説明

通信システム、送信装置、受信装置、送信方法、受信方法及びプログラム

【課題】複数のカメラの映像信号をまとめてカメラ受像器に送るシステムにおいて、ネットワークのジッタを低減する。
【解決手段】送信装置は、映像のパケット信号を生成するパケット信号生成部と、
前記パケット信号を、非同期伝送網を介して送信する送信部と、リファレンス信号源から取得したリファレンス信号に基づいて、映像のフレーム同期信号を生成するタイミング発生部と、前記フレーム同期信号を基準として、前記パケット信号の送信タイミングを他の送信装置のパケット信号の送信タイミングと異なるように調整するタイミング調整部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信システム、送信装置、受信装置、送信方法、受信方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ライブ映像などを伝送する方式として、イーサネット(登録商標)(Ethernet(登録商標))などの非同期パケット伝送網を経由して、カメラの映像伝送を行うシステムが知られている。例えば、特許文献1には、ネットワークカメラからの映像をインターネット等を介して同時受信して再生する場合のゆらぎを解消することを想定した技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−325020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
イーサネット(登録商標)などのパケット伝送網を経由して、複数のカメラの映像から送られた映像信号を伝送する場合に、複数のカメラの映像信号をネットワークスイッチと称されるスイッチを介して1本のケーブルにまとめてカメラ受像器に送信することで、システムをより簡素に構成することができる。
【0005】
しかしながら、ネットワークスイッチに複数のカメラの映像信号が同時に入力されると、各カメラのクロックは同期しているため、複数のカメラの映像信号をスイッチにより1本のケーブルにまとめて送信する際に、各カメラのパケット信号のタイミングが一致してしまうことが想定される。この場合、スイッチからの出力は、1のカメラのパケットが優先して先に出力される場合と、他のカメラのパケットが優先して先に出力される場合が生じてしまう。このため、1のカメラのパケット信号が他のカメラのパケット信号に対して遅延するため、ネットワークのジッタが増大することが想定される。
【0006】
上記事情に鑑みれば、複数のカメラの映像信号をまとめてカメラ受像器に送るシステムにおいて、ネットワークのジッタを低減することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、映像のパケット信号を生成するパケット信号生成部と、前記パケット信号を、非同期伝送網を介して送信する送信部と、リファレンス信号源から取得したリファレンス信号に基づいて、映像のフレーム同期信号を生成するタイミング発生部と、前記フレーム同期信号を基準として、前記パケット信号の送信タイミングを他の送信装置のパケット信号の送信タイミングと異なるように調整するタイミング調整部と、を有する、送信装置と、複数の前記送信装置から送信された前記パケット信号を受信し、受信した前記パケット信号を1のケーブルを介して送信するスイッチと、
前記スイッチから送信された前記パケット信号を受信する受信部を有する、受信装置と、を備える、通信システムが提供される。
【0008】
本開示によれば、映像のパケット信号を生成するパケット信号生成部と、前記パケット信号を、非同期伝送網を介して送信する送信部と、リファレンス信号源から取得したリファレンス信号に基づいて、映像のフレーム同期信号を生成するタイミング発生部と、前記フレーム同期信号を基準として、前記パケット信号の送信タイミングを他の送信装置のパケット信号の送信タイミングと異なるように調整するタイミング調整部と、を備える、送信装置が提供される。
【0009】
また、本開示によれば、非同期伝送網を介して映像のパケット信号を受信する受信部と、前記パケット信号の前記非同期伝送網におけるジッタを測定するジッタ測定部と、前記ジッタに基づいて、前記パケット信号を送信する送信装置における前記パケット信号の送信タイミングを他の送信装置の装置タイミングと異なるように調整するための制御信号を生成するタイミング調整部と、前記制御信号を前記送信側の装置に送信する送信部と、を備える、受信装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、複数のカメラの映像信号をまとめてカメラ受像器に送るシステムにおいて、ネットワークのジッタを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】イーサネット(登録商標)(Ethernet(登録商標))などの非同期パケット伝送網を経由して、カメラの映像伝送を行うシステムを示す概略構成図である。
【図2】カメラ(1)とカメラ(2)から、ネットワークスイッチへ入力されるパケット信号と、ネットワークスイッチから出力されるパケット信号と、ネットワークジッタの関係を示すタイミングチャートである。
【図3】複数のカメラ間で優先順位を設けた例を示すタイミングチャートである。
【図4】図3に示すパケット送信タイミングを実現するためのカメラ(1)の構成を示すブロック図である。
【図5】第2の実施形態のカメラの構成を示すブロック図である。
【図6】カメラ受像器の構成を示す模式図である。
【図7】カメラ受像器におけるフィードバックループの処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0013】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1の実施形態
1−1.前提となる技術
1−2.本実施形態のパケット伝送の例
1−3.カメラの構成例
2.第2の実施形態
2−1.第2の実施形態の概要
2−2.カメラの構成例
2−3.カメラ受像器の構成例
2−4.カメラ受像器におけるフィードバックループの処理
2−5.優先順位の決定方法について
2−6.パケットの送出タイミングの分散量について
【0014】
1.第1の実施形態
1−1.前提となる技術
最初に、本開示の前提となる技術について説明する。図1は、イーサネット(登録商標)(Ethernet(登録商標))などのパケット伝送網を経由して、カメラの映像伝送を行う通信システム100を示す概略構成図である。通信システム100は、カメラ(1)200、カメラ(2)300、ネットワークスイッチ130、リファレンス信号源140、カメラ受像器(Camera Control Unit)400を有している。各構成要素は、イーサネット(登録商標)などの非同期パケット伝送網500を介して接続されている。カメラ(1)200、カメラ(2)300、カメラ受像機400は、リファレンス信号源140から送られた信号に同期して動作する。また、カメラ(1)200とカメラ(2)300は、リファレンス信号源140から送られたリファレンス信号から内部クロック(時刻情報)を生成する。このため、カメラ(1)200とカメラ(2)300におけるクロックは、世界で統一されている何日何時何分何秒といった情報である。このクロックは、NTP(Network Time
Protocol),GPS(Global Positioning System),RTC(Real TimeClock)などの技術を用いて正しい時刻に合わせておくことが可能である。これにより、カメラ(1)200とカメラ(2)300におけるクロックが正確に一致するように調整される。
【0015】
カメラ(1)200及びカメラ(2)300は、ライブ映像などの映像を撮影し、映像信号、音声信号等をネットワークスイッチ130へ送信する。ネットワークスイッチ130は、カメラ(1)200及びカメラ(2)300から送られた、2台分のA/Vパケットや制御パケットを1本のケーブルに束ねてカメラ受像器400に伝送する。カメラ受像器400は、カメラ(1)200及びカメラ(2)300から送られた信号をデコードし、後段のビデオスイッチャー(不図示)へ送信する。ビデオスイッチャーは、カメラ(1)200及びカメラ(2)300の映像等を、外部から入力された切換情報に基づいて、適宜切り換えて表示装置等に出力する。このような構成によれば、複数のカメラ200,300で撮像された映像信号を、1つのカメラ受像器400で処理することができるため、各カメラに対応したカメラ受像器を設ける必要がない。従って、複数のカメラを有する場合に、システム構成を大幅に簡素化することができる。
【0016】
図2は、カメラ(1)200とカメラ(2)300から、ネットワークスイッチ130へ入力されるパケット信号と、ネットワークスイッチ130から出力されるパケット信号と、ネットワークジッタの関係を示すタイミングチャートである。図2において、「カメラ1スイッチ入力」及び「カメラ2スイッチ入力」は、カメラ(1)200とカメラ(2)300からネットワークスイッチ130へ入力されるパケット信号をそれぞれ示している。また、「スイッチ出力」は、ネットワークスイッチ130から出力されるパケット信号を示している。パケット信号は、一例として、カメラ(1)200、及びカメラ(2)300側で取得された映像信号、音声信号のA/Vパケットや制御情報を含む制御パケットからなる。
【0017】
カメラ(1)200とカメラ(2)300はリファレンス信号によって同期しているため、後述するフレーム同期信号(Frame Sync.)の前倒し量はほぼ同一となる。このため、ネットワークスイッチ130へ入力されるパケット信号のフレーム(Frame)の区切り位置の時間的なタイミングは、カメラ(1)200とカメラ(2)300とでほぼ揃った状態となる。また、カメラ(1)200とカメラ(2)300のそれぞれにおいて、リファレンス信号源140から送られた信号から生成したクロックも、カメラ(1)200とカメラ(2)300の間で同期している。このため、図2に示すように、カメラ(1)200とカメラ(2)300から出力されるA/Vパケットや制御パケットのタイミングは一致する。
【0018】
ネットワークスイッチ130では、カメラ(1)200とカメラ(2)300からのパケットがほぼ同タイミングで到来する。このため、ネットワークスイッチ130では、図2の「スイッチ出力」に示すように、このカメラ2台分のA/Vパケットや制御パケットを1本のケーブルに束ねてカメラ受像器400に伝送する際に、一方のパケットを先に出力して、他方のパケットを後回しにして出力することになる。
【0019】
この場合、図2に示したように、ネットワークスイッチ130からの出力は、カメラ(1)200のパケットが優先して先に出力される場合と、カメラ(2)300のパケットが優先して先に出力される場合が生じる。
【0020】
ここで、パケットサイズを1500バイトとして考えると、1パケットの伝送時間は約12μsとなる。図2に示すように、ネットワークスイッチ130への入力が、カメラ(1)200とカメラ(2)300のパケットが同タイミングで到来した場合を想定する。この場合、ネットワークスイッチ130からの出力として、カメラ(1)200のパケットを優先送信して、12μs遅れてカメラ(2)300のパケットを送信する場合と、逆にカメラ(2)300のパケットを優先送信して、12μs遅れてカメラ(1)200のパケットを送信する場合がある。
【0021】
図1のシステムを実際に構築し、実際にネットワークスイッチ130を接続して観測した結果によれば、ネットワークスイッチ130の種類によっては、ネットワークスイッチ130の出力として、一方のカメラのパケットの直後に他方のカメラのパケットを送信する場合のみならず、双方のパケット間に12μsのブランクを入れてから次のパケットを送信する場合も観測されている。この場合、2つのカメラのパケット信号の間には、合計24μs(=12μs+12μs)のズレが生じることになる。
【0022】
これらのズレは、図2の下段の特性に示すように、ネットワークのジッタ(Jitter)として観測されることになり、A/Vの品質の劣化につながる。図2に示すジッタは、カメラ(1)200のジッタを示している。カメラ(1)200のパケットがカメラ(2)300のパケットよりも遅れるとジッタが大きくなり、ズレ量の増大(12μs→24μs)に伴って更にジッタが大きくなることが判る。
【0023】
ジッタの影響を軽減するためには、受信側で十分なバッファを設けることでジッタを吸収することが可能である。しかし、バッファを設けることにより、A/V信号や制御信号に遅延が生じてしまう。
【0024】
そこで、本実施形態では、ネットワークスイッチ130でのパケット衝突によるネットワークジッタを極力削減することを実現可能な、パケット伝送型同期カメラシステムを提案する。
【0025】
1−2.本実施形態のパケット伝送の例
ジッタ低減のため、本実施形態では、複数のカメラ間でパケットの送出タイミングに優先順位を設けている。図3は、複数のカメラ間で優先順位を設けた例を示すタイミングチャートである。図3では、カメラ(1)200を優先として、カメラ(2)300のパケット送信タイミングをカメラ(1)200のパケット送信タイミングに対して12μs遅らせている。
【0026】
これにより、ネットワークスイッチ130に入力されるパケットは、常にカメラ(1)200が先に到着し、その後にカメラ(2)300のパケットが到着する。このため、ネットワークスイッチ130は、常にカメラ(1)200→カメラ(2)300の順でパケットを束ねて出力することができる。従って、カメラ(1)200とカメラ(2)300のパケットの伝送がスムーズになり、ネットワークジッタを確実に削減することが可能になる。
【0027】
なお、図1では、同期信号をリファレンス信号源140から各カメラ200,300、カメラ受像器400へ送る構成を示したが、以下に説明する各実施形態では、同期信号は映像信号線路を用いて伝送されるものとする。
【0028】
1−3.カメラの構成例
図4は、図3に示すパケット送信タイミングを実現するためのカメラ(1)200の構成を示すブロック図である。ここでは、カメラ(1)200を例に挙げて構成を説明するが、カメラ(2)300の構成も同様である。
【0029】
図4に示すように、カメラ(1)200は、CCDやCMOSなどの撮像センサ210、画像LSI220、エンコーダ230、バッファ240、イーサMAC250、イーサPHY260、タイミング調整部270、タイミング発生部280を有して構成される。図4に示す各構成要素は、回路(ハードウェア)、またはCPU(中央演算処理装置)とこれを機能させるためのプログラム(ソフトウェア)によって構成されることができる。この場合において、そのプログラムは、カメラ(1)200が備えるメモリなどの記憶媒体、または外部から接続される記憶媒体に格納されることができる。
【0030】
撮像センサ210から取り込まれた映像データーは、画像LSI220で処理され、ネットワーク伝送に適したフォーマットにするためにエンコーダ230でエンコードされ、パケット化される。
【0031】
ここで、撮像センサ210、画像LSI220、エンコーダ230は、リファレンス信号から生成されたフレーム同期信号(Frame Sync.)とクロック(Clock)により動作タイミングが決定される。この動作タイミングは、タイミング発生部280で生成される。各カメラ200,300におけるフレーム同期信号のタイミングは、伝送路の遅延やエンコーダ230の遅延に応じて前倒しされ、カメラ受像器400におけるフレーム同期信号よりも早いタイミングに設定される。これにより、カメラ受像器400では、伝送路の遅延やエンコーダ230の遅延による影響を受けることなく、カメラ受像器400におけるフレーム同期信号に同期したデコード映像を得ることができる。第1の実施形態では、フレーム同期信号の前倒し量が、固定値であるものとする。
【0032】
具体的に説明すると、リファレンス信号源140から送られたリファレンス信号に基づいて、各カメラ(カメラ(1)200、カメラ(2)300)では、同期したクロックが生成される。フレーム同期信号は、クロックに基づいて生成される。また、上述したように、伝送路の遅延等に応じてカメラ200,300のフレーム同期信号のタイミングは前倒しされる。従って、タイミング発生部280で発生されるフレーム同期信号による動作タイミングは、基準となるクロックに対して、伝送路の遅延等の分だけ前倒しされたタイミングとなる。撮像センサ210、画像LSI220、エンコーダ230などの各構成要素は、クロックとフレーム同期信号に基づいて制御される。
【0033】
タイミング調整部270では、フレーム同期信号に基づいて、カメラ(1)200におけるパケットの送信タイミングを決定する。図4は、タイミング調整部270で固定的にタイミングを設定する例を示している。例えば、タイミング調整部270では、フレーム同期信号のタイミングから50μs後にフレームの先頭パケットの送信を開始するような設定をバッファ240に対して行う。この設定値(50μs)は、ユーザがカメラのコンソールなどから直接操作して設定することもできる。
【0034】
エンコーダ230からパケットが出力された後、イーサMAC250に入力されるまでの時間を吸収(調整)するためにバッファ240が設けられている。タイミング調整部270は、バッファ240に対して、上述したフレームの先頭パケットのイーサMAC250への送出タイミングを通知するようにしている。すなわち、上述の例では、バッファ240からフレームの先頭のパケットが出力されるタイミングは、フレーム同期信号のタイミングから50μs後に設定される。
【0035】
パケット信号は、イーサMAC250で所定の手続きが行われた後、イーサPHY260で処理されてネットワークに送出される。イーサMAC250では、パケットに対して送信先のアドレスなどの制御情報を付加し、MACフレーム単位でデータの送信を行う。イーサPHY260では、ネットワークの物理的な接続・伝送方式に応じて、データが伝送網500に送信される。
【0036】
以上のように、バッファ240からイーサMAC250へのパケットの送出タイミングは、タイミング調整部270から通知されたタイミングに応じて設定される。従って、タイミング調整部270からバッファ240へ通知するタイミングを変化させることで、カメラ(1)200のパケットの送出タイミングを、カメラ(2)300の送出タイミングに対して変化させることができる。
【0037】
これにより、カメラ(2)200のタイミング調整部270が、フレーム同期信号よりも12μsだけ遅らせたパケット送出タイミングを通知することにより、カメラ(2)200のパケット送出タイミングをカメラ(2)300のパケット送出タイミングに対して常に遅らせることができる。従って、図3に示すように、カメラ(2)300のパケット送信タイミングをカメラ(1)200の送信タイミングに対して12μsだけ遅らせることが可能となる。なお、パケットの送信タイミングのシフト量は12μsに限定されるものではなく、任意の値とすることができる。
【0038】
なお、上記では、伝送方式としてイーサネット(登録商標)(Ethernet(登録商標))の例を示したが、他のパケット伝送方式でも同様に行うことができる。また、本実施形態では、エンコードして画像を圧縮する場合の例を挙げたが、非圧縮映像信号の場合についても同様に行うことが可能である。
【0039】
上述した例では、カメラ(1)200の方がカメラ(2)300よりも優先順位が高い場合について説明したが、優先順位は各種パラメータに応じて適宜設定することができる。
【0040】
以上説明したように本実施形態によれば、イーサネット(登録商標)などの非同期パケット伝送方式を用いた映像伝送システムにおいて、同期した複数のカメラからの出力パケットの送出タイミングを最適に分散することができる。これにより、ネットワークスイッチ130でのパケット衝突を確実に抑えることができるため、ジッタを最小限に抑えることが可能となる。
【0041】
また、パケットの優先制御機能などを有した高価なネットワークスイッチを設けなくても同様の効果が期待できる。また、概してこのようなネットワークスイッチは設定が煩雑で難解なので,ユーザーの負担を軽減できる。
【0042】
また、ジッタを最小限に抑えることができるため、その分の映像バッファを小さくすることが可能になり、システム遅延を小さくすることが可能になる。更に、パケットを分散化することによって、瞬間的なスループットを平均化することになるので、ネットワークシステムに収容できるカメラの台数を増加することも可能となる。
【0043】
2.第2の実施形態
2−1.第2の実施形態の概要
第1の実施形態では、ユーザが固定的にタイミング調整部270でパケット信号の送出タイミングを設定する例について説明した。第2の実施形態では、カメラ受像器400側からカメラ200,300側へパケット信号の送出タイミングを送信し、これに基づいてカメラ200,300側でパケット信号の送出タイミングを設定する例を示す。このような構成により、カメラ受像器400側で測定したジッタやネットワーク遅延に基づいて、カメラ200,300のパケット送出タイミングを動的に設定することが可能となる。
【0044】
具体的には、カメラ(1)200、カメラ(2)300は、カメラ受像器400からフレーム同期信号を調整するための前倒し量の制御信号PHSと、パケット送出タイミングを制御するための制御信号を受信する。フレーム同期信号の前倒し量の制御情報PHSは、カメラ受像器400側で取得される、ネットワークでの伝送に必要な遅延量に応じて設定される。ネットワークの遅延量が大きいほど、フレーム同期信号の前倒し量を大きく設定することにより、映像のパケット信号がカメラ受像器400に到着するタイミングに遅れが生じることを抑止でき、ネットワークの遅延を補償することができる。フレーム同期信号の前倒し量の制御情報は、タイミング発生部280に通知されて、カメラ200,300側のフレーム同期信号のタイミングが調整される。
【0045】
また、パケット送出タイミングを制御するための制御情報は、カメラ受像器400側で測定したジッタに基づいて設定される。ジッタが大きいほど、パケット送出タイミングをシフトさせるように制御を行う。パケット送出タイミングを制御するための制御情報は、カメラ受像器400からカメラ200,300へ送られる。パケット送出タイミングを制御するための制御情報は、タイミング調整部270で処理され、バッファ240から送出されるパケット信号のタイミングが調整される。
【0046】
2−2.カメラの構成例
図5は、第2の実施形態のカメラ200,300の構成を示すブロック図である。基本的な構成は、図4の第1の実施形態と同様であるが、第2の実施形態では、パケット送出タイミングを制御するための制御信号と、フレーム同期信号の前倒し量の制御情報は、ともにカメラ受像器400から送られる。パケット送出タイミングを制御するための制御信号と、フレーム同期信号の前倒し量の制御情報は、イーサPHY260、イーサMAC250を介して受信されて、バッファ240へ送られる。なお、図5に示す各構成要素も、回路(ハードウェア)、またはCPU(中央演算処理装置)とこれを機能させるためのプログラム(ソフトウェア)によって構成されることができる。この場合において、そのプログラムは、カメラ(1)200が備えるメモリなどの記憶媒体、または外部から接続される記憶媒体に格納されることができる。
【0047】
そして、パケット送出タイミングを制御するための制御信号は、バッファ240からタイミング調整部270に送られる。また、フレーム同期信号の前倒し量の制御情報は、バッファ240からタイミング調整部270へ送られて、更にタイミング発生部280へ送られる。
【0048】
これにより、タイミング調整部270は、カメラ受像器400側から送られた送出タイミングの制御信号に基づいてバッファ240からイーサMAC250に送出されるパケット信号のタイミングを動的に調整することができる。また、タイミング発生部280は、フレーム同期信号の前倒し量の制御情報に基づいて、前倒し量を動的に変化させたフレーム同期信号を発生させることができる。
【0049】
従って、タイミング調整部270により、バッファ240からイーサMAC250へのパケット送出タイミングを制御することにより、図1で説明したような、パケットが同一タイミングで送出されることに起因するジッタの発生を、カメラ受像器400側で取得されるジッタに応じて確実に抑えることができる。
【0050】
また、フレーム同期信号の前倒し量の制御信号に基づいてタイミング発生部280がフレーム同期信号を発生させることにより、伝送路の状況に応じて変化する遅延量を動的に補償することができる。
【0051】
従って、第2の実施形態によれば、伝送路の状況に応じて発生する、映像フレームがカメラ受像器400に到達する際の遅延を、動的に補償することができる。また、カメラ受像器400から送られるパケットの送出タイミングの制御情報に基づいて、パケット送出タイミングを動的に調整することで、ネットワークスイッチ130からカメラ受像器400へ送信されるパケット信号の衝突によるジッタを確実に抑えることが可能である。
【0052】
2−3.カメラ受像器の構成例
第2の実施形態では、パケット送出タイミングを制御するための制御情報と、フレーム同期信号の前倒し量の制御情報とが、カメラ受像器400からカメラ200,300へ送られる。このため、カメラ受像器400は、これらの制御情報を取得する構成要素を備えている。図6は、カメラ受像器400の構成を示す模式図である。カメラ受像器400は、ビデオスイッチャー130から入力された各カメラの映像データ等をデコードする。図6に示すように、カメラ受像器400は、イーサPHY410、イーサMAC420、バッファ430、デコーダ440、ジッタ測定部450、タイミング調整部460、タイミング発生部470、遅延時間計算部480を有して構成される。図6に示す各構成要素は、回路(ハードウェア)、またはCPU(中央演算処理装置)とこれを機能させるためのプログラム(ソフトウェア)によって構成されることができる。この場合において、そのプログラムは、カメラ受像器400が備えるメモリなどの記憶媒体、または外部から接続される記憶媒体に格納されることができる。
【0053】
ネットワークから受信したA/Vパケットや制御パケットは、イーサPHY410、イーサMAC420を経由して、ジッタ吸収のためのバッファ430に入力される。ジッタ測定部450は、バッファ430における各カメラ200,300のジッタの量を測定する。各カメラ200,300及びカメラ受像器400は、リファレンス信号によって同期がとられているため、ジッタ測定部450は、カメラ側でパケットに付加された時刻情報(タイムスタンプ)に基づいて、各カメラ200,300のジッタの量を測定することができる。タイミング調整部460は、各カメラ200,300のジッタ量に基づいて、各カメラ200,300における最適なパケット送出タイミングを計算する。各カメラ200,300の最適なパケット送信タイミングの計算結果は、カメラ200,300側に伝送され、そのフィードバック結果が監視される。これにより、フィードバックループが形成される。
【0054】
カメラ受像器400は、ジッタ測定部450が測定した「ジッタ量」と「各カメラ200,300の最適なパケット送信タイミング」の関係について、「ジッタ量」が大きい場合は、「カメラ200,300間のパケット送信タイミングをずらす」という処理を行う。このため、カメラ受像器400は、ジッタ測定部450が測定した「ジッタ量」に基づいて、パケット送出タイミングを制御するための制御情報を生成し、バッファ430、イーサMAC420、イーサPHYを経由してカメラ200,300へ送信する。
【0055】
また、遅延時間計算部480は、非同期伝送網500における伝送遅延量を計算し、伝送遅延量に基づいてカメラ200,300におけるフレーム同期信号の前倒し量の制御信号を生成する。フレーム同期信号の前倒し量の制御信号は、バッファ430、イーサMAC、イーサPHY410を介して非同期伝送網500に送られ、カメラ200,300に送られる。
【0056】
なお、第2の実施形態においても、ジッタ測定やフィードバックループは行わず、カメラ受像器400側でカメラ200,300からのパケットの送出タイミングを固定的に指定する構成も可能である。すなわち、「カメラ(1)200を基準として、カメラ(2)300のパケット送出タイミングを常に24μs遅らせる」と固定的にユーザーが指定するようにしても良い。
【0057】
また、本実施形態では、同期信号の伝送に映像信号線路を用いた方式について説明したが、図1のようにリファレンス信号源140からカメラ200,300に直接同期信号線を結線して同期したシステムにおいても、同様の構成とすることが可能である。
【0058】
2−4.カメラ受像器におけるフィードバックループの処理
次に、カメラ受像器400におけるフィードバックループの処理について説明する。図7は、フィードバックループのアルゴリズムを示すフローチャートである。図7では、各カメラ200,300の伝送量に応じて各カメラの優先度を決定する。先ず、ステップS10では、ジッタ測定部450が測定したジッタが所定のしきい値よりも大きいか否かを判定し、しきい値よりも大きい場合はステップS12へ進む。ステップS12では、カメラ(1)200とカメラ(2)300のA/V伝送量を比較する。ジッタが所定のしきい値以下の場合は、ステップS10で待機する。
【0059】
次のステップS14では、カメラ(2)300よりもカメラ(1)200の伝送量が大きいか否かを判定し、カメラ(2)300よりもカメラ(1)200の伝送量が大きい場合は、ステップS16へ進む。ステップS16では、伝送量が大きいカメラ(1)200をカメラ(2)300よりも優先とし、カメラ(2)300のパケット送出タイミングを12μs遅らせる。
【0060】
次のステップS18では、ジッタが所定のしきい値よりも小さくなったか否かを判定し、ジッタが処置のしきい値よりも小さくなった場合は、スタートへ戻る。一方、ジッタが処置のしきい値よりも小さくなっていない場合は、ステップS20へ進む。
【0061】
ステップS20では、カメラ(2)300の総タイミング遅延量が50μs以下であるかを判定し、50μs以下の場合はステップS22へ進む。ステップS22では、カメラ(2)300のパケット送出タイミングを更に5μs遅らせ、ステップS18へ戻る。ステップS20で総タイミング遅延量が50μsよりも大きい場合は、スタートへ戻る。
【0062】
また、ステップS14でカメラ(2)300よりもカメラ(1)200の伝送量が大きくない場合は、ステップS24へ進む。ステップS24では、カメラ(2)300をカメラ(1)200よりも優先とし、カメラ(1)200のパケット送出タイミングを12μs遅らせる。
【0063】
次のステップS26では、ジッタが所定のしきい値よりも小さくなったか否かを判定し、ジッタが処置のしきい値よりも小さくなった場合は、スタートへ戻る。一方、ジッタが処置のしきい値よりも小さくなっていない場合は、ステップS28へ進む。
【0064】
ステップS28では、カメラ(1)200の総タイミング遅延量が50μs以下であるかを判定し、50μs以下の場合はステップS30へ進む。ステップS30では、カメラ(1)200のパケット送出タイミングを更に5μs遅らせ、ステップS26へ戻る。ステップS28で総タイミング遅延量が50μsよりも大きい場合は、スタートへ戻る。
【0065】
2−5.優先順位の決定方法について
図6の処理では、カメラ(1)200とカメラ(2)300のいずれかを優先させる判断(ステップS14)において、伝送量が大きい方のカメラの優先度が高いものとして判断しているが、優先度の判断はこれに限定されるものではない。以下では、各カメラ200,300の優先順位を決定する方法について説明する。
【0066】
例えば、ユーザが予め指定したカメラ優先度に従って、優先となるカメラを決定しても良い。具体的には、ユーザが各カメラのコンソール等から入力することによって、各カメラ間の優先順位を固定的に設定することができる。また、カメラの優先度の判断基準として,ネットワークのジッタがより少ない方のカメラの優先度を高くすることができる。
【0067】
また、カメラの優先度の判断基準として、伝送遅延がより少ないカメラの優先度を高くすることができる。
【0068】
2−6.パケットの送出タイミングの分散量について
更に、複数のカメラから出力されるパケットの送出タイミングを分散させる分散量の判断の際に、ネットワークのジッタ測定値を用いて分散量を決定することができる。例えば、ネットワークのジッタ測定値が比較的小さい場合は、一方のカメラのパケット送出タイミングに対する他方のカメラのパケット送出タイミングの遅延量を12μsとし、ネットワークのジッタ測定値が比較的大きい場合は、一方のカメラのパケット送出タイミングに対する他方のカメラのパケット送出タイミングの遅延量を24μsとする等の処理が考えられる。
【0069】
同様に、複数のカメラから出力されるパケットの送出タイミング分散量の判断に、ネットワーク遅延測定値を用いることもできる。例えば、ネットワークの遅延測定値が比較的小さい場合は、一方のカメラのパケット送出タイミングに対する他方のカメラのパケット送出タイミングの遅延量を12μsとし、ネットワークの遅延測定値が比較的大きい場合は、一方のカメラのパケット送出タイミングに対する他方のカメラのパケット送出タイミングの遅延量を24μsとする等の処理が考えられる。
【0070】
以上説明したように第2の実施形態によれば、カメラ受像器400側から送られた制御信号に基づいて、パケット送出タイミングの調整を行うことができるため、複数のカメラから同時にパケット信号は送出されることによるジッタの発生を確実に抑えることができる。また、伝送路やバッファによる遅延量の動的な変化に基づいてフレーム同期信号の前倒し量を制御することができるため、パケット信号の遅延を確実に抑えることが可能となる。
【0071】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0072】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)映像のパケット信号を生成するパケット信号生成部と、前記パケット信号を、非同期伝送網を介して送信する送信部と、リファレンス信号源から取得したリファレンス信号に基づいて、映像のフレーム同期信号を生成するタイミング発生部と、前記フレーム同期信号を基準として、前記パケット信号の送信タイミングを他の送信装置のパケット信号の送信タイミングと異なるように調整するタイミング調整部と、を有する、送信装置と、
複数の前記送信装置から送信された前記パケット信号を受信し、受信した前記パケット信号を1のケーブルを介して送信するスイッチと、
前記スイッチから送信された前記パケット信号を受信する受信部を有する、受信装置と、
を備える、通信システム。
【0073】
(2)前記タイミング調整部は、前記パケット信号を受信する前記受信装置から送られた前記パケット信号の送信タイミングを示す制御信号に基づいて、前記パケット信号の送信タイミングを調整する、請求項1に記載の通信システム。
【0074】
(3)前記送信タイミングは、前記非同期伝送網におけるジッタに基づいて決定されたタイミングである、請求項1に記載の通信システム。
【0075】
(4)前記タイミング発生部は、前記パケット信号を受信する前記受信装置から送られた前記フレーム同期信号の前倒し量に基づいて前記フレーム同期信号を生成する、請求項1に記載の通信システム。
【0076】
(5)前記前倒し量は、前記非同期伝送網における伝送遅延量に基づいて決定された値である、請求項4に記載の通信システム。
【0077】
(6)前記タイミング調整部は、予め設定された優先度に従って、前記パケット信号の送信タイミングを他の送信装置のパケット信号の送信タイミングと異なるように調整する、請求項1に記載の通信システム。
【0078】
(7)前記タイミング調整部は、前記非同期伝送網のジッタに基づいて設定される優先度に従って、前記パケット信号の送信タイミングを他の送信装置のパケット信号の送信タイミングと異なるように調整する、請求項1に記載の通信システム。
【0079】
(8)前記タイミング調整部は、前記非同期伝送網における伝送量に基づいて設定される優先度に従って、前記パケット信号の送信タイミングを他の送信装置のパケット信号の送信タイミングと異なるように調整する、請求項1に記載の通信システム。
【0080】
(9)前記タイミング調整部は、前記非同期伝送網における伝送遅延に基づいて設定される優先度に従って、前記パケット信号の送信タイミングを他の送信装置のパケット信号の送信タイミングと異なるように調整する、請求項1に記載の通信システム。
【0081】
(10)映像のパケット信号を生成するパケット信号生成部と、
前記パケット信号を、非同期伝送網を介して送信する送信部と、
リファレンス信号源から取得したリファレンス信号に基づいて、映像のフレーム同期信号を生成するタイミング発生部と、
前記フレーム同期信号を基準として、前記パケット信号の送信タイミングを他の送信装置のパケット信号の送信タイミングと異なるように調整するタイミング調整部と、
を備える、送信装置。
【0082】
(11)非同期伝送網を介して映像のパケット信号を受信する受信部と、
前記パケット信号の前記非同期伝送網におけるジッタを測定するジッタ測定部と、
前記ジッタに基づいて、前記パケット信号を送信する送信装置における前記パケット信号の送信タイミングを他の送信装置の装置タイミングと異なるように調整するための制御信号を生成するタイミング調整部と、
前記制御信号を前記送信側の装置に送信する送信部と、
を備える、受信装置。
【0083】
(12)前記タイミング調整部は、前記ジッタが大きいほど前記送信装置における前記送信タイミングの調整量が大きくなるように前記制御信号を生成する、請求項11に記載の受信装置。
【0084】
(13)前記非同期伝送網における伝送の遅延時間を計算する遅延時間計算部を更に備え、前記遅延時間に応じて前記送信装置に対して前記送信装置のフレーム同期信号を前倒しするための制御信号を送信する、請求項11に記載の受信装置。
【0085】
(14)前記タイミング調整部は、所定の優先度に従って、複数の前記送信装置における前記パケット信号の送信タイミングを調整するための制御信号を生成する、請求項11に記載の受信装置。
【0086】
(15)前記優先度は、前記非同期伝送網のジッタ、前記非同期伝送網における伝送量、又は前記非同期伝送網における伝送遅延に基づいて設定される、請求項14に記載の受信装置。
【0087】
(16)前記送信装置における前記パケット信号の送信タイミングの総遅延量が所定のしきい値以上の場合は、前記制御信号を送信しない、請求項11に記載の受信装置。
【0088】
(17)映像のパケット信号を生成することと、
前記パケット信号を、非同期伝送網を介して送信することと、
リファレンス信号源から取得したリファレンス信号に基づいて、映像のフレーム同期信号を生成するタイミングことと、
前記フレーム同期信号を基準として、前記パケット信号の送信タイミングを他の送信装置のパケット信号の送信タイミングと異なるように調整することと、
を備える、送信方法。
【0089】
(18)映像のパケット信号を生成する手段、
前記パケット信号を、非同期伝送網を介して送信する手段、
リファレンス信号源から取得したリファレンス信号に基づいて、映像のフレーム同期信号を生成する手段、
前記フレーム同期信号を基準として、前記パケット信号の送信タイミングを他の送信装置のパケット信号の送信タイミングと異なるように調整する手段、
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【0090】
(19)非同期伝送網を介して映像のパケット信号を受信することと、
前記パケット信号の前記非同期伝送網におけるジッタを測定することと、
前記ジッタに基づいて、前記パケット信号を送信する送信装置における前記パケット信号の送信タイミングを他の送信装置の装置タイミングと異なるように調整するための制御信号を生成することと、
前記制御信号を前記送信側の装置に送信することと、
を備える、受信方法。
【符号の説明】
【0091】
100 通信システム
200 カメラ(1)
300 カメラ(2)
230 エンコーダ
250 イーサMAC
260 イーサPHY
270 タイミング調整部
280 タイミング発生部
400 カメラ受像器
410 イーサPHY
420 イーサMAC
450 ジッタ測定部
460 タイミング調整部
480 遅延時間計算部
500 非同期伝送網


【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像のパケット信号を生成するパケット信号生成部と、前記パケット信号を、非同期伝送網を介して送信する送信部と、リファレンス信号源から取得したリファレンス信号に基づいて、映像のフレーム同期信号を生成するタイミング発生部と、前記フレーム同期信号を基準として、前記パケット信号の送信タイミングを他の送信装置のパケット信号の送信タイミングと異なるように調整するタイミング調整部と、を有する、送信装置と、
複数の前記送信装置から送信された前記パケット信号を受信し、受信した前記パケット信号を1のケーブルを介して送信するスイッチと、
前記スイッチから送信された前記パケット信号を受信する受信部を有する、受信装置と、
を備える、通信システム。
【請求項2】
前記タイミング調整部は、前記パケット信号を受信する前記受信装置から送られた前記パケット信号の送信タイミングを示す制御信号に基づいて、前記パケット信号の送信タイミングを調整する、請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記送信タイミングは、前記非同期伝送網におけるジッタに基づいて決定されたタイミングである、請求項1に記載の通信システム。
【請求項4】
前記タイミング発生部は、前記パケット信号を受信する前記受信装置から送られた前記フレーム同期信号の前倒し量に基づいて前記フレーム同期信号を生成する、請求項1に記載の通信システム。
【請求項5】
前記前倒し量は、前記非同期伝送網における伝送遅延量に基づいて決定された値である、請求項4に記載の通信システム。
【請求項6】
前記タイミング調整部は、予め設定された優先度に従って、前記パケット信号の送信タイミングを他の送信装置のパケット信号の送信タイミングと異なるように調整する、請求項1に記載の通信システム。
【請求項7】
前記タイミング調整部は、前記非同期伝送網のジッタに基づいて設定される優先度に従って、前記パケット信号の送信タイミングを他の送信装置のパケット信号の送信タイミングと異なるように調整する、請求項1に記載の通信システム。
【請求項8】
前記タイミング調整部は、前記非同期伝送網における伝送量に基づいて設定される優先度に従って、前記パケット信号の送信タイミングを他の送信装置のパケット信号の送信タイミングと異なるように調整する、請求項1に記載の通信システム。
【請求項9】
前記タイミング調整部は、前記非同期伝送網における伝送遅延に基づいて設定される優先度に従って、前記パケット信号の送信タイミングを他の送信装置のパケット信号の送信タイミングと異なるように調整する、請求項1に記載の通信システム。
【請求項10】
映像のパケット信号を生成するパケット信号生成部と、
前記パケット信号を、非同期伝送網を介して送信する送信部と、
リファレンス信号源から取得したリファレンス信号に基づいて、映像のフレーム同期信号を生成するタイミング発生部と、
前記フレーム同期信号を基準として、前記パケット信号の送信タイミングを他の送信装置のパケット信号の送信タイミングと異なるように調整するタイミング調整部と、
を備える、送信装置。
【請求項11】
非同期伝送網を介して映像のパケット信号を受信する受信部と、
前記パケット信号の前記非同期伝送網におけるジッタを測定するジッタ測定部と、
前記ジッタに基づいて、前記パケット信号を送信する送信装置における前記パケット信号の送信タイミングを他の送信装置の装置タイミングと異なるように調整するための制御信号を生成するタイミング調整部と、
前記制御信号を前記送信側の装置に送信する送信部と、
を備える、受信装置。
【請求項12】
前記タイミング調整部は、前記ジッタが大きいほど前記送信装置における前記送信タイミングの調整量が大きくなるように前記制御信号を生成する、請求項11に記載の受信装置。
【請求項13】
前記非同期伝送網における伝送の遅延時間を計算する遅延時間計算部を更に備え、前記遅延時間に応じて前記送信装置に対して前記送信装置のフレーム同期信号を前倒しするための制御信号を送信する、請求項11に記載の受信装置。
【請求項14】
前記タイミング調整部は、所定の優先度に従って、複数の前記送信装置における前記パケット信号の送信タイミングを調整するための制御信号を生成する、請求項11に記載の受信装置。
【請求項15】
前記優先度は、前記非同期伝送網のジッタ、前記非同期伝送網における伝送量、又は前記非同期伝送網における伝送遅延に基づいて設定される、請求項14に記載の受信装置。
【請求項16】
前記送信装置における前記パケット信号の送信タイミングの総遅延量が所定のしきい値以上の場合は、前記制御信号を送信しない、請求項11に記載の受信装置。
【請求項17】
映像のパケット信号を生成することと、
前記パケット信号を、非同期伝送網を介して送信することと、
リファレンス信号源から取得したリファレンス信号に基づいて、映像のフレーム同期信号を生成するタイミングことと、
前記フレーム同期信号を基準として、前記パケット信号の送信タイミングを他の送信装置のパケット信号の送信タイミングと異なるように調整することと、
を備える、送信方法。
【請求項18】
映像のパケット信号を生成する手段、
前記パケット信号を、非同期伝送網を介して送信する手段、
リファレンス信号源から取得したリファレンス信号に基づいて、映像のフレーム同期信号を生成する手段、
前記フレーム同期信号を基準として、前記パケット信号の送信タイミングを他の送信装置のパケット信号の送信タイミングと異なるように調整する手段、
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項19】
非同期伝送網を介して映像のパケット信号を受信することと、
前記パケット信号の前記非同期伝送網におけるジッタを測定することと、
前記ジッタに基づいて、前記パケット信号を送信する送信装置における前記パケット信号の送信タイミングを他の送信装置の装置タイミングと異なるように調整するための制御信号を生成することと、
前記制御信号を前記送信側の装置に送信することと、
を備える、受信方法。
【請求項20】
非同期伝送網を介して映像のパケット信号を受信する手段、
前記パケット信号の前記非同期伝送網におけるジッタを測定する手段、
前記ジッタに基づいて、前記パケット信号を送信する送信装置における前記パケット信号の送信タイミングを他の送信装置の装置タイミングと異なるように調整するための制御信号を生成する手段、
前記制御信号を前記送信側の装置に送信する手段、
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−58986(P2013−58986A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−197258(P2011−197258)
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】