説明

通信装置、通信方法及び通信システム

【課題】本発明は、同期機能を有する通信装置と同期機能を有さない通信装置を接続でき、かつ、同期機能を有する通信装置間では同期機能を損なわない技術を提供する。
【解決手段】本発明は、クロック同期網を構成する加入者収容装置23であって、クロック同期網又はクロック配信網から同期クロックを受信するコアネットワーク側入力ポート231又は同期クロック専用回線入力ポート234と、そのままの状態の同期クロック又は周波数変換をした同期クロックを、加入者収容装置23のシステムクロックとして生成するクロック抽出部236及びシステムクロック237と、クロック非同期網に位置する他の通信装置に、クロック非同期網におけるクロック周波数の規定値の範囲内に収まる周波数を有するシステムクロックに同期して、フレームを送信するアクセスネットワーク側出力ポート233と、を備えることを特徴とする加入者収容装置23である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同期網及び非同期網を接続する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
同期網(同期ネットワーク)とは、ネットワークを構成する中継装置、交換装置、宅内終端装置、およびユーザの端末などのクロックが同期しているものを示す。ここで、同期網内の回線によりポート同士が直接接続された2つの装置(あるいは端末)においては、受信側ポートは送信側ポートのクロックを再生し、信号の識別を行っているが、このクロックが網全体でクロック同期している。この結果、送信端末の送信クロックと受信端末の受信クロックは完全に一致でき、リアルタイム・ストリームなどの高品質サービスの伝送が可能となる。装置群のクロックが完全に同期していることから、端末間で信号廃棄のない、低遅延なデータ伝送が実現できるし、装置内のバッファを少なくした上で遅延揺らぎや遅延の少ない高品質な伝送が可能となる。この同期網として、例えば、SDH/SONETが該当している(例えば、非特許文献1を参照)。
【0003】
従来技術の同期網の構成を図1に示す。上位側はコアネットワークに近い側であり、下位側はアクセスネットワークに近い側である。同期網では、例えばSDHであれば、SDH伝送路を通じて上位局1(のマスタークロック)から下位局2にクロックが供給される。例えば、日本の場合、下位局2の内部では、モジュールAあるいはモジュールCと称する伝送装置21が受信したSDH信号のクロックをクロックサプライモジュール(CSM)24に入力し、周波数の安定化と変換を行ってシステムクロックを生成し、これを伝送装置21、交換装置22及び加入者収容装置23に供給する。すなわち、下位局2に存在する同期網の装置群(伝送装置21、交換装置22及び加入者収容装置23)は、すべて、上位局1から供給されるクロックに、直接的あるいは間接的に、従属同期することになる。なお、上位局1の加入者収容装置11及びクロックサプライモジュール12は、下位局2の加入者収容装置23及びクロックサプライモジュール24と同様である。一方、同期網のユーザ宅3においては、端末32は宅内終端装置31から供給されるクロックに、宅内終端装置31は加入者収容装置23から供給されるクロックに従属同期することになる。従って、同期網では、端末32を含め、全てがクロック同期することになる。
【0004】
これに対し、非同期網(非同期ネットワーク)とは、ネットワークを構成する中継装置、交換装置、宅内終端装置、およびユーザの端末などのクロックが同期せず、自走しているものを示す。すなわち、非同期網においては、クロックは、装置(あるいは端末)単位、あるいは、装置(あるいは端末)を構成する部品(ボード、ポート)単位で設けられている。従来技術の非同期網の構成を図2に示す。なお、図1及び図2において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。ここで、非同期網内の回線によりポート同士が直接接続された2つの装置(あるいは端末)においては、受信側ポートは送信側ポートのクロックを再生し、信号の識別を行うものの、網全体でクロック同期していない(同じクロックを利用していない)。非同期網として、例えば、従来型のEthernet(登録商標)が該当している。このように非同期網は、網全体でクロック同期していないことから、非同期網は同期網に比べ、リアルタイム・ストリームなどの高品質サービスの伝送に不向きであり、また、通信品質の制御が困難である。
【0005】
このような状況において、Ethernet(登録商標)における高品質サービスの提供や品質向上を図るために、近年、非同期網であったEthernet(登録商標)自体を同期網にする検討が進んでいる。これは、同期Ethernet(登録商標)(Synchronized Ethernet(登録商標))とよばれるものであり、具体的にはネットワーク内のEthernet(登録商標)装置やユーザの端末のクロックを同期化させるものである(例えば、非特許文献2、3を参照)。
【0006】
この同期Ethernet(登録商標)技術により、フレームフォーマットはEthernet(登録商標)でありながら、同期網が有する様々な利点を利用することが可能となる。例えば、Ethernet(登録商標)フレームの送受信を行う端末同士をクロック同期化させれば、Ethernet(登録商標)という普及の著しい規格の端末機器を用い、回線エミュレーションやリアルタイム・ストリームの伝送などが可能となる。また、ネットワーク内のEthernet(登録商標)装置のクロックの同期化を行えば、帯域の相対的に小さい区間においても通信品質の保証(遅延揺らぎの抑圧など)が容易となる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】河西宏之、槇一光、辻久雄、上田裕巳、「わかりやすいSDH/SONET伝送方式」、オーム社、平成13年。
【非特許文献2】ITU−T G.8261
【非特許文献3】ITU−T G.8262
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように、本来非同期網であったEthernet(登録商標)を同期網化する同期Ethernet(登録商標)には様々なメリットがあるが、ネットワークを構成するEthernet(登録商標)装置のうち、一部のEthernet(登録商標)装置や端末を同期網化するだけでも、そのメリットを得ることが可能となることは容易に考え得る。例えば、図2において、ユーザの端末32、および、それに同期クロックを供給する加入者収容装置23と宅内終端装置31を同期網化するだけでも、回線エミュレーションやリアルタイム・ストリーム伝送が可能となる。また、帯域の相対的に小さい区間の装置を同期網化すれば、パケット廃棄や遅延揺らぎや遅延を小さくすることも可能となる。このような一部のEthernet(登録商標)装置や端末の同期網化は、全体の同期網化に比べ、コスト上のメリットを有する。
【0009】
しかし、その場合に、同期網化されたEthernet(登録商標)装置と、非同期網のEthernet(登録商標)装置が同一レイヤで接続される接続点が発生することになる。この場合、従来の同期網(SONET/SDHなど)とも、非同期網(従来型Ethernet(登録商標)など)とも、クロック供給の形態が異なるので、新たなクロック供給方法を提供する必要がある。
【0010】
さらに、現実的な運用上の問題として、図2において、ユーザ宅3内に設置される宅内終端装置31および端末32は、同期網化されているものとされていないものとがあるところ、双方を同期網に対して接続できるようにしなければならないということがある。すなわち、非同期網の一部同期網への置き換えに当たっては、同期網化された加入者収容装置23は、同期網化された宅内終端装置31も、同期網化されていない宅内終端装置31も接続収容できなければならない、という課題が存在する。また、同様に、同期網化された宅内終端装置31は、同期網化された端末32も、同期網化されていない端末32も接続収容できなければならない、という課題が存在する。
【0011】
そこで、前記課題を解決するために、本発明は、同期機能を有する通信装置と同期機能を有さない通信装置を接続でき、かつ、同期機能を有する通信装置間では同期機能を損なわない技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、クロック同期網又はクロック配信網から同期クロックを受信して、そのままの状態の同期クロック又は周波数変換をした同期クロックをシステムクロックとする。ここで、同期クロックのシステムクロックは、クロック同期網の外部のクロック非同期網におけるクロック周波数の規定値の範囲内に収まる周波数を有する。そして、クロック同期網の外部のクロック非同期網に位置する他の通信装置に、システムクロックに同期して、フレームを送信することができるようにした。
【0013】
具体的には、本発明は、クロック同期網を構成する通信装置であって、前記クロック同期網又はクロック配信網から同期クロックを受信する同期クロック受信部と、そのままの状態の前記同期クロック又は周波数変換をした前記同期クロックを、前記通信装置のシステムクロックとして生成するシステムクロック生成部と、前記クロック同期網の外部のクロック非同期網に位置する他の通信装置に、前記システムクロックに同期して、フレームを送信するフレーム送信部と、を備えることを特徴とする通信装置である。
【0014】
また、本発明は、前記システムクロックは、前記クロック同期網の外部のクロック非同期網におけるクロック周波数の規定値の範囲内に収まる周波数を有することを特徴とする通信装置である。
【0015】
また、本発明は、クロック同期網を構成する通信装置における通信方法であって、前記クロック同期網又はクロック配信網から同期クロックを受信する同期クロック受信ステップと、そのままの状態の前記同期クロック又は周波数変換をした前記同期クロックを、前記通信装置のシステムクロックとして生成するシステムクロック生成ステップと、前記クロック同期網の外部のクロック非同期網に位置する他の通信装置に、前記システムクロックに同期して、フレームを送信するフレーム送信ステップと、を順に備えることを特徴とする通信方法である。
【0016】
また、本発明は、前記システムクロックは、前記クロック同期網の外部のクロック非同期網におけるクロック周波数の規定値の範囲内に収まる周波数を有することを特徴とする通信方法である。
【0017】
また、本発明は、クロック同期網に同期クロックを供給する同期クロック供給装置と、前記クロック同期網を構成する通信装置と、前記クロック同期網の外部のクロック非同期網に位置する他の通信装置と、を備える通信システムであって、前記通信装置は、前記クロック同期網又はクロック配信網から同期クロックを受信する同期クロック受信部と、そのままの状態の前記同期クロック又は周波数変換をした前記同期クロックを、前記通信装置のシステムクロックとして生成するシステムクロック生成部と、前記他の通信装置に、前記システムクロックに同期して、フレームを送信するフレーム送信部と、を備えることを特徴とする通信システムである。
【0018】
また、本発明は、前記システムクロックは、前記クロック同期網の外部のクロック非同期網におけるクロック周波数の規定値の範囲内に収まる周波数を有することを特徴とする通信システムである。
【0019】
この構成によれば、同期網を構成する通信装置は、システムクロックを利用して、当該同期網を構成する通信装置にフレームを送信することができるのみならず、当該同期網を構成しない通信装置にフレームを送信することもできる。
【0020】
上記目的を達成するために、同期クロックとは非同期の通信装置の送信するクロックに同期して、非同期の通信装置からフレームを受信することができるようにした。ここで、同期クロック及び他の通信装置の送信するクロックを区別するようにした。
【0021】
具体的には、本発明は、前記同期クロックとは非同期の通信装置の送信するクロックに同期して、前記非同期の通信装置からフレームを受信するフレーム受信部、をさらに備えることを特徴とする通信装置である。
【0022】
また、本発明は、前記同期クロックとは非同期の通信装置の送信するクロックに同期して、前記非同期の通信装置からフレームを受信するフレーム受信ステップ、を前記同期クロック受信ステップ、前記システムクロック生成ステップ及び前記フレーム送信ステップと並行してさらに備えることを特徴とする通信方法である。
【0023】
この構成によれば、同期網を構成する通信装置は、当該同期網を構成する通信装置からフレームを受信することができるのみならず、当該同期網を構成しない通信装置からフレームを受信することもできる。そして、いずれの通信装置の送信するクロックが従属するべき同期クロックであるかを判別することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、同期機能を有する通信装置と同期機能を有さない通信装置を接続でき、かつ、同期機能を有する通信装置間では同期機能を損なわない技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】従来技術の同期網の構成を示す図である。
【図2】従来技術の非同期網の構成を示す図である。
【図3】実施形態1の加入者収容装置の構成を示す図である。
【図4】実施形態2の加入者収容装置の構成を示す図である。
【図5】実施形態3の加入者収容装置の構成を示す図である。
【図6】実施形態4の宅内終端装置の構成を示す図である。
【図7】実施形態5の宅内終端装置の構成を示す図である。
【図8】実施形態6の宅内終端装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施の例であり、本発明は以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。また、本発明は、同期網を構成する通信装置及び同期網を構成しない通信装置が混在する場合に適用することができ、適用する伝送方式をEthernet(登録商標)に限定されない。
【0027】
(実施形態1)
実施形態1の加入者収容装置の構成を図3に示す。加入者収容装置23は、クロック同期網又はクロック配信網に接続されることにより、同期クロックを得る。すなわち、加入者収容装置23において、コアネットワーク(クロック同期網)に接続されたコアネットワーク側入力ポート231、又は、クロック配信網に接続された同期クロック専用回線入力ポート234が、同期クロックを受信する。クロック抽出部236及びシステムクロック237は、そのままの状態の同期クロック又は周波数変換をした同期クロックを、加入者収容装置23のシステムクロックとして生成する。1つ又は複数のコアネットワーク側入力ポート231及び1つ又は複数のアクセスネットワーク側出力ポート233の間に、フレーム交換機能を有する下り交換機能部232が介在する。1つ又は複数のアクセスネットワーク側入力ポート238及び1つ又は複数のコアネットワーク側出力ポート240の間に、フレーム交換機能を有する上り交換機能部239が介在する。
【0028】
アクセスネットワーク側出力ポート233は、クロック同期網の内部に位置する宅内終端装置31にフレームを送信するのみならず、クロック同期網の外部に位置する宅内終端装置31にフレームを送信する。ここで、同期クロックのシステムクロックは、クロック同期網の外部のクロック非同期網におけるクロック周波数の規定値の範囲内に収まる周波数を有する。よって、アクセスネットワーク側出力ポート233は、システムクロックに同期して、クロック同期網の内部に位置する宅内終端装置31にフレームを送信することができるのみならず、クロック同期網の外部に位置する宅内終端装置31にフレームを送信することができるのである。
【0029】
コアネットワーク側入力ポート231は、クロック同期網の内部に位置する上位局1からフレームを受信するのみならず、クロック同期網の外部に位置する上位局1からフレームを受信する。アクセスネットワーク側入力ポート238は、クロック同期網の内部に位置する宅内終端装置31からフレームを受信するのみならず、クロック同期網の外部に位置する宅内終端装置31からフレームを受信する。ここで、コアネットワーク側入力ポート231及びアクセスネットワーク側入力ポート238は、各々の送信元の送信するクロックに同期して、各々の送信元からフレームを受信する。
【0030】
同期クロックを受信するポートは、コアネットワーク側入力ポート231又は同期クロック専用回線入力ポート234である。同期クロック専用回線として、例えば、GPSの10MHz信号やPPS信号を用いても良い。あるいは、下位局2にSDH/SONETが併設されている場合、クロックサプライモジュール24が存在することから、クロックサプライモジュール出力信号あるいはSDH/SONETのクロックを用いても良い。さらには、クロック供給だけを目的とした同期Ethernet(登録商標)回線を用意しても良い。
【0031】
クロック同期網の内部に位置する上位局1及びクロック同期網の外部に位置する上位局1が接続される場合には、いずれのコアネットワーク側入力ポート231が受信するクロックには従属するべきであるのかを把握する必要があり、あるいは同期クロック専用回線入力ポート234が受信するクロックに従属しても良い。クロック同期網の外部に位置する上位局1のみが接続される場合には、いずれのコアネットワーク側入力ポート231が受信するクロックにも従属するべきでないことを把握する必要があり、なおかつ同期クロック専用回線入力ポート234が受信するクロックに従属する必要がある。
【0032】
選択部235は、コアネットワーク側入力ポート231及び同期クロック専用回線入力ポート234が受信するクロックのうち、従属するべきクロックを選択する。ここで、選択部235は、いずれのコアネットワーク側入力ポート231が受信するクロックには従属するべきであるのかを示すテーブルを参照しても良い。または、選択部235は、すべてのコアネットワーク側入力ポート231が受信するクロックについて、クロックの周波数を測定して適切な周波数のクロックを選択しても良い。
【0033】
(実施形態2)
実施形態2の加入者収容装置の構成を図4に示す。実施形態2は、実施形態1と比較して、以下が相違する。コアネットワーク側出力ポート240は、クロック同期網の内部に位置する上位局1にフレームを送信するのみならず、クロック同期網の外部に位置する上位局1にフレームを送信する。ここで、フレームの送信に利用するクロックは、システムクロックではなく自走クロック241であるため、装置の構成が簡易になる。
【0034】
(実施形態3)
実施形態3の加入者収容装置の構成を図5に示す。実施形態3は、実施形態1と比較して、以下が相違する。コアネットワーク側出力ポート240は、クロック同期網の内部に位置する上位局1にフレームを送信するのみならず、クロック同期網の外部に位置する上位局1にフレームを送信する。ここで、同期クロックのシステムクロックは、クロック同期網の外部のクロック非同期網におけるクロック周波数の規定値の範囲内に収まる周波数を有する。よって、コアネットワーク側出力ポート240は、システムクロックに同期して、クロック同期網の内部に位置する上位局1にフレームを送信することができるのみならず、クロック同期網の外部に位置する上位局1にフレームを送信することができるのである。
【0035】
(実施形態4)
実施形態4の宅内終端装置の構成を図6に示す。宅内終端装置31は、少なくとも加入者収容装置23との間でクロック同期網を構成する。アクセスネットワーク側入力ポート311は、加入者収容装置23から同期クロックを受信する。クロック抽出部314及びシステムクロック315は、そのままの状態の同期クロック又は周波数変換をした同期クロックを、宅内終端装置31のシステムクロックとして生成する。1つのアクセスネットワーク側入力ポート311及び1つ又は複数の端末接続ポート側出力ポート313の間に、フレーム分離機能を有する下り分離機能部312が介在する。1つ又は複数の端末接続ポート側入力ポート316及び1つのアクセスネットワーク側出力ポート318の間に、フレーム多重機能を有する上り多重機能部317が介在する。なお、宅内終端装置31は、端末32側に、端末接続ポート側出力ポート313とは別に、同期クロック専用回線出力ポートを有しても良い。
【0036】
端末接続ポート側出力ポート313は、クロック同期網の内部に位置する端末32にフレームを送信するのみならず、クロック同期網の外部に位置する端末32にフレームを送信する。ここで、同期クロックのシステムクロックは、クロック同期網の外部のクロック非同期網におけるクロック周波数の規定値の範囲内に収まる周波数を有する。よって、端末接続ポート側出力ポート313は、システムクロックに同期して、クロック同期網の内部に位置する端末32にフレームを送信することができるのみならず、クロック同期網の外部に位置する端末32にフレームを送信することができるのである。
【0037】
アクセスネットワーク側入力ポート311は、クロック同期網の内部に位置する加入者収容装置23からフレームを受信する。端末接続ポート側入力ポート316は、クロック同期網の内部に位置する端末32からフレームを受信するのみならず、クロック同期網の外部に位置する端末32からフレームを受信する。ここで、アクセスネットワーク側入力ポート311及び端末接続ポート側入力ポート316は、各々の送信元の送信するクロックに同期して、各々の送信元からフレームを受信する。なお、アクセスネットワーク側入力ポート311は、クロック同期網の外部に位置する装置からもフレームを受信できる。
【0038】
(実施形態5)
実施形態5の宅内終端装置の構成を図7に示す。実施形態5は、実施形態4と比較して、以下が相違する。アクセスネットワーク側出力ポート318は、クロック同期網の内部に位置する加入者収容装置23にフレームを送信する。なお、アクセスネットワーク側出力ポート318は、クロック同期網の外部に位置する装置にもフレームを送信できる。ここで、フレームの送信に利用するクロックは、システムクロックではなく自走クロック319であるため、装置の構成が簡易になる。
【0039】
(実施形態6)
実施形態6の宅内終端装置の構成を図8に示す。実施形態6は、実施形態4と比較して、以下が相違する。アクセスネットワーク側出力ポート318は、クロック同期網の内部に位置する加入者収容装置23にフレームを送信する。なお、アクセスネットワーク側出力ポート318は、クロック同期網の外部に位置する装置にもフレームを送信できる。ここで、同期クロックのシステムクロックは、クロック同期網の外部のクロック非同期網におけるクロック周波数の規定値の範囲内に収まる周波数を有する。よって、アクセスネットワーク側出力ポート318は、システムクロックに同期して、クロック同期網の内部に位置する加入者収容装置23にフレームを送信することができるのみならず、クロック同期網の外部に位置する装置にフレームを送信することができるのである。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明に係る通信装置、通信方法及び通信システムは、適用する伝送方式をEthernet(登録商標)に限定されずに、同期網を構成する通信装置及び同期網を構成しない通信装置が混在する場合に適用することができる。
【符号の説明】
【0041】
1:上位局
2:下位局
3:ユーザ宅
11:加入者収容装置
12:クロックサプライモジュール
21:伝送装置
22:交換装置
23:加入者収容装置
24:クロックサプライモジュール
31:宅内終端装置
32:端末
231:コアネットワーク側入力ポート
232:下り交換機能部
233:アクセスネットワーク側出力ポート
234:同期クロック専用回線入力ポート
235:選択部
236:クロック抽出部
237:システムクロック
238:アクセスネットワーク側入力ポート
239:上り交換機能部
240:コアネットワーク側出力ポート
241:自走クロック
311:アクセスネットワーク側入力ポート
312:下り分離機能部
313:端末接続ポート側出力ポート
314:クロック抽出部
315:システムクロック
316:端末接続ポート側入力ポート
317:上り多重機能部
318:アクセスネットワーク側出力ポート
319:自走クロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロック同期網を構成する通信装置であって、
前記クロック同期網又はクロック配信網から同期クロックを受信する同期クロック受信部と、
そのままの状態の前記同期クロック又は周波数変換をした前記同期クロックを、前記通信装置のシステムクロックとして生成するシステムクロック生成部と、
前記クロック同期網の外部のクロック非同期網に位置する他の通信装置に、前記システムクロックに同期して、フレームを送信するフレーム送信部と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記システムクロックは、前記クロック同期網の外部のクロック非同期網におけるクロック周波数の規定値の範囲内に収まる周波数を有することを特徴とする、請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記同期クロックとは非同期の通信装置の送信するクロックに同期して、前記非同期の通信装置からフレームを受信するフレーム受信部、
をさらに備えることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
クロック同期網を構成する通信装置における通信方法であって、
前記クロック同期網又はクロック配信網から同期クロックを受信する同期クロック受信ステップと、
そのままの状態の前記同期クロック又は周波数変換をした前記同期クロックを、前記通信装置のシステムクロックとして生成するシステムクロック生成ステップと、
前記クロック同期網の外部のクロック非同期網に位置する他の通信装置に、前記システムクロックに同期して、フレームを送信するフレーム送信ステップと、
を順に備えることを特徴とする通信方法。
【請求項5】
前記システムクロックは、前記クロック同期網の外部のクロック非同期網におけるクロック周波数の規定値の範囲内に収まる周波数を有することを特徴とする、請求項4に記載の通信方法。
【請求項6】
前記同期クロックとは非同期の通信装置の送信するクロックに同期して、前記非同期の通信装置からフレームを受信するフレーム受信ステップ、
を前記同期クロック受信ステップ、前記システムクロック生成ステップ及び前記フレーム送信ステップと並行してさらに備えることを特徴とする、請求項4又は請求項5に記載の通信方法。
【請求項7】
クロック同期網に同期クロックを供給する同期クロック供給装置と、
前記クロック同期網を構成する通信装置と、
前記クロック同期網の外部のクロック非同期網に位置する他の通信装置と、
を備える通信システムであって、
前記通信装置は、
前記クロック同期網又はクロック配信網から同期クロックを受信する同期クロック受信部と、
そのままの状態の前記同期クロック又は周波数変換をした前記同期クロックを、前記通信装置のシステムクロックとして生成するシステムクロック生成部と、
前記他の通信装置に、前記システムクロックに同期して、フレームを送信するフレーム送信部と、
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項8】
前記システムクロックは、前記クロック同期網の外部のクロック非同期網におけるクロック周波数の規定値の範囲内に収まる周波数を有することを特徴とする、請求項7に記載の通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−58821(P2013−58821A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194479(P2011−194479)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】