説明

通信管理装置、通信管理方法

【課題】スペクトラムの使用効率を向上しかつシステム間でのスペクトラム使用の公平を図ることができる通信管理装置および方法を提供すること。
【解決手段】第1、第2のサービス領域の情報を第1、第2のマスター無線機からそれぞれ収集し、第1、第2のスレーブ無線機が、第1、第2のサービス領域内にいくつありいずれの方向にあり妨害を受けているか否かを示す第1、第2の状況情報を第1、第2のマスター無線機にそれぞれ生成するように命じ、第1、第2の状況情報および第1、第2のサービス領域に基づいて、第1、第2のサービス領域の重なりで妨害を受けている被妨害スレーブ無線機およびその属するネットワークを特定し、被妨害スレーブ無線機がすべて一方のネットワークに属する場合に、他方のネットワークのマスター無線機に対して、そのスレーブ無線機との間の通信をアンテナ指向性を利かせた通信で行うように命ずる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線システムどうしの共存を図るための通信管理装置および方法に係り、特に、ビームフォーミングなどのアンテナ指向性変更が可能な無線機器を含む無線システムで使用できる通信管理装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の無線ネットワークが重なる無線通信環境では、ひとつのネットワークの装置が別のネットワークの装置に妨害を与える可能性がある。妨害を避けるため、FDMA(周波数分割多元接続)、TDMA(時分割多元接続)、電力制御などの制御手法が存在する。これらの方法を使えば妨害を回避または軽減することができるが、同時にシステム資源の一部を別のシステムに渡すことになる。よって、システムとしてスループットが低下する。
【0003】
一方、ビームフォーミングに基づく共存のアルゴリズムによれば、同様の課題を空間的な制御により解決する。システムのスループットは影響を受けず、むしろ、高利得で方向を限定した通信を行うため、スループットは増加する。
【0004】
複数の無線ネットワークが、TVホワイトスペース(TVWS)周波数帯域で動作する異種のコグニティブ無線システムである場合について、さらに説明する。
【0005】
無線通信において、スペクトラムは非常に限られた資源である。FCC(米連邦通信委員会)の測定では、多くの免許周波数帯で、時間として90%が利用されないままになっていることが示されている(文献1:FCC Spectrum Policy Task Force, “Report of the Spectrum Efficiency Working Group”, Nov. 2002, http://www.fcc.gov/sptf/files/SEWGFinalReport_1.pdf.)。このことは、無線システムに、一時的に不使用のスペクトラムを検出して使用する好機を提供する。このような機会の利用を可能にするためには、2つの必要条件が満たされる必要がある。1)無線システムが、一時的に不使用のスペクトラム部分を検出し使用する能力をもつ。2)無線規則が、無線システムに、その一時的に不使用のスペクトラム部分で動作することを許可する。
【0006】
第1の必要条件は、現状の無線通信技術、特にコグニティブ無線システムを使うことで満足され得る。コグニティブ無線システムは、“システムに、その動作環境および地理的環境についての知識と、確立された通信手順についての知識と、内部状態についての知識とを取得せしめ、あらかじめ定められた目的を達成するために、その動作パラメータとプロトコルとをその取得された知識に従い動的にかつ自律的に変化せしめ、そして得られた結果から学習を行わせる技術を採用した無線システム”と定義される(文献2:Definitions of Software Defined Radio (SDR) and Cognitive Radio System (CRS), Report ITU-R SM.2152, September 2009.)。
【0007】
上記定義から分かるように、コブニティブ無線システムは動作環境についての知識を得ることができる。このことは、一時的に使用されていない、免許周波数帯の部分について知識を得ることを含む。また、このことは、確立された通信手順、すなわち、これらの一時的に不使用のスペクトラム部分で動作するために従わなければならない無線規則についての知識を得ることを含む。
【0008】
コグニティブ無線システムは、また、その動作パラメータおよびプロトコルを動的にかつ自律的に調整することができる。このことは、以下の動作パラメータ、すなわち、送信電力、動作周波数と帯域幅、変調タイプ、無線アクセス技術、を変化させる能力を含む。動作パラメータのこのリストは、コグニティブ無線システムが、検知された不使用スペクトラムを利用することに融通性高くかつ効率的に順応し得ることを意味する。
【0009】
第2の必要条件は、現在、いくつかの国で満足されている。“TV放送帯における免許外動作事項における第2の報告と命令”がFCCによって2008年11月に発行された(文献3:FCC 08-260, “Second Report and Order in the Matter of Unlicensed Operation in the TV Broadcast Bands”, Nov. 14, 2008.)。米国市場を統制するこの文書は、可搬性のデバイスのため、TVホワイトスペースにおける二次的な動作を容認する。現状、ほかの国々、例えば、イギリス、カナダ、シンガポール、欧州のいくつかの国が同様の法制化を考慮中である。
【0010】
無線規則がコグニティブ無線システムに一時的不使用のこれらの周波数帯部分で動作することを容認している周波数帯は、典型的に、“ホワイトスペース周波数帯”と呼ばれる。ここで、“ホワイトスペース”という言葉は、一時的不使用の周波数帯部分を言っている。これらの周波数帯が割り当てられる無線システムは、“一次的無線システム”あるいは“一次ユーザ”と呼ばれる。これらの周波数帯のホワイトスペースで動作するコグニティブ無線システムは“二次的無線システム”または“二次ユーザ”と呼ばれる。米国無線規則(文献3)を例として用いて、TV放送システムは一次ユーザである一方、コグニティブ無線システムは二次ユーザである。この例において、ホワイトスペース周波数帯は、TV周波数帯におけるいくつかのチャンネルに制限されている。
【0011】
ホワイトスペース周波数帯で動作するコグニティブ無線システムは、免許帯で動作する無線システムの通常の機能性(ユーザトラフィックの受け渡し)に加えて、2つの付加的な機能、すなわち、1)一次ユーザ保護機能、2)ほかの2次ユーザとの共存機能、を持つ必要がある。
【0012】
第1の機能は、無線規則で要求され、典型的に義務的である。理由は、コグニティブ無線システムは二次ユーザとして動作するものであり、二次ユーザは、ホワイトスペース周波数帯の一時的不使用の部分(ホワイトスペース)でのみ動作が許されているからである。
【0013】
第1に、コグニティブ無線システムは、ホワイトスペースを検出でき、そして、このスペクトラム部分が、与えられた場所、与えられた時間においてどの一次ユーザの動作にも必要とされないと保証できる能力をもつ必要がある。これは、種々の方法でなされ得、典型的には、ホワイトスペースデータベースへのアクセスとスペクトラムセンシングとの組み合わせによってなされる。
【0014】
すなわち、動作を始める前に、コグニティブ無線システムは、ホワイトスペースデータベースに、例えばインターネット接続を用いアクセスする。コグニティブ無線システムは、ホワイトスペースデータベースに要求を送る。ホワイトスペースデータベースにおいては、このような要求はそのコグニティブ無線システムの位置の提示になる。ホワイトスペースデータベースは、そのコグニティブ無線システムに、このコグニティブ無線システムのその位置で、現状不使用のスペクトラム部分(ホワイトスペース)を示す応答を返す。ホワイトスペースデータベースから応答を受けたあと、コグニティブ無線システムは、ホワイトスペースデータベースによって示されたホワイトスペースのいずれかでの動作開始を決定できる。しかしながら、動作を始める前に、コグニティブ無線システムは、典型的には、動作を始めようとするそのホワイトスペースでスペクトラムセンシングを行う。仮にスペクトラムセンシングの結果が、どの一次ユーザもこれらのホワイトスペースに検出されないことを示すなら、コグニティブ無線システムはこれらのホワイトスペースでの動作開始を許されることになる。
【0015】
第2に、コグニティブ無線システムは、その動作のため使うホワイトスペースにおける一次ユーザの動作を検出できる必要がある。仮に一次ユーザがホワイトスペースで検出されたら、コグニティブ無線システムは、そのホワイトスペースでのその動作を直ちにやめる必要がある。この一次ユーザ検出もまた、典型的に、ホワイトスペースデータベースへのアクセスとスペクトラムセンシングとの組み合わせによりなされる。コグニティブ無線システムは、時間を置いてホワイトスペースデータベースにアクセスし、時間を置いてスペクトラムセンシングを行う。
【0016】
第2の機能、すなわち、ほかのコグニティブ無線システムとの共存は、無線規則では要求されない。この機能を持つ理由は、以下である。ホワイトスペースは、ひとつの特定のコグニティブ無線システムに排他的に割り当てられていない。一次ユーザ保護のための無線規則を満足するどのコグニティブ無線システムもホワイトスペースを使うことができる。その結果、1つ以上のコグニティブ無線システムがその動作のため同じホワイトスペースを選択できる。このような場合、同じホワイトスペースで動作するいくつかのコグニティブ無線システムは、パフォーマンス低下やあるいは動作継続不能にさえ至る、互いへの妨害を発生する可能性がある。コグニティブ無線システムにこのような状況を回避させる仕組みは、“共存の仕組み”と呼ばれる。
【0017】
共存の仕組みは、2つのグループ、すなわち、1)同種のコグニティブ無線システム間での共存の仕組み、2)異種のコグニティブ無線システム間での共存の仕組み、にカテゴリー化され得る。
【0018】
第1グループの共存の仕組みは、“自己共存の仕組み”とも呼ばれる、同種のコグニティブ無線システム間での共存の仕組みである。同種のコグニティブ無線システムは、同じ無線通信規格に従い動作するコグニティブ無線システムを意味する。ホワイトスペース周波数帯で動作が可能な無線システムを定義する無線通信規格の例は、IEEE 802.22、IEEE 802.11af、ECMA 392である。典型的には、自己共存の仕組みは、無線通信規格に組み入れられ、この結果、この規格に従い動作するコグニティブ無線システムで使用され得る。
【0019】
特許文献1は、フレーム中の自己共存窓部分に基づき、そして共存ビーコンプロトコルに基づき、IEEE802.22無線システムの、異なる基地局の共存を可能にする方法を記載する。
【0020】
特許文献2は、送信電力制御、動的な周波数選択、およびオンデマンドスペクトラムコンテンションを組み合わせて、異なるIEEE802.22基地局の共存を可能にする方法を記載する。この方法は、協調的な共存方法を実現する。異なる基地局が、ブリッジカスタマプレミス機器を介してまたはバックホール接続を介して、互いの共存のため必要とされる情報の交換を行う。
【0021】
自己共存の仕組みは、同じ無線通信規格に従い動作するコグニティブ無線システムでの、共存の課題を解決する種々の仕組みを提供する。しかしながら、このような仕組みは、異なる無線通信規格に従い動作するコグニティブ無線システムでの、その共存の課題を解決するためには使用され得ない。
【0022】
特許文献3は、分け与えられた周波数帯における異種の無線デバイス(異なる通信規格に従いトラフィックを送受する無線デバイス)の共存を可能にするシステムと方法を記載する。この方法は、次の5つのステップを有する。1)分け与えられた周波数帯における無線周波数エネルギを監視する。2)パフォーマンスに劣化があるときを決定する。3)この劣化が妨害信号で引き起こされるかどうか決定する。4)監視結果に基づき、妨害信号を分類する。5)いかにして劣化を小さくすることに順応するかの勧告を発する。このシステムは、無線デバイスとこの無線デバイスに結合された計算デバイスとを有する。
【0023】
特許文献3の方法およびシステムは、すなわち、非協調/自律的な共存解決を実現する。このことは、コグニティブ無線システムのそれぞれは、共存の課題をいかに解決するかについて独立した決定を下すことを意味する。
【0024】
特許文献4は、免許されていない帯域での異なる無線システム(異なる通信規格に従うトラフィックの送受を行う無線システム)の共存を可能にする方法を記載する。この方法は、異なる無線システムが同じ分け与えられた放送チャンネルを使用して、互いの共存に必要な情報を交換し、協調的な共存解決を可能にする。このような情報には、搬送周波数、帯域幅、特定の無線システムによるトラフィック送信で使われる通信規格、デューティーサイクル、送信電力などを含めることができる。この情報が一方の無線システムで利用されることで、他方の無線システムからの(への)妨害を小さくする。
【0025】
特許文献4の方法は、つまり、協調的共存解決を実現する。それは、自律的共存解決のみを実現する特許文献3の方法より、よい結果を得る。しかしながら、特許文献4の方法は、次の不利益がある。すなわち、共存に必要な情報を交換するため使用される、分け与えられた放送チャンネルは、幾分かのスペクトラムを消費する。それは、ユーザのトラフィック送信に使用できるものである。また、そのようなスペクトラムは、いつも使えるわけではない。さらに、特許文献4の方法は、すべてのコグニティブ無線システムが、その分け与えられた放送チャンネルのフォーマットをサポートできるソフトウエアおよびハードウエアをもつ必要がある。それは、コグニティブ無線システムにおける無線機器のコスト増の結果を招く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0026】
【特許文献1】米国特許出願公開2010/0008297号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開2008/0089279号明細書
【特許文献3】米国特許第7424268号明細書
【特許文献4】米国特許第7480490号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
本発明は、無線システムどうしの共存を図るための通信管理装置および方法において、スペクトラムの使用効率を向上しかつシステム間でのスペクトラム使用の公平を図ることができる通信管理装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0028】
上記の課題を解決するため、本発明の一態様である通信管理装置は、第1のネットワークに属する第1のマスター無線機によるサービス領域である第1のサービス領域の情報を少なくとも含む第1の構成情報を前記第1のマスター無線機から、かつ、第2のネットワークに属する第2のマスター無線機によるサービス領域である第2のサービス領域の情報を少なくとも含む第2の構成情報を前記第2のマスター無線機から収集する手段と、前記第1のネットワークに属するスレーブ無線機である第1のスレーブ無線機が、前記第1のサービス領域内にいくつありかつそれらがいずれの方向にありかつそれらが妨害を受けているか否かを示す情報である第1の状況情報を前記第1のマスター無線機に調査、生成するように命ずる手段と、前記第2のネットワークに属するスレーブ無線機である第2のスレーブ無線機が、前記第2のサービス領域内にいくつありかつそれらがいずれの方向にありかつそれらが妨害を受けているか否かを示す情報である第2の状況情報を前記第2のマスター無線機に調査、生成するように命ずる手段と、前記第1のマスター無線機から前記第1の状況情報を、かつ、前記第2のマスター無線機から前記第2の状況情報を収集する手段と、前記第1および第2の状況情報ならびに前記第1および第2のサービス領域に基づいて、前記第1のサービス領域と前記第2のサービス領域との重なりに位置して妨害を受けているスレーブ無線機である被妨害スレーブ無線機と、該被妨害スレーブ無線機が属するネットワークである被妨害ネットワークとを特定する手段と、前記被妨害スレーブ無線機がすべて前記第1、第2のネットワークのうちの一方のネットワークに属する場合に、該一方のネットワークとは異なる側のネットワークに属するマスター無線機に対して、該マスター無線機と該マスター無線機が属するネットワークに属するスレーブ無線機との間の通信をアンテナ指向性を利かせた通信で行うように命ずる手段とを具備することを特徴とする。
【0029】
すなわち、この通信管理装置は、第1、第2のネットワークを管理、管轄する装置であり、それらのサービス領域である第1、第2のサービス領域に重なりが存在する場合に、相互の妨害を除去すべく対応することができる。第1のネットワークは、第1のマスター無線機(例えば基地局、マスター無線機につき以下同)と第1のスレーブ無線機(例えば端末、スレーブ無線機につき以下同)とを有し、第2のネットワークは、第2のマスター無線機と第2のスレーブ無線機とを有する。
【0030】
まず、第1のサービス領域の情報を少なくとも含む第1の構成情報を第1のマスター無線機から、かつ、第2のサービス領域の情報を少なくとも含む第2の構成情報を第2のマスター無線機から収集する。次に、第1のスレーブ無線機が、第1のサービス領域内にいくつありかつそれらがいずれの方向にありかつそれらが妨害を受けているか否かを示す情報である第1の状況情報を第1のマスター無線機に調査、生成するように命ずる。また、第2のスレーブ無線機が、第2のサービス領域内にいくつありかつそれらがいずれの方向にありかつそれらが妨害を受けているか否かを示す情報である第2の状況情報を第2のマスター無線機に調査、生成するように命ずる。そして、第1のマスター無線機から第1の状況情報を、かつ、第2のマスター無線機から第2の状況情報を収集する。
【0031】
次に、第1、第2の状況情報および第1、第2のサービス領域に基づいて、第1のサービス領域と第2のサービス領域との重なりに位置して妨害を受けているスレーブ無線機である被妨害スレーブ無線機と、該被妨害スレーブ無線機が属するネットワークである被妨害ネットワークとを特定する。そして、被妨害スレーブ無線機がすべて第1、第2のネットワークのうちの一方のネットワークに属する場合に、該一方のネットワークとは異なる側のネットワークに属するマスター無線機に対して、該マスター無線機と該マスター無線機が属するネットワークに属するスレーブ無線機との間の通信をアンテナ指向性を利かせた通信で行うように命ずる。
【0032】
したがって、被妨害スレーブ無線機では、その属さない側のネットワークからの妨害が回避されまたは軽減される。これにより、結果として、第1、第2のネットワーク間のスペクトラムの使用効率を向上しかつシステム間でのスペクトラム使用の公平を図ることができる。
【0033】
また、本発明の別の態様である通信管理装置は、第1のネットワークに属する第1のマスター無線機によるサービス領域である第1のサービス領域の情報を少なくとも含む第1の構成情報を前記第1のマスター無線機から収集する手段と、前記第1のサービス領域と重なりがあるサービス領域である第2のサービス領域をもつことを条件とする第2のマスター無線機が存在するか否か、および該第2のマスター無線機が属するネットワークを管理する管理装置の所在をネットワーク登録サーバに問い合わせる手段と、前記管理装置と通じて、前記第2のサービス領域の情報を少なくとも含む第2の構成情報を前記第2のマスター無線機から、前記管理装置を経由して収集する手段と、前記第1のネットワークに属するスレーブ無線機である第1のスレーブ無線機が、前記第1のサービス領域内にいくつありかつそれらがいずれの方向にありかつそれらが妨害を受けているか否かを示す情報である第1の状況情報を前記第1のマスター無線機に調査、生成するように命ずる手段と、前記第1のマスター無線機から前記第1の状況情報を収集する手段と、前記管理装置と通じて、前記第2のネットワークに属するスレーブ無線機である第2のスレーブ無線機が、前記第2のサービス領域内にいくつありかつそれらがいずれの方向にありかつそれらが妨害を受けているか否かを示す情報である第2の状況情報を、前記第2のマスター無線機および前記管理装置を経由して収集する手段と、前記第1および第2の状況情報ならびに前記第1および第2のサービス領域に基づいて、前記第1のサービス領域と前記第2のサービス領域との重なりに位置して妨害を受けているスレーブ無線機である被妨害スレーブ無線機と、該被妨害スレーブ無線機が属するネットワークである被妨害ネットワークとを特定する手段と、前記被妨害スレーブ無線機がすべて前記第1のネットワークに属する場合に、前記管理装置に対して、前記第2のマスター無線機と前記第2のスレーブ無線機との間の通信をアンテナ指向性を利かせた通信で行わせるように、要求する手段とを具備することを特徴とする。
【0034】
この通信管理装置は、第1のネットワークを管理、管轄する装置である。そして、この第1のネットワークと、これとは異なる第2のネットワークとの間でそれらのサービス領域である第1、第2のサービス領域に重なりが存在する場合に、相互の妨害を除去すべく対応することができる。第1のネットワークは、第1のマスター無線機と第1のスレーブ無線機とを有し、第2のネットワークは、管理装置の下に、第2のマスター無線機と第2のスレーブ無線機とを有する。
【0035】
まず、第1のサービス領域の情報を少なくとも含む第1の構成情報を第1のマスター無線機から収集する。また、第1のサービス領域と重なりがある第2のサービス領域をもつことを条件とする第2のマスター無線機が存在するか否か、および該第2のマスター無線機が属するネットワークを管理する管理装置の所在をネットワーク登録サーバに問い合わせる。そして、その管理装置と通じて、第2のサービス領域の情報を少なくとも含む第2の構成情報を第2のマスター無線機から、管理装置を経由して収集する。
【0036】
次に、第1のスレーブ無線機が、第1のサービス領域内にいくつありかつそれらがいずれの方向にありかつそれらが妨害を受けているか否かを示す情報である第1の状況情報を第1のマスター無線機に調査、生成するように命ずる。そして、第1のマスター無線機から第1の状況情報を収集する。また、管理装置と通じて、第2のスレーブ無線機が、第2のサービス領域内にいくつありかつそれらがいずれの方向にありかつそれらが妨害を受けているか否かを示す情報である第2の状況情報を、第2のマスター無線機および管理装置を経由して収集する。
【0037】
続いて、第1、第2の状況情報および第1、第2のサービス領域に基づいて、第1のサービス領域と第2のサービス領域との重なりに位置して妨害を受けているスレーブ無線機である被妨害スレーブ無線機と、該被妨害スレーブ無線機が属するネットワークである被妨害ネットワークとを特定する。そして、被妨害スレーブ無線機がすべて第1のネットワークに属する場合に、管理装置に対して、第2のマスター無線機と第2のスレーブ無線機との間の通信をアンテナ指向性を利かせた通信で行わせるように、要求する。
【0038】
したがって、第1のネットワークの被妨害スレーブ無線機においては、第2のネットワークからの妨害が回避されまたは軽減される。これにより、結果として、第1、第2のネットワーク間のスペクトラムの使用効率を向上しかつシステム間でのスペクトラム使用の公平を図ることができる。なお、上記で「管理装置」はこの通信管理装置と同様な構成を持つものとして考えることができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、無線システムどうしの共存を図るための通信管理装置および方法において、スペクトラムの使用効率を向上しかつシステム間でのスペクトラム使用の公平を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施形態である通信管理装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の別の実施形態である通信管理装置の構成を示すブロック図。
【図3】本発明のさらに別の実施形態である通信管理装置の構成を示すブロック図。
【図4】図3に示した通信管理装置における情報の入出力を時系列的に示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明の実施態様として、前記被妨害スレーブ無線機が、一部、前記第1のネットワークに属し、別の一部、前記第2のネットワークに属する場合に、前記第1のマスター無線機に対して、前記第1のスレーブ無線機との間の通信をアンテナ指向性を利かせた通信で行うにように、かつ、前記第2のマスター無線機に対して、前記第2のスレーブ無線機との間の通信をアンテナ指向性を利かせた通信で行うように命ずる手段と、前記第1および第2のマスター無線機に対してアンテナ指向性を利かせた通信を行うように命じた後、前記第1のスレーブ無線機が、前記第1のサービス領域内にいくつありかつそれらがいずれの方向にありかつそれらが妨害を受けているか否かを示す情報である第3の状況情報を前記第1のマスター無線機に調査、生成するように命ずる手段と、前記第1および第2のマスター無線機に対してアンテナ指向性を利かせた通信を行うように命じた後、前記第2のスレーブ無線機が、前記第2のサービス領域内にいくつありかつそれらがいずれの方向にありかつそれらが妨害を受けているか否かを示す情報である第4の状況情報を前記第2のマスター無線機に調査、生成するように命ずる手段と、前記第1のマスター無線機から前記第3の状況情報を、かつ、前記第2のマスター無線機から前記第4の状況情報を収集する手段と、前記第3および第4の状況情報ならびに前記第1および第2のサービス領域に基づいて、前記第1のサービス領域と前記第2のサービス領域との重なりに位置して妨害を受けているスレーブ無線機である第2種の被妨害スレーブ無線機と、該第2種の被妨害スレーブ無線機が属するネットワークである第2種の被妨害ネットワークとを特定する手段と、前記第2種の被妨害スレーブ無線機が属するネットワークとは異なる側のネットワークに属するマスター無線機に対して、該マスター無線機と、該マスター無線機が属するネットワークに属しかつ前記第1のサービス領域と前記第2のサービス領域との重なりに位置するスレーブ無線機との間の通信を、アンテナ指向性を利かせさらに時分割多元接続または周波数分割多元接続を用いた通信で行うように命ずる手段と、前記第2種の被妨害スレーブ無線機が属するネットワークに属するマスター無線機に対して、該マスター無線機と、該マスター無線機が属するネットワークに属しかつ前記第1のサービス領域と前記第2のサービス領域との重なりに位置するスレーブ無線機との間の通信を、アンテナ指向性を利かせさらに前記時分割多元接続と相補性を有する時分割多元接続または前記周波数分割多元接続と相補性を有する周波数分割多元接続を用いた通信で行うように命ずる手段とをさらに具備する、とすることができる。
【0042】
この態様は、被妨害スレーブ無線機が、一部、第1のネットワークに属し、別の一部、第2のネットワークに属する場合に対して、相互の妨害を除去すべく対応したものである。概略として、その場合には、まず、サービス領域の重なりに位置するスレーブ無線機を含めて、スレーブ無線機とマスター無線機との通信をアンテナ指向性を利かせた通信で行うように対処する。その上で、被妨害スレーブ無線機がなお存在しているかどうかを調べ、存在している場合は、アンテナ指向性を利かせさらに時分割多元接続や周波数分割多元接続の通信技術を組み合わせてマスター無線機と被妨害スレーブ無線機との通信を行うようにして、第1、第2のネットワーク間の妨害を軽減または回避する。
【0043】
また、実施態様として、前記被妨害スレーブ無線機が、一部、前記第1のネットワークに属し、別の一部、前記第2のネットワークに属する場合に、前記第1のマスター無線機に対して、前記第1のスレーブ無線機との間の通信をアンテナ指向性を利かせた通信で行うにように命ずる手段と、前記被妨害スレーブ無線機が、一部、前記第1のネットワークに属し、別の一部、前記第2のネットワークに属する場合に、前記管理装置に対して、前記第2のマスター無線機と前記第2のスレーブ無線機との間の通信をアンテナ指向性を利かせた通信で行わせるように、要求する手段と、前記第1のマスター無線機に対して命じかつ前記管理装置に対して要求した後、前記第1のスレーブ無線機が、前記第1のサービス領域内にいくつありかつそれらがいずれの方向にありかつそれらが妨害を受けているか否かを示す情報である第3の状況情報を前記第1のマスター無線機に調査、生成するように命ずる手段と、前記第1のマスター無線機から前記第3の状況情報を収集する手段と、前記第1のマスター無線機に対して命じかつ前記管理装置に対して要求した後、前記管理装置と通じて、前記第2のスレーブ無線機が、前記第2のサービス領域内にいくつありかつそれらがいずれの方向にありかつそれらが妨害を受けているか否かを示す情報である第4の状況情報を、前記第2のマスター無線機および前記管理装置を経由して収集する手段と、前記第3および第4の状況情報ならびに前記第1および第2のサービス領域に基づいて、前記第1のサービス領域と前記第2のサービス領域との重なりに位置して妨害を受けているスレーブ無線機である第2種の被妨害スレーブ無線機と、該第2種の被妨害スレーブ無線機が属するネットワークである第2種の被妨害ネットワークとを特定する手段と、前記第2種の被妨害ネットワークが前記第1のネットワークである場合に、前記管理装置に対して、前記第2のマスター無線機と、前記第2のスレーブ無線機のうちの前記第1のサービス領域と前記第2のサービス領域との重なりに位置する無線機との間の通信を、アンテナ指向性を利かせさらに時分割多元接続または周波数分割多元接続を用いた通信で行わせるように、要求する手段と、前記第2種の被妨害ネットワークが前記第1のネットワークである場合に、前記第1のマスター無線機に対して、該第1のマスター無線機と、前記第1のスレーブ無線機のうちの前記第1のサービス領域と前記第2のサービス領域との重なりに位置する無線機との間の通信を、アンテナ指向性を利かせさらに前記時分割多元接続と相補性を有する時分割多元接続または前記周波数分割多元接続を有する周波数分割多元接続を用いた通信で行うように命ずる手段とをさらに具備する、とすることができる。
【0044】
この態様は、この通信管理装置が、第1のネットワークを管理、管轄する装置であり、第1のネットワークとこれと異なる第2のネットワークとの間でそれらのサービス領域に重なりが存在し、さらに、被妨害スレーブ無線機が、一部、第1のネットワークに属し、別の一部、第2のネットワークに属する場合に対して、相互の妨害を除去すべく対応したものである。概略としては、上記の態様と同様に、まず、サービス領域の重なりに位置するスレーブ無線機を含めて、スレーブ無線機とマスター無線機との通信をアンテナ指向性を利かせた通信で行うように対処する。その上で、被妨害スレーブ無線機がなお存在しているかどうかを調べ、存在している場合は、アンテナ指向性を利かせさらに時分割多元接続や周波数分割多元接続の通信技術を組み合わせてマスター無線機と被妨害スレーブ無線機との通信を行うようにして、第1、第2のネットワーク間の妨害を軽減または回避する。
【0045】
以上を踏まえ、以下では本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態である通信管理装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、この通信管理装置10は、構成情報収集部1、第1命令部2、状況情報部3、特定部4、第2命令部5を有する。通信管理装置10は、ネットワークAを構成するマスター無線機(例えば基地局やアクセスポイントなど、以下同)51およびスレーブ無線機(例えば端末など、以下同)61、62を管理、管轄し、同時に、ネットワークBを構成するマスター無線機71およびスレーブ無線機81を管理、管轄する管理装置である。
【0046】
通信管理装置10が管理、管轄するネットワークA、Bの例について、まず説明する。マスター無線機51およびスレーブ無線機61、62で構成されるネットワークAは、例えばコグニティブ無線システムであり、テレビ事業者を1次ユーザとして、1次ユーザの免許周波数帯が使用されていない場合に限りその周波数帯(使用されていない免許周波数帯=ホワイトスペース)での運用が容認されたネットワークである。マスター無線機71およびスレーブ無線機81で構成されるネットワークBについても同様である。
【0047】
マスター無線機51、71は、それぞれ、その位置やサービス領域の情報を伴って、通信管理装置10を介して、不図示のホワイトスペースデータベース(以下、「WSDB」という場合がある)に問合せを行い、使用できるホワイトスペースの情報を得る。マスター無線機51が属するネットワークA、マスター無線機71が属するネットワークBは、この情報に従う条件下で、無線システムとして、それらのスレーブ無線機との間で通信を行うことができる。
【0048】
以下では、一応、ネットワークA、ネットワークBがこのような2次ユーザであるコグニティブ無線システムであるものとして説明を行う(別の各実施形態も同様である)。ただし、ネットワークA、ネットワークBが、2次ユーザであるコグニティブ無線システムではない場合(つまりホワイトスペースでない割り当て周波数帯を有する通信である場合)に対しても、この通信管理装置10は、サービス領域が重なるように並立するネットワークA、B間の調整を行う管理装置として向いている。
【0049】
ネットワークAには、サービス領域51Aが設定され、ネットワークBには、サービス領域71Aが設定されているものとする。一般的には、サービス領域51Aとサービス領域71Aとは、図示するように重なりが生じる場合がある。このような重なりに位置するスレーブ無線機62は、その属するネットワークAのマスター無線機51との通信が、ネットワークBにおける通信により妨害を受ける可能性がある(逆の場合、つまり重なり領域に位置する無線機がネットワークBに属し、その無線機がネットワークAにより妨害を受ける可能性もあり得る)。
【0050】
このような妨害を避けることにより、ネットワーク間のスペクトラムの使用効率を向上しかつスペクトラム使用の公平を図るため、以下説明するようにこの通信管理装置10は機能する。
【0051】
構成情報収集部1は、ネットワークAに属するマスター無線機51によるサービス領域51Aの情報を少なくとも含む構成情報をマスター無線機51から収集する。さらに、構成情報収集部1は、ネットワークBに属するマスター無線機71によるサービス領域71Aの情報を少なくとも含む構成情報をマスター無線機71から収集する。一般に「構成情報」とは、マスター無線機とスレーブ無線機との間の通信を行うためのそれらの無線機構成に関する情報であり、例えば、送信電力、動作周波数、動作帯域幅、無線アクセス技術、送信スケジュールなどの情報である。この実施形態では、サービス領域の情報は、例えば、マスター無線機の位置と送信電力の情報とから特定してもよい。
【0052】
この実施形態のネットワークA、B(に属する少なくともマスター無線機)は、それぞれ、ビームフォーミングなどによりアンテナ指向性(特にその方向性)変更が可能であることを前提とする。この場合、アンテナ指向性も一種の構成になり、どのようなアンテナ指向性に設定されているかは一種の構成情報である。後述するが、構成としてのアンテナ指向性は、通信管理装置10からの命令により、ネットワークA、B相互の妨害回避のため、再構成され得る。
【0053】
なお、マスター無線機51、71には、無線機の再構成を実現させる機能部分(不図示)が備えられている。この機能部分は、この機能部分を除く狭義のネットワークと通信管理装置10との間に位置していると考えることができ、通信管理装置10からの命令受信やこの命令の、狭義のネットワークへの伝送、さらに狭義のネットワークから通信管理装置10への情報伝送などはすべてこの機能部分が介在する。この機能部分を、アンテナ指向性変更という再構成のためにも、利用することができる。
【0054】
構成情報収集部1による構成情報の収集がされたあと、続いて、第1命令部2が、マスター無線機51に対して、スレーブ無線機61、62がサービス領域51A内にいくつあり、それらがいずれの方向にあり、それらが妨害を受けているか否かを示す状況情報を調査、生成するように命じる。また、マスター無線機71に対しても同様に、スレーブ無線機81がサービス領域71A内にいくつあり、それらがいずれの方向にあり、それらが妨害を受けているか否かを示す状況情報を調査、生成するように命じる。調査、生成する状況情報には、各スレーブ無線機についてその有するアンテナ指向性の変更能力を含めるようにしてもよい。
【0055】
マスター無線機51、71は、それぞれこの命令に従い動作して、スレーブ無線機について上記のような状況の把握を行う。マスター無線機51、71のこの一連の動作は、ルーチンとして設定しておくことができる。
【0056】
スレーブ無線機がいくつあるかについては、例えば、マスター無線機が、応答要求に返信した各スレーブ無線機について識別子を得れば認識できる。いずれの方向にあるかについては、例えば、マスター無線機がアンテナ指向性をごく狭くして電波発信し指向性の方向を全方位にわたり変更することで認識できる。妨害を受けているか否かについては、例えば、マスター無線機がスレーブ無線機からSINR(Signal-to-Interference and Noise power Ratio:信号対雑音・干渉電力比)やRSSI(Received Signal Strength Indication, Received Signal Strength Indicator)などの数値を得て判断することができる。
【0057】
第1命令部2による命令のあと、続いて、状況情報収集部3が、マスター無線機51からネットワークAについての状況情報を、マスター無線機71からネットワークBについての状況情報を、それぞれ収集する。
【0058】
そして、次に、特定部4が、ネットワークA、Bにおける状況情報およびサービス領域51A、71Aに基づいて、サービス領域51Aとサービス領域71Aとの重なりに位置して妨害を受けているスレーブ無線機を特定する。この特定で同時に、このスレーブ無線機が属するネットワークも特定されることになる。
【0059】
すなわち、通信管理装置10は、構成情報収集部1が収集したサービス領域51A、71Aの情報によって、その重なり領域の位置および範囲を把握することができる。これと、ネットワークA、Bにおける状況情報のうちの、スレーブ無線機がいずれの方向にあるかの情報とにより、サービス領域51Aとサービス領域71Aとの重なりに位置しているスレーブ無線機を把握できる。さらに、そのスレーブ無線機について、ネットワークA、Bにおける状況情報のうちの、識別子情報(スレーブ無線機がいくつあるかの情報から得られる)、および妨害を受けているか否かの情報を調べることにより、妨害を受けているスレーブ無線機を特定できる。
【0060】
妨害を受けているスレーブ無線機(図1の図示では符号62)およびその属するネットワーク(図1の図示ではネットワークA)の特定に続いて、第2命令部5は、妨害を受けているスレーブ無線機がすべてネットワークA、Bのうちの一方のネットワークに属する場合に限り、次のように動作する。すなわち、第2命令部5は、この一方のネットワーク(同、ネットワークA)とは異なる側のネットワーク(同、ネットワークB)に属するマスター無線機(同、符号71)に対して、このマスター無線機(同、符号71)とこのマスター無線機が属するネットワークに属するスレーブ無線機(同、符号81)との間の通信をアンテナ指向性を利かせた通信で行うように命じる。マスター無線機(同、符号71)は、この命令に従い動作する。
【0061】
なお、当然ながら、妨害を受けているスレーブ無線機が発見されない場合は、アンテナ指向性を設けることの命令は行わない。
【0062】
以上の動作により、妨害を受けているスレーブ無線機(図1の図示では符号62)は、その属さない側のネットワークBからの妨害が回避、軽減される。これにより、結果として、ネットワークA、B間のスペクトラムの使用効率を向上しかつシステム間でのスペクトラム使用の公平を図ることができる。このようにアンテナ指向性の変更によって妨害を回避、軽減することは、システム資源の一部を一方から他方へ渡すものではなく、むしろ、空間的に集中した通信が行われるのでスループット(通信効率)が向上する利点がある。
【0063】
なお、アンテナ指向性を利かせた通信を行う場合は、マスター無線機からスレーブ無線機への方向の送信時に、マスター無線機においてはこれを必ず行うようにすることを前提として、そのスレーブ無線機にアンテナ指向性を変更する能力がある場合には、スレーブ無線機においてもアンテナ指向性を利かすように命じてもよい(これは、次に述べる実施形態ではより意味がある構成である)。
【0064】
次に、別の実施形態について図2を参照して説明する。図2は、本発明の別の実施形態である通信管理装置の構成を示すブロック図である。同図において、図1中に示した構成要素と同一のものには同一符号を付してある。その部分については、加えるべき事項がない限り説明を省略する。
【0065】
この実施形態の通信管理装置100は、上記実施形態で説明の構成情報収集部1、第1命令部2、状況情報収集部3、特定部4のほかに、第2状況情報収集部6、第2特定部7、第3命令部8を有する。また、第2命令部5に代えて第2命令部5Aを有する。このような構成により、妨害を受けているスレーブ無線機が、一部、ネットワークAに属し、別の一部、ネットワークBに属する場合にも、ネットワークA、B間の妨害を回避または軽減できるように意図している。初期の状態(第1命令部2の命令がされる前の状態)で妨害を受ける可能性のスレーブ無線機は、図2の図示でわかるように、この場合、ネットワークAに属するスレーブ無線機62と、ネットワークBに属するスレーブ無線機82とである。
【0066】
第2命令部5Aの動作は、妨害を受けているスレーブ無線機がすべてネットワークA、Bのうちの一方のネットワークに属する場合については、図1中に示した第2命令部5の動作と同じである。すなわち、他方のネットワークに属するマスター無線機に対して、このマスター無線機とこのマスター無線機が属するネットワークに属するスレーブ無線機との間の通信をアンテナ指向性を利かせた通信で行うように命じる。
【0067】
第2命令部5Aは、上記に加え、妨害を受けているスレーブ無線機が、一部、ネットワークAに属し、別の一部、ネットワークBに属する場合には、次のように動作する。すなわち、ネットワークAのマスター無線機51に対して、そのスレーブ無線機61、62との間の通信をアンテナ指向性を利かせた通信で行うにように、さらに、ネットワークBのマスター無線機71に対しても、そのスレーブ無線機81、82との間の通信をアンテナ指向性を利かせた通信で行うように命じる。マスター無線機51、71は、この命令に従い動作する。
【0068】
なお、アンテナ指向性を利かせた通信を行う場合は、マスター無線機からスレーブ無線機への方向の送信時に、マスター無線機においてはこれを必ず行うようにすることを前提として、そのスレーブ無線機にアンテナ指向性を変更する能力がある場合には、スレーブ無線機においてもアンテナ指向性を利かすように命じてもよい。これによれば、スレーブ無線機が受ける妨害の可能性はなお小さくなる。すなわち、例えば、ネットワークAのスレーブ無線機62(重なりのサービス領域に存在する)にマスター無線機51方向からの電波に対して受信の指向性を持たせれば、ネットワークBのマスター無線機71方向からの電波の影響を受けにくくできる。スレーブ無線機82についても同様である。
【0069】
また、アンテナ指向性を利かせた通信を行う場合は、スレーブ無線機からマスター無線機への方向の送信時に、スレーブ無線機にアンテナ指向性を持たせて送信させるようにすること、さらには、マスター無線機に受信の指向性を持たせて受信させるようにすることを実行してもよい。これらは、妨害低減という意味で、マスター無線機からスレーブ無線機への方向の送信時についてよりは優先度が低いと考えられるが、通常は送信時と受信時とでアンテナ指向性が変動しないと考えられるので、マスター無線機からスレーブ無線機への方向の送信時についてアンテナ指向性を利かせるように対応すれば自動的に行われていることになる。
【0070】
第2命令部5Aがマスター無線機51、71に上記の命令を行った場合は、続いて、第2命令部5Aは、マスター無線機51に対して、スレーブ無線機61、62がサービス領域51A内にいくつあり、それらがいずれの方向にあり、それらが妨害を受けているか否かを示す状況情報を調査、生成するように命じる。また、マスター無線機71に対しても同様に、スレーブ無線機81、82がサービス領域71A内にいくつあり、それらがいずれの方向にあり、それらが妨害を受けているか否かを示す状況情報を調査、生成するように命じる。調査、生成する状況情報には、各スレーブ無線機についてその有するアンテナ指向性の変更能力を含めるようにしてもよい。
【0071】
マスター無線機51、71は、それぞれこの命令に従い動作して、スレーブ無線機について上記のような状況の把握を行う。この場合のマスター無線機51、71の動作については、第1命令部2による命令に従ってなされるそれらの動作と同様である。第2命令部5Aによる命令がされたあと、続いて、第2状況情報収集部6が、マスター無線機51からネットワークAについての状況情報を、マスター無線機71からネットワークBについての状況情報を、それぞれ収集する。
【0072】
そして、第2特定部7が、上記収集のネットワークA、Bにおける状況情報およびサービス領域51A、71Aに基づいて、サービス領域51Aとサービス領域71Aとの重なりに位置して妨害を受けているスレーブ無線機を特定する。この特定で同時に、このスレーブ無線機が属するネットワークも特定される。これらの具体的な特定動作については、特定部4での動作説明を参照できる。なお、妨害が受けているスレーブ無線機が発見されない場合は、通信管理装置100からそれ以上マスター無線機51、71に命令を発せず、マスター無線機51、71の状態を保つようにする。
【0073】
妨害を受けているスレーブ無線機が発見された場合は、妨害を受けているスレーブ無線機およびその属するネットワークの特定に続いて、第3命令部8が、次のように動作する。妨害を受けているスレーブ無線機が属するネットワークとは異なる側のネットワークに属するマスター無線機に対しては、このマスター無線機と、このマスター無線機が属するネットワークに属しかつサービス領域との重なりに位置するスレーブ無線機との間の通信を、アンテナ指向性を利かせさらに時分割多元接続(TDMA)または周波数分割多元接続(FDMA)を用いた通信で行うように命じる。命じられたマスター無線機は、この命令に従い動作する。
【0074】
妨害を受けているスレーブ無線機が発見された場合は、第3命令部8は、さらに、妨害を受けているスレーブ無線機が属するネットワークに属するマスター無線機に対しては、このマスター無線機と、このマスター無線機が属するネットワークに属しかつサービス領域との重なりに位置するスレーブ無線機との間の通信を、アンテナ指向性を利かせさらに上記のTDMAと相補性を有するTDMAまたは上記のFDMAと相補性を有するFDMAを用いた通信で行うように命じる。命じられたマスター無線機は、この命令に従い動作する。
【0075】
妨害を受けているスレーブ無線機がネットワークAにもネットワークBにも存在する場合は、いずれのネットワークのスレーブ無線機を上記の「妨害を受けているスレーブ無線機」として扱ってもよい。いずれにしても、ネットワークA、ネットワークBでは、重なりのサービス領域にあるスレーブ無線機とその属するネットワークのマスター無線機との間の通信は、アンテナ指向性を利かせ、さらにTDMAまたはFDMAを用いた通信でなされることになる。そして、結果として、ネットワークAとネットワークBとでは、そのTDMAまたはFDMAは相補的である。
【0076】
この実施形態は、妨害を受けているスレーブ無線機についてアンテナ指向性を利かせた通信を行ってもなお妨害が残る場合に、TDMAまたはFDMAの通信技術を適用して妨害を回避しようとしたものである。妨害があれば相当に通信効率は劣化せざるを得ないが、この実施形態よればそれよりは顕著に効率の向上した通信が実現できる。
【0077】
次に、さらに別の実施形態について図3を参照して説明する。図3は、本発明のさらに別の実施形態である通信管理装置の構成を示すブロック図である。同図において、すでに説明した図中に示した構成要素と同一のものには同一符号を付してある。その部分については、加えるべき事項がない限り説明を省略する。
【0078】
図3には、通信管理装置20A、20Bが示されているが、これらは互いに独立した存在であり、基本的にはそれぞれが独立した動作を行う。ただし、協調した動作を行うための構成をも有する。通信管理装置20Aは、ネットワークAを構成するマスター無線機51およびスレーブ無線機61、62を管理、管轄し、通信管理装置20Bは、ネットワークBを構成するマスター無線機71およびスレーブ無線機81、82を管理、管轄する。
【0079】
通信管理装置20A、20Bが協調することによりなされる動作は、全体として、図2に示した通信管理装置100によってなされる動作と等価と考えることができる。目的も同様である。ただし、通信管理装置20A、20Bは互いに独立した存在であるため、互いの存在の発見や互いの装置間の通信を行うための構成が加えられている。
【0080】
より具体的に、互いのネットワークの発見を行うため、ネットワーク登録サーバ40が別に設けられており、通信管理装置20A、20B内には、同じ目的でネットワーク問合せ部9が設けられている。さらに、通信管理装置20A、20B内には、互いの間の通信を行うための装置間通信部11が設けられている。
【0081】
このような複数のネットワークおよびそれらに専用の通信管理装置が設けられる通信環境は、異種のコグニティブ無線システムが並存するような環境がひとつの例である。この場合、ネットワーク登録サーバ40、ホワイトスペースデータベース90は、例えばインターネット上に設けられている。
【0082】
以下、図3に示した実施形態における動作について、図4をも参照して説明する。図4は、図3に示した通信管理装置における情報の入出力を時系列的に示す説明図である。ただし、通信管理装置20Aがなす手順を中心に図示しており、通信管理装置20Bにおいても通信管理装置20Aと協調的に同じように動作している(あるいは動作可能である)と考えることができる。その点については、説明の簡略化のため図示していない。なお、図4中の符号は、図3で使用したものに対応している。
【0083】
図4において、ステップS0Aは、ネットワークAについての構成の設定とネットワークAの登録の段階であり、以下の手順でなされる。マスター無線機51から通信管理装置20Aに構成設定の要求を行い、これに基づき、通信管理装置20Aは、ホワイトスペースデータベース(WSDB)90(図3では不図示)に利用可能なホワイトスペースの情報を求め、WSDB90は、この求めに応じてホワイトスペースの情報を提供する。
【0084】
通信管理装置20Aは、提供されたホワイトスペースの情報に基づいて、マスター無線機51に対してその動作を命じる。マスター無線機51は、その動作状態での構成を通信管理装置20Aに伝え、通信管理装置20Aは、これに基づき、ネットワークAについての存在情報をネットワーク登録サーバ40に登録する。存在情報には、例えば、ネットワークAのサービス領域51Aの地理的位置、範囲や、通信管理装置20Aのネットワークアドレス、使用しているホワイトスペースの特定情報などが含まれる。なお、ステップS0Aの実行するための構成は、図3では図示省略している。
【0085】
また、ステップS0Bは、ネットワークBについての構成の設定とネットワークBの登録の段階であり、以下の手順でなされる。マスター無線機71から通信管理装置20Bに構成設定の要求を行い、これに基づき、通信管理装置20Bは、WSDB90に利用可能なホワイトスペースの情報を求め、WSDB90は、この求めに応じてホワイトスペースの情報を提供する。
【0086】
通信管理装置20Bは、提供されたホワイトスペースの情報に基づいて、マスター無線機71に対してその動作を命じる。マスター無線機71は、その動作状態での構成を通信管理装置20Bに伝え、通信管理装置20Bは、これに基づき、ネットワークBについての存在情報をネットワーク登録サーバ40に登録する。ネットワークBについての存在情報の内容については、ネットワークAについての上記で説明したものを参照できる。ステップS0Bを実行するための構成も、図3では図示省略している。以上は、以降の動作を行うための前提となる動作と考えることができる。
【0087】
次に、図4において、ステップS1は、通信管理装置20Aが行うネットワークAについて構成情報収集の段階である。これは、すでに説明したように構成情報収集部1によりなされる。また、ステップS2は、通信管理装置20Aが行うネットワークBについての構成情報収集の段階である。
【0088】
ステップS2を端的に言うと、通信管理装置20Aはマスター無線機71を管理、管轄するものではないので、まず、ネットワーク登録サーバ40に問い合わせて、サービス領域が重なる別のネットワークの所在を尋ねその存在情報を得る。次に、この存在情報に基づいて通信管理装置20Bと通じて、通信管理装置20Bに対してその属するネットワークの構成情報を収集するように要求する。通信管理装置20Bは、その構成情報収集部1によりその構成情報を収集する。この収集された構成情報は、通信管理装置20B(の装置間通信部11)を介して最終的に通信管理装置20Aの構成情報収集部1に供給される。
【0089】
上記において、ネットワーク登録サーバ40に問い合わせを行うため、ネットワーク問合せ部9が用いられる。また、通信管理装置20Bに対してその属するネットワークの構成情報を収集するように要求するため、およびそれにより得られた構成情報を受け取るため装置間通信部11が用いられる。
【0090】
次に、図4において、ステップS3は、通信管理装置20Aが行うネットワークAについての状況情報収集の段階である。これは、すでに説明したように第1命令部2および状況情報収集部3によりなされる。また、ステップS4は、通信管理装置20Aが行うネットワークBについての状況情報収集の段階である。ネットワークBについての状況情報の収集も、その構成情報の収集の場合と同様に、ネットワークBを管理、管轄する通信管理装置20Bを介して行う。その場合には、やはり双方の装置間通信部11が相互通信のため介在する。
【0091】
そして、次に、特定部4が、ネットワークA、Bにおける状況情報およびサービス領域51A、71Aに基づいて、サービス領域51Aとサービス領域71Aとの重なりに位置して妨害を受けているスレーブ無線機を特定する。この特定で同時に、このスレーブ無線機が属するネットワークも特定されることになる。この点は、図1での説明と同様である。
【0092】
次に、図4において、ステップS5、S6は、特定部4の特定結果に基づいて行われる、通信管理装置20Aが行うアンテナ指向性の指示命令の段階である。ネットワークBに対してこれを行うには、すでに説明したような要領で通信管理装置20Bを介して指示命令する。その場合には、やはり双方の装置間通信部11が相互通信のため介在する。アンテナ指向性の指示命令の内容については、すでに図2において説明した通りである。
【0093】
次に、図4において、ステップS7、S8は、双方のネットワークにアンテナ指向性を持たせた通信を命じたあとに行われる、ネットワークA、Bについての状況情報収集の段階である。ネットワークBについての収集が通信管理装置20Bを介してなされる点を除けば、図2での説明と同様の動作である。その場合には、やはり双方の装置間通信部11が相互通信のため介在する。
【0094】
そして、第2特定部7が、上記収集のネットワークA、Bにおける状況情報およびサービス領域51A、71Aに基づいて、サービス領域51Aとサービス領域71Aとの重なりに位置して妨害を受けているスレーブ無線機を特定する。この特定で同時に、このスレーブ無線機が属するネットワークも特定される。この点は、図2での説明と同様である。
【0095】
次に、図4において、ステップS9、S10は、第2特定部7により妨害を受けているスレーブ無線機が特定されたときになされる、通信管理装置20Aが行うアンテナ指向性とTDMAまたはFDMAによる通信を組み合わせることの指示命令の段階である。ネットワークBについての命令が通信管理装置20Bを介してなされる点を除けば、図2での説明と同様の動作である。その場合には、やはり双方の装置間通信部11が相互通信のため介在する。
【0096】
なお、図4について再度述べるが、この図は、通信管理装置20Aがなす手順を中心に図示している。通信管理装置20Bも通信管理装置20Aと協調的に同じように動作している(あるいは動作可能である)。この点は、説明の簡略化のため図示していない。例えば、ステップS1と同様なステップは、通信管理装置20Bにおいても、自律的に、マスター無線機71との間で行われる可能性があり、ステップS2と同様なステップも、通信管理装置20Bの側から自律的にネットワーク登録サーバ40への問い合わせから開始される可能性がある。自律的に行うことを前提としつつも、タイミング上、別の通信管理装置から要求されて行う場合もあり得る(=協調的)ということである。以下の各ステップも同様である。また、「特定」の動作は当然、各通信管理装置で実行される。
【0097】
以上説明のように、図3に示した実施形態においても、図2に示した実施形態と同様に、妨害を受けているスレーブ無線機は、その属さない側のネットワークからの妨害を回避、軽減できる利点を有する。さらに、妨害を受けているスレーブ無線機についてアンテナ指向性を利かせた通信を行ってもなお妨害が残る場合には、TDMAまたはFDMAの通信技術を適用して妨害を回避、軽減することができる。
【0098】
なお、図3において、通信管理装置20A、20B間の通信は、図示するように直接ではなく、別に設けられたサーバを介して行うようにしてもよい(例えば、ネットワーク登録サーバ40をその目的で兼用してもよい)。
【0099】
また、図3において、通信管理装置20Aがひとつではなく複数のネットワークを管理、管轄し、通信管理装置20Bも複数のネットワークを管理、管轄するような、より複雑な構成である場合も考えられる。通信管理装置20A、20Bが複数(2つ)のネットワークを管理、管轄する場合については、それら単独では図2に示した構成による動作を考えればよい。それによりその複数のネットワーク間の調整が可能になる。その上で、通信管理装置20Aと通信管理装置20Bとによるネットワーク間調整を上記説明したように行えば、全部のネットワーク間で妨害を回避、軽減できる。
【0100】
以上、本発明の実施形態について説明したが、以下では、参考まで、アンテナ指向性の変更を実現するための例を説明する。以上の実施形態での説明でわかるように、各実施形態で好ましいアンテナ指向性の変更は、特にその方向性(向けられる方向)の変更である(いわゆるビームフォーミング)。その意味で、一方向にある程度狭い指向性を有するアンテナを、その向けられる方向が変わるように物理的に動かすことも原理的には採用可能である。
【0101】
ただし物理的に動かすのは機械的な負担が大きいので、代わりに、一方向にある程度狭い指向性を有するアンテナを多数(少なくとも3つ)、各方向に向けて設置しておき、その中のひとつ(または少数)のみをアクティブにしてアンテナの向けられる方向の変更を実現するアンテナ構成も考えられる。さらには、ひとつでは狭い指向性を有さないアンテナ素子を組み合わせ、これらの電気的駆動を、特定の狭い方向に指向性を有するように電気的に演算して行うような公知の諸方法も採用できる。
【符号の説明】
【0102】
1…構成情報収集部、2…第1命令部、3…状況情報収集部、4…特定部、5、5A…第2命令部、6…第2状況情報収集部、7…第2特定部、8…第3命令部、9…ネットワーク問合せ部、10,100,20A、20B…通信装置、11…装置間通信部、51…マスター無線機(ネットワークA)、40…ネットワーク登録サーバ、51A…サービス領域(ネットワークA)、61,62…スレーブ無線機(ネットワークA)、71…マスター無線機(ネットワークB)、71A…サービス領域(ネットワークB)、81,82…スレーブ無線機(ネットワークB)、90…ホワイトスペースデータベース。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のネットワークに属する第1のマスター無線機によるサービス領域である第1のサービス領域の情報を少なくとも含む第1の構成情報を前記第1のマスター無線機から、かつ、第2のネットワークに属する第2のマスター無線機によるサービス領域である第2のサービス領域の情報を少なくとも含む第2の構成情報を前記第2のマスター無線機から収集する手段と、
前記第1のネットワークに属するスレーブ無線機である第1のスレーブ無線機が、前記第1のサービス領域内にいくつありかつそれらがいずれの方向にありかつそれらが妨害を受けているか否かを示す情報である第1の状況情報を前記第1のマスター無線機に調査、生成するように命ずる手段と、
前記第2のネットワークに属するスレーブ無線機である第2のスレーブ無線機が、前記第2のサービス領域内にいくつありかつそれらがいずれの方向にありかつそれらが妨害を受けているか否かを示す情報である第2の状況情報を前記第2のマスター無線機に調査、生成するように命ずる手段と、
前記第1のマスター無線機から前記第1の状況情報を、かつ、前記第2のマスター無線機から前記第2の状況情報を収集する手段と、
前記第1および第2の状況情報ならびに前記第1および第2のサービス領域に基づいて、前記第1のサービス領域と前記第2のサービス領域との重なりに位置して妨害を受けているスレーブ無線機である被妨害スレーブ無線機と、該被妨害スレーブ無線機が属するネットワークである被妨害ネットワークとを特定する手段と、
前記被妨害スレーブ無線機がすべて前記第1、第2のネットワークのうちの一方のネットワークに属する場合に、該一方のネットワークとは異なる側のネットワークに属するマスター無線機に対して、該マスター無線機と該マスター無線機が属するネットワークに属するスレーブ無線機との間の通信をアンテナ指向性を利かせた通信で行うように命ずる手段と
を具備することを特徴とする通信管理装置。
【請求項2】
前記被妨害スレーブ無線機が、一部、前記第1のネットワークに属し、別の一部、前記第2のネットワークに属する場合に、前記第1のマスター無線機に対して、前記第1のスレーブ無線機との間の通信をアンテナ指向性を利かせた通信で行うにように、かつ、前記第2のマスター無線機に対して、前記第2のスレーブ無線機との間の通信をアンテナ指向性を利かせた通信で行うように命ずる手段と、
前記第1および第2のマスター無線機に対してアンテナ指向性を利かせた通信を行うように命じた後、前記第1のスレーブ無線機が、前記第1のサービス領域内にいくつありかつそれらがいずれの方向にありかつそれらが妨害を受けているか否かを示す情報である第3の状況情報を前記第1のマスター無線機に調査、生成するように命ずる手段と、
前記第1および第2のマスター無線機に対してアンテナ指向性を利かせた通信を行うように命じた後、前記第2のスレーブ無線機が、前記第2のサービス領域内にいくつありかつそれらがいずれの方向にありかつそれらが妨害を受けているか否かを示す情報である第4の状況情報を前記第2のマスター無線機に調査、生成するように命ずる手段と、
前記第1のマスター無線機から前記第3の状況情報を、かつ、前記第2のマスター無線機から前記第4の状況情報を収集する手段と、
前記第3および第4の状況情報ならびに前記第1および第2のサービス領域に基づいて、前記第1のサービス領域と前記第2のサービス領域との重なりに位置して妨害を受けているスレーブ無線機である第2種の被妨害スレーブ無線機と、該第2種の被妨害スレーブ無線機が属するネットワークである第2種の被妨害ネットワークとを特定する手段と、
前記第2種の被妨害スレーブ無線機が属するネットワークとは異なる側のネットワークに属するマスター無線機に対して、該マスター無線機と、該マスター無線機が属するネットワークに属しかつ前記第1のサービス領域と前記第2のサービス領域との重なりに位置するスレーブ無線機との間の通信を、アンテナ指向性を利かせさらに時分割多元接続または周波数分割多元接続を用いた通信で行うように命ずる手段と、
前記第2種の被妨害スレーブ無線機が属するネットワークに属するマスター無線機に対して、該マスター無線機と、該マスター無線機が属するネットワークに属しかつ前記第1のサービス領域と前記第2のサービス領域との重なりに位置するスレーブ無線機との間の通信を、アンテナ指向性を利かせさらに前記時分割多元接続と相補性を有する時分割多元接続または前記周波数分割多元接続と相補性を有する周波数分割多元接続を用いた通信で行うように命ずる手段と
をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の通信管理装置。
【請求項3】
第1のネットワークに属する第1のマスター無線機によるサービス領域である第1のサービス領域の情報を少なくとも含む第1の構成情報を前記第1のマスター無線機から収集する手段と、
前記第1のサービス領域と重なりがあるサービス領域である第2のサービス領域をもつことを条件とする第2のマスター無線機が存在するか否か、および該第2のマスター無線機が属するネットワークを管理する管理装置の所在をネットワーク登録サーバに問い合わせる手段と、
前記管理装置と通じて、前記第2のサービス領域の情報を少なくとも含む第2の構成情報を前記第2のマスター無線機から、前記管理装置を経由して収集する手段と、
前記第1のネットワークに属するスレーブ無線機である第1のスレーブ無線機が、前記第1のサービス領域内にいくつありかつそれらがいずれの方向にありかつそれらが妨害を受けているか否かを示す情報である第1の状況情報を前記第1のマスター無線機に調査、生成するように命ずる手段と、
前記第1のマスター無線機から前記第1の状況情報を収集する手段と、
前記管理装置と通じて、前記第2のネットワークに属するスレーブ無線機である第2のスレーブ無線機が、前記第2のサービス領域内にいくつありかつそれらがいずれの方向にありかつそれらが妨害を受けているか否かを示す情報である第2の状況情報を、前記第2のマスター無線機および前記管理装置を経由して収集する手段と、
前記第1および第2の状況情報ならびに前記第1および第2のサービス領域に基づいて、前記第1のサービス領域と前記第2のサービス領域との重なりに位置して妨害を受けているスレーブ無線機である被妨害スレーブ無線機と、該被妨害スレーブ無線機が属するネットワークである被妨害ネットワークとを特定する手段と、
前記被妨害スレーブ無線機がすべて前記第1のネットワークに属する場合に、前記管理装置に対して、前記第2のマスター無線機と前記第2のスレーブ無線機との間の通信をアンテナ指向性を利かせた通信で行わせるように、要求する手段と
を具備することを特徴とする通信管理装置。
【請求項4】
前記被妨害スレーブ無線機が、一部、前記第1のネットワークに属し、別の一部、前記第2のネットワークに属する場合に、前記第1のマスター無線機に対して、前記第1のスレーブ無線機との間の通信をアンテナ指向性を利かせた通信で行うにように命ずる手段と、
前記被妨害スレーブ無線機が、一部、前記第1のネットワークに属し、別の一部、前記第2のネットワークに属する場合に、前記管理装置に対して、前記第2のマスター無線機と前記第2のスレーブ無線機との間の通信をアンテナ指向性を利かせた通信で行わせるように、要求する手段と、
前記第1のマスター無線機に対して命じかつ前記管理装置に対して要求した後、前記第1のスレーブ無線機が、前記第1のサービス領域内にいくつありかつそれらがいずれの方向にありかつそれらが妨害を受けているか否かを示す情報である第3の状況情報を前記第1のマスター無線機に調査、生成するように命ずる手段と、
前記第1のマスター無線機から前記第3の状況情報を収集する手段と、
前記第1のマスター無線機に対して命じかつ前記管理装置に対して要求した後、前記管理装置と通じて、前記第2のスレーブ無線機が、前記第2のサービス領域内にいくつありかつそれらがいずれの方向にありかつそれらが妨害を受けているか否かを示す情報である第4の状況情報を、前記第2のマスター無線機および前記管理装置を経由して収集する手段と、
前記第3および第4の状況情報ならびに前記第1および第2のサービス領域に基づいて、前記第1のサービス領域と前記第2のサービス領域との重なりに位置して妨害を受けているスレーブ無線機である第2種の被妨害スレーブ無線機と、該第2種の被妨害スレーブ無線機が属するネットワークである第2種の被妨害ネットワークとを特定する手段と、
前記第2種の被妨害ネットワークが前記第1のネットワークである場合に、前記管理装置に対して、前記第2のマスター無線機と、前記第2のスレーブ無線機のうちの前記第1のサービス領域と前記第2のサービス領域との重なりに位置する無線機との間の通信を、アンテナ指向性を利かせさらに時分割多元接続または周波数分割多元接続を用いた通信で行わせるように、要求する手段と、
前記第2種の被妨害ネットワークが前記第1のネットワークである場合に、前記第1のマスター無線機に対して、該第1のマスター無線機と、前記第1のスレーブ無線機のうちの前記第1のサービス領域と前記第2のサービス領域との重なりに位置する無線機との間の通信を、アンテナ指向性を利かせさらに前記時分割多元接続と相補性を有する時分割多元接続または前記周波数分割多元接続を有する周波数分割多元接続を用いた通信で行うように命ずる手段と
をさらに具備することを特徴とする請求項3記載の通信管理装置。
【請求項5】
第1のネットワークに属する第1のマスター無線機によるサービス領域である第1のサービス領域の情報を少なくとも含む第1の構成情報を前記第1のマスター無線機から、かつ、第2のネットワークに属する第2のマスター無線機によるサービス領域である第2のサービス領域の情報を少なくとも含む第2の構成情報を前記第2のマスター無線機から収集し、
前記第1のネットワークに属するスレーブ無線機である第1のスレーブ無線機が、前記第1のサービス領域内にいくつありかつそれらがいずれの方向にありかつそれらが妨害を受けているか否かを示す情報である第1の状況情報を前記第1のマスター無線機に調査、生成するように命じ、
前記第2のネットワークに属するスレーブ無線機である第2のスレーブ無線機が、前記第2のサービス領域内にいくつありかつそれらがいずれの方向にありかつそれらが妨害を受けているか否かを示す情報である第2の状況情報を前記第2のマスター無線機に調査、生成するように命じ、
前記第1のマスター無線機から前記第1の状況情報を、かつ、前記第2のマスター無線機から前記第2の状況情報を収集し、
前記第1および第2の状況情報ならびに前記第1および第2のサービス領域に基づいて、前記第1のサービス領域と前記第2のサービス領域との重なりに位置して妨害を受けているスレーブ無線機である被妨害スレーブ無線機と、該被妨害スレーブ無線機が属するネットワークである被妨害ネットワークとを特定し、
前記被妨害スレーブ無線機がすべて前記第1、第2のネットワークのうちの一方のネットワークに属する場合に、該一方のネットワークとは異なる側のネットワークに属するマスター無線機に対して、該マスター無線機と該マスター無線機が属するネットワークに属するスレーブ無線機との間の通信をアンテナ指向性を利かせた通信で行うように命ずること
を特徴とする通信管理方法。
【請求項6】
前記被妨害スレーブ無線機が、一部、前記第1のネットワークに属し、別の一部、前記第2のネットワークに属する場合に、前記第1のマスター無線機に対して、前記第1のスレーブ無線機との間の通信をアンテナ指向性を利かせた通信で行うにように、かつ、前記第2のマスター無線機に対して、前記第2のスレーブ無線機との間の通信をアンテナ指向性を利かせた通信で行うように命じ、
前記第1および第2のマスター無線機に対してアンテナ指向性を利かせた通信を行うように命じた後、前記第1のスレーブ無線機が、前記第1のサービス領域内にいくつありかつそれらがいずれの方向にありかつそれらが妨害を受けているか否かを示す情報である第3の状況情報を前記第1のマスター無線機に調査、生成するように命じ、
前記第1および第2のマスター無線機に対してアンテナ指向性を利かせた通信を行うように命じた後、前記第2のスレーブ無線機が、前記第2のサービス領域内にいくつありかつそれらがいずれの方向にありかつそれらが妨害を受けているか否かを示す情報である第4の状況情報を前記第2のマスター無線機に調査、生成するように命じ、
前記第1のマスター無線機から前記第3の状況情報を、かつ、前記第2のマスター無線機から前記第4の状況情報を収集し、
前記第3および第4の状況情報ならびに前記第1および第2のサービス領域に基づいて、前記第1のサービス領域と前記第2のサービス領域との重なりに位置して妨害を受けているスレーブ無線機である第2種の被妨害スレーブ無線機と、該第2種の被妨害スレーブ無線機が属するネットワークである第2種の被妨害ネットワークとを特定し、
前記第2種の被妨害スレーブ無線機が属するネットワークとは異なる側のネットワークに属するマスター無線機に対して、該マスター無線機と、該マスター無線機が属するネットワークに属しかつ前記第1のサービス領域と前記第2のサービス領域との重なりに位置するスレーブ無線機との間の通信を、アンテナ指向性を利かせさらに時分割多元接続または周波数分割多元接続を用いた通信で行うように命じ、
前記第2種の被妨害スレーブ無線機が属するネットワークに属するマスター無線機に対して、該マスター無線機と、該マスター無線機が属するネットワークに属しかつ前記第1のサービス領域と前記第2のサービス領域との重なりに位置するスレーブ無線機との間の通信を、アンテナ指向性を利かせさらに前記時分割多元接続と相補性を有する時分割多元接続または前記周波数分割多元接続と相補性を有する周波数分割多元接続を用いた通信で行うように命ずること
をさらになすことを特徴とする請求項5記載の通信管理方法。
【請求項7】
第1のネットワークに属する第1のマスター無線機によるサービス領域である第1のサービス領域の情報を少なくとも含む第1の構成情報を前記第1のマスター無線機から収集し、
前記第1のサービス領域と重なりがあるサービス領域である第2のサービス領域をもつことを条件とする第2のマスター無線機が存在するか否か、および該第2のマスター無線機が属するネットワークを管理する管理装置の所在をネットワーク登録サーバに問い合わせ、
前記管理装置と通じて、前記第2のサービス領域の情報を少なくとも含む第2の構成情報を前記第2のマスター無線機から、前記管理装置を経由して収集し、
前記第1のネットワークに属するスレーブ無線機である第1のスレーブ無線機が、前記第1のサービス領域内にいくつありかつそれらがいずれの方向にありかつそれらが妨害を受けているか否かを示す情報である第1の状況情報を前記第1のマスター無線機に調査、生成するように命じ、
前記第1のマスター無線機から前記第1の状況情報を収集し、
前記管理装置と通じて、前記第2のネットワークに属するスレーブ無線機である第2のスレーブ無線機が、前記第2のサービス領域内にいくつありかつそれらがいずれの方向にありかつそれらが妨害を受けているか否かを示す情報である第2の状況情報を、前記第2のマスター無線機および前記管理装置を経由して収集し、
前記第1および第2の状況情報ならびに前記第1および第2のサービス領域に基づいて、前記第1のサービス領域と前記第2のサービス領域との重なりに位置して妨害を受けているスレーブ無線機である被妨害スレーブ無線機と、該被妨害スレーブ無線機が属するネットワークである被妨害ネットワークとを特定し、
前記被妨害スレーブ無線機がすべて前記第1のネットワークに属する場合に、前記管理装置に対して、前記第2のマスター無線機と前記第2のスレーブ無線機との間の通信をアンテナ指向性を利かせた通信で行わせるように、要求すること
を特徴とする通信管理方法。
【請求項8】
前記被妨害スレーブ無線機が、一部、前記第1のネットワークに属し、別の一部、前記第2のネットワークに属する場合に、前記第1のマスター無線機に対して、前記第1のスレーブ無線機との間の通信をアンテナ指向性を利かせた通信で行うにように命じ、
前記被妨害スレーブ無線機が、一部、前記第1のネットワークに属し、別の一部、前記第2のネットワークに属する場合に、前記管理装置に対して、前記第2のマスター無線機と前記第2のスレーブ無線機との間の通信をアンテナ指向性を利かせた通信で行わせるように、要求し、
前記第1のマスター無線機に対して命じかつ前記管理装置に対して要求した後、前記第1のスレーブ無線機が、前記第1のサービス領域内にいくつありかつそれらがいずれの方向にありかつそれらが妨害を受けているか否かを示す情報である第3の状況情報を前記第1のマスター無線機に調査、生成するように命じ、
前記第1のマスター無線機から前記第3の状況情報を収集し、
前記第1のマスター無線機に対して命じかつ前記管理装置に対して要求した後、前記管理装置と通じて、前記第2のスレーブ無線機が、前記第2のサービス領域内にいくつありかつそれらがいずれの方向にありかつそれらが妨害を受けているか否かを示す情報である第4の状況情報を、前記第2のマスター無線機および前記管理装置を経由して収集し、
前記第3および第4の状況情報ならびに前記第1および第2のサービス領域に基づいて、前記第1のサービス領域と前記第2のサービス領域との重なりに位置して妨害を受けているスレーブ無線機である第2種の被妨害スレーブ無線機と、該第2種の被妨害スレーブ無線機が属するネットワークである第2種の被妨害ネットワークとを特定し、
前記第2種の被妨害ネットワークが前記第1のネットワークである場合に、前記管理装置に対して、前記第2のマスター無線機と、前記第2のスレーブ無線機のうちの前記第1のサービス領域と前記第2のサービス領域との重なりに位置する無線機との間の通信を、アンテナ指向性を利かせさらに時分割多元接続または周波数分割多元接続を用いた通信で行わせるように、要求し、
前記第2種の被妨害ネットワークが前記第1のネットワークである場合に、前記第1のマスター無線機に対して、該第1のマスター無線機と、前記第1のスレーブ無線機のうちの前記第1のサービス領域と前記第2のサービス領域との重なりに位置する無線機との間の通信を、アンテナ指向性を利かせさらに前記時分割多元接続と相補性を有する時分割多元接続または前記周波数分割多元接続を有する周波数分割多元接続を用いた通信で行うように命ずること
をさらになすことを特徴とする請求項7記載の通信管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−160794(P2012−160794A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−17368(P2011−17368)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)総務省委託「電波資源拡大のための研究開発」の一環、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(301022471)独立行政法人情報通信研究機構 (1,071)
【Fターム(参考)】