説明

通信システムにおけるパケット・フロー処理

【課題】通信システムにおいてパケット・フローを処理する方法及び装置を提供する。
【解決手段】1実施形態では、リソース予約メッセージは、関連付けられたパケット・フローのフロー処理法を決定するために使用されるパケット・フロー・パラメータ情報を含む。パケット・フロー・マッピングは、関連付けられたパケット・フローのサービスの品質に基づく。他の1の実施形態では、ベアラ接続が確立され、フロー処理法に関係する情報に対してモニタされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システムにおけるパケット・フロー処理に係り、より具体的には、インターネット・プロトコル(Internet Protocol)(IP)コンポーネントを有する通信システムにおいて複数のサービス・インスタンスをサポートするパケット・フロー・マッピング及び処理法に関する。
【0002】
[関連文献]
発明に関する本出願は、米国特許出願番号第10/170,059、名称“通信システムにおけるパケット・フロー処理(PACKET FLOW PROCESSING IN A COMMUNICATION SYSTEM)”、2002年6月10日提出、に基づいて優先権を主張するものであり、この譲受人に譲渡され、これによりここに引用文献として特別に取り込まれている。
【背景技術】
【0003】
データ通信をサポートする通信システムは、インターネット・プロトコル(IP)コンポーネント又は構成部分(portion)を多くの場合に含み、そこでは、データは、IPフォーマットで通信される。同様に、通信システムは、IPシステムと通信することができる、又はIPノードとの通信に参加することができる。そのような通信に関して、データは、パケットで搬送される;パケットのシーケンス(sequence)は、“パケット・フロー”と呼ばれる。パケット・フローを処理するために、通信システムの(複数の)インフラストラクチャ・エレメントは、ある種の情報を必要とする。例えば、(複数の)インフラストラクチャ・エレメントは、ヘッダ圧縮及び/又はマッピング情報を必要とすることがあり、その結果、(複数の)インフラストラクチャ・エレメントは、複数のパケット・フローを適切なリンク−レイヤ接続に向けることができる。
【0004】
それゆえ、この分野において、そのような情報を要求しているインフラストラクチャ・エレメントにパケット・フロー情報を提供するためのニーズがある。同様に、通信システムにおいてパケット・フローのマッピング及び処理法に関する効率的な方法に対するニーズがある。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1は、通信システムである。
【図2】図2は、処理に関するコール・フロー(call flow)であり、そこではPDSNは、(複数の)RSVPメッセージからのパケット・フローに対するフロー処理法及びマッピングを決定する。
【図3】図3は、処理に関するコール・フローであり、そこではPDSNは、セッション・イニシエーション・プロトコル(Session Initiation Protocol)(SIP)メッセージを “スニフィング(sniffing)(感付くこと)”することからフロー処理法及びマッピングを決定する。
【図4】図4は、リソース予約プロトコルをサポートする通信システムを図示する。
【図5】図5は、パケット・フローを処理することに適応した移動局である。
【図6】図6は、種々の実施形態にしたがったパケット・フロー処理を図示する。
【図7】図7は、種々の実施形態にしたがったパケット・フロー処理を図示する。
【図8】図8は、種々の実施形態にしたがったパケット・フロー処理を図示する。
【図9】図9は、マルチ−チャネル・フロー処理プロトコル(Multi-Channel Flow Treatment Protocol)(MCFTP)パケット・フォーマットである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
用語“具体例の(exemplary)”は、“例、事例、又は実例として取り扱われること”を意味するようにここでは使用される。“具体例の”としてここで説明されたいずれかの実施形態が、他の実施形態に対して好ましい又は優位であるとして必ずしも解釈される必要はない。
【0007】
図1は、データ通信に適応した通信システム100である。通信システム100は、基地局(Base Station)(BS)104と通信している移動局(Mobile Station)(MS)102を含む。BS104は、パケット・データ・サービス・ノード(Packet Data Service Node)(PDSN)106と、同様に、音声通信、等を処理するための他のコンポーネント(図示せず)とさらに通信している。PDSN106は、IP通信をサポートしているネットワークのような、データ・ネットワークと、MS102及びBS104とに対するインターフェースとして働く。
【0008】
MS102は、データ通信をサポートする、そこでは、複数のA10接続及びサービス・オプション(Service Option)(SO)接続が図示される。SO接続は、パケット・データ・サービスのような、選択されたサービス・オプションの通信のために使用される。A10接続は、次に、PDSN106とBS104との間でインターネット・プロトコル(IP)パケットを送るためのリンクを提供する。SO接続は、MS102とBS104との間でIPパケットを送るためのリンクを提供する。SO接続(MS−BS)とA10接続(BS−PDSN)との間に1対1マッピングがある。MS102が複数の同時接続をサポートするので、複数のA10/SO接続の対が、図1に図示される。言い換えると、MS102は、並行して複数のパケット・フローを処理できる。各パケット・フローは、1つのA10接続又はリンクに割り当てられる。A10リンクへのパケット・フローの割当ては、パケット・フロー“マッピング”と呼ばれ、そしてPDSNによって決定される。図1のシステム100に適用可能である、そのようなマッピングに関する数多くの規準及びアルゴリズムがある。
【0009】
上に論じたように、MS102とBS104との間の各SO接続又はリンクは、BS104とPDSN106との間の対応するA10接続又はリンクを有する。対応は、BS104を通る破線によって図示される。SO/A10接続は、IPを介した音声(Voice over IP)(VoIP)通信のような、双方向通信又は対話型通信に対して使用されることができる、又は、インターネットソースからの情報のストリーミングに関するような又はデータをダウンロードするための、一方向通信に対して使用されることができる。データ通信のタイプの数が増加するにつれ、SO/A10接続は、ますます多くのこれらの通信のために実装されることがある。複数のSO接続(サービス・インスタンスとしても知られる)が、パケット・フローの異なるQoS要求をサポートするために必要であることに、注意する。例えば、MS102は、2つのアクティブなSO接続を有することができる。第1のSO接続は、送信待ち時間の犠牲を払って無線を介した信頼できる搬送を提供するための再送信メカニズムを有する、そしてそれゆえ、信頼できる送信を必要とするデータ搬送に使用される。第2のSO接続は、再送信メカニズムを持たないことがあり、迅速な送信を必要とするデータ搬送のために使用される。
【0010】
PDSN106は、認証、アカウンティング及び認可(Authentication Accounting and Authorization)(AAA)112をさらに含む。AAA112は、接続を認証すること及びキャリア又はサービス・プロバイダによる請求書、等に関するアカウンティングの経過を追うことを取り扱う。PDSN106は、対応するノード(Corresponding Node)(CN)108、同様に他のソース110からのパケット・フローを受信する。CN108は、インターネットにおけるノード、サービス・プロバイダ、端末、等であり得る。言い換えると、CN108は、情報のソース又は通信への参加者である。PDSN106は、複数のソースからの複数fのパケット・フローを受信することができ、そこでは、上記のパケット・フローは、MS102のような、複数の参加者に対して宛てられることに、注意する。各パケット・フローは、対応するSO/A10接続にマッピングされ、そして参加者によって取り決められた複数のパラメータにしたがって処理される。
【0011】
各パケット・フローのフロー・マッピング及び処理法は、複数のサービス・インスタンスが、MS102のような、所定のユーザに対して設定される場合に、特に重要である。MS102が複数のアクティブなサービス・インスタンスを有し、そしてMS102が複数のヘッダ圧縮アルゴリズムを使用するのであれば、PDSN106は、各サービス・インスタンスに関係するパケット・フローを処理するための情報を望むであろう。情報は、各パケット・フローに対して使用された具体的なヘッダ圧縮アルゴリズム、及び各A10接続への各パケット・フローのマッピングを含むが、これらに限定されることはない。
【0012】
以下に説明される実施形態は、RSVPメッセージを介してフロー処理情報を提供する1つの方法であり、そのRSVPメッセージは、フロー処理法と呼ばれる新たなオブジェクトを含む。RSVPメッセージは、インターネットにおける統合サービスのために設計されたリソース予約設定プロトコルであり、そして、R.ブランデン(Branden)らによるRFC2205、名称“リソース予約プロトコル(Resource ReSerVation Protocol)(RSVP)”に説明されている。RSVPプロトコルは、ホストによって使用されて、特定のアプリケーション・データ・ストリーム又はフローに関するネットワークからのサービスの具体的な品質を要求する。RSVPは、しかも、ルータにより使用されて、フローの(複数の)経路に沿った全てのノードへサービスの品質(Quality-of-Service)(QoS)要求を配信し、そして要求されたサービスを提供するように状態を確立しそして維持する。RSVP要求は、一般に、データ経路に沿った各ノードにおいて予約されるリソースを結果としてもたらすであろう。RSVPメッセージは、双方向パケット・フロー(例えば、対話型VoIPセッション)又は一方向パケット・フロー(例えば、ストリーミング・セッション)に関するパケット・フィルタを提供する。パケット・フィルタは、ノードによって使用されて、特定のパケット・フローを認識する。
【0013】
RSVPは、特定の宛て先及び搬送−レイヤ・プロトコルとのデータ・フローである“セッション”を規定する。RSVPは、各セッションを別々に処理する。RSVPセッションは、3成分:(DestAddress、ProtocolId [DstPort])により規定される。ここで、DestAddress、データ・パケットのIP宛て先アドレス、は、ユニキャスト・アドレス又はマルチキャスト・アドレスであり得る。ProtocolIdは、IPプロトコルIDである。オプションのDstPortパラメータは、“一般化された宛て先ポート”、すなわち、トランスポート又はアプリケーション・プロトコル・レイヤ中のあるさらなる逆多重化点、である。DstPortは、ユーザ・データグラム・プロトコル(User Datagram Protocol)/送信制御プロトコル(Transmission Control Protocol)(UDP/TCP)宛て先ポート・フィールドにより、別の1つのトランスポート・プロトコルにおける等価なフィールドにより、又はあるアプリケーションに固有の情報により、規定されることがある。
【0014】
主サービス・インスタンスの確立とともに、MS102が補助のサービス・インスタンスを設定することを決定する場合に、MS102は、RSVP PATH及びRESVメッセージを送って、サービスの品質(QoS)リソースを要求する。RSVP RESVメッセージにおいて、MS102は、IPアドレス及びポート番号を介してパケット・フローを特徴づけ、そしてコーデック・タイプ及びヘッダ圧縮タイプを伝達する。RSVP RESVメッセージを受信するとともに、PDSNは、情報を検査し、そしてBSへの新たなA10接続を要求し、そして新たに確立したA10接続をフィルタ・スペック(Filter Spec)及びオプションとしてセッション・クラス(Session Class)(以降、RSVPタイプ・プロトコルに関連して規定される)により特徴付けられるパケット・フローと関連付ける。図4は、RFC2205と整合するRSVPメッセージのフォーマットを詳細に説明する。RSVPメッセージは、パケット・フロー処理法及び/又はマッピングのためにPDSNによって必要とされる情報の送信のために使用されることができるメッセージの一例として例示される。代わりの実施形態は、同一の情報又は同様の情報を提供するために他のメッセージを与えることができる。
【0015】
RSVPタイプ・プロトコルの議論全体を通して、方向を示す用語は、データのフローの方向にしたがって規定されることに、注意する。予約要求を搬送するRSVPメッセージは、受信者において始められ、(複数の)送信者に向かってアップストリームに渡される。具体的に、方向を示す用語“アップストリーム”対“ダウンストリーム”、“前のホップ”対“次のホップ”、及び“着信インターフェース”対“発信インターフェース”は、データ・フローの方向に関連して規定される。
【0016】
図4は、RSVPプロトコルを実行するホスト401及びルータ450を有する通信システムを図示する。図示されたように、ホスト401は、RSVPプロセス・ユニット404に双方向に接続されたアプリケーション・ユニット404を含む。RSVPプロセス・ユニットは、適切なRSVPメッセージ及び送信のためのコンテントを決定し、そしてしかもルータ450から受信されるこれらのRSVPメッセージ及びコンテントを考慮する。RSVPプロセス・ユニット404は、ポリシ制御ユニット506に接続される。ホスト401内部の通信は、通信バス420を介してである。ホスト401は、承認制御ユニット408,パケット・スケジューラ410、及びクラシファイア412をさらに含む。
【0017】
図4を続けて、ルータ450は、ホスト401におけるような同様のユニットを含む、しかしながら、その構成は、わずかに異なる方式で実装されることができる。ルータ450は、ルーティング・ユニット452、RSVPプロセス・ユニット454、ポリシ制御ユニット456、承認制御ユニット458、パケット・スケジューラ460、クラシファイア462を含み、全てが通信バス480を介して通信する。RSVPプロセス・ユニット404は、RSVPプロセス・ユニット454への及びそれからのRSVPメッセージを通信することに、注意する。
【0018】
システム400の内部で、サービスの品質は、“トラフィック制御”と包括的に呼ばれるメカニズムによって特定のデータ・フローに対して与えられる。これらのメカニズムは、(1)パケット・クラシファイア(クラシファイア412,462)、(2)承認制御手段(承認制御手段408、458)、及び(3)“パケット・スケジューラ”(パケット・スケジューラ410、460)又は特定のパケットがいつ転送されるかを決定するためのある別のリンク−レイヤ−依存メカニズム、を含む。“パケット・クラシファイア”メカニズム、すなわちクラシファイア412、462は、各パケットに関するQoSクラス(及びおそらくルート)を決定する。各発信インターフェースに関して、“パケット・クラシファイア”又は他のリンク−レイヤ−依存メカニズムは、約束されたQoSを達成する。トラフィック制御は、統合によって規定されるQoSサービス・モデルを与える。
【0019】
予約設定の期間に、RSVP QoS要求は、2つのローカル判断モジュール、“承認制御手段”(承認制御手段408,458)及び“ポリシ制御手段”(406,456)に渡される。承認制御手段408,458は、ノードが要求されたQoSを供給するために十分な利用可能なリソースを有するかどうかを判断する。ポリシ制御手段(406,456)は、ユーザが予約するために管理上の許可を有するかどうかを判断する。両方の検査が上手くいくならば、パラメータは、パケット・クラシファイア中に及びリンク・レイヤ・インターフェース中に(例えば、パケット・スケジューラ中に)設定され、所望のQoSを取得する。もし、いずれか一方の検査が失敗するのであれば、RSVPプログラムは、要求を始めた申請プロセスにエラー通知を返す。
【0020】
RSVPプロトコル・メカニズムは、マルチキャスト又はユニキャスト配信経路の網目にわたり配布された予約状態を生成しそして維持するための一般的な手段を与える。RSVP自身は、不透明なデータとしてQoSパラメータ及びポリシ制御パラメータを転送しそして操作して、解釈のために適切なトラフィック制御モジュール及びポリシ制御モジュールへそれらを渡す。大きなマルチキャスト・グループのメンバーシップ及び結果としてのマルチキャスト・ツリー・トポロジーが時間とともに変化することがあるので、RSVP設計は、RSVPに関する状態を仮定し、そしてトラフィック制御状態がルータ及びホスト中で漸増的に構築され、破壊されるようにする。この目的で、RSVPは、“ソフト”状態を確立する;すなわち、RSVPは、周期的なリフレッシュ・メッセージを送って、(複数の)予約された経路に沿った状態を維持する。リフレッシュ・メッセージがなければ、状態は、自動的に時間切れになり、削除される。まとめると、RSVPは、以下の属性を有する:
1.RSVPは、ユニキャスト及び複数−対−複数マルチキャスト・アプリケーションの両者に関するリソース予約を行い、変化しているグループ・メンバーシップ、同様に変化しているルートにダイナミックに適応する。
【0021】
2.RSVPは、単信方式である、すなわち、ユニキャスト・データ・フローに関する予約をサポートする。
【0022】
3.RSVPは、受信者優先である、すなわち、データ・フローの受信者は、そのフローのために使用されるリソース予約を開始し、そして維持する。
【0023】
4.RSVPは、ルータ及びホスト中の“ソフト”状態を維持し、ダイナミックなメンバーシップの変化及びルーティングの変化に対する自動適応に対して洗練されたサポートを提供する。
【0024】
5.RSVPは、ルーティング・プロトコルではなく、現在及び未来のルーティング・プロトコルをサポートする。
【0025】
6.RSVPは、RSVPに対して不透明であるトラフィック制御パラメータ及びポリシ制御パラメータを搬送し、維持する。
【0026】
7.RSVPは、様々なアプリケーションに適応させるために複数の予約モデルを提供する。
【0027】
8.RSVPは、RSVPをサポートしないルータを経由してトランスペアレントなオペレーションを提供する。
【0028】
9.RSVPは、IPv4及びIPv6の両者をサポートする。
【0029】
基本的なRSVP予約要求は、“フィルタ・スペック(filter spec)”とともに“フロースペック(flowspec)”からなる;この対は、“フロー・デスクリプタ(flow descriptor)”と呼ばれる。フロースペックは、所望のQoSを特定する。セッション仕様とともに、フィルタ・スペックは、データ・パケットのセット−”フロー“−を規定して、フロースペックによって規定されるQoSを受信する。フロースペックは、ノードのパケット・スケジューラ又は他のリンク・レイヤ・メカニズム中にパラメータを設定するために使用される、一方で、フィルタ・スペックは、パケット・クラシファイア中にパラメータを設定するために使用される。特定のセッションに宛てられるが、そのセッションに関するフィルタ・スペックのいずれにも符合しないデータ・パケットは、最善の努力をした結果の(best effort)トラフィックとして扱われる。
【0030】
予約要求中のフロースペックは、一般にサービス・クラス及び2セットの数値パラメータ:(1)所望のQoSを規定する“Rspec”(Rは‘予約’)、及び(2)データ・フローを記述する“Tspec”(Tは‘トラフィック’)、を含む。Tspec及びRspecのフォーマット及びコンテントは、システムによって決定され、一般にRSVPに対して不透明である。
【0031】
フィルタ・スペックの正確なフォーマットは、どのIPバージョンが使用されるかに依存する。現在のバージョンは、IPv4又はIPv6を考慮する。1つのアプローチにしたがって、フィルタ・スペックは、所定のセッションにおいて複数のパケットの任意のサブセットを選択することができる。そのようなサブセットは、送信者に関して(すなわち、送信者IPアドレス及び一般化されたソース・ポート)、上位レベル・プロトコルに関して、又は一般にパケット中のいずれかのプロトコルヘッダ中の任意のフィールドに関して規定され得る。例えば、フィルタ・スペックは、アプリケーション・レイヤ・ヘッダ中のフィールドにおいて選択することにより、体系的にエンコードされたビデオ・ストリームの異なるサブフローを選択するために使用されるはずである。単純化のために(及びレイヤ違反を最小にするために)、現在のRSVP仕様において規定された基本フィルタ・スペック・フォーマットは、非常に制限された形式:送信者IPアドレス及びオプションとしてUDP/TCPポート番号SrcPort、を有する。
【0032】
各中間ノードにおいて、予約要求は、下記のように、2つの一般的なアクションをトリガする。
【0033】
1.リンク上で予約をする
RSVPプロセスは、要求を承認制御手段及びポリシ制御手段に渡す。どちらか一方のテストが不合格であるならば、予約は拒絶され、RSVPプロセスは、適切な(複数の)受信者にエラー・メッセージを送り返す。両者が上手くいったならば、ノードは、パケット・クラシファイアを設定して、フィルタ・スペックによって規定されるデータ・パケットを選択する、そして適切なリンク・レイヤと情報を交換して、フロースペックによって規定される所望のQoSを取得する。
【0034】
RSVP QoS要求を満足させるための詳細なルールは、各インターフェースにおいて使用されている固有のリンク・レイヤ技術に依存する。単純なリースされたラインに関して、所望のQoSは、例えば、リンク・レイヤ・ドライバ中のパケット・スケジューラから取得される。リンク・レイヤ技術が、自分自身のQoS管理可能能力(management capability)を与えるのであれば、RSVPは、リンク・レイヤと取り決めをして、要求したQoSを取得する。QoSを制御するためのアクションは、RSVP予約要求が(複数の)受信者ダウンストリームから開始するのであるが、データがリンク・レイヤ媒体に入る場所において、すなわち、論理リンク又は物理リンクのアップストリーム・エンドにおいて、発生することに、注意する。
【0035】
2.要求アップストリームを転送する
予約要求は、適切な送信者に向かってアップストリームを伝播される。所定の予約要求がそこに向かって伝播される送信者ホストのセットは、その要求の“スコープ(scope)”と呼ばれる。
【0036】
ノードがアップストリームを転送する予約要求は、2つの理由のために、ダウンストリームから受信した要求と異なることがある。トラフィック制御メカニズムは、ホップする毎にフロースペックを変更することができる。より重要なことは、同一の送信者(又は送信者のセット)からの(複数の)マルチキャスト・ツリーの異なるダウンストリーム・ブランチからの予約は、アップストリームを移動する予約として“マージ(merge)される”必要がある。
【0037】
受信者が予約要求を開始する場合に、受信者は、自身の要求がネットワークに(おそらく)インストールされたことを示す確認メッセージを同様に要求することができる。成功した予約要求は、既存の予約が要求されようとしているものと等しくなる又は大きくなる点に自身が到達するまで、マルチキャスト・ツリーに沿ってアップストリームを伝播する。その点において、到着要求は、その場で予約とマージされ、さらに転送される必要がない;ノードは、その後、受信者に対して予約確認メッセージを送り返すことができる。
【0038】
2つの基本的なRSVPメッセージ・タイプ:RESV及びPATH、がある。各受信者ホストは、送信者に向かってアップストリームでRSVP予約要求(RESV)メッセージを送る。これらのメッセージは、データ・パケットが使用するはずの(複数の)経路の精確に逆を、送信者選択において含まれた全ての送信者ホストへのアップストリームで、たどらなければならない。RESVメッセージは、(複数の)経路に沿った各ノードにおける“予約状態”の生成及び維持を結果としてもたらす。RESVメッセージは、送信者ホストそれ自身に最終的に配信され、その結果、ホストは、経路に沿った最初のホップに対して適切なトラフィック制御パラメータを設定できる。
【0039】
各RSVP送信者ホストは、(複数の)ルーティング・プロトコルにより与えられるユニキャスト/マルチキャスト・ルートに沿ったダウンストリームにRSVP“PATH”メッセージを送信し、データの経路を追跡する。これらのRSVP PATHメッセージは、“経路状態(path state)”をその道筋に沿った各ノードに記憶する。この経路状態は、前のホップ・ノードの少なくともユニキャストIPアドレスを含み、それは、逆方向にRESVメッセージをホップ毎に配達するために使用される。将来の設計が、ルーティング・プロトコルを与えることができることを注意する、そのルーティング・プロトコルは、逆経路転送情報を直接に供給し、経路状態の逆ルーティング機能を置き換える。
【0040】
PATHメッセージは、前のホップ・アドレスに加えて下記の情報を含む:
1.送信者テンプレート(Sender Template)
PATHメッセージは、送信者テンプレートを搬送するために必要であり、送信者テンプレートは、送信者が始めようとしているデータ・パケットのフォーマットを記述する。このテンプレートは、同一のリンクにおいて同一のセッション中の他のものからこの送信者のパケットを選択するために使用されることができるフィルタ・スペックの形式である。送信者テンプレートは、Resvメッセージ中に現れるフィルタ・スペックと正確に同一の表現力及びフォーマットを有する。それゆえ、送信者テンプレートは、送信者IPアドレス及びオプションとしてUDP/TCP送信者ポートのみを特定することができ、そしてそのセッションに対して特定されるプロトコルIdを仮定する。
【0041】
2.送信者Tspec(Sender Tspec)
PATHメッセージは、送信者Tspecを搬送するために必要とされ、送信者Tspecは、送信者が発生させようとしているデータ・フローのトラフィック特性を規定する。このTspecは、トラフィック制御によって使用されて、過剰予約、及びおそらく不必要な承認制御失敗を防止する。
【0042】
3.Adspec
Pathメッセージは、“Adspec”として知られる、OPWA宣伝情報のパッケージを搬送することができる。PATHメッセージ中で受信されたAdspecは、ローカル・トラフィック制御に渡される、これは更新されたAdspecを送り返す;更新されたバージョンは、その後、ダウンストリームに送られるPATHメッセージにおいて転送される。PATHメッセージは、データと同一のソース及び宛て先で送られる、その結果、非−RSVPクラウド(cloud)を経由して正確に配送される。一方で、RESVメッセージは、ホップ毎に送られる;各RSVP会話ノードは、前のRSVPホップのユニキャスト・アドレスにRESVメッセージを転送する。
【0043】
図2は、MS102、BS104(パケット制御機能(Packet Control Function)(PCF)オペレーションを含む)、PDSN106、AAA112、及びCN108間の双方向、対話型コール処理を図示する。フローは、(図2中に)1から16まで番号を付けられたステップで経時的に説明される。
【0044】
ステップ1において、移動体がアプリケーションによってトリガされたセッション・イニシエーション・プロトコル(Session Initiation Protocol)(SIP)シグナリングを送ることができる前に、MSは、パケット・データ・サービスSO33に関するような、サービス・オプション(Service Option)(SO)を確立する。図示された例では、無線リンク・プロトコル(Radio Link Protocol)(RLP)再送信がイネーブルにされる。これは、無線を介して搬送されるべきSIPメッセージのためのメカニズムを提供する。SIPは、2002年2月21日付、文書番号第draft-ietf-sip-rfc2543bis-08.psを有するインターネット・エンジニアリング・タスク・フォースにより発行された、J.ローゼンベルグ(Rosenberg)ら著の“SIP:セッション・イニシエーション・プロトコル(SIP: Session Initiation Protocol)”;及び1999年3月付け、文書番号第RFC2543を有するネットワーク・ワーキング・グループによって発行された、M.ハンドレイ(Handley)ら著の“SIP:セッション・イニシエーション・プロトコル(SIP: Session Initiation Protocol)”にも詳細に説明されていることに、注意する。
【0045】
セッション・イニシエーション・プロトコル(SIP)は、1又はそれより多くの参加者とセッションを生成するため、変更するため、そして終了するためのアプリケーション・レイヤ制御(シグナリング)プロトコルである。これらのセッションは、インターネット電話通話、マルチメディア配信、及びマルチメディア会議を含む。セッションを生成するために使用されたSIP要請は、参加者が互換性のある媒体タイプのセットについて合意することを可能にする、セッション説明を搬送する。SIPは、プロキシ・サーバと呼ばれるエレメントを使用させて、ユーザの現在の場所への配送要求を手助けし、サービスのためにユーザを認証しそして認可し、プロバイダ・コール−ルーティング・ポリシを実装し、及びユーザに対してフィーチャ(feature)を提供する。SIPは、しかも、ユーザがプロキシ・サーバによる使用のために自身の現在の場所をアップロードすることを可能にする登録機能も提供する。SIPは、いくつかの異なるトランスポート・プロトコルの先頭で動作する。
【0046】
ステップ2において、MSは、PDSNとのポイント−ツー−ポイント(PPP)セッションを確立する。これは、リンク・レイヤに関するベアラ接続を提供し、パケット・フローに関する接続の確立を可能にする。PPPは、1994年7月付けのRFC1661としてネットワーク・ワーキング・グループによって発行された、W.シンプソン(Simpson)著の“ポイント−ツー−ポイント・プロトコル(PPP)”に詳細に説明されていることに、注意する。
【0047】
ステップ3において、PDSNは、MSネットワーク・アクセス・アイデンティファイア(Network Access Identifier)(NAI)及び信任状(credential)を含んでいるAAAへアクセス要求(Access Request)送る。NAIは、MSに関する固有のアイデンティファイアである。信任状は、(シンプルIP(Simple IP)が使用されるのであれば)チャレンジ・ハンドシェイク認証プロトコル(Challenge Handshake Authentication Protocol)(CHAP)に又は(モービルIP(Mobile IP)が使用されるのであれば)フォリン・エージェント・チャレンジ(Foreign Agent Challenge)に応じてMSによって算出された認証手段(Authenticator)である。
【0048】
ステップ4において、移動体が良好に認証されるのであれば、AAAは、ユーザ申込みプロファイルを含んでいるアクセス承諾(Access Accept)を送る。このプロファイルは、2つの部分からなる:オーバー・ジ・エアー(Over The Air、無線)(OTA)コンポーネント;及びIPコンポーネントである。
【0049】
ステップ5において、PDSNは、ユーザIP申込みプロファイルを受信し、キャッシュし、そしてBSへユーザOTA申込みプロファイルを転送する。
【0050】
ステップ6において、移動体は、PPP/SO33を介してSIPシグナリングを送る。SIPシグナリングは、CNと仮想ベアラ接続を設定するように働く。これは、そこを通してパケット・フローが搬送されるはずのIPベアラ接続である。
【0051】
ステップ7において、SIPシグナリング(例えば、183セッション・プログレス(Session Progress))によってトリガされる、CNは、MSに向かってRSVP PATHメッセージを送る。RSVP Pathメッセージにおいて、CNは、標準RSVPオブジェクト送信者テンプレート及び送信者トラフィックSpec(Sender Traffic Spec)(Tspec)を含み、その送信者Tspecは、CNによって発生されるはずのパケット・フローを特徴付ける。ステップ8において、PDSNは、MSへRSVP PATHメッセージを転送する。ステップ9において、RSVP PATHメッセージを受信するとともに、MSは、メッセージ中に含まれた情報を使用して、パケット・フローを受信するために所望のQoSパラメータ(すなわち、帯域幅及び遅延)を計算する。移動体は、その後、RSVP RESVメッセージを送って、CNへ経路に沿ったリソースを予約する。RSVP RESVメッセージは、フロースペック、フィルタ・スペック、及び処理スペックを含み、その処理スペックは、“第3世代パートナーシップ・プロジェクト2”、ここでは3GPP2と呼ぶ、と名付けられたコンソーシアムによって提案された標準、及びTR−45.5、ここではcdma2000標準として呼ばれる、をサポートしているシステムに固有の新たなRSVPオブジェクトである。
【0052】
フロースペックは、所望のQoSを特定する。フロースペックは、ノードのパケット・スケジューラ又は他のリンク・レイヤ・メカニズム中のパラメータを設定するために使用される。予約要求中のフロースペックは、サービス・クラス及び2組の数値パラメータ:(1)所望のQoSを規定する“Rspec”(Rは‘予約する(reserve)’)、及び(2)データ・フローを記述する“Tspec”(Tは‘トラフィック’)、を一般に含む。Tspec及びRspecのフォーマット及びコンテントは、統合サービス・モデルによって決定され、一般にRSVPに対して不透明(opaque)である。
【0053】
フィルタ・スペックは、パケット・フローに関するパケット・フィルタを規定し、そのQoSは、フロースペックによって規定される。フィルタ・スペックは、パケット・クラシファイア中のパラメータを設定するために使用される。特定のセッションに宛てられるがそのセッションに関するいずれのフィルタ・スペックにも符合しないデータ・パケットは、最善の努力をしたトラフィックとして取り扱われる。
【0054】
処理スペック、これは新たなRSVPオブジェクトである、は、パケット・フローにおいて使用されるべきヘッダ圧縮タイプを伝える。
【0055】
RSVP RESVメッセージを受信するとともに、PDSNは、PDSNローディング及びローカル・ポリシ、移動体到達可能性、とユーザのIP申込みプロファイル、に基づいて認可を実行する。PDSNがRSVP RESVメッセージを拒絶するのであれば、PDSNは、CNに向かってRSVPTearメッセージを、MSに向かってPATHTearを送る。それ以外は、RSVP RESVが認可されるのであれば、PDSNは、RSVP RESVメッセージの処理スペックを検査する。処理スペックは、MSがパケット・フローにおいて使用することを望むヘッダ圧縮タイプを含む。PDSNは、新たなA10接続が必要であるか否かを決定する。必要であれば、PDSNは、BSへA11登録更新(RUP)メッセージを送って、ステップ10において新たなA10接続を要求する。
【0056】
例えば、ヘッダ圧縮タイプがLLAROHCであるならば、PDSNは、BSへ、A11を介して、通知を与えて、新たなA10接続を確立し、そしてMSとの、SO61のような、選択されたサービス・オプション・インスタンスの確立を開始する。
【0057】
ヘッダ圧縮タイプがROHCであるならば、PDSNは、BSへ、A11を介して通知を送って新たなA10接続を確立し、そして(RLP再送信なしで)MSとの、SO33のような、補助のサービス・オプション・インスタンスの確立を開始する。
【0058】
ヘッダ圧縮タイプとSOとの間の提携は、PDSNにおいて又はBSにおいて行われることができる。提携がPDSNにおいて行われるのであれば、A11RUPメッセージは、SO番号を含み、そしてBSは、MSとサービス取り決めを開始するためにそれを使用する。提携がBSにおいて行われるならば、A11RUPメッセージは、ヘッダ圧縮タイプを含み、そしてBSは、それをSO番号と関連付け、そしてMSとのサービス取り決めを開始するためにそれを使用する。
【0059】
ステップ11において、BSは、A11登録受領通知(Registration Acknowledgement)(RACK)メッセージを用いて応答する。ステップ12において、BSは、コール割当メッセージ(Call Assignment Message)(CLAM)を介してMSへ、A11シグナリング・メッセージにおいて特定されたSOを接続しようと試みる。ステップ13において、BSは、選択されたSOを接続する。ステップ14において、BSは、A11RRQ(登録要求(Registration Request))を送って、A10接続を確立する。ステップ15において、PDSNは、A11RRP(登録返信(Registration Reply))を用いて応答する。
【0060】
ステップ16において、新たなA10接続の良好な確立とともに、PDSNは、ステップ9においてRSVP RESVメッセージのフィルタ・スペックから取得されたパケット・フィルタと新たに確立されたA10接続を関連付ける。これは、PDSNがパケット・フィルタの記述に適応したパケット・フローにフロー・マッピングを実行することを可能にする。PDSNは、RSVP RESVメッセージから処理スペックを削除し、そしてそれをCNに向けて送る。ある(複数の)理由のために、新たなA10接続がタイムアウトの後で確立されないのであれば、PDSNは、MSに向けてPATHTearメッセージを送る。
【0061】
この時点から、パケット・フローは、PDSNを介してCNからMSへ処理される。PDSNは、パケット・フローに適切なヘッダ圧縮を実行し、そして適切なA10接続へパケット・フローを転送する。
【0062】
図2は、CNからMSへの一方向通信を説明することに、注意する。CNとMSとの間の対話型双方向通信に関して、MS及びCNの両者は、ソースであり宛て先である。それゆえ、図2に示されそして上記に詳細に説明されたステップに加えて、対称的なステップが、MSから開始される。例えば、MSは、しかも、RSVP Pathメッセージを送る。同様に、PDSNは、CNへRSVP Pathメッセージを転送する。CNは、RSVP RESVメッセージを提供する;そしてPDSNは、MSへRSVP RESVメッセージを転送する。CNからのRSVP RESVメッセージは、ステップ10におけるようにA10接続の確立を要求するためにPDSNをトリガする必要性がない。
【0063】
イネーブルにされたRLP再送信のない補助SO33に対する既存のA10接続の状況に関して、1つの実施形態は、既存の接続を利用する。代わりの実施形態にしたがって、BSは、MSとの他の1の補助SO33を確立する。この場合には、MSが拒絶するのであれば、既存の補助SO33は、新たなコーデックを搬送するためにも使用される。
【0064】
図2は、IP通信に対して適応し、パケット・フローを処理することが可能な、スペクトル拡散通信システムにおけるコール・フローを図示する。代わりの通信システムは、パケット・フローを処理するために必要な情報を提供するために採用されることができる。そのような情報は、例において詳細に説明された特定の情報に制限されることなく、システム・コンポーネントにより必要な又は要求される任意の情報を含むことができる。同様に、ステップの順序は、所定のシステムの設計及びニーズにしたがって変えられることができる。図2のコール・フローは、パケット・フロー処理の一例として与えられる。
【0065】
以下に説明される実施形態は、RSVPメッセージを介してフロー処理法及びフロー・マッピング情報を提供する他の1方法である。フロー処理法及びマッピング情報は、RSVP RESVメッセージにおいて伝達された標準RSVPオブジェクトから導出されることができ、そして新たなRSVPオブジェクトは、前の方法におけるように規定される必要がない。
【0066】
コール・フローは、図2と同じである。1つの違いは、ステップ9において、RSVP RESVメッセージは、フロースペック及びフィルタ・スペックを含むだけである。そこには、どのヘッダ圧縮タイプがパケット・フローにおいて使用されるべきかをPDSNに明確に知らせる処理スペックがない。その代わりに、PDSNは、暗黙のうちヘッダ圧縮タイプを決定するためにフロースペックを使用する。
【0067】
フロースペックは、予約スペック(Reservation Spec)(Rspec)及びトラフィック・スペック(Traffic Spec)(Tspec)を含む。Rspecは、サービス・レートを記述し、そしてTspecは、トークン・バケット・パラメータ(token bucket parameter)(バケット・レート、ピーク・レート、バケット深さ、最大バケット・サイズ)を記述して、CNが発生させようとするトラフィックを特徴付ける。Rspec及びTspecは、ともに、CDMA音声コーデック(例えば、13−kbpsピュアボイス(純音声:Pure Voice)、8−kbps EVRC、8−Kbps SMV、又は4−kbps SMV)を特徴付け、そのCDMA音声コーデックは、20ms毎に音声フレームを出力する。PDSNは、フロースペック中のパラメータ値に基づいて、CDMA音声コーデックを認識するように構成される。符合しているのであれば、そしてMSがLLAROHCの能力があるならば、PDSNは、BSが新たなA10接続を確立することを要求し、そしてBSは、MSとのSO61を確立する。符合しないのであれば、PDSNは、パケット・フローがCDMA音声コーデック以外のリアル・タイム・コーデックを搬送すると結論付ける;この場合には、MSがROHCの能力があり、現在、補助SO33を何も持たないのであれば、PDSNは、BSが新たなA10接続を確立することを要求し、BSは、MSとの(RLP再送信がディスエーブルにされている)補助SO33を確立する。
【0068】
異なるコーデックが、CDMAコーデックと同じRspec及びTspecの記述を有することが、可能である。例えば、コーデックXは、サービス・レート8kbps、20−msの一定のパケット間インターバル、及び171ビット足すヘッダ・オーバーヘッドの最大パケット・サイズとして特徴付けられ、これは、EVRC特性と同一である。この寄与は、あたかもEVRCであるかのように、0−バイト・ヘッダ圧縮が、コーデックXを搬送するパケット・フローに適用されることを、推奨する。低レート・フレーム・サイズのコーデックXは、EVRCのフレーム・サイズと異なるはずであるけれども、各低レート・フレームは、CDMA物理レイヤ・フレーム(全体、1/2、1/4、又は1/8)中に詰め込まれ、そして適合させられることが可能である。
【0069】
図3は、コール・フロー処理を図示し、そこでは、PDSNは、SIPメッセージを“スニフィング(sniffing)(感付くこと)”することからフロー処理法及び/又はマッピングを決定する。スニフィングは、特定の情報を待機しているメッセージを検査するプロセスを呼ぶ。一般的に、ノードは、特定の情報をスニフする一方で、全ての他の情報を無視する。図3に図示された実施形態では、PDSNは、所定のパケット・フローの処理法を決定するために及び/又は所定のパケット・フローのマッピングのために要求される特定の情報をスニフする。PDSNは、SIPシグナリング・メッセージをスニフする。PDSNは、SIPメッセージの他のコンテントを無視する。代わりの実施形態は、PDSNのそのような処理のために又は他のオペレーションのためにSIPメッセージ中の他のコンテントを適用することができる。
【0070】
図3に図示された実施形態は、フロー処理法及びフロー・マッピング情報を決定するための代わりの方法を提供し、そこでは、そのような決定は、PDSNがスニフしているセッション・イニシエーション・プロトコル(SIP)メッセージに基づく。この方法は、PDSNがSIPメッセージをスニフすることを信頼して、CNによって発生されるはずの新たなパケット・フローのコーデック、IPアドレス、及びポート番号を決定する。これは、PDSNがフロー処理法及びフロー・マッピングを決定するために十分な情報を提供する。PDSNは、パケット・フローを搬送するために新たなA10接続が必要であるか否かも決定する。もし必要であれば、PDSNは、BSがA10接続を確立することを要求し、BSは、MSとの新たなサービス・インスタンスの確立を開始する。
【0071】
スニフしているSIPメッセージは、IPパケットがSIPメッセージを搬送していること、そしてSIPメッセージから本質的な情報を取り出すことを、PDSNが認識することを必要とする。PDSNは、パケットの宛て先ポート番号を検査する。もし、5060に等しければ、搬送ペイロードは、SIPメッセージを搬送している。そこには多くのSIPメッセージ及びフィールドがあることに、注意する。PDSNは、SIP INVITE(要請)メッセージ及びSIP200OKメッセージに注意を払い、そして他のSIPメッセージを無視することを選択することができる。SIPは、様々なメッセージを規定することに、注意する。SIP INVITEメッセージは、ユーザ又はサービスがセッションに関与するようにこれから要請されることを指示する。SIP 200 OKメッセージは、要求が良好に行われたことを指示する。SIP INVITEメッセージ及びSIP 200 OKメッセージ内では、PDSNは、IPアドレス情報を伝える接続フィールド、ポート番号情報を伝える媒体フィールド、及びコーデック・タイプを伝える属性フィールド、に注意を払う。コーデック・タイプに基づいて、PDSNは、どのヘッダ圧縮タイプがパケット・フローにおいて使用されるべきかを決定する。例えば、コーデック・タイプがCDMAコーデック(例えば、ピュアボイス、EVRC、又はSMV)を指示するのであれば、リンク−レイヤ−アシスティッド・ロバスト・ヘッダ圧縮(Link-Layer-Assisted Robust Header Compression)(LLAROHC)が使用される;コーデック・タイプがCDMAコーデック以外のコーデックを指示するのであれば、ロバスト・ヘッダ圧縮(Robust Header Compression)(ROHC)が使用される。代わりのシステムは、複数のコーデック・タイプのいずれかをサポートすることができ、ここに与えられた具体的な詳細説明は、例として機能する。
【0072】
PDSNがヘッダ圧縮タイプを決定した後で、PDSNは、新たなA10接続が新たなパケット・フローに対して必要であるか否かを決定する。もし必要であるならば、PDSNは、BSがA10接続を確立することを要求し、そしてBSは、MSとの新たなサービス・インスタンスの確立を開始する。A10接続の良好な確立とともに、PDSNは、A10接続をスニフしているSIPメッセージから取得されたパケット・フィルタと、すなわち、SIP INVITEメッセージ及びSIP 200 OKメッセージの接続フィールド及び媒体フィールドと、関係付ける。
【0073】
図5は、パケット・フローを処理するために適応するMS500を図示する。MS500は、アンテナ510、受信機520、及び送信機530を含む。受信機520及び送信機530は、中央処理ユニット(CPU)540にそれぞれ接続される。CPU540及びメモリ550は、通信バス560にそれぞれ接続される。さらに、パケット・フロー設定ユニット570、パケット・フロー処理ユニット580、及びパケット・フロー決定ユニット590は、通信バス560にそれぞれ接続される。パケット・フロー決定ユニット590は、通信が双方向であるか又は一方向であるかどうかを決定する。パケット・フロー設定ユニット570は、コーデック・タイプ、ヘッダ圧縮のような、パケット・フローの詳細を決定する。パケット・フロー設定ユニット570及びパケット・フロー決定ユニット590は、図2及び図3に説明されたような、パケット・フローの送信のための初期アクセス及び設定に携わる。一旦、通信が確立されると、パケット・フロー処理ユニット580は、確立された特定のパラメータにしたがってパケット・フローを処理する。
【0074】
本発明は、差別化されたサービス・コード・ポイント(Differentiated Service Code Point)(DSCP)に依存せずにRSVPメッセージ中のパケット・フロー・パラメータを通信するためのフレキシブルな方法を提供し、DSCPは、IPヘッダ、プロトコル・タイプ、及び周知のポート番号のフィールドにおいて伝えられる。RSVPメッセージのようなメッセージの使用は、双方向及び一方向パケット・フローの両者に対して使用されることができる。
【0075】
パケット・フロー情報を提供するために既存のメッセージの使用は、効率的な無線リソース割り当て及び使用基準を実現する。1つの実施形態では、通信のための新たなベアラ接続、すなわち、新たなA10接続、は、RSVP予約が認可されるまで確立されない。これは、拒絶されたときにベアラ接続(すなわち、補助SO、A8/A10接続)の終了を必要とすることを回避する。
【0076】
代わりの実施形態では、追加のサービス・インスタンス設定が、図6に図示されたように始められることができる。図6のコール・フロー図は、MSが、主サービス・インスタンスが確立されると既にアクティブである場合に、追加のサービス・インスタンス設定手順を図示する。この手順は、以下の通りである:
点aにおいて、PDSNは、追加のサービス・インスタンスを確立することをように決定する;PDSNは、PCFへA11登録更新を送る。A11登録更新メッセージは、PDSNが適用されたヘッダ圧縮アルゴリズムを指示することを可能にする。PDSNは、登録更新メッセージに関連付けられたタイマー、タイマー“T‘regupd”と呼ばれる、をスタートする。
【0077】
点bにおいて、PCFは、追加のサービス・インスタンスを要求するためにBSへA9−BSサービス要求メッセージを送り、そしてタイマー“Tbsreq9”と呼ばれるタイマーをスタートする。ヘッダ圧縮アルゴリズムとサービス・オプションとの間のマッピングは、PCF又はBSにおいて実行されることができる。1つの実施形態にしたがえば、決定は、TSG−A(テクニカル・スペシフィケーション・グループ(Technical Specification Group))によってなされる。マッピングがPCFによって実行されるならば、既存のA9−BSサービス要求メッセージに変更が行われない。マッピングがBSにおいて実行されるならば、PCFは、A9−BSサービス要求メッセージにおいてBSに対して適用されたヘッダ圧縮アルゴリズムを指示する。例えば、マッピング・テーブルは、下記のように指定されることができる:
【表1】

【0078】
ステップcにおいて、BSは、MSCへ追加のサービス要求メッセージを送り、そして追加のサービス・インスタンスを再接続するためにタイマー“T303”と呼ばれるタイマーをスタートする。
【0079】
ステップdにおいて、MSCは、BSへ割当要求(Assignment Request)メッセージを送って、無線リソースの割当及びBSとPCFとの間のA8(例えば、ユーザ・トラフィック(User Traffic))接続を要求する。MSCは、その後、タイマー“T10”と呼ばれるタイマーをスタートさせる。MSCから割当要求メッセージを受信するとともに、BSは、タイマーT303を停止する。
【0080】
ステップeにおいて、BSは、A9−BSサービス応答を用いて応答する。PCFは、A9−BSサービス応答メッセージを受信するとともにタイマーTbsreq9を停止する。
【0081】
ステップfにおいて、BSから良好なA9−BSサービス応答メッセージを受信するとともに、PCFは、A11登録受領通知を用いて応答する。PDSNは、タイマーT‘regupdを停止する。
【0082】
ステップgにおいて、BSは、無線インターフェースのトラフィック・チャネルを介してコール割当メッセージを送ることができて、CCステート・マシーン(コール制御ステート・マシーン)の確立を開始する。
【0083】
ステップhにおいて、BSは、MSへ:i)サービス接続メッセージ;ii)通常ハンドオフ管理メッセージ;又はiii)普遍的なハンドオフ管理メッセージ、のうちの1つを送って、追加のサービス・オプション接続を呼び出す。
【0084】
ステップiにおいて、サービス取り決めは、MSとBSとの間で実行されることができる。ステップjにおいて、サービス取り決め手順の完了とともに、サービス接続完了メッセージを用いて応答する。
【0085】
ステップkにおいて、BSは、PCFへA9−設定−A8メッセージを送って、A9(例えば、シグナリング)接続を介して、追加のサービス・インスタンスのためにBSとPCFとの間のA8(すなわち、ユーザ・トラフィック)接続を確立する。BSは、その後、タイマー“TA8−Setup”と呼ばれるタイマーをスタートさせる。
【0086】
ステップlにおいて、PCFは、この移動体に関連付けられたA10接続があり、そして追加のA10接続がこれから設定される必要があることを認識する。PCFは、対応するPDSNへA11−登録要求メッセージを送る。PCFは、タイマー“T‘regreq”と呼ばれるタイマーをスタートさせる。
【0087】
ステップmにおいて、PDSNは、承諾指示を有するA11−登録回答メッセージを送り返すことによって接続を承諾する。
【0088】
ステップnにおいて、PCFは、A9−接続−A8メッセージを用いて応答して、このパケット・サービス要求に関するA8(例えば、ユーザ・トラフィック)接続の設定を完了する。PCFからのA9−接続−A8メッセージの受信とともに、BSは、タイマーTA8−Setupを停止する。
【0089】
ステップoにおいて、無線サービス接続及びA10接続が確立された後で、BSは、MSCへ割当完了メッセージを送る。MSCが割当要求メッセージを送る場合に、MSCは、その後、タイマーT10を停止する(ステップd参照)。
【0090】
PDSNが、システムによりサポートされているようなメッセージを使用することによって新たなA10接続の追加に関する要求を開始することができることに、注意する。PDSNは、PCFへA11−登録更新メッセージを送って、新たなA10接続の追加を要求する。PDSNは、‘新たな接続を追加(Add New Connection)’に設定されたメッセージ中のコード・フィールドを有するA11登録更新メッセージを送って、新たなA10接続をPCFが確立することを要求する。PDSNは、その後、A11−登録更新メッセージを送った後で、“T’regupd”と呼ばれる登録更新に関連付けられたタイマーをスタートさせる、そして、PCFからのA11−登録Ackメッセージを待つ。
【0091】
タイマーT’regupdが時間切れになるのであれば、PDSNは、設定可能な回数PCFへA11−登録更新メッセージを再送信することができる。PCFからの応答なしで設定可能な回数の再送信の後で、セッション確立手順は、失敗したとして考えられることができる、しかしながら、既存の(複数の)A10接続は、接続されたまま残る。
【0092】
要求されたオペレーションが、BS、PCF、及びMSCによって良好にサポートされることができるのであれば、PCFは、PDSNへA11−登録受領通知メッセージを送って、要求されたA10接続が承諾されたことを通知する。
【0093】
‘新たな接続を追加’に設定されたメッセージのコード・フィールドを有するA11−登録更新メッセージを受信するとともに、要求されたA10接続をPCFがサポートするのであれば、PCFは、BSへA9−BSサービス要求メッセージを送る。MSC及びBSが新たな接続をサポートするならば、PCFは、メッセージ中の状態フィールドを‘新たな接続が受諾された’に設定することによって指示する。メッセージの受信とともに、PDSNは、A11−登録更新メッセージが送られた時に、タイマーT‘regupdを停止するはずであり、A11−Ackが受信された時に停止する。
【0094】
‘新たな接続を追加’に設定されたメッセージのコード・フィールドを有するA11−登録更新メッセージの受信とともに、PCFが要求されたA10接続をサポートしないのであれば、又は要求された接続がBSから受信されたA9−BSサービス応答メッセージによって否定されるのであれば、PCFは、メッセージ中の状態フィールドを‘新たな接続が否定された’に設定することによって指示する。メッセージの受信とともに、PDSNは、タイマーT‘regupdを停止する。
【0095】
PDSNがPCFからA11−登録受領通知メッセージを受信することに失敗するならば、新たな確立が失敗したと考える前に、PDSNは、設定可能な回数A11−登録更新メッセージを再送信することができる。
【0096】
上に説明されたメッセージのそれぞれは、システムによって規定されたように任意の数のフィールド及びコードを含むことができる。例えば、3GPP2における設計のために提案されたように、A11−登録更新メッセージは、コードを含む。メッセージが、追加の接続を要求する又は既存の接続への更新を要求する場合に、コード情報エレメントが含まれる。コード・エレメントは、A11−登録要求メッセージの処理の結果を識別する。例えば、コード(十進法の)33は、“新たな接続追加”を指示する。
【0097】
同様に、A11−登録更新メッセージは、A11−登録更新メッセージの処理の結果を識別する関連付けられた状態エレメントを有する。例えば、状態(十進法の)149は、“新たな接続承諾”を指示し;状態(十進法の)150は、“新たな接続拒絶”を指示する。
【0098】
さらに、(十六進法の)0AHの通常ベンダ/オーガニゼーション特定拡張(Normal Vendor/Organization Specific Extension)(NVSE)−アプリケーション・タイプは、ヘッダ圧縮アルゴリズムを指示する。アプリケーション・サブタイプは、その後、特定のアルゴリズムを識別するために使用される。例えば、(十六進法の)01Hは、ロバスト・ヘッダ圧縮(ROHC)を識別し、一方で、(十六進法の)02Hは、リンク・レイヤが補助する(Link-Layer Assisted)ROHC(LLAROHC)を識別する。MNセッション・リファレンスIDフィールド(MN Session Reference ID field)は、移動体においてパケット・データ・サービス・インスタンスを一義的に識別するために使用される。MNセッション・リファレンスIDは、移動体からPCFへ渡される。アプリケーション・タイプ0AH(ヘッダ圧縮アルゴリズム)に関して、MNセッション・リファレンスIDフィールドは、オクテット11中のヘッダ圧縮アルゴリズムを含む。
【0099】
マルチ−チャネル・フロー処理プロトコル(Multi-Channel Flow Treatment Protocol)(MCFTP)は、新たなPPPプロトコル・タイプとして規定される。MCFTPは、パケット・フローと0バイト・ヘッダ圧縮に対するSR_ID、例えば、フローが基礎になるサービス・インスタンス接続にどのようにしてマッピングされるか、との間、MSとPDSNとの間、の結合に関する情報を搬送する。MCFTPは、ヘッダ削除モードがMSとPDSNとの間で使用されるならば、MSからPDSNへIR−スタティック情報を同様に搬送する。MCFTPの情報エレメントは、必要に応じてプロトコルの容易な拡張を可能にするタイプ、長さ、数値(TLV)原理に沿って設計される。
【0100】
何らかのMCFTPパケットが通信されることがあり得る前に、PPPは、ネットワーク−レイヤ・プロトコル・フェーズ(Network-Layer Protocol Phase)に到達する。MCFTPパケットは、図9に図示される。1より多くのMCFTPパケットが、PPP情報フィールド中にカプセル化されることができ、そこでは、プロトコル番号は、プロトコルx0289(MCFTP)を指示する。MCFTPは、3つの基本的なメッセージ・フォーマットを使用する:
・MCFTP−要求(オペレーション・コード=1)
・MCFTP−応答(オペレーション・コード=2)
・MCFTP−拒絶(オペレーション・コード=7)。
MCFTP−要求メッセージ・フォーマットは、1に等しいコードを用いて送られ、そして表1に示されたフィールドを含む。
【表2】

【0101】
MCFTP−応答メッセージは、MCFTP−要求メッセージが良好に受信され処理されたことに応答して送られる。これは、単純に中身が空である又は含まれたIR−スタティック情報のどちらか一方を有するMCFTPパケットである。MCFTP−応答メッセージ・フォーマットは、2に等しいコードを用いて送られ、そして表2に示されたフィールドを含む。
【表3】

【0102】
MCFTP−拒絶メッセージは、例えば、受信者が受信したオプション又はサブオプションを識別できなかった場合のような、処理できなかったMCFTP−要求メッセージに応答して送られる。MCFTP−拒絶パケット・フォーマットは、7に等しいコードを用いて送られ、そして表3に示されたフィールドを含む。
【表4】

【0103】
1つの実施形態にしたがえば、フロー・マッピングのための方法、単純化されたMCFTP方法は、局在化されたRSVP方法と統合される。具体的には、単純化されたMCFTPは、0バイト・ヘッダ圧縮NHPパケット中にコンテクトID(CID)がないために、SR_ID(サービス・リファレンス・アイデンティフィケーション(Service Reference Identification))とIPフローとの間の結合を確立するための0バイト・ヘッダ圧縮に対して使用されるだけである。単純化されたMCFTPは、SR_ID結合及び0バイト・ヘッダ圧縮削除モードに関するIR−スタティックのような、リンク・レイヤ・パラメータをMCFTPが含むので、UDPの代わりにPPPを介してランする。局在化されたRSVPは、移動体ノードへMCFTP要求を送るPDSNをトリガするために使用される。この方法は、標準の局在化されたRSVPメッセージ及びオブジェクトを使用する。既存のRSVPオブジェクトは、PDSNに関する十分な情報を伝えて、コーデック特性、それゆえ、どのヘッダ圧縮方法がパケット・フローにおいて使用されるべきか、を決定する。3GPP2−固有のRSVPオブジェクトは、要求されない。PDSNは、しかも、新たなA10接続がIPフローを搬送するために必要であるか否かを決定する。必要であれば、PDSNは、RNがA10接続を確立することを要求し、そして、RNは、MSと新たなサービス・インスタンスの確立を開始し、そしてサービス取り決めが、MSとRNとの間で実行されることができる。新たなサービス・インスタンスが確立された後で、PDSNは、PPPを介してMCFTPを送って、IPフローとSR_IDとの間を結合することを指示する。ヘッダ削除モードが使用されるならば、MSは、PPPを介してMCFTPを使用することによって、PDSNへIR−スタティック・パラメータを送る。
【0104】
図7は、PDSN及びMSが、対応するノード(CN)によってこれから発生されるパケット・フローに関するフロー処理法及びマッピングを、どのように決定するかを図示する。
【0105】
1.移動体は、主サービス・インスタンス(すなわち、イネーブルにされたRLP再送信を有するSO33)を確立する。移動体は、無線を介して信頼性のある搬送を提供する主サービス・インスタンスを介してSIPメッセージ及びRSVPメッセージを後で送る。移動体は、PDSNとのPPPセッションを確立する。移動体は、PPP IPCPフェーズの間にPDSNへ自身のヘッダ圧縮可能出力(例えば、ROHC、LLAROHC、VJHC)を指示する。
【0106】
2.PDSNは、移動体のネットワーク・アクセス・アイデンティファイア(Network Access Identifier)(NAI)及び信用証明書(credential)を含んでいるAAAへアクセス要求を送る。信用証明書は、(単純IPが使用されるのであれば)CHAP、又は(モービルIPが使用されるのであれば)FAチャレンジに応答して移動体によって算出される認証手段(authenticator)である。
【0107】
3.移動体が良好に認証されるならば、AAAは、ユーザ申込みプロファイルを含んでいるアクセス承諾(Access Accept)を送る。
【0108】
4.PDSNは、RNへユーザ申込みプロファイルを転送することができる。この時に、PDSNは、以下のように主サービス・インスタンスに関するパケット・フィルタを確立できる。全ての着信IPパケットは、宛て先IPアドレスが符合するのであれば、GREトンネル(A10接続)xに符合する。
【表5】

【0109】
記号“*”は、ワイルド・マッチ(wild match)を示すことに、注意する。
【0110】
5.後のいずれかの時点で、移動体とCNは、SIPシグナリングを交換する。
【0111】
6.SIPシグナリング(例えば、183セッション・プログレス(Session Progress))によりトリガされると、移動体は、PDSNへPATH要求メッセージを送って、送信者(すなわち、CN)の代わりにRSVP予約設定を開始するためにローカルRSVPプロクシを合図する。PATH要求メッセージは、PDSNへ宛てられる。移動体は、IPCPの間にPDSNのIPアドレスを見つける。設定されたLI(局在化されたアイデンティフィケーション(Localized Identification))フラッグを有するPath要求メッセージは、メッセージ・タイプ・フィールドを除いて標準のPathメッセージと同じである。Path要求メッセージは、セッション・オブジェクト、予期される送信者を規定する送信者テンプレート、及び移動体ユーザの希望又は着信トラフィック特性の最善の推定値に基づいた又は搬送に先立つアプリケーション・レベル・セッション・シグナリング(例えば、SIP)に基づいたトラフィック仕様(TSpec)、を含む。
【0112】
7.PDSN,又はローカルRSVPプロクシ、がPath要求メッセージを受信する場合に、PDSNは、メッセージがアクセス・ネットワーク内に留まることを意味することを検出する。メッセージ・タイプは、プロクシがダウンストリーム・フローに関するRSVP予約を開始するはずであり、そしてPathメッセージ中のフィールドを埋めるためにメッセージ中の情報を使用すべきであることを、指示する。それゆえ、PDSNは、設定されたLIフラッグを有する移動体ノードへPathメッセージを送る。セッション・オブジェクト及び送信者テンプレートが当初は“後方”に設定されたので、プロクシは、これらのエントリーを直接そのままPathメッセージにコピーできる。
【0113】
8.移動体ノードは、設定されたLIフラッグを有するRESVメッセージを用いて応答する。
【0114】
9.RSVP RESVメッセージを受信するとともに、PDSNは、PDSNローディングとローカル・ポリシ、移動体到着可能性、及びユーザのIP申込みプロファイルに基づいて認可を実行する。認可されたならば、PDSNは、フロースペック及びフィルタ・スペックに基づいてフロー処理法及びマッピングを決定する。
【0115】
PDSNは、フロースペックを使用して、どのヘッダ圧縮方法がパケット・フローに使用されるべきかを決定する。フロースペックは、予約スペック(Rspec)及びトラフィックスペック(Tspec)を含む。Rspecは、サービス・レートを記述する、そしてTspecは、トークン・バケット・パラメータ(バケット・レート、ピーク・レート、バケット深さ、最大パケット・サイズ)を記述して、CNが発生しようとするトラフィックを特徴付ける。Rspec及びTspecは一緒に、音声フレームを20ms毎に出力するCDMA音声コーデック(13−kbps ピュアボイス、8−kbps EVRC、8−kbps SMV、又は4−kbps SMV)を特徴付けることができる。代わりのコーデックが同じRspec及びTspec記述を有することができることに、注意する。例えば、コーデックXは、サービス・レート8kbps、20−ms一定パケット間インターバル、及び171ビット足すヘッダ・オーバーヘッドの最大パケット・サイズとして、特徴付けられ、これは、EVRC特性と同じである。0−バイト・ヘッダ圧縮は、それがあたかもEVRCであったかのように、コーデックXを搬送するパケット・フローに適用されることができる。コーデックXの低レート・フレーム・サイズがEVRCのものと異なることがあるとはいえ、各低レート・フレームは、詰め込まれ、そしてCDMA物理レイヤ・フレーム(全体、1/2,1/4,又は1/8)に適合させられることが可能である。
【0116】
PDSNは、フロースペック中のパラメータ値に基づいてCDMA音声コーデックを認識するように構成される。符合するのであれば、そしてMSがLLAROHCの能力があるならば、PDSNは、RNが新たなA10接続を確立することを要求し、そしてRNは、MSとのSO61を確立する。符合しないのであれば、PDSNは、IPフローがCDMA音声コーデック以外のリアル・タイム・コーデックを搬送すると、結論を下す;この場合には、MSがROHCの能力があり、現在、補助のデータ・サービス・オプションSO33を有するのであれば、PDSNは、RNが新たなA10接続を確立することを要求し、RNは、MSとの補助SO33(ディスエーブルにされたRLP再送信)を確立する。
【0117】
PDSNは、フロー・マッピングのためにフィルタ・スペックを使用する。フィルタ・スペックは、CNよって生成されるはずのパケット・フローのソース・アドレス及びポート番号を伝える。PDSNが新たなA10接続を要求するならば、PDSNは、新たな接続をフィルタ・スペックに記述されたパケット・フローと関連付ける。
【0118】
10.新たなA10接続がパケット・フローに対して望まれるとPDSNが決定するのであれば、PDSNは、RNへA11登録更新(RUP)メッセージを送って、新たなA10接続を要求する。メッセージは、MSとの適切なSOを確立するようにRNをトリガする指示を伝える。メッセージは、しかも、SO確立の際に必要とされるはずのQoSパラメータも伝えることができる。
【0119】
11.RNがPDSNによって要求された新たなA10接続をサポートできるのであれば、RNは、A11登録受領通知(RACK)メッセージを用いて応答する。
【0120】
12.RNは、コール割当メッセージを介してMSへA11シグナリング・メッセージにおいて指定されたSOを接続しようと試みる。
【0121】
13.RNと移動体は、サービス取り決めを実行して、SOについて合意する。この例では、MSは、ヘッダ削除モードを指定しているSO62を要求する。
【0122】
14.RNは、SR_IDを割り当てて、SO62を接続する。表5は、RN確立を示す。
【表6】

【0123】
15.RNは、A11RRQを送って、新たなA10接続を確立する。A11RRQメッセージにおいて、RNは、しかも、SR_ID及び無線を介して接続されるサービス・オプションも指示する。
【0124】
16.PDSNは、A11 RRPを用いて応答する。新たなA10接続の良好な確立とともに、PDSNは、新たに確立されたA10接続をRSVPメッセージのフィルタ・スペックから取得された順方向パケット・フィルタと関連付ける。この時点で、PDSNは、主サービス・インスタンス及び補助サービス・インスタンスの両者に対してパケット・フィルタを確立することができる。この場合には、PDSNは、最初に補助サービス・インスタンスにパケット・フィルタを適用するはずである。
【表7】

【0125】
17.PDSNは、SR_IDとIPフローの結合を指示しているMSへPPP(主サービス・インスタンス)を介してMCFTP要求を送る。
【0126】
18.SO62(LLAROHCヘッダ削除モード)がこの例では使用されているので、MSは、SR−スタティック情報を指示しているPDSNへMCFTP応答を送る。
【0127】
19.IPパケットは、アプリケーションとCNとの間で流れ始めることができる。
【0128】
ROHCに関するフロー・マッピング及び処理法のコール・フローは、LLAROHCと同様である。違いは、コンテクストID(CID)が各ROHCパケットに含まれており、その結果、受信側がCIDを介してIPフローを区別できるので、MCFTPが必要ないことである。
【0129】
図8は、ROHCに関する対応するノード(CN)によって生成されようとしているパケット・フローに関するフロー処理法及びマッピングを、PDSN及びMSが、どのようにして決定するかを説明する。始めのステップ1からステップ9は、図7に示されたものと同様であることに、注意する。以下の説明は、図8のステップ10から始まる。
【0130】
10.新たなA10接続がパケット・フローに対して必要であることをPDSNが決定するのであれば、PDSNは、RNへA11登録更新(RUP)メッセージ送って、新たなA10接続を要求する。このメッセージは、MSと適切なSOを確立するためにRNをトリガする指示を伝える。メッセージは、しかも、SO確立の際に必要であり得る、サービスの品質(QoS)パラメータも伝えることができる。
【0131】
11.RNがPDSNによって要求された新たなA10接続をサポートできるのであれば、RNは、A11登録受領通知(RACK)メッセージを用いて応答する。
【0132】
12.RNは、コール割当メッセージを介してMSへSO33を接続しようと試みる。
【0133】
13.RNは、SR_IDを割り当てて、移動体へSO33を接続する。
【表8】

【0134】
14.RNは、A11RRQを送って、新たなA10接続を確立する。このメッセージにおいて、RNは、同様に、SR_ID及び無線を介して接続されるサービス・オプションも指示する。
【0135】
15.PDSNは、A11 RRPを用いて応答する。新たなA10接続の良好な確立とともに、PDSNは、新たに確立されたA10接続をRSVPメッセージのフィルタ・スペックから取得された順方向パケット・フィルタと関連付ける。この時点で、PDSNは、主サービス・インスタンス及び補助サービス・インスタンスの両者に対してパケット・フィルタを確立することができる。この場合には、PDSNは、最初に補助サービス・インスタンスにパケット・フィルタを適用するはずである。
【表9】

【0136】
16.MS及びPDSNの両者は、副SO3を介してIR(開始及びリフレッシュ)パケットを送る。
【0137】
17.IPパケットは、アプリケーションとCNとの間を流れることができる。
【0138】
LLA−ROHCに関して、MCFTPは、いくつかの利点を与える。PDSNは、パケット・フィルタ及びSR_IDの結合をMSへ伝えるためにMCFTPを使用する。MCFTPに対するニーズは、下記のTE−MT(端末装置−移動体端末)の例に説明される。何らかの理由で、TE(例えば、ラップトップ)は、それぞれがEVRCを使用している、2つのIPを介した音声(VoIP)セッションを同時に確立することを望むことがある。MT(例えば、ネットワーク−モデル・ハンドセット)は、両方のVoIPフローに関するパケット・フィルタ情報を含むRSVPメッセージをスニフできるけれども、PDSNが結合についてMTに通知するためにMCFTPを使用しない限りは、MTは、パケット・フィルタとSR_IDとの間の結合を知らない。注:この例では、EVRCを使用する両方のVoIPセッションに関するRSVPパラメータは、MTには全く同じに見えるはずである。
【0139】
ヘッダ削除モードの場合には、MSは、PDSNへ“全ヘッダ”情報を伝えるためにMCFTPを使用する必要がある。LLA−ROHCは、リンク・レイヤが補助するヘッダ圧縮であることに、注意する。付け加えると、ヘッダ削除モードは、3GPP2に固有のモードである;それゆえ、オペレーションを補助するために3GPP2に固有なリンク・プロトコル(単純化されたMCFTP)を生成することは問題ではない。
【0140】
ROHCに関して、TEが2つのリアル・タイム・セッションを同時に確立することを望む場合でさえ、MCFTPは必要ない。例えば、0−バイト・ヘッダ圧縮の利点を利用することができない非−CDMAコーデックを使用することである。RSVPパラメータに基づいて、RSVPメッセージをスニフするMTは、2つのリアル・タイム・セッションが同様の無線QoSを必要とするか否かを知るはずである。この例は、下記の2つの場合をさらに考慮する:
1.セッションが同様な無線QoSを必要とするのであれば、1つの副SO33だけが、両方のフローに対して必要であり、そしてMTは、副SO33に対応する同じSR_IDにフローのパケット・フィルタをマッピングすることが可能である。RSVPパラメータに基づいて、ネットワーク側は、PDSNがトリガする際にRANが両方のフローに対して1つの副SO33を確立することに帰結する同じ結論を下すはずである。ROHCの初期化の間に、MTは、PDSNへ(副SO33を介して)ROHC IRパケットを送り、そして各フローに関するヘッダ圧縮状態は、CIDによって識別される。
【0141】
2.セッションが異なる無線QoSを必要とする(例えば、一方はRLP再送信を必要とせず、一方が1に等しい最大再送信を用いるRLP再送信を必要とする)のであれば、2つの副SO33が必要である。MTは、RSVPパラメータに基づいて、どのIPフローがどの副SO33に送られるべきであるかを知る;そのようにして、MTは、パケット・フィルタとSR_IDとの間の結合を知る。ROHC初期化の間に、MTは、適切な副SO33において各リアル・タイム・セッションに関するROHC IRパケットを送り、そして、IRパケットは、対応するA10接続においてPDSNによって受信される。IRパケットは、パケット・フィルタ情報を適切なA10接続と結合するためにPDSNにとって十分なパケット・フィルタ情報を有する。
【0142】
(UDPデータグラムの代わりに)PPPフレームは、MCFTPに対して推奨され、レイヤリング原理に基づく。MCFTPの使用は、下記を伝える:i)パケット・フィルタとSR_IDとの間の結合;及びii)LLA−ROHCヘッダ削除モードが使用される場合に、“全ヘッダ”情報。MCFTPがリンク・レイヤに関係する情報を伝えるために使用されるので、MCFTPは、リンク・レイヤ(例えば、PPP)において搬送されるはずである。MCFTPを搬送するためにUDPを使用することは、率直に言って、“レイヤ違反”であり、厳密に言って推奨されない。ここに説明される方法は、既存のRSVPパラメータ(フロースペック及びフィルタ・スペック)を頼りにして、PDSNにおいてパケット・フィルタを確立する。EVRCコーデックに関するトークン・バケット・パラメータを設定する一例が、下記に列記される:
・ バケット深さ=1(ソースは一定のビット・レートである)
・ ピーク・レート=(176ビット/全レート・フレーム)*(50全レート・フレーム/秒)+(320IPオーバーヘッド・ビット/フレーム)*(50フレーム/秒)=24.8kbps
・ 最大パケット・サイズ=176ビット+320オーバーヘッド・ビット=496ビット
既存のRSVPパラメータは、PDSNにおいてパケット・フィルタを確立するために十分である。ここに説明された方法は、レイヤリング違反がなく非常にクリーンである。さらに標準RSVPオブジェクト及び動作様式が、いずれかの3GPP2−固有のRSVPオブジェクトを必要とせずに、使用される。単純化されたMCFTPは、リンク・レイヤが補助する0バイト・ヘッダ圧縮に限定されるだけである。この単純化されたMCFTPは、MS及びPDSNの両者にとって実行することが容易である。本方法がSOの確立を開始するため及び移動体とネットワークとの間のサービス構成を取り決めるためにネットワークを信頼するので、本方法は、ラップトップと移動体端末との間に特別なアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)を必要としない。MCFTPモジュールとLLAROHCモジュールとの間のインターフェースが、TFT(トラフィック・フロー・テンプレート)及びSR_IDの情報を伝える必要があるとはいえ、移動体端末によって全体として制御されることができる。
【0143】
この分野に知識のある者は、情報及び信号が、各種の異なる技術及び技法いずれかを使用して表されることを、理解するはずである。例えば、上記の説明全体を通して参照されることができる、データ、指示、命令、情報、信号、ビット、シンボル、及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁場又は磁力粒子、光場又は光粒子、又はこれらの任意の組み合わせによって表わされることができる。
【0144】
この分野に知識のある者は、ここに開示された実施形態に関連して説明された各種の例示的な論理ブロック、モジュール、回路、及びアルゴリズムのステップが、電子ハードウェア、コンピュータ・ソフトウェア、又は両者の組み合わせとして実装され得ることを、さらに認識するはずである。ハードウェア及びソフトウェアのこの互換性をはっきりと説明するために、各種の例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、及びステップが、それらの機能性の面から一般的にこれまでに説明されてきた。そのような機能性が、ハードウェア又はソフトウェアとして実装されるか否かは、固有のアプリケーション及びシステム全体に課せられた設計の制約に依存する。熟練した職人は、各々の固有のアプリケーションに対して違ったやり方で説明された機能性を実行することができるが、そのような実行の決定は、本発明の範囲から逸脱すること生ずるとして説明されるべきでない。
【0145】
ここに開示された実施形態に関連して述べられた、各種の解説的な論理ブロック、モジュール、及び回路は、汎用プロセッサ、ディジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)、アプリケーション・スペシフィック集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)又は他のプログラマブル・ロジック・デバイス、ディスクリート・ゲート又はトランジスタ・ロジック、ディスクリート・ハードウェア・コンポーネント、又はここに説明した機能を実行するために設計されたこれらの任意の組み合わせで、実装又は実行されることができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであり得るが、代案では、プロセッサは、いずれかの従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステート・マシン(state machine)であり得る。プロセッサは、演算デバイスの組み合わせとして実装されることができる。例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサの組み合わせ、DSPコアと結合した1又はそれより多くのマイクロプロセッサ、又はいずれかの他のそのような構成であり得る。
【0146】
ここに開示された実施形態に関連して説明された方法又はアルゴリズムのステップは、ハードウェアにおいて直接に、プロセッサにより実行されるソフトウェア・モジュールにおいて、又は、両者の組み合わせにおいて実現されることができる。ソフトウェア・モジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハード・ディスク、脱着可能なディスク、CD−ROM、又は、この分野で知られている他のいずれかの記憶媒体の中に存在することができる。ある具体例の記憶媒体は、プロセッサに接続され、プロセッサは、記憶媒体から情報を読み出し、そこに情報を書き込めるようにする。代案では、記憶媒体は、プロセッサに集積されることができる。プロセッサ及び記憶媒体は、ASIC中に存在することができる。ASICは、ユーザ端末中に存在することができる。代案では、プロセッサ及び記憶媒体は、ユーザ端末中の個別コンポーネントとして存在することができる。
【0147】
開示された実施形態のこれまでの説明は、本技術分野に知識のあるいかなる者でも、本発明を作成し、使用することを可能にすることを提供する。これらの実施形態に対する各種の変形は、本技術分野に知識のある者に、容易に実現されるであろう。そして、ここで規定された一般的な原理は、本発明の精神又は範囲から逸脱しないで他の実施形態にも適用されることができる。それゆえ、本発明は、ここに示された実施形態に制限されることを意図したものではなく、ここに開示した原理及び新規な特性と整合する広い範囲に適用されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信システムにおいて複数のパケット・フローを処理するための方法、前記方法は:
要求されたパケット・フローに関する少なくとも1のパケット・フロー・パラメータを決定すること;及び
予約メッセージを介して前記通信システムにおけるインフラストラクチャ・エレメントに前記少なくとも1のパケット・フロー・パラメータを提供すること、を具備し、前記予約メッセージは複数のパケット・フローのフロー処理法を指示するためである、
方法。
【請求項2】
前記少なくとも1のパケット・フロー・パラメータは、ヘッダ圧縮情報である、請求項1の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1のパケット・フロー・パラメータは、コーデック情報である、請求項1の方法。
【請求項4】
前記予約メッセージは、リソース予約プロトコル・メッセージである、請求項1の方法。
【請求項5】
前記パケット・フローは、関連付けられたサービスの品質要求を有する、そしてここで、前記パケット・フローは、前記サービスの品質要求に基づいてリンクにマッピングされる、請求項1の方法。
【請求項6】
通信システムにおいて複数のパケット・フローを処理するための方法、前記方法は:
パケット・フローに関する送信者と受信者との間のベアラ接続を確立すること;
前記送信者から前記パケット・フローの少なくとも1のパケット・フロー・パラメータを受信すること;及び
前記受信者へ前記少なくとも1のパケット・フロー・パラメータを提供すること、
を具備する方法。
【請求項7】
前記送信者は、遠隔ユーザであり、そして前記受信者は、インターネットノードである、請求項6の方法。
【請求項8】
前記パケット・フローを処理する新たなリンクを確立すること、
をさらに具備する、請求項6の方法。
【請求項9】
通信システムにおいて複数のパケット・フローを処理するための装置、前記装置は:
要求されたパケット・フローに関する少なくとも1のパケット・フロー・パラメータを決定するための手段;及び
予約メッセージを介して通信システムのインフラストラクチャ・エレメントに前記少なくとも1のパケット・フロー・パラメータを提供するための手段、前記予約メッセージは、
を具備する装置。
【請求項10】
通信システムにおいてパケット・フローを処理する装置、前記装置は:
パケット・フローに関する送信者と受信者との間のベアラ接続を確立するための手段;
前記送信者から前記パケット・フローの少なくとも1のパケット・フロー・パラメータを受信するための手段;及び
前記受信者へ前記少なくとも1のパケット・フロー・パラメータを提供するための手段、
を具備する装置。
【請求項11】
複数のパケット・フローを処理するための制御プロセッサ;及び
前記制御プロセッサに接続されたパケット・フロー決定ユニット、前記パケット・フロー決定ユニットは前記パケット・フローの少なくとも1のパケット・フロー・パラメータを決定することに適応する、
を具備する遠隔局装置。
【請求項12】
前記制御プロセッサに接続されたパケット・フロー設定ユニット、前記パケット・フロー設定ユニットは、予約メッセージ中の前記少なくとも1のパケット・フロー・パラメータを提供することに適応する。
をさらに具備する、請求項11の遠隔局。
【請求項13】
前記制御プロセッサに接続されたパケット・フロー処理ユニット、をさらに具備し、前記パケット・フロー処理ユニットは、前記少なくとも1のパケット・フロー・パラメータにしたがって前記パケット・フローを処理するためである、
請求項12の遠隔局。
【請求項14】
前記少なくとも1のパケット・フロー・パラメータは、ヘッダ圧縮情報である、請求項13の遠隔局。
【請求項15】
前記少なくとも1のパケット・フロー・パラメータは、コーデック情報である、請求項13の遠隔局。
【請求項16】
前記予約メッセージは、リソース予約プロトコル・メッセージである、請求項11の遠隔局。
【請求項17】
通信システムにおいて複数のパケット・フローを処理するための方法、前記方法は:
送信者と受信者との間のベアラ接続を確立すること、前記ベアラ接続はインターネット・プロトコル通信をサポートする;
パケット・フロー・パラメータ情報に関する前記ベアラ接続上の送信をモニタすること;
パケット・フローに関するパケット・フロー・パラメータ情報を検出すること;及び
パケット・フロー・パラメータ情報を検出することに応じて、前記受信者へ前記パケット・フロー・パラメータ情報を提供すること、
を具備する方法。
【請求項18】
前記ベアラ接続は、セッション・イニシエーション・プロトコルを使用して確立される、請求項17の方法。
【請求項19】
前記パケット・フロー・パラメータ情報に基づいて前記パケット・フローのフロー処理法を決定すること、
をさらに具備する、請求項17の方法。
【請求項20】
前記パケット・フロー・パラメータ情報は、前記ベアラ接続を介して送信された要請メッセージに含まれる、請求項17の方法。
【請求項21】
通信システムにおいて複数のパケット・フローを処理するための方法を具体化したコンピュータ読み取り可能な媒体、前記方法は:
送信者と受信者との間のベアラ接続を確立すること、前記ベアラ接続はインターネット・プロトコル通信をサポートする;
パケット・フロー・パラメータ情報に関する前記ベアラ接続上の送信をモニタすること;
パケット・フローに関するパケット・フロー・パラメータ情報を検出すること;及び
パケット・フロー・パラメータ情報を検出することに応じて、前記受信者へ前記パケット・フロー・パラメータ情報を提供すること、
を具備する方法である、コンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項22】
前記パケット・フロー・パラメータ情報に基づいてフロー処理法を決定すること;及び
前記パケット・フローに関連付けられたサービスの品質に基づいてフロー・マッピングを決定すること、
のためにさらに適応する、請求項21のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項23】
無線通信システムにおいて追加のサービス・インスタンスを提供するための方法、前記方法は:
移動局に関する複数のサービス・オプションのための要求を受信すること;
パケット・データ・サービス・ノードにおいて前記追加のサービス・インスタンスの確立に対するニーズを決定すること;
ヘッダ圧縮アルゴリズムを識別するパケット制御機能ノードへ登録更新メッセージを送ること;及び
登録の確認を受信すること、
を具備する方法。
【請求項24】
前記登録更新メッセージに関する第1のタイマーを開始すること;及び
前記第1のタイマーの時間切れで所定の回数前記登録更新メッセージを再び送ること、
をさらに具備する、請求項23の方法。
【請求項25】
無線通信デバイスにおいて追加のサービス・インスタンスを受信するための方法、前記方法は:
第1のサービス・オプションを確立すること;
前記第1のサービス・オプションと同時に第2のサービス・オプションを要求すること;
第2のサービス・オプション接続を識別するメッセージを受信すること;
前記第2のサービス・オプション接続を確立すること;及び
前記第1及び第2のサービス・オプション接続を介して通信すること、
を具備する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−157024(P2012−157024A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−49426(P2012−49426)
【出願日】平成24年3月6日(2012.3.6)
【分割の表示】特願2009−244346(P2009−244346)の分割
【原出願日】平成15年6月10日(2003.6.10)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】