説明

通信システム

【課題】静止状態にある多数のアイテムを迅速に管理することが可能な通信システムを提供する。
【解決手段】全てのセレクタタグ3をパーソナルコンピュータ6からアクセスして、全てのセレクタタグ3の識別情報からそれぞれのアイテム識別子を取得し、各アイテム識別子のいずれかを選択して、この選択したアイテム識別子を持つ各IDタグ2をパーソナルコンピュータ6からアクセスし、これらのIDタグ2のアイテム個品番号を取得することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の無線識別装置との間で情報を送受する通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のシステムは、商品などのアイテムを展示する店や保管する倉庫等で利用されるものであり、例えば図13に示すように複数のアイテム801に添付されたそれぞれのタグ(無線識別装置)802と、各タグ802との間で無線通信を行うためのアンテナ803及びリーダライタ804と、リーダライタ804を通じて、各タグ802との間で情報を送受するパーソナルコンピュータ805とを備えている。パーソナルコンピュータ805は、リーダライタ804を介して、各タグ802との間で情報を送受することにより、各アイテム801の情報をそれぞれのタグ802から収集したり、各アイテム801の情報をそれぞれのタグ802に書き込むことができ、各アイテム801の一括管理を支援する。
【0003】
ここで、各タグ802には、第1及び第2フィールドからなる識別情報がそれぞれ割り当てられており、第1フィールドにアイテムの種類等を示すアイテム識別子が書き込まれ、第2フィールドにそのアイテム固有のアイテム個品番号が書き込まれる。例えば、アイテム識別子は、「A01」、「B02」、…等であり、またアイテム個品番号は、「001」、「010」…等である。
【0004】
パーソナルコンピュータ805は、アイテム識別子を指示して、このアイテム識別子が割り当てられたタグ802だけを選択し、この選択したタグ802との間での情報通信を行うことができる。また、該当するタグ802が複数ある場合は、各タグ802との間での情報通信を順次行うことができる。
【0005】
また、特許文献1には、リーダの通信エリアを通過するタグから情報を逐次読取り、一定時間内に情報の読取りが行われた複数のタグを1つのグループに属するものとして管理するという技術が開示されている。
【特許文献1】特開2004−258913号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図13の従来のシステムでは、多数のアイテムのうちから誤って混入した不明なものを見つけ出すには、全てのアイテムのタグとの間で情報通信を行わねばならず、通信時間並びに処理時間が長くなった。例えば、「F06」、「G07」、及び「H08」のアイテム識別子が不明である場合は、全てのアイテムのタグとの間で情報通信を行って、全てのタグのアイテム識別子を収集し、この後に全てのタグのアイテム識別子から「F06」、「G07」、及び「H08」のアイテム識別子を見つけ出すという手順を踏まねばならず、通信時間並びに処理時間が長くなった。
【0007】
また、特許文献1では、複数のタグを1つのグループに属するものとして管理しているので、多数のタグをグループ分けして管理することができ、タグの迅速な管理が可能になると考えられる。ところが、ここでは、リーダの通信エリアを通過するタグを対象としているので、アイテムを静止した状態で展示する店や保管する倉庫等には適用することができない。
【0008】
そこで、本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、静止状態にある多数のアイテムを迅速に管理することが可能な通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の通信システムは、情報の無線通信が可能な複数の無線識別装置と、各無線識別装置との間で無線通信を行うリーダライタと、リーダライタを介して、各無線識別装置との間で情報を送受する制御手段とを備える通信システムにおいて、前記各無線識別装置は、それぞれの識別情報を割り当てられて記憶した複数のID無線識別装置と、各ID無線識別装置の識別情報を記憶したセレクタ無線識別装置とを含み、前記制御手段は、前記リーダライタを介して、前記セレクタ無線識別装置から前記各ID無線識別装置の識別情報を取得し、この取得した各ID無線識別装置の識別情報を用いて、各ID無線識別装置を選択的にアクセスしている。
【0010】
また、前記セレクタ無線識別装置は、セレクタ無線識別装置の識別情報と、各ID無線識別装置の識別情報とを記憶し、前記制御手段は、前記リーダライタを介して、前記セレクタ無線識別装置の識別情報を持つセレクタ無線識別装置をアクセスして、セレクタ無線識別装置から各ID無線識別装置の識別情報を取得している。
【0011】
更に、前記制御手段は、ID無線識別装置の識別情報を指定し、指定した識別情報を割り当てられたID無線識別装置を選択する第1モード、及び指定した識別情報を割り当てられていないID無線識別装置を選択する第2モードのいずれかによりID無線識別装置を選択している。
【0012】
また、前記制御手段は、セレクタ無線識別装置の識別情報を指定し、指定した識別情報を割り当てられたセレクタ無線識別装置を選択する第1モード、及び指定した識別情報を割り当てられていないセレクタ無線識別装置を選択する第2モードのいずれかによりセレクタ無線識別装置を選択している。
【0013】
更に、複数のID無線識別装置を複数のグループに分けて、それぞれのグループにセレクタ無線識別装置を割り当て、セレクタ無線識別装置別に、セレクタ無線識別装置のグループに属する各ID無線識別装置の識別情報を記憶している。
【発明の効果】
【0014】
このような本発明の通信システムによれば、全てのID無線識別装置をアクセスしなくても、セレクタ無線識別装置にアクセスすれば、このセレクタ無線識別装置から各ID無線識別装置の識別情報を取得することができ、各ID無線識別装置の識別情報を用いて、任意のID無線識別装置へのアクセスが可能となる。このため、各ID無線識別装置に対する選択的なアクセスを効率的に行うことができる。
【0015】
また、セレクタ無線識別装置にも識別情報を記憶させているので、複数のセレクタ無線識別装置があっても、任意のセレクタ無線識別装置へのアクセスが可能となり、任意のセレクタ無線識別装置から各ID無線識別装置の識別情報を取得することができる。すなわち、セレクタ無線識別装置別に、各ID無線識別装置の識別情報の取得、及び各ID無線識別装置に対する選択的なアクセスを行うことができる。
【0016】
更に、ID無線識別装置、セレクタ無線識別装置のいずれについても、指定した識別情報を割り当てられた無線識別装置を選択する第1モード、及び指定した識別情報を割り当てられていない無線識別装置を選択する第2モードのいずれかにより無線識別装置を選択しているので、無線識別装置のアクセスをより効率的に行うことができる。
【0017】
また、複数のID無線識別装置を複数のグループに分けて、それぞれのグループにセレクタ無線識別装置を割り当て、セレクタ無線識別装置別に、セレクタ無線識別装置のグループに属する各ID無線識別装置の識別情報を記憶しているので、多数のID無線識別装置を系統的に管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の通信システムの実施形態を詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の通信システムの実施形態1を示すブロック図である。本実施形態の通信システム1は、商品などのアイテムを展示する店や保管する倉庫等で利用されるものであり、複数のID無線識別装置(以下IDタグと称す)2と、複数のセレクタ無線識別装置(以下セレクタタグと称す)3と、アンテナ4により送受される電波信号を通信媒体として、各IDタグ2及び各セレクタタグ3との間で情報を相互通信するリーダライタ5と、アンテナ4及びリーダライタ5を介して、各IDタグ2及び各セレクタタグ3に対して情報を書き込んだり読み出したりするパーソナルコンピュータ6とを備えている。
【0020】
各IDタグ2は、商品などのそれぞれのアイテム8に添付されている。また、各セレクタタグ3は、複数のIDタグ2からなるそれぞれのグループに1つずつ割り当てられたものであり、リーダライタ5との間で情報を相互通信することが可能なエリアに配置されている。従って、各IDタグ2をグループ分けし、それぞれのグループにセレクタタグ3を1つずつ割り当てていることになる。
【0021】
リーダライタ5は、無線通信を開始するときに、アンテナ4から電波信号を送信し、IDタグ2もしくはセレクタタグ3からの応答を待つ。IDタグ2及びセレクタタグ3のいずれも、一般的なバッテリーレスのパッシブ型のものであり、リーダライタ5からの電波信号を受信すると、この受信電波信号の電力により動作状態となって、アンテナインピーダンスの制御により電波信号を送信することができる。そして、リーダライタ5とタグ間の規定の通信プロトコルに従って、リーダライタ5が複数のタグとの間で順次情報通信を行う。
【0022】
尚、IDタグ2及びセレクタタグ3は、パッシブ型のものに限らず、電池を搭載したアクティブ型のものでも構わない。
【0023】
ここで、各IDタグ2及び各セレクタタグ3には、それぞれの識別情報が付与されている。いずれの識別情報も第1及び第2フィールドからなる。
【0024】
図2(a)に示すようにIDタグ2の識別情報11は、アイテムの種類を示すアイテム識別子が書き込まれる第1フィールド11aと、アイテム固有のアイテム個品番号が書き込まれる第2フィールド11bとからなる。例えば、第1フィールド11aには、アイテムの種類を示すアイテム識別子として「A01」、「B02」、「C03」、「D04」、「E05」、「F06」、「G07」、「H08」等が書き込まれ、また第2フィールド11bには、アイテム固有のアイテム個品番号として「001」、「002」、「003」、…等が書き込まれる。
【0025】
また、図2(b)に示すようにセレクタタグ3の識別情報12は、セレクタタグであることを示すセレクタ識別子が書き込まれる第1フィールド12aと、セレクタタグのグループに属するアイテムの種類を示すアイテム識別子が書き込まれる第2フィールド12bとからなる。例えば、第1フィールド12aには、セレクタタグ識別子として「XXX」が書き込まれ、また第2フィールド12bには、セレクタタグのグループに属するアイテムの種類を示すアイテム識別子「A01」、「B02」、「C03」、「D04」、「E05」等が書き込まれる。
【0026】
図1においては、5種類のアイテム識別子「A01」〜「E05」別に、10組のアイテム8並びにIDタグ2が設けられている。そして、アイテム識別子「A01」の10個のIDタグ2には、それぞれの識別情報「A01−001」〜「A01−010」が付与されて書き込まれている。また、アイテム識別子「B02」の10個のIDタグ2には、それぞれの識別情報「B02−001」〜「B02−010」が付与されて書き込まれている。同様に、他のアイテム識別子「C03」、「D04」、「E05」のいずれについても、10個のIDタグ2にそれぞれの識別情報が付与されて書き込まれている。
【0027】
また、5種類のアイテム識別子「A01」〜「E05」別に、セレクタタグ3が1個ずつ設けられており、これらのセレクタタグ3に、それぞれの識別情報「XXX−A01」、「XXX−B02」、「XXX−C03」、「XXX−D04」、「XXX−E05」が書き込まれている。
【0028】
このようにIDタグ2の識別情報の第1フィールド及びセレクタタグ3の識別情報の第2フィールドにはアイテム識別子が書き込まれており、IDタグ2の第1フィールドのアイテム識別子がセレクタタグ3の第2フィールドのアイテム識別子に一致するときに、IDタグ2がセレクタタグ3のグループに属する。例えば、各識別情報「A01−001」〜「A01−010」が付与された10個のIDタグ2は、識別情報「XXX−A01」が付与されたセレクタタグ3のグループに属する。また、各識別情報「B02−001」〜「B02−010」が付与された10個のIDタグ2は、識別情報「XXX−B02」が付与されたセレクタタグ3のグループに属する。
【0029】
すなわち、IDタグ2には、その識別情報として第1フィールドのアイテム識別子と第2フィールドのアイテム個品番号が書き込まれ、またセレクタタグ3には、その識別情報として第1フィールドのセレクタタグ3の識別子と第2フィールドのアイテム識別子が書き込まれている。そして、IDタグ2のアイテム識別子がセレクタタグ3のアイテム識別子と同一であるときに、このIDタグ2がセレクタタグ3のグループに属する。
【0030】
このような構成の通信システム1においては、全てのセレクタタグ3をパーソナルコンピュータ6からアクセスして、全てのセレクタタグ3の識別情報からそれぞれのアイテム識別子を取得し、各アイテム識別子のいずれかを選択して、この選択したアイテム識別子を持つ各IDタグ2をパーソナルコンピュータ6からアクセスし、これらのIDタグ2のアイテム個品番号を取得することができる。
【0031】
例えば、全てのセレクタタグ3のアイテム識別子を取得して、これらのアイテム識別子から「A01」を選択し、このアイテム識別子「A01」を持つセレクタタグ3のグループに属する10個のIDタグ2、つまりアイテム識別子「A01」を持つ10個のIDタグ2をアクセスして、これらのIDタグ2のアイテム個品番号「001」〜「010」を取得することができる。
【0032】
全てのセレクタタグ3の識別情報のアイテム識別子を取得するには、パーソナルコンピュータ6側で、IDタグ2及びセレクタタグ3のいずれを選択するかを示すフィルタ条件「WHERE」と、第1及び第2フィールドのいずれを読取るかを示す読取り対象「READ」を設定して、これらのフィルタ条件と読取り対象を含むコマンドをリーダライタ5を通じて全てのタグ2、3へと送信する。ここでは、セレクタタグ3を選択して、第2フィールドのアイテム識別子を読取ることから、「READ FIELD2 WHERE FIELD1=“XXX”」というコマンド、つまり第1フィールドにセレクタタグ識別子が書き込まれているセレクタタグ3を選択し(第1モード)、この選択したセレクタタグ3の第2フィールドを読取るというコマンドをパーソナルコンピュータ6で生成して、このコマンドをリーダライタ5を介して全てのタグ2、3へと送信する。全てのタグ2、3は、このコマンドを受信すると、自己の識別情報の第1フィールドにセレクタタグ識別子が書き込まれているか否かを判定し、セレクタタグ識別子が書き込まれていれば、自己の識別情報の第2フィールドを読取り、この読取った内容、つまりアイテム識別子をリーダライタ5に送信し、またセレクタタグ識別子が書き込まれていなければ、このコマンドに応答しない。これにより、各セレクタタグ3が応答して、各セレクタタグ3からそれぞれのアイテム識別子「A01」〜「E05」がリーダライタ5に送信されることになり、パーソナルコンピュータ6が各セレクタタグ3のアイテム識別子「A01」〜「E05」を取得することができる。パーソナルコンピュータ6では、図3(a)に示すように各セレクタタグ3のアイテム識別子「A01」〜「E05」を表示デバイスの画面に表示する。
【0033】
引き続いて、表示デバイスの画面上で、例えばアイテム識別子「A01」を選択し、このアイテム識別子「A01」を持つ各IDタグ2をパーソナルコンピュータ6からアクセスして、これらのIDタグ2のアイテム個品番号「001」〜「010」を取得する。このためには、「READ FIELD2 WHERE FIELD1=“A01”」というコマンド、つまり第1フィールドにアイテム識別子「A01」が書き込まれているIDタグ2を選択し、この選択したIDタグ2の第2フィールドを読取るというコマンドをパーソナルコンピュータ6で生成して、このコマンドをリーダライタ5から全てのタグ2、3へと送信する。全てのタグ2、3は、このコマンドを受信すると、自己の識別情報の第1フィールドにアイテム識別子「A01」が書き込まれているか否かを判定し、アイテム識別子「A01」が書き込まれていれば、自己の識別情報の第2フィールドを読取り、この読取った内容、つまりアイテム個品番号をリーダライタ5に送信し、またアイテム識別子「A01」が書き込まれていなければ、このコマンドに応答しない。これにより、アイテム識別子「A01」を持つ10個のIDタグ2が応答して、これらのIDタグ2からそれぞれのアイテム個品番号「001」〜「010」がリーダライタ5に送信されることになり、パーソナルコンピュータ6がそれらのアイテム個品番号「001」〜「010」を取得することができる。パーソナルコンピュータ6では、図3(b)に示すようにアイテム識別子「A01」を持つ10個のIDタグ2のアイテム個品番号「001」〜「010」を表示デバイスの画面に表示する。
【0034】
次に、図4のフローチャートを参照しつつ、全てのセレクタタグ3のアイテム識別子を取得し、いずれかのアイテム識別子を持つ各IDタグ2のアイテム個品番号を取得するための処理手順を整理して説明する。
【0035】
まず、パーソナルコンピュータ6では、全てのセレクタタグ3の識別情報のアイテム識別子を取得するために、「READ FIELD2 WHERE FIELD1=“XXX”」というコマンド、つまり第1フィールドにセレクタタグ識別子が書き込まれているセレクタタグ3を選択し、この選択したセレクタタグ3の第2フィールドを読取るというコマンドを生成して、このコマンドをリーダライタ5を介して送信する(ステップS101)。
【0036】
これに応答して各セレクタタグ3からはそれぞれのアイテム識別子「A01」〜「E05」が送信され、これらのアイテム識別子「A01」〜「E05」がリーダライタ5で受信されて、パーソナルコンピュータ6に入力される。
【0037】
パーソナルコンピュータ6では、各セレクタタグ3の識別情報のアイテム識別子「A01」〜「E05」を入力すると、これらのアイテム識別子「A01」〜「E05」をメモリに記憶し、これらの「A01」〜「E05」を表示デバイスの画面に表示する(ステップS102)。この状態で、キーボードやマウス等の操作により、画面上で、例えばアイテム識別子「A01」が選択されて指示されると(ステップS103)、「READ FIELD2 WHERE FIELD1=“A01”」というコマンド、つまり第1フィールドにアイテム識別子「A01」が書き込まれているIDタグ2を選択し、この選択したIDタグ2の第2フィールドを読取るというコマンドを生成して、このコマンドをリーダライタ5を介して送信する。
【0038】
このとき、アイテム識別子「A01」を持つ10個のIDタグ2が応答して、これらのIDタグ2からそれぞれのアイテム個品番号「001」〜「010」がリーダライタ5に送信され、パーソナルコンピュータ6がそれらのアイテム個品番号「001」〜「010」を取得する(ステップS104)。そして、パーソナルコンピュータ6では、アイテム識別子「A01」を持つ10個のIDタグ2のアイテム個品番号「001」〜「010」をメモリに記憶し(ステップS105)、これらのIDタグ2のアイテム個品番号「001」〜「010」を表示デバイスの画面に表示する(ステップS106)。
【0039】
パーソナルコンピュータ6では、アイテム識別子「A01」を持つ各IDタグ2のアイテム個品番号「001」〜「010」を表示した状態で、アイテム識別子「A01」とアイテム個品番号が指示されて、少なくとも1つのIDタグ2が特定されると、リーダライタ5を通じて、そのIDタグ2に対する情報の読み出しや書き込みを行う。
【0040】
また、この通信システム1においては、全てのセレクタタグ3をパーソナルコンピュータ6からアクセスして、全てのセレクタタグ3の識別情報を取得し、これらの識別情報のアイテム識別子を用いて、誤って混入したアイテムのIDタグ2の識別情報をパーソナルコンピュータ6側に取得することができる。
【0041】
例えば、図1において、それぞれの識別情報「F06−001」、「G01−001」、及び「H01−001」が書き込まれた各IDタグ2は、5個のセレクタタグ3のグループのいずれにも属さず、誤って混入したアイテムのものであるとする。この場合も、まず全てのセレクタタグ3の識別情報のアイテム識別子を取得するために、「READ FIELD2 WHERE FIELD1=“XXX”」というコマンドをパーソナルコンピュータ6で生成して、このコマンドをリーダライタ5を介して各セレクタタグ3へと送信する。これにより、各セレクタタグ3からそれぞれのアイテム識別子「A01」〜「E05」がリーダライタ5に送信され、パーソナルコンピュータ6が各セレクタタグ3のアイテム識別子「A01」〜「E05」を取得し、各セレクタタグ3のアイテム識別子「A01」〜「E05」を表示デバイスの画面に表示する。
【0042】
引き続いて、5個のセレクタタグ3のグループのいずれにも属さないIDタグ2の識別情報を取得することから、「READ FIELD1 FIELD2 WHERE FIELD1!=“A01” AND FIELD1!=“B02” AND FIELD1!=“C03” AND FIELD1!=“D04” AND FIELD1!=“E05”」というコマンド、つまり第1フィールドにアイテム識別子「A01」〜「E05」のいずれも書き込まれていないIDタグ2を選択し(第2モード)、この選択したIDタグ2の第1及び第2フィールドを読取るというコマンドをパーソナルコンピュータ6で生成して、このコマンドをリーダライタ5から各IDタグ2へと送信する。各IDタグ2は、このコマンドを受信すると、自己の識別情報の第1フィールドに各アイテム識別子「A01」〜「E05」のいずれかが書き込まれているか否かを判定し、各アイテム識別子「A01」〜「E05」のいずれかが書き込まれていれば、このコマンドに応答せず、また各アイテム識別子「A01」〜「E05」のいずれも書き込まれていなければ、自己の識別情報の第1及び第2フィールドを読取り、この読取った内容、つまりアイテム識別子及びアイテム個品番号をリーダライタ5に送信する。これにより、それぞれの識別情報「F06−001」、「G01−001」、及び「H01−001」を持つ各IDタグ2が応答して、これらのIDタグ2からそれぞれのアイテム識別子及びアイテム個品番号「F06−001」、「G01−001」、及び「H01−001」がリーダライタ5に送信されることになり、パーソナルコンピュータ6がそれらの識別情報を取得して、図5に示すように各識別情報が表示デバイスの画面に表示される。
【0043】
次に、図6のフローチャートを参照しつつ、全てのセレクタタグ3のアイテム識別子を取得し、これらの識別情報のアイテム識別子を用いて、誤って混入したアイテムのIDタグ2の識別情報を取得するための処理手順を整理して説明する。
【0044】
まず、パーソナルコンピュータ6では、全てのセレクタタグ3の識別情報のアイテム識別子を取得するために、「READ FIELD2 WHERE FIELD1=“XXX”」というコマンドを生成して、このコマンドをリーダライタ5を介して送信する(ステップS201)。
【0045】
これに応答して各セレクタタグ3からはそれぞれのアイテム識別子「A01」〜「E05」が送信され、これらのアイテム識別子「A01」〜「E05」がリーダライタ5で受信されて、パーソナルコンピュータ6に入力される。
【0046】
パーソナルコンピュータ6では、各セレクタタグ3の識別情報のアイテム識別子「A01」〜「E05」をメモリに記憶し、これらのアイテム識別子「A01」〜「E05」を表示デバイスの画面に表示する(ステップS202)。この状態で、キーボードやマウス等の操作により、画面上で、例えば各アイテム識別子「A01」〜「E05」のいずれをも非選択にして指示すると、「READ FIELD1 FIELD2 WHERE FIELD1!=“A01” AND FIELD1!=“B02” AND FIELD1!=“C03” AND FIELD1!=“D04” AND FIELD1!=“E05”」というコマンド、つまり第1フィールドにアイテム識別子「A01」〜「E05」のいずれも書き込まれていないIDタグ2を選択し、この選択したIDタグ2の第1及び第2フィールドを読取るというコマンドを生成して、このコマンドをリーダライタ5から全てのタグ2、3へと送信する。
【0047】
このとき、各アイテム識別子「A01」〜「E05」のいずれも持たない各IDタグ2、すなわちそれぞれの識別情報「F06−001」、「G01−001」、及び「H01−001」を持つ各IDタグ2が応答して、これらのIDタグ2からそれぞれのアイテム識別子及びアイテム個品番号「F06−001」、「G01−001」、及び「H01−001」がリーダライタ5に送信され、パーソナルコンピュータ6がそれらの識別情報を取得する(ステップS203)。そして、パーソナルコンピュータ6では、各識別情報「F06−001」、「G01−001」、及び「H01−001」をメモリに記憶して画面に表示する(ステップS204、S205)。
【0048】
パーソナルコンピュータ6では、誤って混入した各アイテムの識別情報「F06−001」、「G01−001」、及び「H01−001」を表示した状態で、更にいずれかの識別情報が指示されて、少なくとも1つのIDタグ2が特定されると、リーダライタ5を通じて、そのIDタグ2に対する情報の読み出しや書き込みを行う。
【0049】
このように本実施形態の通信システム1では、各セレクタタグ3をアクセスして、各セレクタタグ3のアイテム識別子を取得し、任意のアイテム識別子を持つ各IDタグ2をアクセスし、これらのIDタグ2のアイテム個品番号を取得しているので、全てのIDタグ2をアクセスする必要がなく、任意のIDタグ2を効率的にアクセスすることができる。また、各セレクタタグ3のアイテム識別子を非選択にして、IDタグ2を選定すれば、誤って混入したアイテムのIDタグ2の識別情報を容易に取得することができ、全てのIDタグ2をアクセスする必要がなく、通信時間並びに処理時間が短くなる。
【0050】
図7は、本発明の通信システムの実施形態2を示すブロック図である。本実施形態の通信システム21は、商品などのアイテムを展示する店や保管する倉庫等で利用されるものであり、複数のID無線識別装置(以下IDタグと称す)22と、複数のセレクタ無線識別装置(以下セレクタタグと称す)23と、アンテナ24と、リーダライタ25と、コントローラ26と、表示部27と、入力操作部28とを備えている。
【0051】
コントローラ26は、例えばパーソナルコンピュータ本体であり、CPU等からなる制御部26aと、プログラムを記憶したプログラム記憶部26bと、各種の情報を記憶する情報記憶部26cと、リーダライタ25に対してコマンドやデータ等を入出力する送受信部26dとを備えている。
【0052】
制御部26aは、プログラム記憶部26bからプログラムを読み出して実行したり、データ記憶部26cに対するデータの書き込み及び読み出しを行いつつ、各IDタグ22及び各セレクタタグ23に対する情報の書き込み及び読み出しの処理を行う。
【0053】
また、制御部26aは、送受信部26d、リーダライタ25、及びアンテナ24を介して電波信号を送受し、電波信号を通信媒体として各IDタグ22及び各セレクタタグ23との間で情報を相互通信し、各IDタグ22及び各セレクタタグ23に対して情報を書き込んだり読み出したりする。
【0054】
各IDタグ22は、商品などのそれぞれのアイテム(図示せず)に添付されている。また、各セレクタタグ23は、複数のIDタグ22からなるそれぞれのグループに1つずつ割り当てられたものであり、リーダライタ25との間で情報を相互通信することが可能なエリアに配置されている。
【0055】
IDタグ22及びセレクタタグ23は、一般的なアクティブ型のものであり、CPU等からなる制御部22a、23aと、アンテナ22b、23bと、アンテナ22b、23bを通じて、電波信号を送受する送受信部22c、23cと、各種の情報を記憶する情報記憶部22d、23dとを備えている。また、IDタグ22には、各種の情報を表示する表示部22eが設けられている。
【0056】
IDタグ22及びセレクタタグ23は、リーダライタ25との間で規定の通信プロトコルに従って、順次情報通信を行うことができる。
【0057】
尚、IDタグ22及びセレクタタグ23は、パッシブ型のものでも構わない。
【0058】
各IDタグ22の記憶部22d及び各セレクタタグ23の記憶部23dには、それぞれの識別情報31、32が記憶されている。いずれの識別情報も第1及び第2フィールドからなる。
【0059】
IDタグ22の識別情報31は、タグ識別子及びアイテムの種類を示すアイテム識別子が書き込まれる第1フィールド31aと、アイテム固有のアイテム個品番号が書き込まれる第2フィールド31bとからなる。例えば、第1フィールド31aには、タグ識別子「XXXX」及びアイテム識別子「A01」、「B02」、「C03」、…のいずれかが書き込まれ、また第2フィールド31bには、アイテム個品番号「001」、「002」、「003」、…のいずれかが書き込まれる。
【0060】
更に、IDタグ22の記憶部22dには、識別情報31だけではなく、アイテム詳細情報31cも書き込まれている。アイテム詳細情報31cは、IDタグ22が添付されたアイテムの詳細を示すものであり、商品名(アイテム名)、保管場所、価格、サイズ等を示すものである。
【0061】
また、セレクタタグ23の識別情報32は、タグ識別子及びアイテム識別子が書き込まれる第1フィールド32aと、セレクタタグ23のグループに属する各IDタグ22のアイテム個品番号が書き込まれる第2フィールド32bとからなる。例えば、第1フィールド32aには、タグ識別子「XXXX」及びアイテム識別子「A01」、「B02」、「C03」、…のいずれかが書き込まれ、また第2フィールド32bには、セレクタタグのグループに属する各IDタグ22のアイテム個品番号「001」、「002」、「003」、…等が書き込まれる。
【0062】
図8に示すように5種類のアイテム識別子「A01」〜「E05」別に、10組のアイテム(図示せず)並びにIDタグ22が設けられている。そして、アイテム識別子「A01」の10個のIDタグ22には、「XXXX−A01」が付与されると共に、「001」、「002」、「003」、…のいずれかが付与されて、これらが識別情報の第1及び第2フィールドとして記憶部22d(図7に示す)に書き込まれている。また、アイテム識別子「B02」の10個のIDタグ2には、「XXXX−B02」が付与されると共に、「001」、「002」、「003」、…のいずれかが付与されて、これらが識別情報の第1及び第2フィールドとして記憶部22dに書き込まれている。同様に、他のアイテム識別子「C03」、「D04」、「E05」いずれについても、10個のIDタグ22にそれぞれの識別情報が付与されて書き込まれている。
【0063】
更に、IDタグ22毎に、IDタグ22が添付されたアイテムの詳細を示すアイテム詳細情報31cが書き込まれている。
【0064】
また、5種類のアイテム識別子「A01」〜「E05」別に、セレクタタグ23が1個ずつ設けられており、これらのセレクタタグ23には、「XXXX−A01」、「XXXX−B02」、「XXXX−C03」、「XXXX−D04」、「XXXX−E05」のいずれかが付与されると共に、セレクタタグのグループに属する各IDタグ22のアイテム個品番号が付与されて、これらが識別情報の第1及び第2フィールドとして記憶部23d(図7に示す)に書き込まれている。
【0065】
このようにIDタグ22の識別情報の第1フィールド及びセレクタタグ23の識別情報の第1フィールドにはアイテム識別子が書き込まれており、IDタグ22のアイテム識別子がセレクタタグ23のアイテム識別子に一致するときに、IDタグ22がセレクタタグ23のグループに属する。例えば、識別情報の第1フィールドが「XXXX−A01」である10個のIDタグ22は、識別情報の第1フィールドが「XXXX−A01」であるセレクタタグ23のグループに属する。また、識別情報の第1フィールドが「XXXX−B02」である10個のIDタグ22は、識別情報の第1フィールドが「XXXX−B02」であるセレクタタグ23のグループに属する。
【0066】
このような構成の通信システム21においては、全てのセレクタタグ23をコントローラ26からアクセスして、全てのセレクタタグ23の識別情報からそれぞれのアイテム識別子を取得し、各アイテム識別子のいずれかを選択して、この選択したアイテム識別子を持つセレクタタグ23をアクセスし、このセレクタタグ23から該セレクタタグ23のグループに属する各IDタグ22のアイテム個品番号を取得し、更に該各IDタグ22を選択的にアクセスすることができる。
【0067】
次に、セレクタタグ23を選択し、この選択したセレクタタグ23のグループに属する各IDタグ22のアイテム個品番号を取得したり、各IDタグ22を選択的にアクセスするための処理手順を、コントローラ26、セレクタタグ23、及びIDタグ22別に、図9、図10、及び図11のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0068】
まず、図9フローチャートに従ってコントローラ26側の処理手順を説明する。
【0069】
利用者は、入力部28を操作して、IDタグ22へのアクセス、及びセレクタタグ23の第2フィールドの更新のいずれかを選択することができる。ここでは、IDタグ22へのアクセスを選択する。
【0070】
コントローラ26において、制御部26aは、そのような利用者による選択を待機しており(ステップS301、S302)、IDタグ22へのアクセスが選択されると(ステップS301で「Yes」)、全てのセレクタタグ3の第1フィールドを取得するためのコマンドをプログラム記憶部26bから読み出し(ステップS303)、このコマンドを送受信部26dを介してリーダライタ25に出力し、このコマンドをリーダライタ25からアンテナ24を介して送信する(ステップS304)。
【0071】
このコマンドは、セレクタタグ23だけを選択するためのものであって、第1フィールドのタグ識別子「XXXX」を含んでいる。このため、全てのセレクタタグ23は、このコマンドに応答して、それぞれの第1フィールドのタグ識別子及びアイテム識別子「XXXX−A01」、「XXXX−B02」、…を送信する。また、全てのIDタグ22は、このコマンドに応答しない。このとき、各セレクタタグ23は、リーダライタ25とタグ間の規定の通信プロトコルに従って、それぞれの第1フィールドを順次送信する。
【0072】
これらのセレクタタグ23の第1フィールドは、アンテナ24を介してリーダライタ25で順次受信され、送受信部26dを介して制御部26aに逐次入力される(ステップS305)。制御部26aは、セレクタタグ23の第1フィールドを入力する度に、第1フィールドを記憶部26cに記憶する(ステップS306)。このとき、制御部26aは、セレクタタグ23の第1フィールドを入力する度に、計時時間をリセットして、計時を開始し、この計時時間が予め設定された所定時間に達したか否かを判定しており(ステップS307)、所定時間を経過するまで(ステップS307で「No」)、ステップS306を繰り返し、所定時間を経過すると(ステップS307で「Yes」)、次のステップS308に移る。これは、全てのセレクタタグ23の応答が順次行われ、それらの応答間隔が所定時間以上長くならないことから、所定時間が経過しても、いずれのセレクタタグ23からも応答が無ければ、全てのセレクタタグ23の応答が終了したとみなすことができるためである。
【0073】
引き続いて、制御部26aは、全てのセレクタタグ23の第1フィールドのアイテム識別子「A01」、「B02」、…からそれぞれのカテゴリ「A」、「B」、…を抽出し、これらのカテゴリ「A」、「B」、…を全てのセレクタタグ23の第1フィールドに対応付けて記憶部26cに記憶する。
【0074】
これにより、記憶部26cには、図7に示すように全てのセレクタタグ23の第1フィールド及びカテゴリが記憶される。このカテゴリは、アイテム識別子と同様にアイテムの種類を示すものであり、利用者によるアイテムの種類の認識を容易するために用いられる。
【0075】
こうして制御部26aは、全てのセレクタタグ23の第1フィールド及びカテゴリを取得すると、全てのセレクタタグ23の第1フィールド及びカテゴリを表示部27の画面に一覧表示する(ステップS308)。
【0076】
この状態で、利用者は、表示部27の画面上で全てのセレクタタグ23の第1フィールド及びカテゴリを見ながら、入力部28を操作して、任意のセレクタタグ23の第1フィールド及びカテゴリを指示する。引き続いて、利用者は、入力部28を操作して、セレクタタグ23の選択か非選択のいずれかを指示する。ここで、セレクタタグ23の選択とは、指示された任意のセレクタタグ23を選択することであり(第1モード)、またセレクタタグ23の非選択とは、指示された任意のセレクタタグ23以外の他の全てセレクタタグ23を選択することである(第2モード)。
【0077】
制御部26aは、そのような利用者による指示を待機しており(ステップS309)、任意のセレクタタグ23の第1フィールド及びカテゴリが指示され(ステップS309で「Yes」)、引き続いてセレクタタグ23の選択か非選択のいずれかが指示されると(ステップS310)、各ステップS311、S312のいずれかに移行する。
【0078】
ここで、セレクタタグ23の選択が指示されたとすると(ステップS310で「選択」)、制御部26aは、ステップS309で指示された第1フィールドを持つセレクタタグ23の第2フィールドを取得するためのコマンドを送受信部26d、リーダライタ25、及びアンテナ24を介して送信する(ステップS311)。この場合は、指示された第1フィールドを持つセレクタタグ23だけが、このコマンドに応答して、自己の第2フィールドを送信する(ステップS313)。例えば、ステップS309で第1フィールド「XXXX−A01」が指示されると、第1フィールド「XXXX−A01」を持つセレクタタグ23だけが応答して自己の第2フィールドを送信する。また、他のセレクタタグ23は、第1フィールド「XXXX−A01」を持たないことから応答しない。
【0079】
また、セレクタタグ23の非選択が指示されたとすると(ステップS311で「非選択」)、制御部26aは、ステップS309で指示された第1フィールドを持つセレクタタグ23以外の他の全てのセレクタタグ23の第2フィールドを取得するためのコマンドを送受信部26d、リーダライタ25、及びアンテナ24を介して送信する(ステップS312)。この場合は、指示された第1フィールドを持つセレクタタグ23以外の他の全てのセレクタタグ23が、このコマンドに応答して、自己の第2フィールドを送信する(ステップS313)。例えば、ステップS309で第1フィールド「XXXX−A01」、「XXXX−B02」が指示されると、第1フィールド「XXXX−A01」、「XXXX−B02」を持つセレクタタグ23が応答せず、第1フィールド「XXXX−C03」、「XXXX−D04」、「XXXX−E05」を持つ他の全てのセレクタタグ23が応答する。
【0080】
このようなセレクタタグ23の選択及び非選択を利用することにより、多数のセレクタタグ23のうちの任意のものをより効率的に選択することが可能になる。
【0081】
こうして少なくとも1つのセレクタタグ23が応答すると、この応答したセレクタタグ23の第2フィールドが、アンテナ24、リーダライタ25、及び送受信部26dを介して制御部26aに入力される。このとき、制御部26aは、セレクタタグ23の応答を待機しており(ステップS313)、該当するセレクタタグ23からの応答があって、このセレクタタグ23の第2フィールドを入力すると(ステップS313で「Yes」)、この第2フィールドを記憶部26cに記憶し(ステップS314)、この第2フィールドを表示部27の画面に表示する(ステップS315)。
【0082】
これにより、記憶部26cには、図7に示すようにステップS309で指示された第1フィールドを持つセレクタタグ23の第2フィールドが記憶され、この第2フィールドが表示部27の画面に一覧表示される。例えば、ステップS309で第1フィールド「XXXX−A01」が指示されたならば、第1フィールド「XXXX−A01」を持つセレクタタグ23の第2フィールドが記憶されて一覧表示される。このセレクタタグ23の第2フィールドの内容は、該セレクタタグ23のグループに属する各IDタグ22のアイテム個品番号「001」、「002」、「003」、…等である。
【0083】
この状態で、利用者は、表示部27の画面を見ながら、入力部28を操作して、画面上でセレクタタグ23の第2フィールドを選択し、更に第2フィールドに含まれる各IDタグ22のアイテム詳細情報の取得、すなわち該セレクタタグ23のグループに属する各IDタグ22のアイテム個品番号の取得を指示する。
【0084】
制御部26aは、そのような利用者による選択を待機しており(ステップS316)、第2フィールドが選択されて、第2フィールドに含まれる各IDタグ22のアイテム詳細情報の取得が指示されると(ステップS316で「Yes」)、該各IDタグ22のアイテム詳細情報を取得するためのコマンドを送受信部26d、リーダライタ25、及びアンテナ24を介して送信する(ステップS317)。
【0085】
このコマンドは、IDタグ22だけを選択するためのものであって、第1フィールドのタグ識別子及びアイテム識別子と第2フィールドのアイテム個品番号を含んでいる。このため、これらの第1フィールドと第2フィールドを持つ全てのIDタグ22が応答してそれぞれのアイテム詳細情報を送信する。例えば、ステップS316で第1フィールド「XXXX−A01」及び第2フィールド「001」〜「010」が指示されると、第1フィールド「XXXX−A01」及び第2フィールド「001」〜「010」を持つ10個のIDタグ22が応答してそれぞれの第2フィールドのアイテム個品番号及びアイテム詳細情報を送信する。
【0086】
こうして少なくとも1つのIDタグ22が応答すると、この応答したIDタグ22のアイテム個品番号及びアイテム詳細情報が、アンテナ24、リーダライタ25、及び送受信部26dを介して制御部26aに入力される。制御部26aは、IDタグ22の応答を待機しており(ステップS318)、該当するIDタグ22からの応答があって、このIDタグ22のアイテム個品番号及びアイテム詳細情報を入力すると(ステップS318で「Yes」)、このIDタグ22のアイテム個品番号及びアイテム詳細情報を記憶部26cに記憶し(ステップS319)、このアイテム詳細情報を表示部27の画面に表示する(ステップS320)。
【0087】
これにより、記憶部26cには、図7に示すようにステップS316で指示されたIDタグ22のアイテム個品番号及びアイテム詳細情報が記憶され、このアイテム個品番号及びアイテム詳細情報が表示部27の画面に一覧表示される。例えば、ステップS316で第1フィールド「XXXX−A01」及び第2フィールド「001」〜「010」が指示されたならば、第1フィールド「XXXX−A01」及び第2フィールド「001」〜「010」を持つ10個のIDタグ22のアイテム情報が記憶され表示される。
【0088】
次に、図10のフローチャートに従って、図9のコントローラ26側の処理手順に対応するセレクタタグ23側の処理手順を説明する。
【0089】
セレクタタグ23の制御部23aは、図9のステップS304でコントローラ26側から送信されたコマンドを受信すると、このコマンドがセレクタタグ23だけを選択するためのものであって、かつタグ識別子「XXXX」を含んでいるか否かを判定し(ステップS401)、それらに該当するコマンドであることから(ステップS401で「Yes」)、自己の第1フィールドのタグ識別子及びアイテム識別子を送信する(ステップS402)。
【0090】
この後、セレクタタグ23の制御部23aは、図9のステップS311又はS312でコントローラ26側から送信されたコマンドの受信を待機し(ステップS403)、このコマンドを受信すると(ステップS403で「Yes」)、このコマンドがセレクタタグ23だけを選択するためのものであることを確認してから、このコマンドの種類を判定する(ステップS404)。ここでは、図9のステップS311で送信された選択のコマンドか、又は図9のステップS312で送信された非選択のコマンドである。例えば、選択のコマンドであるとすると(ステップS404で「選択」)、制御部23aは、このコマンドが自己の第1フィールドのタグ識別子及びアイテム識別子を含んでいるか否かを判定する(ステップS405)。そして、自己の第1フィールドのタグ識別子及びアイテム識別子を含んでいるならば(ステップS405で「Yes」)、ステップS407の応答処理に移行し、また自己の第1フィールドのタグ識別子及びアイテム識別子を含んでいないならば(ステップS405で「No」)、このコマンドに応答しない。これにより、コマンドに含まれている第1フィールドのタグ識別子及びアイテム識別子が自己のもの一致するセレクタタグ23だけが応答することになる。
【0091】
また、非選択のコマンドであるとすると(ステップS404で「非選択」)、制御部23aは、このコマンドが自己の第1フィールドのタグ識別子及びアイテム識別子を含んでいるか否かを判定する(ステップS406)。そして、自己の第1フィールドのタグ識別子及びアイテム識別子を含んでいるならば(ステップS406で「Yes」)、このコマンドに応答せず、また自己の第1フィールドのタグ識別子及びアイテム識別子を含んでいないならば(ステップS406で「No」)、ステップS407の応答処理に移行する。これにより、コマンドに含まれている第1フィールドのタグ識別子及びアイテム識別子が自己のもの一致しないセレクタタグ23だけが応答することになる。
【0092】
制御部23aは、ステップS303で受信したコマンドに応答することになると、自己のセレクタタグ23の第2フィールドの内容、すなわち該セレクタタグ23のグループに属する各IDタグ22のアイテム個品番号「001」、「002」、「003」、…等を送信する(ステップS407)。
【0093】
尚、セレクタタグ23の制御部23aは、図9のステップS317でコントローラ26側から送信されたコマンドを受信しても、このコマンドがIDタグ22だけを選択するためのものであることから(ステップS401で「No」)、このコマンドに応答することはない。
【0094】
次に、図11のフローチャートに従って、図9のコントローラ26側の処理手順に対応するIDタグ22側の処理手順を説明する。
【0095】
IDタグ22の制御部22aは、図9のステップS317でコントローラ26側から送信されたコマンドを受信すると、このコマンドに含まれている第1フィールドのタグ識別子及びアイテム識別子を自己の識別情報の第1フィールド全体と比較して、両者が一致すると判定し(ステップS501で「Yes」)、自己の第2フィールドのアイテム個品番号及びアイテム詳細情報を送信する(ステップS502)。
【0096】
尚、IDタグ22の制御部22aは、図9のステップS304、S311、S312でコントローラ26側から送信されたコマンドを受信しても、このコマンドがセレクタタグ23だけを選択するためのものであることから(ステップS501で「No」)、このコマンドに応答することはない。
【0097】
このような図9、図10、及び図11の処理手順においては、セレクタタグ23を選択し、この選択したセレクタタグ23のグループに属する各IDタグ22のアイテム個品番号を取得し、該各IDタグ22のいずれかをアクセスするので、全てのIDタグ22をアクセスする必要がなく、任意のIDタグ22を効率的にアクセスすることができる。
【0098】
また、通信システム21においては、任意のIDタグ22を効率的にアクセスすることができるだけではなく、全てのセレクタタグ23をコントローラ26からアクセスして、全てのセレクタタグ23の識別情報からそれぞれのアイテム識別子を取得し、各アイテム識別子のいずれかを選択して、この選択したアイテム識別子を持つセレクタタグ23をアクセスし、このセレクタタグ23の第2フィールドの内容、すなわち該セレクタタグ23のグループに属する各IDタグ22のアイテム個品番号を更新することができる。
【0099】
次に、このようにセレクタタグ23を選択し、この選択したセレクタタグ23の第2フィールドの内容を更新するための処理手順を、コントローラ26、セレクタタグ23、及びIDタグ22別に、図12、図10、及び図11のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0100】
まず、図12のフローチャートに従ってコントローラ26側の処理手順を説明する。
【0101】
コントローラ26において、制御部26aは、先に述べた図9のステップS302でセレクタタグ23の第2フィールドの更新が選択されると(ステップS302で「Yes」)、図12のフローチャートに移って、セレクタタグ23の第2フィールドの内容を更新するための処理手順を開始する。そして、制御部26aは、その処理手順を開始すると、全てのセレクタタグ23の第1フィールドを取得するためのコマンドをプログラム記憶部26bから読み出し(ステップS601)、このコマンドを送受信部26dを介してリーダライタ25に出力し、このコマンドをリーダライタ25からアンテナ24を介して送信させる(ステップS602)。
【0102】
このコマンドは、セレクタタグ23だけを選択するためのものであって、第1フィールドのタグ識別子「XXXX」を含んでいる。このため、全てのセレクタタグ23は、このコマンドに応答して、それぞれの第1フィールドのタグ識別子及びアイテム識別子「XXXX−A01」、「XXXX−B02」、…を送信する。また、全てのIDタグ22は、このコマンドに応答しない。このとき、各セレクタタグ23は、リーダライタ25とタグ間の規定の通信プロトコルに従って、それぞれの第1フィールドを順次送信する。
【0103】
これらのセレクタタグ23の第1フィールドは、アンテナ24を介してリーダライタ25で順次受信され、送受信部26dを介して制御部26aに逐次入力される(ステップS603)。制御部26aは、セレクタタグ23の第1フィールドを入力する度に、第1フィールドを記憶部26cに記憶する(ステップS604)。このとき、制御部26aは、セレクタタグ23の第1フィールドを入力した時点から計時を開始して、この計時時間が予め設定された所定時間に達したか否かを判定しており(ステップS605)、所定時間を経過するまで(ステップS605で「No」)、ステップS604を繰り返し、所定時間を経過すると(ステップS605で「Yes」)、次のステップS606に移る。
【0104】
引き続いて、制御部26aは、全てのセレクタタグ23の第1フィールドのアイテム識別子「A01」、「B02」、…からそれぞれのカテゴリ「A」、「B」、…を抽出し、これらのカテゴリ「A」、「B」、…を全てのセレクタタグ23の第1フィールドに対応付けて記憶部26nに記憶する。
【0105】
これにより、記憶部26cには、図7に示すように全てのセレクタタグ23の第1フィールド及びカテゴリが記憶される。このカテゴリは、アイテム識別子と同様にアイテムの種類を示すものであり、利用者によるアイテムの種類の認識を容易するために用いられる。
【0106】
こうして制御部26aは、全てのセレクタタグ23の第1フィールド及びカテゴリを取得すると、全てのセレクタタグ23の第1フィールド及びカテゴリを表示部27の画面に一覧表示する(ステップS606)。
【0107】
この状態で、利用者は、表示部27の画面上で全てのセレクタタグ23の第1フィールド及びカテゴリを見ながら、入力部28を操作して、任意のセレクタタグ23の第1フィールド及びカテゴリを指示する。
【0108】
制御部26aは、そのような利用者による指示を待機しており(ステップS607)、任意のセレクタタグ23の第1フィールド及びカテゴリが指示されると(ステップS607で「Yes」)、この指示された第1フィールドを持つセレクタタグ23の第2フィールドを取得するためのコマンドを送受信部26d、リーダライタ25、及びアンテナ24を介して送信する(ステップS608)。
【0109】
このコマンドは、任意のセレクタタグ23だけを選択するためのものであって、ステップS607で指示された第1フィールドのタグ識別子及びアイテム識別子を含んでいる。このため、この指示された第1フィールドを持つセレクタタグ23だけが、このコマンドに応答して、自己の第2フィールドを送信する。例えば、ステップS607で第1フィールド「XXXX−A01」が指示されると、第1フィールド「XXXX−A01」を持つセレクタタグ23だけが応答して自己の第2フィールドを送信する。また、他のセレクタタグ23は、第1フィールド「XXXX−A01」を持たないことから応答しない。
【0110】
この応答したセレクタタグ23の第2フィールドは、アンテナ24、リーダライタ25、及び送受信部26dを介して制御部26aに入力される。このとき、制御部26aは、セレクタタグ23の応答を待機しており(ステップS609)、該当するセレクタタグ23からの応答があって、このセレクタタグ23の第2フィールドを入力すると(ステップS609で「Yes」)、この第2フィールドを記憶部26cに記憶し(ステップS610)、この第2フィールドを表示部27の画面に表示する(ステップS611)。
【0111】
これにより、図7に示すように記憶部26cには、ステップS607で指示された第1フィールドを持つセレクタタグ23の第2フィールドが記憶され、この第2フィールドが表示部27の画面に一覧表示される。
【0112】
この状態で、利用者は、表示部27の画面を見ながら、入力部28を操作して、画面上でセレクタタグ23の第2フィールドを選択し、更に第2フィールドの内容に対して、すなわち該セレクタタグ23のグループに属する各IDタグ22のアイテム個品番号に対して追加、削除、修正等を指示する。
【0113】
制御部26aは、そのような利用者による選択及び指示を待機しており(ステップS612)、第2フィールドが選択されると(ステップS612で「Yes」)、入力部28の操作により第2フィールドの内容の削除が指示されているか否かを判定し(ステップS613)、第2フィールドの内容の削除が指示されているならば(ステップS613で「Yes」)、第2フィールドの内容の削除して消去し(ステップS614)、この後にステップS615に移る。
【0114】
また、入力部28の操作により第2フィールドの内容の削除が指示されていなければ(ステップS613で「No」)、制御部26aは、入力部28の操作により第2フィールドの内容の修正が指示されているか否かを判定し(ステップS616)、第2フィールドの内容の修正が指示されているならば(ステップS616で「Yes」)、入力部28の操作による指示に従って第2フィールドの内容を修正し(ステップS617)、この後にステップS615に移る。
【0115】
更に、入力部28の操作により第2フィールドが選択されなければ(ステップS612で「No」)、制御部26aは、入力部28の操作により第2フィールドの内容の追加が指示されているか否かを判定し(ステップS618)、第2フィールドの内容の追加が指示されているならば(ステップS618で「Yes」)、入力部28の操作による指示に従って第2フィールドの内容を追加し(ステップS619)、この後にステップS615に移る。また、第2フィールドの内容の追加が指示されていなければ(ステップS618で「No」)、第2フィールドの内容を維持したまま、ステップS615に移る。
【0116】
こうして第2フィールドの内容の追加、削除、修正等が行われて変更された後、入力部28の操作により第2フィールドの内容が確定されると(ステップS615)、これに応答して制御部26aは、この変更された第2フィールドの内容を、ステップS607で指示された第1フィールドを持つセレクタタグ23の第2フィールドを更新するためのコマンドを送受信部26d、リーダライタ25、及びアンテナ24を介して送信する(ステップS620)。
【0117】
このコマンドには、ステップS607で指示された第1フィールドのタグ識別子及びアイテム識別子が含まれているため、この指示された第1フィールドを持つセレクタタグ23だけが、このコマンドに応答して、変更された第2フィールドの内容を受信し、この変更された第2フィールドの内容を自己の第2フィールドに書き込んで、第2フィールドの内容を更新する。
【0118】
このように全てのセレクタタグ23をコントローラ26からアクセスして、いずれかのセレクタタグ23を選択してアクセスし、このセレクタタグ23の第2フィールドの内容を取得して更新することができる。
【0119】
次に、図10のフローチャートに従って、図12のコントローラ26側の処理手順に対応するセレクタタグ23側の処理手順を説明する。
【0120】
セレクタタグ23の制御部23aは、図12のステップS602でコントローラ26側から送信されたコマンドを受信すると、このコマンドがセレクタタグ23だけを選択するためのものであって、かつタグ識別子「XXXX」を含んでいるか否かを判定し(ステップS401)、それらを含んでいるコマンドであることから(ステップS401で「Yes」)、自己の第1フィールドのタグ識別子及びアイテム識別子を送信する(ステップS402)。
【0121】
この後、セレクタタグ23の制御部23aは、図12のステップS608でコントローラ26側から送信されたコマンドの受信を待機しており(ステップS403)、このコマンドを受信すると(ステップS403で「Yes」)、このコマンドがセレクタタグ23だけを選択するためのものであって、自己の第1フィールドのタグ識別子及びアイテム識別子を含んでいることを確認してから、このコマンドの種類を判定する(ステップS404)。ここでは、第2フィールドの内容を更新するためのコマンドであることから(ステップS404で「更新」)、制御部23aは、このコマンドに付随する変更された第2フィールドの内容を受信入力し(ステップS408)、この変更された第2フィールドの内容を自己の第2フィールドに書き込んで、第2フィールドの内容を更新する(ステップS409)。
【0122】
次に、図11のフローチャートに従って、図12のコントローラ26側の処理手順に対応するIDタグ22側の処理手順を説明する。
【0123】
IDタグ22の制御部22aは、図12のステップS502でコントローラ26側から送信されたコマンドを受信すると、このコマンドがセレクタタグ23だけを選択するためのものであって、タグ識別子「XXXX」を含んでいることから、自己宛のコマンドではないと判定し(ステップS501で「No」)、このコマンドに応答しない(ステップS502)。
【0124】
このような図12、図10、及び図11の処理手順では、セレクタタグ23を選択し、この選択したセレクタタグ23の第2フィールドの内容、すなわち該セレクタタグ23のグループに属する各IDタグ22のアイテム個品番号を更新することができるので、アイテム並びにIDタグ22の追加や削除、あるいはセレクタタグ23の追加や削除に容易に対処することができる。
【0125】
尚、図9及び図11のフローチャートの処理手順におけるIDタグの選択に際し、セレクタタグと同様に、選択(第1モード)であるか非選択(第2モード)であるかを指示するようにしても構わない。また、セレクタタグのグループに複数のIDタグが含まれる構成としているが、上位のセレクタタグのグループに複数の下位のセレクタタグが含まれ、下位のセレクタタグのグループに複数のIDタグが含まれる構成としても良い。
【0126】
また、リーダライタにより情報を書込んだり読み出したりすることが可能な複数の無線識別装置を用いたシステムであれば、つまりタグと同等の機能を有する無線識別装置を用いたシステムであれば、本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】本発明の通信システムの実施形態1を示すブロック図である。
【図2】(a)は図1のシステムにおけるIDタグの識別情報の構成を示す図であり、(b)は図1のシステムにおけるセレクタタグの識別情報の構成を示す図である。
【図3】図1のシステムにおける各IDタグのアイテム個品番号を一覧表示した表示デバイスの画面を示す図である。
【図4】図1のシステムにおけるIDタグのアイテム個品番号を取得するための処理手順を示すフローチャートである。
【図5】図1のシステムにおける誤って混入した各IDタグの識別情報を一覧表示した表示デバイスの画面を示す図である。
【図6】図1のシステムにおける誤って混入したIDタグの識別情報を取得するための処理手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の通信システムの実施形態2を示すブロック図である。
【図8】図7のシステムにおけるIDタグとセレクタタグの構成を示す図である。
【図9】図7のシステムにおけるIDタグのアイテム個品番号を取得するためのコントローラの処理手順を示すフローチャートである。
【図10】コントローラの処理手順に対応するセレクタタグの処理手順を示すフローチャートである。
【図11】コントローラの処理手順に対応するIDタグの処理手順を示すフローチャートである。
【図12】図6のシステムにおけるセレクタタグの第2フィールドを更新するためのコントローラの処理手順を示すフローチャートである。
【図13】従来のシステムを示すブロック図である。
【符号の説明】
【0128】
1 通信システム
2 ID無線識別装置(IDタグ)
3 セレクタ無線識別装置(セレクタタグ)
4 アンテナ
5 リーダライタ
6 パーソナルコンピュータ
21 通信システム
22 ID無線識別装置(IDタグ)
23 セレクタ無線識別装置(セレクタタグ)
24 アンテナ
25 リーダライタ
26 コントローラ
27 表示部
28 入力操作部
22a、23a、26a 制御部
22b、23b アンテナ部
22c、23c、26d 送受信部
26b プログラム記憶部
26c 情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報の無線通信が可能な複数の無線識別装置と、各無線識別装置との間で無線通信を行うリーダライタと、リーダライタを介して、各無線識別装置との間で情報を送受する制御手段とを備える通信システムにおいて、
前記各無線識別装置は、それぞれの識別情報を割り当てられて記憶した複数のID無線識別装置と、各ID無線識別装置の識別情報を記憶したセレクタ無線識別装置とを含み、
前記制御手段は、前記リーダライタを介して、前記セレクタ無線識別装置から前記各ID無線識別装置の識別情報を取得し、この取得した各ID無線識別装置の識別情報を用いて、各ID無線識別装置を選択的にアクセスすることを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記セレクタ無線識別装置は、セレクタ無線識別装置の識別情報と、各ID無線識別装置の識別情報とを記憶し、
前記制御手段は、前記リーダライタを介して、前記セレクタ無線識別装置の識別情報を持つセレクタ無線識別装置をアクセスして、セレクタ無線識別装置から各ID無線識別装置の識別情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記制御手段は、ID無線識別装置の識別情報を指定し、指定した識別情報を割り当てられたID無線識別装置を選択する第1モード、及び指定した識別情報を割り当てられていないID無線識別装置を選択する第2モードのいずれかによりID無線識別装置を選択することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項4】
前記制御手段は、セレクタ無線識別装置の識別情報を指定し、指定した識別情報を割り当てられたセレクタ無線識別装置を選択する第1モード、及び指定した識別情報を割り当てられていないセレクタ無線識別装置を選択する第2モードのいずれかによりセレクタ無線識別装置を選択することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項5】
複数のID無線識別装置を複数のグループに分けて、それぞれのグループにセレクタ無線識別装置を割り当て、セレクタ無線識別装置別に、セレクタ無線識別装置のグループに属する各ID無線識別装置の識別情報を記憶したことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−205275(P2009−205275A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−44647(P2008−44647)
【出願日】平成20年2月26日(2008.2.26)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】