通信端末装置、サーバ、および、プログラム
【課題】従来よりも高い精度で妨害電波やノイズの発生源となる基地局を特定する。
【解決手段】本発明に係る無線通信システム1は、基地局20を介して無線通信を行う通信端末装置10と、管理サーバ30とにより構成される。通信端末装置10は、所定のタイミングで、位置情報と、基地局20から受信している電波の強度を示す情報と、基地局20を特定する情報とを取得して管理サーバ30に送信する。管理サーバ30は、通信端末装置10から送信された情報に基づいて、異常な電波を出力している違法な基地局20を判別する。
【解決手段】本発明に係る無線通信システム1は、基地局20を介して無線通信を行う通信端末装置10と、管理サーバ30とにより構成される。通信端末装置10は、所定のタイミングで、位置情報と、基地局20から受信している電波の強度を示す情報と、基地局20を特定する情報とを取得して管理サーバ30に送信する。管理サーバ30は、通信端末装置10から送信された情報に基づいて、異常な電波を出力している違法な基地局20を判別する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末装置、サーバ、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電波が届き難い地下や屋内等の場所においても携帯電話機を使用できるようにすることが望まれている。そのため、基地局の通話エリアを補完するフェムトセルと呼ばれる小型の基地局をこれらの場所に設けることがある。
【0003】
フェムトセルは、従来の基地局と異なり、通信事業者が設置、管理するものではないため、電波強度を高めて使用する等といった違法な使用が想定される。このような違法な使用がなされたフェムトセルから送信される電波は、他の基地局から送信される正常な電波に干渉を与える妨害電波やノイズとなる虞がある。
【0004】
特許文献1には、管理コンピュータが、各基地局から送信される電波の信号強度に基づいて、妨害電波やノイズの発生源の位置を特定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−142750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示の技術では、携帯電話の数よりも圧倒的に少なく、また固定的に設置されている基地局から送信される電波の強度に基づいて妨害電波の発生源を特定する。従って、特許文献1では、携帯電話から送信される電波強度を利用する場合に比べて、妨害電波の発生源の特定の精度が劣るという問題がある。
また、特許文献1は、管理コンピュータの管理下にある基地局から送信される電波を用いて、基地局周辺の妨害電波の発生源を特定する技術であり、フェムトセルのように基地局自体が違法電波の発生源となる場合は想定されていない。
【0007】
本発明は上記実情を鑑みてなされたものであり、従来よりも高い精度で妨害電波やノイズの発生源となる基地局を特定することができる、通信端末装置、サーバ、および、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る通信端末装置は、
基地局を介して無線通信を行い、ネットワークを介してサーバに接続されている通信端末装置であって、
位置情報を取得する位置情報取得手段と、
電波を受信している基地局の識別情報と該電波の強度とを取得する電波情報取得手段と、
異常な電波の受信を判別する異常電波判別手段と、
前記異常電波判別手段で異常な電波の受信を判別した際に、前記位置情報取得手段と前記電波情報取得手段とを制御して、現在の位置情報と現在電波を受信している基地局の識別情報と該電波の強度とを取得し、前記サーバに送信する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
また、前記異常電波判別手段は、
複数の基地局から所定の閾値を超えた強度の電波を受信している場合、又は、受信している電波のうちで最大強度の電波を送信している基地局に接続できない場合に異常な電波を受信していると判別してもよい。
【0010】
また、電池の残量を検出する電池残量検出手段を更に備え、
前記制御手段は、前記電池残量検出手段によって検出された電池の残量が所定値未満の場合、現在の位置情報と現在電波を受信している基地局の識別情報と該電波の強度との取得、および、残基サーバへの送信を行わなくてもよい。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係るサーバは、
基地局を介して無線通信を行う通信端末装置とネットワークを介して接続されたサーバであって、
調査対象の基地局に前記通信端末装置が接続された場合、該通信端末装置に現在の位置情報と現在電波を受信している基地局の識別情報と該電波の強度とを取得して送信するように指示する指示手段と、
前記指示手段により前記通信端末装置から送信された情報を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した情報に基づいて、異常な強度で電波を出力している違法基地局を判別する違法基地局判別手段と、
を備えることを特徴とする。
【0012】
また、前記違法基地局判別手段で違法基地局を判別した場合、該違法基地局に出力電波の強度を低減させるための指示を送信する調整手段をさらに備えてもよい。
【0013】
また、前記指示手段により前記通信端末装置から送信された位置情報と電波の強度を示す情報とを対応付けて蓄積記憶する電波強度分布蓄積記憶手段をさらに備え、
前記違法基地局判別手段は、前記電波強度分布蓄積記憶手段に記憶されている情報に基づいて、指向性のある強度分布を示す電波を送信している違法基地局を判別してもよい。
【0014】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係るプログラムは、
基地局を介して無線通信を行い、ネットワークを介してサーバに接続されているコンピュータを、
位置情報を取得する位置情報取得手段、
電波を受信している基地局の識別情報と該電波の強度とを取得する電波情報取得手段、
異常な電波の受信を判別する異常電波判別手段、
前記異常電波判別手段で異常な電波の受信を判別した際に、前記位置情報取得手段と前記電波情報取得手段とを制御して、現在の位置情報と現在電波を受信している基地局の識別情報と該電波の強度とを取得し、前記サーバに送信する制御手段、
として機能させることを特徴とする。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明の第4の観点に係るプログラムは、
基地局を介して無線通信を行う通信端末装置とネットワークを介して接続されたコンピュータを、
調査対象の基地局に前記通信端末装置が接続された場合、該通信端末装置に現在の位置情報と現在電波を受信している基地局の識別情報と該電波の強度とを取得して送信するように指示する指示手段、
前記指示手段により前記通信端末装置から送信された情報を受信する受信手段、
前記受信手段で受信した情報に基づいて、異常な強度で電波を出力している違法基地局を判別する違法基地局判別手段、
として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、通信端末装置から送信される情報に基づいて違法基地局を判別するため、従来よりも高い精度で妨害電波やノイズの発生源となる基地局を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施形態1に係る通信システムの構成を示す図である。
【図2】実施形態1に係る通信端末装置の構成を示すブロック図である。
【図3】実施形態1に係る管理サーバの構成を示すブロック図である。
【図4】基地局DBに記憶されている情報の具体例を示す図である。
【図5】実施形態1に係る通信端末装置が行う異常電波判別処理のフローチャートである。
【図6】実施形態1に係る通信端末装置が行う接続調査処理のフローチャートである。
【図7】実施形態1に係る管理サーバにおいて接続変更通知を受信した際に行われる処理のフローチャートである。
【図8】実施形態1に係る管理サーバにおいて調査結果情報を受信した際に行われる処理のフローチャートである。
【図9】実施形態1に係る管理サーバが行う違法基地局対応処理のフローチャートである。
【図10】実施形態2に係る通信端末装置の構成を示すブロック図である。
【図11】実施形態2に係る通信端末装置が行う接続調査処理のフローチャートである。
【図12】(A)は、通常の基地局から送信される電波の分布を示す図であり、(B)は、指向性を有する基地局から送信される電波の分布を示す図である。
【図13】実施形態3に係る管理サーバの構成を示すブロック図である。
【図14】実施形態3に係る管理サーバが行う指向性異常判別処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は下記の実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で下記の実施形態及び図面に変更を加えることが出来るのはもちろんである。
【0019】
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態1に係る無線通信システム1について説明する。本実施形態の通信システムは、図1に示すように、通信端末装置10と、基地局20と、管理サーバ30とを備えて構成される。
【0020】
通信端末装置10は、例えば、携帯電話等であり、無線通信網を形成する基地局20との間で電波を送受信することで無線通信を行い、無線通信網に接続された他の通信端末装置10と通話・通信する。
通信端末装置10は、図2に示すように、GPS通信部11、基地局通信部12、記憶部13、操作部14、表示部15、音声出力部16、音声入力部17、電源部18、および、制御部19を備える。
【0021】
GPS通信部11は、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)に用いられる電波を受信するためのGPSアンテナ111や受信装置等から構成され、GPS衛星からGPSアンテナ111を介して受信した電波に基づいて通信端末装置1の位置を測位し、位置情報を取得する。
【0022】
基地局通信部12は、アンテナ123や無線通信デバイス等を備え、例えば、CDMA(Code Division
Multiple Access:符号分割多重接続方式)等の通信方式で無線網を形成する基地局20と無線通信し、他の通信端末装置10と音声通話やデータ通信を行う。なお、基地局通信部12は、最大で3つの基地局20から送信される電波を同時に受信することが可能である。また、基地局通信部12は、図1に示す無線通信網、および、基幹網(インターネット)を介して、管理サーバ30とデータ通信を行う。
【0023】
また、基地局通信部12は、基地局ID識別部121と電波強度測定部122とを備える。
【0024】
基地局ID識別部121は、受信した電波から、該電波の送信元である基地局20の識別情報(以下、基地局IDとする)を取得する。
【0025】
電波強度測定部122は、所定の信号強度測定回路等から構成され、受信している電波の強度(例えば、受信電波の電圧値)を測定する。
【0026】
記憶部13は、RAM(Rondom Access Memory)、補助記憶装置等の記憶装置によって構成され、各種データ及び各種プログラムを記憶する。また、記憶部13は、後述する異常電波判別処理で異常電波を受信しているか否かを判別するために利用される電波強度の閾値を記憶する。また、記憶部13は、制御部19の作業領域も有する。
【0027】
操作部14は、キーボード等を備え、ユーザからの操作に対応した操作信号を制御部19に供給する。例えば、操作部14は、基地局20の監視を指示する操作に対応した操作信号を制御部19に供給する。
【0028】
表示部15は、表示パネル及びドライバ回路等から構成され、制御部19の制御下にて画像を表示する。
【0029】
音声出力部16は、スピーカ、DAC(Digital Analog Converter)等を備え、例えば、通話時に、基地局通信部12が受信したが音声信号にDA変換を施し、スピーカにより放音する。
【0030】
音声入力部17は、マイク、ADC(Analog Digital Converter)等を備え、通話時等に、音声信号を収集し、AD変換を施し、基地局通信部12に供給する。
【0031】
電源部18は、充電可能な充電池等から構成され、通信端末装置10の各部に電源を供給する。
【0032】
制御部19は、マイクロプロセッサユニット等から構成され、記憶部13に記憶されているプログラムを実行することで、通信端末装置10全体の動作(各部の動作)を制御する。
また、制御部19は、機能的に、サーバ通信部191と、異常電波判別部192と、接続調査処理部193とを備える。
【0033】
サーバ通信部191は、基地局通信部12を制御して、管理サーバ30との間で種々のデータを送受信する。例えば、サーバ通信部191は、後述する接続調査処理において、位置情報と基地局IDと電波強度とを管理サーバ30に送信する。また、サーバ通信部191は、管理サーバ30から、接続調査処理開始の指示信号を受信する。
【0034】
異常電波判別部192は、所定の時間毎に、基地局通信部12が異常な電波を受信しているか否かを判別し、異常と判別した場合にその旨を接続調査処理部193に通知する処理(異常電波判別処理)を実施する。なお、異常電波判別処理の詳細については後述する。
【0035】
接続調査処理部193は、所定のタイミングで、基地局ID識別部121と電波強度測定部122とGPS通信部11とを制御して、受信電波の送信元である基地局20の基地局IDと電波強度、および、通信端末装置10の位置情報とを取得し、管理サーバ30に送信する処理(接続調査処理)を実行する。
なお、接続調査処理を実行するタイミングは、例えば、異常電波判別部192から異常な電波を受信している旨を通知されたとき、又は、管理サーバ30から接続調査処理開始の指示信号を受信したとき、又は、操作部14から接続調査処理を開始するための操作入力信号が供給されたとき、等のタイミングである。また、接続調査処理の詳細については後述する。
【0036】
図1に戻り、基地局20は、送受信機やアンテナ等を備え、通信端末装置10と無線通信し、通信端末装置10間の通話やデータ通信を可能にする。
【0037】
管理サーバ30は、基幹網を介して無線通信網内の各基地局20と接続し、各基地局20を監視・管理する。管理サーバ30は、図3に示すように、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを備える。
【0038】
通信部31は、NIC(Network Interface Card)等を備え、基幹網を介して各基地局20とデータの送受信を行う。
【0039】
記憶部32は、RAM(Rondom Access Memory)、補助記憶装置等の記憶装置によって構成され、各種データ及び各種プログラムを記憶する。また、記憶部32は、制御部33の作業領域も有する。また、記憶部32は、基地局DB(データベース)321を備える。
【0040】
基地局DB321は、各基地局20の属性情報を記憶する。具体的には、基地局DB321は、図4に示すように、基地局20毎に、基地局IDと、当該基地局20が設置されている位置(緯度、経度)と、異常電波の送信を判断するための電波強度の閾値と、監視対象フラグとを記憶する。
【0041】
制御部33は、マイクロプロセッサユニット等から構成され、記憶部32に記憶されているプログラムを実行することで、管理サーバ30全体の動作(各部の動作)を制御する。
【0042】
また、制御部33は、通信端末装置10が監視対象である基地局20に接続した際に、当該通信端末装置10に、接続調査処理を実行させることを指示する信号を送信する。
【0043】
また、制御部33は、接続調査処理が実行された通信端末装置10から送信された情報(通信端末装置10の位置情報、基地局ID、および、電波強度)から、違法な電波を送信している基地局20(以下、違法基地局20とする)が有るか否かを判別する。そして、制御部33は、その違法基地局20、および、その周囲に位置する基地局20の監視対象フラグをONに設定して、次回以降も接続調査処理の対象とする。
【0044】
また、制御部33は、判別された違法基地局20に対して、送信電波の出力を下げることを指示する信号を通信部31から送信する。
【0045】
続いて、無線通信システム1の動作について詳細に説明する。
【0046】
(異常電波判別処理)
始めに、通信端末装置10において実施される異常電波判別処理について説明する。
通信端末装置10の異常電波判別部192は、所定時間毎(例えば、1秒毎)に、図5に示す異常電波判別処理を実施する。
【0047】
異常電波判別処理が開始されると、まず、異常電波判別部192は、基地局通信部12がどの基地局20から電波を受信しているのか確認する(ステップS101)。具体的には、異常電波判別部192は、現在電波を受信している基地局20の基地局IDを、基地局ID識別部121を制御して取得する。
【0048】
続いて、異常電波判別部192は、電波の受信を確認した基地局20が、前回の異常電波判別処理で確認した基地局20から変更されているか否かを判別する(ステップS102)。
【0049】
基地局20が変更されていないと判別した場合(ステップS102;No)、異常電波判別処理は終了する。
【0050】
基地局20が変更されていると判別された場合(ステップS102;Yes)、通信端末装置10を所持するユーザが移動すること等により接続する基地局20が切り替えられたことが考えられるが、送信電波の出力が違法に上げられた、又は、違法な場所に新たに設置された基地局20(以下、違法基地局20とする)に接続が切り替えられたこと等も考えられる。よって、この場合、異常電波判別部192は、基地局通信部12を制御して、接続する基地局20が変更されたことを通知する接続変更通知を管理サーバ30に送信する(ステップS103)。なお、接続変更通知には、ステップS101で確認した現在受信している基地局20の基地局IDが含まれている。複数の基地局20から電波を受信している場合には、複数の基地局IDが接続変更通知に含まれることとなる。
【0051】
続いて、異常電波判別部192は、基地局通信部12が複数の基地局20から閾値を超えた強度の電波を受信しているか否かを判別する(ステップS104)。
【0052】
通常、各基地局20は、互いに干渉が起きないような微弱な電波を送信するように管理されている。即ち、通常状態では、通信端末装置10が、基地局20から強強度の電波を同時に2つ以上受信することは無い。従って、複数の基地局20から閾値以上の強度の電波を受信していると判別された場合(ステップS104;Yes)、通常の基地局20以外に、違法基地局20からの電波も受信していると考えられる。従って、異常電波判別部192は、接続調査処理部193に異常な電波を受信していることを通知する(ステップ106)。そして、異常電波判別処理は終了する。
【0053】
複数の基地局20から閾値以上の強度の電波を受信していないと判別された場合(ステップS104;No)、異常電波判別部192は、受信している電波のうち最大強度の電波を送信している基地局20と通信可能であるか否かを判別する(ステップS105)。具体的には、異常電波判別部192は、最大強度の電波を送信している基地局20に対して通信テスト用の信号を送信して応答(レスポンス)の有無を確認することで、通信可能であるか否かの判別を行えばよい。
【0054】
最大強度の電波を送信している基地局20と通信できない場合(ステップS105;No)、異常に強い強度の電波を送信している違法基地局20が多数の通信端末装置10と接続しており、ユーザオーバー等により接続できない可能性が高い。従って、この場合、異常電波判別部192は、接続調査処理部193に異常な電波を受信している状況であることを通知する(ステップS106)。そして、異常電波判別処理は終了する。
【0055】
最大強度の電波を送信している基地局20と通信可能な場合(ステップS105;Yes)、正常な電波を受信している状態であることが推測され、異常電波判別処理は終了する。
【0056】
このように、通信端末装置10において異常電波判別処理が実施されることにより、違法基地局20から異常な電波を受信していることが判別されて、接続調査処理部193にその旨が通知される。
【0057】
(接続調査処理)
続いて、通信端末装置10において実施される接続調査処理について説明する。
通信端末装置10の電源部18に電力が入力されると、接続調査処理部193は、図6に示す接続調査処理を実行する。
【0058】
接続調査処理が開始されると、まず、通信端末装置10の接続調査処理部193は、前述した異常電波判別処理によって異常電波判別部192から異常な電波を受信していることを通知された場合(ステップS201;Yes)、又は、操作部14から接続調査処理を開始するための操作入力信号が供給された場合(ステップS202;Yes)、又は、管理サーバ30からの接続調査処理開始の指示信号を受信した場合(ステップS203;Yes)、GPS通信部11を制御して、自身の位置情報を取得する(ステップS204)。
【0059】
続いて、接続調査処理部193は、基地局通信部12が電波を受信している基地局20のうち、基地局IDと送信電波強度の取得を未だ行っていない基地局20が有るか否かを判別する(ステップ205)。
【0060】
基地局IDと送信電波強度を未だ取得してない基地局20が有ると判別した場合(ステップS205;Yes)、接続調査処理部193は、基地局通信部12の基地局ID識別部121と電波強度測定部122とを制御して、この未取得の基地局20の基地局IDと、該基地局20からの受信電波の強度とを取得する(ステップS206)。そして、処理はステップS205に戻り、電波を受信している全ての基地局20に対して、基地局IDと電波強度の取得(ステップS206)が実施される。
【0061】
受信している基地局20全てで取得が完了した場合(ステップS205;No)、接続調査処理部193は、ステップS204で取得した位置情報とステップS206で取得した情報(基地局ID、電波強度)とに、送信元や送信先のアドレス等を含むヘッダ情報を付与してパケット化する(ステップS207)。そして、接続調査処理部193は、作成したパケット化した情報を、調査結果情報として管理サーバ30に送信する(ステップS208)。以下、処理はステップS201に戻り、同様の処理が繰り返される。
【0062】
このように、通信端末装置10において接続調査処理が実施されることにより、所定のタイミングで、受信している基地局20の基地局IDと送信電波強度と通信端末装置10の位置情報とが取得されて管理サーバ30に送信される。
【0063】
続いて、管理サーバ30において実施される処理について説明する。
【0064】
(接続変更通知を受信した際の処理)
始めに、上述した異常電波判別処理で通信端末装置10から送信された接続変更通知を受信した際に、管理サーバ30において実施される処理について、図7を参照して説明する。
【0065】
通信端末装置10から接続変更通知を受信すると、管理サーバ30の制御部33は、基地局DB321を参照して、接続変更通知が示す基地局20が調査対象の基地局20であるか否かを判別する(ステップS301)。具体的には、制御部33は、接続変更通知に含まれる基地局IDをキーに基地局DB321のエントリを検索して、検出したエントリの調査対象フラグがONに設定されている場合に、調査対象の基地局20であると判別する。なお、接続変更通知に複数の基地局IDが含まれている場合には、基地局ID毎に、基地局DB321の対応する調査対象フラグを確認する。
【0066】
調査対象の基地局20でないと判別した場合(ステップS301;No)、当該基地局20に対して以降の処理は行う必要はないため、処理は終了する。
【0067】
調査対象の基地局20であると判別した場合(ステップS301;Yes)、制御部33は、接続変更通知を受信した通信端末装置10に、接続調査処理の開始の指示信号を送信する(ステップS302)。以上で、管理サーバ30での処理は終了する。通信端末装置10では、図6で説明したように、管理サーバ30から接続調査処理開始の指示を受信すると(ステップS203;Yes)、位置情報、基地局ID、および、電波強度を取得して、調査結果情報として管理サーバ30に送信する(ステップS204〜208)。
【0068】
このように、管理サーバ30は、通信端末装置10から接続変更通知を受信すると、該接続変更通知が示す基地局20が調査対象である場合に、通信端末装置10に接続調査処理の開始を指示する。
【0069】
(調査結果情報を受信した際の処理)
続いて、通信端末装置10から送信された調査結果情報を受信した際に管理サーバ30において実施される処理について、図8を参照して説明する。
【0070】
通信端末装置10から調査結果情報を受信すると、管理サーバ30の制御部33は、調査結果情報に含まれる情報を用いて、基地局20から送信されている電波の強度を計算する(ステップS401)。
具体的には、制御部33は、調査結果情報に含まれる基地局IDをキーに基地局DB321を検索して、基地局20の位置情報を取得する。そして、制御部33は、取得した基地局20の位置情報と調査結果情報に含まれる通信端末装置10の位置情報とに基づいて、通信端末装置10と基地局20との間の距離を求める。そして、制御部33は、求めた通信端末10−基地局20間の距離と調査結果情報に含まれる電波強度とに基づいて、基地局20から送信された電波の強度を計算する。例えば、通信端末装置10と基地局20との間の距離をR、通信端末装置10が受信した電波の強度をIc、比例定数Hとすると、基地局20から送信された電波の強度Ibは、Ib=H・Ic・R2等の式で算出することができる。
【0071】
続いて、制御部33は、計算した電波強度が、基地局DB321に記憶されている閾値以上であるか否かを判別する(ステップS402)。なお、この閾値は、調査結果情報に含まれる基地局IDをキーに基地局DB321から取得すればよい。
【0072】
閾値以上でないと判別した場合(ステップS402;No)、調査結果情報が示す基地局20は、正常な強度の電波を出力していることとなる。従って、以降の処理は行う必要がなく、処理は終了する。
【0073】
閾値以上であると判別した場合(ステップS402;Yes)、調査結果情報が示す基地局20は、異常な強度の電波を出力している違法基地局20であることとが分かる。従って、制御部33は、該違法基地局20に対して違法基地局対応処理を行い(ステップS403)、処理は終了する。
【0074】
このように、管理サーバ30は、通信端末装置10より受信した情報に基づいて違法基地局20を判別し、違法基地局20と判別した場合には、その違法基地局20に対応した処理を実施する。
【0075】
(違法基地局対応処理)
図9に、違法基地局対応処理の詳細を示す。
まず、管理サーバ30の制御部33は、基地局DB321を参照して、違法基地局20から所定距離内に配置されている近隣の基地局20を特定する(ステップ501)。
【0076】
続いて、制御部33は、基地局DB321にアクセスして、違法基地局20とその近隣の基地局20の監視対象フラグをONに設定する(ステップS502)。この処理により、違法基地局20とその近隣の基地局20とが調査対象に設定される。
【0077】
続いて、制御部33は、違法基地局20に、送信電波の出力を閾値以下まで下げることを指示する出力低下指示信号を送信する(ステップS503)。出力低下指示信号を受信した違法基地局20は、送信電波の出力を低減させる処理を実施する。
【0078】
続いて、制御部33は、調査結果情報を受信した通信端末装置10に、接続調査処理の開始の指示信号を送信する(ステップS504)。通信端末装置10では、図6で説明したように、管理サーバ30から接続調査処理開始の指示を受信すると(ステップS203;Yes)、位置情報、基地局ID、および、受信電波の強度を取得して、その調査結果情報が管理サーバ30に送信される(ステップS204〜208)。
【0079】
図9に戻り、管理サーバ30の制御部33は、端末装置から調査結果情報を受信すると(ステップS505)、該調査結果情報から送信電波強度を計算する(ステップS506)。なお、この処理は、図8のステップS401の処理と実質的に同一である。
【0080】
続いて、制御部19は、計算した電波強度が、基地局DB321に記憶されている閾値以上であるか否かを判別する(ステップS507)。なお、この処理は、図8のステップS402の処理と実質的に同一である。
【0081】
計算した電波強度が閾値以上でないと判別した場合(ステップS507;NO)、出力低下指示信号の送信(ステップS503)により違法基地局20の送信電波の出力が低減されて正常化したこととなり、違法基地局対応処理は終了する。
【0082】
計算した電波強度が閾値以上であると判別された場合(ステップS507;Yes)、違法基地局20は外部増幅器等を使って電波強度を上げられており十分に強度が下げられない場合や、違法基地局20の故障が考えられる。したがって、制御部33は、当該違法基地局20を故障と見なし、違法基地局20に出力電波停止信号を送信して電波出力の動作を停止させると共に当該違法基地局20からの管理通信以外の通信を遮断する(ステップS508)。以上で、違法基地局対応処理は終了する。
【0083】
このように、違法基地局対応処理により、管理サーバ30は、違法基地局20に対して送信電波の出力を正常化させることができる。また、正常化ができない場合には出力電波の停止の処理がとられる。
【0084】
このように、本実施形態では、通信端末装置10は自発的に異常な電波受信を判別した際、又は管理サーバ30からの指示に応じて、情報(位置情報、基地局ID、電波強度)を取得して管理サーバ30に送信する。そして、管理サーバ30は、通信端末装置10からの情報に基づいて、違法基地局20の有無を確認する。従って、従来の基地局20からの情報に基づいて違法基地局20を判別する場合に比べて、より高い精度で妨害電波やノイズの発生源となる違法基地局20を特定することが可能となる。
また、本実施形態では、通信端末装置10は、常に情報を取得して管理サーバ30に送信するのではなく、異常な電波受信を判別した場合のみ、自発的に情報を測定して管理サーバ30に送信する。従って、通信端末装置10は、不要な処理を省くことができ、消費電力を節約できる。
【0085】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について説明する。
なお、実施形態2の管理サーバ30は、実施形態1と同一の構成、機能を有するため説明を省略し、通信端末装置100について主に説明する。
【0086】
本実施形態の通信端末装置100を図10に示す。通信端末装置100は、実施形態1の通信端末装置10に電池残量検出部194が新たに加えられた構成である。電池残量検出部194は、電源部18の充電池の電池残量を検出する。
【0087】
図11を参照して、本実施形態における接続調査処理について説明する。なお、図11は、図6の処理フローの代替となる。
【0088】
電源部18に電力が入力されると、通信端末装置10の接続調査処理部193は、実施形態1の接続調査処理(図6)におけるステップS201〜S203と同様の処理を行う。そして、ステップS201〜S203の何れかの判別処理でYesと判別された場合、接続調査処理部193は、電池残量検出部194を制御して、電源部18の充電池の電池残量を取得する(ステップS209)。
【0089】
続いて、接続調査処理部193は、取得した電池残量が、所定の閾値以下(例えば10%以下)であるか否かを判別する(ステップS210)。
【0090】
電池残量が閾値以下と判別された場合(ステップS210;NO)、電池残量が十分あるため、各種情報の取得処理から結果情報の送信までの処理(ステップS204〜208)を、実施形態1の場合と同様に行う。
【0091】
電池残量が閾値以下と判別された場合(ステップS210;NO)、以降の各種情報の取得処理から結果情報の送信までの処理(ステップS204〜208)を行った際に電池切れとなってしまい、通信端末装置10が使用できなくなる可能性が高い。よって、処理はステップS201に戻り、ステップS204〜S208の処理は行わない。
【0092】
このように、本実施形態では、通信端末装置100の接続調査処理において、電力を消費する各種情報の取得を行う前に、電池残量を判別し、電池残量が少ない場合には、各種情報の取得を行わない。これにより、通信端末装置10の電池切れを防ぐことが可能となる。
【0093】
(実施形態3)
通常、基地局20から送信される電波は、図12(A)に示すように、指向性を持たない強度分布をみせる。それに対して、電波の出力強度は変えずに、アンテナを指向性のある八木型等に違法に変更した場合の基地局20から送信される電波は、図12(B)に示すように指向性を持った強度分布をみせる。
実施形態1、2では、基地局20から出力される電波の強度が閾値以上の場合に違法基地局20であると判定するため、このような出力電波に指向性のある違法基地局20を検出することができない。実施形態3では、このような違法基地局20を検出可能にすることを特徴とする。
【0094】
本発明の実施形態3について説明する。
なお、実施形態3の通信端末装置10は、実施形態1と同一の構成、機能を有するため説明を省略し、管理サーバ300について主に説明する。
【0095】
本実施形態の管理サーバ300を図13に示す。
管理サーバ30は、実施形態1の管理サーバ30の記憶部13に、電波強度分布蓄積DB322が新たに加えられた構成である。管理サーバ30の制御部33は、通信端末装置10から調査結果情報を受信する度に、該調査結果情報に含まれる通信端末装置10の位置情報と該位置で測定した電波強度との組を電波強度分布蓄積DB322に蓄積記憶する。
【0096】
本実施形態では、管理サーバ300において、定期的に図14に示す指向性異常判別処理が実施される。
【0097】
指向性異常判別処理が開始されると、まず、管理サーバ300の制御部33は、所定サイズ以上の情報が電波強度分布蓄積DB322に記憶されているか否かを判別する(ステップS601)。
【0098】
所定サイズ以上の情報が電波強度分布蓄積DB322に記憶されていない場合(ステップS601;No)、以降の処理は実施せず、指向性異常判別処理は終了する。
【0099】
所定サイズ以上の情報が電波強度分布蓄積DB322に記憶されている場合(ステップS601;Yes)、制御部33は、基地局DB321を参照して、未だ選択していない基地局20を1つ選択する(ステップS602)。そして、制御部33は、電波強度分布蓄積DB322に記憶されている情報に基づいて、選択した基地局20を中心とする所定領域における電波の等強度線を作成する(ステップ603)。
【0100】
そして、制御部33は、作成された等強度線の形に異常が見られるか否かを判別する(ステップS604)。
例えば、等強度線が形成する図形が、円と比べてどれだけ歪んでいるのかを示すパラメータを公知の手法により算出して、その算出値が所定量以上の場合に、異常が見られると判別すればよい。又は、等強度線が形成する図形の重心位置を求め、重心位置が基地局20の位置から所定距離以上離れている場合に、異常が見られると判別してもよい。
【0101】
作成された等強度線の形に異常が見られない場合(ステップS604;No)、基地局20の送信する電波は指向性を有しておらず、正常な基地局20であることがわかる。そして、ステップS606に処理は移る。
【0102】
作成された等強度線の形に異常が見られる場合(ステップS604;Yes)、基地局20の送信する電波は指向性を有しており、違法基地局20であることがわかる。そのため、制御部33は、指向性を有するアンテナ等に差し替えられた疑いが強い違法基地局20であることを検出する(ステップS605)。具体的には、制御部19は、基地局DB321にアクセスして、当該違法基地局20の監視対象フラグをONに設定する、又は、当該違法基地局20が指向性を有していることを管理者にメールで伝えたり、図示せぬ表示部に表示する等の処理を行う。そして、ステップS606に処理は移る。
【0103】
ステップS606で、制御部33は、ステップS602の選択を未だ行っていない基地局20が有るか否かを判別する。未選択の基地局20がある場合(ステップS606;Yes)、処理はステップS602に戻り、ステップS602〜605の一連の処理を繰り返す。
【0104】
未選択の基地局20がない場合(ステップS606;No)、基地局DB321に登録されている全基地局20で指向性を有する電波を出力しているか否かの判別が完了したこととなる。従って、制御部33は、電波強度分布蓄積DB322に蓄積されている情報を消去する(ステップS607)。以上で指向性異常判別処理は終了する。
【0105】
このように、実施形態3では、通信端末装置10から送信された位置データと電波強度との組を複数蓄積し、その蓄積したデータを利用することで、指向性のある電波を出力する違法基地局20を検出することが可能となる。
【0106】
(各実施形態等について共通する説明)
また、上記各実施形態において、通信端末装置10,100の制御部19、および、管理サーバ30,300の制御部33が実行するプログラムは、予め記憶部13,32等に記録されるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上述の処理を実行させるためのプログラムを、既存のPC(パーソナルコンピュータ)に適用することで、上記実施形態に係る通信端末装置10,100、および、管理サーバ30,300として機能させてもよい。
【0107】
また、このようなプログラムの提供方法は任意であり、例えばコンピュータが読取可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)−ROM、DVD(Digital Versatile Disc)−ROM等)に格納して配布してもよいし、インターネット等のネットワーク上のストレージにプログラムを格納しておき、これをダウンロードさせることにより提供してもよい。
【0108】
さらに、上記の処理をOSとアプリケーションプログラムとの分担、又はOSとアプリケーションプログラムとの協働によって実行する場合には、アプリケーションプログラムのみを記録媒体やストレージに格納してもよい。また、搬送波にプログラムを重畳し、ネットワークを介して配信することも可能である。例えば、ネットワーク上の掲示板(BBS:Bulletin Board System)に上記プログラムを掲示し、ネットワークを介してプログラムを配信してもよい。そして、このプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上記の処理を実行できるように通信端末装置10,100、および、管理サーバ30,300を構成してもよい。
【符号の説明】
【0109】
1…無線通信システム、10…通信端末装置、20…基地局、30…管理サーバ、11…GPS通信部、111…GPSアンテナ、12…基地局通信部、121…基地局ID識別部、122…電波強度測定部、123…アンテナ、13…記憶部、14…操作部、15…表示部、16…音声出力部、17…音声入力部、18…電源部、19…制御部、191…サーバ通信部、192…異常電波判別部、193…接続調査処理部、31…通信部、32…記憶部、321…基地局DB、33…制御部、194…電池残量検出部、322…電波強度分布蓄積DB
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末装置、サーバ、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電波が届き難い地下や屋内等の場所においても携帯電話機を使用できるようにすることが望まれている。そのため、基地局の通話エリアを補完するフェムトセルと呼ばれる小型の基地局をこれらの場所に設けることがある。
【0003】
フェムトセルは、従来の基地局と異なり、通信事業者が設置、管理するものではないため、電波強度を高めて使用する等といった違法な使用が想定される。このような違法な使用がなされたフェムトセルから送信される電波は、他の基地局から送信される正常な電波に干渉を与える妨害電波やノイズとなる虞がある。
【0004】
特許文献1には、管理コンピュータが、各基地局から送信される電波の信号強度に基づいて、妨害電波やノイズの発生源の位置を特定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−142750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示の技術では、携帯電話の数よりも圧倒的に少なく、また固定的に設置されている基地局から送信される電波の強度に基づいて妨害電波の発生源を特定する。従って、特許文献1では、携帯電話から送信される電波強度を利用する場合に比べて、妨害電波の発生源の特定の精度が劣るという問題がある。
また、特許文献1は、管理コンピュータの管理下にある基地局から送信される電波を用いて、基地局周辺の妨害電波の発生源を特定する技術であり、フェムトセルのように基地局自体が違法電波の発生源となる場合は想定されていない。
【0007】
本発明は上記実情を鑑みてなされたものであり、従来よりも高い精度で妨害電波やノイズの発生源となる基地局を特定することができる、通信端末装置、サーバ、および、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る通信端末装置は、
基地局を介して無線通信を行い、ネットワークを介してサーバに接続されている通信端末装置であって、
位置情報を取得する位置情報取得手段と、
電波を受信している基地局の識別情報と該電波の強度とを取得する電波情報取得手段と、
異常な電波の受信を判別する異常電波判別手段と、
前記異常電波判別手段で異常な電波の受信を判別した際に、前記位置情報取得手段と前記電波情報取得手段とを制御して、現在の位置情報と現在電波を受信している基地局の識別情報と該電波の強度とを取得し、前記サーバに送信する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
また、前記異常電波判別手段は、
複数の基地局から所定の閾値を超えた強度の電波を受信している場合、又は、受信している電波のうちで最大強度の電波を送信している基地局に接続できない場合に異常な電波を受信していると判別してもよい。
【0010】
また、電池の残量を検出する電池残量検出手段を更に備え、
前記制御手段は、前記電池残量検出手段によって検出された電池の残量が所定値未満の場合、現在の位置情報と現在電波を受信している基地局の識別情報と該電波の強度との取得、および、残基サーバへの送信を行わなくてもよい。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係るサーバは、
基地局を介して無線通信を行う通信端末装置とネットワークを介して接続されたサーバであって、
調査対象の基地局に前記通信端末装置が接続された場合、該通信端末装置に現在の位置情報と現在電波を受信している基地局の識別情報と該電波の強度とを取得して送信するように指示する指示手段と、
前記指示手段により前記通信端末装置から送信された情報を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した情報に基づいて、異常な強度で電波を出力している違法基地局を判別する違法基地局判別手段と、
を備えることを特徴とする。
【0012】
また、前記違法基地局判別手段で違法基地局を判別した場合、該違法基地局に出力電波の強度を低減させるための指示を送信する調整手段をさらに備えてもよい。
【0013】
また、前記指示手段により前記通信端末装置から送信された位置情報と電波の強度を示す情報とを対応付けて蓄積記憶する電波強度分布蓄積記憶手段をさらに備え、
前記違法基地局判別手段は、前記電波強度分布蓄積記憶手段に記憶されている情報に基づいて、指向性のある強度分布を示す電波を送信している違法基地局を判別してもよい。
【0014】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係るプログラムは、
基地局を介して無線通信を行い、ネットワークを介してサーバに接続されているコンピュータを、
位置情報を取得する位置情報取得手段、
電波を受信している基地局の識別情報と該電波の強度とを取得する電波情報取得手段、
異常な電波の受信を判別する異常電波判別手段、
前記異常電波判別手段で異常な電波の受信を判別した際に、前記位置情報取得手段と前記電波情報取得手段とを制御して、現在の位置情報と現在電波を受信している基地局の識別情報と該電波の強度とを取得し、前記サーバに送信する制御手段、
として機能させることを特徴とする。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明の第4の観点に係るプログラムは、
基地局を介して無線通信を行う通信端末装置とネットワークを介して接続されたコンピュータを、
調査対象の基地局に前記通信端末装置が接続された場合、該通信端末装置に現在の位置情報と現在電波を受信している基地局の識別情報と該電波の強度とを取得して送信するように指示する指示手段、
前記指示手段により前記通信端末装置から送信された情報を受信する受信手段、
前記受信手段で受信した情報に基づいて、異常な強度で電波を出力している違法基地局を判別する違法基地局判別手段、
として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、通信端末装置から送信される情報に基づいて違法基地局を判別するため、従来よりも高い精度で妨害電波やノイズの発生源となる基地局を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施形態1に係る通信システムの構成を示す図である。
【図2】実施形態1に係る通信端末装置の構成を示すブロック図である。
【図3】実施形態1に係る管理サーバの構成を示すブロック図である。
【図4】基地局DBに記憶されている情報の具体例を示す図である。
【図5】実施形態1に係る通信端末装置が行う異常電波判別処理のフローチャートである。
【図6】実施形態1に係る通信端末装置が行う接続調査処理のフローチャートである。
【図7】実施形態1に係る管理サーバにおいて接続変更通知を受信した際に行われる処理のフローチャートである。
【図8】実施形態1に係る管理サーバにおいて調査結果情報を受信した際に行われる処理のフローチャートである。
【図9】実施形態1に係る管理サーバが行う違法基地局対応処理のフローチャートである。
【図10】実施形態2に係る通信端末装置の構成を示すブロック図である。
【図11】実施形態2に係る通信端末装置が行う接続調査処理のフローチャートである。
【図12】(A)は、通常の基地局から送信される電波の分布を示す図であり、(B)は、指向性を有する基地局から送信される電波の分布を示す図である。
【図13】実施形態3に係る管理サーバの構成を示すブロック図である。
【図14】実施形態3に係る管理サーバが行う指向性異常判別処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は下記の実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で下記の実施形態及び図面に変更を加えることが出来るのはもちろんである。
【0019】
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態1に係る無線通信システム1について説明する。本実施形態の通信システムは、図1に示すように、通信端末装置10と、基地局20と、管理サーバ30とを備えて構成される。
【0020】
通信端末装置10は、例えば、携帯電話等であり、無線通信網を形成する基地局20との間で電波を送受信することで無線通信を行い、無線通信網に接続された他の通信端末装置10と通話・通信する。
通信端末装置10は、図2に示すように、GPS通信部11、基地局通信部12、記憶部13、操作部14、表示部15、音声出力部16、音声入力部17、電源部18、および、制御部19を備える。
【0021】
GPS通信部11は、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)に用いられる電波を受信するためのGPSアンテナ111や受信装置等から構成され、GPS衛星からGPSアンテナ111を介して受信した電波に基づいて通信端末装置1の位置を測位し、位置情報を取得する。
【0022】
基地局通信部12は、アンテナ123や無線通信デバイス等を備え、例えば、CDMA(Code Division
Multiple Access:符号分割多重接続方式)等の通信方式で無線網を形成する基地局20と無線通信し、他の通信端末装置10と音声通話やデータ通信を行う。なお、基地局通信部12は、最大で3つの基地局20から送信される電波を同時に受信することが可能である。また、基地局通信部12は、図1に示す無線通信網、および、基幹網(インターネット)を介して、管理サーバ30とデータ通信を行う。
【0023】
また、基地局通信部12は、基地局ID識別部121と電波強度測定部122とを備える。
【0024】
基地局ID識別部121は、受信した電波から、該電波の送信元である基地局20の識別情報(以下、基地局IDとする)を取得する。
【0025】
電波強度測定部122は、所定の信号強度測定回路等から構成され、受信している電波の強度(例えば、受信電波の電圧値)を測定する。
【0026】
記憶部13は、RAM(Rondom Access Memory)、補助記憶装置等の記憶装置によって構成され、各種データ及び各種プログラムを記憶する。また、記憶部13は、後述する異常電波判別処理で異常電波を受信しているか否かを判別するために利用される電波強度の閾値を記憶する。また、記憶部13は、制御部19の作業領域も有する。
【0027】
操作部14は、キーボード等を備え、ユーザからの操作に対応した操作信号を制御部19に供給する。例えば、操作部14は、基地局20の監視を指示する操作に対応した操作信号を制御部19に供給する。
【0028】
表示部15は、表示パネル及びドライバ回路等から構成され、制御部19の制御下にて画像を表示する。
【0029】
音声出力部16は、スピーカ、DAC(Digital Analog Converter)等を備え、例えば、通話時に、基地局通信部12が受信したが音声信号にDA変換を施し、スピーカにより放音する。
【0030】
音声入力部17は、マイク、ADC(Analog Digital Converter)等を備え、通話時等に、音声信号を収集し、AD変換を施し、基地局通信部12に供給する。
【0031】
電源部18は、充電可能な充電池等から構成され、通信端末装置10の各部に電源を供給する。
【0032】
制御部19は、マイクロプロセッサユニット等から構成され、記憶部13に記憶されているプログラムを実行することで、通信端末装置10全体の動作(各部の動作)を制御する。
また、制御部19は、機能的に、サーバ通信部191と、異常電波判別部192と、接続調査処理部193とを備える。
【0033】
サーバ通信部191は、基地局通信部12を制御して、管理サーバ30との間で種々のデータを送受信する。例えば、サーバ通信部191は、後述する接続調査処理において、位置情報と基地局IDと電波強度とを管理サーバ30に送信する。また、サーバ通信部191は、管理サーバ30から、接続調査処理開始の指示信号を受信する。
【0034】
異常電波判別部192は、所定の時間毎に、基地局通信部12が異常な電波を受信しているか否かを判別し、異常と判別した場合にその旨を接続調査処理部193に通知する処理(異常電波判別処理)を実施する。なお、異常電波判別処理の詳細については後述する。
【0035】
接続調査処理部193は、所定のタイミングで、基地局ID識別部121と電波強度測定部122とGPS通信部11とを制御して、受信電波の送信元である基地局20の基地局IDと電波強度、および、通信端末装置10の位置情報とを取得し、管理サーバ30に送信する処理(接続調査処理)を実行する。
なお、接続調査処理を実行するタイミングは、例えば、異常電波判別部192から異常な電波を受信している旨を通知されたとき、又は、管理サーバ30から接続調査処理開始の指示信号を受信したとき、又は、操作部14から接続調査処理を開始するための操作入力信号が供給されたとき、等のタイミングである。また、接続調査処理の詳細については後述する。
【0036】
図1に戻り、基地局20は、送受信機やアンテナ等を備え、通信端末装置10と無線通信し、通信端末装置10間の通話やデータ通信を可能にする。
【0037】
管理サーバ30は、基幹網を介して無線通信網内の各基地局20と接続し、各基地局20を監視・管理する。管理サーバ30は、図3に示すように、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを備える。
【0038】
通信部31は、NIC(Network Interface Card)等を備え、基幹網を介して各基地局20とデータの送受信を行う。
【0039】
記憶部32は、RAM(Rondom Access Memory)、補助記憶装置等の記憶装置によって構成され、各種データ及び各種プログラムを記憶する。また、記憶部32は、制御部33の作業領域も有する。また、記憶部32は、基地局DB(データベース)321を備える。
【0040】
基地局DB321は、各基地局20の属性情報を記憶する。具体的には、基地局DB321は、図4に示すように、基地局20毎に、基地局IDと、当該基地局20が設置されている位置(緯度、経度)と、異常電波の送信を判断するための電波強度の閾値と、監視対象フラグとを記憶する。
【0041】
制御部33は、マイクロプロセッサユニット等から構成され、記憶部32に記憶されているプログラムを実行することで、管理サーバ30全体の動作(各部の動作)を制御する。
【0042】
また、制御部33は、通信端末装置10が監視対象である基地局20に接続した際に、当該通信端末装置10に、接続調査処理を実行させることを指示する信号を送信する。
【0043】
また、制御部33は、接続調査処理が実行された通信端末装置10から送信された情報(通信端末装置10の位置情報、基地局ID、および、電波強度)から、違法な電波を送信している基地局20(以下、違法基地局20とする)が有るか否かを判別する。そして、制御部33は、その違法基地局20、および、その周囲に位置する基地局20の監視対象フラグをONに設定して、次回以降も接続調査処理の対象とする。
【0044】
また、制御部33は、判別された違法基地局20に対して、送信電波の出力を下げることを指示する信号を通信部31から送信する。
【0045】
続いて、無線通信システム1の動作について詳細に説明する。
【0046】
(異常電波判別処理)
始めに、通信端末装置10において実施される異常電波判別処理について説明する。
通信端末装置10の異常電波判別部192は、所定時間毎(例えば、1秒毎)に、図5に示す異常電波判別処理を実施する。
【0047】
異常電波判別処理が開始されると、まず、異常電波判別部192は、基地局通信部12がどの基地局20から電波を受信しているのか確認する(ステップS101)。具体的には、異常電波判別部192は、現在電波を受信している基地局20の基地局IDを、基地局ID識別部121を制御して取得する。
【0048】
続いて、異常電波判別部192は、電波の受信を確認した基地局20が、前回の異常電波判別処理で確認した基地局20から変更されているか否かを判別する(ステップS102)。
【0049】
基地局20が変更されていないと判別した場合(ステップS102;No)、異常電波判別処理は終了する。
【0050】
基地局20が変更されていると判別された場合(ステップS102;Yes)、通信端末装置10を所持するユーザが移動すること等により接続する基地局20が切り替えられたことが考えられるが、送信電波の出力が違法に上げられた、又は、違法な場所に新たに設置された基地局20(以下、違法基地局20とする)に接続が切り替えられたこと等も考えられる。よって、この場合、異常電波判別部192は、基地局通信部12を制御して、接続する基地局20が変更されたことを通知する接続変更通知を管理サーバ30に送信する(ステップS103)。なお、接続変更通知には、ステップS101で確認した現在受信している基地局20の基地局IDが含まれている。複数の基地局20から電波を受信している場合には、複数の基地局IDが接続変更通知に含まれることとなる。
【0051】
続いて、異常電波判別部192は、基地局通信部12が複数の基地局20から閾値を超えた強度の電波を受信しているか否かを判別する(ステップS104)。
【0052】
通常、各基地局20は、互いに干渉が起きないような微弱な電波を送信するように管理されている。即ち、通常状態では、通信端末装置10が、基地局20から強強度の電波を同時に2つ以上受信することは無い。従って、複数の基地局20から閾値以上の強度の電波を受信していると判別された場合(ステップS104;Yes)、通常の基地局20以外に、違法基地局20からの電波も受信していると考えられる。従って、異常電波判別部192は、接続調査処理部193に異常な電波を受信していることを通知する(ステップ106)。そして、異常電波判別処理は終了する。
【0053】
複数の基地局20から閾値以上の強度の電波を受信していないと判別された場合(ステップS104;No)、異常電波判別部192は、受信している電波のうち最大強度の電波を送信している基地局20と通信可能であるか否かを判別する(ステップS105)。具体的には、異常電波判別部192は、最大強度の電波を送信している基地局20に対して通信テスト用の信号を送信して応答(レスポンス)の有無を確認することで、通信可能であるか否かの判別を行えばよい。
【0054】
最大強度の電波を送信している基地局20と通信できない場合(ステップS105;No)、異常に強い強度の電波を送信している違法基地局20が多数の通信端末装置10と接続しており、ユーザオーバー等により接続できない可能性が高い。従って、この場合、異常電波判別部192は、接続調査処理部193に異常な電波を受信している状況であることを通知する(ステップS106)。そして、異常電波判別処理は終了する。
【0055】
最大強度の電波を送信している基地局20と通信可能な場合(ステップS105;Yes)、正常な電波を受信している状態であることが推測され、異常電波判別処理は終了する。
【0056】
このように、通信端末装置10において異常電波判別処理が実施されることにより、違法基地局20から異常な電波を受信していることが判別されて、接続調査処理部193にその旨が通知される。
【0057】
(接続調査処理)
続いて、通信端末装置10において実施される接続調査処理について説明する。
通信端末装置10の電源部18に電力が入力されると、接続調査処理部193は、図6に示す接続調査処理を実行する。
【0058】
接続調査処理が開始されると、まず、通信端末装置10の接続調査処理部193は、前述した異常電波判別処理によって異常電波判別部192から異常な電波を受信していることを通知された場合(ステップS201;Yes)、又は、操作部14から接続調査処理を開始するための操作入力信号が供給された場合(ステップS202;Yes)、又は、管理サーバ30からの接続調査処理開始の指示信号を受信した場合(ステップS203;Yes)、GPS通信部11を制御して、自身の位置情報を取得する(ステップS204)。
【0059】
続いて、接続調査処理部193は、基地局通信部12が電波を受信している基地局20のうち、基地局IDと送信電波強度の取得を未だ行っていない基地局20が有るか否かを判別する(ステップ205)。
【0060】
基地局IDと送信電波強度を未だ取得してない基地局20が有ると判別した場合(ステップS205;Yes)、接続調査処理部193は、基地局通信部12の基地局ID識別部121と電波強度測定部122とを制御して、この未取得の基地局20の基地局IDと、該基地局20からの受信電波の強度とを取得する(ステップS206)。そして、処理はステップS205に戻り、電波を受信している全ての基地局20に対して、基地局IDと電波強度の取得(ステップS206)が実施される。
【0061】
受信している基地局20全てで取得が完了した場合(ステップS205;No)、接続調査処理部193は、ステップS204で取得した位置情報とステップS206で取得した情報(基地局ID、電波強度)とに、送信元や送信先のアドレス等を含むヘッダ情報を付与してパケット化する(ステップS207)。そして、接続調査処理部193は、作成したパケット化した情報を、調査結果情報として管理サーバ30に送信する(ステップS208)。以下、処理はステップS201に戻り、同様の処理が繰り返される。
【0062】
このように、通信端末装置10において接続調査処理が実施されることにより、所定のタイミングで、受信している基地局20の基地局IDと送信電波強度と通信端末装置10の位置情報とが取得されて管理サーバ30に送信される。
【0063】
続いて、管理サーバ30において実施される処理について説明する。
【0064】
(接続変更通知を受信した際の処理)
始めに、上述した異常電波判別処理で通信端末装置10から送信された接続変更通知を受信した際に、管理サーバ30において実施される処理について、図7を参照して説明する。
【0065】
通信端末装置10から接続変更通知を受信すると、管理サーバ30の制御部33は、基地局DB321を参照して、接続変更通知が示す基地局20が調査対象の基地局20であるか否かを判別する(ステップS301)。具体的には、制御部33は、接続変更通知に含まれる基地局IDをキーに基地局DB321のエントリを検索して、検出したエントリの調査対象フラグがONに設定されている場合に、調査対象の基地局20であると判別する。なお、接続変更通知に複数の基地局IDが含まれている場合には、基地局ID毎に、基地局DB321の対応する調査対象フラグを確認する。
【0066】
調査対象の基地局20でないと判別した場合(ステップS301;No)、当該基地局20に対して以降の処理は行う必要はないため、処理は終了する。
【0067】
調査対象の基地局20であると判別した場合(ステップS301;Yes)、制御部33は、接続変更通知を受信した通信端末装置10に、接続調査処理の開始の指示信号を送信する(ステップS302)。以上で、管理サーバ30での処理は終了する。通信端末装置10では、図6で説明したように、管理サーバ30から接続調査処理開始の指示を受信すると(ステップS203;Yes)、位置情報、基地局ID、および、電波強度を取得して、調査結果情報として管理サーバ30に送信する(ステップS204〜208)。
【0068】
このように、管理サーバ30は、通信端末装置10から接続変更通知を受信すると、該接続変更通知が示す基地局20が調査対象である場合に、通信端末装置10に接続調査処理の開始を指示する。
【0069】
(調査結果情報を受信した際の処理)
続いて、通信端末装置10から送信された調査結果情報を受信した際に管理サーバ30において実施される処理について、図8を参照して説明する。
【0070】
通信端末装置10から調査結果情報を受信すると、管理サーバ30の制御部33は、調査結果情報に含まれる情報を用いて、基地局20から送信されている電波の強度を計算する(ステップS401)。
具体的には、制御部33は、調査結果情報に含まれる基地局IDをキーに基地局DB321を検索して、基地局20の位置情報を取得する。そして、制御部33は、取得した基地局20の位置情報と調査結果情報に含まれる通信端末装置10の位置情報とに基づいて、通信端末装置10と基地局20との間の距離を求める。そして、制御部33は、求めた通信端末10−基地局20間の距離と調査結果情報に含まれる電波強度とに基づいて、基地局20から送信された電波の強度を計算する。例えば、通信端末装置10と基地局20との間の距離をR、通信端末装置10が受信した電波の強度をIc、比例定数Hとすると、基地局20から送信された電波の強度Ibは、Ib=H・Ic・R2等の式で算出することができる。
【0071】
続いて、制御部33は、計算した電波強度が、基地局DB321に記憶されている閾値以上であるか否かを判別する(ステップS402)。なお、この閾値は、調査結果情報に含まれる基地局IDをキーに基地局DB321から取得すればよい。
【0072】
閾値以上でないと判別した場合(ステップS402;No)、調査結果情報が示す基地局20は、正常な強度の電波を出力していることとなる。従って、以降の処理は行う必要がなく、処理は終了する。
【0073】
閾値以上であると判別した場合(ステップS402;Yes)、調査結果情報が示す基地局20は、異常な強度の電波を出力している違法基地局20であることとが分かる。従って、制御部33は、該違法基地局20に対して違法基地局対応処理を行い(ステップS403)、処理は終了する。
【0074】
このように、管理サーバ30は、通信端末装置10より受信した情報に基づいて違法基地局20を判別し、違法基地局20と判別した場合には、その違法基地局20に対応した処理を実施する。
【0075】
(違法基地局対応処理)
図9に、違法基地局対応処理の詳細を示す。
まず、管理サーバ30の制御部33は、基地局DB321を参照して、違法基地局20から所定距離内に配置されている近隣の基地局20を特定する(ステップ501)。
【0076】
続いて、制御部33は、基地局DB321にアクセスして、違法基地局20とその近隣の基地局20の監視対象フラグをONに設定する(ステップS502)。この処理により、違法基地局20とその近隣の基地局20とが調査対象に設定される。
【0077】
続いて、制御部33は、違法基地局20に、送信電波の出力を閾値以下まで下げることを指示する出力低下指示信号を送信する(ステップS503)。出力低下指示信号を受信した違法基地局20は、送信電波の出力を低減させる処理を実施する。
【0078】
続いて、制御部33は、調査結果情報を受信した通信端末装置10に、接続調査処理の開始の指示信号を送信する(ステップS504)。通信端末装置10では、図6で説明したように、管理サーバ30から接続調査処理開始の指示を受信すると(ステップS203;Yes)、位置情報、基地局ID、および、受信電波の強度を取得して、その調査結果情報が管理サーバ30に送信される(ステップS204〜208)。
【0079】
図9に戻り、管理サーバ30の制御部33は、端末装置から調査結果情報を受信すると(ステップS505)、該調査結果情報から送信電波強度を計算する(ステップS506)。なお、この処理は、図8のステップS401の処理と実質的に同一である。
【0080】
続いて、制御部19は、計算した電波強度が、基地局DB321に記憶されている閾値以上であるか否かを判別する(ステップS507)。なお、この処理は、図8のステップS402の処理と実質的に同一である。
【0081】
計算した電波強度が閾値以上でないと判別した場合(ステップS507;NO)、出力低下指示信号の送信(ステップS503)により違法基地局20の送信電波の出力が低減されて正常化したこととなり、違法基地局対応処理は終了する。
【0082】
計算した電波強度が閾値以上であると判別された場合(ステップS507;Yes)、違法基地局20は外部増幅器等を使って電波強度を上げられており十分に強度が下げられない場合や、違法基地局20の故障が考えられる。したがって、制御部33は、当該違法基地局20を故障と見なし、違法基地局20に出力電波停止信号を送信して電波出力の動作を停止させると共に当該違法基地局20からの管理通信以外の通信を遮断する(ステップS508)。以上で、違法基地局対応処理は終了する。
【0083】
このように、違法基地局対応処理により、管理サーバ30は、違法基地局20に対して送信電波の出力を正常化させることができる。また、正常化ができない場合には出力電波の停止の処理がとられる。
【0084】
このように、本実施形態では、通信端末装置10は自発的に異常な電波受信を判別した際、又は管理サーバ30からの指示に応じて、情報(位置情報、基地局ID、電波強度)を取得して管理サーバ30に送信する。そして、管理サーバ30は、通信端末装置10からの情報に基づいて、違法基地局20の有無を確認する。従って、従来の基地局20からの情報に基づいて違法基地局20を判別する場合に比べて、より高い精度で妨害電波やノイズの発生源となる違法基地局20を特定することが可能となる。
また、本実施形態では、通信端末装置10は、常に情報を取得して管理サーバ30に送信するのではなく、異常な電波受信を判別した場合のみ、自発的に情報を測定して管理サーバ30に送信する。従って、通信端末装置10は、不要な処理を省くことができ、消費電力を節約できる。
【0085】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について説明する。
なお、実施形態2の管理サーバ30は、実施形態1と同一の構成、機能を有するため説明を省略し、通信端末装置100について主に説明する。
【0086】
本実施形態の通信端末装置100を図10に示す。通信端末装置100は、実施形態1の通信端末装置10に電池残量検出部194が新たに加えられた構成である。電池残量検出部194は、電源部18の充電池の電池残量を検出する。
【0087】
図11を参照して、本実施形態における接続調査処理について説明する。なお、図11は、図6の処理フローの代替となる。
【0088】
電源部18に電力が入力されると、通信端末装置10の接続調査処理部193は、実施形態1の接続調査処理(図6)におけるステップS201〜S203と同様の処理を行う。そして、ステップS201〜S203の何れかの判別処理でYesと判別された場合、接続調査処理部193は、電池残量検出部194を制御して、電源部18の充電池の電池残量を取得する(ステップS209)。
【0089】
続いて、接続調査処理部193は、取得した電池残量が、所定の閾値以下(例えば10%以下)であるか否かを判別する(ステップS210)。
【0090】
電池残量が閾値以下と判別された場合(ステップS210;NO)、電池残量が十分あるため、各種情報の取得処理から結果情報の送信までの処理(ステップS204〜208)を、実施形態1の場合と同様に行う。
【0091】
電池残量が閾値以下と判別された場合(ステップS210;NO)、以降の各種情報の取得処理から結果情報の送信までの処理(ステップS204〜208)を行った際に電池切れとなってしまい、通信端末装置10が使用できなくなる可能性が高い。よって、処理はステップS201に戻り、ステップS204〜S208の処理は行わない。
【0092】
このように、本実施形態では、通信端末装置100の接続調査処理において、電力を消費する各種情報の取得を行う前に、電池残量を判別し、電池残量が少ない場合には、各種情報の取得を行わない。これにより、通信端末装置10の電池切れを防ぐことが可能となる。
【0093】
(実施形態3)
通常、基地局20から送信される電波は、図12(A)に示すように、指向性を持たない強度分布をみせる。それに対して、電波の出力強度は変えずに、アンテナを指向性のある八木型等に違法に変更した場合の基地局20から送信される電波は、図12(B)に示すように指向性を持った強度分布をみせる。
実施形態1、2では、基地局20から出力される電波の強度が閾値以上の場合に違法基地局20であると判定するため、このような出力電波に指向性のある違法基地局20を検出することができない。実施形態3では、このような違法基地局20を検出可能にすることを特徴とする。
【0094】
本発明の実施形態3について説明する。
なお、実施形態3の通信端末装置10は、実施形態1と同一の構成、機能を有するため説明を省略し、管理サーバ300について主に説明する。
【0095】
本実施形態の管理サーバ300を図13に示す。
管理サーバ30は、実施形態1の管理サーバ30の記憶部13に、電波強度分布蓄積DB322が新たに加えられた構成である。管理サーバ30の制御部33は、通信端末装置10から調査結果情報を受信する度に、該調査結果情報に含まれる通信端末装置10の位置情報と該位置で測定した電波強度との組を電波強度分布蓄積DB322に蓄積記憶する。
【0096】
本実施形態では、管理サーバ300において、定期的に図14に示す指向性異常判別処理が実施される。
【0097】
指向性異常判別処理が開始されると、まず、管理サーバ300の制御部33は、所定サイズ以上の情報が電波強度分布蓄積DB322に記憶されているか否かを判別する(ステップS601)。
【0098】
所定サイズ以上の情報が電波強度分布蓄積DB322に記憶されていない場合(ステップS601;No)、以降の処理は実施せず、指向性異常判別処理は終了する。
【0099】
所定サイズ以上の情報が電波強度分布蓄積DB322に記憶されている場合(ステップS601;Yes)、制御部33は、基地局DB321を参照して、未だ選択していない基地局20を1つ選択する(ステップS602)。そして、制御部33は、電波強度分布蓄積DB322に記憶されている情報に基づいて、選択した基地局20を中心とする所定領域における電波の等強度線を作成する(ステップ603)。
【0100】
そして、制御部33は、作成された等強度線の形に異常が見られるか否かを判別する(ステップS604)。
例えば、等強度線が形成する図形が、円と比べてどれだけ歪んでいるのかを示すパラメータを公知の手法により算出して、その算出値が所定量以上の場合に、異常が見られると判別すればよい。又は、等強度線が形成する図形の重心位置を求め、重心位置が基地局20の位置から所定距離以上離れている場合に、異常が見られると判別してもよい。
【0101】
作成された等強度線の形に異常が見られない場合(ステップS604;No)、基地局20の送信する電波は指向性を有しておらず、正常な基地局20であることがわかる。そして、ステップS606に処理は移る。
【0102】
作成された等強度線の形に異常が見られる場合(ステップS604;Yes)、基地局20の送信する電波は指向性を有しており、違法基地局20であることがわかる。そのため、制御部33は、指向性を有するアンテナ等に差し替えられた疑いが強い違法基地局20であることを検出する(ステップS605)。具体的には、制御部19は、基地局DB321にアクセスして、当該違法基地局20の監視対象フラグをONに設定する、又は、当該違法基地局20が指向性を有していることを管理者にメールで伝えたり、図示せぬ表示部に表示する等の処理を行う。そして、ステップS606に処理は移る。
【0103】
ステップS606で、制御部33は、ステップS602の選択を未だ行っていない基地局20が有るか否かを判別する。未選択の基地局20がある場合(ステップS606;Yes)、処理はステップS602に戻り、ステップS602〜605の一連の処理を繰り返す。
【0104】
未選択の基地局20がない場合(ステップS606;No)、基地局DB321に登録されている全基地局20で指向性を有する電波を出力しているか否かの判別が完了したこととなる。従って、制御部33は、電波強度分布蓄積DB322に蓄積されている情報を消去する(ステップS607)。以上で指向性異常判別処理は終了する。
【0105】
このように、実施形態3では、通信端末装置10から送信された位置データと電波強度との組を複数蓄積し、その蓄積したデータを利用することで、指向性のある電波を出力する違法基地局20を検出することが可能となる。
【0106】
(各実施形態等について共通する説明)
また、上記各実施形態において、通信端末装置10,100の制御部19、および、管理サーバ30,300の制御部33が実行するプログラムは、予め記憶部13,32等に記録されるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上述の処理を実行させるためのプログラムを、既存のPC(パーソナルコンピュータ)に適用することで、上記実施形態に係る通信端末装置10,100、および、管理サーバ30,300として機能させてもよい。
【0107】
また、このようなプログラムの提供方法は任意であり、例えばコンピュータが読取可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)−ROM、DVD(Digital Versatile Disc)−ROM等)に格納して配布してもよいし、インターネット等のネットワーク上のストレージにプログラムを格納しておき、これをダウンロードさせることにより提供してもよい。
【0108】
さらに、上記の処理をOSとアプリケーションプログラムとの分担、又はOSとアプリケーションプログラムとの協働によって実行する場合には、アプリケーションプログラムのみを記録媒体やストレージに格納してもよい。また、搬送波にプログラムを重畳し、ネットワークを介して配信することも可能である。例えば、ネットワーク上の掲示板(BBS:Bulletin Board System)に上記プログラムを掲示し、ネットワークを介してプログラムを配信してもよい。そして、このプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上記の処理を実行できるように通信端末装置10,100、および、管理サーバ30,300を構成してもよい。
【符号の説明】
【0109】
1…無線通信システム、10…通信端末装置、20…基地局、30…管理サーバ、11…GPS通信部、111…GPSアンテナ、12…基地局通信部、121…基地局ID識別部、122…電波強度測定部、123…アンテナ、13…記憶部、14…操作部、15…表示部、16…音声出力部、17…音声入力部、18…電源部、19…制御部、191…サーバ通信部、192…異常電波判別部、193…接続調査処理部、31…通信部、32…記憶部、321…基地局DB、33…制御部、194…電池残量検出部、322…電波強度分布蓄積DB
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局を介して無線通信を行い、ネットワークを介してサーバに接続されている通信端末装置であって、
位置情報を取得する位置情報取得手段と、
電波を受信している基地局の識別情報と該電波の強度とを取得する電波情報取得手段と、
異常な電波の受信を判別する異常電波判別手段と、
前記異常電波判別手段で異常な電波の受信を判別した際に、前記位置情報取得手段と前記電波情報取得手段とを制御して、現在の位置情報と現在電波を受信している基地局の識別情報と該電波の強度とを取得し、前記サーバに送信する制御手段と、
を備えることを特徴とする通信端末装置。
【請求項2】
前記異常電波判別手段は、
複数の基地局から所定の閾値を超えた強度の電波を受信している場合、又は、受信している電波のうちで最大強度の電波を送信している基地局に接続できない場合に異常な電波を受信していると判別する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の通信端末装置。
【請求項3】
電池の残量を検出する電池残量検出手段を更に備え、
前記制御手段は、前記電池残量検出手段によって検出された電池の残量が所定値未満の場合、現在の位置情報と現在電波を受信している基地局の識別情報と該電波の強度との取得、および、残基サーバへの送信を行わない、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の通信端末装置。
【請求項4】
基地局を介して無線通信を行う通信端末装置とネットワークを介して接続されたサーバであって、
調査対象の基地局に前記通信端末装置が接続された場合、該通信端末装置に現在の位置情報と現在電波を受信している基地局の識別情報と該電波の強度とを取得して送信するように指示する指示手段と、
前記指示手段により前記通信端末装置から送信された情報を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した情報に基づいて、異常な強度で電波を出力している違法基地局を判別する違法基地局判別手段と、
を備えることを特徴とするサーバ。
【請求項5】
前記違法基地局判別手段で違法基地局を判別した場合、該違法基地局に出力電波の強度を低減させるための指示を送信する調整手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項4に記載のサーバ。
【請求項6】
前記指示手段により前記通信端末装置から送信された位置情報と電波の強度を示す情報とを対応付けて蓄積記憶する電波強度分布蓄積記憶手段をさらに備え、
前記違法基地局判別手段は、前記電波強度分布蓄積記憶手段に記憶されている情報に基づいて、指向性のある強度分布を示す電波を送信している違法基地局を判別する、
ことを特徴とする請求項4又は5に記載のサーバ。
【請求項7】
基地局を介して無線通信を行い、ネットワークを介してサーバに接続されているコンピュータを、
位置情報を取得する位置情報取得手段、
電波を受信している基地局の識別情報と該電波の強度とを取得する電波情報取得手段、
異常な電波の受信を判別する異常電波判別手段、
前記異常電波判別手段で異常な電波の受信を判別した際に、前記位置情報取得手段と前記電波情報取得手段とを制御して、現在の位置情報と現在電波を受信している基地局の識別情報と該電波の強度とを取得し、前記サーバに送信する制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
基地局を介して無線通信を行う通信端末装置とネットワークを介して接続されたコンピュータを、
調査対象の基地局に前記通信端末装置が接続された場合、該通信端末装置に現在の位置情報と現在電波を受信している基地局の識別情報と該電波の強度とを取得して送信するように指示する指示手段、
前記指示手段により前記通信端末装置から送信された情報を受信する受信手段、
前記受信手段で受信した情報に基づいて、異常な強度で電波を出力している違法基地局を判別する違法基地局判別手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
基地局を介して無線通信を行い、ネットワークを介してサーバに接続されている通信端末装置であって、
位置情報を取得する位置情報取得手段と、
電波を受信している基地局の識別情報と該電波の強度とを取得する電波情報取得手段と、
異常な電波の受信を判別する異常電波判別手段と、
前記異常電波判別手段で異常な電波の受信を判別した際に、前記位置情報取得手段と前記電波情報取得手段とを制御して、現在の位置情報と現在電波を受信している基地局の識別情報と該電波の強度とを取得し、前記サーバに送信する制御手段と、
を備えることを特徴とする通信端末装置。
【請求項2】
前記異常電波判別手段は、
複数の基地局から所定の閾値を超えた強度の電波を受信している場合、又は、受信している電波のうちで最大強度の電波を送信している基地局に接続できない場合に異常な電波を受信していると判別する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の通信端末装置。
【請求項3】
電池の残量を検出する電池残量検出手段を更に備え、
前記制御手段は、前記電池残量検出手段によって検出された電池の残量が所定値未満の場合、現在の位置情報と現在電波を受信している基地局の識別情報と該電波の強度との取得、および、残基サーバへの送信を行わない、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の通信端末装置。
【請求項4】
基地局を介して無線通信を行う通信端末装置とネットワークを介して接続されたサーバであって、
調査対象の基地局に前記通信端末装置が接続された場合、該通信端末装置に現在の位置情報と現在電波を受信している基地局の識別情報と該電波の強度とを取得して送信するように指示する指示手段と、
前記指示手段により前記通信端末装置から送信された情報を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した情報に基づいて、異常な強度で電波を出力している違法基地局を判別する違法基地局判別手段と、
を備えることを特徴とするサーバ。
【請求項5】
前記違法基地局判別手段で違法基地局を判別した場合、該違法基地局に出力電波の強度を低減させるための指示を送信する調整手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項4に記載のサーバ。
【請求項6】
前記指示手段により前記通信端末装置から送信された位置情報と電波の強度を示す情報とを対応付けて蓄積記憶する電波強度分布蓄積記憶手段をさらに備え、
前記違法基地局判別手段は、前記電波強度分布蓄積記憶手段に記憶されている情報に基づいて、指向性のある強度分布を示す電波を送信している違法基地局を判別する、
ことを特徴とする請求項4又は5に記載のサーバ。
【請求項7】
基地局を介して無線通信を行い、ネットワークを介してサーバに接続されているコンピュータを、
位置情報を取得する位置情報取得手段、
電波を受信している基地局の識別情報と該電波の強度とを取得する電波情報取得手段、
異常な電波の受信を判別する異常電波判別手段、
前記異常電波判別手段で異常な電波の受信を判別した際に、前記位置情報取得手段と前記電波情報取得手段とを制御して、現在の位置情報と現在電波を受信している基地局の識別情報と該電波の強度とを取得し、前記サーバに送信する制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
基地局を介して無線通信を行う通信端末装置とネットワークを介して接続されたコンピュータを、
調査対象の基地局に前記通信端末装置が接続された場合、該通信端末装置に現在の位置情報と現在電波を受信している基地局の識別情報と該電波の強度とを取得して送信するように指示する指示手段、
前記指示手段により前記通信端末装置から送信された情報を受信する受信手段、
前記受信手段で受信した情報に基づいて、異常な強度で電波を出力している違法基地局を判別する違法基地局判別手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
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【図4】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−23949(P2011−23949A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−166779(P2009−166779)
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】
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