説明

通信システムおよび通信装置

【課題】 通信の安定性および安全性を向上する通信システムを提供すること。
【解決手段】 通信装置101は、所定間隔ごとに鍵情報データベース部113に記憶されている鍵情報を基にしてキープアライブメッセージを生成し、通信装置102に対して送信する。通信装置102は、通信装置101からキープアライブメッセージを受信して、このキープアライブメッセージを基にして鍵情報更新部157が鍵情報データベース部154に記憶されているデータの更新(補正など)を行う。こうすることで、通信装置101にて記憶されている情報と通信装置102にて記憶されている情報とを共通化することにより、通信装置101および通信装置102が記憶している情報の不一致から生じる通信断絶などの不都合を解消することができるため、両装置間で行われる通信の安定性および安全性を向上することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システムおよび通信装置に関し、特に通信の安定性および安全性を向上する通信システムおよび通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットにおけるセキュリティ技術として、IPSec(IP Security)が知られている。IPSecでは、安全な鍵交換を実現するためにIKE(Internet Key Exchange)プロトコルを実装する必要がある。しかし、IKEは、通信を行う各通信装置に個別に設定情報を保持させる必要があるなど運用が煩雑になる。そこで、特定の装置に鍵を配布させることによって運用しやすくするなど簡易的な鍵交換を行う従来方式が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
この従来の鍵交換方式が適用される通信システムにおいては、通信のセキュリティを確保するため、鍵には有効期限が定義される。そして、その有効期限が近づくと、通信中の通信装置は、鍵を配布する装置に新しい鍵の配布を要求することにより取得して、鍵の更新を行う。
【特許文献1】特開2001−292135号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、各通信装置に搭載されている時計がまったく同じ時刻を刻むことは少なく、わずかながら誤差を生じるのが普通である。したがって、鍵の有効期限がある程度長く定義されると、通信中の二つの通信装置の間で、各々管理している時刻のずれが大きくなり有効期限についてもずれが生じてしまう。そうすると、一方の通信装置でだけ鍵が無効になるという事態が生じ、上記二つの通信装置間で通信を継続できなくなることがある問題がある。
【0005】
また、鍵を更新する場合に、通信を行っている通信装置間で、一方の通信装置だけが鍵の更新を完了しているタイミングでは、もう一方の通信装置は、新しい鍵を持っていないため、この新しい鍵を用いて送信されたデータを受信することができず、通信を継続できない問題がある。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、通信の安定性および安全性を向上する通信システムおよび通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の通信システムは、第1の通信装置と第2の通信装置との間で鍵を用いて通信を行う通信システムであって、前記第1の通信装置は、前記鍵の有効期限を含む鍵情報を記憶する記憶手段と、前記鍵情報を所定間隔ごとに送信する送信手段と、を具備し、前記第2の通信装置は、前記鍵の有効期限を含む他の鍵情報を記憶する他の記憶手段と、前記第1の通信装置からの前記鍵情報を受信する受信手段と、前記他の記憶手段に記憶している前記他の鍵情報を前記受信手段で受信した前記鍵情報で補正する補正手段と、を具備する構成を採る。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、通信装置にて記憶されている情報と他の通信装置にて記憶されている情報との共通化を図り、通信装置および他の通信装置が記憶している情報の不一致から生じる通信断絶などを解消することにより、通信の安定性および安全性を向上する通信システムおよび通信装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の骨子は、通信装置にて記憶されている情報と他の通信装置にて記憶されている情報とを共通化することにより、通信装置および他の通信装置が記憶している情報の不一致から生じる通信断絶などを解消し、両装置間で行われる通信の安定性および安全性を向上することである。
【0010】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
まず、本実施の形態に係る通信システム100の構成について、図1を参照して説明する。
【0012】
図1に示すように、通信システム100は、通信装置101と、通信装置102と、インターネットシステム103と、鍵配布サーバ装置104とを備える。
【0013】
この通信システム100には、IPSec(IP Security)が適用されている。また、通信システム100では、通信装置101と通信装置102との間で行われる通信における暗号や認証などに用いられる有効期限付きの鍵が、通信装置101および通信装置102の各々により鍵配布サーバ装置104から取得される。これにより、通信装置101および通信装置102は、両者間の通信で利用する鍵を共有する。
【0014】
通信装置101および通信装置102は、各々において鍵の有効期限を管理している。具体的には、通信装置101は、所定間隔ごとに鍵の有効期限が切れているか否かを判定する。判定の結果、有効期限が切れていると判定した場合には、通信装置101は、その有効期限が切れていると判定した鍵の代わりの新しい鍵を鍵配布サーバ装置104から取得する。なお、通信装置102においても同様の動作が行われる。
【0015】
次いで、通信装置101と通信装置102との間で行われる鍵の有効期限にかかる同期処理について説明する。なお、ここでは、通信装置101が手順を開始する側のイニシエータとして動作し、また、通信装置102がイニシエータに応答するレスポンダとして動作するものとして説明する。
【0016】
通信装置101は、所定間隔ごとにキープアライブメッセージを生成し、このキープアライブメッセージを通信装置102に対しインターネットシステム103を介して送信する。なお、このキープアライブメッセージは、鍵識別情報、その鍵の有効期限、および使用状態などの情報を含むものである。
【0017】
通信装置102は、通信装置101からのキープアライブメッセージを受信して、このキープアライブメッセージに含まれる鍵識別情報と対応する鍵情報を自装置が保持しているか否かを検索する。検索の結果、キープアライブメッセージに含まれる鍵識別情報と対応する鍵情報を自装置が保持していない場合には、通信装置102は、その鍵情報の鍵を鍵配布サーバ装置104から取得する手順を実行する。
【0018】
一方、検索の結果、キープアライブメッセージに含まれる鍵識別情報と対応する鍵情報を自装置が保持している場合には、通信装置102は、そのキープアライブメッセージに含まれる情報により、自装置が保持している鍵情報に関する各種情報の更新を行う。これにより、例えば、通信装置101の鍵の有効期限と通信装置102の鍵の有効期限の同期が図られる。
【0019】
次に、通信装置102は、キープアライブリプライメッセージを生成し、このキープアライブリプライメッセージを通信装置101に対しインターネットシステム103を介して送信する。なお、このキープアライブリプライメッセージは、鍵識別情報、その鍵の有効期限、および使用状態などの情報を含むものである。
【0020】
通信装置101は、通信装置102からのキープアライブリプライメッセージを受信して、このキープアライブリプライメッセージに含まれる鍵識別情報と対応する鍵情報を自装置が保持しているか否かを検索する。検索の結果、キープアライブリプライメッセージに含まれる鍵識別情報と対応する鍵情報を自装置が保持していない場合には、通信装置101は、その鍵情報の鍵を鍵配布サーバ装置104から取得する手順を実行する。
【0021】
一方、検索の結果、キープアライブリプライメッセージに含まれる鍵識別情報と対応する鍵情報を自装置が保持している場合には、通信装置101は、特別の動作を行わない。
【0022】
図2は、上記キープアライブメッセージおよびキープアライブリプライメッセージの構成の一例を示した図である。図2に示すように、上記メッセージは、メッセージタイプ(キープアライブメッセージ又はキープアライブリプライメッセージであることを示す)、メッセージ長、鍵識別情報、有効期限、およびステータス(使用状態)を含んでいる。なお、括弧内の数字は、それぞれの情報のビット数を示している。
【0023】
図3は、通信装置101の構成を示すブロック図である。
【0024】
図3に示すように、通信装置101は、タイマ管理部111と、メッセージ生成部112と、鍵情報データベース部113と、送信部114と、受信部115と、情報取り出し部116と、鍵管理制御部117と、鍵情報検索部118と、鍵更新部119と、鍵情報更新部120と、ライフタイム判定部121とを備える。
【0025】
通信装置101においては、タイマ管理部111は、鍵情報の有効期限を管理するために、定期的に満了する鍵管理タイマを設定している。この鍵管理タイマが満了するごとに、タイマ管理部111は、鍵管理タイマが満了した旨を示すタイマ満了情報をメッセージ生成部112に出力する。
【0026】
メッセージ生成部112は、鍵情報データベース部113に記憶されている鍵情報に関する各種情報を基にして、キープアライブメッセージを生成し、このキープアライブメッセージを送信部114に出力する。なお、鍵情報データベース部113は、図4に示すように、鍵識別情報、通信先の機器の識別情報、有効期限(期限が切れるまでの残り時間)、および鍵の使用状態を対応づけて記憶している。
【0027】
送信部114は、メッセージ生成部112からのキープアライブメッセージを通信装置102に送信する。
【0028】
また、通信装置101においては、受信部115は、通信装置102からキープアライブリプライメッセージを受け取り、情報取り出し部116に出力する。
【0029】
情報取り出し部116は、受信部115からのキープアライブリプライメッセージを受け取り、そのキープアライブリプライメッセージに含まれる各種情報を取り出して鍵管理制御部117に出力する。
【0030】
鍵管理制御部117は、情報取り出し部116から受け取る鍵識別情報と、この鍵識別情報が鍵情報データベース部113に記憶されているか否か検索することを命じる検索命令信号とを鍵情報検索部118に出力する。
【0031】
鍵情報検索部118は、鍵管理制御部117からの鍵識別情報および検索命令信号を受け取り、この鍵識別情報をキーとして鍵情報データベース部113を検索する。そして、鍵情報検索部118は、検索が終了すると検索結果情報を鍵管理制御部117に出力する。
【0032】
鍵管理制御部117は、鍵情報検索部118からの検索結果情報を受け取り、この検索結果情報が鍵情報データベース部113に鍵識別情報がないことを示しているときには、鍵更新部119に対して鍵識別情報と、その鍵識別情報により特定される鍵を鍵配布サーバ装置104から取得することを命じる取得命令信号とを出力する。
【0033】
鍵更新部119は、鍵管理制御部117からの鍵識別情報および取得命令信号を受け取り、鍵配布サーバ装置104からその鍵識別情報で特定される鍵を取得する。そして、鍵更新部119は、取得した鍵を鍵記憶部(図示せず)に出力するとともに、その鍵に関する各種情報を鍵情報更新部120に出力する。
【0034】
鍵情報更新部120は、鍵更新部119からの各種情報を鍵情報データベース部113に記憶する処理を行う。
【0035】
一方、鍵情報検索部118からの検索結果情報が鍵情報データベース部113に鍵識別情報があることを示しているときには、鍵管理制御部117は、特別の動作を行わない。
【0036】
また、通信装置101においては、タイマ管理部111は、鍵の有効期限を確認する所定の間隔ごとに有効期限を確認することを命じる有効期限確認命令信号をライフタイム判定部121に出力する。
【0037】
ライフタイム判定部121は、鍵情報データベース部113に記憶されている鍵情報の有効期限が切れているか否かを鍵識別情報ごとに判定する。そして、ライフタイム判定部121は、有効期限が切れていると判定した鍵の鍵識別情報を取得し、鍵管理制御部117に出力する。
【0038】
鍵管理制御部117は、ライフタイム判定部121から鍵識別情報を受け取ると、鍵更新部119に対して鍵識別情報と、その鍵識別情報により特定される鍵を鍵配布サーバ装置104から取得することを命じる取得命令信号とを出力する。
【0039】
鍵更新部119は、鍵管理制御部117からの鍵識別情報および取得命令信号を受け取り、鍵配布サーバ装置104からその鍵識別情報で特定される鍵を取得する。そして、鍵更新部119は、取得した鍵を鍵記憶部(図示せず)に出力するとともに、その鍵に関する各種情報を鍵情報更新部120に出力する。
【0040】
図5は、通信装置102の構成を示すブロック図である。
【0041】
図5に示すように、通信装置102は、受信部151と、情報取り出し部152と、鍵管理制御部153と、鍵情報データベース部154と、鍵情報検索部155と、鍵更新部156と、鍵情報更新部157と、タイマ管理部158と、ライフタイム判定部159と、メッセージ生成部160と、送信部161とを備える。
【0042】
通信装置102においては、受信部151は、通信装置101からキープアライブメッセージを受け取り、情報取り出し部152に出力する。
【0043】
情報取り出し部152は、受信部151からのキープアライブメッセージを受け取り、そのキープアライブメッセージに含まれる各種情報を取り出して鍵管理制御部153に出力する。
【0044】
鍵管理制御部153は、情報取り出し部152から受け取る鍵識別情報と、この鍵識別情報が鍵情報データベース部154に記憶されているか否か検索することを命じる検索命令信号とを鍵情報検索部155に出力する。
【0045】
鍵情報検索部155は、鍵管理制御部153からの鍵識別情報および検索命令信号を受け取り、この鍵識別情報をキーとして鍵情報データベース部154を検索する。そして、鍵情報検索部155は、検索が終了すると検索結果情報を鍵管理制御部153に出力する。
【0046】
鍵管理制御部153は、鍵情報検索部155からの検索結果情報を受け取り、この検索結果情報が鍵情報データベース部154に鍵識別情報がないことを示しているときには、鍵更新部156に対して鍵識別情報と、その鍵識別情報により特定される鍵を鍵配布サーバ装置104から取得することを命じる取得命令信号とを出力する。
【0047】
鍵更新部156は、鍵管理制御部153からの鍵識別情報および取得命令信号を受け取り、鍵配布サーバ装置104からその鍵識別情報で特定される鍵を取得する。そして、鍵更新部156は、取得した鍵を鍵記憶部(図示せず)に出力するとともに、その鍵に関する各種情報を鍵情報更新部157に出力する。
【0048】
鍵情報更新部157は、鍵更新部156からの各種情報を鍵情報データベース部154に記憶する処理を行う。
【0049】
一方、鍵情報検索部155からの検索結果情報が鍵情報データベース部154に鍵識別情報があることを示しているときには、鍵管理制御部153は、情報取り出し部152からの各種情報と鍵情報の更新を命じる更新命令信号を鍵情報更新部157に出力する。
【0050】
鍵情報更新部157は、鍵管理制御部153からの鍵識別情報に対応づけて記憶されている各種情報を、鍵管理制御部153からの各種情報で上書きして更新する処理を行う。
【0051】
そして、鍵管理制御部153は、鍵情報更新部157が鍵情報データベース部154に記憶する処理又は上書きして更新する処理を完了すると、メッセージ生成部160に対してメッセージの生成を命令する信号を出力する。
【0052】
メッセージ生成部160は、鍵管理制御部153からの命令信号を受け取ると、鍵情報データベース部154に記憶されている鍵情報に関する各種情報を基にして、キープアライブリプライメッセージを生成し、このキープアライブリプライメッセージを送信部161に出力する。なお、鍵情報データベース部154は、図4に示すように、鍵識別情報、通信先の機器の識別情報、有効期限(期限が切れるまでの残り時間)、および鍵の状態を対応づけて記憶している。
【0053】
また、通信装置102においては、タイマ管理部158は、鍵の有効期限を確認する所定の間隔ごとに有効期限を確認することを命じる有効期限確認命令信号をライフタイム判定部159に出力する。
【0054】
ライフタイム判定部159は、鍵情報データベース部154に記憶されている鍵情報の有効期限が切れているか否かを鍵識別情報ごとに判定する。そして、ライフタイム判定部159は、有効期限が切れていると判定した鍵の鍵識別情報を取得し、鍵管理制御部153に出力する。
【0055】
鍵管理制御部153は、ライフタイム判定部159から鍵識別情報を受け取ると、鍵更新部156に対して鍵識別情報と、その鍵識別情報により特定される鍵を鍵配布サーバ装置104から取得することを命じる取得命令信号とを出力する。
【0056】
鍵更新部156は、鍵管理制御部153からの鍵識別情報および取得命令信号を受け取り、鍵配布サーバ装置104からその鍵識別情報で特定される鍵を取得する。そして、鍵更新部156は、取得した鍵を鍵記憶部(図示せず)に出力するとともに、その鍵に関する各種情報を鍵情報更新部157に出力する。
【0057】
なお、上記キープアライブメッセージおよびキープアライブリプライメッセージには、タイマ管理部111およびタイマ管理部158において管理している現在時刻を含めることもできる。これにより、通信装置101および通信装置102との間でタイマ管理部にて管理する現在時刻のずれを調整することができる。
【0058】
この場合には、通信装置101のメッセージ生成部112は、キープアライブメッセージを生成する際に、タイマ管理部111から現在時刻を取得し、この現在時刻情報を含めてキープアライブメッセージを生成して、送信部114に出力する。
【0059】
通信装置102の情報取り出し部152は、通信装置101からのキープアライブメッセージから現在時刻情報を取り出してタイマ管理部158に出力する。タイマ管理部158は、管理している現在時刻を情報取り出し部152からの現在時刻情報で調整する。
【0060】
そして、メッセージ生成部160は、キープアライブリプライメッセージを生成する際に、タイマ管理部158から現在時刻取得し、この現在時刻情報を含めてキープアライブリプライメッセージを生成して、送信部161に出力する。
【0061】
またなお、上記説明においては、メッセージ生成部112は、鍵情報データベース部113に記憶されている情報をそのまま利用してキープアライブメッセージを生成していたが、有効期限がしきい値より少ないときには、その有効期限をゼロとしてキープアライブメッセージを生成することとしてもよい。
【0062】
これにより、通信装置102は、このキープアライブメッセージを受け取って、これに含まれる各種情報で鍵情報データベース部154の情報を上書きすることになり、つぎにライフタイム判定部159が有効期限を確認するときには、有効期限をゼロとされた鍵は、必ず鍵更新部156による鍵配布サーバ装置104からの取得(鍵の更新)の対象となる。また、通信装置101では、上記しきい値を適当に設定することで、通信装置102における鍵配布サーバ装置104からの鍵取得と略同時期に鍵の取得(鍵の更新)が行われる。そのため、通信装置101の鍵の有効期限と通信装置102の鍵の有効期限の同期が図られる。
【0063】
なお、その有効期限をゼロとしてキープアライブメッセージを生成する代わりに、通信装置101のメッセージ生成部112が、通信装置102における鍵の更新を促す命令信号をキープアライブメッセージとともに生成し、送信部114に出力する構成としてもよい。これによっても、通信装置101の鍵の有効期限と通信装置102の鍵の有効期限の同期が図られる。
【0064】
なお、通信システム100の構成要素である各装置間の通信は、無線により行われても、また、有線により行われてもよい。
【0065】
このように、本実施の形態によれば、通信装置101は、所定間隔ごとに鍵情報データベース部113に記憶されている鍵情報を基にしてキープアライブメッセージを生成し、通信装置102に対して送信する。通信装置102は、通信装置101からキープアライブメッセージを受信して、このキープアライブメッセージを基にして鍵情報更新部157が鍵情報データベース部154に記憶されているデータの更新(補正など)を行う。
【0066】
こうすることで、通信装置にて記憶されている情報と他の通信装置にて記憶されている情報とを共通化することにより、通信装置および他の通信装置が記憶している情報の不一致から生じる通信断絶などの不都合を解消することができるため、両装置間で行われる通信の安定性および安全性を向上することができる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、通信の安定性および安全性を向上する通信システムおよび通信装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本実施の形態に係る通信システムの全体構成図
【図2】メッセージの構成の一例を示す図
【図3】図1の通信装置の構成を示すブロック図
【図4】鍵情報データベース部の構成の一例を示す図
【図5】図1の他の通信装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
【0069】
100 通信システム
101、102 通信装置
103 インターネットシステム
104 鍵配布サーバ装置
111、158 タイマ管理部
112、160 メッセージ生成部
113、154 鍵情報データベース部
114、161 送信部
115、151 受信部
116、152 情報取り出し部
117、153 鍵管理制御部
118、155 鍵情報検索部
119、156 鍵更新部
120、157 鍵情報更新部
121、159 ライフタイム判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信装置と第2の通信装置との間で鍵を用いて通信を行う通信システムであって、
前記第1の通信装置は、
前記鍵の有効期限を含む鍵情報を記憶する記憶手段と、
前記鍵情報を所定間隔ごとに送信する送信手段と、
を具備し、
前記第2の通信装置は、
前記鍵の有効期限を含む他の鍵情報を記憶する他の記憶手段と、
前記第1の通信装置からの前記鍵情報を受信する受信手段と、
前記他の記憶手段に記憶している前記他の鍵情報を前記受信手段で受信した前記鍵情報で補正する補正手段と、
を具備する
ことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記第1の通信装置は、
自装置における現在時刻を管理する現在時刻管理部を具備し、
前記送信手段は前記現在時刻を所定間隔ごとに送信し、
前記第2の通信装置は、
自装置における他の現在時刻を管理する他の現在時刻管理部を具備し、
前記受信手段は前記第1の通信装置からの前記現在時刻を受信し、
前記補正手段は前記他の現在時刻管理部が管理する前記他の現在時刻を前記受信手段が受信した前記現在時刻で補正することを特徴とする請求項1記載の通信システム。
【請求項3】
前記第1の通信装置および前記第2の通信装置が通信に用いる前記鍵を管理する鍵管理装置をさらに備え、
前記第2の通信装置は、
前記第1の通信装置から送信される前記鍵情報で特定される前記鍵を前記他の記憶手段に記憶しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果が前記他の記憶手段に前記第1の通信装置から送信される前記鍵情報で特定される前記鍵を記憶していないことを示すときに、前記他の記憶手段に記憶していない前記鍵を前記鍵管理装置から取得する鍵取得手段と、
を具備する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記第1の通信装置は、
前記有効期限がしきい値より少ない前記鍵の取得の制御情報を生成する制御情報生成手段を具備し、
前記送信手段は、前記制御情報を前記第2の通信装置に送信し、
前記第2の通信装置は、
前記鍵取得手段にて前記制御情報に基づき前記鍵管理装置から前記鍵を取得することを特徴とする請求項3記載の通信システム。
【請求項5】
他の通信装置と鍵を用いて通信を行う通信装置であって、
前記鍵の有効期限を含む鍵情報を記憶する記憶手段と、
前記他の通信装置からの前記鍵の有効期限を含む他の鍵情報を受信する受信手段と、
前記記憶手段に記憶している前記鍵情報を前記受信手段で受信した前記他の鍵情報で補正する補正手段と、
を具備することを特徴とする通信装置。
【請求項6】
自装置における現在時刻を管理する現在時刻管理部をさらに具備し、
前記受信手段は前記他の通信装置からの前記現在時刻を受信し、
前記補正手段は前記現在時刻管理部が管理する前記現在時刻を前記受信手段が受信した前記現在時刻で補正することを特徴とする請求項5記載の通信装置。
【請求項7】
前記他の通信装置から送信される前記鍵情報で特定される前記鍵を前記記憶手段に記憶しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果が前記記憶手段に前記他の通信装置から送信される前記鍵情報で特定される前記鍵を記憶していないことを示すときに前記記憶手段に記憶していない前記鍵を取得する鍵取得手段と、
をさらに具備することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の通信装置。
【請求項8】
前記鍵取得手段は前記他の通信装置からの制御情報に基づき前記鍵を取得することを特徴とする請求項7記載の通信装置。
【請求項9】
請求項5記載の通信装置と鍵を用いて通信を行う通信装置であって、
前記鍵の有効期限を含む鍵情報を記憶する記憶手段と、
前記鍵情報を所定間隔ごとに送信する送信手段と、
を具備することを特徴とする通信装置。
【請求項10】
自装置における現在時刻を管理する現在時刻管理部を具備し、
前記送信手段は前記現在時刻を所定間隔ごとに送信することを特徴とする請求項9記載の通信装置。
【請求項11】
前記有効期限がしきい値より少ない前記鍵の取得の制御情報を生成する制御情報生成手段を具備し、
前記送信手段は前記制御情報を送信することを特徴とする請求項9記載の通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−13628(P2006−13628A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−184165(P2004−184165)
【出願日】平成16年6月22日(2004.6.22)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】