説明

通訳サービス支援装置、通訳サービス支援方法およびプログラム

【課題】利用者が通訳サービスを利用したい任意のタイミングおいて、通訳作業を行うことのできる通訳者を容易に見つけ出すことができるように支援することができる通訳サービス支援装置、通訳サービス支援方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】利用者端末30から、通訳作業の申込み情報であって、少なくとも開始日時および終了日時の情報が含まれる情報の入力を事前に受け付ける申込み受付部1と、申込み情報を公開する公開部2と、利用者端末30とネットワーク20を介した音声対話を可能とする通訳者端末40から、公開された申込み情報に対して通訳者として応募するための入力を受け付ける応募受付部3と、開始日時または終了日時に基づいて、利用者端末30と通訳者端末40とのネットワーク20を介した音声対話を制御する制御部4と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通訳サービス支援装置、通訳サービス支援方法およびプログラムに関し、特に、ネットワークを介した音声対話を用いて行う通訳サービスを支援するための通訳サービス支援装置、通訳サービス支援方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの普及により、複数の利用者間で映像、音声、テキストなどの通信または共有を行うためのサービスが、安価または無料で提供されている。たとえば、利用者が、自身の端末にスカイプ(「SKYPE」(登録商標))などのアプリケーションをダウンロードし、起動させることにより、任意の利用者間において無料で通話をすることができる。さらに、Webカメラを設置してスカイプを用いることにより、音声だけでなく、利用者間における映像の送受信を行うことができる。また、チャットなどのように、相互の端末に接続されたキーボードなどによる入力テキスト画面を、相互の端末に表示させて共有することも可能である。
【0003】
ところで、海外での業務または海外旅行中などに、不慣れな言語でのコミュニケーションを強いられることがある。このような状況においては、たとえば、専属の通訳者を短時間だけ雇い、目の前で直接同時通訳をしてもらうことが考えられるが、コストが高いという問題がある。また、市販されている電子辞書を用いて、外国語の単語の意味または発音などを調べてコミュニケーションを図ることが考えられる。しかし、電子辞書は主に単語の意味または音声を理解するために用いられるものであり、コミュニケーションを図るために必要とされる文全体を翻訳して音声により発音するものではないため、十分なコミュニケーションを図ることができない。
【0004】
そこで、たとえば上述したスカイプのような通信手段を用いて、海外旅行者と、遠隔地にいる通訳者とを音声対話により接続することが考えられる。
【0005】
具体的には、図14に示すように、日本人である海外旅行者と、海外旅行者が店舗内でコミュニケーションを図ろうとする相手のイタリア人と、遠隔地にいる通訳者と、が存在する場合について説明する。この場合、海外旅行者と通訳者とが、各々の端末を介して音声対話可能な状態にあり、海外旅行者側の端末から発せられる通訳者からの音声を、イタリア人が聞くことのできる状態にあるとする。
【0006】
このような状況において、海外旅行者により発せられた日本語の音声が、直接イタリア人に伝わり、さらに、スカイプを通じて通訳者に伝わる。通訳者は、海外旅行者が発話した内容を通訳して通訳後の言語であるイタリア語で発話すると、この通訳者の音声がスカイプを通じて海外旅行者およびイタリア人に伝わる。これにより、イタリア人は、海外旅行者が発話した内容を理解することができる。
【0007】
しかしながら、海外旅行者などの利用者が通訳サービスを利用したいタイミング、通訳前の言語、通訳後の言語などは様々であるため、利用者の要望に応じて任意の時間に対応することができる通訳者を見つけることは困難な場合がある。このため、利用者と通訳者とをマッチングさせるための通訳支援システムが求められている。
【0008】
このような通訳支援システムとしては、たとえば、特許文献1に提案されている技術がある。すなわち、特許文献1に提案されている技術によれば、通訳サービスの利用を希望する利用者が通訳センターに電話をかけると、通訳センターは、通訳作業を行い得る複数人を選択する。そして、通訳センターは、これら複数人に対して通訳募集のメールを送信し、メールが送信された複数人のうち、メールに応答して通訳センターに電話かけてきた者を、通訳作業を行う通訳者として決定する。そして、通訳センターは、決定された通訳者からの音声通話と利用者からの音声通話とを接続する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002−223303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に提案されているシステムによれば、通訳センターは、利用者からの電話を受け付けた後に、通訳者を募集する。このため、募集後すぐに通訳者を見つけ出すことができない場合があり、利用者が通訳サービスを利用したい任意のタイミングにおいて通訳サービスを提供することができないという問題があった。
【0011】
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、利用者が通訳サービスを利用したい任意のタイミングおいて、通訳作業を行うことのできる通訳者を容易に見つけ出すことができるように支援し得る、通訳サービス支援装置、通訳サービス支援方法およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の一側面における通訳サービス支援装置は、
利用者端末から、通訳作業の申込み情報であって、少なくとも前記通訳作業の開始日時および終了日時の情報が含まれる情報の入力を事前に受け付ける申込み受付部と、
前記申込み受付部に入力された前記申込み情報を公開する公開部と、
前記利用者端末とネットワークを介した音声対話を可能とする通訳者端末から、公開された前記申込み情報に対して通訳者として応募するための入力を受け付ける応募受付部と、
前記開始日時または前記終了日時に基づいて、前記利用者端末と前記通訳者端末との前記ネットワークを介した音声対話を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする。
【0013】
また、上記目的を達成するため、本発明の一側面における通訳サービス支援方法は、
(a)利用者端末から、通訳作業の申込み情報であって、少なくとも前記通訳作業の開始日時および終了日時の情報が含まれる情報の入力を事前に受け付け、入力された前記申込み情報を公開するステップと、
(b)前記利用者端末とネットワークを介した音声対話を可能とする通訳者端末から、前記ステップ(a)において公開された前記申込み情報に対して通訳者として応募するための入力を受け付けるステップと、
(c)前記開始日時に基づいて、前記利用者端末と前記通訳者端末との前記ネットワークを介した音声対話の開始を制御するステップと、
(d)前記終了日時に基づいて、前記利用者端末と前記通訳者端末との前記ネットワークを介した音声対話の終了を制御するステップと、
を含むことを特徴とする。
【0014】
さらに、上記目的を達成するため、本発明の一側面におけるプログラムは、
コンピュータに、
(a)利用者端末から、通訳作業の申込み情報であって、少なくとも前記通訳作業の開始日時および終了日時の情報が含まれる情報の入力を事前に受け付け、入力された前記申込み情報を公開するステップと、
(b)前記利用者端末とネットワークを介した音声対話を可能とする通訳者端末から、前記ステップ(a)において公開された前記申込み情報に対して通訳者として応募するための入力を受け付けるステップと、
(c)前記開始日時に基づいて、前記利用者端末と前記通訳者端末との前記ネットワークを介した音声対話の開始を制御するステップと、
(d)前記終了日時に基づいて、前記利用者端末と前記通訳者端末との前記ネットワークを介した音声対話の終了を制御するステップと、
を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明における通訳サービス支援装置、通訳サービス支援方法およびプログラムによれば、利用者が通訳サービスを利用したい任意のタイミングおいて、通訳作業を行うことのできる通訳者を容易に見つけ出すことができるように支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施の形態における通訳サービス支援装置を含むシステム全体の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態における通訳サービス支援装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態における通訳サービス支援装置の格納部に格納されたテーブルを示す図である。
【図4】本実施の形態における通訳サービス支援装置の音声対話部による音声対話の制御機構を示した図である。
【図5】本実施の形態における通訳サービス支援装置による通訳サービス支援動作の全体の流れを説明するフローチャートである。
【図6】本実施の形態における通訳サービス支援装置の申込み受付部および公開部による申込み受付処理の流れを説明するフローチャートである。
【図7】本実施の形態における通訳サービス支援装置の応募受付部による応募受付処理の流れを説明するフローチャートである。
【図8】本実施の形態における通訳サービス支援装置の指示部、開始制御部および音声対話部による開始制御処理の流れを説明するフローチャートである。
【図9】本実施の形態における通訳サービス支援装置の指示部、終了制御部および音声対話部による終了制御処理の流れを説明するフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態における通訳サービス支援装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【図11】変形例1における通訳サービス支援装置の構成を示すブロック図である。
【図12】変形例1における通訳サービス支援装置の開始前通知部による開始前通知処理の流れを説明するフローチャートである。
【図13】変形例2における通訳サービス支援装置の構成を示すブロック図である。
【図14】ネットワークを介した音声対話によって通訳作業を行う状況を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[システム構成]
以下、本発明の実施の形態における通訳サービス支援装置、通訳サービス支援方法、及びプログラムについて、図を参照しながら説明する。
【0018】
最初に、図1から図9を用いて、本実施の形態における通訳サービス支援装置100の構成について説明する。図1は、本実施の形態における通訳サービス支援装置100を含むシステム全体の構成を示すブロック図である。
【0019】
図1に示すように、通訳サービス支援装置100は、インターネット等のネットワーク20を介して、利用者が使用する端末(以下、「利用者端末」と表記する)30と通訳者が使用する端末(以下、「通訳者端末」と表記する)40とが接続されている。利用者端末30および通訳者端末40は、ネットワーク20を介した音声対話を相互に可能にするためのアプリケーションプログラムを搭載している。このアプリケーションプログラムは、たとえば、利用者間において無料で音声または映像の送受信を可能にするスカイプなどのクライアントプログラムである。
【0020】
利用者端末30は、利用者ID格納部31と、マイク32と、カメラ33と、スピーカ34と、ディスプレイ35と、を備えている。また、通訳者端末40は、通訳者ID格納部41と、マイク42と、カメラ43と、スピーカ44と、ディスプレイ45と、を備えている。なお、各端末において、マイク、カメラ、スピーカ、ディスプレイは、後付けの機器であっても良く、その場合は、これらは各端末に接続される。
【0021】
また、ネットワーク20には、図示しない複数の利用者端末および通訳者端末が接続されていても良い。また、利用者端末30および通訳者端末40は、たとえば、パソコンまたはスマートフォンなどで実現されている。
【0022】
[通訳サービス支援装置の構成]
図1に示すように、通訳サービス支援装置100は、申込み受付部1と、公開部2と、応募受付部3と、制御部4と、を備えている。
【0023】
申込み受付部1は、利用者端末30から、通訳作業の申込み情報であって、少なくとも通訳作業の開始日時および終了日時の情報が含まれる情報の入力を事前に受け付ける。公開部2は、申込み受付部1に入力された申込み情報を公開する。
【0024】
応募受付部3は、利用者端末30とネットワーク20を介した音声対話を可能とする通訳者端末40から、公開された申込み情報に対して通訳者として応募するための入力を受け付ける。制御部4は、開始日時または終了日時に基づいて、利用者端末30と通訳者端末40とのネットワーク20を介した音声対話を制御する。
【0025】
すなわち、通訳サービス支援装置100では、利用者によって事前に入力された通訳作業の申込み情報を、通訳者が閲覧し、開始日時および終了日時等を考慮して通訳者自身が通訳を行うことのできる通訳作業に対して応募する。このため、通訳サービス支援装置100によれば、利用者が通訳サービスを利用したい任意のタイミングおいて、通訳作業を行うことのできる通訳者を容易に見つけ出すことができるように支援することができる。以下、本実施の形態に係る通訳サービス支援装置100の構成を、図2を用いて更に具体的に説明する。
【0026】
(構成のより具体的な説明)
図2は、本実施の形態における通訳サービス支援装置100の構成を示すブロック図であり、図3は、本実施の形態における通訳サービス支援装置100の通訳状況格納部5に格納されたテーブルTを示す図である。図1および図2に示すように、本実施の形態において、通訳サービス支援装置100は、さらに、通訳状況格納部5と、タイマー6と、セルフID格納部7と、を備えている。
【0027】
(i)通訳状況格納部
通訳状況格納部5は、図3に示すテーブルTを格納している。テーブルTには、図3に示すように、4つの通訳作業に関する申込み情報が、それぞれレコードとして登録されている。通訳作業IDが「1」であるレコードは、「通訳状態」の項目に「通訳募集中」と付加され、いまだ通訳作業の通訳者が決定していないことを示している。通訳作業IDが「2」であるレコードは、「通訳状態」の項目に「通訳者決定」と付加され、すでに通訳者が決定していることを示している。通訳作業IDが「3」であるレコードは、「通訳状態」の項目に「通訳中」と付加され、現在通訳作業中であることを示している。通訳作業IDが「4」であるレコードは、「通訳状態」の項目に「終了」と付加されており、すでに通訳作業が終了したことを示している。
【0028】
なお、通訳状況格納部5は、利用者端末30からの入力に応じて、テーブルTに対してレコードの追加、一部の変更または参照を行うことができる。また、通訳状況格納部5は、複数のデータ群が相互に連結した構造により管理されている関係データベースを用いていることが好ましい。
【0029】
また、テーブルTには、上述した項目だけでなく、たとえば、業務、店内での買い物または観光といった利用者が通訳を必要する状況、想定される会話のテーマなど、事前に利用者が把握している事項が登録されていても良い。この場合、通訳者は、公開されている通訳作業のうち、自身に適している通訳作業を容易に見つけることができる。
【0030】
(ii)申込み受付部
本実施の形態において、申込み受付部1は、通訳作業の開始日時および終了日時に加えて、さらに、利用者ID、利用者のメールアドレス、通訳前の言語および通訳後の言語の入力を事前に受け付ける。申込み受付部1は、これらの申込み情報の入力を受け付けると、通訳状況格納部5に格納されているテーブルT(図3参照)に新たなレコードを生成し、テーブルTに情報を登録することにより、申込み情報を格納する。さらに、申込み受付部1は、申込み情報を通訳状況格納部5に格納する際、申込み情報に対応する通訳者を募集中であることを示す識別情報を付加して格納する。
【0031】
具体的には、図3に示すように、申込み受付部1は、テーブルTの「開始日時」、「終了日時」、「利用者ID」「利用者メールアドレス」、「通訳前言語」および「通訳後言語」のそれぞれ項目に、対応する情報を付加する。また、申込み受付部1は、「通訳作業ID」の項目に、たとえば「1」または「2」などの一意的な通訳作業識別番号を付加する。
【0032】
さらに、申込み受付部1は、通訳者を募集中であることを示す識別情報として、「通訳状態」の項目に「通訳募集中」と付加する。また、申込み受付部1は、「通訳者ID」の項目に「未定」と付加し、「通訳者メールアドレス」の項目に「未定」と付加し、「発呼者ID」の項目に「未定」と付加する。
【0033】
(iii)公開部
本実施の形態において、公開部2は、通訳状況格納部5に格納されたテーブルTを、適当な時間間隔でWebサーバ50にアップロードする。これにより、テーブルTの内容が一般に公開され、通訳作業を行うことを希望する者が閲覧できる。また、希望する者は、通訳者端末40を介して、後述する応募受付部3を呼び出して、通訳者としての申込みをすることができる。
【0034】
(iv)応募受付部
本実施の形態において、応募受付部3は、通訳者端末40から、通訳者の応募として、公開されている通訳作業のうちの通訳作業ID、通訳者ID(通訳者端末40の識別子)および通訳者のメールアドレスの入力を受け付ける。
【0035】
応募受付部3は、これらの情報の入力を受け付けると、テーブルTを参照し、入力された通訳作業IDに対応する通訳作業について、通訳者を募集中であるか否かを確認する。そして、応募受付部3は、通訳者を募集中である場合には、テーブルTにおいて、通訳者IDおよび通訳者のメールアドレスを申込み情報に付加する。さらに、応募受付部3は、テーブルTにおいて、申込み情報に対応する通訳者が決定したことを示す識別情報を当該申込み情報に付加する。
【0036】
具体的には、応募受付部3は、テーブルTを参照して、通訳者端末40から入力された通訳作業IDを有するレコードを検索し、検索したレコードの「通訳状態」の項目を調べる。そして、応募受付部3は、「通訳状態」の項目に「通訳募集中」と付加されている場合には、「通訳者ID」の項目に入力された通訳者IDを付加し、「通訳者メールアドレス」の項目に、通訳者のメールアドレスを付加する。一方、応募受付部3は、「通訳状態」の項目に「通訳者決定」、「通訳中」または「終了」と付加されている場合には、通訳者のメールアドレス宛に、すでに通訳者が決まっていることを通知する。
【0037】
(v)制御部
本実施の形態において、制御部4は、指示部8と、開始制御部9と、終了制御部10と、音声対話部11と、を備えている。制御部4は、利用者端末30および通訳者端末40のそれぞれに搭載されたアプリケーションプログラムを操作することにより、利用者端末30と通訳者端末40との音声対話の開始または終了を制御する。
【0038】
より具体的には、制御部4は、利用者端末30および通訳者端末40が搭載するアプリケーションプログラムと同一のアプリケーションプログラムを搭載し、自身に搭載されたアプリケーションプログラムを介して、利用者端末30および通訳者端末40のそれぞれに搭載されたアプリケーションプログラムを操作する。
【0039】
(a)指示部
制御部4における指示部8は、通訳状況格納部5に接続され、通訳状況格納部5にレコードが格納されているか否かを検索する。また、指示部8は、現在の日時を特定する日時情報を出力するタイマー6に接続され、定期的にタイマー6から日時情報を取得する。指示部8は、通訳状況格納部5にレコードが格納されている場合、格納されているすべてのレコードの「開始日時」の項目の値を調べる。
【0040】
そして、指示部8は、日時情報に基づいて、現在日時と「開始日時」の項目の値とが一致するレコードが存在するか否かを検索し、一致するレコードが存在する場合は、このレコードの通訳作業IDを引数にして開始制御部9に対して音声対話の開始指示を出力する。
【0041】
また、指示部8は、通訳状況格納部5にレコードが格納されている場合、格納されているすべてのレコードの「終了日時」の項目の値を調べる。そして、指示部8は、日時情報に基づいて、現在の日時と「終了日時」の項目の値とが一致するレコードが存在するか否かを検索し、一致するレコードが存在する場合は、このレコードの通訳作業IDを引数にして終了制御部10に対して音声対話の終了指示を出力する。
【0042】
(b)開始制御部
制御部4における開始制御部9は、指示部8から通訳作業IDとともに開始指示が出力されると、通訳状況格納部5に格納されているレコードから、出力された通訳作業IDの値を有するレコードを検索する。そして、開始制御部9は、検索されたレコードの「通訳者ID」の項目の値を調べ、この値が「未定」でない場合には、このレコードの「通訳状態」の項目に「通訳中」と付加して更新する。なお、「通訳者ID」の項目の値が「未定」でない場合とは、この項目の値に特定の通訳者IDが付加されていることをいう。
【0043】
さらに、開始制御部9は、検索されたレコードの「利用者ID」の項目の値と「通訳者ID」の項目の値とを引数にして、音声対話部11に対して音声対話の開始指示を出力する。そして、開始制御部9は、音声対話部11から戻り値として返された発呼者IDを、検索されたレコードの「発呼者ID」の項目に付加する。
【0044】
ここで、発呼者IDとは、通訳サービス支援装置100が、自身に搭載されているアプリケーションプログラムを実行するために取得している一意的な識別子である。また、発呼者IDは予め複数取得され、これら複数の発呼者IDは、音声対話部11に接続されたセルフID格納部7に格納されている(図4参照)。
【0045】
一方、開始制御部9は、上記の検索の結果、検索されたレコードの「通訳者ID」の項目の値が「未定」である場合は、このレコードの「利用者メールアドレス」の項目のメールアドレス宛に、通訳者が見つからなかったことを通知する。
【0046】
(c)終了制御部
制御部4における終了制御部10は、指示部8から通訳作業IDとともに終了指示が出力されると、通訳状況格納部5に格納されているレコードから、出力された通訳作業IDの値を有するレコードを検索する。そして、終了制御部10は、検索されたレコードの「通訳状態」の項目の値を調べ、この値が「通訳中」である場合は、この項目の値を「終了」と付加して更新する。
【0047】
さらに、終了制御部10は、「通訳状態」の項目の値を「終了」と付加した場合、当該レコードの「発呼者ID」の項目の値を引数にして、音声対話部11に対して音声対話の終了指示を出力する。そして、終了制御部10は、検索されたレコードの「発呼者ID」の項目に「未定」と付加する。
【0048】
一方、終了制御部10は、検索されたレコードの「通訳状態」の項目の値が「通話中」でない場合は、既に音声対話が終了している、または、通訳者が見つからないなどの理由により通訳作業が行われていないことが考えられる。このため、このような場合には、終了制御部10は、音声対話部11への終了指示の出力は行わない。
【0049】
(d)音声対話部
制御部4における音声対話部11は、利用者端末30および通訳者端末40と同じアプリケーションプログラムを搭載している。そして、音声対話部11、利用者端末30および通訳者端末40の3つのアプリケーションプログラムが連携して実行されることにより、これらの間でネットワーク20を介した音声対話が可能となっている。ここで、3つのアプリケーションプログラムによる連携について説明する。また、アプリケーションプログラムとしては、上述の「スカイプ」が用いられているとする。
【0050】
(利用者および通訳者による登録)
利用者および通訳者は、本実施の形態では、アプリケーションプログラムを提供する業者が運営するアプリケーション提供サーバ60に、自己を登録し、IDを取得する。たとえば、利用者および通訳者は、スカイプサーバに、自己を登録し、IDを取得する。このようにして利用者が取得したIDが、利用者ID(図3参照)として用いられる。また、利用者IDは、利用者ID格納部31(図1参照)に格納される。同様に、通訳者が取得したIDが、通訳者ID(図3参照)として用いられる。また、通訳者IDは、通訳者ID格納部41(図1参照)に格納される。
【0051】
(利用者および通訳者によるログイン)
利用者が、利用者IDを用いてログインすると、利用者端末30に搭載されたアプリケーションプログラムが、特定のネットワークアドレスからログインされたことをアプリケーション提供サーバ60に通知する。そして、アプリケーション提供サーバ60は、利用者IDとネットワークアドレスとの組を格納する。また、通訳者が、通訳者IDを用いてログインすると、通訳者端末40に搭載されたアプリケーションプログラムが、特定のネットワークアドレスからログインされたことをアプリケーション提供サーバ60に通知する。そして、アプリケーション提供サーバ60は、通訳者IDとネットワークアドレスとの組を格納する。
【0052】
アプリケーション提供サーバ60は、利用者または通訳者によりログインされているか否かを定期的に確認する。すなわち、利用者端末30または通訳者端末40に搭載されたアプリケーションプログラムは、利用者または通訳者によりログインされている最中は、定期的に利用者IDまたは通訳者IDとネットワークアドレスとをアプリケーション提供サーバ60に出力する。一方、利用者または通訳者によりログアウトされると、利用者端末30または通訳者端末40に搭載されたアプリケーションプログラムからアプリケーション提供サーバ60への出力は途切れる。このため、アプリケーション提供サーバ60は、利用者IDまたは通訳者IDとネットワークアドレスとが出力されているか否かを定期的に確認することで、利用者または通訳者によるログイン状況を把握することができる。
【0053】
(対話相手の指定)
アプリケーション提供サーバ60は、利用者端末30を介してログインした利用者(「利用者A」とする)から、対話相手として他の利用者(「利用者B」とする)の利用者IDが指定された場合、利用者Bによるログイン状況を確認する。そして、アプリケーション提供サーバ60は、利用者Bによりログインされていない場合は、利用者Aの利用者端末30に対して、利用者Bとの音声対話が出来ないことを通知する。
【0054】
一方、アプリケーション提供サーバ60は、利用者Bによりログインされている場合は、自身に格納されている利用者Bの利用者IDとネットワークアドレスとを抽出し、抽出したネットワークアドレスを利用者Aの利用者端末30に出力する。これにより、利用者Aの利用者端末30と、利用者Bと利用者端末とが接続されて、双方向に音声対話を行うことができる。
【0055】
なお、音声対話を行う際、利用者端末30は、マイク32に入力された利用者の音声、および、カメラ33に入力された利用者の顔の撮像画像などをデジタル化して、ネットワーク20を介して、通訳者端末40など他の端末へ出力する。
【0056】
そして、通訳者端末40は、入力された音声のデジタルデータをアナログの音声データに変換してスピーカ44から再生する。また、通訳者端末40は、入力された撮像画像のデジタルデータをアナログ化して、ディスプレイ45に表示する。
【0057】
(端末同士の接続の制御)
また、音声対話部11、利用者端末30および通訳者端末40に搭載されたアプリケーションプログラムは、アプリケーションインタフェース(API)を有しており、外部のアプリケーションプログラムからの指示に応答して動作することも可能である。従って、利用者端末30または通訳者端末40に搭載されたアプリケーションプログラムは、音声対話部11に搭載されたアプリケーションプログラムから指示を受けて動作することができる。
【0058】
たとえば、音声対話部11のアプリケーションプログラムは、利用者IDおよび通訳者IDを指定して、これらのIDに対応する端末のアプリケーションプログラムに対して動作指示を出力する。これにより、これらのIDに対応する端末のアプリケーションプログラムが動作して、端末同士が接続される。
【0059】
具体的には、音声対話部11のアプリケーションプログラムは、利用者IDまたは通訳者IDを指定して、指定したIDに対応する端末に搭載されているAPIの呼び出しを行う。そして、APIが呼び出された端末においてログインされている場合には、その端末に対して呼び出しがなされていることが通知される。この場合、利用者または通訳者は、この呼び出しに対して応答することができ、双方の端末において応答が行われた場合には、これらの端末同士が接続されて音声対話が開始される。
【0060】
また、上記と同様に、音声対話部11のアプリケーションプログラムは、利用者IDおよび通訳者IDを指定して、指定したIDに対応する端末同士の接続を解除して音声対話を終了させることができる。
【0061】
より具体的な制御機構については、図4を用いて説明する。図4は、本実施の形態における通訳サービス支援装置100の音声対話部11による音声対話の制御機構を示した図である。
【0062】
ここで、アプリケーションプログラムとしてスカイプが用いられる場合、同一のIDを用いて異なる複数の会話を独立して行うことができない。すなわち、たとえば利用者AがIDを用いて利用者Bと音声対話を行っている際に、利用者Aが同一のIDを用いて利用者Cとの独立した音声対話を開始することはできない。このため、音声対話部11は、新規の音声対話が開始されるたびに、新規のスレッドを生成する。
【0063】
詳細には、図4に示すように、音声対話部11は、開始制御部9から新たに音声対話の開始指示が出力されると、引数として出力された「利用者ID」および「通訳者ID」に基づいて、新規のスレッドを生成する。このとき、音声対話部11は、セルフID格納部7に格納されている複数の発呼者IDのうち、新規のスレッド生成時において使用されていない発呼者IDを各スレッドに対して与え、各スレッドの戻り値として開始制御部9に出力する。
【0064】
このようにして、通訳サービス支援装置100の音声対話部11と利用者端末30(利用者端末30a,30b,30c)と通訳者端末40(通訳者端末40a,40b,40c)との3者が接続される。そして、音声対話部11は、抽出した発呼者IDを用いてネットワーク20におけるアプリケーション提供サーバ60にアクセスし、利用者IDに対応する利用者端末30および通訳者IDに対応する通訳者端末40に対して音声対話の開始を要求する。
【0065】
このような実行の機構は、Webサーバで利用者からの問合せに対して1つずつスレッドを生成して処理をするCGI(Common Gateway Interface)の仕組と同じであり、多くの同一の問合せを効率的に処理することができる。
【0066】
利用者端末30および通訳者端末40は、音声対話部11から音声対話の開始が要求されると、各々の端末に搭載されているAPIが呼び出される。そして、APIが呼び出された端末においてログインされている場合には、呼び出しがなされていることがモニタなどに通知され、利用者または通訳者は、この呼び出しに対して応答する。利用者端末30および通訳者端末40の双方において、呼び出しに対する応答が行われた場合には、これらの端末同士で音声対話が開始される。
【0067】
また、音声対話部11は、終了制御部10から「発呼者ID」とともに音声対話の終了指示が出力されると、発呼者IDに対応するスレッドについて、ネットワーク20におけるアプリケーション提供サーバ60にアクセスし、利用者端末30および通訳者端末40に対して音声対話の終了を要求する。
【0068】
利用者端末30および通訳者端末40は、音声対話部11から音声対話の終了が要求されると、各々の端末に搭載されているAPIが呼び出される。そして、APIの呼び出しに対して、利用者および通訳者が応答を行った場合には、これらの端末同士で音声対話が終了される。
【0069】
[システム動作]
次に、図5から図9を参照して本実施の形態の通訳サービス支援装置100の動作について詳細に説明する。図5は、本実施の形態における通訳サービス支援装置100による通訳サービス支援動作の全体の流れを説明するフローチャートである。以下の説明においては、適宜図1から図4を参酌する。
【0070】
また、本実施の形態では、通訳サービス支援装置100を動作させることによって、通訳サービス支援方法が実施される。よって、本実施の形態における通訳サービス支援方法の説明は、以下の通訳サービス支援装置100の動作説明に代える。
【0071】
(動作全体の流れ)
図5に示すように、まず、通訳サービス支援装置100の申込み受付部1が、利用者端末30から通訳作業の申込み情報の入力を受ける。そして、公開部2が、入力された申込み情報を公開する(ステップS1(申込み受付処理))。
【0072】
次に、応募受付部2が、通訳者端末40から、公開された申込み情報に対して、通訳者として応募のための入力を受け付ける(ステップS2(応募受付処理))。
【0073】
次に、制御部4の指示部8が、申込み情報に含まれる通訳作業の開始日時に基づいて、開始制御部9に対して開始指示を出力し、さらに、開始制御部9が、音声対話部11に対して音声対話の開始指示を出力する。そして、音声対話の開始指示を受けた音声対話部11が、利用者端末30と通訳者端末40との音声対話を開始させるように制御する(ステップS3(開始制御処理))。
【0074】
次に、制御部4の指示部8が、申込み情報に含まれる通訳作業の終了日時に基づいて、終了制御部10に対して終了指示を出力し、さらに、終了制御部10が、音声対話部11に対して音声対話の終了指示を出力する。そして、音声対話の終了指示を受けた音声対話部11が、利用者端末30と通訳者端末40との音声対話を終了させるように制御する(ステップS4(終了制御処理))。以下、図5に示す各処理について、更に具体的に説明する。
【0075】
(申込み受付処理)
図6は、本実施の形態における通訳サービス支援装置100の申込み受付部1および公開部2による申込み受付処理の流れを説明するフローチャートである。
【0076】
図6に示すように、申込み受付部1が、利用者端末30から、利用者が希望する通訳作業の開始日時、終了日時、利用者ID、利用者のメールアドレス、通訳前の言語および通訳後の言語の入力を受け付ける(ステップS11)。
【0077】
次に、申込み受付部1が、通訳状況格納部5に格納されているテーブルTに新たなレコードを生成し、ステップS11において入力された申込み情報をテーブルTに登録することにより通訳状況格納部5に格納する(ステップS12)。このとき、申込み受付部1は、当該レコードの「通訳状態」の項目に「通訳募集中」と付加し、「通訳者ID」の項目に「未定」と付加し、「通訳者メールアドレス」の項目に「未定」と付加し、「発呼者ID」の項目に「未定」と付加する。
【0078】
次に、公開部2が、通訳状況格納部5に格納されたテーブルTを、適当な時間間隔ごとに、一般に公開しているWebサーバ50にアップロードすることにより、入力された申込み情報を公開する(ステップS13)。
【0079】
(応募受付処理)
図7は、本実施の形態における通訳サービス支援装置100の応募受付部3による応募受付処理の流れを説明するフローチャートである。
【0080】
図7に示すように、応募受付部3が、通訳者端末40から、公開されている通訳作業のうちの通訳作業ID、通訳者IDおよび通訳者のメールアドレスの入力を受け付ける(ステップS21)。通訳者は、公開されたテーブルTを閲覧し、開始日時、終了日時、通訳前言語および通訳後言語に基づいて自身が通訳することのできる通訳作業を見つけた場合には、通訳者端末40を介して、上記のような情報を入力して応募の申請を行う。
【0081】
次に、応募受付部3が、通訳状況格納部5に格納されたテーブルTのうち、通訳者端末40から入力された通訳作業IDを有するレコードを検索する(ステップS22)。そして、応募受付部3は、検索したレコードの「通訳状態」の項目を確認することにより、当該レコードに対する通訳者を募集中であるか否か確認する(ステップS23)。
【0082】
そして、応募受付部3は、通訳者を募集中である場合には(ステップS23において「Yes」)、通訳状況格納部5に、通訳者IDおよび通訳者のメールアドレスを格納する(ステップS24)。
【0083】
一方、応募受付部3は、通訳者を募集中ではない場合には(ステップS23において「No」)、通訳者端末40から入力された通訳者のメールアドレス宛に、すでに通訳者が決まっていることを通知する(ステップS25)。
【0084】
(開始制御処理)
図8は、本実施の形態における通訳サービス支援装置100の指示部8、開始制御部9および音声対話部11による開始制御処理の流れを説明するフローチャートである。
【0085】
図8に示すように、まず、指示部8は、通訳状況格納部5にレコードが格納されているか否かを検索する(ステップS31)。そして、指示部8は、通訳状況格納部5にレコードが格納されている場合(ステップS31において「Yes」)、格納されているレコードのうち、「開始日時」の項目の値と現在日時とが一致するレコードが存在するか否かを検索する(ステップS32)。
【0086】
次に、指示部8は、「開始日時」の項目の値と現在日時とが一致するレコードが存在する場合は(ステップS32において「Yes」)、このレコードの通訳作業IDとともに音声対話の開始指示を開始制御部9に出力する(ステップS33)。
【0087】
なお、指示部8は、通訳状況格納部5にレコードが格納されていない場合(ステップS31において「No」)、再びステップS31に戻り、定期的に格納されているレコードの有無を検索する。
【0088】
また、指示部8は、「開始日時」の項目の値と現在日時とが一致するレコードが存在しない場合(ステップS32において「No」)、上記と同様に、再びステップS31に戻り、定期的に格納されているレコードの有無を検索する。
【0089】
次に、開始制御部9が、ステップS33において指示部8から通訳作業IDとともに開始指示を受けると、通訳状況格納部5に格納されているレコードから、受けた通訳作業IDの値を有するレコードを検索する(ステップS34)。次に、開始制御部9は、検索されたレコードの通訳者が未定であるか否かを調べる(ステップS35)。
【0090】
そして、開始制御部9は、検索されたレコードの通訳者が未定ではない場合(ステップS35において「No」)、検索されたレコードの「通訳状態」の項目に「通訳中」と付加する(ステップS36)。次に、開始制御部9は、検索されたレコードの利用者IDと通訳者IDとともに、音声対話部11に対して音声対話の開始指示を出力する(ステップS37)。
【0091】
次に、音声対話部11は、開始指示を受けて新規にスレッドを生成し、このスレッドに対して発呼者IDを与え、さらに、この発呼者IDを開始制御部9へ出力する。そして、開始制御部9は、音声対話部11から発呼者IDを取得し、検索されたレコードの「発呼者ID」の項目に付加する(ステップS38)。
【0092】
次に、新規のスレッドを生成した音声対話部11は、抽出した発呼者IDを用いてネットワーク20におけるアプリケーション提供サーバ60にアクセスし、利用者IDと通訳者IDの組に対する音声対話の開始を要求する。
【0093】
すなわち、音声対話部11は、利用者端末30および通訳者端末40に搭載されているAPIを呼び出し、利用者端末30と通訳者端末40との音声対話が開始されるように制御する(ステップS39)。
【0094】
一方、開始制御部9は、検索されたレコードの通訳者が未定である場合(ステップS35において「Yes」)、このレコードにおける利用者のメールアドレス宛に、通訳者が見つからなかったことを通知する(ステップS40)。
【0095】
(終了制御処理)
図9は、本実施の形態における通訳サービス支援装置100の指示部8、終了制御部10および音声対話部11による終了制御処理の流れを説明するフローチャートである。
【0096】
図9に示すように、指示部8は、通訳状況格納部5にレコードが格納されているか否かを検索する(ステップS41)。そして、指示部8は、通訳状況格納部5にレコードが格納されている場合(ステップS41において「Yes」)、格納されているレコードのうち、「終了日時」の項目の値と現在日時とが一致するレコードが存在するか否かを検索する(ステップS42)。
【0097】
次に、指示部8は、「終了日時」の項目の値と現在日時とが一致するレコードが存在する場合は、このレコードの通訳作業IDとともに音声対話の終了指示を終了制御部10に出力する(ステップS43)。
【0098】
なお、指示部8は、通訳状況格納部5にレコードが格納されていない場合(ステップS41において「No」)、再びステップS41に戻り、定期的に格納されているレコードの有無を検索する。
【0099】
また、指示部8は、「終了日時」の項目の値と現在日時とが一致するレコードが存在しない場合(ステップS42において「No」)、上記と同様に、再びステップS41に戻り、定期的に格納されているレコードの有無を検索する。
【0100】
次に、終了制御部10が、ステップS43において指示部8から通訳作業IDとともに終了指示を受けると、通訳状況格納部5に格納されているレコードから、受けた通訳作業IDの値を有するレコードを検索する(ステップS44)。次に、終了制御部10は、検索されたレコードの通訳状態が通訳中であるか否かを調べる(ステップS45)。
【0101】
そして、終了制御部10は、検索されたレコードの通訳状態が通訳中である場合(ステップS45において「Yes」)、検索されたレコードの「通訳状態」の項目の値を「終了」と付加する(ステップS46)。
【0102】
次に、終了制御部10は、検索されたレコードの発呼者IDとともに、音声対話部11に対して音声対話の終了指示を出力する(ステップS47)。そして、終了制御部10は、検索されたレコードの「発呼者ID」の項目に「未定」と付加して更新する(ステップS48)。
【0103】
次に、音声対話部11は、終了制御部10から終了指示を受けて、発呼者ID用いてネットワーク20におけるアプリケーション提供サーバ60にアクセスし、利用者IDと通訳者IDの組に対する音声対話の終了を要求する。
【0104】
すなわち、音声対話部11は、利用者端末30および通訳者端末40に搭載されているAPIを呼び出し、利用者端末30と通訳者端末40との音声対話が終了されるように制御する(ステップS49)。
【0105】
一方、終了制御部10は、検索されたレコードに対応する通訳作業が通訳中ではない場合(ステップS45において「No」)、音声対話部11への終了指示の出力は行わずに、終了制御処理を終了する。
【0106】
[プログラム]
本発明の実施の形態における通訳サービス支援装置100に係るプログラムは、コンピュータに、図5、図6、図7、図8および図9に示すステップを実行させるプログラムであれば良い。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、本実施の形態における通訳サービス支援装置100を実現することができる。
【0107】
本発明の実施の形態における通訳サービス支援装置100の場合、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)は、申込み受付部1、公開部2、応募受付部3、制御部4(図2を参照)として機能し、処理を行う。また、本実施の形態における通訳サービス支援装置100では、通訳状況格納部5およびセルフID格納部7は、コンピュータに備えられたハードディスク等の記憶装置によって実現されている。
【0108】
なお、申込み受付部1、公開部2、応募受付部3および制御部4は、同一のサーバコンピュータ上で実装することにより、実装の際の効率を向上させることができる。
【0109】
ここで、本実施の形態における通訳サービス支援装置100に係るプログラムを実行することによって、通訳サービス支援装置100を実現するコンピュータについて図10を用いて説明する。図10は、本発明の実施の形態における通訳サービス支援装置100を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【0110】
図10に示すように、コンピュータ150は、CPU121と、メインメモリ122と、記憶装置123と、入力インターフェイス124と、表示コントローラ125と、データリーダ/ライタ126と、通信インターフェイス127と、を備える。これらの各部は、バス131を介して、互いにデータ通信可能に接続される。
【0111】
CPU121は、記憶装置123に格納された、本実施の形態におけるプログラム(コード)をメインメモリ122に展開し、これらを所定順序で実行することにより、各種の演算を実施する。メインメモリ122は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性の記憶装置である。また、本実施の形態におけるプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体130に格納された状態で提供される。なお、本実施の形態におけるプログラムは、通信インターフェイス127を介して接続されたインターネット上で流通するものであっても良い。
【0112】
また、記憶装置123の具体例としては、ハードディスクの他、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置が挙げられる。入力インターフェイス124は、CPU121と、キーボード及びマウスといった入力機器128との間のデータ伝送を仲介する。表示コントローラ125は、ディスプレイ装置129と接続され、ディスプレイ装置129での表示を制御する。データリーダ/ライタ126は、CPU121と記録媒体130との間のデータ伝送を仲介し、記録媒体130からのプログラムの読み出し、及びコンピュータ150における処理結果の記録媒体130への書き込みを実行する。通信インターフェイス127は、CPU121と、他のコンピュータとの間のデータ伝送を仲介する。
【0113】
また、記録媒体130の具体例としては、CF(Compact Flash)及びSD(Secure Digital)等の汎用的な半導体記憶デバイス、フレキシブルディスク(Flexible Disk)等の磁気記憶媒体、又はCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの光学記憶媒体が挙げられる。
【0114】
[効果]
このように、本実施の形態に係る通訳サービス支援装置100では、申込み受付部1が、利用者端末30から、通訳作業の申込み情報であって、少なくとも通訳作業の開始日時および終了日時の情報が含まれる情報の入力を事前に受け付ける。また、公開部2が、申込み受付部1に入力された申込み情報を公開する。また、応募受付部3が、利用者端末30とネットワーク20を介した音声対話を可能とする通訳者端末40から、公開された申込み情報に対して通訳者として応募するための入力を受け付ける。さらに、制御部4が、開始日時または終了日時に基づいて、利用者端末30と通訳者端末40とのネットワーク20を介した音声対話を制御する。
【0115】
このため、通訳サービス支援装置100によれば、通訳者は、事前に入力された通訳作業の申込み情報を閲覧し、開始日時および終了日時等を考慮して通訳者自身が通訳を行うことのできる通訳作業に対して応募することができる。これにより、事前に利用者と通訳者とをマッチングさせることができ、利用者が通訳サービスを利用したい任意のタイミングおいて、通訳作業を行うことのできる通訳者を容易に見つけ出すことができるように支援することができる。
【0116】
また、申込み受付部1には、事前に開始日時および終了日時が入力されるため、利用者は短時間のみあっても必要とする時間だけ通訳者を募集することができる。一方、通訳者は自身の都合のよい時間だけ、自身の都合のよい場所で通訳作業を行うことができる。
【0117】
さらに、上記のように、通訳サービス支援装置100によれば、利用者および通訳者にとって通訳サービスを利用しやすくさせることができるため、通訳者の能力を活用させる機会を増やすことができる。
【0118】
また、制御部4が、開始日時または終了日時に基づいて、利用者端末30と通訳者端末40との音声対話を自動的に制御するため、時間どおりに通訳作業を開始または終了することができ、利用者および通訳者にとって一層利用しやすい。
【0119】
また、本実施の形態に係る通訳サービス支援装置100では、制御部4が、利用者端末30および通訳者端末40のそれぞれに搭載されたアプリケーションプログラムを操作することにより、利用者端末30と通訳者端末40との音声対話を制御する。このため、利用者および通訳者は、操作されたアプリケーションプログラムに対して応答するだけで、音声対話を行うことができる。
【0120】
また、本実施の形態に係る通訳サービス支援装置100では、制御部4が、自身に搭載されたアプリケーションプログラムを介して、利用者端末30および通訳者端末40のそれぞれに搭載されたアプリケーションプログラムを操作する。このため、利用者端末30と通訳者端末40と通訳サービス支援装置100との3者の接続を容易に実現させることができる。
【0121】
また、本実施の形態に係る通訳サービス支援装置100では、申込み受付部1が、利用者端末30から受け付けた申込み情報を格納する際、入力を受け付けた申込み情報に、通訳者を募集中であることを示す識別情報を付加する。また、応募受付部3は、通訳者端末40から応募の入力がなされると、通訳者を募集中であるか否かを調べる。そして、応募受付部3は、通訳者を募集中である場合、入力を行った通訳者端末40の通訳者IDを申込み情報に付加する。さらに、応募受付部3は、申込み情報に申込み情報に対応する通訳者が決定したことを示す識別情報を付加する。
【0122】
このため、通訳サービス支援装置100によれば、通訳作業ごとに通訳者を募集しているか否かが明確となり、通訳者が決定している通訳作業に対して通訳者としての応募がなされるなどといった不都合を回避することができる。
【0123】
(変形例1)
次に、上述した本発明の実施の形態の変形例1について説明する。図11は、本実施の形態の変形例1における通訳サービス支援装置200の構成を示すブロック図である。変形例1における通訳サービス支援装置200は、開始前通知部12と、通知時間保持部13と、を備えている点が、上述した通訳サービス支援装置100と異なる。
【0124】
開始前通知部12は、通訳状況格納部5およびタイマー6に接続され、定期的にタイマー6から現在日時を特定する日時情報を取得する。開始前通知部12は、日時情報に基づいて、現在日時と通訳作業の開始日時との間の時間差を算出し、算出した時間差が閾値となった場合に、利用者端末30および通訳者端末40に対して通知を行う。
【0125】
通知時間保持部13は、予め設定された所定の時間を記憶している。たとえば、通知時間保持部13は、「60分」と記憶している。
【0126】
具体的な動作について、図12に示すフローチャートを用いて説明する。図12は、変形例1における開始前通知部12による開始前通知処理の流れを説明するフローチャートである。なお、この開始前通知処理は、図5に示す応募受付処理(ステップS2)と開始制御処理(ステップS3)との間に行われる。
【0127】
図12に示すように、まず、開始前通知部12は、通訳状況格納部5にレコードが格納されているか否かを検索する(ステップS51)。そして、開始前通知部12は、通訳状況格納部5にレコードが格納されている場合(ステップS51において「Yes」)、格納されているすべてのレコードの「開始日時」の項目の値を調べ、現在日時との間の時間差を算出する(ステップS52)。
【0128】
次に、開始時間通知部12は、算出した時間差と、通知時間保持部13に記憶されている時間(以下、「閾値」とする)とが一致するレコードが存在するか否かを検索する(ステップS53)。そして、時間差と閾値とが一致するレコードが存在する場合(ステップS53において「Yes」)、開始時間通知部12は、検索されたレコードの「通訳状態」の項目の値を確認し、通訳者が決定されているか否かを調べる(ステップS54)。
【0129】
次に、通訳者が決定している場合には(ステップS54において「Yes」)、開始時間通知部12は、所定時間後に通訳作業が開始されることを利用者端末30および通訳者端末40に通知する(ステップS55)。なお、この所定時間とは、通知時間保持部13に記憶されている時間であり、たとえば「60分」などといった閾値である。
【0130】
なお、開始前通知部12は、通訳状況格納部5にレコードが格納されていない場合(ステップS51において「No」)、再びステップS51に戻り、定期的に格納されているレコードの有無を検索する。
【0131】
また、開始前通知部12は、算出された時間差と閾値とが一致するレコードが存在しない場合(ステップS53において「No」)、上記と同様に、再びステップS51に戻り、定期的に格納されているレコードの有無を検索する。
【0132】
また、算出された時間差と閾値とが一致する場合であって、通訳者が決定していない場合には(ステップS54において「No」)、開始時間通知部12は、通訳者が決定していないことを利用者端末30に通知する(ステップS56)。
【0133】
このように、変形例1に係る通訳サービス支援装置200によれば、開始前通知部12が、通訳作業が開始される所定時間前に利用者および通訳者に通知を行うため、利用者および通訳者が通訳作業への参加準備を滞りなく行うことを支援することができる。
【0134】
(変形例2)
次に、上述した本発明の実施の形態の変形例2について説明する。図13は、本実施の形態の変形例2における通訳サービス支援装置300の構成を示すブロック図である。変形例2における通訳サービス支援装置300は、合計時間算出部14と、支払金額算出部15と、を備えている点が、上述した通訳サービス支援装置100と異なる。
【0135】
合計時間算出部14は、通訳状況格納部5に接続されている。合計時間算出部14は、通訳状況格納部5に格納されたテーブルTを参照し、同一の通訳者が行う通訳作業の合計時間を算出する。すなわち、合計時間算出14は、テーブルTに格納された複数のレコードのうち、通訳者IDが同一であるレコードを抽出する。そして、合成時間算出部14は、抽出されたレコードについて、「開始日時」の項目の値および「終了日時」の項目の値から通訳時間を算出する。さらに、合計時間算出部14は、複数のレコードについて算出された通訳時間の合計時間を算出する。
【0136】
支払金額算出部15は、通訳作業の対価として通訳者へ支払われる単位時間あたりの金額を予め記憶している。支払金額算出部15は、合計時間算出部14により算出された合計時間を取得し、単位時間あたりの金額と合計時間とに基づいて、通訳者に支払われる支払金額を算出する。この算出は、テーブルTに格納されている通訳者IDごとに行われる。
【0137】
また、支払金額算出部15は、算出された支払金額を、通訳者IDごとにそれぞれ対応する通訳者端末40に通知する。
【0138】
このように、変形例2に係る通訳サービス支援装置300によれば、合計時間算出部14が、同一の通訳者が行う通訳作業の合計時間を算出するため、通訳者へ支払われる合計金額を容易に算出することができる。このため、通訳サービス支援装置300によれば、通訳者への対価の支払いを容易に行うことができる。また、通訳サービス支援装置300によれば、通訳者は自身に支払われる対価を知ることができるため、通訳サービスを利用するという通訳者の意欲を一層高めることができる。
【0139】
また、上記のように、通訳者の意欲を高めることができるため、常に多くの通訳者による応募を期待することができ、通訳サービスを利用するという利用者の意欲をも、一層高めることができる。
【0140】
上述した実施の形態の一部又は全部は、以下に記載する(付記1)〜(付記16)によって表現することができるが、以下の記載に限定されるものではない。
【0141】
(付記1)
利用者端末から、通訳作業の申込み情報であって、少なくとも前記通訳作業の開始日時および終了日時の情報が含まれる情報の入力を事前に受け付ける申込み受付部と、
前記申込み受付部に入力された前記申込み情報を公開する公開部と、
前記利用者端末とネットワークを介した音声対話を可能とする通訳者端末から、公開された前記申込み情報に対して通訳者として応募するための入力を受け付ける応募受付部と、
前記開始日時または前記終了日時に基づいて、前記利用者端末と前記通訳者端末との前記ネットワークを介した音声対話を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする通訳サービス支援装置。
【0142】
(付記2)
前記利用者端末および前記通訳者端末は、前記ネットワークを介した音声対話を両者間で可能にするアプリケーションプログラムをそれぞれ搭載し、
前記制御部は、前記利用者端末および前記通訳者端末のそれぞれに搭載された前記アプリケーションプログラムを操作することにより、前記利用者端末と前記通訳者端末との音声対話を制御することを特徴とする付記1に記載の通訳サービス支援装置。
【0143】
(付記3)
前記制御部は、前記アプリケーションプログラムを搭載し、自身に搭載された前記アプリケーションプログラムを介して、前記利用者端末および前記通訳者端末のそれぞれに搭載された前記アプリケーションプログラムを操作することを特徴とする付記2に記載の通訳サービス支援装置。
【0144】
(付記4)
前記通訳サービス支援装置は、さらに、
現在の日時と前記開始日時との間の時間差を算出し、算出した時間差と閾値とが一致する場合に、前記利用者端末および前記通訳者端末に対して通知を行う開始前通知部を備えることを特徴とする付記1から付記3のいずれかに記載の通訳サービス支援装置。
【0145】
(付記5)
前記申込み受付部は、前記利用者端末から前記申込み情報の入力を受け付けると、これを格納し、その際、入力を受け付けた前記申込み情報に、前記申込み情報に対応する通訳者を募集中であることを示す識別情報を付加し、
前記応募受付部は、前記通訳者端末から通訳者としての応募の入力がなされると、格納されている前記申込み情報に前記識別情報が付加されているか否かを判断し、付加されている場合には、入力を行った前記通訳者端末の識別子を前記申込み情報に付加し、加えて、前記申込み情報に前記申込み情報に対応する通訳者が決定したことを示す識別情報を付加することを特徴とする付記1から付記4のいずれかに記載の通訳サービス支援装置。
【0146】
(付記6)
前記申込み情報に基づいて、同一の者が行う通訳作業の合計時間を算出する合計時間算出部を備えることを特徴とする付記1から付記5のいずれかに記載の通訳サービス支援装置。
【0147】
(付記7)
(a)利用者端末から、通訳作業の申込み情報であって、少なくとも前記通訳作業の開始日時および終了日時の情報が含まれる情報の入力を事前に受け付け、入力された前記申込み情報を公開するステップと、
(b)前記利用者端末とネットワークを介した音声対話を可能とする通訳者端末から、前記ステップ(a)において公開された前記申込み情報に対して通訳者として応募するための入力を受け付けるステップと、
(c)前記開始日時に基づいて、前記利用者端末と前記通訳者端末との前記ネットワークを介した音声対話の開始を制御するステップと、
(d)前記終了日時に基づいて、前記利用者端末と前記通訳者端末との前記ネットワークを介した音声対話の終了を制御するステップと、
を含むことを特徴とする通訳サービス支援方法。
【0148】
(付記8)
前記ステップ(c)においては、前記利用者端末および前記通訳者端末のそれぞれに搭載されたアプリケーションプログラムを操作することにより、前記利用者端末と前記通訳者端末との音声対話の開始を制御し、
前記ステップ(d)においては、前記利用者端末および前記通訳者端末のそれぞれに搭載されたアプリケーションプログラムを操作することにより、前記利用者端末と前記通訳者端末との音声対話の終了を制御することを特徴とする付記7に記載の通訳サービス支援方法。
【0149】
(付記9)
前記通訳サービス支援方法は、さらに、
(e)現在の日時と前記開始日時との間の時間差を算出するステップと、
(f)前記ステップ(e)において算出した時間差と閾値とが一致する場合に、前記利用者端末および前記通訳者端末に対して通知を行うステップと、を含むことを特徴とする付記7または付記8に記載の通訳サービス支援方法。
【0150】
(付記10)
前記通訳サービス支援方法は、さらに、
前記ステップ(a)において、入力を受け付けた前記申込み情報に対し、通訳者を募集中であることを示す識別情報を付加し、
前記ステップ(b)において、通訳者として応募するための入力を受け付けると、格納されている前記申込み情報に前記識別情報が付加されているか否かを判断し、前記識別情報が付加されていると判断した場合には、入力を行った前記通訳者端末の識別子を前記申込み情報に付加し、加えて、前記申込み情報に前記申込み情報に対応する通訳者が決定したことを示す識別情報を付加することを特徴とする付記7から付記9のいずれかに記載の通訳サービス支援方法。
【0151】
(付記11)
前記通訳サービス支援方法は、さらに、
(g)前記ステップ(a)おいて入力された前記申込み情報に基づいて、同一の者が行う通訳作業の合計時間を算出するステップを含むことを特徴とする付記7から付記10のいずれかに記載の通訳サービス支援方法。
【0152】
(付記12)
コンピュータに、
(a)利用者端末から、通訳作業の申込み情報であって、少なくとも前記通訳作業の開始日時および終了日時の情報が含まれる情報の入力を事前に受け付け、入力された前記申込み情報を公開するステップと、
(b)前記利用者端末とネットワークを介した音声対話を可能とする通訳者端末から、前記ステップ(a)において公開された前記申込み情報に対して通訳者として応募するための入力を受け付けるステップと、
(c)前記開始日時に基づいて、前記利用者端末と前記通訳者端末との前記ネットワークを介した音声対話の開始を制御するステップと、
(d)前記終了日時に基づいて、前記利用者端末と前記通訳者端末との前記ネットワークを介した音声対話の終了を制御するステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【0153】
(付記13)
前記ステップ(c)においては、前記利用者端末および前記通訳者端末のそれぞれに搭載されたアプリケーションプログラムを操作することにより、前記利用者端末と前記通訳者端末との音声対話の開始を制御し、
前記ステップ(d)においては、前記利用者端末および前記通訳者端末のそれぞれに搭載されたアプリケーションプログラムを操作することにより、前記利用者端末と前記通訳者端末との音声対話の終了を制御することを特徴とする付記12に記載のプログラム。
【0154】
(付記14)
前記プログラムは、さらに、
(e)現在の日時と前記開始日時との間の時間差を算出するステップと、
(f)前記ステップ(e)において算出した時間差と閾値とが一致する場合に、前記利用者端末および前記通訳者端末に対して通知を行うステップと、を含むことを特徴とする付記12または付記13に記載の通訳サービス支援方法。
【0155】
(付記15)
前記プログラムは、さらに、
前記ステップ(a)において、入力を受け付けた前記申込み情報に対し、通訳者を募集中であることを示す識別情報を付加し、
前記ステップ(b)において、通訳者として応募するための入力を受け付けると、格納されている前記申込み情報に前記識別情報が付加されているか否かを判断し、前記識別情報が付加されていると判断した場合には、入力を行った前記通訳者端末の識別子を前記申込み情報に付加し、加えて、前記申込み情報に前記申込み情報に対応する通訳者が決定したことを示す識別情報を付加することを特徴とする付記11から付記14のいずれかに記載のプログラム。
【0156】
(付記16)
前記プログラムは、さらに、
(g)前記ステップ(a)おいて入力された前記申込み情報に基づいて、同一の者が行う通訳作業の合計時間を算出するステップを含むことを特徴とする付記11から付記15のいずれかに記載のプログラム。
【符号の説明】
【0157】
1 申込み受付部
2 公開部
3 応募受付部
4 制御部
5 通訳状況格納部
6 タイマー
7 セルフID格納部
8 指示部
9 開始制御部
10 終了制御部
11 音声対話部
12 開始前通知部
13 通知時間保持部
14 合計時間算出部
15 支払金額算出部
20 ネットワーク
30 利用者端末
40 通訳者端末
50 Webサーバ
60 アプリケーション提供サーバ(スカイプのサーバ)
100 通訳サービス支援装置
200 通訳サービス支援装置
300 通訳サービス支援装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者端末から、通訳作業の申込み情報であって、少なくとも前記通訳作業の開始日時および終了日時の情報が含まれる情報の入力を事前に受け付ける申込み受付部と、
前記申込み受付部に入力された前記申込み情報を公開する公開部と、
前記利用者端末とネットワークを介した音声対話を可能とする通訳者端末から、公開された前記申込み情報に対して通訳者として応募するための入力を受け付ける応募受付部と、
前記開始日時または前記終了日時に基づいて、前記利用者端末と前記通訳者端末との前記ネットワークを介した音声対話を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする通訳サービス支援装置。
【請求項2】
前記利用者端末および前記通訳者端末は、前記ネットワークを介した音声対話を両者間で可能にするアプリケーションプログラムをそれぞれ搭載し、
前記制御部は、前記利用者端末および前記通訳者端末のそれぞれに搭載された前記アプリケーションプログラムを操作することにより、前記利用者端末と前記通訳者端末との音声対話を制御することを特徴とする請求項1に記載の通訳サービス支援装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記アプリケーションプログラムを搭載し、自身に搭載された前記アプリケーションプログラムを介して、前記利用者端末および前記通訳者端末のそれぞれに搭載された前記アプリケーションプログラムを操作することを特徴とする請求項2に記載の通訳サービス支援装置。
【請求項4】
前記通訳サービス支援装置は、さらに、
現在の日時と前記開始日時との間の時間差を算出し、算出した時間差と閾値とが一致する場合に、前記利用者端末および前記通訳者端末に対して通知を行う開始前通知部を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の通訳サービス支援装置。
【請求項5】
前記申込み受付部は、前記利用者端末から前記申込み情報の入力を受け付けると、これを格納し、その際、入力を受け付けた前記申込み情報に、前記申込み情報に対応する通訳者を募集中であることを示す識別情報を付加し、
前記応募受付部は、前記通訳者端末から通訳者としての応募の入力がなされると、格納されている前記申込み情報に前記識別情報が付加されているか否かを判断し、付加されている場合には、入力を行った前記通訳者端末の識別子を前記申込み情報に付加し、加えて、前記申込み情報に前記申込み情報に対応する通訳者が決定したことを示す識別情報を付加することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の通訳サービス支援装置。
【請求項6】
前記申込み情報に基づいて、同一の者が行う通訳作業の合計時間を算出する合計時間算出部を備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の通訳サービス支援装置。
【請求項7】
(a)利用者端末から、通訳作業の申込み情報であって、少なくとも前記通訳作業の開始日時および終了日時の情報が含まれる情報の入力を事前に受け付け、入力された前記申込み情報を公開するステップと、
(b)前記利用者端末とネットワークを介した音声対話を可能とする通訳者端末から、前記ステップ(a)において公開された前記申込み情報に対して通訳者として応募するための入力を受け付けるステップと、
(c)前記開始日時に基づいて、前記利用者端末と前記通訳者端末との前記ネットワークを介した音声対話の開始を制御するステップと、
(d)前記終了日時に基づいて、前記利用者端末と前記通訳者端末との前記ネットワークを介した音声対話の終了を制御するステップと、
を含むことを特徴とする通訳サービス支援方法。
【請求項8】
コンピュータに、
(a)利用者端末から、通訳作業の申込み情報であって、少なくとも前記通訳作業の開始日時および終了日時の情報が含まれる情報の入力を事前に受け付け、入力された前記申込み情報を公開するステップと、
(b)前記利用者端末とネットワークを介した音声対話を可能とする通訳者端末から、前記ステップ(a)において公開された前記申込み情報に対して通訳者として応募するための入力を受け付けるステップと、
(c)前記開始日時に基づいて、前記利用者端末と前記通訳者端末との前記ネットワークを介した音声対話の開始を制御するステップと、
(d)前記終了日時に基づいて、前記利用者端末と前記通訳者端末との前記ネットワークを介した音声対話の終了を制御するステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2013−62720(P2013−62720A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200542(P2011−200542)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.COMPACTFLASH
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】