通信装置、中継装置および通信システム
【課題】通信を行うための登録作業を容易に行うことが可能な通信装置等を提供する。
【解決手段】MFPシステム2は、MFP10と、MFP10に無線回線にて接続される第2子機60とを備える。CPU11は、MFP−ID及び第2子機IDを記憶する。また、MFP10がBOXと無線接続されたと判断された場合、第2子機IDを取得し、BOXへ送信する。また、BOX−IDを受信し、第2子機60へ送信する。CPU62は、MFP−ID及び第2子機IDを記憶する。また、BOX−IDをMFP10から受信し、EEPROM61に記憶する。また、BOXから受信したビーコンに、BOX−ID及び第2子機IDが含まれているかを判断する。また、BOX−ID及び第2子機IDがビーコンに含まれていると判断された場合に、第2子機60とBOXとが無線回線通信可能に接続された旨の情報を記憶する。
【解決手段】MFPシステム2は、MFP10と、MFP10に無線回線にて接続される第2子機60とを備える。CPU11は、MFP−ID及び第2子機IDを記憶する。また、MFP10がBOXと無線接続されたと判断された場合、第2子機IDを取得し、BOXへ送信する。また、BOX−IDを受信し、第2子機60へ送信する。CPU62は、MFP−ID及び第2子機IDを記憶する。また、BOX−IDをMFP10から受信し、EEPROM61に記憶する。また、BOXから受信したビーコンに、BOX−ID及び第2子機IDが含まれているかを判断する。また、BOX−ID及び第2子機IDがビーコンに含まれていると判断された場合に、第2子機60とBOXとが無線回線通信可能に接続された旨の情報を記憶する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、無線通信端末の通信を容易に確立することが可能な通信装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、公衆回線網に接続され他のファクシミリ装置との通信を担う中継通信装置と、画像の入出力を担う画像処理装置とを、電源を投入するだけで無線接続することが可能な画像伝送システムが記載されている。また近年、電話機能を搭載した画像処理装置が用いられている。このような画像処理装置は、無線回線によりコードレス子機と接続されている。そして、コードレス子機を用いて音声通話が可能に構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−239450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなコードレス子機を備えた画像処理装置に特許文献1の技術を適用した場合、電源を投入するだけで、画像処理装置と中継通信装置との間の無線接続が確立される。しかし、コードレス子機と中継通信装置との間の無線接続を確立する技術については、特許文献1に開示がない。この場合、画像処理装置に備えられているコードレス子機を使用可能にするために、コードレス子機と中継通信装置との間で、互いの登録情報を登録する処理などを実行する必要が生じる。すると、登録作業に時間や手間がかかるという問題があった。本明細書では、このような不便性を解消することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の通信装置は、公衆回線網に接続された中継装置と無線通信可能に接続される多機能通信装置と、該多機能通信装置に無線回線にて接続され、該多機能通信装置との間で無線回線通信を行う1以上の無線通信端末と、を備える通信装置であって、多機能通信装置は、多機能通信装置の登録情報及び無線通信端末の登録情報を記憶する第1記憶部と、多機能通信装置が中継装置と無線接続されたか否かを判断する第1判断手段と、第1判断手段で中継装置と無線接続されたと判断された場合、無線通信端末の登録情報を取得する取得手段と、取得手段により取得した無線通信端末の登録情報を中継装置へ送信する第1送信手段と、中継装置の登録情報を受信する第1受信手段と、第1受信手段により受信した中継装置の登録情報を、第1記憶部に記憶されている多機能通信装置の登録情報とともに、無線通信端末へ送信する第2送信手段と、を備える。無線通信端末は、多機能通信装置の登録情報及び無線通信端末の登録情報を記憶する第2記憶部と、中継装置の登録情報を多機能通信装置から受信する第2受信手段と、第2受信手段により受信した中継装置の登録情報を第2記憶部に記憶する第2記憶制御手段と、無線回線を介して中継装置から所定の信号を受信する第3受信手段と、第3受信手段により受信した信号に、第2記憶部に記憶されている中継装置の登録情報及び無線通信端末の登録情報が含まれているかを判断する第2判断手段と、第2判断手段により第2記憶部に記憶されている中継装置の登録情報及び無線通信端末の登録情報が信号に含まれていると判断された場合に、無線通信端末と中継装置とが無線回線通信可能に接続された旨の情報を記憶する第3記憶制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
本願の通信装置では、多機能通信装置の第1送信手段によって、無線通信端末の登録情報を中継装置へ送信することができる。また、多機能通信装置の第2送信手段によって、中継装置の登録情報を無線通信端末へ送信することができる。すなわち、多機能通信装置を介して、中継装置と無線通信端末との間で、登録情報を交換することができる。これにより、交換した登録情報を用いて、中継装置と無線通信端末との間の通信を確立することができる。以上より、中継装置と無線通信端末との間で通信を行うために互いの登録情報を登録する登録処理を、容易に実行することが可能となる。
【0007】
また、請求項2の通信装置では、通信装置を中継装置と無線回線通信可能に接続する接続処理を実行する旨を受け付けることに応じて、中継装置と無線通信端末との間で通信を行うための登録処理を実行する。よって、通信装置を中継装置に接続する処理を実行する際に、無線通信端末と中継装置との間の通信を自動で確立することが可能となる。
【0008】
また、請求項3の通信装置では、中継装置の登録情報と、多機能通信装置の登録情報及び無線端末装置の登録情報とが第2記憶部に記憶されており、無線通信端末の登録情報が多機能通信装置へ送信されたことを条件として、無線通信端末の通信先を示す第2通信先情報を中継装置に設定する。これにより、無線端末装置に中継装置の登録情報及び多機能通信装置の登録情報が記憶されている場合であっても、無線通信端末の通信先が中継装置であることを、無線通信端末において、容易に認識することが可能となる。
【0009】
また、請求項4の通信装置では、無線通信端末の登録情報が中継装置へ送信されたことを条件として、無線回線通信による無線通信端末の通信先を示す第1通信先情報の内容を中継装置に設定する。これにより、無線通信端末の通信先が中継装置であることを、多機能通信装置において、容易に認識することが可能となる。
【0010】
また、請求項5の通信装置では、多機能通信装置が中継装置とは異なる通信先に接続されている場合に、通信先を多機能通信装置に復帰させる対象の無線通信端末が存在すると判断されることに応じて、多機能通信装置と無線通信端末との間の通信を復帰させる。よって、無線通信端末が多機能通信装置を介して外部と通信することが可能となった場合には、無線通信端末と多機能通信装置との間の通信を自動で復帰させることが可能となる。
【0011】
また、請求項6の通信装置では、多機能通信装置の登録情報及び無線通信端末の登録情報を含む信号(例:ビーコン信号)を多機能通信装置から受信することで、多機能通信装置と無線通信端末との通信を確立することが可能となる。
【0012】
また、請求項7の通信装置では、通信先を多機能通信装置に復帰させる対象の無線通信端末が存在すると判断されることに応じて、第1通信先情報の内容を多機能通信装置に復帰させる。これにより、無線通信端末の通信先が多機能通信装置に復帰したことを、多機能通信装置において、容易に認識することが可能となる。
【0013】
また、請求項8の通信装置では、無線通信端末の通信先が多機能通信装置に設定されることに応じて、第2通信先情報の内容を多機能通信装置に復帰させる。これにより、無線通信端末の通信先が多機能通信装置に復帰したことを、無線通信端末において、容易に認識することが可能となる。
【0014】
また、請求項9の中継装置では、第5送信手段によって、中継装置の登録情報を含む信号を、1以上の無線通信端末へ送信することができる。これにより、中継装置と無線通信端末との間の通信を確立することができる。よって、中継装置と無線通信端末との間で通信を行うための登録処理を、容易に実行することが可能となる。
【0015】
また、請求項10の中継装置では、通信装置を中継装置と無線回線通信可能に接続する接続処理の開始指示を受信することに応じて、中継装置と無線通信端末との間で通信を行うための登録処理を実行する。よって、通信装置を中継装置に接続する処理を実行する際に、無線通信端末と中継装置との間の通信を自動で確立することが可能となる。
【0016】
また、請求項11の中継装置では、第4受信手段により受信した無線通信端末の登録情報とそれ以外の無線通信端末の登録情報とを、選択可能に第3記憶部に記憶させることができる。これにより、例えば、第4受信手段により受信した無線通信端末の登録情報を第3記憶部に記憶する際に、それ以外の無線通信端末の登録情報が削除されてしまうことが防止できる。よって、多機能通信装置が中継装置に接続されている状態と、多機能通信装置が中継装置とは異なる通信先に接続されている状態とが切り替えられる場合においても、中継装置と接続される無線通信端末を適切に識別することが可能となる。
【0017】
また、請求項12の中継装置では、第4受信手段により受信した無線通信端末の登録情報に対応する無線通信端末の通信先を多機能通信装置に復帰させる復帰処理を実行する旨の復帰指示を受信した場合において、復帰処理の対象となる無線通信端末が存在する場合には、多機能通信装置と復帰対象の無線通信端末との間の通信を復帰させる。よって、復帰対象の無線通信端末が多機能通信装置を介して外部と通信することが可能となった場合には、復帰対象の無線通信端末と多機能通信装置との間の通信を自動で復帰させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】通信システムのブロック図である。
【図2】通信システムのブロック図である。
【図3】MFPの動作フロー図である。
【図4】MFPの動作フロー図である。
【図5】BOXの動作フロー図である。
【図6】第2子機の動作フロー図である。
【図7】BOXテーブルの一例を示す図である。
【図8】第1子機テーブルの一例を示す図である。
【図9】MFPテーブルの一例を示す図である。
【図10】第2子機テーブルの一例を示す図である。
【図11】MFPシステムおよびDCPシステムのブロック図である。
【図12】通信システムのブロック図である。
【図13】MFPの動作フロー図である。
【図14】BOXの動作フロー図である。
【図15】第2子機の動作フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1および図2に、本願に係る実施例として例示される通信システム1のブロック図を示す。図1はMFPシステム2を示しており、図2はDCPシステム3を示している。図1および図2によって、通信システム1が示されている。通信システム1は、MFPシステム2とDCPシステム3とを備えている。
【0020】
MFPシステム2の構成について説明する。MFPシステム2は、多機能周辺装置(以下「MFP」と称す)10と、第2子機60を備える。MFP10は、ファクシミリ機能、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能、などを備える。また、MFP10とBOX31とは、アドホックモードの無線LAN接続方式(以下「WLAN」と称す)により、WLAN202を用いたTCP/IP通信を直接に行うことが可能とされる。
【0021】
MFP10の構成について説明する。MFP10は、CPU11、ROM12、RAM13、EEPROM14、無線LAN送受信部15、無線LANアンテナ部16、ボタン入力部17、パネル18、プリンタ19、スキャナ20、モデム23、電話回線接続部24、モジュラー24a、DCL(Digital Cordless)送受信部25、DCLアンテナ部26、を主に備えている。これらの構成要素は、入出力ポート22を介して互いに通信可能に接続されている。
【0022】
CPU11は、ROM12等に記憶されるプログラムや、無線LAN送受信部15を介して送受信される各種信号などに従って、各機能の制御を行う。ROM12は、MFP10で実行される制御プログラムなどを格納した書換不能なメモリであり、各種のプログラムが格納されている。RAM13は、書換可能な揮発性のメモリである。EEPROM14は、書換可能な不揮発性のメモリである。
【0023】
EEPROM14には、MFPテーブルTB4および拒否リスト27が記憶されている。図9に、MFPテーブルTB4の一例を示す。MFPテーブルTB4は、使用フラグ340、子機ID番号341、子機ID342、MFP−ID344を記憶する。子機ID番号341は、子機ID342の各々を識別するための連続する番号である。図9の例では、子機ID番号341は「1」〜「8」まで存在する。そして、子機ID番号341の「1」〜「4」の欄までが、デフォルト領域345とされる。また、子機ID番号341の「5」〜「8」の欄までが、拡張領域346とされる。使用フラグ340は、デフォルト領域345と拡張領域346との何れの領域を使用するかを特定するための情報である。子機ID342は、DCL204を用いた通信を行う通信先の子機を特定するための情報である。MFP−ID344は、自機であるMFP10を特定するための情報である。
【0024】
後述する通常モード(MFPシステム2をDCPシステム3へ増設しない状態)の場合には、使用フラグ340が、デフォルト領域345=使用、拡張領域346=不使用、に設定される。これにより、デフォルト領域345の子機ID番号341=「1」〜「4」に記憶されている子機ID342で特定される子機が、DCL回線を用いたMFP10の通信先とされる。また、後述する拡張モード(MFPシステム2をDCPシステム3へ増設した状態)の場合には、使用フラグ340が、デフォルト領域345=不使用、拡張領域346=使用、に設定される。これにより、拡張領域346の子機ID番号341=「5」〜「8」に記憶されている子機ID342で特定される子機が、DCL回線を用いたMFP10の通信先とされる。
【0025】
拒否リスト27は、第2子機60での着信を拒否する発呼者のリストである。例えば、MFP10がナンバーディスプレイを有している場合には、拒否リスト27には、着信を拒否したい相手の電話番号が記憶される。
【0026】
無線LAN送受信部15は、無線LANアンテナ部16を介して、アドホックモードのWLAN202を用いた通信を行う。そして、無線LAN送受信部15により、各種のデータを構成するデータ信号が送受信される。ボタン入力部17は、MFP10の各機能を実行するためのキーである。パネル18は、MFP10の各種機能情報を表示する。プリンタ19は、印刷を実行する部位である。スキャナ20は、読み取りを実行する部位である。
【0027】
モデム23は、ファクシミリ機能によって送信する原稿データを、電話回線47に伝送可能な信号に変調して電話回線接続部24を介して送信したり、電話回線47から電話回線接続部24を介して入力された信号を受信し、原稿データへ復調するものである。
【0028】
MFP10は、無線LANアンテナ部16およびDCLアンテナ部26を備える。これらは、2.4(GHz)帯の同一周波数帯を使用する装置である。無線LAN送受信部15は、アドホックモードのWLAN202を用いた通信を、BOX31との間で行う。これにより、BOX31によって、MFP10と電話回線47との間のデータ信号の中継が行われる。DCL送受信部25は、DCLアンテナ部26を介して、第2子機60とDCL203を用いた音声信号の通信を行う。これにより、第2子機60と、電話回線47との間の音声信号の中継が行われる。
【0029】
データ信号は、通信エラー時に再送可能な信号である。よってデータ信号の通信に用いられるWLAN202では、リアルタイム性が要求されない。一方、音声信号は、通信エラー時に再送することが出来ない信号である。よって音声信号の通信に用いられるDCL203では、リアルタイム性が必要とされる。
【0030】
第2子機60の構成について説明する。第2子機60は、EEPROM61、CPU62、ROM63、ボタン入力部68、パネル69、DCL送受信部65、DCLアンテナ部66、RAM67、入出力ポート64、を主に備えている。EEPROM61には、第2子機テーブルTB2が記憶されている。図10に、第2子機テーブルTB2の一例を示す。第2子機テーブルTB2は、使用フラグ320、親機ID番号321、親機ID322、第2子機ID324を記憶する。図10の例では、親機ID番号321の「1」の欄がデフォルト領域325とされ、親機ID番号321の「2」の欄が拡張領域326とされる。使用フラグ320は、デフォルト領域325と拡張領域326との何れの領域を使用するかを特定するための情報である。親機ID322は、第2子機60の通信先(親機)を特定するための情報である。第2子機ID324は、自機である第2子機60を特定するための情報である。なお、使用フラグ320の設定方法は、MFPテーブルTB4(図9)の使用フラグ340の設定方法と同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。また、第2子機60のその他の構成は、上述したMFP10の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0031】
DCPシステム3の構成について説明する。DCPシステム3は、回線制御装置(以下「BOX」と称す)31と、画像形成装置(以下「DCP」と称す)110と、第1子機60aを備える。BOX31は、電話回線47を使用した通信の制御を行う通信装置である。DCP110は、プリンタ機能、スキャナ機能等を備えているが、外部と通信を行う機能(ファクシミリ機能など)は備えていない。また、DCP110とBOX31とは、WLAN205を用いたTCP/IP通信を直接に行うことが可能とされる。なお、DCP110のその他の構成は、上述したMFP10の構成と同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0032】
BOX31の構成について説明する。BOX31は、CPU32、ROM33、RAM34、EEPROM35、無線LAN送受信部36、無線LANアンテナ部37、ボタン入力部38、パネル39、モデム40、電話回線接続部41、モジュラー41a、DCL送受信部45、DCLアンテナ部46を主に備えている。モデム40は、電話回線接続部41、モジュラー41aおよび電話回線47を介して、電話回線網100に接続されている。DCLアンテナ部46は、第1子機60aとDCL203aを用いた通信を行う。
【0033】
EEPROM35には、BOXテーブルTB3および拒否リスト42が記憶されている。図7に、BOXテーブルTB3の一例を示す。BOXテーブルTB3は、使用フラグ330、子機ID番号331、子機ID332、BOX−ID334を記憶する。子機ID番号331は、子機ID332の各々を識別するための連続する番号である。図7の例では、子機ID番号331の「1」〜「4」の欄までがデフォルト領域335とされ、子機ID番号331の「5」〜「8」の欄までが拡張領域336とされる。使用フラグ330は、デフォルト領域335と拡張領域336との何れの領域を使用するかを特定するための情報である。子機ID332は、DCLアンテナ部26を用いた通信を行う通信先の子機を特定するための情報である。BOX−ID334は、自機であるBOX31を特定するための情報である。なお、使用フラグ330の設定方法は、MFPテーブルTB4(図9)の使用フラグ340の設定方法と同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。また、BOX31のその他の構成は、上述したMFP10の構成と同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0034】
第1子機60aの構成について説明する。第1子機60aは、第1子機テーブルTB1を備えている。図8に、第1子機テーブルTB1の一例を示す。第1子機テーブルTB1は、使用フラグ310、親機ID番号311、親機ID312、第1子機ID314を記憶する。第1子機ID314は、自機である第1子機60aを特定するための情報である。なお、第1子機テーブルTB1のその他のパラメータは、上述した第2子機テーブルTB2の対応するパラメータと同様であるため、説明を省略する。また、第1子機60aのその他の構成は、上述した第2子機60の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0035】
<増設実行時の動作>
例として、DCPシステム3にMFPシステム2を増設することで、通信システム1を形成する場合の動作を説明する。図11を用いて、MFPシステム2の増設前(通常モード)における、MFPシステム2およびDCPシステム3の構成および動作を説明する。DCPシステム3において、BOXテーブルTB3(図7)では、使用フラグ330が、デフォルト領域335=使用、拡張領域336=不使用、に設定されている。また、第1子機テーブルTB1(図8)では、使用フラグ310が、デフォルト領域315=使用、拡張領域316=不使用、に設定される。これにより、BOX31とDCP110とは、WLAN205によってデータ信号の通信が可能とされている。また、BOX31と第1子機60aとは、DCL203aによって音声信号の通信が可能とされている。また、MFPシステム2において、MFPテーブルTB4(図9)では、使用フラグ340が、デフォルト領域345=使用、拡張領域346=不使用、に設定されている。また、第2子機テーブルTB2(図10)では、使用フラグ320が、デフォルト領域325=使用、拡張領域326=不使用、に設定される。これにより、MFP10と第2子機60とは、DCL204によって音声信号の通信が可能とされている。
【0036】
<MFP10の動作>
図11に示すDCPシステム3に、MFPシステム2を増設する場合の動作を、以下に説明する。本実施形態の説明例では、MFP10のモジュラー24aに電話回線47が接続されない場合を説明する。MFP10での動作を、図3および図4のフローを用いて説明する。図3および図4のフローは、MFP10に電源が投入されている期間中に、繰り返し実行されるフローである。S111において、CPU11は、電話回線接続部24が電話回線網100に接続されているか否かを判断する。接続されている場合(S111:YES)にはS145(図4)へ進み、接続されていない場合(S111:NO)にはS112へ進む。S112においてCPU11は、MFPテーブルTB4(図9)において、拡張領域346の使用フラグ340が「使用」とされているか否かを判断する。「使用」である場合(S112:YES)にはS145(図4)へ進み、「不使用」である場合(S112:NO)にはS113へ進む。S113において、CPU11は、MFPシステム2をDCPシステム3に増設するか否か(すなわち、WLAN202を介してMFP10をBOX31へ接続するか否か)の確認メッセージを、パネル18に表示する。
【0037】
S115において、CPU11は、MFP10をBOX31と接続する旨の命令入力を受け付けたか否かを判断する。具体的には、ユーザがボタン入力部17を操作して、接続命令を入力したか否かを判断する。接続命令が入力されない場合(S115:NO)にはS145(図4)へ進み、接続命令が入力された場合(S115:YES)にはS117へ進む。S117において、CPU11は、BOX31のボタン入力部38に備えられている確認ボタンを押下する指示を、パネル18に表示する。S119において、CPU11は、内部タイマを所定時間にセットする。所定時間は任意の時間でよく、例えば10(秒)にセットされてもよい。
【0038】
S121において、CPU11は、BOX31から送信された接続要求を受信したか否かを判断する。なお、接続要求はブロードキャストで送信されるとしてもよい。接続要求を受信していない場合(S121:NO)にはS123へ進み、内部タイマがタイムアウトしたか否かを判断する。タイムアウトしていない場合(S123:NO)にはS121へ戻り、タイムアウトした場合(S123:YES)にはS145(図4)へ進む。一方、S121において、接続要求を受信した場合(S121:YES)には、S125(図4)へ進む。
【0039】
S125において、CPU11は、BOX31へACK信号を送信する。これにより、接続要求を正常に受信した旨、および、接続処理を開始する旨を、BOX31へ報知することができる。S127においてCPU11は、DCL204を介して、接続処理の開始指示を第2子機60へ送信する。
【0040】
S131において、CPU11は、BOX31から送信されるBOX−ID334を受信したか否かを判断する。受信していない場合(S131:NO)にはS131へ戻り待機し、受信した場合(S131:YES)にはS135へ進む。S135においてCPU11は、BOX31から受信したBOX−ID334を、DCL204を介して第2子機60へ送信する。具体的に、CPU11は、MFPテーブルTB4のデフォルト領域345に記憶されている子機ID342およびMFP−ID344を、BOX−ID334とともに、デフォルト領域345に記憶されている子機ID342に対応する子機へ送信する。
【0041】
S137においてCPU11は、DCL204を介して、第2子機60から第2子機ID324を受信したか否かを判断する。受信していない場合(S137:NO)にはS137へ戻り待機し、受信した場合(S137:YES)にはS141へ進む。
【0042】
S141において、CPU11は、MFPテーブルTB4(図9)の使用フラグ340を、デフォルト領域345=不使用、拡張領域346=使用、に切り替える。これにより、第2子機60の通信先がMFP10からBOX31へ変更される。
【0043】
S143においてCPU11は、第2子機60から受信した第2子機ID324を、WLAN202を介して、BOX31へ送信する。S145において、CPU11は、MFP10の各種処理(例:プリンタ19を用いた印刷処理など)を実行する。そしてS111(図3)へ戻る。
【0044】
<BOX31の動作>
BOX31での動作を、図5のフローを用いて説明する。図5のフローは、BOX31に電源が投入されている期間中に、繰り返し実行されるフローである。S211において、CPU32は、ボタン入力部38に備えられている確認ボタンが押下されたか否かを判断する。押下されていない場合(S211:NO)には、S211へ戻り待機する。一方、押下された場合(S211:YES)には、S117においてMFP10のパネル18に表示された押下指示に従って、ユーザが確認ボタンを押下したと判断され、S213へ進む。
【0045】
S213において、CPU32は、MFP10へ接続要求を送信する。なお、接続要求はブロードキャストで送信されるとしてもよい。S215において、CPU32は、MFP10から送信(S125)されたACK信号を受信したか否かを判断する。受信していない場合(S215:NO)には、S215へ戻り待機する。一方、受信した場合(S215:YES)には、MFP10とBOX31との間のWLAN202の通信が確立される。そしてS217へ進む。
【0046】
S217においてCPU32は、WLAN202を介して、MFP10へBOX−ID334を送信する。具体的には、BOXテーブルTB3(図7)に記憶されているBOX−ID334(1234567890)を読み出した上で、送信する。
【0047】
S219においてCPU32は、WLAN202を介して、MFP10から第2子機ID324を受信したか否かを判断する。受信していない場合(S219:NO)にはS219へ戻り待機し、受信した場合(S219:YES)にはS221へ進む。S221において、CPU32は、受信した第2子機ID324を、BOXテーブルTB3の拡張領域336に記憶する。本実施形態の説明例では、図7に示すように、拡張領域336内の子機ID番号331=「6」の欄に、第2子機ID324(2234567891)が記憶される。S222において、CPU32は、拡張領域336に記憶されている子機ID332をRAM34に展開する。これにより、BOX31の通信先として、第2子機60が追加される。
【0048】
S223において、CPU32は、BOXテーブルTB3に記憶されているBOX−ID334と、BOXテーブルTB3の拡張領域336に記憶されている全ての子機ID332を含むビーコンを、BOX31の周囲に位置する子機に対してブロードキャスト送信する。本実施形態の説明例では、ビーコンには、BOX−ID334(1234567890)と、第1子機ID314(1234567891)および第2子機ID324(2234567891)とが含まれている。そしてフローが終了される。
【0049】
<第2子機60の動作>
第2子機60での動作を、図6のフローを用いて説明する。図6のフローは、第2子機60に電源が投入されている期間中に、繰り返し実行されるフローである。S311において、CPU62は、MFP10から送信(S127)された、接続処理の開始指示を受信したか否かを判断する。受信していない場合(S311:NO)にはS311へ戻り待機し、受信した場合(S311:YES)にはS313へ進む。
【0050】
S313においてCPU62は、MFP10から送信(S135)されたBOX−ID334を受信したか否かを判断する。受信していない場合(S313:NO)にはS313へ戻り待機し、受信した場合(S313:YES)にはS316へ進む。なお、S313においてCPU11は、BOX−ID334とともに、MFPテーブルTB4のデフォルト領域345に記憶されている子機ID342およびMFP−ID344を受信する。
【0051】
S316において、CPU62は、受信したBOX−ID334を、第2子機テーブルTB2の拡張領域326に記憶する。本実施形態の説明例では、図10に示すように、拡張領域326内の親機ID番号321=「2」の欄に、BOX−ID334(1234567890)が記憶される。
【0052】
S317においてCPU62は、DCL204を介して、MFP10へ第2子機ID324を送信する。具体的には、第2子機テーブルTB2(図10)に記憶されている第2子機ID324(2234567891)を読み出した上で、送信する。
【0053】
S319において、CPU62は、第2子機テーブルTB2(図10)の使用フラグ320を、デフォルト領域325=不使用、拡張領域326=使用、に切り替える。S321において、CPU62は、拡張領域326に記憶されている親機ID322を、RAM67に展開する。これにより、BOX−IDがRAM67に展開され、第2子機60の通信先がMFP10からBOX31へ変更される。すわなち、MFP10と第2子機60との親子関係が解消され、新たにBOX31と第2子機60との親子関係が構築される。
【0054】
S323においてCPU62は、BOX31から送信(S223)されるビーコン信号を受信したか否かを判断する。受信していない場合(S323:NO)にはS323へ戻り、受信した場合(S323:YES)にはS327へ進む。S327において、CPU62は、ビーコン信号にBOX−ID334と第2子機ID324が含まれているか否かを判断する。具体的には、第2子機60のCPU62は、周りを飛び交っている電波を常に受信する。そして、第2子機60と同じプロトコルの電波(ビーコン)を受信することで、ビーコンの送信元(親機)のIDと、親機の通信先として登録されている子機のIDを取得することができる。CPU62は、取得した親機のIDが、第2子機テーブルTB2(図10)の拡張領域326に記憶されている親機ID322と一致するかを判断する。また、取得した子機のIDが、自機のID(すなわち第2子機テーブルTB2の第2子機ID324)と一致するかを判断する。ビーコン信号にBOX−ID334と第2子機ID324が含まれていない場合(S327:NO)にはS323へ戻り、含まれている場合(S327:YES)にはS329へ進む。
【0055】
S329において、CPU62は、BOX31とDCL203回線の接続中である旨をRAM67に記憶する。これにより、第2子機60にリンクが張られた状態であることが記憶される。以降においては、ビーコンに含まれているホッピング情報(次に行くチャンネルに関する情報)に従ってホッピング動作を行うことで、リンクが維持される。これにより、第2子機60は、ビーコンの出力元であるBOX31の子機として動作する。この処理により、BOX31(親)と第2子機60(子)との親子関係が構築される。そしてフローが終了される。
【0056】
図12を用いて、MFPシステム2の増設後(増設モード)における、通信システム1の構成および動作を説明する。図12に示すように、BOX31とMFP10とは、WLAN202によってデータ信号の通信が可能とされている。また、BOX31と第2子機60とは、DCL203によって音声信号の通信が可能とされている。
【0057】
図12に示す通信システム1では、BOX31およびMFP10を備えることによって、物理的に分離した構成とされる。例えば、通信システム1でファクシミリ機能を実行する場合には、MFP10のスキャナ20で生成されたFAXデータが、BOX31を介して電話回線網100へ送信される。また、BOX31が電話回線網100から受信したFAXデータが、MFP10へ転送され、プリンタ19で印刷される。また、通信システム1で電話機能を実行する場合には、第2子機60または第1子機60aと電話回線網100との間の音声データの送受信が、BOX31を介して行なわれる。これにより、電話回線47のモジュラー部にMFP10を直接に接続する必要がないため、MFP10の配置場所のレイアウト性を高めることができ、ユーザの利便性を高めることができる。また第2子機60では、DCL203を用いて、BOX31と直接に音声データの通信を行うことができる。よって、MFP10を経由したWLAN202によって、BOX31と音声データを通信することがないため、音声データのリアルタイム性を確保することが可能となる。
【0058】
<増設解除時の動作>
次に、DCPシステム3にMFPシステム2が増設されている通信システム1から、MFPシステム2を取り外す場合の動作を説明する。例として、図12に示す増設モードの状態から、図11に示す通常モードへ移行する場合の動作を説明する。
【0059】
<MFP10の動作>
MFP10での動作を、図13のフローを用いて説明する。S411において、CPU11は、MFP10が電話回線網100またはIP電話網(例:スカイプ(登録商標))に接続されているか否かを判断する。接続されていない場合(S411:NO)にはS411へ戻り待機し、接続されている場合(S411:YES)にはS413へ進む。S413においてCPU11は、WLAN202を介して、通常モードへの復帰指示をBOX31へ送信する。
【0060】
S415において、CPU11は、MFP10との間でDCLを用いた通信を復帰させる対象の子機が存在するか否かを判断する。具体的には、BOX31から、復帰対象の子機が存在する旨の報知(S517)を受信したか否かによって判断する。復帰対象の子機が存在しない場合(S415:NO)にはフローを終了し、存在する場合(S415:YES)にはS417へ進む。S417において、CPU11は、MFPテーブルTB4(図9)の使用フラグ340を、デフォルト領域345=使用、拡張領域346=不使用、に切り替える。S419において、CPU11は、MFPテーブルTB4のデフォルト領域345に記憶されている子機ID342を、RAM13に展開する。これにより、第2子機IDがRAM13に展開され、第2子機60の通信先がBOX31からMFP10へ変更される。すわなち、BOX31と第2子機60との親子関係が解消され、MFP10と第2子機60との親子関係が復活する。
【0061】
S421において、CPU11は、MFPテーブルTB4に記憶されているMFP−ID344と、MFPテーブルTB4のデフォルト領域345に記憶されている全ての子機ID342を含むビーコンを、MFP10の周囲に位置する子機に対して、ブロードキャスト送信する。そしてフローが終了される。
【0062】
<BOX31の動作>
BOX31での動作を、図14のフローを用いて説明する。S511において、CPU32は、MFP10から送信された復帰指示を受信したか否かを判断する。受信していない場合(S511:NO)にはS511へ戻り待機し、受信した場合(S511:YES)にはS513へ進む。S513において、CPU32は、BOXテーブルTB3の拡張領域336に第2子機IDが記憶されているか否かを判断する。具体的には、BOXテーブルTB3の拡張領域336に記憶されている子機ID332のうち、デフォルト領域335に記憶されている子機ID332(第1子機ID)と異なる子機ID332(第2子機ID)が記憶されているか否かを判断する。記憶されていない場合(S513:NO)にはS515へ進み、復帰対象の子機が存在しない旨をMFP10へ送信する。そしてフローを終了する。一方、記憶されている場合(S513:YES)にはS517へ進み、復帰対象の子機が存在する旨をMFP10へ送信する。
【0063】
S519においてCPU32は、DCL203を介して、第2子機60へ変更指示を送信する。変更指示は、第2子機60の通信先をBOX31からMFP10へ変更する旨の指示である。S521において、CPU32は、BOXテーブルTB3(図7)の使用フラグ330を、デフォルト領域325=使用、拡張領域326=不使用、に切り替える。そして、CPU32は、BOXテーブルTB3(図7)のデフォルト領域325に記憶されている子機ID332(第1子機ID)をRAM34に展開する。これにより、BOXテーブルTB3の拡張領域が初期化される。そしてフローを終了する。
【0064】
<第2子機60の動作>
第2子機60での動作を、図15のフローを用いて説明する。S611においてCPU62は、BOX31から送信(S519)された変更指示を、受信したか否かを判断する。受信していない場合(S611:NO)にはS611へ戻り待機し、受信した場合(S611:YES)にはS613へ進む。S613において、CPU62は、第2子機テーブルTB2(図10)の使用フラグ320を、デフォルト領域325=使用、拡張領域326=不使用、に切り替える。S615においてCPU62は、デフォルト領域325に記憶されている親機ID322を、RAM67に展開する。これにより、MFP−IDがRAM67に展開され、第2子機60の通信先がBOX31からMFP10へ変更される。
【0065】
S617において、CPU62は、MFP10から送信(S421)されるビーコン信号を受信したか否かを判断する。受信していない場合(S617:NO)にはS617へ戻り、受信した場合(S617:YES)にはS621へ進む。S621において、CPU62は、ビーコン信号にMFP−ID344と第2子機ID324が含まれているか否かを判断する。両IDが含まれていない場合(S621:NO)にはS617へ戻り、含まれている場合(S621:YES)にはS623へ進む。S623において、CPU62は、MFP10とDCL204回線の接続中である旨をRAM67に記憶する。これにより、MFP10(親)と第2子機60(子)との親子関係が構築される。そしてフローが終了される。
【0066】
<効果>
以上説明した、本実施形態の説明例に係る効果を説明する。本願では、MFP10によって、第2子機IDをBOX31へ送信することができる。また、MFP10によって、BOX−IDを第2子機60へ送信することができる。すなわち、MFP10を介して、BOX31と第2子機60との間でIDを交換することができる。これにより、交換したIDを用いて、BOX31と第2子機60との間のDCLを用いた通信を確立することができる。以上より、BOX31と第2子機60との間で通信を行うために互いのIDを登録する登録処理を、容易に実行することが可能となる。
【0067】
また本願では、MFPシステム2をDCPシステム3と無線回線通信可能に接続する命令を受け付けることに応じて(S115)、BOX31と第2子機60との間で通信を行うための登録処理を実行することができる。よって、MFPシステム2をDCPシステム3に増設する処理を実行する際に、第2子機60とBOX31との間の通信を自動で確立することが可能となる。
【0068】
また本願の第1子機テーブルTB1、第2子機テーブルTB2、BOXテーブルTB3、MFPテーブルTB4では、デフォルト領域と拡張領域とに、通信先を特定するためのIDを記憶させることができる。そして、通常モードではデフォルト領域に記憶されているIDで特定される機器を通信先に設定し、増設モードでは拡張領域に記憶されているIDで特定される機器を通信先に設定することができる。これにより、通常モードと増設モードとが切り替えられる場合においても、通信先を適切に識別することが可能となる。
【0069】
また本願では、MFP10がBOX31とは異なる通信先に接続されている場合に(S411:Y)、通信先をMFP10に復帰させる対象の第2子機60が存在すると判断されることに応じて(S415:Y)、MFP10と第2子機60との間の通信を復帰させることができる。よって、第2子機60がMFP10を介して外部と通信することが可能となった場合には、第2子機60とMFP10との間の通信を自動で復帰させることが可能となる。
【0070】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0071】
<変形例>
第1子機テーブルTB1ないしMFPテーブルTB4の記憶内容は、本実施形態の例に限定されない。例えば、第1子機テーブルTB1ないしMFPテーブルTB4の各々が、デフォルト領域のみを有しているとしてもよい。この場合、通常モード時の通信先機器を識別するためのIDを消去した上で、増設モードでの通信先機器を識別するIDを記憶させることにより、通常モードから増設モードへ移行することができる。そして、拡張領域を不要とすることができるため、第1子機テーブルTB1ないしMFPテーブルTB4の記憶容量を小さくすることが可能となる。なお、この場合、通常モード時での通信先を識別するIDが消去されてしまうため、増設モードから通常モードへ戻す際には、通常モードでの通信先を再度設定する必要が生じることになる。
【0072】
本実施形態では、DCPシステム3にMFPシステム2を増設する場合を説明したが、この形態に限られない。例えば、DCPシステム3内のDCP110の代わりにMFPシステム2を置換する場合についても、本願の技術を適用することが可能である。
【0073】
また、DCPシステム3にMFPシステム2が増設されている通信システム1(図12)から、MFPシステム2を取り外した(図11)後、MFP10における電話回線網100又はIP電話網への接続が切断された際に、再度、MFPシステム2がDCPシステム3に増設される場合についても、本願の技術を適用することが可能である。
【0074】
また、増設時や増設解除時において、MFP10とBOX31との間で通信される情報は、本実施形態で説明した各種情報に限られない。例えば、拒否リスト27や42の登録内容を通信するとしてもよい。この場合、DCPシステム3にMFPシステム2を増設する場合には、WLAN202を用いた通信の確立後の何れかの段階において、MFP10に記憶されている拒否リスト27の登録内容をBOX31へ送信し、BOX31の拒否リスト42へ記憶させても良い。これにより、MFP10が備えている情報をBOX31へミラーリングすることが可能となるため、BOX31において着信拒否動作を実行することが可能となる。
【0075】
本実施形態では、図4において、MFP10は、BOX31からBOX−ID334を受信した(S131)後に、BOX31へ第2子機ID324を送信していた(S143)が、BOX31へ第2子機ID324を送信した後に、BOX31からBOX−ID334を受信してもよい。
【0076】
S137(図4)において、MFP10が第2子機ID324を取得する方法は、第2子機60から受信する方法に限られない。例えば、MFPテーブルTB4(図9)に記憶されている第2子機ID324を読み出すことで取得してもよい。この場合、図4のフローにおいて、S137のステップを省略することも可能である。
【0077】
本実施形態では、BOXテーブルTB3(図7)の拡張領域336には、第1子機ID及び第2子機IDが記憶されていた。しかしながら、拡張領域336には、第2子機IDのみを記憶してもよい。係る場合、デフォルト領域335の使用フラグ330は常に「使用」と設定され、拡張領域336の使用フラグは、MFPシステム2において「使用」、DCPシステム3において「不使用」と設定される。また、係る場合、S513(図14)において、CPU32は、BOXテーブルTB3(図7)の拡張領域336に子機ID332が記憶されているか否かを判断すればよい。
【0078】
また、BOXテーブルTB3(図7)の拡張領域336に記憶される第1子機ID及び第2子機IDの各々に対して、使用フラグ(使用/不使用)が設定されていてもよい。
【0079】
S415(図13)において、MFP10との間で通信を復帰させる対象の子機が存在するか否かを判断する方法は、BOX31から報知を受ける方法に限られない。例えば、MFPテーブルTB4(図9)のデフォルト領域345に第2子機IDが記憶されているか否かによって、当該判断を実行してもよい。この場合、図14のフローにおいて、S513〜S517のステップを省略することも可能である。
【0080】
BOXテーブルTB3(図7)では、子機ID番号331の欄が「1」〜「8」の8個設けられる場合を説明したが、8個に限定されるものではない。ここで、デフォルト領域335には、少なくともBOX31に増設可能な第1子機の数だけ子機ID番号331の欄を設け、拡張領域336には、BOX31に増設可能な第1子機及び第2子機の数だけ子機ID番号331の欄を設けるのが好適である。これにより、BOX31に増設可能な最大数の第1子機及び第2子機が増設された場合であっても、BOXテーブルTB3に全ての子機IDを記憶することができる。
【0081】
本実施形態では、WLAN202がアドホックモードである場合を例として説明したが、この形態に限られない。WLAN202は他のモード(例:インフラストラクチャーモード)であってもよい。
【0082】
請求項に記載の「多機能通信装置」の一例として、本実施形態ではMFP10を説明したが、この態様に限られない。「多機能通信装置」は、WLAN通信およびDCL通信が可能な装置であればよく、様々な装置(例:PC(Personal Computer))であってよい。
【0083】
なお、MFP10は多機能通信装置の一例である。BOX31は中継装置の一例である。第2子機60は無線通信端末の一例である。第1子機60aは第1の無線通信端末の一例である。第2子機60は第2の無線通信端末の一例である。MFP10および第2子機60は通信装置の一例である。MFP−IDは多機能通信装置の登録情報の一例である。第2子機IDは無線通信端末の登録情報の一例である。BOX−IDは中継装置の登録情報の一例である。EEPROM14は第1記憶部の一例である。EEPROM61は第2記憶部の一例である。EEPROM35は第3記憶部の一例である。ビーコンは信号の一例である。
【0084】
また、S121を実行するCPUは第1判断手段の一例である。S143を実行するCPUは第1送信手段の一例である。S141を実行するCPUは第1記憶制御手段の一例である。S131を実行するCPUは第1受信手段の一例である。S135を実行するCPUは第2送信手段の一例である。S313を実行するCPUは第2受信手段の一例である。S316を実行するCPUは第2記憶制御手段の一例である。S327を実行するCPUは第2判断手段の一例である。S323を実行するCPUは第3受信手段の一例である。S329を実行するCPUは第3記憶制御手段の一例である。S317を実行するCPUは第3送信手段の一例である。S411を実行するCPUは第3判断手段の一例である。S415を実行するCPUは第4判断手段の一例である。S417を実行するCPUは第4記憶制御手段の一例である。S217を実行するCPUは第4送信手段の一例である。S219を実行するCPUは第4受信手段の一例である。S221を実行するCPUは第5記憶制御手段の一例である。S223を実行するCPUは第5送信手段の一例である。S513を実行するCPUは第5判断手段の一例である。S511を実行するCPUは復帰指示受信手段の一例である。S519を実行するCPUは変更指示送信手段の一例である。S137を実行するCPUは取得手段の一例である。S413を実行するCPUは復帰指示送信手段の一例である。S421を実行するCPUは信号送信手段の一例である。S611を実行するCPUは変更指示受信手段の一例である。
【符号の説明】
【0085】
1:通信システム、10:MFP、18:パネル、11および32および62:CPU、14および35および61:EEPROM、31:BOX、47:電話回線、60:第2子機、60a:第1子機
【技術分野】
【0001】
本願は、無線通信端末の通信を容易に確立することが可能な通信装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、公衆回線網に接続され他のファクシミリ装置との通信を担う中継通信装置と、画像の入出力を担う画像処理装置とを、電源を投入するだけで無線接続することが可能な画像伝送システムが記載されている。また近年、電話機能を搭載した画像処理装置が用いられている。このような画像処理装置は、無線回線によりコードレス子機と接続されている。そして、コードレス子機を用いて音声通話が可能に構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−239450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなコードレス子機を備えた画像処理装置に特許文献1の技術を適用した場合、電源を投入するだけで、画像処理装置と中継通信装置との間の無線接続が確立される。しかし、コードレス子機と中継通信装置との間の無線接続を確立する技術については、特許文献1に開示がない。この場合、画像処理装置に備えられているコードレス子機を使用可能にするために、コードレス子機と中継通信装置との間で、互いの登録情報を登録する処理などを実行する必要が生じる。すると、登録作業に時間や手間がかかるという問題があった。本明細書では、このような不便性を解消することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の通信装置は、公衆回線網に接続された中継装置と無線通信可能に接続される多機能通信装置と、該多機能通信装置に無線回線にて接続され、該多機能通信装置との間で無線回線通信を行う1以上の無線通信端末と、を備える通信装置であって、多機能通信装置は、多機能通信装置の登録情報及び無線通信端末の登録情報を記憶する第1記憶部と、多機能通信装置が中継装置と無線接続されたか否かを判断する第1判断手段と、第1判断手段で中継装置と無線接続されたと判断された場合、無線通信端末の登録情報を取得する取得手段と、取得手段により取得した無線通信端末の登録情報を中継装置へ送信する第1送信手段と、中継装置の登録情報を受信する第1受信手段と、第1受信手段により受信した中継装置の登録情報を、第1記憶部に記憶されている多機能通信装置の登録情報とともに、無線通信端末へ送信する第2送信手段と、を備える。無線通信端末は、多機能通信装置の登録情報及び無線通信端末の登録情報を記憶する第2記憶部と、中継装置の登録情報を多機能通信装置から受信する第2受信手段と、第2受信手段により受信した中継装置の登録情報を第2記憶部に記憶する第2記憶制御手段と、無線回線を介して中継装置から所定の信号を受信する第3受信手段と、第3受信手段により受信した信号に、第2記憶部に記憶されている中継装置の登録情報及び無線通信端末の登録情報が含まれているかを判断する第2判断手段と、第2判断手段により第2記憶部に記憶されている中継装置の登録情報及び無線通信端末の登録情報が信号に含まれていると判断された場合に、無線通信端末と中継装置とが無線回線通信可能に接続された旨の情報を記憶する第3記憶制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
本願の通信装置では、多機能通信装置の第1送信手段によって、無線通信端末の登録情報を中継装置へ送信することができる。また、多機能通信装置の第2送信手段によって、中継装置の登録情報を無線通信端末へ送信することができる。すなわち、多機能通信装置を介して、中継装置と無線通信端末との間で、登録情報を交換することができる。これにより、交換した登録情報を用いて、中継装置と無線通信端末との間の通信を確立することができる。以上より、中継装置と無線通信端末との間で通信を行うために互いの登録情報を登録する登録処理を、容易に実行することが可能となる。
【0007】
また、請求項2の通信装置では、通信装置を中継装置と無線回線通信可能に接続する接続処理を実行する旨を受け付けることに応じて、中継装置と無線通信端末との間で通信を行うための登録処理を実行する。よって、通信装置を中継装置に接続する処理を実行する際に、無線通信端末と中継装置との間の通信を自動で確立することが可能となる。
【0008】
また、請求項3の通信装置では、中継装置の登録情報と、多機能通信装置の登録情報及び無線端末装置の登録情報とが第2記憶部に記憶されており、無線通信端末の登録情報が多機能通信装置へ送信されたことを条件として、無線通信端末の通信先を示す第2通信先情報を中継装置に設定する。これにより、無線端末装置に中継装置の登録情報及び多機能通信装置の登録情報が記憶されている場合であっても、無線通信端末の通信先が中継装置であることを、無線通信端末において、容易に認識することが可能となる。
【0009】
また、請求項4の通信装置では、無線通信端末の登録情報が中継装置へ送信されたことを条件として、無線回線通信による無線通信端末の通信先を示す第1通信先情報の内容を中継装置に設定する。これにより、無線通信端末の通信先が中継装置であることを、多機能通信装置において、容易に認識することが可能となる。
【0010】
また、請求項5の通信装置では、多機能通信装置が中継装置とは異なる通信先に接続されている場合に、通信先を多機能通信装置に復帰させる対象の無線通信端末が存在すると判断されることに応じて、多機能通信装置と無線通信端末との間の通信を復帰させる。よって、無線通信端末が多機能通信装置を介して外部と通信することが可能となった場合には、無線通信端末と多機能通信装置との間の通信を自動で復帰させることが可能となる。
【0011】
また、請求項6の通信装置では、多機能通信装置の登録情報及び無線通信端末の登録情報を含む信号(例:ビーコン信号)を多機能通信装置から受信することで、多機能通信装置と無線通信端末との通信を確立することが可能となる。
【0012】
また、請求項7の通信装置では、通信先を多機能通信装置に復帰させる対象の無線通信端末が存在すると判断されることに応じて、第1通信先情報の内容を多機能通信装置に復帰させる。これにより、無線通信端末の通信先が多機能通信装置に復帰したことを、多機能通信装置において、容易に認識することが可能となる。
【0013】
また、請求項8の通信装置では、無線通信端末の通信先が多機能通信装置に設定されることに応じて、第2通信先情報の内容を多機能通信装置に復帰させる。これにより、無線通信端末の通信先が多機能通信装置に復帰したことを、無線通信端末において、容易に認識することが可能となる。
【0014】
また、請求項9の中継装置では、第5送信手段によって、中継装置の登録情報を含む信号を、1以上の無線通信端末へ送信することができる。これにより、中継装置と無線通信端末との間の通信を確立することができる。よって、中継装置と無線通信端末との間で通信を行うための登録処理を、容易に実行することが可能となる。
【0015】
また、請求項10の中継装置では、通信装置を中継装置と無線回線通信可能に接続する接続処理の開始指示を受信することに応じて、中継装置と無線通信端末との間で通信を行うための登録処理を実行する。よって、通信装置を中継装置に接続する処理を実行する際に、無線通信端末と中継装置との間の通信を自動で確立することが可能となる。
【0016】
また、請求項11の中継装置では、第4受信手段により受信した無線通信端末の登録情報とそれ以外の無線通信端末の登録情報とを、選択可能に第3記憶部に記憶させることができる。これにより、例えば、第4受信手段により受信した無線通信端末の登録情報を第3記憶部に記憶する際に、それ以外の無線通信端末の登録情報が削除されてしまうことが防止できる。よって、多機能通信装置が中継装置に接続されている状態と、多機能通信装置が中継装置とは異なる通信先に接続されている状態とが切り替えられる場合においても、中継装置と接続される無線通信端末を適切に識別することが可能となる。
【0017】
また、請求項12の中継装置では、第4受信手段により受信した無線通信端末の登録情報に対応する無線通信端末の通信先を多機能通信装置に復帰させる復帰処理を実行する旨の復帰指示を受信した場合において、復帰処理の対象となる無線通信端末が存在する場合には、多機能通信装置と復帰対象の無線通信端末との間の通信を復帰させる。よって、復帰対象の無線通信端末が多機能通信装置を介して外部と通信することが可能となった場合には、復帰対象の無線通信端末と多機能通信装置との間の通信を自動で復帰させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】通信システムのブロック図である。
【図2】通信システムのブロック図である。
【図3】MFPの動作フロー図である。
【図4】MFPの動作フロー図である。
【図5】BOXの動作フロー図である。
【図6】第2子機の動作フロー図である。
【図7】BOXテーブルの一例を示す図である。
【図8】第1子機テーブルの一例を示す図である。
【図9】MFPテーブルの一例を示す図である。
【図10】第2子機テーブルの一例を示す図である。
【図11】MFPシステムおよびDCPシステムのブロック図である。
【図12】通信システムのブロック図である。
【図13】MFPの動作フロー図である。
【図14】BOXの動作フロー図である。
【図15】第2子機の動作フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1および図2に、本願に係る実施例として例示される通信システム1のブロック図を示す。図1はMFPシステム2を示しており、図2はDCPシステム3を示している。図1および図2によって、通信システム1が示されている。通信システム1は、MFPシステム2とDCPシステム3とを備えている。
【0020】
MFPシステム2の構成について説明する。MFPシステム2は、多機能周辺装置(以下「MFP」と称す)10と、第2子機60を備える。MFP10は、ファクシミリ機能、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能、などを備える。また、MFP10とBOX31とは、アドホックモードの無線LAN接続方式(以下「WLAN」と称す)により、WLAN202を用いたTCP/IP通信を直接に行うことが可能とされる。
【0021】
MFP10の構成について説明する。MFP10は、CPU11、ROM12、RAM13、EEPROM14、無線LAN送受信部15、無線LANアンテナ部16、ボタン入力部17、パネル18、プリンタ19、スキャナ20、モデム23、電話回線接続部24、モジュラー24a、DCL(Digital Cordless)送受信部25、DCLアンテナ部26、を主に備えている。これらの構成要素は、入出力ポート22を介して互いに通信可能に接続されている。
【0022】
CPU11は、ROM12等に記憶されるプログラムや、無線LAN送受信部15を介して送受信される各種信号などに従って、各機能の制御を行う。ROM12は、MFP10で実行される制御プログラムなどを格納した書換不能なメモリであり、各種のプログラムが格納されている。RAM13は、書換可能な揮発性のメモリである。EEPROM14は、書換可能な不揮発性のメモリである。
【0023】
EEPROM14には、MFPテーブルTB4および拒否リスト27が記憶されている。図9に、MFPテーブルTB4の一例を示す。MFPテーブルTB4は、使用フラグ340、子機ID番号341、子機ID342、MFP−ID344を記憶する。子機ID番号341は、子機ID342の各々を識別するための連続する番号である。図9の例では、子機ID番号341は「1」〜「8」まで存在する。そして、子機ID番号341の「1」〜「4」の欄までが、デフォルト領域345とされる。また、子機ID番号341の「5」〜「8」の欄までが、拡張領域346とされる。使用フラグ340は、デフォルト領域345と拡張領域346との何れの領域を使用するかを特定するための情報である。子機ID342は、DCL204を用いた通信を行う通信先の子機を特定するための情報である。MFP−ID344は、自機であるMFP10を特定するための情報である。
【0024】
後述する通常モード(MFPシステム2をDCPシステム3へ増設しない状態)の場合には、使用フラグ340が、デフォルト領域345=使用、拡張領域346=不使用、に設定される。これにより、デフォルト領域345の子機ID番号341=「1」〜「4」に記憶されている子機ID342で特定される子機が、DCL回線を用いたMFP10の通信先とされる。また、後述する拡張モード(MFPシステム2をDCPシステム3へ増設した状態)の場合には、使用フラグ340が、デフォルト領域345=不使用、拡張領域346=使用、に設定される。これにより、拡張領域346の子機ID番号341=「5」〜「8」に記憶されている子機ID342で特定される子機が、DCL回線を用いたMFP10の通信先とされる。
【0025】
拒否リスト27は、第2子機60での着信を拒否する発呼者のリストである。例えば、MFP10がナンバーディスプレイを有している場合には、拒否リスト27には、着信を拒否したい相手の電話番号が記憶される。
【0026】
無線LAN送受信部15は、無線LANアンテナ部16を介して、アドホックモードのWLAN202を用いた通信を行う。そして、無線LAN送受信部15により、各種のデータを構成するデータ信号が送受信される。ボタン入力部17は、MFP10の各機能を実行するためのキーである。パネル18は、MFP10の各種機能情報を表示する。プリンタ19は、印刷を実行する部位である。スキャナ20は、読み取りを実行する部位である。
【0027】
モデム23は、ファクシミリ機能によって送信する原稿データを、電話回線47に伝送可能な信号に変調して電話回線接続部24を介して送信したり、電話回線47から電話回線接続部24を介して入力された信号を受信し、原稿データへ復調するものである。
【0028】
MFP10は、無線LANアンテナ部16およびDCLアンテナ部26を備える。これらは、2.4(GHz)帯の同一周波数帯を使用する装置である。無線LAN送受信部15は、アドホックモードのWLAN202を用いた通信を、BOX31との間で行う。これにより、BOX31によって、MFP10と電話回線47との間のデータ信号の中継が行われる。DCL送受信部25は、DCLアンテナ部26を介して、第2子機60とDCL203を用いた音声信号の通信を行う。これにより、第2子機60と、電話回線47との間の音声信号の中継が行われる。
【0029】
データ信号は、通信エラー時に再送可能な信号である。よってデータ信号の通信に用いられるWLAN202では、リアルタイム性が要求されない。一方、音声信号は、通信エラー時に再送することが出来ない信号である。よって音声信号の通信に用いられるDCL203では、リアルタイム性が必要とされる。
【0030】
第2子機60の構成について説明する。第2子機60は、EEPROM61、CPU62、ROM63、ボタン入力部68、パネル69、DCL送受信部65、DCLアンテナ部66、RAM67、入出力ポート64、を主に備えている。EEPROM61には、第2子機テーブルTB2が記憶されている。図10に、第2子機テーブルTB2の一例を示す。第2子機テーブルTB2は、使用フラグ320、親機ID番号321、親機ID322、第2子機ID324を記憶する。図10の例では、親機ID番号321の「1」の欄がデフォルト領域325とされ、親機ID番号321の「2」の欄が拡張領域326とされる。使用フラグ320は、デフォルト領域325と拡張領域326との何れの領域を使用するかを特定するための情報である。親機ID322は、第2子機60の通信先(親機)を特定するための情報である。第2子機ID324は、自機である第2子機60を特定するための情報である。なお、使用フラグ320の設定方法は、MFPテーブルTB4(図9)の使用フラグ340の設定方法と同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。また、第2子機60のその他の構成は、上述したMFP10の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0031】
DCPシステム3の構成について説明する。DCPシステム3は、回線制御装置(以下「BOX」と称す)31と、画像形成装置(以下「DCP」と称す)110と、第1子機60aを備える。BOX31は、電話回線47を使用した通信の制御を行う通信装置である。DCP110は、プリンタ機能、スキャナ機能等を備えているが、外部と通信を行う機能(ファクシミリ機能など)は備えていない。また、DCP110とBOX31とは、WLAN205を用いたTCP/IP通信を直接に行うことが可能とされる。なお、DCP110のその他の構成は、上述したMFP10の構成と同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0032】
BOX31の構成について説明する。BOX31は、CPU32、ROM33、RAM34、EEPROM35、無線LAN送受信部36、無線LANアンテナ部37、ボタン入力部38、パネル39、モデム40、電話回線接続部41、モジュラー41a、DCL送受信部45、DCLアンテナ部46を主に備えている。モデム40は、電話回線接続部41、モジュラー41aおよび電話回線47を介して、電話回線網100に接続されている。DCLアンテナ部46は、第1子機60aとDCL203aを用いた通信を行う。
【0033】
EEPROM35には、BOXテーブルTB3および拒否リスト42が記憶されている。図7に、BOXテーブルTB3の一例を示す。BOXテーブルTB3は、使用フラグ330、子機ID番号331、子機ID332、BOX−ID334を記憶する。子機ID番号331は、子機ID332の各々を識別するための連続する番号である。図7の例では、子機ID番号331の「1」〜「4」の欄までがデフォルト領域335とされ、子機ID番号331の「5」〜「8」の欄までが拡張領域336とされる。使用フラグ330は、デフォルト領域335と拡張領域336との何れの領域を使用するかを特定するための情報である。子機ID332は、DCLアンテナ部26を用いた通信を行う通信先の子機を特定するための情報である。BOX−ID334は、自機であるBOX31を特定するための情報である。なお、使用フラグ330の設定方法は、MFPテーブルTB4(図9)の使用フラグ340の設定方法と同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。また、BOX31のその他の構成は、上述したMFP10の構成と同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0034】
第1子機60aの構成について説明する。第1子機60aは、第1子機テーブルTB1を備えている。図8に、第1子機テーブルTB1の一例を示す。第1子機テーブルTB1は、使用フラグ310、親機ID番号311、親機ID312、第1子機ID314を記憶する。第1子機ID314は、自機である第1子機60aを特定するための情報である。なお、第1子機テーブルTB1のその他のパラメータは、上述した第2子機テーブルTB2の対応するパラメータと同様であるため、説明を省略する。また、第1子機60aのその他の構成は、上述した第2子機60の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0035】
<増設実行時の動作>
例として、DCPシステム3にMFPシステム2を増設することで、通信システム1を形成する場合の動作を説明する。図11を用いて、MFPシステム2の増設前(通常モード)における、MFPシステム2およびDCPシステム3の構成および動作を説明する。DCPシステム3において、BOXテーブルTB3(図7)では、使用フラグ330が、デフォルト領域335=使用、拡張領域336=不使用、に設定されている。また、第1子機テーブルTB1(図8)では、使用フラグ310が、デフォルト領域315=使用、拡張領域316=不使用、に設定される。これにより、BOX31とDCP110とは、WLAN205によってデータ信号の通信が可能とされている。また、BOX31と第1子機60aとは、DCL203aによって音声信号の通信が可能とされている。また、MFPシステム2において、MFPテーブルTB4(図9)では、使用フラグ340が、デフォルト領域345=使用、拡張領域346=不使用、に設定されている。また、第2子機テーブルTB2(図10)では、使用フラグ320が、デフォルト領域325=使用、拡張領域326=不使用、に設定される。これにより、MFP10と第2子機60とは、DCL204によって音声信号の通信が可能とされている。
【0036】
<MFP10の動作>
図11に示すDCPシステム3に、MFPシステム2を増設する場合の動作を、以下に説明する。本実施形態の説明例では、MFP10のモジュラー24aに電話回線47が接続されない場合を説明する。MFP10での動作を、図3および図4のフローを用いて説明する。図3および図4のフローは、MFP10に電源が投入されている期間中に、繰り返し実行されるフローである。S111において、CPU11は、電話回線接続部24が電話回線網100に接続されているか否かを判断する。接続されている場合(S111:YES)にはS145(図4)へ進み、接続されていない場合(S111:NO)にはS112へ進む。S112においてCPU11は、MFPテーブルTB4(図9)において、拡張領域346の使用フラグ340が「使用」とされているか否かを判断する。「使用」である場合(S112:YES)にはS145(図4)へ進み、「不使用」である場合(S112:NO)にはS113へ進む。S113において、CPU11は、MFPシステム2をDCPシステム3に増設するか否か(すなわち、WLAN202を介してMFP10をBOX31へ接続するか否か)の確認メッセージを、パネル18に表示する。
【0037】
S115において、CPU11は、MFP10をBOX31と接続する旨の命令入力を受け付けたか否かを判断する。具体的には、ユーザがボタン入力部17を操作して、接続命令を入力したか否かを判断する。接続命令が入力されない場合(S115:NO)にはS145(図4)へ進み、接続命令が入力された場合(S115:YES)にはS117へ進む。S117において、CPU11は、BOX31のボタン入力部38に備えられている確認ボタンを押下する指示を、パネル18に表示する。S119において、CPU11は、内部タイマを所定時間にセットする。所定時間は任意の時間でよく、例えば10(秒)にセットされてもよい。
【0038】
S121において、CPU11は、BOX31から送信された接続要求を受信したか否かを判断する。なお、接続要求はブロードキャストで送信されるとしてもよい。接続要求を受信していない場合(S121:NO)にはS123へ進み、内部タイマがタイムアウトしたか否かを判断する。タイムアウトしていない場合(S123:NO)にはS121へ戻り、タイムアウトした場合(S123:YES)にはS145(図4)へ進む。一方、S121において、接続要求を受信した場合(S121:YES)には、S125(図4)へ進む。
【0039】
S125において、CPU11は、BOX31へACK信号を送信する。これにより、接続要求を正常に受信した旨、および、接続処理を開始する旨を、BOX31へ報知することができる。S127においてCPU11は、DCL204を介して、接続処理の開始指示を第2子機60へ送信する。
【0040】
S131において、CPU11は、BOX31から送信されるBOX−ID334を受信したか否かを判断する。受信していない場合(S131:NO)にはS131へ戻り待機し、受信した場合(S131:YES)にはS135へ進む。S135においてCPU11は、BOX31から受信したBOX−ID334を、DCL204を介して第2子機60へ送信する。具体的に、CPU11は、MFPテーブルTB4のデフォルト領域345に記憶されている子機ID342およびMFP−ID344を、BOX−ID334とともに、デフォルト領域345に記憶されている子機ID342に対応する子機へ送信する。
【0041】
S137においてCPU11は、DCL204を介して、第2子機60から第2子機ID324を受信したか否かを判断する。受信していない場合(S137:NO)にはS137へ戻り待機し、受信した場合(S137:YES)にはS141へ進む。
【0042】
S141において、CPU11は、MFPテーブルTB4(図9)の使用フラグ340を、デフォルト領域345=不使用、拡張領域346=使用、に切り替える。これにより、第2子機60の通信先がMFP10からBOX31へ変更される。
【0043】
S143においてCPU11は、第2子機60から受信した第2子機ID324を、WLAN202を介して、BOX31へ送信する。S145において、CPU11は、MFP10の各種処理(例:プリンタ19を用いた印刷処理など)を実行する。そしてS111(図3)へ戻る。
【0044】
<BOX31の動作>
BOX31での動作を、図5のフローを用いて説明する。図5のフローは、BOX31に電源が投入されている期間中に、繰り返し実行されるフローである。S211において、CPU32は、ボタン入力部38に備えられている確認ボタンが押下されたか否かを判断する。押下されていない場合(S211:NO)には、S211へ戻り待機する。一方、押下された場合(S211:YES)には、S117においてMFP10のパネル18に表示された押下指示に従って、ユーザが確認ボタンを押下したと判断され、S213へ進む。
【0045】
S213において、CPU32は、MFP10へ接続要求を送信する。なお、接続要求はブロードキャストで送信されるとしてもよい。S215において、CPU32は、MFP10から送信(S125)されたACK信号を受信したか否かを判断する。受信していない場合(S215:NO)には、S215へ戻り待機する。一方、受信した場合(S215:YES)には、MFP10とBOX31との間のWLAN202の通信が確立される。そしてS217へ進む。
【0046】
S217においてCPU32は、WLAN202を介して、MFP10へBOX−ID334を送信する。具体的には、BOXテーブルTB3(図7)に記憶されているBOX−ID334(1234567890)を読み出した上で、送信する。
【0047】
S219においてCPU32は、WLAN202を介して、MFP10から第2子機ID324を受信したか否かを判断する。受信していない場合(S219:NO)にはS219へ戻り待機し、受信した場合(S219:YES)にはS221へ進む。S221において、CPU32は、受信した第2子機ID324を、BOXテーブルTB3の拡張領域336に記憶する。本実施形態の説明例では、図7に示すように、拡張領域336内の子機ID番号331=「6」の欄に、第2子機ID324(2234567891)が記憶される。S222において、CPU32は、拡張領域336に記憶されている子機ID332をRAM34に展開する。これにより、BOX31の通信先として、第2子機60が追加される。
【0048】
S223において、CPU32は、BOXテーブルTB3に記憶されているBOX−ID334と、BOXテーブルTB3の拡張領域336に記憶されている全ての子機ID332を含むビーコンを、BOX31の周囲に位置する子機に対してブロードキャスト送信する。本実施形態の説明例では、ビーコンには、BOX−ID334(1234567890)と、第1子機ID314(1234567891)および第2子機ID324(2234567891)とが含まれている。そしてフローが終了される。
【0049】
<第2子機60の動作>
第2子機60での動作を、図6のフローを用いて説明する。図6のフローは、第2子機60に電源が投入されている期間中に、繰り返し実行されるフローである。S311において、CPU62は、MFP10から送信(S127)された、接続処理の開始指示を受信したか否かを判断する。受信していない場合(S311:NO)にはS311へ戻り待機し、受信した場合(S311:YES)にはS313へ進む。
【0050】
S313においてCPU62は、MFP10から送信(S135)されたBOX−ID334を受信したか否かを判断する。受信していない場合(S313:NO)にはS313へ戻り待機し、受信した場合(S313:YES)にはS316へ進む。なお、S313においてCPU11は、BOX−ID334とともに、MFPテーブルTB4のデフォルト領域345に記憶されている子機ID342およびMFP−ID344を受信する。
【0051】
S316において、CPU62は、受信したBOX−ID334を、第2子機テーブルTB2の拡張領域326に記憶する。本実施形態の説明例では、図10に示すように、拡張領域326内の親機ID番号321=「2」の欄に、BOX−ID334(1234567890)が記憶される。
【0052】
S317においてCPU62は、DCL204を介して、MFP10へ第2子機ID324を送信する。具体的には、第2子機テーブルTB2(図10)に記憶されている第2子機ID324(2234567891)を読み出した上で、送信する。
【0053】
S319において、CPU62は、第2子機テーブルTB2(図10)の使用フラグ320を、デフォルト領域325=不使用、拡張領域326=使用、に切り替える。S321において、CPU62は、拡張領域326に記憶されている親機ID322を、RAM67に展開する。これにより、BOX−IDがRAM67に展開され、第2子機60の通信先がMFP10からBOX31へ変更される。すわなち、MFP10と第2子機60との親子関係が解消され、新たにBOX31と第2子機60との親子関係が構築される。
【0054】
S323においてCPU62は、BOX31から送信(S223)されるビーコン信号を受信したか否かを判断する。受信していない場合(S323:NO)にはS323へ戻り、受信した場合(S323:YES)にはS327へ進む。S327において、CPU62は、ビーコン信号にBOX−ID334と第2子機ID324が含まれているか否かを判断する。具体的には、第2子機60のCPU62は、周りを飛び交っている電波を常に受信する。そして、第2子機60と同じプロトコルの電波(ビーコン)を受信することで、ビーコンの送信元(親機)のIDと、親機の通信先として登録されている子機のIDを取得することができる。CPU62は、取得した親機のIDが、第2子機テーブルTB2(図10)の拡張領域326に記憶されている親機ID322と一致するかを判断する。また、取得した子機のIDが、自機のID(すなわち第2子機テーブルTB2の第2子機ID324)と一致するかを判断する。ビーコン信号にBOX−ID334と第2子機ID324が含まれていない場合(S327:NO)にはS323へ戻り、含まれている場合(S327:YES)にはS329へ進む。
【0055】
S329において、CPU62は、BOX31とDCL203回線の接続中である旨をRAM67に記憶する。これにより、第2子機60にリンクが張られた状態であることが記憶される。以降においては、ビーコンに含まれているホッピング情報(次に行くチャンネルに関する情報)に従ってホッピング動作を行うことで、リンクが維持される。これにより、第2子機60は、ビーコンの出力元であるBOX31の子機として動作する。この処理により、BOX31(親)と第2子機60(子)との親子関係が構築される。そしてフローが終了される。
【0056】
図12を用いて、MFPシステム2の増設後(増設モード)における、通信システム1の構成および動作を説明する。図12に示すように、BOX31とMFP10とは、WLAN202によってデータ信号の通信が可能とされている。また、BOX31と第2子機60とは、DCL203によって音声信号の通信が可能とされている。
【0057】
図12に示す通信システム1では、BOX31およびMFP10を備えることによって、物理的に分離した構成とされる。例えば、通信システム1でファクシミリ機能を実行する場合には、MFP10のスキャナ20で生成されたFAXデータが、BOX31を介して電話回線網100へ送信される。また、BOX31が電話回線網100から受信したFAXデータが、MFP10へ転送され、プリンタ19で印刷される。また、通信システム1で電話機能を実行する場合には、第2子機60または第1子機60aと電話回線網100との間の音声データの送受信が、BOX31を介して行なわれる。これにより、電話回線47のモジュラー部にMFP10を直接に接続する必要がないため、MFP10の配置場所のレイアウト性を高めることができ、ユーザの利便性を高めることができる。また第2子機60では、DCL203を用いて、BOX31と直接に音声データの通信を行うことができる。よって、MFP10を経由したWLAN202によって、BOX31と音声データを通信することがないため、音声データのリアルタイム性を確保することが可能となる。
【0058】
<増設解除時の動作>
次に、DCPシステム3にMFPシステム2が増設されている通信システム1から、MFPシステム2を取り外す場合の動作を説明する。例として、図12に示す増設モードの状態から、図11に示す通常モードへ移行する場合の動作を説明する。
【0059】
<MFP10の動作>
MFP10での動作を、図13のフローを用いて説明する。S411において、CPU11は、MFP10が電話回線網100またはIP電話網(例:スカイプ(登録商標))に接続されているか否かを判断する。接続されていない場合(S411:NO)にはS411へ戻り待機し、接続されている場合(S411:YES)にはS413へ進む。S413においてCPU11は、WLAN202を介して、通常モードへの復帰指示をBOX31へ送信する。
【0060】
S415において、CPU11は、MFP10との間でDCLを用いた通信を復帰させる対象の子機が存在するか否かを判断する。具体的には、BOX31から、復帰対象の子機が存在する旨の報知(S517)を受信したか否かによって判断する。復帰対象の子機が存在しない場合(S415:NO)にはフローを終了し、存在する場合(S415:YES)にはS417へ進む。S417において、CPU11は、MFPテーブルTB4(図9)の使用フラグ340を、デフォルト領域345=使用、拡張領域346=不使用、に切り替える。S419において、CPU11は、MFPテーブルTB4のデフォルト領域345に記憶されている子機ID342を、RAM13に展開する。これにより、第2子機IDがRAM13に展開され、第2子機60の通信先がBOX31からMFP10へ変更される。すわなち、BOX31と第2子機60との親子関係が解消され、MFP10と第2子機60との親子関係が復活する。
【0061】
S421において、CPU11は、MFPテーブルTB4に記憶されているMFP−ID344と、MFPテーブルTB4のデフォルト領域345に記憶されている全ての子機ID342を含むビーコンを、MFP10の周囲に位置する子機に対して、ブロードキャスト送信する。そしてフローが終了される。
【0062】
<BOX31の動作>
BOX31での動作を、図14のフローを用いて説明する。S511において、CPU32は、MFP10から送信された復帰指示を受信したか否かを判断する。受信していない場合(S511:NO)にはS511へ戻り待機し、受信した場合(S511:YES)にはS513へ進む。S513において、CPU32は、BOXテーブルTB3の拡張領域336に第2子機IDが記憶されているか否かを判断する。具体的には、BOXテーブルTB3の拡張領域336に記憶されている子機ID332のうち、デフォルト領域335に記憶されている子機ID332(第1子機ID)と異なる子機ID332(第2子機ID)が記憶されているか否かを判断する。記憶されていない場合(S513:NO)にはS515へ進み、復帰対象の子機が存在しない旨をMFP10へ送信する。そしてフローを終了する。一方、記憶されている場合(S513:YES)にはS517へ進み、復帰対象の子機が存在する旨をMFP10へ送信する。
【0063】
S519においてCPU32は、DCL203を介して、第2子機60へ変更指示を送信する。変更指示は、第2子機60の通信先をBOX31からMFP10へ変更する旨の指示である。S521において、CPU32は、BOXテーブルTB3(図7)の使用フラグ330を、デフォルト領域325=使用、拡張領域326=不使用、に切り替える。そして、CPU32は、BOXテーブルTB3(図7)のデフォルト領域325に記憶されている子機ID332(第1子機ID)をRAM34に展開する。これにより、BOXテーブルTB3の拡張領域が初期化される。そしてフローを終了する。
【0064】
<第2子機60の動作>
第2子機60での動作を、図15のフローを用いて説明する。S611においてCPU62は、BOX31から送信(S519)された変更指示を、受信したか否かを判断する。受信していない場合(S611:NO)にはS611へ戻り待機し、受信した場合(S611:YES)にはS613へ進む。S613において、CPU62は、第2子機テーブルTB2(図10)の使用フラグ320を、デフォルト領域325=使用、拡張領域326=不使用、に切り替える。S615においてCPU62は、デフォルト領域325に記憶されている親機ID322を、RAM67に展開する。これにより、MFP−IDがRAM67に展開され、第2子機60の通信先がBOX31からMFP10へ変更される。
【0065】
S617において、CPU62は、MFP10から送信(S421)されるビーコン信号を受信したか否かを判断する。受信していない場合(S617:NO)にはS617へ戻り、受信した場合(S617:YES)にはS621へ進む。S621において、CPU62は、ビーコン信号にMFP−ID344と第2子機ID324が含まれているか否かを判断する。両IDが含まれていない場合(S621:NO)にはS617へ戻り、含まれている場合(S621:YES)にはS623へ進む。S623において、CPU62は、MFP10とDCL204回線の接続中である旨をRAM67に記憶する。これにより、MFP10(親)と第2子機60(子)との親子関係が構築される。そしてフローが終了される。
【0066】
<効果>
以上説明した、本実施形態の説明例に係る効果を説明する。本願では、MFP10によって、第2子機IDをBOX31へ送信することができる。また、MFP10によって、BOX−IDを第2子機60へ送信することができる。すなわち、MFP10を介して、BOX31と第2子機60との間でIDを交換することができる。これにより、交換したIDを用いて、BOX31と第2子機60との間のDCLを用いた通信を確立することができる。以上より、BOX31と第2子機60との間で通信を行うために互いのIDを登録する登録処理を、容易に実行することが可能となる。
【0067】
また本願では、MFPシステム2をDCPシステム3と無線回線通信可能に接続する命令を受け付けることに応じて(S115)、BOX31と第2子機60との間で通信を行うための登録処理を実行することができる。よって、MFPシステム2をDCPシステム3に増設する処理を実行する際に、第2子機60とBOX31との間の通信を自動で確立することが可能となる。
【0068】
また本願の第1子機テーブルTB1、第2子機テーブルTB2、BOXテーブルTB3、MFPテーブルTB4では、デフォルト領域と拡張領域とに、通信先を特定するためのIDを記憶させることができる。そして、通常モードではデフォルト領域に記憶されているIDで特定される機器を通信先に設定し、増設モードでは拡張領域に記憶されているIDで特定される機器を通信先に設定することができる。これにより、通常モードと増設モードとが切り替えられる場合においても、通信先を適切に識別することが可能となる。
【0069】
また本願では、MFP10がBOX31とは異なる通信先に接続されている場合に(S411:Y)、通信先をMFP10に復帰させる対象の第2子機60が存在すると判断されることに応じて(S415:Y)、MFP10と第2子機60との間の通信を復帰させることができる。よって、第2子機60がMFP10を介して外部と通信することが可能となった場合には、第2子機60とMFP10との間の通信を自動で復帰させることが可能となる。
【0070】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0071】
<変形例>
第1子機テーブルTB1ないしMFPテーブルTB4の記憶内容は、本実施形態の例に限定されない。例えば、第1子機テーブルTB1ないしMFPテーブルTB4の各々が、デフォルト領域のみを有しているとしてもよい。この場合、通常モード時の通信先機器を識別するためのIDを消去した上で、増設モードでの通信先機器を識別するIDを記憶させることにより、通常モードから増設モードへ移行することができる。そして、拡張領域を不要とすることができるため、第1子機テーブルTB1ないしMFPテーブルTB4の記憶容量を小さくすることが可能となる。なお、この場合、通常モード時での通信先を識別するIDが消去されてしまうため、増設モードから通常モードへ戻す際には、通常モードでの通信先を再度設定する必要が生じることになる。
【0072】
本実施形態では、DCPシステム3にMFPシステム2を増設する場合を説明したが、この形態に限られない。例えば、DCPシステム3内のDCP110の代わりにMFPシステム2を置換する場合についても、本願の技術を適用することが可能である。
【0073】
また、DCPシステム3にMFPシステム2が増設されている通信システム1(図12)から、MFPシステム2を取り外した(図11)後、MFP10における電話回線網100又はIP電話網への接続が切断された際に、再度、MFPシステム2がDCPシステム3に増設される場合についても、本願の技術を適用することが可能である。
【0074】
また、増設時や増設解除時において、MFP10とBOX31との間で通信される情報は、本実施形態で説明した各種情報に限られない。例えば、拒否リスト27や42の登録内容を通信するとしてもよい。この場合、DCPシステム3にMFPシステム2を増設する場合には、WLAN202を用いた通信の確立後の何れかの段階において、MFP10に記憶されている拒否リスト27の登録内容をBOX31へ送信し、BOX31の拒否リスト42へ記憶させても良い。これにより、MFP10が備えている情報をBOX31へミラーリングすることが可能となるため、BOX31において着信拒否動作を実行することが可能となる。
【0075】
本実施形態では、図4において、MFP10は、BOX31からBOX−ID334を受信した(S131)後に、BOX31へ第2子機ID324を送信していた(S143)が、BOX31へ第2子機ID324を送信した後に、BOX31からBOX−ID334を受信してもよい。
【0076】
S137(図4)において、MFP10が第2子機ID324を取得する方法は、第2子機60から受信する方法に限られない。例えば、MFPテーブルTB4(図9)に記憶されている第2子機ID324を読み出すことで取得してもよい。この場合、図4のフローにおいて、S137のステップを省略することも可能である。
【0077】
本実施形態では、BOXテーブルTB3(図7)の拡張領域336には、第1子機ID及び第2子機IDが記憶されていた。しかしながら、拡張領域336には、第2子機IDのみを記憶してもよい。係る場合、デフォルト領域335の使用フラグ330は常に「使用」と設定され、拡張領域336の使用フラグは、MFPシステム2において「使用」、DCPシステム3において「不使用」と設定される。また、係る場合、S513(図14)において、CPU32は、BOXテーブルTB3(図7)の拡張領域336に子機ID332が記憶されているか否かを判断すればよい。
【0078】
また、BOXテーブルTB3(図7)の拡張領域336に記憶される第1子機ID及び第2子機IDの各々に対して、使用フラグ(使用/不使用)が設定されていてもよい。
【0079】
S415(図13)において、MFP10との間で通信を復帰させる対象の子機が存在するか否かを判断する方法は、BOX31から報知を受ける方法に限られない。例えば、MFPテーブルTB4(図9)のデフォルト領域345に第2子機IDが記憶されているか否かによって、当該判断を実行してもよい。この場合、図14のフローにおいて、S513〜S517のステップを省略することも可能である。
【0080】
BOXテーブルTB3(図7)では、子機ID番号331の欄が「1」〜「8」の8個設けられる場合を説明したが、8個に限定されるものではない。ここで、デフォルト領域335には、少なくともBOX31に増設可能な第1子機の数だけ子機ID番号331の欄を設け、拡張領域336には、BOX31に増設可能な第1子機及び第2子機の数だけ子機ID番号331の欄を設けるのが好適である。これにより、BOX31に増設可能な最大数の第1子機及び第2子機が増設された場合であっても、BOXテーブルTB3に全ての子機IDを記憶することができる。
【0081】
本実施形態では、WLAN202がアドホックモードである場合を例として説明したが、この形態に限られない。WLAN202は他のモード(例:インフラストラクチャーモード)であってもよい。
【0082】
請求項に記載の「多機能通信装置」の一例として、本実施形態ではMFP10を説明したが、この態様に限られない。「多機能通信装置」は、WLAN通信およびDCL通信が可能な装置であればよく、様々な装置(例:PC(Personal Computer))であってよい。
【0083】
なお、MFP10は多機能通信装置の一例である。BOX31は中継装置の一例である。第2子機60は無線通信端末の一例である。第1子機60aは第1の無線通信端末の一例である。第2子機60は第2の無線通信端末の一例である。MFP10および第2子機60は通信装置の一例である。MFP−IDは多機能通信装置の登録情報の一例である。第2子機IDは無線通信端末の登録情報の一例である。BOX−IDは中継装置の登録情報の一例である。EEPROM14は第1記憶部の一例である。EEPROM61は第2記憶部の一例である。EEPROM35は第3記憶部の一例である。ビーコンは信号の一例である。
【0084】
また、S121を実行するCPUは第1判断手段の一例である。S143を実行するCPUは第1送信手段の一例である。S141を実行するCPUは第1記憶制御手段の一例である。S131を実行するCPUは第1受信手段の一例である。S135を実行するCPUは第2送信手段の一例である。S313を実行するCPUは第2受信手段の一例である。S316を実行するCPUは第2記憶制御手段の一例である。S327を実行するCPUは第2判断手段の一例である。S323を実行するCPUは第3受信手段の一例である。S329を実行するCPUは第3記憶制御手段の一例である。S317を実行するCPUは第3送信手段の一例である。S411を実行するCPUは第3判断手段の一例である。S415を実行するCPUは第4判断手段の一例である。S417を実行するCPUは第4記憶制御手段の一例である。S217を実行するCPUは第4送信手段の一例である。S219を実行するCPUは第4受信手段の一例である。S221を実行するCPUは第5記憶制御手段の一例である。S223を実行するCPUは第5送信手段の一例である。S513を実行するCPUは第5判断手段の一例である。S511を実行するCPUは復帰指示受信手段の一例である。S519を実行するCPUは変更指示送信手段の一例である。S137を実行するCPUは取得手段の一例である。S413を実行するCPUは復帰指示送信手段の一例である。S421を実行するCPUは信号送信手段の一例である。S611を実行するCPUは変更指示受信手段の一例である。
【符号の説明】
【0085】
1:通信システム、10:MFP、18:パネル、11および32および62:CPU、14および35および61:EEPROM、31:BOX、47:電話回線、60:第2子機、60a:第1子機
【特許請求の範囲】
【請求項1】
公衆回線網に接続された中継装置と無線通信可能に接続される多機能通信装置と、該多機能通信装置に無線回線にて接続され、該多機能通信装置との間で無線回線通信を行う1以上の無線通信端末と、を備える通信装置であって、
前記多機能通信装置は、
前記多機能通信装置の登録情報及び前記無線通信端末の登録情報を記憶する第1記憶部と、
前記多機能通信装置が前記中継装置と無線接続されたか否かを判断する第1判断手段と、
前記第1判断手段で前記中継装置と無線接続されたと判断された場合、前記無線通信端末の登録情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した前記無線通信端末の登録情報を前記中継装置へ送信する第1送信手段と、
前記中継装置の登録情報を受信する第1受信手段と、
前記第1受信手段により受信した前記中継装置の登録情報を、前記第1記憶部に記憶されている前記多機能通信装置の登録情報とともに、前記第1記憶部に記憶されている前記無線通信端末の登録情報に対応する無線通信端末へ送信する第2送信手段と、
を備え、
前記無線通信端末は、
前記多機能通信装置の登録情報及び前記無線通信端末の登録情報を記憶する第2記憶部と、
前記第2記憶部に記憶されている前記多機能通信装置の登録情報に対応する多機能通信装置から前記中継装置の登録情報を受信する第2受信手段と、
前記第2受信手段により受信した前記中継装置の登録情報を前記第2記憶部に記憶する第2記憶制御手段と、
前記無線回線を介して前記中継装置から所定の信号を受信する第3受信手段と、
前記第3受信手段により受信した前記信号に、前記第2記憶部に記憶されている前記中継装置の登録情報及び前記無線通信端末の登録情報が含まれているかを判断する第2判断手段と、
前記第2判断手段により前記第2記憶部に記憶されている前記中継装置の登録情報及び前記無線通信端末の登録情報が前記信号に含まれていると判断された場合に、前記無線通信端末と前記中継装置とが前記無線回線通信可能に接続された旨の情報を記憶する第3記憶制御手段と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記多機能通信装置は、前記通信装置を前記中継装置と無線通信可能に接続する接続処理の実行の有無を受け付ける受付手段をさらに備え、
前記多機能通信装置の前記第1送信手段は、前記受付手段で前記接続処理の実行が受け付けられることを条件として、前記接続処理の開始指示を前記中継装置へ送信し、前記開始指示の送信後に前記無線通信端末の登録情報を前記中継装置へ送信し、
前記多機能通信装置の前記第2送信手段は、前記受付手段で前記接続処理の実行が受け付けられることを条件として、前記接続処理の開始指示を前記無線通信端末へ送信し、前記開始指示の送信後に前記中継装置の登録情報を前記無線通信端末へ送信することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記無線通信端末は、
前記第2記憶部に記憶されている前記無線通信端末の登録情報を前記多機能通信装置へ送信する第3送信手段をさらに備え、
前記無線通信端末の前記第2記憶制御手段は、前記第2受信手段により受信した前記中継装置の登録情報と、前記多機能通信装置の登録情報及び前記無線端末装置の登録情報とを前記第2記憶部に記憶し、前記第3送信手段によって前記無線通信端末の登録情報が前記多機能通信装置へ送信されたことを条件として、前記無線回線通信による前記無線通信端末の通信先を示す第2通信先情報を前記多機能通信装置から前記中継装置に変更することを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記多機能通信装置は、
前記取得手段によって前記無線通信端末の登録情報が取得されたことを条件として、前記無線回線通信による前記無線通信端末の通信先を示す第1通信先情報を前記多機能通信装置から前記中継装置に変更する第1記憶制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記多機能通信装置は、
前記多機能通信装置が前記中継装置とは異なる通信先に接続されているか否かを判断する第3判断手段と、
前記第3判断手段で前記多機能通信装置が前記中継装置とは異なる通信先に接続されていると判断される場合に、前記無線通信端末の通信先を前記多機能通信装置に復帰させる復帰処理を実行させる復帰指示を前記中継装置へ送信する復帰指示送信手段と、
通信先を前記多機能通信装置に復帰させる対象の前記無線通信端末が存在する旨の情報を前記中継装置から受信したか否かを判断する第4判断手段と、
前記第4判断手段で復帰させる対象の前記無線通信端末が存在すると判断された場合には、前記第1記憶部に記憶された前記多機能通信装置の登録情報及び前記無線通信端末の登録情報を含む信号を前記無線回線を介して前記無線通信端末へ送信する信号送信手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記第2判断手段により前記第2記憶部に記憶された前記多機能通信装置の登録情報及び前記無線通信端末の登録情報が前記信号に含まれていると判断されることを条件として、前記無線通信端末と前記多機能通信装置とを、前記無線回線通信可能に接続することを特徴とする請求項5に記載の通信装置。
【請求項7】
前記多機能通信装置は、
前記第4判断手段で復帰対象の前記無線通信端末が存在する旨の情報を前記中継装置から受信したと判断されることを条件として、前記無線回線通信による前記無線通信端末の通信先を示す第1通信先情報を前記中継装置から前記多機能通信装置に変更する第4記憶制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項5または6に記載の通信装置。
【請求項8】
前記無線通信端末は、前記無線通信端末の通信先を前記中継装置から前記多機能通信装置に変更させる変更指示を前記中継装置から受信する変更指示受信手段をさらに備え、
前記無線通信端末の前記第2記憶制御手段は、前記変更指示受信手段によって前記変更指示が前記中継装置から受信されたことを条件として、前記無線回線通信による前記無線通信端末の通信先を示す第2通信先情報を前記中継装置から前記多機能通信装置に変更することを特徴とする請求項5ないし7の何れか1項に記載の通信装置。
【請求項9】
公衆回線網に接続され、1以上の無線通信端末と、該1以上の無線通信端末と無線回線にて接続される多機能通信装置とから構成される通信装置と無線通信が可能に接続される中継装置であって、
前記中継装置の登録情報を記憶し、前記1以上の無線通信端末の登録情報を記憶可能な第3記憶部と、
前記第3記憶部に記憶されている前記中継装置の登録情報を前記多機能通信装置へ送信する第4送信手段と、
前記1以上の無線通信端末の登録情報を前記多機能通信装置から受信する第4受信手段と、
前記第4受信手段により受信した前記1以上の無線通信端末の登録情報を前記第3記憶部に記憶する第5記憶制御手段と、
前記第3記憶部に記憶されている前記中継装置の登録情報及び前記1以上の無線通信端末の登録情報を含む信号を、前記1以上の無線通信端末の登録情報に対応する無線通信端末へ、前記無線回線を介して送信する第5送信手段と、
を備えることを特徴とする中継装置。
【請求項10】
前記通信装置を前記中継装置と無線通信可能に接続する接続処理の開始指示を前記多機能通信装置から受信する開始指示受信手段をさらに備え、
前記第4受信手段は、前記開始指示受信手段により前記開始指示を受信することを条件として、前記無線通信端末の登録情報を前記多機能通信装置から受信し、
前記第5送信手段は、前記開始指示受信手段により前記開始指示を受信することを条件として、前記中継装置の登録情報を前記多機能通信装置へ送信することを特徴とする請求項9に記載の中継装置。
【請求項11】
前記中継装置は、複数の無線通信端末と無線回線にて接続可能であり、
前記第3記憶部は、前記複数の無線通信端末のうち前記第4受信手段により受信した前記無線通信端末の登録情報に対応する無線通信端末とは異なる無線通信端末の登録情報が記憶されている第1領域と、前記第4受信手段により受信した前記無線通信端末の登録情報が記憶されている第2領域とを備え、
前記第5送信手段は、前記多機能通信装置が前記中継装置に接続されている場合には、前記第2領域に記憶されている前記1以上の無線通信端末の登録情報に対応する無線通信端末へ前記信号を送信することを特徴とする請求項9または10に記載の中継装置。
【請求項12】
前記第4受信手段により受信した前記無線通信端末の登録情報に対応する無線通信端末の通信先を前記多機能通信装置に復帰させる復帰処理を実行させる復帰指示を前記多機能通信装置から受信する復帰指示受信手段と、
前記第2領域に前記第4受信手段により受信した無線通信端末の登録情報が記憶されているか否かを判断する第5判断手段と、
前記第5判断手段で前記第4受信手段により受信した無線通信端末の登録情報が記憶されていると判断された場合には、前記復帰処理の対象となる前記第4受信手段により受信した前記無線通信端末の登録情報に対応する無線通信端末が存在する旨の情報を前記多機能通信装置へ送信するとともに、前記第4受信手段により受信した前記無線通信端末の登録情報に対応する無線通信端末の通信先を前記中継装置から前記多機能通信装置に変更させる変更指示を、前記第4受信手段により受信した前記無線通信端末の登録情報に対応する無線通信端末へ送信する変更指示送信手段と、
を備えることを特徴とする請求項11に記載の中継装置。
【請求項13】
公衆回線網に接続された中継装置と、前記中継装置と無線通信可能に接続される多機能通信装置と、該多機能通信装置に無線回線にて接続され、該多機能通信装置との間で無線回線通信を行う1以上の無線通信端末と、を備える通信システムであって、
前記多機能通信装置は、
前記多機能通信装置の登録情報及び前記無線通信端末の登録情報を記憶する第1記憶部と、
前記多機能通信装置が前記中継装置と無線接続されたか否かを判断する第1判断手段と、
前記判断手段で前記中継装置と無線接続されたと判断された場合、前記無線通信端末の登録情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した前記無線通信端末の登録情報を前記中継装置へ送信する第1送信手段と、
前記中継装置の登録情報を受信する第1受信手段と、
前記第1受信手段により受信した前記中継装置の登録情報を、前記第1記憶部に記憶されている前記多機能通信装置の登録情報とともに、前記第1記憶部に記憶されている前記無線通信端末の登録情報に対応する前記無線通信端末へ送信する第2送信手段と、
を備え、
前記無線通信端末は、
前記多機能通信装置の登録情報及び前記無線通信端末の登録情報を記憶する第2記憶部と、
前記第2記憶部に記憶されている前記多機能通信装置の登録情報に対応する多機能通信装置から前記中継装置の登録情報を受信する第2受信手段と、
前記第2受信手段により受信した前記中継装置の登録情報を前記第2記憶部に記憶する第2記憶制御手段と、
前記無線回線を介して前記中継装置から所定の信号を受信する第3受信手段と、
前記第3受信手段により受信した前記信号に、前記第2記憶部に記憶されている前記中継装置の登録情報及び前記無線通信端末の登録情報が含まれているかを判断する第2判断手段と、
前記第2判断手段により前記第2記憶部に記憶されている前記中継装置の登録情報及び前記無線通信端末の登録情報が前記信号に含まれていると判断された場合に、前記無線通信端末と前記中継装置とが前記無線回線通信可能に接続された旨の情報を記憶する第3記憶制御手段と、を備え、
前記中継装置は、
前記中継装置の登録情報を記憶し、前記無線通信端末の登録情報を記憶可能な第3記憶部と、
前記第3記憶部に記憶されている前記中継装置の登録情報を前記多機能通信装置へ送信する第4送信手段と、
前記無線通信端末の登録情報を前記多機能通信装置から受信する第4受信手段と、
前記第4受信手段により受信した前記無線通信端末の登録情報を前記第3記憶部に記憶する第5記憶制御手段と、
前記第3記憶部に記憶されている前記中継装置の登録情報及び前記無線通信端末の登録情報を含む信号を、前記無線通信端末の登録情報に対応する無線通信端末へ、前記無線回線を介して送信する第5送信手段と、
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項1】
公衆回線網に接続された中継装置と無線通信可能に接続される多機能通信装置と、該多機能通信装置に無線回線にて接続され、該多機能通信装置との間で無線回線通信を行う1以上の無線通信端末と、を備える通信装置であって、
前記多機能通信装置は、
前記多機能通信装置の登録情報及び前記無線通信端末の登録情報を記憶する第1記憶部と、
前記多機能通信装置が前記中継装置と無線接続されたか否かを判断する第1判断手段と、
前記第1判断手段で前記中継装置と無線接続されたと判断された場合、前記無線通信端末の登録情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した前記無線通信端末の登録情報を前記中継装置へ送信する第1送信手段と、
前記中継装置の登録情報を受信する第1受信手段と、
前記第1受信手段により受信した前記中継装置の登録情報を、前記第1記憶部に記憶されている前記多機能通信装置の登録情報とともに、前記第1記憶部に記憶されている前記無線通信端末の登録情報に対応する無線通信端末へ送信する第2送信手段と、
を備え、
前記無線通信端末は、
前記多機能通信装置の登録情報及び前記無線通信端末の登録情報を記憶する第2記憶部と、
前記第2記憶部に記憶されている前記多機能通信装置の登録情報に対応する多機能通信装置から前記中継装置の登録情報を受信する第2受信手段と、
前記第2受信手段により受信した前記中継装置の登録情報を前記第2記憶部に記憶する第2記憶制御手段と、
前記無線回線を介して前記中継装置から所定の信号を受信する第3受信手段と、
前記第3受信手段により受信した前記信号に、前記第2記憶部に記憶されている前記中継装置の登録情報及び前記無線通信端末の登録情報が含まれているかを判断する第2判断手段と、
前記第2判断手段により前記第2記憶部に記憶されている前記中継装置の登録情報及び前記無線通信端末の登録情報が前記信号に含まれていると判断された場合に、前記無線通信端末と前記中継装置とが前記無線回線通信可能に接続された旨の情報を記憶する第3記憶制御手段と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記多機能通信装置は、前記通信装置を前記中継装置と無線通信可能に接続する接続処理の実行の有無を受け付ける受付手段をさらに備え、
前記多機能通信装置の前記第1送信手段は、前記受付手段で前記接続処理の実行が受け付けられることを条件として、前記接続処理の開始指示を前記中継装置へ送信し、前記開始指示の送信後に前記無線通信端末の登録情報を前記中継装置へ送信し、
前記多機能通信装置の前記第2送信手段は、前記受付手段で前記接続処理の実行が受け付けられることを条件として、前記接続処理の開始指示を前記無線通信端末へ送信し、前記開始指示の送信後に前記中継装置の登録情報を前記無線通信端末へ送信することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記無線通信端末は、
前記第2記憶部に記憶されている前記無線通信端末の登録情報を前記多機能通信装置へ送信する第3送信手段をさらに備え、
前記無線通信端末の前記第2記憶制御手段は、前記第2受信手段により受信した前記中継装置の登録情報と、前記多機能通信装置の登録情報及び前記無線端末装置の登録情報とを前記第2記憶部に記憶し、前記第3送信手段によって前記無線通信端末の登録情報が前記多機能通信装置へ送信されたことを条件として、前記無線回線通信による前記無線通信端末の通信先を示す第2通信先情報を前記多機能通信装置から前記中継装置に変更することを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記多機能通信装置は、
前記取得手段によって前記無線通信端末の登録情報が取得されたことを条件として、前記無線回線通信による前記無線通信端末の通信先を示す第1通信先情報を前記多機能通信装置から前記中継装置に変更する第1記憶制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記多機能通信装置は、
前記多機能通信装置が前記中継装置とは異なる通信先に接続されているか否かを判断する第3判断手段と、
前記第3判断手段で前記多機能通信装置が前記中継装置とは異なる通信先に接続されていると判断される場合に、前記無線通信端末の通信先を前記多機能通信装置に復帰させる復帰処理を実行させる復帰指示を前記中継装置へ送信する復帰指示送信手段と、
通信先を前記多機能通信装置に復帰させる対象の前記無線通信端末が存在する旨の情報を前記中継装置から受信したか否かを判断する第4判断手段と、
前記第4判断手段で復帰させる対象の前記無線通信端末が存在すると判断された場合には、前記第1記憶部に記憶された前記多機能通信装置の登録情報及び前記無線通信端末の登録情報を含む信号を前記無線回線を介して前記無線通信端末へ送信する信号送信手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記第2判断手段により前記第2記憶部に記憶された前記多機能通信装置の登録情報及び前記無線通信端末の登録情報が前記信号に含まれていると判断されることを条件として、前記無線通信端末と前記多機能通信装置とを、前記無線回線通信可能に接続することを特徴とする請求項5に記載の通信装置。
【請求項7】
前記多機能通信装置は、
前記第4判断手段で復帰対象の前記無線通信端末が存在する旨の情報を前記中継装置から受信したと判断されることを条件として、前記無線回線通信による前記無線通信端末の通信先を示す第1通信先情報を前記中継装置から前記多機能通信装置に変更する第4記憶制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項5または6に記載の通信装置。
【請求項8】
前記無線通信端末は、前記無線通信端末の通信先を前記中継装置から前記多機能通信装置に変更させる変更指示を前記中継装置から受信する変更指示受信手段をさらに備え、
前記無線通信端末の前記第2記憶制御手段は、前記変更指示受信手段によって前記変更指示が前記中継装置から受信されたことを条件として、前記無線回線通信による前記無線通信端末の通信先を示す第2通信先情報を前記中継装置から前記多機能通信装置に変更することを特徴とする請求項5ないし7の何れか1項に記載の通信装置。
【請求項9】
公衆回線網に接続され、1以上の無線通信端末と、該1以上の無線通信端末と無線回線にて接続される多機能通信装置とから構成される通信装置と無線通信が可能に接続される中継装置であって、
前記中継装置の登録情報を記憶し、前記1以上の無線通信端末の登録情報を記憶可能な第3記憶部と、
前記第3記憶部に記憶されている前記中継装置の登録情報を前記多機能通信装置へ送信する第4送信手段と、
前記1以上の無線通信端末の登録情報を前記多機能通信装置から受信する第4受信手段と、
前記第4受信手段により受信した前記1以上の無線通信端末の登録情報を前記第3記憶部に記憶する第5記憶制御手段と、
前記第3記憶部に記憶されている前記中継装置の登録情報及び前記1以上の無線通信端末の登録情報を含む信号を、前記1以上の無線通信端末の登録情報に対応する無線通信端末へ、前記無線回線を介して送信する第5送信手段と、
を備えることを特徴とする中継装置。
【請求項10】
前記通信装置を前記中継装置と無線通信可能に接続する接続処理の開始指示を前記多機能通信装置から受信する開始指示受信手段をさらに備え、
前記第4受信手段は、前記開始指示受信手段により前記開始指示を受信することを条件として、前記無線通信端末の登録情報を前記多機能通信装置から受信し、
前記第5送信手段は、前記開始指示受信手段により前記開始指示を受信することを条件として、前記中継装置の登録情報を前記多機能通信装置へ送信することを特徴とする請求項9に記載の中継装置。
【請求項11】
前記中継装置は、複数の無線通信端末と無線回線にて接続可能であり、
前記第3記憶部は、前記複数の無線通信端末のうち前記第4受信手段により受信した前記無線通信端末の登録情報に対応する無線通信端末とは異なる無線通信端末の登録情報が記憶されている第1領域と、前記第4受信手段により受信した前記無線通信端末の登録情報が記憶されている第2領域とを備え、
前記第5送信手段は、前記多機能通信装置が前記中継装置に接続されている場合には、前記第2領域に記憶されている前記1以上の無線通信端末の登録情報に対応する無線通信端末へ前記信号を送信することを特徴とする請求項9または10に記載の中継装置。
【請求項12】
前記第4受信手段により受信した前記無線通信端末の登録情報に対応する無線通信端末の通信先を前記多機能通信装置に復帰させる復帰処理を実行させる復帰指示を前記多機能通信装置から受信する復帰指示受信手段と、
前記第2領域に前記第4受信手段により受信した無線通信端末の登録情報が記憶されているか否かを判断する第5判断手段と、
前記第5判断手段で前記第4受信手段により受信した無線通信端末の登録情報が記憶されていると判断された場合には、前記復帰処理の対象となる前記第4受信手段により受信した前記無線通信端末の登録情報に対応する無線通信端末が存在する旨の情報を前記多機能通信装置へ送信するとともに、前記第4受信手段により受信した前記無線通信端末の登録情報に対応する無線通信端末の通信先を前記中継装置から前記多機能通信装置に変更させる変更指示を、前記第4受信手段により受信した前記無線通信端末の登録情報に対応する無線通信端末へ送信する変更指示送信手段と、
を備えることを特徴とする請求項11に記載の中継装置。
【請求項13】
公衆回線網に接続された中継装置と、前記中継装置と無線通信可能に接続される多機能通信装置と、該多機能通信装置に無線回線にて接続され、該多機能通信装置との間で無線回線通信を行う1以上の無線通信端末と、を備える通信システムであって、
前記多機能通信装置は、
前記多機能通信装置の登録情報及び前記無線通信端末の登録情報を記憶する第1記憶部と、
前記多機能通信装置が前記中継装置と無線接続されたか否かを判断する第1判断手段と、
前記判断手段で前記中継装置と無線接続されたと判断された場合、前記無線通信端末の登録情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した前記無線通信端末の登録情報を前記中継装置へ送信する第1送信手段と、
前記中継装置の登録情報を受信する第1受信手段と、
前記第1受信手段により受信した前記中継装置の登録情報を、前記第1記憶部に記憶されている前記多機能通信装置の登録情報とともに、前記第1記憶部に記憶されている前記無線通信端末の登録情報に対応する前記無線通信端末へ送信する第2送信手段と、
を備え、
前記無線通信端末は、
前記多機能通信装置の登録情報及び前記無線通信端末の登録情報を記憶する第2記憶部と、
前記第2記憶部に記憶されている前記多機能通信装置の登録情報に対応する多機能通信装置から前記中継装置の登録情報を受信する第2受信手段と、
前記第2受信手段により受信した前記中継装置の登録情報を前記第2記憶部に記憶する第2記憶制御手段と、
前記無線回線を介して前記中継装置から所定の信号を受信する第3受信手段と、
前記第3受信手段により受信した前記信号に、前記第2記憶部に記憶されている前記中継装置の登録情報及び前記無線通信端末の登録情報が含まれているかを判断する第2判断手段と、
前記第2判断手段により前記第2記憶部に記憶されている前記中継装置の登録情報及び前記無線通信端末の登録情報が前記信号に含まれていると判断された場合に、前記無線通信端末と前記中継装置とが前記無線回線通信可能に接続された旨の情報を記憶する第3記憶制御手段と、を備え、
前記中継装置は、
前記中継装置の登録情報を記憶し、前記無線通信端末の登録情報を記憶可能な第3記憶部と、
前記第3記憶部に記憶されている前記中継装置の登録情報を前記多機能通信装置へ送信する第4送信手段と、
前記無線通信端末の登録情報を前記多機能通信装置から受信する第4受信手段と、
前記第4受信手段により受信した前記無線通信端末の登録情報を前記第3記憶部に記憶する第5記憶制御手段と、
前記第3記憶部に記憶されている前記中継装置の登録情報及び前記無線通信端末の登録情報を含む信号を、前記無線通信端末の登録情報に対応する無線通信端末へ、前記無線回線を介して送信する第5送信手段と、
を備えることを特徴とする通信システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−212974(P2012−212974A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−76362(P2011−76362)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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