説明

通信撮像統合モジュール

【課題】通信伝送ユニットおよび撮像ユニットを有する通信撮像統合モジュールを提供する。
【解決手段】通信撮像統合モジュールは、接続インターフェースユニット10を有し、接続インターフェースユニット10を介し、携帯型コンピュータに接続される基板2と、基板2上に配置され、接続インターフェースユニット10に電気的に接続される撮像ユニット4と、基板2に配置され、通信アンテナ62を有する通信接続ユニット6と、基板2に配置され、Bluetooth(登録商標)アンテナ82を有するBluetooth通信ユニット8とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信撮像統合モジュールに関し、特に、通信伝送ユニットおよび撮像ユニットを有する通信撮像統合モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、従来の携帯型コンピュータは、軽量化および優れた携帯性を得るために、一体成形(all−in−one)の方式により、各種のチップがマザーボード上に統合される。しかし、前述の各チップは、異なるメーカから供給されるため、携帯型コンピュータ内の各チップを統合したとき、互換性を達成し、各チップが互いに干渉し合わないようにするには、新製品を研究開発する度に、回路を新たにレイアウトする必要がある。
【0003】
上述の新製品を研究開発する度に、回路を新たにレイアウトする必要があるという問題を解決するために、特許文献1において、USBインターフェースを有する電子素子が提供されている。特許文献1のUSBインターフェースを有する電子素子は、USBのホットプラグ機能を利用して電子素子の取付を行うものであり、これにより、回路設計の難易度を下げることができる。確かに、特許文献1を利用すると、回路設計の難易度を下げることができる。しかし、現在の趨勢から述べると、ユーザが求めるものは、機能を備える電子素子をユーザ自らがUSBを介して外付けするものではなく、携帯型コンピュータの製品内部にすでに多くの機能(例えば、無線ネットワーク機能)が内蔵されたものである。また、一般に、各USB装置内の機能は、それぞれ、異なるプログラムメーカによって提供されるものであるため、1つのUSB装置は、1つの機能(例えば、無線伝送回路モジュール)しか持つことができない。従って、仮に、ユーザが他の機能を必要とする場合、上述の携帯型コンピュータは、USB装置を接続するために、多くのUSBポートを提供する必要がある。即ち、現在、頻繁に使用されるWIFI(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、WiMAX(登録商標)などの無線通信規格を同時に使用するには、少なくとも3、4個以上のUSBポートを増設する必要があるが、これはユーザにとって非常に不便である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】台湾実用新案登録第360475号公報(2009年7月1日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の第1の目的は、携帯型コンピュータに使用され、同一の基板上に撮像ユニット、通信接続ユニットおよびBluetooth通信ユニットが配置された通信撮像統合モジュールを提供することにある。
【0006】
本発明の第2の目的は、Bluetooth通信ユニットを含む少なくとも2種類の無線通信伝送ユニットと、撮像ユニットと、を含む通信撮像統合モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によれば、携帯型コンピュータに使用される通信撮像統合モジュールであって、接続インターフェースユニットを有し、前記接続インターフェースユニットを介し、前記携帯型コンピュータに接続される基板と、前記基板上に配置され、前記接続インターフェースユニットに電気的に接続される撮像ユニットと、前記基板に配置され、通信アンテナを有する通信接続ユニットと、前記基板に配置され、Bluetooth(登録商標)アンテナを有するBluetooth通信ユニットと、を含むことを特徴とする通信撮像統合モジュールが提供される。
【0008】
また、前記撮像ユニットは、光学部材および撮像チップを含み、前記撮像チップは、前記光学部材を介し、画像を撮像することが好ましい。
【0009】
また、前記撮像チップは、CCDチップ、CMOSチップまたはそれらの組み合わせであることが好ましい。
【0010】
また、前記通信接続ユニットは、送信端および受信端を有する通信チップを含み、前記通信接続ユニットには、前記通信アンテナが電気的に接続されることが好ましい。
【0011】
また、前記通信接続ユニットは、WIFI(登録商標)、IEEE 802.11、IEEE 802.16、WIMAX(登録商標)、CDMA、WCDMA、GSM、HSDPA、HSUPA、Bluetooth、UWBおよびIEEE 802.15.4(Zigbee(登録商標))からなるグループから選択されることが好ましい。
【0012】
また、前記Bluetooth通信ユニットは、Bluetooth送信端およびBluetooth受信端を有するBluetooth通信チップを含み、前記Bluetooth通信ユニットには、前記Bluetoothアンテナが電気的に接続されることが好ましい。
【0013】
また、前記通信アンテナまたは前記Bluetoothアンテナの少なくとも1つは、前記基板上に貼設されることが好ましい。
【0014】
また、電圧調整ユニットをさらに含み、前記電圧調整ユニットは、前記撮像ユニット、前記通信接続ユニットおよび前記Bluetooth通信ユニットに電気的に接続され、前記撮像ユニット、前記通信接続ユニットおよび前記Bluetooth通信ユニットをそれぞれ駆動することが好ましい。
【0015】
また、前記接続インターフェースユニットは、USB、PCI Express(登録商標)、MiniPCI、eSATA、SATAおよびFIRE WIRE(登録商標)からなるグループから選択されることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の通信撮像統合モジュールは、接続インターフェースユニットを介し、携帯型コンピュータに通信伝送機能および撮像機能を提供する。通信伝送は、少なくともBluetooth通信規格を含む2種類以上の無線通信伝送規格を含む。本発明の通信撮像統合モジュールにより、製造、テストおよび購入を1度で済ませることができる上、製造コストを有効に低減することができる。さらに、携帯型コンピュータの回路をレイアウトするときに必要な回路基板の面積を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態による通信撮像統合モジュールを示す模式図である。
【図2】本発明の第2実施形態による通信撮像統合モジュールを示す模式図である。
【図3】本発明の第3実施形態による通信撮像統合モジュールを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、これによって本発明が限定されるものではない。
【0019】
(第1実施形態)
図1を参照する。図1は、本発明の第1実施形態による通信撮像統合モジュールを示す模式図である。本実施形態において、通信撮像統合モジュール1は、基板2、撮像ユニット4、通信接続ユニット6およびBluetooth通信ユニット8を含む。
【0020】
基板2は、回路モジュール20との接続に使用される接続インターフェースユニット10を含む。接続インターフェースユニット10は、USB、PCI Express(登録商標)、MiniPCI、eSATA、SATAおよびFIRE WIRE(登録商標)からなるグループから選択される。回路モジュール20は、マザーボード回路である。
【0021】
撮像ユニット4は、基板2に配置される。一般に、撮像ユニット4は、外部の画像を撮像し、接続インターフェースユニット10を介し、撮像した画像を回路モジュール20に伝送する。撮像ユニット4は、光学部材42および撮像チップ44を含む。撮像チップ44は、光学部材42を介して画像を撮像する。撮像チップ44は、CCDチップ、CMOSチップまたはそれらの組み合わせとすることができる。
【0022】
通信接続ユニット6は、基板2に配置される。通信接続ユニット6は、通信撮像統合モジュール1が通信接続CLを行うのに使用される通信アンテナ62を含み、無線通信の方式により、データ、画像または制御信号の伝送を行う。これにより、回路モジュール20は、基板2上に位置する通信接続ユニット6の通信アンテナ62を介し、通信撮像統合モジュール1の外部と、双方向無線通信を行うことができる。通信接続ユニット6は、無線通信技術(WIFI(登録商標)、Zigbee(登録商標))、無線LAN規格(IEEE 802.11、IEEE 802.16、IEEE 802.15.4)、WIMAX(登録商標)、CDMA、WCDMA、GSM、HSDPA、HSUPA、BluetoothおよびUWBからなるグループから選択される。また、通信接続ユニット6は、送信端642および受信端644を有する通信チップ64を含む。また、通信接続ユニット6には、通信アンテナ62が電気的に接続される。通信アンテナ62は、基板2上に貼設されるか、或いは、基板2上以外の位置に配置される。例えば、通信アンテナ62は、マイクロストリップライン(microstripline)の方式により、基板2上にレイアウトされるか、或いは、浮遊状態で通信チップ64に接続される。
【0023】
Bluetooth通信ユニット8は、基板2に配置される。Bluetooth通信ユニット8は、通信撮像統合モジュール1がBluetooth通信接続BCLを行うのに使用されるBluetoothアンテナ82を含む。Bluetooth通信ユニット8は、Bluetooth送信端842およびBluetooth受信端844を有するBluetooth通信チップ84を含む。Bluetooth通信ユニット8には、Bluetoothアンテナ82が電気的に接続される。Bluetoothアンテナ84は、基板2上に貼設されるか、或いは、基板2上以外の位置に配置される。
【0024】
上述の通信撮像統合モジュール1と回路モジュール20とが電気的に接続されることにより、有効にモジュール化された設計を提供することができる。これにより、製造コストを有効に低減することができる上、回路モジュール20の回路をレイアウトするときに必要な回路基板の面積を低減することができる。
【0025】
(第2実施形態)
図2を参照する。図2は、本発明の第2実施形態による通信撮像統合モジュールを示す模式図である。本実施形態において、通信撮像統合モジュール1’は、基板2、撮像ユニット4、通信接続ユニット6およびBluetoothユニット8を含む以外に、電圧調整ユニット12をさらに含む。電圧調整ユニット12は、基板2上に配置される。また、電圧調整ユニット12は、撮像ユニット4、通信接続ユニット6およびBluetooth通信ユニット8に電気的に接続され、撮像ユニット4、通信接続ユニット6およびBluetooth通信ユニット8をそれぞれ駆動する。また、電圧調整ユニット12は、撮像ユニット4、通信接続ユニット6およびBluetooth通信ユニット8に、それぞれ異なる電圧レベルの電源を供給することができる。ここで、電圧調整ユニット12は、撮像ユニット4、通信接続ユニット6およびBluetooth通信ユニット8のそれぞれに、同時に電源を供給するため、従来技術のように、撮像ユニット4、通信接続ユニット6およびBluetooth通信ユニット8のそれぞれに、異なる電圧ユニットから電源を供給する必要がない。これにより、電源を供給するのに必要な素子を大幅に低減することができる上、電源ラインをレイアウトする面積を減少させることができる。
【0026】
さらに、本実施形態においては、通信撮像統合モジュール1の外部の電源(図示せず)から撮像ユニット4、通信接続ユニット6およびBluetooth通信ユニット8を駆動するのに必要な電圧を供給することができる。或いは、接続インターフェースユニット10を介し、必要な電圧を受信することができる(例えば、USBインターフェースから約5ボルトの電圧が供給される)。
【0027】
(第3実施形態)
図3を参照する。図3は、本発明の第3実施形態による通信撮像統合モジュールを示す斜視図である。本実施形態において、通信撮像統合モジュール1は、携帯型コンピュータ30内に嵌設される。携帯型コンピュータ30は、ケーシング32、モニタ34、キーボード36およびマザーボード38を含む。ケーシング32は、通信撮像統合モジュール1およびマザーボード38を被覆する。通信撮像統合モジュール1は、携帯型コンピュータ30中のモニタ34の周縁の近くに配置される。本実施形態においては、モニタ34の上方に配置される。通信撮像統合モジュール1上には、基板2、撮像ユニット4、通信接続ユニット6およびBluetooth通信ユニット8が配置される。また、通信撮像統合モジュール1は、基板2上の接続インターフェースユニット10を介し、マザーボード38に電気的に接続される。これにより、マザーボード38は、通信撮像統合モジュール1により、通信接続、Bluetooth通信接続および画像の撮像を行うことができる。
【0028】
本発明の通信撮像統合モジュールは、携帯型コンピュータを設計する度に、撮像ユニット、通信接続ユニットおよびBluetooth通信ユニットを新たに設計する必要がない。また、通信撮像統合ユニットにより、設計時間を短縮できる以外に、システム業者に通信撮像統合モジュールを販売提供し、システム業者は、通信撮像統合モジュールをそのまま使用することができる。また、通信撮像統合モジュールは、モニタの一方の側部に配置されるため、優れた通信接続およびBluetooth通信接続を提供することができる。また、通信接続ユニットおよびBluetooth通信ユニットを基板の両端にそれぞれ配置することにより、電磁波干渉の問題を解決することができる。
【0029】
当該分野の技術を熟知するものが理解できるように、本発明の好適な実施形態を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではない。本発明の主旨と領域を逸脱しない範囲内で各種の変更や修正を加えることができる。従って、本発明の特許請求の範囲は、このような変更や修正を含めて広く解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0030】
1 通信撮像統合モジュール
1’ 通信撮像統合モジュール
2 基板
4 撮像ユニット
6 通信接続ユニット
8 Bluetooth通信ユニット
10 接続インターフェースユニット
12 電圧調整ユニット
20 回路モジュール
30 携帯型コンピュータ
32 ケーシング
34 モニタ
36 キーボード
38 マザーボード
42 光学部材
44 撮像チップ
62 通信アンテナ
64 通信チップ
82 Bluetoothアンテナ
84 Bluetooth通信チップ
642 送信端
644 受信端
842 Bluetooth送信端
844 Bluetooth受信端
CL 通信接続
BCL Bluetooth通信接続

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型コンピュータに使用される通信撮像統合モジュールであって、
接続インターフェースユニットを有し、前記接続インターフェースユニットを介し、前記携帯型コンピュータに接続される基板と、
前記基板上に配置され、前記接続インターフェースユニットに電気的に接続される撮像ユニットと、
前記基板に配置され、通信アンテナを有する通信接続ユニットと、
前記基板に配置され、Bluetooth(登録商標)アンテナを有するBluetooth通信ユニットと、を含むことを特徴とする通信撮像統合モジュール。
【請求項2】
前記撮像ユニットは、光学部材および撮像チップを含み、前記撮像チップは、前記光学部材を介し、画像を撮像することを特徴とする請求項1記載の通信撮像統合モジュール。
【請求項3】
前記撮像チップは、CCDチップ、CMOSチップまたはそれらの組み合わせであることを特徴とする請求項2記載の通信撮像統合モジュール。
【請求項4】
前記通信接続ユニットは、送信端および受信端を有する通信チップを含み、前記通信接続ユニットには、前記通信アンテナが電気的に接続されることを特徴とする請求項1記載の通信撮像統合モジュール。
【請求項5】
前記通信接続ユニットは、WIFI(登録商標)、IEEE 802.11、IEEE 802.16、WIMAX(登録商標)、CDMA、WCDMA、GSM、HSDPA、HSUPA、Bluetooth、UWBおよびIEEE 802.15.4(Zigbee(登録商標))からなるグループから選択されることを特徴とする請求項4記載の通信撮像統合モジュール。
【請求項6】
前記Bluetooth通信ユニットは、Bluetooth送信端およびBluetooth受信端を有するBluetooth通信チップを含み、前記Bluetooth通信ユニットには、前記Bluetoothアンテナが電気的に接続されることを特徴とする請求項1記載の通信撮像統合モジュール。
【請求項7】
前記通信アンテナまたは前記Bluetoothアンテナの少なくとも1つは、前記基板上に貼設されることを特徴とする請求項1記載の通信撮像統合モジュール。
【請求項8】
電圧調整ユニットをさらに含み、
前記電圧調整ユニットは、前記撮像ユニット、前記通信接続ユニットおよび前記Bluetooth通信ユニットに電気的に接続され、前記撮像ユニット、前記通信接続ユニットおよび前記Bluetooth通信ユニットをそれぞれ駆動することを特徴とする請求項1記載の通信撮像統合モジュール。
【請求項9】
前記接続インターフェースユニットは、USB、PCI Express(登録商標)、MiniPCI、eSATA、SATAおよびFIRE WIRE(登録商標)からなるグループから選択されることを特徴とする請求項1記載の通信撮像統合モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−250387(P2011−250387A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−149240(P2010−149240)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(507028952)亞旭電腦股▲ふん▼有限公司 (44)
【Fターム(参考)】