通信先特定サーバ及び通信対象特定システム
【課題】特定の通信先から情報を取得可能とすることを目的とする。
【解決手段】通信対象装置200の位置、その位置の取得日時、及び通信対象装置200を特定する固有識別情報を含む位置特定データを受信して、通信対象装置200の特定情報を蓄積すると共に、通信対象装置200からの提供情報を保持する。そして、検索位置及び日時を検索条件として含む要求信号を受信すると、要求信号に含まれる検索条件で上記蓄積した特定情報を検索して、検索条件を満足する通信可能な通信対象装置200を特定し、その特定した通信対象装置200に関する提供情報を、上記要求信号を送信した通信先指定装置100に送信する。
【解決手段】通信対象装置200の位置、その位置の取得日時、及び通信対象装置200を特定する固有識別情報を含む位置特定データを受信して、通信対象装置200の特定情報を蓄積すると共に、通信対象装置200からの提供情報を保持する。そして、検索位置及び日時を検索条件として含む要求信号を受信すると、要求信号に含まれる検索条件で上記蓄積した特定情報を検索して、検索条件を満足する通信可能な通信対象装置200を特定し、その特定した通信対象装置200に関する提供情報を、上記要求信号を送信した通信先指定装置100に送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信を行う通信対象装置を特定する通信先特定の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両と車両が予め定めた通信方式に基づいて通信することで、車車間で相互に情報を送受信する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−259103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、各車両は、通信をしようとしている相手(他の車両)との通信に必要な仕様、例えば互いの通信手段やアドレス、どのような情報を持っているかを相互に且つ事前に知っている必要がある。このため、いずれかの車両での通信手段や取得情報が変更された場合に、必要とする情報を他車両から取得出来なくなるおそれがある。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、特定の通信先から情報を取得可能とすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、通信対象装置の位置、その位置の取得日時、及び通信対象装置を特定する固有識別情報を含む位置特定データを受信して、通信対象装置の特定情報を蓄積すると共に、通信対象装置からの提供情報を保持する。そして、検索位置及び日時を検索条件として含む要求信号を受信すると、要求信号に含まれる検索条件で上記蓄積した特定情報を検索して、検索条件を満足する通信可能な通信対象装置を特定し、その特定した通信対象装置に関する提供情報を、上記要求信号を送信した通信先指定装置に送信する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、通信先特定サーバは、通信先指定装置から指定される検索位置とこれを判別する指定日時によってこの条件に該当する通信対象装置を特定することで、特定した通信先対象装置からの提供情報を通信先指定装置に対し送信する。この結果、通信先指定装置は、通信先特定サーバを通じて、通信対象装置が提供する提供情報を取得可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に基づく実施形態に係るシステム構成を説明する図である。
【図2】本発明に基づく実施形態に係る通信先指定装置の処理を説明する図である。
【図3】本発明に基づく実施形態に係る通信先指定画面例を示す図である。
【図4】本発明に基づく実施形態に係る通信先特定サーバの処理を説明する図である。
【図5】本発明に基づく第2実施形態に係るシステム構成を説明する図である。
【図6】本発明に基づく第2実施形態に係る通信先指定装置の処理を説明する図である。
【図7】本発明に基づく第2実施形態に係る通信先指定画面例を示す図である。
【図8】本発明に基づく第2実施形態に係る通信先特定サーバの処理(通信先候補一覧情報取得要求時)を説明する図である。
【図9】本発明に基づく第2実施形態に係る通信先特定サーバの処理(データ取得要求時)を説明する図である。
【図10】本発明に基づく第2実施形態に係る通信対象装置の処理を説明する図である。
【図11】本発明に基づく第3実施形態に係るシステム構成を説明する図である。
【図12】本発明に基づく第3実施形態に係る通信先指定装置の処理を説明する図である。
【図13】本発明に基づく第3実施形態に係る通信先指定画面例(前方)を示す図である。
【図14】本発明に基づく第3実施形態に係る通信先指定画面例(全周囲)を示す図である。
【図15】本発明に基づく第3実施形態に係る通信先特定サーバの処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。
(構成)
図1は、本実施形態に係る通信対象特定システムを説明する構成図である。
通信先特定システムは、図1に示すように、通信先特定サーバ300、複数の通信対象装置200a、200b。200c・・・(以下、通信対象装置200とする)、及び通信先指定装置100からなる。
【0009】
「通信対象装置200」
本実施形態の通信対象装置200は、車両に搭載されている。その通信対象装置200は、通信先特定サーバ300に対し、予め設定した一定間隔で位置特定データを送信する。上記位置特定データは、対応する通信対象装置200の位置、その位置の取得日時、及び上記通信対象装置200を特定する固有識別情報(固有ID)を含むデータである。また通信対象装置200は、取得した通信対象装置200を搭載した車両の車両情報や交通情報などの提供情報を通信先特定サーバ300に送信する。本実施形態の通信対象装置200は、上記位置特定データと提供情報とを含むプローブ情報を、一定間隔毎に送信する構成となっている。
【0010】
上記通信対象装置200は、図1に示すように、GPS受信装置201、車両信号取得部211、データロガー202、通信部203を備える。
GPS受信装置201は、現在位置の判定情報を取得する。
車両信号取得部211は、通信対象装置200を搭載した車両の速度等の車両情報を取得する。
データロガー202は、現在の位置情報、車両信号及びその情報を取得した取得日時、通信対象装置200を特定する固有IDを含むプローブ情報を保持する。
通信部203は、データロガー202に保持されている保持情報(プローブ情報)を、予め設定した時間間隔で定期的に上記通信先特定サーバ300に送信する。通信部203と通信先特定サーバ300とは、例えばインターネット接続する。道路インフラを通じて通信を実行しても良い。
【0011】
「通信先特定サーバ300」
通信先特定サーバ300は、プローブ情報データベース301、プローブ情報取得部303、通信先特定部302、データ加工部311を備える。
プローブ情報データベース301は、通信対象装置200群から受信することで取得した位置情報や車両信号とその取得時刻、通信対象装置200を特定するための固有IDを保持する。
【0012】
プローブ情報取得部303は、通信対象装置200が送信した位置特定データや提供情報を含むプローブ情報を受信する。そして、プローブ情報取得部303は、受信したプローブ情報を、例えば固有識別情報に関連付けて対応する通信対象装置200を特定する特定情報としてプローブ情報データベース301に蓄積する。
通信先特定部302は、検索位置及び日時を検索条件として含む要求信号を、通信先指定装置100から受信する。そして通信先特定部302は、上記要求信号に含まれる検索条件で上記蓄積した特定情報を検索して、検索条件を満足する通信対象装置200を抽出することで、通信対象装置200を特定する。
【0013】
データ加工部311は、通信先特定部302が特定した1又は2以上の通信対象装置200から受信した提供情報のうち、通信先特定部302の要求を満足する提供情報を抽出する。本実施形態では速度情報を抽出する。そして、データ加工部311は、その抽出した提供情報若しくはその提供情報を加工した加工情報を、上記要求信号を送信した通信先指定装置100に送信する。本実施形態では、データ加工部311は、抽出した提供情報を通信先指定装置100に提示可能な形に加工する。このように加工することで、通信先特定サーバ300は、通信対象の相手を特定しない形で情報提供をする。そして、データ加工部311は、加工した情報を上記要求信号を送信した通信先指定装置100に送信する。
【0014】
「通信先指定装置100」
通信先指定装置100は、通信先特定サーバ300に対し要求信号を送信し、その要求に応じて通信先特定サーバ300が送信した提供情報のデータを受信する。そして、通信先指定装置100は、受信した提供情報をユーザに表示その他によって提供する。上記提供情報は、特定の通信対象装置200が送信した交通情報などの情報を加工してなる情報である。
【0015】
本実施形態の通信先指定装置100は、例えばPC上で動作するウェブベースアプリケーションや、車載ナビゲーションシステム上で動作するシステムで構成する。また本実施形態の通信先指定装置100は、地図上のエリアを通信先特定サーバ300に送信する位置情報とし、通信先特定サーバ300から、そのエリア内を走行中の車両の平均速度の情報を取得して、その取得情報をユーザに表示する構成となっている。すなわち、通信先指定装置100は、通信先特定サーバ300上に保持されているプローブ情報を取得し、ユーザに提示する機能と、地図上のエリアを選択することで、情報を取得する対象を指定する機能とを持つ。
【0016】
本実施形態の通信先指定装置100は、図1に示すように、通信部101、入力デバイス120、条件指定部102、出力制御部103、地図データベース111、出力デバイス130を備える。
通信部101は、通信先特定サーバ300へ情報の取得条件(要求信号)を送信したり、指定した条件を満足する情報を受信する通信処理を行う。
【0017】
入力デバイス120は、ユーザが情報を入力操作するための機器である。入力デバイス120は、例えばマイク121やタッチパネル122から構成される。
出力デバイス130は、ユーザに情報を提示するための機器である。出力デバイス130は、例えばディスプレイ131やスピーカ132から構成される。
地図データベース111は、地図情報を保持する。
条件指定部102は、入力デバイス120を介して、通信先特定サーバ300上にある情報のうち必要な情報の取得条件を指定するために、地図上のエリアを指定させる機能を備える。
【0018】
次に、上記通信先を指定するための通信先指定装置100の処理を、図2を参照して説明する。
通信先指定装置100は、通信先指定機能の作動要求を入力すると作動する(S1100)。作動するとステップS1101に移行する。上記作動要求はユーザの操作に応じて入力する。
ステップS1101では、ディスプレイ131に現在位置周辺の地図を表示して、ユーザに選択を要求する。
次に、ステップS1102では、ユーザが地図上のエリアを、タッチパネル122を使って選択した地点を取得する。例えば、ディスプレイ131に表示中の地図を特定する位置情報、例えば地図の左上端点の緯度経度とその際の縮尺情報からなる位置情報を取得する。
【0019】
次にステップS1103では、取得した位置情報、現在時刻を含む要求信号を、通信先の条件として通信先特定サーバ300に送信する。このとき、提供の要求情報として速度情報を要求するとする。
そして、ステップS1104では、上記要求信号に応じて通信先特定サーバ300が送信した提供情報を取得する。本実施形態では、例えば通信対象装置200から取得した情報として、指定したエリアを通行する各車両の速度を加工して、当該指定したエリアを通行する各車両の平均速度を受信する。
続いてステップS1105では、受信した情報をディスプレイ131に表示する。その後、処理を終了する(S1106)。
【0020】
なお、本実施形態の通信先特定サーバ300では、指定エリアを通行する車両の平均時速を提示する構成とした。これに代えて若しくは併せて、通信先特定サーバ300は、特定車両の燃費や車種構成、一定時間内に通行している車両の数などを提示することを選択できるよう、取得する情報を選択可能とする構成であっても良い。
また本実施形態では、現在時刻を情報取得の指定時刻としている。情報取得の指定時刻は、過去の日時であっても良い。
【0021】
図3は、取得する情報を選択可能にし、日時条件も指定可能とした場合の通信先指定装置100での画面表示例の例である。図3中の符号1001はディスプレイ131の表示エリアであり、地図を表示している。このエリア表示の上に、情報を取得する条件を指定するためのエリアとして、日付指定エリア(1003)、時刻指定エリア(1004)、取得情報種別指定エリア(1005)の各領域を設定する。取得情報種別指定エリアは、リスト選択方式で、平均速度や燃費、車種構成などを選ぶことができる構成とする。ユーザが表示されている地図上を点指定(例えば指でタッチ)すると、該当エリアは、選択を表すためにハイライト表示となる(1002)。選択後、OKボタン(1006)を押すと、選択が完了する。そして選択完了したエリア情報と、取得条件が、サーバに送信される。この例では、指定位置を中心とするある半径距離以内のデータを指定エリアとして取得する。指定エリアとして、道路を指定するようにしたり、矩形で区切ったエリアを指定したりするようにしてもよい。
【0022】
次に、上記通信先特定サーバ300の処理を、図4を参照して説明する。
通信先指定装置100からデータの取得条件(要求信号)を受信すると(S1301)、ステップS1302に移行する。
ステップS1302では、通信先特定部302は、プローブ情報データベース301に保持されているプローブ情報から指定された条件(位置及び時間範囲)を満足するデータを抽出する。例えば、走行車両の平均速度を提供要求し、その日時及びエリアを指定された場合は、指定時刻の前後10分間以内に、指定された緯度経度範囲エリアを通過した履歴情報を持つ車両(通信対象装置200)から取得した速度情報を抽出する。
【0023】
ステップS1302では、条件を満足する情報の抽出が完了したら移行して、データ加工部311は、通信先指定装置100に提供可能な形に、通信対象装置200から取得した提供データを加工する。
そして、ステップS1304では、加工した提供データを通信先指定装置100に送信する。
ステップS1305では、未送信データがあるか否かを判定する。未送信データが存在する場合には、ステップS1304に移行して、データの送信を継続する。一方、送信が完了した場合には、ステップS1306に移行して処理を終了する。
【0024】
(動作その他)
通信対象装置200が、当該通信対象装置200を搭載する車両の位置情報、車両情報、情報取得時刻を含むプローブ情報を定期的に通信先特定サーバ300に送信する。
通信先特定サーバ300は、取得したプローブ情報をそのまま、若しくは加工してプローブ情報データベース301に格納する。
一方、通信先指定装置100は、位置情報として指定したエリア情報、取得時刻を検索情報として含む要求信号を通信先特定サーバ300に送信する。
通信先特定サーバ300は、取得した要求情報を満足する車両が提供した情報から提供情報を加工して作成する。本実施形態では、指定エリアを指定した時刻前後に走行した車両の平均速度を提供情報とする。そして、加工した提供情報を、要求先の通信先指定装置100に送信する。
【0025】
通信先指定装置100は、上記要求に対応して受信した提供情報を、通信先指定装置100を操作するユーザに提供する。
これによって、通信先指定装置100は、指定した位置及び時刻で特定される車両(通信対象装置200)が提供した情報を、通信先特定サーバ300を通じて取得することが可能となる。また取得する提供情報を加工することで、情報提供先の秘匿性を確保する。
ここで、プローブ情報取得部303は、通信対象情報取得部、情報蓄積部、及び提供情報保持部を構成する。データ加工部311は情報送信部を構成する。
【0026】
(本実施形態の効果)
本実施形態は次の効果を奏する。
(1)プローブ情報取得部303は、通信対象装置200の位置、その位置の取得日時、及び上記通信対象装置200を特定する固有識別情報を含む位置特定データを受信する。プローブ情報取得部303は、受信した位置特定データを、通信対象装置200を特定する特定情報として蓄積する。プローブ情報取得部303は、上記通信対象装置200からの提供情報を受信して保持する。通信先特定部302は、検索位置及び指定日時を検索条件として含む要求信号を受信すると、上記要求信号に含まれる検索条件で上記蓄積した特定情報を検索して、検索条件を満足する通信対象装置200を特定する。データ加工部311は、通信先特定部302が特定した1又は2以上の通信対象装置200から受信した提供情報若しくはその提供情報を加工した加工情報の少なくとも一方の情報を、上記要求信号を送信した通信先指定装置100に送信する。
【0027】
また、通信対象装置200は、通信対象装置200の位置を取得する位置取得部、及び、位置取得部が取得した位置その位置の取得日時及び通信対象装置200を特定する固有識別情報を含む位置特定データを通信先特定サーバ300に送信する。
そして、通信先指定装置100は、通信先特定サーバ300に対し検索位置及び日時を検索状態に含む要求信号を送信すると共に、当該通信先特定サーバ300から検索条件を満足する通信対象装置200が送信した提供情報を受信する。
【0028】
この構成によれば、通信先特定サーバ300は、通信先指定装置100から指定される検索位置とこれを判別する指定日時によってこの条件に該当する通信対象装置200を特定することで、特定した通信先対象装置からの提供情報を通信先指定装置100に対し送信する。この結果、通信先指定装置100は、通信先特定サーバ300を通じて、通信対象装置200が提供する提供情報を取得可能となる。
【0029】
(2)通信先特定サーバ300は、通信先指定装置100からの要求に従って、条件を満足する提供情報を、個別の通信対象装置200が特定されない形に加工し、その加工した情報を要求された通信先指定装置100に送信する。
この構成によれば、通信先特定サーバ300は、通信対象装置200からアップロードされた情報を、個別の通信対象装置200を特定できない形に加工して通信先指定装置100に提供する。この結果、通信対象装置200の使用者及び通信先指定装置100は、互いにそれぞれの個人情報を明かすことなく通信(情報の授受)が可能となる。
【0030】
(3)上記通信先指定装置100は、選択された地図情報上のエリアを取得し、取得したエリアを上記検索位置とする。
この構成によれば、通信先特定サーバ300は、通信先指定装置100によって指定された位置情報により、通信先を特定する。このため、通信先指定装置100は、特定の位置に存在する通信対象装置200と通信をしたい場合に、地図上の位置を指定するだけで、通信先を見つけることができる。
【0031】
(4)上記通信対象装置200の少なくとも1つは、移動体である車両に搭載されている。
この構成によれば、上記通信対象装置200は、車両に搭載されている場合には、その車両の情報や車両が取得した交通情報を送信可能となる。
また、通信対象装置200は、車両に搭載された車載システムとなるため、通信先指定装置100またはこれのユーザは、当該通信対象装置200が搭載されている車両が持つ通信装置の個別IDを知らなくても、車両内のドライバや当該車載機と通信または当該車載機から得られる情報の取得が可能になる。
【0032】
(5)上記通信先指定装置100は、通信対象装置200から取得したい提供情報の種別を通信先特定サーバ300に送信する。上記通信先特定サーバ300は、通信対象装置200から受信した提供情報のうち、通信先指定装置100から受信した種別の提供情報を当該通信先指定装置100に送信する。
通信先指定装置100は、通信対象装置200から取得したい情報の種類を指定することで、通信先指定装置100は必要な情報を取得することができる。
【0033】
「第2実施形態」
次に、第2実施形態について図面を参照して説明する。なお、上記実施形態と同様な構成については同一の符号を付して説明する。
本実施形態の基本構成は、図5に示すように、上記第1実施形態の構成と同様である。なお、第1実施形態で説明したデータ加工部311が図示されていないが、データ加工部311を備えていても良い。以下の各説明は、その実施形態の主な処理で必要な処理部だけを記載している。他の実施形態でも同様である。
【0034】
但し、本実施形態では、通信先指定装置100は、指定通信可能な通信対象装置200のリスト表示を行う機能を有する。また、通信対象装置200は、車載情報システムとする。また、通信先確定後の通信手段は、通信先特定サーバ300を介して行う。また本実施形態の通信先指定装置100は、例えばPC上で動作するウェブベースアプリケーションや、車載ナビゲーションシステム上で動作するシステム、スマートフォン上で動作するシステムとする。
【0035】
(構成)
「通信対象装置200」
本実施形態の通信対象装置200は、図5に示すように、GPS受信装置201、映像撮影部213、データロガー202、通信部203を備える。
GPS受信装置201は、現在位置を判定するための受信装置である。
映像撮影部213は、カメラ212が撮像した車両周辺の映像を取得する。カメラ212は、車両に搭載されて車両周辺の映像を撮影する。
データロガー202は、GPS受信装置201から得られるGPS信号を使った位置判定結果とこれらの取得日時を含む位置特定データを保持する。
【0036】
通信部203は、データロガー202中の位置特定データ、映像撮影部213が取得した撮像映像を、インターネット接続された通信先特定サーバ300に送信する。
本実施形態では、通信対象装置200は、通常時は、予め設定した一定間隔で位置情報(位置特定データ)を通信先特定サーバ300に送信し、通信先特定サーバ300から映像要求を受信した場合には、カメラ212で撮影した映像を通信先特定サーバ300に送信する構成とする。実際には、上記位置特定データと車両情報とによってプローブ情報が構成され、そのプローブ情報が一定間隔でアップロードされる。
【0037】
「通信先指定装置100」
通信先指定装置100は、地図表示エリアを指定し、通信対象となりえる車両が指定エリアに存在するかどうかを通信先特定サーバ300に問い合わせる機能と、問い合わせの結果、対象となる車両が存在した場合はこれを地図上に表示する機能とを備える。また、通信先指定装置100は、表示した車両の中から映像を通信先特定サーバ300を通して転送させる車両を特定する機能と、特定した車両からの映像要求信号を通信先特定サーバ300に送信し、通信先特定サーバ300を通じて、指定した車両からの映像を受信し、表示する機能と、を備える。
【0038】
通信先指定装置100は、マイク121やタッチパネル122などの入力デバイス120と、ディスプレイ131やスピーカ132などの出力デバイス130を備える。通信先指定装置100は、条件指定部102及び出力制御部103を備える。
条件指定部102は、地図を表示し、入力デバイス120を通じて、地図上のエリアをユーザに選択させる。この選択は、通信先特定サーバ300上にある情報のうち必要な情報の取得条件を指定するためである。条件指定部102は、指定されたエリアを含む要求信号を通信部101を介して通信先特定サーバ300に送信する。また、条件指定部102は、地図上に表示された車両から、映像を取得する車を選択した情報を入力し、入力した選択された車両情報を通信先特定サーバ300に送信する。
【0039】
地図データベース111は、地図を表示するために、地図情報を保持する。
出力制御部103は、通信先特定サーバ300から取得した情報を出力デバイス130を使ってユーザに提示する。
通信部101は、通信先特定サーバ300へ情報の取得条件を送信したり、指定した条件を満足する情報を受信する処理を行う。
【0040】
「通信先特定サーバ300」
通信先特定サーバ300は、プローブ情報データベース301、プローブ情報取得部303、通信先特定部302、映像転送部312を備える。
プローブ情報データベース301は、プローブ情報取得部303を通じて、通信対象装置200が送信した位置情報や車両信号とその取得時刻、固有IDを含むプローブ情報を保持する。
【0041】
通信先特定部302は、通信先指定装置100からの要求に従って、プローブ情報データベース301から指定された条件を満足する車両(=通信対象装置200)群を特定し、特定した車両が提供した情報を通信先指定装置100に送信する。また通信先特定部302は、通信先指定装置100が選択した車両に対して映像転送要求を出す。
映像転送部312は、映像転送要求を送信した車両からアップロードされた映像を、順次、要求した通信先指定装置100に転送する。
【0042】
次に、通信先指定装置100の処理について、図6を参照して説明する。
通信先指定装置100は、通信先指定機能の作動要求を入力すると(S2100)、ステップS2101に移行する。
ステップS2101では、ディスプレイ131に地図を表示して、表示エリアを選択可能にする。
ステップS2102では、ユーザの操作によって、地図のスクロールや拡大などによりエリア内に存在する車両の情報を検索したいエリアを表示したことを検出すると、通信先指定装置100は、エリア内の一覧情報を要求するために、表示中のエリアの位置情報(例えば左上端点の緯度経度と、縮尺)を通信先特定サーバ300に送信する。
【0043】
ステップS2103では、条件を満足する通信先から得られた情報(ここでは指定エリアに存在する車両の位置と車載機の固有ID)を、通信先特定サーバ300から受信する。そして、全ての情報を取得したらステップS2104に移行する。
ステップS2104では、受信した情報を、ディスプレイ131に現在の地図に重ねるようにして該当車両の位置を表示して、ユーザに任意の車両を選択させる。本実施形態における該当車両の位置表示の例を図7に示す。図7では表示エリア(2001)上に地図が表示されており、この地図上に現在通信可能な車両の位置を☆印として表示している(2002)。
【0044】
ステップS2105では、ユーザによる地図上の車両の選択を検出すると、この車両を特定する固有IDを、映像要求信号とともに通信先指定サーバに送信する。
ステップS2106では、通信先特定サーバ300を通じて指定した車両(通信対象装置200)からの映像を転送開始すれば、転送されてきた映像を受信する。
ステップS2107では、受信した映像をディスプレイ131上に表示する。映像の転送は、ユーザからの指示があるまで続ける。
【0045】
すなわち、ステップS2108にて、ユーザから映像転送中止指示の入力があったか、若しくは映像転送の情報を入力したか否かを判定する。条件を満足する場合には、ステップS2109に移行して、映像受信を中止して終了する。条件を満足しない場合にはステップS2106に移行して映像受信及び表示の処理を繰り返す。
ここで、本実施形態では現在時刻を情報取得指定時刻として、リアルタイムに映像を転送する場合を例示している。これに代えて、過去の日時を指定できるようにしてもよい。この場合は、指定時刻に対応する、通信先特定サーバ300上に蓄えられた映像をサーバから受信してもよい。
【0046】
また、本実施形態では、表示中の地図エリアの中から、通信可能な複数の車両のリストを表示させ、このリストから1つの車両を選択させてから映像転送を行う構成で説明した。映像を転送可能な車両の数が少なく(予め設定した数(例えば3台)以下の場合)、通信速度が充分確保されている場合は、車両の選択処理(S2103〜S2105)なしに該当車両全ての映像を、通信先指定装置100に転送する構成としても良い。
【0047】
「通信先特定サーバ300」
通信先特定サーバ300の処理のうち、通信対象装置200からの位置特定データを含むプローブ情報の受信及び保持の処理は、上記第1実施形態と同様である。
次に、通信先特定サーバ300の処理のうち、通信先指定装置100から指定エリア内の通信可能車両一覧要求があった際の動作を、図8を参照して説明する。
通信先特定サーバ300は、通信先指定装置100からデータの取得条件を受信すると(S2201)、ステップS2202に移行する。
【0048】
ステップS2202では、通信先特定部302は、プローブ情報データベース301に保持されているプローブ情報から、指定された条件を満足するデータ(プローブ情報)を抽出する。このとき、通信先指定装置100からは指定エリアの位置情報(左上端点の緯度経度と縮尺)、指定日時を検索条件として指定される。この検索状態に基づき、例えば指定時刻の前後10分間以内に、指定された緯度経度から予め設定した一定距離以内の緯度経度情報を含むプローブ情報を抽出する。この際の一定距離は指定縮尺に応じて計算される。そして、抽出したプローブ情報に対応する車両及び現在位置情報を抽出する。
ステップS2203では、抽出した車両を特定する固有IDと、各車両の現在位置の情報の一覧とを通信先指定装置100(S2203)に送信する。そして、全てのデータの送信を(S2204)処理を終える(S2205)。
【0049】
次に、通信先特定サーバ300の処理のうち、通信先指定装置100から、車両(通信先装置)の選択情報を受信した際の処理を、図9を参照して説明する。
通信先特定サーバ300は、通信先指定装置100から、選択された通信先車両(通信対象装置200)の固有IDを受信すると(S2301)、ステップS2302に移行する。
ステップS2302では、選択された通信先車両に対して、映像転送のための接続要求を行う。
ステップS23303にて、映像転送のための接続の完了を検出すると、映像受信処理(S2304〜S2305)、及び受信した映像転送処理(S2306〜S2308)を行う。
【0050】
映像受信の処理(S2305)は、通信先指定装置100から転送中止指示があるか、転送元の車両から転送中止要求があるまで続ける(S2304)。
映像転送の処理(S2308)も未送信データが存在し(S2307)、転送中止指示があるか、転送元の車両から転送中止要求があるまでこれを続ける(S2304)。中止指示があった場合は処理を終了する(S2309)。
【0051】
次に、通信対象装置200での映像転送に関する処理を、図10を参照して説明する。
通信対象装置200は、通信先特定サーバ300から映像取得要求を受信するとステップS2402に移行する。
ステップS2402では、通信対象装置200は、車載カメラ212を使った映像撮影を開始する(2402)。
映像撮影の処理(S2404)は、映像転送終了の指示が通信先特定サーバ300から受信するか、通信対象装置200を搭載している車両のエンジンが切れるなど、これを搭載している車両側もしくはそのユーザからの指示があるまで続ける(S2403)。
【0052】
そして、映像撮影開始とともに、撮影した映像は通信先特定サーバ300に送信(アップロード)を開始する。映像のアップロード処理(S2407)も、撮影した映像がのうち、未送信のものがある限り(S2406)、映像転送終了の指示が通信先特定サーバ300から受信するか、通信対象装置200を搭載している車両のエンジンを切るなど、これを搭載している車両側もしくはそのユーザからの指示があるまで続ける(S2403)。
その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0053】
(動作その他)
本実施形態では、まず、現在、通信先指定装置100が表示している地図上エリアを指定エリアとして通信先特定サーバ300に送信する構成となっている。通信先特定サーバ300は、取得した該当エリア上に存在する、通信可能な車両(通信対象装置200)の位置の情報を、要求した通信先指定装置100に送信する。通信先指定装置100は、取得した通信可能な車両(通信対象装置200)の位置を、表示中の地図上に重ねて表示することで、ユーザにいずれからの車両を選択させる。ユーザによる車両の選択情報を検出すると、その選択された車両の情報を通信先特定サーバ300に送信する。
【0054】
通信先特定サーバ300は、選択された車両(通信対象装置200)に対して当該車両に取り付けられたカメラ映像の情報を要求し、要求によって受信したカメラ映像の情報を通信先指定装置100に転送する。通信先指定装置100は、転送されたカメラ映像をディスプレイ131に表示する。
ここで、通信先指定装置100の要求に応じて通信対象装置200から転送される提供情報は映像でなくても良い。画像やプログラムソフトなどであっても良い。この転送処理は、容量が大きい場合に有効である。
ここで、ステップS2201〜S2204は、通信対象装置選択部を構成する。ステップS2301〜S2309,及び映像転送部312は、情報送信部を構成する。プローブ情報取得部303は、通信対象情報取得部、情報蓄積部、及び提供情報保持部を構成する。
【0055】
(本実施形態の効果)
本実施形態は、上記第1実施形態の効果に加え次の効果を奏する。
(1)通信先特定サーバ300は、通信先特定部302が特定した通信対象装置200を選択するための選択情報を上記要求信号を送信した通信先指定装置100に送信し、その送信に対して上記通信先指定装置100から選択された通信対象装置200の情報を受信する。通信先特定サーバ300は、上記選択された通信対象装置200から受信した提供情報若しくはその提供情報を加工した加工情報を、上記要求信号を送信した通信先指定装置100に送信する。
【0056】
この構成によれば、通信先特定サーバ300は、通信先指定装置100に対して、通信可能な通信対象装置200の一覧等の選択情報を提示する。このため、通信先指定装置100は、一覧提示された通信可能な通信対象装置200から、目的の通信対象装置200を選択するだけで、通信対象装置200と通信可能となる。
【0057】
(2)通信先特定サーバ300は、要求に応じて特定した通信対象装置200の情報を通信先指定装置100に送信した後に、当該特定した通信対象装置200から提供情報を受信すると、その受信した提供情報を通信先指定装置100に送信する。
この構成によれば、通信先指定装置100は、通信先特定サーバ300を介して通信対象装置200がアップロードする情報を取得したり、通信対象装置200と情報のやりとりをすることが可能となる。このため、例えば、通信先特定装置からの要求があったタイミングでは通信対象装置200が通信可能な状態にない場合にも、通信先特定装置は、通信対象装置200が過去にアップロードした情報に基づいて、これらの情報を取得することができる。
【0058】
「第3実施形態」
次に、第3実施形態について図面を参照して説明する。なお、上記実施形態と同様な構成については同一の符号を付して説明する。
本実施形態の基本構成は、図11に示すように、上記第1実施形態の構成と同様である。なお、上記第1及び第2の構成を併せて備えていても良い。
但し、本実施形態の通信先指定装置100は、自車位置周辺の移動体を認識する機能をもち、認識した移動体との接続を要求する方式をとる。
なお、符号400は、移動通信端末の例である携帯電話用の通信網を示す。
【0059】
「通信対象装置200」
各通信対象装置200は、現在位置を判定するためのGPS受信装置201を持つ車載システムとして動作する。通信対象装置200は他に、GPS受信装置201から得られるGPS信号を使った位置判定結果とこれらの取得日時を保持するデータロガー202とを持つ。これらプローブ情報をインターネット接続された通信先特定サーバ300に定期的にアップロードする際は、携帯電話の通信部203が持つ通信機能を利用する。
携帯電話は、ロガー202とともに、車載スピーカ132にも着脱可能に接続され、ハンズフリーフォンとして、通話機能を果たす。通話機能は携帯電話の通話制御部215によって制御される。
【0060】
「通信先指定装置100」
通信先指定装置100は、車両周辺を画像認識し、周辺の車両や人物を認識する機能と、認識した車両または人物のうち、通信したい相手をユーザに選択させる選択機能とを備える。また、通信先指定装置100は、選択した相手の電話番号を通信先特定サーバ300に問い合わせる機能と、取得した電話番号を使って、特定した相手に電話を発信、通話する機能とを備える。
【0061】
通信先指定装置100は、マイク121やタッチパネル122などの入力デバイス120と、ディスプレイ131やスピーカ132などの出力デバイス130を持つ。
通信先指定装置100を搭載する車両は、他に車両周辺を撮影可能なカメラ212を備える。そして、通信先指定装置100は、カメラ212の撮影した画像に基づき、周辺の車両や人物を認識する周辺認識部112を備える。その認識した結果は、出力制御部103を通してディスプレイ131上に表示される。認識結果がディスプレイ131上に表示されていたら、ユーザは、入力デバイス120を使って、通話をしたい相手を選択する。
【0062】
その際、条件指定部102は、GPS受信装置201から得られるGPS信号を使って、現在位置を判定する。そして、条件指定部102は、上記判定結果とこれらの取得日時と合わせて、要求信号として通信部101を通じて通信先特定サーバ300に送信する。通信部101は、通信先特定サーバ300から、通信相手の情報を受け取ったり、通話制御部113から通信相手に発信する通信処理も行う。
【0063】
「通信先特定サーバ300」
通信先特定サーバ300は、プローブ情報データベース301、プローブ情報取得部303、通信先特定部302、ユーザ情報データベースを備える。
プローブ情報データベース301は、プローブ情報取得部303が各通信対象装置200から取得した、位置情報や車両信号とその取得時刻、通信対象装置200を特定するための車載機や携帯電話の固有IDその他のプローブ情報を保持する。
【0064】
ユーザ情報データベースは、抽出された固有IDをもつ通信対象装置200のそれぞれが通信に利用可能な通信手段(電話、メール、IP指定等)と各通信手段をとる際のアドレス(電話番号、メールアドレス、IPアドレス)などを保持する。
通信先特定部302は、通信先指定装置100からの要求に従って、プローブ情報データベース301及びユーザ情報データベースを参照して、指定された条件を満足する情報を抽出する。そして、通信先特定部302は、抽出した情報を通信先指定装置100に送信する。
【0065】
「通信先指定装置100」
次に、通信先を指定するための通信先指定装置100の処理を、図12を参照して説明する。
通信先指定装置100は、通信先指定機能の作動要求を検出すると(S3100)、ステップS3101に移行する。
ステップS3101では、車載カメラ212からの映像に基づき周辺車両や人物の認識を開始する(S3101)。認識が完了したら、ステップS3102にて、認識結果をディスプレイ131に描画する。
【0066】
ステップS3103では、ユーザがディスプレイ131に表示された、認識対象(車両または人物)をタッチパネル122を使って選択したか否かを判定する。選択されなかった場合にはステップS3101に戻って、ユーザによる選択がされるまで、認識と描画を繰り返す。一方、選択を検出した場合にはステップS3104に移行する。
ステップS3104では、選択検出時の自車位置を判定する。続いてステップS3105にて、判定された自車位置と選択された認識対象との相対距離及び方向を、画像から推定して、認識対象の位置を推定する。
【0067】
ステップS3106では、位置推定が完了すると、通信先指定装置100は、推定した認識対象(指定通信先)の位置(緯度経度)とその推定時刻と、人物または車両など認識対象の種別を、通信先特定サーバ300に送信する。
ステップS3107では、上記送信に応じて、通信先特定サーバ300から送信された送信情報を受信する。通信先特定サーバ300からの送信情報は、検索条件と一致する通信対象装置200との通信手段と各通信手段ごとのアドレス(通信情報)の情報である。
ここで、認識した車両が通信機能を備えていなかったり、人物が携帯電話を持っていない場合、通信先特定サーバ300と接続していない場合などは、通信手段なしの回答を得る。
【0068】
ステップS3108では、通信可能な対象で無いと判定した場合にはステップS3101に戻る。通信可能の場合にはステップS3109に移行する。
ステップS3109では、複数の通信手段が存在し、かつ、リクエスト元の通信先指定装置100が該当通信手段を備えている場合は、ユーザに通信手段を選択させる。
ステップS3110では、選択が完了したら、該当アドレスにアクセスを開始する。その後、処理を終える(S3110)。
【0069】
本実施形態では、通信対象装置200は携帯電話を持っているため、携帯電話の電話機能とその電話番号、メール機能とそのメールアドレス、データ通信を行っているのでデータ通信のためのIPアドレスなどが通信手段及びアドレスとして回答される。
なお、通信先特定サーバ300を介してのみ通信相手と通信する場合は、アドレスなどの個人情報は通信先指定装置100には知らせないことも可能となる。
ここで、上記実施形態では、通信先指定装置100上で、周辺認識処理を行う場合を例示している。これに代えて、画像を通信先特定サーバ300に送って、通信先特定サーバ300上で車両認識などを実施する構成としても良い。
【0070】
図13及び図14は、認識結果の表示例である。図13の例は、カメラ212として車両前方を撮影するカメラを使用した場合の例である。この図13の例では、表示画面上(3001)には前方車両(3101a〜c)などを撮影した映像そのものと、これを認識処理し、車両として認識した結果(3201a〜c)を映像に重ねて表示している。そして、認識した車両や人物を選択可能にしている。
【0071】
また図14の例は、カメラ212が車両の周囲4方向を映すための全周囲カメラの場合の例である。図14に示す例では、表示画面上(3001)には認識した車両(3102a〜e)や人物(3103a〜c)の、自車位置(3011)との位置関係を上方向から見た映像として表示している。この映像に、車両を認識した結果(3202a〜e)や人物を認識した結果(3203a〜c)を重ねて表示し、認識した車両や人物を選択可能にしている。
【0072】
「通信先特定サーバ300」
次に、本実施形態における通信先特定サーバ300の処理を、図15を参照して説明する。
通信先指定装置100は、データの取得条件である、通信対象装置200の位置とその時刻を含む要求信号を受信すると(S3301)、ステップS3302に移行する。
ステップS3302では、通信先特定部302は、プローブ情報データベース301に保持されているプローブ情報から指定された時刻に指定位置を通過したと推定される通信対象装置200のデータを抽出し、そのIDを特定する。
【0073】
ステップS3303では、該当データがない場合は、ステップS3304に移行する。該当データがある場合にはステップS3305に移行する。
ステップS3304では、該当なしのエラーメッセージを送信し、処理を終了(S3307)する。
一方、該当データが見つかってステップS3305に移行した場合には、該当IDの通信対象装置200へ発信するための電話番号をユーザ情報データベースから抽出する。
続いて、ステップS3306にて、抽出した電話番号を、要求した通信先指定装置100に送信して、処理を終える(S3307)。
なお通信接続するための通信情報は、電話番号に限定されず、メールアドレス、IPアドレスなどの通信可能な情報であれば良い。
その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0074】
(動作その他)
本実施形態では、通信対象装置200は車載情報システム、または携帯電話などの移動通信端末とする。
通信先特定サーバ300は、通信対象装置200個別情報を保持する構成をとるとともに、通信先指定装置100と通信対象装置200が通信先特定サーバ300を介さず通信を可能とするための通信接続情報を提供する構成とする。また、通信先特定サーバ300は、通信対象装置200が通信に利用可能な通信手段の一覧を通信先指定装置100に知らせることで、通信先指定装置100は任意の通信手段を選択することができる構成とする。
これによって、通信先確定後の通信手段は、通信先特定サーバ300を介さず行うことが可能となる。
【0075】
ここで、本実施形態の通信先指定装置100はPC上で動作するウェブベースアプリケーションや、車載ナビゲーションシステム上で動作するシステムで構成する。本実施形態にあっては、通信先指定装置100上に、周辺の車両や人を認識した結果を表示し、認識した車両を選択すると、通信先特定サーバ300に電話番号の問い合わせが行われ、電話番号が見つかった場合は選択した相手に電話をかけることができる。
ここで、ユーザ情報313は、通信対象装置情報保持部を構成する。周辺認識部112は認識部を構成する。プローブ情報取得部303は、通信対象情報取得部、情報蓄積部、及び提供情報保持部を構成する。通信先特定部302は情報送信部を兼ねる。
【0076】
(本実施形態の効果)
本実施形態は、第1実施形態の効果に加えて、次の効果を奏する。
(1)ユーザ情報313は、提供情報を送信する可能性のある通信対象装置200に関する情報を保持する。そして、通信先特定サーバ300は、通信先指定装置100からの要求に応じて、要求された通信対象装置200の情報を要求した通信先指定装置100に送信する。
この構成によれば、通信先特定サーバ300は、通信対象装置200から送信(アップロード)される情報のほかに、個別の通信対象装置200に関する情報を保持している。このため、通信先指定装置100からの指定に従って、特定の場所等にいる通信対象装置200に関して、通信対象装置200からアップロードされる情報以外の詳細情報を提供することができる。
【0077】
(2)通信先特定サーバ300は、通信先指定装置100からの要求に応じて、通信先特定部302が特定した通信対象装置200に直接に通信接続するための通信情報を上記通信先指定装置100に送信する。
この構成によれば、通信先特定サーバ300は、通信先指定装置100に対して、指定された条件を満足する通信対象装置200と既存の通信手段を使って通信可能にする識別IDを提供する。このため、通信先指定装置100は、既存の通信手段により通信対象装置200との通信が可能となる。
【0078】
(3)通信先指定装置100の周辺認識部112は、自己の周囲に存在する通信対象装置200及び通信対象装置200を装備している可能性のある移動体の少なくとも一方を認識対象として認識する。そして通信先指定装置100の通信部101は、その認識部が認識した認識対象から通信対象装置200又は移動体を選択する対象選択部と、対象選択部が選択した認識対象の情報を通信先特定サーバ300に送信する。上記通信先特定サーバ300は、通信先指定装置100から受信した認識対象の情報に対応する通信対象装置200を特定し、特定した通信対象装置200が通信可能状態にあるかどうかを判断し、通信可能状態と判定した場合には、その通信可能状態の通信対象装置200に関する提供情報を通信先指定装置100に送信する。
【0079】
この構成によれば、通信先指定装置100が、周辺の通信対象装置200またはこれを搭載している可能性のある移動体を認識する。そして通信先指定装置100が、上記認識された通信対象装置200またはこれを搭載している可能性のある移動体を選択した場合には、通信先特定サーバ300は、選択された通信対象装置200と通信先指定装置100との通信を可能とする情報を提供情報として提供する。このように、通信先指定装置100は、周辺に存在する通信対象装置200またはこれを搭載している可能性のある移動体から通信したい相手を選択するだけで、任意の相手と通信することができる。
【0080】
(4)通信先特定サーバ300は、通信先指定装置100からの要求に従って、通信先特定部302が特定した通信対象装置200に通信接続するための一覧情報を、上記通信先指定装置100に送信する。
この構成によれば、通信先指定装置100は、通信先特定サーバ300を介して、通信したい通信対象装置200が利用可能な通信手段を知ることができる。このため、通信先指定装置100は、通信相手が利用可能な通信手段をあらかじめ知らなくても、通信することができる。
【0081】
(5)通信対象装置200の少なくとも1つは、移動通信端末に搭載されている。
この構成によれば、通信対象装置200は、携帯電話などの移動通信端末に搭載されているため、通信先指定装置100またはこれのユーザは、移動通信端末を特定する、例えば携帯電話の電話番号やメールアドレスを入力しなくても、当該携帯電話等の移動通信端末との通信または当該移動通信端末から得られる情報の取得が可能となる。
【0082】
通信対象装置200は、移動通信端末そのものであっても良い。
ここで、全実施形態において、通信先指定装置100、通信先特定サーバ300、通信対象装置200、通信先確定後の通信手段はそれぞれこの構成に限らず、他の実施形態に示す方式に置き換えた形で構成することも可能である。
また、通信先特定サーバ300も1つに限定されない。例えばエリア毎にサーバを配置したサーバシステム構成であっても良い。
【符号の説明】
【0083】
100 通信先指定装置
200 通信対象装置
300 通信先特定サーバ
301 プローブ情報データベース
302 通信先特定部
303 プローブ情報取得部
311 データ加工部
312 映像転送部
313 ユーザ情報
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信を行う通信対象装置を特定する通信先特定の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両と車両が予め定めた通信方式に基づいて通信することで、車車間で相互に情報を送受信する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−259103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、各車両は、通信をしようとしている相手(他の車両)との通信に必要な仕様、例えば互いの通信手段やアドレス、どのような情報を持っているかを相互に且つ事前に知っている必要がある。このため、いずれかの車両での通信手段や取得情報が変更された場合に、必要とする情報を他車両から取得出来なくなるおそれがある。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、特定の通信先から情報を取得可能とすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、通信対象装置の位置、その位置の取得日時、及び通信対象装置を特定する固有識別情報を含む位置特定データを受信して、通信対象装置の特定情報を蓄積すると共に、通信対象装置からの提供情報を保持する。そして、検索位置及び日時を検索条件として含む要求信号を受信すると、要求信号に含まれる検索条件で上記蓄積した特定情報を検索して、検索条件を満足する通信可能な通信対象装置を特定し、その特定した通信対象装置に関する提供情報を、上記要求信号を送信した通信先指定装置に送信する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、通信先特定サーバは、通信先指定装置から指定される検索位置とこれを判別する指定日時によってこの条件に該当する通信対象装置を特定することで、特定した通信先対象装置からの提供情報を通信先指定装置に対し送信する。この結果、通信先指定装置は、通信先特定サーバを通じて、通信対象装置が提供する提供情報を取得可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に基づく実施形態に係るシステム構成を説明する図である。
【図2】本発明に基づく実施形態に係る通信先指定装置の処理を説明する図である。
【図3】本発明に基づく実施形態に係る通信先指定画面例を示す図である。
【図4】本発明に基づく実施形態に係る通信先特定サーバの処理を説明する図である。
【図5】本発明に基づく第2実施形態に係るシステム構成を説明する図である。
【図6】本発明に基づく第2実施形態に係る通信先指定装置の処理を説明する図である。
【図7】本発明に基づく第2実施形態に係る通信先指定画面例を示す図である。
【図8】本発明に基づく第2実施形態に係る通信先特定サーバの処理(通信先候補一覧情報取得要求時)を説明する図である。
【図9】本発明に基づく第2実施形態に係る通信先特定サーバの処理(データ取得要求時)を説明する図である。
【図10】本発明に基づく第2実施形態に係る通信対象装置の処理を説明する図である。
【図11】本発明に基づく第3実施形態に係るシステム構成を説明する図である。
【図12】本発明に基づく第3実施形態に係る通信先指定装置の処理を説明する図である。
【図13】本発明に基づく第3実施形態に係る通信先指定画面例(前方)を示す図である。
【図14】本発明に基づく第3実施形態に係る通信先指定画面例(全周囲)を示す図である。
【図15】本発明に基づく第3実施形態に係る通信先特定サーバの処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。
(構成)
図1は、本実施形態に係る通信対象特定システムを説明する構成図である。
通信先特定システムは、図1に示すように、通信先特定サーバ300、複数の通信対象装置200a、200b。200c・・・(以下、通信対象装置200とする)、及び通信先指定装置100からなる。
【0009】
「通信対象装置200」
本実施形態の通信対象装置200は、車両に搭載されている。その通信対象装置200は、通信先特定サーバ300に対し、予め設定した一定間隔で位置特定データを送信する。上記位置特定データは、対応する通信対象装置200の位置、その位置の取得日時、及び上記通信対象装置200を特定する固有識別情報(固有ID)を含むデータである。また通信対象装置200は、取得した通信対象装置200を搭載した車両の車両情報や交通情報などの提供情報を通信先特定サーバ300に送信する。本実施形態の通信対象装置200は、上記位置特定データと提供情報とを含むプローブ情報を、一定間隔毎に送信する構成となっている。
【0010】
上記通信対象装置200は、図1に示すように、GPS受信装置201、車両信号取得部211、データロガー202、通信部203を備える。
GPS受信装置201は、現在位置の判定情報を取得する。
車両信号取得部211は、通信対象装置200を搭載した車両の速度等の車両情報を取得する。
データロガー202は、現在の位置情報、車両信号及びその情報を取得した取得日時、通信対象装置200を特定する固有IDを含むプローブ情報を保持する。
通信部203は、データロガー202に保持されている保持情報(プローブ情報)を、予め設定した時間間隔で定期的に上記通信先特定サーバ300に送信する。通信部203と通信先特定サーバ300とは、例えばインターネット接続する。道路インフラを通じて通信を実行しても良い。
【0011】
「通信先特定サーバ300」
通信先特定サーバ300は、プローブ情報データベース301、プローブ情報取得部303、通信先特定部302、データ加工部311を備える。
プローブ情報データベース301は、通信対象装置200群から受信することで取得した位置情報や車両信号とその取得時刻、通信対象装置200を特定するための固有IDを保持する。
【0012】
プローブ情報取得部303は、通信対象装置200が送信した位置特定データや提供情報を含むプローブ情報を受信する。そして、プローブ情報取得部303は、受信したプローブ情報を、例えば固有識別情報に関連付けて対応する通信対象装置200を特定する特定情報としてプローブ情報データベース301に蓄積する。
通信先特定部302は、検索位置及び日時を検索条件として含む要求信号を、通信先指定装置100から受信する。そして通信先特定部302は、上記要求信号に含まれる検索条件で上記蓄積した特定情報を検索して、検索条件を満足する通信対象装置200を抽出することで、通信対象装置200を特定する。
【0013】
データ加工部311は、通信先特定部302が特定した1又は2以上の通信対象装置200から受信した提供情報のうち、通信先特定部302の要求を満足する提供情報を抽出する。本実施形態では速度情報を抽出する。そして、データ加工部311は、その抽出した提供情報若しくはその提供情報を加工した加工情報を、上記要求信号を送信した通信先指定装置100に送信する。本実施形態では、データ加工部311は、抽出した提供情報を通信先指定装置100に提示可能な形に加工する。このように加工することで、通信先特定サーバ300は、通信対象の相手を特定しない形で情報提供をする。そして、データ加工部311は、加工した情報を上記要求信号を送信した通信先指定装置100に送信する。
【0014】
「通信先指定装置100」
通信先指定装置100は、通信先特定サーバ300に対し要求信号を送信し、その要求に応じて通信先特定サーバ300が送信した提供情報のデータを受信する。そして、通信先指定装置100は、受信した提供情報をユーザに表示その他によって提供する。上記提供情報は、特定の通信対象装置200が送信した交通情報などの情報を加工してなる情報である。
【0015】
本実施形態の通信先指定装置100は、例えばPC上で動作するウェブベースアプリケーションや、車載ナビゲーションシステム上で動作するシステムで構成する。また本実施形態の通信先指定装置100は、地図上のエリアを通信先特定サーバ300に送信する位置情報とし、通信先特定サーバ300から、そのエリア内を走行中の車両の平均速度の情報を取得して、その取得情報をユーザに表示する構成となっている。すなわち、通信先指定装置100は、通信先特定サーバ300上に保持されているプローブ情報を取得し、ユーザに提示する機能と、地図上のエリアを選択することで、情報を取得する対象を指定する機能とを持つ。
【0016】
本実施形態の通信先指定装置100は、図1に示すように、通信部101、入力デバイス120、条件指定部102、出力制御部103、地図データベース111、出力デバイス130を備える。
通信部101は、通信先特定サーバ300へ情報の取得条件(要求信号)を送信したり、指定した条件を満足する情報を受信する通信処理を行う。
【0017】
入力デバイス120は、ユーザが情報を入力操作するための機器である。入力デバイス120は、例えばマイク121やタッチパネル122から構成される。
出力デバイス130は、ユーザに情報を提示するための機器である。出力デバイス130は、例えばディスプレイ131やスピーカ132から構成される。
地図データベース111は、地図情報を保持する。
条件指定部102は、入力デバイス120を介して、通信先特定サーバ300上にある情報のうち必要な情報の取得条件を指定するために、地図上のエリアを指定させる機能を備える。
【0018】
次に、上記通信先を指定するための通信先指定装置100の処理を、図2を参照して説明する。
通信先指定装置100は、通信先指定機能の作動要求を入力すると作動する(S1100)。作動するとステップS1101に移行する。上記作動要求はユーザの操作に応じて入力する。
ステップS1101では、ディスプレイ131に現在位置周辺の地図を表示して、ユーザに選択を要求する。
次に、ステップS1102では、ユーザが地図上のエリアを、タッチパネル122を使って選択した地点を取得する。例えば、ディスプレイ131に表示中の地図を特定する位置情報、例えば地図の左上端点の緯度経度とその際の縮尺情報からなる位置情報を取得する。
【0019】
次にステップS1103では、取得した位置情報、現在時刻を含む要求信号を、通信先の条件として通信先特定サーバ300に送信する。このとき、提供の要求情報として速度情報を要求するとする。
そして、ステップS1104では、上記要求信号に応じて通信先特定サーバ300が送信した提供情報を取得する。本実施形態では、例えば通信対象装置200から取得した情報として、指定したエリアを通行する各車両の速度を加工して、当該指定したエリアを通行する各車両の平均速度を受信する。
続いてステップS1105では、受信した情報をディスプレイ131に表示する。その後、処理を終了する(S1106)。
【0020】
なお、本実施形態の通信先特定サーバ300では、指定エリアを通行する車両の平均時速を提示する構成とした。これに代えて若しくは併せて、通信先特定サーバ300は、特定車両の燃費や車種構成、一定時間内に通行している車両の数などを提示することを選択できるよう、取得する情報を選択可能とする構成であっても良い。
また本実施形態では、現在時刻を情報取得の指定時刻としている。情報取得の指定時刻は、過去の日時であっても良い。
【0021】
図3は、取得する情報を選択可能にし、日時条件も指定可能とした場合の通信先指定装置100での画面表示例の例である。図3中の符号1001はディスプレイ131の表示エリアであり、地図を表示している。このエリア表示の上に、情報を取得する条件を指定するためのエリアとして、日付指定エリア(1003)、時刻指定エリア(1004)、取得情報種別指定エリア(1005)の各領域を設定する。取得情報種別指定エリアは、リスト選択方式で、平均速度や燃費、車種構成などを選ぶことができる構成とする。ユーザが表示されている地図上を点指定(例えば指でタッチ)すると、該当エリアは、選択を表すためにハイライト表示となる(1002)。選択後、OKボタン(1006)を押すと、選択が完了する。そして選択完了したエリア情報と、取得条件が、サーバに送信される。この例では、指定位置を中心とするある半径距離以内のデータを指定エリアとして取得する。指定エリアとして、道路を指定するようにしたり、矩形で区切ったエリアを指定したりするようにしてもよい。
【0022】
次に、上記通信先特定サーバ300の処理を、図4を参照して説明する。
通信先指定装置100からデータの取得条件(要求信号)を受信すると(S1301)、ステップS1302に移行する。
ステップS1302では、通信先特定部302は、プローブ情報データベース301に保持されているプローブ情報から指定された条件(位置及び時間範囲)を満足するデータを抽出する。例えば、走行車両の平均速度を提供要求し、その日時及びエリアを指定された場合は、指定時刻の前後10分間以内に、指定された緯度経度範囲エリアを通過した履歴情報を持つ車両(通信対象装置200)から取得した速度情報を抽出する。
【0023】
ステップS1302では、条件を満足する情報の抽出が完了したら移行して、データ加工部311は、通信先指定装置100に提供可能な形に、通信対象装置200から取得した提供データを加工する。
そして、ステップS1304では、加工した提供データを通信先指定装置100に送信する。
ステップS1305では、未送信データがあるか否かを判定する。未送信データが存在する場合には、ステップS1304に移行して、データの送信を継続する。一方、送信が完了した場合には、ステップS1306に移行して処理を終了する。
【0024】
(動作その他)
通信対象装置200が、当該通信対象装置200を搭載する車両の位置情報、車両情報、情報取得時刻を含むプローブ情報を定期的に通信先特定サーバ300に送信する。
通信先特定サーバ300は、取得したプローブ情報をそのまま、若しくは加工してプローブ情報データベース301に格納する。
一方、通信先指定装置100は、位置情報として指定したエリア情報、取得時刻を検索情報として含む要求信号を通信先特定サーバ300に送信する。
通信先特定サーバ300は、取得した要求情報を満足する車両が提供した情報から提供情報を加工して作成する。本実施形態では、指定エリアを指定した時刻前後に走行した車両の平均速度を提供情報とする。そして、加工した提供情報を、要求先の通信先指定装置100に送信する。
【0025】
通信先指定装置100は、上記要求に対応して受信した提供情報を、通信先指定装置100を操作するユーザに提供する。
これによって、通信先指定装置100は、指定した位置及び時刻で特定される車両(通信対象装置200)が提供した情報を、通信先特定サーバ300を通じて取得することが可能となる。また取得する提供情報を加工することで、情報提供先の秘匿性を確保する。
ここで、プローブ情報取得部303は、通信対象情報取得部、情報蓄積部、及び提供情報保持部を構成する。データ加工部311は情報送信部を構成する。
【0026】
(本実施形態の効果)
本実施形態は次の効果を奏する。
(1)プローブ情報取得部303は、通信対象装置200の位置、その位置の取得日時、及び上記通信対象装置200を特定する固有識別情報を含む位置特定データを受信する。プローブ情報取得部303は、受信した位置特定データを、通信対象装置200を特定する特定情報として蓄積する。プローブ情報取得部303は、上記通信対象装置200からの提供情報を受信して保持する。通信先特定部302は、検索位置及び指定日時を検索条件として含む要求信号を受信すると、上記要求信号に含まれる検索条件で上記蓄積した特定情報を検索して、検索条件を満足する通信対象装置200を特定する。データ加工部311は、通信先特定部302が特定した1又は2以上の通信対象装置200から受信した提供情報若しくはその提供情報を加工した加工情報の少なくとも一方の情報を、上記要求信号を送信した通信先指定装置100に送信する。
【0027】
また、通信対象装置200は、通信対象装置200の位置を取得する位置取得部、及び、位置取得部が取得した位置その位置の取得日時及び通信対象装置200を特定する固有識別情報を含む位置特定データを通信先特定サーバ300に送信する。
そして、通信先指定装置100は、通信先特定サーバ300に対し検索位置及び日時を検索状態に含む要求信号を送信すると共に、当該通信先特定サーバ300から検索条件を満足する通信対象装置200が送信した提供情報を受信する。
【0028】
この構成によれば、通信先特定サーバ300は、通信先指定装置100から指定される検索位置とこれを判別する指定日時によってこの条件に該当する通信対象装置200を特定することで、特定した通信先対象装置からの提供情報を通信先指定装置100に対し送信する。この結果、通信先指定装置100は、通信先特定サーバ300を通じて、通信対象装置200が提供する提供情報を取得可能となる。
【0029】
(2)通信先特定サーバ300は、通信先指定装置100からの要求に従って、条件を満足する提供情報を、個別の通信対象装置200が特定されない形に加工し、その加工した情報を要求された通信先指定装置100に送信する。
この構成によれば、通信先特定サーバ300は、通信対象装置200からアップロードされた情報を、個別の通信対象装置200を特定できない形に加工して通信先指定装置100に提供する。この結果、通信対象装置200の使用者及び通信先指定装置100は、互いにそれぞれの個人情報を明かすことなく通信(情報の授受)が可能となる。
【0030】
(3)上記通信先指定装置100は、選択された地図情報上のエリアを取得し、取得したエリアを上記検索位置とする。
この構成によれば、通信先特定サーバ300は、通信先指定装置100によって指定された位置情報により、通信先を特定する。このため、通信先指定装置100は、特定の位置に存在する通信対象装置200と通信をしたい場合に、地図上の位置を指定するだけで、通信先を見つけることができる。
【0031】
(4)上記通信対象装置200の少なくとも1つは、移動体である車両に搭載されている。
この構成によれば、上記通信対象装置200は、車両に搭載されている場合には、その車両の情報や車両が取得した交通情報を送信可能となる。
また、通信対象装置200は、車両に搭載された車載システムとなるため、通信先指定装置100またはこれのユーザは、当該通信対象装置200が搭載されている車両が持つ通信装置の個別IDを知らなくても、車両内のドライバや当該車載機と通信または当該車載機から得られる情報の取得が可能になる。
【0032】
(5)上記通信先指定装置100は、通信対象装置200から取得したい提供情報の種別を通信先特定サーバ300に送信する。上記通信先特定サーバ300は、通信対象装置200から受信した提供情報のうち、通信先指定装置100から受信した種別の提供情報を当該通信先指定装置100に送信する。
通信先指定装置100は、通信対象装置200から取得したい情報の種類を指定することで、通信先指定装置100は必要な情報を取得することができる。
【0033】
「第2実施形態」
次に、第2実施形態について図面を参照して説明する。なお、上記実施形態と同様な構成については同一の符号を付して説明する。
本実施形態の基本構成は、図5に示すように、上記第1実施形態の構成と同様である。なお、第1実施形態で説明したデータ加工部311が図示されていないが、データ加工部311を備えていても良い。以下の各説明は、その実施形態の主な処理で必要な処理部だけを記載している。他の実施形態でも同様である。
【0034】
但し、本実施形態では、通信先指定装置100は、指定通信可能な通信対象装置200のリスト表示を行う機能を有する。また、通信対象装置200は、車載情報システムとする。また、通信先確定後の通信手段は、通信先特定サーバ300を介して行う。また本実施形態の通信先指定装置100は、例えばPC上で動作するウェブベースアプリケーションや、車載ナビゲーションシステム上で動作するシステム、スマートフォン上で動作するシステムとする。
【0035】
(構成)
「通信対象装置200」
本実施形態の通信対象装置200は、図5に示すように、GPS受信装置201、映像撮影部213、データロガー202、通信部203を備える。
GPS受信装置201は、現在位置を判定するための受信装置である。
映像撮影部213は、カメラ212が撮像した車両周辺の映像を取得する。カメラ212は、車両に搭載されて車両周辺の映像を撮影する。
データロガー202は、GPS受信装置201から得られるGPS信号を使った位置判定結果とこれらの取得日時を含む位置特定データを保持する。
【0036】
通信部203は、データロガー202中の位置特定データ、映像撮影部213が取得した撮像映像を、インターネット接続された通信先特定サーバ300に送信する。
本実施形態では、通信対象装置200は、通常時は、予め設定した一定間隔で位置情報(位置特定データ)を通信先特定サーバ300に送信し、通信先特定サーバ300から映像要求を受信した場合には、カメラ212で撮影した映像を通信先特定サーバ300に送信する構成とする。実際には、上記位置特定データと車両情報とによってプローブ情報が構成され、そのプローブ情報が一定間隔でアップロードされる。
【0037】
「通信先指定装置100」
通信先指定装置100は、地図表示エリアを指定し、通信対象となりえる車両が指定エリアに存在するかどうかを通信先特定サーバ300に問い合わせる機能と、問い合わせの結果、対象となる車両が存在した場合はこれを地図上に表示する機能とを備える。また、通信先指定装置100は、表示した車両の中から映像を通信先特定サーバ300を通して転送させる車両を特定する機能と、特定した車両からの映像要求信号を通信先特定サーバ300に送信し、通信先特定サーバ300を通じて、指定した車両からの映像を受信し、表示する機能と、を備える。
【0038】
通信先指定装置100は、マイク121やタッチパネル122などの入力デバイス120と、ディスプレイ131やスピーカ132などの出力デバイス130を備える。通信先指定装置100は、条件指定部102及び出力制御部103を備える。
条件指定部102は、地図を表示し、入力デバイス120を通じて、地図上のエリアをユーザに選択させる。この選択は、通信先特定サーバ300上にある情報のうち必要な情報の取得条件を指定するためである。条件指定部102は、指定されたエリアを含む要求信号を通信部101を介して通信先特定サーバ300に送信する。また、条件指定部102は、地図上に表示された車両から、映像を取得する車を選択した情報を入力し、入力した選択された車両情報を通信先特定サーバ300に送信する。
【0039】
地図データベース111は、地図を表示するために、地図情報を保持する。
出力制御部103は、通信先特定サーバ300から取得した情報を出力デバイス130を使ってユーザに提示する。
通信部101は、通信先特定サーバ300へ情報の取得条件を送信したり、指定した条件を満足する情報を受信する処理を行う。
【0040】
「通信先特定サーバ300」
通信先特定サーバ300は、プローブ情報データベース301、プローブ情報取得部303、通信先特定部302、映像転送部312を備える。
プローブ情報データベース301は、プローブ情報取得部303を通じて、通信対象装置200が送信した位置情報や車両信号とその取得時刻、固有IDを含むプローブ情報を保持する。
【0041】
通信先特定部302は、通信先指定装置100からの要求に従って、プローブ情報データベース301から指定された条件を満足する車両(=通信対象装置200)群を特定し、特定した車両が提供した情報を通信先指定装置100に送信する。また通信先特定部302は、通信先指定装置100が選択した車両に対して映像転送要求を出す。
映像転送部312は、映像転送要求を送信した車両からアップロードされた映像を、順次、要求した通信先指定装置100に転送する。
【0042】
次に、通信先指定装置100の処理について、図6を参照して説明する。
通信先指定装置100は、通信先指定機能の作動要求を入力すると(S2100)、ステップS2101に移行する。
ステップS2101では、ディスプレイ131に地図を表示して、表示エリアを選択可能にする。
ステップS2102では、ユーザの操作によって、地図のスクロールや拡大などによりエリア内に存在する車両の情報を検索したいエリアを表示したことを検出すると、通信先指定装置100は、エリア内の一覧情報を要求するために、表示中のエリアの位置情報(例えば左上端点の緯度経度と、縮尺)を通信先特定サーバ300に送信する。
【0043】
ステップS2103では、条件を満足する通信先から得られた情報(ここでは指定エリアに存在する車両の位置と車載機の固有ID)を、通信先特定サーバ300から受信する。そして、全ての情報を取得したらステップS2104に移行する。
ステップS2104では、受信した情報を、ディスプレイ131に現在の地図に重ねるようにして該当車両の位置を表示して、ユーザに任意の車両を選択させる。本実施形態における該当車両の位置表示の例を図7に示す。図7では表示エリア(2001)上に地図が表示されており、この地図上に現在通信可能な車両の位置を☆印として表示している(2002)。
【0044】
ステップS2105では、ユーザによる地図上の車両の選択を検出すると、この車両を特定する固有IDを、映像要求信号とともに通信先指定サーバに送信する。
ステップS2106では、通信先特定サーバ300を通じて指定した車両(通信対象装置200)からの映像を転送開始すれば、転送されてきた映像を受信する。
ステップS2107では、受信した映像をディスプレイ131上に表示する。映像の転送は、ユーザからの指示があるまで続ける。
【0045】
すなわち、ステップS2108にて、ユーザから映像転送中止指示の入力があったか、若しくは映像転送の情報を入力したか否かを判定する。条件を満足する場合には、ステップS2109に移行して、映像受信を中止して終了する。条件を満足しない場合にはステップS2106に移行して映像受信及び表示の処理を繰り返す。
ここで、本実施形態では現在時刻を情報取得指定時刻として、リアルタイムに映像を転送する場合を例示している。これに代えて、過去の日時を指定できるようにしてもよい。この場合は、指定時刻に対応する、通信先特定サーバ300上に蓄えられた映像をサーバから受信してもよい。
【0046】
また、本実施形態では、表示中の地図エリアの中から、通信可能な複数の車両のリストを表示させ、このリストから1つの車両を選択させてから映像転送を行う構成で説明した。映像を転送可能な車両の数が少なく(予め設定した数(例えば3台)以下の場合)、通信速度が充分確保されている場合は、車両の選択処理(S2103〜S2105)なしに該当車両全ての映像を、通信先指定装置100に転送する構成としても良い。
【0047】
「通信先特定サーバ300」
通信先特定サーバ300の処理のうち、通信対象装置200からの位置特定データを含むプローブ情報の受信及び保持の処理は、上記第1実施形態と同様である。
次に、通信先特定サーバ300の処理のうち、通信先指定装置100から指定エリア内の通信可能車両一覧要求があった際の動作を、図8を参照して説明する。
通信先特定サーバ300は、通信先指定装置100からデータの取得条件を受信すると(S2201)、ステップS2202に移行する。
【0048】
ステップS2202では、通信先特定部302は、プローブ情報データベース301に保持されているプローブ情報から、指定された条件を満足するデータ(プローブ情報)を抽出する。このとき、通信先指定装置100からは指定エリアの位置情報(左上端点の緯度経度と縮尺)、指定日時を検索条件として指定される。この検索状態に基づき、例えば指定時刻の前後10分間以内に、指定された緯度経度から予め設定した一定距離以内の緯度経度情報を含むプローブ情報を抽出する。この際の一定距離は指定縮尺に応じて計算される。そして、抽出したプローブ情報に対応する車両及び現在位置情報を抽出する。
ステップS2203では、抽出した車両を特定する固有IDと、各車両の現在位置の情報の一覧とを通信先指定装置100(S2203)に送信する。そして、全てのデータの送信を(S2204)処理を終える(S2205)。
【0049】
次に、通信先特定サーバ300の処理のうち、通信先指定装置100から、車両(通信先装置)の選択情報を受信した際の処理を、図9を参照して説明する。
通信先特定サーバ300は、通信先指定装置100から、選択された通信先車両(通信対象装置200)の固有IDを受信すると(S2301)、ステップS2302に移行する。
ステップS2302では、選択された通信先車両に対して、映像転送のための接続要求を行う。
ステップS23303にて、映像転送のための接続の完了を検出すると、映像受信処理(S2304〜S2305)、及び受信した映像転送処理(S2306〜S2308)を行う。
【0050】
映像受信の処理(S2305)は、通信先指定装置100から転送中止指示があるか、転送元の車両から転送中止要求があるまで続ける(S2304)。
映像転送の処理(S2308)も未送信データが存在し(S2307)、転送中止指示があるか、転送元の車両から転送中止要求があるまでこれを続ける(S2304)。中止指示があった場合は処理を終了する(S2309)。
【0051】
次に、通信対象装置200での映像転送に関する処理を、図10を参照して説明する。
通信対象装置200は、通信先特定サーバ300から映像取得要求を受信するとステップS2402に移行する。
ステップS2402では、通信対象装置200は、車載カメラ212を使った映像撮影を開始する(2402)。
映像撮影の処理(S2404)は、映像転送終了の指示が通信先特定サーバ300から受信するか、通信対象装置200を搭載している車両のエンジンが切れるなど、これを搭載している車両側もしくはそのユーザからの指示があるまで続ける(S2403)。
【0052】
そして、映像撮影開始とともに、撮影した映像は通信先特定サーバ300に送信(アップロード)を開始する。映像のアップロード処理(S2407)も、撮影した映像がのうち、未送信のものがある限り(S2406)、映像転送終了の指示が通信先特定サーバ300から受信するか、通信対象装置200を搭載している車両のエンジンを切るなど、これを搭載している車両側もしくはそのユーザからの指示があるまで続ける(S2403)。
その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0053】
(動作その他)
本実施形態では、まず、現在、通信先指定装置100が表示している地図上エリアを指定エリアとして通信先特定サーバ300に送信する構成となっている。通信先特定サーバ300は、取得した該当エリア上に存在する、通信可能な車両(通信対象装置200)の位置の情報を、要求した通信先指定装置100に送信する。通信先指定装置100は、取得した通信可能な車両(通信対象装置200)の位置を、表示中の地図上に重ねて表示することで、ユーザにいずれからの車両を選択させる。ユーザによる車両の選択情報を検出すると、その選択された車両の情報を通信先特定サーバ300に送信する。
【0054】
通信先特定サーバ300は、選択された車両(通信対象装置200)に対して当該車両に取り付けられたカメラ映像の情報を要求し、要求によって受信したカメラ映像の情報を通信先指定装置100に転送する。通信先指定装置100は、転送されたカメラ映像をディスプレイ131に表示する。
ここで、通信先指定装置100の要求に応じて通信対象装置200から転送される提供情報は映像でなくても良い。画像やプログラムソフトなどであっても良い。この転送処理は、容量が大きい場合に有効である。
ここで、ステップS2201〜S2204は、通信対象装置選択部を構成する。ステップS2301〜S2309,及び映像転送部312は、情報送信部を構成する。プローブ情報取得部303は、通信対象情報取得部、情報蓄積部、及び提供情報保持部を構成する。
【0055】
(本実施形態の効果)
本実施形態は、上記第1実施形態の効果に加え次の効果を奏する。
(1)通信先特定サーバ300は、通信先特定部302が特定した通信対象装置200を選択するための選択情報を上記要求信号を送信した通信先指定装置100に送信し、その送信に対して上記通信先指定装置100から選択された通信対象装置200の情報を受信する。通信先特定サーバ300は、上記選択された通信対象装置200から受信した提供情報若しくはその提供情報を加工した加工情報を、上記要求信号を送信した通信先指定装置100に送信する。
【0056】
この構成によれば、通信先特定サーバ300は、通信先指定装置100に対して、通信可能な通信対象装置200の一覧等の選択情報を提示する。このため、通信先指定装置100は、一覧提示された通信可能な通信対象装置200から、目的の通信対象装置200を選択するだけで、通信対象装置200と通信可能となる。
【0057】
(2)通信先特定サーバ300は、要求に応じて特定した通信対象装置200の情報を通信先指定装置100に送信した後に、当該特定した通信対象装置200から提供情報を受信すると、その受信した提供情報を通信先指定装置100に送信する。
この構成によれば、通信先指定装置100は、通信先特定サーバ300を介して通信対象装置200がアップロードする情報を取得したり、通信対象装置200と情報のやりとりをすることが可能となる。このため、例えば、通信先特定装置からの要求があったタイミングでは通信対象装置200が通信可能な状態にない場合にも、通信先特定装置は、通信対象装置200が過去にアップロードした情報に基づいて、これらの情報を取得することができる。
【0058】
「第3実施形態」
次に、第3実施形態について図面を参照して説明する。なお、上記実施形態と同様な構成については同一の符号を付して説明する。
本実施形態の基本構成は、図11に示すように、上記第1実施形態の構成と同様である。なお、上記第1及び第2の構成を併せて備えていても良い。
但し、本実施形態の通信先指定装置100は、自車位置周辺の移動体を認識する機能をもち、認識した移動体との接続を要求する方式をとる。
なお、符号400は、移動通信端末の例である携帯電話用の通信網を示す。
【0059】
「通信対象装置200」
各通信対象装置200は、現在位置を判定するためのGPS受信装置201を持つ車載システムとして動作する。通信対象装置200は他に、GPS受信装置201から得られるGPS信号を使った位置判定結果とこれらの取得日時を保持するデータロガー202とを持つ。これらプローブ情報をインターネット接続された通信先特定サーバ300に定期的にアップロードする際は、携帯電話の通信部203が持つ通信機能を利用する。
携帯電話は、ロガー202とともに、車載スピーカ132にも着脱可能に接続され、ハンズフリーフォンとして、通話機能を果たす。通話機能は携帯電話の通話制御部215によって制御される。
【0060】
「通信先指定装置100」
通信先指定装置100は、車両周辺を画像認識し、周辺の車両や人物を認識する機能と、認識した車両または人物のうち、通信したい相手をユーザに選択させる選択機能とを備える。また、通信先指定装置100は、選択した相手の電話番号を通信先特定サーバ300に問い合わせる機能と、取得した電話番号を使って、特定した相手に電話を発信、通話する機能とを備える。
【0061】
通信先指定装置100は、マイク121やタッチパネル122などの入力デバイス120と、ディスプレイ131やスピーカ132などの出力デバイス130を持つ。
通信先指定装置100を搭載する車両は、他に車両周辺を撮影可能なカメラ212を備える。そして、通信先指定装置100は、カメラ212の撮影した画像に基づき、周辺の車両や人物を認識する周辺認識部112を備える。その認識した結果は、出力制御部103を通してディスプレイ131上に表示される。認識結果がディスプレイ131上に表示されていたら、ユーザは、入力デバイス120を使って、通話をしたい相手を選択する。
【0062】
その際、条件指定部102は、GPS受信装置201から得られるGPS信号を使って、現在位置を判定する。そして、条件指定部102は、上記判定結果とこれらの取得日時と合わせて、要求信号として通信部101を通じて通信先特定サーバ300に送信する。通信部101は、通信先特定サーバ300から、通信相手の情報を受け取ったり、通話制御部113から通信相手に発信する通信処理も行う。
【0063】
「通信先特定サーバ300」
通信先特定サーバ300は、プローブ情報データベース301、プローブ情報取得部303、通信先特定部302、ユーザ情報データベースを備える。
プローブ情報データベース301は、プローブ情報取得部303が各通信対象装置200から取得した、位置情報や車両信号とその取得時刻、通信対象装置200を特定するための車載機や携帯電話の固有IDその他のプローブ情報を保持する。
【0064】
ユーザ情報データベースは、抽出された固有IDをもつ通信対象装置200のそれぞれが通信に利用可能な通信手段(電話、メール、IP指定等)と各通信手段をとる際のアドレス(電話番号、メールアドレス、IPアドレス)などを保持する。
通信先特定部302は、通信先指定装置100からの要求に従って、プローブ情報データベース301及びユーザ情報データベースを参照して、指定された条件を満足する情報を抽出する。そして、通信先特定部302は、抽出した情報を通信先指定装置100に送信する。
【0065】
「通信先指定装置100」
次に、通信先を指定するための通信先指定装置100の処理を、図12を参照して説明する。
通信先指定装置100は、通信先指定機能の作動要求を検出すると(S3100)、ステップS3101に移行する。
ステップS3101では、車載カメラ212からの映像に基づき周辺車両や人物の認識を開始する(S3101)。認識が完了したら、ステップS3102にて、認識結果をディスプレイ131に描画する。
【0066】
ステップS3103では、ユーザがディスプレイ131に表示された、認識対象(車両または人物)をタッチパネル122を使って選択したか否かを判定する。選択されなかった場合にはステップS3101に戻って、ユーザによる選択がされるまで、認識と描画を繰り返す。一方、選択を検出した場合にはステップS3104に移行する。
ステップS3104では、選択検出時の自車位置を判定する。続いてステップS3105にて、判定された自車位置と選択された認識対象との相対距離及び方向を、画像から推定して、認識対象の位置を推定する。
【0067】
ステップS3106では、位置推定が完了すると、通信先指定装置100は、推定した認識対象(指定通信先)の位置(緯度経度)とその推定時刻と、人物または車両など認識対象の種別を、通信先特定サーバ300に送信する。
ステップS3107では、上記送信に応じて、通信先特定サーバ300から送信された送信情報を受信する。通信先特定サーバ300からの送信情報は、検索条件と一致する通信対象装置200との通信手段と各通信手段ごとのアドレス(通信情報)の情報である。
ここで、認識した車両が通信機能を備えていなかったり、人物が携帯電話を持っていない場合、通信先特定サーバ300と接続していない場合などは、通信手段なしの回答を得る。
【0068】
ステップS3108では、通信可能な対象で無いと判定した場合にはステップS3101に戻る。通信可能の場合にはステップS3109に移行する。
ステップS3109では、複数の通信手段が存在し、かつ、リクエスト元の通信先指定装置100が該当通信手段を備えている場合は、ユーザに通信手段を選択させる。
ステップS3110では、選択が完了したら、該当アドレスにアクセスを開始する。その後、処理を終える(S3110)。
【0069】
本実施形態では、通信対象装置200は携帯電話を持っているため、携帯電話の電話機能とその電話番号、メール機能とそのメールアドレス、データ通信を行っているのでデータ通信のためのIPアドレスなどが通信手段及びアドレスとして回答される。
なお、通信先特定サーバ300を介してのみ通信相手と通信する場合は、アドレスなどの個人情報は通信先指定装置100には知らせないことも可能となる。
ここで、上記実施形態では、通信先指定装置100上で、周辺認識処理を行う場合を例示している。これに代えて、画像を通信先特定サーバ300に送って、通信先特定サーバ300上で車両認識などを実施する構成としても良い。
【0070】
図13及び図14は、認識結果の表示例である。図13の例は、カメラ212として車両前方を撮影するカメラを使用した場合の例である。この図13の例では、表示画面上(3001)には前方車両(3101a〜c)などを撮影した映像そのものと、これを認識処理し、車両として認識した結果(3201a〜c)を映像に重ねて表示している。そして、認識した車両や人物を選択可能にしている。
【0071】
また図14の例は、カメラ212が車両の周囲4方向を映すための全周囲カメラの場合の例である。図14に示す例では、表示画面上(3001)には認識した車両(3102a〜e)や人物(3103a〜c)の、自車位置(3011)との位置関係を上方向から見た映像として表示している。この映像に、車両を認識した結果(3202a〜e)や人物を認識した結果(3203a〜c)を重ねて表示し、認識した車両や人物を選択可能にしている。
【0072】
「通信先特定サーバ300」
次に、本実施形態における通信先特定サーバ300の処理を、図15を参照して説明する。
通信先指定装置100は、データの取得条件である、通信対象装置200の位置とその時刻を含む要求信号を受信すると(S3301)、ステップS3302に移行する。
ステップS3302では、通信先特定部302は、プローブ情報データベース301に保持されているプローブ情報から指定された時刻に指定位置を通過したと推定される通信対象装置200のデータを抽出し、そのIDを特定する。
【0073】
ステップS3303では、該当データがない場合は、ステップS3304に移行する。該当データがある場合にはステップS3305に移行する。
ステップS3304では、該当なしのエラーメッセージを送信し、処理を終了(S3307)する。
一方、該当データが見つかってステップS3305に移行した場合には、該当IDの通信対象装置200へ発信するための電話番号をユーザ情報データベースから抽出する。
続いて、ステップS3306にて、抽出した電話番号を、要求した通信先指定装置100に送信して、処理を終える(S3307)。
なお通信接続するための通信情報は、電話番号に限定されず、メールアドレス、IPアドレスなどの通信可能な情報であれば良い。
その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0074】
(動作その他)
本実施形態では、通信対象装置200は車載情報システム、または携帯電話などの移動通信端末とする。
通信先特定サーバ300は、通信対象装置200個別情報を保持する構成をとるとともに、通信先指定装置100と通信対象装置200が通信先特定サーバ300を介さず通信を可能とするための通信接続情報を提供する構成とする。また、通信先特定サーバ300は、通信対象装置200が通信に利用可能な通信手段の一覧を通信先指定装置100に知らせることで、通信先指定装置100は任意の通信手段を選択することができる構成とする。
これによって、通信先確定後の通信手段は、通信先特定サーバ300を介さず行うことが可能となる。
【0075】
ここで、本実施形態の通信先指定装置100はPC上で動作するウェブベースアプリケーションや、車載ナビゲーションシステム上で動作するシステムで構成する。本実施形態にあっては、通信先指定装置100上に、周辺の車両や人を認識した結果を表示し、認識した車両を選択すると、通信先特定サーバ300に電話番号の問い合わせが行われ、電話番号が見つかった場合は選択した相手に電話をかけることができる。
ここで、ユーザ情報313は、通信対象装置情報保持部を構成する。周辺認識部112は認識部を構成する。プローブ情報取得部303は、通信対象情報取得部、情報蓄積部、及び提供情報保持部を構成する。通信先特定部302は情報送信部を兼ねる。
【0076】
(本実施形態の効果)
本実施形態は、第1実施形態の効果に加えて、次の効果を奏する。
(1)ユーザ情報313は、提供情報を送信する可能性のある通信対象装置200に関する情報を保持する。そして、通信先特定サーバ300は、通信先指定装置100からの要求に応じて、要求された通信対象装置200の情報を要求した通信先指定装置100に送信する。
この構成によれば、通信先特定サーバ300は、通信対象装置200から送信(アップロード)される情報のほかに、個別の通信対象装置200に関する情報を保持している。このため、通信先指定装置100からの指定に従って、特定の場所等にいる通信対象装置200に関して、通信対象装置200からアップロードされる情報以外の詳細情報を提供することができる。
【0077】
(2)通信先特定サーバ300は、通信先指定装置100からの要求に応じて、通信先特定部302が特定した通信対象装置200に直接に通信接続するための通信情報を上記通信先指定装置100に送信する。
この構成によれば、通信先特定サーバ300は、通信先指定装置100に対して、指定された条件を満足する通信対象装置200と既存の通信手段を使って通信可能にする識別IDを提供する。このため、通信先指定装置100は、既存の通信手段により通信対象装置200との通信が可能となる。
【0078】
(3)通信先指定装置100の周辺認識部112は、自己の周囲に存在する通信対象装置200及び通信対象装置200を装備している可能性のある移動体の少なくとも一方を認識対象として認識する。そして通信先指定装置100の通信部101は、その認識部が認識した認識対象から通信対象装置200又は移動体を選択する対象選択部と、対象選択部が選択した認識対象の情報を通信先特定サーバ300に送信する。上記通信先特定サーバ300は、通信先指定装置100から受信した認識対象の情報に対応する通信対象装置200を特定し、特定した通信対象装置200が通信可能状態にあるかどうかを判断し、通信可能状態と判定した場合には、その通信可能状態の通信対象装置200に関する提供情報を通信先指定装置100に送信する。
【0079】
この構成によれば、通信先指定装置100が、周辺の通信対象装置200またはこれを搭載している可能性のある移動体を認識する。そして通信先指定装置100が、上記認識された通信対象装置200またはこれを搭載している可能性のある移動体を選択した場合には、通信先特定サーバ300は、選択された通信対象装置200と通信先指定装置100との通信を可能とする情報を提供情報として提供する。このように、通信先指定装置100は、周辺に存在する通信対象装置200またはこれを搭載している可能性のある移動体から通信したい相手を選択するだけで、任意の相手と通信することができる。
【0080】
(4)通信先特定サーバ300は、通信先指定装置100からの要求に従って、通信先特定部302が特定した通信対象装置200に通信接続するための一覧情報を、上記通信先指定装置100に送信する。
この構成によれば、通信先指定装置100は、通信先特定サーバ300を介して、通信したい通信対象装置200が利用可能な通信手段を知ることができる。このため、通信先指定装置100は、通信相手が利用可能な通信手段をあらかじめ知らなくても、通信することができる。
【0081】
(5)通信対象装置200の少なくとも1つは、移動通信端末に搭載されている。
この構成によれば、通信対象装置200は、携帯電話などの移動通信端末に搭載されているため、通信先指定装置100またはこれのユーザは、移動通信端末を特定する、例えば携帯電話の電話番号やメールアドレスを入力しなくても、当該携帯電話等の移動通信端末との通信または当該移動通信端末から得られる情報の取得が可能となる。
【0082】
通信対象装置200は、移動通信端末そのものであっても良い。
ここで、全実施形態において、通信先指定装置100、通信先特定サーバ300、通信対象装置200、通信先確定後の通信手段はそれぞれこの構成に限らず、他の実施形態に示す方式に置き換えた形で構成することも可能である。
また、通信先特定サーバ300も1つに限定されない。例えばエリア毎にサーバを配置したサーバシステム構成であっても良い。
【符号の説明】
【0083】
100 通信先指定装置
200 通信対象装置
300 通信先特定サーバ
301 プローブ情報データベース
302 通信先特定部
303 プローブ情報取得部
311 データ加工部
312 映像転送部
313 ユーザ情報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信対象装置の位置、その位置の取得日時、及び上記通信対象装置を特定する固有識別情報を含む位置特定データを受信する通信対象情報取得部と、
通信対象情報取得部が受信した位置特定データを、通信対象装置を特定する特定情報として蓄積する情報蓄積部と、
上記通信対象装置からの提供情報を受信して保持する提供情報保持部と、
検索位置及び指定日時を検索条件として含む要求信号を受信すると、上記要求信号に含まれる検索条件で上記蓄積した特定情報を検索して、検索条件を満足する通信対象装置を特定する通信先特定部と、
通信先特定部が特定した1又は2以上の通信対象装置から受信した提供情報若しくはその提供情報を加工した加工情報の少なくとも一方の情報を、上記要求信号を送信した通信先指定装置に送信する情報送信部と、
を備えることを特徴とする通信先特定サーバ。
【請求項2】
上記通信先特定部が特定した通信対象装置を選択するための選択情報を、上記要求信号を送信した通信先指定装置に送信し、その送信に対して上記通信先指定装置から選択された通信対象装置の情報を受信する通信対象装置選択部を備え、
上記情報送信部は、上記選択された通信対象装置から受信した提供情報若しくはその提供情報を加工した加工情報を、上記要求信号を送信した通信先指定装置に送信する請求項1に記載した通信先特定サーバ。
【請求項3】
提供情報を送信する可能性のある通信対象装置に関する情報を保持した通信対象装置情報保持部を備え、通信先指定装置からの要求に応じて、要求された通信対象装置の情報を要求した通信先指定装置に送信することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した通信先特定サーバ。
【請求項4】
通信先指定装置からの要求に応じて、通信先特定部が特定した通信対象装置に直接通信接続するための通信情報を上記通信先指定装置に送信することを特徴とする請求項3に記載した通信先特定サーバ。
【請求項5】
通信先指定装置からの要求に従って、通信先特定部が特定した通信対象装置に通信接続するための通信情報の一覧情報を、上記通信先指定装置に送信することを特徴とする請求項4に記載した通信先特定サーバ。
【請求項6】
要求に応じて特定した通信対象装置の情報を通信先指定装置に送信した後に、当該特定した通信対象装置から提供情報を受信すると、その受信した提供情報を通信先指定装置に送信することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載した通信先特定サーバ。
【請求項7】
通信先指定装置からの要求に従って、条件を満足する提供情報を、個別の通信対象装置が特定されない形に加工し、その加工した情報を要求された通信先指定装置に送信することを特徴とする請求項6に記載した通信先特定サーバ。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の通信先特定サーバと、
通信対象装置の位置を取得する位置取得部、及び、位置取得部が取得した位置その位置の取得日時及び通信対象装置を特定する固有識別情報を含む位置特定データを通信先特定サーバに送信する通信対象装置と、
通信先特定サーバに対し検索位置及び日時を検索状態に含む要求信号を送信すると共に、当該通信先特定サーバから検索条件を満足する通信対象装置が送信した提供情報を受信する通信先指定装置と、
を備えることを特徴とする通信対象特定システム。
【請求項9】
上記通信先指定装置は、選択された地図情報上のエリアを取得し、取得したエリアを上記検索位置とすることを特徴とする請求項8に記載した通信対象特定システム。
【請求項10】
上記通信先指定装置は、自己の周囲に存在する通信対象装置及び通信対象装置を装備している可能性のある移動体の少なくとも一方を認識対象として認識する認識部と、その認識部が認識した認識対象から通信対象装置又は移動体を選択する対象選択部と、対象選択部が選択した認識対象の情報を通信先特定サーバに送信する通信部とを備え、
上記通信先特定サーバは、通信先指定装置から受信した認識対象の情報に対応する通信対象装置を特定し、特定した通信対象装置が通信可能状態にあるかどうかを判断し、通信可能状態と判定した場合には、その通信可能状態の通信対象装置に関する提供情報を通信先指定装置に送信することを特徴とする請求項8又は請求項9に記載した通信対象特定システム。
【請求項11】
上記通信対象装置の少なくとも1つは、移動体である車両に搭載されていることを特徴とする請求項8〜請求項10のいずれか1項に記載した通信対象特定システム。
【請求項12】
上記通信先指定装置は、通信対象装置から取得したい提供情報の種別を通信先特定サーバに送信し、
上記通信先特定サーバは、通信対象装置から受信した提供情報のうち、通信先指定装置から受信した種別の提供情報を当該通信先指定装置に送信することを特徴とする請求項8〜請求項11のいずれか1項に記載した通信対象特定システム。
【請求項13】
上記通信対象装置の少なくとも1つは、移動通信端末に搭載されていることを特徴とする請求項8〜請求項12のいずれか1項に記載した通信対象特定システム。
【請求項1】
通信対象装置の位置、その位置の取得日時、及び上記通信対象装置を特定する固有識別情報を含む位置特定データを受信する通信対象情報取得部と、
通信対象情報取得部が受信した位置特定データを、通信対象装置を特定する特定情報として蓄積する情報蓄積部と、
上記通信対象装置からの提供情報を受信して保持する提供情報保持部と、
検索位置及び指定日時を検索条件として含む要求信号を受信すると、上記要求信号に含まれる検索条件で上記蓄積した特定情報を検索して、検索条件を満足する通信対象装置を特定する通信先特定部と、
通信先特定部が特定した1又は2以上の通信対象装置から受信した提供情報若しくはその提供情報を加工した加工情報の少なくとも一方の情報を、上記要求信号を送信した通信先指定装置に送信する情報送信部と、
を備えることを特徴とする通信先特定サーバ。
【請求項2】
上記通信先特定部が特定した通信対象装置を選択するための選択情報を、上記要求信号を送信した通信先指定装置に送信し、その送信に対して上記通信先指定装置から選択された通信対象装置の情報を受信する通信対象装置選択部を備え、
上記情報送信部は、上記選択された通信対象装置から受信した提供情報若しくはその提供情報を加工した加工情報を、上記要求信号を送信した通信先指定装置に送信する請求項1に記載した通信先特定サーバ。
【請求項3】
提供情報を送信する可能性のある通信対象装置に関する情報を保持した通信対象装置情報保持部を備え、通信先指定装置からの要求に応じて、要求された通信対象装置の情報を要求した通信先指定装置に送信することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した通信先特定サーバ。
【請求項4】
通信先指定装置からの要求に応じて、通信先特定部が特定した通信対象装置に直接通信接続するための通信情報を上記通信先指定装置に送信することを特徴とする請求項3に記載した通信先特定サーバ。
【請求項5】
通信先指定装置からの要求に従って、通信先特定部が特定した通信対象装置に通信接続するための通信情報の一覧情報を、上記通信先指定装置に送信することを特徴とする請求項4に記載した通信先特定サーバ。
【請求項6】
要求に応じて特定した通信対象装置の情報を通信先指定装置に送信した後に、当該特定した通信対象装置から提供情報を受信すると、その受信した提供情報を通信先指定装置に送信することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載した通信先特定サーバ。
【請求項7】
通信先指定装置からの要求に従って、条件を満足する提供情報を、個別の通信対象装置が特定されない形に加工し、その加工した情報を要求された通信先指定装置に送信することを特徴とする請求項6に記載した通信先特定サーバ。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の通信先特定サーバと、
通信対象装置の位置を取得する位置取得部、及び、位置取得部が取得した位置その位置の取得日時及び通信対象装置を特定する固有識別情報を含む位置特定データを通信先特定サーバに送信する通信対象装置と、
通信先特定サーバに対し検索位置及び日時を検索状態に含む要求信号を送信すると共に、当該通信先特定サーバから検索条件を満足する通信対象装置が送信した提供情報を受信する通信先指定装置と、
を備えることを特徴とする通信対象特定システム。
【請求項9】
上記通信先指定装置は、選択された地図情報上のエリアを取得し、取得したエリアを上記検索位置とすることを特徴とする請求項8に記載した通信対象特定システム。
【請求項10】
上記通信先指定装置は、自己の周囲に存在する通信対象装置及び通信対象装置を装備している可能性のある移動体の少なくとも一方を認識対象として認識する認識部と、その認識部が認識した認識対象から通信対象装置又は移動体を選択する対象選択部と、対象選択部が選択した認識対象の情報を通信先特定サーバに送信する通信部とを備え、
上記通信先特定サーバは、通信先指定装置から受信した認識対象の情報に対応する通信対象装置を特定し、特定した通信対象装置が通信可能状態にあるかどうかを判断し、通信可能状態と判定した場合には、その通信可能状態の通信対象装置に関する提供情報を通信先指定装置に送信することを特徴とする請求項8又は請求項9に記載した通信対象特定システム。
【請求項11】
上記通信対象装置の少なくとも1つは、移動体である車両に搭載されていることを特徴とする請求項8〜請求項10のいずれか1項に記載した通信対象特定システム。
【請求項12】
上記通信先指定装置は、通信対象装置から取得したい提供情報の種別を通信先特定サーバに送信し、
上記通信先特定サーバは、通信対象装置から受信した提供情報のうち、通信先指定装置から受信した種別の提供情報を当該通信先指定装置に送信することを特徴とする請求項8〜請求項11のいずれか1項に記載した通信対象特定システム。
【請求項13】
上記通信対象装置の少なくとも1つは、移動通信端末に搭載されていることを特徴とする請求項8〜請求項12のいずれか1項に記載した通信対象特定システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−256277(P2012−256277A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−129963(P2011−129963)
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
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