説明

造影剤のエクスビボ過分極

本発明は、一般に、造影剤における核過分極のエクスビボ誘導を加速するための方法に関する。本発明により、例えば、非ゼロスピン核およびゼロスピン核を含む固形造影剤を提供する工程;該固形造影剤を、該固形造影剤内に可動荷電キャリアを生成する第1の形態の照射で照射する工程;および該照射する工程で生成される可動荷電キャリアの少なくともいくつかが該固形造影剤内に存在する間に、該非ゼロスピン核の少なくとも一部分を過分極する工程を包含する、方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権情報)
本出願は、2006年1月11日に出願された米国出願番号第60/758,245号への優先権を主張している。本出願はまた、2006年3月16日に出願された米国出願番号第60/783,201号への優先権を主張している。本出願はまた、2006年3月16日に出願された米国出願番号第60/783,202号への優先権を主張している。これら出願の全体の内容は、本明細書によって参考として援用される。
【0002】
(発明の背景)
磁気共鳴画像法(MRI)システムは、一般に、付与された外部磁場における原子核の磁気モーメントの歳差を検出することにより、被験体内の領域の診断画像を提供する。画像化を可能にする空間的選択性は、付与された高周波(rf)振動場の周波数を、準静的場における核の歳差周波数に一致することによって達成される。この準静的に付与された場における制御されたグラジエントを導入することにより、被験体の特定のスライスが鏡面に選択的にもたらされる。これらグラジエントを複数方向で制御し、およびrf共鳴場のパルス化付与を制御する種々の方法によって、核歳差の種々の性質を表す三次元画像が検出され得、核の密度、それらの環境、およびそれらの緩和プロセスについての種々の情報を得る。付与される準静的場およびrf周波数の大きさの適切な選択により、異なる核が画像化され得る。
【0003】
代表的には、MRIの医療適用において、画像化されるのは、水素原子の核、すなわち、プロトンである。これは、もちろん、唯一の可能性ではない。目的の核を取り囲む環境についての情報は、(時間スケールT1での)チップ化パルス後の準静的場とのアラインメントに戻る核モーメント配向の緩和によるか、または(時間スケールT2での)付与されたrf周波数に対する、多かれ少なかれ急速な歳差を引き起こす環境効果に起因する歳差の位相をずらすことにより、それによって核の歳差運動が減衰される緩和プロセスをモニターすることにより得られ得る。ガドリニウム化合物を基礎にしたもののような従来のMRI造影剤は、プロトンのT1またはT2緩和プロセスを局所的に改変することにより作動される。代表的には、これは、プロトンの局所的磁気環境を改変する造影剤の磁気性質に依存する。この場合、画像が、これら緩和時間のいずれかを、被験体における位置の関数として表示するとき、この造影剤の位置は、画像中に現れ、診断情報を提供する。コントラスト増強はまた、オーバーハウザー効果を利用することにより達成、そこでは、常磁性造影剤中の電子遷移が内生的造影核(例えば、プロトン)の核スピン系にカップルされる。このいわゆるオーバーハウザー増強磁気共鳴画像化(OMRI)技法は、画像化された核の分極を増加させ、そしてそれによって獲得される信号を増幅する。
【0004】
MRI画像化の代替のアプローチは、被験体中に造影剤を導入することであり、その核自体が上記の技法によって画像化される。すなわち、身体中の内生的プロトンの局所的環境に影響し、そしてそれによってプロトン画像中にコントラストを提供するよりはむしろ、外因性造影剤がそれ自体画像化される。このような造影剤は、3He、129Xe、31P、29Si、13Cおよびその他(例えば、特許文献1を参照のこと)のような、非ゼロ核スピンを有する原子および分子物質を含む。これら物質中の核は、この剤中の核の重要なフラクションを配向する種々の方法によってエクスビボで分極され得る。過分極された物質が、次いで、身体中に導入される。一旦身体にあると、強力な画像化信号が、造影剤の高い程度の分極に起因して得られる。また、身体からの少ないバックグラウンド信号があるに過ぎず、なぜなら、この造影剤は、身体中のプロトンを励起しない共鳴周波数を有するからである。例えば、特許文献2は、MRIのための過分極希ガスの使用を開示している。
【0005】
過分極MRIのための多くの提案された造影剤は、短いスピン−格子緩和(T1)時間を有し、この材料が過分極する装置から身体まで迅速に移され、そしてしばしば、数十秒の時間スケールで、身体中への導入後すぐに画像化されることを必要とする。多くの適用のために、より長いT1時間をもつ造影剤を用いることが所望される。ガスと比較して、固体または液体材料は、通常、それらの過分極を急速に失う。過分化物質は、それ故、代表的にはガスを用いる。例えば、特許文献3は、数分のT1時間を提供することを請求項に記載する過分極化ガスを用いる磁気共鳴画像を提供する方法を開示している。過分極化されたガスでさえ、その磁気配向を失うことを保護することは、しかし、特定の適用ではまた困難である。例えば、特許文献4は、接触誘導されたスピン緩和を最小にしながら、3Heおよび129Xeガスを収集および輸送する特有のコンテナの使用を開示している。特許文献5は、次いで身体中に導入される微小泡中の129Xeまたは3Heガスを提供することを開示している。ガスは、このガスのT1時間を増加する目的のために微小泡中に提供される。このようなガスのスピン−格子時間は、しかし、なお制限されている。
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/0171928号明細書
【特許文献2】米国特許第5,545,396号明細書
【特許文献3】米国特許第6,453,188号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2003/0009126号明細書
【特許文献5】米国特許第6,488,910号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、核磁気共鳴画像法の間に緩和時間を設計することで、より大きな柔軟性を提供する造影剤に対する必要性が存在している。特に、すでに利用可能なT1時間より長いT1時間をもつ過分極可能な造影剤に対する必要性が存在している。さらに、これら造影剤が投与前に過分極されるようにする付随する方法に対する必要性が存在している。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の要旨)
本発明は、一般に、造影剤における核過分極のエクスビボ誘導を加速する方法に関する。これら造影剤は、非ゼロスピン核およびゼロスピン核の両方を含む固体状態材料である。この固体造影剤は、先行技術造影剤より長いT1時間を示す(例えば、数時間の大きさ)。より長いT1時間は、MRI適用のための種々の利点とともに長期の核過分極を生じる。しかし、より長いT1時間はまた、核過分極を誘導するために必要な時間を長くする。本発明の方法は、過分極ステップの間の固体造影剤のT1時間を一時的に短くすることにより、誘導プロセスを短くする。このT1時間における一時的減少は、可動荷電キャリア(すなわち、電子またはホール)の濃度を一時的に増加する照射を用いて達成される。可動荷電キャリアと造影剤の非ゼロスピン核との間の強い電子−核二極性カップリングの一時的存在は、T1時間を減少する。一旦、核過分極が、所望のレベルまで誘導されると、固体造影剤の長いT1時間が、可動荷電キャリアの濃度を減少することによって回復され得る。これは、照射を除去することにより、そして上記可動荷電キャリアを散逸するか、または上記造影剤内で再結合することによって達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、図面中の図を参照して記載される。
【0009】
(発明の特定の実施形態の説明)
本出願は、特許、特許出願および論文を含む公開された文書に言及する。これら公開された文書の各々は、本明細書によって参考として援用される。
【0010】
(序論)
本発明は、一般に、造影剤中の核過分極のエクスビボ誘導を加速する方法に関する。本明細書で用いられるとき、「エクスビボ過分極」は、造影剤が被験体への投与前に過分極される方法をいう。これのエクスビボ方法は、それらが被験体中に導入された後に過分極する造影剤を含む「インサイチュ過分極」方法と対比されるべきである。これら造影剤は、非ゼロスピン核およびゼロスピン核の両方を含む固体状態材料である。この固体造影剤は、先行技術造影剤より長いT1時間を示す(例えば、数時間の大きさ)。より長いT1時間は、上記で論議されたようなMRI適用のための種々の利点とともに長期の核過分極を生じる。しかし、より長いT1時間はまた、核過分極を誘導するために必要な時間を長くする。本発明の方法は、過分極ステップの間の固体造影剤のT1時間を一時的に短くすることによりこの誘導プロセスを短くする。このT1時間における一時的減少は、この造影剤内の可動荷電キャリア(すなわち、電子またはホール)の濃度を一時的に増加する照射を用いて達成される。この可動荷電キャリアと上記造影剤の非ゼロスピン核との間の強い電子−核カップリングの一時的存在は、上記T1時間を減少する。一旦、核過分極が所望のレベルまで誘導されると、この固体造影剤の長いT1時間は、可動荷電キャリアの濃度を減少することにより回復され得る。これは、上記照射を除去すること、および上記可動荷電キャリアを散逸または上記造影剤内で再結合させることによって達成される。
【0011】
(造影剤)
本発明の過分極方法は、固体状態造影剤で行われる。液体および固体は、代表的には、短い緩和(T1)時間を有しているけれども、本発明者らは、長いT1時間をもつ特定の固体材料が製造され得、しかも、これら材料は、過分極可能な造影剤として用いられ得ることを発見した。例えば、図1は、ミクロンスケールの粉末を含む種々のケイ素材料のT1時間の測定を示す。示されるように、1時間より大きいT1時間が、種々の材料で達成され得る。本発明の方法は長いT1時間をもつ材料の調製および使用を可能にするけれども、本発明は、このような材料に制限されないことが理解されるべきである。それ故、一般に、これら造影剤は、1分より短い、1分より長い、10分より長い、30分より長い、1時間より長い、2時間より長い、またはなおさらに4時間より長いT1時間を有し得る。
【0012】
この固体状態造影剤は、非ゼロスピン核およびゼロスピン核(例えば、制限されることなく28Si、12Cなど)の両方を含む。特定の実施形態では、この非ゼロスピン核は、スピン−1/2(例えば、制限されることなく、129Xe、29Si、31P、19F、15N、13C、3Heなど)である。しかし、その他の非ゼロスピン核、例えば、制限されずに、スピン−3核である10B、および/またはスピン−3/2核である11Bが用いられ得る。上記固形材料は、異なる非ゼロスピン核の混合物を含み得る。この固形材料はまた、異なるゼロスピン核の混合物を含み得る。
【0013】
上記固形材料内のゼロスピン核および非ゼロスピン核の相対濃度は、使用者によって調整され得ることが理解されるべきである。1つの実施形態では、ゼロスピン核の濃度は、非ゼロスピン核の濃度より大きい。例えば、非ゼロスピン核の濃度は、上記固体材料中の核の総濃度の50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、5%未満、1%未満、またはさらに0.1%未満であり得る。別の実施形態では、非ゼロスピン核の濃度は、ゼロスピン核の濃度より大きい。例えば、ゼロスピン核の濃度は、上記固体材料中の核の総濃度の50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、5%未満、1%未満、またはさらに0.1%未満であり得る。特定の実施形態では、特定元素の異なる同位元素がほぼ天然存在度レベルで存在し得る。あるいは、上記固体材料は、特定の同位元素について富化または枯渇され得る。このような材料を調製するための方法は記載されている。例えば、Agerら、J.Electrochem.Soc.152:G488、2005は、同位元素が富化されたケイ素を調製する方法を記載する。
【0014】
1つの局面では、上記固体材料は、核スピンを持たない原子物質、および非ゼロ核スピンを有する原子物質の混合物を含み得る。例えば、28Siおよび12Cは核スピンを有さず、その一方、129Xe、29Si、31P、19F、15N、13Cおよび3Heは、スピン−1/2核を有する。1つの実施形態では、上記材料は、同位元素28Si(ゼロスピン、約92.2%)、29Si(スピン−1/2、約4.7%)および30Si(ゼロスピン、約3.1%)の天然豊富さの混合物でのケイ素核を含む。別の実施形態では、29Siのレベルは、その天然存在度レベルより高く、例えば、約4.7%、5%、7%、10%、20%、30%、40%または50%より高くさえある。なお別の実施形態では、29Siのレベルは、その天然存在度レベルより低く、例えば、約4.7%、4%、3%、2%、1%、0.5%または0.1%より低くさえある。ケイ素同位元素のレベルを変えてケイ素材料(例えば、ケイ素またはシリカ)を調製する方法は、コンピューター産業で開発されており、そして当該技術分野では周知である。例えば、Haller、J.Applied Physics 77:2857、1995を参照のこと。別の実施形態では、上記材料は、同位元素12C(ゼロスピン、約98.9%)および13C(スピン−1/2、約1.1%)の天然存在度の混合物での炭素核を含む。別の実施形態では、13Cのレベルは、その天然存在度レベルより高く、例えば、約1.1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%または50%より高くさえある。なお別の実施形態では、13Cのレベルは、その天然存在度レベルより低く、例えば、約1.1%、1%、0.8%、0.6%、0.4%、0.2%または0.1%より低くさえある。炭素同位元素のレベルを変えて炭素材料を調製する方法は、当該技術分野では周知である。例えば、Graebnerら、Applied Physics Letters、64:2549、1994を参照のこと。
【0015】
一般に、本発明の材料は、非ゼロスピン核およびゼロスピン核の任意の組み合わせを含み得る。29Siおよび13Cを、例示の非ゼロスピン核とし、本発明は、以下の例示の組み合わせの核および材料を含む造影剤を包含する:ケイ素(Si)材料(例えば、天然存在度のケイ素、29Si富化ケイ素または29Si枯渇ケイ素)中の29Si;シリカ(SiO)材料(例えば、天然存在度のシリカ、29Si富化シリカまたは29Si枯渇シリカ)中の29Si:炭化ケイ素(SiC)材料中の29Siおよび/または13C;炭素材料(例えば、ダイアモンドまたはフラーレン)中の13C;ケイ素(Si)材料(例えば、リン含浸ケイ素)中の31P;ケイ素(Si)材料(例えばホウ素ドープケイ素)中の10Bまたは11B;など。1つの実施形態では、本発明の材料は、非ゼロスピン核を取り込んだエンドヘドラルフラーレン(endohedral fullerene)を含む。例えば、本発明の材料は、15N@60C、15N@80Cなどのエンドヘドラルフラーレンを含み得る(ここで、15N@のサインは、コア15N核をもつエンドヘドラルフラーレンを示す)。15Nは、唯一のスピン−1/2核のみではなく、それはまた、本発明の過分極法を容易にする自由スピンを有する。129Xeおよび3Heは、エンドヘドラルフラーレン内に取り込まれる得るその他の例示の核である。これらのエンドヘドラルフラーレンは、当該分野における方法、エンドヘドラルフラーレン粒子を調製するための方法を記載している例えば、Fatourosら、Radiology 240:756、2006に基づいて調製され得る。
【0016】
1つの局面では、上記造影剤は、照射によって生成されない可動荷電キャリアを含み得る。これらの「安定な」キャリアは、照射後、造影剤内に残り得る。1つの実施形態では、これらの「安定な」可動荷電キャリアは、本発明の造影剤をn−型またはp−型不純物でドープすることによって提供される。これらドーパントの存在は;ドーピングレベルを制御することにより上記造影剤のT1時間を短くし、T1の減少の程度が制御され得る。例えば、純粋ケイ素中に種々のレベルのn−型またはp−型不純物でドープされた29SiのT1時間は、ShulmanおよびWyluda、Phys.Rev.103:1127、1956で調査されている。29SiのT1時間は、可動荷電キャリア濃度が1×1014〜1×1019で調節されたとき、数時間〜数分の範囲であった。N−型不純物が、T1時間に対してより大きな影響を有していた。任意の不純物タイプまたはレベルが用いられ得ることが認識される。特定レベルの不純物を選択するとき、使用者は、このT1時間に対する影響を考慮する必要はない。いくつかの適用では、長いT1時間、そしてそれ故、より低い不純物レベルが好まれる。その他の適用は、T1にはより感受性でなく、そしてそれ故、より高い不純物レベルに耐え得る。本発明の発明的固体材料中ノドーパントの正確な濃度は、商業的に容易に利用可能である(例えば、Virginia Semiconductor of Fredericksburg、VA)か、または半導体技術分野で公知の方法(例えば、Haller、J.Applied Physics 77:2857、1995)を用いてなされ得る。
【0017】
本発明のこの局面で造影剤として用いられ得る例示かつ非制限的な材料は、P−またはB−ドープケイ素を含む。いずれかの事例では、29Si核が過分極され得、そして画像過される。P−ドープケイ素は、可動荷電キャリアおよび非ゼロスピン31P核(スピン−1/2)の両方を提供する。特定の実施形態では、この31P核が過分極され、そして画像化のために用いられ得る。ホウ素は、これもまた過分極され、そして画像化され得る、2つの安定な同位元素10B(スピン−3、20%天然豊富さ)および11B(スピン−3/2、80%天然豊富さ)を有する。11Bは、高いNMR受容性(それ故、同じ分極密度についてより高い信号)を有し、これは、1/2より高いスピンでの作業の欠点をオフセットし得る。
【0018】
上記で注記されたように、本発明のこの局面の発明的材料内の可動荷電キャリアの存在は、上記非ゼロスピン核とのそれらの強い電子−核二極性カップリングの結果としてT1時間を減少する。結果として、より弱い核間二極性カップリング(例えば、29Si核間)は、T1に対してより少ない影響を有する。このような実施形態では、上記材料中のゼロスピン核のレベルは、T1時間にほとんど影響を有さないかも知れず、そしてより高い濃度の非ゼロスピン核(例えば、29Siまたは13C)での造影剤は、最大の信号強度を生成するために有利に用いられ得る。例えば、P−またはB−ドープケイ素材料では、28Siと30Siの合わせた濃度は、上記材料中の核の総濃度の50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、5%未満、1%未満、または0.1%未満でさえあり得る。
【0019】
上記固体造影剤は、任意の形態であり得る。特定の実施形態では、上記造影剤は、乾燥粒子形態であり得る。例えば、上記造影剤は、10nm〜10μmの範囲にある寸法をもつ粒子を含む粉末の形態であり得る。特定の実施形態では、これら粒子は、10nm〜1μmの範囲の寸法を有し得る。その他の実施形態では、上記粒子は、10〜100nmの範囲の寸法を有し得る。特定の実施形態では、上記粒子は、投与の目的で合わせられ、かつ圧縮され得(例えば、錠剤の形態に)、そして薬学的に受容可能なキャリア(例えば、バインダー、滑剤、充填剤など)を含むその他の成分とともに処方され得る。あるいは、上記造影剤は、同じ範囲の寸法を有する粒子との懸濁物の形態であり得る。この懸濁物の液体は水性または非水性であり得、そしてこの懸濁物を安定化する成分および薬学的に受容可能なキャリアを含み得る。本明細書中で用いられるとき、用語「薬学的に受容可能ナキャリア」は、任意のタイプの非毒性の不活性固体、半固体または液体充填剤、希釈剤、カプセル化材料または補助処方物を意味する。Gennaro、Mack Publishing、Easton、Pa.、1995によって編集されたRemington’s Pharmaceutical Sciencesは、薬学的組成物を処方する際に用いられる種々のキャリア、およびそれらを調製するための公知の技法を開示している。着色剤、コーティング剤、甘味剤、芳香剤および香料、ならびに保存剤もまた、本発明の造影剤ととに含められ得る。一般に、キャリアが用いられる場合、それは、投与の経路、標的組織の位置、送達される造影剤、造影剤の送達の時間経過などの1つ以上を基に選択される。
【0020】
(過分極方法)
一般に、本発明の過分極方法は、本発明の固体状態の造影剤を、この固体造影剤内に可動荷電キャリア(すなわち、電子またはホール)を生成する第1の形態または照射で照射する工程、およびこの照射する工程中で生成された可動キャリアの少なくともいくつかがこの固体造影剤内に存在する間に、上記非ゼロスピン核の少なくとも一部分を過分極する工程を含む。
【0021】
これらの照射する工程および過分極する工程は、ほぼ重複するが、種々の様式で組み合わされ得る。それ故、特定の実施形態では、上記照射する工程および過分極する工程は、同時に開始、そして/または終了し得る。その他の実施形態では、上記照射する工程および上記過分極する工程は、異なる時間で開始、そして/または終了し得る。例えば、過分極を開始する前に十分な濃度のキャリアを構築するために、上記過分極する工程の前に上記照射する工程を始めることが有利であることを証明し得る。特定の実施形態では、上記照射する工程は、上記過分極する工程が終了する前に終了し得る。この形態は、誘導されたキャリアが上記過分極する工程が終了する前に再結合し、またはそうでなければ標的非ゼロスピン核の領域を残すことを可能にし、それによって、過分極の前に上記固体造影剤の長いT1時間が回復されたことを確実にする。
【0022】
一般に、上記固体造影剤内で可動荷電キャリアを生成し得る任意の形態の照射が用いられ得る。キャリアを生成するために用いられる照射は、固体造影剤の性質に依存する。固体造影剤が電子バンドギャップを有する場合、そのときは、このバンドギャップより大きいエネルギーをもつ任意の照射が電子−ホール対の形態にある可動キャリアを生成し得る。例えば、上記固体造影剤がケイ素を含む場合、そのときは、ケイ素バンドギャップ(約1.2eV)より大きいエネルギーをもつ任意の照射が用いられ得る。特定の実施形態では、約1.4eV、1.6eV、1.8eVまたはさらに2.0eVより大きいエネルギーをもつ照射が用いられ得る。本発明の方法は、エクスビボ過分極を含むので、(被験体を貫通し得る照射で実施され得るのみであるインサイチュ方法とは反対に)用いられ得る照射のタイプに関するさらなる制限はない。照射の第1の形態の供給源は、等しく広範である。例えば、周辺光が、所定の固体造影剤には十分であり得る。その他の実施形態では、白色光、白熱灯光、LED光、またはレーザー光源が用いられ得る。
【0023】
一旦、照射が始まると、上記固体造影剤の核T1時間は容易に減少する。特異的定常状態T1時間は、一部、照射のエネルギーおよび強度に依存する。より高い強度の照射は、より多くの可動荷電キャリアを生成し、そしてそれ故より短いT1時間に至る。制限なくして、照射の間のT1(T1with)は、数ミリ秒以下〜数分までのいずれかの範囲であり得る。これらのT1時間は、照射なしのこの固体造影剤のT1時間(T1without)よりかなり短い。上記照射工程は、所望のレベルの過分極が到達されるまで継続し得る。有利なことに、これは、ほぼT1withoutより短い時間の期間であり得る。代表的には、この照射工程は、少なくともT1withの間続く。制限なくして、この照射工程は、10×T1withより短い時間の期間の間続くことが必要であるに過ぎないかも知れず。その他の実施形態では、上記照射工程は、5×T1withまたは3×T1withより短い時間の期間の間続くことが必要であるに過ぎないかも知れない。
【0024】
先に注記したように、上記照射工程は、上記固体造影剤を過分極する工程とほぼ重複し得る。一般に、上記過分極する工程は、上記固形造影剤を付与された磁場内に配置することを含む。任意の磁場強度が採用され得る。
【0025】
1つの実施形態では、核過分極は、絶対ゼロに近い温度で強力に付与された磁場内に固形造影剤を配置することによる「暴力」によって生成され得る(例えば、Golmanら、British Journal of Radiology 76:S118、2003を参照のこと)。例えば、約10Tの付与された磁場、および約10K以下の温度を用い得る。より一般的には、4Tより大きい、6Tより大きい、8Tより大きい、または10Tより大きい付与された磁場が用いられ得る。同様に、上記温度は、20K未満、10K未満、または5K未満であり得る。
【0026】
別の実施形態では、上記過分極する工程は、上記固形造影剤を、この固形造影剤内に存在する可動キャリアにおいて電子スピン遷移を励起する照射の第2の形態で照射する工程を含み得る。これら可動キャリアは、ドーパントによって提供されたもの、および/または上記第1の形態の照射での一時的照射によって提供されたものであり得る。特定の実施形態では、上記照射は、f±fの範囲内の周波数fを有し、ここで、fは可動キャリアのLarmor周波数であり、そしてfは非ゼロスピン核のLarmor周波数である。この周波数は、数mT(例えば、1T未満、100mT未満、10mT未満)〜数T(例えば、1Tを超える、2Tを超える、4Tを超える、6Tを超える、8Tを超える、または10Tを超える)範囲であり得る付与された磁場の強度に依存して変動し得る。f±fの範囲内の照射の正確な周波数に依存して、可動キャリアのESR(電子スピン共鳴)スペクトルの線幅、および含まれる電子−核二極性カップリング、上記照射により生成される電子分極は、1つ以上のDNP(動的核分極)機構(すなわち、オーバーハウザー効果、固体効果および/または熱混合)により非ゼロスピン核に移され得る。
【0027】
一般に、造影剤は、過分極後、投与の任意の公知の経路を用いて被験体に投与され得る。1つのセットの実施形態では、被験体は動物、例えば、哺乳動物である。例示の哺乳動物は、ヒト、ラット、マウス、モルモット、ハムスター、ネコ、イヌ、霊長類、およびウサギを含む。造影剤は、粉末、錠剤、カプセル、懸濁物などの形態で経口的に投与され得る。造影剤はまた、粉末またはスプレーの形態で吸入により投与され得る。あるいは、造影剤の懸濁物は、組織中または循環中に直接、注入され得る(例えば、静脈内、皮下、筋肉内、腹腔内など)。直腸、膣、および局所(粉末、クリーム、軟膏、またはドロップによるような)投与がまた包含される。
【0028】
特定の実施形態では、投与された造影剤は、検出の前に被験体内の特定位置に到達するに十分な時間の期間与えられる。1つのセットの実施形態では、造影剤は、検出のときに被験体の内腔内に存在する。これは、被験体の胃腸スペース(例えば、内臓、小腸、大腸など)または気道であり得る。その他の実施形態では、造影剤は、検出のときに被験体の循環系内に存在し得る。なおその他の実施形態では、造影剤は、検出のときに被験体の組織内に存在する。
【0029】
特定の実施形態では、固体材料の粒子は、それらを特定の細胞型(例えば、腫瘍細胞)または組織型(例えば、特定の細胞表面レセプターを発現する神経組織)に向ける標的化する作用剤を含むように改変され得る。これらの改変された造影剤は、目的の細胞または組織型を含む被験体の領域中に濃縮される。これらの改変された造影剤の適正な標的化は、投与後、数分〜数時間を必要とし得、目的の部位で効率的な濃度を許容する。長いT1時間を有する固形造影剤は、それ故、これらの適用に特に有利である。
【0030】
標的化作用剤は、共有結合または非共有結合(例えば、リガンド/レセプタータイプ相互作用)により粒子と結合され得る。1つの実施形態では、表面のパターン化が、標的化作用剤と本発明の粒子との間の非共有結合を促進するために用いられ得る。あるいは、たんさんの合成方法が、標的化作用剤と共有結合または非共有結合を形成する表面部分を生成するために本発明の粒子の表面を化学的に官能化するために存在する。例えば、Bhushanら、Acta Biomater.1:327、2005は、生体分子をケイ素粒子表面と結合するための化学的結合および表面パターン化方法の両方を記載している。Shirahataら、Chem.Rec.5:145、2005は、単層を用いるケイ素表面の化学的改変、および生体分子をこれらの層と結合するための方法を記載している。Nakamuraら、Acc.Chem.Res.36:807、2003;Pantarottoら、Mini Rev.Med.Chem.4:805、2004;およびKatzら、Chemphyschem 5:1084、2004は、炭素フラーレンを官能化し、そしてそれによってそれらを生体分子と結合するための方法の総説を提供する。
【0031】
十分な安定性および特異性をもつ任意のリガンド/レセプター対が、標的化作用剤を粒子と結合するために採用され得る。一般に、このリガンド/レセプター相互作用は、標的化作用剤の未熟な放出を防ぐに十分安定であるべきである。1つの例を与えると、標的化作用剤は、ビオチンと共有結合され得、そして粒子表面は、アビジンで化学的に改変され得る。次いで、ビオチンのアビジンへの強い結合が、標的化作用剤と粒子の結合を可能にする。Ahmedら、Biomed.Microdevices 3:89、2004は、ケイ素粒子に対してこのアプローチを記載している。Capaccioら、Bioconjug.Chem.16:241、2005は、炭素フラーレンについてこのアプローチを記載している。一般に、可能なリガンド/レセプター対は、抗体/抗原、タンパク質/補因子および酵素/基質対を含む。ビオチン/アビジンの他に、これらは、例えば、ビオチン/ストレプトアビジン、FK506/FK506−結合性タンパク質(FKBP)、ラパマイシン/FKBP、シクロフィリン/シクロスポリンおよびグルタチオン/グルタチオントランスフェラーゼ対を含む。その他の適切なリガンド/レセプター対は、当業者によって認識され得る。
【0032】
種々の適切な標的化作用剤が、当該技術分野で公知である(例えば、Cottonら、Methods Enzym.217:618、1993;Garnett、Adv.Drug Deliv.Rev.53:171、2001を参照のこと)。例えば、標的細胞の表面上の抗原に結合する任意の多くの異なる作用剤が採用され得る。標的細胞表面抗原に対する抗体は、一般に、この標的抗原に対する必要な特異性を示す。抗体に加え、Fab、Fab’、またはF(ab’)フラグメントのような、適切な免疫反応性フラグメントがまた採用され得る。標的化作用剤を形成することにおける使用のために適切な多くの抗体フラグメントは、当該技術分野で既に利用可能である。同様に、標的細胞の表面上の任意のレセプターに対するリガンドが、標的化作用剤として適切に採用され得る。これらは、所望の標的細胞の表面で見出されるレセプター(例えば、タンパク質または糖タンパク質)に特異的に結合する、任意の低分子または生体分子(ペプチド、脂質および多糖を含む)、天然または合成物を含む。
【0033】
一旦、造影剤が被験体に投与されると、この造影剤内の過分極した核は、ここで、上記非ゼロスピン核のスピン遷移を励起する適切な照射を用いて検出され得る。この検出工程は、任意の場強度で実施され得る。必要に応じて、核スピン信号がまた、任意の公知のMRI技法を用いて上記造影剤の空間的分布を画像化するために用いられ得る。例えば、Westerbrookらにより編集されたMRI in Practice、Blackwell Publishing、Oxford、UK、2005を参照のこと。信号獲得は、造影剤が被験体内に存在し、そしてその核過分極化を保持する限り、繰り返され得る。特定の実施形態では、造影剤は、異なる時点で検出され、そして必要に応じて画像化される。
【0034】
(その他の実施形態)
本発明のその他の実施形態は、明細書の考慮または本明細書中に開示される本発明の実施から当業者に明らかである。明細書および実施例は例示のみとして考慮されることが意図され、本発明の真実の範囲および思想は、添付の請求項によって示される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1は、ミクロンスケールの粉末を含む、種々のケイ素材料のT1時間の測定を示すグラフである。示されるように、1時間より大きいT1時間が種々の材料で達成され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非ゼロスピン核およびゼロスピン核を含む固形造影剤を提供する工程;
該固形造影剤を、該固形造影剤内に可動荷電キャリアを生成する第1の形態の照射で照射する工程;および
該照射する工程で生成される可動荷電キャリアの少なくともいくつかが該固形造影剤内に存在する間に、該非ゼロスピン核の少なくとも一部分を過分極する工程を包含する、方法。
【請求項2】
前記固形造影剤が、129Xe、29Si、31P、19F、15N、13C、11B、および10Bからなる群から選択される非ゼロスピン核を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記固形造影剤が、29Si核を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記固形造影剤が、13C核を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記固形造影剤が、28Si核を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記固形造影剤が、12C核を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記固形造影剤が、28Si核を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記固形造影剤が、12C核を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記29Si核が、天然存在度レベルで存在する、請求項3に記載の方法。
【請求項10】
前記29Si核が、天然存在度レベル未満で存在する、請求項3に記載の方法。
【請求項11】
前記29Si核が、天然存在度レベルより多く存在する、請求項3に記載の方法。
【請求項12】
前記固形造影剤が、ケイ素材料中に29Si核を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記固形造影剤が、シリカ材料中に29Si核を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記固形造影剤が、炭化ケイ素材料中に29Siおよび/または13C核を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記固形造影剤が、炭素材料中に13C核を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記固形造影剤が、ケイ素材料中に31P核を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記固形造影剤が、ケイ素材料中に10Bおよび/または11B核を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記固形造影剤が、炭素材料中に15N核を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記炭素材料が、エンドヘドラルフラーレンである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記照射する工程と前記過分極する工程とが、同時に開始される、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記照射する工程と前記過分極する工程とが、同時に終了する、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記照射する工程と前記過分極する工程とが、同時に開始され、そして同時に終了する、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記照射する工程と前記過分極する工程とが、異なる時間に開始される、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記照射する工程と前記過分極する工程とが、異なる時間に終了する、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記照射する工程と前記過分極する工程とが、異なる時間に開始され、そして異なる時間に終了する、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記照射する工程が、前記過分極する工程を開始する前に開始する、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記照射する工程が、前記過分極する工程が終了する前に終了する、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記固形造影剤が電子バンドギャップを有し、そして前記照射の第1の形態が該電子バンドギャップより大きいエネルギーを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記固形造影剤が、ケイ素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記第1の形態の照射が、約1.2eVより大きいエネルギーを有する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記第1の形態の照射が、約1.4eVより大きいエネルギーを有する、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記第1の形態の照射が、約1.6eVより大きいエネルギーを有する、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記第1の形態の照射が、約1.8eVより大きいエネルギーを有する、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
前記第1の形態の照射が、約2.0eVより大きいエネルギーを有する、請求項29に記載の方法。
【請求項35】
前記第1の形態の照射なしの前記非ゼロスピン核のT1時間(T1without)が1時間より長い、請求項1に記載の方法。
【請求項36】
前記第1の形態の照射ありの前記非ゼロスピン核のT1時間(T1with)が、前記第1の形態の照射なしの前記非ゼロスピン核のT1時間(T1without)より短い、請求項1に記載の方法。
【請求項37】
前記照射する工程が、前記第1の形態の照射のなしの前記非ゼロスピン核のT1時間(T1without)より短い時間の期間の間続く、請求項1に記載の方法。
【請求項38】
前記照射する工程が、前記第1の形態の照射ありの前記非ゼロスピン核のT1時間(T1with)より長い時間の期間の間続く、請求項1に記載の方法。
【請求項39】
前記照射する工程が、10×T1withより短い時間の期間続く、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記照射する工程が、5×T1withより短い時間の期間続く、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記照射する工程が、3×T1withより短い時間の期間続く、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
前記過分極する工程が、
付与された磁場内に前記固形造影剤を配置する工程
を包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項43】
前記過分極する工程が20K未満の温度で実施され、そして前記付与された磁場が4Tを超える強度を有する、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記過分極する工程が10K未満の温度で実施され、そして前記付与された磁場が10Tを超える強度を有する、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記過分極する工程がさらに、
前記固形造影剤を、該固形造影剤内に存在する可動荷電キャリア中で電子スピン遷移を励起する第2の形態の照射で照射する工程
を包含する、請求項42に記載の方法。
【請求項46】
前記第2の形態の照射が、f±fの範囲内の周波数fを有し、ここで、fは可動荷電キャリアのLarmor周波数であり、そしてfは非ゼロスピン核のLarmor周波数である、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記固形造影剤を、前記過分極する工程の後で被験体に投与する工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項48】
前記固形造影剤が、粒子の形態で前記被験体に投与される、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記粒子が、10nm〜10μmの範囲の寸法を有する、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記粒子が、10nm〜1μmの範囲の寸法を有する、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記粒子が、10nm〜100nmの範囲の寸法を有する、請求項48に記載の方法。
【請求項52】
前記固形造影剤が、粒子の懸濁物の形態で前記被験体に投与される、請求項47に記載の方法。
【請求項53】
前記被験体が、動物である、請求項47に記載の方法。
【請求項54】
前記被験体が、哺乳動物である、請求項47に記載の方法。
【請求項55】
前記被験体が、ラット、マウス、モルモット、ハムスター、ネコ、イヌ、霊長類およびウサギからなる群から選択される、請求項47に記載の方法。
【請求項56】
前記被験体が、ヒトである、請求項47に記載の方法。
【請求項57】
前記固形造影剤が、経口的に投与される、請求項47に記載の方法。
【請求項58】
前記固形造影剤が、吸入により投与される、請求項47に記載の方法。
【請求項59】
前記固形造影剤が、注入により投与される、請求項47に記載の方法。
【請求項60】
前記固形造影剤が前記被験体内に存在している間に、前記過分極した非ゼロスピン核を検出する工程をさらに包含する、請求項47に記載の方法。
【請求項61】
前記被験体内の前記固形造影剤の空間的分布が、磁気共鳴画像法によって画像化される、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記被験体内の前記固形造影剤の空間的分布が、経時的にモニターされる、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記検出する工程が、前記固形造影剤が前記被験体内の特定位置に到達することを可能にするに十分な期間の間待った後に実施される、請求項60に記載の方法。
【請求項64】
前記固形造影剤が、検出のときに前記被験体の内腔内に存在する、請求項60に記載の方法。
【請求項65】
前記固形造影剤が、検出のときに前記被験体の胃腸空間内に存在する、請求項60に記載の方法。
【請求項66】
前記固形造影剤が、検出のときに前記被験体の気道内に存在する、請求項60に記載の方法。
【請求項67】
前記固形造影剤が、検出のときに前記被験体の循環系内に存在する、請求項60に記載の方法。
【請求項68】
前記固形造影剤が、検出のときに前記被験体の組織内に存在する、請求項60に記載の方法。
【請求項69】
前記固形造影剤が、細胞の表面上に存在する抗原と結合する標的化作用剤と結合される、請求項60に記載の方法。
【請求項70】
前記標的化作用剤が、細胞の表面上に存在する抗原に対する抗体または抗体の免疫反応性フラグメントである、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記標的化作用剤がリガンドであり、そして前記細胞の表面上に存在する抗原が該リガンドに対するレセプターである、請求項69に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2009−523172(P2009−523172A)
【公表日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−550420(P2008−550420)
【出願日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際出願番号】PCT/US2007/000788
【国際公開番号】WO2007/082048
【国際公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(502333862)プレジデント・アンド・フエローズ・オブ・ハーバード・カレツジ (18)
【Fターム(参考)】