説明

造形方法

【課題】従来の造形方法では、造形物の強度を高めることが困難である。
【解決手段】造形対象である立体を複数の断面要素に分割し、前記断面要素ごとに、第1液状体の塗布を受けて硬化する性質を有する粉末を用いて層を形成する層形成工程S521と、前記層に前記第1液状体を塗布することによって、前記層に前記第1液状体で前記断面要素を第1断面パターンとして描画する第1描画工程S522と、紫外光の照射を受けることによって硬化する性質を有する第2液状体を、前記第1断面パターンに重ねて塗布することによって、前記断面要素を第2断面パターンとして描画する第2描画工程S523と、前記第2断面パターンに紫外光を照射する露光工程S524と、を前記複数の断面要素にわたって順次に実施する造形工程S52を含む、ことを特徴とする造形方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、造形方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、立体を造形する方法(造形方法)の1つとして、積層法が知られている。積層法では、一般的に、立体の外形を規定する複数の断面要素のそれぞれを、順次に断面パターンとして形成しながら積層することによって立体が造形され得る。
このような積層法では、従来、液体バインダー法と呼ばれる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2003−531220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載された液体バインダー法では、層状に敷きつめた粉末材料の層に液体のバインダーで断面要素を描画することによって、断面パターンを形成する方法が採用されている。このような液体バインダー法は、粉末積層法とも呼ばれる。
ところで、粉末材料としては、例えば、石膏などが考えられる。石膏などの粉末材料を固めた造形物は、一般的に脆い性質を有する。このため、石膏などの粉末材料を固めた造形物は、割れや欠けなどが発生しやすい。
つまり、従来の造形方法では、造形物の強度を高めることが困難であるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現され得る。
【0006】
[適用例1]造形対象である立体を複数の断面要素に分割し、前記断面要素ごとに、第1液状体の塗布を受けて硬化する性質を有する粉末を、前記第1液状体に対して可溶性を有する樹脂で束ねた構成を有する粉束を層状に敷くことによって、前記粉束で粉束層を形成する層形成工程と、前記粉束層に前記第1液状体を塗布することによって、前記粉束層に前記第1液状体で前記断面要素を第1断面パターンとして描画する第1描画工程と、活性エネルギーを受けることによって硬化する性質を有する第2液状体を、前記第1断面パターンに重ねて塗布することによって、前記断面要素を第2断面パターンとして描画する第2描画工程と、前記第2断面パターンに前記活性エネルギーを付与するエネルギー付与工程と、を前記複数の断面要素にわたって順次に実施する造形工程を含む、ことを特徴とする造形方法。
【0007】
この適用例の造形方法は、造形工程を含む。
造形工程では、造形対象である立体を複数の断面要素に分割し、断面要素ごとに、層形成工程と、第1描画工程と、第2描画工程と、エネルギー付与工程とを、複数の断面要素にわたって順次に実施する。
層形成工程では、粉末を樹脂で束ねた構成を有する粉束を層状に敷くことによって、粉束で粉束層を形成する。これにより、粉末の飛散を発生させにくくすることができる。この結果、造形装置などへの付着を低く抑えやすくすることができるので、造形装置の信頼性を維持しやすくすることができる。
第1描画工程では、粉束層に液状体を塗布することによって、粉束層に第1液状体で断面要素を第1断面パターンとして描画する。
ここで、樹脂は、第1液状体に対して可溶性を有している。また、粉末は、第1液状体の塗布を受けて硬化する性質を有している。このため、粉束層に第1液状体で第1断面パターンを描画すると、第1断面パターンに重なる粉束では、第1液状体が樹脂を溶かしてから、粉末に塗布される。これにより、第1断面パターンに重なる領域において、粉末が硬化する。この結果、第1断面パターンが形成され得る。
【0008】
第2描画工程では、第2液状体を第1断面パターンに重ねて塗布することによって、断面要素を第2断面パターンとして描画する。第2液状体は、活性エネルギーを受けることによって硬化する性質を有する。
第2描画工程の後に、エネルギー付与工程では、第2断面パターンに活性エネルギーを付与する。これにより、第2断面パターンが硬化する。この結果、第1断面パターンを第2断面パターンで補強することができる。つまり、断面要素に基づく断面パターンの強度を高めやすくすることができる。
そして、この造形方法では、層形成工程と、第1描画工程と、第2描画工程と、エネルギー付与工程とを、複数の断面要素にわたって順次に実施するので、複数の断面パターンが重なった立体が造形され得る。
この造形方法によれば、断面要素に基づく断面パターンの強度を高めやすくすることができるので、複数の断面パターンが重なった立体の強度を高めやすくすることができる。
【0009】
[適用例2]上記の造形方法であって、前記粉束は、前記粉末をフィルム状の前記樹脂で包んだ構成を有している、ことを特徴とする造形方法。
【0010】
この適用例では、粉束は、粉末をフィルム状の樹脂で包んだ構成を有している。これにより、粉末をフィルム状の樹脂で包んだ構成を有する粉束で粉束層を形成することができる。
【0011】
[適用例3]上記の造形方法であって、前記層形成工程において、複数の前記粉束を並べることによって、前記粉束層を形成する、ことを特徴とする造形方法。
【0012】
この適用例では、層形成工程において、複数の粉束を並べることによって、粉束層を形成することができる。
【0013】
[適用例4]上記の造形方法であって、前記第2液状体は、光の照射を受けることによって硬化する性質である光硬化性を有しており、前記エネルギー付与工程では、前記第2液状体に前記光を照射する、ことを特徴とする造形方法。
【0014】
この適用例では、第2液状体が光硬化性を有している。光硬化性は、光の照射を受けることによって硬化する性質である。そして、エネルギー付与工程では、第2液状体に光を照射する。これにより、断面要素を構成する第2液状体を硬化させることができる。
【0015】
[適用例5]上記の造形方法であって、前記第1液状体は、水を含んでおり、前記樹脂は、水溶性を示し、前記粉末は、前記水の塗布を受けて硬化する性質である水硬性を有している、ことを特徴とする造形方法。
【0016】
この適用例では、第1液状体は、水を含んでいる。樹脂は、水溶性を示す。また、粉末は、水硬性を有している。水硬性は、水の塗布を受けて硬化する性質である。
上記の構成により、水を含んだ第1液状体で第1断面パターンを形成することができる。
【0017】
[適用例6]上記の造形方法であって、前記粉末は、石膏である、ことを特徴とする造形方法。
【0018】
この適用例では、粉末は、石膏である。これにより、石膏に水を含む第1液状体を塗布することによって第1断面パターンを形成することができる。
【0019】
[適用例7]上記の造形方法であって、前記樹脂は、前記第1液状体に溶けることによって、前記粉末のバインダーとして機能する、ことを特徴とする造形方法。
【0020】
この適用例では、樹脂が、第1液状体に溶けることによって、粉末のバインダーとして機能するので、粉末同士をつなぎとめやすくすることができる。この結果、断面パターンの強度を一層高めやすくすることができるので、造形された造形物の強度を一層高めやすくすることができる。
【0021】
[適用例8]上記の造形方法であって、前記第2液状体は、色素を含有している、ことを特徴とする造形方法。
【0022】
この適用例では、第2液状体は、色素を含有している。これにより、着色された断面パターンを形成することができる。
【0023】
[適用例9]上記の造形方法であって、前記第1描画工程では、前記第1液状体をインクジェット法で前記粉束層に吐出することによって、前記粉束層に前記第1断面パターンを描画する、ことを特徴とする造形方法。
【0024】
この適用例では、第1描画工程において、第1液状体をインクジェット法で粉束層に吐出することによって、粉束層に第1断面パターンを描画することができる。
【0025】
[適用例10]上記の造形方法であって、前記第2描画工程では、前記第2液状体をインクジェット法で前記粉束層に吐出することによって、前記粉束層に前記第2断面パターンを描画する、ことを特徴とする造形方法。
【0026】
この適用例では、第2描画工程において、第2液状体をインクジェット法で粉束層に吐出することによって、粉束層に第2断面パターンを描画することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本実施形態における造形システムの概略の構成を示す斜視図。
【図2】本実施形態における造形装置の概略の構成を示す斜視図。
【図3】本実施形態におけるキャリッジを図2中のA視方向に見たときの正面図。
【図4】本実施形態における吐出ヘッドの底面図。
【図5】図3中のB−B線における断面図。
【図6】本実施形態における造形システムの概略の構成を示すブロック図。
【図7】本実施形態における描画処理の流れを示す図。
【図8】本実施形態における露光処理の流れを示す図。
【図9】本実施形態における造形方法の流れを示す図。
【図10】本実施形態における複数の断面要素を説明する図。
【図11】本実施形態における積層体を説明する断面図。
【図12】本実施形態における造形方法の流れを示す図。
【図13】図12(a)中のD部の拡大図。
【図14】本実施形態における石膏カプセルの製造方法の流れを示す図。
【図15】本実施形態における造形方法の流れを示す図。
【図16】本実施形態における造形方法の流れを示す図。
【図17】本実施形態における造形方法の流れを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図面を参照しながら、実施形態について説明する。なお、各図面において、それぞれの構成を認識可能な程度の大きさにするために、構成や部材の縮尺が異なっていることがある。
本実施形態の造形システム1は、図1に示すように、コンピューター3と、造形装置5と、を有している。
コンピューター3は、造形対象である立体7の形状データから、複数の断面要素を抽出するための演算処理を行う。また、コンピューター3は、抽出した断面要素のデータ(以下、断面データと呼ぶ)を造形装置5に出力する。
造形装置5は、コンピューター3から出力される断面データに基づいて、断面要素を描画し、描画した断面要素を順次に積層することによって、立体7を造形する。
【0029】
実施形態における造形装置5は、概略の構成を示す斜視図である図2に示すように、テーブル9と、テーブル搬送装置11と、キャリッジ12と、キャリッジ搬送装置13と、キャリッジ昇降装置15と、露光装置17と、を有している。
キャリッジ12には、ヘッドユニット14が設けられている。
造形装置5では、ヘッドユニット14とワークWとの平面視での相対位置を変化させつつ、ヘッドユニット14から液状体を液滴として吐出させることによって、ワークWに液状体で所望のパターンを描画することができる。本実施形態では、造形装置5は、コンピューター3(図1)から出力される断面データに基づいて、ワークWに断面要素を描画する。
なお、図中のY方向はワークWの移動方向を示し、X方向は平面視でY方向とは直交する方向を示している。また、X方向及びY方向によって規定されるXY平面と直交する方向は、Z方向として規定される。
【0030】
テーブル搬送装置11は、図2に示すように、定盤21と、ガイドレール23aと、ガイドレール23bと、を有している。
定盤21は、例えば石などの熱膨張係数が小さい材料で構成されており、Y方向に沿って延びるように据えられている。ガイドレール23a及びガイドレール23bは、定盤21の上面21a上に配設されている。ガイドレール23a及びガイドレール23bは、それぞれ、Y方向に沿って延在している。ガイドレール23aとガイドレール23bとは、互いにX方向に隙間をあけた状態で並んでいる。
テーブル9は、ガイドレール23a及びガイドレール23bを挟んで定盤21の上面21aに対向した状態で設けられている。テーブル9は、定盤21から浮いた状態でガイドレール23a及びガイドレール23b上に載置されている。テーブル9は、ワークWが載置される面であるテーブル面9aを有している。テーブル面9aは、定盤21側とは反対側(上側)に向けられている。テーブル9は、ガイドレール23a及びガイドレール23bによってY方向に沿って案内され、定盤21上をY方向に沿って往復移動可能に構成されている。
【0031】
テーブル9は、図示しない移動機構及び動力源によって、Y方向に往復動可能に構成されている。移動機構としては、例えば、ボールねじとボールナットとを組み合わせた機構や、リニアガイド機構などが採用され得る。本実施形態では、テーブル9をY方向に沿って移動させるための動力源として、後述するテーブル搬送モーターが採用されている。テーブル搬送モーターとしては、ステッピングモーター、サーボモーター、リニアモーターなどの種々のモーターが採用され得る。
テーブル搬送モーターからの動力は、移動機構を介してテーブル9に伝達される。これにより、テーブル9は、ガイドレール23a及びガイドレール23bに沿って、すなわちY方向に沿って往復移動することができる。つまり、テーブル搬送装置11は、テーブル9のテーブル面9aに載置されたワークWを、Y方向に沿って往復移動させることができる。
また、テーブル搬送装置11は、後述するテーブル位置検出装置を有している。テーブル位置検出装置は、テーブル9のY方向における位置を検出する。テーブル位置検出装置での検出結果に基づいて、ワークWのY方向における位置が把握され得る。
【0032】
ヘッドユニット14は、キャリッジ12を図2中のA視方向に見たときの正面図である図3に示すように、ヘッドプレート31と、吐出ヘッド33と、を有している。
吐出ヘッド33は、底面図である図4に示すように、ノズル面35を有している。ノズル面35には、複数のノズル37が形成されている。なお、図4では、ノズル37をわかりやすく示すため、ノズル37が誇張され、且つノズル37の個数が減じられている。
吐出ヘッド33において、複数のノズル37は、Y方向に沿って配列する12本のノズル列39を構成している。12本のノズル列39は、X方向に互いに隙間をあけた状態で並んでいる。各ノズル列39において、複数のノズル37は、Y方向に沿って所定のノズル間隔Pで形成されている。
【0033】
以下において、12本のノズル列39のそれぞれが識別される場合に、ノズル列39a、ノズル列39b、ノズル列39c、ノズル列39d、ノズル列39e、ノズル列39f、ノズル列39g、ノズル列39h、ノズル列39i、ノズル列39j、ノズル列39k、及びノズル列39mという表記が用いられる。
吐出ヘッド33において、ノズル列39aとノズル列39bとは、互いにY方向にP/2の距離だけずれている。ノズル列39c及びノズル列39dも、互いにY方向にP/2の距離だけずれている。同様に、ノズル列39e及びノズル列39fも、互いにY方向にP/2の距離だけずれており、ノズル列39g及びノズル列39hも、互いにY方向にP/2の距離だけずれている。同様に、ノズル列39i及びノズル列39jも、互いにY方向にP/2の距離だけずれており、ノズル列39k及びノズル列39mも、互いにY方向にP/2の距離だけずれている。
【0034】
吐出ヘッド33は、図3中のB−B線における断面図である図5に示すように、ノズルプレート46と、キャビティープレート47と、振動板48と、複数の圧電素子49と、を有している。
ノズルプレート46は、ノズル面35を有している。複数のノズル37は、ノズルプレート46に設けられている。
キャビティープレート47は、ノズルプレート46のノズル面35とは反対側の面に設けられている。キャビティープレート47には、複数のキャビティー51が形成されている。各キャビティー51は、各ノズル37に対応して設けられており、対応する各ノズル37に連通している。各キャビティー51には、図示しないタンクから機能液53(液状体)が供給される。
【0035】
振動板48は、キャビティープレート47のノズルプレート46側とは反対側の面に設けられている。振動板48は、Z方向に振動(縦振動)することによって、キャビティー51内の容積を拡大したり、縮小したりする。
複数の圧電素子49は、それぞれ、振動板48のキャビティープレート47側とは反対側の面に設けられている。各圧電素子49は、各キャビティー51に対応して設けられており、振動板48を挟んで各キャビティー51に対向している。各圧電素子49は、駆動信号に基づいて、伸張する。これにより、振動板48がキャビティー51内の容積を縮小する。このとき、キャビティー51内の機能液53に圧力が付与される。その結果、ノズル37から、機能液53が液滴55として吐出される。吐出ヘッド33による液滴55の吐出法は、インクジェット法の1つである。インクジェット法は、塗布法の1つである。
【0036】
上記の構成を有する吐出ヘッド33は、図3に示すように、ノズル面35がヘッドプレート31から突出した状態で、ヘッドプレート31に支持されている。
キャリッジ12は、図3に示すように、ヘッドユニット14を支持している。ここで、ヘッドユニット14は、ノズル面35がZ方向の下方に向けられた状態でキャリッジ12に支持されている。
なお、本実施形態では、縦振動型の圧電素子49が採用されているが、機能液53に圧力を付与するための加圧手段は、これに限定されず、例えば、下電極と圧電体層と上電極とを積層形成した撓み変形型の圧電素子も採用され得る。また、加圧手段としては、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズルから液滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエーターなども採用され得る。さらに、発熱体を用いてノズル内に泡を発生させ、その泡によって機能液に圧力を付与する構成も採用され得る。
【0037】
本実施形態では、機能液53として、活性エネルギーを受けることによって硬化する液状体と、水を含む液状体との2種類が採用されている。以下において、活性エネルギーを受けることによって硬化する機能液53は、硬化性機能液57と呼ばれる。また、水を含む液状体で構成される機能液53は、水系機能液59と呼ばれる。
本実施形態では、活性エネルギーとして光が採用されている。つまり、本実施形態では、硬化性機能液57は、光の照射を受けることによって硬化する性質である光硬化性を有している。さらに、本実施形態では、硬化性機能液57を硬化させる光として紫外光が採用されている。硬化性機能液57は、硬化した状態において、非水溶性を示す。
光の照射を受けることによって硬化する硬化性機能液57としては、樹脂材料に光硬化剤を添加したものなどが採用され得る。樹脂材料としては、例えば、アクリル系やエポキシ系の樹脂材料などが採用され得る。光硬化剤としては、例えば、ラジカル重合型の光重合開始剤や、カチオン重合型の光重合開始剤などが採用され得る。
ラジカル重合型の光重合開始剤としては、例えば、イソブチルベンゾインエーテルや、イソプロピルベンゾインエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、ベンジル、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジエトキシアセトフェノン、クロロチオキサントン、イソプロピルチオキサントンなどが挙げられる。
また、カチオン重合型の光重合開始剤としては、例えば、アリールスルホニウム塩誘導体や、アリルヨードニウム塩誘導体、ジアゾニウム塩誘導体、トリアジン系開始剤などが挙げられる。
【0038】
上記の構成を有する硬化性機能液57に、顔料や染料等の色素や、親液性や撥液性等の表面改質材料などの機能性材料を添加することによって固有の機能を有する硬化性機能液57を生成することができる。
顔料や染料等の色素を含有する硬化性機能液57では、例えば、ワークWに描画する断面要素をカラー表現することができる。以下において、顔料や染料等の色素を含有する硬化性機能液57は、カラー塗料と呼ばれる。
また、硬化性機能液57の成分としての樹脂材料に、例えば、光透過性を有する樹脂材料を採用することによって、光透過性を有する機能液53を構成することができる。以下において、光透過性を有する機能液53は、透光塗料と呼ばれる。このような光透過性を有する硬化性機能液57は、例えば、クリアインクとしての用途が考えられる。
クリアインクの用途としては、例えば、画像を被覆するオーバーコート層としての用途や、画像を形成する前の下地層としての用途などが考えられる。以下において、下地層として適用される硬化性機能液57は、下地塗料と呼ばれる。
下地塗料としては、透光塗料だけでなく、透光塗料に種々の顔料を添加した硬化性機能液57を採用することもできる。
【0039】
本実施形態では、硬化性機能液57として、相互に色が異なる5種類のカラー塗料が採用されている。5種類のカラー塗料において、相互に異なる色は、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)及びホワイト(W)である。
なお、以下において、5種類の硬化性機能液57を色ごとに識別する場合に、硬化性機能液57Y、硬化性機能液57M、硬化性機能液57C、硬化性機能液57K、及び硬化性機能液57Wという表記が用いられる。
カラー塗料に適用され得る顔料としては、例えば、有機顔料の一種であるアゾ系顔料や、多環式系顔料などが挙げられる。
イエロー(Y)の顔料としては、例えば、アゾ系顔料であるファストイエロー、ジスアゾイエローなどや、多環式系顔料であるイソインドリノンイエローなどが挙げられる。
マゼンタ(M)の顔料としては、例えば、多環式系顔料であるキナクリドンマゼンタや、無置換キナクリドンなどが挙げられる。
シアン(C)の顔料としては、例えば、多環式系顔料であるフタロシアニンブルーなどが挙げられる。
また、ブラック(K)の顔料としては、例えば、カーボンブラックなどが挙げられ、ホワイト(W)の顔料としては、例えば、酸化チタンなどが挙げられる。
【0040】
本実施形態では、異なる5色のカラー塗料(硬化性機能液57)が採用されているので、立体7におけるカラー表現が実現され得る。
吐出ヘッド33において、前述した12本のノズル列39(図4)は、機能液53の色ごとに区分されている。本実施形態では、ノズル列39a及びノズル列39bに属するノズル37は、硬化性機能液57Kを液滴55として吐出する。ノズル列39c及びノズル列39dに属するノズル37は、硬化性機能液57Cを液滴55として吐出する。ノズル列39e及びノズル列39fに属するノズル37は、硬化性機能液57Mを液滴55として吐出する。ノズル列39g及びノズル列39hに属するノズル37は、硬化性機能液57Yを液滴55として吐出する。ノズル列39i及びノズル列39jに属するノズル37は、硬化性機能液57Wを液滴55として吐出する。ノズル列39k及びノズル列39mに属するノズル37は、水系機能液59を液滴55として吐出する。
【0041】
キャリッジ搬送装置13は、図2に示すように、架台61と、ガイドレール63と、を有している。また、キャリッジ搬送装置13は、後述するキャリッジ位置検出装置(図示せず)と、後述するキャリッジ搬送モーター(図示せず)と、を有している。
架台61は、X方向に延在しており、テーブル搬送装置11をX方向にまたいでいる。架台61は、テーブル9の定盤21側とは反対側で、テーブル搬送装置11に対向している。架台61は、支柱67aと支柱67bとによって支持されている。支柱67a及び支柱67bは、定盤21を挟んでX方向に互いに対峙する位置に設けられている。支柱67a及び支柱67bは、それぞれ、テーブル9よりもZ方向の上方に突出している。これにより、架台61とテーブル9との間に隙間が保たれている。
【0042】
ガイドレール63は、架台61の定盤21側に設けられている。ガイドレール63は、X方向に沿って延在しており、架台61のX方向における幅にわたって設けられている。
前述したキャリッジ12は、ガイドレール63に支持されている。キャリッジ12がガイドレール63に支持された状態において、吐出ヘッド33のノズル面35は、Z方向においてテーブル9側に向いている。キャリッジ12は、ガイドレール63によってX方向に沿って案内され、X方向に往復動可能な状態でガイドレール63に支持されている。なお、平面視で、キャリッジ12がテーブル9に重なっている状態において、ノズル面35とテーブル9のテーブル面9aとは、互いに隙間を保った状態で対向する。
なお、キャリッジ位置検出装置は、キャリッジ12のX方向における位置を検出する。
【0043】
キャリッジ12は、図示しない移動機構及び動力源によって、X方向に往復動可能に構成されている。移動機構としては、例えば、ボールねじとボールナットとを組み合わせた機構や、リニアガイド機構などが採用され得る。また、本実施形態では、キャリッジ12をX方向に沿って移動させるための動力源として、後述するキャリッジ搬送モーターが採用されている。キャリッジ搬送モーターとしては、ステッピングモーター、サーボモーター、リニアモーターなどの種々のモーターが採用され得る。
キャリッジ搬送モーターからの動力は、移動機構を介してキャリッジ12に伝達される。これにより、キャリッジ12は、ガイドレール63に沿って、すなわちX方向に沿って往復移動することができる。つまり、キャリッジ搬送装置13は、キャリッジ12に支持されたヘッドユニット14を、X方向に沿って往復移動させることができる。
【0044】
キャリッジ昇降装置15は、前述した支柱67a及び支柱67bを有している。また、キャリッジ昇降装置15は、後述する昇降位置検出装置(図示せず)と、後述する昇降モーター(図示せず)と、を有している。
支柱67aは、ガイドレール69aを有している。支柱67bは、ガイドレール69bを有している。ガイドレール69a及びガイドレール69bは、それぞれ、Z方向に沿って延在している。ガイドレール69a及びガイドレール69bは、架台61をZ方向に沿って昇降可能に案内する。つまり、支柱67a及び支柱67bは、ガイドレール69a及びガイドレール69bを介して、架台61をZ方向に昇降可能な状態で支持している。
【0045】
架台61は、図示しない昇降機構及び動力源によって、Z方向に昇降可能に構成されている。昇降機構としては、例えば、ボールねじとボールナットとを組み合わせた機構や、リニアガイド機構などが採用され得る。本実施形態では、架台61をZ方向に沿って昇降させるための動力源として、後述する昇降モーターが採用されている。昇降モーターとしては、例えば、ステッピングモーター、サーボモーター、リニアモーターなどの種々のモーターが採用され得る。
昇降モーターからの動力は、昇降機構を介して架台61に伝達される。これにより、架台61は、ガイドレール69a及びガイドレール69bに沿って、すなわちZ方向に沿って昇降することができる。つまり、キャリッジ昇降装置15は、キャリッジ12に支持されたヘッドユニット14を、Z方向に沿って昇降させることができる。
なお、昇降位置検出装置は、キャリッジ12のZ方向における位置を検出する。昇降位置検出装置での検出結果に基づいて、吐出ヘッド33のZ方向における位置が把握され得る。
【0046】
露光装置17は、支柱81と、光源装置83と、を有している。露光装置17は、ワークWに描画された断面要素に紫外光を照射する装置である。露光装置17は、定盤21のY方向における一端側に設けられている。
支柱81は、定盤21のY方向における一端側に設けられており、平面視で、X方向に定盤21をまたいでいる。
光源装置83は、平面視で、定盤21に重なる位置に設けられている。光源装置83は、支柱81の梁部81aからZ方向の下方に向かって吊り下げられている。なお、テーブル9と光源装置83とが平面視で互いに重畳した状態において、テーブル9と光源装置83との間に隙間が保たれている。
【0047】
上記の構成により、テーブル9は、平面視で、光源装置83に重畳し得る。
光源装置83は、図示しない光源を有している。光源は、紫外光を発する。光源としては、例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、エキシマランプ等が採用され得る。
光源装置83の光源からの紫外光は、光源装置83から定盤21に向かって照射される。このため、テーブル9と光源装置83とが平面視で互いに重畳した状態において、光源装置83からの紫外光は、テーブル9に載置されたワークWに届き得る。
【0048】
造形装置5は、図6に示すように、上記の各構成の動作を制御する制御部111を有している。制御部111は、CPU(Central Processing Unit)113と、駆動制御部115と、メモリー部117と、を有している。駆動制御部115及びメモリー部117は、バス119を介してCPU113に接続されている。
また、造形装置5は、キャリッジ搬送モーター121と、テーブル搬送モーター122と、昇降モーター124と、キャリッジ位置検出装置125と、テーブル位置検出装置126と、昇降位置検出装置127と、を有している。
キャリッジ搬送モーター121、テーブル搬送モーター122、及び昇降モーター124は、それぞれ、入出力インターフェース133とバス119とを介して制御部111に接続されている。また、キャリッジ位置検出装置125、テーブル位置検出装置126及び昇降位置検出装置127も、それぞれ、入出力インターフェース133とバス119とを介して制御部111に接続されている。
【0049】
キャリッジ搬送モーター121は、キャリッジ12をX方向に沿って駆動するための動力を発生させる。テーブル搬送モーター122は、テーブル9を駆動するための動力を発生させる。昇降モーター124は、キャリッジ12をZ方向に沿って昇降させるための動力を発生させる。
キャリッジ位置検出装置125は、キャリッジ12のX方向における位置を検出する。テーブル位置検出装置126は、テーブル9のY方向における位置を検出する。昇降位置検出装置127は、キャリッジ12のZ方向における位置を検出する。
なお、吐出ヘッド33及び光源装置83も、それぞれ、入出力インターフェース133とバス119とを介して制御部111に接続されている。また、コンピューター3も、入出力インターフェース133とバス119とを介して制御部111に接続されている。
【0050】
CPU113は、プロセッサーとして各種の演算処理を行う。駆動制御部115は、各構成の駆動を制御する。メモリー部117は、RAM(Random Access Memory)や、ROM(Read-Only Memory)などを含んでいる。メモリー部117には、造形装置5における動作の制御手順が記述されたプログラムソフト135を記憶する領域や、各種のデータを一時的に展開する領域であるデータ展開部137などが設定されている。データ展開部137に展開されるデータとしては、例えば、描画すべき断面要素が示される断面データや、描画処理等のプログラムデータなどが挙げられる。
駆動制御部115は、モーター制御部141と、位置検出制御部143と、吐出制御部145と、露光制御部147と、を有している。
【0051】
モーター制御部141は、CPU113からの指令に基づいて、キャリッジ搬送モーター121の駆動と、テーブル搬送モーター122の駆動と、昇降モーター124の駆動とを、個別に制御する。
位置検出制御部143は、CPU113からの指令に基づいて、キャリッジ位置検出装置125と、テーブル位置検出装置126と、昇降位置検出装置127とを、個別に制御する。
位置検出制御部143は、CPU113からの指令に基づいて、キャリッジ位置検出装置125にキャリッジ12のX方向における位置を検出させ、且つ検出結果をCPU113に出力する。
【0052】
また、位置検出制御部143は、CPU113からの指令に基づいて、テーブル位置検出装置126にテーブル9のY方向における位置を検出させ、且つ検出結果をCPU113に出力する。
また、位置検出制御部143は、CPU113からの指令に基づいて、昇降位置検出装置127にキャリッジ12のZ方向における位置を検出させ、且つ検出結果をCPU113に出力する。
吐出制御部145は、CPU113からの指令に基づいて、吐出ヘッド33の駆動を制御する。
露光制御部147は、CPU113からの指令に基づいて、光源装置83の光源の発光状態を制御する。
【0053】
ここで、造形装置5における描画処理について説明する。
造形装置5では、制御部111(図6)がコンピューター3から入出力インターフェース133及びバス119を介して断面データを取得すると、断面データごとにCPU113によって図7に示す描画処理が実施される。
ここで、断面データでは、描画すべき断面要素がビットマップ状に表現されている。ワークWへの断面要素の描画は、吐出ヘッド33をワークWに対向させた状態で、吐出ヘッド33とワークWとを相対的に往復移動させながら、吐出ヘッド33から液滴55を所定周期で吐出させることによって行われる。
【0054】
描画処理では、CPU113は、まず、ステップS1において、キャリッジ搬送指令をモーター制御部141(図6)に出力する。このとき、モーター制御部141は、キャリッジ搬送モーター121の駆動を制御して、キャリッジ12を描画エリアの往路開始位置に移動させる。ここで、描画エリアは、図2に示すテーブル9によってY方向に沿って描かれる軌跡と、吐出ヘッド33によってX方向に沿って描かれる軌跡とが重なり合う領域である。往路開始位置は、キャリッジ12を往復移動させるときの往路が開始する位置である。本実施形態では、往路開始位置は、X方向において、定盤21の支柱67a側に位置している。往路開始位置は、平面視で、定盤21の外側に位置している。
次いで、ステップS2において、CPU113は、基板搬送指令をモーター制御部141(図6)に出力する。このとき、モーター制御部141は、テーブル搬送モーター122の駆動を制御して、ワークWを描画エリアに移動させる。
【0055】
次いで、ステップS3において、CPU113は、キャリッジ走査指令をモーター制御部141(図6)に出力する。このとき、モーター制御部141は、キャリッジ搬送モーター121の駆動を制御して、キャリッジ12の往復移動を開始させる。
ここで、キャリッジ12の往復移動では、キャリッジ12は、上述した往路開始位置と復路開始位置との間を往復移動する。つまり、往路開始位置から復路開始位置で折り返して往路開始位置に戻る経路がキャリッジ12の1往復である。このため、本実施形態では、往路開始位置から復路開始位置に向かう経路がキャリッジ12の往路である。他方で、復路開始位置から往路開始位置に向かう経路がキャリッジ12の復路である。
なお、復路開始位置は、X方向に定盤21(図2)を挟んで往路開始位置に対峙する位置である。復路開始位置は、平面視で、定盤21の外側に位置している。このため、往路開始位置と復路開始位置とは、平面視で、定盤21をX方向に挟んで互いに対峙している。
【0056】
次いで、ステップS4において、CPU113は、吐出指令を吐出制御部145(図6)に出力する。このとき、吐出制御部145は、吐出ヘッド33の駆動を制御して、断面データに基づいて、各ノズル37から液滴55を吐出させる。これにより、往路での描画が行われる。
次いで、ステップS5において、CPU113は、キャリッジ12の位置が復路開始位置に到達したか否かを判定する。このとき、キャリッジ12の位置が復路開始位置に到達した(Yes)と判定されると、処理がステップS6に移行する。他方で、キャリッジ12の位置が復路開始位置に到達していない(No)と判定されると、キャリッジ12の位置が復路開始位置に到達するまで処理が待機される。
【0057】
ステップS6において、CPU113は、吐出停止指令を吐出制御部145(図6)に出力する。このとき、吐出制御部145は、吐出ヘッド33の駆動を停止して、各ノズル37からの液滴55の吐出を停止させる。これにより、往路での描画が終了する。
次いで、ステップS7において、CPU113は、改行指令をモーター制御部141(図6)に出力する。このとき、モーター制御部141は、テーブル搬送モーター122の駆動を制御して、ワークWをY方向に移動(改行)させ、ワークWにおいてパターンを描画すべき新たな領域を描画エリアに移動させる。
次いで、ステップS8において、CPU113は、吐出指令を吐出制御部145(図6)に出力する。このとき、吐出制御部145は、吐出ヘッド33の駆動を制御して、断面データに基づいて、各ノズル37から液滴55を吐出させる。これにより、復路での描画が行われる。
【0058】
次いで、ステップS9において、CPU113は、キャリッジ12の位置が往路開始位置に到達したか否かを判定する。このとき、キャリッジ12の位置が往路開始位置に到達した(Yes)と判定されると、処理がステップS10に移行する。他方で、キャリッジ12の位置が往路開始位置に到達していない(No)と判定されると、キャリッジ12の位置が往路開始位置に到達するまで処理が待機される。
ステップS10において、CPU113は、吐出停止指令を吐出制御部145(図6)に出力する。このとき、吐出制御部145は、吐出ヘッド33の駆動を停止して、各ノズル37からの液滴55の吐出を停止させる。これにより、復路での描画が終了する。
【0059】
次いで、ステップS11において、CPU113は、断面データに基づく断面要素の描画が終了したか否かを判定する。このとき、断面要素の描画が終了した(Yes)と判定されると、処理が終了する。他方で、断面要素の描画が終了していない(No)と判定されると、処理がステップS12に移行する。
ステップS12において、CPU113は、改行指令をモーター制御部141(図6)に出力してから、処理をステップS4に移行させる。このとき、ステップS12では、モーター制御部141は、テーブル搬送モーター122の駆動を制御して、ワークWをY方向に移動(改行)させ、ワークWにおいてパターンを描画すべき新たな領域を描画エリアに移動させる。
【0060】
次に、造形装置5における露光処理について説明する。
造形装置5では、硬化性機能液57での描画処理が終了すると、CPU113によって図8に示す露光処理が開始される。なお、露光処理は、断面データに基づく硬化性機能液57での描画処理が実施されるごとに実施される。
露光処理では、CPU113は、まず、ステップS31において、基板搬送指令をモーター制御部141(図6)に出力する。このとき、モーター制御部141は、テーブル搬送モーター122の駆動を制御して、ワークWを露光エリアに移動させる。なお、露光エリアは、平面視で露光装置17に重なる領域である。
【0061】
次いで、ステップS32において、CPU113は、露光指令を露光制御部147(図6)に出力する。このとき、露光制御部147は、露光装置17の光源の駆動を制御して、露光装置17の光源を点灯させる。
次いで、ステップS33において、CPU113は、露光停止指令を露光制御部147(図6)に出力してから、処理を終了させる。このとき、ステップS33では、露光制御部147は、露光装置17の光源の駆動を制御して、露光装置17の光源を消灯させる。
上記により、断面要素が紫外光で露光される。
【0062】
ここで、本実施形態における造形方法の流れについて説明する。
本実施形態における造形方法は、図9に示すように、断面データ生成工程S51と、造形工程S52と、洗浄工程S53と、を含む。
さらに、造形工程S52は、層形成工程S521と、第1描画工程S522と、第2描画工程S523と、露光工程S524と、を含む。
断面データ生成工程S51では、上述したように、造形対象である立体7の形状データから複数の断面データを生成する。断面データ生成工程S51では、コンピューター3によって、断面データの生成が行われる。
【0063】
造形システム1では、コンピューター3によって、造形対象である立体7の形状データから複数の断面要素が抽出される。立体7は、図10に示すように、複数の断面要素161によって構成される。複数の断面要素161を順次に重ねると、造形対象である立体7が構成される。つまり、複数の断面要素161は、それぞれ、造形対象である立体7の形状を構成する要素である。本例では、立体7を3つの断面要素161に分割した例が示される。以下において、3つの断面要素161のそれぞれを個別に識別する場合に、3つの断面要素161は、断面要素161j(jは、1〜3までの整数)と表記される。また、本例での断面要素161jは、それぞれ、厚みtjを有している。
コンピューター3は、抽出した複数の断面要素161に基づいて、複数の断面データを生成する。このとき、1つの断面要素161から1つの断面データが生成される。複数の断面データは、それぞれ、造形装置5に出力される。
【0064】
層形成工程S521では、図10に示す断面要素161ごとに、図11に示すように、石膏で層162を形成する。このとき、層162は、断面要素161ごとに、断面要素161jの厚みtjに対応した厚さで形成される。
層形成工程S521の後に、第1描画工程S522では、断面データに基づいて、石膏の層162に水系機能液59を塗布することによって、断面要素161を描画する。第1描画工程S522では、造形装置5における描画処理(図7)に基づいて、断面要素161の描画が行われる。なお、水系機能液59で描画された断面要素161は、第1断面パターン166と呼ばれる。
ここで、水系機能液59には、水が含まれている。このため、石膏の層162において水系機能液59で描画された第1断面パターン166に重なる領域が硬化する。
【0065】
第1描画工程S522の後に、第2描画工程S523では、断面データに基づいて、石膏の層162に硬化性機能液57を塗布することによって、断面要素161を描画する。第2描画工程S523では、造形装置5における描画処理(図7)に基づいて、断面要素161の描画が行われる。なお、硬化性機能液57で描画された断面要素161は、第2断面パターン168と呼ばれる。
第2描画工程S523では、石膏の層162のうちで第1描画工程S522で描画された第1断面パターン166に硬化性機能液57を重ねて塗布することによって、第2断面パターン168を描画する。つまり、同一の断面要素161において、第1断面パターン166と第2断面パターン168とは、互いに重なり合う。
第2描画工程S523の後に、露光工程S524では、描画された第2断面パターン168ごとに、露光装置17で第2断面パターン168を紫外光で露光する。これにより、第2断面パターン168が硬化する。
【0066】
造形工程S52では、層形成工程S521、第1描画工程S522、第2描画工程S523及び露光工程S524を、すべての断面要素161にわたって順次に実施する。つまり、層形成工程S521、第1描画工程S522、第2描画工程S523及び露光工程S524は、描画すべき新たな断面要素161の断面データが尽きるまで反復して行われる。これにより、図11に示す積層体163が形成され得る。積層体163では、複数の断面パターン165が重畳している。なお、各断面パターン165jでは、上述した第1断面パターン166jと第2断面パターン168jとが複合している。また、積層体163では、断面パターン165に未硬化の石膏167が付着している。
複数の断面要素161にわたって層形成工程S521、第1描画工程S522、第2描画工程S523及び露光工程S524を反復して実施した後に、洗浄工程S53では、立体7に付着している未硬化の石膏167を洗浄する。
上記により、立体7が形成され得る。上記の方法によって造形された立体7では、各断面パターン165jにおいて第1断面パターン166jと第2断面パターン168jとが複合しているので、各断面パターン165jの強度を高めやすくすることができる。この結果、複数の断面パターン165が重なった立体7の強度を高めやすくすることができる。
【0067】
本実施形態では、第1描画工程S522及び第2描画工程S523が、造形装置5における描画処理によって実現される。本実施形態では、第1描画工程S522において、水系機能液59の塗布工程(第1断面パターン166の描画)が、造形装置5における描画処理(図7)に基づいて実施される。また、第2描画工程S523において、硬化性機能液57の塗布工程(第2断面パターン168の描画)が、造形装置5における描画処理(図7)に基づいて実施される。
【0068】
ここで、図10に示す立体7を例に、造形工程S52の流れを説明する。
まず、層形成工程S521において、図12(a)に示すように、基板などのワークWに石膏で層1711を形成する。
ここで、本実施形態では、石膏の態様として、図12(a)中のD部の拡大図である図13に示すように、石膏カプセル173が採用されている。石膏カプセル173では、粉状の石膏175が樹脂177で束ねられている。
樹脂177は、フィルム状の態様を有しており、水溶性を示す。本実施形態では、樹脂177としてPVA(polyvinyl alcohol)が採用されている。
石膏カプセル173では、粉状の石膏175をフィルム状の樹脂177で包むことによって、石膏175が樹脂177によって束ねられている。言い換えると樹脂177によって石膏175が保持されている状態となる。
【0069】
石膏カプセル173の製造方法としては、例えば、次に述べる方法が採用され得る。
まず、図14(a)に示すように、一対の金型181a及び金型181bの間に、PVAのシート183aを敷いてから、シート183a上に石膏175を並べて載置する。
次に、石膏175と金型181bとの間にPVAのシート183bを敷く。
次に、図14(b)に示すように、一対の金型181a及び金型181bを閉じる。すなわち、シート183a及びシート183bを金型181a及び金型181bで挟持させる。
次に、金型181a及び金型181bを介して、シート183a及びシート183bを、約100〜120℃の温度に加熱する。これにより、シート183a及びシート183b同士が圧着(ヒートシール)される。
上記により、石膏カプセル173が製造され得る。なお、石膏カプセル173の大きさは、任意の大きさが採用され得る。造形物に緻密さが要求される場合には、石膏カプセル173の大きさが細かいことが好ましい。
【0070】
層形成工程S521では、複数の石膏カプセル173を敷くことによって、図12(a)に示す層1711を形成する。
なお、層1711の厚みは、図12(a)に示すように、t1の厚みに設定される。前述したように、厚みt1は、断面要素1611の厚み(図10)である。
層1711の形成に次いで、第1描画工程S522において、図12(b)に示すように、吐出ヘッド33から水系機能液59を液滴55として吐出させることによって、層1711に水系機能液59で断面要素1611に基づく第1断面パターン1661を描画する。このとき、層1711において、第1断面パターン1661に重なる領域内の石膏カプセル173に水系機能液59が塗布される。前述したように、水系機能液59には、水が含まれている。このため、水系機能液59が塗布された石膏カプセル173では、樹脂177が水系機能液59に溶解してから、石膏175に水系機能液59が付着する。この結果、層1711において、第1断面パターン1661に重なる領域内の石膏175が硬化する。
【0071】
第1描画工程S522に次いで、第2描画工程S523において、図12(c)に示すように、吐出ヘッド33から硬化性機能液57を液滴55として吐出させることによって、層1711に硬化性機能液57で断面要素1611に基づく第2断面パターン1681を描画する。このとき、層1711において、第2断面パターン1681に重なる第1断面パターン1661に硬化性機能液57が塗布される。
第2描画工程S523に次いで、露光工程S524において、図12(d)に示すように、第2断面パターン1681を構成する硬化性機能液57に紫外光187を照射する。このとき、硬化性機能液57に対する紫外光187の照射は、前述した露光処理(図8)に基づいて実施される。これにより、第2断面パターン1681を構成する硬化性機能液57が硬化する。この結果、図15(a)に示す断面パターン1651が形成され得る。
【0072】
露光工程S524に次いで、層形成工程S521において、図15(a)に示すように、層1711上に複数の石膏カプセル173を敷くことによって、層1711上に層1712を形成する。このとき、層1712の厚みは、t2の厚みに設定される。前述したように、厚みt2は、断面要素1612の厚み(図10)である。
層1712の形成に次いで、第1描画工程S522において、図15(b)に示すように、吐出ヘッド33から水系機能液59を液滴55として吐出させることによって、層1712に水系機能液59で断面要素1612に基づく第1断面パターン1662を描画する。このとき、層1712において、第1断面パターン1662に重なる領域内の石膏カプセル173に水系機能液59が塗布される。水系機能液59が塗布された石膏カプセル173では、樹脂177が水系機能液59に溶解してから、石膏175に水系機能液59が付着する。この結果、層1712において、第1断面パターン1662に重なる領域内の石膏175が硬化する。
【0073】
第1描画工程S522に次いで、第2描画工程S523において、図15(c)に示すように、吐出ヘッド33から硬化性機能液57を液滴55として吐出させることによって、層1712に硬化性機能液57で断面要素1612に基づく第2断面パターン1682を描画する。このとき、層1712において、第2断面パターン1682に重なる第1断面パターン1662に硬化性機能液57が塗布される。
第2描画工程S523に次いで、露光工程S524において、図16(a)に示すように、第2断面パターン1682を構成する硬化性機能液57に紫外光187を照射する。このとき、硬化性機能液57に対する紫外光187の照射は、前述した露光処理(図8)に基づいて実施される。これにより、第2断面パターン1682を構成する硬化性機能液57が硬化する。この結果、図16(b)に示す断面パターン1652が形成され得る。
【0074】
露光工程S524に次いで、層形成工程S521において、図16(b)に示すように、層1712上に複数の石膏カプセル173を敷くことによって、層1712上に層1713を形成する。このとき、層1713の厚みは、t3の厚みに設定される。前述したように、厚みt3は、断面要素1613の厚み(図10)である。
層1713の形成に次いで、第1描画工程S522において、図16(c)に示すように、吐出ヘッド33から水系機能液59を液滴55として吐出させることによって、層1713に水系機能液59で断面要素1613に基づく第1断面パターン1663を描画する。このとき、層1713において、第1断面パターン1663に重なる領域内の石膏カプセル173に水系機能液59が塗布される。水系機能液59が塗布された石膏カプセル173では、樹脂177が水系機能液59に溶解してから、石膏175に水系機能液59が付着する。この結果、層1713において、第1断面パターン1663に重なる領域内の石膏175が硬化する。
【0075】
第1描画工程S522に次いで、第2描画工程S523において、図17(a)に示すように、吐出ヘッド33から硬化性機能液57を液滴55として吐出させることによって、層1713に硬化性機能液57で断面要素1613に基づく第2断面パターン1683を描画する。このとき、層1713において、第2断面パターン1683に重なる第1断面パターン1663に硬化性機能液57が塗布される。
第2描画工程S523に次いで、露光工程S524において、図17(b)に示すように、第2断面パターン1683を構成する硬化性機能液57に紫外光187を照射する。このとき、硬化性機能液57に対する紫外光187の照射は、前述した露光処理(図8)に基づいて実施される。これにより、第2断面パターン1683を構成する硬化性機能液57が硬化する。この結果、図17(c)に示す断面パターン1653が形成され得る。
なお、本実施形態では、層1711、層1712及び層1713ごとに、吐出ヘッド33と層1711、層1712及び層1713のそれぞれとの間のギャップ量が調整される。これは、図6に示す昇降モーター124の駆動を制御することによって達成され得る。
上記により、図17(c)に示す積層体163が形成され得る。
【0076】
そして、洗浄工程S53において、積層体163を洗浄することによって、未硬化の石膏カプセル173が洗い流される。これにより、立体7が形成され得る。
洗浄工程S53では、例えば、アルコールやアセトンなどの液体が洗浄剤として採用され得る。石膏175を束ねる樹脂177(図13)は、これらの洗浄剤に対して溶けにくい性質を有している。
そして、洗浄工程S53では、積層体163を洗浄剤に浸漬する。積層体163を洗浄剤に浸漬することによって、石膏カプセル173同士間の結着状態が解放され得る。このため、積層体163を洗浄剤に浸漬することによって、石膏カプセル173を洗い流すことができる。このとき、洗浄剤を加温したり、洗浄剤中で積層体163に超音波を照射したりすることによって、洗浄を促進させることができる。
【0077】
本実施形態において、石膏カプセル173が粉束に対応し、層1711、層1712及び層1713のそれぞれが粉束層に対応し、水系機能液59が第1液状体に対応し、硬化性機能液57が第2液状体に対応している。
本実施形態では、層1711、層1712及び層1713ごとに、第1断面パターン166と第2断面パターン168とを重ねて形成するので、断面パターン165の強度を高めやすくすることができる。この結果、複数の断面パターン165が重なった立体7の強度を高めやすくすることができる。
【0078】
また、本実施形態では、粉状の石膏175をフィルム状の樹脂177で包んだ石膏カプセル173が採用されているので、石膏175の粉末の飛散を発生させにくくすることができる。この結果、造形装置5などへの粉末の付着を低く抑えやすくすることができるので、造形装置5の信頼性を維持しやすくすることができる。
また、本実施形態では、層形成工程S521において、複数の石膏カプセル173を敷くことによって、層1711、層1712及び層1713のそれぞれを形成する。このため、例えば、層1711、層1712及び層1713のそれぞれを1つの石膏カプセル173で構成する場合に比較して、未硬化の石膏175を洗い流しやすい。この結果、立体7を造形しやすくすることができる。また、複数の石膏カプセル173を敷くことによって、層1711、層1712及び層1713のそれぞれを形成するので、高精細な立体7を造形することができる。
【0079】
また、本実施形態では、第1描画工程S522において、機能液53に溶解した樹脂177は、粉状の石膏175の粉末同士間に浸透すると、粉末同士をつなぎとめるバインダーとして機能することがある。本実施形態では、複数の石膏カプセル173を敷くことによって、層1711、層1712及び層1713のそれぞれを形成するので、機能液53に溶解した樹脂177が石膏175の粉末同士間に浸透しやすい。このため、造形した立体7の強度を一層高めやすくすることができる。
さらに、この立体7に加熱処理を施すことによって、粉末同士間に浸透した樹脂177と粉末との密着性を高めやすくすることができる。この結果、造形した立体7の強度を、加熱処理によって一層高めやすくすることができる。加熱処理としては、立体7に赤外線を照射する方法や、立体7をクリーンオーブンなどの炉で加熱する方法などの種々の方法が採用され得る。
【0080】
なお、本実施形態では、石膏175を束ねる態様として、石膏175をフィルム状の樹脂177で包んだ石膏カプセル173が採用されている。しかしながら、石膏175を束ねる態様としては、石膏カプセル173に限定されない。石膏175を束ねる態様としては、例えば、樹脂177に石膏175を練り込んだ態様も採用され得る。
また、石膏カプセル173では、石膏175がフィルム状の樹脂177に包まれていなくてもよい。粉末が樹脂177に固着していれば、石膏175が樹脂177からはみ出ていてもよい。すわなち、石膏175が樹脂177によって束ねられていればよい。言い換えると樹脂177によって石膏175が保持されていればよい。これにより、石膏175の粉末が飛散することを低く抑えやすくすることができる。
【0081】
また、本実施形態では、第1描画工程S522及び第2描画工程S523のそれぞれにおいて、機能液53を塗布する方法として、塗布法の1つであるインクジェット法が採用されている。しかしながら、塗布法は、インクジェット法に限定されず、ディスペンス法や、印刷法なども採用され得る。しかしながら、インクジェット法を採用することは、ワークWの任意の箇所に任意の量の機能液53を塗布しやすい点で好ましい。
【0082】
また、本実施形態では、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック及びホワイトの5種類のカラー塗料が採用されている。しかしながら、カラー塗料の色は、これらの5種類に限定されない。カラー塗料の色としては、例えば、これらの5種類にライトシアンやライトマゼンタなどを加えた7種類等、1種類以上の任意の種類のカラー塗料が採用され得る。
【0083】
また、本実施形態では、硬化性機能液57の硬化を促進させるための活性エネルギーとして光が採用されているが、活性エネルギーは、光に限定されず、例えば、熱も採用され得る。つまり、硬化性機能液57としては、加熱を受けることによって硬化する性質である熱硬化性を有するものも採用され得る。
この場合、露光装置17が加熱装置に替えられ、露光工程S524が加熱工程に替えられる。加熱工程において、第2断面パターン168を構成する硬化性機能液57を加熱装置で加熱することによって、断面パターン165を形成することができる。
【符号の説明】
【0084】
1…造形システム、5…造形装置、7…立体、33…吐出ヘッド、35…ノズル面、37…ノズル、53…機能液、55…液滴、57…硬化性機能液、57Y,57M,57C,57K,57W…硬化性機能液、59…水系機能液、161…断面要素、163…積層体、165…断面パターン、166…第1断面パターン、168…第2断面パターン、1711,1712,1713…層、173…石膏カプセル、175…石膏、177…樹脂、181a,181b…金型、183a,183b…シート、187…紫外光。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
造形対象である立体を複数の断面要素に分割し、前記断面要素ごとに、
第1液状体の塗布を受けて硬化する性質を有する粉末を、前記第1液状体に対して可溶性を有する樹脂で束ねた構成を有する粉束を層状に敷くことによって、前記粉束で粉束層を形成する層形成工程と、
前記粉束層に前記第1液状体を塗布することによって、前記粉束層に前記第1液状体で前記断面要素を第1断面パターンとして描画する第1描画工程と、
活性エネルギーを受けることによって硬化する性質を有する第2液状体を、前記第1断面パターンに重ねて塗布することによって、前記断面要素を第2断面パターンとして描画する第2描画工程と、
前記第2断面パターンに前記活性エネルギーを付与するエネルギー付与工程と、
を前記複数の断面要素にわたって順次に実施する造形工程を含む、
ことを特徴とする造形方法。
【請求項2】
前記粉束は、前記粉末をフィルム状の前記樹脂で包んだ構成を有している、
ことを特徴とする請求項1に記載の造形方法。
【請求項3】
前記層形成工程において、複数の前記粉束を並べることによって、前記粉束層を形成する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の造形方法。
【請求項4】
前記第2液状体は、光の照射を受けることによって硬化する性質である光硬化性を有しており、
前記エネルギー付与工程では、前記第2液状体に前記光を照射する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の造形方法。
【請求項5】
前記第1液状体は、水を含んでおり、
前記樹脂は、水溶性を示し、
前記粉末は、前記水の塗布を受けて硬化する性質である水硬性を有している、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の造形方法。
【請求項6】
前記粉末は、石膏である、
ことを特徴とする請求項5に記載の造形方法。
【請求項7】
前記樹脂は、前記第1液状体に溶けることによって、前記粉末のバインダーとして機能する、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の造形方法。
【請求項8】
前記第2液状体は、色素を含有している、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の造形方法。
【請求項9】
前記第1描画工程では、前記第1液状体をインクジェット法で前記粉束層に吐出することによって、前記粉束層に前記第1断面パターンを描画する、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の造形方法。
【請求項10】
前記第2描画工程では、前記第2液状体をインクジェット法で前記粉束層に吐出することによって、前記粉束層に前記第2断面パターンを描画する、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の造形方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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