説明

通信端末装置

【課題】 定期送信又は時刻指定送信の開始日時をリモート診断装置によるリモート診断で更新可能な通信端末装置を提供する。
【解決手段】 リモート診断装置22によりPSTN(ネットワーク)21を介してリモート診断が行われる通信端末装置1であって、基準日時、定期送信又は時刻指定送信の開始日時、及び基準日時から開始日時までの時間を記憶する記憶手段と、この記憶手段により記憶された開始日時を、リモート診断時にリモート診断装置22により送信された開始日時に更新する開始日時更新手段と、記憶手段により記憶された基準日時から、開始日時更新手段により更新された開始日時までの時間を算出する算出手段と、記憶手段により記憶された基準日時から開始日時までの時間を、算出手段により算出された時間に更新する時間更新手段と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リモート診断装置によりネットワークを介してリモート診断が行われる通信端末装置に関し、より詳しくは、定期送信又は時刻指定送信を実行可能な通信端末装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の技術としては、読取部、記録部、及び電話回線接続部を有する本体部と、ネットワーク制御部とを備えた画像通信装置であって、前記本体部の制御プログラム及び前記ネットワーク制御部の制御プログラムをネットワークを介して受信し、受信した各制御プログラムにより前記本体部の制御プログラム及び前記ネットワーク制御部の制御プログラムを書き換えるための書換手段を設けたことを特徴とする画像通信装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2002−288065号公報(請求項1等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような従来の画像通信装置では、通信装置メーカーのサービスセンター等に設置されたリモート診断装置がネットワークを介してリモート診断を行うことにより、制御プログラムが更新される。しかし、機器設定情報のリモート診断装置への送信(レポート送信)等を定期的に行う定期送信の開始日時や、読取部により読み取られた原稿の画像データ等の送信を指定日時に行う時刻指定送信の開始日時は、画像通信装置の操作部による操作でしか更新できず、リモート診断装置によるリモート診断では更新できないという問題点がある。
【0004】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、定期送信又は時刻指定送信の開始日時をリモート診断装置によるリモート診断で更新可能な通信端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための請求項1の発明は、リモート診断装置によりネットワークを介してリモート診断が行われる通信端末装置であって、基準日時、定期送信又は時刻指定送信の開始日時、及び前記基準日時から前記開始日時までの時間を記憶する記憶手段と、この記憶手段により記憶された前記開始日時を、前記リモート診断時に前記リモート診断装置により送信された開始日時に更新する開始日時更新手段と、前記記憶手段により記憶された基準日時から、前記開始日時更新手段により更新された前記開始日時までの時間を算出する算出手段と、前記記憶手段により記憶された基準日時から前記開始日時までの時間を、前記算出手段により算出された時間に更新する時間更新手段と、を備えたものである。
【0006】
請求項2の発明は、前記算出手段が、前記リモート診断後に、前記記憶手段により記憶された基準日時から、前記開始日時更新手段により更新された前記開始日時までの時間を算出するものである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、定期送信又は時刻指定送信の開始日時をリモート診断装置によるリモート診断で更新できると共に、基準日時から更新後の開始日時までの時間への更新が自動的に実行される。
【0008】
請求項2の発明によれば、リモート診断装置によるリモート診断後に基準日時から更新後の開始日時までの時間が算出されるので、その算出や算出された時間への更新に伴う負荷がリモート診断中に通信端末装置に対してかかるのを回避でき、そのためリモート診断中に通信エラーが発生するのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態に係る通信端末装置1は、図1に示すように、主な構成要素として、制御部2、フラッシュメモリ3、RAM(random access memory、随時書き込み読み出しメモリ)4、画像メモリ5、コーデック(CODEC)6、モデム7、NCU(network control unit、回線網制御装置)8、LAN(local area network、構内情報通信網)インターフェース(LAN I/F)9、時計部10、記録部11、読取部12、操作部13、及び表示部14を備えたものであり、各構成要素はバス15を介して互いに通信可能に接続されている。
【0010】
NCU8は、ネットワークとしてのPSTN(public switched telephone network、公衆電話交換網)21に接続されており、電話回線を制御して電話をかけたり切ったりする。PSTN21には、通信端末装置1と同様に構成されたリモート診断装置22が接続されている。
【0011】
モデム7は、ITU−T(国際電気通信連合−電気通信標準化部門)勧告のV.34手順やG3(group 3)手順(ITU−T勧告のT.30手順)等に従った送信データの変調及び受信データの復調を行う。
【0012】
LANインターフェース9は、LAN(ネットワーク)23及びインターネット(ネットワーク)24に接続されている。LAN23は、インターネット24に接続されている。
【0013】
フラッシュメモリ3は、各構成要素の動作を制御するための制御プログラムや内部処理用の基準日時等を記憶している。制御プログラムや基準日時等を記憶する記憶手段は、フラッシュメモリ3の他、ROM(read only memory、読み出し専用メモリ)やHDD(hard disk drive)等であってもよい。
【0014】
制御部2は、CPU(central processing unit、中央処理装置)等で構成されており、フラッシュメモリ3上の制御プログラム等に従って各構成要素の動作を制御する。
【0015】
RAM4は、定期送信又は時刻指定送信の開始日時、基準日時から前記開始日時までの時間、及び機器設定情報等、通信端末装置1に関する各種の情報を一時的に記憶する。
【0016】
読取部12は、原稿の画像を画像データとして読み取る。画像メモリ5は、読み取られた画像データを一時的に記憶する。記録部11は、記憶された画像データ等を電子写真方式等により記録用紙に印刷する。このように、通信端末装置1は、原稿の画像を画像データとして読み取る読取手段、この読取手段により読み取られた画像データを記憶する画像データ記憶手段、及びこの画像データ記憶手段により記憶された画像データを記録用紙に印刷する記録手段を備えている。
【0017】
表示部14は、操作部13等に併設されたLCD(liquid crystal display、液晶ディスプレイ)等で構成されており、各種の情報を表示する。操作部13は、選択キーや入力キー等、各種の操作をするための操作キー等を備えている。通信端末装置1に対するユーザによる各種の操作は、この操作部13を通じて行われる。なお、表示部14をタッチパネルとしておき、このタッチパネルとしての表示部14が操作部13としても機能するように構成してもよい。
【0018】
コーデック6は、読み取られた画像データを送信等のためにMH(modified Huffman)方式、MR(modified read)方式、MMR(modified modified read)方式等により符号化したり、受信した画像データを復号化したりする。
【0019】
リモート診断装置22は、PSTN21を介して、RAM4上の前記開始日時や機器設定情報等の情報を読み出して自身の図示しない表示部に表示させたり、自身の図示しない操作部により入力された新たな情報に更新したりするリモート診断を行うが、LAN23やインターネット24等の適宜のネットワークを介してリモート診断を行うように構成してもよい。
【0020】
なお、ここでいう定期送信とは、RAM4上の機器設定情報のリモート診断装置22へのファクス送信又はインターネットファクス送信(レポート送信)等を定期的に行うことをいう。時刻指定送信とは、読取部12により読み取られた原稿の画像データ等のファクス送信又はインターネットファクス送信を指定日時に行うことをいう。
【0021】
時計部10は、現在日時を示すと共に、基準日時から現在日時までの内部処理用の時間を示す。前記開始日時は、操作部13又はリモート診断装置22の図示しない操作部等により入力される。基準日時から前記開始日時までの時間は、フラッシュメモリ3等の記憶手段により記憶された計算式に基づいて制御部2により算出される。定期送信又は時刻指定送信は、時計部10により示される基準日時から現在日時までの時間が、基準日時から前記開始日時までの時間に達した場合に実行される。
【0022】
上記のように構成された通信端末装置1は、ファクス通信機やインターネットファクス通信機の他、コピー機、ネットワークプリンタ、及びネットワークスキャナのうちの少なくともいずれかとしても機能する複合機等であってもよい。
【0023】
次に、基準日時から前記開始日時までの時間の更新処理の一例を図2に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、この処理は、フラッシュメモリ3上の制御プログラム等に基づいて制御部2が発行する命令に従って行われる。
【0024】
この処理において、外部装置との通信が終了し(ステップS1でYES)、リモート診断装置22によりリモート診断が行われており(ステップS2でYES)、かつ、定期送信又は時刻指定送信の開始日時が更新された場合は(ステップS3でYES)、基準日時から更新後の開始日時までの時間が算出される(ステップS4)。ステップS1で外部装置との通信が終了していない場合は(ステップS1でNO)、ステップS1に戻る。
【0025】
外部装置としては、PSTN21、LAN23、インターネット24等のネットワークに接続された図示しない通信端末装置、ネットワークに接続されたリモート診断装置22等が挙げられる。この外部装置との通信としては、ファクス通信、インターネットファクス通信、リモート診断装置22によるリモート診断等のデータ通信等が挙げられる。
【0026】
そして、基準日時から前記開始日時までの時間が、算出された時間に更新されれば(ステップS5)、処理が終了する。ステップS2でリモート診断が行われていない場合(ステップS2でNO)や、ステップS3で前記開始日時が更新されていない場合(ステップS3でNO)も、処理が終了する。
【0027】
上記のように構成された通信端末装置1によれば、前記開始日時をリモート診断装置22によるリモート診断で更新できると共に、基準日時から更新後の開始日時までの時間への更新が自動的に実行されるという利点がある。
【0028】
なお、基準日時から更新後の開始日時までの時間の算出や算出された時間への更新は、リモート診断装置22とのデータ通信中であるリモート診断中に実行されるように構成してもよいが、図2のようにリモート診断装置22とのデータ通信終了後であるリモート診断後に実行されるように構成しておけば、上記の算出や更新に伴う負荷がリモート診断中に通信端末装置1に対してかかるのを回避できるので、リモート診断中に通信エラーが発生するのを防止できるという利点がある。
【産業上の利用可能性】
【0029】
以上のように、本発明に係る通信端末装置は、定期送信又は時刻指定送信の開始日時をリモート診断装置によるリモート診断で更新できるようにするのに適している。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】実施形態に係る通信端末装置の構成例を示すブロック図。
【図2】基準日時から定期送信又は時刻指定送信の開始日時までの時間の更新処理の一例を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0031】
1 通信端末装置
2 制御部
3 フラッシュメモリ
4 RAM
5 画像メモリ
6 コーデック
7 モデム
8 NCU
9 LANインターフェース
10 時計部
21 PSTN(ネットワーク)
22 リモート診断装置
23 LAN(ネットワーク)
24 インターネット(ネットワーク)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リモート診断装置によりネットワークを介してリモート診断が行われる通信端末装置であって、
基準日時、定期送信又は時刻指定送信の開始日時、及び前記基準日時から前記開始日時までの時間を記憶する記憶手段と、
この記憶手段により記憶された前記開始日時を、前記リモート診断時に前記リモート診断装置により送信された開始日時に更新する開始日時更新手段と、
前記記憶手段により記憶された基準日時から、前記開始日時更新手段により更新された前記開始日時までの時間を算出する算出手段と、
前記記憶手段により記憶された基準日時から前記開始日時までの時間を、前記算出手段により算出された時間に更新する時間更新手段と、
を備えたことを特徴とする通信端末装置。
【請求項2】
前記算出手段は、前記リモート診断後に、前記記憶手段により記憶された基準日時から、前記開始日時更新手段により更新された前記開始日時までの時間を算出することを特徴とする請求項1記載の通信端末装置。

【図1】
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【図2】
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