説明

通信装置、通信装置の制御方法およびプログラム。

【課題】 ユーザがプリンタの詳細設定情報を確認し、必要な項目を再設定するのでは、操作が煩雑であった。また、無線LANの電界強度に応じてコンテンツデータを印刷する順序を変更するのでは、ユーザの意図とは関係なくコンテンツデータの印刷順序が変更されてしまう場合があった。
【解決手段】 複数の通信相手から受信した複数のコンテンツデータを順次処理する通信装置であって、所定の通信相手との接続と切断を検出し、検出された接続と切断とに応じて、複数のコンテンツデータを処理する順序を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の装置から受信したデータを処理する順番の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタでは複数の印刷対象データ(コンテンツデータ)を受信した場合、受信したコンテンツデータを一時的に記憶しておき、順次印刷処理を行う。ここで、特定のコンテンツデータを優先的に印刷させるためには、ユーザはプリンタの詳細設定情報を確認し、必要な項目を再設定する必要があった。
【0003】
また、ユーザとプリンタとの距離が近い場合に、当該ユーザからのコンテンツデータを優先的に印刷するシステムがあった。例えば、特許文献1では、コンテンツデータを送信した装置からの無線LANの電界強度が強いほど、プリンタは当該装置からのコンテンツデータを優先的に印刷する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−227795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ユーザがプリンタの詳細設定情報を確認し、必要な項目を再設定するのでは、操作が煩雑であった。また、無線LANの電界強度に応じてコンテンツデータを印刷する順序を変更するのでは、ユーザの意図とは関係なくコンテンツデータの印刷順序が変更されてしまう場合があった。
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、ユーザが通信装置の近くにいる場合に、簡単な操作でコンテンツデータを処理する順序を変更できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の通信装置は、複数の通信相手から受信した複数のコンテンツデータを順次処理する通信装置であって、複数の通信相手のうち、所定の通信相手と再接続したことを検出し、検出した通信相手との再接続に応じて、コンテンツデータを処理する順序を変更する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザは簡単な操作でコンテンツデータの処理順序を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】システム構成図
【図2】ハードウェア構成図
【図3】機能ブロック図
【図4】プリンタが実現するフローチャート
【図5】デジタルカメラが実現するフローチャート
【図6】印刷情報テーブルを示す図
【図7】表示画面を示す図
【図8】機能ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態1>
図1に本実施形態のシステム構成図を示す。101は、通信装置としてのプリンタである。102は、プリンタ101の通信相手装置としてのデジタルカメラである。プリンタ101とデジタルカメラ102とは、お互いの距離が数センチメートル以内に存在する場合、近接無線通信103を介してPeer to Peer通信(ピア・トゥー・ピア)を行うことができる。本実施形態では、近接無線通信103として誘導電界を利用したTransferJet(商標)を用いる。しかし、これに限らず、近接無線通信103は、電磁誘導を利用したNFC(Near Field Communication)や、赤外線を利用したIrDAであってもよい。
【0011】
104は、PC(パーソナルコンピュータ)である。プリンタ101とPC104とは、ネットワーク105を介して有線106(Ethernet(登録商標))により接続されている。
【0012】
図2(a)は、プリンタ101のハードウェア構成図である。201はプリンタ101全体を制御するCPU(Central Processing Unit)である。202は後述するプログラム等を記憶するメモリである。メモリ202は、さらに図6(a)に示すような印刷情報テーブル601を記憶している。印刷情報テーブル601には印刷データの名前(ファイル名や印刷データの場所を表すURL)、印刷データの送信元の識別情報、および、優先度が含まれている。後述する印刷部204は優先度が高い順に印刷データを印刷(プリントアウト)する。本実施形態では、優先度の数値が高いほど、優先度が高いものとする。
【0013】
203はTransferJetに準拠した通信を行うための通信部である。なお、通信部203は不図示のアンテナを含む。204は印刷を行う印刷部である。205はユーザに対して各種情報を告知(提示)するための表示部である。なお表示部205が、不図示のスピーカー等を用いて音声によりユーザに対して各種情報を告知するようにしてもよい。
【0014】
図3(a)は、プリンタ101のCPU201がメモリ202に記憶されているプログラムを読み出すことで実現される機能ブロック図である。なお、これらの機能ブロックの一部または全部をまとめて1つの機能ブロックとしてもよい。また、これらの機能ブロックの一部または全部をASIC等のハードウェアとして構成してもよい。
【0015】
301は通信部203を利用して通信相手(デジタルカメラ)と接続処理を行う接続部である。302は電界強度を測定する測定部である。接続部301は、測定部302により所定値以上の電界強度が測定されると、通信相手と接続処理を行う。しかし、接続部301が通信相手にメッセージを送信し、このメッセージが通信相手に到達したことを検出した場合(例えば、Ackを受信する)、通信相手と接続処理を行うようにしてもよい。ここでAckとは、Acknowledgementの略である。
【0016】
303は通信部203を利用した通信相手との通信を切断する切断部である。切断部303は、測定部302により所定時間以上、電界強度が所定値未満であると測定されると、通信相手との通信を切断する。しかし、接続部301が通信相手にメッセージを送信し、このメッセージが通信相手に一定回数以上到達しなかった場合、通信相手との通信を切断するようにしてもよい。
【0017】
304は、接続部301による接続と切断部303による切断を検出する検出部である。
【0018】
305は、通信部203を利用して通信相手からコンテンツデータ(印刷データ)を受信する受信部である。なお、受信部305は通信相手から画像データを受信し、受信した画像データを印刷データに変換するようにしてもよい。
【0019】
306は、印刷部204を利用して、受信部305により受信した複数のコンテンツデータを順次処理(印刷)する処理部である。処理部306は、コンテンツデータに設定された優先度の値が高いコンテンツデータから順次処理(ここでは印刷)を行う。なお、同一の優先度のコンテンツデータが複数ある場合には、処理部306は、より早くに受信したコンテンツデータから優先して処理を行う(FIFO、First In First Out)。
【0020】
307は、処理部306がコンテンツデータを処理する順序を管理する管理部である。管理部307は、図6(a)に示すような印刷情報テーブルを管理する。印刷情報テーブルはメモリ202に記憶されている。管理部307は、コンテンツデータ毎に付与された優先度を設定する設定部308をさらに有する。設定部308がコンテンツデータ毎に付与された優先度を変更し再設定することで、管理部307は処理部306によるコンテンツデータの処理順序を変更することができる。また、設定部308は再設定した優先度をメモリ202に記憶させる。
【0021】
309は、通信部203を利用して通信相手の機器識別子(ID)を取得する取得部である。取得部309は取得した機器識別子をメモリ202に記憶させる。310は、取得部309により取得した最新の機器識別子と、過去に受信し既にメモリ202に記憶されている機器識別子とを比較照合する比較部である。311は、処理部306がコンテンツデータを処理するまでの時間を表示部205に表示させる表示制御部である。表示制御部311はさらに通信相手が有する表示部254(後述)に時間を表示させるようにしてもよい。
【0022】
図2(b)は、デジタルカメラ102のハードウェア構成図である。251はデジタルカメラ102全体を制御するCPUである。252は後述するプログラム等を記憶するメモリである。253はTransferJetに準拠した通信を行うための通信部である。なお、通信部253は不図示のアンテナを含む。254はユーザに対して各種情報を告知するための表示部である。
【0023】
図3(b)は、デジタルカメラ102のCPU251がメモリ252に記憶されているプログラムを読み出すことで実現される機能ブロック図である。なお、これらの機能ブロックの一部または全部をまとめて1つの機能ブロックとしてもよい。また、これらの機能ブロックの一部または全部をASIC等のハードウェアとして構成してもよい。
【0024】
351は、通信部203を利用して通信相手が近接無線通信103の通信範囲内に入ったことを検出し、通信相手と接続する接続部である。352は、通信部203を利用して通信相手に機器識別子(デジタルカメラ102を識別するためのID)を通知する通知部である。352は、通信部203を利用して通信相手に印刷データを送信する送信部である。送信部353はユーザが予め選択した画像データを印刷データに変換して送信する。しかしこれに限らず送信部353は、デジタルカメラ102のメモリ252に記憶されている全ての画像データを印刷データに変換して送信するようにしてもよい。また、プリンタ101で画像データから印刷データに変換できる場合には、送信部353は画像データをそのままプリンタ101に送信するようにしてもよい。354は、通信相手との通信を切断する切断部である。355は、接続部351による接続と切断部354による切断とを検出する検出部である。
【0025】
図4(a)にプリンタ101のCPU201がメモリ202に記憶されているプログラムを読み出すことで実現されるフローチャートを示す。なお、プリンタ101では、このフローチャートと並行して処理部306の指示に従い印刷部204が印刷情報テーブル601に示された優先度に従って印刷を行う。同一の優先度の印刷データが複数ある場合には、印刷部204は、より早くに受信した印刷データから優先して印刷する。また、印刷部204が印刷すると、メモリ202は印刷した印刷データを印刷情報テーブル601から消去する。また、印刷データが存在しない場合には印刷部204は印刷を行わない。なお、図4(b)は実施形態2で説明する。
【0026】
また、図5(a)にデジタルカメラ102のCPU251がメモリ252に記憶されているプログラムを読み出すことで実現されるフローチャートを示す。なお、図5(b)は実施形態2で説明する。ここでは、初期状態としてプリンタ101とデジタルカメラ102とは十分に離れた位置に配置されており、近接無線通信103をすることができない。また、プリンタ101は既に有線106を介してPC104から印刷データを受信しており、印刷データをメモリ202に記憶している。さらにメモリ202は、受信した印刷データに対応する印刷情報テーブル601(図6(a))を記憶している。
【0027】
ユーザが、プリンタ101とデジタルカメラ102とを近づけると、プリンタ101とデジタルカメラ102とが近接無線通信103の通信範囲内に入り、接続部301はデジタルカメラ102との接続処理を行う(S401)。また、デジタルカメラ102の接続部351も、プリンタ101との接続処理を行う(S501)。なお、ユーザがプリンタ101とデジタルカメラ102とを近づける操作とは、ユーザがデジタルカメラ102をプリンタ101にタッチすることで実現される。
【0028】
接続が完了すると、デジタルカメラ102の通知部352はプリンタ101に対して、機器識別子(デジタルカメラ102を識別するためのID)を通知する(S502)。プリンタ101の取得部309は、デジタルカメラ102から、この機器識別子を受信する(S402)。比較部310は、ステップS402において受信した機器識別子と、過去に受信し既にメモリ202に記憶されている機器識別子とを比較する(S403)。比較の結果、ステップS402において受信した機器識別子と、過去に受信し既にメモリ202に記憶されている機器識別子とが一致していた場合、ステップS404に進む。また、機器識別子が一致していない場合、ステップS405に進む。この比較によりプリンタ101は、同じデジタルカメラ102と再接続したか否かを確認することができる。ここでは、過去に受信し既にメモリ202に記憶されている機器識別子は無いので、機器識別子が一致していないと判定され、ステップS405に進む。
【0029】
ステップS405では、CPU201の指示によりメモリ202は、記憶する機器識別子をステップS402において受信した機器識別子に更新する。なお、メモリ202は既に記憶している機器識別子に追加して、ステップS402において受信した機器識別子を記憶するようにしてもよい。これにより、ステップS403において比較部310は、過去に接続したことのある複数の機器識別子との比較を行うことができる。
【0030】
次に、デジタルカメラ102の送信部353は、未送信の印刷データがある場合、プリンタ101に印刷データを送信する(S503、S504)。ここでは、送信部353はユーザが予め選択した画像データを印刷データに変換して送信する。また、プリンタ101の受信部305は、デジタルカメラ102から印刷データを受信したか否かを確認する(S406)。印刷データを受信した場合にはステップS407に進み、受信していない場合にはステップS410に進む。
【0031】
ここでは、プリンタ101はデジタルカメラ102から印刷データを受信しているので、CPU201の指示によりメモリ202は、受信した印刷データを記憶する(S407)。さらに管理部307は、受信した印刷データの名前、印刷データの送信元の識別情報、および、優先度を印刷情報テーブル601に書き込む(S408)。このようにして印刷情報テーブル601は、図6(a)に示すテーブルから図6(b)に示すテーブルへと更新される。なお、ここで、設定部308は優先度としてデフォルト値である“1”を設定する。
【0032】
印刷データを記憶すると、プリンタ101の表示部205は表示制御部311の指示により、受信した印刷データが印刷部204により印刷されるまでの待ち時間を表示する(S409)。ここでは、表示部205は図7(a)に示す表示を行う。これにより、ユーザは印刷されるまでの時間を知ることができる。なお、表示部205は、さらに印刷処理待ちの印刷データ数や印刷枚数を表示してもよい。これにより、ユーザは印刷の状況をより詳細に知ることができる。また、表示制御部311が、待ち時間の情報をデジタルカメラ102に送信し、デジタルカメラ102の表示部254でも同様の内容を表示するようにしてもよい。これにより、ユーザは、プリンタ101とデジタルカメラ102のうち好きな方から情報を得ることができる。また、たとえプリンタ101に表示部が搭載されていなかった場合であっても、ユーザは情報を得ることができる。
【0033】
さらにプリンタ101の検出部304は、デジタルカメラ102との近接無線通信103が切断したか否かを確認する(S410)。切断していた場合にはステップS401に戻り、切断していない場合(即ち、通信が継続している場合)にはステップS406に戻る。また、デジタルカメラ102の検出部355は、プリンタ101との近接無線通信103が切断部354により切断したか否かを確認する(S505)。切断していた場合にはステップS501に戻り、切断していない場合にはステップS503に戻る。
【0034】
ここでは、デジタルカメラ102から送信した印刷データを優先的に印刷するために、ユーザはプリンタ101とデジタルカメラ102とを離す(デタッチ)。従って、プリンタ101の切断部303、および、デジタルカメラ102の切断部354は、近接無線通信103を切断する。そして、プリンタ101ではステップS401に、デジタルカメラ102ではステップS501に戻る。
【0035】
その後、ユーザは再びプリンタ101とデジタルカメラ102とを近づける(再タッチ)。
【0036】
プリンタ101では、ステップS401、S402を経てステップS403に進む。ここではプリンタ101はデジタルカメラ102と再接続したので、ステップS402において受信した機器識別子と、過去に受信し既にメモリ202に記憶されている機器識別子とが一致する。従って、ステップS404に進み、設定部308は一致した機器識別子を有する通信相手から受信した印刷データのうち、印刷情報テーブルにキュー(待ち行列)として溜まっている印刷データの優先度を高める。ここでは、設定部308はデジタルカメラ102から受信した全ての印刷データの優先度を1増加させる。なお、前回接続時に受信した印刷データの優先度のみを増加させるようにしてもよい。また、設定部308は優先度を他の通信相手(ここでは、PC104)から受信した印刷データの優先度の値よりも高い所定の値(例えば3)に設定するようにしてもよい。また、設定部308は通信インターフェースの種別に応じた優先度を設定するようにしてもよい。また、デジタルカメラ102との切断から再接続までの時間を計測し、所定の時間内に再接続された場合に限り、設定部308が優先度を高めるようにしてもよい。また、デジタルカメラ102で印刷対象として選択された印刷データが、再タッチ前と同じであることを確認できた場合、設定部308が当該印刷データの優先度を高めるようにしてもよい。また、デジタルカメラ102が印刷データを送信済みと認識し(ステップS503でNO)、何ら印刷データが送信しなかった場合に、設定部308がデジタルカメラ102から受信した全ての印刷データの優先度を1増加させるようにしてもよい。
【0037】
このようにして、図6(c)に示すようにデジタルカメラ102からの印刷データの優先度が高まり、PC104からの印刷データよりも優先度が高くなる。従って、ユーザはPC104から受信した印刷データの印刷を待つことなく、デジタルカメラ102が送信した印刷データの印刷物を取得することができる。
【0038】
また、上述の実施形態では、プリンタ101は、プリンタ101とデジタルカメラ102との再接続を判定した。しかし、これに限らず、プリンタ101とデジタルカメラ102とが所定時間以上タッチされ続けている(通信が継続している)ことを検出して、優先度を上げるようにしてもよい。具体的には、ステップS406においてプリンタ101が印刷データを受信した後に、表示部205が図7(b)に示す表示を行う。表示後、さらに所定の時間(例えば、5秒間)以上タッチされていることを検出した場合、プリンタ101は、タッチが継続されているデジタルカメラ102からの印刷データの優先度を上げる。このようにしても、同様の効果を得ることができる。
【0039】
また、通信インターフェースに応じた優先度を予め設定するようにしてもよい。例えば、Etherにより受信した印刷データに対しては優先度を1とし、TransferJEtにより受信した印刷データに対しては優先度を3とする。このようにしても、ユーザはPC104から受信した印刷データの印刷を待つことなく、デジタルカメラ102が送信した印刷データの印刷物を取得することができる。
【0040】
また、優先度を変更するのではなく、印刷情報テーブル601の順序を変更するようにしてもよい。例えば、図6(b)から図6(d)のように変更することでも、本願の目的を達成することができる。また、一度の再タッチに応じて、図6(b)から図6(e)のように順序を1つだけ上げるようにしてもよい。
【0041】
また、管理部307の機能をプリンタ101と独立した不図示のプリントサーバに持たせるようにしてもよい。この場合、プリンタ101はデジタルカメラ102との再接続したことをプリントサーバに通知し、プリントサーバが印刷情報テーブルを更新する。その後、プリンタ101はプリントサーバの指示により印刷処理を行うことで、本願の目的を達成することができる。
【0042】
上述のようにして、ユーザは、デジタルカメラとプリンタとの間でタッチとデタッチを繰り返すことで、デジタルカメラから送信したデータを優先的に印刷させることができる。即ち、プリンタは、ネットワークを介してプリンタにアクセスしているPCの近くにいるユーザ(即ち、ユーザは、プリンタからは遠いと推測できる)よりも、プリンタの近くにいるユーザからの印刷要求に対して優先的に応答し、印刷する。従って、プリンタの近くにいるユーザは、ネットワーク越しのPCから送信された印刷データが印刷し終わるのを待つことなく、自分の印刷物を取得することができる。
【0043】
また、本発明は印刷に限らず、画像データを順次表示する、動画データや音楽データを順次再生するといった場合であっても、適用することができる。
【0044】
また、上述の実施形態では再接続に応じて優先度を高めたが、優先度を低くするようにしても良い(例えば、優先度を0にする)。これにより、例えば、デジタルカメラ102が印刷データDを送信した後に、PC104が印刷データEを送信した場合であっても、プリンタ101は印刷データEを先に印刷する。従って、デジタルカメラ102のユーザの意思により、印刷順序を変更することができる。
【0045】
<実施形態2>
実施形態1では、プリンタ101がデジタルカメラ102との再接続を判定し、コンテンツデータを印刷する順序を変更した。実施形態2では、デジタルカメラ102がプリンタ101との再接続を判定し、コンテンツデータを印刷する順序を変更する。
【0046】
本実施形態のシステム構成図は実施形態1と同じなのでここでは説明を省略する。また、プリンタ101のハードウェア構成とデジタルカメラ102のハードウェア構成は、各々実施形態1と同じなのでここでは説明を省略する。
【0047】
図8(a)は、プリンタ101のCPU201がメモリ202に記憶されているプログラムを読み出すことで実現される機能ブロック図である。実施形態1と同様の機能ブロックについては同じ符号を付し、ここでは説明を省略する。なお、これらの機能ブロックの一部または全部をまとめて1つの機能ブロックとしてもよい。また、これらの機能ブロックの一部または全部をASIC等のハードウェアとして構成してもよい。
【0048】
801は、プリンタ101の機器識別子(プリンタ101を識別するためのID)を通知する通知部である。802は、通信相手からの要求を確認する確認部である。
【0049】
図8(b)は、デジタルカメラ102のCPU251がメモリ252に記憶されているプログラムを読み出すことで実現される機能ブロック図である。実施形態1と同様の機能ブロックについては同じ符号を付し、ここでは説明を省略する。なお、これらの機能ブロックの一部または全部をまとめて1つの機能ブロックとしてもよい。また、これらの機能ブロックの一部または全部をASIC等のハードウェアとして構成してもよい。
【0050】
851は、プリンタ101の機器識別子を取得する取得部である。852は、取得部851により取得した最新の機器識別子と、過去に受信し既にメモリ252に記憶されている機器識別子とを比較照合する比較部である。853は、通信相手に対して印刷データの処理順序の変更を要求する要求部である。
【0051】
図4(b)にプリンタ101のCPU201がメモリ202に記憶されているプログラムを読み出すことで実現されるフローチャートを示す。また、図5(b)にデジタルカメラ102のCPU251がメモリ252に記憶されているプログラムを読み出すことで実現されるフローチャートを示す。
【0052】
なお、初期状態としてプリンタ101とデジタルカメラ102とは十分に離れた位置に配置されており、近接無線通信103をすることができない。また、プリンタ101は既に有線106を介してPC104から印刷データを受信しており、印刷データをメモリ202に記憶している。さらにメモリ202は、受信した印刷データに対応する印刷情報テーブル601(図6(a))を記憶している。
【0053】
ユーザが、プリンタ101とデジタルカメラ102とを近づけると、プリンタ101とデジタルカメラ102とが近接無線通信103の通信範囲内に入り、接続部301はデジタルカメラ102との接続処理を行う(S451)。また、デジタルカメラ102の接続部351も、プリンタ101との接続処理を行う(S551)。
【0054】
接続が完了すると、プリンタ101の通知部801はデジタルカメラ102に対して、プリンタ101の機器識別子通知する(S452)。デジタルカメラ102の取得部851は、この機器識別子を受信する(S552)。比較部310は、ステップS552において受信した機器識別子と、過去に受信し既にメモリ252に記憶されている機器識別子とを比較する(S553)。比較の結果、ステップS552において受信した機器識別子と、過去に受信し既にメモリ202に記憶されている機器識別子とが一致していた場合、ステップS554に進む。また、機器識別子が一致していない場合、ステップS555に進む。ここでは、過去に受信し既にメモリ252に記憶されている機器識別子は無いので、機器識別子が一致していないと判定され、ステップS555に進む。
【0055】
ステップS555では、CPU201の指示によりメモリ252は、記憶する機器識別子をステップS552において受信した機器識別子に更新する。次に、デジタルカメラ102の送信部353は、未送信の印刷データがある場合、プリンタ101に印刷データを送信する(S556、S557)。一方、プリンタ101の受信部305は、デジタルカメラ102から印刷データを受信し、メモリ202に記憶させる(S453)。さらに、プリンタ101の管理部307は受信した印刷データの名前、印刷データの送信元の識別情報、および、優先度を印刷情報テーブル601に書き込む(S454)。このようにして印刷情報テーブル601は、図6(a)に示すテーブルから図6(b)に示すテーブルへと更新される。印刷データを記憶すると、プリンタ101の表示部205は表示制御部311の指示により、受信した印刷データが印刷部204により印刷されるまでの待ち時間を表示する(S455)。ここでは、表示部205は図7(a)に示す表示を行う。
【0056】
その後、プリンタ101の確認部802は、デジタルカメラ102から優先度の変更要求を受信したか否かを確認する(S456)。変更要求を受信していない場合にはステップS457に進み、変更要求を受信していた場合にはステップS458に進む。ここでは、変更要求を受信していないのでステップS457に進む。
【0057】
ステップS457において、プリンタ101の検出部304は、デジタルカメラ102との近接無線通信103が切断したか否かを確認する。切断していた場合にはステップS451に戻り、切断していない場合にはステップS453に戻る。また、デジタルカメラ102の検出部355は、プリンタ101との近接無線通信103が切断部354により切断したか否かを確認する(S558)。切断していた場合にはステップS501に戻り、切断していない場合にはステップS556に戻る。
【0058】
ここでは、デジタルカメラ102から送信した印刷データを優先的に印刷するために、ユーザはプリンタ101とデジタルカメラ102とを離す(デタッチ)。従って、プリンタ101の切断部303、および、デジタルカメラ102の切断部354は、近接無線通信103を切断する。その後、ユーザは再びプリンタ101とデジタルカメラ102とを近づける(再タッチ)。
【0059】
プリンタ101では、ステップS451〜S455を経てステップS456に進む。また、デジタルカメラ102では、ステップS551、S552を経てステップS553に進む。ここではデジタルカメラ102はプリンタ101と切断後に再接続したので、ステップS552において受信した機器識別子と、過去に受信し既にメモリ202に記憶されている機器識別子とが一致する。従って、ステップS554に進み、要求部853はプリンタ101に対して印刷データの優先度を高めるための変更要求を送信する。なお、優先度を変更する印刷データを識別するインデックス情報を含めてプリンタ101に変更要求を送信することで、優先度を変更する印刷データを指定する。また、再接続する前と再接続後とで、ユーザにより選択されている印刷データに変更が無いことを確認した場合に限り、変更要求を送信するようにしてもよい。これにより、ユーザが新たな印刷データを選択し直した場合には、優先度を高めないようにすることができる。ここでは、要求部853は、印刷データDの優先度を1増加させるようプリンタ101に要求する。
【0060】
プリンタ101の確認部802はデジタルカメラ102からの変更要求を受信したことを確認し(S456)、ステップS458に進む。ステップS458において、設定部308は指定された印刷データの優先度を変更する。なお、印刷データの指定が無い場合には、設定部308は、当該通信相手から受信した全ての印刷データの優先度を変更する。ここでは、設定部308はデジタルカメラ102から印刷データDの優先度を1増加させる。
【0061】
このようにして、図6(c)に示すようにデジタルカメラ102からの印刷データの優先度が高まり、PC104からの印刷データよりも優先度が高くなる。従って、ユーザはPC104から受信した印刷データの印刷を待つことなく、デジタルカメラ102が送信した印刷データの印刷物を取得することができる。
【0062】
なお、ステップS554において、デジタルカメラ102は下記のように動作してもよい。即ち、要求部853がプリンタ101により印刷が開始されていない印刷データの印刷処理を取り消すよう要求する。さらに、送信部353は、高い優先度を付加した印刷要求をプリンタ101に送信する。これにより、プリンタ101がデジタルカメラ102からの優先度の変更指示に対応していない場合であっても、優先度を高めることができる。
【0063】
本発明は前述の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体をシステムあるいは装置に供給し、システムあるいは装置が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行するようにしてもよい。装置が、このように動作することによっても、上述の目的を達成することができる。
【符号の説明】
【0064】
101 プリンタ
102 デジタルカメラ
103 近接無線通信
104 PC
105 ネットワーク
106 有線
201 CPU
202 メモリ
203 無線部
204 印刷部
205 表示部
251 CPU
252 メモリ
253 無線部
254 表示部
301 接続部
302 測定部
303 切断部
304 検出部
305 受信部
306 処理部
307 管理部
308 設定部
309 取得部
310 比較部
311 表示制御部
351 接続部
352 通知部
353 送信部
354 切断部
355 検出部
801 通知部
802 確認部
851 取得部
852 比較部
853 要求部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通信相手から受信した複数のコンテンツデータを順次処理する通信装置であって、
前記複数の通信相手のうち、所定の通信相手と再接続したことを検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記所定の通信相手との再接続に応じて、前記コンテンツデータを処理する順序を変更する変更手段と、
を有することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記検出手段は、前記所定の通信相手と切断した後、所定の時間内に前記所定の通信相手と再接続したことを検出することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記通信装置は、優先度の高いコンテンツデータから順次処理し、
前記変更手段は、前記所定の通信相手から受信したコンテンツデータに対する優先度を高くすることを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記通信相手との間の電界強度を測定する測定手段をさらに有し、
前記測定手段により測定された前記電界強度に基づいて、前記検出手段は再接続を検出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記通信相手に対して所定のメッセージを送信する送信手段と、
前記送信手段により送信した前記所定のメッセージが前記通信相手に到達したか否かを判定する判定手段とをさらに有し、
前記判定手段による判定の結果に基づいて、前記検出手段は再接続を検出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記変更手段は、前記所定の通信相手から受信したコンテンツデータの全てを優先的に処理するように、前記順序を変更することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項7】
前記変更手段は、前記所定の通信相手から受信したコンテンツデータのうち、所定のコンテンツデータを優先的に処理するように、前記順序を変更することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項8】
前記所定の通信相手から受信したコンテンツデータを処理するまでの時間を表示させる表示手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項9】
前記処理とは、前記コンテンツデータを印刷することであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項10】
複数のコンテンツデータを順次処理する通信相手に対してコンテンツデータを送信する通信装置であって、
前記通信相手との再接続を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記通信相手との再接続に応じて、前記通信相手によるコンテンツデータの処理順序を変更するように前記通信相手に要求する要求手段と、
を有することを特徴とする通信装置。
【請求項11】
前記通信相手は、優先度の高いコンテンツデータから順次処理し、
前記要求手段は、前記通信装置が送信したコンテンツに対する優先度を変更するよう要求することを特徴とする請求項10に記載の通信装置。
【請求項12】
前記通信相手に、優先度を付加してコンテンツデータを送信する送信手段をさらに有し、
前記検出手段により、前記通信相手との切断後に前記通信相手と接続した場合、前記送信手段は、前記コンテンツデータに付加する優先度を高めて送信することを特徴とする請求項11に記載の通信装置。
【請求項13】
前記通信相手に対して、前記コンテンツデータの処理の取り消しを指示する指示手段をさらに有することを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項14】
複数の通信相手から受信した複数のコンテンツデータを順次処理する通信装置の制御方法であって、
前記複数の通信相手のうち、所定の通信相手と再接続したことを検出する検出工程と、
前記通信相手との再接続に応じて、前記コンテンツデータを処理する順序を変更する変更工程と、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項15】
複数のコンテンツデータを順次処理する通信相手に対してコンテンツデータを送信する通信装置の制御方法であって、
前記通信相手との再接続を検出する検出工程と、
前記通信相手との再接続に応じて、前記通信相手によるコンテンツデータの処理順序を変更するように前記通信相手に要求する要求工程と、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項16】
コンピュータを請求項1乃至13のいずれか1項に記載の通信装置として動作させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−239167(P2011−239167A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−108785(P2010−108785)
【出願日】平成22年5月10日(2010.5.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】