説明

通信不能になった電子棚ラベルを識別するための方法および装置

【課題】電子棚ラベルとの通信不能に注意を喚起するためのシステムおよび技術を提供する。
【解決手段】ある場所に位置する複数のラベルのうちの1つまたは複数を、通信不能になった場合に表示するメッセージまたは行う処置によりプログラムすることができる。ラベルは、ラベルとの通信が指定時間内に行われなかった場合に、ラベルにプログラムした処置を行わせるか、またはプログラムしたメッセージを表示させるスケジュールした処置によりプログラムすることができる。ラベルと通信することにより、処置またはイベントを再スケジュールする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、製品の価格および他の所望の情報を表示するための電子棚ラベル(ESL)の改善に関し、特に、通信不能になったESLを識別するための改良形システムおよび技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ESLは、製品の価格および他の関連情報を表示するための便利な方法である。小売場所は、通信基地局が送信する価格および他の情報を受信する数百または数千のESLを有することができる。通信基地局は、中央サーバとESLとの間でインタフェースを提供する。
【0003】
各ESLは、通常、一連番号により識別され、ESLへの送信は、多くの場合、アドレスとしてその一連番号を使用する。一方、ESLからの送信は一連番号を識別子として使用する。サーバは、各ESLの一連番号および各ESLが格納しているデータを含むデータベースに対してホストとしての働きをする。ESLは、データベース内に更新したデータを格納し、ESLへ送信する目的で通信基地局へ更新したデータを送信するためにサーバにコマンドを発行することにより更新することができる。ESLが格納しているデータは、ESLへの入力がデータベース内で変化した場合に更新される。例えば、製品の価格が変化した場合に更新することができる。さらに、ESL内に格納しているデータが、データベース内のデータを確実に反映するのを助けるために、新しい送信を、定期スケジュールですべてのESLまたは選択したESLに対して行うことができる。
【0004】
ESLに対する入力がデータベースからうっかり削除される場合がある。例えば、ESLを棚から取り外すことができるが、その場合、異なるESLに対する入力がデータベースから削除される。このような場合、その入力が削除されたESLは更新されないし、ESLの変化に関連する製品の価格または他の情報が変化した場合には、ESLは間違った情報を表示する。多数のESLは、通常、小売店またはスーパーマーケットのような所与の場所に置かれていて、本質的に、格納している情報とESL上に表示される情報との間のずれである通信の故障の結果は直ちにははっきりとは分からない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それ故、典型的な従来技術のシステムの場合には、通信不能になったESLを識別するのが難しい場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はいくつかの態様を有しているが、本発明は通信不能になったESLを識別するためのシステムおよび技術に対するニーズを認識する。本発明のある態様においては、複数の電子棚ラベルがある位置に配置されている。配置時またはその後の各ラベルは、ラベルとの通信が所定時間内に行われない場合には、通信不能に対する処置を実行するように適正にプログラムされる。実行することができる処置の例としては、該当するメッセージの表示、トーンの鳴動、または発光ダイオード(LED)の照明等がある。そうしたい場合には、通信不能に対する処置の実行は、指定時間にまたは指定時間が時間切れになった後で行われるようにスケジュールされる。通信不能に対する処置の実行のためのスケジュールした時間の前に、処置の実行のためのスケジュールを更新し、それにより実行のための時間をもっと後の時間に設定するために、各ラベルにメッセージを送ることができる。このような更新は、通常、それぞれの場合、通信不能に対する処置の実行のための新しく更新した時間の前に一定の間隔で行われる。それ故、ラベルとの通信を行うことができる場合には、通信不能に対する処置は決して実行されない。しかし、ラベルとの通信に失敗した場合には、通信不能に対する処置が最も最近更新したスケジュールにより行われる。
【0007】
下記の詳細な説明を読み、添付の図面を見れば、本発明および本発明の他の機能および利点をよりよく理解することができるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は、本発明のある態様による電子棚ラベル(ESL)100である。ESL100は、表示画面102、プロセッサ104と、クロック106と、メモリ108と、通信インタフェース110と、アンテナ112とを含む。ESL100は、表示オプションを選択するための、連続した表示画面を通してページングするための、またはそうでない場合、ユーザ入力上で受け付けおよび機能させるためのプッシュ・ボタン113を含むことができる。ESL100は、バッテリー114のような内部電源を含むことができるし、または別の方法としては、通信基地局(図1には示していないが、図3に示し以下に説明する)が放射した高周波(RF)電界のような外部電源から電力を受信することもできる。
【0009】
メモリ108は、複数のレジスタを含むように適正に組織することができる。レジスタはいくつかの異なるタイプのうちの1つに分類される。いくつかのタイプのレジスタは、表示および使用するための情報を格納し、他のタイプのレジスタは、ESL100の動作を制御するための情報およびコマンドを格納する。
【0010】
レジスタの1つのタイプは、便宜上、表示および使用のための情報の種々の素子を格納するために使用するデータ・レジスタと呼ぶことができる。レジスタ116Aは、価格情報を格納し、レジスタ116Bおよび116Cは、表示のために選択することができる追加製品記述情報を格納する。この説明の中で最も注目すべきことは、レジスタ116Dは、アイコン、指定のテキスト・メッセージまたは白紙画面のような通信不能インジケータ表示を格納することである。この場合、レジスタ116Dは、表示画面102上に反映するように、前後に星印の列が付いている「通信不能警報」というテキスト・メッセージを格納する。レジスタ116Dの内容は、図1には明示されていないが、図2に示してある。
【0011】
種々の制御レジスタが、所定の時間中に特にそれに宛てた通信を受信するために、ESL100の故障のような指定の状態が発生した場合に取る指定の処置を行わせる情報を多数含んでいる。取る処置の一例としては、レジスタ116D内に格納しているメッセージの表示がある。考えられる他の処置としては、アラームの鳴動、警報ランプの点灯、または他の類似の処置等がある。
【0012】
ESLに影響を与える通信の故障は、多くの場合、システム内で動作しているESLのデータベースからESLの記録をうっかり削除したことに起因する。このようなESLは、すべてのESL全体に同報通信したメッセージを引き続き受信することができるが、例えば、特にESL宛ての価格更新メッセージのようなメッセージは受信しない。
【0013】
図の例の制御レジスタは、シーケンス・レジスタ118Aおよび118Bを含む。シーケンス・レジスタ118Aおよび118Bは、レジスタ116A〜116D内に格納しているデータの表示のシーケンスおよびタイミングを制御する。他の制御レジスタは、任意の特定の時点でシーケンス・レジスタ118Aまたは118Bのうちの1つを能動状態になるように選択する能動シーケンス・レジスタ120、およびスケジュールされたシーケンス・レジスタにより指定された時点で、能動シーケンス・レジスタ内に指定の情報をロードするスケジュールされたシーケンス・レジスタ122を含む。
【0014】
視覚メッセージの表示については上記説明したが、通信不能になったESLに注意を喚起するために、およびESLを容易に識別できるようにするために、処置に対して多数の別の方法が存在することを理解することができるだろう。このような処置としては、LEDの照明、可聴メッセージの鳴動、または種々の他の処置またはイベント等があるが、これらに限定されない。通信不能状態を示す明示のメッセージの表示に加えて、または別の方法としてこれらの処置またはイベントのうちの任意のものまたはすべてを使用することができる。
【0015】
図2は、レジスタ116A〜116D、118A、118B、120および122の例示としての内容を示すメモリ108の詳細図である。すでに説明したように、例示としてのESL100は、4つの表示レジスタ116A〜116D、および2つのシーケンス・レジスタ118Aおよび118Bを含む。レジスタ116Aは、製品識別および価格を含む価格表示情報を格納する。レジスタ116Bは、同じ製品に関する別の価格情報を含む。図の例の場合には、別の価格は、小売店のロイヤルティ・プログラムの使用に対する割引を含むクラブ価格である。レジスタ116Cは、「クラブ・メンバー1.52ドル割引! 本日ご加入を!!!」という図のメッセージのような広告メッセージを格納し、レジスタ116Dは、通信不能インジケータを格納する。
【0016】
情報の表示のようなラベル100が取る処置の選択およびタイミングは、シーケンス・レジスタ118Aおよび118Bにより制御される。図の例の場合には、各レジスタ118Aおよび118Bは、一組の時間値を格納する。1つの時間の値は、各データ・レジスタと関連していて、レジスタ内に格納している情報を表示するサイクル数で表される時間の長さを表示する。表示はシーケンスの形で行われる。各レジスタは、指定時間の間表示され、次に、シーケンスが反復される。
【0017】
図2に示すように、レジスタ118Aは、レジスタ118A〜118Cの内容を、ESL100に類似のESLに対して共通に使用するプログラミング内で通常約2.5秒になる10サイクルを含むそれぞれ10サイクルの間表示すべきことを示す時間値10、10、10および0を格納する。レジスタ118Dの内容は、0サイクルの間表示することになる。すなわち、表示されない。レジスタ118Bは、通信故障インジケータを本質的に連続して表示することを示す時間値0、0、0および255を格納する。ESL118Dの内容は、各シーケンス中使用できる最長時間の間表示され、ESL118A〜118Cの内容は表示されない。
【0018】
任意の特定の時間に、現在能動状態にあるシーケンス・レジスタ120は、シーケンス・レジスタ118Aまたは118Bのうちのどれが、ESL100が表示する情報を制御しているのかを示す。この例の場合には、レジスタ120は、第1のシーケンス・レジスタ118Aが表示を制御していることを示す選択番号「1」を格納する。レジスタ120の内容が変化した場合、選択番号「2」が格納されるように、レジスタ118Bは、表示を制御し、通信故障インジケータが表示される。レジスタ120の内容の変更は、例えば、通信基地局から受信したコマンドにより行うことができる。
【0019】
現在能動状態にあるシーケンス・レジスタ120の内容の変更は、また、スケジューリングにより行うことができ、レジスタ118Bを能動状態にあるシーケンス・レジスタとして選択するために、レジスタ120が通常変更されるのはスケジューリングによってである。ESL100は、シーケンス・レジスタ118Bを能動状態にあるシーケンス・レジスタとして選択するためのスケジュールした処置を設定する情報を格納するスケジュールしたシーケンス・レジスタ122を含む。レジスタ素子124Aは、処置を実行する時間を格納し、レジスタ素子124Bは、スケジュールした選択が、第2のシーケンス・レジスタ、すなわちレジスタ118Bであることを示す「2」を格納する。レジスタ素子124A内に格納している時間に、レジスタ素子124B内に格納している値「2」は、レジスタ122に転送され、第2のシーケンス・レジスタ118Bを能動状態にあるシーケンス・レジスタとして設定し、通信不能インジケータを表示させる。スケジュールしたシーケンス・レジスタ122の内容、および任意の他のレジスタの内容は、通信基地局から受信する送信により決定することができる。通常の動作の場合、能動状態のシーケンス・レジスタのスイッチングのためのスケジュールした時間を格納しているレジスタ素子124Aは、通信基地局からの送信により周期的に更新されるが、その場合、各更新によりスケジュールした時間が先送りされる。例えば、スケジュールした時間が最後の更新から2日目と選択され、レジスタ素子124Aが毎日更新される場合には、スケジュールした時間が各更新毎に1日後にずらされる。それ故、通信が不能にならない限りは、ESLは更新され、それ故、通信不能インジケータを表示するためのスケジュールされた時間に決してなることはなく、通信不能も決して表示されない。スケジュールした時間を更新する送信は、特にESL100に宛てて送ることができ、特定のESL宛てでない一般的な同報通信の一部とはならない。
【0020】
ESL100のハードウェア構成要素は、通常入手することができるESLのハードウェア構成要素に適正に類似していてもよく、任意の適正に設計されたESLは、ESLの適正なレジスタ内に適正なデータおよびコマンドをロードすることにより、上記と同じような方法で動作するように構成することができる。例えば、すでに設置されているシステムが、適正なデータおよびコマンドを受信し格納することができるESLを使用している場合には、ESLを、単に、適正なレジスタに格納するためにESLに適正なデータおよびコマンドを送信することにより、図1および図2のESL100の方法と類似の方法で動作するように構成することができる。しかし、本発明の教示を実行するために多数の他の技術およびハードウェア構成を使用することができることを理解することができるだろう。例えば、通信不能メッセージのスケジュールした表示を格納し、次に、スケジュールを更新するための別の方法として、通信の成功した各出来事を検出するようにESLを設計またはプログラムすることができる。ESLは、指定時間内に通信が行われない場合には通信不能メッセージを表示するように、また特にESL宛ての通信が上記時間内に検出された場合には、スケジュールした時間を自動的にリセットするようにプログラムすることができる。
【0021】
図3は、複数のESL302A,...,302Nを含むESLシステム300である。ESL302A,...,302Nは、設計およびプログラミングの点でESL100に適正に類似していてもよい。システム300は、また、ESL302A,...,302Nにデータおよびコマンドを送信し、ESL302A,...,302Nから情報および応答を受信するための通信基地局(CBS)304、および通信基地局304の動作を管理するためのサーバ306を含む。図3には1つの通信基地局304および1つのサーバ306しか図示していないが、通常の施設は、ESL302A,...,302NのようなESLを数千、および通信基地局304のような通信基地局をいくつか含むことができる。各通信基地局は、ESLの指定のグループに割り当てられる。システムは、また、サーバ306のようなサーバを複数含むこともできる。本発明の教示は、任意の数のESL、通信基地局およびサーバを含むシステムに容易に適合させることができる。
【0022】
サーバは、好適には、プロセッサ308、ハード・ドライブ310のような永続記憶装置、高速メモリ312、ディスプレイ314およびキーボード316を含むことが好ましい。サーバ306は、また、通信基地局304を制御するための通信インタフェース318を含む。
【0023】
サーバ306は、ESLテーブル324からのデータを使用して、ESLマネージャ320および通信基地局マネージャ322の制御の下で適正に動作する。ESLテーブル324は、各ESLの一連番号を格納し、各ESLの状態および格納しているデータ画像のような情報を適正に格納することができる。データ画像は、ESL内に現在格納しているデータの画像およびESLへ送信するデータの画像を含むことができる。送信するデータ画像は、送信のためのスケジュールした時間に関連付けることができる。
【0024】
ESLマネージャ320は、ESLにメッセージを送信し、またテーブル326のようなスプール・テーブルを使用してESLに対する処置リストを監視し、維持する。スプール・テーブルは、処置を行うためにプロセッサ・リソースを使用できるようになった場合に、行う処置のリストまたはシーケンスである。行う処置は、ESL情報の更新、状態更新の要求、およびシステム300の動作のために要求を受けた他の処置を含むことができる。ESL302A,...,302Nのうちの1つと通信するために、ESLマネージャ320は、メッセージを作成し、ESLへの送信のための通信をフォーマットするCBSマネージャ322による送信を要求し、通信をCBS304に送る。
【0025】
ESLが、通信不能になった場合、確実に通信不能メッセージを表示するが、他のメッセージを表示しないようにするために、ESLマネージャ320は、ESLが設置された時点で各ESL302A,...,302Nを適正に初期化する。各ESL302A,...,302Nは、好適には、設計および構成の点でESL100に類似していることが好ましい。各ESLは、図1のレジスタ116A〜116D類似のデータ・レジスタを含む。各ESLは、必要な数のデータ・レジスタを含むことができる。この場合、各ESLのデータ・レジスタにはESLが必要とする情報がロードされる。各ESLは、また、図1のESL100のレジスタ118Aおよび118B類似のシーケンス・レジスタを含む。各ESLは、必要な数のシーケンス・レジスタを有することができる。この場合、各シーケンス・レジスタは所望の表示シーケンスのためのデータを格納する。しかし、各ESL302A,...,302Nは、通信不能表示の格納専用の、図1のレジスタ116D類似のレジスタを含む。便宜上、このレジスタを通信不能データ・レジスタと呼ぶ。同様に、各ESL302A,...,302Nは、また、図1のレジスタ118B類似のシーケンス・レジスタを含む。便宜上、このレジスタを通信不能シーケンス・レジスタと呼ぶ。
【0026】
ESLマネージャ320は、通信不能データをESLの通信不能データ・レジスタにロードし、通信不能シーケンスを各ESLの通信不能シーケンス・レジスタ内にロードするために各ESLに送信を要求する。ロードは所望する任意の時点で行うことができる。例えば、ESLがシステム300内に最初に設置された場合、またはシステム300全体が最初に動作をスタートした場合に、データをロードすることができる。さらに、ESLによりデータがエラーを起こしたり喪失するのを防止し、確実に適正なデータが存在するようにするために、スケジュールした時間に各ESLにデータをロードする送信を準備し、送信することができる。
【0027】
各ESL302A,...,302Nは、それぞれ、能動シーケンス・レジスタ、および図1のレジスタ120および122類似のスケジュールしたシーケンス・レジスタを適正に含む。ESLの設置、システム300の初期化のような適正な時点で、またはスケジュールにより周期的に、ESLマネージャ320は、各ESLのスケジュールしたシーケンス・レジスタ内にスケジュールした処置を格納するために送信要求を作成する。要求は、能動レジスタとして通信不能シーケンス・レジスタの選択をスケジュールし、要求の日から2日というような選択のための適正な時間を設定する。ESLマネージャ320は、また、ESLへの送信を準備し、システム300を管理するために必要に応じてESLからの応答およびメッセージを解釈する。
【0028】
ESLマネージャ320は、能動シーケンス・レジスタとしての通信不能シーケンス・レジスタの選択のためのスケジュールした時間を更新する目的で、各ESLの格納しているシーケンス・レジスタを更新するために、すべてのESLへの送信を周期的に準備する。任意のESLを特に目的としない一般的な同報通信送信から特にESLに宛てた送信を区別するために、このような送信は、適正に特にESL宛てに行われるが、代わりに、範囲内のすべてのESLに対して単に行われる。更新を行うと、スケジュールした時間がさらに先送りされる。更新は選択のスケジュールした発生の前に行われ、そのため通信がうまく行われている任意のESLに対して選択は行われない。しかし、任意のESLとの通信が不能になった場合には、例えば、ESLの識別がうっかりESLテーブル324から削除された場合には、通信不能シーケンス・レジスタの選択のために格納しているスケジュールした時間は更新されず、最新のスケジュールにより選択が行われる。通信が失敗したESLの上記識別はすでに設置されているシステム内で行うことができ、本発明の上記実施形態が一緒に使用される各ESLが、データを受信することができ、上述のように処置のスケジューリングおよびスケジュールした処置をサポートするレジスタを含んでいる限りは、ESLのいかなる特殊なハードウェア構成も必要としないことを理解することができるだろう。
【0029】
図4は、本発明のある態様による通信不能になったラベルを識別するためのプロセス400である。プロセス400は、図1のラベル100類似の電子棚ラベルにより、図3のシステム300のようなシステムにより適正に実行することができる。
【0030】
ステップ402において、ラベルとの通信が不能になった場合、処置を実行させることができるプログラムした命令と一緒に、通信不能になった場合に実行する処置で、複数の電子棚ラベルがプログラムされる。処置および命令のプログラミングは、1つまたは複数の通信基地局のような中央通信装置から送信する各ラベルへのメッセージにより適正に行うことができる。そうしたい場合には、プログラムした命令は、スケジュールした時間が期限切れになる前に命令が更新されなかった場合、スケジュールした時間が時間切れになった後で処置を実行する。ステップ404において、通信不能に対する処置を実行するための命令は、さらに先送りした時間に処置の実行を再スケジュールし、そのため通信を行うことができるラベルにより命令が表示されるのを防止するために周期的に更新される。ステップ406において、通信不能に対する処置の実行のためのスケジュールした時間が期限切れになる前にラベルと通信するのに失敗した場合には、スケジュールした時間は時間切れになり、処置はスケジュールした時間内に通信を行わなかったラベルにより行われる。
【0031】
好ましい実施形態により本発明を説明してきたが、上記説明および添付の特許請求の範囲により当業者であれば種々様々な実施を行うことができることを理解することができるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明のある態様による電子棚ラベルである。
【図2】本発明のある態様により動作する電子棚ラベルのメモリ・レジスタ・マップである。
【図3】本発明のある態様による電子棚ラベル・システムである。
【図4】本発明のある態様による通信不能になった電子棚ラベルを識別するためのプロセスである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子棚ラベルであって、
前記ラベルが行う複数の処置のうちの1つまたは複数を格納するためのメモリであって、前記使用できる処置のうちの1つまたは複数が、前記ラベルとの通信が不能になった場合、前記ラベルに注意を喚起する通信不能に対する処置を含むメモリと、
前記ラベルが行う処置を選択するためのプロセッサであって、前記プロセッサが、特に前記ラベル宛ての通信が指定時間中に前記ラベルにより受信されなかった場合に、前記通信不能に対する処置を選択するように動作するプロセッサとを備える電子棚ラベル。
【請求項2】
前記メモリが複数のレジスタを備え、前記レジスタが、行う処置を制御するためのタイミング・シーケンスを格納するためのシーケンス・レジスタを含み、前記シーケンス・レジスタのうちの少なくとも1つが、通信不能に対する処置の実行を指示する通信不能シーケンス・レジスタであり、特に前記ラベル宛ての通信が指定時間中に前記ラベルにより受信されなかった場合に、前記通信不能シーケンス・レジスタが能動シーケンス・レジスタとして選択される、請求項1に記載の電子棚ラベル。
【請求項3】
前記通信不能に対する処置が、通信不能メッセージの表示を含み、前記ラベルが、メッセージを表示するための表示画面をさらに含む、請求項2に記載の電子棚ラベル。
【請求項4】
少なくとも1つの通信不能シーケンス・レジスタが、前記通信不能メッセージが表示される非ゼロ時間を指定する、請求項3に記載の電子棚ラベル。
【請求項5】
前記シーケンス・レジスタのうちの1つが能動状態にあるとの選択を格納するためのスケジュールしたシーケンス・レジスタをさらに備え、前記スケジュールしたシーケンス・レジスタが、前記通信不能シーケンス・レジスタが能動状態にあるとの選択を実行するためのスケジュールと一緒に、前記通信不能シーケンス・レジスタが能動シーケンス・レジスタであるとの選択を格納する、請求項4に記載の電子棚ラベル。
【請求項6】
前記ラベルが、前記通信不能シーケンス・レジスタが能動状態にあるという選択のための更新したスケジュールを周期的に受信するためにさらに動作する、請求項5に記載の電子棚ラベル。
【請求項7】
前記ラベルが、特に前記ラベル宛ての通信で前記通信不能シーケンス・レジスタが能動状態にあるという選択のための前記更新したスケジュールを受信するために動作する、請求項6に記載の電子棚ラベル。
【請求項8】
前記ラベルが、前記通信不能シーケンス・レジスタが能動状態にあるという選択のための最も最近更新したスケジュールした時間の前のある時点で、前記通信不能レジスタが能動状態にあるという選択のための前記更新したスケジュールを受信するために動作する、請求項7に記載の電子棚ラベル。
【請求項9】
電子棚ラベルとの通信を管理するための通信制御装置であって、
前記ラベルに送信するメッセージおよびコマンドの通信を行い、前記電子棚ラベルからの応答を受信するための通信インタフェースと、
前記電子棚ラベルに送信するメッセージおよびコマンドを作成するためのプロセッサであって、前記プロセッサが、前記電子棚ラベルにより実行するための通信不能に対する処置を送信し、特に前記ラベル宛ての通信が前記指定時間前に前記ラベルにより受信されなかった場合に、前記通信不能に対する処置を実行する時間を指定するコマンドを送信するために動作するプロセッサとを備える通信制御装置。
【請求項10】
前記通信不能に対する処置が、前記ラベルに注意を喚起する前記ラベルによる処置を含む、請求項9に記載の通信制御装置。
【請求項11】
前記通信不能に対する処置が、通信不能メッセージの表示を含む、請求項10に記載の通信制御装置。
【請求項12】
前記プロセッサが、前記指定時間に前記通信不能に対する処置の実行をスケジュールするラベルにコマンドを発行し、その後で周期的におよび前記指定時間の前に、前記通信不能に対する処置の実行を新しいおよび後で指定した時間に再スケジュールする新しいコマンドを発行するために動作する、請求項11に記載の通信制御装置。
【請求項13】
前記プロセッサが、前記ラベルの表示レジスタに格納するために前記ラベルに、通信不能メッセージの送信を指示するために動作し、前記プロセッサが、前記ラベルの通信不能シーケンス・レジスタに格納するために前記ラベルに、通信不能メッセージの表示を呼び出す時間シーケンスの送信を指示するためにさらに動作し、前記プロセッサが、スケジュールしたシーケンス・レジスタに格納するためにスケジュールしたシーケンスの送信を指示するためにさらに動作し、前記スケジュールしたシーケンスが、指定時間に能動シーケンス・レジスタとしての前記通信不能シーケンス・レジスタの選択を指示する、請求項10に記載の通信制御装置。
【請求項14】
前記プロセッサが、前記最も最近更新したスケジュールしたシーケンスにより指定時間の後の新しい指定時間に、前記ラベルに前記通信不能シーケンス・レジスタの更新したスケジュールしたシーケンスの再スケジューリング選択を周期的に送信するために動作する、請求項13に記載の通信制御装置。
【請求項15】
通信不能になった電子棚ラベルを識別するための方法であって、
通信不能に対する処置により電子棚ラベルをプログラムするステップと、
特に前記ラベル宛てのコマンドが前記指定時間前に前記ラベルにより受信されなかった場合に、前記通信不能に対する処置を実行するように前記電子棚ラベルをプログラムするステップとを含む電子棚ラベルの識別方法。
【請求項16】
前記通信不能に対する処置を実行するために前記電子棚ラベルをプログラムする前記ステップが、通信不能時間シーケンスを、前記通信不能に対する処置を実行するために時間シーケンスを指示する前記ラベルに送信するステップと、特に前記ラベル宛てのメッセージが前記指定時間の前に発生しなかった場合に、能動シーケンスとして前記通信不能時間シーケンスを選択するように、前記通信不能時間シーケンスの選択をスケジュールするコマンドを送信するステップとを含む、請求項15に記載の電子棚ラベルの識別方法。
【請求項17】
前記ラベル宛てのメッセージが前記指定時間の前に発生しなかった場合に、前記通信不能時間シーケンスを選択させるために、前記通信不能時間シーケンスの選択をスケジュールするステップが、前記通信不能時間シーケンスが能動状態にあるとする選択が行われる前記指定時間を更新するコマンドを周期的に送信するステップをさらに含み、前記指定時間を更新する前記コマンドの送信が、前記最も最近更新した指定時間の前に行われる、請求項16に記載の電子棚ラベルの識別方法。
【請求項18】
前記指定時間を更新する前記コマンドが、特に前記ラベルに宛てて送られる、請求項17に記載の電子棚ラベルの識別方法。
【請求項19】
前記通信不能に対する処置が、通信不能メッセージの表示である、請求項18に記載の電子棚ラベルの識別方法。
【請求項20】
前記通信不能に対する処置の実行のための時間シーケンスが、前記通信不能メッセージの連続表示を指示する時間シーケンスである、請求項19に記載の電子棚ラベルの識別方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−136195(P2007−136195A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−310055(P2006−310055)
【出願日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(592089054)エヌシーアール インターナショナル インコーポレイテッド (21)
【氏名又は名称原語表記】NCR International,Inc.
【Fターム(参考)】