説明

通信装置、タグ装置および情報通信システム

【課題】タグ装置同士の関連を示す関連情報を作成することができる通信装置、タグ装置および情報通信システムを提供すること。
【解決手段】リーダ・ライタ装置30は、無線タグ装置10毎に階層位置情報51b3〜58b3を作成し、作成された階層位置情報51b3〜58b3をひとまとめにした階層構造情報を作成する。リーダ・ライタ装置30によって作成された階層構造情報には、無線タグ装置10同士の関連が示されているので、この階層構造情報によって、無線タグ装置10同士の関連を知ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信装置、タグ装置および情報通信システムに関し、特に、タグ装置同士の関連を示す関連情報を作成することができる通信装置、タグ装置および情報通信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
タグ装置の表示手段に表示させる文字または記号等を通信装置を用いて入力し、その入力された文字又は記号等を通信装置からタグ装置に送信し、その送信された文字または記号をタグ装置の表示手段に表示させる情報通信システムに関しては、例えば、特開2005−165621号公報に記載の非接触情報通信システム1が知られている。
【0003】
この非接触情報通信システム1は、リーダ・ライタ装置2と複数の非接触識別タグ3とから構成されている。そして、例えば、販売する商品4にそれぞれ取り付けられた非接触識別タグ3に書き込むための情報である設定情報を、リーダ・ライタ装置2の操作部2dにおいて設定する。この設定が終わると、リーダ・ライタ装置2の情報送信部2bを介して、それぞれの非接触識別タグ3に応答要求信号を送信し、その後に設定情報を送信する。
【0004】
一方、非接触識別タグ3は、リーダ・ライタ装置2からの応答要求信号を受信すると、電源生成部38において、送信された応答要求信号の搬送波から駆動電力を生成し、その駆動電力を非接触識別タグ3の各部に供給する。そして、駆動電力が供給された情報制御部32の制御によって、リーダ・ライタ装置2から応答要求信号送信後に送信される設定情報を、情報受信部30を介して受信し、情報記憶部33によって不揮発性のメモリに記憶する。
【0005】
更に、不揮発性のメモリに記憶された設定情報に基づき表示処理部36によって、電気泳動表示装置37に、例えば、商品の種類、商品の仕入先、商品の仕入れ日等を文字画像でそれぞれ表示する。最後に、非接触識別タグ3は、これら一連の処理が実行された旨を示す応答信号を情報送信部31を介してリーダ・ライタ装置2に送信する。
【0006】
この非接触情報通信システム1においては、非接触識別タグ3の電気泳動表示装置37の表示を設定する設定情報を、リーダ・ライタ装置2を用いて書き換えることができるので、非接触識別タグ3の電気泳動表示装置37の表示を容易に変更することができる。
【特許文献1】特開2005−165621号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した非接触情報通信システム1では、不揮発性のメモリに記憶された設定情報に基づき、電気泳動表示装置37に、例えば、商品の種類、商品の仕入先、商品の仕入れ日等の非接触識別タグ3を特定する情報を表示することはできるが、非接触識別タグ3が複数ある場合に、設定情報には非接触識別タグ3同士の関連を示す情報が含まれていないので、商品の種類等(例えば、品種)により商品同士に関連があるにも拘らず、非接触識別タグ3同士の関連を知ることができないという問題点があった。
【0008】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、タグ装置同士の関連を示す関連情報を作成することができる通信装置、タグ装置および情報通信システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するために請求項1記載の通信装置は、複数のタグ装置と通信可能なものであり、前記複数のタグ装置のうち特定のタグ装置と、前記特定のタグ装置を除く他の1以上のタグ装置との関連を示す関連情報を作成する関連情報作成手段と、その関連情報作成手段により作成された関連情報を前記特定のタグ装置に送信する関連情報送信手段とを備えている。
【0010】
請求項2記載の通信装置は、請求項1記載の通信装置において、前記関連情報作成手段は、前記特定のタグ装置が属する集団全体の階層構造を示す階層構造情報と、前記階層構造のなかで前記特定のタグ装置がいずれの階層位置にあるかを示す位置情報とを関連情報として作成するものである。
【0011】
請求項3記載の通信装置は、請求項1または2に記載の通信装置において、前記関連情報作成手段は、同一集団に属する複数のタグ装置のうちの基準とする1つのタグ装置の関連情報に基づいて、前記特定のタグ装置の関連情報を作成するものである。
【0012】
請求項4記載の通信装置は、請求項2記載の通信装置において、前記関連情報作成手段は、同一集団に属する複数のタグ装置のうちの基準とする1つのタグ装置の階層構造情報に基づいて、前記特定のタグ装置の関連情報を作成するものである。
【0013】
請求項5記載の通信装置は、請求項2から4のいずれかに記載の通信装置において、前記特定のタグ装置を前記基準とする1つのタグ装置の同位層に配置するか下位層に配置するかを判断する判断手段を備え、前記関連情報作成手段は、前記判断手段が前記特定のタグ装置を前記基準とする1つのタグ装置と同位層に配置すると判断した場合には、前記基準とする1つのタグ装置の同位層の階層位置に前記特定のタグ装置を配置した前記階層構造情報及び前記位置情報を作成し、前記判断手段が前記特定のタグ装置を前記基準とする1つのタグ装置の下位層に配置すると判断した場合には、前記基準とする1つのタグ装置の下位層の階層位置に前記特定のタグ装置を配置した前記階層構造情報及び前記位置情報を作成するものである。
【0014】
請求項6記載の通信装置は、請求項5記載の通信装置において、前記特定のタグ装置を前記基準とする1つのタグ装置の同位層に配置するか下位層に配置するかを報知する階層報知手段と、その階層報知手段による報知後に、前記特定のタグ装置を前記基準とする1つのタグ装置の同位層に配置するか下位層に配置するかを操作者に入力させる階層入力手段とを備え、その階層入力手段への入力に基づき、前記判断手段は前記特定のタグ装置を前記基準とする1つのタグ装置の同位層に配置するか下位層に配置するかを判断するものである。
【0015】
請求項7記載の通信装置は、請求項1から6のいずれかに記載の通信装置において、前記関連情報送信手段が前記特定のタグ装置に前記関連情報を送信後、その送信した関連情報を前記複数のタグ装置のうち代表である1つの代表タグ装置に送信する代表送信手段を備えている。
【0016】
請求項8記載の通信装置は、請求項2から6のいずれかに記載の通信装置において、前記関連情報送信手段が前記特定のタグ装置に前記関連情報を送信後、その送信した関連情報を前記階層構造の最上位のタグ装置に送信する最上位送信手段を備えている。
【0017】
請求項9記載の通信装置は、前記請求項2から8のいずれかに記載の通信装置において、前記複数のタグ装置にはその複数のタグ装置が属する集団を識別するための情報である集団情報が記憶されており、前記複数のタグ装置のうち第1のタグ装置の前記階層構造情報である第1階層構造情報と第1のタグ装置の前記集団情報である第1集団情報とを前記第1のタグ装置から受信する第1受信手段と、その第1受信手段が前記第1集団情報を受信した後に、前記複数のタグ装置のうち第2のタグ装置の前記階層構造情報である第2階層構造情報と前記第2のタグ装置の前記集団情報である第2集団情報とを第2のタグ装置から受信する第2受信手段と、前記第1受信手段が受信した前記第1集団情報と前記第2受信手段が受信した前記第2集団情報とが同一であり、且つ、前記第1受信手段が受信した前記第1階層構造情報と前記第2受信手段が受信した前記第2階層構造情報とが異なる場合、前記第2のタグ装置に、前記第1受信手段が受信した前記第1階層構造情報を送信する送信手段とを備えている。
【0018】
請求項10記載の通信装置は、請求項9記載の通信装置において、前記第1集団情報を有するタグ装置を特定するための情報である第1特定情報を記憶する特定情報記憶手段と、前記送信手段が前記第1階層構造情報を送信したタグ装置を特定するための情報である第2特定情報を記憶する送信済記憶手段と、前記特定情報記憶手段に記憶された第1特定情報と前記送信済記憶手段に記憶された第2特定情報とを比較して、前記送信手段による前記第1階層構造情報の送信が前記第1集団情報を有するタグ装置の全てに完了したかを判定する送信判定手段と、その送信判定手段により前記第1集団情報を有するタグ装置の全てに前記第1階層構造情報の送信が完了していないと判定された場合に、前記第1階層構造情報の送信が未完了である報知を行う送信未完了報知手段とを備えている。
【0019】
請求項11記載の通信装置は、請求項1から10のいずれかに記載の通信装置において、前記関連情報作成手段により作成された関連情報を表示する表示手段を備えている。
【0020】
請求項12記載のタグ装置は、前記請求項1から11のいずれかに記載の通信装置から送信された情報を受信するタグ装置用受信手段と、そのタグ装置用受信手段が受信した情報を記憶する情報記憶手段と、その情報記憶手段に記憶された情報を前記請求項1から11のいずれかに記載の通信装置に送信するタグ装置用送信手段とを備えている。
【0021】
請求項13記載のタグ装置は、請求項12記載のタグ装置において、前記情報記憶手段に記憶された情報を表示するタグ装置用表示手段を備えている。
【0022】
請求項14記載の情報通信システムは、前記請求項1から11のいずれかに記載の通信装置と、前記請求項12または13に記載のタグ装置とを備えている。
【発明の効果】
【0023】
請求項1記載の通信装置によれば、関連情報作成手段により特定のタグ装置とその特定のタグ装置を除く1以上のタグ装置との関連を示す関連情報を作成し、その作成した関連情報を関連情報送信手段により特定のタグ装置に送信することができる。よって、特定のタグ装置は通信装置により作成された関連情報を取得することができ、複数のタグ装置同士が関連情報により関連付けられる。従って、作成された関連情報により、特定のタグ装置はタグ装置同士の関連を知ることができるという効果がある。
【0024】
請求項2記載の通信装置によれば、請求項1記載の通信装置の奏する効果に加え、関連情報作成手段は、特定のタグ装置が属する集団全体の階層構造を示す階層構造情報と、階層構造のなかで特定のタグ装置がいずれの階層位置にあるかを示す位置情報とを関連情報として作成する。よって、作成された階層構造情報により特定のタグ装置が属する集団全体の階層構造を知ることができると共に、作成された位置情報により特定のタグ装置がいずれの階層位置にあるかを知ることができるという効果がある。
【0025】
請求項3記載の通信装置によれば、請求項1または2に記載の通信装置の奏する効果に加え、関連情報作成手段は、同一集団に属する複数のタグ装置のうちの基準とする1つのタグ装置の関連情報に基づいて、特定のタグ装置の関連情報を作成するので、特定のタグ装置の関連情報を作成する際には、基準とする1つのタグ装置の関連情報を利用することができる。よって、特定のタグ装置の関連情報を簡易に作成することができるという効果がある。
【0026】
請求項4記載の通信装置によれば、請求項2記載の通信装置の奏する効果に加え、関連情報作成手段は、同一集団に属する複数のタグ装置のうちの基準とする1つのタグ装置の階層構造情報に基づいて、特定のタグ装置の関連情報を作成するので、特定のタグ装置の関連情報を作成する際には、基準とする1つのタグ装置の階層構造情報を利用することができる。よって、特定のタグ装置の関連情報を簡易に作成することができるという効果がある。
【0027】
請求項5記載の通信装置によれば、請求項2から4のいずれかに記載の通信装置の奏する効果に加え、判定手段が、基準とする1つのタグ装置の同位層に特定のタグ装置を配置すると判定した場合には、関連情報作成手段は、基準とする1つのタグ装置の同位層の階層位置に特定のタグ装置を配置して階層構造情報及び位置情報を作成し、判定手段が、基準とする1つのタグ装置の下位層に特定のタグ装置を配置すると判定した場合には、関連情報作成手段は、基準とする1つのタグ装置の下位層の階層位置に特定のタグ装置を配置して階層構造情報及び位置情報を作成する。よって、特定のタグ装置を基準とする1つのタグ装置の同位層に配置する場合と特定のタグ装置を基準とする1つのタグ装置の下位層に配置する場合とで、関連情報作成手段が作成する階層構造情報及び位置情報を異ならせることができる。従って、特定のタグ装置を基準とする1つのタグ装置の同位層または下位層のどちらにも配置することができるという効果がある。
【0028】
請求項6記載の通信装置によれば、請求項5記載の通信装置の奏する効果に加え、階層報知手段による報知後に、特定のタグ装置を基準とする1つのタグ装置の同位層に配置するか下位層に配置するかを階層入力手段に操作者によって入力させ、その階層入力手段への入力に基づき、判断手段は特定のタグ装置を基準とする1つのタグ装置の同位層に配置するか下位層に配置するかを判断する。よって、操作者の階層入力手段への入力により、操作者が特定のタグ装置を配置する階層位置を確認することができるという効果がある。
【0029】
請求項7記載の通信装置によれば、請求項1から6のいずれかに記載の通信装置の奏する効果に加え、関連情報送信手段が特定のタグ装置に関連情報を送信後、その関連情報を代表送信手段により複数のタグ装置のうち代表である1つの代表タグ装置に送信することができる。よって、特定のタグ装置に加え、少なくとも代表タグ装置には、特定のタグ装置に送信された最新の関連情報を送信することができるという効果がある。
【0030】
請求項8記載の通信装置によれば、請求項2から6のいずれかに記載の通信装置の奏する効果に加え、最上位送信手段により、関連情報送信手段が特定のタグ装置に関連情報を送信後、その関連情報を複数のタグ装置のうち階層構造の最上位のタグ装置に送信することができる。よって、特定のタグ装置に加え、少なくとも階層構造の最上位のタグ装置には、特定のタグ装置に送信された最新の関連情報を送信することができるという効果がある。
【0031】
請求項9記載の通信装置によれば、請求項2から8のいずれかに記載の通信装置の奏する効果に加え、第1受信手段が受信した第1集団情報と第2受信手段が受信した第2集団情報とが同一であり、且つ、第1受信手段が受信した第1階層構造情報と第2受信手段が受信した第2階層構造情報とが異なる場合、送信手段によって、第1受信手段が受信した第1階層構造情報を第2のタグ装置に送信することができる。よって、第2のタグ装置の第2階層構造情報が第1のタグ装置の第1階層構造情報と異なる場合には、第2のタグ装置の第2階層構造情報を第1のタグ装置の第1階層構造情報に一致させることができるという効果がある。また、第1受信手段が受信した第1集団情報と第2受信手段が受信した第2集団情報とが同一の場合に、送信手段は第1受信手段が受信した第1階層構造情報を第2のタグ装置に送信するので、集団情報の異なるタグ装置に誤って第1階層構造情報を送信することを防止することができるという効果がある。
【0032】
請求項10記載の通信装置によれば、請求項9記載の通信装置の奏する効果に加え、送信判定手段により、特定情報記憶手段に記憶された第1特定情報と送信済記憶手段に記憶された第2特定情報とが比較され、送信手段による第1階層構造情報の送信が第1集団情報を有するタグ装置の全てに完了していないと判定された場合には、送信未完了報知手段は、第1階層構造情報の送信が未完了である報知を行う。よって、送信未完了報知手段の報知により、第1集団情報を有するタグ装置の全てに第1階層構造情報の送信が完了していないことを操作者に認識させることができるという効果がある。
【0033】
請求項11記載の通信装置によれば、請求項1から10のいずれかに記載の通信装置の奏する効果に加え、表示手段により関連情報を表示することができるので視覚による関連情報の確認を行うことができるという効果がある。
【0034】
請求項12のタグ装置によれば、通信装置から送信された情報をタグ装置用受信手段により受信し、タグ装置用受信手段が受信した情報を情報記憶手段に記憶することができると共に、情報記憶手段に記憶された情報をタグ装置用送信手段によって請求項1から11のいずれかに記載の通信装置に送信することができる。よって、タグ装置からの情報を請求項1から11のいずれかに記載の通信装置が受信した場合には、タグ装置に記憶された情報を請求項1から11のいずれかに記載の通信装置で利用することができるという効果がある。
【0035】
請求項13記載のタグ装置によれば、請求項12記載のタグ装置の奏する効果に加え、タグ装置用表示手段によりタグ装置に記憶された情報を表示することができるので、視覚による情報の確認を行うことができるという効果がある。
【0036】
請求項14記載の情報通信システムによれば、請求項1から11のいずれかに記載の通信装置の奏する効果と、請求項12または13に記載のタグ装置の奏する効果とを奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明の一実施の形態について添付図面を参照して説明する。本実施例のタグ無線通信システム60は、無線タグ装置10とリーダ・ライタ装置30とが無線通信可能に構成されている。
【0038】
図1に、タグ無線通信システム60の外観図を示す。無線タグ装置10付きバインダー1は、通常、本棚70に複数収納されており、書類3を綴じるバインダー2と、バインダー2の名称等を表示する無線タグ装置10とから構成されている。無線タグ装置10は、図1に示すように、タグ用IC回路部13と、タグ用ディスプレイ12と、タグ用アンテナ11とから構成されている。尚、無線タグ装置10には電池(図示せず)が設けられており、この電池により無線タグ装置10の各回路に電源が供給される。
【0039】
タグ用IC回路部13は、タグ用ディスプレイ12に表示するバインダー2の名称等の情報の設定や制御を行う装置である。タグ用ディスプレイ12は、タグ用IC回路部13から出力される制御信号によって、表示を変更することができる電気泳動方式を採用した不揮発性の表示装置である。ここで、電気泳動方式の表示装置の動作原理である電気泳動現象とは、液相分散媒中に微粒子を分散させた分散液に電界を印加したときに、分散によって自然に帯電した粒子(電気泳動粒子)がクーロン力により移動する現象である。この電気泳動方式表示装置は、表示画像保持性能を有しており、電界の印加により一度表示された画像を保持することが可能である。タグ用アンテナ11は、リーダ・ライタ装置30から送信された情報を受信し、受信した情報をタグ用IC回路部13へ出力すると共に、タグ用IC回路13から出力された情報をリーダ・ライタ装置30へ送信する装置である。
【0040】
リーダ・ライタ装置30は、無線タグ装置10と無線通信を行う装置であり、図1に示すように、キーボード33と、ディスプレイ32と、アンテナ31とを主に有している。キーボード33は、無線タグ装置10に送信する情報の入力や、リーダ・ライタ装置30の機能を変更するためのボタン群であり、図1に示すように、決定ボタン37と、機能ボタン36と、十字ボタン35と、複数の丸ボタン34とから構成されている。
【0041】
決定ボタン37は、ディスプレイ32に表示された情報の決定や各種の問い合わせに対する回答の決定を行うボタンである。この決定ボタン37を押下することにより、リーダ・ライタ装置30への入力を確定する。機能ボタン36は、リーダ・ライタ装置30の有する機能(図6参照)を変更するボタンである。この機能ボタン36を押下することにより、図6に示す機能選択処理が実行され、リーダ・ライタ装置30の機能を変更することができる。
【0042】
十字ボタン35は、ディスプレイ32に表示された情報を選択するボタンである。例えば、十字ボタン35上方向を押下すると、ディスプレイ32に表示されている情報の1つ上に表示された情報を選択することができる。
【0043】
丸ボタン34は、文字等を入力し、ディスプレイ32に表示させるボタンである。丸ボタン34には、それぞれに各種の文字等が割り当てられているので、丸ボタン34を押下することにより、所望の文字等が入力される。そして、入力された文字等はディスプレイ32に表示される。なお、ここで文字等とは、文字、数字および記号を含む意味である。
【0044】
ディスプレイ32は、液晶を利用した表示装置である。アンテナ31は、無線タグ装置10から送信された情報を受信すると共に、リーダ・ライタ装置30から出力される情報を送信する装置である。
【0045】
次に、図2を参照して、無線タグ装置10およびリーダ・ライタ装置30の電気的構成について説明する。図2(a)は無線タグ装置10の電気的構成を示したブロック図であり、図2(b)はリーダ・ライタ装置30の電気的構成を示したブロック図である。なお、図1で説明した部分と同一である部分には同一の番号を付し、その説明は省略する。
【0046】
無線タグ装置10は、リーダ・ライタ装置30から送信された情報を受信し、その受信した情報を記憶すると、タグ用ディスプレイ12に記憶した情報の表示を行い、更には、リーダ・ライタ装置30に記憶した情報を送信する装置である。図2(a)に示すように、無線タグ装置10は、タグ用アンテナ11と、タグ用ディスプレイ12と、タグ用IC回路13とを有しており、タグ用IC回路13は、タグ用送受信機14と、タグ用CPU15と、タグ用ROM16と、タグ用RAM17と、タグ用フラッシュメモリ18と、タグ用入出力ポート19とを主に有している。
【0047】
タグ用送受信機14は、タグ用アンテナ11と信号線20を介して接続されており、無線タグ装置10から送信する情報を高周波電流に変えてタグ用アンテナ11に送り出す送信装置と、タグ用アンテナ11が受信した高周波電流から必要な情報を取り出す受信装置とが一体化された装置である。
【0048】
また、タグ用送受信機14は、バスライン21を介してタグ用入出力ポート19と接続されており、受信した高周波電流から必要な情報を取り出した後に、その取り出した情報をタグ用入出力ポート19に出力する機能と、タグ用入出力ポート19から入力された情報を受け取る機能を有している。
【0049】
タグ用CPU15は、各部を制御する演算装置である。タグ用ROM16は、タグ用CPU15により実行される制御プログラム(例えば、図13に示す処理のフローチャート)を格納した書き換え不能な不揮発性のメモリであり、タグ用RAM17は、制御プログラムの実行時に各種の情報を一時的に記憶するメモリであり、タグ用フラッシュメモリ18は、リーダ・ライタ装置30から送信された情報を記憶する書き換え可能な不揮発性のメモリである。タグ用フラッシュメモリ18に記憶された各種情報は、入出力ポート19に接続されたバスライン23を介してタグ用ディスプレイ12に表示される。
【0050】
タグ用フラッシュメモリ18は、タグ用ラベル名情報メモリ18aとタグ用関連情報メモリ18bとを有している。タグ用ラベル名情報メモリ18aは、タグ用ディスプレイ12に表示するラベル名の情報(ラベル名情報)を記憶するメモリである。タグ用関連情報メモリ18bは、タグ用グループ名情報メモリ18b1とタグ用階層構造情報メモリ18b2とを有している。
【0051】
タグ用グループ名情報メモリ18b1は、無線タグ装置10の所属する集団であるグループ名の情報を記憶するメモリであり、タグ用階層構造情報メモリ18b2は、無線タグ装置10同士の関連を示す情報である階層構造情報を記憶するメモリである。なお、請求項に記載の「集団情報」はグループ名情報を示している。
【0052】
ここで、図3を参照して、グループ名情報、ラベル名情報および階層構造情報について説明する。図3は、階層構造を模式に示した図であり、グループ名情報51b1と、ラベル名情報51b2〜58b2と、階層構造情報と、階層構造内の階層位置情報51b3〜58b3とが示されている。上記に記載した階層構造情報は、階層位置情報51b3〜58b3を全て有するものである。即ち、階層構造情報は、全ての階層位置情報51b3〜58b3をひとまとめにしたものであり、全ての階層位置情報51b3〜58b3を有する情報である。
【0053】
グループ名情報51b1(「グループA」を示している)は、1または複数の無線タグ装置10からなる集団の名称を示す情報である。グループAに所属する全ての無線タグ装置10がこのグループ名情報51b1を各無線タグ装置10に設けられているタグ用グループ名情報メモリ18b1に記憶する。本実施の形態では、グループ名情報51b1に示す「グループA」には、ラベル名情報51b2〜58b2の数に対応した無線タグ装置10が存在しているので、「グループA」に所属する無線タグ装置10は全部で8つとなる。
【0054】
ラベル名情報51b2〜58b2は、無線タグ装置10のタグ用ディスプレイ12に表示するラベル名を示す情報である。各ラベル名情報51b2〜58b2は、グループAに所属する8つの無線タグ装置10のそれぞれに1つずつ記憶される。例えば、グループAに所属する1つ目の無線タグ装置10のタグ用ラベル名情報メモリ18aにラベル名情報51b2(1つ目の無線タグ装置10のタグ用ディスプレイ12にラベル名「B1」と表示する)が記憶され、1つ目の下位層に配置される無線タグ装置10のタグ用ラベル名情報メモリ18aには、ラベル名情報52b2(1つ目の下位層に配置される無線タグ装置10のタグ用ディスプレイ12にラベル名「C1」と表示する)が記憶される。なお、請求項に記載の「第1特定情報」および「第2特定情報」は、ラベル名情報を示している。
【0055】
階層構造情報は、上記のとおり、全ての階層位置情報51b3〜58b3をひとまとめにした情報であり、グループAに所属する8つの無線タグ装置10が階層構造情報を各無線タグ装置10に設けられているタグ用階層構造情報メモリ18b2に記憶する。階層位置情報51b3〜58b3は、階層構造内における無線タグ装置10の各階層位置を示している。なお、請求項に記載の「位置情報」は、階層位置情報を示している。
【0056】
例えば、階層位置情報52b3である「A:¥B1¥C1」は、階層位置情報52b3の最後尾にあるラベル名「C1」をタグ用ディスプレイ12に表示する無線タグ装置10に関する情報を示しており、ラベル名「C1」の上位層には、ラベル名「B1」をタグ用ディスプレイ12に表示する無線タグ装置10が配置されていることを示し、更に、ラベル名「C1」の無線タグ装置10がグループAに所属していることを示している。
【0057】
なお、階層位置情報52b3の「A:¥B1¥C1」の「A:」はグループAを表し、「¥B1」はラベル名「B1」をタグ用ディスプレイ12に表示する無線タグ装置10を表し、「¥C1」は、ラベル名「C1」をタグ用ディスプレイ12に表示する無線タグ装置10を表している。このように階層位置情報はラベル名が階層の順に配列されている。よって、ラベル名「C1」をタグ用ディスプレイ12に表示する無線タグ装置10の階層構造内の階層位置は、ラベル名「C1」をタグ用ディスプレイ12に表示する無線タグ装置10内のタグ用階層構造情報メモリ18b2に記憶された階層構造情報から、最後尾にラベル名「C1」がある階層位置情報52b3を選出し、選出した階層位置情報52b3の「¥C1」より上位に記載された情報(ここでは、「A:¥B1」)を解析することで把握することができる。
【0058】
ここで、ラベル名「E1」をタグ用ディスプレイ12に表示する無線タグ装置10、ラベル名「E2」をタグ用ディスプレイ12に表示する無線タグ装置10およびラベル名「E3」をタグ用ディスプレイ12に表示する無線タグ装置10は、共にラベル名「D1」を表示する無線タグ装置10の下位層に配置されているので同位層となる。また、ラベル名「F1」をタグ用ディスプレイ12に表示する無線タグ装置10およびラベル名「F2」をタグ用ディスプレイ12に表示する無線タグ装置10は、共にラベル名「E1」をタグ用ディスプレイ12に表示する無線タグ装置10の下位層に配置されているので、同位層となる。なお、請求項1の「関連情報」は、グループ名情報と階層構造情報と階層位置情報とに相当する情報である。
【0059】
図2(a)の説明に戻る。タグ用フラッシュメモリ18に記憶されている情報は、リーダ・ライタ装置30から送信される情報によって書き換えられる。例えば、リーダ・ライタ装置30から階層構造情報が信号に変換された電波が送信されると、その電波がタグ用アンテナ11に受信され、タグ用送受信機14により階層構造情報が取り出され、その取り出した階層構造情報はバスライン21を介してタグ用入出力ポート19に出力される。そして、タグ用CPU15により、取り出された階層構造情報の記憶命令が行われ、取り出された階層構造情報はバスライン22を介して、タグ用フラッシュメモリ18内のタグ用階層構造情報メモリ18b2に記憶される。このように、タグ用フラッシュメモリ18に記憶されている情報は、リーダ・ライタ装置30から送信される情報によって書き換えられる。
【0060】
また、タグ用フラッシュメモリ18に記憶された情報は、タグ用ディスプレイ12に表示することができる。例えば、階層構造情報の表示を行う場合は、タグ用CPU15は、タグ用階層構造情報メモリ18b2に記憶された階層構造情報を用いて、タグ用ディスプレイ12に階層構造情報の表示を行うように命令する。このタグ用CPU15の命令により、タグ用ディスプレイ12に階層構造情報の表示が行われる。
【0061】
ここで、図4を参照して、タグ用ディスプレイ12に表示される階層構造情報について説明する。図4(a)は、タグ用ディスプレイ12に階層構造情報を表示させた場合を模式的に示した図であり、図4(b)は、タグ用ディスプレイ12に階層構造情報のうちのラベル名のみを表示させた場合を模式的に示した図である。
【0062】
図4(a)に示すように、タグ用ディスプレイ12には、タグ用階層構造情報メモリ18b2に記憶された階層構造情報(全ての階層位置情報51b3〜58b3を有する情報)の一覧が表示される。このように、タグ用ディスプレイ12に階層構造情報の一覧を表示することで、操作者は無線タグ装置10同士の関連を一目で知ることができる。
【0063】
また、図4(b)に示すように、タグ用ディスプレイ12には、階層構造情報のうちのラベル名のみを表示することもできる。タグ用ディスプレイ12にラベル名を表示する場合には、リーダ・ライタ装置30の十字ボタン35の操作に応じて無線タグ装置10に命令信号を送信し、無線タグ装置10が表示するラベル名を変化させるようにする。例えば(ア)に示すようにラベル名「E1」がタグ用ディスプレイ12に表示されているときにリーダ・ライタ装置30の十字ボタン35の上が押下された場合には、(イ)に示すようにラベル名「E1」の1つ上位層のラベル名「D1」がタグ用ディスプレイ12に表示される。また、(ア)に示すようにラベル名「E1」がタグ用ディスプレイ12に表示されているときにリーダ・ライタ装置30の十字ボタン35の下が押下された場合には、(ウ)に示すようにラベル名「E1」の1つ下位層のラベル名「F1」がタグ用ディスプレイ12に表示される。また、(ア)に示すようにラベル名「E1」がタグ用ディスプレイ12に表示されているときにリーダ・ライタ装置30の十字ボタン35の左右いずれかが押下された場合には、(エ)に示すようにラベル名「E1」と同位層のラベル名「E2」がタグ用ディスプレイ12に表示される。このように、無線タグ装置10のタグ用ディスプレイ12にラベル名のみを表示することで、バインダー2に綴じられた書類3(図1参照)の内容を表示させることができる。
【0064】
図2の説明に戻る。タグ用階層構造情報メモリ18b2に記憶された階層構造情報の送信を行う場合は、タグ用CPU15によりタグ用階層構造情報メモリ18b2から階層構造情報の読み出し命令が行われ、タグ用入出力ポート19を介してタグ用送受信機14へ階層構造情報が出力される。出力された階層構造情報は、タグ用送受信機14により高周波電流信号に変換され、タグ用アンテナ11から送信される。
【0065】
上記のように、リーダ・ライタ装置30から送信された情報によってタグ用フラッシュメモリ18に情報が記憶されると、無線タグ装置10は、タグ用ディスプレイ12に記憶された情報の表示を行い、更には、無線タグ装置10に記憶された情報を送信することができる。
【0066】
次に、図2(b)を参照して、リーダ・ライタ装置30の電気的構成を説明する。リーダ・ライタ装置30によって情報が作成され、作成された情報がリーダ・ライタ装置30に記憶されると、または、無線タグ装置10から送信された情報によってリーダ・ライタ装置30に情報が記憶されると、ディスプレイ32に記憶された情報の表示を行い、更には、無線タグ装置10に情報を送信することが可能となる。
【0067】
リーダ・ライタ装置30は、送受信機46と、CPU47と、ROM48と、RAM38と、フラッシュメモリ39と、タグ用入出力ポート40と、アンテナ31と、ディスプレイ32と、キーボード33とを主に有している。
【0068】
送受信機46は、送信する情報を高周波電流信号に変えてアンテナ31に送り出す送信装置と、アンテナ31が受信した高周波電流信号から必要となる情報を取り出す受信装置とが一体化された装置であり、図2(b)に示すように、アンテナ31と信号線41で接続されている。また、送受信機46は、バスライン42を介して入出力ポート40と接続されており、受信された高周波電流信号から必要となる情報を取り出した後に、その取り出した情報を入出力ポート40に出力する機能と、入出力ポート40から入力された情報を受け取る機能を有している。
【0069】
よって、無線タグ装置10からの電波をアンテナ31が受信した場合は、アンテナ31によって受信した電波が高周波電流信号に変換され、その高周波電流信号は信号線41を介して送受信機46に入力される。そして、送受信機46は、入力された高周波電流信号から必要な情報を取り出し、その取り出した情報を、バスライン42を介して入出力ポート40に出力する。また、リーダ・ライタ装置30から無線タグ装置10に情報を送信する場合は、送受信機46は、入出力ポート40から出力された情報を、バスライン42を介して受け取り、その受け取った情報を高周波電流信号に変換し、アンテナ31に出力する。その出力された高周波電流信号はアンテナ31により電波に変換され、無線タグ装置10に送信される。
【0070】
CPU47は、各部を制御する演算装置である。ROM48は、CPU47により実行される制御プログラム(例えば、図6から図12に示す処理)と機能選択処理(図6参照)で使用される機能選択処理テーブル48aとを主に格納した書き換え不能な不揮発性のメモリであり、RAM38は、制御プログラムの実行時に利用する無線タグ装置10から送信された情報を一時的に記憶するメモリであり、フラッシュメモリ39は、無線タグ装置10へ送信する情報を記憶する書き換え可能な不揮発性のメモリである。フラッシュメモリ39に記憶される各種情報は、入出力ポート40にバスライン45を介して接続されるキーボード33からの入力により変更することができる。また、フラッシュメモリ39に記憶される各種情報は、入出力ポート40に接続されたバスライン44を介してディスプレイ32に表示することができる。
【0071】
RAM38は、受信用ラベル名情報メモリ38aと受信用関連情報メモリ38bとを有している。受信用ラベル名情報メモリ38aは、無線タグ装置10のタグ用ラベル名情報メモリ18aに記憶されたラベル名情報が無線タグ装置10から送信された場合に、送信されたラベル名情報を一時的に記憶するメモリである。
【0072】
受信用関連情報メモリ38bは、無線タグ装置10から送信された関連情報(グループ名情報および階層構造情報)を一時的に記憶するメモリであり、受信用グループ名情報メモリ38b1および受信用階層構造情報メモリ38b2を有している。受信用グループ名情報メモリ38b1は、無線タグ装置10のタグ用グループ名情報メモリ18b1に記憶されたグループ名情報が無線タグ装置10から送信された場合に、送信されたグループ名情報を記憶するメモリである。
【0073】
また、受信用階層構造情報メモリ38b2は、無線タグ装置10のタグ用階層構造情報メモリ18b2に記憶された階層構造情報が無線タグ装置10から送信された場合に、送信された階層構造情報を記憶するメモリである。
【0074】
RAM38に記憶された情報は、無線タグ装置10から送信される情報によって書き換えられる。例えば、無線タグ装置10から階層構造情報が変換された電波が送信されると、その電波がアンテナ31に受信され、送受信機46により階層構造情報が取り出され、その取り出された階層構造情報はバスライン42を介して入出力ポート40に出力される。そして、CPU47により、取り出された階層構造情報の記憶命令が行われ、取り出された階層構造情報はバスライン43を介して、RAM38内の受信用階層構造情報メモリ38b2に記憶される。
【0075】
また、RAM38に記憶された情報は、キーボード33の操作により、ディスプレイ32に表示することができる。例えば、キーボード33の操作により階層構造情報の読み出し操作が行われたときは、CPU47により受信用階層構造情報メモリ38b2に記憶された階層構造情報の読み出し命令が行われ、階層構造情報が読み出される。CPU47は読み出された階層構造情報を用いて、ディスプレイ32に階層構造情報の表示を行うように命令する。この命令により、ディスプレイ32に階層構造情報の表示が実行される。
【0076】
更に、RAM38に記憶された情報は、キーボード33からの入力によって書き換えることができる。上記のように、無線タグ装置10から送信された情報をリーダ・ライタ装置30が受信することによってRAM38に情報が記憶されると、記憶された情報をディスプレイ32に表示することができる。
【0077】
フラッシュメモリ39は、機能カウンタ39aと、記憶用ラベル名情報メモリ39bと、記憶用関連情報メモリ39cと、送信済メモリ39dとを有している。機能カウンタ39aは、リーダ・ライタ装置30の有する機能(図6参照)を変更する機能カウンタ値を記憶するメモリである。記憶用ラベル名情報メモリ39bは、無線タグ装置10に送信するラベル名情報を記憶するメモリである。
【0078】
記憶用関連情報メモリ39cは、記憶用グループ名情報メモリ39c1と記憶用階層構造情報メモリ39c2とを有している。記憶用グループ名情報メモリ39c1は、無線タグ装置10に送信するグループ名情報を記憶するメモリであり、記憶用階層構造情報メモリ39c2は、無線タグ装置10に送信する階層構造情報を記憶するメモリである。送信済メモリ39dは、リーダ・ライタ装置30が階層構造情報を送信した無線タグ装置10のラベル名情報を記憶するメモリである。
【0079】
記憶用ラベル名情報メモリ39bおよび記憶用関連情報メモリ39cにそれぞれ記憶されたラベル名情報および関連情報は、キーボード33の操作により、ディスプレイ32に表示することができる。例えば、キーボード33の操作により階層構造情報の読み出し操作が行われたときは、CPU47により記憶用階層構造情報メモリ39c2に記憶された階層構造情報の読み出し命令が行われ、階層構造情報が読み出される。CPU47は読み出された階層構造情報を用いて、ディスプレイ32に階層構造情報の表示を行うように命令する。この命令により、ディスプレイ32に階層構造情報の表示が実行される。
【0080】
ここで、図5を参照して、ディスプレイ32に表示される階層構造情報について説明する。図5(a)は、ディスプレイ32に階層構造情報を表示させた場合を模式的に示した図であり、図5(b)は、ディスプレイ32に階層構造情報のうちのラベル名のみを表示させた場合を模式的に示した図である。
【0081】
図5(a)に示すように、ディスプレイ32には、記憶用階層構造情報メモリ39c2に記憶された階層構造情報(全ての階層位置情報51b3〜58b3を有する情報)の一覧が表示される。このように、ディスプレイ32に階層構造情報の一覧を表示することで、操作者は無線タグ装置10同士の関連を一目で知ることができる。
【0082】
また、図5(b)に示すように、ディスプレイ32には、階層構造情報のうちのラベル名のみを表示することもできる。ディスプレイ32にラベル名を表示する場合には、リーダ・ライタ装置30の十字ボタン35の操作に応じて表示するラベル名を変化させるようにする。例えば(ア)に示すようにラベル名「E1」がディスプレイ32に表示されているときにリーダ・ライタ装置30の十字ボタン35の上が押下された場合には、(イ)に示すようにラベル名「E1」の1つ上位層のラベル名「D1」がディスプレイ32に表示される。また、(ア)に示すようにラベル名「E1」がディスプレイ32に表示されているときにリーダ・ライタ装置30の十字ボタン35の下が押下された場合には、(ウ)に示すラベル名「E1」の1つ下位層のラベル名55b2である「F1」がディスプレイ32に表示される。また、(ア)に示すようにラベル名「E1」がディスプレイ32に表示されているときにリーダ・ライタ装置30の十字ボタン35の左右のいずれかが押下された場合には、(エ)に示すようにラベル名「E1」と同位層のラベル名「E2」がディスプレイ32に表示される。
【0083】
また、キーボード33の操作により、階層構造情報(全ての階層位置情報51b3〜58b3を有する情報)の送信が指示された場合は、CPU47により記憶用階層構造情報メモリ39c2から階層構造情報の読み出し命令が行われ、入出力ポート40を介して送受信機46へ階層構造情報が出力される。出力された階層構造情報は、送受信機46により高周波電流に変換され、アンテナ31から送信される。
【0084】
更に、キーボード33の操作によりラベル名情報または関連情報(グループ名情報および階層構造情報)が作成された場合は、作成されたラベル名情報は記憶用ラベル名情報メモリ39bに記憶され、作成された関連情報は記憶用関連情報メモリ39cにそれぞれ記憶される。なお、キーボード33の入力によりグループ名情報が作成された場合は、作成されたグループ名情報は、記憶用グループ名情報メモリ39c1に記憶され、キーボード33の入力により階層構造情報が作成された場合は、作成された階層構造情報は、記憶用階層構造情報メモリ39c2に記憶される。
【0085】
上記のように、キーボード33の操作によってラベル名情報、グループ名情報および階層構造情報が作成され、ラベル名情報が記憶用ラベル名情報メモリ39bに記憶され、グループ名情報が記憶用グループ名情報メモリ39c1に記憶され、階層構造情報が記憶用階層構造情報メモリ39c2に記憶されると、リーダ・ライタ装置30はディスプレイ32に上記の情報の表示を行うことができる。更には、記憶用ラベル名情報メモリ39bに記憶されたラベル名情報、記憶用グループ名情報メモリ39c1に記憶されたグループ名情報および記憶用階層構造情報メモリ39c2に記憶された階層構造情報は無線タグ装置10へ送信することができる。
【0086】
次に、図6を参照して、機能選択処理を説明する。図6(a)は、機能選択処理を示したフローチャートであり、図6(b)は機能選択処理テーブルメモリ48aの内容を示した図である。機能選択処理では、機能カウンタ39aの値を用いて、リーダ・ライタ装置30の機能を設定する。ここで、機能選択処理により、機能カウンタ39aの値が0であるときは、機能選択処理テーブルメモリ48aから最上位タグ構築処理が選択され、リーダ・ライタ装置30のディスプレイ32に最上位タグ構築処理が表示される。機能カウンタ39aの値が1であるときは、機能選択処理テーブルメモリ48aから付属タグ構築処理が選択され、リーダ・ライタ装置30のディスプレイ32に付属タグ構築処理が表示される。機能カウンタ39aの値が2であるときは、機能選択処理テーブルメモリ48aから情報転送処理が選択され、リーダ・ライタ装置30のディスプレイ32に情報転送処理が表示される。また、機能カウンタ39aの値が3であるときは、機能選択処理テーブルメモリ48aから参照処理が選択され、リーダ・ライタ装置30のディスプレイ32に参照処理が表示される。なお、機能選択処理は、リーダ・ライタ装置30の機能ボタン36が押下されると実行される処理である。
【0087】
機能選択処理が実行されると、機能選択処理の一覧をディスプレイ32に表示させる(S1)。その後、操作者により最上位タグ構築処理が選択されたか否かが判定され(S2)、操作者により最上位タグ構築処理が選択された場合には(S2:Yes)、機能カウンタ39aの値を0(ゼロ)に設定し、最上位タグ構築処理をディスプレイ32に表示して(S3)、機能選択処理を終了する。
【0088】
一方、操作者により最上位タグ構築処理が選択されていない場合には(S2:No)、付属タグ構築処理が選択されたか否かが判定される(S4)。操作者により付属タグ構築処理が選択された場合には(S4:Yes)、機能カウンタ39aの値を1に設定し、付属タグ構築処理をディスプレイ32に表示して(S5)、機能選択処理を終了する。
【0089】
一方、操作者により付属タグ構築処理が選択されていない場合には(S4:No)、情報整合処理が選択されたか否かが判定される(S6)。操作者により情報整合処理が選択された場合には(S6:Yes)、機能カウンタ39aの値を2に設定し、情報整合処理をディスプレイ32に表示して(S7)、機能選択処理を終了する。
【0090】
一方、操作者により情報整合処理が選択されていない場合には(S6:No)、機能カウンタ39aの値を3に設定し、参照処理をディスプレイ32に表示して(S8)、機能選択処理を終了する。この機能選択処理によって、リーダ・ライタ装置30の機能処理の設定が完了する。このようにして、機能選択処理では、機能カウンタ39aの値を用い、リーダ・ライタ装置30の機能を設定する。
【0091】
次に、図7を参照して、最上位タグ構築処理について説明する。図7は、リーダ・ライタ装置30により実行される最上位タグ構築処理を示したフローチャートである。最上位タグ構築処理は、リーダ・ライタ装置30を用いて、階層構造(図3参照)の最上位に配置される無線タグ装置10にグループ名情報とラベル名情報とを設定し、その後、階層構造情報を作成する処理である。最上位タグ構築処理は、図6の機能選択処理により最上位タグ構築処理が設定された場合に、機能選択処理終了後に実行される処理である。
【0092】
最上位タグ構築処理では、まず、最上位としたい無線タグ装置10にリーダ・ライタ装置30を近づけるようディスプレイ32に表示する(S10)。このディスプレイ32の表示に従い、操作者が最上位としたい無線タグ装置10にリーダ・ライタ装置30を近づけると、リーダ・ライタ装置30は、最上位とする無線タグ装置10にラベル名情報およびグループ名情報を送信するように要求する(S11)。なお、最上位とする無線タグ装置10へのラベル名情報およびグループ名情報の送信の要求は、操作者がリーダ・ライタ装置30の決定ボタン37の押下後に行っても良いし、最上位としたい無線タグ装置10にリーダ・ライタ装置30を近づけるようにディスプレイ32に表示した後に、数秒待機してからリーダ・ライタ装置30が自動的に行っても良い。
【0093】
S11の処理後、最上位とする無線タグ装置10から送信されたラベル名情報を受信用ラベル名情報メモリ38aに記憶し、送信されたグループ名情報を受信用グループ名情報メモリ38b1に記憶し(S12)、S13以降の処理に移行する。
【0094】
ここで、リーダ・ライタ装置30と無線タグ装置10との無線通信について説明する。リーダ・ライタ装置30から送信要求信号が送信され、この送信要求信号が送信中のときに、操作者が無線タグ装置10にリーダ・ライタ装置30を近づけることにより、無線タグ装置10に送信要求信号が受信される。そして、送信要求信号を受信した無線タグ装置10は、リーダ・ライタ装置30に要求された情報を送信する。なお、リーダ・ライタ装置30は、要求された情報を受信すると、送信要求信号の送信を停止する。
【0095】
S13の処理においては、ラベル名情報およびグループ名情報が入力されているか否かを判定する(S13)。ラベル名情報が入力されているか否かは、受信用ラベル名情報メモリ38aにラベル名情報が存在するか否かにより判定され、グループ名情報が入力されているか否かは、受信用グループ名情報メモリ38b1にグループ名情報が存在するか否かにより判定される。
【0096】
S13の処理において、ラベル名情報およびグループ名情報が入力されていると判定された場合は(S13:Yes)、無線タグ装置10はすでに使用されており、ラベル名情報およびグループ名情報が入力されている。よって、既に入力されているラベル名情報およびグループ名情報が新たに入力するラベル名情報およびグループ名情報に上書きされることをディスプレイ32に表示する(S13A)。このディスプレイ32の表示により、操作者は、既に入力されているラベル名情報およびグループ名情報が上書きされることを認識することができる。
【0097】
S13Aの処理後、入力されているラベル名情報およびグループ名情報に、新たに入力するラベル名情報およびグループ名情報を上書きするか否か(S14)、即ち、既に入力されているラベル名情報およびグループ名情報を新たに入力するラベル名情報およびグループ名情報に変更するか否かを判定する(S14)。
【0098】
S14の処理において、既に入力されているラベル名情報およびグループ名情報を上書きすると判定された場合(S14:Yes)、即ち、設定されているラベル名情報およびグループ名情報を変更すると判定された場合は、設定されているラベル名情報およびグループ名情報に上書きするラベル名情報およびグループ名情報をリーダ・ライタ装置30に新たに入力する処理であるS15以降の処理に移行する。
【0099】
S13の処理において、ラベル名情報およびグループ名情報が入力されていないと判定された場合は(S13:No)、無線タグ装置10は未使用であり、ラベル名情報およびグループ名情報が入力されていない。この場合においても、ラベル名情報およびグループ名情報を入力する処理であるS15以降の処理に移行する。
【0100】
S15の処理においては、無線タグ装置10に入力するラベル名情報およびグループ名情報を入力するように操作者に指示する(S15)。S15の指示後、キーボード33を介して操作者により入力されたラベル名情報を記憶用ラベル名情報メモリ39bに記憶し、入力されたグループ名情報を記憶用グループ名情報メモリ39c1に記憶する(S16)。その後、S20以降の処理に移行する。
【0101】
S14の処理において、既に入力されているラベル名情報およびグループ名情報を上書きしないと判定された場合(S14:No)には、既に入力されているラベル名情報は変更せずに、既に入力されているグループ名情報のみを変更する(所属するグループ名のみ変更する)ということであるので、受信用ラベル名情報メモリ38aに記憶されたラベル名情報を記憶用ラベル名情報メモリ39bに転送し、記憶する(S17)。その後、グループ名情報を新たに入力するように操作者に指示して(S18)、操作者によりリーダ・ライタ装置30に入力されたグループ名情報を記憶用グループ名情報メモリ39c1に記憶する(S19)。その後、S20以降の処理に移行する。
【0102】
S20の処理においては、記憶用グループ名情報メモリ39c1に記憶されたグループ名情報で、最上位とする無線タグ装置10の階層構造情報を作成し(S20)、その後S21以降の処理に移行する。上記のS15の処理からS20までの処理により、例えば、グループ名情報を「グループA」とし、ラベル名情報を「B1」とした場合には、図3に示すように、階層位置情報51b3(「A:¥B1」)が階層構造情報として作成される。
【0103】
S21の処理においては、作成した階層構造情報を記憶用階層構造情報メモリ39c2に記憶し(S21)、その後S21Aの処理に移行する。このS21までの処理により、記憶用ラベル名情報メモリ39bにはラベル名情報が記憶され、記憶用関連情報メモリ39cには関連情報(グループ名情報と階層構造情報)が記憶される。
【0104】
S21Aの処理においては、最上位とする無線タグ装置10にリーダ・ライタ装置30を近づけるようディスプレイ32に表示する(S21A)。このディスプレイ32の表示に従い、操作者が最上位としたい無線タグ装置10にリーダ・ライタ装置30を近づけると、リーダ・ライタ装置30は、記憶用ラベル名情報メモリ39bに記憶されたラベル名情報と、記憶用関連情報メモリ39cに記憶された関連情報(グループ名情報と階層構造情報)とを最上位とする無線タグ装置10に送信する(S22)。このS22の処理により、リーダ・ライタ装置30によって作成されたラベル名情報、グループ名情報および階層構造情報が最上位とする無線タグ装置10に記憶される。なお、S22の送信後、リーダ・ライタ装置30が階層構造情報を送信した無線タグ装置10を記憶しておくために、記憶用ラベル名情報メモリ39bに記憶されたラベル名情報を、送信済メモリ39dに転送し、記憶しておく。S22の送信後、この最上位タグ構築処理を終了する。
【0105】
この最上位タグ構築処理により、リーダ・ライタ装置30を用いて、階層構造(図3参照)の最上位に配置される無線タグ装置10のグループ名情報とラベル名情報と階層構造情報とを作成することができる。
【0106】
次に、図8を参照して付属タグ構築処理を説明する。図8は、付属タグ構築処理を示したフローチャートである。付属タグ構築処理は、無線タグ装置10の階層構造情報が既に作成されている場合に、その作成された階層構造情報に新たに無線タグ装置10を追加して、既に作成されている階層構造情報を更新する処理である。付属タグ構築処理は、図6の機能選択処理により付属タグ構築処理が設定され、機能選択処理が終了した場合に実行される処理である。
【0107】
付属タグ構築処理では、まず、追加する対象の無線タグ装置10にリーダ・ライタ装置30を近づけるようディスプレイ32に表示する(S30)。このディスプレイ32の表示に従い、操作者が追加する対象の無線タグ装置10にリーダ・ライタ装置30を近づけると、リーダ・ライタ装置30は、階層構造情報(全ての階層位置情報51b3〜58b3を有する情報)に追加する対象の無線タグ装置10へラベル名情報の送信を要求する(S31)。次に、追加対象の無線タグ装置10から送信されたラベル名情報を、リーダ・ライタ装置30の受信用ラベル名情報メモリ38aに記憶する(S32)。
【0108】
S32の処理後、ラベル名情報が入力されているか否かを判定する(S33)。ラベル名情報が入力されているか否かは、受信用ラベル名情報メモリ38aにラベル名情報が存在するか否かにより判定される。ここで、ラベル名情報が入力されているか否かを判定するのみで、グループ名情報が入力されているか否かを判定しないのは、既に作成されている階層構造情報(全ての階層位置情報51b3〜58b3を有する情報)に新たに無線タグ装置10を追加する場合には、その新たに追加する無線タグ装置10のグループ名情報は、既に作成されている階層構造情報のグループ名と同一であるので、後に説明するS40の処理により、既に作成されている階層構造情報のグループ名をそのまま用いるからである。
【0109】
S33の処理において、ラベル名情報が入力されていると判定された場合は(S33:Yes)、追加対象の無線タグ装置10はすでに使用されており、ラベル名情報が入力されている。よって、既に入力されているラベル名情報に、新たに入力するラベル名情報を上書きするか否か(S34)、即ち、既に入力されているラベル名情報をこれから入力するラベル名情報に変更するか否かを判定する(S34)。なお、このS34判定においては、S34の判定前に、リーダ・ライタ装置30が、入力されているラベル名情報に、新たに入力するラベル名情報を上書きするか否かを操作者に報知する。そして、操作者がリーダ・ライタ装置30のキーボード33を用いて入力した報知に対する応答を用いてS34の判定が行われる。
【0110】
S34の処理において、既に入力されているラベル名情報を上書きすると判定された場合(S34:Yes)、即ち、設定されているラベル名情報を変更すると判定された場合は、設定されているラベル名情報に上書きするラベル名情報をリーダ・ライタ装置30に入力する処理であるS35以降の処理に移行する。
【0111】
S33の処理において、ラベル名情報が入力されていないと判定された場合は(S33:No)、追加対象の無線タグ装置10は未使用であり、ラベル名情報が記憶されていない。この場合においても、ラベル名情報をリーダ・ライタ装置30に入力する処理であるS35以降の処理に移行する。
【0112】
S35の処理においては、追加対象の無線タグ装置10に新たに入力するラベル名情報を入力するように操作者に指示する(S35)。S35の指示によって、操作者により作成されたラベル名情報を記憶用ラベル名情報メモリ39bに記憶する(S36)。その後、S38以降の処理に移行する。
【0113】
S34の処理において、既に入力されたラベル名情報を上書きしないと判定された場合には(S34:No)、既に入力されているラベル名情報を変更せずにそのまま使用するということであるので、受信用ラベル名情報メモリ38aに記憶されたラベル名情報を記憶用ラベル名情報メモリ39bに転送し、記憶する(S37)。その後、S37A以降の処理に移行する。
【0114】
S37Aの処理においては、基準とする無線タグ装置10にリーダ・ライタ装置30を近づけるようディスプレイ32に表示する(S37A)。このディスプレイ32の表示に従い、基準とする無線タグ装置10に操作者がリーダ・ライタ装置30を近づけると、リーダ・ライタ装置30は、基準とする無線タグ装置10に関連情報(グループ名情報と階層構造情報)を送信するように要求し(S38)、S39以降の処理に移行する。ここで、例えば、図3に示す階層構造のように、ラベル名「B1」、ラベル名「C1」、ラベル名「D1」、ラベル名「E1」、ラベル名「E2」、ラベル名「E3」、ラベル名「F1」、およびラベル名「F2」の8つの無線タグ装置10が存在するときに、ラベル名「E1」の下位層に新たにラベル名「F3」の無線タグ装置10を構築する場合には、基準となる無線タグ装置10は、ラベル名「E1」の無線タグ装置10、または、ラベル名「F1」の無線タグ装置10又はラベル名「F2」の無線タグ装置10となる。
【0115】
即ち、基準とする無線タグ装置10とは、既に階層構造情報が作成されている無線タグ装置10であり且つ付属タグ構築処理によって階層構造情報に追加する無線タグ装置10の1つ上位層または同位層となる。よって、S37Aの処理により、ディスプレイ32の表示を見た操作者は、新たに追加したい無線タグ装置10の上位層または同位層のいずれかの基準となる無線タグ装置10にリーダ・ライタ装置30を近づけることになる。
【0116】
S39の処理においては、基準とする無線タグ装置10から送信された関連情報(グループ名情報と階層構造情報)を受信用関連情報メモリ38bに記憶し(グループ名情報は受信用グループ名情報メモリ38b1に記憶し、階層構造情報は受信用階層構造情報メモリ38b2にそれぞれ記憶し)(S39)、受信用グループ名情報メモリ38b1に記憶されたグループ名情報を記憶用グループ名情報メモリ39c1に転送し、記憶する(S40)。その後、S41の階層構造情報構築処理に移行する。
【0117】
ここで、図9を用いてS41の階層構造情報構築処理について説明する。図9は、階層構造情報構築処理を示したフローチャートである。階層構造情報構築処理は、基準とする無線タグ装置10から送信された階層構造情報を利用して、既に作成されている階層構造情報に新たに無線タグ装置10を追加して、既に作成されている階層構造情報を更新する処理である。
【0118】
階層構造情報構築処理では、まず、受信用階層構造情報メモリ38b2に記憶された基準とする無線タグ装置10の階層構造情報をディスプレイ32に表示し(S51)、基準とする無線タグ装置10に対する追加対象の無線タグ装置10の階層位置を決定するよう、ディスプレイ32に表示する(S51A)。
【0119】
S51Aの処理後、S52の処理で、追加対象の無線タグ装置10が基準とする無線タグ装置10に対して下位層であると判定された場合は(S52:下位層)、S53の処理に移行し、受信用階層構造情報メモリ38b2に記憶された階層構造情報を利用し、追加対象の無線タグ装置10を基準とする無線タグ装置10の下位層として、階層位置情報を作成する(S53)。その後、S55の処理に移行する。
【0120】
このS53の処理においては、例えば、ラベル名「E1」である基準とする無線タグ装置10の階層構造情報が、リーダ・ライタ装置30の受信用階層構造情報メモリ38b2に記憶されているときに、ラベル名「F3」である追加対象の無線タグ装置10を、基準とする無線タグ装置10であるラベル名「E1」の下位層として階層位置情報を作成する場合には、まず、受信用階層構造情報メモリ38b2に記憶されている階層構造情報から、基準とする無線タグ装置10であるラベル名「E1」の階層位置情報54b3(図3参照)を選出する。階層位置情報54b3の選出後、基準とする無線タグ装置10であるラベル名「E1」の階層位置情報54b3を利用して、ラベル名「E1」の階層位置情報54b3の「A:¥B1¥C1¥D1¥E1」の「¥E1」の下位層に、追加対象の無線タグ装置10のラベル名である「¥F3」を付け加え、ラベル名「F3」である追加対象の無線タグ装置10の階層位置情報「A:¥B1¥C1¥D1¥E1¥F3」を作成する。
【0121】
S52の処理において、追加対象の無線タグ装置10が基準とする無線タグ装置10に対して同位層であると判定された場合は(S52:同位層)、S54の処理に移行し、受信用階層構造情報メモリ38b2に記憶された階層構造情報を利用し、追加対象の無線タグ装置10を基準とする無線タグ装置10の同位層として、階層位置情報を作成する(S54)。その後、S55の処理に移行する。
【0122】
このS54の処理においては、例えば、ラベル名「F1」である基準とする無線タグ装置10の階層構造情報が、リーダ・ライタ装置30の受信用階層構造情報メモリ38b2に記憶されているときに、ラベル名「F3」である追加対象の無線タグ装置10を、基準とする無線タグ装置10であるラベル名「E1」の同位層として階層位置情報を作成する場合には、まず、受信用階層構造情報メモリ38b2に記憶されている階層構造情報から、基準とする無線タグ装置10であるラベル名「F1」の階層位置情報55b3(図3参照)を選出する。階層位置情報55b3の選出後、基準とする無線タグ装置10であるラベル名「F1」の階層位置情報55b3を利用して、ラベル名「F1」の階層位置情報55b3の「A:¥B1¥C1¥D1¥E1¥F1」の「¥F1」を追加対象の無線タグ装置10のラベル名である「¥F3」に書き換えて、ラベル名「F3」である追加対象の無線タグ装置10の階層位置情報「A:¥B1¥C1¥D1¥E1¥F3」を作成する。
【0123】
S55の処理においては、上記のS53の処理またはS54の処理で作成された階層位置情報を記憶用階層構造情報メモリ39c2に記憶し(S55)、S56以降の処理に移行する。S56の処理においては、記憶用階層構造情報メモリ39c2に記憶された階層位置情報を、受信用階層構造情報メモリ38b2に記憶された階層構造情報に追加して、記憶用階層構造情報メモリ39c2に記憶する(S56)。その後、S57の処理に移行する。
【0124】
ここで、S56の処理においては、S51からS55までの処理で作成された階層位置情報は追加対象の無線タグ装置10の階層位置情報のみであるので、この追加対象の無線タグ装置10の階層位置情報を、受信用階層構造情報メモリ38b2に記憶された、追加対象の無線タグ装置10を追加する前の階層構造情報に追加して、階層構造情報を作成して、記憶用階層構造情報メモリ39c2に記憶するのである。
【0125】
S56の処理について例を用いて説明する。ここでは、図3に示すように、ラベル名「B1」、ラベル名「C1」、ラベル名「D1」、ラベル名「E1」、ラベル名「E2」、ラベル名「E3」、ラベル名「F1」、およびラベル名「F2」の8つの無線タグ装置10が存在するときに、新たにラベル名「E1」の下位層にラベル名「F3」の無線タグ装置10を構築する場合について説明する。ラベル名「E1」である基準とする無線タグ装置10のタグ用階層構造情報メモリ18b2に記憶された階層構造情報が、受信用階層構造情報メモリ38b2に記憶されている場合には、上記のS53の処理において、ラベル名「F3」の無線タグ装置10の階層位置情報である「A:¥B1¥C1¥D1¥E1¥F3」を作成し、作成された階層位置情報「A:¥B1¥C1¥D1¥E1¥F3」を、受信用階層構造情報メモリ38b2に記憶された階層構造情報(階層位置情報51b3(図3参照)である「A:¥B1」と、階層位置情報52b3(図3参照)である「A:¥B1¥C1」と、階層位置情報53b3(図3参照)である「A:¥B1¥C1¥D1」と、階層位置情報54b3(図3参照)である「A:¥B1¥C1¥D1¥E1」、階層位置情報55b3(図3参照)である「A:¥B1¥C1¥D1¥E1¥F1」と、階層位置情報56b3(図3参照)である「A:¥B1¥C1¥D1¥E1¥F2」と、階層位置情報57b3(図3参照)である「A:¥B1¥C1¥D1¥E2」と、階層位置情報58b3(図3参照)である「A:¥B1¥C1¥D1¥E3」と)に追加する。これにより、階層構造情報には、ラベル名「F3」の無線タグ装置10の階層位置情報である「A:¥B1¥C1¥D1¥E1¥F3」が追加され、追加対象の無線タグ装置10のラベル名「F3」を階層構造情報に追加することができる。
【0126】
S56Aの処理においては、追加対象となる無線タグ装置10にリーダ・ライタ装置30を近づけるようディスプレイに表示する(S56A)。このディスプレイ32の表示に従い、操作者が追加対象となる無線タグ装置10にリーダ・ライタ装置30を近づけると、リーダ・ライタ装置30は、追加対象となる無線タグ装置10へ記憶用ラベル名情報メモリ39bに記憶されたラベル名情報および記憶用関連情報メモリ39cに記憶された関連情報(グループ名情報と階層構造情報)を送信する(S57)。このS57の処理によって、リーダ・ライタ装置30によって作成されたラベル名情報および関連情報が追加対象の無線タグ装置10に記憶される。S57の送信後、この階層構造情報構築処理を終了する。
【0127】
このように、階層構造情報構築処理によって、リーダ・ライタ装置30により関連情報(グループ名情報と階層構造情報)が作成されると、無線タグ装置10の1つと、その無線タグ装置10を除く他の無線タグ装置10とを関連付けることができる。なお、図12に示す参照処理によりリーダ・ライタ装置30により作成された関連情報(グループ名情報と階層構造情報)を用いて、無線タグ装置10の1つと、その無線タグ装置10を除く他の無線タグ装置10との関連を知ることができる。
【0128】
また、階層構造構築処理によって、基準となる無線タグ装置10を除く他の複数の無線タグ装置10のそれぞれについて、関連情報を基準となる無線タグ装置10の下位層若しくは同位層を示す階層構造の情報として作成するので、基準となる無線タグ装置10と、その基準となる無線タグ装置10を除く他の無線タグ装置10との関連を、作成された階層構造の情報により容易に把握することができる。
【0129】
更には、階層構造構築処理のS52の処理により、追加対象となる無線タグ装置10を基準となる無線タグ装置10の同位層に配置するか下位層に配置するかを判定して階層構造情報を作成するので、追加対象となる無線タグ装置10を同位層または下位層に容易に振り分けることができる。また、階層構造構築処理のS52の処理の前に、S51Aの処理により、基準とする無線タグ装置10に対する追加対象の無線タグ装置10の階層位置を決定するよう操作者に報知するので、無線タグ装置10を配置する位置を操作者が認識することができる。
【0130】
図8に戻り、S41A以降の処理の説明を行う。S41Aの処理においては、最上位とする無線タグ装置10にリーダ・ライタ装置30を近づけるようディスプレイに表示する(S41A)。このディスプレイ32の表示に従い、操作者が最上位とする無線タグ装置10にリーダ・ライタ装置30を近づけると、リーダ・ライタ装置30は、最上位とする無線タグ装置10へタグ用ラベル名情報メモリ18aに記憶されたラベル名情報を送信するよう要求する(S42)。
【0131】
次に、最上位とする無線タグ装置10から送信されたラベル名情報を、リーダ・ライタ装置30の受信用ラベル名情報メモリ38aに記憶し(S43)、受信用ラベル名情報メモリ38aに記憶されたラベル名情報は最上位とする無線タグ装置10のラベル名情報であるか否かを判定する(S44)。ここで、受信用ラベル名情報メモリ38aに記憶されたラベル名情報は最上位とする無線タグ装置10のラベル名情報であるか否かは、受信用ラベル名情報メモリ38aに記憶されたラベル名情報と、記憶用階層構造情報メモリ39c2に記憶された階層構造情報とにより判定できる。
【0132】
例えば、受信用ラベル名情報メモリ38aに記憶されたラベル名情報のラベル名が「B1」である場合(図3参照)には、記憶用階層構造情報メモリ39c2に記憶された階層構造情報に含まれる階層位置情報51b3(図3参照)を利用することにより、ラベル名「B1」は、グループ名情報のグループ名「A」の隣に位置していることが認識できるので、受信用ラベル名情報メモリ38aに記憶されたラベル名情報のラベル名「B1」が最上位の無線タグ装置10であると判定できる。
【0133】
また、例えば、受信用ラベル名情報メモリ38aに記憶されたラベル名情報のラベル名が「F1」である場合(図3参照)には、記憶用階層構造情報メモリ39c2に記憶された階層構造情報に含まれる階層位置情報55b3(図3参照)を利用することにより、ラベル名「F1」は、グループ名情報のグループ名「A」の隣に位置していないことが認識できるので、受信用ラベル名情報メモリ38aに記憶されたラベル名情報のラベル名「F1」は最上位の無線タグ装置10でないと判定できる。
【0134】
S44の処理において、受信用ラベル名情報メモリ38aに記憶されたラベル名情報は最上位とする無線タグ装置10のラベル名情報でないと判定された場合は(S44:No)、最上位とする無線タグ装置10からラベル名情報を受信するために、S41Aの処理に戻る。一方、受信用ラベル名情報メモリ38aに記憶されたラベル名情報は最上位とする無線タグ装置10のラベル名情報であると判定された場合は(S44:Yes)、S45以降の処理に移行する。
【0135】
S45の処理においては、記憶用階層構造情報メモリ39c2に記憶された階層構造情報を最上位とする無線タグ装置10へ送信するように操作者に報知し、報知後に階層構造情報を送信する(S45)。このS45の処理により、リーダ・ライタ装置30は操作者に階層構造情報の送信先を案内することができる。リーダ・ライタ装置30によって作成された階層構造情報が最上位とする無線タグ装置10に送信されると、最上位とする無線タグ装置10に作成された階層構造情報が記憶される。このように、最上位とする無線タグ装置10には、リーダ・ライタ装置30によって作成された最新の階層構造情報を記憶させることができる。このS45の送信後、S46以降の処理に移行する。
【0136】
S46の処理においては、追加対象の無線タグ装置10は他にあるか否かが判定される(S46)。なお、このS46判定においては、S46の判定前に、リーダ・ライタ装置30が、追加対象の無線タグ装置10は他にあるか否かを操作者に報知する。そして、操作者がリーダ・ライタ装置30のキーボード33を用いて入力した報知に対する応答を用いてS46の判定が行われる。
【0137】
S46の処理において、追加対象の無線タグ装置10が他にあると判定された場合は(S46:Yes)、無線タグ装置10を階層構造情報に追加するために、S30の処理に戻る。一方、追加対象の無線タグ装置10が他にないと判定された場合は(S46:No)、S47の情報転送処理に移行する。
【0138】
ここで、図10を用いて情報転送処理について説明する。図10は、情報転送処理を示したフローチャートである。情報転送処理は、図9に示す階層構造情報構築処理によって作成された階層構造情報を、グループ名情報が同一である最上位以外の無線タグ装置10に転送する処理である。情報転送処理では、まず、グループ名情報が同一の無線タグ装置10の1つにリーダ・ライタ装置30を近づけるようディスプレイ32に表示する(S60)。このディスプレイ32の表示に従い、グループ名情報が同一の無線タグ装置10の1つに操作者がリーダ・ライタ装置30を近づけると、リーダ・ライタ装置30は、グループ名情報が同一の無線タグ装置10の1つへラベル名情報および関連情報(グループ名情報および階層構造情報)を送信するように要求する(S61)。次に、送信されたラベル名情報を受信用ラベル名情報メモリ38aに記憶し、送信された関連情報(グループ名情報および階層構造情報)を受信用関連情報メモリ38bに記憶し(グループ名情報は受信用グループ名情報メモリ38b1に記憶され、階層構造情報は受信用階層構造情報メモリ38b2に記憶し)(S62)、S63以降の処理に移行する。
【0139】
S63の処理においては、受信用グループ名情報メモリ38b1に記憶されたグループ名情報は、記憶用グループ名情報メモリ39c1に記憶されたグループ名情報と同一か否かが判定される(S63)。この処理においては、S61の送信要求により関連情報(グループ名情報と階層構造情報)を送信した無線タグ装置10のグループ名情報(受信用関連情報メモリ38b内の受信用グループ名情報メモリ38b1に記憶されたグループ名情報)と、記憶用グループ名情報メモリ39c1に記憶されたグループ名情報とが同一であるか否か、即ち、S61の送信要求により関連情報(グループ名情報と階層構造情報)を送信した無線タグ装置10は、記憶用階層構造メモリ39c2に記憶された階層構造情報の送信対象であるか否かが判定される。
【0140】
S63の処理において、受信用グループ名情報メモリ38b1に記憶されたグループ名情報は、記憶用グループ名情報メモリ39c1に記憶されたグループ名情報と同一でないと判定された場合は(S63:No)、S61の要求によりラベル名情報および関連情報を送信した無線タグ装置10は、記憶用階層構造メモリ39c2に記憶された階層構造情報の送信対象でないので、S60の処理に戻り、S60の処理後、再び、グループ名情報が同一である無線タグ装置10の1つにラベル名情報および関連情報を送信するように要求する(S61)。
【0141】
S63の処理において、受信用グループ名情報メモリ38b1に記憶されたグループ名情報は、記憶用グループ名情報メモリ39c1に記憶されたグループ名情報と同一であると判定された場合は(S63:Yes)、S64以降の処理に移行する。S64の処理においては、記憶用階層構造情報メモリ39c2に記憶された階層構造情報を、ラベル名情報および関連情報(グループ名情報および階層構造情報)を送信要求した無線タグ装置10へ送信し(S64)、S64A以降の処理に移行する。
【0142】
S64Aの処理においては、受信用ラベル名情報メモリ38aに記憶されたラベル名情報を、送信済メモリ39dに転送し、記憶する(S64A)。S64Aの処理後、S65以降の処理に移行する。このS64Aの処理では、リーダ・ライタ装置30が階層構造情報を送信した無線タグ装置10を記憶しておくために、受信用ラベル名情報メモリ38aに記憶されたラベル名情報を、送信済メモリ39dに転送し、記憶しておく。
【0143】
S65の処理においては、リーダ・ライタ装置30に送信終了の指示があるか否かが判定される(S65)。リーダ・ライタ装置30に階層構造情報の送信終了の指示がないと判定された場合は(S65:No)、S66の処理に移行する。S66の処理においては、グループ名情報が同一である無線タグ装置10の全ての無線タグ装置10の階層構造情報が書き換えられたか否かが判定される(S66)。
【0144】
グループ名情報が同一である無線タグ装置10の全ての無線タグ装置10の階層構造情報が書き換えられたか否かの判定(S66)は、S64Aの処理において送信済メモリ39dに記憶されたラベル名情報と、受信用階層構造情報メモリ38b2に記憶された階層構造情報とを用いて行う。
【0145】
具体的な判定方法を説明する。受信用階層構造情報メモリ38b2に記憶された階層構造情報から、グループ名情報のグループ名「A」である全て無線タグ装置10は、図3に示すように、ラベル名「B1」〜「F2」の8つであることを検出することができる。この8つのラベル名と送信済メモリ39dに記憶されたラベル名とが全て一致すれば、全ての無線タグ装置10の階層構造情報が書き換えられたと判定される。また、この8つのラベル名と送信済メモリ39dに記憶されたラベル名とが全て一致しなければ、グループ名情報のグループ名が「A」である全ての無線タグ装置10の階層構造情報が書き換えられていないと判定される。
【0146】
S66の処理において、グループ名情報が同一である無線タグ装置10の全ての無線タグ装置10の階層構造情報が書き換えられたと判定された場合は(S66:Yes)、S67の処理に移行し、階層構造情報の転送完了を表示する(S67)。この処理の後、情報転送処理を終了する。一方、グループ名情報が同一である無線タグ装置10の全ての無線タグ装置10の階層構造情報が書き換えられていないと判定された場合は(S66:No)、S60の処理に戻り、階層構造情報の転送処理を繰り返す。
【0147】
S65の処理において、リーダ・ライタ装置30に階層構造情報の送信終了の指示があると判定された場合は(S65:Yes)、S68の処理に移行する。S68の処理においては、グループ名情報が同一である無線タグ装置10の全ての無線タグ装置10の階層構造情報が書き換えられたか否かが判定される(S68)。なお、このS68の処理は、S66の処理と同一の処理であるので、詳細な説明は省略する。
【0148】
S68の処理において、グループ名情報が同一である無線タグ装置10の全ての無線タグ装置10の階層構造情報が書き換えられたと判定された場合は(S68:Yes)、S67の処理に移行し、階層構造情報の転送完了を表示する(S67)。この処理の後、情報転送処理を終了する。一方、グループ名情報が同一である無線タグ装置10の全ての無線タグ装置10の階層構造情報が書き換えられていないと判定された場合は(S68:No)、S69の処理に移行し、階層構造情報の転送未完了を表示する(S69)。この処理の後、情報転送処理を終了する。
【0149】
なお、階層構造情報の転送完了が表示された場合は(S67)、送信済メモリ39dに記憶されたラベル名情報は消去され、階層構造情報の転送未完了が表示された場合は(S69)、送信済メモリ39dに記憶されたラベル名情報は消去されず、保存されたままである。このように、階層構造情報の転送が未完了である場合は、ラベル名情報を送信済メモリ39dに保存しておくことで、次に情報転送処理を実行する場合に、階層構造情報の転送が未完了である無線タグ装置10を操作者が認識することができる。
【0150】
ここで、S69の処理により、階層構造情報の転送未完了を表示するので、グループ名情報が同一である無線タグ装置10の全てに階層構造情報の送信が完了していないことを操作者に案内することができる。なお、情報転送処理が終了すると、図8に示す付属タグ構築処理のS47の処理が終了し、付属タグ構築処理も終了する。
【0151】
次に、図11を参照して、情報整合処理について説明する。図11は、情報整合処理を示したフローチャートである。情報整合処理は、図10に示す情報転送処理で階層構造情報の転送が未完了である場合に、階層構造情報の転送が未完了である無線タグ装置10に図9に示す階層構造情報構築処理で作成された階層構造情報を送信する処理である。この情報整合処理は、図6の機能選択処理により情報整合処理が設定され、機能選択処理が終了した場合に実行される処理である。
【0152】
情報整合処理では、まず、情報を整合させたいグループ名の最上位の無線タグ装置10にリーダ・ライタ装置30を近づけるようディスプレイ32に表示する(S70)。このディスプレイ32の表示に従い、情報を整合させたいグループ名の最上位の無線タグ装置10に操作者がリーダ・ライタ装置30を近づけると、リーダ・ライタ装置30は、最上位とする無線タグ装置10にラベル名情報および関連情報(グループ名情報および階層構造情報)を送信するように要求する(S71)。
【0153】
ここで、最上位とする無線タグ装置10にラベル名情報および関連情報の送信を要求する理由は、S71の送信要求により送信された関連情報が最上位とする無線タグ装置10のものか否かを判定するためにラベル名情報を使用するためであり、また、図8に示す付属タグ構築処理のS45によって、少なくとも最上位とする無線タグ装置10には、図9に示す階層構造情報構築処理で作成された関連情報(グループ名情報および階層構造情報)が記憶されているからである。
【0154】
最上位とする無線タグ装置10へのラベル名情報および関連情報(グループ名情報および階層構造情報)の送信要求により(S71)、最上位とする無線タグ装置10から送信されたラベル名情報をリーダ・ライタ装置30の記憶用ラベル名情報メモリ39bに記憶し、送信された関連情報をリーダ・ライタ装置30の記憶用関連情報メモリ39cに記憶する(グループ名情報は記憶用グループ名情報メモリ39c1に記憶し、階層構造情報は記憶用階層構造情報メモリ39c2に記憶する)(S72)。
【0155】
S73の処理においては、記憶用ラベル名情報メモリ39bに記憶されたラベル名情報は最上位とする無線タグ装置10のラベル名情報か否かが判定される(S73)。このS73の処理は、記憶用階層構造情報メモリ39c2に記憶された階層構造情報に基づいて、記憶用ラベル名情報メモリ39bに記憶されたラベル名情報は最上位とする無線タグ装置10のラベル名情報か否かを判定すれば良い。
【0156】
S73の処理において、記憶用ラベル名情報メモリ39bに記憶されたラベル名情報は最上位とする無線タグ装置10のラベル名情報でないと判定された場合は(S73:No)、最上位とする無線タグ装置10からラベル名情報を受信するために、S70の処理に戻る。一方、記憶用ラベル名情報メモリ39bに記憶されたラベル名情報は最上位とする無線タグ装置10のラベル名情報であると判定された場合は(S73:Yes)、S73A以降の処理に移行する。
【0157】
S73Aの処理においては、整合対象の無線タグ装置10にリーダ・ライタ装置30を近づけるようディスプレイ32に表示する(S73A)。このディスプレイ32の表示に従い、整合対象の無線タグ装置10に操作者がリーダ・ライタ装置30を近づけると、リーダ・ライタ装置30は、図10に示す情報転送処理で階層構造情報の送信が未完了である無線タグ装置10、即ち、整合対象の無線タグ装置10に関連情報(グループ名情報および階層構造情報)を送信するように要求し(S74)、S75以降の処理に移行する。S75の処理においては、整合対象の無線タグ装置10から送信された関連情報を受信用関連情報メモリ38bに記憶し(グループ名情報は受信用グループ名情報メモリ38b1に記憶し、階層構造情報は受信用階層構造情報メモリ38b2に記憶し)(S75)、S76以降の処理に移行する。
【0158】
S76の処理においては、受信用グループ名情報メモリ38b1に記憶されたグループ名情報は、記憶用グループ名情報メモリ39c1に記憶されたグループ名情報と同一か否かが判定される(S76)。このS76の処理は、図10に示す情報転送処理のS63の処理と同一である。よって、S76の処理の詳細な説明は省略する。
【0159】
S76の処理において、受信用グループ名情報メモリ38b1に記憶されたグループ名情報は、記憶用グループ名情報メモリ39c1に記憶されたグループ名情報と同一でないと判定された場合は(S76:No)、S74の要求により関連情報(グループ名情報および階層構造情報)を送信した無線タグ装置10は、記憶用階層構造情報メモリ39c2に記憶された階層構造情報の送信対象でないので、S80の処理へ移行し、グループ名情報が違うことを報知して(S80)、この情報整合処理を終了する。
【0160】
S76の処理において、受信用グループ名情報メモリ38b1に記憶されたグループ名情報は、記憶用グループ名情報メモリ39c1に記憶されたグループ名情報と同一であると判定された場合は(S76:Yes)、S77以降の処理に移行する。S77の処理においては、記憶用階層構造情報メモリ39c2に記憶された階層構造情報は、受信用階層構造情報メモリ38b2に記憶された階層構造情報と同一か否か、即ち、記憶用階層構造情報メモリ39c2に記憶された階層構造情報は、S74の送信要求により整合対象の無線タグ装置10から送信された関連情報(グループ名情報および階層構造情報)に含まれる階層構造情報と同一か否かが判定される(S77)。
【0161】
S77の処理において、記憶用階層構造情報メモリ39c2に記憶された階層構造情報は、受信用階層構造情報メモリ38b2に記憶された階層構造情報と同一でないと判定された場合には(S77:No)、S78以降の処理に移行し、記憶用階層構造情報メモリ39c2に記憶された階層構造情報を整合対象の無線タグ装置10に送信する(S78)。S78の処理後、S79の処理に移行し、整合対象の無線タグ装置10の階層構造情報が、最上位とする無線タグ装置10の階層構造情報と整合されたことを報知する(S79)。S79の処理後、情報整合処理を終了する。
【0162】
S77の処理において、記憶用階層構造情報メモリ39c2に記憶された階層構造情報は、受信用階層構造情報メモリ38b2に記憶された階層構造情報と同一であると判定された場合には(S77:Yes)、S81の処理に移行し、整合対象の無線タグ装置10の階層構造情報は、最上位とする無線タグ装置10の階層構造情報と既に同一であることを報知する(S81)。このS81の処理後、情報整合処理を終了する。
【0163】
情報整合処理によって、図10に示す情報転送処理で情報の転送が未完了である場合に、情報の転送が未完了である無線タグ装置10に、最上位とする無線タグ装置10の階層構造情報を送信し、情報の転送が未完了である無線タグ装置10の階層構造情報を最上位とする無線タグ装置10の階層構造情報と整合させることができ、最上位とする無線タグ装置10が記憶する最新の階層構造情報を、情報の転送が未完了である無線タグ装置10に記憶させることができる。
【0164】
次に、図12を参照して、参照処理について説明する。図12は、参照処理を示したフローチャートである。参照処理は、無線タグ装置10に記憶されたラベル名情報および関連情報(グループ名情報および階層構造情報)をリーダ・ライタ装置30で受信し、受信したラベル名情報および関連情報をリーダ・ライタ装置30のディスプレイ32に表示し、参照する処理である。この参照処理は、図6の機能選択処理により参照処理が設定され、機能選択処理が終了した場合に実行される処理である。
【0165】
参照処理では、まず、参照する無線タグ装置10にラベル名情報および関連情報(グループ名情報と階層構造情報)を送信するように要求する(S91)。なお、S91の判定前に、リーダ・ライタ装置30が、参照する無線タグ装置10にリーダ・ライタ装置30を近づけるようディスプレイ32に表示する。このディスプレイ32の表示に従い、参照する無線タグ装置10に操作者がリーダ・ライタ装置30を近づけると、リーダ・ライタ装置30は、参照する無線タグ装置10にラベル名情報および関連情報を送信するように要求する(S91)。
【0166】
次に、参照する無線タグ装置10から送信されたラベル名情報をリーダ・ライタ装置30の記憶用ラベル名情報メモリ39bに記憶し、参照する無線タグ装置10から送信された関連情報(グループ名情報と階層構造情報)をリーダ・ライタ装置30の記憶用関連情報メモリ39cに記憶する(グループ名情報は記憶用グループ名情報メモリ39c1に記憶し、階層構造情報は記憶用階層構造情報メモリ39c2に記憶する)(S92)。
【0167】
なお、ラベル名情報を、受信用ラベル名情報メモリ38aに記憶せず、記憶用ラベル名情報メモリ39bに記憶するのは、参照処理を途中で終了し、次の機会に参照処理を実行する場合にも、記憶用ラベル名情報メモリ39bに記憶されたラベル名情報を使用することができるためである。
【0168】
S93の処理においては、ラベル名情報および関連情報(グループ名情報と階層構造情報)が入力されているか否かを判定する(S93)。ラベル名情報が入力されているか否かは、記憶用ラベル名情報メモリ39bにラベル名情報が存在するか否かにより判定され、関連情報が入力されているか否かは、記憶用関連情報メモリ39cに関連情報が存在するか否かにより判定される。
【0169】
S93の処理において、ラベル名情報および関連情報(グループ名情報と階層構造情報)が入力されていると判定された場合は(S93:Yes)、S94以降の処理に移行する。S94の処理においては、記憶用ラベル名情報メモリ39bに記憶されたラベル名情報を用いて、参照する無線タグ装置10のラベル名情報をディスプレイ32に表示すると共に、記憶用関連情報メモリ39cに記憶された関連情報を用いて、参照する無線タグ装置10のグループの階層構造が分かるようにラベル名が階層構造に従って並べられた一覧をディスプレイ32に表示する(図5(a)参照)。また、この際、参照する無線タグ装置10のグループ名、グループ名が同一である全ての無線タグ装置10の数もディスプレイ32に表示する。更に、参照する無線タグ装置10のラベル名のみを反転表示させるなどして、参照する無線タグ装置10のラベル名が操作者に分かるように表示させる(図5(a)参照)。このS94の処理後、S95以降の処理に移行する。ここで、S94の処理により、ディスプレイ32に各種情報を表示するので、操作者は視覚による各種情報の確認を行うことができる。尚、本実施例では図5(a)に示したように階層構造が分かるようにラベル名が階層構造に従って並べられた一覧を表示するものとして説明したが、ディスプレイ32には図5(b)に示したように1つのラベル名のみを表示させても良い。
【0170】
次に、別の無線タグ装置10を参照するか否かが判定される(S95)。なお、このS95判定においては、S95の判定前に、リーダ・ライタ装置30が、別の無線タグ装置10を参照するか否かを操作者に報知する。そして、操作者がリーダ・ライタ装置30のキーボード33を用いて入力した報知に対する応答を用いてS95の判定が行われる。
【0171】
S95の処理において、別の無線タグ装置10を参照すると判定された場合は(S95:Yes)、S91の処理に戻り、S91以降の処理を繰り返す。一方、別の無線タグ装置10を参照しないと判定された場合は(S95:No)、S97以降の処理に移行する。
【0172】
S93の処理において、ラベル名情報および関連情報(グループ名情報と階層構造情報)が入力されていないと判定された場合は(S93:No)、S96以降の処理に移行する。S96の処理においては、参照する無線タグ装置10にはラベル名情報および関連情報がないことを表示し(S96)、S97以降の処理に移行する。
【0173】
S97の処理においては、参照処理を終了するか否かの判定が行われる(S97)。なお、このS97判定においては、S97の判定前に、リーダ・ライタ装置30が、参照処理を終了するか否かを操作者に報知する。そして、操作者がリーダ・ライタ装置30のキーボード33を用いて入力した報知に対する応答を用いてS97の判定が行われる。
【0174】
S97の処理において、参照処理を終了すると判定された場合は(S97:Yes)、S99の処理に移行し、ディスプレイ32の表示を終了する(S99)。このS99の処理後、参照処理を終了する。一方、参照処理を終了しないと判定された場合は(S97:No)、S98以降の処理に移行する。
【0175】
S98の処理においては、別の無線タグ装置10を参照するか否かが判定される(S98)。このS98の処理は、S95の処理と同一である。よって、詳細な説明は省略する。ここで、S95の処理と同一の処理であるS98の処理を実行するのは、S95の処理で別の無線タグ装置10を参照したいのにも拘らず、誤って参照しないと応答した結果、S97の処理に移行した場合に、参照処理を継続させるためである。
【0176】
S98の処理において、別の無線タグ装置10を参照すると判定された場合は(S98:Yes)、S91の処理に戻り、S91以降の処理を繰り返す。一方、別の無線タグ装置10を参照しないと判定された場合は(S98:No)、ディスプレイ32の表示を終了後(S99)、参照処理を終了する。
【0177】
参照処理によって、無線タグ装置10に記憶されたラベル名情報および関連情報(グループ名情報と階層構造情報)をリーダ・ライタ装置30で受信し、受信したラベル名情報および関連情報をリーダ・ライタ装置30のディスプレイ32に表示することができる。
【0178】
次に、図13を参照して、無線タグ装置10の応答処理を説明する。図13は、無線タグ装置10の応答処理を示したフローチャートである。応答処理は、リーダ・ライタ装置30から送信された信号を無線タグ装置10が受信した場合に、受信した信号に対する無線タグ装置10の応答を行う処理である。よって、応答処理は、リーダ・ライタ装置30から送信された信号を無線タグ装置10が受信した場合に実行される。なお、無線タグ装置10は、リーダ・ライタ装置30から送信される信号を受信しない場合は、リーダ・ライタ装置30から送信される信号を受信する受信機能のみが起動され、その他の機能は起動しない状態となっている。
【0179】
応答処理では、リーダ・ライタ装置30から送信された信号を無線タグ装置10が受信した場合に、リーダ・ライタ装置30から受信した信号はラベル名情報または関連情報(グループ名情報と階層構造情報)か否かが判定される(S101)。ここで、リーダ・ライタ装置30から無線タグ装置10に送信される信号は、ラベル名情報、関連情報、ラベル名情報の送信要求、および関連情報の送信要求の4つである。
【0180】
S101の処理において、リーダ・ライタ装置30から受信した信号がラベル名情報または関連情報(グループ名情報と階層構造情報)であると判定された場合は(S101:Yes)、S102以降の処理に移行する。S102の処理においては、リーダ・ライタ装置30から受信したラベル名情報をタグ用ラベル名情報メモリ18aに記憶し、受信した関連情報をタグ用関連情報メモリ18bに記憶し(受信したグループ名情報はタグ用グループ名情報メモリ18b1に記憶し、受信した階層構造情報はタグ用階層構造情報メモリ18b2に記憶し)(S102)、S103以降の処理に移行する。
【0181】
S103の処理においては、タグ用ラベル名情報メモリ18aに記憶されたラベル名情報をタグ用ディスプレイ12に表示し(S103)、応答処理を終了し、再び受信機能のみが起動された状態に戻る。なお、このS103の処理により、タグ用ディスプレイ12にラベル名が表示される。
【0182】
S101の処理において、リーダ・ライタ装置30から受信した信号がラベル名情報または関連情報(グループ名情報と階層構造情報)でないと判定された場合は(S101:No)、S104以降の処理に移行する。S104の処理においては、リーダ・ライタ装置30から受信した信号はラベル名情報の送信要求または関連情報の送信要求か否かが判定される(S104)。
【0183】
S104の処理において、リーダ・ライタ装置30から受信した信号はラベル名情報の送信要求または関連情報(グループ名情報と階層構造情報)の送信要求であると判定された場合は(S104:Yes)、S105以降の処理に移行し、タグ用ラベル名情報メモリ18aに記憶されたラベル名情報またはタグ用関連情報メモリ18bに記憶された関連情報(タグ用グループ名情報メモリ18b1に記憶されたグループ名情報およびタグ用階層構造情報メモリ18b2に記憶された階層構造情報)をリーダ・ライタ装置30に送信する(S105)。このS105の処理後、応答処理を終了し、再び受信機能のみが起動された状態に戻る。
【0184】
S104の処理において、リーダ・ライタ装置30から受信した信号はラベル名情報の送信要求または関連情報(グループ名情報と階層構造情報)の送信要求でないと判定された場合は(S104:No)、リーダ・ライタ装置30から送信された信号は無線タグ装置10に対する有効な信号ではないので、応答処理を終了し、再び受信機能のみが起動された状態に戻る。
【0185】
この応答処理によって、リーダ・ライタ装置30から送信される信号を無線タグ装置10が受信した場合に、受信した信号に対する無線タグ装置10の応答が実行される。また、この応答処理によって、タグ用ディスプレイ12にラベル名が表示される。
【0186】
上述した通り、本実施の形態のリーダ・ライタ装置30によれば、リーダ・ライタ装置30によってラベル名情報が作成された無線タグ装置10が装着されたバインダー1の1つと、そのバインダー1を除く他のバインダー1との関連を示す関連情報(グループ名情報と階層構造情報)を作成し、その関連情報をリーダ・ライタ装置30により無線タグ装置10に送信することができる。よって、作成された関連情報により、バインダー1同士の関連を知ることができる。
【0187】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
【0188】
例えば、上記実施の形態では、リーダ・ライタ装置30は専用機器を用いて実現したが、リーダ・ライタ装置30はパーソナルコンピュータを用いて実現しても良い。また、ラベル名情報および関連情報(グループ名情報と階層構造情報)は無線タグ装置10およびリーダ・ライタ装置30に記憶されていたが、ラベル名情報および関連情報は、パーソナルコンピュータの記憶装置や、パーソナルコンピュータが接続されたネットワークの記憶装置に記憶されていても良い。
【0189】
また、上記実施の形態では、図12の参照処理のS94の処理で階層構造情報をリーダ・ライタ装置30のディスプレイ32に表示したが、この階層構造情報の表示は、参照する無線タグ装置10をディスプレイ32の中央に表示するようにしても良い。参照する無線タグ装置10をディスプレイ32の中央に表示する態様で階層構造情報を表示した場合は、参照する無線タグ装置10の階層位置情報の把握が容易となる。
【0190】
また、上記実施の形態では、リーダ・ライタ装置30のディスプレイ32は電気詠動式を用いたが、ディスプレイ32には、バッテリを内蔵しない表示媒体であると共に表示内容を消去して何回でも書き換えることができ、更には、表示された内容を長時間にわたり維持できる電子ペーパー等の不揮発性の表示装置を用いても良い。
【0191】
また、上記実施の形態では、無線タグ装置10をバインダー2に装着しているが、無線タグ装置10は、本棚70に装着されていても良い。
【0192】
また、上記実施の形態では、リーダ・ライタ装置30を無線タグ装置10に近づけることで無線タグ装置10との無線通信を行っていたが、これに限らず、リーダ・ライタ装置30および無線タグ装置10が送信する電波を広範囲にして、リーダ・ライタ装置30を無線タグ装置10に近づけることなく無線タグ装置10との無線通信を行うようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0193】
【図1】本実施形態におけるタグ無線通信システムの外観図である。
【図2】図2(a)は無線タグ装置の電気的構成を示したブロック図であり、図2(b)はリーダ・ライタ装置の電気的構成を示したブロック図である。
【図3】階層構造を模式に示した図である。
【図4】図4(a)は、タグ用ディスプレイに階層構造情報を表示させた場合を模式的に示した図であり、図4(b)は、タグ用ディスプレイに階層構造情報のうちのラベル名のみを表示させた場合を模式的に示した図である。
【図5】図5(a)は、ディスプレイに階層構造情報を表示させた場合を模式的に示した図であり、図5(b)は、ディスプレイに階層構造情報のうちのラベル名のみを表示させた場合を模式的に示した図である。
【図6】図6(a)は、機能選択処理を示したフローチャートであり、図6(b)は機能選択処理テーブルメモリの内容を示した図である。
【図7】最上位タグ構築処理を示したフローチャートである。
【図8】付属タグ構築処理を示したフローチャートである。
【図9】階層構造情報構築処理を示したフローチャートである。
【図10】情報転送処理を示したフローチャートである。
【図11】情報整合処理を示したフローチャートである。
【図12】参照処理を示したフローチャートである。
【図13】無線タグ装置の応答処理を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0194】
10 無線タグ装置(タグ装置)
12 タグ用ディスプレイ(タグ装置用表示手段)
14 タグ用送受信機(タグ装置用送信手段、タグ装置用受信手段)
18 タグ用フラッシュメモリ(情報記憶手段)
30 リーダ・ライタ装置(通信装置)
32 ディスプレイ(表示手段)
33 キーボード(階層入力手段)
46 送受信機(関連情報送信手段、)
60 タグ無線通信システム(情報通信システム)
S35 付属タグ構築処理(特定情報作成手段の一部)
S41 階層構造情報構築処理(特定情報作成手段の一部)
S45 付属タグ構築処理(代表送信手段、最上位送信手段)
S51A 階層情報構築処理(階層報知手段)
S52 階層構造情報構築処理(判断手段)
S62 情報転送処理(特定情報記憶手段)
S64A 情報転送処理(送信済記憶手段)
S66 情報転送処理(送信判定手段)
S69 情報転送処理(送信未完了報知手段)
S72 情報整合処理(第1受信手段)
S75 情報整合処理(第2受信手段)
S78 情報整合処理(送信手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のタグ装置と通信可能な通信装置において、
前記複数のタグ装置のうち特定のタグ装置と、前記特定のタグ装置を除く他の1以上のタグ装置との関連を示す関連情報を作成する関連情報作成手段と、
その関連情報作成手段により作成された関連情報を前記特定のタグ装置に送信する関連情報送信手段とを備えていることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記関連情報作成手段は、前記特定のタグ装置が属する集団全体の階層構造を示す階層構造情報と、前記階層構造のなかで前記特定のタグ装置がいずれの階層位置にあるかを示す位置情報とを関連情報として作成することを特徴とする請求項1記載の通信装置。
【請求項3】
前記関連情報作成手段は、同一集団に属する複数のタグ装置のうちの基準とする1つのタグ装置の関連情報に基づいて、前記特定のタグ装置の関連情報を作成することを特徴とする請求項1または2記載の通信装置。
【請求項4】
前記関連情報作成手段は、同一集団に属する複数のタグ装置のうちの基準とする1つのタグ装置の階層構造情報に基づいて、前記特定のタグ装置の関連情報を作成することを特徴とする請求項2記載の通信装置。
【請求項5】
前記特定のタグ装置を前記基準とする1つのタグ装置の同位層に配置するか下位層に配置するかを判断する判断手段を備え、
前記関連情報作成手段は、
前記判断手段が前記特定のタグ装置を前記基準とする1つのタグ装置と同位層に配置すると判断した場合には、前記基準とする1つのタグ装置の同位層の階層位置に前記特定のタグ装置を配置した前記階層構造情報及び前記位置情報を作成し、
前記判断手段が前記特定のタグ装置を前記基準とする1つのタグ装置の下位層に配置すると判断した場合には、前記基準とする1つのタグ装置の下位層の階層位置に前記特定のタグ装置を配置した前記階層構造情報及び前記位置情報を作成することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載の通信装置。
【請求項6】
前記特定のタグ装置を前記基準とする1つのタグ装置の同位層に配置するか下位層に配置するかを報知する階層報知手段と、
その階層報知手段による報知後に、前記特定のタグ装置を前記基準とする1つのタグ装置の同位層に配置するか下位層に配置するかを操作者に入力させる階層入力手段とを備え、
その階層入力手段への入力に基づき、前記判断手段は前記特定のタグ装置を前記基準とする1つのタグ装置の同位層に配置するか下位層に配置するかを判断することを特徴とする請求項5記載の通信装置。
【請求項7】
前記関連情報送信手段が前記特定のタグ装置に前記関連情報を送信後、その送信した関連情報を前記複数のタグ装置のうち代表である1つの代表タグ装置に送信する代表送信手段を備えていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の通信装置。
【請求項8】
前記関連情報送信手段が前記特定のタグ装置に前記関連情報を送信後、その送信した関連情報を前記階層構造の最上位のタグ装置に送信する最上位送信手段を備えていることを特徴とする請求項2から請求項6のいずれかに記載の通信装置。
【請求項9】
前記複数のタグ装置にはその複数のタグ装置が属する集団を識別するための情報である集団情報が記憶されており、
前記複数のタグ装置のうち第1のタグ装置の前記階層構造情報である第1階層構造情報と第1のタグ装置の前記集団情報である第1集団情報とを前記第1のタグ装置から受信する第1受信手段と、
その第1受信手段が前記第1集団情報を受信した後に、前記複数のタグ装置のうち第2のタグ装置の前記階層構造情報である第2階層構造情報と前記第2のタグ装置の前記集団情報である第2集団情報とを第2のタグ装置から受信する第2受信手段と、
前記第1受信手段が受信した前記第1集団情報と前記第2受信手段が受信した前記第2集団情報とが同一であり、且つ、前記第1受信手段が受信した前記第1階層構造情報と前記第2受信手段が受信した前記第2階層構造情報とが異なる場合、前記第2のタグ装置に、前記第1受信手段が受信した前記第1階層構造情報を送信する送信手段とを備えていることを特徴とする請求項2から8のいずれかに記載の通信装置。
【請求項10】
前記第1集団情報を有するタグ装置を特定するための情報である第1特定情報を記憶する特定情報記憶手段と、
前記送信手段が前記第1階層構造情報を送信したタグ装置を特定するための情報である第2特定情報を記憶する送信済記憶手段と、
前記特定情報記憶手段に記憶された第1特定情報と前記送信済記憶手段に記憶された第2特定情報とを比較して、前記送信手段による前記第1階層構造情報の送信が前記第1集団情報を有するタグ装置の全てに完了したかを判定する送信判定手段と、
その送信判定手段により前記第1集団情報を有するタグ装置の全てに前記第1階層構造情報の送信が完了していないと判定された場合に、前記第1階層構造情報の送信が未完了である報知を行う送信未完了報知手段とを備えていることを特徴とする請求項9記載の通信装置。
【請求項11】
前記関連情報作成手段により作成された関連情報を表示する表示手段を備えていることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の通信装置。
【請求項12】
前記請求項1から11のいずれかに記載の通信装置から送信された情報を受信するタグ装置用受信手段と、
そのタグ装置用受信手段が受信した情報を記憶する情報記憶手段と、
その情報記憶手段に記憶された情報を前記請求項1から11のいずれかに記載の通信装置に送信するタグ装置用送信手段とを備えていることを特徴とするタグ装置。
【請求項13】
前記情報記憶手段に記憶された情報を表示するタグ装置用表示手段を備えていることを特徴とする請求項12記載のタグ装置。
【請求項14】
前記請求項1から11のいずれかに記載の通信装置と、前記請求項12または13に記載のタグ装置とを備えていることを特徴とする情報通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−197888(P2008−197888A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−31973(P2007−31973)
【出願日】平成19年2月13日(2007.2.13)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】