説明

通信機器、通信制御方法及び通信制御プログラム

【課題】テザリング機能を使用している場合であっても自己を宛先とした通信があった旨をより確実に報知することができる通信機器、通信制御方法及び通信制御プログラムを提供すること。
【解決手段】携帯電話機1は、外部機器Aと通信を行う第1通信部31と、基地局BSと通信を行う第2通信部32と、第1通信部31及び第2通信部32による通信のモードを、第2通信部32により基地局BSと通信を行う第1モードと、第1通信部31及び第2通信部32により基地局BS及び外部機器Aの通信を中継する第2モードとのいずれかに設定する制御部60とを備える。この制御部60は、携帯電話機1が第2モードに設定されている場合において第2通信部32により受信したデータが携帯電話機1を宛先とした所定のデータであるとき、当該所定のデータに関連する関連データを外部機器Aに対して、第1通信部31に送信させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信機器、通信制御方法及び通信制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、PCやゲーム機等の外部機器と通信可能な第1通信部と、基地局等の外部機器と通信可能な第2通信部とを備え、PCやゲーム機等を、これら第1通信部及び第2通信部によって、インターネット等の通信回線に接続させる機能であるテザリング機能を備えた携帯通信機器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−217994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、携帯通信機器のテザリング機能を使用して、PC等をインターネット接続させる場合、携帯通信機器のユーザは、PC等に注視する傾向にある。このため、携帯通信機器とPC等とが離れて配置されている場合、携帯通信機器のユーザは、当該携帯通信機器への着信を認識することができないおそれがある。
【0005】
本発明は、テザリング機能を使用している場合であっても自己を宛先とした通信があった旨をより確実に報知することができる通信機器、通信制御方法及び通信制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電子機器は、外部機器と、前記外部機器と異なる基地局との通信を中継する通信機器であって、前記外部機器と通信を行う第1通信機能、及び前記基地局と通信を行う第2通信機能を有する通信部と、前記通信部による通信のモードを、前記第2通信機能により前記基地局と通信を行う第1モードと、前記第1通信機能及び前記第2通信機能により前記基地局と前記外部機器との通信を中継する第2モードとのいずれかに設定するモード設定部と、前記モード設定部によって前記第2モードが設定されている場合において前記第2通信機能により前記通信機器を宛先とした所定のデータを受信したとき、当該所定のデータに関連する関連データを前記外部機器に対して、前記第1通信機能に送信させる制御部と、を備える。
【0007】
また、本発明に係る電子機器では、前記制御部は、前記第2通信機能によって前記所定のデータを受信した場合、前記関連データとして当該所定のデータを受信した旨を示す受信通知データを、前記外部機器に対して前記第1通信機能に送信させることが好ましい。
【0008】
また、本発明に係る電子機器では、前記制御部は、前記第2通信機能によって前記所定のデータを受信した場合、前記関連データとして当該所定のデータの複製データを、前記外部機器に対して前記第1通信機能に送信させることが好ましい。
【0009】
また、本発明に係る電子機器は、前記通信機器の周囲の照度を計測する照度部を備え、前記制御部は、前記照度部により計測された照度が第1の値より小さい場合に、前記関連データを、前記外部機器に対して前記第1通信機能に送信させることが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る電子機器は、前記通信機器と前記外部機器との位置関係を検出する位置関係検出部を備え、前記制御部は、前記位置関係検出部により検出された位置関係が第2の値より小さい場合に、前記関連データを、前記外部機器に対して前記第1通信機能に送信させることが好ましい。
【0011】
また、本発明に係る電子機器は、メールアドレスと当該メールアドレスに対応付けられるユーザ名とを関連付けて記憶する記憶部を備え、前記制御部は、前記所定のデータとして受信されたメールの発信者のメールアドレスが前記記憶部に記憶されている前記メールアドレスである場合、前記所定のデータと当該メールアドレスに対応する前記ユーザ名とを前記関連データとして前記外部機器に対して、前記第1通信機能に送信させることが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る電子機器では、前記記憶部は、第1カテゴリに属する第1メールアドレス及び当該第1メールアドレスに対応付けられる第1ユーザ名と、前記第1カテゴリに属さない第2メールアドレスと、を記憶し、前記制御部は、前記所定のデータの発信者のメールアドレスが前記第1メールアドレスである場合には、前記所定のデータと前記第1ユーザ名とを、前記関連データとして前記外部機器に送信させ、前記所定のデータの発信者のメールアドレスが前記第2メールアドレスである場合には、前記所定のデータの前記外部機器に対する送信を規制することが好ましい。
【0013】
本発明に係る通信制御方法は、外部機器と、前記外部機器と異なる基地局との通信を中継する通信機器に通信制御を行わせる通信制御方法であって、前記通信機器を、前記基地局と通信を行わせる第1モードと、前記基地局と前記外部機器との通信を中継させる第2モードと、のいずれかに設定するステップと、前記設定するステップにおいて前記第2モードが設定された場合に、前記通信機器により前記通信機器を宛先とした所定のデータを受信したとき、前記通信機器に、当該所定のデータに関連する関連データを前記外部機器に対して送信させるステップと、を含む。
【0014】
本発明に係る通信制御プログラムは、外部機器と、前記外部機器と異なる基地局との通信を中継する通信機器に通信制御させるための通信制御プログラムであって、前記通信機器を、前記基地局と通信を行わせる第1モードと、前記基地局と前記外部機器との通信を中継させる第2モードと、のいずれかに設定する設定処理と、前記設定処理において前記第2モードが設定された場合に、前記通信機器により前記通信機器を宛先とした所定のデータを受信したとき、前記通信機器に、当該所定のデータに関連する関連データを前記外部機器に対して送信させる送信処理と、を前記通信機器に実行させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、テザリング機能を使用している場合であっても自己を宛先とした通信があった旨をより確実に報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態に係る無線通信システムの概要を示す図である。
【図2】本実施形態に係る携帯電話機の外観斜視図である。
【図3】本実施形態に係る携帯電話機の機能を示す機能ブロック図である。
【図4】本実施形態に係る携帯電話機による、外部機器と基地局との通信を中継する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について説明する。まず、本発明の通信機器の一実施形態に係る携帯電話機を含む無線通信システムについて、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る無線通信システムSの概要を示す図である。
【0018】
無線通信システムSは、携帯電話機1と、無線通信機能を備えたPCやゲーム機器等の外部機器Aと、外部機器Aと異なり無線通信を行う基地局BSとを備える。以下、無線通信機能を備えたPCやゲーム機器等の外部機器Aを、単に外部機器Aという。
【0019】
図2は、本実施形態に係る携帯電話機1の外観斜視図である。
携帯電話機1は、操作部側筐体部2と、表示部側筐体部3とを備えて構成される。
操作部側筐体部2は、表面部10に、操作部11と、携帯電話機1の使用者が通話時に発した音声が入力されるマイク12とを備えて構成される。操作部11は、各種設定や電話機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作キー13と、電話番号の数字やメール等の文字等を入力するための入力操作キー14と、各種操作における決定やスクロール等を行う決定操作キー15とから構成されている。
また、表示部側筐体部3は、表面部20に、各種情報を表示するためのLCD(Liquid Crystal Display)表示部21と、通話の相手側の音声を出力するスピーカ22と、照度部としての照度計測部33と、を備えて構成されている。
【0020】
また、操作部側筐体部2の上端部と表示部側筐体部3の下端部とは、ヒンジ機構4を介して連結されている。また、携帯電話機1は、ヒンジ機構4を介して連結された操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを相対的に回転することにより、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを互いに開いた状態(開放状態)にしたり、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを折り畳んだ状態(折畳み状態)にしたりできる。
【0021】
図3は、本実施形態に係る携帯電話機1の機能を示す機能ブロック図である。
携帯電話機1は、図3に示すように、操作部11と、マイク12と、第1通信部31(通信部)と、第2通信部32(通信部)と、照度計測部33と、LCD制御部41と、音声処理部42と、記憶部50と、制御部60とを操作部側筐体部2に備える。また、携帯電話機1は、LCD表示部21と、スピーカ22と、LCDドライバ23とを表示部側筐体部3に備える。
【0022】
第1通信部31は、第1通信機能として機能し、例えば、IEEE802.11に準拠する無線LANに係る通信方式に基づいて、外部機器Aと信号の送受信を行う。具体的には、第1通信部31は、第1のアンテナ(図示省略)によって、外部機器Aから受信した信号を復調処理し、処理後の信号を制御部60に供給する。また、第1通信部31は、制御部60から供給された信号を変調処理し、上記第1アンテナを介して当該信号を外部機器Aに送信する。
【0023】
第2通信部32は、第2通信機能として機能し、例えば、LTE(Long Term Evolution)方式の通信方式に基づいて、基地局BSと信号の送受信を行う。具体的には、第2通信部32は、第2のアンテナ(図示省略)によって、基地局BSから受信した信号を復調処理し、処理後の信号を制御部60に供給する。また、第2通信部32は、制御部60から供給された信号を変調処理し、上記第2アンテナを介して基地局BSに送信する。
そして、携帯電話機1は、第1通信部31と第2通信部32を用いて、基地局BSと外部機器Aとの通信を中継する(テザリングする)無線LANルータのように動作する。
【0024】
照度計測部33は、照度センサ等により構成されており、上述のように表面部20に設けられる。照度計測部33は、照度センサに入射した光量を測定することで、携帯電話機1の周囲の照度を計測する。なお、照度計測部33は、操作部側筐体部2の表面部10又は背面部(図示省略)や、表示部側筐体部3の背面部(図示省略)に設けられていてもよい。この場合、複数の照度計測部33による光の照度のうち、もっとも照度が高い値を、携帯電話機1に対して照射される光の照度としてもよい。
【0025】
LCD制御部41は、制御部60の制御に従って、所定の画像処理を行い、処理後の画像データをLCDドライバ23に出力する。LCDドライバ23は、フレームメモリを備えており、LCD制御部41から供給された画像データをフレームメモリに蓄える。そして、LCDドライバ23は、フレームメモリに蓄えられた画像データを所定のタイミングでLCD表示部21又はサブLCD表示部(図示省略)に出力する。
また、LCD制御部41は、後に後述する第2モードである場合に、第2通信部32が所定のデータを受信したときには、LCD表示部21又はサブLCD表示部に所定の表示をさせて、ユーザに所定のデータを受信したことを通知させるようにしてもよい。
【0026】
音声処理部42は、制御部60の制御に従って、所定の音声処理を行い、処理後の信号をスピーカ22に出力する。スピーカ22は、音声処理部42から供給された信号を外部に出力する。また、音声処理部42は、マイク12から入力された信号を処理し、処理後の信号を制御部60に出力する。
【0027】
記憶部50は、例えば、情報を記憶するメモリ等により構成されており、制御部60による演算処理に利用される。また、記憶部50は、本実施形態に係るアプリケーションや各種プログラム等を記憶する。また、記憶部50は、外部機器Aからの信号の電波強度と、外部機器Aと携帯電話機1との位置関係を示す値(例えば、距離)との対応関係を示す情報を記憶する。また、記憶部50は、メールアドレスと、当該メールアドレスに対応付けられるユーザ名と、当該メールアドレスが属するカテゴリとを関連付けてアドレス情報として記憶する。ここで、カテゴリとは、メールアドレスの重要性を示す属性情報であり、例えば、第1カテゴリとして、「重要度:大」、第2カテゴリとして、「重要度:中」、第3カテゴリとして、「重要度:小」等の情報が付される。なお、記憶部50は、着脱可能な外部メモリを兼ねていてもよい。
【0028】
制御部60は、携帯電話機1の全体を制御しており、例えば、第1通信部31、第2通信部32、LCD制御部41、音声処理部42等に対して所定の制御を行う。また、制御部60は、操作部11等から入力を受け付けて、各種処理を実行する。制御部60は、処理実行の際には、記憶部50を制御し、各種プログラム及びデータの読み出し、並びにデータの書き込みを行う。
【0029】
このように構成される携帯電話機1は、制御部60により、外部機器Aと、当該外部機器Aと異なる基地局BSとの通信を中継する。以下に、制御部60について、詳細な説明を行う。
【0030】
制御部60は、モード設定部として機能し、操作部11により所定の操作を受け付けることにより、第1通信部31及び第2通信部32による通信のモードを、第2通信部32により基地局BSと通信を行う第1モードと、第1通信部31及び第2通信部32により基地局BS及び外部機器Aの通信を中継する第2モードとのいずれかに設定する。
【0031】
制御部60は、通信のモードが第2モードに設定されている場合において、第2通信部32により受信したデータが、携帯電話機1を宛先とした所定のデータとしての電子メール(以下、電子メールをメールという)であるとき、第1通信部31に、当該メールに関連するデータである関連データを外部機器Aに対して送信させる。
【0032】
具体的には、制御部60は、通信のモードが第2モードに設定されている場合において、第2通信部32によってメールを受信したとき、携帯電話機1が鞄やバッグ等の内部等に収納され、LCD表示部21の表示が閲覧できない状況にあるか否かを判定するために、照度計測部33により計測した照度が第1の値より小さいか否かを判定する。そして、制御部60は、照度計測部33により計測した照度が第1の値より小さい場合、携帯電話機1と外部機器Aとの位置関係を検出する。
【0033】
すなわち、制御部60は、位置関係検出部として機能し、第1通信部31により受信した外部機器Aからの信号の電波強度に基づいて、携帯電話機1と外部機器Aとの位置関係を検出する。つまり、制御部60は、記憶部50に記憶されている、外部機器Aからの信号の電波強度と位置関係を示す値との対応関係を示す情報に基づいて、第1通信部31により受信した外部機器Aからの信号の電波強度に対応する位置関係を検出し、当該位置関係に対応する値を特定する。続いて、制御部60は、検出された位置関係を示す値が第2の値より小さいか否かを判定する。
【0034】
続いて、制御部60は、検出された位置関係を示す値が第2の値より小さい場合に、第2通信部32によって受信したメールを、当該受信した旨を示す受信通知データを関連データとする。
【0035】
続いて、制御部60は、関連データを外部機器Aに送信する場合に、記憶部50に記憶されているアドレス情報を参照する。そして、制御部60は、受信したメールの送信元のメールアドレスがアドレス情報に含まれている場合、当該メールアドレスに対応するアドレス情報に含まれるユーザ名を関連データに付加する。更に、制御部60は、第1通信部31に、当該関連データを外部機器Aに対して送信させる。
【0036】
なお、制御部60は、受信したメールに対応するカテゴリに応じて、関連データの外部機器Aへの送信を制御するようにしてもよい。この場合、制御部60は、記憶部50を参照して、受信したメールの送信元のメールアドレス(所定データの発信者のメールアドレス)が第1カテゴリに属するメール(第1メールアドレス)であるか、第1カテゴリに属していないメール(第2メールアドレス)であるかを判定する。
【0037】
つまり、制御部60は、記憶部50に記憶されているアドレス情報を参照し、受信したメールの送信元のメールアドレスが第1カテゴリに属しているか否かを判定する。制御部60は、受信したメールのメールアドレスが第1カテゴリに属している場合、記憶部50から、当該メールアドレスに対応するユーザ名(第1ユーザ名)を抽出し、受信通知データとユーザ名とを外部機器Aに送信する。また、制御部60は、受信したメールのメールアドレスが第1カテゴリに属していない場合、記憶部50から、受信通知データの外部機器Aへの送信を規制する。
【0038】
また、制御部60は、通信のモードが第2モードに設定されている場合において、第2通信部32によりメールを受信したとき、受信したメールの複製メールを関連データとし、第1通信部31に、当該関連データを外部機器Aに対して送信させるようにしてもよい。ここで、複製メールとは、転送メールのことをいう。すなわち、制御部60は、通信のモードが第2モードに設定されている場合において、第2通信部32によりメールを受信したとき、当該メールを受信メールとして記憶部50に記憶させるとともに、当該受信したメールを外部機器Aに転送するようにしてもよい。
【0039】
続いて、外部機器Aと、当該外部機器Aと異なる基地局BSとの通信を中継する処理の流れについて説明する。
図4は、本実施形態に係る携帯電話機1による、外部機器Aと基地局BSとの通信を中継する処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、本フローチャートに示す処理において、携帯電話機1の通信のモードが第2モードに設定されているものとする。
【0040】
ステップS1において、制御部60は、メールを受信したか否かを判定する。制御部60は、この判定がYESの場合、ステップS2に処理を移し、この判定がNOの場合、ステップS1を再実行する。
【0041】
ステップS2において、制御部60は、照度計測部33により計測した照度が第1の値より小さいか否かを判定する。制御部60は、この判定がYESの場合、ステップS3に処理を移し、この判定がYESの場合、本フローチャートに係る処理を終了する。
【0042】
ステップS3において、制御部60は、第1通信部31により受信した外部機器Aからの信号の電波強度に基づいて携帯電話機1と外部機器Aとの位置関係を検出し、検出された位置関係を示す値が第2の値より小さいか否かを判定する。制御部60は、この判定がYESの場合、ステップS4に処理を移し、この判定がNOの場合、本フローチャートに係る処理を終了する。
【0043】
ステップS4において、制御部60は、受信したメールの送信元メールアドレスが記憶部50に記憶されているアドレス情報に含まれているか否かを判定する。制御部60は、この判定がYESの場合、ステップS5に処理を移し、この判定がNOの場合、ステップS8に処理を移す。
【0044】
ステップS5において、制御部60は、受信したメールに対応する送信元のメールアドレスが第1カテゴリに含まれているか否かを判定する。制御部60は、この判定がYESの場合、ステップS6に処理を移し、この判定がNOの場合、本フローチャートに係る処理を終了する。
【0045】
ステップS6において、制御部60は、記憶部50に記憶されているアドレス情報を参照して、受信メールに対応するユーザ名を抽出する。
【0046】
ステップS7において、制御部60は、ステップS6において抽出したユーザ名と受信通知情報とを関連データとし、当該関連データを外部機器Aに対して、第1通信部31に送信させる。制御部60は、この処理が完了すると、本フローチャートに係る処理を終了する。
【0047】
ステップS8において、制御部60は、受信通知情報を関連データとし、当該関連データを外部機器Aに対して、第1通信部31に送信させる。制御部60は、この処理が完了すると、本フローチャートに係る処理を終了する。
【0048】
以上、本実施形態によれば、携帯電話機1は、第2モードに設定されている場合において、第2通信部32により携帯電話機1を宛先とした所定のデータ(メール)を受信したとき、制御部60により、当該所定のデータに関連する関連データを外部機器Aに対して、第1通信部31に送信させる。
【0049】
よって、携帯電話機1は、テザリング機能を使用している場合であっても自己を宛先とした通信があった旨をより確実に報知することができる。
【0050】
また、携帯電話機1は、第2モードが設定されている場合において第2通信部32によってメールを受信した場合、関連データとして当該メールを受信した旨を示す受信通知データを、外部機器Aに対して第1通信部31に送信させる。よって、携帯電話機1は、メールを受信したことを、外部機器Aを使用しているユーザに対して確認させることができる。
【0051】
また、携帯電話機1は、第2モードが設定されている場合において第2通信部32によってメールを受信した場合、関連データとして当該メールの複製データを、外部機器Aに対して第1通信部31に送信させる。よって、携帯電話機1は、受信したメールを外部機器Aに転送して、外部機器Aを使用しているユーザに携帯電話機1が受信したメールの内容を確認させることができる。
【0052】
また、携帯電話機1は、照度計測部33により計測された照度が第1の値より小さい場合に、関連データを外部機器Aに対して、第1通信部31に送信させる。よって、携帯電話機1は、外部機器Aに関連データを送信するので、鞄やバッグ等の内部等に収納され、LCD表示部21に表示されている内容をユーザが閲覧できない場合であっても、外部機器Aに関連データを表示させることにより、外部機器Aのユーザに確認させることができる。
【0053】
また、携帯電話機1は、制御部60により検出された位置関係が第2の値より小さい場合に、関連データを外部機器Aに対して、第1通信部31に送信させる。よって、携帯電話機1は、外部機器Aと携帯電話機1との位置関係に応じて、関連データを外部機器Aに対して送信することができる。具体的には、携帯電話機1を常に携帯しているユーザは、携帯電話機1と外部機器Aとの距離が近い位置関係であるとき(換言すれば、携帯電話機1を所持したユーザが外部機器Aを使用しているとき)、外部機器Aによって関連データを確認することができる。また、携帯電話機1を常に携帯しているユーザは、携帯電話機1と外部機器Aとの距離が離れている位置関係であるとき(換言すれば、携帯電話機1を所持したユーザが、外部機器Aが配されるデスク等から離席したとき等)、外部機器Aにて関連データを確認することができない。このように、携帯電話機1は、携帯電話機1と外部機器Aとの距離が離れている位置関係であるときに、無駄なデータ送信となる関連データの送信を行わないようにすることができる。
【0054】
また、携帯電話機1は、受信メールの発信者のメールアドレスが記憶部50に記憶されているメールアドレスである場合、受信メールと当該メールの発信者に対応するユーザ名とを関連データとして外部機器Aに対して、第1通信部31に送信させる。よって、携帯電話機1は、メールが誰から送信されたかについて、外部機器Aのユーザに確認させることができる。
【0055】
また、携帯電話機1は、受信メールの発信者のメールアドレスが第1メールアドレスである場合には、受信メールと第1ユーザ名とを、関連データとして外部機器Aに送信させ、受信メールの発信者のメールアドレスが第2メールアドレスである場合には、関連データの外部機器Aに対する送信を規制する。
よって、携帯電話機1は、第1メールアドレスが重要なものである場合、重要なメールに対応する関連データのみを選択して外部機器Aに送信し、即座に当該関連データを確認させることができる。
【0056】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0057】
本実施形態では、携帯電話機1として、いわゆる折り畳み型の携帯電話機の形態を示しているが、本発明に係る携帯電話機の形態としては、特にこれに限られない。例えば、両筐体を重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにした回転式(ターンタイプ)や、操作部と表示部とが1つの筐体に配置され、連結部を有さない形式(ストレートタイプ)でもよい。
【0058】
また、本実施形態では、通信機器の一例として、携帯電話機1について説明したが、本発明は携帯電話機1に限られるものではなく、通信機器としての携帯電話機1が各種機能を実行する方法、通信機器としての携帯電話機1に各種機能を実行させるためのプログラム、及びこのプログラムを記憶した記憶媒体にも適用可能である。また、本発明の通信機器は、携帯電話機に限られず、第1通信部31に対応する通信機能と、第2通信部32に対応する通信機能とを備えたPDA(Personal Digital Assistant)や、パーソナルコンピュータ、更に、これらに接続される通信モジュール等、様々な通信機器に適用可能である。
【0059】
また、本実施形態では、所定のデータが電子メールであることとして説明を行ったが、これに限られず、電話の着信通知や、メッセンジャーやチャット等における受信データを所定のデータとして外部機器Aに送信するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0060】
1 携帯電話機
31 第1通信部(通信部)
32 第2通信部(通信部)
33 照度計測部
50 記憶部
60 制御部
A 外部機器
BS 基地局

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器と、前記外部機器と異なる基地局との通信を中継する通信機器であって、
前記外部機器と通信を行う第1通信機能、及び前記基地局と通信を行う第2通信機能を有する通信部と、
前記通信部による通信のモードを、前記第2通信機能により前記基地局と通信を行う第1モードと、前記第1通信機能及び前記第2通信機能により前記基地局と前記外部機器との通信を中継する第2モードとのいずれかに設定するモード設定部と、
前記モード設定部によって前記第2モードが設定されている場合において前記第2通信機能により前記通信機器を宛先とした所定のデータを受信したとき、当該所定のデータに関連する関連データを前記外部機器に対して、前記第1通信機能に送信させる制御部と、
を備える通信機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記第2通信機能によって前記所定のデータを受信した場合、前記関連データとして当該所定のデータを受信した旨を示す受信通知データを、前記外部機器に対して前記第1通信機能に送信させる、
請求項1に記載の通信機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記第2通信機能によって前記所定のデータを受信した場合、前記関連データとして当該所定のデータの複製データを、前記外部機器に対して前記第1通信機能に送信させる、
請求項1に記載の通信機器。
【請求項4】
前記通信機器の周囲の照度を計測する照度部を備え、
前記制御部は、前記照度部により計測された照度が第1の値より小さい場合に、前記関連データを、前記外部機器に対して前記第1通信機能に送信させる、
請求項1から3のいずれか1項に記載の通信機器。
【請求項5】
前記通信機器と前記外部機器との位置関係を検出する位置関係検出部を備え、
前記制御部は、前記位置関係検出部により検出された位置関係を示す値が第2の値より小さい場合に、前記関連データを、前記外部機器に対して前記第1通信機能に送信させる、
請求項1から4のいずれか1項に記載の通信機器。
【請求項6】
メールアドレスと当該メールアドレスに対応付けられるユーザ名とを関連付けて記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、前記所定のデータとして受信されたメールの発信者のメールアドレスが前記記憶部に記憶されている前記メールアドレスである場合、前記所定のデータと当該メールアドレスに対応する前記ユーザ名とを前記関連データとして前記外部機器に対して、前記第1通信機能に送信させる、
請求項1から5のいずれか1項に記載の通信機器。
【請求項7】
前記記憶部は、第1カテゴリに属する第1メールアドレス及び当該第1メールアドレスに対応付けられる第1ユーザ名と、前記第1カテゴリに属さない第2メールアドレスと、を記憶し、
前記制御部は、
前記所定のデータの発信者のメールアドレスが前記第1メールアドレスである場合には、前記所定のデータと前記第1ユーザ名とを、前記関連データとして前記外部機器に送信させ、
前記所定のデータの発信者のメールアドレスが前記第2メールアドレスである場合には、前記所定のデータの前記外部機器に対する送信を規制する、
請求項6に記載の通信機器。
【請求項8】
外部機器と、前記外部機器と異なる基地局との通信を中継する通信機器に通信制御を行わせる通信制御方法であって、
前記通信機器を、前記基地局と通信を行わせる第1モードと、前記基地局と前記外部機器との通信を中継させる第2モードと、のいずれかに設定するステップと、
前記設定するステップにおいて前記第2モードが設定された場合に、前記通信機器により前記通信機器を宛先とした所定のデータを受信したとき、前記通信機器に、当該所定のデータに関連する関連データを前記外部機器に対して送信させるステップと、
を含む通信制御方法。
【請求項9】
外部機器と、前記外部機器と異なる基地局との通信を中継する通信機器に通信制御させるための通信制御プログラムであって、
前記通信機器を、前記基地局と通信を行わせる第1モードと、前記基地局と前記外部機器との通信を中継させる第2モードと、のいずれかに設定する設定処理と、
前記設定処理において前記第2モードが設定された場合に、前記通信機器により前記通信機器を宛先とした所定のデータを受信したとき、前記通信機器に、当該所定のデータに関連する関連データを前記外部機器に対して送信させる送信処理と、
を前記通信機器に実行させる通信制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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