説明

連結ブロック

【課題】連結ブロックの裏面に設ける係合部を弾性のある板状片で4角に囲んで壁状に形成することにより、どの連結ブロックを用いても係合する事ができる連結ブロックを提供する。
【解決手段】玩具や収納箱体としての機能を有する相互に係合可能な連結ブロックにおいて、複数の連結構造の異なる連結ブロックと係合可能となるように、連結ブロックの裏面に配置される係合部として、複数の板状突片を別の連結ブロックの表面に設けられる円筒形突起の幅よりやや小さい幅で略4角形の連続壁のように隣り合わせて立設して形成し、略4角形の連続壁の各4辺の板状突片の端部を互いに接合しないように四隅に間隙を設けるとともに、板状突片で囲んだ4角形が連結ブロック本体の辺と45度変位した位置に複数配置されている構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、様々な形状に連結または積層させてコンパクトな収納または各種の造形が楽しめる構築型の連結ブロックに関し、特に結合形態または構造の異なる他の複数の連結ブロックも係合することができるフレキシブルな構造を持った連結ブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から連結ブロックまたはブロック体を用いた玩具は広く一般に知られている。特に、レゴ社のレゴ(登録商標)ブロックやダイヤブロック(登録商標)が一般に良く知られているブロック玩具であり、組み合わせることにより様々な形状を作り出すことができるため、子供の発育上、想像力や思考力を高める玩具として宣伝され具体的な成果も認められ,重宝されてきた。
【0003】
各社の連結ブロックは、それぞれのブロックの連結形状が若干異なって形成されている。例えば、レゴ(登録商標)ブロックとダイヤブロック(登録商標)とを相互に組み合わせることはできなかった。それぞれのブロックは、表面上部に円形の突起が複数個配置されており、下部には表面上部に配置される突起とうまく係合するような、凹状が設けられている形状となっている。各社が製造するブロックの表面に形成されている突起は、メーカー毎に形状が若干異なり、異なる会社製のブロック同士を組み合わせることは不可能であった。ブロックの接合の形態には様々なシステムや形状があって、各種のブロックが販売されているが、それぞれブロックの係合部分が異なるために、一種類のブロックだけを用いて組み立てなければならず、特定のブロックを購入すると、その他のブロックを連結できないので商品購買の選択肢が限られるとことになるという問題があった。
そこで、複数の会社の製品または、どのブロック玩具とも係合することができるような連結ブロックの開発が待たれていた。
【特許文献1】特表2002−534240号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の問題を解決するために本発明の連結ブロックは、連結ブロックの裏面に設ける係合部を弾性のある板状片で4角に囲んで壁状に形成することにより、どの連結ブロックを用いても係合する事ができる連結ブロックを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために本発明に係る連結ブロックは、玩具や収納箱体としての機能を有する相互に係合可能な連結ブロックにおいて、複数の連結構造の異なる連結ブロックと係合可能となるように、連結ブロックの裏面に配置される係合部として、複数の板状突片を別の連結ブロックの表面に設けられる円筒形突起の幅よりやや小さい幅で略4角形の連続壁のように隣り合わせて立設して形成し、略4角形の連続壁の各4辺の板状突片の端部を互いに接合しないように四隅に間隙を設けるとともに、該板状突片で囲んだ4角形が連結ブロック本体の辺と45度変位した位置に複数配置されている構成である。
【0006】
また、玩具や収納箱体としての機能を有する相互に係合可能な連結ブロックであって、表面と裏面に設けられる係合部分が連結構造の異なる複数の連結ブロックと係合可能となるように、連結ブロックの裏面に配置される複数の係合部が、板状突片を4角形に立設して形成し、各4辺の板状突片の端部が互いに接合しないように四隅に間隙を設けるとともに、係合部の板状突片が連結ブロック本体の辺と45度変位した位置に配置され、各係合部が係合部の中心から略16mmの間隔で一列に、かつ市松模様を構成するように係合部の中心から横方向に略8mmであって縦方向にも略8mm移動した位置に別の列を構成するように係合部を複数配置した構成である。
【0007】
また、ブロック表面に設けられる係合用の突起は、直径略5.07mmで高さ略1.7mmの円筒状突起であり、他の連結ブロックの裏面の係合部と係合できるように、円筒状突起の間隔を中心から縦横方向に略16mmの間隔で一列に設けられ、市松模様に配置されるように、横方向に略8mm縦方向にも略8mm移動した位置にも一列に配置した構成でもある。
更に、裏面に設けられる係合部の板状突片は、その外表面に1または複数の半円柱凸状からなる嵌合足部を突片の立設する鉛直方向に凸設している構成でもある。
【発明の効果】
【0008】
本発明の連結ブロックは上記詳述したような構成であるので以下のような効果を奏する、
1.連結ブロックの裏面に形成された係合部が凹部ではなく弾性力を持つ板状突片を隣接して立設した構成であるので、各種の形状の突起を持つ別の連結ブロックの突起でも確実に挟持して保持することが可能となった。
2.連結ブロックの裏面に形成された係合部が弾性力を持つ板状突片を4角に壁状に突設した構成であるので、どのような突起を持つ連結ブロックでも確実に保持することが可能となった。
3.連結ブロック表面に形成される突起の形状及び配列により、どの連結ブロックの裏面にも確実に係合させることが可能となる。
4.板状突片には半円柱状(かまぼこ型)の凸条が設けられているので、多少規格の異なる突部でも嵌合が容易となるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に本発明に係る連結ブロックを図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。図1は本発明の連結ブロックの横断面図であり、図2は連結ブロックの裏面となる底面図である。図3は連結ブロックの上面を示す平面図であり、図4は係合部と係合部が係合する状態を示した平面図である。図5は板状突片に半円柱状が突設された状態を示す平面図である。
本発明の連結ブロック10は、玩具や収納箱体としての機能を有する相互に係合可能な連結ブロックであり、連結ブロック本体20と、係合部30と、突起40とからなる。連結ブロックは、表面に設けられた突起を、他のブロックの裏面に立設された複数の係合部に嵌合して連結する構成である。
【0010】
連結ブロック本体20は、この実施例では直方体の箱型形状に形成されており、裏面には係合部30が形成されている。また、上面には係合部に挟持される突起40が形成されている。直方体の箱型は、物品を収納する容器として利することができる。また、小型の箱体は磁気ディスクの収納箱体とする事も可能である。この発明では、構造やピッチ(間隔)の異なる他の複数の連結ブロックと係合可能となるように工夫がされている。
【0011】
本発明にかかる連結ブロックの係合部は、連結ブロックの裏面に配置される係合部を複数の板状突片で形成しており、隣接する板状突片との間に別の連結ブロックの表面に設けられる円筒形等の突起を挟持するように、ブロック表面の係止用の突起の幅よりやや小さい幅で隣接する略4角形の連続壁を構成する板状突片と隣り合わせて立設して形成している。
【0012】
係合部30は、連結ブロックの裏面に複数個配置されるもので、複数の板状突片32を4角の壁状に立設して端部を互いに接しないように配置して四角形に形成している。板状突片32の材質としては、可撓性があることが望ましいが、材質を特に限定するものではない。この種ブロックの素材として利用されている樹脂であれば問題はない。
図2で示すように、連結ブロック本体20の辺20aと板状突片32とは45度変位した位置に配置されている。板状突片32は、薄板状の部材で、端面が切り落とされて平面台形に形成されている。端面は切り落とされている必要はない。板状突片32の端部は、隣接する板状突片32の端部と接合しないように配置されている。
【0013】
4枚の板状突片32が4面を取り囲む形で4角の壁状を形成している。4枚の板状突片32で取り囲まれた4角形は、各板状突片32の端部が接合していないので、4隅にそれぞれ間隙が設けられた状態で開放されている。これにより、板状突片は隣接する板状突片と接合している状態より自由に撓むことが可能となり、ブロックのどのような規格の突起でも嵌合または嵌入挟持を可能にすることが可能となる。
また、係合する別の連結ブロックの係合突起は、この4角の壁状の中に嵌合するのではなく、隣接する4角の壁状の一辺との間に挟持される。
【0014】
4角の壁状を形成した係合部30と隣接する4角の壁状を形成した係合部との間には等間隔のスペースが空けられており、そのピッチは4角の壁状を形成した係合部の4角の中心から縦方向または横方向に略16mmの間隔に一列に設定されている。さらに略市松模様となるように、4角の壁状を形成した係合部の中心から横方向に略8mm移動し、さらに縦方向にも略8mm移動させた位置に、別の列として複数の係合部を同間隔で配置した構成である。
この構造とすることにより、販売されているどの連結ブロックでも、いずれかの係合部に嵌合し、係合させることが可能となる。
【0015】
突起40は、4角の壁状を形成した係合部の一辺と隣接する4角の壁状を形成した係合部の一辺との間に挟持される突起であり、連結ブロック本体20の表面上部に形成される。この実施例の係合は、図4に示すような係合状態となる。この実施例では、直径略5.07mmで高さ略1.7mmの円筒状突起が形成されている。ブロックのメーカーによって、多少の差があるので、表面突起の円筒の半径及び高さはこれに限定されない。
図2で示すように、他の連結ブロックの裏面と係合できるように、円筒形の突起同士の間隔が円筒状突起で形成した係合部の中心から縦方向に略16mmで横方向にも略16mmの間隔で設けられ、係合部の設けられていない間隙に略市松模様のように配置されるように、4角の壁状に形成された係合部の中心から略8mm横方向にずらした位置からさらに縦方向に略8mm移動した位置に同大同形状の係合部を一列に配置した構造である。この構造の突起40であればいずれの連結ブロックにも係合できることが可能である。また、突起を市松模様に配置したことにより一般に販売されているどの連結ブロックも係合させることができ、別の形状の連結ブロックと、別の形状の連結ブロック同士をつなぎ合わせることが可能となる。
【0016】
4角の壁状の係合部を構成する板状突片の外表面には、図5で示すように細いかまぼこ状の凸条の嵌合足部36が1または複数本設けられている。嵌合足部36は、半円柱凸状で突起40を係合部にからなる嵌合足部は突片の立設する鉛直方向に突設されていて、係合を堅固なものとして確保する構成である。
【0017】
図4は、本件発明の連結ブロックを係合させた状態を示す平面図である。図面に示すように、表面上部に形成される突起40は、他の連結ブロックの裏面に形成されている係合部の板状突片32dと板状突片32fの間に嵌合挟持される構成となっている。
【0018】
係合部30は、4枚の板状突片32a〜32dからなるが、それぞれの板状突片は端部の四隅が接合していないため、若干弾力性を持つ。そのため、係合部30と係合部30との間よりも若干大きい突起40が入ることにより、板状突片32dと隣接する係合部の板状突片32fとが両脇に押されて確固に嵌合させることが可能となっている。また、この実施例の板状突片32は、図面で示すように断面テーパー状に形成しているため、どの大きさおよび高さの突起40も嵌合させることが可能となっている。
【0019】
また、この実施例の連結ブロック本体20は、連結ブロック本体20同士が多少の誤差があっても確実に嵌合し、連結ブロックの間に間隙が生じないように、表面上部の周縁を若干凹ませており、逆に裏面の周縁を凸とし、連結ブロック本体同士が確実に嵌合密着する構造としている。
【0020】
本発明の連結ブロックにより、従来では組み合わせられなかった連結ブロックも、本発明の連結ブロックを介して組み合わせることが可能である。さらに、連結ブロックの形状を大きくして、内部を箱体とすることにより、組み合わせて連なる箱体を提供することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の連結ブロックの側面図である。図3はであり、図4は
【図2】連結ブロックの裏面を示す下部平面図
【図3】連結ブロックの上面を示す平面図
【図4】突起と係合部を係合させた状態の平断面図
【図5】板状突片に半円柱状が突設された状態の平面図
【符号の説明】
【0022】
10 連結ブロック
20 連結ブロック本体
20a ブロック体側面
30 係合部
32 板状突片
36 嵌合足部
40 突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
玩具や収納箱体としての機能を有する相互に係合可能な連結ブロックにおいて、複数の連結構造の異なる連結ブロックと係合可能となるように、連結ブロックの裏面に配置される係合部として、複数の板状突片を別の連結ブロックの表面に設けられる円筒形突起の幅よりやや小さい幅で略4角形の連続壁のように隣り合わせて立設して形成し、略4角形の連続壁の各4辺の板状突片の端部を互いに接合しないように四隅に間隙を設けるとともに、該板状突片で囲んだ4角形が連結ブロック本体の辺と45度変位した位置に複数配置されていることを特徴とする連結ブロック
【請求項2】
玩具や収納箱体としての機能を有する相互に係合可能な連結ブロックにおいて、表面と裏面に設けられる係合部分が連結構造の異なる複数の連結ブロックと係合可能となるように、連結ブロックの裏面に配置される複数の係合部が、板状突片を壁状に4角形に立設して形成し、各4辺の板状突片の端部が互いに接合しないように四隅に間隙を設けるとともに、係合部の板状突片が連結ブロック本体の辺と45度変位した位置に配置され、各係合部が係合部の中心から略16mmの間隔で一列に、かつ市松模様を構成するように係合部の中心から横方向に略8mmであって縦方向にも略8mm移動した位置に別の列を構成するように係合部を複数配置したことを特徴とする連結ブロック
【請求項3】
前記表面に設けられる係合突起は、直径略5.07mmで高さ略1.7mmの円筒状突起であり、他の連結ブロックの裏面の係合部と係合できるように、円筒状突起の間隔を中心から縦横方向に略16mmの間隔で一列に設けられ、市松模様に配置されるように、横方向に略8mm縦方向にも略8mm移動した位置にも一列に配置したことを特徴とする前記請求項1記載の連結ブロック
【請求項4】
前記裏面に設けられる係合用の突起は、板状突片の外表面に1または複数の半円柱凸状からなる嵌合足部を突片の立設する鉛直方向に突設していることを特徴とする前記請求項1記載の連結ブロック

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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