5]を点灯させるためのキー制御信号を生成する。キー制御信号は、アシスト端末10に送信される(S231)。
【0099】
アシスト者は、[5]の点灯によりアクションが完了したことを認識し、アシスト端末10を用いて、次の操作案内を開始する。例えば、被アシスト端末20に対してマナーモードのオンを指示するため、アシスト端末10でのマナーモードのオン/オフに相当するキーである[#]を長押しする(S233)。[#]を長押ししたというキー押下情報は、端末制御サーバ30に送信される(S235)。
【0100】
端末制御サーバ30は、キー押下情報をマッピングし、被アシスト端末20で押下すべきキーを導出する(S237)。具体的には、端末制御サーバ30は、[#]を長押ししたというキー押下情報から、アシスト端末10のアクションデータベースを参照し、マナーモードのオン/オフであることを導出する。そして、マナーモードのオン/オフというアクションから、被アシスト端末20のアクションデータベースを参照し、[*]を長押しすべきであるというキー制御信号を生成する。キー制御信号は、被アシスト端末20に送信される(S239)。
【0101】
キー制御信号により、被アシスト端末20の[*]が点灯する。被アシスト端末20で[*]を長押しすると(S241)、[*]が消灯し、被アシスト端末20は、[*]を長押ししたというキー押下情報を生成する。キー押下情報は、端末制御サーバ30に送信される(S243)。端末制御サーバ30は、キー押下情報をマッピングし、アシスト端末10で点灯させるキーを導出する(S245)。端末制御サーバ30は、上記と同様にアクションデータベースを参照して、[#]を点灯させるためのキー制御信号を生成する。キー制御信号は、アシスト端末10に送信される(S247)。アシスト者は、[#]の点灯によりアクションが完了したことを認識する。
【0102】
次に、アシスト者がアシスト端末10でキー配置をテンキー配置からQWERTY配置に変更すると(S249)、アシスト端末10がテンキー配置に変更されたというキー配置情報が端末制御サーバ30に送信される(S251)。キー配置情報は、端末制御サーバ30に保持される(S253)。
【0103】
更に、アシスト者は、アシスト端末10を用いて、次の操作案内を開始する。例えば、被アシスト端末20に対して"か"の入力を指示するため、QWERTY配置のローマ字入力で[K]・[A]を押下する(S255)。[K]・[A]を押下したというキー押下情報は、端末制御サーバ30に送信される(S257)。
【0104】
端末制御サーバ30は、キー押下情報をマッピングし、被アシスト端末20で押下すべきキーを導出する(S259)。具体的には、端末制御サーバ30は、QWERTY配置のローマ字入力で[K]・[A]を押下したというキー押下情報から、アシスト端末10のアクションデータベースを参照し、"か"の入力であることを導出する。そして、"か"の入力というアクションから、被アシスト端末20のアクションデータベースを参照し、[2]を押下すべきであるというキー制御信号を生成する。キー制御信号は、被アシスト端末20に送信される(S261)。
【0105】
キー制御信号により、被アシスト端末20の[2]が点灯する。被アシスト端末20で[2]を押下すると(S263)、[2]が消灯し、被アシスト端末20は、[2]を長押ししたというキー押下情報を生成する。キー押下情報は、端末制御サーバ30に送信される(S265)。端末制御サーバ30は、キー押下情報をマッピングし、アシスト端末10で点灯させるキーを導出する(S267)。端末制御サーバ30は、上記と同様にアクションデータベースを参照して、[2]を点灯させるためのキー制御信号を生成する。キー制御信号は、アシスト端末10に送信される(S269)。アシスト者は、[2]の点灯によりアクションが完了したことを認識する。
【0106】
このように、アシスト端末10から被アシスト端末20に対して、端末の操作を案内できる。
【0107】
<実施例の効果>
本発明の実施例によれば、押下されたキーの情報をそのまま送信するのではなく、自端末で実行されるアクションに変更して通知することにより、キーの押下により端末で実行されるアクションが異なる場合にも、一方の端末のキー押下情報を他方の端末に正確に伝えることが可能になる。アシスト者は、被アシスト者のキー配置が具体的にどのように設定されているかを認識する必要なく、アシスト端末のキー配置を見て被アシスト者に指示できる。
【0108】
更に、被アシスト端末で押下すべきキーを点灯させることにより、被アシスト者は容易に端末を操作可能になる。
【0109】
また、アクションが完了した場合に、キーを消灯させることにより、被アシスト者はアクションが完了したことを認識できる。また、このアクション完了通知をアシスト者に送信し、アシスト者のキーを点灯させることにより、アシスト者はアクションが完了したことを認識できる。
【0110】
携帯端末には、長押しによるアクション、キーの連続入力によるアクションが定義されているが、本発明の実施例によれば、このようなアクションにも対応できる。更に、テンキー配置及びQWERTY配置のようなキー配置の切り替えにも対応できる。
【0111】
また、端末のアクションデータベースを集中的に管理する端末制御サーバを用いることで、端末の処理を軽減できる。
【0112】
説明の便宜上、本発明の実施例に係る装置は機能的なブロック図を用いて説明しているが、本発明の装置は、ハードウェア、ソフトウェア又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。また、各機能部が必要に応じて組み合わせて使用されてもよい。
【0113】
説明の便宜上、本発明の実施例に係る方法は処理の流れを示すフローチャート及びシーケンス図を用いて説明しているが、本発明の方法は、実施例に示す順序と異なる順序で実施されてもよい。
【0114】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、上記の実施例に限定されることなく、特許請求の範囲内において、種々の変更・応用が可能である。
【符号の説明】
【0115】
10 アシスト端末
101 キー入力部
103 キー入力情報解析部
105 キー押下検知部
107 キー配置・文字種別記憶部
109 アクション導出部
111 アクション記憶部
113 送受信部
115 キー押下情報導出部
117 キー制御部
20 被アシスト端末
201 送受信部
203 キー制御情報解析部
205 キー押下情報導出部
207 アクション記憶部
209 キー制御部
211 キー配置・文字種別記憶部
213 キー入力部
215 キー押下検知部
217 アクション導出部
30 端末制御サーバ
301 キー押下情報受信部
303 キー配置・文字種別記憶部
305 アクション導出部
307 アクション記憶部
309 キー押下情報導出部
311 キー制御信号送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端末と第2端末とを含む通信システムであって、
前記第1端末は、
前記第1端末のキーと、キーの押下により前記第1端末で実行されるアクションとを対応付けて格納する第1アクション記憶部と、
押下されたキーを検知する第1キー押下検知部と、
検知されたキーに対応するアクションを前記第1アクション記憶部から導出する第1アクション導出部と、
導出されたアクションを前記第2端末に通知する第1送信部と、
を有し、
前記第2端末は、
前記第2端末のキーと、キーの押下により前記第2端末で実行されるアクションとを対応付けて格納する第2アクション記憶部と、
前記第1端末から通知されたアクションを受信する第2受信部と、
通知されたアクションに対応するキーを前記第2アクション記憶部から導出する第2キー押下情報導出部と、
導出されたキーを点灯させる第2キー制御部と、
を有する通信システム。
【請求項2】
前記第2キー制御部は、導出されたキーが押下された場合にキーを消灯させる、請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記第1アクション記憶部は、前記第1端末のキー及びキー押下時間の長さと、キーの押下により前記第1端末で実行されるアクションとを対応付けて格納し、
前記第1キー押下検知部は、キー押下時間を更に検知し、
前記第1アクション導出部は、検知されたキー及びキー押下時間に対応するアクションを前記第1アクション記憶部から導出し、
前記第2アクション記憶部は、前記第2端末のキー及びキー押下時間の長さと、キーの押下により前記第2端末で実行されるアクションとを対応付けて格納し、
前記第2キー押下情報導出部は、通知されたアクションに対応するキー及びキー押下時間の長さを前記第2アクション記憶部から導出し、
前記第2キー制御部は、導出されたキー押下時間の長さが所定の時間より長い場合、導出されたキーが所定の時間より長く押下された場合にキーを消灯させる、請求項1又は2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記第1キー押下検知部は、キー押下間隔が一定時間内であるキーの押下情報を保持し、
前記第1アクション導出部は、保持されたキーの押下情報に対応するアクションを導出し、
前記第2キー制御部は、導出されたキーが複数回押下される必要がある場合、導出されたキーが複数回押下された場合にキーを消灯させる、請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項5】
前記第1キー押下検知部は、前記第1端末で設定されているキー配置に応じて押下されたキーを検知し、
前記第1アクション導出部は、前記第1端末で設定されているキー配置に応じてアクションを導出し、
前記第2キー押下情報導出部は、前記第2端末で設定されているキー配置に応じてキーを導出し、
前記第2キー制御部は、前記第2端末で設定されているキー配置に応じてキーを点灯させる、請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項6】
前記第2端末は、
導出されたキーの押下によりアクションが完了したことを示すアクション完了通知を前記第1端末に送信する第2送信部を更に有し、
前記第1端末は、
前記第2端末からアクション完了通知を受信する第1受信部と、
前記第1受信部でアクション完了通知を受信した場合に、完了したアクションに対応するキーを前記第1アクション記憶部から導出する第1キー押下情報導出部と、
導出されたキーを点灯させる第1キー制御部と、
を更に有する、請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項7】
第1端末及び第2端末と通信可能な制御装置であって、
端末識別番号と、端末のキーと、キーの押下により端末で実行されるアクションとを対応付けて格納するアクション記憶部と、
前記第1端末及び前記第2端末から端末識別番号を取得する端末識別番号取得部と、
前記第1端末から、前記第1端末で押下されたキーを示すキー押下情報を受信するキー押下情報受信部と、
前記第1端末の端末識別番号、押下されたキーに対応するアクションを前記アクション記憶部から導出するアクション導出部と、
導出されたアクションと前記第2端末の端末識別番号とに対応するキーを前記アクション記憶部から導出するキー押下情報導出部と、
導出されたキーを示すキー制御信号を前記第2端末に送信するキー制御信号送信部と、
を有する制御装置。
【請求項8】
第1端末のキーと、キーの押下により前記第1端末で実行されるアクションとを対応付けて格納する第1アクション記憶部を有する第1端末と、第2端末のキーと、キーの押下により前記第2端末で実行されるアクションとを対応付けて格納する第2アクション記憶部を有する第2端末とを含む通信システムにおける制御方法であって、
前記第1端末が、押下されたキーを検知するステップと、
前記第1端末が、検知されたキーに対応するアクションを前記第1アクション記憶部から導出するステップと、
前記第1端末が、導出されたアクションを前記第2端末に通知するステップと、
前記第2端末が、前記第1端末から通知されたアクションを受信するステップと、
前記第2端末が、通知されたアクションに対応するキーを前記第2アクション記憶部から導出するステップと、
前記第2端末が、導出されたキーを点灯させるステップと、
を有する制御方法。
【請求項9】
第1端末及び第2端末と通信可能であり、端末識別番号と、端末のキーと、キーの押下により端末で実行されるアクションとを対応付けて格納するアクション記憶部を有する制御装置における制御方法であって、
前記第1端末及び前記第2端末から端末識別番号を取得するステップと、
前記第1端末から、前記第1端末で押下されたキーを示すキー押下情報を受信するステップと、
前記第1端末の端末識別番号、押下されたキーに対応するアクションを前記アクション記憶部から導出するステップと、
導出されたアクションと前記第2端末の端末識別番号とに対応するキーを前記アクション記憶部から導出するステップと、
導出されたキーを示すキー制御信号を前記第2端末に送信するステップと、
を有する制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−85220(P2012−85220A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−231732(P2010−231732)
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】