通信端末接続管理システム
【課題】一方的に切断制御が行われることはなく、再乗車後すぐに使用することが可能な通信端末接続管理システムを提供する。
【解決手段】本発明の通信端末接続管理システムは、
車両に搭載される車載装置と、車両に持ち込まれる通信端末との無線通信接続を管理する通信端末接続管理システムであって、前記通信端末との無線通信を行う受信部(120)と、車両のシートに設けられるシートセンサ(131、132、133、134)と、を有し、前記受信部(120)における前記通信端末の検知状態と、前記シートセンサ(131、132、133、134)における検知状態と、に基づいて、前記通信端末との接続管理を行うことを特徴とする。
【解決手段】本発明の通信端末接続管理システムは、
車両に搭載される車載装置と、車両に持ち込まれる通信端末との無線通信接続を管理する通信端末接続管理システムであって、前記通信端末との無線通信を行う受信部(120)と、車両のシートに設けられるシートセンサ(131、132、133、134)と、を有し、前記受信部(120)における前記通信端末の検知状態と、前記シートセンサ(131、132、133、134)における検知状態と、に基づいて、前記通信端末との接続管理を行うことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーナビゲーション装置などの車載装置などと、携帯電話などの通信端末との接続を管理するために用いられる通信端末接続管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カーナビゲーション装置などの車載装置が広く普及しているが、このような車載装置においては、個人が所有する携帯電話などの通信端末と、BLUETOOTH(登録商標)通信規格などにより無線接続を行うものが知られている。このような車載装置は、通信端末と無線通信接続することによって、通信端末内蔵のマイクロフォンやスピーカーに代わって、車載のマイクロフォンやスピーカーによって、通話を可能とする機能(ハンズフリー機能)などを提供するものである。
【0003】
上記のような車載装置の一例として、特許文献1(特開2007−36720号公報)には、車両に搭載され、乗員の所持する携帯電話と無線通信を行なう車載通信装置であって、前記乗員の乗降車を検知する乗降車検知手段と、前記乗員が所持する携帯電話を検知する携帯電話検知手段と、前記乗員が所持する携帯電話の動作状態を制御する携帯電話制御手段と、を備えたことを特徴とする車載通信装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献2(特開2009−177588号公報)には、携帯端末装置と受信機を介して無線通信する車載装置であって、車両に備えられた複数の前記受信機が前記携帯端末装置から受信した電波の電界強度を測定する測定手段と、前記測定手段が測定した各電界強度の中で最も大きい電界強度の電波を受信した前記受信機の位置を前記携帯端末装置の位置として特定する特定手段とを備えたことを特徴とする車載装置が開示されている。
【特許文献1】特開2007−36720号公報
【特許文献2】特開2009−177588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の特許文献1のものでは、車載通信装置と無線通信を行っていた携帯電話を、他の乗車メンバーがいる状態で、携帯電話所有者が車内に置いたまま降車したような場合には、携帯電話所有者の降車がたとえ一時的なものであっても、切断制御が行われてしまい、再乗車後すぐに使用することができなくなるなどの問題があった。
【0006】
また、現在、携帯電話端末は一人一台所有する程度までに広く普及しており、車両一台に複数人により複数の携帯電話端末が持ち込まれることは容易に想定されることであるが、従来の特許文献2記載の技術では、複数の携帯電話端末が車両内に存在する場合に、どの端末が車載装置に接続されるかなどがコントロールできず問題であった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するために、請求項1に係る発明は、車両に搭載される車載装置と、車両に持ち込まれる通信端末との無線通信接続を管理する通信端末接続管理システムであって、前記通信端末との無線通信を行う受信部と、車両のシートに設けられるシートセンサと、を有し、前記受信部における前記通信端末の検知状態と、前記シートセンサにおける検知状態と、に基づいて、前記通信端末との接続管理を行うことを特徴とする
また、参考実施形態に係る発明としては、車両に搭載される車載装置と、車両に持ち込まれる通信端末との無線通信接続を管理する通信端末接続管理システムであって、前記通
信端末との無線通信を行う受信部と、車両のシートに設けられるシートセンサと、車両におけるシート毎の優先接続順位を規定した優先接続順位テーブルと、を有し、前記受信部における前記通信端末の検知状態と、前記シートセンサにおける検知状態と、優先接続順位テーブルと、に基づいて、前記通信端末との接続管理を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る通信端末接続管理システムによれば、車載装置と無線通信を行っていた携帯電話(通信端末)を、運転者が車内においたまま降車したような場合においても、他の乗車メンバーがシートセンサによって検知されれば、切断制御が行われることはなく、再乗車後すぐに使用することが可能となる。
【0009】
また、本発明に係る通信端末接続管理システムによれば、優先接続順位テーブルにも基づいて、通信端末と車載装置との接続管理を行うので、複数の通信端末が車両内に存在する場合に、どの通信端末を車載装置に接続するかを明確に制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施形態に係る通信端末接続管理システムの構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る通信端末接続管理システムのブロック構成の概略を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る通信端末接続管理システムにおける処理のフローチャートを示す図である。
【図4】通信端末接続管理部の処理テーブルを示す図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る通信端末接続管理システムの構成を模式的に示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る通信端末接続管理システムのブロック構成の概略を示す図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る通信端末接続管理システムの記憶部におけるデータ構造を示す図である。
【図8】他の優先接続順位テーブルの例を示す図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る通信端末接続管理システムにおける処理のフローチャートを示す図である。
【図10】優先順位テーブルに基づいて通信端末の接続・非接続を管理する具体例を示す図である。
【図11】優先順位テーブルに基づいて通信端末の接続・非接続を管理する具体例を示す図である。
【図12】優先順位テーブルに基づいて通信端末の接続・非接続を管理する具体例を示す図である。
【図13】優先順位テーブルに基づいて通信端末の接続・非接続を管理する具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る通信端末接続管理システムの構成を模式的に示す図であり、図2は本発明の第1実施形態に係る通信端末接続管理システムのブロック構成の概略を示す図である。
【0012】
図1は本発明の第1実施形態に係る通信端末接続管理システムが搭載された車両の車内の様子を上方から模式的に示したものである。本実施形態が想定している車両は右ハンドル車であり、その車内には「運転席」、「助手席」、「後部右席」、「後部左席」の4つのシートが設けられているものであるが、本発明の通信端末接続管理システムは、ハンド
ルが設けられる座席や、座席のレイアウトにより限定されるものではない。
【0013】
図1及び図2において、110は主制御部、120は受信部、131は運転席シートセンサ、132は助手席シートセンサ、133は後部右席シートセンサ、134は後部左席シートセンサ、150は通信端末接続管理部、160は記憶部をそれぞれ示している。
【0014】
主制御部110は、マイクロコンピュータとこのマイクロコンピュータ上で動作するプログラムを保持するROMとマイクロコンピュータのワークエリアであるRAMなどからなる汎用の情報処理装置を有している。本実施形態の通信端末接続管理システムの制御処理は、主制御部110のROMなどの記憶手段に記憶保持されるプログラムやデータに基づいて実行されるものである。また、主制御部110は、主制御部110と接続される各構成とのインターフェイス回路を含むものとなっており、主制御部110と接続される各構成と協働・動作するようになっている。
【0015】
受信部120は、比較的距離が近い装置間で用いられる通信規格であるBLUETOOTH(登録商標)によって、車両に持ち込まれた携帯電話などの通信端末と通信を行うものであって、予め登録された通信端末が受信部120に近接し、通信端末からの電波強度が所定以上となると、この通信端末の存在を検知し、通信端末との無線通信接続を行い得るものである。
【0016】
本実施形態の通信端末接続管理システムにおいては、車両に設けられているシートの全てに独立したシートセンサが設けられている。本実施形態で説明する車両には、運転席、助手席、後部右席、後部左席の4つのシートが設けられており、したがって、それぞれに独立的に運転席シートセンサ131、助手席シートセンサ132、後部右席シートセンサ133、後部左席シートセンサ134が設けられている。これらのシートセンサは各シート上の所定以上の荷重を検知することによって、各シート上における搭乗者の存否を検知することができるようにされたものである。
【0017】
通信端末接続管理部150は、受信部120で無線通信される通信端末と車載装置(不図示)との間を接続状態とするか、非接続状態とするかを管理するものであり、この通信端末接続管理部150で接続状態に保たれた通信端末が車載装置によってハンズフリー機能などを活用することができるように構成されている。
【0018】
記憶部160には、BLUETOOTH(登録商標)で接続する携帯電話などの通信端末を予め記憶しておくものであり、この記憶部160に登録されている通信端末のみが通信端末接続管理部150による管理対象となる。なお、車載装置(不図示)に、使用する通信端末を予め登録する技術などは従来公知のものを用いることができる。
【0019】
次に、以上のように構成される本実施形態の通信端末接続管理システムの制御処理について説明する。図3は本発明の第1実施形態に係る通信端末接続管理システムにおける処理のフローチャートを示す図である。なお、このフローチャートは、車両の起動(エンジンやモーターのスタートなど)を契機に開始され、車両の停止(エンジンやモーターのオフなど)を契機に終了されるものである。
【0020】
図3において、エンジンスタートなどの契機によりステップS100で、通信端末接続管理システムの処理が開始されると、続いて、ステップS101に進み、受信部120によって、記憶部160に登録済みの通信端末の電波が検知されたか否かが判定される。ステップS101における判定結果がNOであると、ステップS107に進み、通信端末接続管理部150は非接続状態を維持する。
【0021】
一方、ステップS101における判定結果がYESであると、続いてステップS102に進み、運転席シートセンサ131で搭乗者を検知したか否かが判定される。ステップS102の判定結果がYESのときには、ステップS103に進み、通信端末接続管理部150が通信端末と車載装置との間を接続状態とする。
【0022】
ステップS102の判定結果がNOであるときには、さらにステップS104に進み、運転席以外のシートセンサが搭乗者を検知したか否かが判定される。この判定結果がYESであるとき、すなわち、運転席で搭乗者が検知されなくとも、それ以外のシートで搭乗者が検知された場合には、車両内に残っている搭乗者によって通信端末が用いられる可能性もあるので、ステップS105に進み、通信端末接続管理部150は通信端末と車載装置との間を接続状態とする。一方、
一方、ステップS104の判定結果がNOであるときには、いずれの座席にも搭乗者が存在しないこととなるので、ステップS106に進み、通信端末接続管理部150は通信端末と車載装置との間を非接続状態とする。
【0023】
図4は、受信部120によって、記憶部160に登録済みの通信端末の電波が検知された状態の下における、シートセンサの検知に基づいた通信端末接続管理部150の処理テーブルを示す図である。このテーブルは、図3に示すフローチャートによる処理をテーブルに図示したものである。このテーブルに示されるように、運転席シートセンサ131のシートセンサが非検知であっても、運転席以外のいずれかのシートセンサが検知を行えば、通信端末接続管理部150では、通信端末と車載装置との間を接続状態として管理する。したがって、車載装置と無線通信を行っていた通信端末を、運転者が車内においたまま降車したような場合においても、他の乗車メンバーがシートセンサによって検知されれば、切断制御が行われることはなく、再乗車後すぐに使用することが可能となる。
【0024】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図5は本発明の第2実施形態に係る通信端末接続管理システムの構成を模式的に示す図であり、図6は本発明の第2実施形態に係る通信端末接続管理システムのブロック構成の概略を示す図である。図5及び図6において、第1実施形態と同様の構成を示している。
【0025】
第1実施形態と第2実施形態とが異なる点は、第1実施形態においては、車内の通信端
末の電波を受信する受信部120が1つ設けられていたのみであったのに対して、第2実施形態においては、受信部が運転席、助手席、後部右席、後部左席の4つのシートそれぞれの近傍に4つ設けられている点である。すなわち、第2実施形態の受信部においては、運転席受信部121、助手席受信部122、後部右席受信部123、後部左席受信部124の4つが設けられており、それぞれの受信部で受信される通信端末の電波の強度から、どの通信端末がどのシート上にあるのかを判定することができるようになっている。
【0026】
また、第2実施形態においては、記憶部160に記憶される事項が第1実施形態のそれと異なっているので説明する。図7は本発明の第2実施形態に係る通信端末接続管理システムの記憶部160におけるデータ構造を示す図である。第2実施形態における記憶部160には、図7(A)に示すような、BLUETOOTH(登録商標)で接続する携帯電話などの通信端末を予め複数記憶しておくテーブルと、図7(B)に示すような、シートの種別に応じた通信端末の優先接続順位を記憶しておく優先接続順位テーブルを、が登録されている。
【0027】
特に、図7における優先接続順位テーブルについて説明する。優先接続順位テーブルは、車両内に複数通信端末が存在するような場合に、通信端末が存在するシートによって、どの通信端末を優先して車載装置と接続するかを決定するためのテーブルである。図7(B)に示す例では、運転席→助手席→後部右席→後部左席の順で優先度が下がる例を示し
ている。これは例えば、車両が家族で用いられる場合を想定したケースであり、運転席に搭乗することが想定される搭乗者の通信端末の接続優先順位を最高位としている。
【0028】
図8には他の優先接続順位テーブルの例が示されている。図8に示す例では、後部右席→後部左席→助手席→運転席の順で優先度が下がる例を示している。これは例えば、車両が商用車として用いられる場合の優先接続順位テーブルであり、後部右席に搭乗することが想定される搭乗者の通信端末の接続優先順位を最高位としている。
【0029】
記憶部160に記憶される優先接続順位テーブルは、図7(B)や図8に示すように適宜設定変更できるようにしておくことが好ましい。
【0030】
さて、第2実施形態においては優先接続順位テーブルも参照することによって、通信端末の接続・非接続を決定するものであるが、所定のシート上に通信端末が存在していたとしても、当該シート上に搭乗者が存在しない場合には、当該通信端末と車載装置とを接続するように管理しても有用ではないものと考えられるので、このような場合には、シート上に搭乗者が存在する最優先の通信端末との接続を果たすように構成する。
【0031】
以下、より詳しい処理についてフローチャートを参照して説明する。図9は本発明の第2実施形態に係る通信端末接続管理システムにおける処理のフローチャートを示す図である。なお、このフローチャートは、車両の起動(エンジンやモーターのスタートなど)を契機に開始され、車両の停止(エンジンやモーターのオフなど)を契機に終了されるものである。
【0032】
図9において、エンジンスタートなどの契機によりステップS200で、通信端末接続管理システムの処理が開始されると、続いて、ステップS201に進み、受信部120によって、記憶部160に登録済みの通信端末の電波が検知されたか否かが判定される。ステップS201における判定結果がNOであると、ステップS207に進み、通信端末接続管理部150は非接続状態を維持する。
【0033】
ステップS202では、運転席受信部121、助手席受信部122、後部右席受信部123、後部左席受信部124で受信され電波の強度から、どの通信端末がどのシート上に存在するかに係る位置情報を取得する。なお、複数の受信部で受信される電波の強度から通信端末の位置情報を取得する技術についてはこれまでに知られているものを適宜利用することができる。
【0034】
また、ステップS203では、運転席シートセンサ131、助手席シートセンサ132、後部右席シートセンサ133、後部左席シートセンサ134それぞれの検知・非検知状態から、どのシートに搭乗者が座っているかに係る搭乗者位置情報を取得する。
【0035】
ステップS204では、(通信端末位置)=(シートセンサ検知位置)であるシートが存在するか否かが判定される。すなわち、ステップS204では、通信端末が存在し、かつ、搭乗者が座っているシートが存在するか否かが判定される。ステップS204における判定がYESである場合にはステップS205に進み、NOである場合にはステップS206に進む。
【0036】
ステップS205では、通信端末が検出され、かつ、搭乗者も検知したシートのうち、優先接続順位テーブルを参照し、最も優先度の高いシートに存在する通信端末と車載装置とを接続するように通信端末接続管理部150が接続管理を行う。
【0037】
ステップS205における通信端末接続管理部150の接続管理例を、図10乃至図1
2を参照して具体的に説明する。図10乃至図12は本発明の第2実施形態に係る通信端末接続管理システムにおいて優先順位テーブルに基づいて通信端末の接続・非接続を管理する方法を説明する図である。なお、図10以下に示す通信端末接続管理部150による接続管理例では、図7(B)の優先接続順位テーブルが用いられている。また、図10以下に示す通信端末接続管理部150による接続管理例の図では、それぞれの図(A)に通信端末の検出位置とシートセンサの検知位置とが模式的に示される。また、それぞれの図(B)においては、通信端末の検出位置とシートセンサの検知位置とがテーブルに示されると共に、矢印によって通信端末接続管理部150によって接続状態とされる通信端末が示される。
【0038】
図10を先のフローチャートに当てはめて考えると、ステップS204の判定では、(通信端末位置)=(シートセンサ検知位置)であるシートは、4つのシート全てであるので、ステップS205に進むこととなる。
【0039】
そして、ステップS205では、通信端末接続管理部150は、優先接続順位テーブルを参照し、最も優先度の高いシートである運転席に存在する通信端末と車載装置とを接続するように管理を行う。
【0040】
次に図11の例を、先のフローチャートに当てはめて考えると、ステップS204の判定では、(通信端末位置)=(シートセンサ検知位置)であるシートは、助手席、後部左席のシートであるので、この場合も、ステップS205に進むこととなる。
【0041】
そして、ステップS205では、通信端末接続管理部150は、優先接続順位テーブルを参照し、最も優先度の高いシートである助手席に存在する通信端末との接続を行うように管理する。
【0042】
次に図12の例を、先のフローチャートに当てはめて考えると、ステップS204の判定では、(通信端末位置)=(シートセンサ検知位置)であるシートは、後部右席のシートであるので、この場合も、ステップS205に進むこととなる。
【0043】
そして、ステップS205では、通信端末接続管理部150は、優先接続順位テーブルを参照し、最も優先度の高いシートである後部右席に存在する通信端末との接続を行うように管理する。ここで、図12の例では、仮に優先接続順位テーブルのみで判断すると、通信端末は運転席上でも検出されているので、運転席に存在する通信端末との接続を行うように管理することとなる。ところが、シートセンサの検知情報も加味すると、運転席上に搭乗車は存在せず、運転席上の通信端末と車載装置とを接続させる意義がないものと考えられる。そこで、本実施形態では、(通信端末位置)=(シートセンサ検知位置)であるシートが存在する場合には、ステップS205に示す工程によって、通信端末接続管理部150の接続・非接続を決定することで、より実効的な通信端末の接続管理を行うようにしている。
【0044】
ステップS204における判定がNOである場合には進むステップS206においては、優先接続順位テーブルを参照し、最も優先度の高いシートに存在する通信端末と接続するように通信端末接続管理部150が接続管理を行う。
【0045】
ステップS206における通信端末接続管理部150の接続管理例を、図13を参照して具体的に説明する。図13は本発明の第2実施形態に係る通信端末接続管理システムにおいて優先順位テーブルに基づいて通信端末の接続・非接続を管理する方法を説明する図である
図13を先のフローチャートに当てはめて考えると、ステップS204の判定では、(
通信端末位置)=(シートセンサ検知位置)であるシートが存在しないので、ステップS206に進むこととなる。
【0046】
そして、ステップS206では、通信端末接続管理部150は、先接続順位テーブルを参照し、最も優先度の高いシートに存在する通信端末である、助手席に存在する通信端末と車載装置が接続するように管理を行う。
【0047】
以上のような本発明の第2実施形態に係る通信端末接続管理システムによれば、優先接続順位テーブルをも考慮して、これに基づいて、通信端末と車載装置との接続管理を行うので、複数の通信端末が車両内に存在する場合に、どの通信端末を車載装置に接続するかを明確に制御することが可能となる。
【符号の説明】
【0048】
110・・・主制御部、120・・・受信部、121・・・運転席受信部、122・・・助手席受信部、123・・・後部右席受信部、124・・・後部左席受信部、131・・・運転席シートセンサ、132・・・助手席シートセンサ、133・・・後部右席シートセンサ、134・・・後部左席シートセンサ、150・・・通信端末接続管理部、160・・・記憶部
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーナビゲーション装置などの車載装置などと、携帯電話などの通信端末との接続を管理するために用いられる通信端末接続管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カーナビゲーション装置などの車載装置が広く普及しているが、このような車載装置においては、個人が所有する携帯電話などの通信端末と、BLUETOOTH(登録商標)通信規格などにより無線接続を行うものが知られている。このような車載装置は、通信端末と無線通信接続することによって、通信端末内蔵のマイクロフォンやスピーカーに代わって、車載のマイクロフォンやスピーカーによって、通話を可能とする機能(ハンズフリー機能)などを提供するものである。
【0003】
上記のような車載装置の一例として、特許文献1(特開2007−36720号公報)には、車両に搭載され、乗員の所持する携帯電話と無線通信を行なう車載通信装置であって、前記乗員の乗降車を検知する乗降車検知手段と、前記乗員が所持する携帯電話を検知する携帯電話検知手段と、前記乗員が所持する携帯電話の動作状態を制御する携帯電話制御手段と、を備えたことを特徴とする車載通信装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献2(特開2009−177588号公報)には、携帯端末装置と受信機を介して無線通信する車載装置であって、車両に備えられた複数の前記受信機が前記携帯端末装置から受信した電波の電界強度を測定する測定手段と、前記測定手段が測定した各電界強度の中で最も大きい電界強度の電波を受信した前記受信機の位置を前記携帯端末装置の位置として特定する特定手段とを備えたことを特徴とする車載装置が開示されている。
【特許文献1】特開2007−36720号公報
【特許文献2】特開2009−177588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の特許文献1のものでは、車載通信装置と無線通信を行っていた携帯電話を、他の乗車メンバーがいる状態で、携帯電話所有者が車内に置いたまま降車したような場合には、携帯電話所有者の降車がたとえ一時的なものであっても、切断制御が行われてしまい、再乗車後すぐに使用することができなくなるなどの問題があった。
【0006】
また、現在、携帯電話端末は一人一台所有する程度までに広く普及しており、車両一台に複数人により複数の携帯電話端末が持ち込まれることは容易に想定されることであるが、従来の特許文献2記載の技術では、複数の携帯電話端末が車両内に存在する場合に、どの端末が車載装置に接続されるかなどがコントロールできず問題であった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するために、請求項1に係る発明は、車両に搭載される車載装置と、車両に持ち込まれる通信端末との無線通信接続を管理する通信端末接続管理システムであって、前記通信端末との無線通信を行う受信部と、車両のシートに設けられるシートセンサと、を有し、前記受信部における前記通信端末の検知状態と、前記シートセンサにおける検知状態と、に基づいて、前記通信端末との接続管理を行うことを特徴とする
また、参考実施形態に係る発明としては、車両に搭載される車載装置と、車両に持ち込まれる通信端末との無線通信接続を管理する通信端末接続管理システムであって、前記通
信端末との無線通信を行う受信部と、車両のシートに設けられるシートセンサと、車両におけるシート毎の優先接続順位を規定した優先接続順位テーブルと、を有し、前記受信部における前記通信端末の検知状態と、前記シートセンサにおける検知状態と、優先接続順位テーブルと、に基づいて、前記通信端末との接続管理を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る通信端末接続管理システムによれば、車載装置と無線通信を行っていた携帯電話(通信端末)を、運転者が車内においたまま降車したような場合においても、他の乗車メンバーがシートセンサによって検知されれば、切断制御が行われることはなく、再乗車後すぐに使用することが可能となる。
【0009】
また、本発明に係る通信端末接続管理システムによれば、優先接続順位テーブルにも基づいて、通信端末と車載装置との接続管理を行うので、複数の通信端末が車両内に存在する場合に、どの通信端末を車載装置に接続するかを明確に制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施形態に係る通信端末接続管理システムの構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る通信端末接続管理システムのブロック構成の概略を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る通信端末接続管理システムにおける処理のフローチャートを示す図である。
【図4】通信端末接続管理部の処理テーブルを示す図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る通信端末接続管理システムの構成を模式的に示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る通信端末接続管理システムのブロック構成の概略を示す図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る通信端末接続管理システムの記憶部におけるデータ構造を示す図である。
【図8】他の優先接続順位テーブルの例を示す図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る通信端末接続管理システムにおける処理のフローチャートを示す図である。
【図10】優先順位テーブルに基づいて通信端末の接続・非接続を管理する具体例を示す図である。
【図11】優先順位テーブルに基づいて通信端末の接続・非接続を管理する具体例を示す図である。
【図12】優先順位テーブルに基づいて通信端末の接続・非接続を管理する具体例を示す図である。
【図13】優先順位テーブルに基づいて通信端末の接続・非接続を管理する具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る通信端末接続管理システムの構成を模式的に示す図であり、図2は本発明の第1実施形態に係る通信端末接続管理システムのブロック構成の概略を示す図である。
【0012】
図1は本発明の第1実施形態に係る通信端末接続管理システムが搭載された車両の車内の様子を上方から模式的に示したものである。本実施形態が想定している車両は右ハンドル車であり、その車内には「運転席」、「助手席」、「後部右席」、「後部左席」の4つのシートが設けられているものであるが、本発明の通信端末接続管理システムは、ハンド
ルが設けられる座席や、座席のレイアウトにより限定されるものではない。
【0013】
図1及び図2において、110は主制御部、120は受信部、131は運転席シートセンサ、132は助手席シートセンサ、133は後部右席シートセンサ、134は後部左席シートセンサ、150は通信端末接続管理部、160は記憶部をそれぞれ示している。
【0014】
主制御部110は、マイクロコンピュータとこのマイクロコンピュータ上で動作するプログラムを保持するROMとマイクロコンピュータのワークエリアであるRAMなどからなる汎用の情報処理装置を有している。本実施形態の通信端末接続管理システムの制御処理は、主制御部110のROMなどの記憶手段に記憶保持されるプログラムやデータに基づいて実行されるものである。また、主制御部110は、主制御部110と接続される各構成とのインターフェイス回路を含むものとなっており、主制御部110と接続される各構成と協働・動作するようになっている。
【0015】
受信部120は、比較的距離が近い装置間で用いられる通信規格であるBLUETOOTH(登録商標)によって、車両に持ち込まれた携帯電話などの通信端末と通信を行うものであって、予め登録された通信端末が受信部120に近接し、通信端末からの電波強度が所定以上となると、この通信端末の存在を検知し、通信端末との無線通信接続を行い得るものである。
【0016】
本実施形態の通信端末接続管理システムにおいては、車両に設けられているシートの全てに独立したシートセンサが設けられている。本実施形態で説明する車両には、運転席、助手席、後部右席、後部左席の4つのシートが設けられており、したがって、それぞれに独立的に運転席シートセンサ131、助手席シートセンサ132、後部右席シートセンサ133、後部左席シートセンサ134が設けられている。これらのシートセンサは各シート上の所定以上の荷重を検知することによって、各シート上における搭乗者の存否を検知することができるようにされたものである。
【0017】
通信端末接続管理部150は、受信部120で無線通信される通信端末と車載装置(不図示)との間を接続状態とするか、非接続状態とするかを管理するものであり、この通信端末接続管理部150で接続状態に保たれた通信端末が車載装置によってハンズフリー機能などを活用することができるように構成されている。
【0018】
記憶部160には、BLUETOOTH(登録商標)で接続する携帯電話などの通信端末を予め記憶しておくものであり、この記憶部160に登録されている通信端末のみが通信端末接続管理部150による管理対象となる。なお、車載装置(不図示)に、使用する通信端末を予め登録する技術などは従来公知のものを用いることができる。
【0019】
次に、以上のように構成される本実施形態の通信端末接続管理システムの制御処理について説明する。図3は本発明の第1実施形態に係る通信端末接続管理システムにおける処理のフローチャートを示す図である。なお、このフローチャートは、車両の起動(エンジンやモーターのスタートなど)を契機に開始され、車両の停止(エンジンやモーターのオフなど)を契機に終了されるものである。
【0020】
図3において、エンジンスタートなどの契機によりステップS100で、通信端末接続管理システムの処理が開始されると、続いて、ステップS101に進み、受信部120によって、記憶部160に登録済みの通信端末の電波が検知されたか否かが判定される。ステップS101における判定結果がNOであると、ステップS107に進み、通信端末接続管理部150は非接続状態を維持する。
【0021】
一方、ステップS101における判定結果がYESであると、続いてステップS102に進み、運転席シートセンサ131で搭乗者を検知したか否かが判定される。ステップS102の判定結果がYESのときには、ステップS103に進み、通信端末接続管理部150が通信端末と車載装置との間を接続状態とする。
【0022】
ステップS102の判定結果がNOであるときには、さらにステップS104に進み、運転席以外のシートセンサが搭乗者を検知したか否かが判定される。この判定結果がYESであるとき、すなわち、運転席で搭乗者が検知されなくとも、それ以外のシートで搭乗者が検知された場合には、車両内に残っている搭乗者によって通信端末が用いられる可能性もあるので、ステップS105に進み、通信端末接続管理部150は通信端末と車載装置との間を接続状態とする。一方、
一方、ステップS104の判定結果がNOであるときには、いずれの座席にも搭乗者が存在しないこととなるので、ステップS106に進み、通信端末接続管理部150は通信端末と車載装置との間を非接続状態とする。
【0023】
図4は、受信部120によって、記憶部160に登録済みの通信端末の電波が検知された状態の下における、シートセンサの検知に基づいた通信端末接続管理部150の処理テーブルを示す図である。このテーブルは、図3に示すフローチャートによる処理をテーブルに図示したものである。このテーブルに示されるように、運転席シートセンサ131のシートセンサが非検知であっても、運転席以外のいずれかのシートセンサが検知を行えば、通信端末接続管理部150では、通信端末と車載装置との間を接続状態として管理する。したがって、車載装置と無線通信を行っていた通信端末を、運転者が車内においたまま降車したような場合においても、他の乗車メンバーがシートセンサによって検知されれば、切断制御が行われることはなく、再乗車後すぐに使用することが可能となる。
【0024】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図5は本発明の第2実施形態に係る通信端末接続管理システムの構成を模式的に示す図であり、図6は本発明の第2実施形態に係る通信端末接続管理システムのブロック構成の概略を示す図である。図5及び図6において、第1実施形態と同様の構成を示している。
【0025】
第1実施形態と第2実施形態とが異なる点は、第1実施形態においては、車内の通信端
末の電波を受信する受信部120が1つ設けられていたのみであったのに対して、第2実施形態においては、受信部が運転席、助手席、後部右席、後部左席の4つのシートそれぞれの近傍に4つ設けられている点である。すなわち、第2実施形態の受信部においては、運転席受信部121、助手席受信部122、後部右席受信部123、後部左席受信部124の4つが設けられており、それぞれの受信部で受信される通信端末の電波の強度から、どの通信端末がどのシート上にあるのかを判定することができるようになっている。
【0026】
また、第2実施形態においては、記憶部160に記憶される事項が第1実施形態のそれと異なっているので説明する。図7は本発明の第2実施形態に係る通信端末接続管理システムの記憶部160におけるデータ構造を示す図である。第2実施形態における記憶部160には、図7(A)に示すような、BLUETOOTH(登録商標)で接続する携帯電話などの通信端末を予め複数記憶しておくテーブルと、図7(B)に示すような、シートの種別に応じた通信端末の優先接続順位を記憶しておく優先接続順位テーブルを、が登録されている。
【0027】
特に、図7における優先接続順位テーブルについて説明する。優先接続順位テーブルは、車両内に複数通信端末が存在するような場合に、通信端末が存在するシートによって、どの通信端末を優先して車載装置と接続するかを決定するためのテーブルである。図7(B)に示す例では、運転席→助手席→後部右席→後部左席の順で優先度が下がる例を示し
ている。これは例えば、車両が家族で用いられる場合を想定したケースであり、運転席に搭乗することが想定される搭乗者の通信端末の接続優先順位を最高位としている。
【0028】
図8には他の優先接続順位テーブルの例が示されている。図8に示す例では、後部右席→後部左席→助手席→運転席の順で優先度が下がる例を示している。これは例えば、車両が商用車として用いられる場合の優先接続順位テーブルであり、後部右席に搭乗することが想定される搭乗者の通信端末の接続優先順位を最高位としている。
【0029】
記憶部160に記憶される優先接続順位テーブルは、図7(B)や図8に示すように適宜設定変更できるようにしておくことが好ましい。
【0030】
さて、第2実施形態においては優先接続順位テーブルも参照することによって、通信端末の接続・非接続を決定するものであるが、所定のシート上に通信端末が存在していたとしても、当該シート上に搭乗者が存在しない場合には、当該通信端末と車載装置とを接続するように管理しても有用ではないものと考えられるので、このような場合には、シート上に搭乗者が存在する最優先の通信端末との接続を果たすように構成する。
【0031】
以下、より詳しい処理についてフローチャートを参照して説明する。図9は本発明の第2実施形態に係る通信端末接続管理システムにおける処理のフローチャートを示す図である。なお、このフローチャートは、車両の起動(エンジンやモーターのスタートなど)を契機に開始され、車両の停止(エンジンやモーターのオフなど)を契機に終了されるものである。
【0032】
図9において、エンジンスタートなどの契機によりステップS200で、通信端末接続管理システムの処理が開始されると、続いて、ステップS201に進み、受信部120によって、記憶部160に登録済みの通信端末の電波が検知されたか否かが判定される。ステップS201における判定結果がNOであると、ステップS207に進み、通信端末接続管理部150は非接続状態を維持する。
【0033】
ステップS202では、運転席受信部121、助手席受信部122、後部右席受信部123、後部左席受信部124で受信され電波の強度から、どの通信端末がどのシート上に存在するかに係る位置情報を取得する。なお、複数の受信部で受信される電波の強度から通信端末の位置情報を取得する技術についてはこれまでに知られているものを適宜利用することができる。
【0034】
また、ステップS203では、運転席シートセンサ131、助手席シートセンサ132、後部右席シートセンサ133、後部左席シートセンサ134それぞれの検知・非検知状態から、どのシートに搭乗者が座っているかに係る搭乗者位置情報を取得する。
【0035】
ステップS204では、(通信端末位置)=(シートセンサ検知位置)であるシートが存在するか否かが判定される。すなわち、ステップS204では、通信端末が存在し、かつ、搭乗者が座っているシートが存在するか否かが判定される。ステップS204における判定がYESである場合にはステップS205に進み、NOである場合にはステップS206に進む。
【0036】
ステップS205では、通信端末が検出され、かつ、搭乗者も検知したシートのうち、優先接続順位テーブルを参照し、最も優先度の高いシートに存在する通信端末と車載装置とを接続するように通信端末接続管理部150が接続管理を行う。
【0037】
ステップS205における通信端末接続管理部150の接続管理例を、図10乃至図1
2を参照して具体的に説明する。図10乃至図12は本発明の第2実施形態に係る通信端末接続管理システムにおいて優先順位テーブルに基づいて通信端末の接続・非接続を管理する方法を説明する図である。なお、図10以下に示す通信端末接続管理部150による接続管理例では、図7(B)の優先接続順位テーブルが用いられている。また、図10以下に示す通信端末接続管理部150による接続管理例の図では、それぞれの図(A)に通信端末の検出位置とシートセンサの検知位置とが模式的に示される。また、それぞれの図(B)においては、通信端末の検出位置とシートセンサの検知位置とがテーブルに示されると共に、矢印によって通信端末接続管理部150によって接続状態とされる通信端末が示される。
【0038】
図10を先のフローチャートに当てはめて考えると、ステップS204の判定では、(通信端末位置)=(シートセンサ検知位置)であるシートは、4つのシート全てであるので、ステップS205に進むこととなる。
【0039】
そして、ステップS205では、通信端末接続管理部150は、優先接続順位テーブルを参照し、最も優先度の高いシートである運転席に存在する通信端末と車載装置とを接続するように管理を行う。
【0040】
次に図11の例を、先のフローチャートに当てはめて考えると、ステップS204の判定では、(通信端末位置)=(シートセンサ検知位置)であるシートは、助手席、後部左席のシートであるので、この場合も、ステップS205に進むこととなる。
【0041】
そして、ステップS205では、通信端末接続管理部150は、優先接続順位テーブルを参照し、最も優先度の高いシートである助手席に存在する通信端末との接続を行うように管理する。
【0042】
次に図12の例を、先のフローチャートに当てはめて考えると、ステップS204の判定では、(通信端末位置)=(シートセンサ検知位置)であるシートは、後部右席のシートであるので、この場合も、ステップS205に進むこととなる。
【0043】
そして、ステップS205では、通信端末接続管理部150は、優先接続順位テーブルを参照し、最も優先度の高いシートである後部右席に存在する通信端末との接続を行うように管理する。ここで、図12の例では、仮に優先接続順位テーブルのみで判断すると、通信端末は運転席上でも検出されているので、運転席に存在する通信端末との接続を行うように管理することとなる。ところが、シートセンサの検知情報も加味すると、運転席上に搭乗車は存在せず、運転席上の通信端末と車載装置とを接続させる意義がないものと考えられる。そこで、本実施形態では、(通信端末位置)=(シートセンサ検知位置)であるシートが存在する場合には、ステップS205に示す工程によって、通信端末接続管理部150の接続・非接続を決定することで、より実効的な通信端末の接続管理を行うようにしている。
【0044】
ステップS204における判定がNOである場合には進むステップS206においては、優先接続順位テーブルを参照し、最も優先度の高いシートに存在する通信端末と接続するように通信端末接続管理部150が接続管理を行う。
【0045】
ステップS206における通信端末接続管理部150の接続管理例を、図13を参照して具体的に説明する。図13は本発明の第2実施形態に係る通信端末接続管理システムにおいて優先順位テーブルに基づいて通信端末の接続・非接続を管理する方法を説明する図である
図13を先のフローチャートに当てはめて考えると、ステップS204の判定では、(
通信端末位置)=(シートセンサ検知位置)であるシートが存在しないので、ステップS206に進むこととなる。
【0046】
そして、ステップS206では、通信端末接続管理部150は、先接続順位テーブルを参照し、最も優先度の高いシートに存在する通信端末である、助手席に存在する通信端末と車載装置が接続するように管理を行う。
【0047】
以上のような本発明の第2実施形態に係る通信端末接続管理システムによれば、優先接続順位テーブルをも考慮して、これに基づいて、通信端末と車載装置との接続管理を行うので、複数の通信端末が車両内に存在する場合に、どの通信端末を車載装置に接続するかを明確に制御することが可能となる。
【符号の説明】
【0048】
110・・・主制御部、120・・・受信部、121・・・運転席受信部、122・・・助手席受信部、123・・・後部右席受信部、124・・・後部左席受信部、131・・・運転席シートセンサ、132・・・助手席シートセンサ、133・・・後部右席シートセンサ、134・・・後部左席シートセンサ、150・・・通信端末接続管理部、160・・・記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される車載装置と、車両に持ち込まれる通信端末との無線通信接続を管理する通信端末接続管理システムであって、
前記通信端末との無線通信を行う受信部と、
車両のシートに設けられるシートセンサと、を有し、
前記受信部における前記通信端末の検知状態と、
前記シートセンサにおける検知状態と、に基づいて、前記通信端末との接続管理を行うことを特徴とする通信端末接続管理システム。
【請求項1】
車両に搭載される車載装置と、車両に持ち込まれる通信端末との無線通信接続を管理する通信端末接続管理システムであって、
前記通信端末との無線通信を行う受信部と、
車両のシートに設けられるシートセンサと、を有し、
前記受信部における前記通信端末の検知状態と、
前記シートセンサにおける検知状態と、に基づいて、前記通信端末との接続管理を行うことを特徴とする通信端末接続管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−114741(P2011−114741A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−271003(P2009−271003)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(591261509)株式会社エクォス・リサーチ (1,360)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(591261509)株式会社エクォス・リサーチ (1,360)
【Fターム(参考)】
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