通信装置、タグ装置および情報通信システム
【課題】複数の対象物から関連した対象物を検索する場合に、検索作業を簡略化することができる通信装置、タグ装置および情報通信システムを提供すること。
【解決手段】操作者によりラベル名が入力(選択)されると、その入力された目的ラベル名またはその目的ラベル名に関連付け(上位層・下位層・同位相)されたラベル名を検索でき、それぞれを判別可能な表示状態が設定される(S164又はS165)。よって、複数のバインダー2(対象物)が関連付けされている場合であっても、目的ラベル名となるバインダー2と、その目的ラベル名に関連付けされたラベル名となるバインダー2とを検索することができる。従って、目的ラベル名となるバインダー2と関連付けされたラベル名となるバインダー2とを検索する場合に、複数回の検索をしなくて良いので、検索作業を簡略化することができる。
【解決手段】操作者によりラベル名が入力(選択)されると、その入力された目的ラベル名またはその目的ラベル名に関連付け(上位層・下位層・同位相)されたラベル名を検索でき、それぞれを判別可能な表示状態が設定される(S164又はS165)。よって、複数のバインダー2(対象物)が関連付けされている場合であっても、目的ラベル名となるバインダー2と、その目的ラベル名に関連付けされたラベル名となるバインダー2とを検索することができる。従って、目的ラベル名となるバインダー2と関連付けされたラベル名となるバインダー2とを検索する場合に、複数回の検索をしなくて良いので、検索作業を簡略化することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、タグ装置および情報通信システムに関し、特に、複数の対象物から関連した対象物を検索する場合に、検索作業を簡略化することができる通信装置、タグ装置および情報通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2003−331230号公報に開示されているように、各種画像データが記憶されたCD−R、DVDや、そのCD−R及びDVDを収納したアルバムのそれぞれに、画像関連情報が記憶されたICタグを貼付し、その画像関連情報を利用して所望のCD−R、DVD又はアルバムをパソコンで検索する画像検索システムが知られている。ICタグに記憶される画像関連情報は、画像を検索する際の検索キーとなるものであり、画像を特定する情報などが記憶されている。CD−R、DVDやアルバム(以下「対象物」と称す)の検索は、パソコンで所定の検索情報を入力すると、ICタグの画像関連情報が取得され、その取得された関連情報と検索情報とが比較され、その比較結果に基づいて所望の対象物の配置位置がパソコンの画面上に表示される。
【特許文献1】特開2003−331230号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、画像を特定するための画像関連情報が記憶されたICタグを利用して対象物を検索する画像検索システムでは、複数の対象物がそれぞれ関連している場合、例えば、対象物が1巻から10巻まである場合に3巻と7巻の配置位置を検索するためには、3巻に対応した検索情報を入力して3巻の配置位置を検索し、7巻に対応した検索情報を入力して7巻の配置位置を検索するので、検索する対象物の数分の検索を行わなければならず、検索の作業が煩雑となってしまうという問題点があった。
【0004】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、複数の対象物から関連した対象物を検索する場合に、検索作業を簡略化することができる通信装置、タグ装置および情報通信システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を達成するために請求項1記載の通信装置は、対象物に装着されその対象物を特定する特定情報を記憶すると共に、外部から入力される表示を指示する表示データに基づいた画像を表示する表示部を備えたタグ装置と通信可能に構成されており、検索対象となる対象物の特定情報を選択する選択手段と、その選択手段により選択された前記所定の特定情報が記憶されたタグ装置または前記所定の特定情報と関連する特定情報が記憶された他のタグ装置に、前記表示データを送信する送信手段とを備えている。
【0006】
請求項2記載の通信装置は、請求項1記載の通信装置において、前記選択手段により選択された特定情報と、前記送信手段により前記表示データが送信される送信先のタグ装置に記憶される特定情報との関連に応じて、その送信先のタグ装置の表示部で表示される画像の表示態様を設定する第1表示設定手段を備え、前記送信手段は、前記第1表示設定手段により設定された表示データを前記送信先のタグ装置に送信する。
【0007】
なお、第1表示設定手段によって関連に応じて設定される表示態様は、例えば、複数のタグ装置の表示部で表示される表示態様を、異なる図形や異なる文字列で表示して、タグ装置が装着された対象物のそれぞれを特定可能な表示態様としても良いし、図形や文字列を反転表示したり、その反転表示する場合の領域を変更したり、通常表示と反転表示との表示間隔を変更したり、図形や文字列の表示濃度を変更したり、その表示濃度を異ならせる領域を変更したり、通常濃度と異なる濃度とを反転する間隔を変更したり点滅もして、タグ装置が装着された対象物のそれぞれを特定可能な表示態様としても良い。
【0008】
請求項3記載の通信装置は、請求項1又は2に記載の通信装置において、前記タグ装置には、自己のタグ装置に記憶される特定情報と、他のタグ装置に記憶される特定情報との関連を示す関連情報が予め記憶されており、前記タグ装置に記憶される関連情報を取得する関連情報取得手段を備え、前記送信手段は、前記選択手段により選択された特定情報と前記関連情報取得手段により関連情報を取得したタグ装置の特定情報とが前記関連情報により関連付けられている場合に、その関連情報を取得したタグ装置に対して前記表示データを送信する。
【0009】
請求項4記載の通信装置は、請求項3記載の通信装置において、前記選択手段により選択された特定情報と、前記関連情報取得手段により関連情報を取得したタグ装置の特定情報との関連に応じた表示状態を、その取得した関連情報に基づいて設定する第2表示設定手段を備え、前記送信手段は、前記第2表示設定手段により設定された表示データを、前記関連情報を取得したタグ装置に送信する。
【0010】
請求項5記載の通信装置は、請求項3又は4に記載の通信装置において、前記関連情報は、自己のタグ装置の特定情報が、他のタグ装置の特定情報に対して上位層または下位層あるいは同位層であるかを示す情報である。
【0011】
請求項6記載の通信装置は、請求項5記載の通信装置において、前記関連情報は、自己のタグ装置の特定情報が他のタグ装置の特定情報に対して、上位層である場合には何階層上位であるか、下位層である場合には何階層下位であるかを示す情報である。
【0012】
請求項7記載の通信装置は、請求項1から6のいずれかに記載の通信装置において、前記タグ装置には、そのタグ装置が属するグループを特定するグループ情報が予め記憶されており、所定のグループ情報を選択するグループ情報選択手段と、前記タグ装置に記憶されるグループ情報を取得するグループ情報取得手段とを備え、前記送信手段は、前記グループ情報選択手段により選択されたグループ情報と前記グループ情報取得手段により取得したグループ情報とが同一である場合に、そのグループ情報を取得したタグ装置に前記表示データを送信する。
【0013】
請求項8記載の通信装置は、請求項7記載の通信装置において、前記送信手段は、前記グループ情報選択手段により選択されたグループ情報と前記グループ情報取得手段により取得したグループ情報とが同一であり、且つ、前記選択手段により選択された特定情報と前記関連情報取得手段により関連情報を取得したタグ装置の特定情報とが前記関連情報により関連付けられている場合に、前記グループ情報を取得したタグ装置および前記関連情報を取得したタグ装置に、前記表示データを送信する。
【0014】
請求項9記載の通信装置は、請求項1から8のいずれかに記載の通信装置において、前記タグ装置の表示部に前記表示データに基づいた画像を表示させる表示時間を設定する表示時間設定手段を備え、
前記送信手段は、前記表示時間設定手段により設定された画像の表示時間を指示する時間信号を、前記表示データと共に送信する。
【0015】
請求項10記載の通信装置は、請求項1から9のいずれかに記載の通信装置において、外部装置から、他のタグ装置の特定情報を少なくとも一つ以上取得する他タグ特定情報取得手段を備え、前記選択手段は、前記他タグ特定情報取得手段により取得した特定情報から、前記検索対象となる対象物の特定情報を選択する。
【0016】
請求項11記載の通信装置は、請求項10記載の通信装置において、前記他タグ特定情報取得手段は、前記タグ装置からそのタグ装置が属するグループ内の他のタグ装置の特定情報を少なくとも一つ以上取得することを特徴とする請求項10記載の通信装置。
【0017】
請求項12記載の通信装置は、請求項1から11のいずれかに記載の通信装置において、前記選択手段は、操作者が手入力により入力した特定情報を、前記検索対象となる対象物の特定情報として選択する。
【0018】
請求項13記載の通信装置は、請求項1から12のいずれかに記載の通信装置において、前記選択手段は、同時に複数の特定情報を選択するものであり、前記送信手段は、前記選択手段により選択された複数の特定情報のうち少なくともいずれか一つが記憶されたタグ装置または前記選択手段により選択された複数の特定手段のうち少なくともいずれか一つと関連する特定情報が記憶された他のタグ装置に、前記表示データを送信する。
【0019】
請求項14記載のタグ装置は、請求項1から13のいずれかに記載の通信装置から送信される信号を受信する受信手段と、画像を表示する表示部とを備えたタグ装置において、前記受信手段により受信された信号が、前記表示部に表示される画像の表示を指示する表示データであった場合に、その表示データに基づいた画像を前記表示部に表示させる表示実行手段を備えている。
【0020】
請求項15記載のタグ装置は、請求項14記載のタグ装置において、前記表示実行手段により前記表示データに基づいた画像が前記表示部に表示されてから、所定時間が経過したか否かを判断する時間判断手段を備え、前記表示実行手段は、前記表示データを受信した場合にその表示データに基づいた画像を前記表示部に表示すると共に、前記時間判断手段により所定時間が経過したと判断された場合に前記表示部の表示を通常状態に戻す。
【0021】
なお、表示部に表示される通常状態とは、通常状態を示す表示をする場合だけでなく、表示部を未表示とした場合も含む。
【0022】
請求項16記載のタグ装置は、請求項14記載のタグ装置において、前記通信装置は、前記表示データを送信する場合に操作される操作手段を備え、その操作手段が操作されているあいだ前記表示データを送信するものであり、前記表示実行手段は、前記表示データを受信している間、その表示データに基づいた画像を前記表示部に表示する。
【0023】
請求項17記載の情報通信システムは、請求項1から13のいずれかに記載の通信装置と、請求項14から16のいずれかに記載のタグ装置とを備えている。
【0024】
なお、各請求項において、表示部とは、予め定められた表示をするものであっても良いし、不揮発性の表示部を有し表示を書き換え可能に構成するものであっても良い。不揮発性の表示部には、例えば、電子ペーパーからなる表示装置や、有機発光素子を用いた表示装置、電気永動式の表示装置などがあげられる。
【発明の効果】
【0025】
請求項1記載の通信装置によれば、検索対象となる対象物の特定情報が選択手段により選択され、その選択手段により選択された特定情報が記憶されたタグ装置または特定情報と関連する特定情報が記憶された他のタグ装置に、そのタグ装置の表示部の表示を指示する表示データが送信手段により送信される。よって、特定情報が選択されると、特定情報を記憶するタグ装置と、その特定情報と関連する特定情報が記憶された他のタグ装置とに表示データが送信されるので、特定情報を記憶するタグ装置の表示部に画像を表示させるだけでなく、関連する他のタグ装置の表示部にも画像を表示させることができる。従って、操作者は、特定情報を選択するだけで、特定情報を記憶するタグ装置が装着された対象物と、関連するタグ装置が装着された対象物とを検索することができるので、対象物の検索作業を簡略化することができるという効果がある。
【0026】
また、特定情報を記憶するタグ装置または関連する特定情報を記憶する他のタグ装置に表示データが送信されるので、特定情報に全く関連していないタグ装置の表示部に所定の表示がされることがない。よって、複数のタグ装置が検索されたとしても、それぞれ関連したタグ装置となるので、操作者は所望の対象物を容易に検索することができるという効果がある。
【0027】
請求項2記載の通信装置によれば、請求項1記載の通信装置の奏する効果に加え、選択手段により選択された特定情報と、送信手段により表示データが送信される送信先のタグ装置に記憶される特定情報との関連に応じて、その送信先のタグ装置の表示部で表示される画像の表示態様が第1表示設定手段により設定され、その第1表示設定手段により設定された表示データが送信手段により送信先のタグ装置に送信される。よって、送信先のタグ装置には、選択手段により選択された特定情報との関連に応じた画像が表示されるので、選択した特定情報を記憶するタグ装置が装着された対象物に関連する対象物を操作者に容易に認識させることができるという効果がある。
【0028】
また、選択手段により選択された特定情報との関連に応じた画像が送信先のタグ装置で表示されるので、選択した特定情報を記憶するタグ装置が装着された対象物に関連する対象物が複数ある場合でも、対象物の関連の程度を操作者に認識させることができるという効果がある。
【0029】
請求項3記載の通信装置によれば、請求項1又は2に記載の通信装置の奏する効果に加え、タグ装置に記憶される関連情報が関連情報取得手段により取得され、選択手段により選択された特定情報と、関連情報取得手段により関連情報を取得したタグ装置の特定情報とが、その関連情報により関連付けられている場合に、その関連情報を取得したタグ装置に対して表示データが送信手段により送信される。よって、関連情報を取得したタグ装置の特定情報と、選択した特定情報とが関連付けされている場合に、その関連情報を取得したタグ装置に表示データが送信されるので、選択された特定情報に関連するタグ装置の表示部に画像が表示される。例えば、選択された特定情報に関連されていないタグ装置にも関連していない旨の画像が表示される場合には、全てのタグ装置に表示がなされる為、操作者は、全てのタグ装置の表示を確認しなければならない。しかし、関連したタグ装置の表示部にのみ画像が表示されるので、画像が表示されたタグ装置が装着された対象物が、所望する対象物に関連するものであることを操作者に認識させることができるという効果がある。
【0030】
請求項4記載の通信装置によれば、請求項3記載の通信装置の奏する効果に加え、選択手段により選択された特定情報と、関連情報取得手段により関連情報を取得したタグ装置の特定情報との関連に応じた表示態様が、その取得した関連情報に基づいて第2表示設定手段により設定され、その第2表示設定手段により設定された表示データが、関連情報を取得したタグ装置に送信される。よって、選択された特定情報に関連する特定情報が記憶されたタグ装置の表示部に画像が表示されるので、選択された特定情報を記憶するタグ装置が装着された対象物に関連する対象物を操作者に容易に認識させることができるという効果がある。
【0031】
また、選択手段により選択された特定情報との関連に応じた表示データが、関連情報を取得したタグ装置に送信されるので、その関連情報を取得したタグ装置の表示部に関連の程度を示す画像を表示することもできるので、複数の対象物の関連の程度を操作者に認識させることができるという効果がある。
【0032】
請求項5記載の通信装置によれば、請求項3又は4に記載の通信装置の奏する効果に加え、関連情報は、自己のタグ装置の特定情報が、他のタグ装置の特定情報に対して上位層または下位層あるいは同位層であるかを示す情報であるので、階層構造に応じた表示データをタグ装置に送信すれば、階層関係を示す画像をタグ装置の表示部に表示させることができる。よって、タグ装置が装着された複数の対象物の階層関係を、操作者に容易に認識させることができるという効果がある。
【0033】
請求項6記載の通信装置によれば、請求項5記載の通信装置の奏する効果に加え、関連情報は、自己のタグ装置の特定情報が他のタグ装置の特定情報に対して、上位層である場合には何階層上位であるか、下位層である場合には何階層下位であるかを示す情報であるので、階層構造に応じた表示データをタグ装置に送信すれば、階層関係における何階層であるかを示す画像をタグ装置の表示部に表示させることができる。よって、タグ装置が装着された複数の対象物の階層関係を、操作者に容易に認識させることができるという効果がある。
【0034】
請求項7記載の通信装置によれば、請求項1から6のいずれかに記載の通信装置の奏する効果に加え、グループ情報選択手段により選択された所定のグループ情報と、グループ情報取得手段により取得したグループ情報とが同一である場合に、そのグループ情報を取得したタグ装置に表示データが送信される。よって、グループ情報選択手段により選択されたグループ情報と同一グループ情報を記憶するタグ装置の表示部に画像が表示されるので、同一のグループ情報が記憶されたタグ装置が装着された対象物を操作者に認識させることができる。従って、操作者は、所定のグループ情報を選択するだけで、同一のグループに属する対象物を検索することができ、対象物の検索作業を簡略化することができるという効果がある。
【0035】
請求項8記載の通信装置によれば、請求項7記載の通信装置の奏する効果に加え、グループ情報選択手段により選択されたグループ情報とグループ情報取得手段により取得したグループ情報とが同一であり、且つ、選択手段により選択された特定情報と関連情報取得手段により関連情報を取得したタグ装置の特定情報とが関連情報により関連付けられている場合に、グループ情報を取得したタグ装置および関連情報を取得したタグ装置に表示データが送信手段により送信される。よって、グループ情報が同一となる特定情報が記憶されたタグ装置および選択された特定情報に関連付けされた特定情報が記憶されているタグ装置の表示部に画像が表示されるので、同一グループで且つ関連付けされたタグ装置が装着された対象物を操作者に認識させることができるという効果がある。
【0036】
請求項9記載の通信装置によれば、請求項1から8のいずれかに記載の通信装置の奏する効果に加え、タグ装置の表示部に画像を表示させる表示時間が表示時間設定手段により設定され、その表示時間設定手段により設定された画像の表示時間を指示する時間信号が表示データと共に送信される。よって、表示データと時間信号との組み合わせによって、タグ装置の表示部に表示される画像と、その画像が表示される表示時間とを指示することができ、タグ装置の表示部に所定時間の間画像を表示させることができる。従って、操作者に対して、タグ装置の表示部の画像を視認させやすくすることができるという効果がある。
【0037】
また、表示データと時間信号との組み合わせによって、通信装置からの表示データが途絶えたとしても、表示時間の間は画像を表示させることができるので、通信装置が他のタグ装置へ表示データと時間信号とを送信することにより、複数のタグ装置の表示部に画像を同時期に表示させることができる。よって、選択された特定情報を記憶するタグ装置が装着された対象物およびその対象物に関連する対象物、又は、同一のグループ情報が記憶されているタグ装置が装着された対象物とを同時期に検索することができるという効果がある。
【0038】
請求項10記載の通信装置によれば、請求項1から9のいずれかに記載の通信装置の奏する効果に加え、外部装置から他のタグ装置の特定情報が他タグ特定情報取得手段により少なくとも一つ以上取得され、その他タグ特定情報取得手段により取得した特定情報から検索対象となる対象物の特定情報が選択手段により選択される。よって、外部装置から取得した他のタグ装置の特定情報から特定情報を選択するので、特定情報の選択作業が容易となり、検索作業の効率を高めることができるという効果がある。
【0039】
請求項11記載の通信装置によれば、請求項10記載の通信装置の奏する効果に加え、タグ装置からそのタグ装置が属するグループ内の他のタグ装置の特定情報が、他タグ特定情報取得手段により少なくとも1つ以上取得されるので、タグ装置に記憶されている特定情報に基づいて特定情報を選択することができる。よって、存在しないタグ情報を選択することがなく、検索作業の効率を高めることができるという効果がある。
【0040】
請求項12記載の通信装置によれば、請求項1から11のいずれかに記載の通信装置の奏する効果に加え、操作者が手入力により入力した特定情報が検索対象となる対象物の特定情報として選択手段により選択されるので、操作者が検索を所望する対象物を検索することができるという効果がある。
【0041】
請求項13記載の通信装置によれば、請求項1から12のいずれかに記載の通信装置の奏する効果に加え、同時に複数の特定情報が選択手段により選択され、その複数の特定情報のうち少なくともいずれか1つが記憶されたタグ装置または選択手段により選択された複数の特定手段のうち少なくともいずれか一つと関連する特定情報が記憶された他のタグ装置に送信手段により表示データが送信される。よって、複数の特定情報が選択された場合には、特定情報が記憶されたタグ装置または関連する特定情報が記憶されたタグ装置の少なくとも1つには表示データが送信されるので、選択手段により選択された特定情報が記憶された検索対象となる対象物を高確率で検索することができるという効果がある。
【0042】
請求項14記載のタグ装置によれば、請求項1から13のいずれかに記載の通信装置から送信される表示データが受信手段により受信されると、その表示データに基づいた表示が表示実行手段により表示部に表示される。よって、請求項1から13のいずれかに記載の通信装置から送信される表示データに基づく表示を行うので、請求項1から13のいずれかに記載の通信装置の奏する効果を奏することができる。
【0043】
請求項15記載のタグ装置によれば、請求項14記載のタグ装置の奏する効果に加え、表示実行手段により表示部に表示データに基づく表示がなされてから所定時間が経過したか否かが時間判断手段により判断される。また、表示実行手段は、表示データを受信した場合にその表示データに基づいた表示状態を表示部に表示させると共に、時間判断手段により所定時間が経過したと判断された場合に表示部の表示状態を通常状態にするので、通信装置からリセット信号などを受信することなく表示状態を通常状態に戻すことができる。例えば、リセット信号を受信した場合に、表示状態を初期状態に戻す場合には、通信装置の信号の送受信が不能な状態となると、表示状態を変更することができなくなるが、所定時間が経過した時点で通常状態に戻せるので、表示部の表示が長時間継続されることを防止することができるという効果がある。
【0044】
請求項16記載のタグ装置によれば、請求項14記載のタグ装置の奏する効果に加え、通信装置に設けられた操作手段が操作されると、その操作手段が操作されているあいだ操作信号が操作送信手段により送信され、表示実行手段は、操作信号を受信しているあいだ表示部に表示を行うので、操作者が操作手段を操作しているあいだのみ表示部に表示がなされる。よって、操作者が所望の対象物を検索する作業中のみタグ装置の表示部に表示がなされるので、表示部の表示が長時間継続されることを防止することができるという効果がある。
【0045】
請求項17記載の情報通信システムによれば、請求項1から13のいずれかに記載の通信装置と、請求項14から16のいずれかに記載のタグ装置とを備えているので、請求項1から13のいずれかに記載の通信装置の奏する効果と、請求項14から16のいずれかに記載のタグ装置の奏する効果とを奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明のタグ無線通信システム60の構成を示した概略図である。なお、タグ無線通信システム60は、主に、複数の無線タグ装置10とリーダ・ライタ装置30とで構成され、複数の無線タグ装置10とリーダ・ライタ装置30とは無線通信可能に構成されている。
【0047】
図1に示すように、無線タグ装置10は、バインダー2の背表紙に装着されており、そのバインダー2は、本棚70に収納されている。なお、無線タグ装置10は、バインダー2の背表紙に装着したが、CD、DVDやボックスなどに装着したり、本棚70に装着したり、如何なるものに装着する構成としても良い。
【0048】
図1に示すように、無線タグ装置10は、タグ装置用アンテナ11と、タグ装置用ディスプレイ12と、タグ装置用IC回路部13とを備えている。タグ装置用アンテナ11は、リーダ・ライタ装置30から送信された情報を受信し、受信した情報をタグ装置用IC回路部13へ出力すると共に、タグ装置用IC回路13から出力された情報をリーダ・ライタ装置30へ送信するものであり、送受信回路を有している。タグ装置用ディスプレイ12は、タグ装置用IC回路部13から出力される制御信号によって、表示を変更することができる電気泳動方式を採用した不揮発性の表示装置である。タグ装置用IC回路部13は、タグ装置用ディスプレイ12に表示するバインダー2の名称等の情報設定を行う制御部である。尚、無線タグ装置10には、図示しない電池が備えられており、この電池により無線タグ装置10の各デバイスに電源が供給される。
【0049】
ここで、タグ装置用ディスプレイ12に採用した電気泳動方式について説明する。電気永動式の表示装置の動作原理である電気泳動現象とは、液相分散媒中に微粒子を分散させた分散液に電界を印加したときに、分散によって自然に帯電した粒子(電気泳動粒子)がクーロン力により移動する現象である。この電気泳動方式表示装置は、表示画像保持性能を有しており、電界の印加により一度表示された画像を保持することが可能である。
【0050】
リーダ・ライタ装置30は、無線タグ装置10と無線通信を行う装置であり、アンテナ31と、ディスプレイ32と、キーボード33とを備えている。アンテナ31は、無線タグ装置10から送信された情報を受信すると共に、リーダ・ライタ装置30から出力される情報を送信するものである。ディスプレイ32は、液晶を利用した表示装置である。キーボード33は、無線タグ装置10に送信する情報の入力や、リーダ・ライタ装置30の機能を変更する場合に操作される十字ボタン34、機能ボタン35、タグ表示ボタン36、決定ボタン37や複数の丸ボタン38などを備えている。
【0051】
十字ボタン34は、ディスプレイ32に表示される項目(ラベル名やグループ名など)を選択する場合に操作されるボタンである。例えば、ディスプレイ32に複数の項目が表示されている場合に、十字ボタン35を上方向に操作すると、ディスプレイ32に表示されているカーソルが一つ上に移動して選択される項目が変更される。
【0052】
機能ボタン35は、リーダ・ライタ装置30が有する機能や、検索モードを変更する場合に操作されるボタンである。機能ボタン35の操作と実行される処理についての説明は後述する。
【0053】
タグ表示ボタン36は、無線タグ装置10のタグ装置用ディスプレイ12にラベル名などを表示させる場合に操作されるボタンである。本実施形態では、タグ表示ボタン36が操作されている間、タグ装置用ディスプレイ12に表示がなされるように構成されている。なお、タグ表示ボタン36が操作された場合の処理については後述する。
【0054】
決定ボタン37は、ディスプレイ32に表示された項目の決定や、操作者(検索者)に対しての問い合わせの回答を決定する場合に操作されるボタンである。この決定ボタン37を操作することにより、リーダ・ライタ装置30への入力が確定(決定)される。
【0055】
丸ボタン38は、文字等を入力するために操作されるボタンである。丸ボタン38には、それぞれに各種の文字等が割り当てられているので、丸ボタン38を操作することにより、所望の文字等が入力される。そして、入力された文字等はディスプレイ32に表示される。なお、ここで文字等とは、文字、数字、記号を含む意味である。
【0056】
次に、図2を参照して、無線タグ装置10およびリーダ・ライタ装置30の電気的構成について説明する。図2は、無線タグ装置10およびリーダ・ライタ装置30の電気的構成を示したブロック図であり、図2(a)は無線タグ装置10のブロック図であり、図2(b)はリーダ・ライタ装置30のブロック図である。
【0057】
まず、図2(a)を参照して、無線タグ装置10の電気的構成について説明する。無線タグ装置10は、上述したように、タグ装置用アンテナ11と、タグ装置用ディスプレイ12と、タグ装置用IC回路13とを有している。さらに、タグ装置用IC回路13は、タグ装置用送受信機14と、タグ装置用CPU15と、タグ装置用ROM16と、タグ装置用RAM17と、タグ装置用フラッシュメモリ18と、タグ装置用入出力ポート19と、タグ装置用時計24とを有している。なお、タグ装置用時計24は、現在時刻を計時するものであり、所定の一定時間が経過したか否かを判別する場合などに参照される。
【0058】
タグ装置用送受信機14は、タグ装置用アンテナ11と信号線20を介して接続されており、無線タグ装置10から送信する情報を高周波電流に変えてタグ装置用アンテナ11に送り出す送信装置と、タグ装置用アンテナ11が受信した高周波電流から必要な情報を取り出す受信装置とが一体化された装置である。また、タグ装置用送受信機14は、バスライン21を介してタグ装置用入出力ポート19と接続されており、受信された高周波電流から必要な情報を取り出した後に、その取り出した情報をタグ装置用入出力ポート19に出力する機能と、タグ装置用入出力ポート19から入力された情報を受け取る機能とを有している。
【0059】
よって、リーダ・ライタ装置30から送信された電波をタグ装置用アンテナ11が受信した場合には、受信した電波をタグ装置用アンテナ11によって高周波電流に変換し、その変換された高周波電流は信号線20を介してタグ装置用送受信機14に入力される。そして、タグ装置用送受信機14は、入力された高周波電流から必要な情報を取り出し、取り出した必要な情報を、バスライン21を介してタグ装置用入出力ポート19に出力する。また、無線タグ装置10からリーダ・ライタ装置30に情報を送信する場合には、タグ装置用入出力ポート19から入力された情報をバスライン21を介してタグ装置用送受信機14が受け取り、その受け取った情報を高周波電流に変換し、タグ装置用アンテナ11に出力する。出力された高周波電流はタグ装置用アンテナ11により電波に変換され、リーダ・ライタ装置30に送信される。
【0060】
タグ装置用CPU15は、バスライン22により接続された各部を制御する演算装置である。タグ装置用ROM16は、タグ装置用CPU15により実行される制御プログラム(例えば、図12〜図14及び図17に示すフローチャート)を格納した書き換え不能な不揮発性のメモリである。タグ装置用RAM17は、制御プログラムの実行時に各種の情報を一時的に記憶するメモリである。タグ装置用フラッシュメモリ18は、リーダ・ライタ装置30から送信された情報を記憶する書き換え可能な不揮発性のメモリである。タグ装置用フラッシュメモリ18に記憶された各種情報は、入出力ポート19に接続されたバスライン23を介してタグ装置用ディスプレイ12に表示される。
【0061】
タグ装置用フラッシュメモリ18には、タグ装置用表示情報メモリ18aと、タグ装置用関連情報メモリ18bとが設けられている。タグ装置用表示情報メモリ18aは、タグ装置用ディスプレイ12に表示するグループ名やラベル名の画像情報を記憶するメモリであり、複数の表示態様に対応した画像情報が記憶されている。
【0062】
タグ装置用関連情報メモリ18bには、タグ装置用グループ・ラベル名情報メモリ18b1と、タグ装置用階層構造情報メモリ18b2とが設けられている。タグ装置用グループ・ラベル名情報メモリ18b1は、無線タグ装置10の所属する集団であるグループ名を特定する情報と無線タグ装置10を示すラベル名を特定する情報とを記憶するメモリであり、タグ装置用階層構造情報メモリ18b2は、無線タグ装置10同士の関連を示す情報である階層構造の情報を記憶するメモリである。なお、以下の説明において、階層構造情報とは、タグ装置用グループ・ラベル名情報メモリ18b1と、タグ装置用階層構造情報メモリ18b2とを含んだ情報である。また、各請求項の「関連情報」は、タグ装置用グループ・ラベル名情報メモリ18b1と、タグ装置用階層構造情報メモリ18b2とに記憶される情報を含んだ情報である。
【0063】
また、タグ装置用フラッシュメモリ18に記憶されている情報は、リーダ・ライタ装置30から送信される情報によって書き換えることができる。例えば、リーダ・ライタ装置30から階層構造情報が信号に変換された電波が送信されると、その電波がタグ装置用アンテナ11に受信され、タグ装置用送受信機14により階層構造情報が取り出され、その取り出した階層構造情報はバスライン21を介してタグ装置用入出力ポート19に出力される。そして、タグ装置用CPU15により、取り出された階層構造情報の記憶命令が行われ、取り出された階層構造情報はバスライン22を介して、タグ装置用フラッシュメモリ18内のタグ装置用表示情報メモリ18a及びタグ装置用関連情報メモリ18bに必要な情報が加工処理されて記憶される。これにより、タグ装置用フラッシュメモリ18に記憶されている情報は、リーダ・ライタ装置30から送信される情報によって書き換えられる。
【0064】
また、階層構造情報の送信を行う場合は、タグ装置用CPU15によりタグ装置用階層構造情報メモリ18b2から階層構造情報の読み出し命令が行われ、タグ装置用入出力ポート19を介してタグ装置用送受信機14へ階層構造情報が出力される。出力された階層構造情報は、タグ装置用送受信機14により高周波電流信号に変換され、タグ装置用アンテナ11から送信される。
【0065】
また、タグ装置用フラッシュメモリ18に記憶された情報に基づいてタグ装置用ディスプレイ12に表示する場合には、例えば、タグ装置用CPU15の命令により、タグ装置用フラッシュメモリ18内のタグ装置用表示情報メモリ18aから必要な情報(グループ名を示す画像情報やラベル名を示す画像情報、ラベル名の階層位置を示す画像情報など)が読み出されてタグ装置用ディスプレイ12に表示される。
【0066】
ここで、図3を参照して、無線タグ装置10のタグ装置用フラッシュメモリ18に記憶される階層構造情報について説明する。図3は、無線タグ装置10のタグ装置用フラッシュメモリ18に記憶される階層構造を示した模式図である。
【0067】
図3に示すように、階層構造の模式図には、グループ名情報51b1と、ラベル名情報51b2〜58b2と、階層構造内の階層位置情報51b3〜58b3とが示されている。なお、階層位置情報51b3〜58b3の全てをひとまとめにしたものが階層構造情報であり、全ての階層位置情報51b3〜58b3を備えた情報である。
【0068】
グループ名情報51b1(「グループA」を示している)は、1または複数の無線タグ装置10からなるグループ(集団)の名称を示す情報である。ラベル名情報51b2〜58b2が同一集団であることを示す情報であり、このグループ名情報51b1が、グループAに所属する全ての無線タグ装置10のタグ装置用グループ・ラベル名情報メモリ18b1に記憶されている。本実施形態では、グループ名情報51b1に示す「グループA」には、ラベル名情報51b2〜58b2の数に対応した無線タグ装置10が存在するので、「グループA」に所属する無線タグ装置10は全部で8つとなる。ラベル名情報51b2〜58b2は、それぞれの無線タグ装置10を特定するラベル名を示しており、無線タグ装置10それぞれに割り当てられている。ラベル名情報51b2〜58b2は、グループ名情報51b1と同様に、グループAに所属する全ての無線タグ装置10のタグ装置用グループ・ラベル名情報メモリ18b1に記憶されている。
【0069】
階層構造情報は、上記のとおり、全ての階層位置情報51b3〜58b3をひとまとめにしたものであり、階層構造内における無線タグ装置10の階層位置を示している。例えば、階層構造位置情報52b3である「A:¥B1¥C1」からは、ラベル名B1及びラベル名C1が、グループAに属しており、ラベル名B1の下位層にラベル名C1が位置づけされていることが示されている。また、階層構造位置情報54b3,57b3である「A:¥B1¥C1¥D1¥E1」及び「A:¥B1¥C1¥D1¥E2」からは、ラベル名E1とラベル名E2とが同位層に位置づけられていることが示されている。なお、詳細な説明は省略するが、他の階層構造位置情報51b3〜51b8も同様に、グループ内での階層を示している。
【0070】
よって、無線タグ装置10は、タグ装置用グループ・ラベル名情報メモリ18b1に記憶されているラベル名と、タグ装置用階層構造情報メモリ18b2に記憶されている階層構造情報とを照合し、ラベル名が含まれる階層位置情報51b3〜58b3を検索し、その検索された階層位置情報51b3〜58b3に基づいてグループ名およびグループ内での階層を把握することができる。
【0071】
次に、図2(b)を参照して、リーダ・ライタ装置30の電気的構成を説明する。リーダ・ライタ装置30は、アンテナ31と、ディスプレイ32と、キーボード33と、時計39と、入出力ポート40と、CPU46と、ROM47と、RAM48と、フラッシュメモリ49と、送受信機50とを有している。なお、時計39は、現在時刻を計時するものである。
【0072】
送受信機50は、送信する情報を高周波電流信号に変えてアンテナ31に送り出す送信装置と、アンテナ31が受信した高周波電流信号から必要となる情報を取り出す受信装置とが一体化された装置であり、アンテナ31と信号線41で接続されている。また、送受信機35は、バスライン42を介して入出力ポート40と接続されており、受信された高周波電流信号から必要となる情報を取り出した後に、その取り出した情報を入出力ポート40に出力する機能と、入出力ポート40から入力された情報を受け取る機能を備えている。
【0073】
よって、無線タグ装置10からの電波をアンテナ31が受信した場合には、受信した電波をアンテナ31によって高周波電流に変換し、その変換された高周波電流は信号線41を介して送受信機50に入力される。そして、送受信機50は、入力された高周波電流から必要な情報を取り出し、取り出した必要な情報を、バスライン42を介して入出力ポート40に出力する。また、リーダ・ライタ装置30から無線タグ装置10に情報を送信する場合には、入出力ポート40から入力された情報をバスライン42を介して送受信機50が受け取り、その受け取った情報を高周波電流に変換し、アンテナ31に出力する。出力された高周波電流はアンテナ31により電波に変換され、無線タグ装置10に送信される。
【0074】
CPU46は、バスライン43により接続された各部を制御する演算装置である。ROM47は、CPU46により実行される制御プログラム(例えば、図4〜図11に示すフローチャート)や各種テーブルなどを格納した書き換え不能な不揮発性のメモリである。RAM48は、制御プログラムの実行時に利用する情報や無線タグ装置10から送信された情報を一時的に記憶するメモリである。フラッシュメモリ49は、無線タグ装置10へ送信する情報や階層構造情報を記憶する書き換え可能な不揮発性のメモリである。なお、フラッシュメモリ49に記憶される各種情報は、入出力ポート40にバスライン45を介して接続されるキーボード33からの入力により変更可能に構成されている。また、フラッシュメモリ49に記憶される各種情報は、入出力ポート40に接続されたバスライン44を介してディスプレイ32に表示することができる。
【0075】
ROM47には、ラベル表示設定テーブル記憶エリア47aが設けられおり、そのラベル表示設定テーブル記憶エリア47aには、無線タグ装置10のディスプレイ12に表示する表示状態を設定する際に用いられるラベル表示設定テーブル(図15参照)が記憶されている。なお、ラベル表示設定テーブルの内容は後述する。
【0076】
RAM48には、受信用表示情報メモリ48aと、受信用関連情報メモリ48bとが設けられている。受信用表示情報メモリ38aは、無線タグ装置10のタグ装置用表示情報メモリ18aに記憶された情報が無線タグ装置10から送信された場合に、送信された情報を一時的に記憶するメモリである。
【0077】
受信用関連情報メモリ48bは、無線タグ装置10から送信された関連情報を一時的に記憶するメモリであり、受信用グループ・ラベル名情報メモリ48b1と、受信用階層構造情報メモリ48b2とを有している。受信用グループ・ラベル名情報メモリ48b1は、無線タグ装置10のタグ装置用グループ・ラベル名情報メモリ18b1に記憶された情報が無線タグ装置10から送信された場合に、送信された情報を記憶するメモリであり、受信用階層構造情報メモリ48b2は、無線タグ装置10のタグ装置用階層構造情報メモリ18b2に記憶された情報が無線タグ装置10から送信された場合に、送信された情報を記憶するメモリである。
【0078】
受信用表示情報メモリ48a及び受信用関連情報メモリ48bに記憶された情報は、無線タグ装置10から送信される情報によって書き換えられる。例えば、無線タグ装置10から階層構造情報が電波で送信されると、その電波がアンテナ31に受信され、送受信機50により階層構造情報が取り出され、その取り出された階層構造情報はバスライン42を介して入出力ポート40に出力される。そして、CPU46により、取り出された階層構造情報の記憶命令が行われ、取り出された階層構造情報はバスライン43を介して、RAM48内のそれぞれの記憶エリアに記憶される。
【0079】
また、無線タグ装置10から受信してRAM48に記憶された情報は、キーボード33の操作により、ディスプレイ32に表示することができる。例えば、キーボード33の操作により階層構造情報の読み出し操作が行われたときは、CPU46により受信用階層構造情報メモリ48b2に記憶された階層構造情報の読み出し命令が行われ、階層構造情報が読み出される。CPU46は読み出された階層構造情報を用いて、ディスプレイ32に階層構造情報の表示を行うように命令する。この命令により、ディスプレイ32に階層構造情報の表示が実行される。更に、ディスプレイ32に表示された情報をキーボード33からの入力によって書き換えて、その書き換えた情報をRAM48のそれぞれの記憶エリアに記憶することもできる。
【0080】
フラッシュメモリ49には、機能カウンタ49aと、記憶用表示情報メモリ49bと、記憶用関連情報メモリ49cとが設けられている。機能カウンタ49aは、リーダ・ライタ装置30の備える機能(図5参照)を変更する機能カウンタの値を記憶するメモリである。機能カウンタ48cは、操作者により選択された処理を実行するために、各処理に対応した値が記憶され、後述する機能選択処理(図4参照)により0〜4の値が記憶される。
【0081】
記憶用表示情報メモリ49bは、無線タグ装置10に送信する表示状態の情報を記憶するメモリである。記憶用関連情報メモリ49cは、記憶用グループ・ラベル名情報メモリ49c1および記憶用階層構造情報メモリ49c2を有している。記憶用グループ・ラベル名情報メモリ49c1は、無線タグ装置10に送信するグループ名やラベル名を特定する情報を記憶するメモリであり、記憶用階層構造情報メモリ49c2は、無線タグ装置10に送信する階層構造情報を記憶するメモリである。
【0082】
なお、下記の処理でラベルの階層構造を構築した場合、その構築された階層構造の状態が記憶用階層構造情報メモリ49c2に記憶される。また、記憶用階層構造情報メモリ49c2だけに記憶するのではなく、ネットワーク上の外部装置(図示せず)のメモリに記憶するように構成してもよい。
【0083】
記憶用表示情報メモリ49b及び記憶用関連情報メモリ49cに記憶された情報は、受信用表示情報メモリ48a及び受信用関連情報メモリ48bに記憶された情報と同様に、ディスプレイ32に表示することができるし、ディスプレイ32に表示された情報を書き換えることができる。なお、ディスプレイ32への表示方法および書き換え方法は、受信用表示情報メモリ48a及び受信用関連情報メモリ48bの場合と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0084】
次に、図4及び図5を参照して、リーダ・ライタ装置30のCPU46により実行される機能選択処理について説明する。図4は、リーダ・ライタ装置30のCPU46により実行される機能選択処理を示したフローチャートである。図5は、リーダ・ライタ装置30の機能カウンタ49aに記憶される値と対応する機能処理を示した図である。なお、機能選択処理は、リーダ・ライタ装置30の機能ボタン36が操作されると実行され、実行する機能(処理)を選択する処理である。
【0085】
まず、図5を参照して、機能カウンタ49aの値と、その機能カウンタ49aの値に対応した処理について説明する。機能カウンタ49aの値が0のときは、リーダ・ライタ装置30の機能が最上位タグ構築処理に設定される。最上位タグ構築処理は、例えば、グループ名Aを作成し、そのグループ名Aの最上位タグを作成する処理であり、本実施形態では、ラベル名B1を作成する処理である。機能カウンタ49aの値が1のときは、リーダ・ライタ装置30の機能が付属タグ構築処理に設定される。付属タグ構築処理では、ラベル名B1に付属する付属タグを構築する処理であり、本実施形態では、ラベル名C1〜F2を作成する処理である。機能カウンタ49aの値が2のときは、リーダ・ライタ装置30の機能が情報転送処理に設定される。情報転送処理では、最上位タグ構築処理および付属タグ構築処理で作成された階層構造情報、即ち、グループ名Aの階層構造情報を無線タグ装置10に転送する処理である。機能カウンタ49aの値が3のときは、リーダ・ライタ装置30の機能が参照処理に設定される。参照処理では、無線タグ装置10のタグ装置用関連情報メモリ18bに記憶される情報を取得し、記憶用関連情報メモリ49cに記憶されている情報と照合し、グループ名Aの階層構造情報が同一のものであるか否かを判別し、異なる場合には書換えを行う処理である。機能カウンタ49aの値が4のときは、リーダ・ライタ装置30の機能が検索処理に設定される。この検索処理の詳細な説明については後述する。
【0086】
次に、図4を参照して、機能選択処理について説明する。操作者により機能ボタン36が操作されて機能選択処理が実行されると、まず、実行可能な機能の一覧がディスプレイ32に表示される(S1)。本実施形態では、上述したように、実行可能な機能処理としては、最上位タグ構築処理および、付属タグ構築処理、情報転送処理、参照処理、検索処理があり、この5つの機能がディスプレイ32に表示される。操作者は、十字ボタン34と決定ボタン37により、所望の機能を選択することができる。
【0087】
次に、S2〜S5の処理で、操作者により選択された処理(機能)を判別する。S2の処理では、操作者により選択された処理が最上位タグ構築処理であるか否かが判別され、S3の処理では、操作者により選択された処理が付属タグ構築処理であるか否かが判別され、S4の処理では、操作者により選択された処理が情報転送処理であるか否かが判別され、S5の処理では、操作者により選択された処理が参照処理であるか否かが判別される。
【0088】
そして、操作者によって最上位タグ構築処理が選択されていれば(S2:Yes)、機能カウンタ49aの値を0に設定して、ディスプレイ32に最上位タグ構築処理が選択されたことを表示する(S6)。また、操作者によって付属タグ構築処理が選択されていれば(S2:No、S3:Yes)、機能カウンタ49aの値を1に設定して、ディスプレイ32に付属タグ構築処理が選択されたことを表示する(S7)。また、操作者によって情報転送処理が選択されていれば(S2:No、S3:No、S4:Yes)、機能カウンタ49aの値を2に設定して、ディスプレイ32に情報転送処理が選択されたことを表示する(S8)。また、操作者によって参照処理が選択されていれば(S2:No、S3:No、S4:No、S5:Yes)、機能カウンタ49aの値を3に設定して、ディスプレイ32に参照処理が選択されたことを表示する(S9)。また、操作者によって検索処理が選択されていれば(S2:No、S3:No、S4:No、S5:No)、機能カウンタ49aの値を4に設定して、ディスプレイ32に検索処理が選択されたことを表示する(S10)。
【0089】
なお、リーダ・ライタ装置30のCPU46は、機能カウンタ49aの値を参照して、その値に応じた処理を実行する。
【0090】
次に、図6〜図11を参照して、リーダ・ライタ装置30のCPU46により実行される検索処理について説明する。
【0091】
図6は、リーダ・ライタ装置30のCPU46により実行される検索処理を示したフローチャートである。この検索処理は、機能選択処理(図4参照)によって、リーダ・ライタ装置30で実行される機能として検索処理が操作者によって選択された場合に実行される。
【0092】
検索処理が実行されると、まず、検索方法をディスプレイ32に表示する(S11)。S11の処理が実行されると、ディスプレイ32には、検索方法として、「手入力検索」、「データベース検索」および「データ取込検索」の3つが表示される。操作者は、十字ボタン34によりカーソル位置を検索方法のいずれか1つに移動させ、決定ボタン37を操作して検索方法を決定することができる。
【0093】
そして、S12の処理では、決定された検索方法が手入力検索であるか否かが判別され(S12)、決定された検索方法が手入力検索であれば(S12:Yes)、手入力検索処理を実行し(S13)、検索処理を終了する。また、S12の処理で、決定された検索方法が手入力検索でなければ(S12:No)、決定された検索方法がデータベース検索か否かが判別され(S14)、決定された検索方法がデータベース検索であれば(S14:Yes)、データベース検索処理を実行し(S15)、検索処理を終了する。また、S14の処理で、決定された検索方法がデータベース検索でなければ(S14:No)、決定された検索方法が手入力検索でもデータベース検索でもないので、データ取込検索処理を実行し(S16)、検索処理を終了する。
【0094】
よって、本実施形態では、検索方法として、手入力検索処理、データベース検索処理およびデータ取得検索処理との3種類の検索処理によりラベル名やグループ名を入力することができるので、検索するラベル名やグループ名に応じて、入力方法を選択することができる。
【0095】
図7は、リーダ・ライタ装置30のCPU46により実行される手入力検索処理を示したフローチャートである。手入力検索処理は、検索処理(図6参照)において、手入力検索処理が選択された場合に(S12:Yes)、実行される。
【0096】
手入力検索処理が実行されると、まず、入力モードをディスプレイ32に表示する(S21)。ディスプレイ32には、入力モードとして、「ラベル名入力モード」、「グループ名入力モード」、「ワイルドキャラクタ・ラベル名入力モード」、「ワイルドキャラクタ・グループ名入力モード」及び「組合入力モード」の5つが表示される。操作者は、十字ボタン34によりカーソル位置をいずれか1つの入力モードに移動させ、決定ボタン37を操作することで、入力モードを決定することができる。
【0097】
なお、ラベル名入力モードとは、ラベル名をそのまま入力するモードであり、グループ名入力モードとは、グループ名をそのまま入力するモードであり、組合入力モードとは、所定のグループに属するラベル(無線タグ装置10が装着されたバインダー2)を検索するためにラベル名とグループ名とを組み合わせて入力するモードである。
【0098】
また、ワイルドキャラクタ・ラベル名入力モードで、例えば、ラベル名に「あいう」という文字列を含む無線タグ装置10を検索する場合に、「*あいう*」、「*あいう」、「あいう*」と入力する。なお、「*」は、その部分にどのような文字列が配列されていても良いことを示す。また、ワイルドキャラクタ・グループ名入力モードは、例えば、「*あいう*」、「*あいう」、「あいう*」と入力し、属するグループ名に「あいう」という文字列を含むグループに属する無線タグ装置10を検索する場合の入力モードである。たとえば、「あいう*」と入力された場合は「あいう1」、「あいう2」、「あいうえお」等のグループ名に属する無線タグ装置10が検索される。
【0099】
S21の処理で、入力モードが表示されたら、次に、S22〜S25の処理で、操作者により選択された入力モードを判別する。S22の処理では、操作者によってラベル名入力モードが選択されたか否かが判別され、S23の処理では、操作者によってグループ名入力モードが選択されたか否かが判別され、S24の処理では、操作者によってワイルドキャラクタ・ラベル名入力モードが選択されたか否かが判別され、S25の処理では、操作者によってワイルドキャラクタ・グループ名が選択されたか否かが判別される。
【0100】
操作者によって選択された入力モードがラベル名入力モードであれば(S22:Yes)、ラベル名入力処理を実行し(S26)、S31の処理へ移行する。また、操作者によって選択された入力モードがグループ名入力モードであれば(S22:No、S23:Yes)、グループ名入力処理を実行し(S27)、S31の処理へ移行する。また、操作者によって選択された入力モードがワイルドキャラクタ・ラベル名入力モードであれば(S22:No、S23:No、S24:Yes)、ワイルドキャラクタ・ラベル名入力処理を実行し(S28)、S31の処理へ移行する。また、操作者によって選択された入力モードがワイルドキャラクタ・グループ名入力モードであれば(S22:No、S23:No、S24:No、S25:Yes)、ワイルドキャラクタ・グループ名入力処理を実行し(S31)、S31の処理へ移行する。また、操作者によって選択された入力モードが組合入力モードであれば(S22:No、S23:No、S24:No、S25:No)、組合入力処理を実行し(S30)、S31の処理へ移行する。
【0101】
よって、本実施形態では、ファイル名やグループ名の入力情報を手入力で行う場合には、5種類の入力方法を選択できるので、検索するラベル名やグループ名に応じて、入力方法を選択することができる。
【0102】
ここで、図8を参照して、S26〜S30の処理で実行される各入力処理について説明する。図8は、リーダ・ライタ装置30のCPU46により実行される各入力処理を示したフローチャートである。図8(a)は、ラベル名入力処理を示したフローチャートであり、図8(b)は、グループ名入力処理を示したフローチャートであり、図8(c)は、ワイルドキャラクタ・ラベル名入力処理を示したフローチャートであり、図8(d)は、ワイルドキャラクタ・グループ名入力処理を示したフローチャートであり、図8(e)は、組合入力処理を示したフローチャートである。
【0103】
図8(a)に示すラベル名入力処理が実行されると、ラベル名の入力が完了したか否かが判別され(S51)、ラベル名の入力が完了するまで、S51の処理が繰り返し実行され(S51:No)、ラベル名の入力が完了したと判別されると(S51:Yes)、ラベル名入力処理を終了する。なお、ラベル名の入力は、上述したように、検索したいラベル名がそのまま入力される。また、ラベル名の入力は、1のラベル名を入力するものであってもよいし、複数のラベル名を入力するものであってもよい。S51の処理では、複数のラベル名が入力された場合、その複数のラベル名の入力が完了したか否かを判別するものとする。
【0104】
ラベル名の入力は、丸ボタン38により入力され、決定ボタン37によりラベル名の入力が完了する。なお、1のラベル名の入力が完了すると、ディスプレイ32に「次のラベル名入力有り」及び「次のラベル名入力無し」の表示がなされ、複数のラベル名を同時に検索する場合には、十字ボタン34により次のラベル名入力有りを選択して決定ボタン37を操作し、ラベル名の入力操作を再度行う。よって、「次のラベル名入力無し」が操作者によって決定された場合に、ラベル名の入力が完了したことになる。
【0105】
なお、後述するグループ名入力処理およびワイルドキャラクタ・ラベル名入力処理、ワイルドキャラクタ・グループ名入力処理も、入力完了は操作者の操作により決定される。また、組合入力処理は、1のラベル名と1のグループ名とが入力されるので、グループ名が入力された時点で入力完了と判別される。
【0106】
図8(b)に示すグループ名入力処理が実行されると、上述したラベル名入力処理と同様に、グループ名の入力が完了したか否かが判別され(S61)、グループ名の入力が完了するまでS61の処理を繰り返し実行し(S61:No)、グループ名の入力が完了したら(S61:Yes)、グループ名入力処理を終了する。なお、グループ名の入力は、上述したように、検索したいグループ名がそのまま入力される。また、グループ名の入力も複数のグループ名を入力するものであってもよい。S61の処理では、複数のグループ名が入力された場合、その複数のグループ名の入力が完了したか否かを判別するものとする。
【0107】
図8(c)に示すワイルドキャラクタ・ラベル名入力処理が実行されると、ワイルドキャラクタ・ラベル名の入力が完了したか否かが判別され(S71)、ワイルドキャラクタ・ラベル名の入力が完了するまでS71の処理を繰り返し実行し(S71:No)、ワイルドキャラクタ・ラベル名の入力が完了したら(S71:Yes)、ワイルドキャラクタ・ラベル名入力処理を終了する。なお、ワイルドキャラクタ・ラベル名の入力は、上述したように、例えば、「*あいう」が入力される。また、ワイルドキャラクタ・ラベル名の入力も複数のワイルドキャラクタのラベル名を入力するものであってもよい。S71の処理では、複数のワイルドキャラクタのラベル名が入力された場合、その複数のワイルドキャラクタのラベル名の入力が完了したか否かを判別するものとする。
【0108】
図8(d)に示すワイルドキャラクタ・グループ名入力処理が実行されると、ワイルドキャラクタ・グループ名の入力が完了したか否かが判別され(S81)、ワイルドキャラクタ・グループ名の入力が完了するまでS81の処理を繰り返し実行し(S81:No)、ワイルドキャラクタ・グループ名の入力が完了したら(S81:Yes)、ワイルドキャラクタ・グループ名入力処理を終了する。なお、ワイルドキャラクタ・グループ名の入力は、上述したように、例えば、「あいう*」が入力される。また、ワイルドキャラクタ・グループ名の入力も複数のワイルドキャラクタのグループ名を入力するものであってもよい。S81の処理では、複数のワイルドキャラクタのグループ名が入力された場合、その複数のワイルドキャラクタのグループ名の入力が完了したか否かを判別するものとする。
【0109】
図8(e)に示す組合入力処理が実行されると、ラベル名及びグループ名の組み合わせ入力が完了したか否かが判別され(S91)、グループ名の入力が完了するまでS91の処理を繰り返し実行する(S91:No)。グループ名の入力が完了すると(S91:Yes)、組合入力処理を終了する。なお、組合入力は、上述したように、検索したいラベル名とグループ名とがそのまま入力される。
【0110】
なお、組合入力処理では、ラベル名とグループ名とを入力できるので、例えば、グループ名Aとラベル名B1とを入力することで、グループ全体の検索と、そのグループ内の1のファイルの検索とを同時に行うことができる。また、図示しないが、ワイルドキャラクタの組み合わせで検索を行なってもよい。
【0111】
図7に戻って、S31以降の処理について説明する。S31の処理では、任意の無線タグ装置10にリーダ・ライタ装置30を近づけ、その無線タグ装置10をスキャンして、無線タグ装置10のタグ装置用関連情報メモリ18bに記憶される情報(階層構造情報)を取得する(S31)。S31の処理で取得される階層構造情報とは、無線タグ装置10のタグ装置用グループ・ラベル名情報メモリ18b1とタグ装置用階層構造情報メモリ18b2とに記憶されている情報である。また、無線タグ装置10から送信されるデータには、その無線タグ装置10を特定する情報が含まれているので、どの無線タグ装置10からデータを受信したかをリーダ・ライタ装置30で認識することができる。
【0112】
S32の処理では、無線タグ装置10から階層構造情報が取得できたか否かを判別する(S32)。例えば、無線タグ装置10が初期状態である場合には、タグ装置用関連情報メモリ18bにも階層構造情報が記憶されていない。階層構造情報を取得できなければ、スキャンした無線タグ装置10のラベル名およびグループ名も不明となり、検索処理を実行する必要がない。そこで、S32の処理で、無線タグ装置10から階層構造情報を取得できたか否かを判別している。
【0113】
S32の処理で、無線タグ装置10から階層構造情報を取得できなかったと判別された場合には(S32:No)、そのまま、本処理を終了するか否かを判別する(S33)。本実施形態では、無線タグ装置10から階層構造情報を取得できなかった場合には、ディスプレイ32に「終了?」の表示を行い、ユーザに終了するか否かの問い合わせをする。
【0114】
そして、ユーザによって終了が選択された場合には(S33:Yes)、手入力検索処理を終了し、ユーザによって終了が選択されなかった場合には(S33:No)、再度、他の無線タグ装置10から階層構造情報を取得するために、S31の処理へ移行する。
【0115】
一方、S32の処理で、無線タグ装置10から階層構造情報を取得できたと判別された場合には(S32:Yes)、操作者によって選択された検索モードが組み合わせのラベル名の検索(組合入力モードが操作者により選択された)か否かを判別し(S34)、組み合わせのラベル名の検索であれば(S34:Yes)、S30の処理で入力されたデータと、S31の処理で取得した階層構造情報とを組み合わせ照合する(S35)。
【0116】
S35の処理で実行される組み合わせ照合とは、S30の処理で入力されたラベル名およびグループ名が、S31の処理で取得した階層構造情報に含まれているか否かを検出するものである。なお、図示しないが、照合した結果は、RAM48の所定エリアに記憶される。
【0117】
S34の処理で、組み合わせのラベル名の検索でないと判別されると(S34:No)、操作者によって選択された検索モードがワイルドキャラクタの検索(ワイルドキャラクタ・ラベル名入力モード又はワイルドキャラクタ・グループ名入力モードが操作者により選択された)か否かを判別する(S35)。
【0118】
S36の処理で、ワイルドキャラクタの検索であると判別されると(S36:Yes)、S28の処理で入力されたワイルドキャラクタ・ラベル名のデータまたはS29の処理で入力されたワイルドキャラクタ・グループ名のデータと、S31の処理で取得した階層構造情報とをワイルドキャラクタ照合する(S37)。
【0119】
S37の処理で実行されるワイルドキャラクタ照合とは、S28及びS29の処理で入力されたワイルドキャラクタ・ラベル名およびワイルドキャラクタ・グループ名が、S31の処理で取得した階層構造情報に含まれているか否かを検出するものである。なお、図示しないが、照合した結果は、RAM48の所定エリアに記憶される。
【0120】
S36の処理で、ワイルドキャラクタの検索でないと判別されると(S36:No)、組み合わせの検索でもなく、ワイルドキャラクタの検索でもないので、S26の処理で入力されたラベル名またはS27の処理で入力されたグループ名のデータと、S31の処理で取得した階層構造情報とを通常照合する(S38)。
【0121】
S38の処理で実行される通常照合とは、S26及びS27の処理で入力されたラベル名およびグループ名が、S31の処理で取得した階層構造情報に含まれているか否かを検出するものである。なお、図示しないが、照合した結果は、RAM48の所定エリアに記憶される。
【0122】
S35又はS37、S38の処理が終わると、検索実行処理が実行され(S39)、リターンか終了かを判別する(S40)。S40の処理では、後述する検索実行処理内のS169の処理(図11参照)において終了が選択されたか否かを判別し、操作者により終了が選択されていなければ(S40:リターン)、他の無線タグ装置10をスキャンするためにS31の処理へ戻り(リターン)、操作者により終了が選択された場合には(S40:終了)、手入力検索処理を終了する。なお、S31の処理へ戻った場合には、操作者の操作に基づき他の無線タグ装置10をスキャンして階層構造情報を取得し、S31以降の処理を実行する。このS31以降の処理を繰り返すことで、複数の無線タグ装置10のラベル名やグループ名を視認して検索することができる。
【0123】
図9は、リーダ・ライタ装置30のCPU46により実行されるデータベース検索処理を示したフローチャートである。データベース検索処理は、検索処理(図6参照)において、データベース検索処理が選択された場合に(S14:Yes)、実行される。なお、データベース検索処理において、手入力検索処理と同様の処理については、その詳細な説明を省略する。
【0124】
データベース検索処理が実行されると、まず、管理されている情報が記憶されている記憶用関連情報メモリ49cの記憶用グループ・ラベル名情報メモリ49c1及び記憶用階層構造情報メモリ49c2から全ての階層構造情報を読み出し(S101)、その読み出した階層構造情報をディスプレイ32に表示する(S102)。本実施形態では、ディスプレイ32に、複数のグループが階層状態(例えば、図3のような状態)で表示され、操作者は、十字ボタン34によりグループ名またはラベル名にカーソルを移動させ、決定ボタン37によりグループ名またはラベル名を決定することができる。また、ラベル名およびグループ名は、1のラベル名およびグループ名を選択するものであってもよいし、複数のラベル名およびグループ名を選択するものであってもよい。
【0125】
S103の処理では、操作者によって選択されたグループ名またはラベル名を検出し(S103)、操作者によってラベル名が選択されたか否かを判別する(S104)。S104の処理で、操作者によってラベル名が選択されたと判別されると(S104:Yes)、選択されたラベル名が属するグループ名を特定する情報と選択されたラベル名を特定する情報とを、記憶用グループ・ラベル名情報メモリ49c1から取り込み(S105)、S107の処理へ移行する。
【0126】
一方、S104の処理で、操作者によってグループ名が選択されていると判別されると(S104:No)、選択されたグループ名に対応した階層構造情報を、記憶用階層構造情報メモリ49c2から取り込み(S106)、S107の処理へ移行する。
【0127】
S107の処理では、任意の無線タグ装置10にリーダ・ライタ装置30を近づけ、その無線タグ装置10をスキャンして、無線タグ装置10のタグ装置用関連情報メモリ18bに記憶される情報(階層構造情報)を取得し(S107)、その無線タグ装置10から階層構造情報が取得できたか否かを判別する(S108)。
【0128】
S108の処理で、無線タグ装置10から階層構造情報を取得できなかったと判別された場合には(S108:No)、操作者によってデータベース検索処理の終了が選択されたか否かを判別し(S109)、操作者によって終了が選択された場合には(S109:Yes)、データベース検索処理を終了し、操作者によって終了が選択されなかった場合には(S109:No)、再度、無線タグ装置10から階層構造情報を取得するために、S107の処理へ移行する。
【0129】
一方、S108の処理で、無線タグ装置10から階層構造情報を取得できたと判別されると(S108:Yes)、操作者によって選択されS105又はS106の処理で取り込まれたデータと、S107の処理で取得した階層構造情報とを照合し(S110)、検索実行処理を実行した後に(S111)、リータンか終了かを判別する(S112)。
【0130】
S112の処理では、後述する検索実行処理内のS169の処理(図11参照)において終了が選択されたか否かを判別し、操作者により終了が選択されていなければ(S112:リターン)、他の無線タグ装置10をスキャンするためにS107の処理へ戻り(リターン)、操作者により終了が選択された場合には(S112:終了)、データベース検索処理を終了する。なお、S107の処理へ戻った場合には、操作者の操作に基づき他の無線タグ装置10をスキャンして階層構造情報を取得し、S107以降の処理を実行する。このS107以降の処理を繰り返すことで、複数の無線タグ装置10のラベル名やグループ名を視認して検索することができる。
【0131】
なお、データベース検索処理は、ラベル名およびグループ名をディスプレイ32で視認して入力することができるので、ラベル名およびグループ名を認識していない場合に適した処理である。
【0132】
図10は、リーダ・ライタ装置30のCPU46により実行されるデータ取込検索処理を示したフローチャートである。データ取込検索処理は、検索処理(図6参照)において、データ取込検索処理が選択された場合に(S14:No)、実行される。なお、データ取込検索処理において、手入力検索処理またはデータベース検索処理と同様の処理については、その詳細な説明を省略する。
【0133】
データ取込検索処理が実行されると、任意の無線タグ装置10にリーダ・ライタ装置30を近づけ、その無線タグ装置10から階層構造情報を取得する(S131)。S131の階層構造情報の取得は、上述したS31及びS107の処理で実行される取得方法と同様である。階層構造情報の取得が終わると、その取得した無線タグ装置10のラベル名が、操作者が検索しようとした目的の目的ラベルであるか否かを操作者に問い合わせする。
【0134】
そして、S131の処理で取得した無線タグ装置10のラベル名が、目的ラベルであれば(S132:Yes)、検索を終了するか否かを操作者に問い合わせし(S133)、検索を終了する場合には(S133:Yes)、データ取込検索処理を終了する。S133の処理で、検索を終了するか否かを操作者に問い合わせすることで、他のラベル名を連続して検索することができる。
【0135】
一方、S132の処理で、取得した無線タグ装置10のラベル名が目的ラベルでなかった場合(S132:No)、又は、S133の処理で、操作者により検索の終了が選択されなかった場合には(S133:No)、S131の処理で取得した階層構造情報内(即ち、階層構造情報を取得した無線タグ装置10が属するグループ内)で、他のラベル名を検索するか否かを操作者に問い合わせし、取得した階層構造情報内で他のラベル名を検索しない場合には(S134:No)、S135の処理へ移行し、取得した階層構造情報内で他のラベル名を検索する場合には(S134:Yes)、S141の処理へ移行する。
【0136】
S135の処理では、他の無線タグ装置10から階層構造情報を取得することなく、データ取込検索処理を終了するか否かを操作者に問い合わせし、操作者によりデータ取込検索処理の終了が選択された場合には(S135:Yes)、そのまま、データ取込検索処理を終了し、操作者によりデータ取込処理の終了が選択されていなければ(S135:No)、他の無線タグ装置10のスキャンを操作者に指示する(S136)。S136の処理では、ディスプレイ32に「別の無線タグ装置10をスキャンして下さい」を表示し、操作者に別の無線タグ装置10のスキャンを促す。
【0137】
S137の処理では、他の無線タグ装置10から階層構造情報を取得し(S137)、その取得した階層構造情報が、S131の処理で取得した階層構造情報と同じであるか否かを判別する(S138)。操作者により他の無線タグ装置10から階層構造情報を取得できていれば(S138:No)、S132の処理へ移行し、操作者により同じ無線タグ装置10から階層構造情報が取得されていれば(S138:Yes)、S135の処理へ移行し、操作者にデータ取込処理を終了するか否かを再度問い合わせする。
【0138】
S141の処理では、階層構造情報を取得できており、その取得した階層構造情報内での検索となるので、操作者によって検索する項目が、グループ名が選択されたかラベル名が選択されたか否かを判別し(S141)、操作者によりラベル名が選択されていれば(S141:Yes)、その選択されたラベル名を検出し(S142)、グループ名が選択されていれば(S141:No)、その取得した階層構造情報のグループ名が選択されてことになるので、その取得した階層構造情報のグループ名を検索項目に設定する。なお、階層構造情報から選択されるラベル名は、1のラベル名を選択するものであってもよいし、複数のラベル名を選択するものであってもよい。
【0139】
S143の処理では、任意の無線タグ装置10にリーダ・ライタ装置30を近づけ、その無線タグ装置10をスキャンして、無線タグ装置10のタグ装置用関連情報メモリ18bに記憶される情報(階層構造情報)を取得し(S143)、その無線タグ装置10から階層構造情報が取得できたか否かを判別する(S144)。
【0140】
S144の処理で、無線タグ装置10から階層構造情報を取得できなかったと判別された場合には(S144:No)、操作者によってデータ取込検索処理の終了が選択されたか否かを判別し(S145)、操作者によって終了が選択された場合には(S145:Yes)、データベース検索処理を終了し、操作者によって終了が選択されなかった場合には(S145:No)、再度、無線タグ装置10から階層構造情報を取得するために、S143の処理へ移行する。
【0141】
一方、S144の処理で、無線タグ装置10から階層構造情報を取得できたと判別されると(S144:Yes)、操作者によって選択されたラベル名または取得した階層構造情報のグループ名のデータと、S143の処理で取得した階層構造情報とを照合し(S146)、検索実行処理を実行した後に(S147)、操作者によってデータ取込検索処理の終了が選択されたか否かを判別する(S148)。
【0142】
S148の処理では、後述する検索実行処理内のS169の処理(図11参照)において終了が選択されたか否かを判別し、操作者により終了が選択されていなければ(S148:リターン)、他の無線タグ装置10をスキャンするためにS143の処理へ戻り(リターン)、操作者により終了が選択された場合には(S148:終了)、データ取込検索処理を終了する。なお、S143の処理へ戻った場合には、操作者の操作に基づき他の無線タグ装置10をスキャンして階層構造情報を取得し、S143以降の処理を実行する。このS143以降の処理を繰り返すことで、複数の無線タグ装置10のラベル名やグループ名を視認して検索することができる。
【0143】
なお、データ取得検索処理は、ラベル名およびグループ名をディスプレイ32で視認して入力することができるので、ラベル名およびグループ名を認識していない場合に適した処理である。さらに、本棚70に収納されるバインダー2に装着された無線タグ装置10から取得した階層構造情報に基づいてラベル名およびグループ名を入力できるので、存在しないラベル名またはグループ名を検索することがなくなり、検索の効率化を図ることができる。
【0144】
図11は、リーダ・ライタ装置30のCPU46により実行される検索実行処理を示したフローチャートである。検索実行処理は、手入力検索処理のS39の処理(図7参照)及び、データベース検索処理のS111の処理(図9参照)、データ取込検索処理のS148の処理(図10参照)において実行される。
【0145】
検索実行処理が実行されると、手入力検索処理のS35,S37,S38の処理で照合された結果、又は、データベース検索処理のS110の処理で照合された結果、データ取込処理のS146の処理で照合された結果に基づいて、選択または入力されたデータが、取得された階層構造情報内に含まれており該当するものか否かを判別する(S161)。
【0146】
S161の処理で、選択または入力されたデータが非該当と判別されたら(S161:No)、S170の処理へ移行し、選択または入力されたデータが該当すれば(S161:Yes)、検索方法がラベル名の検索であるか否かを判別する(S162)。
【0147】
S162の処理で、ラベル名の検索と判別されるのは、各検索処理において、ラベル名が選択または入力された場合と、手入力検索処理においてワイルドキャラクタ・ラベル名入力および組み合わせ入力によりラベル名が入力された場合である。一方、S162の処理で、グループ名の検索と判別されるのは、各検索処理において、グループ名が選択または入力された場合と、手入力検索処理でワイルドキャラクタ・グループ名が入力された場合である。
【0148】
S162の処理で、検索方法がラベル名であると判別されたら(S163:Yes)、選択または入力されたラベル名に対して、階層構造情報を取得した無線タグ装置10が、操作者が検索すべき(所望する)目的ラベル名であるか否かを判別する(S163)。S163の処理で、選択または入力されたラベル名が目的ラベル名である場合には(S163:Yes)、無線タグ装置10のディスプレイ12で、目的ラベル名に対応した表示がなされるように無線タグ装置10に対して指示(表示データを送信)する(S164)。なお、リーダ・ライタ装置30から送信されるデータには、そのデータを受信可能な無線タグ装置10を特定する情報が含まれているので、無線タグ装置10が隣接している場合であっても、所望する無線タグ装置10にのみ信号を受信させることができる。
【0149】
一方、S163の処理で、選択または入力されたラベル名が目的ラベル名でないと判別されると(S163:No)、無線タグ装置10のディスプレイ12で、階層構造情報が取得された無線タグ装置10のラベル名に応じた表示、又は、グループ点滅の表示がなされるように無線タグ装置10に対して指示し(S165)、S167の処理へ移行する。なお、S165の処理では、操作者により組合入力が選択されグループ名とラベル名とが検索項目となっている場合には、無線タグ装置10のディスプレイ12には、ラベル名に応じた表示が優先してなされるように指示を出力し、目的ラベル名または関連するラベル名がなくグループ名が同一であった場合にグループ点滅の指示を送信するように構成されている。
【0150】
一方、S162の処理で、検索方法がグループ名の検索であると判別されると(S162:No)、グループ点滅を指示して(S166)、S167の処理へ移行する。なお、S166の処理では、階層構造情報に基づいて、グループ内に属するラベル数の情報を出力すると共に、そのグループ内において既に検索した無線タグ装置10の数の情報を出力する。その結果、無線タグ装置10のディスプレイ12には、例えば、「グループ内のラベル数 16」と「検索したラベル数 15」とを表示することができ、操作者に対してグループに属する無線タグ装置10が後いくつあるかを認識させることができる。よって、操作者は、グループに属する全ての無線タグ装置10を検索済みであれば、それ以上の検索を実行しないし、まだグループに属する無線タグ装置10があれば、検索されていない無線タグ装置10の検索の実行ができる。従って、グループに属するラベル数と検索したラベル数との情報を送信することで、検索の作業の効率向上を図ることができる。
【0151】
なお、S166のグループ内に属するラベル数の情報の出力と、そのグループ内において既に検索した無線タグ装置10の数の情報の出力とは、リーダ・ライタ装置30のディスプレイ32で行なっても良い。
【0152】
ここで、図15及び図16を参照して、S164〜S166の処理で指示される無線タグ装置10のディスプレイ12に表示される表示態様について説明する。図15は、ラベル表示設定テーブル記憶エリア47bに記憶されるラベル表示設定テーブルを示した図である。図16は、無線タグ装置10のディスプレイ12に表示される一例を示した図である。
【0153】
図15に示すラベル表示設定テーブルは、ラベル名の階層位置と、その階層位置に応じた点滅表示の状態と、点滅表示の間隔とが関連付けされて記憶されている。例えば、目的ラベル名となる無線タグ装置10は、反転表示で且つ点灯表示(固定に対応)する表示態様が記憶されている。なお、図16(a)に示す状態が、反転表示された状態であり、S164の処理により指示される表示態様である。図16(a)に示すように、本実施形態では、「Aプロジェクト 開発部」の表示が白抜きされた表示態様となっている。
【0154】
また、目的ラベル名と同位層となる無線タグ装置10は、反転表示と通常表示とを0.5秒間隔で点滅表示させる表示態様が記憶されている。図16(b)に示す状態が、通常表示であるので、同位相の無線タグ装置10のディスプレイ12では、図16(a)と図16(b)との表示態様が0.5秒間隔で変更される。なお、この表示態様は、S165の処理で指示される表示態様の1つである。
【0155】
また、目的ラベル名に対して上位1又は上位2となる(例えば、目的ファイル名がファイル名D1であれば、ファイル名C1が上位1となりファイル名B1が上位2となる)無線タグ装置10は、通常表示と黒表示とが0.5秒又は0.75秒間隔で点滅表示する表示態様が記憶されている。即ち、図16(b)に示す表示態様と、真っ黒の表示態様とが0.5秒または0.75秒間隔で変更される。なお、この表示態様は、S165の処理で指示される表示態様の1つである。
【0156】
また、目的ラベル名に対して下位1又は下位2となる無線タグ装置10は、上位1又は上位2とは逆に、通常表示と白表示とが0.5秒又は0.75秒で点滅表示する表示態様が記憶されている。即ち、図16(b)に示す表示態様と、真っ白の表示態様とが0.5秒又は0.75秒間隔で変更される。なお、この表示態様は、S166の処理で指示される表示態様の1つである。
【0157】
また、グループ名が検索されている場合には、ラベル表示設定テーブルのグループを参照して、通常表示を0.75秒間、及び真っ白な表示を0.25秒間表示される表示状態が指示される。この表示態様は、S166の処理で指示される表示態様である。
【0158】
なお、表示態様は、取得した無線タグ装置10の階層位置や属するグループを操作者に認識可能な表示であれば良いので、点滅時間や反転表示は適宜設定可能である。また、図16(c)に示すように、ラベル名を表示するものとしても良いし、図16(d−1)〜図16(d−5)に示すように、無線タグ装置10の階層位置(階層関係(上位1、上位2、下位1、下位2、同位))を表示するものとしても良い。
【0159】
ここで、図11に戻って、検索実行処理のS167以降の処理について説明する。S167の処理では、リーダ・ライタ装置30からの信号が途切れた場合の無線タグ装置10の表示態様を指示する(S167)。本実施形態では、リーダ・ライタ装置30からの信号が途切れたら、すぐに未表示(通常表示の一部)に戻るように指示がなされる。
【0160】
なお、リーダ・ライタ装置30からの信号が途切れたら、その後、所定時間(例えば、1分間)表示を継続するような指示をするものとしても良い。
【0161】
S168の処理では、無線タグ装置10を再度スキャンする(S168)。S168の処理は、無線タグ装置10から階層構造情報などを取得する目的でなく、どの無線タグ装置10とデータの送受信を行っているかを判別するためのものである。このS168の処理により、検索処理の実行中は、無線タグ装置10から信号が送信されることになる。
【0162】
S169の処理では、操作者に検索処理を終了するか否かの問い合わせし、操作者によって検索処理の終了が選択されると(S169:Yes)、そのまま、検索実行処理を終了し、操作者によって検索処理の終了が選択されなければ(S169:Yes)、S168の処理でスキャンした無線タグ装置10が前に階層構造情報を取得した無線タグ装置10と同じであるか否かを判別する(S170)。
【0163】
S170の処理で、前に階層構造情報を取得した無線タグ装置10と同じであると判別されたら(S170:Yes)、無線タグ装置10の表示を継続して行っていることになるので、S168の処理へ戻り、再度、無線タグ装置10をスキャンする。
【0164】
一方、S170の処理で、前に階層構造情報を取得した無線タグ装置10と異なるものであると判別されると(S170:No)、次の無線タグ装置10を表示させる目的で、操作者がリーダ・ライタ装置30を移動させたことになるので、検索実行処理を終了する。
【0165】
次に、図12を参照して、無線タグ装置10のタグ装置用CPU15により実行されるデータ送信要求処理について説明する。データ送信処理は、リーダ・ライタ装置30からデータの送信要求の指示がなされた場合に実行される処理である。図12は、無線タグ装置10のタグ装置用CPU15により実行されるデータ送信要求処理を示したフローチャートである。
【0166】
リーダ・ライタ装置30からデータの送信要求の指示を受信すると、まず、タグ装置用関連情報メモリ18bに記憶される全ての情報を読み出し、その読み出した全ての情報をリーダ・ライタ装置30に送信する(S201)。全ての情報の送信は、上述したように、タグ装置用アンテナ11を介してリーダ・ライタ装置30に送信する。そして、受信スタンバイ状態を設定し(S202)、データ送信要求処理を終了する。
【0167】
また、無線タグ装置10は、リーダ・ライタ装置30から送信される信号を受信しない場合、又は、後述する表示点滅・反転指示処理および表示点滅・反転の起動処理により実行が指示される場合以外は、リーダ・ライタ装置30から送信される信号の受信機能のみが起動され、その他の機能は起動しない状態(受信スタンバイ状態)となる。
【0168】
次に、図13を参照して、無線タグ装置10のタグ装置用CPU15により実行される表示点滅・反転指示処理について説明する。表示点滅・反転指示処理は、リーダ・ライタ装置30から送信される表示を指示する表示データを受信した場合に実行される処理であり、リーダ・ライタ装置30から表示データを受信した場合に初回のみ起動される処理である。図13は、無線タグ装置10のタグ装置用CPU15により実行される表示点滅・反転指示処理を示したフローチャートである。
【0169】
表示点滅・反転指示処理が実行されると、受信した表示データに応じた表示をタグ装置用ディスプレイ12に表示する(S211)。例えば、目的ラベル名または同位相の無線タグ装置10であれば、反転した表示をし(図16(a)の表示態様)、上位層および下位層の無線タグ装置10であれば、通常の表示をし(図16(b)の表示態様)、グループ名の表示をする場合も、通常の表示をする(図16(b)の表示態様)。
【0170】
次に、受信した表示データにより指示される点滅間隔に応じて、次の起動タイミングと、表示態様とを設定し(S212)、受信スタンバイ状態をセットして(S213)、表示点滅・反転指示処理を終了する。S212の処理で設定される次の起動タイミングの設定は、点滅の間隔に応じて設定される。なお、目的ラベル名となる無線タグ装置10である場合には、点滅表示せずに固定の表示となるが、後述する表示点滅・反転の起動処理を実行させるために、例えば、0.5秒を次の起動タイミングに設定する。また、グループ名の表示をする場合には、起動タイミングが0.25秒と0.75秒と異なる。図示しないが、S213の処理で設定される次の起動タイミング及び表示態様は、タグ装置用RAM17の所定のエリアに記憶され、後述する表示点滅・反転の起動処理により次の起動タイミング及び表示態様が設定されるごとに更新される。
【0171】
次に、図14を参照して、無線タグ装置10のタグ装置用CPU15により実行される表示点滅・反転の起動処理について説明する。表示点滅・反転の起動処理は、上述した表示点滅・反転指示処理により設定された起動タイミングとなると実行される処理である。図14は、無線タグ装置10のタグ装置用CPU15により実行される表示点滅・反転の起動処理を示したフローチャートである。
【0172】
表示点滅・反転の起動処理が実行されると、リーダ・ライタ装置30からの電波(例えば、スキャン信号)を受信中であるか否かを判別し(S221)、リーダ・ライタ装置30からの電波を受信していなければ(S221:No)、リーダ・ライタ装置30からの電波が無くなった後にタグ装置用ディスプレイ12の表示を一定時間継続して表示する設定がなされているか否かを判別する(S222)。なお、リーダ・ライタ装置30から一定時間継続して表示を行う指示信号(表示時間を指示する時間信号)が、表示を指示する表示データと共に送信された場合に、一定時間表示の設定が無線タグ装置10でなされる。また、一定時間は、指示信号を受信した場合に、タグ装置用時計24から現在時刻を取得し、その取得した時刻から現在時刻との差により判別することができる。
【0173】
S222の処理で、一定時間継続して表示する設定がなされていると判別された場合には(S222:Yes)、その一定時間が経過したか否かを判別する(S223)。そして、S222の処理で、一定時間継続して表示する設定がなされていないと判別された場合(S222:No)、又は、S223の処理で、一定時間が経過したと判別された場合には(S223:Yes)、タグ装置用ディスプレイ12の表示を継続する必要がなくなるので、タグ装置用ディスプレイ12の表示を通常表示(本実施形態では、未表示)に戻し(S224)、受信スタンバイ状態をセットして(S227)、本処理を終了する。
【0174】
S221の処理で、リーダ・ライタ装置からの電波を受信中と判別された場合(S221:Yes)、又は、S223の処理で、一定時間が未だ経過していないと判別された場合には(S223:No)、タグ装置用ディスプレイ12の表示を継続することになるので、点滅・反転表示の繰り返し処理を実行し(S225)、S212の処理と同様に、受信した表示データに応じて次の起動タイミングと、表示態様とを設定し(S226)、受信スタンバイ状態をセットして(S227)、表示点滅・反転の起動処理を終了する。なお、S225の処理では、S212の処理またはS226の処理で設定された表示態様の表示が、タグ装置用ディスプレイ12になされる。
【0175】
また、S225の処理の実行が初回の場合は、例えば、目的ラベル名の無線タグ装置10であれば、反転した表示を継続し(図16(a)の表示態様)、同位相の無線タグ装置10であれば、通常の表示に変更し(図16(b)の表示態様)、上位層の無線タグ装置10であれば、真っ黒の表示に変更し、下位層の無線タグ装置10であれば、真っ白の表示に変更し、グループ名の表示をする場合も、真っ白の表示に変更する。なお、S225の処理の2回目以降は、階層位置に応じて反転表示するよう表示が変更される。
【0176】
以上、説明したように、S13の手入力検索処理、S15のデータベース検索処理およびS16のデータ取込検索処理(図5参照)によりラベル名が入力または選択された場合には、リーダ・ライタ装置30を複数の無線タグ装置10に近づけスキャンすることで、入力または選択された目的ラベル名およびその目的ラベル名の上位層・下位層・同位相となるラベル名も同時期に検索し、無線タグ装置10のディスプレイ12にそれぞれを判別可能に表示することができる。よって、複数のバインダー2が関連付けされている場合であっても、1のラベル名を入力または選択することで、目的ラベル名となるバインダー2とその目的ラベル名に関連付けされたラベル名となるバインダー2とを同時期に検索することができる。従って、目的ラベル名となるバインダー2と関連付けされたラベル名となるバインダー2とを検索する場合に、複数回の検索をしなくて良いので、検索作業を簡略化することができる。
【0177】
さらに、目的ラベルと、上位層・階層・同位相との表示がそれぞれ異なる表示となるので、複数のバインダー2に装着される無線タグ装置10のディスプレイ12に表示がなされていたとしも、そのバインダー2の階層位置を操作者に容易に認識させることができる。
【0178】
また、目的ラベル名となるバインダー2と関連付けされたラベル名となるバインダー2に装着された無線タグ装置10のディスプレイ12に表示がなされると共に、グループ名を検索した場合にも、そのグループ内に属する(階層構造情報に含まれる)全ての無線タグ装置10のディスプレイ12に表示がなされるので、全く関連付けがされていないバインダー2の無線タグ装置10のディスプレイ12に表示がなされることがない。よって、操作者は、所望のバインダー2を容易に検索することができる。
【0179】
即ち、本実施形態のタグ無線通信システム60によれば、所望のバインダー2を検索して無線タグ装置10のディスプレイ12に表示をすることができるし、所望のバインダー2と関連したバインダー2とを検索して無線タグ装置10のディスプレイ12に表示をすることができる。よって、操作者は、必要なバインダー2を簡単に探すことができる。さらに、バインダー2の整理をする際には、グループ全体の無線タグ装置10のディスプレイ12に表示させることができるので、簡単にグループ毎にまとめて整理することができるし、関連の程度(階層位置に対応)に応じて整理をすることもできる。
【0180】
次に、図17を参照して、第2の実施形態について説明する。図17は、第2の実施形態の無線タグ装置10のタグ装置用CPU15により実行されるアンテナ受信処理を示したフローチャートである。アンテナ受信処理は、リーダ・ライタ装置30から受信データを受信した場合に実行される処理である。
【0181】
また、第1の実施形態は、リーダ・ライタ装置30で無線タグ装置10のタグ装置用ディスプレイ12で表示される表示態様を設定し、その設定された情報に基づいて無前タグ装置10が表示を行うように構成した。これに代えて、第2の実施形態では、リーダ・ライタ装置30から照合結果を送信し、タグ装置用ディスプレイ12に表示される表示態様をリーダ・ライタ装置30で設定するよう構成した。よって、第1の実施形態の検索実行処理(図11参照)のS165〜S167の処理では、それぞれ対応した照合結果を送信する構成とし、表示点滅・反転指示処理(図13参照)および表示点滅・反転起動処理(図14参照)に代えて、図17に示すアンテナ受信処理が実行される構成となる。その他の構成は、第1の実施形態と同様となるので、その第1の実施形態と同様の部分には、同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0182】
アンテナ受信処理が実行されると、まず、受信データの解析が実行される(S231)。受信データの解析は、受信した信号が何を指示するものかを解析する処理である。S232の処理では、S231の処理で受信データを解析した結果が、該当するか否かを判別する(S232)。S232の処理で該当と判別されるのは、本無線タグ装置10が、操作者により入力または選択された目的のラベル名であるか、その目的のラベル名が属するグループ内に属している場合である。
【0183】
S232の処理で、本無線タグ装置10が非該当であれば(S231:No)、特に表示をする必要がないので、受信スタンバイ状態をセットして(S227)、アンテナ受信処理を終了する。一方、S232の処理で、本無線タグ装置10が該当するものであると判別されると(S232:Yes)、タグ装置用ディスプレイ12に表示をする必要があるので、まず、タグ装置用ディスプレイ12に表示する表示態様は、ラベル名の表示であるかグループ名の表示でるか否かを判別する(S233)。
【0184】
そして、S233の処理で、ラベル名を表示すると判別された場合には(S233:Yes)、受信したデータに基づいてタグ装置用ディスプレイ12にラベル名の表示を行い(S234)、次の点滅、交互、反転などの起動タイミング、即ち、アンテナ受信処理の起動タイミングを設定すると共に、リーダ・ライタ装置30からの電波が無くなった場合の表示態様を設定し(S235)、受信スタンバイ状態をセットして(S238)、アンテナ受信処理を終了する。なお、S234及びS235の処理において設定される表示態様や次の起動タイミングは、第1の実施形態の設定方法と同様の方法であるので、詳細な説明は省略する。
【0185】
一方、S233の処理で、グループ名の表示であると判別された場合には(S233:No)、受信したデータに基づいてタグ装置用ディスプレイ12にグループ名の表示を行い(S236)、次の点滅、交互、反転などの起動タイミング、即ち、アンテナ受信処理の起動タイミングを設定すると共に、リーダ・ライタ装置30からの電波が無くなった場合の表示態様を設定し(S237)、受信スタンバイ状態をセットして(S238)、本処理を終了する。なお、S236及びS237の処理において設定される表示態様や次の起動タイミングは、第1の実施形態の設定方法と同様の方法であるので、詳細な説明は省略する。
【0186】
以上説明したように、第2の実施形態では、無線タグ装置10において、タグ装置用ディスプレイ12に表示される表示態様が設定されているので、リーダ・ライタ装置30の制御負担を軽減することができる。また、タグ装置用ディスプレイ12に表示される表示態様を、無線タグ装置10又はリーダ・ライタ装置30のどちらで設定するかの違いとなるので、第1の実施形態と同様に、検索作業を簡略化することができるという効果を奏する。
【0187】
ここで、図18及び図19を参照して、無線タグ装置10のディスプレイ12に表示される表示状態が、上記実施形態とは異なる場合について説明する。図18は、ラベル表示設定テーブルを示した図であり、図19は、無線タグ装置10のディスプレイ12の表示状態を示した図である。
【0188】
まず、図18(a)のラベル表示設定テーブルについて説明する。このラベル表示設定テーブルは、リーダ・ライタ装置30のラベル表示設定テーブル記憶エリア47aに記憶されている。なお、このラベル表示設定テーブルは、図11のS164〜S166の処理が実行される場合に、上記第1の実施形態のラベル表示設定テーブルに代えて参照される。
【0189】
図18(a)に示すラベル表示設定テーブルは、ラベル名の階層位置と、その階層位置に応じた点滅表示の状態と、点滅表示の間隔とが関連付けされて記憶されている。例えば、目的ラベル名となる無線タグ装置10は、目的の表示と通常表示とが0.5秒間隔で繰り返し表示する表示状態が設定される。この場合の表示状態は、図19(a)に示すように、「Aプロジェクト 開発部」の通常表示と、「目的」の表示とが0.5秒ずつ表示される。
【0190】
また、目的ラベル名と同位層となる無線タグ装置10は、同列の表示と通常表示とが0.5秒間隔で繰り返し表示する表示状態が設定される。目的ラベル名と上位1,上位2,下位1,下位2となる無線タグ装置10は、それぞれの階層の表示と通常表示とが0.5秒間隔で繰り返し表示する表示状態が設定される。なお、図示は省略するが、同位相,上位1,上位2,下位1,下位2の表示状態は、図19(a)の「目的」に代えて、「同列」、「上位1」、「上位2」、「下位1」、「下位2」と「Aプロジェクト 開発部」との表示が点滅表示される。
【0191】
次に、図18(b)に示すラベル表示設定テーブルについて説明する。このラベル表示設定テーブルも、リーダ・ライタ装置30のラベル表示設定テーブル記憶エリア47aに記憶されており、図11のS164〜S166の処理が実行される場合に、上記実施形態のラベル表示設定テーブルに代えて参照される。
【0192】
図18(b)に示すラベル表示設定テーブルは、ラベル名の階層位置と、その階層位置に応じた表示の状態と、その表示の表示時間とが関連付けされて記憶されている。なお、表示時間とは、無線タグ装置10のディスプレイ12に表示がなされてから初期状態に戻るまでの時間であり、任意に設定可能である。なお、このラベル表示設定テーブルが参照された場合には、表示を指示すると共に任意の表示時間に対応した時間信号も同時に無線タグ装置10に送信される。
【0193】
表示状態の設定としては、目的ラベル名となる無線タグ装置10は、その全てが反転表示する表示状態が設定されるので、図16(a)の状態となる。また、目的ラベル名と同位層となる無線タグ装置10は、中央部分の1/2が反転する表示状態が設定され、目的ラベル名と上位1となる無線タグ装置10は、上1/4の部分が反転する表示状態が設定され、目的ラベル名と上位2となる無線タグ装置10は、上1/2の部分が反転する表示状態が設定され、目的ラベル名と下位1となる無線タグ装置10は、下1/2の部分が反転する表示状態が設定され、目的ラベル名と下位2となる無線タグ装置10は、下1/4の部分が反転する表示状態が設定される。図19(b)及び図19(c)には、表示態様の一例を示しており、図19(b)は、上1/2が反転表示されているので、上位2に対応するラベル名のバインダー2であることを確認でき、図19(c)は、下1/4が反転表示されているので、下位2に対応するラベル名であることが確認できる。
【0194】
なお、図19(d)に示すように、ラベル名の階層位置に対応した表示をし、その表示領域の一部分を反転表示するように構成しても構わない。さらに、反転される領域を点滅表示しても良いし、図形などを用いても良い。即ち、各ラベル名の階層位置を認識させる表示状態であれば、如何なる表示であっても良い。
【0195】
また、その他に、無線タグ装置10から取得した関連構造情報の数や、関連構造情報に含まれるラベル名の数、今回の検索で検索したラベル数などを、検索情報としてディスプレイ12に表示しても良いし、バインダー2に収納されている書類の概要などを表示しても良い。
【0196】
以上、各実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
【0197】
例えば、上記実施形態では、リーダ・ライタ装置30は専用機器を用いて実現したが、リーダ・ライタ装置30はパーソナルコンピュータを用いて実現しても良い。また、階層構造情報は、無線タグ装置10のタグ装置用フラッシュメモリ18及びリーダ・ライタ装置30のフラッシュメモリ49に記憶されていたが、階層構造情報は、リーダ・ライタ装置30やパーソナルコンピュータと通信可能な記憶装置に記憶するものとしても良い。なお、通信可能な記憶装置とは、例えば、パーソナルコンピュータが接続されたネットワーク上の記憶装置である。
【0198】
また、上記実施形態では、無線タグ装置10のディスプレイ12は電気詠動式を採用したが、ディスプレイ12は、バッテリを内蔵しない表示媒体であり、表示内容を消去して何回でも書き換えることができ、更には、表示された内容を長時間にわたり維持できる電子ペーパー等の不揮発性の表示装置であっても良い。
【0199】
また、上記実施形態では、1の無線タグ装置10と、1のリーダ・ライタ装置30との間でデータの送受信を行い、無線タグ装置10のタグ装置用ディスプレイ12に検索結果に応じた表示を行うように構成したが、1のリーダ・ライタ装置30と、複数の無線タグ装置10との間でデータの送受信を行い、複数の無線タグ装置10のタグ装置用ディスプレイ12に表示を同時に行わせる構成としても良い。なお、上述したように、本実施形態では、リーダ・ライタ装置30から送信されるデータに、そのデータを受信可能な無線タグ装置10を特定する情報を含んで送信すると共に、無線タグ装置10から送信されるデータに、その無線タグ装置10を特定する情報を含んで送信するので、1のリーダ・ライタ装置30に対して複数の無線タグ装置10との間での送受信を容易に達成することができる。
【0200】
ここで、本実施形態において、請求項1記載の選択手段としては図5のS13,S15,S16の処理でラベル名を入力または選択する処理が該当し、請求項2記載の第1表示設定手段としては図11のS164〜S166の処理が該当し、請求項3記載の関連情報取得手段としては図7のS31の処理および図9のS107の処理、図10のS143の処理が該当し、請求項4記載の第2表示設定手段としては図11のS164〜S166の処理が該当し、請求項7記載のグループ情報選択手段としては図5のS13,S15,S16の処理でグループ名を入力または選択する処理が該当し、請求項7記載のグループ情報取得手段としては図7のS31の処理および図9のS107の処理、図10のS143の処理が該当し、請求項10記載の他タグ特定情報取得手段としては図10のS143の処理が該当し、請求項14記載の表示実行手段としては図13のS211の処理および図14のS225の処理が該当し、請求項15記載の時間判断手段としては図14のS223の処理が該当する。
【図面の簡単な説明】
【0201】
【図1】本発明のタグ無線通信システムの構成を示した概略図である。
【図2】無線タグ装置およびリーダ・ライタ装置の電気的構成を示したブロック図であり、(a)は無線タグ装置のブロック図であり、(b)はリーダ・ライタ装置のブロック図である。
【図3】無線タグ装置のタグ装置用フラッシュメモリに記憶される階層構造を示した模式図である。
【図4】リーダ・ライタ装置のCPUにより実行される機能選択処理を示したフローチャートである。
【図5】リーダ・ライタ装置の機能カウンタに記憶される値と対応する機能処理を示した図である。
【図6】リーダ・ライタ装置のCPUにより実行される検索処理を示したフローチャートである。
【図7】リーダ・ライタ装置のCPUにより実行される手入力検索処理を示したフローチャートである。
【図8】リーダ・ライタ装置のCPUにより実行される各入力処理を示したフローチャートである。
【図9】リーダ・ライタ装置のCPUにより実行されるデータベース検索処理を示したフローチャートである。
【図10】リーダ・ライタ装置のCPUにより実行されるデータ取込検索処理を示したフローチャートである。
【図11】リーダ・ライタ装置のCPUにより実行される検索実行処理を示したフローチャートである。
【図12】無線タグ装置のタグ装置用CPUにより実行されるデータ送信要求処理を示したフローチャートである。
【図13】無線タグ装置のタグ装置用CPUにより実行される表示点滅・反転指示処理を示したフローチャートである。
【図14】無線タグ装置のタグ装置用CPUにより実行される表示点滅・反転の起動処理を示したフローチャートである。
【図15】ラベル表示設定テーブル記憶エリアに記憶されるラベル表示設定テーブルを示した図である。
【図16】無線タグ装置のディスプレイに表示される一例を示した図である。
【図17】第2の実施形態の無線タグ装置のタグ装置用CPUにより実行されるアンテナ受信処理を示したフローチャートである。
【図18】ラベル表示設定テーブルを示した図である。
【図19】無線タグ装置のディスプレイの表示状態を示した図である。
【符号の説明】
【0202】
2 バインダー(対象物)
10 無線タグ装置(タグ装置)
12 タグ装置用ディスプレイ(表示部)
14 タグ装置用送受信機(受信手段)
18b タグ装置用関連情報メモリ(タグ側記憶手段)
30 リーダ・ライタ装置(通信装置)
36 タグ表示ボタン(操作手段)
50 送受信機(送信手段)
60 タグ無線通信システム(情報通信システム)
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、タグ装置および情報通信システムに関し、特に、複数の対象物から関連した対象物を検索する場合に、検索作業を簡略化することができる通信装置、タグ装置および情報通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2003−331230号公報に開示されているように、各種画像データが記憶されたCD−R、DVDや、そのCD−R及びDVDを収納したアルバムのそれぞれに、画像関連情報が記憶されたICタグを貼付し、その画像関連情報を利用して所望のCD−R、DVD又はアルバムをパソコンで検索する画像検索システムが知られている。ICタグに記憶される画像関連情報は、画像を検索する際の検索キーとなるものであり、画像を特定する情報などが記憶されている。CD−R、DVDやアルバム(以下「対象物」と称す)の検索は、パソコンで所定の検索情報を入力すると、ICタグの画像関連情報が取得され、その取得された関連情報と検索情報とが比較され、その比較結果に基づいて所望の対象物の配置位置がパソコンの画面上に表示される。
【特許文献1】特開2003−331230号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、画像を特定するための画像関連情報が記憶されたICタグを利用して対象物を検索する画像検索システムでは、複数の対象物がそれぞれ関連している場合、例えば、対象物が1巻から10巻まである場合に3巻と7巻の配置位置を検索するためには、3巻に対応した検索情報を入力して3巻の配置位置を検索し、7巻に対応した検索情報を入力して7巻の配置位置を検索するので、検索する対象物の数分の検索を行わなければならず、検索の作業が煩雑となってしまうという問題点があった。
【0004】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、複数の対象物から関連した対象物を検索する場合に、検索作業を簡略化することができる通信装置、タグ装置および情報通信システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を達成するために請求項1記載の通信装置は、対象物に装着されその対象物を特定する特定情報を記憶すると共に、外部から入力される表示を指示する表示データに基づいた画像を表示する表示部を備えたタグ装置と通信可能に構成されており、検索対象となる対象物の特定情報を選択する選択手段と、その選択手段により選択された前記所定の特定情報が記憶されたタグ装置または前記所定の特定情報と関連する特定情報が記憶された他のタグ装置に、前記表示データを送信する送信手段とを備えている。
【0006】
請求項2記載の通信装置は、請求項1記載の通信装置において、前記選択手段により選択された特定情報と、前記送信手段により前記表示データが送信される送信先のタグ装置に記憶される特定情報との関連に応じて、その送信先のタグ装置の表示部で表示される画像の表示態様を設定する第1表示設定手段を備え、前記送信手段は、前記第1表示設定手段により設定された表示データを前記送信先のタグ装置に送信する。
【0007】
なお、第1表示設定手段によって関連に応じて設定される表示態様は、例えば、複数のタグ装置の表示部で表示される表示態様を、異なる図形や異なる文字列で表示して、タグ装置が装着された対象物のそれぞれを特定可能な表示態様としても良いし、図形や文字列を反転表示したり、その反転表示する場合の領域を変更したり、通常表示と反転表示との表示間隔を変更したり、図形や文字列の表示濃度を変更したり、その表示濃度を異ならせる領域を変更したり、通常濃度と異なる濃度とを反転する間隔を変更したり点滅もして、タグ装置が装着された対象物のそれぞれを特定可能な表示態様としても良い。
【0008】
請求項3記載の通信装置は、請求項1又は2に記載の通信装置において、前記タグ装置には、自己のタグ装置に記憶される特定情報と、他のタグ装置に記憶される特定情報との関連を示す関連情報が予め記憶されており、前記タグ装置に記憶される関連情報を取得する関連情報取得手段を備え、前記送信手段は、前記選択手段により選択された特定情報と前記関連情報取得手段により関連情報を取得したタグ装置の特定情報とが前記関連情報により関連付けられている場合に、その関連情報を取得したタグ装置に対して前記表示データを送信する。
【0009】
請求項4記載の通信装置は、請求項3記載の通信装置において、前記選択手段により選択された特定情報と、前記関連情報取得手段により関連情報を取得したタグ装置の特定情報との関連に応じた表示状態を、その取得した関連情報に基づいて設定する第2表示設定手段を備え、前記送信手段は、前記第2表示設定手段により設定された表示データを、前記関連情報を取得したタグ装置に送信する。
【0010】
請求項5記載の通信装置は、請求項3又は4に記載の通信装置において、前記関連情報は、自己のタグ装置の特定情報が、他のタグ装置の特定情報に対して上位層または下位層あるいは同位層であるかを示す情報である。
【0011】
請求項6記載の通信装置は、請求項5記載の通信装置において、前記関連情報は、自己のタグ装置の特定情報が他のタグ装置の特定情報に対して、上位層である場合には何階層上位であるか、下位層である場合には何階層下位であるかを示す情報である。
【0012】
請求項7記載の通信装置は、請求項1から6のいずれかに記載の通信装置において、前記タグ装置には、そのタグ装置が属するグループを特定するグループ情報が予め記憶されており、所定のグループ情報を選択するグループ情報選択手段と、前記タグ装置に記憶されるグループ情報を取得するグループ情報取得手段とを備え、前記送信手段は、前記グループ情報選択手段により選択されたグループ情報と前記グループ情報取得手段により取得したグループ情報とが同一である場合に、そのグループ情報を取得したタグ装置に前記表示データを送信する。
【0013】
請求項8記載の通信装置は、請求項7記載の通信装置において、前記送信手段は、前記グループ情報選択手段により選択されたグループ情報と前記グループ情報取得手段により取得したグループ情報とが同一であり、且つ、前記選択手段により選択された特定情報と前記関連情報取得手段により関連情報を取得したタグ装置の特定情報とが前記関連情報により関連付けられている場合に、前記グループ情報を取得したタグ装置および前記関連情報を取得したタグ装置に、前記表示データを送信する。
【0014】
請求項9記載の通信装置は、請求項1から8のいずれかに記載の通信装置において、前記タグ装置の表示部に前記表示データに基づいた画像を表示させる表示時間を設定する表示時間設定手段を備え、
前記送信手段は、前記表示時間設定手段により設定された画像の表示時間を指示する時間信号を、前記表示データと共に送信する。
【0015】
請求項10記載の通信装置は、請求項1から9のいずれかに記載の通信装置において、外部装置から、他のタグ装置の特定情報を少なくとも一つ以上取得する他タグ特定情報取得手段を備え、前記選択手段は、前記他タグ特定情報取得手段により取得した特定情報から、前記検索対象となる対象物の特定情報を選択する。
【0016】
請求項11記載の通信装置は、請求項10記載の通信装置において、前記他タグ特定情報取得手段は、前記タグ装置からそのタグ装置が属するグループ内の他のタグ装置の特定情報を少なくとも一つ以上取得することを特徴とする請求項10記載の通信装置。
【0017】
請求項12記載の通信装置は、請求項1から11のいずれかに記載の通信装置において、前記選択手段は、操作者が手入力により入力した特定情報を、前記検索対象となる対象物の特定情報として選択する。
【0018】
請求項13記載の通信装置は、請求項1から12のいずれかに記載の通信装置において、前記選択手段は、同時に複数の特定情報を選択するものであり、前記送信手段は、前記選択手段により選択された複数の特定情報のうち少なくともいずれか一つが記憶されたタグ装置または前記選択手段により選択された複数の特定手段のうち少なくともいずれか一つと関連する特定情報が記憶された他のタグ装置に、前記表示データを送信する。
【0019】
請求項14記載のタグ装置は、請求項1から13のいずれかに記載の通信装置から送信される信号を受信する受信手段と、画像を表示する表示部とを備えたタグ装置において、前記受信手段により受信された信号が、前記表示部に表示される画像の表示を指示する表示データであった場合に、その表示データに基づいた画像を前記表示部に表示させる表示実行手段を備えている。
【0020】
請求項15記載のタグ装置は、請求項14記載のタグ装置において、前記表示実行手段により前記表示データに基づいた画像が前記表示部に表示されてから、所定時間が経過したか否かを判断する時間判断手段を備え、前記表示実行手段は、前記表示データを受信した場合にその表示データに基づいた画像を前記表示部に表示すると共に、前記時間判断手段により所定時間が経過したと判断された場合に前記表示部の表示を通常状態に戻す。
【0021】
なお、表示部に表示される通常状態とは、通常状態を示す表示をする場合だけでなく、表示部を未表示とした場合も含む。
【0022】
請求項16記載のタグ装置は、請求項14記載のタグ装置において、前記通信装置は、前記表示データを送信する場合に操作される操作手段を備え、その操作手段が操作されているあいだ前記表示データを送信するものであり、前記表示実行手段は、前記表示データを受信している間、その表示データに基づいた画像を前記表示部に表示する。
【0023】
請求項17記載の情報通信システムは、請求項1から13のいずれかに記載の通信装置と、請求項14から16のいずれかに記載のタグ装置とを備えている。
【0024】
なお、各請求項において、表示部とは、予め定められた表示をするものであっても良いし、不揮発性の表示部を有し表示を書き換え可能に構成するものであっても良い。不揮発性の表示部には、例えば、電子ペーパーからなる表示装置や、有機発光素子を用いた表示装置、電気永動式の表示装置などがあげられる。
【発明の効果】
【0025】
請求項1記載の通信装置によれば、検索対象となる対象物の特定情報が選択手段により選択され、その選択手段により選択された特定情報が記憶されたタグ装置または特定情報と関連する特定情報が記憶された他のタグ装置に、そのタグ装置の表示部の表示を指示する表示データが送信手段により送信される。よって、特定情報が選択されると、特定情報を記憶するタグ装置と、その特定情報と関連する特定情報が記憶された他のタグ装置とに表示データが送信されるので、特定情報を記憶するタグ装置の表示部に画像を表示させるだけでなく、関連する他のタグ装置の表示部にも画像を表示させることができる。従って、操作者は、特定情報を選択するだけで、特定情報を記憶するタグ装置が装着された対象物と、関連するタグ装置が装着された対象物とを検索することができるので、対象物の検索作業を簡略化することができるという効果がある。
【0026】
また、特定情報を記憶するタグ装置または関連する特定情報を記憶する他のタグ装置に表示データが送信されるので、特定情報に全く関連していないタグ装置の表示部に所定の表示がされることがない。よって、複数のタグ装置が検索されたとしても、それぞれ関連したタグ装置となるので、操作者は所望の対象物を容易に検索することができるという効果がある。
【0027】
請求項2記載の通信装置によれば、請求項1記載の通信装置の奏する効果に加え、選択手段により選択された特定情報と、送信手段により表示データが送信される送信先のタグ装置に記憶される特定情報との関連に応じて、その送信先のタグ装置の表示部で表示される画像の表示態様が第1表示設定手段により設定され、その第1表示設定手段により設定された表示データが送信手段により送信先のタグ装置に送信される。よって、送信先のタグ装置には、選択手段により選択された特定情報との関連に応じた画像が表示されるので、選択した特定情報を記憶するタグ装置が装着された対象物に関連する対象物を操作者に容易に認識させることができるという効果がある。
【0028】
また、選択手段により選択された特定情報との関連に応じた画像が送信先のタグ装置で表示されるので、選択した特定情報を記憶するタグ装置が装着された対象物に関連する対象物が複数ある場合でも、対象物の関連の程度を操作者に認識させることができるという効果がある。
【0029】
請求項3記載の通信装置によれば、請求項1又は2に記載の通信装置の奏する効果に加え、タグ装置に記憶される関連情報が関連情報取得手段により取得され、選択手段により選択された特定情報と、関連情報取得手段により関連情報を取得したタグ装置の特定情報とが、その関連情報により関連付けられている場合に、その関連情報を取得したタグ装置に対して表示データが送信手段により送信される。よって、関連情報を取得したタグ装置の特定情報と、選択した特定情報とが関連付けされている場合に、その関連情報を取得したタグ装置に表示データが送信されるので、選択された特定情報に関連するタグ装置の表示部に画像が表示される。例えば、選択された特定情報に関連されていないタグ装置にも関連していない旨の画像が表示される場合には、全てのタグ装置に表示がなされる為、操作者は、全てのタグ装置の表示を確認しなければならない。しかし、関連したタグ装置の表示部にのみ画像が表示されるので、画像が表示されたタグ装置が装着された対象物が、所望する対象物に関連するものであることを操作者に認識させることができるという効果がある。
【0030】
請求項4記載の通信装置によれば、請求項3記載の通信装置の奏する効果に加え、選択手段により選択された特定情報と、関連情報取得手段により関連情報を取得したタグ装置の特定情報との関連に応じた表示態様が、その取得した関連情報に基づいて第2表示設定手段により設定され、その第2表示設定手段により設定された表示データが、関連情報を取得したタグ装置に送信される。よって、選択された特定情報に関連する特定情報が記憶されたタグ装置の表示部に画像が表示されるので、選択された特定情報を記憶するタグ装置が装着された対象物に関連する対象物を操作者に容易に認識させることができるという効果がある。
【0031】
また、選択手段により選択された特定情報との関連に応じた表示データが、関連情報を取得したタグ装置に送信されるので、その関連情報を取得したタグ装置の表示部に関連の程度を示す画像を表示することもできるので、複数の対象物の関連の程度を操作者に認識させることができるという効果がある。
【0032】
請求項5記載の通信装置によれば、請求項3又は4に記載の通信装置の奏する効果に加え、関連情報は、自己のタグ装置の特定情報が、他のタグ装置の特定情報に対して上位層または下位層あるいは同位層であるかを示す情報であるので、階層構造に応じた表示データをタグ装置に送信すれば、階層関係を示す画像をタグ装置の表示部に表示させることができる。よって、タグ装置が装着された複数の対象物の階層関係を、操作者に容易に認識させることができるという効果がある。
【0033】
請求項6記載の通信装置によれば、請求項5記載の通信装置の奏する効果に加え、関連情報は、自己のタグ装置の特定情報が他のタグ装置の特定情報に対して、上位層である場合には何階層上位であるか、下位層である場合には何階層下位であるかを示す情報であるので、階層構造に応じた表示データをタグ装置に送信すれば、階層関係における何階層であるかを示す画像をタグ装置の表示部に表示させることができる。よって、タグ装置が装着された複数の対象物の階層関係を、操作者に容易に認識させることができるという効果がある。
【0034】
請求項7記載の通信装置によれば、請求項1から6のいずれかに記載の通信装置の奏する効果に加え、グループ情報選択手段により選択された所定のグループ情報と、グループ情報取得手段により取得したグループ情報とが同一である場合に、そのグループ情報を取得したタグ装置に表示データが送信される。よって、グループ情報選択手段により選択されたグループ情報と同一グループ情報を記憶するタグ装置の表示部に画像が表示されるので、同一のグループ情報が記憶されたタグ装置が装着された対象物を操作者に認識させることができる。従って、操作者は、所定のグループ情報を選択するだけで、同一のグループに属する対象物を検索することができ、対象物の検索作業を簡略化することができるという効果がある。
【0035】
請求項8記載の通信装置によれば、請求項7記載の通信装置の奏する効果に加え、グループ情報選択手段により選択されたグループ情報とグループ情報取得手段により取得したグループ情報とが同一であり、且つ、選択手段により選択された特定情報と関連情報取得手段により関連情報を取得したタグ装置の特定情報とが関連情報により関連付けられている場合に、グループ情報を取得したタグ装置および関連情報を取得したタグ装置に表示データが送信手段により送信される。よって、グループ情報が同一となる特定情報が記憶されたタグ装置および選択された特定情報に関連付けされた特定情報が記憶されているタグ装置の表示部に画像が表示されるので、同一グループで且つ関連付けされたタグ装置が装着された対象物を操作者に認識させることができるという効果がある。
【0036】
請求項9記載の通信装置によれば、請求項1から8のいずれかに記載の通信装置の奏する効果に加え、タグ装置の表示部に画像を表示させる表示時間が表示時間設定手段により設定され、その表示時間設定手段により設定された画像の表示時間を指示する時間信号が表示データと共に送信される。よって、表示データと時間信号との組み合わせによって、タグ装置の表示部に表示される画像と、その画像が表示される表示時間とを指示することができ、タグ装置の表示部に所定時間の間画像を表示させることができる。従って、操作者に対して、タグ装置の表示部の画像を視認させやすくすることができるという効果がある。
【0037】
また、表示データと時間信号との組み合わせによって、通信装置からの表示データが途絶えたとしても、表示時間の間は画像を表示させることができるので、通信装置が他のタグ装置へ表示データと時間信号とを送信することにより、複数のタグ装置の表示部に画像を同時期に表示させることができる。よって、選択された特定情報を記憶するタグ装置が装着された対象物およびその対象物に関連する対象物、又は、同一のグループ情報が記憶されているタグ装置が装着された対象物とを同時期に検索することができるという効果がある。
【0038】
請求項10記載の通信装置によれば、請求項1から9のいずれかに記載の通信装置の奏する効果に加え、外部装置から他のタグ装置の特定情報が他タグ特定情報取得手段により少なくとも一つ以上取得され、その他タグ特定情報取得手段により取得した特定情報から検索対象となる対象物の特定情報が選択手段により選択される。よって、外部装置から取得した他のタグ装置の特定情報から特定情報を選択するので、特定情報の選択作業が容易となり、検索作業の効率を高めることができるという効果がある。
【0039】
請求項11記載の通信装置によれば、請求項10記載の通信装置の奏する効果に加え、タグ装置からそのタグ装置が属するグループ内の他のタグ装置の特定情報が、他タグ特定情報取得手段により少なくとも1つ以上取得されるので、タグ装置に記憶されている特定情報に基づいて特定情報を選択することができる。よって、存在しないタグ情報を選択することがなく、検索作業の効率を高めることができるという効果がある。
【0040】
請求項12記載の通信装置によれば、請求項1から11のいずれかに記載の通信装置の奏する効果に加え、操作者が手入力により入力した特定情報が検索対象となる対象物の特定情報として選択手段により選択されるので、操作者が検索を所望する対象物を検索することができるという効果がある。
【0041】
請求項13記載の通信装置によれば、請求項1から12のいずれかに記載の通信装置の奏する効果に加え、同時に複数の特定情報が選択手段により選択され、その複数の特定情報のうち少なくともいずれか1つが記憶されたタグ装置または選択手段により選択された複数の特定手段のうち少なくともいずれか一つと関連する特定情報が記憶された他のタグ装置に送信手段により表示データが送信される。よって、複数の特定情報が選択された場合には、特定情報が記憶されたタグ装置または関連する特定情報が記憶されたタグ装置の少なくとも1つには表示データが送信されるので、選択手段により選択された特定情報が記憶された検索対象となる対象物を高確率で検索することができるという効果がある。
【0042】
請求項14記載のタグ装置によれば、請求項1から13のいずれかに記載の通信装置から送信される表示データが受信手段により受信されると、その表示データに基づいた表示が表示実行手段により表示部に表示される。よって、請求項1から13のいずれかに記載の通信装置から送信される表示データに基づく表示を行うので、請求項1から13のいずれかに記載の通信装置の奏する効果を奏することができる。
【0043】
請求項15記載のタグ装置によれば、請求項14記載のタグ装置の奏する効果に加え、表示実行手段により表示部に表示データに基づく表示がなされてから所定時間が経過したか否かが時間判断手段により判断される。また、表示実行手段は、表示データを受信した場合にその表示データに基づいた表示状態を表示部に表示させると共に、時間判断手段により所定時間が経過したと判断された場合に表示部の表示状態を通常状態にするので、通信装置からリセット信号などを受信することなく表示状態を通常状態に戻すことができる。例えば、リセット信号を受信した場合に、表示状態を初期状態に戻す場合には、通信装置の信号の送受信が不能な状態となると、表示状態を変更することができなくなるが、所定時間が経過した時点で通常状態に戻せるので、表示部の表示が長時間継続されることを防止することができるという効果がある。
【0044】
請求項16記載のタグ装置によれば、請求項14記載のタグ装置の奏する効果に加え、通信装置に設けられた操作手段が操作されると、その操作手段が操作されているあいだ操作信号が操作送信手段により送信され、表示実行手段は、操作信号を受信しているあいだ表示部に表示を行うので、操作者が操作手段を操作しているあいだのみ表示部に表示がなされる。よって、操作者が所望の対象物を検索する作業中のみタグ装置の表示部に表示がなされるので、表示部の表示が長時間継続されることを防止することができるという効果がある。
【0045】
請求項17記載の情報通信システムによれば、請求項1から13のいずれかに記載の通信装置と、請求項14から16のいずれかに記載のタグ装置とを備えているので、請求項1から13のいずれかに記載の通信装置の奏する効果と、請求項14から16のいずれかに記載のタグ装置の奏する効果とを奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明のタグ無線通信システム60の構成を示した概略図である。なお、タグ無線通信システム60は、主に、複数の無線タグ装置10とリーダ・ライタ装置30とで構成され、複数の無線タグ装置10とリーダ・ライタ装置30とは無線通信可能に構成されている。
【0047】
図1に示すように、無線タグ装置10は、バインダー2の背表紙に装着されており、そのバインダー2は、本棚70に収納されている。なお、無線タグ装置10は、バインダー2の背表紙に装着したが、CD、DVDやボックスなどに装着したり、本棚70に装着したり、如何なるものに装着する構成としても良い。
【0048】
図1に示すように、無線タグ装置10は、タグ装置用アンテナ11と、タグ装置用ディスプレイ12と、タグ装置用IC回路部13とを備えている。タグ装置用アンテナ11は、リーダ・ライタ装置30から送信された情報を受信し、受信した情報をタグ装置用IC回路部13へ出力すると共に、タグ装置用IC回路13から出力された情報をリーダ・ライタ装置30へ送信するものであり、送受信回路を有している。タグ装置用ディスプレイ12は、タグ装置用IC回路部13から出力される制御信号によって、表示を変更することができる電気泳動方式を採用した不揮発性の表示装置である。タグ装置用IC回路部13は、タグ装置用ディスプレイ12に表示するバインダー2の名称等の情報設定を行う制御部である。尚、無線タグ装置10には、図示しない電池が備えられており、この電池により無線タグ装置10の各デバイスに電源が供給される。
【0049】
ここで、タグ装置用ディスプレイ12に採用した電気泳動方式について説明する。電気永動式の表示装置の動作原理である電気泳動現象とは、液相分散媒中に微粒子を分散させた分散液に電界を印加したときに、分散によって自然に帯電した粒子(電気泳動粒子)がクーロン力により移動する現象である。この電気泳動方式表示装置は、表示画像保持性能を有しており、電界の印加により一度表示された画像を保持することが可能である。
【0050】
リーダ・ライタ装置30は、無線タグ装置10と無線通信を行う装置であり、アンテナ31と、ディスプレイ32と、キーボード33とを備えている。アンテナ31は、無線タグ装置10から送信された情報を受信すると共に、リーダ・ライタ装置30から出力される情報を送信するものである。ディスプレイ32は、液晶を利用した表示装置である。キーボード33は、無線タグ装置10に送信する情報の入力や、リーダ・ライタ装置30の機能を変更する場合に操作される十字ボタン34、機能ボタン35、タグ表示ボタン36、決定ボタン37や複数の丸ボタン38などを備えている。
【0051】
十字ボタン34は、ディスプレイ32に表示される項目(ラベル名やグループ名など)を選択する場合に操作されるボタンである。例えば、ディスプレイ32に複数の項目が表示されている場合に、十字ボタン35を上方向に操作すると、ディスプレイ32に表示されているカーソルが一つ上に移動して選択される項目が変更される。
【0052】
機能ボタン35は、リーダ・ライタ装置30が有する機能や、検索モードを変更する場合に操作されるボタンである。機能ボタン35の操作と実行される処理についての説明は後述する。
【0053】
タグ表示ボタン36は、無線タグ装置10のタグ装置用ディスプレイ12にラベル名などを表示させる場合に操作されるボタンである。本実施形態では、タグ表示ボタン36が操作されている間、タグ装置用ディスプレイ12に表示がなされるように構成されている。なお、タグ表示ボタン36が操作された場合の処理については後述する。
【0054】
決定ボタン37は、ディスプレイ32に表示された項目の決定や、操作者(検索者)に対しての問い合わせの回答を決定する場合に操作されるボタンである。この決定ボタン37を操作することにより、リーダ・ライタ装置30への入力が確定(決定)される。
【0055】
丸ボタン38は、文字等を入力するために操作されるボタンである。丸ボタン38には、それぞれに各種の文字等が割り当てられているので、丸ボタン38を操作することにより、所望の文字等が入力される。そして、入力された文字等はディスプレイ32に表示される。なお、ここで文字等とは、文字、数字、記号を含む意味である。
【0056】
次に、図2を参照して、無線タグ装置10およびリーダ・ライタ装置30の電気的構成について説明する。図2は、無線タグ装置10およびリーダ・ライタ装置30の電気的構成を示したブロック図であり、図2(a)は無線タグ装置10のブロック図であり、図2(b)はリーダ・ライタ装置30のブロック図である。
【0057】
まず、図2(a)を参照して、無線タグ装置10の電気的構成について説明する。無線タグ装置10は、上述したように、タグ装置用アンテナ11と、タグ装置用ディスプレイ12と、タグ装置用IC回路13とを有している。さらに、タグ装置用IC回路13は、タグ装置用送受信機14と、タグ装置用CPU15と、タグ装置用ROM16と、タグ装置用RAM17と、タグ装置用フラッシュメモリ18と、タグ装置用入出力ポート19と、タグ装置用時計24とを有している。なお、タグ装置用時計24は、現在時刻を計時するものであり、所定の一定時間が経過したか否かを判別する場合などに参照される。
【0058】
タグ装置用送受信機14は、タグ装置用アンテナ11と信号線20を介して接続されており、無線タグ装置10から送信する情報を高周波電流に変えてタグ装置用アンテナ11に送り出す送信装置と、タグ装置用アンテナ11が受信した高周波電流から必要な情報を取り出す受信装置とが一体化された装置である。また、タグ装置用送受信機14は、バスライン21を介してタグ装置用入出力ポート19と接続されており、受信された高周波電流から必要な情報を取り出した後に、その取り出した情報をタグ装置用入出力ポート19に出力する機能と、タグ装置用入出力ポート19から入力された情報を受け取る機能とを有している。
【0059】
よって、リーダ・ライタ装置30から送信された電波をタグ装置用アンテナ11が受信した場合には、受信した電波をタグ装置用アンテナ11によって高周波電流に変換し、その変換された高周波電流は信号線20を介してタグ装置用送受信機14に入力される。そして、タグ装置用送受信機14は、入力された高周波電流から必要な情報を取り出し、取り出した必要な情報を、バスライン21を介してタグ装置用入出力ポート19に出力する。また、無線タグ装置10からリーダ・ライタ装置30に情報を送信する場合には、タグ装置用入出力ポート19から入力された情報をバスライン21を介してタグ装置用送受信機14が受け取り、その受け取った情報を高周波電流に変換し、タグ装置用アンテナ11に出力する。出力された高周波電流はタグ装置用アンテナ11により電波に変換され、リーダ・ライタ装置30に送信される。
【0060】
タグ装置用CPU15は、バスライン22により接続された各部を制御する演算装置である。タグ装置用ROM16は、タグ装置用CPU15により実行される制御プログラム(例えば、図12〜図14及び図17に示すフローチャート)を格納した書き換え不能な不揮発性のメモリである。タグ装置用RAM17は、制御プログラムの実行時に各種の情報を一時的に記憶するメモリである。タグ装置用フラッシュメモリ18は、リーダ・ライタ装置30から送信された情報を記憶する書き換え可能な不揮発性のメモリである。タグ装置用フラッシュメモリ18に記憶された各種情報は、入出力ポート19に接続されたバスライン23を介してタグ装置用ディスプレイ12に表示される。
【0061】
タグ装置用フラッシュメモリ18には、タグ装置用表示情報メモリ18aと、タグ装置用関連情報メモリ18bとが設けられている。タグ装置用表示情報メモリ18aは、タグ装置用ディスプレイ12に表示するグループ名やラベル名の画像情報を記憶するメモリであり、複数の表示態様に対応した画像情報が記憶されている。
【0062】
タグ装置用関連情報メモリ18bには、タグ装置用グループ・ラベル名情報メモリ18b1と、タグ装置用階層構造情報メモリ18b2とが設けられている。タグ装置用グループ・ラベル名情報メモリ18b1は、無線タグ装置10の所属する集団であるグループ名を特定する情報と無線タグ装置10を示すラベル名を特定する情報とを記憶するメモリであり、タグ装置用階層構造情報メモリ18b2は、無線タグ装置10同士の関連を示す情報である階層構造の情報を記憶するメモリである。なお、以下の説明において、階層構造情報とは、タグ装置用グループ・ラベル名情報メモリ18b1と、タグ装置用階層構造情報メモリ18b2とを含んだ情報である。また、各請求項の「関連情報」は、タグ装置用グループ・ラベル名情報メモリ18b1と、タグ装置用階層構造情報メモリ18b2とに記憶される情報を含んだ情報である。
【0063】
また、タグ装置用フラッシュメモリ18に記憶されている情報は、リーダ・ライタ装置30から送信される情報によって書き換えることができる。例えば、リーダ・ライタ装置30から階層構造情報が信号に変換された電波が送信されると、その電波がタグ装置用アンテナ11に受信され、タグ装置用送受信機14により階層構造情報が取り出され、その取り出した階層構造情報はバスライン21を介してタグ装置用入出力ポート19に出力される。そして、タグ装置用CPU15により、取り出された階層構造情報の記憶命令が行われ、取り出された階層構造情報はバスライン22を介して、タグ装置用フラッシュメモリ18内のタグ装置用表示情報メモリ18a及びタグ装置用関連情報メモリ18bに必要な情報が加工処理されて記憶される。これにより、タグ装置用フラッシュメモリ18に記憶されている情報は、リーダ・ライタ装置30から送信される情報によって書き換えられる。
【0064】
また、階層構造情報の送信を行う場合は、タグ装置用CPU15によりタグ装置用階層構造情報メモリ18b2から階層構造情報の読み出し命令が行われ、タグ装置用入出力ポート19を介してタグ装置用送受信機14へ階層構造情報が出力される。出力された階層構造情報は、タグ装置用送受信機14により高周波電流信号に変換され、タグ装置用アンテナ11から送信される。
【0065】
また、タグ装置用フラッシュメモリ18に記憶された情報に基づいてタグ装置用ディスプレイ12に表示する場合には、例えば、タグ装置用CPU15の命令により、タグ装置用フラッシュメモリ18内のタグ装置用表示情報メモリ18aから必要な情報(グループ名を示す画像情報やラベル名を示す画像情報、ラベル名の階層位置を示す画像情報など)が読み出されてタグ装置用ディスプレイ12に表示される。
【0066】
ここで、図3を参照して、無線タグ装置10のタグ装置用フラッシュメモリ18に記憶される階層構造情報について説明する。図3は、無線タグ装置10のタグ装置用フラッシュメモリ18に記憶される階層構造を示した模式図である。
【0067】
図3に示すように、階層構造の模式図には、グループ名情報51b1と、ラベル名情報51b2〜58b2と、階層構造内の階層位置情報51b3〜58b3とが示されている。なお、階層位置情報51b3〜58b3の全てをひとまとめにしたものが階層構造情報であり、全ての階層位置情報51b3〜58b3を備えた情報である。
【0068】
グループ名情報51b1(「グループA」を示している)は、1または複数の無線タグ装置10からなるグループ(集団)の名称を示す情報である。ラベル名情報51b2〜58b2が同一集団であることを示す情報であり、このグループ名情報51b1が、グループAに所属する全ての無線タグ装置10のタグ装置用グループ・ラベル名情報メモリ18b1に記憶されている。本実施形態では、グループ名情報51b1に示す「グループA」には、ラベル名情報51b2〜58b2の数に対応した無線タグ装置10が存在するので、「グループA」に所属する無線タグ装置10は全部で8つとなる。ラベル名情報51b2〜58b2は、それぞれの無線タグ装置10を特定するラベル名を示しており、無線タグ装置10それぞれに割り当てられている。ラベル名情報51b2〜58b2は、グループ名情報51b1と同様に、グループAに所属する全ての無線タグ装置10のタグ装置用グループ・ラベル名情報メモリ18b1に記憶されている。
【0069】
階層構造情報は、上記のとおり、全ての階層位置情報51b3〜58b3をひとまとめにしたものであり、階層構造内における無線タグ装置10の階層位置を示している。例えば、階層構造位置情報52b3である「A:¥B1¥C1」からは、ラベル名B1及びラベル名C1が、グループAに属しており、ラベル名B1の下位層にラベル名C1が位置づけされていることが示されている。また、階層構造位置情報54b3,57b3である「A:¥B1¥C1¥D1¥E1」及び「A:¥B1¥C1¥D1¥E2」からは、ラベル名E1とラベル名E2とが同位層に位置づけられていることが示されている。なお、詳細な説明は省略するが、他の階層構造位置情報51b3〜51b8も同様に、グループ内での階層を示している。
【0070】
よって、無線タグ装置10は、タグ装置用グループ・ラベル名情報メモリ18b1に記憶されているラベル名と、タグ装置用階層構造情報メモリ18b2に記憶されている階層構造情報とを照合し、ラベル名が含まれる階層位置情報51b3〜58b3を検索し、その検索された階層位置情報51b3〜58b3に基づいてグループ名およびグループ内での階層を把握することができる。
【0071】
次に、図2(b)を参照して、リーダ・ライタ装置30の電気的構成を説明する。リーダ・ライタ装置30は、アンテナ31と、ディスプレイ32と、キーボード33と、時計39と、入出力ポート40と、CPU46と、ROM47と、RAM48と、フラッシュメモリ49と、送受信機50とを有している。なお、時計39は、現在時刻を計時するものである。
【0072】
送受信機50は、送信する情報を高周波電流信号に変えてアンテナ31に送り出す送信装置と、アンテナ31が受信した高周波電流信号から必要となる情報を取り出す受信装置とが一体化された装置であり、アンテナ31と信号線41で接続されている。また、送受信機35は、バスライン42を介して入出力ポート40と接続されており、受信された高周波電流信号から必要となる情報を取り出した後に、その取り出した情報を入出力ポート40に出力する機能と、入出力ポート40から入力された情報を受け取る機能を備えている。
【0073】
よって、無線タグ装置10からの電波をアンテナ31が受信した場合には、受信した電波をアンテナ31によって高周波電流に変換し、その変換された高周波電流は信号線41を介して送受信機50に入力される。そして、送受信機50は、入力された高周波電流から必要な情報を取り出し、取り出した必要な情報を、バスライン42を介して入出力ポート40に出力する。また、リーダ・ライタ装置30から無線タグ装置10に情報を送信する場合には、入出力ポート40から入力された情報をバスライン42を介して送受信機50が受け取り、その受け取った情報を高周波電流に変換し、アンテナ31に出力する。出力された高周波電流はアンテナ31により電波に変換され、無線タグ装置10に送信される。
【0074】
CPU46は、バスライン43により接続された各部を制御する演算装置である。ROM47は、CPU46により実行される制御プログラム(例えば、図4〜図11に示すフローチャート)や各種テーブルなどを格納した書き換え不能な不揮発性のメモリである。RAM48は、制御プログラムの実行時に利用する情報や無線タグ装置10から送信された情報を一時的に記憶するメモリである。フラッシュメモリ49は、無線タグ装置10へ送信する情報や階層構造情報を記憶する書き換え可能な不揮発性のメモリである。なお、フラッシュメモリ49に記憶される各種情報は、入出力ポート40にバスライン45を介して接続されるキーボード33からの入力により変更可能に構成されている。また、フラッシュメモリ49に記憶される各種情報は、入出力ポート40に接続されたバスライン44を介してディスプレイ32に表示することができる。
【0075】
ROM47には、ラベル表示設定テーブル記憶エリア47aが設けられおり、そのラベル表示設定テーブル記憶エリア47aには、無線タグ装置10のディスプレイ12に表示する表示状態を設定する際に用いられるラベル表示設定テーブル(図15参照)が記憶されている。なお、ラベル表示設定テーブルの内容は後述する。
【0076】
RAM48には、受信用表示情報メモリ48aと、受信用関連情報メモリ48bとが設けられている。受信用表示情報メモリ38aは、無線タグ装置10のタグ装置用表示情報メモリ18aに記憶された情報が無線タグ装置10から送信された場合に、送信された情報を一時的に記憶するメモリである。
【0077】
受信用関連情報メモリ48bは、無線タグ装置10から送信された関連情報を一時的に記憶するメモリであり、受信用グループ・ラベル名情報メモリ48b1と、受信用階層構造情報メモリ48b2とを有している。受信用グループ・ラベル名情報メモリ48b1は、無線タグ装置10のタグ装置用グループ・ラベル名情報メモリ18b1に記憶された情報が無線タグ装置10から送信された場合に、送信された情報を記憶するメモリであり、受信用階層構造情報メモリ48b2は、無線タグ装置10のタグ装置用階層構造情報メモリ18b2に記憶された情報が無線タグ装置10から送信された場合に、送信された情報を記憶するメモリである。
【0078】
受信用表示情報メモリ48a及び受信用関連情報メモリ48bに記憶された情報は、無線タグ装置10から送信される情報によって書き換えられる。例えば、無線タグ装置10から階層構造情報が電波で送信されると、その電波がアンテナ31に受信され、送受信機50により階層構造情報が取り出され、その取り出された階層構造情報はバスライン42を介して入出力ポート40に出力される。そして、CPU46により、取り出された階層構造情報の記憶命令が行われ、取り出された階層構造情報はバスライン43を介して、RAM48内のそれぞれの記憶エリアに記憶される。
【0079】
また、無線タグ装置10から受信してRAM48に記憶された情報は、キーボード33の操作により、ディスプレイ32に表示することができる。例えば、キーボード33の操作により階層構造情報の読み出し操作が行われたときは、CPU46により受信用階層構造情報メモリ48b2に記憶された階層構造情報の読み出し命令が行われ、階層構造情報が読み出される。CPU46は読み出された階層構造情報を用いて、ディスプレイ32に階層構造情報の表示を行うように命令する。この命令により、ディスプレイ32に階層構造情報の表示が実行される。更に、ディスプレイ32に表示された情報をキーボード33からの入力によって書き換えて、その書き換えた情報をRAM48のそれぞれの記憶エリアに記憶することもできる。
【0080】
フラッシュメモリ49には、機能カウンタ49aと、記憶用表示情報メモリ49bと、記憶用関連情報メモリ49cとが設けられている。機能カウンタ49aは、リーダ・ライタ装置30の備える機能(図5参照)を変更する機能カウンタの値を記憶するメモリである。機能カウンタ48cは、操作者により選択された処理を実行するために、各処理に対応した値が記憶され、後述する機能選択処理(図4参照)により0〜4の値が記憶される。
【0081】
記憶用表示情報メモリ49bは、無線タグ装置10に送信する表示状態の情報を記憶するメモリである。記憶用関連情報メモリ49cは、記憶用グループ・ラベル名情報メモリ49c1および記憶用階層構造情報メモリ49c2を有している。記憶用グループ・ラベル名情報メモリ49c1は、無線タグ装置10に送信するグループ名やラベル名を特定する情報を記憶するメモリであり、記憶用階層構造情報メモリ49c2は、無線タグ装置10に送信する階層構造情報を記憶するメモリである。
【0082】
なお、下記の処理でラベルの階層構造を構築した場合、その構築された階層構造の状態が記憶用階層構造情報メモリ49c2に記憶される。また、記憶用階層構造情報メモリ49c2だけに記憶するのではなく、ネットワーク上の外部装置(図示せず)のメモリに記憶するように構成してもよい。
【0083】
記憶用表示情報メモリ49b及び記憶用関連情報メモリ49cに記憶された情報は、受信用表示情報メモリ48a及び受信用関連情報メモリ48bに記憶された情報と同様に、ディスプレイ32に表示することができるし、ディスプレイ32に表示された情報を書き換えることができる。なお、ディスプレイ32への表示方法および書き換え方法は、受信用表示情報メモリ48a及び受信用関連情報メモリ48bの場合と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0084】
次に、図4及び図5を参照して、リーダ・ライタ装置30のCPU46により実行される機能選択処理について説明する。図4は、リーダ・ライタ装置30のCPU46により実行される機能選択処理を示したフローチャートである。図5は、リーダ・ライタ装置30の機能カウンタ49aに記憶される値と対応する機能処理を示した図である。なお、機能選択処理は、リーダ・ライタ装置30の機能ボタン36が操作されると実行され、実行する機能(処理)を選択する処理である。
【0085】
まず、図5を参照して、機能カウンタ49aの値と、その機能カウンタ49aの値に対応した処理について説明する。機能カウンタ49aの値が0のときは、リーダ・ライタ装置30の機能が最上位タグ構築処理に設定される。最上位タグ構築処理は、例えば、グループ名Aを作成し、そのグループ名Aの最上位タグを作成する処理であり、本実施形態では、ラベル名B1を作成する処理である。機能カウンタ49aの値が1のときは、リーダ・ライタ装置30の機能が付属タグ構築処理に設定される。付属タグ構築処理では、ラベル名B1に付属する付属タグを構築する処理であり、本実施形態では、ラベル名C1〜F2を作成する処理である。機能カウンタ49aの値が2のときは、リーダ・ライタ装置30の機能が情報転送処理に設定される。情報転送処理では、最上位タグ構築処理および付属タグ構築処理で作成された階層構造情報、即ち、グループ名Aの階層構造情報を無線タグ装置10に転送する処理である。機能カウンタ49aの値が3のときは、リーダ・ライタ装置30の機能が参照処理に設定される。参照処理では、無線タグ装置10のタグ装置用関連情報メモリ18bに記憶される情報を取得し、記憶用関連情報メモリ49cに記憶されている情報と照合し、グループ名Aの階層構造情報が同一のものであるか否かを判別し、異なる場合には書換えを行う処理である。機能カウンタ49aの値が4のときは、リーダ・ライタ装置30の機能が検索処理に設定される。この検索処理の詳細な説明については後述する。
【0086】
次に、図4を参照して、機能選択処理について説明する。操作者により機能ボタン36が操作されて機能選択処理が実行されると、まず、実行可能な機能の一覧がディスプレイ32に表示される(S1)。本実施形態では、上述したように、実行可能な機能処理としては、最上位タグ構築処理および、付属タグ構築処理、情報転送処理、参照処理、検索処理があり、この5つの機能がディスプレイ32に表示される。操作者は、十字ボタン34と決定ボタン37により、所望の機能を選択することができる。
【0087】
次に、S2〜S5の処理で、操作者により選択された処理(機能)を判別する。S2の処理では、操作者により選択された処理が最上位タグ構築処理であるか否かが判別され、S3の処理では、操作者により選択された処理が付属タグ構築処理であるか否かが判別され、S4の処理では、操作者により選択された処理が情報転送処理であるか否かが判別され、S5の処理では、操作者により選択された処理が参照処理であるか否かが判別される。
【0088】
そして、操作者によって最上位タグ構築処理が選択されていれば(S2:Yes)、機能カウンタ49aの値を0に設定して、ディスプレイ32に最上位タグ構築処理が選択されたことを表示する(S6)。また、操作者によって付属タグ構築処理が選択されていれば(S2:No、S3:Yes)、機能カウンタ49aの値を1に設定して、ディスプレイ32に付属タグ構築処理が選択されたことを表示する(S7)。また、操作者によって情報転送処理が選択されていれば(S2:No、S3:No、S4:Yes)、機能カウンタ49aの値を2に設定して、ディスプレイ32に情報転送処理が選択されたことを表示する(S8)。また、操作者によって参照処理が選択されていれば(S2:No、S3:No、S4:No、S5:Yes)、機能カウンタ49aの値を3に設定して、ディスプレイ32に参照処理が選択されたことを表示する(S9)。また、操作者によって検索処理が選択されていれば(S2:No、S3:No、S4:No、S5:No)、機能カウンタ49aの値を4に設定して、ディスプレイ32に検索処理が選択されたことを表示する(S10)。
【0089】
なお、リーダ・ライタ装置30のCPU46は、機能カウンタ49aの値を参照して、その値に応じた処理を実行する。
【0090】
次に、図6〜図11を参照して、リーダ・ライタ装置30のCPU46により実行される検索処理について説明する。
【0091】
図6は、リーダ・ライタ装置30のCPU46により実行される検索処理を示したフローチャートである。この検索処理は、機能選択処理(図4参照)によって、リーダ・ライタ装置30で実行される機能として検索処理が操作者によって選択された場合に実行される。
【0092】
検索処理が実行されると、まず、検索方法をディスプレイ32に表示する(S11)。S11の処理が実行されると、ディスプレイ32には、検索方法として、「手入力検索」、「データベース検索」および「データ取込検索」の3つが表示される。操作者は、十字ボタン34によりカーソル位置を検索方法のいずれか1つに移動させ、決定ボタン37を操作して検索方法を決定することができる。
【0093】
そして、S12の処理では、決定された検索方法が手入力検索であるか否かが判別され(S12)、決定された検索方法が手入力検索であれば(S12:Yes)、手入力検索処理を実行し(S13)、検索処理を終了する。また、S12の処理で、決定された検索方法が手入力検索でなければ(S12:No)、決定された検索方法がデータベース検索か否かが判別され(S14)、決定された検索方法がデータベース検索であれば(S14:Yes)、データベース検索処理を実行し(S15)、検索処理を終了する。また、S14の処理で、決定された検索方法がデータベース検索でなければ(S14:No)、決定された検索方法が手入力検索でもデータベース検索でもないので、データ取込検索処理を実行し(S16)、検索処理を終了する。
【0094】
よって、本実施形態では、検索方法として、手入力検索処理、データベース検索処理およびデータ取得検索処理との3種類の検索処理によりラベル名やグループ名を入力することができるので、検索するラベル名やグループ名に応じて、入力方法を選択することができる。
【0095】
図7は、リーダ・ライタ装置30のCPU46により実行される手入力検索処理を示したフローチャートである。手入力検索処理は、検索処理(図6参照)において、手入力検索処理が選択された場合に(S12:Yes)、実行される。
【0096】
手入力検索処理が実行されると、まず、入力モードをディスプレイ32に表示する(S21)。ディスプレイ32には、入力モードとして、「ラベル名入力モード」、「グループ名入力モード」、「ワイルドキャラクタ・ラベル名入力モード」、「ワイルドキャラクタ・グループ名入力モード」及び「組合入力モード」の5つが表示される。操作者は、十字ボタン34によりカーソル位置をいずれか1つの入力モードに移動させ、決定ボタン37を操作することで、入力モードを決定することができる。
【0097】
なお、ラベル名入力モードとは、ラベル名をそのまま入力するモードであり、グループ名入力モードとは、グループ名をそのまま入力するモードであり、組合入力モードとは、所定のグループに属するラベル(無線タグ装置10が装着されたバインダー2)を検索するためにラベル名とグループ名とを組み合わせて入力するモードである。
【0098】
また、ワイルドキャラクタ・ラベル名入力モードで、例えば、ラベル名に「あいう」という文字列を含む無線タグ装置10を検索する場合に、「*あいう*」、「*あいう」、「あいう*」と入力する。なお、「*」は、その部分にどのような文字列が配列されていても良いことを示す。また、ワイルドキャラクタ・グループ名入力モードは、例えば、「*あいう*」、「*あいう」、「あいう*」と入力し、属するグループ名に「あいう」という文字列を含むグループに属する無線タグ装置10を検索する場合の入力モードである。たとえば、「あいう*」と入力された場合は「あいう1」、「あいう2」、「あいうえお」等のグループ名に属する無線タグ装置10が検索される。
【0099】
S21の処理で、入力モードが表示されたら、次に、S22〜S25の処理で、操作者により選択された入力モードを判別する。S22の処理では、操作者によってラベル名入力モードが選択されたか否かが判別され、S23の処理では、操作者によってグループ名入力モードが選択されたか否かが判別され、S24の処理では、操作者によってワイルドキャラクタ・ラベル名入力モードが選択されたか否かが判別され、S25の処理では、操作者によってワイルドキャラクタ・グループ名が選択されたか否かが判別される。
【0100】
操作者によって選択された入力モードがラベル名入力モードであれば(S22:Yes)、ラベル名入力処理を実行し(S26)、S31の処理へ移行する。また、操作者によって選択された入力モードがグループ名入力モードであれば(S22:No、S23:Yes)、グループ名入力処理を実行し(S27)、S31の処理へ移行する。また、操作者によって選択された入力モードがワイルドキャラクタ・ラベル名入力モードであれば(S22:No、S23:No、S24:Yes)、ワイルドキャラクタ・ラベル名入力処理を実行し(S28)、S31の処理へ移行する。また、操作者によって選択された入力モードがワイルドキャラクタ・グループ名入力モードであれば(S22:No、S23:No、S24:No、S25:Yes)、ワイルドキャラクタ・グループ名入力処理を実行し(S31)、S31の処理へ移行する。また、操作者によって選択された入力モードが組合入力モードであれば(S22:No、S23:No、S24:No、S25:No)、組合入力処理を実行し(S30)、S31の処理へ移行する。
【0101】
よって、本実施形態では、ファイル名やグループ名の入力情報を手入力で行う場合には、5種類の入力方法を選択できるので、検索するラベル名やグループ名に応じて、入力方法を選択することができる。
【0102】
ここで、図8を参照して、S26〜S30の処理で実行される各入力処理について説明する。図8は、リーダ・ライタ装置30のCPU46により実行される各入力処理を示したフローチャートである。図8(a)は、ラベル名入力処理を示したフローチャートであり、図8(b)は、グループ名入力処理を示したフローチャートであり、図8(c)は、ワイルドキャラクタ・ラベル名入力処理を示したフローチャートであり、図8(d)は、ワイルドキャラクタ・グループ名入力処理を示したフローチャートであり、図8(e)は、組合入力処理を示したフローチャートである。
【0103】
図8(a)に示すラベル名入力処理が実行されると、ラベル名の入力が完了したか否かが判別され(S51)、ラベル名の入力が完了するまで、S51の処理が繰り返し実行され(S51:No)、ラベル名の入力が完了したと判別されると(S51:Yes)、ラベル名入力処理を終了する。なお、ラベル名の入力は、上述したように、検索したいラベル名がそのまま入力される。また、ラベル名の入力は、1のラベル名を入力するものであってもよいし、複数のラベル名を入力するものであってもよい。S51の処理では、複数のラベル名が入力された場合、その複数のラベル名の入力が完了したか否かを判別するものとする。
【0104】
ラベル名の入力は、丸ボタン38により入力され、決定ボタン37によりラベル名の入力が完了する。なお、1のラベル名の入力が完了すると、ディスプレイ32に「次のラベル名入力有り」及び「次のラベル名入力無し」の表示がなされ、複数のラベル名を同時に検索する場合には、十字ボタン34により次のラベル名入力有りを選択して決定ボタン37を操作し、ラベル名の入力操作を再度行う。よって、「次のラベル名入力無し」が操作者によって決定された場合に、ラベル名の入力が完了したことになる。
【0105】
なお、後述するグループ名入力処理およびワイルドキャラクタ・ラベル名入力処理、ワイルドキャラクタ・グループ名入力処理も、入力完了は操作者の操作により決定される。また、組合入力処理は、1のラベル名と1のグループ名とが入力されるので、グループ名が入力された時点で入力完了と判別される。
【0106】
図8(b)に示すグループ名入力処理が実行されると、上述したラベル名入力処理と同様に、グループ名の入力が完了したか否かが判別され(S61)、グループ名の入力が完了するまでS61の処理を繰り返し実行し(S61:No)、グループ名の入力が完了したら(S61:Yes)、グループ名入力処理を終了する。なお、グループ名の入力は、上述したように、検索したいグループ名がそのまま入力される。また、グループ名の入力も複数のグループ名を入力するものであってもよい。S61の処理では、複数のグループ名が入力された場合、その複数のグループ名の入力が完了したか否かを判別するものとする。
【0107】
図8(c)に示すワイルドキャラクタ・ラベル名入力処理が実行されると、ワイルドキャラクタ・ラベル名の入力が完了したか否かが判別され(S71)、ワイルドキャラクタ・ラベル名の入力が完了するまでS71の処理を繰り返し実行し(S71:No)、ワイルドキャラクタ・ラベル名の入力が完了したら(S71:Yes)、ワイルドキャラクタ・ラベル名入力処理を終了する。なお、ワイルドキャラクタ・ラベル名の入力は、上述したように、例えば、「*あいう」が入力される。また、ワイルドキャラクタ・ラベル名の入力も複数のワイルドキャラクタのラベル名を入力するものであってもよい。S71の処理では、複数のワイルドキャラクタのラベル名が入力された場合、その複数のワイルドキャラクタのラベル名の入力が完了したか否かを判別するものとする。
【0108】
図8(d)に示すワイルドキャラクタ・グループ名入力処理が実行されると、ワイルドキャラクタ・グループ名の入力が完了したか否かが判別され(S81)、ワイルドキャラクタ・グループ名の入力が完了するまでS81の処理を繰り返し実行し(S81:No)、ワイルドキャラクタ・グループ名の入力が完了したら(S81:Yes)、ワイルドキャラクタ・グループ名入力処理を終了する。なお、ワイルドキャラクタ・グループ名の入力は、上述したように、例えば、「あいう*」が入力される。また、ワイルドキャラクタ・グループ名の入力も複数のワイルドキャラクタのグループ名を入力するものであってもよい。S81の処理では、複数のワイルドキャラクタのグループ名が入力された場合、その複数のワイルドキャラクタのグループ名の入力が完了したか否かを判別するものとする。
【0109】
図8(e)に示す組合入力処理が実行されると、ラベル名及びグループ名の組み合わせ入力が完了したか否かが判別され(S91)、グループ名の入力が完了するまでS91の処理を繰り返し実行する(S91:No)。グループ名の入力が完了すると(S91:Yes)、組合入力処理を終了する。なお、組合入力は、上述したように、検索したいラベル名とグループ名とがそのまま入力される。
【0110】
なお、組合入力処理では、ラベル名とグループ名とを入力できるので、例えば、グループ名Aとラベル名B1とを入力することで、グループ全体の検索と、そのグループ内の1のファイルの検索とを同時に行うことができる。また、図示しないが、ワイルドキャラクタの組み合わせで検索を行なってもよい。
【0111】
図7に戻って、S31以降の処理について説明する。S31の処理では、任意の無線タグ装置10にリーダ・ライタ装置30を近づけ、その無線タグ装置10をスキャンして、無線タグ装置10のタグ装置用関連情報メモリ18bに記憶される情報(階層構造情報)を取得する(S31)。S31の処理で取得される階層構造情報とは、無線タグ装置10のタグ装置用グループ・ラベル名情報メモリ18b1とタグ装置用階層構造情報メモリ18b2とに記憶されている情報である。また、無線タグ装置10から送信されるデータには、その無線タグ装置10を特定する情報が含まれているので、どの無線タグ装置10からデータを受信したかをリーダ・ライタ装置30で認識することができる。
【0112】
S32の処理では、無線タグ装置10から階層構造情報が取得できたか否かを判別する(S32)。例えば、無線タグ装置10が初期状態である場合には、タグ装置用関連情報メモリ18bにも階層構造情報が記憶されていない。階層構造情報を取得できなければ、スキャンした無線タグ装置10のラベル名およびグループ名も不明となり、検索処理を実行する必要がない。そこで、S32の処理で、無線タグ装置10から階層構造情報を取得できたか否かを判別している。
【0113】
S32の処理で、無線タグ装置10から階層構造情報を取得できなかったと判別された場合には(S32:No)、そのまま、本処理を終了するか否かを判別する(S33)。本実施形態では、無線タグ装置10から階層構造情報を取得できなかった場合には、ディスプレイ32に「終了?」の表示を行い、ユーザに終了するか否かの問い合わせをする。
【0114】
そして、ユーザによって終了が選択された場合には(S33:Yes)、手入力検索処理を終了し、ユーザによって終了が選択されなかった場合には(S33:No)、再度、他の無線タグ装置10から階層構造情報を取得するために、S31の処理へ移行する。
【0115】
一方、S32の処理で、無線タグ装置10から階層構造情報を取得できたと判別された場合には(S32:Yes)、操作者によって選択された検索モードが組み合わせのラベル名の検索(組合入力モードが操作者により選択された)か否かを判別し(S34)、組み合わせのラベル名の検索であれば(S34:Yes)、S30の処理で入力されたデータと、S31の処理で取得した階層構造情報とを組み合わせ照合する(S35)。
【0116】
S35の処理で実行される組み合わせ照合とは、S30の処理で入力されたラベル名およびグループ名が、S31の処理で取得した階層構造情報に含まれているか否かを検出するものである。なお、図示しないが、照合した結果は、RAM48の所定エリアに記憶される。
【0117】
S34の処理で、組み合わせのラベル名の検索でないと判別されると(S34:No)、操作者によって選択された検索モードがワイルドキャラクタの検索(ワイルドキャラクタ・ラベル名入力モード又はワイルドキャラクタ・グループ名入力モードが操作者により選択された)か否かを判別する(S35)。
【0118】
S36の処理で、ワイルドキャラクタの検索であると判別されると(S36:Yes)、S28の処理で入力されたワイルドキャラクタ・ラベル名のデータまたはS29の処理で入力されたワイルドキャラクタ・グループ名のデータと、S31の処理で取得した階層構造情報とをワイルドキャラクタ照合する(S37)。
【0119】
S37の処理で実行されるワイルドキャラクタ照合とは、S28及びS29の処理で入力されたワイルドキャラクタ・ラベル名およびワイルドキャラクタ・グループ名が、S31の処理で取得した階層構造情報に含まれているか否かを検出するものである。なお、図示しないが、照合した結果は、RAM48の所定エリアに記憶される。
【0120】
S36の処理で、ワイルドキャラクタの検索でないと判別されると(S36:No)、組み合わせの検索でもなく、ワイルドキャラクタの検索でもないので、S26の処理で入力されたラベル名またはS27の処理で入力されたグループ名のデータと、S31の処理で取得した階層構造情報とを通常照合する(S38)。
【0121】
S38の処理で実行される通常照合とは、S26及びS27の処理で入力されたラベル名およびグループ名が、S31の処理で取得した階層構造情報に含まれているか否かを検出するものである。なお、図示しないが、照合した結果は、RAM48の所定エリアに記憶される。
【0122】
S35又はS37、S38の処理が終わると、検索実行処理が実行され(S39)、リターンか終了かを判別する(S40)。S40の処理では、後述する検索実行処理内のS169の処理(図11参照)において終了が選択されたか否かを判別し、操作者により終了が選択されていなければ(S40:リターン)、他の無線タグ装置10をスキャンするためにS31の処理へ戻り(リターン)、操作者により終了が選択された場合には(S40:終了)、手入力検索処理を終了する。なお、S31の処理へ戻った場合には、操作者の操作に基づき他の無線タグ装置10をスキャンして階層構造情報を取得し、S31以降の処理を実行する。このS31以降の処理を繰り返すことで、複数の無線タグ装置10のラベル名やグループ名を視認して検索することができる。
【0123】
図9は、リーダ・ライタ装置30のCPU46により実行されるデータベース検索処理を示したフローチャートである。データベース検索処理は、検索処理(図6参照)において、データベース検索処理が選択された場合に(S14:Yes)、実行される。なお、データベース検索処理において、手入力検索処理と同様の処理については、その詳細な説明を省略する。
【0124】
データベース検索処理が実行されると、まず、管理されている情報が記憶されている記憶用関連情報メモリ49cの記憶用グループ・ラベル名情報メモリ49c1及び記憶用階層構造情報メモリ49c2から全ての階層構造情報を読み出し(S101)、その読み出した階層構造情報をディスプレイ32に表示する(S102)。本実施形態では、ディスプレイ32に、複数のグループが階層状態(例えば、図3のような状態)で表示され、操作者は、十字ボタン34によりグループ名またはラベル名にカーソルを移動させ、決定ボタン37によりグループ名またはラベル名を決定することができる。また、ラベル名およびグループ名は、1のラベル名およびグループ名を選択するものであってもよいし、複数のラベル名およびグループ名を選択するものであってもよい。
【0125】
S103の処理では、操作者によって選択されたグループ名またはラベル名を検出し(S103)、操作者によってラベル名が選択されたか否かを判別する(S104)。S104の処理で、操作者によってラベル名が選択されたと判別されると(S104:Yes)、選択されたラベル名が属するグループ名を特定する情報と選択されたラベル名を特定する情報とを、記憶用グループ・ラベル名情報メモリ49c1から取り込み(S105)、S107の処理へ移行する。
【0126】
一方、S104の処理で、操作者によってグループ名が選択されていると判別されると(S104:No)、選択されたグループ名に対応した階層構造情報を、記憶用階層構造情報メモリ49c2から取り込み(S106)、S107の処理へ移行する。
【0127】
S107の処理では、任意の無線タグ装置10にリーダ・ライタ装置30を近づけ、その無線タグ装置10をスキャンして、無線タグ装置10のタグ装置用関連情報メモリ18bに記憶される情報(階層構造情報)を取得し(S107)、その無線タグ装置10から階層構造情報が取得できたか否かを判別する(S108)。
【0128】
S108の処理で、無線タグ装置10から階層構造情報を取得できなかったと判別された場合には(S108:No)、操作者によってデータベース検索処理の終了が選択されたか否かを判別し(S109)、操作者によって終了が選択された場合には(S109:Yes)、データベース検索処理を終了し、操作者によって終了が選択されなかった場合には(S109:No)、再度、無線タグ装置10から階層構造情報を取得するために、S107の処理へ移行する。
【0129】
一方、S108の処理で、無線タグ装置10から階層構造情報を取得できたと判別されると(S108:Yes)、操作者によって選択されS105又はS106の処理で取り込まれたデータと、S107の処理で取得した階層構造情報とを照合し(S110)、検索実行処理を実行した後に(S111)、リータンか終了かを判別する(S112)。
【0130】
S112の処理では、後述する検索実行処理内のS169の処理(図11参照)において終了が選択されたか否かを判別し、操作者により終了が選択されていなければ(S112:リターン)、他の無線タグ装置10をスキャンするためにS107の処理へ戻り(リターン)、操作者により終了が選択された場合には(S112:終了)、データベース検索処理を終了する。なお、S107の処理へ戻った場合には、操作者の操作に基づき他の無線タグ装置10をスキャンして階層構造情報を取得し、S107以降の処理を実行する。このS107以降の処理を繰り返すことで、複数の無線タグ装置10のラベル名やグループ名を視認して検索することができる。
【0131】
なお、データベース検索処理は、ラベル名およびグループ名をディスプレイ32で視認して入力することができるので、ラベル名およびグループ名を認識していない場合に適した処理である。
【0132】
図10は、リーダ・ライタ装置30のCPU46により実行されるデータ取込検索処理を示したフローチャートである。データ取込検索処理は、検索処理(図6参照)において、データ取込検索処理が選択された場合に(S14:No)、実行される。なお、データ取込検索処理において、手入力検索処理またはデータベース検索処理と同様の処理については、その詳細な説明を省略する。
【0133】
データ取込検索処理が実行されると、任意の無線タグ装置10にリーダ・ライタ装置30を近づけ、その無線タグ装置10から階層構造情報を取得する(S131)。S131の階層構造情報の取得は、上述したS31及びS107の処理で実行される取得方法と同様である。階層構造情報の取得が終わると、その取得した無線タグ装置10のラベル名が、操作者が検索しようとした目的の目的ラベルであるか否かを操作者に問い合わせする。
【0134】
そして、S131の処理で取得した無線タグ装置10のラベル名が、目的ラベルであれば(S132:Yes)、検索を終了するか否かを操作者に問い合わせし(S133)、検索を終了する場合には(S133:Yes)、データ取込検索処理を終了する。S133の処理で、検索を終了するか否かを操作者に問い合わせすることで、他のラベル名を連続して検索することができる。
【0135】
一方、S132の処理で、取得した無線タグ装置10のラベル名が目的ラベルでなかった場合(S132:No)、又は、S133の処理で、操作者により検索の終了が選択されなかった場合には(S133:No)、S131の処理で取得した階層構造情報内(即ち、階層構造情報を取得した無線タグ装置10が属するグループ内)で、他のラベル名を検索するか否かを操作者に問い合わせし、取得した階層構造情報内で他のラベル名を検索しない場合には(S134:No)、S135の処理へ移行し、取得した階層構造情報内で他のラベル名を検索する場合には(S134:Yes)、S141の処理へ移行する。
【0136】
S135の処理では、他の無線タグ装置10から階層構造情報を取得することなく、データ取込検索処理を終了するか否かを操作者に問い合わせし、操作者によりデータ取込検索処理の終了が選択された場合には(S135:Yes)、そのまま、データ取込検索処理を終了し、操作者によりデータ取込処理の終了が選択されていなければ(S135:No)、他の無線タグ装置10のスキャンを操作者に指示する(S136)。S136の処理では、ディスプレイ32に「別の無線タグ装置10をスキャンして下さい」を表示し、操作者に別の無線タグ装置10のスキャンを促す。
【0137】
S137の処理では、他の無線タグ装置10から階層構造情報を取得し(S137)、その取得した階層構造情報が、S131の処理で取得した階層構造情報と同じであるか否かを判別する(S138)。操作者により他の無線タグ装置10から階層構造情報を取得できていれば(S138:No)、S132の処理へ移行し、操作者により同じ無線タグ装置10から階層構造情報が取得されていれば(S138:Yes)、S135の処理へ移行し、操作者にデータ取込処理を終了するか否かを再度問い合わせする。
【0138】
S141の処理では、階層構造情報を取得できており、その取得した階層構造情報内での検索となるので、操作者によって検索する項目が、グループ名が選択されたかラベル名が選択されたか否かを判別し(S141)、操作者によりラベル名が選択されていれば(S141:Yes)、その選択されたラベル名を検出し(S142)、グループ名が選択されていれば(S141:No)、その取得した階層構造情報のグループ名が選択されてことになるので、その取得した階層構造情報のグループ名を検索項目に設定する。なお、階層構造情報から選択されるラベル名は、1のラベル名を選択するものであってもよいし、複数のラベル名を選択するものであってもよい。
【0139】
S143の処理では、任意の無線タグ装置10にリーダ・ライタ装置30を近づけ、その無線タグ装置10をスキャンして、無線タグ装置10のタグ装置用関連情報メモリ18bに記憶される情報(階層構造情報)を取得し(S143)、その無線タグ装置10から階層構造情報が取得できたか否かを判別する(S144)。
【0140】
S144の処理で、無線タグ装置10から階層構造情報を取得できなかったと判別された場合には(S144:No)、操作者によってデータ取込検索処理の終了が選択されたか否かを判別し(S145)、操作者によって終了が選択された場合には(S145:Yes)、データベース検索処理を終了し、操作者によって終了が選択されなかった場合には(S145:No)、再度、無線タグ装置10から階層構造情報を取得するために、S143の処理へ移行する。
【0141】
一方、S144の処理で、無線タグ装置10から階層構造情報を取得できたと判別されると(S144:Yes)、操作者によって選択されたラベル名または取得した階層構造情報のグループ名のデータと、S143の処理で取得した階層構造情報とを照合し(S146)、検索実行処理を実行した後に(S147)、操作者によってデータ取込検索処理の終了が選択されたか否かを判別する(S148)。
【0142】
S148の処理では、後述する検索実行処理内のS169の処理(図11参照)において終了が選択されたか否かを判別し、操作者により終了が選択されていなければ(S148:リターン)、他の無線タグ装置10をスキャンするためにS143の処理へ戻り(リターン)、操作者により終了が選択された場合には(S148:終了)、データ取込検索処理を終了する。なお、S143の処理へ戻った場合には、操作者の操作に基づき他の無線タグ装置10をスキャンして階層構造情報を取得し、S143以降の処理を実行する。このS143以降の処理を繰り返すことで、複数の無線タグ装置10のラベル名やグループ名を視認して検索することができる。
【0143】
なお、データ取得検索処理は、ラベル名およびグループ名をディスプレイ32で視認して入力することができるので、ラベル名およびグループ名を認識していない場合に適した処理である。さらに、本棚70に収納されるバインダー2に装着された無線タグ装置10から取得した階層構造情報に基づいてラベル名およびグループ名を入力できるので、存在しないラベル名またはグループ名を検索することがなくなり、検索の効率化を図ることができる。
【0144】
図11は、リーダ・ライタ装置30のCPU46により実行される検索実行処理を示したフローチャートである。検索実行処理は、手入力検索処理のS39の処理(図7参照)及び、データベース検索処理のS111の処理(図9参照)、データ取込検索処理のS148の処理(図10参照)において実行される。
【0145】
検索実行処理が実行されると、手入力検索処理のS35,S37,S38の処理で照合された結果、又は、データベース検索処理のS110の処理で照合された結果、データ取込処理のS146の処理で照合された結果に基づいて、選択または入力されたデータが、取得された階層構造情報内に含まれており該当するものか否かを判別する(S161)。
【0146】
S161の処理で、選択または入力されたデータが非該当と判別されたら(S161:No)、S170の処理へ移行し、選択または入力されたデータが該当すれば(S161:Yes)、検索方法がラベル名の検索であるか否かを判別する(S162)。
【0147】
S162の処理で、ラベル名の検索と判別されるのは、各検索処理において、ラベル名が選択または入力された場合と、手入力検索処理においてワイルドキャラクタ・ラベル名入力および組み合わせ入力によりラベル名が入力された場合である。一方、S162の処理で、グループ名の検索と判別されるのは、各検索処理において、グループ名が選択または入力された場合と、手入力検索処理でワイルドキャラクタ・グループ名が入力された場合である。
【0148】
S162の処理で、検索方法がラベル名であると判別されたら(S163:Yes)、選択または入力されたラベル名に対して、階層構造情報を取得した無線タグ装置10が、操作者が検索すべき(所望する)目的ラベル名であるか否かを判別する(S163)。S163の処理で、選択または入力されたラベル名が目的ラベル名である場合には(S163:Yes)、無線タグ装置10のディスプレイ12で、目的ラベル名に対応した表示がなされるように無線タグ装置10に対して指示(表示データを送信)する(S164)。なお、リーダ・ライタ装置30から送信されるデータには、そのデータを受信可能な無線タグ装置10を特定する情報が含まれているので、無線タグ装置10が隣接している場合であっても、所望する無線タグ装置10にのみ信号を受信させることができる。
【0149】
一方、S163の処理で、選択または入力されたラベル名が目的ラベル名でないと判別されると(S163:No)、無線タグ装置10のディスプレイ12で、階層構造情報が取得された無線タグ装置10のラベル名に応じた表示、又は、グループ点滅の表示がなされるように無線タグ装置10に対して指示し(S165)、S167の処理へ移行する。なお、S165の処理では、操作者により組合入力が選択されグループ名とラベル名とが検索項目となっている場合には、無線タグ装置10のディスプレイ12には、ラベル名に応じた表示が優先してなされるように指示を出力し、目的ラベル名または関連するラベル名がなくグループ名が同一であった場合にグループ点滅の指示を送信するように構成されている。
【0150】
一方、S162の処理で、検索方法がグループ名の検索であると判別されると(S162:No)、グループ点滅を指示して(S166)、S167の処理へ移行する。なお、S166の処理では、階層構造情報に基づいて、グループ内に属するラベル数の情報を出力すると共に、そのグループ内において既に検索した無線タグ装置10の数の情報を出力する。その結果、無線タグ装置10のディスプレイ12には、例えば、「グループ内のラベル数 16」と「検索したラベル数 15」とを表示することができ、操作者に対してグループに属する無線タグ装置10が後いくつあるかを認識させることができる。よって、操作者は、グループに属する全ての無線タグ装置10を検索済みであれば、それ以上の検索を実行しないし、まだグループに属する無線タグ装置10があれば、検索されていない無線タグ装置10の検索の実行ができる。従って、グループに属するラベル数と検索したラベル数との情報を送信することで、検索の作業の効率向上を図ることができる。
【0151】
なお、S166のグループ内に属するラベル数の情報の出力と、そのグループ内において既に検索した無線タグ装置10の数の情報の出力とは、リーダ・ライタ装置30のディスプレイ32で行なっても良い。
【0152】
ここで、図15及び図16を参照して、S164〜S166の処理で指示される無線タグ装置10のディスプレイ12に表示される表示態様について説明する。図15は、ラベル表示設定テーブル記憶エリア47bに記憶されるラベル表示設定テーブルを示した図である。図16は、無線タグ装置10のディスプレイ12に表示される一例を示した図である。
【0153】
図15に示すラベル表示設定テーブルは、ラベル名の階層位置と、その階層位置に応じた点滅表示の状態と、点滅表示の間隔とが関連付けされて記憶されている。例えば、目的ラベル名となる無線タグ装置10は、反転表示で且つ点灯表示(固定に対応)する表示態様が記憶されている。なお、図16(a)に示す状態が、反転表示された状態であり、S164の処理により指示される表示態様である。図16(a)に示すように、本実施形態では、「Aプロジェクト 開発部」の表示が白抜きされた表示態様となっている。
【0154】
また、目的ラベル名と同位層となる無線タグ装置10は、反転表示と通常表示とを0.5秒間隔で点滅表示させる表示態様が記憶されている。図16(b)に示す状態が、通常表示であるので、同位相の無線タグ装置10のディスプレイ12では、図16(a)と図16(b)との表示態様が0.5秒間隔で変更される。なお、この表示態様は、S165の処理で指示される表示態様の1つである。
【0155】
また、目的ラベル名に対して上位1又は上位2となる(例えば、目的ファイル名がファイル名D1であれば、ファイル名C1が上位1となりファイル名B1が上位2となる)無線タグ装置10は、通常表示と黒表示とが0.5秒又は0.75秒間隔で点滅表示する表示態様が記憶されている。即ち、図16(b)に示す表示態様と、真っ黒の表示態様とが0.5秒または0.75秒間隔で変更される。なお、この表示態様は、S165の処理で指示される表示態様の1つである。
【0156】
また、目的ラベル名に対して下位1又は下位2となる無線タグ装置10は、上位1又は上位2とは逆に、通常表示と白表示とが0.5秒又は0.75秒で点滅表示する表示態様が記憶されている。即ち、図16(b)に示す表示態様と、真っ白の表示態様とが0.5秒又は0.75秒間隔で変更される。なお、この表示態様は、S166の処理で指示される表示態様の1つである。
【0157】
また、グループ名が検索されている場合には、ラベル表示設定テーブルのグループを参照して、通常表示を0.75秒間、及び真っ白な表示を0.25秒間表示される表示状態が指示される。この表示態様は、S166の処理で指示される表示態様である。
【0158】
なお、表示態様は、取得した無線タグ装置10の階層位置や属するグループを操作者に認識可能な表示であれば良いので、点滅時間や反転表示は適宜設定可能である。また、図16(c)に示すように、ラベル名を表示するものとしても良いし、図16(d−1)〜図16(d−5)に示すように、無線タグ装置10の階層位置(階層関係(上位1、上位2、下位1、下位2、同位))を表示するものとしても良い。
【0159】
ここで、図11に戻って、検索実行処理のS167以降の処理について説明する。S167の処理では、リーダ・ライタ装置30からの信号が途切れた場合の無線タグ装置10の表示態様を指示する(S167)。本実施形態では、リーダ・ライタ装置30からの信号が途切れたら、すぐに未表示(通常表示の一部)に戻るように指示がなされる。
【0160】
なお、リーダ・ライタ装置30からの信号が途切れたら、その後、所定時間(例えば、1分間)表示を継続するような指示をするものとしても良い。
【0161】
S168の処理では、無線タグ装置10を再度スキャンする(S168)。S168の処理は、無線タグ装置10から階層構造情報などを取得する目的でなく、どの無線タグ装置10とデータの送受信を行っているかを判別するためのものである。このS168の処理により、検索処理の実行中は、無線タグ装置10から信号が送信されることになる。
【0162】
S169の処理では、操作者に検索処理を終了するか否かの問い合わせし、操作者によって検索処理の終了が選択されると(S169:Yes)、そのまま、検索実行処理を終了し、操作者によって検索処理の終了が選択されなければ(S169:Yes)、S168の処理でスキャンした無線タグ装置10が前に階層構造情報を取得した無線タグ装置10と同じであるか否かを判別する(S170)。
【0163】
S170の処理で、前に階層構造情報を取得した無線タグ装置10と同じであると判別されたら(S170:Yes)、無線タグ装置10の表示を継続して行っていることになるので、S168の処理へ戻り、再度、無線タグ装置10をスキャンする。
【0164】
一方、S170の処理で、前に階層構造情報を取得した無線タグ装置10と異なるものであると判別されると(S170:No)、次の無線タグ装置10を表示させる目的で、操作者がリーダ・ライタ装置30を移動させたことになるので、検索実行処理を終了する。
【0165】
次に、図12を参照して、無線タグ装置10のタグ装置用CPU15により実行されるデータ送信要求処理について説明する。データ送信処理は、リーダ・ライタ装置30からデータの送信要求の指示がなされた場合に実行される処理である。図12は、無線タグ装置10のタグ装置用CPU15により実行されるデータ送信要求処理を示したフローチャートである。
【0166】
リーダ・ライタ装置30からデータの送信要求の指示を受信すると、まず、タグ装置用関連情報メモリ18bに記憶される全ての情報を読み出し、その読み出した全ての情報をリーダ・ライタ装置30に送信する(S201)。全ての情報の送信は、上述したように、タグ装置用アンテナ11を介してリーダ・ライタ装置30に送信する。そして、受信スタンバイ状態を設定し(S202)、データ送信要求処理を終了する。
【0167】
また、無線タグ装置10は、リーダ・ライタ装置30から送信される信号を受信しない場合、又は、後述する表示点滅・反転指示処理および表示点滅・反転の起動処理により実行が指示される場合以外は、リーダ・ライタ装置30から送信される信号の受信機能のみが起動され、その他の機能は起動しない状態(受信スタンバイ状態)となる。
【0168】
次に、図13を参照して、無線タグ装置10のタグ装置用CPU15により実行される表示点滅・反転指示処理について説明する。表示点滅・反転指示処理は、リーダ・ライタ装置30から送信される表示を指示する表示データを受信した場合に実行される処理であり、リーダ・ライタ装置30から表示データを受信した場合に初回のみ起動される処理である。図13は、無線タグ装置10のタグ装置用CPU15により実行される表示点滅・反転指示処理を示したフローチャートである。
【0169】
表示点滅・反転指示処理が実行されると、受信した表示データに応じた表示をタグ装置用ディスプレイ12に表示する(S211)。例えば、目的ラベル名または同位相の無線タグ装置10であれば、反転した表示をし(図16(a)の表示態様)、上位層および下位層の無線タグ装置10であれば、通常の表示をし(図16(b)の表示態様)、グループ名の表示をする場合も、通常の表示をする(図16(b)の表示態様)。
【0170】
次に、受信した表示データにより指示される点滅間隔に応じて、次の起動タイミングと、表示態様とを設定し(S212)、受信スタンバイ状態をセットして(S213)、表示点滅・反転指示処理を終了する。S212の処理で設定される次の起動タイミングの設定は、点滅の間隔に応じて設定される。なお、目的ラベル名となる無線タグ装置10である場合には、点滅表示せずに固定の表示となるが、後述する表示点滅・反転の起動処理を実行させるために、例えば、0.5秒を次の起動タイミングに設定する。また、グループ名の表示をする場合には、起動タイミングが0.25秒と0.75秒と異なる。図示しないが、S213の処理で設定される次の起動タイミング及び表示態様は、タグ装置用RAM17の所定のエリアに記憶され、後述する表示点滅・反転の起動処理により次の起動タイミング及び表示態様が設定されるごとに更新される。
【0171】
次に、図14を参照して、無線タグ装置10のタグ装置用CPU15により実行される表示点滅・反転の起動処理について説明する。表示点滅・反転の起動処理は、上述した表示点滅・反転指示処理により設定された起動タイミングとなると実行される処理である。図14は、無線タグ装置10のタグ装置用CPU15により実行される表示点滅・反転の起動処理を示したフローチャートである。
【0172】
表示点滅・反転の起動処理が実行されると、リーダ・ライタ装置30からの電波(例えば、スキャン信号)を受信中であるか否かを判別し(S221)、リーダ・ライタ装置30からの電波を受信していなければ(S221:No)、リーダ・ライタ装置30からの電波が無くなった後にタグ装置用ディスプレイ12の表示を一定時間継続して表示する設定がなされているか否かを判別する(S222)。なお、リーダ・ライタ装置30から一定時間継続して表示を行う指示信号(表示時間を指示する時間信号)が、表示を指示する表示データと共に送信された場合に、一定時間表示の設定が無線タグ装置10でなされる。また、一定時間は、指示信号を受信した場合に、タグ装置用時計24から現在時刻を取得し、その取得した時刻から現在時刻との差により判別することができる。
【0173】
S222の処理で、一定時間継続して表示する設定がなされていると判別された場合には(S222:Yes)、その一定時間が経過したか否かを判別する(S223)。そして、S222の処理で、一定時間継続して表示する設定がなされていないと判別された場合(S222:No)、又は、S223の処理で、一定時間が経過したと判別された場合には(S223:Yes)、タグ装置用ディスプレイ12の表示を継続する必要がなくなるので、タグ装置用ディスプレイ12の表示を通常表示(本実施形態では、未表示)に戻し(S224)、受信スタンバイ状態をセットして(S227)、本処理を終了する。
【0174】
S221の処理で、リーダ・ライタ装置からの電波を受信中と判別された場合(S221:Yes)、又は、S223の処理で、一定時間が未だ経過していないと判別された場合には(S223:No)、タグ装置用ディスプレイ12の表示を継続することになるので、点滅・反転表示の繰り返し処理を実行し(S225)、S212の処理と同様に、受信した表示データに応じて次の起動タイミングと、表示態様とを設定し(S226)、受信スタンバイ状態をセットして(S227)、表示点滅・反転の起動処理を終了する。なお、S225の処理では、S212の処理またはS226の処理で設定された表示態様の表示が、タグ装置用ディスプレイ12になされる。
【0175】
また、S225の処理の実行が初回の場合は、例えば、目的ラベル名の無線タグ装置10であれば、反転した表示を継続し(図16(a)の表示態様)、同位相の無線タグ装置10であれば、通常の表示に変更し(図16(b)の表示態様)、上位層の無線タグ装置10であれば、真っ黒の表示に変更し、下位層の無線タグ装置10であれば、真っ白の表示に変更し、グループ名の表示をする場合も、真っ白の表示に変更する。なお、S225の処理の2回目以降は、階層位置に応じて反転表示するよう表示が変更される。
【0176】
以上、説明したように、S13の手入力検索処理、S15のデータベース検索処理およびS16のデータ取込検索処理(図5参照)によりラベル名が入力または選択された場合には、リーダ・ライタ装置30を複数の無線タグ装置10に近づけスキャンすることで、入力または選択された目的ラベル名およびその目的ラベル名の上位層・下位層・同位相となるラベル名も同時期に検索し、無線タグ装置10のディスプレイ12にそれぞれを判別可能に表示することができる。よって、複数のバインダー2が関連付けされている場合であっても、1のラベル名を入力または選択することで、目的ラベル名となるバインダー2とその目的ラベル名に関連付けされたラベル名となるバインダー2とを同時期に検索することができる。従って、目的ラベル名となるバインダー2と関連付けされたラベル名となるバインダー2とを検索する場合に、複数回の検索をしなくて良いので、検索作業を簡略化することができる。
【0177】
さらに、目的ラベルと、上位層・階層・同位相との表示がそれぞれ異なる表示となるので、複数のバインダー2に装着される無線タグ装置10のディスプレイ12に表示がなされていたとしも、そのバインダー2の階層位置を操作者に容易に認識させることができる。
【0178】
また、目的ラベル名となるバインダー2と関連付けされたラベル名となるバインダー2に装着された無線タグ装置10のディスプレイ12に表示がなされると共に、グループ名を検索した場合にも、そのグループ内に属する(階層構造情報に含まれる)全ての無線タグ装置10のディスプレイ12に表示がなされるので、全く関連付けがされていないバインダー2の無線タグ装置10のディスプレイ12に表示がなされることがない。よって、操作者は、所望のバインダー2を容易に検索することができる。
【0179】
即ち、本実施形態のタグ無線通信システム60によれば、所望のバインダー2を検索して無線タグ装置10のディスプレイ12に表示をすることができるし、所望のバインダー2と関連したバインダー2とを検索して無線タグ装置10のディスプレイ12に表示をすることができる。よって、操作者は、必要なバインダー2を簡単に探すことができる。さらに、バインダー2の整理をする際には、グループ全体の無線タグ装置10のディスプレイ12に表示させることができるので、簡単にグループ毎にまとめて整理することができるし、関連の程度(階層位置に対応)に応じて整理をすることもできる。
【0180】
次に、図17を参照して、第2の実施形態について説明する。図17は、第2の実施形態の無線タグ装置10のタグ装置用CPU15により実行されるアンテナ受信処理を示したフローチャートである。アンテナ受信処理は、リーダ・ライタ装置30から受信データを受信した場合に実行される処理である。
【0181】
また、第1の実施形態は、リーダ・ライタ装置30で無線タグ装置10のタグ装置用ディスプレイ12で表示される表示態様を設定し、その設定された情報に基づいて無前タグ装置10が表示を行うように構成した。これに代えて、第2の実施形態では、リーダ・ライタ装置30から照合結果を送信し、タグ装置用ディスプレイ12に表示される表示態様をリーダ・ライタ装置30で設定するよう構成した。よって、第1の実施形態の検索実行処理(図11参照)のS165〜S167の処理では、それぞれ対応した照合結果を送信する構成とし、表示点滅・反転指示処理(図13参照)および表示点滅・反転起動処理(図14参照)に代えて、図17に示すアンテナ受信処理が実行される構成となる。その他の構成は、第1の実施形態と同様となるので、その第1の実施形態と同様の部分には、同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0182】
アンテナ受信処理が実行されると、まず、受信データの解析が実行される(S231)。受信データの解析は、受信した信号が何を指示するものかを解析する処理である。S232の処理では、S231の処理で受信データを解析した結果が、該当するか否かを判別する(S232)。S232の処理で該当と判別されるのは、本無線タグ装置10が、操作者により入力または選択された目的のラベル名であるか、その目的のラベル名が属するグループ内に属している場合である。
【0183】
S232の処理で、本無線タグ装置10が非該当であれば(S231:No)、特に表示をする必要がないので、受信スタンバイ状態をセットして(S227)、アンテナ受信処理を終了する。一方、S232の処理で、本無線タグ装置10が該当するものであると判別されると(S232:Yes)、タグ装置用ディスプレイ12に表示をする必要があるので、まず、タグ装置用ディスプレイ12に表示する表示態様は、ラベル名の表示であるかグループ名の表示でるか否かを判別する(S233)。
【0184】
そして、S233の処理で、ラベル名を表示すると判別された場合には(S233:Yes)、受信したデータに基づいてタグ装置用ディスプレイ12にラベル名の表示を行い(S234)、次の点滅、交互、反転などの起動タイミング、即ち、アンテナ受信処理の起動タイミングを設定すると共に、リーダ・ライタ装置30からの電波が無くなった場合の表示態様を設定し(S235)、受信スタンバイ状態をセットして(S238)、アンテナ受信処理を終了する。なお、S234及びS235の処理において設定される表示態様や次の起動タイミングは、第1の実施形態の設定方法と同様の方法であるので、詳細な説明は省略する。
【0185】
一方、S233の処理で、グループ名の表示であると判別された場合には(S233:No)、受信したデータに基づいてタグ装置用ディスプレイ12にグループ名の表示を行い(S236)、次の点滅、交互、反転などの起動タイミング、即ち、アンテナ受信処理の起動タイミングを設定すると共に、リーダ・ライタ装置30からの電波が無くなった場合の表示態様を設定し(S237)、受信スタンバイ状態をセットして(S238)、本処理を終了する。なお、S236及びS237の処理において設定される表示態様や次の起動タイミングは、第1の実施形態の設定方法と同様の方法であるので、詳細な説明は省略する。
【0186】
以上説明したように、第2の実施形態では、無線タグ装置10において、タグ装置用ディスプレイ12に表示される表示態様が設定されているので、リーダ・ライタ装置30の制御負担を軽減することができる。また、タグ装置用ディスプレイ12に表示される表示態様を、無線タグ装置10又はリーダ・ライタ装置30のどちらで設定するかの違いとなるので、第1の実施形態と同様に、検索作業を簡略化することができるという効果を奏する。
【0187】
ここで、図18及び図19を参照して、無線タグ装置10のディスプレイ12に表示される表示状態が、上記実施形態とは異なる場合について説明する。図18は、ラベル表示設定テーブルを示した図であり、図19は、無線タグ装置10のディスプレイ12の表示状態を示した図である。
【0188】
まず、図18(a)のラベル表示設定テーブルについて説明する。このラベル表示設定テーブルは、リーダ・ライタ装置30のラベル表示設定テーブル記憶エリア47aに記憶されている。なお、このラベル表示設定テーブルは、図11のS164〜S166の処理が実行される場合に、上記第1の実施形態のラベル表示設定テーブルに代えて参照される。
【0189】
図18(a)に示すラベル表示設定テーブルは、ラベル名の階層位置と、その階層位置に応じた点滅表示の状態と、点滅表示の間隔とが関連付けされて記憶されている。例えば、目的ラベル名となる無線タグ装置10は、目的の表示と通常表示とが0.5秒間隔で繰り返し表示する表示状態が設定される。この場合の表示状態は、図19(a)に示すように、「Aプロジェクト 開発部」の通常表示と、「目的」の表示とが0.5秒ずつ表示される。
【0190】
また、目的ラベル名と同位層となる無線タグ装置10は、同列の表示と通常表示とが0.5秒間隔で繰り返し表示する表示状態が設定される。目的ラベル名と上位1,上位2,下位1,下位2となる無線タグ装置10は、それぞれの階層の表示と通常表示とが0.5秒間隔で繰り返し表示する表示状態が設定される。なお、図示は省略するが、同位相,上位1,上位2,下位1,下位2の表示状態は、図19(a)の「目的」に代えて、「同列」、「上位1」、「上位2」、「下位1」、「下位2」と「Aプロジェクト 開発部」との表示が点滅表示される。
【0191】
次に、図18(b)に示すラベル表示設定テーブルについて説明する。このラベル表示設定テーブルも、リーダ・ライタ装置30のラベル表示設定テーブル記憶エリア47aに記憶されており、図11のS164〜S166の処理が実行される場合に、上記実施形態のラベル表示設定テーブルに代えて参照される。
【0192】
図18(b)に示すラベル表示設定テーブルは、ラベル名の階層位置と、その階層位置に応じた表示の状態と、その表示の表示時間とが関連付けされて記憶されている。なお、表示時間とは、無線タグ装置10のディスプレイ12に表示がなされてから初期状態に戻るまでの時間であり、任意に設定可能である。なお、このラベル表示設定テーブルが参照された場合には、表示を指示すると共に任意の表示時間に対応した時間信号も同時に無線タグ装置10に送信される。
【0193】
表示状態の設定としては、目的ラベル名となる無線タグ装置10は、その全てが反転表示する表示状態が設定されるので、図16(a)の状態となる。また、目的ラベル名と同位層となる無線タグ装置10は、中央部分の1/2が反転する表示状態が設定され、目的ラベル名と上位1となる無線タグ装置10は、上1/4の部分が反転する表示状態が設定され、目的ラベル名と上位2となる無線タグ装置10は、上1/2の部分が反転する表示状態が設定され、目的ラベル名と下位1となる無線タグ装置10は、下1/2の部分が反転する表示状態が設定され、目的ラベル名と下位2となる無線タグ装置10は、下1/4の部分が反転する表示状態が設定される。図19(b)及び図19(c)には、表示態様の一例を示しており、図19(b)は、上1/2が反転表示されているので、上位2に対応するラベル名のバインダー2であることを確認でき、図19(c)は、下1/4が反転表示されているので、下位2に対応するラベル名であることが確認できる。
【0194】
なお、図19(d)に示すように、ラベル名の階層位置に対応した表示をし、その表示領域の一部分を反転表示するように構成しても構わない。さらに、反転される領域を点滅表示しても良いし、図形などを用いても良い。即ち、各ラベル名の階層位置を認識させる表示状態であれば、如何なる表示であっても良い。
【0195】
また、その他に、無線タグ装置10から取得した関連構造情報の数や、関連構造情報に含まれるラベル名の数、今回の検索で検索したラベル数などを、検索情報としてディスプレイ12に表示しても良いし、バインダー2に収納されている書類の概要などを表示しても良い。
【0196】
以上、各実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
【0197】
例えば、上記実施形態では、リーダ・ライタ装置30は専用機器を用いて実現したが、リーダ・ライタ装置30はパーソナルコンピュータを用いて実現しても良い。また、階層構造情報は、無線タグ装置10のタグ装置用フラッシュメモリ18及びリーダ・ライタ装置30のフラッシュメモリ49に記憶されていたが、階層構造情報は、リーダ・ライタ装置30やパーソナルコンピュータと通信可能な記憶装置に記憶するものとしても良い。なお、通信可能な記憶装置とは、例えば、パーソナルコンピュータが接続されたネットワーク上の記憶装置である。
【0198】
また、上記実施形態では、無線タグ装置10のディスプレイ12は電気詠動式を採用したが、ディスプレイ12は、バッテリを内蔵しない表示媒体であり、表示内容を消去して何回でも書き換えることができ、更には、表示された内容を長時間にわたり維持できる電子ペーパー等の不揮発性の表示装置であっても良い。
【0199】
また、上記実施形態では、1の無線タグ装置10と、1のリーダ・ライタ装置30との間でデータの送受信を行い、無線タグ装置10のタグ装置用ディスプレイ12に検索結果に応じた表示を行うように構成したが、1のリーダ・ライタ装置30と、複数の無線タグ装置10との間でデータの送受信を行い、複数の無線タグ装置10のタグ装置用ディスプレイ12に表示を同時に行わせる構成としても良い。なお、上述したように、本実施形態では、リーダ・ライタ装置30から送信されるデータに、そのデータを受信可能な無線タグ装置10を特定する情報を含んで送信すると共に、無線タグ装置10から送信されるデータに、その無線タグ装置10を特定する情報を含んで送信するので、1のリーダ・ライタ装置30に対して複数の無線タグ装置10との間での送受信を容易に達成することができる。
【0200】
ここで、本実施形態において、請求項1記載の選択手段としては図5のS13,S15,S16の処理でラベル名を入力または選択する処理が該当し、請求項2記載の第1表示設定手段としては図11のS164〜S166の処理が該当し、請求項3記載の関連情報取得手段としては図7のS31の処理および図9のS107の処理、図10のS143の処理が該当し、請求項4記載の第2表示設定手段としては図11のS164〜S166の処理が該当し、請求項7記載のグループ情報選択手段としては図5のS13,S15,S16の処理でグループ名を入力または選択する処理が該当し、請求項7記載のグループ情報取得手段としては図7のS31の処理および図9のS107の処理、図10のS143の処理が該当し、請求項10記載の他タグ特定情報取得手段としては図10のS143の処理が該当し、請求項14記載の表示実行手段としては図13のS211の処理および図14のS225の処理が該当し、請求項15記載の時間判断手段としては図14のS223の処理が該当する。
【図面の簡単な説明】
【0201】
【図1】本発明のタグ無線通信システムの構成を示した概略図である。
【図2】無線タグ装置およびリーダ・ライタ装置の電気的構成を示したブロック図であり、(a)は無線タグ装置のブロック図であり、(b)はリーダ・ライタ装置のブロック図である。
【図3】無線タグ装置のタグ装置用フラッシュメモリに記憶される階層構造を示した模式図である。
【図4】リーダ・ライタ装置のCPUにより実行される機能選択処理を示したフローチャートである。
【図5】リーダ・ライタ装置の機能カウンタに記憶される値と対応する機能処理を示した図である。
【図6】リーダ・ライタ装置のCPUにより実行される検索処理を示したフローチャートである。
【図7】リーダ・ライタ装置のCPUにより実行される手入力検索処理を示したフローチャートである。
【図8】リーダ・ライタ装置のCPUにより実行される各入力処理を示したフローチャートである。
【図9】リーダ・ライタ装置のCPUにより実行されるデータベース検索処理を示したフローチャートである。
【図10】リーダ・ライタ装置のCPUにより実行されるデータ取込検索処理を示したフローチャートである。
【図11】リーダ・ライタ装置のCPUにより実行される検索実行処理を示したフローチャートである。
【図12】無線タグ装置のタグ装置用CPUにより実行されるデータ送信要求処理を示したフローチャートである。
【図13】無線タグ装置のタグ装置用CPUにより実行される表示点滅・反転指示処理を示したフローチャートである。
【図14】無線タグ装置のタグ装置用CPUにより実行される表示点滅・反転の起動処理を示したフローチャートである。
【図15】ラベル表示設定テーブル記憶エリアに記憶されるラベル表示設定テーブルを示した図である。
【図16】無線タグ装置のディスプレイに表示される一例を示した図である。
【図17】第2の実施形態の無線タグ装置のタグ装置用CPUにより実行されるアンテナ受信処理を示したフローチャートである。
【図18】ラベル表示設定テーブルを示した図である。
【図19】無線タグ装置のディスプレイの表示状態を示した図である。
【符号の説明】
【0202】
2 バインダー(対象物)
10 無線タグ装置(タグ装置)
12 タグ装置用ディスプレイ(表示部)
14 タグ装置用送受信機(受信手段)
18b タグ装置用関連情報メモリ(タグ側記憶手段)
30 リーダ・ライタ装置(通信装置)
36 タグ表示ボタン(操作手段)
50 送受信機(送信手段)
60 タグ無線通信システム(情報通信システム)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物に装着されその対象物を特定する特定情報を記憶すると共に、外部から入力される表示を指示する表示データに基づいた画像を表示する表示部を備えたタグ装置と通信可能に構成された通信装置において、
検索対象となる対象物の特定情報を選択する選択手段と、
その選択手段により選択された前記所定の特定情報が記憶されたタグ装置または前記所定の特定情報と関連する特定情報が記憶された他のタグ装置に、前記表示データを送信する送信手段とを備えていることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記選択手段により選択された特定情報と、前記送信手段により前記表示データが送信される送信先のタグ装置に記憶される特定情報との関連に応じて、その送信先のタグ装置の表示部で表示される画像の表示態様を設定する第1表示設定手段を備え、
前記送信手段は、前記第1表示設定手段により設定された表示データを前記送信先のタグ装置に送信することを特徴とする請求項1記載の通信装置。
【請求項3】
前記タグ装置には、自己のタグ装置に記憶される特定情報と、他のタグ装置に記憶される特定情報との関連を示す関連情報が予め記憶されており、
前記タグ装置に記憶される関連情報を取得する関連情報取得手段を備え、
前記送信手段は、前記選択手段により選択された特定情報と前記関連情報取得手段により関連情報を取得したタグ装置の特定情報とが前記関連情報により関連付けられている場合に、その関連情報を取得したタグ装置に対して前記表示データを送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記選択手段により選択された特定情報と、前記関連情報取得手段により関連情報を取得したタグ装置の特定情報との関連に応じた表示状態を、その取得した関連情報に基づいて設定する第2表示設定手段を備え、
前記送信手段は、前記第2表示設定手段により設定された表示データを、前記関連情報を取得したタグ装置に送信することを特徴とする請求項3記載の通信装置。
【請求項5】
前記関連情報は、自己のタグ装置の特定情報が、他のタグ装置の特定情報に対して上位層または下位層あるいは同位層であるかを示す情報であることを特徴とする請求項3又は4に記載の通信装置。
【請求項6】
前記関連情報は、自己のタグ装置の特定情報が他のタグ装置の特定情報に対して、上位層である場合には何階層上位であるか、下位層である場合には何階層下位であるかを示す情報であることを特徴とする請求項5記載の通信装置。
【請求項7】
前記タグ装置には、そのタグ装置が属するグループを特定するグループ情報が予め記憶されており、
所定のグループ情報を選択するグループ情報選択手段と、
前記タグ装置に記憶されるグループ情報を取得するグループ情報取得手段とを備え、
前記送信手段は、前記グループ情報選択手段により選択されたグループ情報と前記グループ情報取得手段により取得したグループ情報とが同一である場合に、そのグループ情報を取得したタグ装置に前記表示データを送信することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の通信装置。
【請求項8】
前記送信手段は、
前記グループ情報選択手段により選択されたグループ情報と前記グループ情報取得手段により取得したグループ情報とが同一であり、且つ、前記選択手段により選択された特定情報と前記関連情報取得手段により関連情報を取得したタグ装置の特定情報とが前記関連情報により関連付けられている場合に、
前記グループ情報を取得したタグ装置および前記関連情報を取得したタグ装置に、前記表示データを送信することを特徴とする請求項7に記載の通信装置。
【請求項9】
前記タグ装置の表示部に前記表示データに基づいた画像を表示させる表示時間を設定する表示時間設定手段を備え、
前記送信手段は、前記表示時間設定手段により設定された画像の表示時間を指示する時間信号を、前記表示データと共に送信することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の通信装置。
【請求項10】
外部装置から、他のタグ装置の特定情報を少なくとも一つ以上取得する他タグ特定情報取得手段を備え、
前記選択手段は、前記他タグ特定情報取得手段により取得した特定情報から、前記検索対象となる対象物の特定情報を選択することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の通信装置。
【請求項11】
前記他タグ特定情報取得手段は、前記タグ装置からそのタグ装置が属するグループ内の他のタグ装置の特定情報を少なくとも一つ以上取得することを特徴とする請求項10記載の通信装置。
【請求項12】
前記選択手段は、操作者が手入力により入力した特定情報を、前記検索対象となる対象物の特定情報として選択することを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の通信装置。
【請求項13】
前記選択手段は、同時に複数の特定情報を選択するものであり、
前記送信手段は、前記選択手段により選択された複数の特定情報のうち少なくともいずれか一つが記憶されたタグ装置または前記選択手段により選択された複数の特定手段のうち少なくともいずれか一つと関連する特定情報が記憶された他のタグ装置に、前記表示データを送信することを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の通信装置。
【請求項14】
請求項1から13のいずれかに記載の通信装置から送信される信号を受信する受信手段と、画像を表示する表示部とを備えたタグ装置において、
前記受信手段により受信された信号が、前記表示部に表示される画像の表示を指示する表示データであった場合に、その表示データに基づいた画像を前記表示部に表示させる表示実行手段を備えていることを特徴とするタグ装置。
【請求項15】
前記表示実行手段により前記表示データに基づいた画像が前記表示部に表示されてから、所定時間が経過したか否かを判断する時間判断手段を備え、
前記表示実行手段は、前記表示データを受信した場合にその表示データに基づいた画像を前記表示部に表示すると共に、前記時間判断手段により所定時間が経過したと判断された場合に前記表示部の表示を通常状態に戻すことを特徴とする請求項14記載のタグ装置。
【請求項16】
前記通信装置は、前記表示データを送信する場合に操作される操作手段を備え、その操作手段が操作されているあいだ前記表示データを送信するものであり、
前記表示実行手段は、前記表示データを受信している間、その表示データに基づいた画像を前記表示部に表示することを特徴とする請求項14記載のタグ装置。
【請求項17】
請求項1から13のいずれかに記載の通信装置と、請求項14から16のいずれかに記載のタグ装置とを備えていることを特徴とする情報通信システム。
【請求項1】
対象物に装着されその対象物を特定する特定情報を記憶すると共に、外部から入力される表示を指示する表示データに基づいた画像を表示する表示部を備えたタグ装置と通信可能に構成された通信装置において、
検索対象となる対象物の特定情報を選択する選択手段と、
その選択手段により選択された前記所定の特定情報が記憶されたタグ装置または前記所定の特定情報と関連する特定情報が記憶された他のタグ装置に、前記表示データを送信する送信手段とを備えていることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記選択手段により選択された特定情報と、前記送信手段により前記表示データが送信される送信先のタグ装置に記憶される特定情報との関連に応じて、その送信先のタグ装置の表示部で表示される画像の表示態様を設定する第1表示設定手段を備え、
前記送信手段は、前記第1表示設定手段により設定された表示データを前記送信先のタグ装置に送信することを特徴とする請求項1記載の通信装置。
【請求項3】
前記タグ装置には、自己のタグ装置に記憶される特定情報と、他のタグ装置に記憶される特定情報との関連を示す関連情報が予め記憶されており、
前記タグ装置に記憶される関連情報を取得する関連情報取得手段を備え、
前記送信手段は、前記選択手段により選択された特定情報と前記関連情報取得手段により関連情報を取得したタグ装置の特定情報とが前記関連情報により関連付けられている場合に、その関連情報を取得したタグ装置に対して前記表示データを送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記選択手段により選択された特定情報と、前記関連情報取得手段により関連情報を取得したタグ装置の特定情報との関連に応じた表示状態を、その取得した関連情報に基づいて設定する第2表示設定手段を備え、
前記送信手段は、前記第2表示設定手段により設定された表示データを、前記関連情報を取得したタグ装置に送信することを特徴とする請求項3記載の通信装置。
【請求項5】
前記関連情報は、自己のタグ装置の特定情報が、他のタグ装置の特定情報に対して上位層または下位層あるいは同位層であるかを示す情報であることを特徴とする請求項3又は4に記載の通信装置。
【請求項6】
前記関連情報は、自己のタグ装置の特定情報が他のタグ装置の特定情報に対して、上位層である場合には何階層上位であるか、下位層である場合には何階層下位であるかを示す情報であることを特徴とする請求項5記載の通信装置。
【請求項7】
前記タグ装置には、そのタグ装置が属するグループを特定するグループ情報が予め記憶されており、
所定のグループ情報を選択するグループ情報選択手段と、
前記タグ装置に記憶されるグループ情報を取得するグループ情報取得手段とを備え、
前記送信手段は、前記グループ情報選択手段により選択されたグループ情報と前記グループ情報取得手段により取得したグループ情報とが同一である場合に、そのグループ情報を取得したタグ装置に前記表示データを送信することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の通信装置。
【請求項8】
前記送信手段は、
前記グループ情報選択手段により選択されたグループ情報と前記グループ情報取得手段により取得したグループ情報とが同一であり、且つ、前記選択手段により選択された特定情報と前記関連情報取得手段により関連情報を取得したタグ装置の特定情報とが前記関連情報により関連付けられている場合に、
前記グループ情報を取得したタグ装置および前記関連情報を取得したタグ装置に、前記表示データを送信することを特徴とする請求項7に記載の通信装置。
【請求項9】
前記タグ装置の表示部に前記表示データに基づいた画像を表示させる表示時間を設定する表示時間設定手段を備え、
前記送信手段は、前記表示時間設定手段により設定された画像の表示時間を指示する時間信号を、前記表示データと共に送信することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の通信装置。
【請求項10】
外部装置から、他のタグ装置の特定情報を少なくとも一つ以上取得する他タグ特定情報取得手段を備え、
前記選択手段は、前記他タグ特定情報取得手段により取得した特定情報から、前記検索対象となる対象物の特定情報を選択することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の通信装置。
【請求項11】
前記他タグ特定情報取得手段は、前記タグ装置からそのタグ装置が属するグループ内の他のタグ装置の特定情報を少なくとも一つ以上取得することを特徴とする請求項10記載の通信装置。
【請求項12】
前記選択手段は、操作者が手入力により入力した特定情報を、前記検索対象となる対象物の特定情報として選択することを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の通信装置。
【請求項13】
前記選択手段は、同時に複数の特定情報を選択するものであり、
前記送信手段は、前記選択手段により選択された複数の特定情報のうち少なくともいずれか一つが記憶されたタグ装置または前記選択手段により選択された複数の特定手段のうち少なくともいずれか一つと関連する特定情報が記憶された他のタグ装置に、前記表示データを送信することを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の通信装置。
【請求項14】
請求項1から13のいずれかに記載の通信装置から送信される信号を受信する受信手段と、画像を表示する表示部とを備えたタグ装置において、
前記受信手段により受信された信号が、前記表示部に表示される画像の表示を指示する表示データであった場合に、その表示データに基づいた画像を前記表示部に表示させる表示実行手段を備えていることを特徴とするタグ装置。
【請求項15】
前記表示実行手段により前記表示データに基づいた画像が前記表示部に表示されてから、所定時間が経過したか否かを判断する時間判断手段を備え、
前記表示実行手段は、前記表示データを受信した場合にその表示データに基づいた画像を前記表示部に表示すると共に、前記時間判断手段により所定時間が経過したと判断された場合に前記表示部の表示を通常状態に戻すことを特徴とする請求項14記載のタグ装置。
【請求項16】
前記通信装置は、前記表示データを送信する場合に操作される操作手段を備え、その操作手段が操作されているあいだ前記表示データを送信するものであり、
前記表示実行手段は、前記表示データを受信している間、その表示データに基づいた画像を前記表示部に表示することを特徴とする請求項14記載のタグ装置。
【請求項17】
請求項1から13のいずれかに記載の通信装置と、請求項14から16のいずれかに記載のタグ装置とを備えていることを特徴とする情報通信システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2008−250705(P2008−250705A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−91535(P2007−91535)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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