説明

通信装置および通信方法、並びにプログラム

【課題】より確実に相手と通信する。
【解決手段】記憶部95は、他のノードと正常に接続できた場合のプロトコル毎の設定の値を不揮発性メモリに記憶させる。優先度判定部103は、接続が正常でないと確認されたプロトコルの優先度であって、予め定められた優先度が高いか否かを判定する。設定部94は、プロトコルの優先度が高いと判定された場合、ノード12と正常に接続できたときの記憶されている値をプロトコルに設定する。本発明は通信装置に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信装置および通信方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク機器追加やプライベートネットワークのIP(Internet Protocol)アドレス枯渇や区分けによるプライベートネットワークの見直し時に、一部のネットワークの設定の不備によりノード機器がネットワークから孤立してしまい、リモートからの設定変更ができず、機器を直接設定変更する必要が発生していた。
【0003】
すなわち、運用中のネットワークにおいてネットワーク機器やルーティングの追加するかまたは変更するかなどにより、各装置やノード(以下、単にノードと称する)の設定を見直すことがある。各ノードにはリモート制御端末より直接設定が変更されるものもあれば、各種ネットワーク設定を記録した「ファイル形式」で設定変更されるものもある。
【0004】
従来、ルータの設定変更前の設定ファイルを別の記憶領域に格納し、ルータの設定を変更し、リブートし、リブート後にある一定時間のタイマを起動させ、ネットワークを介した遠隔地のホストから接続テストを行い、設定変更後の接続性が害されていない場合には、ネットワークを介した遠隔地のホストからの信号により、ルータのタイマを止め、設定変更後の接続性が害されている場合には、ルータのタイマのタイムアウトにより、別の記憶領域に格納していた設定変更前の設定に戻し、リブートするようにしているものもある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−251337号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、いずれの場合も設定を有効化したあとに再起動させる機器も多く、設定ミスによりリモート制御端末より一切アクセスができず孤立してしまい、システム運用者が現地に行き、変更後の正しい環境情報を設定しなくてはならなかった。大規模な変更作業の場合、このような作業が数多く発生し、システム運用者に大きな負荷がかかっていた。
【0007】
そこで、本発明は、上記課題を解決すること、すなわち、より確実に相手と通信できる通信装置および通信方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の通信装置の一側面は、複数のプロトコルにより通信する通信装置であって、他の通信装置と正常に接続できた場合のプロトコル毎の設定の値を記憶する記憶手段と、プロトコル毎に他の通信装置との接続が正常であるかを確認する確認手段と、接続が正常でないと確認されたプロトコルの優先度であって、予め定められた優先度が高いか否かを判定する判定手段と、プロトコルの優先度が高いと判定された場合、他の通信装置と正常に接続できたときの記憶されている値をプロトコルに設定する設定手段とを有するものとされている。
【0009】
また、本発明の通信装置の一側面は、上述の構成に加えて、確認手段により接続が正常であるかを確認するプロトコルを選択する選択手段をさらに有するものとされている。
【0010】
さらに、本発明の通信装置の一側面は、上述の構成に加えて、判定手段が、接続が正常でないと確認されたプロトコルの接続のリトライにより、接続が正常でないことが一過性であるか否かを判定し、設定手段が、接続が正常でないことが一過性でないと判定された場合、他の通信装置と正常に接続できたときの記憶されている値をプロトコルに設定するものとされている。
【0011】
また、本発明の通信方法の一側面は、複数のプロトコルにより通信する通信方法であって、他の通信装置と正常に接続できた場合のプロトコル毎の設定の値を記憶する記憶ステップと、プロトコル毎に他の通信装置との接続が正常であるかを確認する確認ステップと、接続が正常でないと確認されたプロトコルの優先度であって、予め定められた優先度が高いか否かを判定する判定ステップと、プロトコルの優先度が高いと判定された場合、他の通信装置と正常に接続できたときの記憶されている値をプロトコルに設定する設定ステップとを含むものとされている。
【0012】
さらに、本発明のプログラムの一側面は、複数のプロトコルにより通信する通信装置のコンピュータに、他の通信装置と正常に接続できた場合のプロトコル毎の設定の値を記憶手段に記憶させる記憶ステップと、プロトコル毎に他の通信装置との接続が正常であるかを確認する確認ステップと、接続が正常でないと確認されたプロトコルの優先度であって、予め定められた優先度が高いか否かを判定する判定ステップと、プロトコルの優先度が高いと判定された場合、他の通信装置と正常に接続できたときの記憶されている値をプロトコルに設定する設定ステップとを含む処理を行わせるものとされている。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一側面によれば、より確実に相手と通信できる通信装置および通信方法、並びにプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】通信装置のプロトコルスタックを示す図である。
【図2】ノード11のハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【図3】ノード11においてプログラムを実行することにより実現される機能の構成を示すブロック図である。
【図4】プロトコルの判定の処理を説明するフローチャートである。
【図5】NG時の処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図6】プロトコルの判定の処理を説明する図である。
【図7】プロトコルの優先度を説明する図である。
【図8】プロトコルの判定の処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態の通信装置について、図1〜図9を参照しながら説明する。ここでは簡略化の為に2つのノードを例に構成を示す。
【0016】
図1は、通信装置のプロトコルスタックを示す図である。ノード11は、通信装置の一例であり、プロトコルの設定が変更されるノードである。以下、ノード11は、ノードAとも称する。
【0017】
ノード12は、リモート制御端末である。以下、ノード12は、ノードBとも称する。
【0018】
ノード11とノード12とは、ノード11の、Ethernet(登録商標)21、IP/ARP(Address Resolution Protocol)/ICMP(Internet Control Message Protocol)/IPsec(Security Architecture for Internet Protocol)22、TCP(Transmission Control Protocol)/UDP(User Datagram Protocol)/SCTP(Stream Control Transmission Protocol)23、およびFTP(File Transfer Protocol)/TELNET(Telecommunication network)24の各プロトコルスタックと、ノード11の、Ethernet(登録商標)31、IP/ARP/ICMP/IPsec32、TCP/UDP/SCTP33、およびFTP/TELNET34の各プロトコルスタックとで接続されている。
【0019】
Ethernet(登録商標)21および31には、Ethernet(登録商標)のプロトコルが含まれる。
【0020】
IP/ARP/ICMP/IPsec22および32には、IP、ARP、ICMP、およびIPsecの各プロトコルが含まれる。
【0021】
TCP/UDP/SCTP23および33には、TCP、UDP、およびSCTPの各プロトコルが含まれる。
【0022】
FTP/TELNET24および34には、FTPおよびTELNETの各プロトコルが含まれる。
【0023】
図2は、以下で説明する一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータであるノード11のハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0024】
コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)51,ROM(Read Only Memory)52,RAM(Random Access Memory)53は、バス54により相互に接続されている。
【0025】
バス54には、さらに、入出力インタフェース55が接続されている。入出力インタフェース55には、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部56、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部57、ハードディスクや不揮発性メモリ71などよりなる記憶部58、ネットワークインタフェースなどよりなる通信部59、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア61を駆動するドライブ60が接続されている。
【0026】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU51が、例えば、記憶部58に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース55及びバス54を介して、RAM53にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0027】
コンピュータ(CPU51)が実行するプログラムは、例えば、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)等)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア61に記録して、あるいは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供される。
【0028】
そして、プログラムは、リムーバブルメディア61をドライブ60に装着することにより、入出力インタフェース55を介して、記憶部58に記憶することで、コンピュータにインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部59で受信し、記憶部58に記憶することで、コンピュータにインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM52や記憶部58にあらかじめ記憶しておくことで、コンピュータにあらかじめインストールしておくことができる。
【0029】
図3は、コンピュータであるノード11においてプログラムを実行することにより実現される機能の構成を示すブロック図である。すなわち、ノード11において接続確認部91、判定部92、選択部93、設定部94、および記憶部95が実現される。
【0030】
接続確認部91は、Ethernet(登録商標)21〜FTP/TELNET24の各プロトコルスタックに含まれる、Ethernet(登録商標)〜TELNETのプロトコル毎にノード12との接続が正常であるかを確認する。
【0031】
判定部92は、接続が正常でないと確認されたプロトコルの優先度であって、予め定められた優先度が高いか否かなどを判定する。判定部92は、運用判定部101、リトライ判定部102、および優先度判定部103を含む。運用判定部101は、プロトコルで正常性が確認できなかった場合に新しい設定では運用が可能か不可能かを判定する。リトライ判定部102は、通信の正常性が一過性のものか否かを判定する。優先度判定部103は、接続が正常でないと確認されたプロトコルの優先度であって、予め定められた優先度が高いか否かを判定する。
【0032】
選択部93は、接続確認部91により接続が正常であるかを確認するプロトコルを選択する。
【0033】
設定部94は、プロトコルの優先度が高いと判定された場合、ノード12と正常に接続できたときの記憶されている値をプロトコルに設定する。記憶部95は、ノード12と正常に接続できた場合のプロトコル毎の設定の値を不揮発性メモリ71に記憶させる。
【0034】
次に、図4および図5のフローチャートを参照してプロトコルの判定の処理について詳細に説明する。
【0035】
図4はプロトコルの判定の処理を説明するフローチャートである。ステップS11において、選択部93は、接続確認部91により接続が正常であるかを確認するプロトコルとしてARPを選択し、接続確認部91は、ノード12とのARPの接続が正常であるかを確認する。判定部92の運用判定部101は、接続確認部91によるノード12とのARPの接続が正常であるかの確認の結果に応じて、新しい設定でARPの運用が可能であるか不可能であるかを判定する。
【0036】
ステップS11において、新しい設定でARPの運用が不可能であると判定された場合、手続きはステップS12に進み、NG時の処理が実行される。NG時の処理の詳細は図5のフローチャートを参照して後述する。
【0037】
ステップS11において、新しい設定でARPの運用が可能であると判定された場合、手続きはステップS13に進み、選択部93は、接続確認部91により接続が正常であるかを確認するプロトコルとしてICMPを選択し、接続確認部91は、ノード12とのICMPの接続が正常であるかを確認する。判定部92の運用判定部101は、接続確認部91によるノード12とのICMPの接続が正常であるかの確認の結果に応じて、新しい設定でICMPの運用が可能であるか不可能であるかを判定する。
【0038】
ステップS13において、新しい設定でICMPの運用が不可能であると判定された場合、手続きはステップS14に進み、NG時の処理が実行される。
【0039】
ステップS13において、新しい設定でICMPの運用が可能であると判定された場合、手続きはステップS15に進み、選択部93は、接続確認部91により接続が正常であるかを確認するプロトコルとしてIPsecを選択し、接続確認部91は、ノード12とのIPsecの接続が正常であるかを確認する。判定部92の運用判定部101は、接続確認部91によるノード12とのIPsecの接続が正常であるかの確認の結果に応じて、新しい設定でIPsecの運用が可能であるか不可能であるかを判定する。
【0040】
ステップS15において、新しい設定でIPsecの運用が不可能であると判定された場合、手続きはステップS16に進み、NG時の処理が実行される。
【0041】
ステップS15において、新しい設定でIPsecの運用が可能であると判定された場合、手続きはステップS17に進み、選択部93は、接続確認部91により接続が正常であるかを確認するプロトコルとしてSCTPを選択し、接続確認部91は、ノード12とのSCTPの接続が正常であるかを確認する。判定部92の運用判定部101は、接続確認部91によるノード12とのSCTPの接続が正常であるかの確認の結果に応じて、新しい設定でSCTPの運用が可能であるか不可能であるかを判定する。
【0042】
ステップS17において、新しい設定でSCTPの運用が不可能であると判定された場合、手続きはステップS18に進み、NG時の処理が実行される。
【0043】
ステップS17において、新しい設定でSCTPの運用が可能であると判定された場合、手続きはステップS19に進み、選択部93は、接続確認部91により接続が正常であるかを確認するプロトコルとしてTCPを選択し、接続確認部91は、ノード12とのTCPの接続が正常であるかを確認する。判定部92の運用判定部101は、接続確認部91によるノード12とのTCPの接続が正常であるかの確認の結果に応じて、新しい設定でTCPの運用が可能であるか不可能であるかを判定する。
【0044】
ステップS19において、新しい設定でTCPの運用が不可能であると判定された場合、手続きはステップS20に進み、NG時の処理が実行される。
【0045】
ステップS19において、新しい設定でTCPの運用が可能であると判定された場合、手続きはステップS21に進み、選択部93は、接続確認部91により接続が正常であるかを確認するプロトコルとしてFTPを選択し、接続確認部91は、ノード12とのFTPの接続が正常であるかを確認する。判定部92の運用判定部101は、接続確認部91によるノード12とのFTPの接続が正常であるかの確認の結果に応じて、新しい設定でFTPの運用が可能であるか不可能であるかを判定する。
【0046】
ステップS21において、新しい設定でFTPの運用が不可能であると判定された場合、手続きはステップS22に進み、NG時の処理が実行される。
【0047】
ステップS21において、新しい設定でFTPの運用が可能であると判定された場合、手続きはステップS23に進み、選択部93は、接続確認部91により接続が正常であるかを確認するプロトコルとしてTELNETを選択し、接続確認部91は、ノード12とのTELNETの接続が正常であるかを確認する。判定部92の運用判定部101は、接続確認部91によるノード12とのTELNETの接続が正常であるかの確認の結果に応じて、新しい設定でTELNETの運用が可能であるか不可能であるかを判定する。
【0048】
ステップS23において、新しい設定でTELNETの運用が不可能であると判定された場合、手続きはステップS24に進み、NG時の処理が実行される。
【0049】
ステップS23において、新しい設定でTELNETの運用が可能であると判定された場合、手続きはステップS25に進み、記憶部95は、不揮発性メモリ71に全ての設定を記憶させ、プロトコルの判定の処理は終了する。
【0050】
後述するNG時の処理のステップS44の手続きの後、手続きはステップS26に進み、設定部94は、不揮発性メモリ71から前回の設定を読み出して再設定する。すなわち、設定部94は、ノード12と正常に接続できたときの記憶されている値をプロトコルに設定する。
【0051】
ステップS27において、ノード11は、再起動して、プロトコルの判定の処理は終了する。
【0052】
図5は、NG時の処理の詳細を説明するフローチャートである。ステップS41において、接続確認部91は、ノード12との接続をリトライ(retry)し、ステップS42において、判定部92のリトライ判定部102は、リトライがOKかNGか、すなわち、通信の正常性が一過性のものか否かを判定する。
【0053】
ステップS42において、リトライがNG、すなわち、通信の正常性が一過性のものであると判定された場合、手続きはステップS43に進み、判定部92の優先度判定部103は、接続が正常でないと確認されたプロトコルの優先度であって、予め定められた優先度が高いか否かを判定する。
【0054】
ステップS43において、プロトコルの優先度が高いと判定された場合、手続きはステップS44に進み、記憶部95は、設定NGの情報をログ化して(プロトコルが接続できないことを示す情報(ログ)を不揮発性メモリ71に記憶させ)、NG時の処理は終了して、手続きは図4のステップS26に進む。
【0055】
ステップS42において、リトライがOK、すなわち、通信の正常性が一過性のものでないと判定された場合、NG時の処理は終了して、手続きは図4のステップS13、ステップS15、ステップS17、ステップS19、ステップS21、またはステップS13に進む。すなわち、ステップS12において、NG時の処理が実行された場合、ステップS42の後、手続きは図4のステップS13に進む。ステップS14において、NG時の処理が実行された場合、ステップS42の後、手続きは図4のステップS15に進む。ステップS16において、NG時の処理が実行された場合、ステップS42の後、手続きは図4のステップS17に進む。
【0056】
また、ステップS18において、NG時の処理が実行された場合、ステップS42の後、手続きは図4のステップS19に進む。ステップS20において、NG時の処理が実行された場合、ステップS42の後、手続きは図4のステップS21に進む。ステップS22において、NG時の処理が実行された場合、ステップS42の後、手続きは図4のステップS23に進む。ステップS24において、NG時の処理が実行された場合、ステップS42の後、手続きは図4のステップS25に進む。
【0057】
ステップS43において、プロトコルの優先度が低いと判定された場合、手続きはステップS45に進み、記憶部95は、設定NGの情報をログ化して(プロトコルが接続できないことを示す情報(ログ)を不揮発性メモリ71に記憶させ)、NG時の処理は終了して、ステップS42においてリトライがOKであると判定された場合と同様に、手続きは図4のステップS13、ステップS15、ステップS17、ステップS19、ステップS21、またはステップS13に進む。
【0058】
ここで、図6〜図8を参照して動作を説明する。図6〜図8において、丸印は、正常なプロトコルを示し、バツ印は、異常なプロトコルを示す。また、図7において、星印が付されているプロトコルは、優先度高が予め付されているプロトコルを示し、星印が付されていないプロトコルは、優先度低が予め付されているプロトコルを示す。
【0059】
なお、図6〜図8に示される例においては、ARP、ICMP、およびIPsecのプロトコルが最下位の階層(低い階層)のプロトコルスタックに属し、その上位のプロトコルスタックにTCP、UDP、およびSCTPのプロトコルが属し、最上位の階層のプロトコルスタックにFTPおよびTelnetのプロトコルが属している。
【0060】
図6に示されるように、ノードAであるノード11がプロトコルを使用し、正常稼働しているものとする。ノードAであるノード11は、各ノードとの通信が正常確立した設定を不揮発性メモリ71に記憶させる。
【0061】
図7に示されるように、ノードAであるノード11に設定されるプロトコルはあらかじめ優先度付けがされ、ノードAであるノード11の不揮発性メモリ71に記憶させる。優先度付けはリモート制御端末であるノード12からの制御を行う為に最低限必要なプロトコルとする。
【0062】
ネットワーク変更によりノードAであるノード11の設定が見直された場合、ノード11は優先度高のプロトコルから順に通信確立が可能か確認する。通信確立できる場合は元の設定に戻さず、当該設定を有効とする。優先度低に設定されたプロトコルの通信確立できない場合はリモート制御端末であるノード12よりその設定を見直す。
【0063】
図8に示される例はTelnetの確立が可能であれば、コマンド入力によりネットワーク設定変更が可能であると仮定した場合であり、バツ印が付されている通信確立できないプロトコルを見直す例である。
【0064】
図4を参照して説明したプロトコルの判定の処理により、ノードAであるノード11はネットワーク設定のunmatchにより優先度高のプロトコルの通信が確立できない場合は、不揮発性メモリ71から前回正常に動作した設定を読み出し、自律再設定することでリモート制御端末であるノード12との通信再確立を行う。
【0065】
各プロトコルチェックでNGとなった場合、図5を参照して説明したNG時の処理が実行される。
【0066】
プロトコルチェックでNGとなった場合は、設定確認のリトライが規定回数実施される。リトライがNGであれば優先度設定が確認される。優先度高のプロトコルであれば、設定NGの情報がログ化され、今回の設定が無効化されて、前回の設定が有効化される。
【0067】
優先度低のプロトコルであれば、設定NGの情報がログ化され、次のプロトコルチェックが行われる。
【0068】
このように、ルータやサーバなどのネットワーク機器の設定を実施し、各ノードと正常に通信が確立できない場合に、システム運用者が現地に赴き直接機器の設定を修正する必要がない。また、ノードが自律で前回正常動作した設定に戻すことで、ノードがネットワークから孤立することが無くなり、ダウン時間を最小限にすることができる。
【0069】
さらに、リモート端末から制御できる最低限のプロトコル設定に問題がなければ、一部の設定の正常性が確認できると共に、誤設定したプロトコルのみ見直すことですべての設定を戻す必要がない。
【0070】
以上の説明において、例として携帯電話に関するネットワークをあげたが、あらゆるプロトコルを用いた通信ネットワークに適用することが可能である。ノード毎だけではなく、ノード内の各機能部に論理的なネットワークが構成されている場合、機能部毎に適用が可能である。例えば、複数の機能部(カードやボード)で構成され、各々の機能部にIP/MACが割り振られ、相互に通信しているようなノードに適用できる。
【0071】
このように、ルータやサーバなどのネットワーク機器の設定を実施し、各ノードと正常に通信が確立できない場合に、正常に通信確立できないプロトコルを検出し、設定されるプロトコルの優先度を考慮し自律で最低限必要なプロトコル確立している状態で設定を有効化するか、または、リモート制御端末から設定修正が可能なプロトコルまで通信確立していればその状態を維持し、前回全プロトコルが正常動作した設定に切り戻しすることで、リモート制御端末からのネットワーク設定を自己復元する。
【0072】
ノードのネットワーク設定変更後にその設定により正常動作できない場合は、自動的に正常動作したネットワーク設定に戻し、ノードが孤立、リモートから制御できなくならないようなリカバリー機能具備したノードを提供することができる。
【0073】
さらに、銀行または郵便局のATM(Automated teller machine)やデータネットワーク、病院等のデータネットワーク、電車・バス・飛行機等のネットワークなど、あらゆるデータベース接続やネットワーク接続する機器に適用可能である。
【0074】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0075】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0076】
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0077】
11…ノード、12…ノード、51…CPU、52…ROM、53…RAM、58…記憶部、59…通信部、61…リムーバブルメディア、71…不揮発性メモリ、91…接続確認部、92…判定部、93…選択部、94…設定部、95…記憶部、101…運用判定部、102…リトライ判定部、103…優先度判定部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプロトコルにより通信する通信装置において、
他の通信装置と正常に接続できた場合の上記プロトコル毎の設定の値を記憶する記憶手段と、
上記プロトコル毎に上記他の通信装置との接続が正常であるかを確認する確認手段と、
接続が正常でないと確認されたプロトコルの優先度であって、予め定められた優先度が高いか否かを判定する判定手段と、
上記プロトコルの優先度が高いと判定された場合、上記他の通信装置と正常に接続できたときの記憶されている値を上記プロトコルに設定する設定手段と
を有することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の通信装置において、
前記確認手段により接続が正常であるかを確認する上記プロトコルを選択する選択手段をさらに有する
ことを特徴とする通信装置。
【請求項3】
請求項1または2のいずれか1項に記載の通信装置において、
前記判定手段は、接続が正常でないと確認されたプロトコルの接続のリトライにより、接続が正常でないことが一過性であるか否かを判定し、
前記設定手段は、接続が正常でないことが一過性でないと判定された場合、前記他の通信装置と正常に接続できたときの記憶されている値を前記プロトコルに設定する
ことを特徴とする通信装置。
【請求項4】
複数のプロトコルにより通信する通信方法において、
他の通信装置と正常に接続できた場合の上記プロトコル毎の設定の値を記憶する記憶ステップと、
上記プロトコル毎に上記他の通信装置との接続が正常であるかを確認する確認ステップと、
接続が正常でないと確認されたプロトコルの優先度であって、予め定められた優先度が高いか否かを判定する判定ステップと、
上記プロトコルの優先度が高いと判定された場合、上記他の通信装置と正常に接続できたときの記憶されている値を上記プロトコルに設定する設定ステップと
を含むことを特徴とする通信方法。
【請求項5】
複数のプロトコルにより通信する通信装置のコンピュータに、
他の通信装置と正常に接続できた場合の上記プロトコル毎の設定の値を記憶手段に記憶させる記憶ステップと、
上記プロトコル毎に上記他の通信装置との接続が正常であるかを確認する確認ステップと、
接続が正常でないと確認されたプロトコルの優先度であって、予め定められた優先度が高いか否かを判定する判定ステップと、
上記プロトコルの優先度が高いと判定された場合、上記他の通信装置と正常に接続できたときの記憶されている値を上記プロトコルに設定する設定ステップと
を含む処理を行わせるプログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−231242(P2012−231242A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−97342(P2011−97342)
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】