説明

通信ネットワークシステム、データ送信方法、およびノード装置

【課題】MPLSネットワークの回線の利用効率を向上する。
【解決手段】本願の開示する通信ネットワークシステム100は、MPLSラベルが付加されたデータの送受信を行う複数のノード装置150−1〜150−8を備える。ノード装置150−1〜150−8のうちデータの送信元および送信先となる一対の終端のノード装置150−1,150−4は、ノード装置150−1,150−4間に設定される2系統のパスに係る回線200の障害の発生を検出する障害検出部を備える。ノード装置150−1,150−4は、2系統のパスのうち一方のパスにのみデータを送信するとともに、障害検出部で一方のパスに係る回線の障害の発生を検出した場合には、前記データを送信するパスを他方のパスに切り替える送信先制御部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワークシステム、データ送信方法、およびノード装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パケットデータの伝送方式としてMPLS(Multi Protocol Label Switching)方式が知られている。MPLS方式は、ラベルと呼ばれる識別子をパケットデータに付加して転送を行うことにより、通信の高速化を図る技術である。
【0003】
また、近年では、MPLS方式において、保守・運用性(OAM(Operation Administration and Maintenance))機能を充実させたMPLS−TP(Multi Protocol Label Switching - Transport Profile)方式が知られている。
【0004】
一方、通信ネットワークの保守・運用性の機能としては、SDH(Synchronous Digital Hierarchy)伝送方式のネットワークにおけるUPSR(Unidirectional Path Switched Ring)方式が知られている。UPSR方式では、複数のノード装置をリング型に構成したネットワークにおいて、通常時にはデータ送信元のノード装置は、リングの両方向つまり現用回線および予備回線に同一のデータを送信する。また、UPSR方式では、データ送信先のノード装置は、通常時には現用回線から送信されたデータを受信し、現用回線に障害が発生した場合には、データを受信する回線を予備回線に切り替える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−60680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来技術は、MPLSネットワークの回線の利用効率を向上することについては考慮されていない。
【0007】
すなわち、MPLSネットワークにおいて、UPSR方式と同様に、データの送信元のノード装置が現用回線および予備回線の両方向のパスに同一のデータを送信して、データの送信先のノード装置がデータを受信する回線を切り替えることが考えられる。しかしながら、この態様では、予備回線側のパスを流れるデータ量が回線を占有した場合には、予備回線に他のサービスのデータを送信したとしても、MPLS−TPのクラシファイ機能によって他のサービスのデータが破棄されるおそれがある。その結果、この態様では、MPLSネットワークの回線の利用効率の向上が妨げられるおそれがある。
【0008】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、MPLSネットワークの回線の利用効率を向上することができる通信ネットワークシステム、データ送信方法、およびノード装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願の開示する通信ネットワークシステムは、一つの態様において、パケットの送信元ノード装置と送信先ノード装置との間にパスを設定するプロトコルに対応した複数のノード装置を含む。パケットの送信元および送信先となるノード装置は、ノード装置間に設定される2系統のパスに係る回線の障害の発生を検出する障害検出部を備える。また、パケットの送信元および送信先となるノード装置は、2系統のパスのうち一方のパスにのみユーザデータを含むパケットを送信するとともに、障害検出部で一方のパスに係る回線の障害の発生を検出した場合には、ユーザデータを含むパケットを送信するパスを他方のパスに切り替える送信先制御部を備える。
【発明の効果】
【0010】
本願の開示する通信ネットワークシステムの一つの態様によれば、MPLSネットワークの回線の利用効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本実施例にかかる通信ネットワークシステムの全体構成を示す図である。
【図2】図2は、終端ノード装置の機能構成ブロックを説明する図である。
【図3】図3は、中間ノード装置の機能構成ブロックを説明する図である。
【図4】図4は、終端ノード装置の障害/OAM検出部および送信先制御部の処理フローを示す図である。
【図5】図5は、通信ネットワークシステムの正常時のデータ送受信の状態を説明する図である。
【図6】図6は、中間ノード装置の障害/OAM検出部および送信先制御部の処理フローを示す図である。
【図7】図7は、ライン/パス対応データベースの一例を示す図である。
【図8】図8は、通信ネットワークシステムの中間ノード装置間の回線に障害が発生した時のデータ送受信の状態を説明する図である。
【図9】図9は、終端ノード装置の送信先制御部がP−RDIを受信したときの処理フローを示す図である。
【図10】図10は、通信ネットワークシステムの中間ノード装置間の回線に障害が発生した時のデータ送受信の状態を説明する図である。
【図11】図11は、終端ノード装置の送信先制御部がRDIを受信したときの処理フローを示す図である。
【図12】図12は、通信ネットワークシステムの中間ノード装置間の回線に障害が発生した時のデータ送受信の状態を説明する図である。
【図13】図13は、終端ノード装置の送信先制御部がP−AISを受信したときの処理フローを示す図である。
【図14】図14は、終端ノード装置の送信先制御部がUSED−Nを受信したときの処理フローを示す図である。
【図15】図15は、通信ネットワークシステムの中間ノード装置間の回線に障害が発生した時のデータ送受信の状態を説明する図である。
【図16】図16は、通信ネットワークシステムの中間ノード装置間の回線に障害が発生した時のデータ送受信の状態を説明する図である。
【図17】図17は、通信ネットワークシステムの中間ノード装置間の回線の障害が復旧した時のデータ送受信の状態を説明する図である。
【図18】図18は、終端ノード装置の送信先制御部が障害復旧を受信したときの処理フローを示す図である。
【図19】図19は、通信ネットワークシステムの中間ノード装置間の回線の障害が復旧した時のデータ送受信の状態を説明する図である。
【図20】図20は、通信ネットワークシステムの中間ノード装置間の回線に障害が発生した時のデータ送受信の状態を説明する図である。
【図21】図21は、通信ネットワークシステムの中間ノード装置間の回線に障害が発生した時のデータ送受信の状態を説明する図である。
【図22】図22は、通信ネットワークシステムの中間ノード装置間の回線の障害が復旧した時のデータ送受信の状態を説明する図である。
【図23】図23は、通信ネットワークシステムの中間ノード装置間の回線の障害が復旧した時のデータ送受信の状態を説明する図である。
【図24】図24は、通信ネットワークシステムの中間ノード装置間の回線に障害が発生した時のデータ送受信の状態を説明する図である。
【図25】図25は、通信ネットワークシステムの中間ノード装置間の回線の障害が復旧した時のデータ送受信の状態を説明する図である。
【図26】図26は、通信ネットワークシステムの中間ノード装置間の回線の障害が復旧した時のデータ送受信の状態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本願の開示する通信ネットワークシステム、データ送信方法、およびノード装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により開示技術が限定されるものではない。
【実施例】
【0013】
図1は、本実施例にかかる通信ネットワークシステムの全体構成を示す図である。通信ネットワークシステム100は、MPLSラベルが付加されたデータの送受信を行う複数のノード装置150−1〜150−8を有する。なお、ノード装置150−1〜150−8は、MPLSラベルが付加されたデータの送受信を行う装置に限らず、パケットの送信元ノード装置と送信先ノード装置との間にパスを設定するプロトコルに対応した装置とすることもできる。ノード装置150−1〜150−6は、双方向通信の回線200を介してリング状に接続される。ノード装置150−5とノード装置150−7は、回線200を介して接続される。ノード装置150−6とノード装置150−8は、回線200を介して接続される。ノード装置150−1およびノード装置150−4はそれぞれ、データの送信元および送信先の終端ノード装置となる。なおノード装置150−1〜150−8間で送受信されるデータは、ユーザデータを含むパケットとすることができる。ノード装置150−1およびノード装置150−4の間には、ノード装置150−2,ノード装置150−3を経由するパスと、ノード装置150−5,ノード装置150−6を経由するパスつまり2系統のパスが設定される。また、ノード装置150−2,150−3,150−5,150−6は、2系統のパス上に配置されてデータを中継する中間ノード装置となる。また、ノード装置150−7およびノード装置150−8は、ノード装置150−5およびノード装置150−6を介してデータを送受信するノード装置である。
【0014】
次に、図2,3を用いてノード装置の構成を説明する。図2は、終端ノード装置の機能構成ブロックを説明する図である。図3は、中間ノード装置の機能構成ブロックを説明する図である。図2に示すように、終端ノード装置のハードウェア部160は、光ファイバー170を介して隣接する装置からSDH信号等を入力する入力インターフェース部160−1を有する。また、終端ノード装置のハードウェア部160は、光ファイバー170を介して隣接する装置へSDH信号等を出力する出力インターフェース部160−2を有する。また、終端ノード装置のハードウェア部160は、LANケーブル180−1,180−2を介して隣接するノード装置からパケット信号等を入力する入力インターフェース部160−3を有する。また、終端ノード装置のハードウェア部160は、LANケーブル180−1,180−2を介して隣接するノード装置へパケット信号等を出力する出力インターフェース部160−4を有する。入力インターフェース部160−3は例えば隣接するノード装置からリモート警報信号であるRDI(Remote Defect Indication)、パスごとのリモート警報を表すパケットであるP(Path)−RDI、およびOAMの発生を通知する信号を受信する。また、終端ノード装置のハードウェア部160は、入力インターフェース部160−1および入力インターフェース部160−3から入力された信号それぞれの出力インターフェース部160−4および出力インターフェース部160−2に対する接続切り替えを行うSwitch Fabric160−5を有する。
【0015】
また、終端ノード装置のファームウェア部190は、障害/OAM検出部190−1と、送信先制御部190−2と、ライン/パス対応データベース190−3を有する。障害/OAM検出部190−1は、入力インターフェース部160−3で受信したRDI、P−RDI、およびOAMの発生の有無に基づいて回線200の障害/OAMの状態を検出する。障害/OAM検出部190−1は、回線200の障害/OAMの状態を検出して、送信先制御部190−2へ送る。ライン/パス対応データベース190−3は、どの回線200がどのパスに接続されているかを保存したデータベースである。送信先制御部190−2は、障害/OAM検出部190−1から送られた回線200の障害/OAMの状態およびライン/パス対応データベース190−3に基づいて、データの送信先を制御する。障害/OAM検出部190−1、送信先制御部190−2、およびライン/パス対応データベース190−3の詳細は後述する。
【0016】
一方、図3に示すように、中間ノード装置のハードウェア部260は、LANケーブル270を介して隣接するノード装置からパケット信号等を入力する入力インターフェース部260−1を有する。また、中間ノード装置のハードウェア部260は、LANケーブル270を介して隣接するノード装置へパケット信号等を出力する出力インターフェース部260−2を有する。また、中間ノード装置のハードウェア部260は、LANケーブル270を介して隣接するノード装置からパケット信号等を入力する入力インターフェース部260−3を有する。また、中間ノード装置のハードウェア部260は、LANケーブル270を介して隣接するノード装置へパケット信号等を出力する出力インターフェース部260−4を有する。また、中間ノード装置のハードウェア部260は、入力インターフェース部260−1および入力インターフェース部260−3から入力された信号それぞれの出力インターフェース部260−4および出力インターフェース部260−2に対する接続切り替えを行うSwitch Fabric260−5を有する。
【0017】
また、中間ノード装置のファームウェア部290は、障害/OAM検出部290−1と、送信先制御部290−2と、ライン/パス対応データベース290−3を有する。障害/OAM検出部290−1は、RDI、P−RDI、およびOAMの発生の有無に基づいて回線200の障害/OAMの状態を検出し、送信先制御部290−2へ送る。ライン/パス対応データベース290−3は、どの回線200がどのパスに接続されているかを保存したデータベースである。送信先制御部290−2は、障害/OAM検出部290−1から送られた回線200の障害/OAMの状態およびライン/パス対応データベース290−3に基づいて、データの送信先を制御する。障害/OAM検出部290−1、送信先制御部290−2、およびライン/パス対応データベース290−3の詳細は後述する。
【0018】
次に、終端ノード装置の処理フローを説明する。図4は、終端ノード装置の障害/OAM検出部190−1および送信先制御部190−2の処理フローを示す図である。送信先制御部190−2は、処理を開始したら、送信側のパスにデータを送信する(ステップS101)。続いて、送信先制御部190−2は、データを送信しないことを表すパケットであるUNUSEDパケットを非送信側のパスに送信する(ステップS102)。送信先制御部190−2は、送信側のパスにデータを送信し、非送信側のパスにUNUSEDパケットを送信しながら、障害/OAM検出部190−1からのメッセージを受信したか否かを確認する(ステップS103)。送信先制御部190−2は、障害/OAM検出部190−1からのメッセージを受信するまで待つ(ステップS103でNO)。以下、図5を用いてステップS101〜ステップS103の処理について説明する
【0019】
図5は、通信ネットワークシステムの正常時のデータ送受信の状態を説明する図である。ノード装置150−1は、ノード装置150−4にデータを送信する際に、ノード装置150−2、150−3を経由するパスにデータを送信する。また、ノード装置150−1は、ノード装置150−5、150−6を経由するパスにUNUSEDパケットを送信する。一方、ノード装置150−4は、ノード装置150−1にデータを送信する際に、ノード装置150−3、150−2を経由するパスにデータを送信する。また、ノード装置150−4は、ノード装置150−6、150−5を経由するパスにUNUSEDパケットを送信する。なお、ノード装置150−4は、ノード装置150−3およびノード装置150−6からのデータのいずれか一方のデータを選択して受信するが、図5の場合には、ノード装置150−6からのデータがないので、ノード装置150−3からデータを受信する。ノード装置150−1は、ノード装置150−2およびノード装置150−5からのデータのいずれか一方のデータを選択して受信するが、図5の場合には、ノード装置150−5からのデータがないので、ノード装置150−2からデータを受信する。
【0020】
このように、終端のノード装置150−1,150−4は、データを送信する2系統のパスのうちノード装置150−2、150−3を経由するパスにのみデータを送信し、ノード装置150−5、150−6を経由するパスにはデータを送信しない。したがって、ノード装置150−7は、ノード装置150−5、150−6を経由するパスを介して、ノード装置150−8に他のサービスのデータを送信することができる。その結果、本実施例の通信ネットワークシステム100は、MPLSネットワークの回線200の利用効率を向上することができる。
【0021】
図4に戻って、障害/OAM検出部190−1は、処理を開始したら、ハードウェアの障害/OAM情報のポーリングを行う(ステップS105)。続いて、障害/OAM検出部190−1は、障害/OAM情報を検出したか否かを確認する(ステップS106)。障害/OAM検出部190−1は、障害/OAM情報が検出されなければ(ステップS106でNO)、ステップS105に戻る。一方、障害/OAM検出部190−1は、障害/OAM情報が検出されたら(ステップS106でYES)、障害/OAM情報を送信先制御部に送信する(ステップS107)。
【0022】
送信先制御部190−2は、障害/OAM検出部からのメッセージを受信したら(ステップS103でYES)、メッセージの種類に応じた処理を行う。メッセージの種類は、P−RDI、USED−N、RDI、P−AIS(Path Alarm Indicating Signal)、および障害復旧の5種類である。送信先制御部190−2のメッセージごとの処理の詳細は後述する。
【0023】
次に、中間ノード装置の処理フローを説明する。図6は、中間ノード装置の障害/OAM検出部290−1および送信先制御部290−2の処理フローを示す図である。送信先制御部290−2は、処理を開始したら、障害/OAM検出部290−1からのメッセージを受信したか否かを確認する(ステップS201)。送信先制御部290−2は、障害/OAM検出部290−1からのメッセージを受信するまで待つ(ステップS201でNO)。一方、障害/OAM検出部290−1は、処理を開始したら、ハードウェアの障害/OAM情報のポーリングを行う(ステップS202)。続いて、障害/OAM検出部290−1は、障害/OAM情報を検出したか否かを確認する(ステップS203)。障害/OAM検出部290−1は、障害/OAM情報が検出されなければ(ステップS203でNO)、ステップS202に戻る。一方、障害/OAM検出部290−1は、障害/OAM情報が検出されたら(ステップS203でYES)、障害/OAM情報を送信先制御部に送信する(ステップS204)。
【0024】
送信先制御部290−2は、障害/OAM検出部からのメッセージを受信したら(ステップS201でYES)、メッセージの種類がP−RDIの場合には、データの送信方向の上流側の隣接ノード装置にP−RDIを送信する(ステップS206)。言い換えれば、送信先制御部290−2は、メッセージの種類がP−RDIの場合には、P−RDIをデータの送信方向の上流側の隣接ノード装置にそのまま転送する。一方、送信先制御部290−2は、メッセージの種類がRDIの場合には、ライン/パス対応データベース290−3を参照して、RDIを受信した回線200に接続するパスを検索する(ステップS207)。送信先制御部290−2は、検索されたパスに対して、P−RDIを送信する(ステップS208)。以下、図7,図8を用いて、ライン/パス対応データベース290−3の一例と、ステップS207、ステップS208の処理について説明する。
【0025】
図7は、ライン/パス対応データベース290−3の一例を示す図である。ライン/パス対応データベース290−3は、パケット入力回線パッケージ名称−回線番号(LINE#n)290−3−1と、DB(Data Base)instance No.290−3−2と、出力パスパッケージ名称−回線番号(Line)−パス番号(ch)290−3−3とを有する。ライン/パス対応データベース290−3は、中間ノード装置がRDIを受信したときにP−RDIの送信先を確定するために参照するテーブルである。中間ノード装置は、例えばE11−1という回線からRDIを受信したら、ライン/パス対応データベース290−3を参照して、P−RDIをOAMパケットに挿入してE15−1−1、E15−1−3、E18−4−2、E19−2−1・・・のパスに送信する。図7のライン/パス対応データベース290−3におけるmは、1Line内の最大パス数を表す。また、図7のライン/パス対応データベース290−3におけるxは、(最大パッケージ数×最大Line数×最大パス数)−1を表す。
【0026】
図8は、通信ネットワークシステムの中間ノード装置間の回線に障害が発生した時のデータ送受信の状態を説明する図である。図8は、ノード装置150−2からノード装置150−3にデータを送信する回線つまりデータの送信側の回線に障害が発生した場合の例を示す。ノード装置150−3は、回線の障害を検出したら、RDIをOAMパケットに挿入してノード装置150−2に送信するとともに、パスごとのアラーム警報を表すパケットであるP−AISをノード装置150−4に送信する。ノード装置150−2は、ノード装置150−3からRDIを受信したら、上述のステップS207、ステップS208にしたがってP−RDIをOAMパケットに挿入してノード装置150−1に送信する。なお、ノード装置150−2とノード装置150−3などのノード装置間では、例えばお互いにCCM(Continuity Check Message)を一定間隔で送信し、例えば送信間隔の3.5倍の時間などのある間隔以上CCMが受信できない場合に回線の障害を検出する。
【0027】
次に、終端ノード装置の送信先制御部190−2がP−RDIを受信したときの処理について説明する。図9は、終端ノード装置の送信先制御部190−2がP−RDIを受信したときの処理フローを示す図である。送信先制御部190−2は、P−RDIを受信したら、P−RDIを受信したパスがデータの送信側のパスであるか否かを確認する(ステップS301)。送信先制御部190−2は、P−RDIを受信したパスがデータの非送信側のパスである場合には(ステップS301でNO)、予備回線の障害であるためデータの送信先の切り替えは行わず、データの送信側のパスにUSED−Fを送信する(ステップS302)。一方、送信先制御部190−2は、P−RDIを受信したパスがデータの送信側のパスである場合には(ステップS301でYES)、データの送信方向を切り替えるとともに、切り換えたデータの送信側のパスにUSED−Fを送信する(ステップS303)。送信先制御部190−2は、併せて、データの非送信側のパスにUNUSEDを送信する(ステップS303)。以下、図10を用いてステップS303の処理について説明する。
【0028】
図10は、通信ネットワークシステムの中間ノード装置間の回線に障害が発生した時のデータ送受信の状態を説明する図である。送信先制御部190−2は、ステップS303にしたがってデータを送信するパスを、ノード装置150−5,ノード装置150−6を経由するパスに切り替える。また、送信先制御部190−2は、ノード装置150−5,ノード装置150−6を経由するパスに、USED−Fを送信する。また、送信先制御部190−2は、ノード装置150−2,ノード装置150−3を経由するパスにUNUSEDを送信する。なお、送信先制御部190−2がノード装置150−5,ノード装置150−6を経由するパスにデータを送信すると、ノード装置150−7からノード装置150−5に送信されるデータは、クラシファイ機能によりノード装置150−5で破棄される。
【0029】
次に、終端ノード装置の送信先制御部190−2がRDIを受信したときの処理について説明する。例えばノード装置150−1からノード装置150−2にデータを送信する回線200に障害が発生した場合に、ノード装置150−1はノード装置150−2からRDIを受信する。図11は、終端ノード装置の送信先制御部190−2がRDIを受信したときの処理フローを示す図である。送信先制御部190−2は、RDIを受信したら、ライン/パス対応データベース190−3を参照して、RDIを受信した回線200に接続するパスを検索する(ステップS401)。送信先制御部190−2は、検索されたパスがデータの送信側のパスか否かを確認する(ステップS402)。送信先制御部190−2は、検索されたパスがデータの非送信側のパスである場合には(ステップS402でNO)、予備回線の障害であるため何も行わない。一方、送信先制御部190−2は、検索されたパスがデータの送信側のパスである場合には(ステップS402でYES)、データの送信方向を切り替えるとともに、切り換えたデータの送信側のパスにUSED−Fを送信する(ステップS404)。送信先制御部190−2は、併せて、データの非送信側のパスにUNUSEDを送信する(ステップS404)。
【0030】
次に、図10の状態において、ノード装置150−3からノード装置150−2にデータを送信する回線に障害が発生した場合の例を示す。図12は、通信ネットワークシステムの中間ノード装置間の回線に障害が発生した時のデータ送受信の状態を説明する図である。ノード装置150−2は、回線200の障害を検出したら、RDIをOAMパケットに挿入してノード装置150−3に送信するとともに、P−AISをOAMパケットに挿入してノード装置150−1に送信する。なお、図12の例では、ノード装置150−2からノード装置150−3にデータを送信する回線200に障害が発生しているので、ノード装置150−2から送信されるRDIはノード装置150−3で受信されない。
【0031】
次に、終端ノード装置の送信先制御部190−2がP−AIS、USED−Nを受信したときの処理について説明する。図13は、終端ノード装置の送信先制御部190−2がP−AISを受信したときの処理フローを示す図である。図14は、終端ノード装置の送信先制御部190−2がUSED−Nを受信したときの処理フローを示す図である。送信先制御部190−2は、P−AISを受信したら、P−AISを受信したパスがデータの送信側のパスか否かを確認する(ステップS501)。送信先制御部190−2は、P−AISを受信したパスがデータの非送信側のパスである場合には(ステップS501でNO)、USED−Nをデータの送信側のパスに送信する(ステップS502)。
【0032】
一方、送信先制御部190−2は、P−AISを受信したパスがデータの送信側のパスである場合には(ステップS501でYES)、自ノード装置がUSED−Fを受信中か否かを確認する(ステップS503)。送信先制御部190−2は、自ノード装置がUSED−Fを受信中である場合には(ステップS503でYES)、予備回線の障害であるため何も行わない。
【0033】
送信先制御部190−2は、自ノード装置がUSED−Fを受信中でない場合には(ステップS503でNO)、自ノード装置がUSED−Nを受信中か否かを確認する(ステップS505)。送信先制御部190−2は、自ノード装置がUSED−Nを受信中でない場合には(ステップS505でNO)、予備回線の障害であるため何も行わない。一方、送信先制御部190−2は、自ノード装置がUSED−Nを受信中である場合には(ステップS505でYES)、データの送信方向を切り替えるとともに、切り換えたデータの送信側のパスにUSED−Fを送信する(ステップS507)。送信先制御部190−2は、併せて、データの非送信側のパスにUNUSEDを送信する(ステップS507)。
【0034】
送信先制御部190−2は、USED−Nを受信したら、USED−Nを受信したパスがデータの送信側のパスか否かを確認する(ステップS601)。送信先制御部190−2は、USED−Nを受信したパスがデータの送信側のパスである場合には(ステップS601でYES)、予備回線の障害であるため何も行わない。
【0035】
一方、送信先制御部190−2は、USED−Nを受信したパスがデータの非送信側のパスである場合には(ステップS601でNO)、データの送信方向を切り替える(ステップS603)。続いて、送信先制御部190−2は、データの非送信側のパスから受信した障害/OAMデータの種類を確認する(ステップS604)。送信先制御部190−2は、データの非送信側のパスから受信した障害/OAMデータがP−AISである場合には、データの送信側のパスにUSED−Nを送信する(ステップS605)。送信先制御部190−2は、データの非送信側のパスから受信した障害/OAMデータがP−RDIである場合には、データの送信側のパスにUSED−Fを送信する(ステップS606)。以下、図15,図16を用いて、ステップS502、ステップS603、およびステップS605の処理について説明する。
【0036】
図15,図16は、通信ネットワークシステムの中間ノード装置間の回線に障害が発生した時のデータ送受信の状態を説明する図である。図15に示すように、ノード装置150−1は、データの非送信側のパスからP−AISを受信したら、ステップS502にしたがってUSED−Nをデータの送信側のパスに送信する。また、ノード装置150−4は、データの非送信側のパスからUSED−Nを受信したら、図16に示すように、ステップS603にしたがってデータを送信するパスを切り替える。また、図16に示すように、ノード装置150−4は、データの非送信側からP−AISを受信しているので、ステップS605にしたがってデータの送信側のパスにUSED−Nを送信する。
【0037】
次に、終端ノード装置の送信先制御部190−2が障害復旧を受信したときの処理について説明する。図17は、通信ネットワークシステムの中間ノード装置間の回線の障害が復旧した時のデータ送受信の状態を説明する図である。図17に示すように、ノード装置150−2からノード装置150−3にデータを送信する回線200の障害が復旧した場合には、ノード装置150−3は、ノード装置150−2からRDIを受信する。ノード装置150−3は、上述のステップS208にしたがってP−RDIをOAMパケットに挿入してノード装置150−4に送信する。ノード装置150−4は、上述のステップS302にしたがってデータの送信側のパスにUSED−Fを送信する。
【0038】
図18は、終端ノード装置の送信先制御部190−2が障害復旧を受信したときの処理フローを示す図である。送信先制御部190−2は、障害復旧メッセージの受信が、P−RDIを受信しなくなったことによる障害復旧メッセージである場合には、データの送信側のパスへのUSED−FまたはUSED−Nの送信を停止する(ステップS701)。送信先制御部190−2は、障害復旧メッセージの受信が、RDIを受信しなくなったことによる障害復旧メッセージである場合には、ライン/パス対応データベース190−3を参照して、RDIを受信した回線に接続するパスを検索する(ステップS702)。送信先制御部190−2は、検索されたパスへのUSED−FまたはUSED−Nの送信を停止する(ステップS703)。また、送信先制御部190−2は、障害復旧メッセージの受信が、P−AISを受信しなくなったことによる障害復旧メッセージである場合には、データの送信側のパスへのUSED−FまたはUSED−Nの送信を停止する(ステップS704)。以下、図19を用いて、ステップS701の処理について説明する。
【0039】
図19は、通信ネットワークシステムの中間ノード装置間の回線の障害が復旧した時のデータ送受信の状態を説明する図である。ノード装置150−2は、ノード装置150−3からノード装置150−2へデータを送信する回線200の障害が復旧したことにより、ノード装置150−1へのP−AISの送信およびノード装置150−3へのRDIの送信を停止する。ノード装置150−3は、ノード装置150−2からのRDIを受信しないので、ノード装置150−4へのP−RDIの送信を停止する。ノード装置150−4は、P−RDIを受信しなくなったことにより、ステップS701にしたがってデータの送信側のパスへのUSED−Fの送信を停止する。
【0040】
次に、図20〜図23を用いて、データの非送信側の回線に障害が発生するケースを説明する。図20,図21は、通信ネットワークシステムの中間ノード装置間の回線に障害が発生した時のデータ送受信の状態を説明する図である。図22,図23は、通信ネットワークシステムの中間ノード装置間の回線の障害が復旧した時のデータ送受信の状態を説明する図である。図20は、図19の状態においてノード装置150−2からノード装置150−3へデータを送信する回線に障害が発生した状態を示している。図20に示すように、ノード装置150−3は、RDIをOAMパケットに挿入してノード装置150−2に送信するとともに、P−AISをOAMパケットに挿入してノード装置150−4に送信する。ノード装置150−2は、ノード装置150−3からRDIを受信したら、上述のステップS207、ステップS208にしたがってP−RDIをOAMパケットに挿入してノード装置150−1に送信する。ノード装置150−1は、上述のステップS302にしたがってデータの送信方向は維持したまま、データの送信側のパスにUSED−Fを送信する。ノード装置150−4は、上述のステップS502にしたがってデータの送信側のパスにUSED−Nを送信する。
【0041】
図21は、図20の状態においてノード装置150−3からノード装置150−2へデータを送信する回線に障害が発生した状態を示す図である。図21に示すように、ノード装置150−2は、P−AISをOAMパケットに挿入してノード装置150−1に送信する。ノード装置150−1は、上述のステップS502にしたがってデータの送信側のパスにUSED−Nを送信する。ノード装置150−1およびノード装置150−4はともに、データの送信側のパスからUSED−Nを受信するため、上述のステップS602にしたがってデータの送信方向を切り替えない。
【0042】
図22は、図21の状態においてノード装置150−2からノード装置150−3へデータを送信する回線の障害が復旧した状態を示す図である。ノード装置150−3は、ノード装置150−2からRDIを受信する。ノード装置150−3は、上述のステップS208にしたがってP−RDIをOAMパケットに挿入してノード装置150−4に送信する。ノード装置150−4は、上述のステップS302にしたがってデータの送信側のパスにUSED−Fを送信する。
【0043】
図23は、図22の状態においてノード装置150−3からノード装置150−2へデータを送信する回線の障害が復旧した状態を示す図である。ノード装置150−2は、ノード装置150−3からノード装置150−2へデータを送信する回線200の障害が復旧したことにより、ノード装置150−1へのP−AISの送信およびノード装置150−3へのRDIの送信を停止する。ノード装置150−3は、ノード装置150−2からのRDIを受信しないので、ノード装置150−4へのP−RDIの送信を停止する。ノード装置150−4は、P−RDIを受信しなくなったことにより、ステップS701にしたがってデータの送信側のパスへのUSED−Fの送信を停止する。また、ノード装置150−1は、P−AISを受信しなくなったことにより、上述のステップS704にしたがってデータの送信側のパスへのUSED−Nの送信を停止する。
【0044】
次に、図24〜図26を用いて、データの非送信側および送信側の回線に障害が発生するケースを説明する。図24は、通信ネットワークシステムの中間ノード装置間の回線に障害が発生した時のデータ送受信の状態を説明する図である。図25,図26は、通信ネットワークシステムの中間ノード装置間の回線の障害が復旧した時のデータ送受信の状態を説明する図である。図24は、図20の状態においてノード装置150−6からノード装置150−5へデータを送信する回線に障害が発生した状態を示すものである。図24に示すように、ノード装置150−5は、障害の発生を検出したら、RDIをOAMパケットに挿入してノード装置150−6に送信するとともに、P−AISをOAMパケットに挿入してノード装置150−1に送信する。ノード装置150−6は、ノード装置150−5からRDIを受信したら、上述のステップS207、ステップS208にしたがってP−RDIをOAMパケットに挿入してノード装置150−4に送信する。ノード装置150−4は、ステップS303にしたがってデータを送信するパスを、ノード装置150−3,ノード装置150−2を経由するパスに切り替える。また、ノード装置150−4は、ノード装置150−3,ノード装置150−2を経由するパスに、USED−Fを送信する。また、ノード装置150−4は、ノード装置150−6,ノード装置150−5を経由するパスにUNUSEDを送信する。
【0045】
図25は、図24の状態においてノード装置150−2からノード装置150−3へデータを送信する回線の障害が復旧した状態を示す図である。ノード装置150−3は、ノード装置150−2からノード装置150−3へデータを送信する回線200の障害が復旧したことにより、ノード装置150−4へのP−AISの送信およびノード装置150−2へのRDIの送信を停止する。ノード装置150−4は、P−AISを受信しなくなったことにより、ステップS704にしたがってデータの送信側のパスへのUSED−Fの送信を停止する。ノード装置150−2は、ノード装置150−3からのRDIを受信しないので、ノード装置150−1へのP−RDIの送信を停止する。ノード装置150−1は、P−RDIを受信しなくなったことにより、ステップS701にしたがってデータの送信側のパスへのUSED−Fの送信を停止する。
【0046】
図26は、図25の状態においてノード装置150−6からノード装置150−5へデータを送信する回線の障害が復旧した状態を示す図である。ノード装置150−5は、ノード装置150−6からノード装置150−5へデータを送信する回線200の障害が復旧したことにより、ノード装置150−1へのP−AISの送信およびノード装置150−6へのRDIの送信を停止する。ノード装置150−6は、ノード装置150−5からのRDIを受信しないので、ノード装置150−4へのP−RDIの送信を停止する。
【0047】
以上、本実施例の通信ネットワークシステムでは、データの送信元となる終端ノード装置は、自ノード装置とデータの送信先となる終端ノード装置との間に設定される2系統のパスのうち一方のパスにのみデータを送信する。したがって、本実施例の通信ネットワークシステムでは、他方のパスに、他のサービスのデータを送信することができるので、MPLSネットワークの回線200の利用効率を向上することができる。また、本実施例の通信ネットワークシステムでは、データの送信元となる終端ノード装置は、一方のパスに障害が発生した場合には、データを送信するパスを他方のパスに切り替える。したがって、本実施例の通信ネットワークシステムでは、一方のパスに係る回線に障害が発生したとしても、送信先の終端ノード装置にデータを送信することができる。
【0048】
また、本実施例の通信ネットワークシステムでは、中間ノード装置間の回線に障害が発生した場合に、回線の障害が発生した箇所の中間ノードは、他の中間ノードを介してデータの送信元となる終端ノード装置にP−RDIを送信する。したがって、データの送信元となる終端ノード装置は、データを送信するパスからP−RDIを受信したら、データの送信側のパスに係る回線に障害が発生したことを検出することができるので、データを送信するパスを切り替えることができる。その結果、本実施例の通信ネットワークシステムでは、例えば回線の障害が発生した箇所の中間ノードが、送られてきたデータを折り返すことによりデータ送信先の終端ノード装置まで送信する場合に比べて、データの伝播経路が短くなるので好ましい。
【0049】
また、本実施例の通信ネットワークシステムでは、中間ノード装置間の回線に障害が発生した場合に、障害が発生した箇所の中間ノードは、他の中間ノードを介してデータの送信先となる終端ノード装置にP−AISを送信する。また、データの送信先となる終端ノード装置は、データを送信しないパスからP−AISを受信したら、データを送信するパスに対して、USED−Nを送信する。したがって、データの送信元となる終端ノード装置は、データを送信しないパスからUSED−Nを受信したら、データの送信側のパスに係る回線に障害が発生したことを検出することができるので、データを送信するパスを切り替えることができる。その結果、本実施例の通信ネットワークシステムでは、あるパスに係る双方向の回線に障害が発生したとしても、データの送信元の終端ノード装置は、データの送信側のパスに係る回線の障害を検出することができ、データを送信するパスを切り替えることができる。
【0050】
上記の実施例に係る実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0051】
(付記1)パケットの送信元ノード装置と送信先ノード装置との間にパスを設定するプロトコルに対応した複数のノード装置を含む通信ネットワークシステムであって、
パケットの送信元および送信先となるノード装置は、前記ノード装置間に設定される2系統のパスに係る回線の障害の発生を検出する障害検出部と、
前記2系統のパスのうち一方のパスにのみユーザデータを含むパケットを送信し、前記障害検出部で前記一方のパスに係る回線の障害の発生を検出した場合には、ユーザデータを含むパケットを送信するパスを他方のパスに切り替える送信先制御部と
を備えることを特徴とする通信ネットワークシステム。
【0052】
(付記2)前記2系統のパス上に配置され前記ユーザデータを含むパケットを中継する複数の中間ノード装置はそれぞれ、自ノード装置から送信された前記ユーザデータを含むパケットを前記ユーザデータを含むパケットの送信方向の下流側の隣接する中間ノードに伝送する下流側回線に対応して該下流側回線に接続するパスの識別子が格納されるライン/パス対応データベースと、
自ノード装置の前記ユーザデータを含むパケットの送信方向の上流側の隣接する中間ノード装置から送信された前記ユーザデータを含むパケットを自ノードに伝送する上流側回線の障害を検出する障害検出部と、
前記障害検出部で前記上流側回線の障害が検出されたら、前記ユーザデータを含むパケットの送信方向の上流側の隣接する中間ノード装置にリモート警報を表すパケットであるRDIを送信するとともに、前記ユーザデータを含むパケットの送信方向の下流側の隣接する中間ノード装置から前記RDIを受信したら、前記ライン/パス対応データベースを参照して、前記下流側回線に接続するパスに対して、パスごとのリモート警報を表すパケットであるP−RDIを送信する送信元制御部と
を備え、
前記ユーザデータを含むパケットの送信元となるノード装置の送信先制御部は、前記障害検出部が前記ユーザデータを含むパケットを送信するパスから前記P−RDIを受信して前記回線の障害の発生を検出したら、前記ユーザデータを含むパケットを送信するパスを切り替える
付記1の通信ネットワークシステム。
【0053】
(付記3)前記複数の中間ノード装置の送信先制御部はそれぞれ、前記障害検出部で前記上流側回線の障害が検出されたら、前記ユーザデータを含むパケットの送信方向の下流側の隣接する中間ノード装置を介して前記ユーザデータを含むパケットの送信先となるノード装置にパスごとのアラーム警報を表すパケットであるP−AISを送信し、
前記ユーザデータを含むパケットの送信先となるノード装置の送信先制御部は、前記ユーザデータを含むパケットを送信しないパスから前記P−AISを受信したら、前記ユーザデータを含むパケットを送信するパスに対して、前記ユーザデータを含むパケットを送信しないパスから前記P−AISを受信したことを表すパケットであるUSED−Nを送信し、
前記ユーザデータを含むパケットの送信元となるノード装置の送信先制御部は、前記障害検出部が前記ユーザデータを含むパケットを送信しないパスから前記USED−Nを受信して前記回線の障害の発生を検出したら、前記ユーザデータを含むパケットを送信するパスを切り替える
付記2の通信ネットワークシステム。
【0054】
(付記4)前記ユーザデータを含むパケットの送信元となるノード装置の送信先制御部は、前記ユーザデータを含むパケットを送信しないパスに対して、前記ユーザデータを含むパケットを送信しないことを表すパケットであるUNUSEDを送信する
付記1乃至3のいずれか1項の通信ネットワークシステム。
【0055】
(付記5)パケットの送信元ノード装置と送信先ノード装置との間にパスを設定するプロトコルに対応した複数のノード装置のうちパケットの送信元および送信先となるノード装置が、前記ノード装置間に設定される2系統のパスのうち一方のパスにのみユーザデータを含むパケットを送信する送信ステップと、
前記ノード装置が、前記2系統のパスに係る回線の障害の発生を検出する障害検出ステップと、
前記ノード装置が、前記障害検出ステップで前記一方のパスに係る回線の障害の発生を検出した場合には、前記ユーザデータを含むパケットを送信するパスを他方のパスに切り替える切り替えステップと
を備えることを特徴とするデータ送信方法。
【0056】
(付記6)前記2系統のパス上に配置され前記ユーザデータを含むパケットを中継する複数の中間ノード装置が、自ノード装置の前記ユーザデータを含むパケットの送信方向の上流側の隣接する中間ノード装置から送信された前記ユーザデータを含むパケットを自ノードに伝送する上流側回線の障害を検出する障害検出ステップと、
前記障害検出ステップで前記上流側回線の障害が検出されたら、前記ユーザデータを含むパケットの送信方向の上流側の隣接する中間ノード装置にリモート警報を表すパケットであるRDIを送信するRDI送信ステップと、
前記ユーザデータを含むパケットの送信方向の下流側の隣接する中間ノード装置から前記RDIを受信したら、自ノード装置から送信された前記ユーザデータを含むパケットを前記ユーザデータを含むパケットの送信方向の下流側の隣接する中間ノードに伝送する下流側回線に対応して該下流側回線に接続するパスの識別子が格納されるライン/パス対応データベースを参照して、前記下流側回線に接続するパスに対して、パスごとのリモート警報を表すパケットであるP−RDIを送信するP−RDI送信ステップと
をさらに備え、
前記切り替えステップは、前記障害検出ステップが前記ユーザデータを含むパケットを送信するパスから前記P−RDIを受信して前記回線の障害の発生を検出したら、前記ユーザデータを含むパケットを送信するパスを切り替える
付記5のデータ送信方法。
【0057】
(付記7)前記複数の中間ノード装置が、前記障害検出ステップで前記上流側回線の障害が検出されたら、前記ユーザデータを含むパケットの送信方向の下流側の隣接する中間ノード装置を介して前記ユーザデータを含むパケットの送信先となるノード装置にパスごとのアラーム警報を表すパケットであるP−AISを送信するP−AIS送信ステップと、
前記ユーザデータを含むパケットの送信先となるノード装置が、前記ユーザデータを含むパケットを送信しないパスから前記P−AISを受信したら、前記ユーザデータを含むパケットを送信するパスに対して、前記ユーザデータを含むパケットを送信しないパスから前記P−AISを受信したことを表すパケットであるUSED−Nを送信するUSED−N送信ステップと
をさらに備え、
前記切り替えステップは、前記障害検出ステップが前記ユーザデータを含むパケットを送信しないパスから前記USED−Nを受信して前記回線の障害の発生を検出したら、前記ユーザデータを含むパケットを送信するパスを切り替える
付記6のデータ送信方法。
【0058】
(付記8)前記ユーザデータを含むパケットの送信元となるノード装置が、前記ユーザデータを含むパケットを送信しないパスに対して、前記ユーザデータを含むパケットを送信しないことを表すパケットであるUNUSEDを送信するUNUSED送信ステップをさらに備える
付記5乃至7のいずれか1項のデータ送信方法。
【0059】
(付記9)パケットの送信元ノード装置と送信先ノード装置との間にパスを設定するプロトコルに対応したノード装置であって、
自ノード装置とパケットの送信先となるノード装置との間に設定される2系統のパスに係る回線の障害の発生を検出する障害検出部と、
前記2系統のパスのうち一方のパスにのみユーザデータを含むパケットを送信するとともに、前記障害検出部で前記一方のパスに係る回線の障害の発生を検出した場合には、前記ユーザデータを含むパケットを送信するパスを他方のパスに切り替える送信先制御部と
を備える
ことを特徴とするノード装置。
【0060】
(付記10)前記障害検出部は、前記2系統のパス上に配置され前記ユーザデータを含むパケットを中継する複数の中間ノード装置による前記複数の中間ノード装置間を接続する回線の障害の発生の検出に応じて前記中間ノード装置から送信されるパスごとのリモート警報を表すパケットであるP−RDIを受信して前記回線の障害の発生を検出し、
前記送信先制御部は、前記障害検出部が前記ユーザデータを含むパケットを送信するパスから前記P−RDIを受信して前記回線の障害の発生を検出したら、前記ユーザデータを含むパケットを送信するパスを切り替える
付記9のノード装置。
【0061】
(付記11)前記障害検出部は、前記複数の中間ノード装置による前記複数の中間ノード装置間を接続する回線の障害の発生の検出に応じて前記中間ノード装置から送信されるパスごとのアラーム警報を表すパケットであるP−AISに起因して前記ユーザデータを含むパケットの送信先となるノード装置から送信されるパケットであるUSED−Nを受信して前記回線の障害の発生を検出し、
前記送信先制御部は、前記障害検出部が前記ユーザデータを含むパケットを送信しないパスから前記USED−Nを受信して前記回線の障害の発生を検出したら、前記ユーザデータを含むパケットを送信するパスを切り替える
付記10のノード装置。
【0062】
(付記12)前記送信先制御部は、前記ユーザデータを含むパケットを送信しないパスに対して、前記ユーザデータを含むパケットを送信しないことを表すパケットであるUNUSEDを送信する
付記9乃至11のいずれか1項のノード装置。
【符号の説明】
【0063】
100 通信ネットワークシステム
150 ノード装置
190−1,290−1 障害/OAM検出部
190−2,290−2 送信先制御部
190−3,290−3 ライン/パス対応データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パケットの送信元ノード装置と送信先ノード装置との間にパスを設定するプロトコルに対応した複数のノード装置を含む通信ネットワークシステムであって、
パケットの送信元および送信先となるノード装置は、前記ノード装置間に設定される2系統のパスに係る回線の障害の発生を検出する障害検出部と、
前記2系統のパスのうち一方のパスにのみユーザデータを含むパケットを送信し、前記障害検出部で前記一方のパスに係る回線の障害の発生を検出した場合には、ユーザデータを含むパケットを送信するパスを他方のパスに切り替える送信先制御部と
を備えることを特徴とする通信ネットワークシステム。
【請求項2】
前記2系統のパス上に配置され前記ユーザデータを含むパケットを中継する複数の中間ノード装置はそれぞれ、自ノード装置から送信された前記ユーザデータを含むパケットを前記ユーザデータを含むパケットの送信方向の下流側の隣接する中間ノードに伝送する下流側回線に対応して該下流側回線に接続するパスの識別子が格納されるライン/パス対応データベースと、
自ノード装置の前記ユーザデータを含むパケットの送信方向の上流側の隣接する中間ノード装置から送信された前記ユーザデータを含むパケットを自ノードに伝送する上流側回線の障害を検出する障害検出部と、
前記障害検出部で前記上流側回線の障害が検出されたら、前記ユーザデータを含むパケットの送信方向の上流側の隣接する中間ノード装置にリモート警報を表すパケットであるRDIを送信するとともに、前記ユーザデータを含むパケットの送信方向の下流側の隣接する中間ノード装置から前記RDIを受信したら、前記ライン/パス対応データベースを参照して、前記下流側回線に接続するパスに対して、パスごとのリモート警報を表すパケットであるP−RDIを送信する送信元制御部と
を備え、
前記ユーザデータを含むパケットの送信元となるノード装置の送信先制御部は、前記障害検出部が前記ユーザデータを含むパケットを送信するパスから前記P−RDIを受信して前記回線の障害の発生を検出したら、前記ユーザデータを含むパケットを送信するパスを切り替える
請求項1の通信ネットワークシステム。
【請求項3】
前記複数の中間ノード装置の送信先制御部はそれぞれ、前記障害検出部で前記上流側回線の障害が検出されたら、前記ユーザデータを含むパケットの送信方向の下流側の隣接する中間ノード装置を介して前記ユーザデータを含むパケットの送信先となるノード装置にパスごとのアラーム警報を表すパケットであるP−AISを送信し、
前記ユーザデータを含むパケットの送信先となるノード装置の送信先制御部は、前記ユーザデータを含むパケットを送信しないパスから前記P−AISを受信したら、前記ユーザデータを含むパケットを送信するパスに対して、前記ユーザデータを含むパケットを送信しないパスから前記P−AISを受信したことを表すパケットであるUSED−Nを送信し、
前記ユーザデータを含むパケットの送信元となるノード装置の送信先制御部は、前記障害検出部が前記ユーザデータを含むパケットを送信しないパスから前記USED−Nを受信して前記回線の障害の発生を検出したら、前記ユーザデータを含むパケットを送信するパスを切り替える
請求項2の通信ネットワークシステム。
【請求項4】
前記ユーザデータを含むパケットの送信元となるノード装置の送信先制御部は、前記ユーザデータを含むパケットを送信しないパスに対して、前記ユーザデータを含むパケットを送信しないことを表すパケットであるUNUSEDを送信する
請求項1乃至3のいずれか1項の通信ネットワークシステム。
【請求項5】
パケットの送信元ノード装置と送信先ノード装置との間にパスを設定するプロトコルに対応した複数のノード装置のうちパケットの送信元および送信先となるノード装置が、前記ノード装置間に設定される2系統のパスのうち一方のパスにのみユーザデータを含むパケットを送信する送信ステップと、
前記ノード装置が、前記2系統のパスに係る回線の障害の発生を検出する障害検出ステップと、
前記ノード装置が、前記障害検出ステップで前記一方のパスに係る回線の障害の発生を検出した場合には、前記ユーザデータを含むパケットを送信するパスを他方のパスに切り替える切り替えステップと
を備えることを特徴とするデータ送信方法。
【請求項6】
パケットの送信元ノード装置と送信先ノード装置との間にパスを設定するプロトコルに対応したノード装置であって、
自ノード装置とパケットの送信先となるノード装置との間に設定される2系統のパスに係る回線の障害の発生を検出する障害検出部と、
前記2系統のパスのうち一方のパスにのみユーザデータを含むパケットを送信するとともに、前記障害検出部で前記一方のパスに係る回線の障害の発生を検出した場合には、前記ユーザデータを含むパケットを送信するパスを他方のパスに切り替える送信先制御部と
を備える
ことを特徴とするノード装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2011−254131(P2011−254131A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−124576(P2010−124576)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】