説明

速溶性固形洗剤

説明の通り、表面及び対象の洗浄、懸濁している汚物の除去、及び容易な洗い流しのための各種の用途に利用できる、固形ブロック又は単位容量の洗剤組成物。洗剤組成物は、水などの水溶液に触れたとき、速く、そして使用溶液を作るのに十分なほど溶解する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形洗剤組成物、例えば、製品及び/又は硬表面洗浄組成物、洗い流し助剤、殺菌添加剤、洗濯洗剤及びコンベヤ潤滑剤に関し、それらは洗浄剤、速い溶解のための分岐鎖脂肪酸分解剤、及び所望により洗浄補助剤などの添加剤を含む。
【背景技術】
【0002】
固形アルカリ性洗剤組成物が、家庭用及び工業用皿洗い、衣料品の洗濯並びに一般的な表面洗浄に広く使われる。より大量の消費された洗浄組成物は、固形微粒子、錠剤又はペレット及び固形ブロックからなる。固形組成物は、それらの改良された取り扱い性及び安全性、輸送及び貯蔵中の成分分離物の除去並びに組成物内の有効成分の増加した濃度ゆえに有利である。典型的には、これらの洗剤組成物は、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、ケイ酸塩又はそれらの混合物などのアルカリ源並びに硬度封鎖剤又はビルダーを、それらの主要な洗浄成分として含む。硬度封鎖剤は、アルカリ金属ビルダー塩及び洗剤の沈殿に関与する金属カチオンと配位結合するか、さもなければ錯形成することにより、洗浄水を調整するように機能する。アルカリ成分は、酸性及びタンパク性汚物を分解することにより、組成物に洗浄力を与える。
【0003】
固形洗剤は、水で固形洗剤を溶かすことにより通常使用される。例えば、洗濯用途には水スプレー式ディスペンサーを使用してよい。ディスペンサーでは、洗剤は、洗濯機内の洗浄水に加えられて洗浄溶液を形成する洗剤濃縮液を与える水の大部分と合わせられる。別の用途では、洗剤濃縮液はそのまま使用され、一般に使用溶液と呼ばれる。使用溶液又は洗浄液は、汚れた製品と接触したとき、製品から汚物を首尾よく除去する。そのような洗浄力は、洗剤を製造するのに使われるアルカリ源から通常得られる。具体的には、米国特許第4,595,520号、第4,680,134号、第6,177,392号、及び第6,150,324号が、各種の用途の固化技術の使用を示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの用途に有効であるために、固形洗剤の成分が利用される水媒体に容易に溶解し、それらの成分が洗剤濃縮液及び使用溶液に安定であることが必要である。本願発明は、錠剤若しくはブロックの溶解速度を向上させるだけでなく、可溶化固形洗剤組成物の洗浄能力を強化する新規組成物及び方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明は、類似組成物の他の固形組成物よりも速く溶けて使用溶液になるだけでなく、強化された洗浄能力を有する、固形洗剤組成物を含む。本願発明は、固体の溶解速度を増加させる固形洗剤組成物中の分岐鎖脂肪酸分解剤の使用を開示する。さらに、分岐鎖脂肪酸分解剤の使用は、使用溶液の洗浄作用を向上させる。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書では、全ての数値は、明示されているものであろうとなかろうと、用語「約」で修飾されていると考えられる。通常、用語「約」とは、当業者が引用された値と等しい(すなわち、同じ機能又は結果を有している)と考えたであろう数値範囲をいう。多くの場合、用語「約」は、最も近い有効桁数まで四捨五入される数字を含んでよい。
【0007】
重量%(Weight percent)、重量%(percent by weight)、重量%(wt%)、重量%(wt−%)、重量%(% by weight)などは、組成物の重量で割られて100をかけられた物質の重量として、物質の濃度を表す同義語である。本願では、用語「重量%(wt.%)」とは、別に明記されない限り、固形洗剤組成物の全重量に対する指定された成分の重量百分率をいう。個別の成分の重量百分率は、他に特記されない限り、成分が水溶液として又は液状予混合物中に与えられるとしても、その成分が与えられた水分を含まない。
【0008】
両端による数値範囲の詳細は、範囲内の全ての数(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)を含む。
【0009】
この明細書及び添付の特許請求の範囲では、単数形「a」、「an」、及び「the」は、内容が明らかに別の意味を示さない限り、複数の指示対象を含む。この明細書及び添付の特許請求の範囲では、用語「又は/若しくは(or)」は、内容が明らかに別の意味を示さない限り、「及び/又は(and/or)」を含む意味で通常使用される。
【0010】
本開示による固形洗剤組成物は速溶性である。典型的には、本明細書で開示された固形洗剤組成物は、水溶液と接触して速く及び完全に溶解し、安定な使用溶液になる。安定な使用溶液は、目視検査では何の固体も含まない。
【0011】
固形洗剤組成物は、汚物を除去させる有効量の洗浄剤及びアルカリ源、組成物を結合させる固化剤、並びに固形洗剤組成物の使用水溶液への溶解性を向上させる分岐鎖脂肪酸分解剤を含む。洗浄剤は、水溶液に分散又は溶解させて基材から汚物を除去するために基材に塗布するときに汚物除去性を与える任意の成分を含むことができる。典型的には、洗浄剤は、少なくとも1つの界面活性剤、及びアルカリ源を含む。ある実施形態では、好ましくは、洗浄剤は界面活性剤又は界面活性剤系、アルカリ源、水質調整剤、及び酵素を含む。幾つかの実施形態では、固化剤は、実際には無機物であり、所望によりアルカリ源として機能してもよい。ある実施形態では、固化剤としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム若しくは灰、及びメタケイ酸ナトリウム、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0012】
本開示による固形洗剤組成物は、例えば、固体、ペレット、ブロック、及び錠剤などの、各種のキャスト又は押し出しされた形態を包含するが、粉末を含まない。当然のことながら、用語「固体/固形(solid)」とは、固形洗剤組成物の貯蔵及び使用の予想される条件下での、洗剤組成物の状態をいう。一般に、洗剤組成物は、約100°F以下、好ましくは120°Fを超える温度で供給されたときに固体のままであると予期される。
【0013】
ある実施形態では、固形洗剤組成物は単位容量の形態で与えられる。単位容量とは、全単位が一回の洗浄サイクル中に使われるような大きさの固形洗剤組成物単位をいう。固形洗剤組成物が単位容量で与えられるとき、約1g〜約50gの大きさのキャスト固体、押し出しペレット、又は錠剤として与えられるのが好ましい。他の実施形態では、50g〜250gの大きさのキャスト固体、押し出しペレット、若しくは錠剤、又は約100g以上の重量の押し出し固体である。さらに、当然のことながら、固形洗剤組成物は、複数の固体が約40g〜約11,000gの大きさの小包体で入手できるように、キャスト固体、押し出しペレット、又は錠剤として与えられる。
【0014】
他の実施形態では、固形洗剤組成物は、ブロック又は複数のペレットなどの、複数用途の固体の形態で与えられ、繰り返して使われて、複数の洗浄サイクル用水性洗剤組成物を生むことができる。ある実施形態では、固形洗剤組成物は、約5g〜10kgの質量を有するキャスト固体、押し出しブロック、又は錠剤として与えられる。ある実施形態では、固形洗剤組成物の複数用途形態は、約1〜10kgの質量を有する。さらなる実施形態では、固形洗剤組成物の複数用途形態は、約5kg〜約8kgの質量を有する。他の実施形態では、固形洗剤組成物の複数用途形態は、約5g〜約1kg、又は約5g〜約500gの質量を有する。
【0015】
分岐鎖脂肪酸分解剤
本願発明の固形洗剤組成物は分岐鎖脂肪酸分解剤を含む。分岐鎖脂肪酸分解剤は、本明細書では固形製品の溶解速度を向上させる固形洗剤製品に対する添加剤として定義される。さらに、分岐鎖脂肪酸分解剤は、使用水溶液の表面張力を下げて、使用溶液を汚物中により良好に浸入させることにより固形製品の洗浄能力を強化でき、そして溶解度向上剤として機能して固形洗剤組成物及び使用溶液を安定化できる。
【0016】
本願発明に有用な分岐鎖脂肪酸分解剤としては、C5〜C20分岐鎖脂肪酸及びそれらの塩が挙げられる。代表的な分岐鎖構造は、イソ−、ネオ−、sec−又はtert−として記述され得る。多くの実施形態では、分岐鎖脂肪酸分解剤は、主アルキル鎖から分かれた1個以上のアルキル分岐鎖を含む飽和C5〜C18脂肪酸である。ある実施形態では、分岐鎖脂肪酸分解剤は、主アルキル鎖から分かれた1個又は2個のメチル分岐鎖を含む飽和C5〜C18脂肪酸である。ある実施形態では、分岐鎖脂肪酸分解剤は、式CH3(CH2m(CH)n(CH2o(CH)p(CH2qCOOH(式中、m、n、o、p及びqはそれぞれ0〜17から選択される整数であり、n+pは1又は2であり、m+n+o+p+qは3〜18である)で表される。幾つかの実施形態では、分岐鎖脂肪酸分解剤は、上式の分岐鎖脂肪酸の塩である。ある実施形態では、CH3(CH2m(CH)n(CH2o(CH)p(CH2qCOOH(式中、m、n、o、p及びqはそれぞれ0〜17から選択される整数であり、n+pは1又は2であり、m+n+o+p+qは6〜12である)である。適切な分岐鎖脂肪酸分解剤の例は、イソノナン酸ナトリウム、イソノナン酸、イソオクタン酸ナトリウム、イソオクタン酸、ネオデカン酸ナトリウム、ネオデカン酸、ネオペンタン酸ナトリウム、ネオペンタン酸、ネオヘプタン酸ナトリウム、ネオヘプタン酸、下記の酸及びそれらの塩のいずれか、又はこれらの混合物である。
【0017】
【化1】

【0018】
本願発明の固形洗剤組成物は、少なくとも0.2重量%の分岐鎖脂肪酸分解剤を含む。ある実施形態では、固形洗剤組成物は、0.2重量%〜5重量%の分岐鎖脂肪酸分解剤を含む。他の実施形態では、固形洗剤組成物は、0.2重量%〜20重量%の分岐鎖脂肪酸分解剤を含む。より大量の分岐鎖脂肪酸分解剤は、例えば>5重量%では、分岐鎖脂肪酸分解剤が溶解度向上剤、界面活性剤及び/又は洗剤成分としても機能する固形洗剤組成物に有用である。
【0019】
有機洗剤、界面活性剤又は洗浄剤
組成物は、好ましくは、界面活性剤又は界面活性剤系である少なくとも1つの洗浄剤を含むことができる。用語「界面活性剤系」とは、少なくとも2つの界面活性剤の混合物をいう。アニオン性、非イオン性、カチオン性、及び両イオン性界面活性剤などの、各種の界面活性剤を固形洗剤組成物に使用できる。
【0020】
使用され得る典型的な界面活性剤は、複数の情報源から入手できる。界面活性剤について検討するには、「Kirk−Othmer,Encyclopedia of Chemical Technology」、第3版、volume8、p.900−912(界面活性剤の開示内容は参照により本明細書に援用される)を参照のこと。固形洗剤組成物が洗浄剤を含むとき、洗浄剤は、望ましい水準の洗浄を提供するのに有効な量で供給され得る。
【0021】
ある実施形態では、固形洗剤組成物は、界面活性剤又は界面活性剤系を望ましい水準の洗浄を提供するのに有効な量で含む。好ましくは、固形洗剤組成物は、約0.40重量%の、より好ましくは約1重量%〜約20重量%の界面活性剤又は界面活性剤系を含む。
【0022】
本願の固形洗剤組成物に有用なアニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルカルボキシレート(カルボン酸塩)及びポリアルコキシカルボキシレート、アルコールエトキシレートカルボキシレート、ノニルフェノールエトキシレートカルボキシレートなどのカルボキシレート;アルキルスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルアリールスルホネート、スルホン化脂肪酸エステルなどの、スルホネート;硫酸化アルコール、硫酸化アルコールエトキシレート、硫酸化アルキルフェノール、アルキルサルフェート、スルホコハク酸塩、硫酸アルキルエーテルなどの、サルフェート;及びアルキルリン酸エステルなどの、リン酸エステルが挙げられる。好ましいアニオン性物質は、アルキルアリールスルホン酸ナトリウム、α−オレフィンスルホネート、及び脂肪酸アルコールサルフェートである。
【0023】
固形洗剤組成物がアニオン性界面活性剤を含むとき、好ましくは、アニオン性界面活性剤は約0.1重量%より大きくて約40重量%以下の量で与えられる。
【0024】
固形洗剤組成物に有用な非イオン性界面活性剤としては、ポリアルキレンオキシドポリマーを界面活性剤分子の一部分として有するものが挙げられる。そのような非イオン性界面活性剤としては、例えば、塩素−、ベンジル−、メチル−、エチル−、プロピル−、ブチル−及び他のアルキルでキャッピングされた脂肪酸のポリエチレングリコールエーテル;アルキルポリグリコシドなどの、ポリアルキレンオキシド遊離非イオン性物質;ソルビタン及びスクロースエステル並びにそれらのエトキシレート;アルコキシル化エチレンジアミン;アルコールエトキシレートプロポキシレート、アルコールプロポキシレート、アルコールプロポキシレートエトキシレートプロポキシレート、アルコールエトキシレートブトキシレートなどの、アルコールアルコキシレート;ノニルフェノールエトキシレート、ポリオキシエチレングリコールエーテルなど;グリセロールエステル、ポリオキシエチレンエステル、脂肪酸のエトキシル化されたグリコールエステルなどのカルボン酸エステル;ジエタノールアミン濃縮物、モノアルカノールアミン濃縮物、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドなどの、カルボン酸アミド;そして登録商標プルロニック(PLURONIC)(BASF−ワイアンドット(Wyandotte)社)として入手できるものなどのエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマーを含むポリアルキレンオキシドブロックコポリマー;そして非イオン性化合物に類似する他の物質が挙げられる。ABIL B8852などのシリコーン界面活性剤を使用してもよい。
【0025】
固形洗剤組成物が非イオン性界面活性剤を含むとき、非イオン性界面活性剤は、好ましくは約0.1重量%より大きくて約20重量%以下の量で供給され得る。
【0026】
殺菌又は布帛軟化用洗浄組成物に含有させるのに有用なカチオン性界面活性剤としては、C18アルキル又はアルケニル鎖を有する一級、二級及び三級モノアミン、エトキシル化アルキルアミン、エチレンジアミンのアルコキシレートなどのアミン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン、2−アルキル−1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリンなどのイミダゾール;そして四級アンモニウム塩、例えば、塩化n−アルキル(C12−C18)ジメチルベンジルアンモニウム、塩化n−テトラデシルジメチルベンジルアンモニウム一水和物、塩化ジメチル−1−ナフチルメチルアンモニウムなどのナフタレン置換された四級アンモニウム塩化物などの、塩化アルキル四級アンモニウム界面活性剤;そして他の類似のカチオン性界面活性剤が挙げられる。
【0027】
固形洗剤組成物がカチオン性界面活性剤を含むとき、カチオン性界面活性剤は、好ましくは、約0.1重量%より大きくて約20重量%以下の量で与えられる。
【0028】
固形洗剤組成物に使用され得る両イオン性界面活性剤としては、ベタイン、イミダゾリン、及びプロピオネートが挙げられる。固形洗剤組成物は、自動皿洗い若しくは製品洗浄、又は衣料用洗濯機に使われるためのものでよいから、選択された界面活性剤は、もし任意の界面活性剤が使用されるならば、皿洗い又は製品洗濯機内で使われるときに合格水準の発泡を生じさせるものでよい。当然ながら、自動皿洗い又は製品洗濯機で用いる固形洗剤組成物は、低発泡性組成物と通常見なされる。
【0029】
界面活性剤は、低発泡性を生じさせるように選択され得る。望ましい水準の洗浄活性を与える低発泡界面活性剤が、大量の発泡の存在が問題になることがある皿洗い機などの環境では有利であると分かる。低発泡界面活性剤の選択に加えて、脱泡剤を利用して泡の発生を減らすことができると分かる。それ故に、低発泡界面活性剤とみなされる界面活性剤だけでなく他の界面活性剤を固形洗剤組成物内で使用でき、発泡の水準を脱泡剤の追加により制御できる。
【0030】
固形洗剤組成物は、界面活性剤又は界面活性剤系を約0.05重量%〜約20重量%、約0.5重量%〜約15重量%、約1重量%〜約15重量%、約1.5重量%〜約10重量%、及び約2重量%〜約5重量%の範囲で含む。濃縮物中の界面活性剤の追加の典型的な範囲としては、約0.5重量%〜約5重量%、及び約1重量%〜約3重量%が挙げられる。
【0031】
無機洗剤又はアルカリ源
本発明による固形洗剤組成物は、基材の洗浄を強化して、本組成物の汚物除去性能を向上させるのに有効な量の1個以上のアルカリ源を含む。一般に、1個以上のアルカリ源の有効量は、少なくとも約8のpHを有する使用組成物を与える量と見なすべきである。使用組成物が約8〜約10のpHを有するとき、それは弱アルカリ性と見なされ、pHが約12を超えるとき、使用組成物が苛性であると見なすことができる。一般に、弱アルカリ性洗浄組成物は苛性系使用組成物よりも安全であると見なされるから、使用組成物を弱アルカリ性洗浄組成物として提供することが望ましい。
【0032】
固形洗剤組成物は、アルカリ金属炭酸塩及び/又はアルカリ金属水酸化物を含むことができる。使用され得る典型的な金属炭酸塩としては、例えば、ナトリウム又はカリウムの炭酸塩、重炭酸塩、セスキ炭酸塩、これらの混合物が挙げられる。使用され得る典型的なアルカリ金属水酸化物としては、例えば、水酸化ナトリウム又はカリウムが挙げられる。アルカリ金属水酸化物を固体ビーズの形態で、水溶液に溶解させた状態で、又はこれらの組み合わせで、組成物に加えてよい。アルカリ金属水酸化物は、約12〜100U.S.メッシュの粒径の混合物を有する顆粒固体又はビーズ中の固体として、又は水溶液として、例えば、50重量%及び73重量%溶液として入手できる。
【0033】
固形洗剤組成物は、少なくとも約8のpHを有する使用組成物を提供するのに十分な量のアルカリ源を含むことができる。アルカリ源は、好ましくは基材の洗浄を強化し、組成物の汚物除去性能を向上させる量である。一般に、濃縮物は少なくとも約5重量%、少なくとも約10重量%、又は少なくとも約15重量%のアルカリ源を含むであろうと分かる。固形洗剤組成物は、約10重量%〜約80重量%、好ましくは約15重量%〜約70重量%、さらに好ましくは約20重量%〜約60重量%のアルカリ源を含むことができる。アルカリ源は、アニオン性界面活性剤を中和する量で追加的に与えられ、そして組成物の固化に役立つように使用されてよい。
【0034】
濃縮物の他の成分に十分な空きを与えるために、アルカリ源は、濃縮物に約60重量%未満の量で供給され得る。さらに、アルカリ源は、約40重量%未満、約30重量%未満、又は約20重量%未満の濃度で供給され得る。ある実施形態では、固形洗剤組成物が、約8を下回るpH水準で有用な使用組成物を提供するであろうと分かる。そのような組成物では、アルカリ源を省略してよく、また追加のpH調整剤を使用して所望のpHを有する使用組成物を提供してよい。それ故に、当然のことながら、アルカリ源は任意の成分として特徴付けられる。
【0035】
幾つかの実施形態では、固化剤は、実際には無機物であり、所望により、アルカリ源として機能してもよい。ある実施形態では、固化剤としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム若しくは灰、及びメタケイ酸ナトリウム、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0036】
固化剤
固化剤は、好ましくは、固形洗剤組成物に分散されたまま提供され、同時に洗剤組成物を結合して、固形洗剤組成物を提供する。固化剤は、固化剤とも呼ばれ、PEGなどの硬化剤を包含してよい。本発明による結合剤は、組成物を形成している固形洗剤の第一の結合剤として又は第二の結合剤として使用され得る。用語「第一の結合剤」とは、洗剤組成物の固化を引き起こす第一種である結合剤をいう。用語「第二の結合剤」とは、別の第一の結合剤との併用で補助的な結合剤として機能する結合剤をいう。第二の結合剤を使用して、洗剤組成物の固化を強化する及び/又は洗剤組成物の固化を促進させるのに役立ててよい。本発明の結合剤成分を第二の結合剤成分として使用することは、第一の結合剤成分が望ましい速度で洗剤組成物を固化しない場合に有用である。それ故に、第二の結合剤成分を使用して、固化工程を促進させるのに役立ててよい。
【0037】
固形洗剤組成物は、好ましくは、約10重量%〜約80重量%の結合剤、又は約1重量%〜約40重量%の結合剤、及び固化に必要な水和を生じさせるのに十分な水を含む組成物を用意することにより、調製される。ある実施形態では、結合剤がアルカリ源としての機能を果たしてもよい。
【0038】
次の特許は、本願発明の固形洗剤組成物に利用してよい固化、結合及び/又は硬化剤並びに方法の様々な組み合わせを開示する。次の米国特許明細書が参照により本明細書に援用される:米国特許第7,153,820号;米国特許第7,094,746号;米国特許第7,087,569号;米国特許第7,037,886号;米国特許第6,831,054号;米国特許第6,730,653号;米国特許第6,660,707号;米国特許第6,653,266号;米国特許第6,583,094号;米国特許第6,410,495号;米国特許第6,258,765号;米国特許第6,177,392号;米国特許第6,156,715号;米国特許第5,858,299号;米国特許第5,316,688号;米国特許第5,234,615号;米国特許第5,198,198号;米国特許第5,078,301号;米国特許第4,595,520号;米国特許第4,680,134号;米国特許再発行第32,763号明細書;及び米国特許再発行第32818号である。
【0039】
ある実施形態では、固形洗剤組成物は、固形組成物の固化のために、約10〜80重量%の炭酸ナトリウム(Na2CO3)、水酸化ナトリウム(NaOH)、若しくはメタケイ酸ナトリウム、又はこれらの組み合わせを含む。固形洗剤組成物は、カリウム塩を含む有効量の有機ホスホネート硬度封鎖剤を含んでもよい。ある実施形態では、固形洗剤組成物は、約10〜40重量%の炭酸ナトリウム、さらなる実施形態では20〜40重量%の炭酸ナトリウムを含む。特定のさらなる実施形態では、固形洗剤組成物は、約20〜40重量%の炭酸ナトリウム及び15〜40重量%の水酸化ナトリウムを含む。
【0040】
幾つかの実施形態では、大量の水酸化ナトリウムを含む固形洗剤組成物がキャストされ、固化される。例えば、水酸化ナトリウム水和物を使用して、水酸化ナトリウム一水和物の低い融点(約50℃〜65℃)を利用して冷凍工程のキャスト材料を固化できる。洗剤の有効成分が融解した水酸化ナトリウムと混ぜられ、冷却されて固化した。生成した固体は、洗剤含有物が水和マトリクスに溶解又は懸濁したままの水和固形水酸化ナトリウムのマトリクスである。この関連技術のキャスト固体及び他の関連技術の水和した固体では、水和した化学物質が水と反応して、水和反応は実質的完成に達する。水酸化ナトリウムも製品洗浄装置並びに速い及び完全な汚物除去を必要とする他の使用部位に実質的な洗浄を提供した。これらの初期生成物では、優良な洗浄という条件では、苛性物質の強アルカリ性ゆえに、水酸化ナトリウムが理想的な候補である。水酸化ナトリウム及び炭酸ナトリウムを併用してキャスト固体を形成してもよい。ある実施形態は、水和の水とともに少なくとも30重量%のアルカリ金属水酸化物を含む。さらなる実施形態は30〜50重量%のアルカリ金属水酸化物を含む。
【0041】
他の実施形態では、結合剤が、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩、及び水を混合することにより形成される。ある実施形態では、アルカリ金属炭酸塩としては、ソーダ灰又は炭酸ナトリウムが挙げられる。ある実施形態では、アルカリ金属重炭酸塩としては、重炭酸ナトリウムが挙げられる。アルカリ金属重炭酸塩成分は、アルカリ金属重炭酸塩を加えることにより又はアルカリ金属重炭酸塩をin situで形成することにより、提供され得る。アルカリ金属重炭酸塩は、アルカリ金属炭酸塩を酸と反応させることにより、in situで形成され得る。アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩、及び水の量を調整して、洗剤組成物の固化の速度を制御し、固形洗剤組成物から得られた水性洗剤組成物のpHを制御できる。洗剤組成物の固化の速度は、アルカリ金属炭酸塩に対するアルカリ金属重炭酸塩の比を増加させることによって増加し、あるいはアルカリ金属炭酸塩に対するアルカリ金属重炭酸塩の比を減少させることによって減少する場合がある。
【0042】
ある実施形態では、固形洗剤組成物は、約10重量%〜約80重量%のアルカリ金属炭酸塩、約1重量%〜約40重量%のアルカリ金属重炭酸塩、並びに少なくとも炭酸塩の一水和物及び重炭酸塩の一水和物を生じさせるのに十分な水を含む。
【0043】
他の実施形態では、固形洗剤組成物の固化剤は、アルカリ炭酸塩、水及び封鎖剤を含む。例えば、本組成物は、1〜30重量%のオルガノホスホネートのアルカリ金属塩、好ましくは3〜15重量%のカリウム塩;及び5〜15重量%、好ましくは5〜12重量%の水;及び25〜80重量%;好ましくは30〜55重量%のアルカリ金属炭酸塩を含む。単一E形態水和バインダー組成物が、この材料固化剤として生じる。固形洗剤は、大部分が炭酸塩一水和物、一部分が非水和(実質的に無水の)アルカリ金属炭酸塩及び何分の一かの炭酸塩材料を含むE形態水和バインダー組成物、ある量がオルガノホスホネート及び水和の水から構成される。
【0044】
さらに他の実施形態では、固化剤としては有効量の1個以上の無水塩が挙げられ、著しいホスフェート反転が起こる温度を下回る温度で水和して融けるように選択される。そのような温度は、約33℃〜65℃の範囲内に通常収まり、好ましくは、約35°〜50℃で融ける塩が使われるであろう。エマルションが冷却され、著しい遊離水を結合して、安定な均質の固体を大気温度で、例えば約15℃〜25℃で、提供できるときには、分散された水和塩は固化する。好ましくは、大気温度に冷却したときに組成物を固化するのに有効な無水の炭酸ナトリウム、無水の硫酸ナトリウム又はこれらの混合物の量が、利用されるであろう。固化剤の量は、組成物に存在する水の百分率並びに他の洗剤成分の水和容量に関連する。例えば、固化前に、好ましい液体洗剤エマルションは、約45〜75%の固体、最も好ましくは約55〜70%の固体及び約25〜55%の、最も好ましくは、約30〜45%の水を含むであろう。
【0045】

固形洗剤組成物は水を含むことができる。水は、独立して洗剤組成物に加えられるか、又は洗剤組成物に加えられる水性物質の代わりとして洗剤組成物に与えられてよい。例えば、多くの物質が、固化剤組成物(単数又は複数)との反応に利用できる水を含む洗剤組成物に加えられる。典型的には、水は洗剤組成物中に導入され、固化前に望ましい粘度を有する洗剤組成物を与え、望ましい速度の固化を与える。
【0046】
通常、水は加工助剤として存在し、そして除去されるか、水和の水になることができると分かる。水は固形組成物中に存在してよいと分かる。固形洗剤組成物のある実施形態では、水は、約0重量%〜約10重量%、約0.1重量%〜約10重量%、約1重量%〜約5重量%、及び約2重量%〜約3重量%の範囲で存在してよい。固形洗剤組成物の他の実施形態では、水が約25重量%〜約40重量%、約27重量%〜約35重量%、及び29重量%〜約31重量%の範囲で存在するものであることが分かる。さらに明白なことだが、水は脱イオン水として又は軟水として与えられてよい。
【0047】
固形組成物を形成するのに使用される成分は、結合剤の水和物若しくは水和形態、他の含有物のいずれかの水和物若しくは水和形態、及び/又は処理中の助剤として加えられた水媒体として水を含むことができる。水媒体は、処理に望ましい粘度を有する成分を与えるのに役立つものであることが分かる。さらに、水媒体は、固体状の濃縮物を形成するべきものであるときは固化処理に役立つことがあると分かる。濃縮物が固体として与えられるとき、ブロック又はペレットの形態で与えられることがある。ブロックは、少なくとも約5gの大きさを有し、約50gを超える大きさを包含することができると分かる。濃縮物は約1重量%〜約50重量%、及び約2重量%〜約40重量%の量で水を含むことがあると分かる。
【0048】
処理されて濃縮物を形成する成分を、処理してブロックにするとき、押し出し成形技術又はキャスト技術により成分を処理できることが分かる。一般に、成分を押し出し成形技術によって処理するとき、組成物は、キャスト技術よりも処理用助剤として比較的少量の水を含むことができると分かる。一般に、押し出し成形によって固体を調製するとき、組成物は約2重量%〜約10重量%の水を含むことができると分かる。キャストで固体を調製するとき、水の量は約20重量%〜約40重量%になり得ると分かる。
【0049】
追加の機能性物質
前述の通り、固形洗剤組成物は、望ましい性質及び機能性を固形組成物に提供する他の機能性物質を含んでよい。本願のために、用語「機能性物質」は、水溶液などの使用及び/又は濃縮物溶液に分散又は溶解したときに特定の使用に有利な性質を提供する材料を含む。そのような機能性物質の例としては、組成物の望ましい特性及び/又は機能性に応じて、キレート化/封鎖剤;無機洗剤若しくはアルカリ源;有機洗剤、界面活性剤若しくは洗浄剤;洗い流し助剤;漂白剤;殺菌剤/抗微生物剤;活性剤;洗剤ビルダー若しくはフィラー;脱泡剤、抗堆積剤;蛍光漂白剤;染料/着臭剤;第二の硬化剤/溶解度改質剤;殺虫剤及び若しくは害虫駆除用餌;若しくはこれらの類似体、又は各種の他の機能性物質が挙げられる。本明細書で開示された幾つかの実施形態との関連で、機能性物質、又は含有物は、所望により、それらの機能性に応じて固化マトリクス内に含まれる結合剤は、機能性物質を含むマトリクスを同時に結合して固形組成物を形成するように機能する。機能性物質の幾つかのより具体的な例が下記でより詳しく議論されるが、当業者及び他者に明らかなように、議論される具体的な材料は単なる一例として与えられるのであり、各種の他の機能性物質を使用してよい。
【0050】
固化剤
固化剤は、好ましくは固形洗剤組成物中に分散されたまま供給され、同時に洗剤組成物を結合して固形洗剤組成物を提供する。固化剤は固化剤と呼ばれ、PEGなどの硬化剤を包含してよい。本発明による結合剤を固形洗剤形成組成物の第一の結合剤として又は第二の結合剤として使用できる。用語「第一の結合剤」とは、洗剤組成物を固化させるための第一種である結合剤をいう。用語「第二の結合剤」とは、別の第一の結合剤との併用によって補助的な結合剤として機能する結合剤をいう。第二の結合剤を使用して、洗剤組成物の固化を強化する及び/又は洗剤組成物の固化の促進に役立つことができる。第二の結合剤成分として本発明の結合剤成分を使用することは、第一の結合剤成分が洗剤組成物を望ましい速度で固化しないときに有用である。それ故に、第二の結合剤成分を使用して、固化処理を促進させることができる。
【0051】
固形洗剤組成物は、好ましくは、約10重量%〜約80重量%の結合剤、又は約1重量%〜約40重量%の結合剤、及び固化のために必要な水和を行なわせるのに十分な水を含む組成物を準備することによって調製される。
【0052】
次の特許は、本願発明の固形洗剤組成物に利用してよい固化、結合及び/又は硬化剤の様々な組み合わせ並びに固化法を開示する。参照により本明細書に援用される米国特許は、次の:米国特許第7,153,820号;第7,094,746号;第7,087,569号;第7,037,886号;第6,831,054号;第6,730,653号;第6,660,707号;第6,653,266号;第6,583,094号;第6,410,495号;第6,258,765号;第6,177,392号;第6,156,715号;第5,858,299号;第5,316,688号;第5,234,615号;第5,198,198号;第5,078,301号;第4,595,520号;第4,680,134号;米国特許再発行第32,763号;及び米国特許再発行第32818号である。
【0053】
幾つかの実施形態では、かなりの水酸化ナトリウムを含む固形洗剤組成物がキャスト及び固化される。例えば、水酸化ナトリウム水和物を使用して、水酸化ナトリウム一水和物(約50℃〜65℃)の低融点を利用する凍結処理中にキャスト材料を固化することができる。洗剤の有効成分は、溶融水酸化ナトリウムと混ぜられ、冷却されて固化した。生成固体は水和した固形水酸化ナトリウムのマトリクスであり、洗剤含有物は水和マトリクスに溶解又は懸濁していた。この従来技術のキャスト固体及び他の従来技術の水和固体では、水和した化学物質は水と反応し、水和反応は実質的完了に達する。水酸化ナトリウムは、製品洗浄装置に並びに速い及び完全な汚物除去を要する他の使用部位に実質的な洗浄も提供する。これらの早期生成物では、水酸化ナトリウムは、良好な洗浄のときの苛性物質の強アルカリ性ゆえに理想的な候補であった。キャスト固体は、水酸化ナトリウム及び炭酸ナトリウムの組み合わせを用いて形成されてもよい。
【0054】
他の実施形態では、結合剤は、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩、及び水を混ぜることにより形成される。ある実施形態では、アルカリ金属炭酸塩としては、ソーダ灰又は炭酸ナトリウムが挙げられる。ある実施形態では、アルカリ金属重炭酸塩としては重炭酸ナトリウムが挙げられる。アルカリ金属重炭酸塩成分は、アルカリ金属重炭酸塩を加えることにより又はin situでアルカリ金属重炭酸塩を形成することにより供給され得る。アルカリ金属重炭酸塩は、アルカリ金属炭酸塩を酸と反応させることによりin situで形成され得る。アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩、及び水の量を調整して、洗剤組成物の固化の速度を制御し、固形洗剤組成物から得られた水性洗剤組成物のpHを制御することができる。洗剤組成物の固化の速度は、アルカリ金属炭酸塩に対するアルカリ金属重炭酸塩の比を増やすことにより増加し、又はアルカリ金属炭酸塩に対するアルカリ金属重炭酸塩の比を減らすことにより減少し得る。基材を洗浄するのに使われる水性洗剤組成物を使用溶液ということができる。
【0055】
使用溶液のpHは、アルカリ成分の物質源並びに/又はアルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属重炭酸塩成分の量を調整することにより制御され得る。一般に、望ましい洗剤使用溶液のpHは、約8〜約12、より好ましくは約8〜約11、さらに好ましくは約9〜約10.5であると分かる。
【0056】
アルカリ金属重炭酸塩成分は、組成物を形成している固形洗剤に加えられるか、アルカリ金属炭酸塩及び酸の反応によりin situで発生し得る。アルカリ金属重炭酸塩を形成するために加えることができる酸は、好ましくは、アルカリ金属炭酸塩と反応してアルカリ金属重炭酸塩を形成するであろう任意の酸である。酸は、有機酸又は無機酸として、及び固体又は液体として供給され得る。使用できる好ましい酸としては、クエン酸、スルファミン酸、アジピン酸、コハク酸、及び硫酸が挙げられる。
【0057】
アルカリ重炭酸塩を形成するために提供される酸の量は、アルカリ金属炭酸塩の中和を起こさない量で提供されるのが好ましい。すなわち、酸がアルカリ金属炭酸塩と反応して、ある程度のアルカリ金属重炭酸塩を形成するのが望ましい。酸が炭酸を形成するように反応し続けるのは通常望ましくない。酸とアルカリ金属炭酸塩の反応が幾つかの炭酸を形成してもよいが、一般には炭酸の形成は不要なアルカリ金属炭酸塩及び酸を生じると解する。
【0058】
水は、独立して洗剤組成物に加えられるか、又は洗剤組成物に加えられる水性物質の代わりとして洗剤組成物に与えられてよい。例えば、洗剤組成物に加えられる物質の多くは、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属重炭酸塩成分との反応に利用できる水を含む。この検討のために、含水量の基準とは、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属重炭酸塩成分との反応に利用できる水の存在をいう。好ましくは、水は洗剤組成物中に導入され、固化前に望ましい粘度を有する洗剤組成物を与え、固化の望ましい速度を与える。
【0059】
固形洗剤組成物は、好ましくは、約10重量%〜約80重量%のアルカリ金属炭酸塩、約1重量%〜約40重量%のアルカリ金属重炭酸塩、及び少なくとも炭酸塩の一水和物及び重炭酸塩の一水和物を提供するのに十分な水を含む組成物を提供することにより、調製される。
【0060】

固形洗剤組成物は水を含むことができる。通常、水は加工助剤として存在し、そして除去されるか、水和の水になることができると分かる。水は固形組成物中に存在してよいことが分かる。固形組成物では、水は、約0重量%〜約10重量%、約0.1重量%〜約10重量%、約1重量%〜約5重量%、及び約2重量%〜約3重量%の範囲で存在してよい。また、別の固形組成物では、水が約25重量%〜約35重量%、約27重量%〜約33重量%、及び29重量%〜約31重量%の範囲で存在するものであると分かる。さらに明白なことだが、水は脱イオン水として又は軟水として与えられてよい。
【0061】
固形組成物を形成するのに使用される成分は、結合剤の水和物若しくは水和形態、他の含有物のいずれかの水和物若しくは水和形態、及び/又は処理中の助剤として加えられた水媒体として水を含むことができる。水媒体は、処理に望ましい粘度を有する成分を与えるのに役立つものであると分かる。さらに、水媒体は、固体状の濃縮物を形成するべきものであるときは固化処理に役立つことが分かる。濃縮物が固体として与えられるとき、ブロック又はペレットの形態で与えられることがある。ブロックは、少なくとも約5gの大きさを有するであろうし、約50gを超える大きさを包含できると分かる。濃縮物は約1重量%〜約50重量%、及び約2重量%〜約40重量%の量で水を含むであろうことが分かる。
【0062】
処理されて濃縮物を形成する成分を処理してブロックにするとき、押し出し成形技術又はキャスト技術により成分を処理できることが分かる。一般に、成分を押し出し成形技術によって処理するとき、組成物はキャスト技術よりも処理用助剤として比較的少量の水を含むことができると分かる。一般に、押し出し成形によって固体を調製するとき、組成物は約2重量%〜約10重量%の水を含むことができると分かる。キャストにより固体を調製するとき、水の量は約20重量%〜約40重量%の量で与えられることが分かる。
【0063】
水質調整剤
水質調整剤とは、洗剤ビルダー及び/又はキレート化剤をいうことがあり、一般に洗浄性及びキレート性を提供する。典型的な洗剤ビルダーとしては、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、でんぷん、糖類、プロピレングリコールなどのC1〜C10アルキレングリコールなどが挙げられる。典型的なキレート化剤としては、リン酸塩、ホスホネート、及びアミノ−カルボネートが挙げられる。典型的なリン酸塩としては、オルトリン酸ナトリウム、オルトリン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム(STPP)、及びヘキサメタリン酸ナトリウムが挙げられる。典型的なホスホネートとしては、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸CH3C(OH)[PO(OH)22、アミノトリ(メチレンホスホン酸)N[CH2PO(OH)23、アミノトリ(メチレンホスホネート)、2−ヒドロキシエチルイミノビス(メチレンホスホン酸)HOCH2CH2N[CH2PO(OH)22、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)(HO)2POCH2N[CH2CH2N[CH2PO(OH)22-2、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホネート)、ナトリウム塩C9(28-X)3Nax155(x=7)、ヘキサメチレンジアミン(テトラメチレンホスホネート)、カリウム塩C10(28-X)2x124(x=6)、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン(ペンタメチレンホスホン酸)(HO2)POCH2N[(CH26N[CH2PO(OH)22-2、及びリン酸H3PO3が挙げられる。典型的なアミノ−カルボネートとしては、N−ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、N−ヒドロキシエチル−エチレンジアミン三酢酸(DTPA)などの、アミノカルボン酸が挙げられる。
【0064】
好ましくは、水質調整剤は、使用時に、約1重量%〜約50重量%、好ましくは約3重量%〜35重量%の量で提供される。
【0065】
酵素
本発明によって使用され得る酵素としては、基材からタンパク質系、炭水化物系、又はトリグリセリド系染料を除去するのに望ましい活性を与える酵素であり;洗浄、脱色、並びに医療及び歯科機器、デバイス、及び装置用つけおき洗剤などの、殺菌つけおき洗剤;皿類、調理製品、及び食卓製品用つけおき洗剤;又は肉切り装置用つけおき洗剤;機械製品洗浄のために;洗濯及びテキスタイル洗浄及び脱色のために;カーペット洗浄及び脱色のために;現場洗浄及び現場脱色のために;食品加工表面及び装置を洗浄及び脱色するために;配水管洗浄;洗浄用つけおき洗剤;などのために使われる。本願発明に限定されるものではないが、固形洗剤組成物に適した酵素は、機器又はデバイスに接触した1つ以上の種類の汚染残留物を分解又は変質することによって作用することができ、したがって、汚物を除去するか、汚物を界面活性剤又は洗浄組成物の他の成分によって更に除去しやすくする。汚染残留物の分解及び変質の双方は、洗浄されている機器又はデバイスに汚物を結合する物理化学力を抑えることにより、洗浄力を向上させることができ、すなわち汚物は、より水溶性になる。例えば、1個以上のプロテアーゼは、汚染残留物に存在する複合体、高分子タンパク質構造体を開裂して、それら自体で、表面からより容易に脱離し、可溶化し、さもなければ前記プロテアーゼを含む洗剤溶液によって更に容易に除去される単純な短鎖分子にすることができる。
【0066】
適切な酵素としては、野菜、動物、細菌、菌若しくは酵母源などの、任意の適切な出発原料の、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、グルコナーゼ、セルラーゼ、ペルオキシダーゼ、又はこれらの混合物が挙げられる。好ましい選択は、pH活性及び/又は安定性最適条件、熱安定性、並びに洗剤、ビルダーなどを活性化するための安定性などの、要因によって左右される。この点において、細菌性又は菌体酵素が好ましく、細菌性アミラーゼ及びプロテアーゼ、及び菌体セルラーゼなどである。好ましくは、酵素はプロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、又はそれらの組み合わせである。
【0067】
「洗剤酵素(Detersive enzyme)」は、本明細書では、洗浄、脱色、さもなければ医療又は歯科機器、デバイス、若しくは装置などの機器、デバイス、若しくは装置のための;又は洗濯物、テキスタイル、製品洗浄、現場洗浄、配管、カーペット、肉切り用具、硬表面、個人医療などのための、固形洗剤組成物の成分としての有利な効果を有する酵素を意味する。好ましい洗剤酵素としては、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、又はそれらの組み合わせなどの、加水分解酵素が挙げられる。医療若しくは歯科デバイス又は機器を洗浄するための固形洗剤組成物に好ましい酵素としては、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、又はそれらの組み合わせが挙げられる。食品表面処理及び装置のための固形洗剤組成物に好ましい酵素としては、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、グルコナーゼ、又はそれらの組み合わせが挙げられる。洗濯物又はテキスタイル用固形洗剤組成物に好ましい酵素としては、プロテアーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、ペルオキシダーゼ、又はそれらの組み合わせが挙げられる。カーペット用固形洗剤組成物に好ましい酵素としては、プロテアーゼ、アミラーゼ、又はそれらの組み合わせが挙げられる。肉切り用具用固形洗剤組成物に好ましい酵素としては、プロテアーゼ、リパーゼ、又はそれらの組み合わせが挙げられる。硬表面用固形洗剤組成物に好ましい酵素としては、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、又はそれらの組み合わせが挙げられる。配管用固形洗剤組成物に好ましい酵素としては、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0068】
酵素は、洗浄又はつけおき洗浄工程中に有効な洗浄を生み出すほどの量で本発明による固形洗剤組成物中に普通に含有させる。洗浄に有効な量とは、清潔な、衛生的な、そして好ましくは腐食の無い外観を、特に医療若しくは歯科デバイス又は機器用の、洗浄された材料に与える量をいう。洗浄に有効な量とは、洗浄、染み抜き、汚物除去、漂白、脱臭、又は鮮度向上の効果を医療若しくは歯科デバイス又は機器などの基材上に与える量をいうこともある。それらの洗浄効果は、固形洗剤組成物の約0.1重量%と同程度に低い量の酵素で達成され得る。本願発明の洗浄組成物では、典型的には、適切な洗浄は、酵素が約1〜約30重量%;好ましくは約2〜約15重量%;好ましくは約3〜約10重量%;好ましくは約4〜約8重量%;好ましくは約4、約5、約6、約7、又は約8重量%で存在するときに達成され得る。より高い酵素濃度が、非常に濃縮された洗浄又はつけおき洗剤配合物に典型的には望ましい。つけおき洗剤は、好ましくは、約1:500の希釈で、或いは、約2000〜約4000ppmの配合濃度で使用するために配合され、酵素の使用濃度を約20〜約40ppmにする。
【0069】
アルカリ性プロテアーゼなどの、工業用酵素は、液体又は乾燥形態で入手可能であり、原料水溶液として又は様々な精製された、処理された及び調合された形態で購入され、安定剤、バッファー、共同因子、不純物及び不活性ビヒクルとほぼ併用される、約2%〜約80重量%の活性酵素を含む。実際の活性酵素含有量は、製造方法によって決まり、重要ではなく;固形洗剤組成物が望ましい酵素活性を有することを前提としている。本発明の方法及び物で用いるのに選ばれる特定の酵素は、物理的な製品形態、使用pH、使用温度、及び分解又は改質されることになる汚物種などの、最終用途の条件に応じて決まる。酵素は、任意の所定の組の利用条件に最適な活性及び安定性を提供するように選択できる。
【0070】
好ましくは、本願発明の固形洗剤組成物は、少なくともプロテアーゼを含む。本発明の固形洗剤組成物は、驚くべきことに、タンパク質を消化して汚物除去を強化することについて使用組成物のプロテアーゼ活性を著しく安定化することがさらに分かった。さらに、改良されたプロテアーゼ活性は、アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、ペルオキシダーゼ、エンドグルカナーゼ酵素及びそれらの混合物、好ましくは、リパーゼ又はアミラーゼ酵素などの、1個以上の追加の酵素の存在下で起こり得る。
【0071】
酵素に関する価値のある参考文献は、「Industrial Enzymes」、Scott、D.著、「Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology」、第3版(編集者Grayson、M.及びEcKroth、D.)Vol.9、p.173−224、John Wiley&Sons社、ニューヨーク、1980年、である。
【0072】
プロテアーゼ
本願発明の固形洗剤組成物に適したプロテアーゼは、食物、動物、又は微生物に由来し得る。好ましくは、プロテアーゼは、酵母、かび、又は細菌などの、微生物に由来する。好ましいプロテアーゼとしては、アルカリ性pHで活性なセリンプロテアーゼが挙げられ、好ましくは、枯草菌(Bacillus subtilis)又はリケニホルミス菌(Bacillus licheniformis)などのバチルス(Bacillus)の菌株に由来し;これらの好ましいプロテアーゼは、天然及び組み換え型サブチリシンを含む。プロテアーゼは、生成されるか、あるいは微生物抽出物、及び野生型又は変異体のいずれか(化学若しくは組み換え型のいずれか)の成分でよい。好ましいプロテアーゼは、金属キレート化剤(金属イオン封鎖剤)若しくはチオール毒物によって阻害されることも金属イオン若しくは還元剤によって活性化されることもなく、広範な基質選択性を有し、ジイソプロピルフルオロリン酸塩(DFP)によって阻害され、エンドペプチダーゼであり、約20,000〜約40,000の分子量を有し、そして約6〜約12のpHで及び約20℃〜約80℃の温度で活性である。
【0073】
本発明の固形洗剤組成物に利用できるタンパク質分解酵素の例としては、(商標名によると)サビナーゼ(Savinase)(商標);マクサカル(Maxacal)(商標)、オプチクリーン(Opticlean)(商標)、デュラザイム(Durazym)(商標)、及びプロペラーゼ(Properase)(商標)などの、バチルス・レンタス(Bacillus lentus)種由来のプロテアーゼ;アルカラーゼ(Alcalase)(商標)、マクサターゼ(Maxatase)(商標)、ディターザイム(Deterzyme)(商標)、又はディターザイムPAG 510/220などのリケニホルミス菌(Bacillus licheniformis)由来のプロテアーゼ;プライマーゼ(Primase)(商標)などのバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)由来のプロテアーゼ;並びにディターザイム(Deterzyme)APYなどの、バチルス・アルカロフィルス(Bacillus alcalophilus)由来のプロテアーゼが挙げられる。好ましい入手できるプロテアーゼ酵素としては、ノボ・インダストリーズ(Novo Industries)社(デンマーク)による商標名アルカラーゼ(Alcalase)(商標)、サビナーゼ(Savinase)(商標)、プリマセット(Primaset)、デュラザイム(Durazym)(、若しくはエスペラーゼ(Esperase)(商標))で購入されるもの;ギストブロカデス(Gist−Brocades)社(オランダ)による商標名マクサターゼ(Maxatase)(商標)、マクサカル(Maxacal)(商標)、又はマクサペム(Maxapem)(商標)で購入されるもの;ジュネンコア・インターナショナル(Genencor International)社による商標名ピュラフェクト(Purafect)(商標)、ピュラフェクト(Purafect)OX、及びプロパーゼ(Properase)で購入されるもの;ソルベイ・エンザイムズ(Solvay Enzymes)社による商標名オプチクリーン(Opticlean)(商標)若しくはオプチマーゼ(Optimase)(商標)で購入されるもの;ディアーランド((Deerland))社による商標名ディターザイム(Deterzyme)(商標)、ディターザイムAPY、及びディターザイムPAG 510/220で購入されるものなどが挙げられる。
【0074】
それらのプロテアーゼの混合物も使用できる。例えば、ピュラフェクトは、約30℃〜約65℃の低温洗浄目的の本発明の洗剤組成物を用いる好ましいアルカリ性プロテアーゼ(スブチリシン)であり;一方、エスペラーゼ(Esperase)(商標)は、約50℃〜約85℃の高温洗浄溶液に好んで使われるアルカリ性プロテアーゼである。
【0075】
適切な洗剤プロテアーゼは:ノボ社のドイツ第1,243,784号、国際公開第9203529号パンフレット(酵素/阻害剤系)、国際公開第9318140号パンフレット、及び国際公開第9425583号パンフレット(組み換え型トリプシン状プロテアーゼ);プロクター・アンド・ギャンブル(Procter&Gamble)社の国際公開第9510591号パンフレット、国際公開第9507791号パンフレット(吸着が減少して加水分解が増加したプロテアーゼ)、国際公開第95/30010号パンフレット、国際公開第95/30011号パンフレット、国際公開第95/29979号パンフレット;ジェネンコア・インターナショナル社の国際公開第95/10615号パンフレット(バチルス・アミロリケファシエンス・スブチリシン);欧州特許出願公開第130,756号明細書(プロテアーゼA);欧州特許出願公開第303,761号明細書(プロテアーゼB);並びに欧州特許出願公開第130,756号明細書などの、特許公報に記述されている。本願の固形洗剤組成物に利用される変異プロテアーゼは、好ましくは、これらの参考文献のプロテアーゼのアミノ酸配列を備えた、好ましくは、少なくとも80%配列同一性を有する、少なくとも80%の相同体である。
【0076】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の組成物に存在する工業用アルカリ性プロテアーゼの量は、約1〜約30重量%;好ましくは、約2〜約15重量%;好ましくは、約3〜約10重量%;好ましくは、約4〜約8重量%;好ましくは、約4、約5、約6、約7、又は約8重量%の範囲である。典型的な入手可能な洗剤酵素は、約5〜10%の活性酵素を含む。
【0077】
必要な工業用アルカリ性プロテアーゼの重量%を定めることは、本願の教示からなる実施形態を製造するには実用的であるが、工業用プロテアーゼ濃縮物の差異並びにプロテアーゼ活性におけるin−situ環境の追加的な及び悪い影響は、酵素活性を定量化して汚染残留物除去能に対する及び好ましい固体の実施形態内の酵素安定性に対する及び使用希釈溶液に対する相関関係を明確にするために、プロテアーゼ分析に更に観察力のある分析技術を要求する。本願発明で用いるプロテアーゼの活性は、活性単位、より具体的には、周知のアゾカゼイン分析活性単位であるキロノボ(Kilo−Novo)プロテアーゼ単位(KNPU)として、容易に表される。アゾカゼイン分析手順のより詳しい説明は、刊行物の表題「The Use of Azoalbumin as a Substrate in the Colorimetric Determination of Peptic and Tryptic Activity」、Tomarelli,R.M.、Charney,J.、及びHarding,M.L.、「J.Lab.Clin.Chem.」34、428(1949年)で確認できる。
【0078】
本願発明の好ましい実施形態では、使用溶液に存在するプロテアーゼの活性は、約1倍の10-5KNPU/gm溶液〜約4倍の10-3KNPU/gm溶液である。
【0079】
当然、異なるタンパク質分解酵素の混合物を本発明中に入れてよい。様々な具体的な酵素が上記で説明されたが、当然のことながら、望ましいタンパク質分解活性能を組成物に付与できる任意のプロテアーゼを使用してよく、本発明のこの実施形態はタンパク質分解酵素の具体的な選択によって何らかの限定を受けることはない。
【0080】
アミラーゼ
本願発明の固形洗剤組成物に適したアミラーゼは、植物、動物、又は微生物に由来し得る。好ましくは、アミラーゼは、酵母、かび、又は細菌などの、微生物に由来する。好ましいアミラーゼとしては、リケニホルミス菌(B. licheniformis)、バチルス・アミロリケファシエンス(B. amyloliquefaciens)、枯草菌(B. subtilis)、又はバチルス・ステアロサーモフィルス(B. stearothermophilus)などの、バチルス由来のものが挙げられる。アミラーゼは精製されるか、あるいは微生物抽出物、及び野生型又は変異体のいずれか(化学若しくは組み換え型のいずれか)、好ましくは、野生型アミラーゼよりも洗浄又はつけおき洗剤条件下で安定な変異体の成分でよい。
【0081】
本発明の固形洗剤組成物に利用できるアミラーゼ酵素の例としては、ギストブロカデス(商標)(オランダ)による商標名ラピダーゼ(Rapidase)で購入されるもの;ノボ社による商標名テルマニル(Termanyl)(商標)、ファンガミル(Fungamyl)(商標)又はデュラミル(Duramyl)(商標)で購入されるもの;ジュネンコア社による商標名プラスター(Purastar)STL又はプラスターOXAMで購入されるもの;ディアーランド(Deerland)社によるサーモザイム(Thermozyme)(商標)L340又はディターザイム(Deterzyme)(商標)PAG 510/220の商標名で購入されるもの;などが挙げられる。好ましい入手できるアミラーゼ酵素としては、ノボ社による商標名デュラミル(Duramyl)(商標)で購入される安定性改良変異体アミラーゼが挙げられる。アミラーゼの混合物を使用することもできる。
【0082】
本願発明の固形洗剤組成物に、好ましくは製品洗浄に適したアミラーゼとしては:ノボ社の国際公開第95/26397号パンフレット、国際出願第PCT/DK96/00056号、及びドイツ特許第1,296,839号に記述されたI−アミラーゼ;並びに「J. Biol. Chem.」、260(11):6518−6521(1985年)に記述された安定性改良アミラーゼ;ノボ社の国際公開第9510603号パンフレット、国際公開第9509909号パンフレット及び国際公開第9402597号パンフレット;国際公開第9402597号パンフレットに開示された参考文献;並びにジュネンコア・インターナショナル社の国際公開第9418314号パンフレットのものが挙げられる。安定化酵素を含む本願の固形洗剤組成物に利用される変異体I−アミラーゼは、好ましくは、これらの参考文献のタンパク質のアミノ酸配列を備えた、好ましくは、少なくとも80%配列同一性を有する、少なくとも80%の相同体である。
【0083】
本願発明の固形洗剤組成物で用いる好ましいアミラーゼは、ターマミル(Termamyl)(商標)などの、特定のアミラーゼよりも向上した安定性を有する。向上した安定性とは、それぞれターマミル(Termamyl)(商標)などの、適切な対照アミラーゼを比べたときに:例えばpH9〜10の過酸化水素/テトラアセチルエチレンジアミン緩衝溶液に対する、酸化安定性;例えば約60℃などの共通の洗濯温度での、熱安定性;及び/又は例えば約8〜約11のpHでの、アルカリ性安定性;の1個以上のについて重要な又は計測可能な向上をいう。安定性は、公知の方法により測定され得る。本願発明の固形洗剤組成物で用いる好ましい向上した安定性アミラーゼは、25℃〜55℃の温度及び約8〜約10のpHでターマミル(Termamyl)(商標)の比活性度より少なくとも25%高い比活性度を有する。そのような比較のためのアミラーゼ活性は、公知の分析法により計測され、及び/又はファデバス(Phadebas)(商標)I−アミラーゼ分析などのように、市販されている。
【0084】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の組成物に存在している工業用アミラーゼの量は、工業用酵素製品の、約1〜約30重量%;好ましくは、約2〜約15重量%;好ましくは、約3〜約10重量%;好ましくは、約4〜約8重量%;好ましくは、約4、約5、約6、約7、又は約8重量%である。典型的な市販されている洗剤酵素は、約0.25〜5%の活性アミラーゼを含む。
【0085】
必要なアミラーゼの重量%を定めることは、本願の教示からなる実施形態を製造するには実用的であるが、工業用アミラーゼ濃縮物の差異並びにアミラーゼ活性におけるin−situ環境の追加的な及び悪い影響は、酵素活性を定量化して汚染残留物除去性能に対する及び好ましい実施形態内の酵素安定性に対する及び使用希釈溶液に対する相関関係を明確にするために、アミラーゼ分析に更に観察力のある分析技術を要求する。本願発明で用いるアミラーゼの活性を、公知の単位で、又は公知の及び/若しくはファデバス(Phadebas)(商標)I−アミラーゼ分析などのように、市販されている、アミラーゼ分析によって表すことができる。
【0086】
当然、異なるアミラーゼ酵素の混合物を本発明中に入れてよい。様々な具体的な酵素が上記で説明されたが、当然のことながら、望ましいアミラーゼ活性を組成物に付与できる任意のアミラーゼを使用してよく、本発明のこの実施形態はアミラーゼ酵素の具体的な選択によって何らかの限定を受けることはない。
【0087】
セルラーゼ
本願発明の固形洗剤組成物に適したセルラーゼは、植物、動物、又は微生物に由来し得る。好ましくは、セルラーゼは菌類又は細菌などの、微生物に由来する。好ましいセルラーゼとしては、フミコラ・インソレンス(Humicola insolens)、フミコラ(Humicola)真菌DSM 1800などの、真菌、又はアエロモナス(Aeromonas)属に属しているセルラーゼ212を生産する真菌及び海産軟体動物(Dolabella Auricula Solander)の肝膵臓から抽出されるものが挙げられる。セルラーゼは精製されるか、あるいは抽出物、及び野生型又は変異体のいずれか(化学若しくは組み換え型のいずれか)の成分でよい。
【0088】
本発明の固形洗剤組成物に利用できるセルラーゼ酵素の例としては、ノボ(Novo)社による商標名ケアザイム(Carezyme)(商標)又はセルザイム(Celluzym)(商標);ジュネンコア(Genenc又は)社による商標名セルラーゼ(Cellulase);ディアーランド(Deerland)社による商標名ディアーランド(Deerland)セルラーゼ4000又はディアーランド(Deerland)セルラーゼTR;などで購入されるものが挙げられる。セルラーゼの混合物も利用できる。適切なセルラーゼは:ノボ(Novo)社の米国特許第4,435,307号、ドイツ特許公開第2.075.028号、ドイツ特許公開第2.095.275号、ドイツ特許第OS−2.247.832号、国際公開第9117243号パンフレット、及び国際公開第9414951号パンフレット(安定化セルラーゼ)などの、特許文献に記述されている。
【0089】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の組成物に存在している工業用セルラーゼの量は、工業用酵素製品の約1〜約30重量%;好ましくは、約2〜約15重量%;好ましくは、約3〜約10重量%;好ましくは、約4〜約8重量%;好ましくは、約4、約5、約6、約7、又は約8重量%である。典型的な市販の洗剤酵素は、約5〜10%の活性酵素を含む。
【0090】
必要なセルラーゼの重量%を定めることは、本願の教示からなる実施形態を製造するには実用的であるが、工業用セルラーゼ濃縮物の差異並びにセルラーゼ活性におけるin−situ環境の追加的な及び悪い影響は、酵素活性を定量化して汚染残留物除去性能に対する及び好ましい実施形態内の酵素安定性に対する及び使用希釈溶液に対する相関関係を明確にするために、セルラーゼ分析に更に観察力のある分析技術を要求するであろう。本願発明で用いるセルラーゼの活性を、公知の単位で、又は公知の及び/若しくは市販されている、セルラーゼ分析によって表すことができる。
【0091】
当然、異なるセルラーゼ酵素の混合物を本発明中に入れてよい。様々な具体的な酵素が上記で説明されたが、当然のことながら、望ましいセルラーゼ活性を組成物に付与できる任意のセルラーゼを使用してよく、本発明のこの実施形態はセルラーゼ酵素の具体的な選択によって何らかの限定を受けることはない。
【0092】
リパーゼ
本願発明の固形洗剤組成物に適したリパーゼは、植物、動物、又は微生物に由来し得る。好ましくは、リパーゼは、真菌又は細菌などの、微生物に由来する。好ましいリパーゼとしては、(典型的には、アスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)で組み替え技術により製造された)シュードモナス・スツッツェリ(Pseudomonas stutzeri)ATCC19.154などの、シュードモナス(Pseudomonas)又はフミコーラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)などの、フミコーラ(Humicola)に由来するものが挙げられる。リパーゼは精製されるか、あるいは抽出物、及び野生型又は変異体のいずれか(化学若しくは組み換え型のいずれか)の成分でよい。
【0093】
本発明の固形洗剤組成物に利用できるリパーゼ酵素の例としては、天野製薬社(名古屋、日本)による商標名リパーゼP「アマノ(Amano)」若しくは「アマノ(Amano)−P」又はノボ(Novo)社による商標名リポラーゼ(Lipolase)(商標)で購入できるもの等が挙げられる。本願組成物に利用できる他の入手できるリパーゼとしては、アマノ(Amano)−CES、クロモバクター・ビスコサム(Chromobacter viscosum)由来のリパーゼ、例えば、東京醸造(Toyo Jozo)社(タガタ(Tagata)、日本)製クロモバクター・ビスコサム(Chromobacter viscosum)学名リポリティカム(lipolyticum)NRRLB 3673;U.S.バイオケミカル(U.S.Biochemical)社、米国及びディソインス(Disoynth)社製クロモバクター・ビスコサム(Chromobacter viscosum)リパーゼ、及びシュードモナス・グラディオリ(Pseudomonas gladiori)又はフミコーラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)由来のリパーゼが挙げられる。好ましいリパーゼは、ノボ(Novo)社の商標名リポラーゼ(Lipolase)(商標)として購入される。
【0094】
適切なリパーゼは次の特許文献:ノボ(Novo)社の国際公開第9414951号パンフレット(安定化リパーゼ)、天野製薬社の国際公開第9205249号パンフレット、リサーチディスクロージャー第94359044号、ドイツ特許第1,372,034号、日本特許出願第53,20487号(公開日1978年2月24日)、及び欧州特許第341,947号に記述されている。
【0095】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の組成物に存在している工業用リパーゼの量は、工業用酵素製品の約1〜約30重量%;好ましくは、約2〜約15重量%;好ましくは、約3〜約10重量%;好ましくは、約4〜約8重量%;好ましくは、約4、約5、約6、約7、又は約8重量%である。典型的な入手できる洗剤酵素は、約5〜10%の活性酵素を含む。
【0096】
必要なリパーゼの重量%を定めることは、本願の教示からなる実施形態を製造するには実用的であるが、工業用リパーゼ濃縮物の差異並びにリパーゼ活性におけるin−situ環境の追加的な及び悪い影響は、酵素活性を定量化して汚染残留物除去性能に対する及び好ましい実施形態内の酵素安定性に対する及び使用希釈溶液に対する相関関係を明確にするために、リパーゼ分析に更に観察力のある分析技術を要求するであろう。本願発明で用いるリパーゼの活性を、公知の単位で、又は公知の及び/若しくは市販されている、リパーゼ分析によって表すことができる。
【0097】
当然、異なるリパーゼ酵素の混合物を本発明中に入れてよい。様々な具体的な酵素が上記で説明されたが、当然のことながら、望ましいリパーゼ活性を組成物に付与できる任意のリパーゼを使用してよく、本発明のこの実施形態はリパーゼ酵素の具体的な選択によって何らかの限定を受けることはない。
【0098】
追加酵素
本願固形洗剤組成物で用いるのに適した追加酵素としては、クチナーゼ、ペルオキシダーゼ、グルコナーゼなどが挙げられる。適切なクチナーゼ酵素は、ジュネンコア(Genenc又は)社の国際公開第8809367号パンフレットに記述されている。既知のペルオキシダーゼとしては、セイヨウワサビ・ペルオキシダーゼ、リグニナーゼ、及びクロロ−又はブロモ−ペルオキシダーゼなどのハロペルオキシダーゼが挙げられる。固形洗剤組成物に適したペルオキシダーゼは、ノボ(Novo)社の国際公開第89099813号パンフレット及び国際公開第8909813号パンフレットに記述されている。ペルオキシダーゼ酵素は、酸素源、例えば、過炭酸塩、過炭酸塩、過酸化水素などと併用できる。本願固形洗剤組成物への取り込みに適した追加酵素は、ジュネンコア・インターナショナル(Genencor International)社の国際公開第9307263号パンフレット及び国際公開第9307260号パンフレット、ノボ(Novo)社の国際公開第8908694号パンフレット、並びにMcCartyらの米国特許第3,553,139号、Placeらの米国特許第4,101,457号、Hughesの米国特許第4,507,219号及びHoraらの米国特許第4,261,868号に開示されている。
【0099】
クチナーゼ又はペルオキシダーゼなどの、本願発明の固形洗剤組成物に適した、追加酵素は、植物、動物、又は微生物に由来し得る。好ましくは、酵素は微生物に由来する。
酵素は精製されるか、あるいは抽出物、及び野生型又は変異体のいずれか(化学若しくは組み換え型のいずれか)の成分でよい。本発明の好ましい実施形態では、本発明の組成物に存在している、クチナーゼ又はペルオキシダーゼなどの、工業用追加酵素の量は、工業用酵素製品の約1〜約30重量%、好ましくは、約2〜約15重量%、好ましくは、約3〜約10重量%、好ましくは、約4〜約8重量%である。典型的な入手できる洗剤酵素は約5〜10%の活性酵素を含む。
【0100】
必要とされる、クチナーゼ又はペルオキシダーゼなどの、追加酵素の重量%を定めることは、本願の教示からなる実施形態を製造するには実用的であるが、工業用追加酵素濃縮物の差異並びにそれらの活性におけるin−situ環境の追加的な及び悪い影響は、酵素活性を定量化して汚染残留物除去性能に対する及び好ましい実施形態内の酵素安定性に対する及び使用希釈溶液に対する相関関係を明確にするために、追加酵素分析に更に観察力のある分析技術を要求するであろう。本願発明で用いる、クチナーゼ又はペルオキシダーゼなどの、追加酵素の活性を、公知の単位で、又は公知の及び/若しくは市販されている、追加酵素分析によって表すことができる。
【0101】
当然、異なる追加酵素の混合物を本発明中に入れてよい。様々な具体的な酵素が上記で説明されたが、当然のことながら、望ましい追加酵素活性を組成物に付与できる任意の追加酵素を使用してよく、本発明のこの実施形態は酵素の具体的な選択によって何らかの限定を受けることはない。
【0102】
酵素安定化系
本願発明の酵素安定化系は、炭酸塩及び重炭酸塩の混合物を含む。酵素安定化系は、他の成分を含み、特定の酵素を安定化するか、又は炭酸塩及び重炭酸塩の混合物の効果を強化若しくは維持することもできる。
【0103】
特定の洗浄組成物、例えば医療又は歯科機器若しくは装置の固形洗剤組成物の安定化系は、0〜約10%、好ましくは約0.01%〜約6重量%の塩素漂白剤スカベンジャーをさらに含んでよく、多くの給水に存在している塩素漂白種が特にアルカリ性条件下で酵素を攻撃及び不活性化するのを防ぐために加えられる。水の塩素濃度は、典型的には約0.5ppm〜約1.75ppmの範囲で、小さくてよいが、例えば製品洗浄中に、酵素と接触する水の全量中の適切な塩素は、比較的大きくなり得るので;それ故に、使用時の塩素に対する酵素安定性は問題となることがある。塩素漂白剤と反応する能力を有する過炭酸塩又は過炭酸塩は、安定化系とは別々に占められた量の特定の即時組成物に存在してよいから、塩素に対する追加の安定化剤の使用は、最も一般的には、必須ではないが、それらの使用から向上した結果を得てもよい。
【0104】
適切な塩素スカベンジャーアニオンは、周知であり、容易に入手でき、使用されるなら、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、チオ亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヨウ化物などともにアンモニウムカチオンを含む塩であることができる。カルバミン酸塩、アスコルビン酸塩などの抗酸化剤、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)又はそのアルカリ金属塩、モノエタノールアミン(MEA)などの有機アミン、及びそれらの混合物は、同様に使用され得る。同様に、異なる酵素が最大適合性を有するように、特別な酵素阻害系を含有させてよい。重硫酸塩、硝酸塩、塩化物、過炭酸ナトリウム四水和物、過炭酸塩ナトリウム一水和物及び過炭酸ナトリウムなどの過酸化水素源、並びにリン酸塩、濃縮リン酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、ギ酸塩、乳酸塩、りんご酸塩、酒石酸塩、サリチル酸塩など、並びにこれらの混合物などの、他の実用的なスカベンジャーを所望により使用できる。
【0105】
一般に、塩素スカベンジャー作用は、より分かりやすい作用の名目で別々に記述されている含有物により実行されることがあるから、望ましい範囲の作用を起こしている化合物が本発明の酵素含有実施形態にない場合を除いて個別の塩素スカベンジャーを加える必要はなく;その場合にも、スカベンジャーは最適な結果のためにのみ加えられる。さらに、発案者は、配合されたとき、他の反応成分と許容できないほどに相容れない任意の酵素スカベンジャー又は安定剤の使用を避けるのに、化学者の通常の技能を発揮するであろう。アンモニウム塩の使用に関して、それらの塩を固形洗剤組成物と単純に混ぜることもできるが、貯蔵中に水を吸着させる及び/又はアンモニアを放出する傾向にある。それ故に、それらの物質は、存在する場合には、Baginskiらの米国特許第4,652,392号に記述されているものなどの粒子中に保護されるのが望ましい。
【0106】
殺菌剤
殺菌剤、別名として抗菌剤は、固形ブロック機能性物質に使用して工業用製品材料システム、表面などの微生物汚染及び劣化を防ぐことができる化学成分である。一般に、これらの物質は、フェノール性物質、ハロゲン化合物、四級アンモニウム化合物、金属誘導体、アミン、アルカノールアミン、ニトロ誘導体、アナライド(analides)、有機硫黄及び硫黄−窒素化合物並びに混合物などの特定の種類に含まれる。化学組成及び濃度によって決まる所定の抗菌剤は、複数の微生物のさらなる増殖を単純に制限するか、又は微生物個体群の全部又はかなり大きな割合を破壊するであろう。典型的には、用語「微生物(microbes)」及び「微生物(microorganism)」とは、主として細菌性及び真菌性微生物をいう。使用時には、抗菌剤は、水流を用いて希釈及び分配されるときに各種の表面と接触できる水性殺菌剤又は殺菌剤組成物を形成する固形機能性物質状に形成され、かなり大きな割合の微生物個体群の成長を妨げる又は殺す。微生物個体群の5倍減数分裂が殺菌剤組成物を生む。共通の抗菌剤としては、ペンタクロロフェノール、オルトフェニルフェノールなどのフェノール性抗微生物剤が挙げられる。ハロゲン含有抗菌剤としては、ナトリウムトリクロロイソシナヌレート、ナトリウムジクロロイソシアヌレート(無水物又は二水和物)、ヨウ素−ポリ(ビニルピロリジノネン)錯体、塩化ベンズアルコニウム、塩化セチルピリジニウムなどの2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール四級抗菌剤のような臭素化合物、ヘキサヒドロ−l,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−s−トリアジンなどのアミン及びニトロ含有抗菌剤組成物、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウムなどのジチオカルバミン酸塩、並びにそれらの微生物性について当技術分野で既知の各種の他の物質が挙げられる。殺菌剤をカプセル化して、安定性を向上させ、及び/又は固形洗剤組成物中の他の物質との反応性を減少させてよい。
【0107】
洗い流し剤機能性物質
本発明の機能性物質は、本発明の水和錯体を用いて作られた固形ブロック中の他の任意の成分と合わせられた湿潤又はシート助剤を含む、処方された洗い流し剤組成物を含むことができる。本発明のキャスト固体洗い流し剤の洗い流し成分は、洗い流しが製品洗浄処理で完了した後、洗い流し水の表面張力を下げてシート作用を促進し、玉のような水によって生じる染み又は縞を防ぐことができる水溶性又は分散性低発泡有機物質である。そのようなシート剤は、典型的には、特徴的な曇り点を有する有機界面活性剤状物質である。界面活性剤洗い流し又はシート剤の曇り点は、界面活性剤の1重量%水溶液が温められて曇る温度として定義される。工業用製品洗濯機には2つの一般的な種類の洗い流しサイクルがあるから、殺菌洗い流しサイクルと通常見なされる第一種は、約1800F、約80℃以上の温度で洗い流し水を用いる。第二種の非殺菌機械は、典型的には、約1250F、約50℃以上の温度で低温非殺菌洗い流しを用いる。これらの用途に有用な界面活性剤は、適切な給湯より大きな曇り点を有する洗い流し水である。それ故に、本発明の界面活性剤について測定された最低使用曇り点は約40℃である。曇り点は60℃以上、70℃以上、80℃以上などでもよく、使用場所の温水温度並びに洗い流しサイクルの温度及び種類によって決まる。好ましいシート剤は、典型的にはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、或いはホモポリマー又はブロック若しくはヘテリック(heteric)コポリマー構造体の混合物から調製されたポリエーテル化物を含む。そのようなポリエーテル化合物は、ポリアルキレンオキシドポリマー、ポリオキシアルキレンポリマー又はポリアルキレングリコールポリマーとして知られる。そのようなシート剤は、界面活性能を分子に与える反応性疎水領域及び反応性親水領域を必要とする。そのようなシート剤は約500〜15,000の分子量を有する。特定の種類の(PO)(EO)ポリマー性洗い流し剤は、ポリマー分子内にポリ(PO)の少なくとも1つのブロック及びポリ(EO)の少なくとも1つのブロックを含むので有用であると分かった。ポリ(EO)、ポリPO又はランダム重合領域の追加ブロックを分子中に形成できる。特に有用なポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロックコポリマーは、ポリオキシプロピレン単位のセンターブロック及びセンターブロックの両側のポリオキシエチレン単位のブロックを含むものである。そのようなポリマーは、下記式:(EO)n−(PO)m−(EO)n(式中、mは20〜60の整数であり、両末端は独立して10〜130の整数である)を有する。別の有用なブロックコポリマーは、ポリオキシエチレン単位のセンターブロック及びセンターブロックの両側のポリオキシプロピレンのブロックを有するブロックコポリマーである。そのようなコポリマーは、式:(PO)n−(EO)m−(PO)n(式中、mは15〜175の整数であり、両末端は独立して約10〜30の整数である)を有する。本発明の固体機能性物質は、主に溶解度向上剤を用いて、シート又は湿潤剤の溶解度を維持するのに役立つことができる。可溶化剤を使用して、有機物質の増加した溶解度を作り出している水溶液を改良できる。好ましい可溶化剤は、スルホン酸キシレン及びジアルキルジフェニル酸化物のスルホネート物質などの低分子量芳香族スルホネート物質である。
【0108】
漂白剤
基材を蛍光漂白又は漂白するために固形洗剤組成物で用いる漂白剤としては、洗浄工程中に通常生まれる条件下で、Cl2、Br2、−OCl-及び/又は−OBr-などの、活性ハロゲン種を遊離できる漂白物質が挙げられる。本願固形洗剤組成物で用いる適切な漂白剤としては、例えば、塩素、次亜塩素酸塩、クロラミンなどの、塩素含有物質が挙げられる。好ましいハロゲン放出物質としては、アルカリ金属ジクロロイソシナヌレート、塩素化三ナトリウムリン酸塩、アルカリ金属次亜塩素酸塩、モノクロロアリン(monochlroarrine)及びジクロロアミンなどが挙げられる。カプセル化漂白源を使用して、組成物中の漂白源の安定性を強化してもよい(例えば、米国特許第4,618,914号及び第4,830,773号を参照のこと。その開示内容は参照により本明細書に援用される)。漂白剤は、テトラアセチルエチレンジアミンなどの活性剤の有無に関わらず、過酸化水素、過ホウ酸塩、炭酸ナトリウム過酸化水和物、リン酸塩過酸化水和物、過一硫酸カリウム、並びに過ホウ酸ナトリウム一及び四水和物などの、過酸素又は活性酸素源でもよい。固形洗剤組成物は、好ましくは約0.1〜10重量%、好ましくは約1〜6重量%の、少量でも有効な量の漂白剤を含んでよい。
【0109】
脱泡剤
泡の安定性を減らすために少量でも有効な量の脱泡剤が、本願固形洗剤組成物に含まれてもよい。好ましくは、固形洗剤組成物は、約0.0001〜5重量%の、好ましくは約0.01〜3重量%の脱泡剤を含む。
【0110】
本願組成物で用いるのに適した脱泡剤の例としては、ポリジメチルシロキサンに分散されたシリカなどのシリコーン化合物、脂肪アミド、炭化水素油、脂肪酸、脂肪エステル、脂肪アルコール、脂肪酸せっけん、エトキシレート、鉱油、ポリエチレングリコールエステル、リン酸モノステアリルなどのリン酸アルキル等が挙げられる。脱泡剤の説明は、例えば、Martinらの米国特許第3,048,548号、Brunelleらの米国特許第3,334,147号、及びRueらの米国特許第3,442,242号で得てもよく、その開示内容は参照により本明細書に援用される。
【0111】
抗再堆積剤
固形洗剤組成物は、使用溶液中の汚物の持続的な懸濁を促進し、除去された汚物が洗浄されている基材上に再堆積しないようにすることができる抗再堆積剤を含んでもよい。適切な抗再堆積剤の例としては、脂肪酸アミド、フッ化炭素界面活性剤、複合体リン酸エステル、スチレン無水マレイン酸コポリマー、及びヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体などが挙げられる。固形洗剤組成物は、約0.5〜10重量%、好ましくは約1〜5重量%の抗再堆積剤を含んでよい。
【0112】
光漂白剤
光漂白剤とは、蛍光漂白剤又は蛍光光沢剤ともいい、布帛基材の黄色がかった色に光学的補償を与える。蛍光漂白剤によって、黄変は、黄色の範囲に応じた部分に存在している蛍光漂白剤から放出された光と置き換わる。蛍光漂白剤によって供給された紫色〜青色の光は、その場所から反射された他の色と合わさって、実質的に完全な又は向上した鮮やかな白色の外観を生む。この追加の光は、蛍光による漂白剤で作られる。蛍光漂白剤は、紫外線域275〜400nmの光を吸収し、紫外寄りの青色スペクトル400〜500nmの光を放出する。
【0113】
蛍光漂白剤種に属する蛍光化合物は、典型的には、多くの場合に縮合環系を含む芳香族又は芳香族複素環式物質である。これらの化合物の重要な特徴は、芳香族環に関連する共役二重結合の連続鎖の存在である。そのような共役二重結合の数は、分子の置換基並びに複数の蛍光部分に左右される。ほとんどの漂白剤は、スチルベン又は4,4’−ジアミノスチルベンの誘導体、ビフェニル、5員複素環(トリアゾール、オキサゾール、イミダゾールなど)又は6員複素環(クマリン、ナフタルアミド、トリアジンなど)である。洗剤組成物で用いる蛍光漂白剤の選択は、洗剤の種類、洗剤組成物に存在する他の成分の性質、先浄水の温度、撹拌の程度、及び浴槽の大きさに対する洗浄される材料の比などの、複数の要因によって決まるであろう。漂白剤選択は、例えば綿、合成素材などの、洗浄されることになる材料の種類によっても決まる。ほとんどの洗濯洗剤製品は各種の布帛を洗浄するのに使われるから、洗剤組成物は、各種の布帛に有効な漂白剤の混合物を含むべきである。当然ながら、そのような漂白剤混合物の個別の成分に相溶性があることが必要である。
【0114】
本願発明に有用な蛍光漂白剤は、市販されていて、当業者には明白であろう。本願発明に有用となり得る工業用蛍光漂白剤は、サブグループに分類されることがあり、限定されるものではないが、スチルベンの誘導体、ピラゾリン、クマリン、カルボン酸、メチンシアニン、ジベンゾチオフェン−5,5−ジオキシド、アゾール、5及び6員複素環並びに他の様々な物質が挙げられる。これらの種類の漂白剤の例は、「The Production and Application of Fluorescent Brightening Agents」、M.Zahradnik、John Wiley&Sons発行、ニューヨーク(1982年)に開示されていて、その開示内容は参照により本明細書に援用される。
【0115】
本願発明に有用となり得るスチルベン誘導体としては、限定されるものではないが、ビス(トリアジニル)アミノ−スチルベンの誘導体;スチルベンのビスアシルアミノ誘導体;スチルベンのトリアゾール誘導体;スチルベンのオキサジアゾール誘導体;スチルベンのオキサゾール誘導体;及びスチルベンのスチリル誘導体が挙げられる。
【0116】
染料/着臭剤
様々な染料、香料を含む着臭剤、及び他の美観向上剤が、組成物に含まれてもよい。染料を含有させて組成物の外観を変えてもよく、例えば、Direct Blue 86(マイルズ(Miles)社)、Fastusol Blue(モバイ・ケミカル(Mobay Chemical)社)、Acid orange 7(アメリカン・シアナイド(American Cyanamid)社)、Basic Violet 10(サンドズ(Sandoz)社)、Acid Yellow 23(GAF社)、Acid Yellow 17(シグマケミカル(Sigma Chemical)社)、Sap Green(キーストンアナリン・アンド・ケミカル(Keyston Analine and Chemical)社)、Metanil Yellow(キーストンアナリン・アンド・ケミカル社)、Acid Blue 9(ヒルトン・デイビス(Hilton Davis)社)、Sandolan Blue/Acid Blue 182(サンドズ社)、Hisol Fast Red(キャピトルカラー・アンド・ケミカル(Capitol Color and Chemical)社)、Fluorescein(キャピトルカラー・アンド・ケミカル社)、Acid Green 25(チバ−ガイギー(Ciba−Geigy)社)などである。
【0117】
組成物に含有させてよい香料又は香水としては、例えば、シトロネロールなどのテルペノイド、桂皮アルデヒドなどのアルデヒド、C1S−ジャスミン又はヤスマールなどのジャスミン、バニリンなどが挙げられる。
【0118】
他の成分
洗剤組成物に有用な多種の他の成分が、本明細書の組成物に含まれてよく、他の有効成分、ビルダー、キャリアー、加工助剤、染料又は顔料、香水、液剤用溶媒、可溶化剤(後述されるもの)などである。メタノール、エタノール、プロパノール、及びイソプロパノールとして示される低分子量の一級又は二級アルコールが適切である。一価アルコールは、界面活性剤を可溶化するのに好ましいが、約2〜約6個の炭素原子及び約2〜約6個のヒドロキシ基を含むものなどのポリオール(例えば、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、及び1,2−プロパンジオール)も使用できる。
【0119】
固形洗剤組成物の製造
本発明は、固形洗剤組成物の製造方法を提供する。本発明によれば、洗浄剤、分岐鎖脂肪酸分解剤、及び他の添加剤は、所望により、混合装置で同時に混合される。好ましくは、混合装置は、洗剤組成物中に結合剤の分散体を提供するのに十分である。熱は、外部電源から適用され混合物の処理を促進してよい。
【0120】
混合装置は、高せん断で成分の連続混合を行い、実質的に均質の液体又は成分がその塊全体に分配されている半固体混合物を形成する。好ましくは、混合装置は、成分を混ぜて、約1,000cpsを超える、好ましくは1,000〜1,000,000cps、より好ましくは約50,000〜200,000cpsの処理中の粘度のままで、流動性を有する硬さで混合物を維持するのに有効なせん断を与える手段を含む。混合装置は、好ましくは定常流ミキサー又は、より好ましくは一軸若しくは二軸押し出し機であり、二軸押し出し機が非常に好ましい。
【0121】
混合物は、成分の物理的及び化学的安定性を維持する温度で、好ましくは約20〜80℃、より好ましくは約25〜55℃の大気温度で、通常処理される。制限された外部熱を混合物にかけてよいが、混合物によって達成される温度は、摩擦、周囲条件の相違、及び/又は成分間の発熱反応によって、処理中に高くなるであろう。所望により、混合物の温度は、例えば混合装置の入口又は出口で、上げてよい。
【0122】
成分は、液体又は乾燥微粒子などの固体の形態でよく、別々に、又は他の成分、例えば洗浄剤、水媒体、及び第二の洗浄剤、洗剤補助剤若しくは他の添加剤、第二の硬化剤などの追加の成分との予備混合物の一部として、混合物に加えてよい。1つ以上の予備混合物を混合物に加えてよい。
【0123】
成分は、混合されて、成分が塊中に実質的に均一に分配された実質的に均質の硬さを形成する。次に、混合物は、型打ち機又は他の成形手段によって混合装置から放出される。次に、対象の押し出し物を、制御された質量のまま有用な大きさに分けることができる。好ましくは、押し出された固体はフィルムに包装される。混合装置から放出されたときの混合物の温度は、混合物が第一冷却混合物なしでキャストされる又は包装装置中に直接押し出されるようにするほど低いことが好ましい。押し出し成形放出と包装との間の時間を調整して、さらなる処理及び包装中のより良好なハンドリングのための洗剤ブロックの硬化を可能にしてよい。好ましくは、放出時の混合は、約20〜90℃、好ましくは約25〜55℃である。次に、組成物は、固形状に硬化され、低密度、スポンジ状、可鍛性の、充填可能な(caulky)硬さを有するものから、高密度、溶融した(fused)固形状の、コンクリート状ブロックに及んでよい。
【0124】
所望により、ミキサー内の望ましい温度分布を得るために、加熱及び冷却デバイスを混合装置に隣接させて熱をかけるか、除去してよい。例えば、外部熱源を成分注入口、吸気口部、最終出口部などの、ミキサーの1個以上の円筒部にかけて、処理中の混合物の流動性を増加させてよい。好ましくは、排出孔などでの、処理中の混合物の温度は、好ましくは約20〜90℃に維持される。
【0125】
成分の処理が終わるとき、放出型打ち機によって混合物をミキサーから放出してよい。組成物は最終的に硬化する。固化工程は、数分〜約6時間続いてよく、例えば、キャスト又は押し出し組成物の寸法、組成物の成分、組成物の温度、及び他の類似の要因によって決まる。好ましくは、キャスト又は押し出し組成物は、約1分〜約3時間、好ましくは約1分〜約2時間、好ましくは約1分〜約20分以内に、「硬化する(set up)」又は固形状に硬化し始める。
【0126】
包装レセプタクル又は容器は、硬いか、若しくは柔軟であり、そして例えばガラス、金属、プラスチックフィルム若しくはシート、厚紙、厚紙複合体、紙などの、本発明によって製造された組成物を含むのに適した任意の材料からなることができる。
【0127】
有利なことに、組成物は大気温度で又は大気温度付近で処理されるから、処理された混合物の温度は、材料を構造的に痛めることなく、混合物が容器又は他の包装装置中に直接キャストされ、又は押し出されてよいほどに低い。結果として、溶融条件下で処理及び分配される組成物に利用されるものより多くの種類の材料を使用して、容器を製造してよい。組成物を包含するのに使われる好ましい包装は、柔軟な、開けやすいフィルム材料から製造される。
【0128】
包装材料は、水溶性包装フィルムなどの水溶性包装材料として与えられることがある。典型的な水溶性包装フィルムは、米国特許第6,503,879号;第6,228,825号;第6,303,553号;第6,475,977号;及び第6,632,785号に開示されていて、それらの開示内容は参照により本明細書に援用される。濃縮物を包装するのに使用され得る包装材料を提供できる典型的な水溶性ポリマーとしては、ポリビニルアルコールが挙げられる。包装された濃縮物は、一回使用包装体又は複数使用包装体として与えられることがある。一回使用包装体の場合には、一回包装ユニットが、皿洗い機、皿洗い機の洗剤区画などに置かれ、一回の皿洗いサイクル中に使い切られることが分かる。複数使用包装体の場合には、そのユニットがホッパーに置かれ、水の流れが濃縮物の表面を分解して、皿洗い機に入れられることになる液体濃縮物を生じさせると分かる。
【0129】
本発明に使用してよい適切な水溶性ポリマーは、Davidson及びSittigの、「Water Soluble Resins」、Van Nostrand Reinhold Company、ニューヨーク(1968年)に開示されていて、参照により本明細書に援用される。水溶性ポリマーは、機械ハンドリングを許容するように、強度及び柔軟性などの適切な特性を有するべきである。好ましい水溶性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、セルロースエーテル、ポリエチレンオキシド、でんぷん、ポリビニルビロリンドン、ポリアクリルアミド、ポリビニルメチルエーテル−無水マレイン酸、ポリ無水マレイン酸、スチレン無水マレイン酸、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸塩、アルギネート、アクリルアミドコポリマー、グアーガム、カゼイン、エチレン−無水マレイン酸樹脂種、ポリエチレンイミン、エチルヒドロキシエチルセルロース、エチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロースが挙げられる。より低い分子量の水溶性ポリビニルアルコールフィルム形成ポリマーが通常は好ましい。使用できるポリビニルアルコールとしては、約1,000〜約300,000、約2,000〜約150,000、約3,000〜約100,000の重量平均分子量を有するものが挙げられる。
【0130】
固形洗剤組成物の分配
本願発明により作られた固形洗剤組成物は、米国特許第4,826,661号、第4,690,305号、第4,687,121号、第4,426,362号並びに米国特許再発行第32,763号及び第32,818号に開示されるものなど(それらの開示内容は参照により本明細書に援用される)のスプレー型ディスペンサーから分配されることがある。要約すると、スプレー型ディスペンサーは、固形組成物の曝露表面上に水スプレーを当てて、組成物の一部分を溶解させ、次に、すぐにディスペンサーから出た組成物を含む濃縮物溶液を貯蔵容器に又は直接使用部に向けることによって、機能する。使用時に、製品は、包装(例えば)フィルムから除去されて、ディスペンサーに入れられる。水のスプレーは、ノズルにより固形洗剤形状に適合する形状にされる。ディスペンサー筐体は、不適切な洗剤の導入及び分配を防ぐ分配装置内の洗剤形状に上手く適合できる。
【0131】
固形洗剤組成物が単位容量として提供されるとき、固形洗剤組成物は洗浄環境に導入されて、使用溶液を形成できる。製品洗濯機の場合には、単位容量を製品洗濯機中に入れることができる。単位容量を製品洗濯機中に手動で入れることができ、又はそれを機械的に製品洗濯機中に分配することもできる。さらに、単位容量を使用して、次に製品洗濯機中に導入される濃縮物を形成できる。
【0132】
使用
固形洗剤組成物は、固形組成物、洗浄組成物、又は組成物と呼ばれることもある。固形洗剤組成物は、自動皿洗い又は製品洗濯機、その中での洗い流し剤としての使用、洗濯、炊事用具クリーナー、回転する揚げ物及び高脂肪の揚げ物用クリーナー、床などの環境で、並びに流し台のガラス製品、皿などの手動洗いにおいて、洗浄に利用できる。さらに、固形洗剤組成物とは、濃縮物の形態で与えられる又は使用組成物の形態で与えられる組成物をいうこともある。一般に、濃縮物は、水で希釈されて、表面と接触して洗浄などの望ましい効果を生む使用組成物を与えることを目的とする組成物である。さらに、洗剤組成物は、例えば、瓶洗浄及び車両洗浄などの、環境に使用され得る。
【0133】
洗浄されることになる製品と接触するために溶解させられる固形洗剤組成物を使用組成物ということもできる。使用組成物は、望ましい水準の洗浄性を与える固形分濃度で提供され得る。固形分濃度とは、使用組成物中の非水成分の濃度をいう。使用組成物を提供するための希釈の前の固形洗剤組成物を固形組成物、固形洗剤組成物、又は濃縮物ということができる。
【0134】
使用の位置又は場所で水又は他の水媒体により濃縮物を溶解させ、使用組成物を提供するように、固形洗剤組成物を使用できる。固形洗剤組成物を自動皿洗い又は製品洗濯機内で用いる多くの場合には、使用の位置又は場所が自動皿洗い又は製品洗濯機の内部であると予想される。固形洗剤組成物が住居用又は家庭用皿洗い機に使用されるとき、組成物は皿洗い機の洗剤区画に置かれ得る。多くの場合、洗剤区画は、皿洗い機の扉に位置する。固形洗剤組成物は、一回使用量の固形洗剤組成物を区画に導入させる形態で提供され得る。一般に、一回使用量とは、一度の製品洗浄サイクルに適した固形洗剤組成物の量をいう。多くの工業用皿洗い又は製品洗濯機では、そして特定の住居用又は家庭用皿洗い機でさえも、大容量の固形洗剤組成物が、製品洗浄又は皿洗浄サイクル当たり一回の使用量の組成物の放出を可能にする区画内に提供され得ると予期される。そのような区画は、製品洗浄若しくは皿洗い機の一部として準備されてよく、又はそれは組成物を製品洗浄若しくは皿洗い機に輸送するためのホースによって製品洗浄若しくは皿洗い機とつながっている分離構造体として準備されてよい。例えば、固形洗剤組成物のブロックはホッパーに与えられ、水はブロックの表面に対してスプレーされて、皿洗い機中に導入することができる液体濃縮物を提供してよい。ホッパーは、皿洗い機の一部でよく、又はそれは皿洗い機から離して準備してよい。
【0135】
濃縮物を希釈して使用組成物するのに使われる水は希釈の水と呼ばれることがあり、そして、場所によって異なる。ある場所で適切な水は比較的低い濃度の全溶解固形分を有するかもしれず、他の場所の水は比較的高い濃度の全溶解固形分を有するかもしれないことが分かる。一般に、硬水は、200ppmを超える全溶解固形分を有する水と見なされる。本発明による製品洗浄洗剤組成物は、洗浄性が軟水である希釈の水又は硬水である希釈の水の存在下で生まれるように、提供され得る。
【0136】
使用組成物は、使いすぎて固形洗剤組成物を浪費することを避けながら、洗浄の望ましい水準を達成するのに十分な固形分を有することができる。ほとんどの実施形態では、使用溶液に存在する固体は溶液中で安定であり、それらは使用溶液に分散し、使用中の沈殿及び速い分解のない状態が続くことを意味している。一般に、使用組成物は、少なくとも約0.05重量%の固形分を有し、望ましい水準の洗浄を達成できる。さらに、使用組成物は、約1.0重量%未満の固形分を有し、組成物の使いすぎを避けることができる。さらに、使用組成物は、約0.05重量%〜約0.75重量%の固形分を有することができる。ある実施形態では、固形洗剤組成物は水媒体に容易に溶解し、約3〜5重量%の、さらなる実施形態では約4重量%の固形分を有する使用溶液を形成する。使用組成物は、水を用いて、濃縮物の利便性を与えて、望ましい洗浄性を有する使用組成物を形成させる希釈比で希釈することにより、濃縮物から調製され得る。濃縮物は約20以上:1の、水:濃縮物の比で希釈され、約20:1〜約2000:1でよく、望ましい洗浄性を有する使用組成物を提供できる。
【0137】
上記明細書は、本発明の一般的な境界を理解するための基準を与える。次の実施例及び試験データは、本発明の特定の具体的な実施形態の理解を促す。実施例は、前記で説明された本発明の範囲を制限するものではない。本発明の概念内の変化は当業者に明白である。
【実施例】
【0138】
次の実施例は説明のために提供されるのであって、限定するためのものではない。
【0139】
原料及び製造業者
コラトロープ(Colatrope)又はコラトロープ(Colatrope)−INC:イソノナン酸ナトリウム:コロニアルケミカル(Colonial Chemical)社、チャタヌーガ、テネシー州、商標名コラ(COLA)(登録商標)トロープ(TROPE)−INC。また下記表では「INN」と表される。
ミラノール(Mironal)FBS:ジカルボン酸ヤシ油誘導体。ナトリウム塩、38%。
デヒポン(Dehypon)LS−36:低発泡性脂肪アルコールC12−C14EO/PO誘導体界面活性剤、フィッツケム(Fitz Chem)社。
D−500:エトキシ−プロポキシコポリマー、商標名スルホニック(SURFONIC)D−500、ハンツマン・インターナショナル(Huntsman International)社。
ベルセノール(Versenol)120キレート化剤:ヒドロキシエチリデン三酢酸40%(HEDTA)、ダウ・ケミカル(Dow Chemical)社。
ジェナポール(Genapol)w−030:分岐鎖非イオン性界面活性剤、クラリアント・ファンクショナル・ケミカルズ(Clariant Functional Chemicals)社、Muttenz、スイス。
ジェナポール(Genapol)UD−030:分岐鎖非イオン性界面活性剤、クラリアント・ファンクショナル・ケミカルズ(Clariant Functional Chemicals)社、Muttenz、スイス。
【0140】
溶解速度試験法
本発明に使用される試験法としては3つの先進的な試験法が挙げられる。第一の試験法は、溶解速度試験法である。この試験法は、固体が水に各種の温度で加えられるときの固体の溶解速度を測定する。本試験法は次のとおりである:
1.3500mLの軟水をホットプレート上の4000mLビーカー内で指定温度にする。
2.スクリーン支持体をビーカーに付ける(スクリーン支持体位置の例、ビーカーの底から7.5cm)。
3.試験される予定の固体サンプルの重量を記録する。
4.水が指定温度に達したら、サンプルを加え、ストップウオッチを起動する。
5.サンプルがスクリーン上に全くないときの時間を記録する。
【0141】
下に示された全溶解速度試験結果は、他に示さない限り、上記手順によって1550Fで実行された。溶解速度試験法は、他の指定温度で、又は室温を超えて水溶液の沸点より低い温度で、実行されてもよい。実施例の指定温度としては、例えば、限定されるものではないが、1300F及び1900Fが挙げられる。さもなければ標準的な室温、圧力などの条件を応用できる。
【0142】
イソノナン酸ナトリウムを含む本発明による固形洗剤組成物は、同時に、分岐鎖脂肪酸分解剤を欠いている洗剤組成物処方と類似の溶解試験と比較された。
【0143】
実施例A〜B及び比較例C〜E
実施例A及びBは、イソノナン酸ナトリウム(コロニアルケミカル(Colonial Chemical)社)を含む固形洗剤処方である。イソノナン酸ナトリウムなどの分岐鎖脂肪酸分解剤を含まない実施例C、D、及びEで表された類似処方と比較する。溶解速度試験結果は、分岐鎖脂肪酸分解剤を含む実施例A及びBが向上した速度で溶解したことを実証した。実施例Aは、比較例Dの3倍速く、実施例Cの4倍速く、実施例Eの5倍以上速く、溶解した。
【0144】
【表1】

【0145】
実施例Aの溶解速度は、100g/分であった。分岐鎖脂肪酸分解剤の代わりの灰及び水の組み合わせに関する類似処方は、15g/分のより遅い溶解速度を有する。したがって、分岐鎖脂肪酸分解剤の存在、この特定の実施例では、イソノナノン酸(isononanonate)ナトリウムは、溶解速度を分岐鎖脂肪酸分解剤のない速度の約3倍、より好ましくは5倍にする。
【0146】
実施例F〜M固形洗剤組成物及び比較例N〜Q
表2〜5に示された追加データは、各種の分岐鎖脂肪酸分解剤の分解を直鎖(非分岐鎖)脂肪酸と比べて実証した。実施例F〜Mは、分岐鎖脂肪酸分解剤を含む固形洗剤組成物である一方、比較例N〜Qは、直鎖脂肪酸の置換基を除いて同様の処方を有する。各種の実施例F〜Mに示されたとおり、イソノナン酸、イソオクタン酸、ネオデカン酸、ネオペンタン酸が、様々な量のイソノナノン酸(isononanonate)ナトリウムとともに利用された。溶解速度は、上述の溶解速度試験によって測定された。実施例F〜Mの固形洗剤組成物は、重灰で固化された固形洗剤組成物の少なくとも15g/分の向上した溶解を実証する。その主鎖がオクタン酸以上(例えば、C9〜C12分岐鎖脂肪酸分解剤)である分岐鎖脂肪酸分解剤を利用する実施例F〜Lは、試験条件下で30g/分を超える溶解を実証する。
【0147】
【表2】

【0148】
【表3】

【0149】
【表4】

【0150】
実施例S及びU固形洗剤組成物並びに比較例R及びT
固形洗剤組成物S及びUは、有機結合剤と併用した分岐鎖脂肪酸分解剤を含む洗い流し剤として処方される。同様に処方された分岐鎖脂肪酸分解剤を欠く比較例R及びTと比較したとおり、分解速度の向上を示す。
【0151】
【表5】

【0152】
実施例W固体材料を保護する機械製品洗浄洗剤組成物及び比較例V
【0153】
【表6】

【0154】
実施例Y固体の機械製品洗浄洗剤組成物及び比較例X
【0155】
【表7】

【0156】
実施例AA及びAC固体の手動炊事用具洗剤組成物並びに比較例Z及びAB
【0157】
【表8】

【0158】
実施例AE及びAG固体の床クリーナー洗剤組成物並びに比較例AD及びAF
【0159】
【表9】

【0160】
実施例AI固体つけおき洗剤組成物及び比較例AK
【0161】
【表10】

【0162】
実施例AJ固体油性洗浄剤の洗剤組成物及び比較例AK〜AM
【0163】
【表11】

【0164】
実施例AN〜AQ及び比較例AR〜AV:分岐鎖及び直鎖脂肪酸を含む洗剤組成物の比較
表12に示された実施例AN〜AQの固形洗剤組成物は、各種の分岐鎖脂肪酸分解剤の分解活性を、表13に示された直鎖(非分岐鎖)脂肪酸を含む類似の処方と比べて実証した。各種の実施例F〜Mに示されたとおり、イソノナン酸、イソオクタン酸、ネオデカン酸、ネオペンタン酸が、様々な量のイソノナノン酸(isononanonate)ナトリウムとともに利用された。溶解速度は、上述の溶解速度試験によって測定された。実施例F〜Mの固形洗剤組成物は、重灰で固化された固形洗剤組成物の少なくとも15g/分の向上した溶解を実証する。その主鎖がオクタン酸以上(例えば、C9〜C12分岐鎖脂肪酸分解剤)である分岐鎖脂肪酸分解剤を利用する実施例F〜Lは、試験条件下で30g/分を超える溶解を実証する。
【0165】
【表12】

【0166】
比較例:直鎖脂肪酸を含む洗剤組成物
【0167】
【表13】

【0168】
ステンレス鋼からの遊離油の除去
本願発明のために開発された次の方法は、ステンレス鋼スライドからの遊離油を除去する能力について溶解液を試験した。次の方法が開発され、使用されて、この特許出願のデータを生み出した。
【0169】
1.使用済み天ぷら油及び天ぷら油クリーナー液の100mL溶液を250mLビーカー内で調製する。溶液は、2体積%の油となるべきである。固形洗剤組成物の試験については、天ぷらクリーナー液は、約5重量%のクリーナーとなるべきである。100mL溶液の作成について下記表14を参照のこと。
【0170】
【表14】

【0171】
2.ステンレス鋼スライドを洗浄、乾燥及び秤量する。スライドの寸法は、約1.5インチ長及び1.0インチ幅となるべきである。小数点以下4桁まで測定できるスライドを秤量するための秤を使用する。各ビーカーのクリーナー液について、2つのスライドを用意する。
3.ホットプレートを使い、油/クリーナー液を沸騰するまで加熱する。
4.溶液が沸騰したら、2つの前秤量したスライドを各ビーカーの溶液に入れる。
5.スライドを溶液の温度にさせる。
6.トングでスライドを取り出し、それらを空気乾燥させる。どちらも卓上で平らにならないように、斜面上でスライドを乾燥する。
7.スライドを再秤量し、油残留物のg/平方インチを算出する。
8.最も有効な洗浄製品は、最低の油残留物のg/平方インチを有するであろう。
【0172】
表15は、分解剤及び溶解度向上剤が機能するのに十分な量のイソノナン酸、ナトリウム塩を含む固形洗剤組成物の幾つかの処方を示す。表15からの固形洗剤処方は、上記試験法によってスライドに結合させた遊離油の量を減らすための他の洗剤組成物に対する比較試験に使用される。結果は表16に示される。
【0173】
【表15】

【0174】
【表16】

【0175】
前述の説明からも明らかであるが、本発明の特定の実施形態は、説明のために本明細書で記述されているが、本発明の理念及び範囲から外れることなく、各種の改良が行なわれてよい。それ故に、本発明は、添付の特許請求の範囲によること以外に限定されることはない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも約8のpHを有する使用溶液を提供するのに有効な量のアルカリ源;
1〜20重量%の界面活性剤又は界面活性剤系を含む洗浄剤;
固化剤;及び
少なくとも0.2重量%の分岐鎖脂肪酸分解剤;
を含み、
少なくとも15g/分の、155°Fで4000mLの水溶液に触れたときの溶解速度を有する、固形洗剤組成物。
【請求項2】
分岐鎖脂肪酸分解剤が、式CH3(CH2m(CH)n(CH2o(CH)p(CH2qCOOHで表され、m、n、o、p及びqはそれぞれ0〜17から選択される整数であり、n+pは1又は2であり、m+n+o+p+qは3〜18である、請求項1に記載の固形洗剤組成物。
【請求項3】
分岐鎖脂肪酸分解剤が、式CH3(CH2m(CH)n(CH2o(CH)p(CH2qCOOHで表され、m、n、o、p及びqはそれぞれ0〜17から選択される整数であり、n+pは1又は2であり、m+n+o+p+qは6〜12である、請求項1に記載の固形洗剤組成物。
【請求項4】
分岐鎖脂肪酸分解剤が、C8〜C12分岐鎖脂肪酸である、請求項1に記載の固形洗剤組成物。
【請求項5】
分岐鎖脂肪酸分解剤が、イソノナン酸ナトリウム、イソノナン酸、イソオクタン酸ナトリウム、イソオクタン酸、ネオデカン酸ナトリウム、ネオデカン酸、ネオペンタン酸ナトリウム、ネオペンタン酸、ネオヘプタン酸ナトリウム、ネオヘプタン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、6−メチル−ヘプタン酸、2,2−ジメチルオクタン酸、ネオペンタン酸(2,2−ジメチルプロパン酸)、2,2−ジメチルペンタン酸、及びこれらの塩、又はこれらの混合物の群から選択される、請求項1に記載の固形洗剤組成物。
【請求項6】
分岐鎖脂肪酸分解剤が、イソノナン酸、イソオクタン酸、ネオデカン酸、ネオペンタン酸、又はこれらの組み合わせの群から選択される、請求項1に記載の固形洗剤組成物。
【請求項7】
分岐鎖脂肪酸分解剤が、イソノナン酸ナトリウムである、請求項1に記載の固形洗剤組成物。
【請求項8】
0.5重量%〜5重量%の分岐鎖脂肪酸分解剤を含む、請求項1に記載の固形洗剤組成物。
【請求項9】
5重量%〜20重量%の分岐鎖脂肪酸分解剤を含む、請求項1に記載の固形洗剤組成物。
【請求項10】
固化剤が、10〜80重量%の、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム若しくはメタケイ酸ナトリウム、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の固形洗剤組成物。
【請求項11】
全組成物が、20重量%〜40重量%の炭酸ナトリウムを有する、請求項1に記載の固形洗剤組成物。
【請求項12】
全組成物が、20〜40重量%の炭酸ナトリウム及び15〜40重量%の水酸化ナトリウムを有する、請求項1に記載の固形洗剤組成物。
【請求項13】
固化剤が、少なくとも30重量%の水酸化ナトリウムを含む、請求項1に記載の固形洗剤組成物。
【請求項14】
溶解速度が少なくとも30g/分である、請求項1に記載の固形洗剤組成物。
【請求項15】
固形洗剤組成物が、少なくとも約5kgのブロックの形態である、請求項1に記載の固形洗剤組成物。
【請求項16】
水溶液中で溶解して使用溶液を形成する固形洗剤組成物であって、固形洗剤が、
少なくとも約8のpHを有する使用溶液を提供するのに有効な量のアルカリ源;
1〜20重量%の界面活性剤又は界面活性剤系を含む洗浄剤;
固化剤;及び
少なくとも0.2重量%の分岐鎖脂肪酸分解剤;
を含み、
固形洗剤組成物が、分岐鎖脂肪酸分解剤を欠く類似の固形組成物より速い、155°Fで4000mLの水に接触したときの溶解速度を有する、固形洗剤組成物。
【請求項17】
分岐鎖脂肪酸分解剤が、式CH3(CH2m(CH)n(CH2o(CH)p(CH2qCOOHで表され、m、n、o、p及びqはそれぞれ0〜17から選択される整数であり、n+pは1又は2であり、m+n+o+p+qは6〜12である、請求項16に記載の固形洗剤組成物。
【請求項18】
分岐鎖脂肪酸分解剤が、イソノナン酸ナトリウム、イソノナン酸、イソオクタン酸ナトリウム、イソオクタン酸、ネオデカン酸ナトリウム、ネオデカン酸、ネオペンタン酸ナトリウム、ネオペンタン酸、ネオヘプタン酸ナトリウム、ネオヘプタン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、6−メチル−ヘプタン酸、2,2−ジメチルオクタン酸、ネオペンタン酸(2,2−ジメチルプロパン酸)、2,2−ジメチルペンタン酸、及びこれらの塩、又はこれらの混合物の群から選択される、請求項16に記載の固形洗剤組成物。
【請求項19】
少なくとも0.5重量%の分岐鎖脂肪酸分解剤を含む固形組成物の溶解速度が、類似の固形組成物の3倍速い、請求項16に記載の固形洗剤組成物。
【請求項20】
スラリーを形成するのに十分な水で、少なくとも約8のpHを有する使用溶液を提供するのに有効な量のアルカリ源、1〜20重量%の界面活性剤又は界面活性剤系を含む洗浄剤、固化剤;及び少なくとも0.2重量%の分岐鎖脂肪酸分解剤を混合する工程;並びに
スラリーを固形洗剤組成物にする工程;
を含む、速溶性固形洗剤組成物の製造方法であって、
固形洗剤組成物が、分岐鎖脂肪酸分解剤を欠く類似の固形組成物よりも大きな、水溶液に触れたときの溶解速度を有する、方法。
【請求項21】
スラリーを固形洗剤組成物にする工程が、押し出し成形法によるものである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
スラリーを固形洗剤組成物にする工程が、キャスト法によるものである、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
スラリーを固形洗剤組成物にする工程が、錠剤化法によるものである、請求項20に記載の方法。

【公表番号】特表2010−519351(P2010−519351A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−549871(P2009−549871)
【出願日】平成20年1月21日(2008.1.21)
【国際出願番号】PCT/IB2008/050211
【国際公開番号】WO2008/099289
【国際公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(500320453)イーコラブ インコーポレイティド (120)
【Fターム(参考)】