説明

通信文書の組で受信された受領書の処理

受領書は、電子メールアドレス、インスタントメッセージングアドレスなど電子通信文を受信するために顧客が通常使用する場所で受信され得る。その場所に送信される項目中、受領書を含む項目が識別され得る。識別された受領書、またはこうした受領書から抽出された情報は、受領書ストアに送信され得る。受領書ストアに格納されている内容に基づいて、受領書を顧客に表示するなどのアクションが行われ得る。受領書ストアに格納されている、および/または顧客に表示される情報は、任意のレベルの詳細を有し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明の実施例は、例えば、通信文書の組で受信された受領書の処理に関する。
【背景技術】
【0002】
[0001]受領書は、通常、販売、リース、レンタル、ホテル滞在などの商取引、または慈善のための寄付などの非商取引の結果として生成される。従来、これらの受領書は、紙で作成されていた。電子商取引の出現で、多くの取引が電子的な形で受領書を生成している。通常、電子商取引の一部として、取引への参加者は、電子メールアドレスを入力するか、参加者の電子メールアドレスに前もって関連付けられているアカウント名を入力する。次いで電子受領書は、取引に関連付けられている電子メールアドレスに送信される。電子メールアドレスに受領書を送信する方法は、例えば、オンラインの小売購入、カーレンタル、ホテル滞在、および他の様々な種類の取引など、様々な種類の取引で使用されている。
【0003】
[0002]受領書は、電子メールアドレスに送信されると、受信者のメールボックスに集められ、受信者の一般的な入来通信文と混在する傾向にある。いくつかの場合、受領書を識別し、特定のフォルダーに移動させるために、ルールまたはフィルターが使用され得る。しかし、このようにして受領書が通常のメールストリームから分離されたとしても、受領書は、依然として電子メールの形であり、電子メールがアクセス可能である普通の方法でのみ、すなわち、例えばその電子メール項目を開き、閲覧することによってのみ、アクセス可能である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0003]受領書の内容が抽出され、受領書ストア(receipt store)に格納され得るように、受領書を含む電子メールが識別され得る。受領書を含む電子メールを識別するために、コンポーネントが使用され得る。コンポーネントは、受領書電子メールと他の電子メールとを分離することができる。コンポーネントは、いくつかのタイプの情報を受領書から抽出し、その情報を受領書ストアに格納することができる。または、コンポーネントは、電子メール受領書を受領書ストアに送信することができ、次いで情報を電子メール受領書から抽出することができる。電子メール受領書を識別し、および/または情報をこれらの受領書から抽出するコンポーネントは、Webベースの電子メールサービス、電子メールクライアントプログラム、電子メールサーバープログラム、または他の任意のタイプの電子メールシステムと連携することができる。一例として、コンポーネントは、電子メールクライアントソフトウェアと連携するプラグインとして実装され得る。
【0005】
[0004]抽出された情報は、ベンダーの名前、購入された品目、購入金額、クーポン、広告、イベントの告知、残りのポイント数、または他の任意の種類の情報を含むことができる。次いで、抽出された内容は、構造化された形にされ、これが受領書ストアに格納され得る。または、受領書ストアは、抽出された情報を格納するのではなく、受領書を含む電子メールを格納することができる。受領書ストアは、受領書に含まれるどんな詳細情報も含む受領書に顧客がアクセスできるようにすることができる。また、受領書ストアは、顧客がその購入についての情報を他の人と共有できるようにする、顧客の受領書からその顧客の購入の習慣についての情報をマイニングする、マネー管理ソフトウェアと共に使用するための購入情報を整理する、または受領書から集められた情報を使用して行われ得る他の任意のタイプのサービスなど、他のタイプのサービスを提供することもできる。受領書ストアは、受領書における情報を使用して、購入された製品のマニュアルの取得、アップセルまたはクロスセルの機会、購入された製品のユーザーのオンラインコミュニティ、製品または取引先の評価、または他の任意のシナリオなど、取引への参加者を任意の購入後シナリオに結び付けることができる。
【0006】
[0005]受領書の認識、および/またはこうした受領書からの情報の抽出は、様々な方法で行われ得る。例えば、大規模小売店の受領書を認識し、および/またはこうした受領書から情報を抽出するために、パーサーの書き込みが行われ得る。または、受領書を含む電子メールを識別する、および/またはこうした電子メールから情報を抽出するために、一般的なパターン認識技術が使用され得る。さらに、商業エンティティは、その受領書を認識させ、受領書に含まれる情報を正しく抽出させることが有益であることがわかり得るため、こうした商業エンティティは、認識ソフトウェア、および/またはエンティティが発行する受領書のテンプレートを開発することができる。受領書ストアは、そのエンティティによって発行された受領書を識別し、および/またはそこから情報を抽出するために、ソフトウェアおよび/またはテンプレートを使用することができる。
【0007】
[0006]この概要は、詳細な説明でさらに後述される一連の概念を簡単な形で紹介するために提供される。この概要は、特許請求された主題の鍵となる特徴またはきわめて重要な特徴を特定するためのものではなく、特許請求された主題の範囲を限定するために使用されるものでもない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】[0007]受領書が生成され、受領書ストアに入れられ得るシステム例を示すブロック図である。
【図2】[0008]受領書例を示すブロック図である。
【図3】[0009]受領書が受信され、受領書ストアに送信され得るプロセス例を示すフロー図である。
【図4】[0010]本明細書に記載された主題の実装に関連して使用され得るコンポーネント例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0011]電子受領書は、従来、電子メールの形で配信される。電子メール受領書は、紙の受領書より便利であり得る。しかし、受領書は、電子メールで送られると、通信文の一般的なストリームと共に顧客の受信箱に集められる傾向にある。インスタントメッセージング(IM)、ショートメッセージサービス(SMS)など、他の電子配信機構を使用して受領書が配信される場合も、同じことが起こることになる。受信箱に集められる代わりに、受領書が受領書ストアに格納されるようにすることができ、ここで受領書は、顧客からアクセスできるようになる、または様々な方法で使用され得る。本明細書に記載されている機構を使用して、例えば、受領書ストアに受領書を送信する、および/または受領書ストア内の受領書に基づいて様々なアクションを起こすことができる。本明細書の例は、受領書が電子メールアドレスに送信されることを説明する。しかし、後述するように、電子メールの例は、他の形(例えばIM、SMSなど)で送信される受領書に適用することもでき、本明細書に記載された主題がこうした任意の形に適用される。さらに、本明細書に記載された電子受領書は、テキスト、画像、音声、映像など任意の形をとることができる。
【0010】
[0012]次に図面を参照すると、図1は、受領書が生成され、受領書ストアに入れられ得るシステム例100を示す。顧客102は、取引エンティティ106との取引104に関与する。通常、顧客102は人であるが、顧客102は、企業、大学、非営利団体、または取引に関与することができる他の任意のタイプのエンティティなど、任意のタイプのエンティティとすることができる。さらに、取引104は、購入、リース、レンタル、旅行予約、慈善団体に対する寄付など、任意のタイプの取引とすることができる。取引エンティティ106は、店、航空会社、寄付を受け取る慈善団体など、任意のタイプのエンティティとすることができる。手短に言えば、任意のタイプの取引を行うことができ、取引は、任意の種類の顧客および任意の種類の取引エンティティを伴い得る。
【0011】
[0013]取引104への関与の一部として、顧客102は、電子メールアドレス108を取引エンティティ106に提供することができる。例えば、顧客102は、取引104が行われたときに電子メールアドレス108を提供することができる。別の例として、取引エンティティ106は、顧客102の顧客識別子112を電子メールアドレス108と関連付ける顧客データベース110から電子メールアドレス108を取り出すことができる。例えば、取引エンティティ106は、その既存の顧客のデータベースを維持することができる。別の例として、電子メールアドレス(および場合によっては他の情報)をユーザー識別子に関連付けるサードパーティサービスがあり得る。WINDOWS(登録商標) LIVE識別子、Googleアカウント名、およびYahooアカウント名は、電子メールアドレスに関連付けられ、様々な取引エンティティによって使用され得る識別子の一部の例である。顧客データベース110は、クレジットカード番号、家計用口座の残高、ギフト券、届け先住所、または取引104の一部として使用され得る他の任意のタイプの情報を格納することもできる。
【0012】
[0014]取引104が実行されると、取引エンティティ106は、受領書114を生成することができる。受領書114は、電子メールアドレス108(または他の配信チャネル)に送信され得る。電子メールアドレス(または他のチャネル)は、取引に関連付けられたものとすることができるが、受領書は、任意の配信チャネルに送信されてもよい。受領書114は、様々な形を取り得る電子メールソフトウェア116によって受信され得る。例えば、電子メールソフトウェア116は、顧客102のメールホストにおけるサーバーソフトウェア、ローカル電子メールクライアント、Webベースの電子メールアプリケーション、モバイル電子メールサーバーまたはクライアントソフトウェア、または他の任意のタイプのソフトウェアのうちの任意の組合せを含み得る。
【0013】
[0015]電子メールソフトウェア116は、受領書処理コンポーネント118を含み、または他の方法で受領書処理コンポーネント118を利用することができる。受領書処理コンポーネント118は、1つまたは複数の通信文書126(例えば入来電子メール、入来SMSメッセージなど)の組を評価して、通信文書126の中のどの項目が受領書であるように思われるか、または受領書を含むかを判定する。通信文書126の組は、通信文の項目128および/または受領書130を含むことができ、受領書処理コンポーネント118は、この種の項目間を区別することができる(しかし、単一の項目が受領書および通信文の両方を含むことができるため、受領書/通信文の区別は、二者択一命題ではない)。(以下の説明では、通信文書が電子メールソフトウェアによって処理される電子メールの形であると仮定するが、入来通信文書は、IM、SMSなど、任意の形をとることができ、そのタイプの通信文書に適したソフトウェアによって処理することができることを理解されたい。)受領書処理コンポーネント118は、電子メールソフトウェア116の一部である、またはそうでなければ電子メールソフトウェア116と通信するソフトウェアの形をとることができる。受領書処理コンポーネントは、メールホストサーバー、デスクトップメールクライアント、モバイルクライアント、ウェブメールアプリケーション、または他の任意の場所など、顧客102の入来メールを処理する任意の場所で動作することができる。例えば、受領書処理コンポーネント118は、人によって閲覧される電子メールを受信するデスクトップ電子メールクライアントアプリケーションと提携するプラグインまたはアドオンとすることができる。こうした電子メールクライアントアプリケーションの例には、MICROSOFT OUTLOOK EXPRESSアプリケーション、MOZILLA THUNDERBIRDアプリケーション、および他の任意の電子メールクライアントなどがある。別の例として、受領書処理コンポーネント118は、メールサーバーと連携するソフトウェア、またはモバイル電子メール装置上で稼働するアプリケーションとすることができる。別の例として、受領書処理コンポーネント118は、(電子メールプログラムがサーバープログラムであるか、クライアントプログラムであるか、Webアプリケーションであるかに関わらず)電子メールプログラムの不可欠な部分とすることができる。さらに別の例として、取引エンティティ、または取引エンティティの代わりに働くエンティティは、受領書を処理し、受領書の内容を構造化された形にして、電子メール、SMS、IMなどとして顧客に配信されるようにすることができる。さらに、こうしたエンティティは、受領書を処理して、受領書ストアに送信される情報を抽出すると同時に、元の受領書を顧客の電子メールアドレス、SMSアドレス、IMアドレスなどに送信することができるようにすることもできる。
【0014】
[0016]受領書処理コンポーネント118は、入来電子メールストリームにおける受領書を認識するのを助けるために、受領書テンプレートストア120および/または受領書パーサー122を含む、またはそうでなければ使用することができる。例えば、大規模小売店によって生成された受領書は、よく知られている受領書の形式を有していてもよく、その形式のテンプレート132が受領書テンプレートストア120に格納され得る。テンプレートは、実行されると、特定の受領書を含む電子メールを識別し、(購入された品目、支払い価格など)受領書から情報の特定のフィールドを抽出するプログラムコードの形式をとることができる。別の例として、受領書を認識するために使用される情報は、受領書の構造を記述する(非コード)データとすることができる。通信文書とテンプレートとの間の類似度を決定するために、通信文書(例えば、電子メール)がテンプレートと比較されるようにしてもよく、類似度が何らかの閾値を超える場合、通信文書は、受領書を含むものとして識別され得る。テンプレートは、受領書処理コンポーネント118が提供者の受領書を認識するのを助けるために、受領書の発行者によって提供され得る。例えば、大規模電器小売店は、電子メールストリームにおいてその受領書を適切に認識させることに関心を持っている可能性があり、したがって、小売店の受領書の正しい認識を容易にするテンプレートを提供することができる(しかし、テンプレートは、それだけには限定されないが、顧客を含む任意のパーティによって提供されてもよい)。より小さい、あまり知られていない小売店によって使用される一般的な形式を表すテンプレートが作成されてもよい。一般に、受領書テンプレートは、あるクラスの受領書を記述することができ、そのクラスを認識するために使用されてもよい。この場合、クラスは、特定の小売店によって発行される受領書、特定の形式の仕様を満たす受領書、または他の任意のタイプのクラスを含むことができる。
【0015】
[0017]受領書パーサー122は、その内容に基づいて受領書を識別するために使用され得る。例えば、受領書が受領書テンプレートストア120において関連のテンプレートを有していない場合でさえ、受領書を含む電子メールは、例えば「受領書」、「支払い」、「品目」、「量」など、いくつかのキーワードを含み得る。こうした単語は、これらの単語を含む電子メールが受領書であることを示す傾向があり得る。さらに、受領書内のあるデータの意味は、これらの単語とデータとの近さ、または他の文脈上の手がかりから推測され得る(例えば、受領書パーサー122は、単語「合計」の後にドル記号が続くとき、現れる次の数字は、支払われた合計金額であることを認識することができる)。受領書パーサー122および/または受領書テンプレートストア120は、受領書処理コンポーネント118が入来電子メールストリームにおける受領書を認識するのを助けることができるが、受領書処理コンポーネント118は、任意の方法で受領書を認識することができる。構文解析は、マシンによって完全に行われる、またはマシンによって部分的に行われ、人によって補足されるようにしてもよい。例えば、構文解析の結果が確認され、または訂正され得るように、構文解析された電子メールが人(例えば、取引エンティティ、顧客、または任意のパーティ)に提示されるようにしてもよい。
【0016】
[0018]特定のキーワード、または受領書を認識し、受領書から情報を取得するために受領書パーサー122が使用する他の手がかりは、任意の方法で選択され得る。例えば、キーワード、および受領書を示す他の手がかりは、人の分析によって識別され、受領書パーサー122にハードコードされてもよい。別の例として、キーワードおよび他の手がかりは、例えば機械学習アルゴリズムへの入力として1組の受領書例を提供することによって、機械学習技術を使用して発見され得る。
【0017】
[0019]受領書114が(例えば、受領書処理コンポーネント118または他の何らかの機構を使用して)電子メールストリームまたはストアにおいて識別されると、その受領書を受領書ストア124に向けて送ることができる。受領書ストア124は、点線の囲み125によって示されるように、電子メールソフトウェア116と同じ機械上に存在するストアとすることができる。例えば、受領書ストア124は、電子メールクライアントと同じコンピューター上に存在するアプリケーションとして実装され得る。別の例として、受領書ストア124は、ネットワークを介してアクセスされるサービス(例えばクラウドコンピューティングサービス)として実装されてもよい。こうした受領書ストア124は、顧客(例えば取引エンティティ106)との取引に関与する特定のエンティティによって提供され得る、またはもっぱらもしくは主に他のパーティ(例えばeBay)間の取引を容易にするために存在するサードパーティエンティティによって提供され得る。1つの受領書ストアが図1に示されているが、受領書および/または受領書から抽出されたデータが送信され得る受領書ストアが複数存在し得る。顧客102は、顧客の代わりに受領書ストアに受領書を処理させるために、特定の受領書ストア124に加入することができる。上記は、受領書ストア124がどのように提供され得るかのいくつかの例であるが、受領書ストア124は、任意の方法で提供され得る。
【0018】
[0020]受領書114の受領書ストア124への送信は、任意の技術または機構を使用して処理され得る。例えば、受領書処理コンポーネント118は、1つのメールを受領書を含むものと識別すると、受領書から情報を抽出し、抽出された情報を受領書ストア124に転送することができる。または、別の例として、受領書処理コンポーネント118は、受領書ストア124に受領書を含む電子メールを転送することができる(または電子メールソフトウェア116に受領書を転送するよう指示することができる)。電子メールが受領書ストア124にあると、その元の形で受領書ストア124に格納されてもよい。または、別の例として、受領書ストア124におけるソフトウェアは、電子メールから関連の情報を抽出し、抽出された情報を受領書ストア124に格納することができる。
【0019】
[0021]上述したように、受領書114は、電子メールの形で配信されてもよく、受領書処理コンポーネント118によって受領書として認識されてもよい。図2は、電子メールによって送信され、適切なコンポーネントによって受領書として認識され得る受領書114の詳細例を示す。
【0020】
[0022]図2において、受領書114は、一例として、電子メールメッセージとして示されている。受領書114は、受領書の送信者204および受信者206を示す電子メールヘッダー202、および日付208を含む。受領書114は、導入メッセージ210も含み得る。導入メッセージ210は、受領書を発行した取引エンティティの名前212を含むことができ、この場合は「store.example.com」である。受領書114は、購入の明細リスト214も含み得る(図2の例において、受領書114は、小売購入のものであるが、上述したように、受領書114は、リース、レンタル、旅行予約、慈善団体への寄付など、任意のタイプの取引のものとすることができる。本明細書に記載した主題は、任意の特定のタイプの取引の受領書に限定されない)。明細リスト214は、例えば、購入された品目の量216、購入された項目の説明218、およびリスト内の各項目が購入された金額220を含み得る。受領書114は、品目が購入された金額の小計222、税金224、送料226などの情報も含み得る。受領書は、出荷情報、保証情報、広告やクーポンなどのマーケティング情報、または他の任意の項目または情報も含み得る。これらの金額は、合計され、合計228に反映される。受領書114は、支払い230の金額/方法、および支払い後口座に残っている残高232も示し得る。
【0021】
[0023]図2でわかるように、受領書114が含まれる電子メールは、電子メールが受領書を含んでいると推測され得るある情報を含み得る。例えば、送信者204(「sales@store.example.com」)は、一般に受領書の送信者と認識され得る。また、受領書を発行した取引エンティティの名前212は、受領書の発行者と認識され得る。「小計」、「税金」、「出荷」、「合計」、「残高」などの単語は、単独で、または組合せで、電子メールの内容が受領書であることを示唆し得る。ドルの金額の集中など、電子メールの特徴も、電子メールが受領書であることを示唆し得る。これらの単語または特徴のうちの任意のものを使用して、電子メールを受領書と識別することができる。例えば、受領書パーサー122(図1に示す)など、受領書処理コンポーネント118(図1に示す)のいくつかの特徴は、これらの単語または特徴を使用して、電子メールを、受領書を含むものと識別し、受領書から構造化された情報を抽出することができる。例えば、受領書処理コンポーネント118は、購入された特定の品目およびその価格を受領書から抽出することができ、情報の構造化されたバージョンが受領書ストア124(図1に示す)に格納され得るように、構造化された方法でその情報を表すことができる。
【0022】
[0024]上述したように、受領書の発行者は、受領書処理コンポーネント118が受領書を認識するのを助けるコードおよび/またはデータを提供することができる。例えば、取引エンティティ(「store.example.com」)が特定の形式の受領書を発行し、受領書処理コンポーネント118がその取引エンティティから受領書を含む電子メールを識別するのを助けることができ、受領書処理コンポーネント118が受領書から構造化された情報を抽出するのを助けることもできるテンプレートを提供することができる。または、こうしたテンプレートは、異なるエンティティによって提供され得る。
【0023】
[0025]図3は、受領書が受信され、受信された受領書が受領書ストアに送信され得るプロセス例300を示す。図3の説明に取りかかる前に、一例として、図1および図2に示されるコンポーネントを参照してその図におけるプロセスが記載されているが、このプロセスは、どんなシステムで実行されてもよく、図1および図2に示されるシナリオに限定されないことに留意されたい。さらに、図3のフロー図は、ブロックをつなぐ線によって示されるように、プロセスの段階が特定の順序で実行される例を示すが、この図に示される様々な段階は、任意の順序で、または任意の組合せまたは準組合せで実行されてもよい。
【0024】
[0026]302で、1つまたは複数の通信文書の組が受信される。通信文書は、電子メール、SMSメッセージ、IMS、または任意の他の形をとることができる。304で、受領書を含む通信文書が識別される。例えば、通信文書が受信される場所を、顧客がメールを受信するために使用する受信箱(例えば、電子メール受信箱、SMS受信箱など)とすることができ、受信箱に入る項目は、通信文および受領書の両方を含むことができる。受領書処理コンポーネント118は、入来通信文書(例えば、電子メール受信箱、SMS受信箱などに届く通信文書)を評価して、入来通信文書のうちのどれが受領書であるかについて判定することができる。受領書処理コンポーネント118は、受領書テンプレートストア120または受領書パーサー122を使用して、または任意の他の機構を使用してこの判定を行うことができる。受領書処理コンポーネント118は、受領書からデータを抽出することもできる(306)。例えば、図2に示される様々なデータなど、データの個々のフィールド(例えば、購入された特定の品目、こうした品目の支払い価格、購入の合計金額、選択された出荷方法など)が受領書から抽出され得る。
【0025】
[0027]どの通信文書が受領書を含むかについての判定に基づいて、受領書と識別された通信文書が受領書ストアに送信される(308)。310で、受領書ストアにおける受領書に基づいて、アクションを起こすことができる。「リアルタイム」で(例えば、受領書が受信されたとき)受領書に関するアクションを起こす、または受領書が受信された後のいつかに、受領書に関するアクションを起こすことができる。具体的なアクション312のいくつかの例が示される。
【0026】
[0028]アクション例312の中で、こうした1つのアクションは、顧客が受領書を閲覧し、および/または検索できるようにすることである(ブロック314)。一般に、受領書ストアは、受領書を閲覧する旨の要求を受信することができ(324)、次いでシステムは、要求に従って受領書を表示することができる(326)。324および326の例には、顧客が受領書ストアにログオンし、顧客の受領書のすべてを見るよう要求し得ることを含む。または、別の例として、顧客は、何らかの検索基準(例えば、Amazon.comからのすべての受領書、2008年1月に発行されたすべての受領書、100ドルを超えるすべての受領書、慈善団体への寄付に関するすべての受領書など)を満たす顧客の受領書の一部を閲覧する旨のクエリを入力し、クエリに対応する受領書が顧客に示され得る。
【0027】
[0029]別のアクション例は、ストア内の受領書から情報をマイニングことである(ブロック316)。例えば、所与の顧客がどのタイプの製品を購入することを望むか、顧客がひと月にどれだけのお金を費やすか、顧客は通常どのタイプの出荷オプションを使用するかなどを判定するために、ストア内の受領書が評価され得る。特定の顧客の受領書から情報をマイニングすることができる。しかし、受領書ストアは、複数の顧客の受領書を格納することができ、情報は、多くの異なる顧客に関連付けられている受領書からマイニングすることができる。例えば、取引先の売上高が特定の月に上がったか下がったか、特定の広告キャンペーンが有効であるかを評価する、または受領書から集められ得る企業の他の任意の側面を評価するために、特定の取引先によって多くの顧客に発行された受領書が評価されてもよい。受領書からマイニングされた情報は、任意の方法で使用され得る。例えば、顧客がコンピューター機器を頻繁に購入することを受領書が示唆する場合、コンピューター機器に関する対象の広告またはクーポンがその顧客に送信されてもよい。別の例として、情報の曖昧さを除くために、(顧客の受領書からマイニングされた)コンピューター機器への顧客の関心が使用されてもよい。例えば、その情報を使用して、顧客が「apple」と入力したとき、果物ではなく、コンピューターを意味する可能性が高いと判定することができる。
【0028】
[0030]別のアクション例は、受領書からのデータを財務ソフトウェアに提供することである(ブロック318)。例えば、受領書ストアにおける受領書からの情報が集められ、個人または企業の財務会計ソフトウェアによって使用可能な形式にされ得る。出費、および/または寄付金を追跡する、税金の確定申告に使用されるよう記録を作成するなどのために、こうした形式の情報がこうした財務会計ソフトウェアに提供されてもよい。
【0029】
[0031]別のアクション例は、顧客の購入または他の取引を示すデータストリームを作成することである(ブロック320)。例えば、顧客は、他のユーザー(例えば友達、仕事仲間など)がその取引を知ることができることを望む可能性があり、この情報を、Really Simple Syndication(RSS)フリー、Atomフィードなど、フィードの形で使用可能にすることができる。受領書ストアは、受領書ストア内の顧客の受領書に基づいてこうしたフィードを生成し、発行するサービスを提供することができる。
【0030】
[0032]アクションのさらなる例は、取引先および/または製品を評価し、および/または格付けする機会を顧客に提供することである(ブロック322)。例えば、顧客が特定の製品について特定の取引先から受領書を受信したとき、この事実は、取引先を評価する(例えば、「1から10までの点数でXYZ店の購入経験を格付けする」、または製品を評価する(例えば、新しい芝刈り機をオンラインで購入したひと月後、「新しい芝刈り機の均一性を1から5までの星で格付けする」などのアンケートが顧客に送信され得る)機会を顧客に提供する原動力として使用され得る。
【0031】
[0033]アクション312は、顧客または他の任意のエンティティによって開始されるアクションを含み得ることに留意されたい。例えば、特定の顧客の受領書を閲覧すること(ブロック314)は、受領書が発行される顧客によって開始され得るアクションである。それに対して、受領書から情報をマイニングすること(ブロック316)は、1人または複数の顧客の購入の習慣を追跡したい企業エンティティによって開始され得るアクションである。アクション312は、任意のエンティティによって実行され、および/または開始され得る。
【0032】
[0034]図4は、本明細書に記載された主題の態様が配置され得る環境例を示す。
【0033】
[0035]コンピューター400は、1つまたは複数のプロセッサー402、および1つまたは複数のデータ記憶コンポーネント404を含む。プロセッサー402は、通常、パーソナルデスクトップまたはラップトップコンピューター、サーバー、ハンドヘルドコンピューター、または別のタイプのコンピューティング装置に見られるものなどのマイクロプロセッサーである。データ記憶コンポーネント404は、短期または長期の間データを格納することができるコンポーネントである。データ記憶コンポーネント404の例には、ハードディスク、取り外し式ディスク(光および磁気のディスクを含む)、揮発性および不揮発性のランダムアクセスメモリー(RAM)、読み取り可能メモリー(ROM)、フラッシュメモリー、磁気テープなどがある。データ記憶コンポーネントは、コンピューター可読記憶媒体の例である。コンピューター400は、陰極線管(CRT)モニター、液晶ディスプレイ(LCD)モニター、または他の任意のタイプのモニターとすることができるディスプレイ412を含む、またはそれに関連付けられていてもよい。
【0034】
[0036]ソフトウェアは、データ記憶コンポーネント404に格納されてもよく、1つまたは複数のプロセッサー402上で実行され得る。こうしたソフトウェアの一例は、図1〜図3に関連して上述した機能の一部またはすべてを実装することができる受領書処理および/または受領書記憶ソフトウェア406であるが、任意のタイプのソフトウェアが使用されてもよい。ソフトウェア406は、例えば、分散システムにおけるコンポーネント、別個のファイル、別個の機能、別個のオブジェクト、別個のコードの行などとすることができる1つまたは複数のコンポーネントを介して実装され得る。プログラムがハードディスクに格納され、RAMにロードされ、コンピューターのプロセッサー上で実行されるパーソナルコンピューターは、図4に示されるシナリオを代表するが、本明細書に記載された主題は、この例に限定されない。
【0035】
[0037]本明細書に記載された主題は、データ記憶コンポーネント404の1つまたは複数に格納され、プロセッサー402の1つまたは複数上で実行されるソフトウェアとして実装されてもよい。別の例として、主題は、方法の1つまたは複数の行為を実行するための命令を有するソフトウェアとして実装されてもよく、この場合、命令は、1つまたは複数のコンピューター可読記憶媒体上に格納される。行為を実行するための命令は、1つの媒体に格納される、または複数の媒体にわたって分散させることができ、したがって、すべての命令がたまたま同じ媒体上にあるかどうかに関わらず、命令は、集合的に1つまたは複数のコンピューター可読記憶媒体上に現れ得る。
【0036】
[0038]環境の一例において、コンピューター400は、ネットワーク408を介して1つまたは複数の他の装置に通信可能に接続され得る。コンピューター410は、コンピューター400に構造上似ていてもよく、コンピューター400に接続することができる装置の一例であるが、他のタイプの装置がそのように接続されてもよい。
【0037】
[0039]主題は、構造的な特徴および/または方法的行為に固有の言語で記載されているが、添付の特許請求の範囲に定義された主題は、必ずしも上述した特定の特徴または行為に限定されないことを理解されたい。むしろ、上述した特定の特徴および行為は、特許請求の範囲を実施する形式例として開示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受領書を処理する方法を実行するための実行可能命令を格納する1つまたは複数のコンピューター可読記憶媒体であって、前記方法が、
通信文受信箱(correspondence box)(116)で1組の通信文書(communications)(126)を受信するステップ(302)であって、前記1組の通信文書(126)中に通信文の項目(items)(128)および受領書(receipts)(130)の両方がある、ステップと、
前記通信文書(126)のうちの1つを前記受領書(114)を含む(containing)ものと識別(identifying)するステップ(304)と、
前記識別するステップ(304)に基づいて、受領書ストア(receipt store)(124)に前記受領書(114)を送信するステップ(308)と、
前記受領書ストア(124)に格納された受領書に基づいてアクション(action)(312)を起こすステップ(310)であって、前記受領書(114)が前記受領書ストア(124)に格納された受領書(receipts)中にある、ステップと
を含む1つまたは複数のコンピューター可読記憶媒体。
【請求項2】
前記方法が、
顧客の取引(transaction)によって前記受領書が生成(generated)された当該顧客(customer)から、前記受領書の一部またはすべてを閲覧(view)する旨の要求(request)を受信するステップをさらに含み、
前記アクションが、
前記要求に対応する前記受領書のそれぞれを前記顧客に表示し、または伝える(communicating)ステップを含む
請求項1に記載の1つまたは複数のコンピューター可読記憶媒体。
【請求項3】
前記アクションが、
取引先の売上高(merchant’s sales)が所与の期間(given time period)に上がったか下がったか、または前記取引先(merchant)の広告キャンペーンが有効であったかどうかについての情報を取得するために、前記受領書ストアに格納された前記受領書をマイニング(mining)するステップ
を含む請求項1に記載の1つまたは複数のコンピューター可読記憶媒体。
【請求項4】
前記受領書ストアが複数の顧客の受領書を処理し、前記受領書をマイニングする前記ステップが、
前記顧客のうちの2以上の顧客の受領書を考慮に入れる(taking into account)ステップ
を含む請求項3に記載の1つまたは複数のコンピューター可読記憶媒体。
【請求項5】
前記アクションが、
前記受領書からデータをアカウンティングプログラム形式(accounting program format)で伝え、または格納するステップ
を含む請求項1に記載の1つまたは複数のコンピューター可読記憶媒体。
【請求項6】
前記アクションが、
前記受領書によって表される購入をフィード(feed)として発行するステップ
を含む請求項1に記載の1つまたは複数のコンピューター可読記憶媒体。
【請求項7】
前記アクションが、
前記受領書(receipts)中の取引先(merchant)を識別(identifying)するステップと、
顧客の取引によって前記受領書が生成された当該顧客に、前記取引先を格付けする(rate)アンケート(survey)を提供するステップと
を含む請求項1に記載の1つまたは複数のコンピューター可読記憶媒体。
【請求項8】
前記アクションが、
前記受領書中に列挙された製品を識別するステップと、
顧客の取引によって前記受領書が生成された当該顧客に、前記製品を格付けするアンケートを提供するステップと
を含む請求項1に記載の1つまたは複数のコンピューター可読記憶媒体。
【請求項9】
受領書を処理するシステムであって、
プロセッサー(402)と、
データ記憶コンポーネント(404)と、
前記プロセッサー(402)上で実行され、顧客(102)宛ての1組の通信文書(126)を受信する電子メールプログラム(116)であって、前記1組の通信文書(126)が通信文の項目(128)および受領書(130)を含む、電子メールプログラム(116)と、
前記プロセッサー上で実行され、前記通信文書を評価するために、前記電子メールプログラム(116)と通信し、前記通信文書のうちの1つを受領書(114)を含むものと識別し、前記受領書(114)を受領書ストア(124)に送信する受領書処理コンポーネント(118)と、
前記データ記憶コンポーネント(404)に格納され、受領書のクラス(class)を記述するテンプレート(132)であって、前記通信文書(126)中から前記受領書(114)を識別するために、前記受領書処理コンポーネント(118)によって使用されるテンプレート(132)と
を含むシステム。
【請求項10】
前記内容が受領書であることを示す前記通信文書における内容を認識(recognizes)する受領書パーサー
をさらに含む請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記電子メールプログラムが、前記顧客の代わりにメールを受信するサーバーを含み、前記受領書処理コンポーネントが前記電子メールプログラムへのプラグインまたはアドオンを含む、または前記電子メールプログラムの不可欠な部分(integral part)である請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記電子メールプログラムが、前記顧客によって閲覧される電子メールを受信するクライアントアプリケーションを含み、前記受領書処理コンポーネントが前記クライアントアプリケーションへのプラグインまたはアドオンを含む、または前記クライアントアプリケーションの不可欠な部分である請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記受領書処理コンポーネントが前記受領書に基づいてアカウンティングプログラム形式で内容を提供する請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
受領書を処理する方法であって、
アドレス(108)に送信される1組の通信文書(126)中の受領書(114)を識別するために受領書処理コンポーネント(118)を使用するステップ(304)であって、前記1組の通信文書(126)が受領書(128)および通信文(130)の両方を含む、ステップと、
受領書ストア(124)に前記受領書(114)を送信するステップ(308)と、
前記受領書(114)を閲覧するために、顧客(102)から要求を受信するステップ(324)と、
前記要求に従って前記顧客(102)に前記受領書(114)を表示するステップと
を含む方法。
【請求項15】
前記要求がクエリを含み、前記受領書が前記クエリに対応し、前記方法が、
前記受領書も含め、前記クエリに対応する受領書を表示するステップであって、前記受領書が出荷(shipping)情報、保証(warranty)情報、マーケティング情報、広告情報、またはクーポンを含む、ステップ
をさらに含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記アドレスが前記顧客に関連付けられ、電子メールアドレス、インスタントメッセージングアドレス、またはショートメッセージサービスアドレスのいずれかを含む請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記受領書処理コンポーネントの前記使用が、
受領書を示す前記1組の通信文書における内容を識別するために、受領書パーサー(parser)を使用するステップと、
前記受領書パーサーを使用して、前記受領書からフィールドを抽出するステップと
を含む請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記受領書処理コンポーネントの前記使用が、
前記1組の通信文書をテンプレートと比較して、前記テンプレートに対する前記組における通信文書の類似度を判定(determine)するステップと、
閾値を超える前記テンプレートに対する類似度(level of similarity)を有する前記受領書を含む項目に基づいて前記受領書を識別するステップと
を含む請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記受領書ストアに格納される前記受領書をマイニングし、情報を取得するステップ
をさらに含む請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記受領書によって表される購入をフィードとして発行するステップ
をさらに含む請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−523150(P2011−523150A)
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−513518(P2011−513518)
【出願日】平成21年4月21日(2009.4.21)
【国際出願番号】PCT/US2009/041236
【国際公開番号】WO2009/151795
【国際公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(500046438)マイクロソフト コーポレーション (3,165)
【Fターム(参考)】