説明

通信装置及び通信システム並びに通信方法

【課題】故障した通信装置の特定ができ、さらに該通信装置が送信する異常波形が他の通信装置に及ぼす影響を低減し、該故障した通信装置をネットワークから切り離すこと。
【解決手段】両端に終端抵抗が接続される2線式の通信線を介して互いに通信を行う通信システムにおける通信装置に、終端抵抗が、第1の抵抗と、該第1の抵抗に直列に接続された第2の抵抗により構成される場合に、第1及び第2の抵抗と、第1の抵抗と前記第2の抵抗との間に接続され、他端が接地されたコンデンサとにより構成された終端回路と、通信システムにおける通信エラーを計測する通信エラー計測手段とを備える。終端回路は、通信エラー計測手段により計測された通信エラーが通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値以上である場合に、コンデンサの容量を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CAN(Controller Area Network)バスを介して互いに接続された複数の通信装置間の通信を行うCAN通信方法およびシステムに係り、特に、故障箇所を特定するとともに、故障箇所を切り離すことのできる通信装置及び通信システム並びに通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
CANバスを介して互いに接続され、それぞれCANコントローラユニットを有する複数の通信装置間でデータ通信を行うCAN通信システムが知られている。CAN通信は、差動のシリアルバスを介して双方向のシリアル通信を行うプロトコルである。
【0003】
CAN通信システムにおいて、各通信装置は、自己の通信装置の識別IDコードを付したデータをCANバスに向けて送り出す。データが送信される際にCANバスが他の通信装置によるデータに専有されていない場合には、通信装置から送り出されるデータはCANバスを流れて他の通信装置に受信される。一方、CANバスが他の通信装置によるデータに専有されている場合には、通信装置から送り出されるべきデータはCANコントローラユニットに待機される。そして、データが待機する通信装置が一つの場合には、CANバスが空いた際に、そのデータがCANバスを流れる。一方、データが待機する通信装置が複数存在する場合には、それらの通信装置のうちIDコードに基づく優先順位の最も高い通信装置のデータが他の待機データよりも先にCANバスを流れる。
【特許文献1】特開2006−135375号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した背景技術には以下の問題がある。
【0005】
CAN通信システムは複数の通信装置(ノード)を備え、これら複数の通信装置は、ツイストペアの形態を有するCANバスにより各々接続され、それぞれの通信装置間で、データの送受信を行う。CANバスのツイストペア線は一方がCAN High(以下、CANHと呼ぶ)、他方がCAN Low(以下、CANL)と呼ばれる母線である。各通信装置は、例えば、自動車の各部を制御する複数の電子制御ユニット(Electronic Control Unit)(以下、ECUと呼ぶ)により構成されるようにしてもよい。
【0006】
例えば、図1に示すように、複数のECUに接続されたCANバスはCAN用ハブに接続され、CAN用ハブを介して相互に通信する。具体的には、複数のECU A−ECU Dに接続されたCANバスはCAN用ハブ1に接続され、一方、複数のECU E−ECU Hに接続されたCANバスはCAN用ハブ2に接続される。CAN用ハブ1とCAN用ハブ2は、CAN通信線により接続される。図1に示す例では、さらにCAN用ハブにデータリンクコネクタ(DLC)が接続され、該データリンクコネクタにはサービスツールが接続される。このサービスツールによりCAN通信の点検を行うことができる。
【0007】
図1に示されるCAN通信システムにおいて、例えば、ECU Cが故障した場合を考える。例えば、ECU Cの支線の片側、例えば、CANLラインが断線した場合、ECU Cからは、例えば、図2に示すような異常な波形を有する信号が送信される。
【0008】
このような状態で、正常な状態であるECU Gは送信を開始する。例えば、ECU Gは他のECUと情報の授受を行うために、例えばECU Dに対して信号を送信する。例えば、ECU Gは、図3に示すように正常な波形を有する信号を送信する。しかし、このECU Gから送信される信号は、ECU Cから送信される信号による影響を受けるため、ECU Dにより受信される信号の波形は図4に示すような波形になり、ECU Gからの信号を正常に受信できないことがある。同様に、他のECUにより送信される信号も、ECU Cから送信される信号による影響を受けるため、他のECUの送信先のECUは、他のECUからの正常な信号を受信できないことがある。従って、ECU間の通信が破壊され、いくつかのECU間の通信ができなくなる。このような状況で、サービスツールにより通信状態を検査した場合、複数のECUが故障と判断されているため、故障箇所の特定ができない。
【0009】
これまで、複数の通信装置が接続されたバス方式の通信において、故障箇所を特定するとともに、該故障箇所を切り離す方法としては、マスター回路からコンピュータや通信線上に接続されたトランジスタやリレーを制御し、故障したコンピュータや電線を物理的に切り離す方法が一般的であった。ここで、通信装置にはコンピュータが含まれる。このような方法では、回路の追加や制御用電源の追加が必要である。通信線上に付加回路を付与する必要があるため、通信の物理的性能に影響が及ぶ場合がある。また、大規模なネットワークに対して適用して場合、この付加回路のコストが大きくなる。従って、CAN通信ネットワークに接続されたECUや、CAN通信線が故障した場合に、故障箇所を特定する箇所を切り離すための回路を通信性能に影響を与えずに低コストで実現するのは困難である。
【0010】
また、バス接続されたECU間の片側断線における故障箇所の特定と故障箇所の切り離しを行う方法において、自らの異常を検出した故障ノードがCAN通信を停止する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0011】
しかし、この方法では、故障したECUからの異常波形が正常なECUに及ぼす影響を低減することはできない。
【0012】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、故障した通信装置の特定ができ、さらに該通信装置が送信する異常波形が他の通信装置に及ぼす影響を低減し、該故障した通信装置をネットワークから切り離すことができる通信装置及び通信システム並びに通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、本発明の通信装置は、
両端に終端抵抗が接続される2線式の通信線を介して互いに通信を行う通信システムにおける通信装置であって、
前記終端抵抗が、第1の抵抗と、該第1の抵抗に直列に接続された第2の抵抗により構成され、
前記第1及び第2の抵抗と、前記第1の抵抗と前記第2の抵抗との間に接続され、他端が接地されたコンデンサとにより構成された終端回路と、
前記通信システムにおける通信エラーを計測する通信エラー計測手段と
を有し、
終端回路は、前記通信エラー計測手段により計測された通信エラーが通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値以上である場合に、前記コンデンサの容量を変更することを特徴の1つとする。
【0014】
このように構成することにより、終端回路に含まれるコンデンサの容量を変更することができ、故障したECUから送信された信号の異常波形を調整できるため、該故障したECUから送信される信号が他のECU間の通信に及ぼす影響を低減できる。また、正常なECU間の通信を復帰させることができる。
【0015】
さらに別の構成例では、
前記終端回路は、サンプリングポイントの以前に差動電圧が発生しなくなるように前記コンデンサの容量を変更するように構成される。
【0016】
このように構成することにより、サンプリングポイントの以前で差動波形を正常な波形に戻すことができる。従って、正常なECU間の通信が可能となる。
【0017】
さらに別の構成例では、
前記通信エラー計測手段は、所定の周期で通信エラーを計測し、
前記終端回路は、前記コンデンサの容量が変更された場合に、前記通信エラー計測手段により計測された通信エラーが前記所定の閾値未満である場合に、前記コンデンサの容量を変更前の容量に変更するように構成される。
【0018】
このように構成することにより、故障したECUがCAN通信ネットワークを介した通信を行っていないとみなされる場合には、変更されたコンデンサの容量を変更前の容量に戻すことにより、通信装置の故障が生じる前の状況で通信を継続することができる。
【0019】
さらに別の構成例では、
各通信装置は、送信元を示す情報が含まれるフレームを送信し、
フレームの誤りを検出し、該フレームに含まれる送信元を示す情報に基づいて、誤ったフレームを送信した通信装置を検出する通信装置検出手段
を有するように構成される。
【0020】
このように構成することにより、各通信装置により送信されるフレームに含まれる送信元を示す情報に基づいて、誤って受信されるフレームを送信する通信装置を特定できる。ここで、誤って受信されるフレームとは、通信装置が故障している場合に、該通信装置により送信されるフレームが含まれる。
【0021】
さらに別の構成例では、
前記通信装置検出手段により検出された通信装置を通知する通知手段
を有するように構成される。
【0022】
このように構成することにより、故障中の通信装置を通知できる。
【0023】
本発明の通信システムは、
両端に終端抵抗が接続される2線式の通信線を介して互いに通信を行う通信装置を有する通信システムであって、
前記通信装置は、前記終端抵抗を含んで構成される第1の通信装置と、該第1の通信装置以外の第2の通信装置を有し、
前記終端抵抗が、第1の抵抗と、該第1の抵抗に直列に接続された第2の抵抗により構成され、
前記第1の通信装置は、
前記通信システムにおける通信エラーを計測する第1の通信エラー計測手段と、
前記第1及び第2の抵抗と、前記第1の抵抗と前記第2の抵抗との間に接続され、他端が接地されたコンデンサとにより構成され、前記第1の通信エラー計測手段により計測された通信エラーが通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値以上である場合に、前記コンデンサの容量を変更する終端回路と
を有し、
前記第2の通信装置は、
前記通信システムにおける通信エラーを計測する第2の通信エラー計測手段と、
前記第2の通信エラー計測手段により計測された通信エラーが通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値以上である場合に、通信を停止する制御手段と
を有することを特徴の1つとする。
【0024】
このように構成することにより、終端回路に含まれるコンデンサの容量を変更することができ、故障したECUから送信された信号の異常波形を調整できるため、該故障したECUから送信される信号が他のECU間の通信に及ぼす影響を低減できる。また、正常なECU間の通信を復帰させることができる。また、自ECUが故障である否かを判断でき、故障であれば通信を停止することができる。
【0025】
本発明の他の通信システムは、
両端に終端抵抗が接続される2線式の通信線を介して互いに通信を行う通信装置を有する通信システムであって、
前記終端抵抗が、第1の抵抗と、該第1の抵抗に直列に接続された第2の抵抗により構成され、
前記第1及び第2の抵抗と、前記第1の抵抗と前記第2の抵抗との間に接続され、他端が接地されたコンデンサとにより構成された終端回路と、
前記通信システムにおける通信エラーを計測する通信エラー計測手段と、
前記通信エラー計測手段により計測された通信エラーが通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値以上である場合に、前記終端回路における前記コンデンサの容量を変更する容量変更手段と
を有することを特徴の1つとする。
【0026】
このように構成することにより、終端回路に含まれるコンデンサの容量を変更することができ、故障したECUから送信された信号の異常波形を調整できるため、該故障したECUから送信される信号が他のECU間の通信に及ぼす影響を低減できる。
【0027】
本発明の通信方法は、
両端に終端抵抗が接続される2線式の通信線を介して互いに通信を行う通信装置を有する通信システムにおける通信方法であって、
前記通信装置は、前記終端抵抗を含んで構成される第1の通信装置と、該第1の通信装置以外の第2の通信装置を有し、
前記終端抵抗が、第1の抵抗と、該第1の抵抗に直列に接続された第2の抵抗により構成され、
前記第1の通信装置が、前記通信システムにおける通信エラーを計測する第1の通信エラー計測ステップと、
前記第1の通信装置が、前記第1の通信エラー計測ステップにより計測された通信エラーが通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値以上である場合に、前記第1及び第2の抵抗と、前記第1の抵抗と前記第2の抵抗との間に接続され、他端が接地されたコンデンサとにより構成され終端回路における前記コンデンサの容量を変更する容量変更ステップと、
前記第2の通信装置が、前記通信システムにおける通信エラーを計測する第2の通信エラー計測ステップと、
前記第2の通信装置が、前記第2の通信エラー計測ステップにより計測された通信エラーが通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値以上である場合に、通信を停止する通信停止ステップと
と有することを特徴の1つとする。
【0028】
このようにすることにより、終端回路に含まれるコンデンサの容量を変更することができ、故障したECUから送信された信号の異常波形を調整できるため、該故障したECUから送信される信号が他のECU間の通信に及ぼす影響を低減できる。また、正常なECU間の通信を復帰させることができる。また、自ECUが故障である否かを判断でき、故障であれば通信を停止することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の実施例によれば、故障した通信装置の特定ができ、さらに該通信装置が送信する異常波形が他の通信装置に及ぼす影響を低減し、該故障した通信装置をネットワークから切り離すことができる通信装置及び通信システム並びに通信方法を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
次に、本発明を実施するための最良の形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明する。
【0031】
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0032】
(第1の実施例)
本発明の一実施例であるCAN通信システムについて、図5を参照して説明する。
【0033】
本実施例に係るCAN通信システム1000は、例えば、自動車内LANの通信プロトコルに従って通信を行う複数の通信装置を備える。例えば、自動車内LANの通信プロトコルとして、CAN(Controller Area Network)が適用されるようにしてもよい。各通信装置は、例えば、自動車の各部を制御する複数の電子制御ユニット(Electronic Control Unit)(以下、ECUと呼ぶ)により構成される。
【0034】
CANでは、上述したように通信ライン(通信バス)として、CANH200とCANL300とからなる2線式のCAN通信線400が使用され、その2線式のCAN通信線400の両端には終端抵抗が接続される。また、図5に示される例において、終端抵抗は、2線式のCAN通信線400の端に配置された2つのECU100及びECU100の内部に夫々設けられている。そして、CANにおいて、データを送信する通信装置はCANH200とCANL300とに反転信号を送出し、データを受信する通信装置はCANH200とCANL300との電圧差から、CAN通信線400上のデータが“1”であるか“0”であるかを判定する。
【0035】
各ECU100−ECU100は、自動車の各部を制御するための制御処理や他のECUと通信を行うための処理を実行する通信エラー計測手段としてのCPU102と、上述した2線式のCAN通信線400に接続され、CPU102から与えられる送信データを2線式のCAN通信線400に出力すると共に、2線式のCAN通信線400上のデータをCPU102に入力する通信ドライバ104とを備える。通信ドライバ104は、2個の出力バッファと、二値化回路とを備える。例えば、第1の出力バッファは、送信データが“0”の時にCANH200の電圧をハイレベル(例えば5V)にし、送信データが“1”の時にCANH200の電圧をローレベル(例えば2.5V)に設定する。第2の出力バッファは、送信データが“0”の時にCANL300の電圧をローレベル(例えば0V)にし、送信データが“1”の時にCANL300の電圧をハイレベル(例えば2.5V)に設定する。二値化回路は、入力されたCANH200の電圧とCANL300の電圧との差から、CAN通信線400上のデータを表す“1”か“0”の二値信号を生成する。
【0036】
さらに、終端抵抗を有するECU100及び100は、終端回路106を備える。終端回路106には、終端抵抗とコンデンサ(終端容量)とが含まれる。例えば、終端抵抗は、第1の抵抗1061と、該第1の抵抗1061に直列に接続された第2の抵抗1062により構成される。終端回路106は、第1の抵抗1061及び第2の抵抗1062と、第1の抵抗1061と第2の抵抗1062との間に接続され、他端が接地されたコンデンサ1063とにより構成される。例えば、コンデンサ1063は、可変容量コンデンサにより構成され、その容量(定数)をリニアに変更できる。
【0037】
各ECU100−100は、CPU102において、CAN通信状態をモニターする。あるECU、例えば、ECU100が故障した場合を考える。例えば、ECU100の支線の片側、例えば、CANLが断線した場合、ECU100からは、異常な波形を有する信号が送信される。本実施例では、ECUが故障する原因の一例として、CANLが断線した場合について説明するが、CANHが断線した場合においても同様に適用できる。
【0038】
各ECU100−ECU100は、CPU102において、ECU100により送信された信号に基づいて、CAN通信エラーを検出し、「CAN通信の故障」を認識する。例えば、各ECU100−ECU100は、CAN通信エラーを計測し、該CAN通信エラーが通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値以上であるか否かに基づいて、CAN通信エラーが通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値以上である場合に「CAN通信の故障」と認識するようにしてもよい。
【0039】
終端回路106を有するECU100及びECU100は、CAN通信の故障を認識すると、CPU102は、通信ドライバ104を介して、終端回路106に対して、コンデンサ1063における終端容量の定数を変更するように命令する。終端回路106は、CPU102による命令に応じてコンデンサ1063における終端容量の定数を変更する。その結果、ECU100により送信される信号は、図6に示すように変化し、ECU100の送信先のECUは、図7に示すように、サンプリングポイントの以前に差動電圧が発生しなくなった信号を受信する。このように、コンデンサ1063における終端容量の定数を変更することにより、サンプルポイントの以前において差動電圧の発生を低減できるため、他の正常なECU間の通信へ及ぼす影響を低減できる。
【0040】
その後、各ECU100−ECU100のCPU102は、継続してCAN通信エラーをモニターし、CAN通信エラーが低減したか否かを判定する。CAN通信エラーが低減していると判断した場合、該CAN通信エラーがCAN通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値未満となったか否かを判断する。CAN通信エラーが、該閾値未満となった場合、所定の時間経過後、コンデンサ1063における終端容量の定数を変更前の値に戻す。一方、CAN通信エラーが所定の閾値以上である場合、CPU102は、通信ドライバ104を介して、終端回路106に対して、コンデンサ1063における終端容量の定数をさらに変更するように命令する。
【0041】
終端回路106を有するECU100及びECU100により、コンデンサ1063における終端容量の定数が変更された後、ECU100−ECU100は、CPU102において、自ECUのCAN通信エラーを検出し、該CAN通信エラーが低下した場合には、通信を継続し、CAN通信エラーが低下しない場合には、自ECUの故障であると判断し、通信を停止する。例えば、各ECU100−ECU100は、CAN通信エラーを計測し、該CAN通信エラーが通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値以上であるか否かに基づいて、CAN通信エラーが通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値以上である場合に自ECUの故障であると判断し、通信を停止するようにしてもよい。
【0042】
このように、終端回路106を有するECUのコンデンサ1063における容量(定数)を変更することにより、サンプリングポイントの以前において差動電圧の発生を低減できる。従って、あるECUが故障することによりCAN通信エラーが生じた場合に、故障したECUにより送信される信号が他の正常なECU間の通信に与える影響を低減させることができる。さらに、終端回路106を有するEUC以外のECUについては、継続してCAN通信エラーをモニターすることにより、自ECUが故障しているか否かを判断できるため、故障ECUについては、通信を停止させることができる。
【0043】
次に、各ECU100の動作について説明する。
【0044】
終端回路106を有するECU100及び100の動作について、図8を参照して説明する。
【0045】
ECU100及び100は、通信を開始する(ステップS802)。
【0046】
CPU102は、通信エラーが発生したか否かを判断する(ステップS804)。
【0047】
通信エラーが発生していないと判断された場合(ステップS804:NO)、ステップS804に戻り、通信を継続する。例えば、CPU102は、CAN通信エラーを計測し、該CAN通信エラーが通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値以上であるか否かに基づいて、CAN通信エラーが通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値未満である場合に、通信エラーが発生していないと判断する。
【0048】
一方、通信エラーが発生したと判断された場合(ステップS804:YES)、CPU102は、終端回路106に、コンデンサ1063における終端容量の定数を変更するように命令する。終端回路106は、CPU102による命令に従って、コンデンサ1063における終端容量の定数を変更する(ステップS806)。例えば、CPU102は、CAN通信エラーを計測し、該CAN通信エラーが通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値以上であるか否かに基づいて、該CAN通信エラーが通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値以上である場合に、通信エラーが発生したと判断する。
【0049】
CPU102は、継続して通信エラーをモニターし、通信エラーがなくなったか否かを判断する(ステップS808)。ここで、通信エラーがCAN通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値未満となったか否かを判断するようにしてもよい。
【0050】
通信エラーがなくならないと判断された場合(ステップS808:NO)、言い換えれば、通信エラーがCAN通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値未満とならない場合、ステップS806に戻る。すなわち、CPU102は、終端回路106に対してさらに、コンデンサ1063における終端容量の定数を変更するように命令する。一方、通信エラーがなくなったと判断された場合(ステップS808:YES)、言い換えれば、通信エラーがCAN通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値未満となった場合、CPU102は、一定時間後、終端回路106に対して、コンデンサ1063における終端容量の定数を変更前の定数に戻すように命令する(ステップS810)。この場合、故障したECUは、CAN通信システムから切り離され、通信を行っていないと判断される。
【0051】
終端回路106を有するECU100及び100以外のECU、すなわちECU100、100及び100の動作について、図9を参照して説明する。
【0052】
ECU100、100及び100は、通信を開始する(ステップS902)。
【0053】
CPU102は、通信エラーが一定数以上発生したか否かを判断する(ステップS904)。例えば、各ECU100、100及び100は、CAN通信エラーを計測し、該CAN通信エラーが通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値以上であるか否かを判断する。
【0054】
通信エラーが一定数以上発生していないと判断された場合(ステップS904:NO)、
言い換えれば、CAN通信エラーが通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値未満である場合、ステップS904に戻り、通信を継続する。一方、通信エラーが一定数以上発生したと判断された場合(ステップS904:YES)、言い換えれば、CAN通信エラーが通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値以上である場合、CPU102は、通信を停止するように通信ドライバ104に対して命令する(ステップS906)。
【0055】
本実施例によれば、終端回路におけるコンデンサ1063における終端容量の定数を変更する手段を設けることにより、故障したECUから出力される異常波形を調整(整形)することができるため、該故障したECUにより送信される信号により他のECU間の通信に与える影響を低減できる。このため、正常なECU間の通信を復帰させることができる。また、ECUに、通信エラーをモニターし、通信エラーが一定数以上である状態が継続する場合に通信を停止する手段を設けることにより、故障箇所を特定でき、該特定された故障箇所、言い換えれば故障箇所を有するECUをCANHが断線通信ネットワークから切り離すことができる。
【0056】
(第2の実施例)
本発明の他の実施例であるCAN通信システムについて説明する。本実施例に係るCAN通信システムは、図5を参照して説明した構成と同様である。
【0057】
本実施例に係るCAN通信システムでは、終端抵抗を有するECU100及び100が備える終端回路106を、終端抵抗と複数のコンデンサにより構成したものである。例えば、終端抵抗を、第1の抵抗1061と、該第1の抵抗1061に直列に接続された第2の抵抗1062により構成する。終端回路106は、第1の抵抗1061及び第2の抵抗1062と、第1の抵抗1061と第2の抵抗1062との間に接続され、他端が接地された複数のコンデンサを直列に接続した可変容量1063とにより構成される。このように構成することにより、多段にコンデンサの容量(定数)を変更することができる。
【0058】
(第3の実施例)
本発明の他の実施例であるCAN通信システムについて、図10を参照して説明する。本実施例に係るCAN通信システムでは、終端抵抗は、第1の抵抗1061と、該第1の抵抗1061に直列に接続された第2の抵抗1062により構成する。終端回路106は、第1の抵抗1061及び第2の抵抗1062と、第1の抵抗1061と第2の抵抗1062との間に接続され、他端が接地されたコンデンサ1063とにより構成される。例えば、コンデンサ1063は、可変容量コンデンサにより構成され、その容量(定数)をリニアに変更できる。
【0059】
本実施例に係るECU100(100、100及び100)は、その1つをマスターECUとする。マスターECUは、上述した実施例における終端回路106を有するECUと同様の機能を有する。
【0060】
各ECU100−100は、CPU102において、CAN通信状態をモニターする。あるECU、例えば、ECU100が故障した場合を考える。例えば、ECU100の支線が断線した場合、ECU100から異常な波形を有する信号が送信される。例えば、ECU100の支線の片側、例えば、CANLが断線した場合、ECU100からは、異常な波形を有する信号が送信される。本実施例では、ECUが故障する原因の一例として、CANLが断線した場合について説明するが、CANHが断線した場合においても同様に適用できる。
【0061】
各ECU100−ECU100は、CPU102において、ECU100により送信された信号に基づいて、CAN通信エラーを検出し、「CAN通信の故障」を認識する。例えば、各ECU100−ECU100は、CAN通信エラーを計測し、該CAN通信エラーが通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値以上であるか否かに基づいて、CAN通信エラーが通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値以上である場合に「CAN通信の故障」と認識するようにしてもよい。
【0062】
マスターECUでは、CAN通信の故障を認識すると、CPU102は、通信ドライバ104を介して、終端回路106に対して、コンデンサ1063における終端容量の定数を変更するように命令する。この場合、マスターECUは、例えば、該マスターECUと終端回路106との間に設けられた専用通信線により制御情報を送信することにより、終端回路106を制御する。終端回路106は、CPU102による命令に応じてコンデンサ1063における終端容量の定数を変更する。このように、コンデンサ1063における終端容量の定数を変更することにより、サンプルポイントの以前において差動電圧の発生を低減させ、他の正常なECU間の通信へ及ぼす影響を低減する。
【0063】
その後、各ECU100−ECU100のCPU102は、継続してCAN通信エラーをモニターし、CAN通信エラーが低減したか否かを判定する。CAN通信エラーが低減していると判断した場合、該CAN通信エラーがCAN通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値未満となったか否かを判断する。CAN通信エラーが、該閾値未満となった場合、所定の時間経過後、マスターECUは、コンデンサ1063における終端容量の定数を変更前の値に戻す命令を行う。一方、CAN通信エラーが所定の閾値以上である場合、CPU102は、通信ドライバ104を介して、終端回路106に対して、コンデンサ1063における終端容量の定数をさらに変更するように命令する。
【0064】
終端回路106により、終端容量の定数が変更された後、ECU100−ECU100は、CPU102において、自ECUのCAN通信エラーを検出し、該CAN通信エラーが低下した場合には、通信を継続し、CAN通信エラーが低下しない場合には、自ECUの故障であると判断し、通信を停止する。例えば、各ECU100−ECU100は、CAN通信エラーを計測し、該CAN通信エラーが通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値以上であるか否かに基づいて、CAN通信エラーが通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値以上である場合に自ECUの故障であると判断し、通信を停止するようにしてもよい。
【0065】
このように、終端回路のコンデンサの容量(定数)を変更することにより、サンプリングポイントの以前において差動電圧の発生を低減できる。従って、あるECUが故障することによりCAN通信エラーが生じた場合に、該故障したECUにより送信される信号が他の正常なECU間の通信に与える影響を低減することができる。さらに、継続してCAN通信エラーをモニターすることにより、自ECUが故障しているか否かを判断できるため、故障ECUについては、通信を停止させることができる。
【0066】
次に、ECU100の動作について、図11を参照して説明する。
【0067】
本実施例では、マスターECUの動作について説明する。マスターECU以外のECUの動作は、図9を参照して説明した動作と同様である。
【0068】
マスターECU100は、通信を開始する(ステップS1102)。
【0069】
CPU102は、通信エラーが発生したか否かを判断する(ステップS1104)。
【0070】
通信エラーが発生していないと判断された場合(ステップS1104:NO)、ステップS1104に戻り、通信を継続する。例えば、CPU102は、CAN通信エラーを計測し、該CAN通信エラーが通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値以上であるか否かに基づいて、CAN通信エラーが通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値未満である場合に、通信エラーが発生していないと判断する。
【0071】
一方、通信エラーが発生したと判断された場合(ステップS1104:YES)、CPU102は、終端回路106に、コンデンサ1063における終端容量の定数を変更するように命令する。例えば、CAN通信の故障を認識すると、CPU102は、通信ドライバ104を介して、終端回路106に対して、コンデンサ1063における終端容量の定数を変更するように命令する。この場合、マスターECUは、該マスターECUと終端回路106との間に設けられた専用通信線により制御情報を送信することにより、終端回路106を制御する。終端回路106は、CPU102による命令に従って、コンデンサ1063における終端容量の定数を変更する(ステップS1106)。例えば、CPU102は、CAN通信エラーを計測し、該CAN通信エラーが通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値以上であるか否かに基づいて、CAN通信エラーが通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値以上である場合に、通信エラーが発生したと判断する。
【0072】
CPU102は、継続して通信エラーをモニターし、通信エラーがなくなったか否かを判断する(ステップS1108)。ここで、通信エラーがCAN通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値未満となったか否かを判断するようにしてもよい。
【0073】
通信エラーがなくならないと判断された場合(ステップS1108:NO)、言い換えれば、通信エラーがCAN通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値未満とならない場合、ステップS1106に戻る。すなわち、CPU102は、終端回路106に対してさらに、コンデンサ1063における終端容量の定数を変更するように命令する。一方、通信エラーがなくなったと判断された場合(ステップS1108:YES)、言い換えれば、通信エラーがCAN通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値未満となった場合、CPU102は、一定時間後、終端回路106に対して、コンデンサ1063における終端容量の定数を変更前の定数に戻すように命令する(ステップS1110)。
【0074】
このように構成することにより、終端回路のコンデンサ1063における容量を変更する付加機能を1つのECUに集約することができる。このため、コストダウンが可能となる。
【0075】
(第4の実施例)
本発明の他の実施例に係るCAN通信システムについて説明する。本実施例に係るCAN通信システムの構成は、図5及び図10を参照して説明した構成と同様である。
【0076】
本実施例に係るCAN通信システムでは、終端回路106を有するECU100及び100又はマスターECUは、各ECUにより送信されたフレームをチェックし、故障したECUを特定する。各ECUは、送信元ECUを特定できる固有のフレームを送信する。例えば、通信装置検出手段及び通知手段としてのCPU102は、フレームの誤りを検出し、誤っていた場合に、該フレームに含まれる送信元ECUを特定できる情報に基づいて、該フレームを送信したECUを特定する。そして、各ECUにおけるフレームの誤り率が、通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値以上であるか否かに基づいて、該閾値以上である場合には、該フレームに基づいて特定された送信元のECUを故障であると判断する。故障ECUが検出された場合、CPU102は、ユーザや修理担当者に対して、そのECUを通知するようにしてもよい。
【0077】
このように構成することにより、各ECUから送信されたフレームをチェックすることができるため、通信できていない、言い換えれば故障中のECUを特定できる。
【0078】
説明の便宜上、発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明されるが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてよい。
【0079】
以上、本発明は特定の実施例を参照しながら説明されてきたが、各実施例は単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。説明の便宜上、本発明の実施例に係る装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウエアで、ソフトウエアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が包含される。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】CAN接続形態の一例を示す説明図である。
【図2】故障ECUから送信される信号の波形の一例を示す説明図である。
【図3】正常ECUから送信される信号の波形の一例を示す説明図である。
【図4】故障ECUが存在する状況で、正常ECUから送信された信号の受信波形の一例を示す説明図である。
【図5】本発明の一実施例に係る通信システムを示す説明図である。
【図6】本発明の一実施例に係るECUから送信される信号の波形の一例を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施例に係る故障ECUが存在する状況で、正常ECUから送信された信号の受信波形の一例を示す説明図である。
【図8】本発明の一実施例に係る通信装置の動作を示すフロー図である。
【図9】本発明の一実施例に係る通信装置の動作を示すフロー図である。
【図10】本発明の一実施例に係る通信システムを示す説明図である。
【図11】本発明の一実施例に係る通信装置の動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0081】
100(100、100、100、100及び100) 電子制御ユニット(Electronic Control Unit)
102 CPU
104 通信ドライバ
106 終端回路
1061 第1の抵抗
1062 第2の抵抗
1063 コンデンサ
200 CAN High(CANH)
300 CAN Low(CANL)
400 CAN通信線
1000 CAN通信システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端に終端抵抗が接続される2線式の通信線を介して互いに通信を行う通信システムにおける通信装置であって、
前記終端抵抗が、第1の抵抗と、該第1の抵抗に直列に接続された第2の抵抗により構成され、
前記第1及び第2の抵抗と、前記第1の抵抗と前記第2の抵抗との間に接続され、他端が接地されたコンデンサとにより構成された終端回路と、
前記通信システムにおける通信エラーを計測する通信エラー計測手段と
を有し、
終端回路は、前記通信エラー計測手段により計測された通信エラーが通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値以上である場合に、前記コンデンサの容量を変更することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の通信装置において、
前記終端回路は、サンプリングポイントの以前に差動電圧が発生しなくなるように前記コンデンサの容量を変更することを特徴とする通信装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の通信装置において、
前記通信エラー計測手段は、所定の周期で通信エラーを計測し、
前記終端回路は、前記コンデンサの容量が変更された場合に、前記通信エラー計測手段により計測された通信エラーが前記所定の閾値未満である場合に、前記コンデンサの容量を変更前の容量に変更することを特徴とする通信装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の通信装置において、
各通信装置は、送信元を示す情報が含まれるフレームを送信し、
フレームの誤りを検出し、該フレームに含まれる送信元を示す情報に基づいて、誤ったフレームを送信した通信装置を検出する通信装置検出手段
を有することを特徴とする通信装置。
【請求項5】
請求項4に記載の通信装置において、
前記通信装置検出手段により検出された通信装置を通知する通知手段
を有することを特徴とする通信装置。
【請求項6】
両端に終端抵抗が接続される2線式の通信線を介して互いに通信を行う通信装置を有する通信システムであって、
前記通信装置は、前記終端抵抗を含んで構成される第1の通信装置と、該第1の通信装置以外の第2の通信装置を有し、
前記終端抵抗が、第1の抵抗と、該第1の抵抗に直列に接続された第2の抵抗により構成され、
前記第1の通信装置は、
前記通信システムにおける通信エラーを計測する第1の通信エラー計測手段と、
前記第1及び第2の抵抗と、前記第1の抵抗と前記第2の抵抗との間に接続され、他端が接地されたコンデンサとにより構成され、前記第1の通信エラー計測手段により計測された通信エラーが通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値以上である場合に、前記コンデンサの容量を変更する終端回路と
を有し、
前記第2の通信装置は、
前記通信システムにおける通信エラーを計測する第2の通信エラー計測手段と、
前記第2の通信エラー計測手段により計測された通信エラーが通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値以上である場合に、通信を停止する制御手段と
を有することを特徴とする通信システム。
【請求項7】
両端に終端抵抗が接続される2線式の通信線を介して互いに通信を行う通信装置を有する通信システムであって、
前記終端抵抗が、第1の抵抗と、該第1の抵抗に直列に接続された第2の抵抗により構成され、
前記第1及び第2の抵抗と、前記第1の抵抗と前記第2の抵抗との間に接続され、他端が接地されたコンデンサとにより構成された終端回路と、
前記通信システムにおける通信エラーを計測する通信エラー計測手段と、
前記通信エラー計測手段により計測された通信エラーが通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値以上である場合に、前記終端回路における前記コンデンサの容量を変更する容量変更手段と
を有することを特徴とする通信システム。
【請求項8】
両端に終端抵抗が接続される2線式の通信線を介して互いに通信を行う通信装置を有する通信システムにおける通信方法であって、
前記通信装置は、前記終端抵抗を含んで構成される第1の通信装置と、該第1の通信装置以外の第2の通信装置を有し、
前記終端抵抗が、第1の抵抗と、該第1の抵抗に直列に接続された第2の抵抗により構成され、
前記第1の通信装置が、前記通信システムにおける通信エラーを計測する第1の通信エラー計測ステップと、
前記第1の通信装置が、前記第1の通信エラー計測ステップにより計測された通信エラーが通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値以上である場合に、前記第1及び第2の抵抗と、前記第1の抵抗と前記第2の抵抗との間に接続され、他端が接地されたコンデンサとにより構成され終端回路における前記コンデンサの容量を変更する容量変更ステップと、
前記第2の通信装置が、前記通信システムにおける通信エラーを計測する第2の通信エラー計測ステップと、
前記第2の通信装置が、前記第2の通信エラー計測ステップにより計測された通信エラーが通信システムの機能を満足するために必要とされる所定の閾値以上である場合に、通信を停止する通信停止ステップと
を有することを特徴とする通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−111911(P2009−111911A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−284299(P2007−284299)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】