通気部材
【課題】筐体内でオイルが飛散してもそのオイルが防水通気膜に付着することを防止することができる通気部材を提供する。
【解決手段】通気部材１Ａは、筐体１０の開口１１に取り付けられるものであり、防水通気膜５と、筐体１０の外側で防水通気膜５を支持する支持体２と、筐体２の内側に配置され、筐体１０の開口１１を通じて支持体２と螺合することにより支持体２を筐体１０に固定する固定部材３とを備えている。支持体２は、防水通気膜５に塞がれる通気路２０を有している。通気路２０は、防水通気膜５と反対側では保護部３３によって覆われている。
【解決手段】通気部材１Ａは、筐体１０の開口１１に取り付けられるものであり、防水通気膜５と、筐体１０の外側で防水通気膜５を支持する支持体２と、筐体２の内側に配置され、筐体１０の開口１１を通じて支持体２と螺合することにより支持体２を筐体１０に固定する固定部材３とを備えている。支持体２は、防水通気膜５に塞がれる通気路２０を有している。通気路２０は、防水通気膜５と反対側では保護部３３によって覆われている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、筐体の開口に取り付けられる通気部材に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、例えば自動車用ランプやＥＣＵ（Electrical Control Unit）などの自動車電装部品、ＯＡ（オフィスオートメーション）機器、家電製品、医療機器などでは、電子部品や制御基板などを収容する筐体に、温度変化による筐体内の圧力変動を緩和したり筐体内を換気したりする目的で開口が設けられ、この開口に通気部材が取り付けられることが行われている。この通気部材は、筐体の内外での通気を確保しつつ筐体内への塵や水などの異物の侵入を防ぐものである。
【０００３】
例えば特許文献１には、図７に示すような通気部材１００が開示されている。この通気部材１００は、筐体１５０に固定される、防水通気膜１２０を支持する支持体１１０と、防水通気膜１２０を覆うカバー部品１３０と、筐体１５０の開口１５１の周囲で支持体１１０と筐体１５０との間のギャップをシールするシール部材１４０とを備えている。支持体１１０は、全体的に管状をなしており、防水通気膜１２０が貼り付けられるフランジ部１１２、およびフランジ部１１２から突出して筐体１５０の開口１５１に挿入される挿入部１１１を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００７−１４１６２９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
近年、例えば自動車では、環境面および安全面から電子制御化が進んできており、モーター、センサ、スイッチなどの電装部品が増加している。これに伴い、少ないスペースに多くの電装部品を設置するために電装部品の複合化が図られてきており、筐体内にオイルが存在することがある。
【０００６】
しかしながら、そのような環境下で図７に示すような通気部材１００を使用すると、筐体内で飛散したオイルが支持体１１０の内部空間を通じて防水通気膜１２０に付着し、通気性が損なわれるという問題が発生する。
【０００７】
本発明は、このような事情に鑑み、筐体内でオイルが飛散してもそのオイルが防水通気膜に付着することを防止することができる通気部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
すなわち、本発明は、筐体の開口に取り付けられる通気部材であって、防水通気膜と、筐体の外側で前記防水通気膜を支持する、前記防水通気膜に塞がれる通気路を有する支持体と、前記筐体の内側に配置され、前記筐体の開口を通じて前記支持体と螺合することにより前記支持体を前記筐体に固定する固定部材と、前記防水通気膜と反対側で前記通気路を覆う保護部と、を備える、通気部材を提供する。
【発明の効果】
【０００９】
上記の構成によれば、筐体内でオイルが飛散してもそのオイルが支持体の通気路内に入り込むことが保護部によって妨げられるため、防水通気膜へのオイルの付着を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
【図１】本発明の第１実施形態に係る通気部材の分解斜視図
【図２】図１に示す通気部材の断面図
【図３】第１実施形態の変形例の通気部材の断面図
【図４】本発明の第２実施形態に係る通気部材の断面図
【図５】図４のV−V線に沿った断面図
【図６】本発明の第３実施形態に係る通気部材の断面図
【図７】従来の通気部材の断面図
【発明を実施するための形態】
【００１１】
以下、添付の図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明は本発明の一例に関するものであり、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【００１２】
（第１実施形態）
図１および図２に、本発明の第１実施形態に係る通気部材１Ａを示す。この通気部材１Ａは、筐体１０の開口１１に取り付けられるものであり、防水通気膜５と、筐体１０の外側で防水通気膜５を支持する支持体２と、筐体１０の内側に配置され、筐体１０の開口１１を通じて支持体２と螺合することにより支持体２を筐体１０に固定する固定部材３とを備えている。さらに、通気部材１Ａは、開口１１の周囲で筐体１０と支持体２との間のギャップをシールする外側シール部材４Ａと、開口１１の周囲で筐体１０と固定部材３との間のギャップをシールする内側シール部材４Ｂと、支持体２に取り付けられて防水通気膜５を覆うカバー部品６とを備えている。
【００１３】
防水通気膜５は、気体の透過を許容し、液体の透過を阻止する膜（樹脂または金属からなる、職布、不織布、メッシュ、ネットなど）であれば、構造や材料は特に限定されない。例えば、防水通気膜５は、樹脂多孔質膜に補強層が積層された構成を有していてもよい。補強層を設けることにより、高強度の防水通気膜５を得ることができる。
【００１４】
樹脂多孔質膜の材料には、公知の延伸法、抽出法によって製造することができるフッ素樹脂多孔質体やポリオレフィン多孔体を用いることができる。フッ素樹脂としては、ＰＴＦＥ（ポリテトラフルオロエチレン）、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体等が挙げられる。ポリオレフィンを構成するモノマーとしては、エチレン、プロピレン、４−メチルペンテン−１，１ブテン等が挙げられ、これらのモノマーを単体で重合した、または共重合して得たポリオレフィンを使用することができる。また、ポリアクリロニトリル、ナイロン、ポリ乳酸を用いたナノファイバーフィルム多孔体等を用いることもできる。中でも、小面積で通気性が確保でき、筐体内部への異物の侵入を阻止する機能の高いＰＴＦＥ多孔質体が好ましい。
【００１５】
なお、樹脂多孔質膜には、筐体１０の使用環境に応じて撥液処理を施してもよい。撥液処理は、表面張力の小さな物質を樹脂多孔質膜に塗布し、乾燥後、キュアすることにより行うことができる。撥液処理に用いる撥液剤は、樹脂多孔質膜より低い表面張力の被膜を形成できればよく、例えば、パーフルオロアルキル基を有する高分子を含む撥液剤が好適である。撥液剤の塗布は、含浸、スプレー等で行うことができる。また十分な防水性を確保するという観点から、樹脂多孔質膜の平均孔径は、０．０１μｍ以上１０μｍ以下であることが望ましい。
【００１６】
補強層の材料としては、樹脂多孔質膜よりも通気性に優れるものを用いることが好ましい。具体的には、樹脂または金属からなる、職布、不織布、メッシュ、ネット、スポンジ、フォーム、多孔体などを用いることができる。樹脂多孔質膜と補強層とを接合する方法としては、接着剤ラミネート、熱ラミネート、加熱溶着、超音波溶着、接着剤による接着などの方法がある。
【００１７】
防水通気膜５の厚さは、強度および支持体２への固定しやすさを考慮して、例えば、１μｍ〜５ｍｍの範囲で調整するとよい。樹脂多孔質膜または防水通気膜５の通気度は、ガーレー値にて０．１〜３００ｓｅｃ／１００ｍＬであることが好ましい。
【００１８】
支持体２には、当該支持体２を貫通する通気路２０が設けられており、この通気路２０が防水通気膜５で塞がれている。具体的に支持体２は、表面に防水通気膜５が貼り付けられた頭部２２と、頭部２２の裏面から突出して筐体１０の開口１１に挿通されるネジ軸２１とを有している。通気路２０は、防水通気膜５の大きさよりも僅かに小さな大きさで頭部２２の表面から窪む窪み２３と、窪み２３の底からネジ軸２１の端面２１ａまでネジ軸２１の軸方向に延びるストレート孔２４とで構成されている。換言すれば、通気路２０は、ネジ軸２１の端面２１ａに開口している。
【００１９】
上述した外側シール部材４Ａは、ネジ軸２１の根元部分に装着されている。さらに、支持体２には、筐体１０に当接して外側シール部材４Ａの変形量を規制する当接部２５が設けられている。本実施形態では、当接部２５が外側シール部材４Ａを取り囲む筒状をなしている。換言すれば、ネジ軸２１の根元部分の外周面、頭部２２の裏面および当接部２５の内周面により、外側シール部材４Ａを収容する溝が形成されている。ただし、当接部２５は必ずしも外側シール部材４Ａの外側に配置されている必要はなく、例えばネジ軸２１の根元部分が開口１１よりも大きな径を有するように拡大されることにより当接部２５を構成していてもよい。
【００２０】
固定部材３は、フラットな表面および裏面を有する円盤状のナット部材である。固定部材３の中心には、ネジ軸２１に螺合する、表面から窪む凹状のネジ穴３１が設けられている。ネジ穴３１の深さは、固定部材３が筐体１０の開口１１を通じて支持体２と螺合したときに、当該ネジ穴３１の底を形成する底壁３３とネジ軸２１の端面２１ａとの間に十分なスペースが確保されるように設定されている。すなわち、底壁３３は、防水通気膜５と反対側で通気路２０を覆っているとともに、通気路２０から離間して通気路２０と対向するように固定部材３に一体に設けられている。底壁３３は、本発明の保護部に相当する。
【００２１】
底壁３３には、ネジ穴３１の軸方向において通気路２０の開口と重ならないように複数の貫通孔３４が設けられている。例えば、貫通孔３４は、底壁３３の中心を中心とする円周上に等角度間隔で設けられる。そして、貫通孔３４と、底壁３３とネジ軸２１の端面２１ａとの間のスペースによって、通気路２０を筐体１０の内部空間に開放する経路が構成されている。
【００２２】
さらに、固定部材３には、フラットな表面から窪む、ネジ穴３１と同心のリング状の溝３２が設けられている。そして、この溝３２に、上述した内側シール部材４Ｂが収容されている。本実施形態では、溝３２を挟んで対向する内壁および外壁の先端面は同一平面上に位置しているため、内壁および外壁の双方が筐体１０に当接して内側シール部材４Ｂの変形量を規制する当接部３５を構成する。ただし、当接部３５は、内側シール部材４Ｂの内側か外側のどちらか一方にあればよく、外壁および内壁の一方の高さは、他方の高さよりも低く設定されていてもよいし、外壁と内壁のどちらかが省略されていてもよい。
【００２３】
支持体２および固定部材３は、同じ材料で構成されていてもよいし、異なる材料で構成されていてもよい。このような材料としては、成型性および溶着の観点からＰＡ（ポリアミド）、ＰＥＴ（ポリエチレンテレフタレート）、ＰＰＳ（ポリフェニレンスルフィド）、ＰＢＴ（ポリブチレンテレフタレート）、ＰＣ（ポリカーボネート）、ＰＰ（ポリプロピレン）、ＰＰＥ（ポリフェニレンエーテル）等の熱可塑性の樹脂を用いることが好ましい。
【００２４】
外側シール部材４Ａおよび内側シール部材４Ｂとしては、Ｏリング、Ｘリング、パッキンなど一般的な製品を用いることができる。また、外側シール部材４Ａおよび内側シール部材４Ｂは、インサート成型や二色成型により支持体２または固定部材３に一体的に形成されていてもよい。
【００２５】
なお、支持体２および固定部材３の双方は、弾性体であってもよい。この場合は、外側シール部材４Ａおよび内側シール部材４Ｂならびにそれらを収容する溝を省略することができる。弾性体の材質としては、ＮＢＲ（二トリルゴム）、ＥＰＤＭ（エチレン−プロピレンゴム）、シリコーンゴム、ふっ素ゴム、アクリルゴム、水素化ニトリルゴム等の熱硬化性樹脂弾性体が好ましい。また、熱可塑性エラストマーなどの弾性体の樹脂を用いてもよい。
【００２６】
カバー部品６は、防水通気膜５と所定間隔を隔てて対向する主部６１と、主部６１の周縁部から突出する係止片６２とを有している。図示は省略するが、係止片６２の先端および支持体２には互いに係合可能な凹凸が設けられている。なお、支持体２には、係止片６２の先端が嵌り込む凹部が設けられていてもよい。
【００２７】
以上説明した本実施形態の通気部材１Ａでは、筐体１０内でオイルが飛散してもそのオイルが支持体２の通気路２０内に入り込むことが固定部材３の底壁３３によって妨げられるため、防水通気膜５へのオイルの付着を防止することができる。
【００２８】
また、本実施形態では、支持体２および固定部材３に当接部２５，３５が設けられているので、ネジ軸２１とネジ穴３１とを外側シール部材４Ａおよび内側シール部材４Ｂが過度に押し潰されない適切な強さで螺合させることができる。
【００２９】
さらに、本実施形態では、支持体２の当接部２５が外側シール部材４Ａを取り囲んでいるので、外側シール部材４Ａを外圧から保護することができる。
【００３０】
また、本実施形態では、防水通気膜５がカバー部品６で覆われているので、筐体１０が高圧水により洗浄されるときでも、防水通気膜５の破損が抑制される。
【００３１】
＜変形例＞
前記実施形態では支持体２にネジ軸２１が設けられ、固定部材３にネジ穴３１が設けられていたが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、図３に示す通気部材１Ｂのように、固定部材３にネジ軸２１を設け、支持体２にネジ穴３１を設けてもよい。この場合、例えば、支持体２の通気路２０を、窪み２３と、ネジ穴３１の底を形成する底壁２６の周縁部に設けられた複数の貫通孔２６ａで構成し、ネジ軸２１の中心軸上に固定部材３を貫通する通気路３６を設けてもよい。このような構成であれば、ネジ軸２１が前記実施形態の底壁３３と同様に機能する。すなわち、ネジ軸２１は、防水通気膜５と反対側で通気路２０を覆っているとともに、通気路２０から離間して通気路２０と対向するように固定部材３に一体に設けられている。
【００３２】
また、外側シール部材４Ａおよび内側シール部材４Ｂに関しては、必ずしも双方が設けられている必要はなく、どちらか一方のみが設けられていてもよい。
【００３３】
（第２実施形態）
次に、図４および図５を参照して、本発明の第２実施形態に係る通気部材１Ｃを説明する。なお、本実施形態では、第１実施形態で説明した構成と同一部分には同一符号を付して、その説明を省略することがある。この点は、後述する第３実施形態でも同様である。
【００３４】
本実施形態の通気部材１Ｃは、防水通気膜５と反対側で通気路２０を覆う部分以外は、第１実施形態の通気部材１Ａと同様の構成を有している。具体的に、固定部材３のネジ穴３１が固定部材３を貫通しており、支持体２には邪魔板２７が胴部２９を介して一体に設けられている。
【００３５】
胴部２９は、ネジ軸２１の端面２１ａを覆うように配置され、ネジ軸２１と同心の円盤状をなしている。胴部２９には、中心から径方向外向きに開口する切り欠き２９ａが形成されており、この切り欠き２９ａによりネジ軸２１の端面２１ａの一部分のみが露出させられている。切り欠き２９ａは、中心側が丸みを帯びた舌状をなしており、通気路２０の直径と同じ幅を有している。
【００３６】
邪魔板２７は、胴部２９の厚さよりも薄い厚さを有しており、胴部２９の切り欠き２９ａ内に当該邪魔板２７の下面と胴部２９の下面とが一致するように配置されている。また、邪魔板２７は、切り欠き２９ａよりも長さが短い以外は切り欠き２９ａと同一の形状を有しており、切り欠き２９ａの先端である径方向外側の端部以外を覆っている。すなわち、邪魔板２７は、ネジ軸２１の端面２１ａに開口する通気路２０から離間して通気路２０と対向している。また、邪魔板２７は、当該邪魔板２７とネジ軸２１の端面２１ａおよびネジ穴３１の内周面との間に連通路２０を筐体１０の内部空間に開放する経路２８を形成する。邪魔板２７は、本発明の保護部に相当する。
【００３７】
本実施形態の通気部材１Ｃでは、筐体１０内でオイルが飛散してもそのオイルが支持体２の通気路２０内に入り込むことが邪魔板２７によって妨げられるため、防水通気膜５へのオイルの付着を防止することができる。
【００３８】
（第３実施形態）
次に、図６を参照して、本発明の第３実施形態に係る通気部材１Ｄを説明する。本実施形態の通気部材１Ｄは、第２実施形態の通気部材１Ｃから胴部２９および邪魔板２７を削除し、代わりにネジ軸２１の端面２１ａに第２の通気膜７を貼り付けた構成を有している。換言すれば、通気路２０は、外側からは防水通気膜５で塞がれ、内側からは第２の通気膜７で塞がれている。第２の通気膜７は、本発明の保護部に相当する。
【００３９】
第２の通気膜７は、オイルの通過を阻止するが、オイルによって目詰まりを起こさない程度に撥油性を備えていることが好ましい。
【００４０】
本実施形態の通気部材１Ｄでは、筐体１０内でオイルが飛散してもそのオイルが支持体２の通気路２０内に入り込むことが第２の通気膜７によって妨げられるため、防水通気膜５へのオイルの付着を防止することができる。
【００４１】
また、本実施形態のような構成であれば、支持体２および固定部材３の形状を簡素化できるため、通気部材１Ｄを安価に製造することができる。
【符号の説明】
【００４２】
１Ａ〜１Ｄ 通気部材
２ 支持体
２０ 通気路
２１ ネジ軸
２１ａ 端面
２５ 当接部
２７ 邪魔板（保護部）
２８ 経路
３ 固定部材
３１ ネジ穴
３３ 底壁（保護部）
３４ 貫通孔
３５ 当接部
４Ａ 外側シール部材
４Ｂ 内側シール部材
５ 防水通気膜
６ カバー部品
７ 第２の通気膜（保護部）
【技術分野】
【０００１】
本発明は、筐体の開口に取り付けられる通気部材に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、例えば自動車用ランプやＥＣＵ（Electrical Control Unit）などの自動車電装部品、ＯＡ（オフィスオートメーション）機器、家電製品、医療機器などでは、電子部品や制御基板などを収容する筐体に、温度変化による筐体内の圧力変動を緩和したり筐体内を換気したりする目的で開口が設けられ、この開口に通気部材が取り付けられることが行われている。この通気部材は、筐体の内外での通気を確保しつつ筐体内への塵や水などの異物の侵入を防ぐものである。
【０００３】
例えば特許文献１には、図７に示すような通気部材１００が開示されている。この通気部材１００は、筐体１５０に固定される、防水通気膜１２０を支持する支持体１１０と、防水通気膜１２０を覆うカバー部品１３０と、筐体１５０の開口１５１の周囲で支持体１１０と筐体１５０との間のギャップをシールするシール部材１４０とを備えている。支持体１１０は、全体的に管状をなしており、防水通気膜１２０が貼り付けられるフランジ部１１２、およびフランジ部１１２から突出して筐体１５０の開口１５１に挿入される挿入部１１１を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００７−１４１６２９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
近年、例えば自動車では、環境面および安全面から電子制御化が進んできており、モーター、センサ、スイッチなどの電装部品が増加している。これに伴い、少ないスペースに多くの電装部品を設置するために電装部品の複合化が図られてきており、筐体内にオイルが存在することがある。
【０００６】
しかしながら、そのような環境下で図７に示すような通気部材１００を使用すると、筐体内で飛散したオイルが支持体１１０の内部空間を通じて防水通気膜１２０に付着し、通気性が損なわれるという問題が発生する。
【０００７】
本発明は、このような事情に鑑み、筐体内でオイルが飛散してもそのオイルが防水通気膜に付着することを防止することができる通気部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
すなわち、本発明は、筐体の開口に取り付けられる通気部材であって、防水通気膜と、筐体の外側で前記防水通気膜を支持する、前記防水通気膜に塞がれる通気路を有する支持体と、前記筐体の内側に配置され、前記筐体の開口を通じて前記支持体と螺合することにより前記支持体を前記筐体に固定する固定部材と、前記防水通気膜と反対側で前記通気路を覆う保護部と、を備える、通気部材を提供する。
【発明の効果】
【０００９】
上記の構成によれば、筐体内でオイルが飛散してもそのオイルが支持体の通気路内に入り込むことが保護部によって妨げられるため、防水通気膜へのオイルの付着を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
【図１】本発明の第１実施形態に係る通気部材の分解斜視図
【図２】図１に示す通気部材の断面図
【図３】第１実施形態の変形例の通気部材の断面図
【図４】本発明の第２実施形態に係る通気部材の断面図
【図５】図４のV−V線に沿った断面図
【図６】本発明の第３実施形態に係る通気部材の断面図
【図７】従来の通気部材の断面図
【発明を実施するための形態】
【００１１】
以下、添付の図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明は本発明の一例に関するものであり、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【００１２】
（第１実施形態）
図１および図２に、本発明の第１実施形態に係る通気部材１Ａを示す。この通気部材１Ａは、筐体１０の開口１１に取り付けられるものであり、防水通気膜５と、筐体１０の外側で防水通気膜５を支持する支持体２と、筐体１０の内側に配置され、筐体１０の開口１１を通じて支持体２と螺合することにより支持体２を筐体１０に固定する固定部材３とを備えている。さらに、通気部材１Ａは、開口１１の周囲で筐体１０と支持体２との間のギャップをシールする外側シール部材４Ａと、開口１１の周囲で筐体１０と固定部材３との間のギャップをシールする内側シール部材４Ｂと、支持体２に取り付けられて防水通気膜５を覆うカバー部品６とを備えている。
【００１３】
防水通気膜５は、気体の透過を許容し、液体の透過を阻止する膜（樹脂または金属からなる、職布、不織布、メッシュ、ネットなど）であれば、構造や材料は特に限定されない。例えば、防水通気膜５は、樹脂多孔質膜に補強層が積層された構成を有していてもよい。補強層を設けることにより、高強度の防水通気膜５を得ることができる。
【００１４】
樹脂多孔質膜の材料には、公知の延伸法、抽出法によって製造することができるフッ素樹脂多孔質体やポリオレフィン多孔体を用いることができる。フッ素樹脂としては、ＰＴＦＥ（ポリテトラフルオロエチレン）、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体等が挙げられる。ポリオレフィンを構成するモノマーとしては、エチレン、プロピレン、４−メチルペンテン−１，１ブテン等が挙げられ、これらのモノマーを単体で重合した、または共重合して得たポリオレフィンを使用することができる。また、ポリアクリロニトリル、ナイロン、ポリ乳酸を用いたナノファイバーフィルム多孔体等を用いることもできる。中でも、小面積で通気性が確保でき、筐体内部への異物の侵入を阻止する機能の高いＰＴＦＥ多孔質体が好ましい。
【００１５】
なお、樹脂多孔質膜には、筐体１０の使用環境に応じて撥液処理を施してもよい。撥液処理は、表面張力の小さな物質を樹脂多孔質膜に塗布し、乾燥後、キュアすることにより行うことができる。撥液処理に用いる撥液剤は、樹脂多孔質膜より低い表面張力の被膜を形成できればよく、例えば、パーフルオロアルキル基を有する高分子を含む撥液剤が好適である。撥液剤の塗布は、含浸、スプレー等で行うことができる。また十分な防水性を確保するという観点から、樹脂多孔質膜の平均孔径は、０．０１μｍ以上１０μｍ以下であることが望ましい。
【００１６】
補強層の材料としては、樹脂多孔質膜よりも通気性に優れるものを用いることが好ましい。具体的には、樹脂または金属からなる、職布、不織布、メッシュ、ネット、スポンジ、フォーム、多孔体などを用いることができる。樹脂多孔質膜と補強層とを接合する方法としては、接着剤ラミネート、熱ラミネート、加熱溶着、超音波溶着、接着剤による接着などの方法がある。
【００１７】
防水通気膜５の厚さは、強度および支持体２への固定しやすさを考慮して、例えば、１μｍ〜５ｍｍの範囲で調整するとよい。樹脂多孔質膜または防水通気膜５の通気度は、ガーレー値にて０．１〜３００ｓｅｃ／１００ｍＬであることが好ましい。
【００１８】
支持体２には、当該支持体２を貫通する通気路２０が設けられており、この通気路２０が防水通気膜５で塞がれている。具体的に支持体２は、表面に防水通気膜５が貼り付けられた頭部２２と、頭部２２の裏面から突出して筐体１０の開口１１に挿通されるネジ軸２１とを有している。通気路２０は、防水通気膜５の大きさよりも僅かに小さな大きさで頭部２２の表面から窪む窪み２３と、窪み２３の底からネジ軸２１の端面２１ａまでネジ軸２１の軸方向に延びるストレート孔２４とで構成されている。換言すれば、通気路２０は、ネジ軸２１の端面２１ａに開口している。
【００１９】
上述した外側シール部材４Ａは、ネジ軸２１の根元部分に装着されている。さらに、支持体２には、筐体１０に当接して外側シール部材４Ａの変形量を規制する当接部２５が設けられている。本実施形態では、当接部２５が外側シール部材４Ａを取り囲む筒状をなしている。換言すれば、ネジ軸２１の根元部分の外周面、頭部２２の裏面および当接部２５の内周面により、外側シール部材４Ａを収容する溝が形成されている。ただし、当接部２５は必ずしも外側シール部材４Ａの外側に配置されている必要はなく、例えばネジ軸２１の根元部分が開口１１よりも大きな径を有するように拡大されることにより当接部２５を構成していてもよい。
【００２０】
固定部材３は、フラットな表面および裏面を有する円盤状のナット部材である。固定部材３の中心には、ネジ軸２１に螺合する、表面から窪む凹状のネジ穴３１が設けられている。ネジ穴３１の深さは、固定部材３が筐体１０の開口１１を通じて支持体２と螺合したときに、当該ネジ穴３１の底を形成する底壁３３とネジ軸２１の端面２１ａとの間に十分なスペースが確保されるように設定されている。すなわち、底壁３３は、防水通気膜５と反対側で通気路２０を覆っているとともに、通気路２０から離間して通気路２０と対向するように固定部材３に一体に設けられている。底壁３３は、本発明の保護部に相当する。
【００２１】
底壁３３には、ネジ穴３１の軸方向において通気路２０の開口と重ならないように複数の貫通孔３４が設けられている。例えば、貫通孔３４は、底壁３３の中心を中心とする円周上に等角度間隔で設けられる。そして、貫通孔３４と、底壁３３とネジ軸２１の端面２１ａとの間のスペースによって、通気路２０を筐体１０の内部空間に開放する経路が構成されている。
【００２２】
さらに、固定部材３には、フラットな表面から窪む、ネジ穴３１と同心のリング状の溝３２が設けられている。そして、この溝３２に、上述した内側シール部材４Ｂが収容されている。本実施形態では、溝３２を挟んで対向する内壁および外壁の先端面は同一平面上に位置しているため、内壁および外壁の双方が筐体１０に当接して内側シール部材４Ｂの変形量を規制する当接部３５を構成する。ただし、当接部３５は、内側シール部材４Ｂの内側か外側のどちらか一方にあればよく、外壁および内壁の一方の高さは、他方の高さよりも低く設定されていてもよいし、外壁と内壁のどちらかが省略されていてもよい。
【００２３】
支持体２および固定部材３は、同じ材料で構成されていてもよいし、異なる材料で構成されていてもよい。このような材料としては、成型性および溶着の観点からＰＡ（ポリアミド）、ＰＥＴ（ポリエチレンテレフタレート）、ＰＰＳ（ポリフェニレンスルフィド）、ＰＢＴ（ポリブチレンテレフタレート）、ＰＣ（ポリカーボネート）、ＰＰ（ポリプロピレン）、ＰＰＥ（ポリフェニレンエーテル）等の熱可塑性の樹脂を用いることが好ましい。
【００２４】
外側シール部材４Ａおよび内側シール部材４Ｂとしては、Ｏリング、Ｘリング、パッキンなど一般的な製品を用いることができる。また、外側シール部材４Ａおよび内側シール部材４Ｂは、インサート成型や二色成型により支持体２または固定部材３に一体的に形成されていてもよい。
【００２５】
なお、支持体２および固定部材３の双方は、弾性体であってもよい。この場合は、外側シール部材４Ａおよび内側シール部材４Ｂならびにそれらを収容する溝を省略することができる。弾性体の材質としては、ＮＢＲ（二トリルゴム）、ＥＰＤＭ（エチレン−プロピレンゴム）、シリコーンゴム、ふっ素ゴム、アクリルゴム、水素化ニトリルゴム等の熱硬化性樹脂弾性体が好ましい。また、熱可塑性エラストマーなどの弾性体の樹脂を用いてもよい。
【００２６】
カバー部品６は、防水通気膜５と所定間隔を隔てて対向する主部６１と、主部６１の周縁部から突出する係止片６２とを有している。図示は省略するが、係止片６２の先端および支持体２には互いに係合可能な凹凸が設けられている。なお、支持体２には、係止片６２の先端が嵌り込む凹部が設けられていてもよい。
【００２７】
以上説明した本実施形態の通気部材１Ａでは、筐体１０内でオイルが飛散してもそのオイルが支持体２の通気路２０内に入り込むことが固定部材３の底壁３３によって妨げられるため、防水通気膜５へのオイルの付着を防止することができる。
【００２８】
また、本実施形態では、支持体２および固定部材３に当接部２５，３５が設けられているので、ネジ軸２１とネジ穴３１とを外側シール部材４Ａおよび内側シール部材４Ｂが過度に押し潰されない適切な強さで螺合させることができる。
【００２９】
さらに、本実施形態では、支持体２の当接部２５が外側シール部材４Ａを取り囲んでいるので、外側シール部材４Ａを外圧から保護することができる。
【００３０】
また、本実施形態では、防水通気膜５がカバー部品６で覆われているので、筐体１０が高圧水により洗浄されるときでも、防水通気膜５の破損が抑制される。
【００３１】
＜変形例＞
前記実施形態では支持体２にネジ軸２１が設けられ、固定部材３にネジ穴３１が設けられていたが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、図３に示す通気部材１Ｂのように、固定部材３にネジ軸２１を設け、支持体２にネジ穴３１を設けてもよい。この場合、例えば、支持体２の通気路２０を、窪み２３と、ネジ穴３１の底を形成する底壁２６の周縁部に設けられた複数の貫通孔２６ａで構成し、ネジ軸２１の中心軸上に固定部材３を貫通する通気路３６を設けてもよい。このような構成であれば、ネジ軸２１が前記実施形態の底壁３３と同様に機能する。すなわち、ネジ軸２１は、防水通気膜５と反対側で通気路２０を覆っているとともに、通気路２０から離間して通気路２０と対向するように固定部材３に一体に設けられている。
【００３２】
また、外側シール部材４Ａおよび内側シール部材４Ｂに関しては、必ずしも双方が設けられている必要はなく、どちらか一方のみが設けられていてもよい。
【００３３】
（第２実施形態）
次に、図４および図５を参照して、本発明の第２実施形態に係る通気部材１Ｃを説明する。なお、本実施形態では、第１実施形態で説明した構成と同一部分には同一符号を付して、その説明を省略することがある。この点は、後述する第３実施形態でも同様である。
【００３４】
本実施形態の通気部材１Ｃは、防水通気膜５と反対側で通気路２０を覆う部分以外は、第１実施形態の通気部材１Ａと同様の構成を有している。具体的に、固定部材３のネジ穴３１が固定部材３を貫通しており、支持体２には邪魔板２７が胴部２９を介して一体に設けられている。
【００３５】
胴部２９は、ネジ軸２１の端面２１ａを覆うように配置され、ネジ軸２１と同心の円盤状をなしている。胴部２９には、中心から径方向外向きに開口する切り欠き２９ａが形成されており、この切り欠き２９ａによりネジ軸２１の端面２１ａの一部分のみが露出させられている。切り欠き２９ａは、中心側が丸みを帯びた舌状をなしており、通気路２０の直径と同じ幅を有している。
【００３６】
邪魔板２７は、胴部２９の厚さよりも薄い厚さを有しており、胴部２９の切り欠き２９ａ内に当該邪魔板２７の下面と胴部２９の下面とが一致するように配置されている。また、邪魔板２７は、切り欠き２９ａよりも長さが短い以外は切り欠き２９ａと同一の形状を有しており、切り欠き２９ａの先端である径方向外側の端部以外を覆っている。すなわち、邪魔板２７は、ネジ軸２１の端面２１ａに開口する通気路２０から離間して通気路２０と対向している。また、邪魔板２７は、当該邪魔板２７とネジ軸２１の端面２１ａおよびネジ穴３１の内周面との間に連通路２０を筐体１０の内部空間に開放する経路２８を形成する。邪魔板２７は、本発明の保護部に相当する。
【００３７】
本実施形態の通気部材１Ｃでは、筐体１０内でオイルが飛散してもそのオイルが支持体２の通気路２０内に入り込むことが邪魔板２７によって妨げられるため、防水通気膜５へのオイルの付着を防止することができる。
【００３８】
（第３実施形態）
次に、図６を参照して、本発明の第３実施形態に係る通気部材１Ｄを説明する。本実施形態の通気部材１Ｄは、第２実施形態の通気部材１Ｃから胴部２９および邪魔板２７を削除し、代わりにネジ軸２１の端面２１ａに第２の通気膜７を貼り付けた構成を有している。換言すれば、通気路２０は、外側からは防水通気膜５で塞がれ、内側からは第２の通気膜７で塞がれている。第２の通気膜７は、本発明の保護部に相当する。
【００３９】
第２の通気膜７は、オイルの通過を阻止するが、オイルによって目詰まりを起こさない程度に撥油性を備えていることが好ましい。
【００４０】
本実施形態の通気部材１Ｄでは、筐体１０内でオイルが飛散してもそのオイルが支持体２の通気路２０内に入り込むことが第２の通気膜７によって妨げられるため、防水通気膜５へのオイルの付着を防止することができる。
【００４１】
また、本実施形態のような構成であれば、支持体２および固定部材３の形状を簡素化できるため、通気部材１Ｄを安価に製造することができる。
【符号の説明】
【００４２】
１Ａ〜１Ｄ 通気部材
２ 支持体
２０ 通気路
２１ ネジ軸
２１ａ 端面
２５ 当接部
２７ 邪魔板（保護部）
２８ 経路
３ 固定部材
３１ ネジ穴
３３ 底壁（保護部）
３４ 貫通孔
３５ 当接部
４Ａ 外側シール部材
４Ｂ 内側シール部材
５ 防水通気膜
６ カバー部品
７ 第２の通気膜（保護部）
【特許請求の範囲】
【請求項１】
筐体の開口に取り付けられる通気部材であって、
防水通気膜と、
筐体の外側で前記防水通気膜を支持する、前記防水通気膜に塞がれる通気路を有する支持体と、
前記筐体の内側に配置され、前記筐体の開口を通じて前記支持体と螺合することにより前記支持体を前記筐体に固定する固定部材と、
前記防水通気膜と反対側で前記通気路を覆う保護部と、
を備える、通気部材。
【請求項２】
前記保護部は、前記通気路から離間して前記通気路と対向するように前記固定部材に一体に設けられている、請求項１に記載の通気部材。
【請求項３】
前記支持体は、前記防水通気膜が貼り付けられた頭部と、前記頭部から突出して前記筐体の開口に挿通されるネジ軸とを有し、前記通気路は、前記ネジ軸の端面に開口しており、
前記固定部材は、前記ネジ軸に螺合する凹状のネジ穴を有し、
前記保護部は、前記ネジ穴の底を形成する底壁であり、前記底壁には、前記ネジ穴の軸方向において前記通気路の開口と重ならないように貫通孔が設けられている、請求項２に記載の通気部材。
【請求項４】
前記保護部は、前記通気路から離間して前記通気路と対向するように前記支持体に一体に設けられている、請求項１に記載の通気部材。
【請求項５】
前記支持体は、前記防水通気膜が貼り付けられた頭部と、前記頭部から突出して前記筐体の開口に挿通されるネジ軸とを有し、前記通気路は、前記ネジ軸の端面に開口しており、
前記固定部材は、前記ネジ軸に螺合するネジ穴であって当該固定部材を貫通するネジ穴を有し、
前記保護部は、当該保護部と前記ネジ軸の端面および前記ネジ穴の内周面との間に前記連通路を前記筐体の内部空間に開放する経路が形成されるように前記支持体に設けられた邪魔板である、請求項４に記載の通気部材。
【請求項６】
前記保護部は、前記支持体に貼り付けられた第２の通気膜である、請求項１に記載の通気部材。
【請求項７】
前記支持体は、前記防水通気膜が貼り付けられた頭部と、前記頭部から突出して前記筐体の開口に挿通されるネジ軸とを有し、前記通気路は、前記ネジ軸の端面に開口しており、
前記固定部材は、前記ネジ軸に螺合するネジ穴であって当該固定部材を貫通するネジ穴を有し、
前記第２の通気膜は、前記ネジ軸の端面に貼り付けられている、請求項６に記載の通気部材。
【請求項８】
前記開口の周囲で前記筐体と前記支持体との間のギャップをシールする外側シール部材をさらに備える、請求項１〜７のいずれか一項に記載の通気部材。
【請求項９】
前記支持体は、前記筐体に当接して前記外側シール部材の変形量を規制する当接部を有する、請求項８に記載の通気部材。
【請求項１０】
前記当接部は、前記外側シール部材を取り囲む筒状をなしている、請求項９に記載の通気部材。
【請求項１１】
前記開口の周囲で前記筐体と前記固定部材との間のギャップをシールする内側シール部材をさらに備える、請求項１〜１０のいずれか一項に記載の通気部材。
【請求項１２】
前記固定部材は、前記筐体に当接して前記内側シール部材の変形量を規制する当接部を有する、請求項１１に記載の通気部材。
【請求項１３】
前記支持体および前記固定部材は弾性体である、請求項１〜７のいずれか一項に記載の通気部材。
【請求項１４】
前記支持体に取り付けられて前記防水通気膜を覆うカバー部品をさらに備える、請求項１〜１３のいずれか一項に記載の通気部材。
【請求項１】
筐体の開口に取り付けられる通気部材であって、
防水通気膜と、
筐体の外側で前記防水通気膜を支持する、前記防水通気膜に塞がれる通気路を有する支持体と、
前記筐体の内側に配置され、前記筐体の開口を通じて前記支持体と螺合することにより前記支持体を前記筐体に固定する固定部材と、
前記防水通気膜と反対側で前記通気路を覆う保護部と、
を備える、通気部材。
【請求項２】
前記保護部は、前記通気路から離間して前記通気路と対向するように前記固定部材に一体に設けられている、請求項１に記載の通気部材。
【請求項３】
前記支持体は、前記防水通気膜が貼り付けられた頭部と、前記頭部から突出して前記筐体の開口に挿通されるネジ軸とを有し、前記通気路は、前記ネジ軸の端面に開口しており、
前記固定部材は、前記ネジ軸に螺合する凹状のネジ穴を有し、
前記保護部は、前記ネジ穴の底を形成する底壁であり、前記底壁には、前記ネジ穴の軸方向において前記通気路の開口と重ならないように貫通孔が設けられている、請求項２に記載の通気部材。
【請求項４】
前記保護部は、前記通気路から離間して前記通気路と対向するように前記支持体に一体に設けられている、請求項１に記載の通気部材。
【請求項５】
前記支持体は、前記防水通気膜が貼り付けられた頭部と、前記頭部から突出して前記筐体の開口に挿通されるネジ軸とを有し、前記通気路は、前記ネジ軸の端面に開口しており、
前記固定部材は、前記ネジ軸に螺合するネジ穴であって当該固定部材を貫通するネジ穴を有し、
前記保護部は、当該保護部と前記ネジ軸の端面および前記ネジ穴の内周面との間に前記連通路を前記筐体の内部空間に開放する経路が形成されるように前記支持体に設けられた邪魔板である、請求項４に記載の通気部材。
【請求項６】
前記保護部は、前記支持体に貼り付けられた第２の通気膜である、請求項１に記載の通気部材。
【請求項７】
前記支持体は、前記防水通気膜が貼り付けられた頭部と、前記頭部から突出して前記筐体の開口に挿通されるネジ軸とを有し、前記通気路は、前記ネジ軸の端面に開口しており、
前記固定部材は、前記ネジ軸に螺合するネジ穴であって当該固定部材を貫通するネジ穴を有し、
前記第２の通気膜は、前記ネジ軸の端面に貼り付けられている、請求項６に記載の通気部材。
【請求項８】
前記開口の周囲で前記筐体と前記支持体との間のギャップをシールする外側シール部材をさらに備える、請求項１〜７のいずれか一項に記載の通気部材。
【請求項９】
前記支持体は、前記筐体に当接して前記外側シール部材の変形量を規制する当接部を有する、請求項８に記載の通気部材。
【請求項１０】
前記当接部は、前記外側シール部材を取り囲む筒状をなしている、請求項９に記載の通気部材。
【請求項１１】
前記開口の周囲で前記筐体と前記固定部材との間のギャップをシールする内側シール部材をさらに備える、請求項１〜１０のいずれか一項に記載の通気部材。
【請求項１２】
前記固定部材は、前記筐体に当接して前記内側シール部材の変形量を規制する当接部を有する、請求項１１に記載の通気部材。
【請求項１３】
前記支持体および前記固定部材は弾性体である、請求項１〜７のいずれか一項に記載の通気部材。
【請求項１４】
前記支持体に取り付けられて前記防水通気膜を覆うカバー部品をさらに備える、請求項１〜１３のいずれか一項に記載の通気部材。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２０１２−２３０９８４（Ｐ２０１２−２３０９８４Ａ）
【公開日】平成２４年１１月２２日（２０１２．１１．２２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−９７７５０（Ｐ２０１１−９７７５０）
【出願日】平成２３年４月２６日（２０１１．４．２６）
【出願人】（０００００３９６４）日東電工株式会社 (5,557)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年１１月２２日（２０１２．１１．２２）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年４月２６日（２０１１．４．２６）
【出願人】（０００００３９６４）日東電工株式会社 (5,557)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]