説明

連窓サッシ

【課題】互いに角度をなして横方向に隣接するサッシを方立を介して連結したビル用のサッシにおいて、方立の結露水を確実に受けて室外側に排水することのできる連窓サッシを提供する。
【解決手段】縦枠11は室内突出片11aとアングル片11bとを備え、方立3の室内部24は両側に各対向面部と平行な側部25と、側部間に設けられ各側部と角度をなす中央面部27を有し、方立3の室内側には下端部に排水誘導部品30が設けられ、排水誘導部品30は中央面部27に沿い上面で結露水を受ける中央受け部31と、中央受け部31の両側から縦枠11のアングル片11b及び室内突出片11aに沿って伸びて略L字状をなす誘導部34とを有し、誘導部34は中央受け部31で受けた結露水を室内突出片11bの室外側に導く傾斜面状の排水路35を上面に有すると共に、先端部が室外側を向いてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つのサッシを方立を介し横方向に角度をなして連設してなる連窓サッシに関し、特に連結部分の下端に結露水を室外側に誘導し排水する排水誘導部品を設けてなる連窓サッシに関する。
【背景技術】
【0002】
隣り合う2つのサッシを、方立を介して連結してなる連窓サッシは、サッシを構成する縦枠同士がそれぞれ方立の対向面部に固定され、方立は対向面部間に室内側に露出する室内部を有して構成される。連窓サッシにおいて、方立を構成する室内部の表面に結露水が生じて下部に流れた場合、それを室外側に排水することができないために、室内側に浸入して室内を汚すことがあった。
【0003】
方立に生じた結露水が室内側に浸入しないようにするため、方立の下端部に排水誘導部品を設けた連窓サッシが知られている。排水誘導部品は、方立室内部の室内面に沿う形状に形成されて、上面で結露水を受けると共に、受けた結露水を連結するサッシの下枠側に導く流路を有して構成される。このような排水誘導部品を備えた連窓サッシとしては、例えば特許文献1に挙げるようなものがある。
【特許文献1】特開平6−185270号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に挙げる連窓サッシは、住宅用のサッシである。一方、サッシはビル用のものも存在する。ビル用のサッシは、住宅用のサッシに比べてより高い気密性能が求められるため、縦枠の内周面室内端部付近に室内突出片が設けられ、この室内突出片には障子に対して当接する気密材が設けられる。
【0005】
従来の連窓サッシにおける排水誘導部品は、住宅用のサッシに用いられるものであって、ビル用のサッシに対応するものではなかった。ビル用のサッシは室内突出片を有しているため、従来の排水誘導部品では方立に生じた結露水を室外側に排水することはできなかった。また、2つのサッシを角度をなして連結する場合には、方立の室内側に露出する面が複雑な形状となる。このような2つのサッシを角度をなして連結してなるビル用の連窓サッシにおいて、方立の結露水を確実に受けて室外側に排水することが求められていた。
【0006】
本発明は前記課題を鑑みてなされたものであり、互いに角度をなして横方向に隣接するサッシを方立を介して連結したビル用のサッシにおいて、方立の結露水を確実に受けて室外側に排水することのできる連窓サッシを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明に係る連窓サッシは、互いに角度をなして横方向に隣接するサッシを、方立を介して連結した連窓サッシにおいて、
前記サッシを構成し前記方立により連結される縦枠は、内周面室内側に見付方向内側に向かって突出する室内突出片と、該室内突出片の根元部から室内側に向かって伸びるアングル片とを備え、
前記方立は連結される前記縦枠と対向する2つの対向面部と、各対向面部を角度をなして連結し室内側に面する室内部とを有し、該室内部は両側に各対向面部と平行な側部を有すると共に、該側部間に設けられ各側部と角度をなす中央面部を有し、
前記方立の室内側には下端部に排水誘導部品が設けられ、該排水誘導部品は前記中央面部に沿い上面で結露水を受ける中央受け部と、該中央受け部の両側から前記縦枠のアングル片及び室内突出片に沿って伸びて略L字状をなす誘導部とを有し、該誘導部は前記中央受け部で受けた結露水を前記室内突出片の室外側に導く傾斜面状の排水路を上面に有すると共に、先端部が室外側を向いてなることを特徴として構成されている。
【0008】
また、本発明に係る連窓サッシは、互いに角度をなして横方向に隣接するサッシを、方立を介して連結した連窓サッシにおいて、
前記サッシを構成し前記方立により連結される縦枠は、内周面室内側に見付方向内側に向かって突出する室内突出片を備え、
前記方立は連結される前記縦枠と対向する2つの対向面部と、各対向面部を角度をなして連結し室内側に面する室内部とを有し、該室内部は両側に各対向面部と平行な側部を有すると共に、該側部間に設けられ各側部と角度をなす中央面部を有し、
前記方立の室内側には下端部に排水誘導部品が設けられ、該排水誘導部品は前記中央面部に沿い上面で結露水を受ける中央受け部と、該中央受け部の両側から前記方立の側部及び前記縦枠の室内突出片に沿って伸びて略L字状をなす誘導部とを有し、該誘導部は前記中央受け部で受けた結露水を前記室内突出片の室外側に導く傾斜面状の排水路を上面に有すると共に、先端部が室外側を向いてなることを特徴として構成されている。
【0009】
さらに、本発明に係る連窓サッシは、前記中央面部は前記側部の室内端よりも室外寄りに設けられて前記側部との間で凹部を形成し、前記中央受け部は前記凹部に沿う形状となる略台形状の上面を有してなることを特徴として構成されている。
【0010】
さらにまた、本発明に係る連窓サッシは、前記中央受け部の室外面には下部が凹んだ段差部が形成され、前記誘導部の室外面にも段差部が形成されることを特徴として構成されている。
【0011】
そして、本発明に係る連窓サッシは、前記誘導部は両側部に壁部を有し、前記誘導部のうち前記縦枠のアングル片または方立の側部に沿って伸びる部分の排水路は、前記中央受け部の上面から下り傾斜状に形成されると共に、該排水路の長手方向端部で突き当たる前記壁部の位置まで斜面状に形成されることを特徴として構成されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る連窓サッシによれば、方立の室内側には下端部に排水誘導部品が設けられ、排水誘導部品は中央面部に沿い上面で結露水を受ける中央受け部と、中央受け部の両側から縦枠のアングル片及び室内突出片に沿って伸びて略L字状をなす誘導部とを有し、誘導部は中央受け部で受けた結露水を室内突出片の室外側に導く傾斜面状の排水路を上面に有すると共に、先端部が室外側を向いてなることにより、室内突出片を有したビル用のサッシにおいて方立の結露水を確実に受けて室外側に排水することができる。
【0013】
また、本発明に係る連窓サッシによれば、方立の室内側には下端部に排水誘導部品が設けられ、排水誘導部品は中央面部に沿い上面で結露水を受ける中央受け部と、中央受け部の両側から方立の側部及び縦枠の室内突出片に沿って伸びて略L字状をなす誘導部とを有し、誘導部は中央受け部で受けた結露水を室内突出片の室外側に導く傾斜面状の排水路を上面に有すると共に、先端部が室外側を向いてなることにより、縦枠にアングル片を有しない場合でも、室内突出片を有したビル用のサッシにおいて方立の結露水を確実に受けて室外側に排水することができる。
【0014】
さらに、本発明に係る連窓サッシによれば、中央面部は側部の室内端よりも室外寄りに設けられて側部との間で凹部を形成し、中央受け部は凹部に沿う形状となる略台形状の上面を有してなることにより、方立の室内側に露出する中央面部を含む凹部に生じる結露水を、確実に受けることができる。
【0015】
さらにまた、本発明に係る連窓サッシによれば、中央受け部の室外面には下部が凹んだ段差部が形成され、誘導部の室外面にも段差部が形成されることにより、接着材を充てんする空間を形成することができ、排水誘導部品と方立あるいは縦枠の間の隙間を小さくすることができるので、より確実に結露水を排水誘導部品で受けることができる。
【0016】
そして、本発明に係る連窓サッシによれば、誘導部は両側部に壁部を有し、誘導部のうち縦枠のアングル片または方立の側部に沿って伸びる部分の排水路は、中央受け部の上面から下り傾斜状に形成されると共に、排水路の長手方向端部で突き当たる壁部の位置まで斜面状に形成されることにより、排水路の折れ曲がる部分に平坦な部分が形成されることがなく、結露水が排水路に滞留することを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の実施形態について図面に沿って詳細に説明する。図1には、第1の実施形態における連窓サッシの横断面図を示している。本実施形態において連窓サッシは、第1サッシ1と第2サッシ2とを方立3を介して横方向に連結してなり、かつ第1サッシ1と第2サッシ2は互いに90°の角度をなして連結されている。
【0018】
第1サッシ1と第2サッシ2は、いずれも方形状の枠体10内に内障子12及び外障子13が引き違い状に走行自在となるように納めた引き違いサッシとして構成されている。そして、第1サッシ1と第2サッシ2の枠体10を構成する各縦枠11が、方立3に固定されることで両者が連結されている。
【0019】
図2には、連窓サッシのうち方立3付近の拡大横断面図を示している。この図に示すように、方立3は断面中空状の略方形状に形成されてなる方立本体20と、方立本体20の室内側に連結固定される室内側部材21とからなっている。方立本体20には、第1サッシ1の縦枠11外周面と対向する対向面部22と、第2サッシ2の縦枠11外周面と対向する対向面部22とが、90°の角度をなして配置されている。対向面部22の室外側端部は、略富士山形状をなす室外面部23により連結されており、また対向面部22の室内側端部は、室内側に面する室内部24により連結されている。
【0020】
方立3の室内部24は、方立本体20の室内側を向いた面と、この面に対して連結される室内側部材21により構成されている。室内部24を構成する室内側部材21は、対向面部22と平行な左右の側部25と、側部25間に取付けられる室内側カバー体26を有しており、室内側カバー体26は室内側に面して露出する中央面部27を有している。
【0021】
連結される縦枠11には、内周面の室内側に見付方向内側に向かって突出する室内突出片11aが形成され、また室内突出片11aの根元部から室内側に向かって伸びるアングル片11bが形成されている。アングル片11bは、縦枠11の内周面が室内側にそのまま延長されるように形成されていて、方立3の対向面部22と平行となる。また、アングル片11bは方立3の室内部24を構成する側部25に近接対向し、ネジ止めにより側部25と固定がなされる。
【0022】
縦枠11の室内突出片11aは、障子を閉じた状態で内障子12が配置される側となる第1サッシ1では、室外面に気密材14が保持される。気密材14は、内障子12の室内面に当接して、内障子12と縦枠11の間の気密性を確保する。第2サッシ2では、方立3側には外障子13が配置されるため、縦枠11の内周面のうち室内外方向中間位置形成される突片11cに気密材14を保持させて、これを外障子13の室内面に当接させるようにしている。また、方立3を中心に左右対称な意匠性を持たせるため、第2サッシ2の縦枠11にも、室内突出片11aが形成されている。
【0023】
図3には、方立3による連結部分における枠体10及び方立3の下端部付近の斜視図を示している。アングル片11bの先端部は、方立3の室内部24側に折れ曲がってL字状をなしており、方立3の側部25の先端部に当接している。また、側部25間に取付けられる室内側カバー体26は、側部25の室内端である先端部よりも室外寄りに引っ込むように取付けられており、アングル片11bと側部25及び室内側カバー体26により凹部28が形成される。方立3による連結部分において室内側に露出するのは、縦枠11の室内突出片11aとアングル片11b及び凹部28を構成する各面となる。
【0024】
方立3の室内側には、下端部に排水誘導部品30が設けられる。排水誘導部品30は、方立3及び縦枠11の室内側に露出する部分に生じた結露水を受けると共に、結露水を縦枠11の室内突出片11aより室外側に排水するものであり、樹脂材の成型品として形成されている。
【0025】
図3に示すように、排水誘導部品30は、方立3の室内部に略沿うように形成されており、上面が縦枠11の室内突出片11aとアングル片11b及び凹部28の各面にそれぞれ隣接している。このため、排水誘導部品30は上面でこれらの面に生じた結露水を受けることができる。
【0026】
排水誘導部品30は、方立3の中央面部27に沿うように形成された中央受け部31を左右方向中央部分に有し、また中央受け部31の両側から縦枠11のアングル片11b及び室内突出片11に沿うように伸びる誘導部34を有して構成されている。図2、図3に示すように、中央受け部31は凹部28に略適合した形状を有しており、上面が略台形状をなすようにされている。誘導部34は、縦枠11のアングル片11b及び室内突出片11aに沿うことで略L字状をなすように形成されており、その上面は中央受け部31側から先端側に向かって下り傾斜状の排水路35とされている。誘導部34の先端部は、縦枠11の室内突出片11aの先端より先で折れ曲がって、各サッシの室外側を向くように形成されている。
【0027】
中央受け部31の上面32は、中央部から誘導部34側に向かって若干下る傾斜面として形成されており、結露水が誘導部34に流れやすいようにしている。また、中央受け部31の周囲部には、誘導部34に連続する部分を除く領域に壁部33が形成されて、上面32で受けた結露水を誘導部34のみに導くようにしている。誘導部34の排水路35にも、長手方向に沿って両側に壁部36が形成されている。
【0028】
このように、互いに角度をなして連結されたサッシの連結部分において、方立3の室内側に形成される凹部28に適合する略台形状の中央受け部31を備え、中央受け部31からはアングル片11b及び室内突出片11aに沿うように略L字状をなす誘導部34が両側から伸び、誘導部34の先端部は室内突出片11aの先端より先で室外側を向くように形成されていることで、方立3の室内面や縦枠11の室内露出面に生じる結露水を、室内突出片11aよりも室外側に排水することができる。
【0029】
図4には、排水誘導部品30の側面図を示している。この図は、排水誘導部品30を第1サッシ1側から見た側面図を表している。図4に示すように、誘導部34のうちアングル片11bに沿う部分は、排水路35が中央受け部31の上面32から下り傾斜状に形成されると共に、排水路35の長手方向端部35aで突き当たる壁部36の位置まで、斜面状となるように形成されている。また、誘導部34のうち室内突出片11aに沿う部分は、アングル片11bに沿う部分の排水路35からさらに下り傾斜状となるように形成されている。
【0030】
排水誘導部品30の誘導部34は、このように構成されているので、L字状に折れ曲がった角部において、踊場のような平坦な部分を有していない。したがって、結露水が排水路に滞留することがなく、確実に室外側に排水することができる。
【0031】
図5には、図3に示すA−A断面における排水誘導部品30の断面図を示している。この図に示すように、排水誘導部品30の略台形状に形成された中央受け部31における、誘導部34側の斜面部31bには、下部が凹むような段差部31cが形成されている。この段差部は、中央受け部31の上底面31aには、形成されていない。また、誘導部34には、室外面側に段差部が斜面部31bと同様に形成される。
【0032】
中央受け部31の段差部31cと誘導部34の段差部(図示しない)には、接着材が充填される。排水誘導部品30の中央受け部31のうち上底面31aには、段差部は形成されていないが、図2に示すように上底面31aと方立3の中央面部27の間には、若干の隙間があって、この隙間に接着剤を充填することができる。これらの接着により、排水誘導部品30と方立3及び縦枠11とを接着固定する。
【0033】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態の連窓サッシは、第1の実施形態の連窓サッシの構成と多くは共通しているため、共通点については説明を省略する。図6には、第2の実施形態における連窓サッシのうち方立3付近の拡大横断面図を示している。この図に示すように、本実施形態の連窓サッシは、第1サッシ1と第2サッシ2を135°の角度をなすように方立3により連結して構成されている。このため、方立3の形状が第1の実施形態とは異なっている。
【0034】
方立3は、第1の実施形態と同様、方立本体20と室内側部材21及び室内側カバー体26からなり、室内部24を構成する側部25を覆うように縦枠11のアングル片11bが室内側に伸びている。また、室内側カバー体26は側部25の室内端より室外寄りに設けられて凹部28を形成している。
【0035】
このような方立3によるサッシの連結部分に対し、下端部には排水誘導部品30が設けられる。排水誘導部品30は、方立3の形状に合わせて第1の実施形態における排水誘導部品30とは形状が異なるが、その構成は同様であり、中央受け部31と左右に伸びる誘導部34を有している。
【0036】
排水誘導部品30の中央受け部31は、方立3の室内部24に形成される凹部28に沿う略台形状に形成されている。本実施形態において凹部28は、第1の実施形態よりも深く形成されているため、台形の高さ方向の長さがより大きく形成されている。左右の誘導部34は、サッシの連結角度に合わせて互いに135°の角度をなして中央受け部31と一体化されている。また、誘導部34は縦枠11のアングル片11b及び室内突出片11aに沿う略L字状をなすように形成され、さらにその先端部は室内突出片11aの先端より先で室外側を向くように形成されている。
【0037】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態の連窓サッシも、第1の実施形態の連窓サッシの構成と多くは共通しているため、共通点については説明を省略する。図7には、第3の実施形態における連窓サッシのうち方立3付近の拡大横断面図を示している。この図に示すように、本実施形態の連窓サッシは、第1サッシ1と第2サッシ2を90°の角度をなすように方立3により連結して構成されている。一方、本実施形態のサッシは、縦枠11にアングル片を有していない。
【0038】
方立3は、室外側の方立本体20については第1の実施形態と同じ形状を有している。一方、方立本体20の室内側に設けられる室内側部材21の形状が第1の実施形態とは異なっている。方立3を方立本体20と室内側部材21の二部材により構成していることにより、縦枠11がアングル片を有している場合と有していない場合の両方について、方立本体20を共用化することができる。
【0039】
本実施形態では、縦枠11にアングル片が形成されていないため、室内側部材21により構成される側部25が、左右により張り出した形状を有している。また、中央面部27を構成する室内側カバー体26の形状も、より左右方向に大きく形成され、方立3の室内面に形成される凹部28は、第1の実施形態よりも浅く形成されている。
【0040】
方立3によるサッシの連結部分の下端部には、排水誘導部品30が設けられる。排水誘導部品30は、凹部28の形状に適合する略台形状の中央受け部31と、その左右から伸びる誘導部34からなり、誘導部34は方立3の室内部24を構成する側部25と縦枠11の室内突出片11aに沿う略L字状をなすように形成されている。また、誘導部34の先端部は室内突出片11aの先端より先で室外側を向くように形成されている。
【0041】
このように、縦枠11にアングル片が形成されていない場合には、それに応じた方立3の室内側部材21が用いられ、排水誘導部品30は方立3及び室内突出片11aに沿う形状を有するように形成される。
【0042】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。本実施形態の連窓サッシも、第1の実施形態の連窓サッシの構成と多くは共通しているため、共通点については説明を省略する。図8には、第4の実施形態における連窓サッシのうち方立3付近の拡大横断面図を示している。この図に示すように、本実施形態の連窓サッシは、第1サッシ1と第2サッシ2を135°の角度をなすように方立3により連結して構成され、また第3の実施形態と同様に縦枠11にアングル片を有していない。
【0043】
方立3は、方立本体20は第2の実施形態と同じ形状を有し、室内側部材21は第2の実施形態とは異なる形状を有している。方立3の室内面に形成される凹部28は、第3の実施形態よりは深く形成されている。
【0044】
方立3によるサッシの連結部分の下端部には、排水誘導部品30が設けられる。排水誘導部品30は、凹部28の形状に適合する略台形状の中央受け部31と、その左右から伸びる誘導部34からなり、誘導部34は方立3の室内部24を構成する側部25と縦枠11の室内突出片11aに沿う略L字状をなすように形成されている。また、誘導部34の先端部は室内突出片11aの先端より先で室外側を向くように形成されている。
【0045】
このように、縦枠11にアングル片を有しないサッシを135°の角度をなして連結する場合においても、方立3及び室内突出片11aに沿う形状を有した排水誘導部品30を設けて方立3の室内面に生じる結露水を室外側に排水することができる。
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の適用は本実施形態には限られず、その技術的思想の範囲内において様々に適用されうるものである。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】第1の実施形態における連窓サッシの横断面図である。
【図2】連窓サッシのうち方立付近の拡大横断面図である。
【図3】方立による連結部分における枠体及び方立の下端部付近の斜視図である。
【図4】排水誘導部品の側面図である。
【図5】図3に示すA−A断面における排水誘導部品の断面図である。
【図6】第2の実施形態における連窓サッシのうち方立付近の拡大横断面図である。
【図7】第3の実施形態における連窓サッシのうち方立付近の拡大横断面図である。
【図8】第4の実施形態における連窓サッシのうち方立付近の拡大横断面図である。
【符号の説明】
【0048】
1 第1サッシ
2 第2サッシ
3 方立
10 枠体
11 縦枠
11a 室内突出片
11b アングル片
12 内障子
13 外障子
14 気密材
20 方立本体
21 室内側部材
22 対向面部
23 室外面部
24 室内部
25 側部
26 室内側カバー体
27 中央面部
28 凹部
30 排水誘導部品
31 中央受け部
32 上面
33 壁部
34 誘導部
35 排水路
36 壁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに角度をなして横方向に隣接するサッシを、方立を介して連結した連窓サッシにおいて、
前記サッシを構成し前記方立により連結される縦枠は、内周面室内側に見付方向内側に向かって突出する室内突出片と、該室内突出片の根元部から室内側に向かって伸びるアングル片とを備え、
前記方立は連結される前記縦枠と対向する2つの対向面部と、各対向面部を角度をなして連結し室内側に面する室内部とを有し、該室内部は両側に各対向面部と平行な側部を有すると共に、該側部間に設けられ各側部と角度をなす中央面部を有し、
前記方立の室内側には下端部に排水誘導部品が設けられ、該排水誘導部品は前記中央面部に沿い上面で結露水を受ける中央受け部と、該中央受け部の両側から前記縦枠のアングル片及び室内突出片に沿って伸びて略L字状をなす誘導部とを有し、該誘導部は前記中央受け部で受けた結露水を前記室内突出片の室外側に導く傾斜面状の排水路を上面に有すると共に、先端部が室外側を向いてなることを特徴とする連窓サッシ。
【請求項2】
互いに角度をなして横方向に隣接するサッシを、方立を介して連結した連窓サッシにおいて、
前記サッシを構成し前記方立により連結される縦枠は、内周面室内側に見付方向内側に向かって突出する室内突出片を備え、
前記方立は連結される前記縦枠と対向する2つの対向面部と、各対向面部を角度をなして連結し室内側に面する室内部とを有し、該室内部は両側に各対向面部と平行な側部を有すると共に、該側部間に設けられ各側部と角度をなす中央面部を有し、
前記方立の室内側には下端部に排水誘導部品が設けられ、該排水誘導部品は前記中央面部に沿い上面で結露水を受ける中央受け部と、該中央受け部の両側から前記方立の側部及び前記縦枠の室内突出片に沿って伸びて略L字状をなす誘導部とを有し、該誘導部は前記中央受け部で受けた結露水を前記室内突出片の室外側に導く傾斜面状の排水路を上面に有すると共に、先端部が室外側を向いてなることを特徴とする連窓サッシ。
【請求項3】
前記中央面部は前記側部の室内端よりも室外寄りに設けられて前記側部との間で凹部を形成し、前記中央受け部は前記凹部に沿う形状となる略台形状の上面を有してなることを特徴とする請求項1または2記載の連窓サッシ。
【請求項4】
前記中央受け部の室外面には下部が凹んだ段差部が形成され、前記誘導部の室外面にも段差部が形成されることを特徴とする請求項3記載の連窓サッシ。
【請求項5】
前記誘導部は両側部に壁部を有し、前記誘導部のうち前記縦枠のアングル片または方立の側部に沿って伸びる部分の排水路は、前記中央受け部の上面から下り傾斜状に形成されると共に、該排水路の長手方向端部で突き当たる前記壁部の位置まで斜面状に形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の連窓サッシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−106506(P2010−106506A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−278663(P2008−278663)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【出願人】(000191065)新日軽株式会社 (545)
【Fターム(参考)】